JP2007203244A - 破砕攪拌方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 試料の破砕や攪拌を電池電源でも動作可能とする破砕攪拌方法を提供する。
【解決手段】 着磁した処理媒体Bと被処理物Cを収容した円筒容器Aの外周回りで直径方向に着磁した永久磁石12を自転させながら公転させると共に、円筒軸方向に往復移動させる。処理媒体Bは円筒容器A内で自転運動しながら公転運動して被処理物Cを摩砕あるいは攪拌する。更に、処理媒体Bが上下に往復運動することにより、被処理物Cは満遍なく攪拌され、被処理物Cを圧砕することができるので、摩砕と圧砕により被処理物Cの破砕が効果的になされる。
【選択図】 図3
【解決手段】 着磁した処理媒体Bと被処理物Cを収容した円筒容器Aの外周回りで直径方向に着磁した永久磁石12を自転させながら公転させると共に、円筒軸方向に往復移動させる。処理媒体Bは円筒容器A内で自転運動しながら公転運動して被処理物Cを摩砕あるいは攪拌する。更に、処理媒体Bが上下に往復運動することにより、被処理物Cは満遍なく攪拌され、被処理物Cを圧砕することができるので、摩砕と圧砕により被処理物Cの破砕が効果的になされる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、検査あるいは分析するための試料を破砕あるいは攪拌するための破砕攪拌方法に関し、特に、生体試料の細胞破砕や乳化、均質化などの破砕攪拌処理を商用電力の供給が得られない場所でも実施することを可能にした破砕攪拌方法に関するものである。
例えば、生体試料をDNA分析等に供するためには、動物や植物などの細胞を破砕する前処理が必要となる。その破砕方法として、超音波による破砕、圧力による破砕、ビーズなどの破砕媒体を用いた振動破砕などを行う破砕装置が用いられている。また、試料の分析作業においては、試料を乳化あるいは均質化するために攪拌する前処理が必要であり、容器内に投入した攪拌子を磁気回転させるマグネチックスターラや容器に挿入したペッスルをモータにより回転させるホモジナイザなどの攪拌装置が用いられている。
前記破砕装置は商用電力を電源として駆動するものなので、商用電力が得られない屋外や恒温槽内などで破砕処理を行うことができない。また、破砕装置は比較的大型の装置であるため、被破砕物を破砕装置が設置された場所に持ち込んで破砕処理する必要があり、分析等を行う場所とその前処理を行う場所と間で移動が伴う非効率な作業となる。また、試料の採取現場で細胞破砕の必要が生じても、それを実施することは困難である。手動あるいは電池電源による駆動により破砕処理が実施できる破砕装置が要求される。
被破砕物を手動により破砕処理することを可能にする従来技術として、被破砕物を凍結処理して破砕容器内に投入し、それに破砕錘を投入した破砕容器を手動により振動させ、破砕錘により凍結した被破砕物を破砕する凍結試料破砕用容器が知られている(特許文献1参照)。
また、被破砕物を収容した円筒容器にモータにより回転駆動されるペッスルを挿入して被破砕物を攪拌しながら破砕する破砕方法が知られている(特許文献2参照)。この破砕方法ではモータを電池電源で駆動することができる。
また、試料の攪拌に用いるマグネチックスターラは、一般的には棒状の永久磁石を水平面内で回転させ、回転する永久磁石の上方に攪拌容器を置き、攪拌容器内に投入した攪拌子を永久磁石からの磁力により回転させている。従って、攪拌容器はビーカのような平底の容器を用いる必要があり、1つのマグネチックスターラで1つの容器に対する攪拌しかできず、攪拌能力も低く、試験管上の円筒容器に対する攪拌処理ができない課題がある。この課題を解決すべく、複数の円筒形容器に対して同時に攪拌処理できるようにしたマグネチックスターラが知られている(特許文献3参照)。
実用新案登録3086539号公報
特開2000−333669号公報
特開2000−042393号公報
しかしながら、上記従来技術における凍結試料破砕用容器は、被破砕物に加える圧縮力が小さいため、被破砕物が破砕されやすい凍結状態にすることを前提としているため、液体窒素による凍結処理のための設備が必要であり、手動で破砕処理できるものの屋外で使用することは困難である。また、破砕処理するために大きな労力を要する課題がある。
また、上記従来技術におけるペッスルを用いた破砕方法は、試料の乳化や均質化を行うための攪拌用途には好適であるが、破砕能力が小さいため、繊維質の試料や硬い試料に対して細胞破砕などを行う際にはビーズなどの破砕媒体を併用する必要がある。また、コンタミネーションを避けるために、1つの円筒容器に処理を実施する毎にペッスルを取り替える必要があり、モータの回転駆動軸からペッスルを着脱する作業が面倒で、作業性に欠ける課題があった。
また、上記従来技術におけるマグネチックスターラは、円筒容器に収容した液状試料を攪拌処理するのには好適なものといえるが、破砕処理に適用することはできない。即ち、マグネチックスターラでは、攪拌子は容器内の一定高さ位置で回転するだけなので、破砕処理する際に必要な摩砕効果は得られるものの破砕処理上で重要な圧砕の効果を期待することはできない。
本発明が目的とするところは、大きな駆動電力が得られない屋外においても有効な破砕能力が発揮できるようにした破砕攪拌方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本願第1発明に係る破砕攪拌方法は、永久磁石を円筒容器の外周回りで回転させる動作及び永久磁石と円筒容器の円筒軸方向との相対位置を変化させる動作により、円筒容器中に収容した着磁体を回転運動及び上下運動させて円筒容器中に収容した被処理物を破砕又は攪拌することを特徴とする。
上記破砕攪拌方法によれば、永久磁石を円筒容器の外周回りで回転させる動作により円筒容器内に収容された着磁体は永久磁石の回転に追従して回転するので、円筒容器内に収容された被処理物は摩砕あるいは攪拌される。更に、永久磁石と円筒容器の円筒軸方向との相対位置を変化させることにより、着磁体は円筒容器内で円筒軸方向に移動するので、被処理物は満遍なく攪拌され、着磁体が円筒容器の内底面に衝突する圧縮力により被処理物は圧砕される。
また、本願第2発明に係る破砕攪拌方法は、永久磁石を磁極反転させながら円筒容器の外周回りで回転させることにより、円筒容器中に収容した着磁体を自転運動及び公転運動させて円筒容器中に収容した被処理物を破砕又は攪拌することを特徴とする。
上記破砕攪拌方法によれば、着磁体を円筒容器内で自転運動させながら公転運動させることができるので、着磁体の多様な動きにより円筒容器内に収容された被処理物は満遍なく攪拌され、着磁体と円筒容器の内周面との間で被処理物は効果的に摩砕される。
また、本願第3発明に係る破砕攪拌方法は、永久磁石を磁極反転させながら円筒容器の外周回りで回転させると共に永久磁石と円筒容器との相対高さ位置を変化させることにより、円筒容器中に収容した着磁体を自転運動、公転運動及び円筒軸方向に往復運動させて円筒容器中に収容した被処理物を破砕又は攪拌することを特徴とする。
上記破砕攪拌方法によれば、着磁体を円筒容器内で自転運動させながら公転運動させると共に円筒軸方向に往復運動させることができるので、着磁体の多様な動きにより円筒容器内に収容された被処理物は満遍なく攪拌され、着磁体と円筒容器の内周面との間で被処理物は効果的に摩砕され、着磁体の往復運動により被処理物は圧砕される。
また、本願第4発明に係る破砕攪拌方法は、円筒容器の外周回りに配した複数の永久磁石と円筒容器との間で回転する磁気遮蔽体により複数の永久磁石からの磁気を個別に遮蔽又は透過させることにより、円筒容器中に収容した着磁体を自転運動及び公転運動させて円筒容器中に収容した被処理物を破砕又は攪拌することを特徴とする。
上記破砕攪拌方法によれば、円筒容器の外周回りに配した複数の永久磁石のうち任意数の永久磁石からの磁界を磁気遮蔽体により遮断すると、着磁体は磁気透過のある位置に移動し、磁気透過した位置では磁気吸着や磁気反発が生じ、着磁体には自転運動や公転運動あるいは直線移動などが繰り返され、被処理物は着磁体により攪拌あるいは摩砕される。
また、本願第5発明に係る破砕攪拌方法は、円筒容器の外周回りに配した複数の永久磁石と円筒容器との間で回転する磁気遮蔽体により複数の永久磁石からの磁気を個別に遮蔽又は透過させると共に円筒容器の高さ方向に対する磁気透過位置を変化させることにより、円筒容器中に収容した着磁体を自転運動及び公転運動及び円筒軸方向に往復運動させて円筒容器中に収容した被処理物を破砕又は攪拌することを特徴とする。
上記破砕攪拌方法によれば、磁気遮蔽体により複数の永久磁石の磁気を遮蔽あるいは透過させると、着磁体は磁気透過された位置に移動するので、回転方向に順に磁気透過させれば着磁体は回転移動し、円筒容器の高さ方向に磁気透過させると着磁体は上下移動する。従って、複数の永久磁石の磁気透過と磁気遮蔽とを変化させると着磁体を三次元方向に移動させることができ、着磁体の三次元方向の運動により被処理物は攪拌あるいは摩砕、圧砕される。
上記各構成において、永久磁石を上昇移動させた上限位置で磁気遮断することにより、着磁体を上限位置から円筒容器の内底面に向けて落下させることができ、落下した着磁体により被処理物を圧砕することができる。更に、永久磁石を上昇移動させた上限位置で磁気遮断すると同時に下方に吸引磁界を作用させ、落下する着磁体を円筒容器の内底面に吸引することにより圧砕の効果を向上させることができる。
また、着磁体は円筒容器の内径より小さい直径の円柱形で、その下端形状が円筒容器の内底面形状に対応する形状に形成するのが好適で、円筒容器内での回転や移動あるいは落下による攪拌、摩砕、圧砕の効果を向上させることができる。
また、着磁体はその表面を樹脂又はセラミックで被覆するのが好適で、金属成分が被処理物に混入することが防止できるばかりでなく、被処理物や緩衝液等に対する耐性を向上させることができる。
また、着磁体を蓄冷構造に形成することにより、予め低温蓄冷した着磁体により、摩擦熱などにより被処理物が温度上昇することが抑制され、温度上昇により変質が生じやすい被処理物の処理に好適である。
また、円筒容器の開口部を閉じる蓋体の外部に永久磁石を載置し、上方に移動させた着磁体を蓋体の内側に磁気吸着し、蓋体の円筒容器からの取り外しと共に着磁体を円筒容器外に取り出すようにすると、処理後には邪魔な存在になる着磁体に手や器具を触れることなく取り出すことが可能になる。
本発明によれば、被処理物を収容した円筒容器内で着磁体を回転させるだけでなく、上下運動など複雑に運動させることができるので、被処理物は着磁体により効果的に攪拌され破砕される。被処理物を攪拌するときには、着磁体の回転や上下動により満遍なく攪拌することができる。また、被処理物を破砕するときには、着磁体の回転による摩砕に加えて着磁体が円筒容器の底面に衝突する圧砕の作用がなされるので、硬い被処理物であっても破砕効果を高めることができる。更に、電池電源による駆動や手動による駆動も可能なので、被処理物の採取現場や商用電力が得られない場所でも使用可能な破砕攪拌装置が得られる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。尚、本実施形態は本発明を具体化した一例であって本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図1は、本発明に係る破砕攪拌方法を具現化した第1の実施形態に係る破砕攪拌装置1の構成を示すもので、本発明の基本的構成となるものである。モータ7を駆動源として、回転駆動機構8により処理媒体(着磁体)Bを収容した有底円筒形の円筒容器Aの外周回りで永久磁石6を回転駆動させると共に、上下駆動機構9により円筒容器Aの円筒軸方向に永久磁石6を上下移動させる。この永久磁石6の回転及び上下移動により、強磁性体を円柱状に形成して着磁させた処理媒体Bは円筒容器A内で回転運動及び上下運動するので、円筒容器Aに収容した被処理物Cは破砕又は攪拌される。
図1は、本発明に係る破砕攪拌方法を具現化した第1の実施形態に係る破砕攪拌装置1の構成を示すもので、本発明の基本的構成となるものである。モータ7を駆動源として、回転駆動機構8により処理媒体(着磁体)Bを収容した有底円筒形の円筒容器Aの外周回りで永久磁石6を回転駆動させると共に、上下駆動機構9により円筒容器Aの円筒軸方向に永久磁石6を上下移動させる。この永久磁石6の回転及び上下移動により、強磁性体を円柱状に形成して着磁させた処理媒体Bは円筒容器A内で回転運動及び上下運動するので、円筒容器Aに収容した被処理物Cは破砕又は攪拌される。
被処理物Cを破砕処理するときには、処理媒体Bの回転運動により被処理物Cは処理媒体Bと円筒容器Aとの間で摩砕され、処理媒体Bが上下運動して円筒容器Aの底部に衝突することにより被処理物Cは圧砕される。処理媒体Bの上下運動は植物の葉などの長い被処理物Cであっても、それに満遍なく摩砕作用を加えることができ、上方に移動させた処理媒体Bを急激に下方に移動させることにより処理媒体Bが円筒容器Aの底部に衝突することによる圧砕の効果が向上する。
また、被処理物Cを攪拌処理するときには、処理媒体Bが円筒容器Aの中で回転運動及び上下運動することにより、円筒容器Aに収容した被処理物Cは満遍なく攪拌され、乳化や均質化などを効率よく行うことができる。攪拌を主目的とするときには、処理媒体Bは後述する突起を設けた形態にすることにより、攪拌効果を向上させることができる。
上記構成において、回転駆動機構8は、モータ7の回転速度を破砕又は攪拌に適した回転速度に減速する減速装置を備え、永久磁石6を回転駆動する。また、上下駆動機構9は、クランク機構やカム機構等によって回転する永久磁石6を上下に往復移動させる。
永久磁石6を上下移動させたとき、処理媒体Bは永久磁石6に追従して上下に移動するだけなので、処理媒体Bが円筒容器Aの内底面に衝突して被処理物Cを圧砕する作用は小さい。そこで、図2に示すように、永久磁石6の上昇上限位置にリング状に磁気遮蔽体11を配し、上昇移動した永久磁石6が処理媒体Bに及ぼす磁力を遮断する構成とするのが有効な手段となる。永久磁石6に吸引されて上昇した処理媒体Bに対し、上昇上限位置で磁気遮蔽体11により吸引力が遮断されると、処理媒体Bは自重で落下し、円筒容器Aの内底面に衝突し、そこに在る被処理物Cを圧縮するので、被処理物Cは圧砕される。
更に、処理媒体Bによる圧砕効果を増加させるために、図2に示すように、処理媒体Bの上昇上限位置への到達に同期して円筒容器Aの底部側に設けた吸引磁石14上に配した吸引磁気遮蔽体13を吸引磁石14上から外れるように移動させる構成が有効となる。落下する処理媒体Bには吸引磁石14の吸引力が作用するので、処理媒体Bの落下加速度が増加して円筒容器Aの内底面に在る被処理物Cに激しく衝突して圧砕する。
上記構成では回転駆動される永久磁石6を昇降駆動しているが、永久磁石6は一定高さ位置で回転させ、円筒容器Aを上下移動させるようにしても同様の作用効果が得られる。この場合には、円筒容器Aを収容する筒体を上下駆動機構9によって昇降動作させる。
また、上記構成では処理媒体Bはほぼ一定位置で回転するので、処理媒体Bは円筒容器Aの内径よりやや小さい直径に形成したものが望ましく、円筒容器Aの底部に在る被処理物Cを広範囲に摩砕することができる。
また、永久磁石6は必ずしもN極、S極を対向配置した磁石ブロックに構成する必要はなく、N極、S極のいずれか一方を円筒容器A側に向けた1個の永久磁石6を回転駆動することもできる。この場合には、円筒容器Aの内径の略1/2の直径に形成した処理媒体Bを使用するのが望ましく、円筒容器Aの内周面に沿って公転するような回転状態となるので、乳鉢内で乳棒を円を描くように回転させて破砕処理するのに似た状態が得られる。
上記構成においては、処理媒体Bは永久磁石6の回転に追従して回転運動及び上下運動するだけなので、液状の試料を攪拌する使途には好適であっても、硬い試料を破砕するような大きな破砕作用を得ることは期待できない。より大きな破砕効果を得るためには、処理媒体Bの挙動変化を大きくする必要がある。この処理媒体Bの挙動変化を大きくした実施形態について次に説明する。
図3及び図4は、第2の実施形態に係る破砕攪拌装置2の構成を示すものである。円柱状に形成された永久磁石12は、その直径方向にN極、S極が存在するように着磁されており、図4に示すように、永久磁石12はN極、S極が反転するように回転する自転運動させながら所定半径の円周上を回転する公転運動がなされるように回転駆動される。
図4において、永久磁石12を自転運動させると、円筒容器A側に向くN極、S極の位置が反転する。永久磁石12の自転運動により磁極が反転すると、着磁された処理媒体Bには磁気反発力と磁気吸引力とが作用して、ほぼ同一位置で回転する自転運動が生じる。永久磁石12を自転運動させながら円筒容器Aの外周回りで回転する公転運動させると、処理媒体Bは永久磁石12の公転運動に追従して自転運動しながら円筒容器Aに内周に沿って公転運動する。円筒容器Aの内径に対する処理媒体Bの直径を適正に設定することにより、円筒容器Aの底面に在る被処理物Cを満遍なく摩砕することができる。
永久磁石12を自転運動させながら公転運動させる構造は、周知の遊星歯車構造などを適用することができる。遊星歯車構造では、太陽歯車に噛合してその周囲を自転しながら公転する遊星歯車の回転軸に永久磁石12を取り付けることにより、永久磁石12を自転及び公転運動させることができる。本実施形態においては、永久磁石12は自転運動及び公転運動に加えて、円筒容器Aの円筒軸方向に上下運動させるために、図3に示すように、永久磁石12を自転運動及び公転運動させる自公転機構15を回転駆動機構16によって回転駆動し、回転駆動機構16を昇降駆動機構24によって円筒容器Aの高さ方向に上下に昇降移動させるように構成している。
図3において、自公転機構15は、永久磁石12の上下に固定したローラ12aを筐体20に設けられた容器収容筒21の外周面に当接させると共に、支持ローラ29,29(図4参照)を容器収容筒21の外周面に回転自在に当接させ、容器収容筒21の外周回りで回転すると共に上下移動する。永久磁石12の回転軸及び支持ローラ29の回転軸は回転支持体17に軸支されている。この自公転機構15はその回転支持体17の上面及び下面をベアリング22を介して回転駆動機構16によって保持されている。回転駆動機構16は図示しないモータにより減速機構を介して回転駆動輪25を回転駆動し、回転駆動輪25により自公転機構15を回転駆動する。
前記回転駆動機構16を昇降駆動機構24によって上下に直線移動させることにより、自公転機構15が容器収容筒21に沿って昇降移動する。昇降駆動機構24は、モータ及び減速機構を内装した昇降駆動源26によって動作し、回転駆動機構16を昇降軸27に沿って上下に往復移動させる。昇降駆動機構24は、クランク構造やボールネジ構造などによって構成することができる。
上記構成において、容器収容筒21に処理媒体Bと被処理物Cとを収容した円筒容器Aを挿入して回転駆動機構16を起動させると、回転駆動輪25によって回転支持体17が回転駆動され、永久磁石12を容器収容筒21の外周回りに回転させる。永久磁石12は上下のローラ12aによって容器収容筒21に当接しているので、回転支持体17の回転により円筒容器Aの外周回りで自転しながら公転する運動が生じ、前述したように円筒容器A内に収容された処理媒体Bを自転運動及び公転運動させ、被処理物Cを摩砕又は攪拌する。被処理物Cは円筒容器Aの底部に在るので、処理媒体Bが円筒容器Aの底部側で重点的に自転運動及び公転運動するように自公転機構15は昇降移動の最下位置で主に回転駆動される。
昇降駆動機構24は所要のタイミングで起動して回転駆動機構16を昇降移動させる。昇降駆動機構24が起動すると、回転駆動機構16が上昇移動し、自公転機構15を容器収容筒21に沿って上降移動させる。昇降駆動機構14は回転駆動機構16を破線で示す上限位置に上昇させ、次いで下降動作に移行する。自公転機構15の昇降移動によって処理媒体Bも円筒容器A内で自公転しながら昇降移動するので、被処理物Cは上下にも攪拌され、処理媒体Bが圧縮する作用により被処理物Cは圧砕される。
被処理物Cを圧砕する効果を向上させるために、自公転機構15の上昇移動速度は遅く、下降移動速度は速くすることが望ましい。この昇降移動の速度変化は、昇降駆動機構24をクランク構造によって構成した場合には、周知の早や戻り機構を備えたクランク構造を適用するのが好適である。ボールネジ構造の場合では、回転駆動方向を切り換えると同時に回転速度を増加させることによって実現できる。
また、上昇させた処理媒体Bの落下速度を増加させるために、図3に示すように、容器収容筒21の上方の周面に上部磁気遮蔽体30を配設することが有効である。上方に移動した自公転機構15の永久磁石12からの磁界が上部磁気遮蔽体30により遮蔽されるため、永久磁石12による磁気吸引力を解かれた処理媒体Bは自重で落下し、円筒容器Aの内底面に衝突するので、被処理物Cを圧砕する効果が増加する。
更に、容器収容筒21の底面に対応する位置に吸引磁石28を配設し、吸引磁石28と容器収容筒21の底面との間に下部磁気遮蔽体31を出し入れする。下部磁気遮蔽体31の出し入れ操作は、回転駆動機構16の昇降移動に同期させ、自公転機構15が上部磁気遮蔽体30の配設位置に到達したタイミングで吸引磁石28上から下部磁気遮蔽体31を退避位置に移動させる。下部磁気遮蔽体31が吸引磁石28上から移動すると、吸引磁石28の磁気吸引力が落下してくる処理媒体Bに及ぶので、処理媒体Bの落下加速度が増加し、大きな圧縮圧力で被処理物Cに衝突するので、被処理物Cを圧砕する作用が増大する。
以上説明した構成においては、処理媒体Bの着磁方向は直径方向としているが、高さ方向に着磁することもできる。処理媒体Bを上下方向に着磁した場合、永久磁石12を自転させながら円筒容器Aの外周回りで公転させると、図5(a)に示すように、処理媒体Bは振れ運動しながら円筒容器A内で公転運動する。この振れ運動と公転運動とにより円筒容器Aの底部にある被処理物Cを摩砕することができる。
また、図5(b)に示すように、直径方向に着磁した一対の永久磁石32a,32bを上下に組み合わせた組永久磁石32を自転させながら円筒容器Aの外周回りで公転させると、処理媒体Bは図4に示した場合と同様に円筒容器A内で自転運動しながら公転運動する。この自転運動と公転運動とにより円筒容器Aの底部にある被処理物Cを摩砕することができる。
処理媒体Bを上下方向に着磁した場合、図5に示すように、円筒容器Aの底側に永久磁石34を配置すると、処理媒体Bの下側磁極に対する磁気吸引力又は磁気反発力を作用させることができる。磁気吸引力が作用するように永久磁石34の磁極方向を設定すると、前述した上昇位置に移動させた処理媒体Bを円筒容器Aの底に吸引して被処理物Cを圧砕する作用が得られる。逆に、磁気反発力が作用するように永久磁石34の磁極方向を設定すると、処理媒体Bを上昇移動させやすくなる。また、永久磁石34の磁極を反転させる動作を繰り返すことにより、処理媒体Bが上下動する杵つき運動させることができ、杵つき運動により被処理物Cを圧砕する効果を向上させることができる。この杵つき運動は、処理媒体Bに対して磁気反発する方向に磁極を配した永久磁石34の円筒容器Aの底部に対する距離を変化させることによっても得られる。
処理媒体Bを円筒容器A内で自転運動及び公転運動させる構成は、上記構成のように永久磁石12を自公転させる構造でなく、永久磁石12を固定した以下に示すような構造によっても可能である。
図6は、第3の実施形態に係る破砕攪拌装置における処理媒体Bの回転駆動方法を説明するもので、円筒容器Aの外周回りに複数(ここでは8個)の永久磁石33a〜33hを磁極方向が隣り合う間で逆になるように配置し、複数の永久磁石33a〜33hと円筒容器Aとの間で磁気透過窓35aを設けた回転磁気遮蔽体35を回転させる。
図示するように処理媒体Bは磁気透過窓35aを通して対向する永久磁石33aの磁極(図示状態ではN極)に吸引される磁極(S極)を向けて円筒容器Aの内周面に当接する。回転磁気遮蔽体35が回転して磁気透過窓35aが隣の永久磁石33bの位置に移動すると、永久磁石33bの円筒容器A側に向く磁極はS極なので、磁気反発により処理媒体Bは回転してN極の側で永久磁石33bに磁気吸着されて円筒容器Aの内周面に当接する。
回転磁気遮蔽体35が回転するのに伴って処理媒体Bは自転運動しながら円筒容器Aの内周面に沿って公転運動するので、円筒容器A内に収容された被処理物Cは攪拌あるいは摩砕される。回転磁気遮蔽体35に設ける磁気透過窓35aは1箇所でなく、複数箇所に設けることもできる。例えば、図示するように永久磁石33a〜33hを配置している場合には、回転磁気遮蔽体35の直径方向に対向する位置にも磁気透過窓35aを設けると、処理媒体Bには一方に磁気吸着、他方に磁気反発の作用が及ぶので、処理媒体Bが自公転する運動がより大きくなり、被処理物Cを攪拌あるいは摩砕する効果を向上させることができる。
この回転磁気遮蔽体35を用いて処理媒体Bを自転運動及び公転運動させる構造において、処理媒体Bを円筒容器A内で上下移動させるには、図7に示すように回転磁気遮蔽体35を円筒形に形成し、複数の永久磁石33を上下に昇降移動させることによって実現することができる。磁気透過窓35aは円筒容器Aの上方に対応する部位では開口していないので、永久磁石33が円筒容器Aの上方に移動したとき処理媒体Bに対する磁気吸着力は遮断されて処理媒体Bは落下し、被処理物Cを圧砕する作用が得られる。前述した構成と同様に、永久磁石33が上昇限度位置に到達するのに同期させて円筒容器Aの底部に対応する位置に配した吸引磁石28上の下部磁気遮蔽体31を退避位置に移動させると、落下する処理媒体Bに磁気吸引力が及んで落下加速度を増加させることができる。
図8は、第4の実施形態に係る破砕攪拌装置4の要部構成を示すもので、円筒容器Aの高さ寸法に対応する縦長形状に形成した複数の永久磁石33を円筒容器Aを囲む円周上に固定し、処理媒体Bの高さ寸法に対応する高さ寸法に開口する磁気透過窓35aを設けた回転磁気遮蔽体35を上下に昇降移動させるように構成している。
回転磁気遮蔽体35を回転させて処理媒体Bを円筒容器A内で自転運動及び公転運動させながら図示する位置から回転磁気遮蔽体35を上昇移動させると、磁気透過窓35aの位置が上昇するのに伴って処理媒体Bも円筒容器A内で上昇移動する。有底円筒形に形成した回転磁気遮蔽体35の内底部に吸引磁石28を設けておくと、処理媒体Bが所定の上昇位置に移動したとき円筒容器Aの底部に強い吸引磁界が印加される。処理媒体Bが所定の上昇位置に達したとき、磁気透過窓35aを磁気遮蔽する、回転磁気遮蔽体35を更に上昇移動させる、回転磁気遮蔽体35の回転速度を急上昇させる、などの手段により処理媒体Bの磁気吸引を振り切ると、処理媒体Bは落下すると共に吸引磁石28に吸引されて円筒容器Aの底側に衝突するので、被処理物Cを圧砕する効果が向上する。
回転磁気遮蔽体35に設ける磁気透過窓35aの形状や開口径、位置は任意に設定することができる。例えば、図9に示すように、複数の磁気透過窓35aを螺旋状に形成すると、回転磁気遮蔽体35を昇降移動させることなく回転させるだけで処理媒体Bを回転運動させながら上下に往復移動させることができる。
また、回転磁気遮蔽体35を上下に小さく往復振動させながら回転させると、処理媒体は自転運動及び公転運動に加えて上下振動が生じるので、被処理物Cを破砕する作用を向上させることができる。
以上説明した第1〜第4の各実施形態において、永久磁石12,33又は磁気遮蔽体35を昇降駆動しているが、円筒容器Aを上下に昇降移動させることによっても処理媒体Bを円筒容器意A内で上下移動させることができる。
また、円筒容器Aは縦方向に置くことを基本としているが、円筒容器Aの開口部を閉じる蓋体Dで円筒容器Aを液漏れしない状態に密閉できる構造であれば、円筒容器Aを横置きして破砕又は攪拌処理することも可能である。この場合には、処理媒体Bの長さを大きくする、周面に突起を設けるなどの構成によって横置きにおける摩砕及び攪拌の作用の低下を抑制することができる。
以上説明した各構成において、処理媒体Bは円柱形で下部を円筒容器Aの内底面形状に対応する形状としているが、この形状に限定されるものではなく、図10(a)に示すように、直径方向に複数の突出部37を設けた形状に構成することができる。この構成により被処理物Cの攪拌能力が向上するばかりでなく、繊維質の被処理物Cをせん断する作用が増し、摩砕効果を向上させることができる。また、処理媒体Bの着磁は、直径方向の両側に対極が存在するように着磁するだけでなく、図10(b)に示すように、複数の突出部37それぞれに着磁することもできる。前述したように着磁方向は直径方向に限定されるものではなく、上下方向に着磁することによって処理媒体Bの運動を変化させることができる。
また、金属によって形成している処理媒体Bは、破砕に伴って剥れた金属粉が破砕した被処理物Cの中に混入する憂いがある。金属物の混入が好ましくない場合には、処理媒体Bの表面をセラミックやフッ素樹脂などによって被覆することが好適であり、腐食性の緩衝液などを用いる場合の耐性を向上させることができる利点も得られる。
円筒容器Aは、遠心チューブやサンプルチューブ等と称される汎用チューブを適用することができるので、図11に示すように、処理媒体Bの下端形状は、円筒容器Aの内底面形状に対応するものを用いることにより、被処理物Cを摩砕あるいは圧砕する効果を向上させることができる。
また、攪拌処理を重点的に行うのであれば、図12に示すように、処理媒体Bは攪拌に適した形状に構成することができる。図12(a)に示す処理媒体B3は、着磁した強磁性体によって形成された本体部61の下方に複数の攪拌用突出部62を形成している。また、図12(b)に示す処理媒体B4は、樹脂成形により下方に複数の攪拌羽根64を突出させた上部に着磁した強磁性体によって形成した本体芯材63をインサートしている。攪拌羽根64は円筒容器Aの底部形状に応じて内側に折れ曲げる可撓性を与えることにより、円筒容器A内を上下移動して被処理物Cを満遍なく攪拌することができる。
また、図12(c)に示す処理媒体B5は、下方に複数のスリット66を形成した樹脂製の外筒65の中に、着磁した強磁性体によって形成された回転本体67を回転自在に配している。回転本体67の下方にはスリット66に対応する位置に複数の攪拌突起68が設けられているので、回転本体67が回転駆動されると、液状又は軟質の被処理物Cは攪拌突起68により攪拌分散されると同時にスリット66から外方に噴出して攪拌あるいは破砕される。
これらの処理媒体B3〜B5は、従来から広く用いられている棒状のペッスルを被処理物を収容した円筒容器内に挿入し、モータでペッスルを回転駆動して被処理物をホモジナイズするものに比して、円筒容器Aを密閉した状態でも処理媒体B3〜B5を回転させることができるので、被処理物Cが外部に飛散することがなく、被処理物Cが有害物質である場合などに好適な攪拌、破砕手段となる。
破砕処理を行うとき、円筒容器A内には摩擦による熱が発生する。被処理物Cが温度上昇によって変質が生じやすいものであるとき、円筒容器Aや処理媒体Bの発熱は好ましくないので、被処理物Cの温度上昇を抑制する必要がある。
図13に示すように、処理媒体B2を中空構造に形成し、中空内に蓄冷材38を封入した構造とするのが有効となる。この処理媒体B2を予め冷却装置で冷却し、蓄冷材38を冷却又は凍結させたものを円筒容器Aに投入して破砕処理すると、被処理物Cはそれに直接的に接する処理媒体B2によって冷却され、温度上昇による被処理物Cの変質が効果的に防止できる。
以上説明した構成において、破砕又は攪拌の処理後には円筒容器A中に存在する処理媒体Bは、その後の作業において邪魔になるので、円筒容器Aから簡単に取り出すことができるようにするのが好適である。図14に示すように、処理終了後の円筒容器Aの蓋Dの外側に永久磁石40を置き、処理媒体Bを円筒容器Aの上方に引き上げた後、永久磁石33の磁気を遮蔽すると、処理媒体Bは永久磁石40に吸引されて蓋Dの内側に吸着する。処理媒体Bを吸着すると、永久磁石40は蓋D上で動き難い状態になるので、蓋Dを円筒容器Aから外す作業中に外れることはなく、蓋Dを円筒容器Aから取り外すと、蓋Dと共に処理媒体Bは円筒容器Aの外に取り出される。
また、以上説明した実施形態では、処理媒体Bを回転させると共に上下に移動させているが、円筒容器Aの底部側で回転させるだけで処理できる場合は、上下方向の移動は省略することができる。
以上の説明の通り本発明によれば、永久磁石を用いて円筒容器内に収容した着磁体を回転運動を含む三次元方向に移動させて被処理物を破砕又は攪拌することができるので、電池電源や手動によっても破砕処理や攪拌処理が可能となる。従って、所要電力が得られない屋外や安全キャビネットの中でも破砕攪拌処理を実施することができ、分析や検査を行う現場で試料を処理することができる。
A 円筒容器
B,B2,B3,B4,B5 処理媒体
C 被処理物
1,2,3,4 破砕攪拌装置
6,12,33,34,40 永久磁石
8,16 回転駆動機構
9,24 昇降駆動機構
11 磁気遮蔽体
13 吸引磁気遮蔽体
14、28 吸引磁石
15 自公転機構
21 容器収容筒
30 上部磁気遮蔽体
31 下部磁気遮蔽体
32 組永久磁石
35 回転磁気遮蔽体
35a 磁気透過窓
B,B2,B3,B4,B5 処理媒体
C 被処理物
1,2,3,4 破砕攪拌装置
6,12,33,34,40 永久磁石
8,16 回転駆動機構
9,24 昇降駆動機構
11 磁気遮蔽体
13 吸引磁気遮蔽体
14、28 吸引磁石
15 自公転機構
21 容器収容筒
30 上部磁気遮蔽体
31 下部磁気遮蔽体
32 組永久磁石
35 回転磁気遮蔽体
35a 磁気透過窓
Claims (13)
- 永久磁石を円筒容器の外周回りで回転させると共に、永久磁石の円筒容器の円筒軸方向の相対高さ位置を変化させることにより、円筒容器中に収容した着磁体を回転運動及び上下運動させて円筒容器中に収容した被処理物を破砕又は攪拌することを特徴とする破砕攪拌方法。
- 永久磁石を磁極反転させながら円筒容器の外周回りで回転させることにより、円筒容器中に収容した着磁体を自転運動及び公転運動させて円筒容器中に収容した被処理物を破砕又は攪拌することを特徴とする破砕攪拌方法。
- 永久磁石を磁極反転させながら円筒容器の外周回りで回転させると共に永久磁石と円筒容器との相対高さ位置を変化させることにより、円筒容器中に収容した着磁体を自転運動、公転運動及び上下運動させて円筒容器中に収容した被処理物を破砕又は攪拌することを特徴とする破砕攪拌方法。
- 円筒容器の外周回りに配した複数の永久磁石と円筒容器との間で回転する磁気遮蔽体により複数の永久磁石からの磁気を個別に遮蔽又は透過させ、円筒容器中に収容した着磁体を自転運動及び公転運動させて円筒容器中に収容した被処理物を破砕又は攪拌することを特徴とする破砕攪拌方法。
- 円筒容器の外周回りに配した複数の永久磁石と円筒容器との間で回転する磁気遮蔽体により複数の永久磁石からの磁気を個別に遮蔽又は透過させると共に円筒容器の高さ方向に対する磁気印加位置を変化させることにより、円筒容器中に収容した着磁体を自転運動及び公転運動及び上下運動させて円筒容器中に収容した被処理物を破砕又は攪拌することを特徴とする破砕攪拌方法。
- 永久磁石を上昇移動させた上限位置で磁気遮断することにより、着磁体を上限位置から円筒容器の内底面に向けて落下させる請求項1、3,5いずれか一項に記載に破砕攪拌方法。
- 永久磁石を上昇移動させた上限位置で磁気遮断すると同時に下方に吸引磁界を作用させ、落下する着磁体を円筒容器の内底面に吸引する請求項1,3,5いずれか一項に記載の破砕攪拌方法。
- 円筒容器の底部に配した永久磁石を磁極反転又は対向距離変化させることにより、上下方向に着磁した着磁体を上下振動させる請求項1〜7いずれか一項に記載の破砕攪拌方法。
- 磁気反発により着磁体を上昇移動させる請求項1〜8いずれか一項に記載の破砕攪拌方法。
- 着磁体を円筒容器の内径より小さい直径の円柱形で、その下端形状が円筒容器の内底面形状に対応する形状に形成する請求項1〜9いずれか一項に記載の破砕攪拌方法。
- 着磁体の表面を樹脂又はセラミックで被覆する請求項1〜10いずれか一項に記載の破砕攪拌方法。
- 着磁体を蓄冷構造に形成する請求項1〜11いずれか一項に記載の破砕攪拌方法。
- 円筒容器の開口部を閉じる蓋体の外部に永久磁石を載置し、上方に移動させた着磁体を蓋体の内側に磁気吸着し、蓋体の円筒容器からの取り外しと共に着磁体を円筒容器外に取り出す請求項1〜12いずれか一項に記載の破砕攪拌方法。
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