JP2007194171A

JP2007194171A - 電気コネクタ

Info

Publication number: JP2007194171A
Application number: JP2006013672A
Authority: JP
Inventors: Toshiaki Hayashi; 利秋林
Original assignee: Tyco Electronics AMP KK
Current assignee: Tyco Electronics Japan GK
Priority date: 2006-01-23
Filing date: 2006-01-23
Publication date: 2007-08-02
Also published as: US20070173096A1; US7381071B2; FR2896628A1; DE102007001902A1

Abstract

【課題】各コンタクトにおける可撓連結部の、嵌合面に沿う直交する二方向の変位量及び変形のし易さに差が生じないいわゆる遊動型の電気コネクタを提供する。
【解決手段】電気コネクタ１は、固定ハウジング１０と、相手コネクタと嵌合し、固定ハウジング１０に対して遊動可能な可動ハウジング２０と、複数のコンタクト３０とを具備している。コンタクト３０の各々は、一端に設けられた、相手コンタクトに接触する雌型接触部３１と、他端に設けられた、回路基板に接続する接続部３２と、雌型接触部３１及び接続部３２を連結する可撓連結部３３とを備えている。可撓連結部３３は、雌型接触部３１の接圧方向に対して相対的に４５°捩じられ、雌型接触部３１の接圧方向が可動ハウジング２０の一辺が延びる方向と平行又は直角になるように雌型接触部３１が配置されている。
【選択図】図５

Description

本発明は、相手コネクタとの間の嵌合位置ずれを吸収するいわゆる遊動型の電気コネクタに関する。

従来より、相手コネクタとの間の嵌合位置ずれを補償するいわゆる遊動型の電気コネクタとして、例えば、図１０に示すものが知られている（特許文献１参照）。図１０は、従来の電気コネクタの一例を示し、（Ａ）は背面側から見た斜視図、（Ｂ）は一部について断面を示した正面図、（Ｃ）は（Ｂ）における１０Ｃ−１０Ｃ線に沿う断面図である。但し、図１０（Ｃ）においては図１０（Ｂ）に現れていない相手コネクタを共に示してある。

図１０において、電気コネクタ１０１は、回路基板（図示せず）上に実装される第１ハウジング１１０と、第１ハウジングの上方に位置する第２ハウジング１２０と、複数のコンタクト１３０とを備えている。そして、各コンタクト１３０は、第１ハウジング１１０に固定されて回路基板に接続される接続部１３１と、第２ハウジング１２０に固定されて相手コネクタ１５０の相手コンタクト１５１に接触する接触部１３２と、接続部１３１及び接触部１３２を連結する可撓連結部１３３とを備えている。ここで、各コンタクト１３０において、接続部１３１及び可撓連結部１３３は、上下方向（図１０（Ａ）に示す矢印Ｚ方向）に延び、接触部１３２は、ハウジング長手方向に直交する方向（図１０（Ａ）に示す矢印Ｙ方向）に延びている。また、各コンタクト１３０の可撓連結部１３３は、ハウジング長手方向に直交する方向（図１０（Ａ）に示す矢印Ｙ方向）に湾曲する曲げ部を有している。可撓連結部１３３が曲げ部を有することにより、接触部１３２は接続部１３１に対して遊動可能となっている。

更に、第１ハウジング１１０には、回路基板に対する１対の位置決めポスト１１１が保持されている。これら位置決めポスト１１１は、図１０（Ｂ）に示すように、第１ハウジング１１０を突き抜けて上方に突出し、第２ハウジング１２０に形成された凹部１２１内に入り込んでいる。この凹部１２１は、位置決めポスト１１１の外径よりも大きな内径を有し、位置決めポスト１１１は、凹部１２１にゆるく嵌め込まれて相対的に動くことができる状態となっている。このため、第２ハウジング１２０（従ってコンタクト１３０の、第２ハウジング１２０に固定された接触部１３２）は、位置決めポスト１１１が凹部１２１にゆるく嵌め込まれて相対的に動くことができると共に、各コンタクト１３０の可撓連結部１３３の曲げ部が存在することにより、第１ハウジング１１０の長手方向（図１０（Ａ）に示す矢印Ｘ方向）、ハウジング長手方向に直交する方向（図１０（Ａ）に示す矢印Ｙ方向）及び上下方向（図１０（Ａ）に示す矢印Ｚ方向）のいずれにも遊動するようになっている。

ここで、相手コネクタ１５０は、図１０（Ｃ）に示すように、ハウジング長手方向に直交する方向（Ｙ方向）に沿って第２ハウジング１２０に嵌合するようになっている。この嵌合の際における嵌合面に沿う直交する二方向（Ｘ方向及びＺ方向）の相手コネクタ１５０の位置ずれは、第２ハウジング１２０が嵌合面に沿う直交する二方向（Ｘ方向及びＺ方向）に遊動することにより吸収され、相手コネクタ１５０の、嵌合面に直交する沿う方向（Ｙ方向）の位置ずれは、第２ハウジング１２０が嵌合面に直交する方向（Ｙ方向）に遊動することにより吸収されるようになっている。

一方、遊動型の電気コネクタではないが、相手コネクタの嵌合位置ずれが起きた際に、コンタクトの接触部に過大な力が加わるのを防止する電気コネクタ及びコンタクトとして、例えば、図１１及び図１２に示すものが知られている（特許文献２参照）。図１１は、従来の電気コネクタの他の例の平面図である。図１２は、図１１の電気コネクタに用いられるコンタクトの斜視図である。

図１１において、電気コネクタ２０１は、ハウジング２１０と、ハウジング２１０に固定される複数のコンタクト２２０とを備えている。
ハウジング２１０は、コンタクト２２０が固定される矩形形状の底部２１１と、底部２１１の周囲に設けられた方形の側壁部２１２とを備えている。ハウジング２１０の底部２１１には、側壁部２１２に対して傾斜して配置された複数の開口２１３が設けられている。

また、各コンタクト２２０は、図１２に示すように、対向する１対の接触子２２２を有する接触部２２１と、回路基板（図示せず）に接続される接続部２２３と、接触部２２１及び接続部２２３を連結する基部２２４とを備えている。接続部２２３は、基部２２４及び接触部２２１に対し平面から見て角度θを有するように延在している。各コンタクト２２０は、図１１に示すように、基部２２４を開口２１３に固定することよりハウジング２１０の底部２１１に固定される。そして、接触部２２１の１対の接触子２２２に、相手コネクタ（図示せず）に設けられた雄型コンタクトが接触するようになっている。

ここで、各コンタクト２２０をハウジング２１０に固定したときには、各コンタクト２２０の接続部２２３は側壁部２１２の端辺に平行になるように配置され、その一方、接触部２２１は各側壁部２１２に対し角度を持って配置される。従って、相手コネクタの嵌合位置が図１０における矢印で示す上下左右方向にずれても、雄型コンタクトがコンタクト２２０の接触部２２１と当接し、押すときに、接触部２２１の配置方向に対して常に斜めに当接する。このため、位置ずれによって生ずる力の方向が接触部２２１の配置方向に対し偏倚し、当該接触部２２１に対して過大な力が加わることはないのである。
特開２００５−３１７２６３号公報特開昭６３−２８５８８０号公報

しかしながら、この従来の図１０に示す電気コネクタ１０１及び図１１に示す電気コネクタ２０１にあっては、以下の問題点があった。
即ち、図１０に示す電気コネクタ１０１の場合、第２ハウジング１２０が嵌合面に沿う直交する二方向（Ｘ方向及びＺ方向）に遊動するようになっているが、各コンタクト１３０の可撓連結部１３３の形状に起因して、可撓連結部１３３の、嵌合面に沿う直交する二方向（Ｘ方向及びＺ方向）の変位量に差があり、相手コネクタ１５０が嵌合面に沿う一方向（Ｘ方向）に位置ずれする場合と嵌合面に沿う一方向に直交する方向（Ｚ方向）に位置ずれする場合とで位置ずれ吸収量に違いが発生してしまう問題があった。また、可撓連結部１３３の、嵌合面に沿う直交する二方向（Ｘ方向及びＺ方向）の変形のし易さに差があり、相手コネクタ１５０が嵌合面に沿う一方向（Ｘ方向）に位置ずれする場合と嵌合面に沿う一方向と直交する方向（Ｚ方向）に位置ずれする場合とでコネクタ嵌合力に差が発生してしまう問題があった。

一方、図１１に示す電気コネクタ２０１の場合、相手コネクタの嵌合位置ずれが起きた際に、コンタクト２２０の接触部２２１に過大な力が加わるのを防止することができるものの、いわゆる遊動型の電気コネクタではなく、嵌合に際し、相手コネクタが嵌合面に沿う方向に位置ずれしたときの位置ずれを吸収することができなかった。
従って、本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、各コンタクトにおける可撓連結部の、嵌合面に沿う直交する二方向の変位量及び変形のし易さに差が生じないいわゆる遊動型の電気コネクタを提供することにある。

上記問題を解決するため、本発明のうち請求項１に係る電気コネクタは、固定ハウジングと、相手コネクタと嵌合し、前記固定ハウジングに対して遊動可能な可動ハウジングと、複数のコンタクトとを具備し、該コンタクトの各々が、一端に設けられた、相手コンタクトに接触する雌型接触部と、他端に設けられた、回路基板に接続する接続部と、前記雌型接触部及び前記接続部を連結する可撓連結部とを備え、前記雌型接触部が前記可動ハウジングに固定され、前記接続部が前記固定ハウジングに固定された電気コネクタであって、前記可撓連結部が、前記雌型接触部の接圧方向に対して相対的に４５°捩じられ、前記雌型接触部の接圧方向が前記可動ハウジングの一辺が延びる方向と平行又は直角になるように前記雌型接触部が配置されていることを特徴としている。

本発明のうち請求項１に係る電気コネクタによれば、各コンタクトにおいて、可撓連結部が、雌型接触部の接圧方向に対して相対的に４５°捩じられ、雌型接触部の接圧方向が可動ハウジングの一辺が延びる方向と平行又は直角になるように雌型接触部が配置されているので、可撓連結部が可動ハウジングの一辺が延びる方向に対して４５°傾いて配置される。このため、各コンタクトの可撓連結部が、嵌合面に沿う直交する二方向において同様に弾性変形し、その可撓連結部の、嵌合面に沿う直交する二方向の変位量及び変形のし易さに差が生じない。これにより、相手コネクタが嵌合面に沿う一方向（Ｘ方向）に位置ずれする場合と嵌合面に沿う一方向に直交する方向（Ｙ方向）に位置ずれする場合とで位置ずれ吸収量に違いが発生してしまうことがないと共に、相手コネクタが嵌合面に沿う一方向に位置ずれする場合と嵌合面に沿う一方向と直交する方向に位置ずれする場合とでコネクタ嵌合力に差が発生しない、いわゆる遊動型の電気コネクタとすることできる。

また、各コンタクトにおいて、可撓連結部が、雌型接触部の接圧方向に対して相対的に４５°捩じられ、雌型接触部の接圧方向が可動ハウジングの一辺が延びる方向と平行又は直角になるように雌型接触部が配置されているので、隣接するコンタクトの可撓連結部どうしの干渉を回避しつつ、コンタクトの高密度配置をすることができる。

次に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図１は、本発明に係る電気コネクタの実施形態の斜視図である。図２は、図１における２−２線に沿う断面図である。図３は、図２における３−３線に沿う断面図である。図４は、図３における４−４線に沿う断面図である。図５は、図１に示す電気コネクタにおいて、コンタクトを固定した固定ハウジングと可動ハウジングとを分解した斜視図である。図６は、図１に示す電気コネクタにおいて、コンタクトを固定した固定ハウジングと可動ハウジングとを分解した正面図である。図７は、図１の電気コネクタに用いられるコンタクトを示し、（Ａ）は正面図、（Ｂ）は右側面図、（Ｃ）は背面図、（Ｄ）は平面図、（Ｅ）は底面図である。

図１乃至図４において、電気コネクタ１は、回路基板ＰＣＢ（図３参照）上に固定される固定ハウジング１０と、固定ハウジング１０に対して遊動可能な可動ハウジング２０と、複数のコンタクト３０とを具備している。
ここで、固定ハウジング１０は、絶縁性の樹脂を成形することによって形成されるものであり、長手方向（図１、図３及び図４に示す矢印Ｘ方向）に延びる略矩形状の基部１１を備えている。基部１１には、複数のコンタクト３０の接続部３２（後述）が長手方向に沿って１列状に固定されるようになっている。基部１１の長手方向両端には、図３に示すように、回路基板ＰＣＢ上に載置される１対の載置部１２が下方に向けて突出形成されている。また、基部１１には、長手方向と直交する幅方向（図１、図２及び図４に示す矢印Ｙ方向）の前面（図４における下面）から前方に突出する固定部１４ａと、幅方向の後面から後方に突出する固定部１４ｂとが設けられている。固定部１４ａ，１４ｂのそれぞれには、固定ハウジング１０の基部１１を回路基板ＰＣＢに固定するためのねじ（図示せず）が挿通される貫通孔１５が形成されている。また、基部１１の上面であって幅方向前端部及び幅方向後端部には、３対の係止突起１３が上方に向けて突出形成されている。３対の係止突起１３は、基部１１の長手方向中央部及び長手方向両端近傍部に形成されている。各係止突起１３は、断面略Ｌ字形に形成され、後述する可動ハウジング２０の係止部２５に係止されるようになっている。

また、可動ハウジング２０は、固定ハウジング１０に対して上方から遊動可能に装着されるようになっており、長手方向（Ｘ方向）に延びる略矩形状の基部２１を備えている。可動ハウジング２０は、絶縁性の樹脂を成形することによって形成される。基部２１には、相手コネクタ（図示せず）が上方から嵌合するようになっており、基部２１の上面が相手コネクタとの嵌合面２１ａを構成している。また、基部２１の長手方向両端には、相手コネクタが嵌合する際の１対の案内部２２が設けられている。そして、基部２１には、複数のコンタクト３０の雌型接触部３１（後述）が固定される複数のコンタクト収容キャビティ２３（図２参照）が長手方向に沿って設けられている。各コンタクト収容キャビティ２３の上面には開口２４が形成され、相手コネクタに設けられた相手雄型コンタクト（図示せず）が開口２４を通ってコンタクト収容キャビティ２３内に挿入されるようになっている。また、基部２１の幅方向前面及び幅方向後面には、固定ハウジング１０に設けられた係止突起１３が係止される３対の係止部２５が設けられている。基部２１の前面に設けられた各係止部２５は、基部２１の前面から一旦前方に延び、それから下方に延びる１対の脚部２５ａとこれら脚部２５ａの下端部分を連結する連結部２５ｂとを備えている。また、基部２１の後面に設けられた各係止部２５は、基部２１の後面から一旦後方に延び、それから下方に延びる１対の脚部２５ａとこれら脚部２５ａの下端部分を連結する連結部２５ｂとを備えている。

可動ハウジング２０を固定ハウジング１０に係止したときには、図１及び図２に示すように、固定ハウジング１０の係止突起１３の外側突出部分が、可動ハウジング２０の係止部２５の連結部２５ｂの上面に係合するようになる。ここで、図２に示すように、基部２１の幅方向前面に設けられた係止部２５の連結部２５ｂと基部２１の幅方向後面に設けられた係止部２５の連結部２５ｂとの間の間隙Ｗ₁は、固定ハウジング１０の幅方向前端部及び幅方向後端部に設けられた対の係止突起１３の根元間の幅ｗ₁よりも大きく設定されている。これにより、可動ハウジング２０は、固定ハウジング１０に対し幅方向（Ｙ方向）に移動可能となり、可動ハウジング２０の幅方向の移動は、基部２１の幅方向前面に設けられた係止部２５の連結部２５ｂと基部２１の幅方向後面に設けられた係止部２５の連結部２５ｂが固定ハウジング１０の幅方向前端部及び幅方向後端部に設けられた対の係止突起１３の根元に当接することにより、規制されるようになっている。また、図２に示すように、可動ハウジング２０を固定ハウジング１０に係止したときには、可動ハウジング２０の基部２１の下面と固定ハウジング１０の係止突起１３の上面との間には所定の間隙が開くようになっている。これにより、可動ハウジング２０は、固定ハウジング１０に対し上下方向（図１、図２及び図３に示す矢印Ｚ方向）に移動可能となっている。可動ハウジング２０の基部２１の下面が固定ハウジング１０の係止突起１３の上面に当接することにより可動ハウジング２０の下方向の移動が規制され、可動ハウジング２０の係止部２５の連結部２５ｂが固定ハウジング１０の係止突起１３に当接することにより可動ハウジング２０の上方向への移動が規制されるようになっている。更に、図１及び図４に示すように、１対の脚部２５ａ間の間隙Ｗ₂は、固定ハウジング１０に設けられた係止突起１３の幅ｗ₂よりも大きく設定されている。これにより、可動ハウジング２０は、固定ハウジング１０に対し長手方向（Ｘ方向）に移動可能となっている。可動ハウジング２０の１対の脚部２５ａのそれぞれが固定ハウジング１０に設けられた係止突起１３に当接することにより可動ハウジング２０の長手方向の移動が規制されるようになっている。

また、各コンタクト３０は、図７に示すように、上端に設けられた雌型接触部３１と、下端に設けられた接続部３２と、雌型接触部３１及び接続部３２を連結する可撓連結部３３とを備えている。各コンタクト３０は、金属板を打ち抜き及び曲げ加工することによって形成されている。ここで、各コンタクト３０の雌型接触部３１は、図７（Ｄ）に示すように、上方から見て断面コ字形のハウジング固定部３１ａと、ハウジング固定部３１ａの対向する側壁から上方に延びる１対の弾性接触片３１ｂとを備えている。雌型接触部３１は、可撓連結部３３が存在することにより、接続部３２に対し長手方向（Ｘ方向）、幅方向（Ｙ方向）及び上下方向（Ｚ方向）に遊動可能となっている。雌型接触部３１のハウジング固定部３１ａが可動ハウジング２０のコンタクト収容キャビティ２３に固定され、弾性接触片３１ｂ間に相手雄型コンタクトが受容されて接触するようになっている。一方、接続部３２は、固定ハウジング１０の基部１１に固定され、回路基板ＰＣＢに半田接続されるようになっている。ここで、各コンタクト３０の可撓連結部３３及び接続部３２は、図７（Ｄ）及び（Ｅ）に示すように、弾性接触片３１ｂ間に相手雄型コンタクトが受容される際に生じる接圧方向（図７（Ｄ），（Ｅ）における矢印Ａ方向）に対して相対的に４５°捩じられている。また、可撓連結部３３は、雌型接触部３１のハウジング固定部３１ａの対向する側壁の一方の下端から下方に延び、更に斜め下方に延びる上方部分３３ａと、接続部３２の上端から上方に延び、更に斜め上方に延びる下方部分３３ｂと、上方部分３３ａの下端と下方部分３３ｂとの間を延びる略Ｓ字状の曲げ部分３３ｃとを備えている。

そして、各コンタクト３０の雌型接触部３１のハウジング固定部３１ａは、図２に示すように、弾性接触片３１ｂ間に相手雄型コンタクトが受容された際に生じる接圧方向（Ａ方向）が可動ハウジング２０の一辺が延びる方向（Ｘ方向）と直角となるように、可動ハウジング２０のコンタクト収容キャビティ２３に固定される。各コンタクト３０の可撓連結部３３は、弾性接触片３１ｂ間に相手雄型コンタクトが受容される際に生じる接圧方向に対して相対的に４５°捩じられているので、各コンタクト３０の可撓連結部３３は可動ハウジング２０の一辺が延びる方向（Ｘ方向）に対して４５°傾いて配置される。また、図５及び図６に示すように、複数のコンタクト３０の接続部３２は、固定ハウジング１０の一辺が延びる方向（Ｘ方向と同一方向）に対し４５°傾けて固定される。

このように構成された電気コネクタ１においては、可動ハウジング２０は、基部２１の幅方向前面に設けられた係止部２５の連結部２５ｂと基部２１の幅方向後面に設けられた係止部２５の連結部２５ｂとの間の間隙Ｗ₁が、固定ハウジング１０の幅方向前端部及び幅方向後端部に設けられた対の係止突起１３の根元間の幅ｗ₁よりも大きく設定されていること及び各コンタクト３０の可撓連結部３３の存在により、固定ハウジング１０に対し幅方向（Ｙ方向）に遊動可能となっている。また、可動ハウジング２０は、１対の脚部２５ａ間の間隙Ｗ₂が、固定ハウジング１０に設けられた係止突起１３の幅ｗ₂よりも大きく設定されていること及び各コンタクト３０の可撓連結部３３の存在により、固定ハウジング１０に対し長手方向（Ｘ方向）に遊動可能となっている。更に、可動ハウジング２０は、可動ハウジング２０の基部２１の下面と固定ハウジング１０の係止突起１３の上面との間には所定の間隙が開くようになっていること及び各コンタクト３０の可撓連結部３３の存在により、固定ハウジング１０に対し上下方向（Ｚ方向）に遊動可能となっている。

そして、相手コネクタは、図示はしないが、可動ハウジング２０の基部２１に上から下に向けて、即ち図１に示す矢印Ｚ方向に嵌合される。相手コネクタが可動ハウジング２０の基部２１に嵌合されると、相手雄型コンタクトがコンタクト３０の雌型接触部３１に受容され接触する。そして、この嵌合の際における基部２１の嵌合面２１ａに沿う直交する二方向（Ｘ方向及びＹ方向）の相手コネクタの位置ずれは、可動ハウジング２０が嵌合面２１ａに沿う直交する二方向（Ｘ方向及びＹ方向）に遊動することにより吸収され、相手コネクタの、嵌合面２１ａに直交する沿う方向（Ｚ方向）の位置ずれは、可動ハウジング２０が嵌合面２１ａに直交する方向（Ｚ方向）に遊動することにより吸収されるようになっている。

ここで、各コンタクト３０においては、可撓連結部３３が可動ハウジング２０の一辺が延びる方向（Ｘ方向）に対して４５°傾いて配置されているので、各コンタクト３０の可撓連結部３３が、嵌合面２１ａに沿う直交する二方向（Ｘ方向及びＹ方向）において同様に弾性変形し、その可撓連結部３３の、嵌合面２１ａに沿う直交する二方向の変位量及び変形のし易さに差が生じない。これにより、相手コネクタが嵌合面２１ａに沿う一方向（Ｘ方向）に位置ずれする場合と嵌合面２１ａに沿う一方向に直交する方向（Ｙ方向）に位置ずれする場合とで位置ずれ吸収量に違いが発生してしまうことがないと共に、相手コネクタが嵌合面２１ａに沿う一方向に位置ずれする場合と嵌合面２１ａに沿う一方向と直交する方向に位置ずれする場合とでコネクタ嵌合力に差が発生しない、いわゆる遊動型の電気コネクタ１とすることできる。

なお、コンタクト３０の形状を、図８の参考例に示すコンタクト３０’の形状にすることも考えられる。即ち、コンタクト３０’は、コンタクト３０と同様に、上端に設けられた雌型接触部３１’と、下端に設けられた接続部３２’と、雌型接触部３１’及び接続部３２’を連結する可撓連結部３３’とを備えている。但し、コンタクト３０’の可撓連結部３３’及び接続部３２’は、コンタクト３０の可撓連結部３３及び接続部３２と異なり、弾性接触片３１ｂ’間に相手雄型コンタクトが受容される際に生じる接圧方向に対して相対的に４５°捩じられておらず、雌型接触部３１’のハウジング固定部３１ａ’の対向する側壁の一方の下端から真っ直ぐに延びている。

この図８に示すコンタクト３０’を用いた場合において、可撓連結部３３’の、嵌合面に沿う直交する二方向（Ｘ方向及びＹ方向）の変位量及び変形のし易さに差が生じないようにするためには、図９（Ｂ）に示すように、可撓連結部３３’を可動ハウジング２０の一辺が延びる方向（Ｘ方向）に対して４５°傾ける必要があるので、断面コ字形のハウジング固定部３１ａ’を雌型接触部３１’の接圧方向が可動ハウジング２０の一辺が延びる方向（Ｘ方向）と４５°傾くように配置する必要がある。このようにすると、図９（Ａ）に示した図１に示す本実施形態のコンタクト３０を可動ハウジング２０に固定した状態に対し、隣接するコンタクト間のコンタクトピッチがＰからＰ１に広がってしまう。

従って、本実施形態にあっては、各コンタクト３０において、可撓連結部３３が、雌型接触部３１の接圧方向に対して相対的に４５°捩じられ、雌型接触部３１の接圧方向（Ａ方向）が可動ハウジング２０の一辺が延びる方向（Ｘ方向）と直角になるように雌型接触部３１が配置されているので、隣接するコンタクト３０の可撓連結部３３どうしの干渉を回避しつつ、コンタクト３０の高密度配置をすることができる。

以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、雌型接触部３１の接圧方向（Ａ方向）が可動ハウジング２０の一辺が延びる方向（Ｘ方向）と直角になるように雌型接触部３１を配置しているが、雌型接触部３１の接圧方向（Ａ方向）が可動ハウジング２０の一辺が延びる方向（Ｘ方向）と平行になるように雌型接触部３１を配置してもよい。
また、固定ハウジング１０は、必ずしも回路基板ＰＣＢに固定される必要はなく、筐体等に固定されてもかまわない。

本発明に係る電気コネクタの実施形態の斜視図である。図１における２−２線に沿う断面図である。図２における３−３線に沿う断面図である。図３における４−４線に沿う断面図である。図１に示す電気コネクタにおいて、コンタクトを固定した固定ハウジングと可動ハウジングとを分解した斜視図である。図１に示す電気コネクタにおいて、コンタクトを固定した固定ハウジングと可動ハウジングとを分解した正面図である。図１の電気コネクタに用いられるコンタクトを示し、（Ａ）は正面図、（Ｂ）は右側面図、（Ｃ）は背面図、（Ｄ）は平面図、（Ｅ）は底面図である。参考例のコンタクトの斜視図である。図１に示す本実施形態のコンタクトを可動ハウジングに固定した場合と、図８に示す参考例のコンタクトを可動ハウジングに固定した場合とのコンタクトピッチの比較を示す図である。従来の電気コネクタの一例を示し、（Ａ）は背面側から見た斜視図、（Ｂ）は一部を断面した正面図、（Ｃ）は（Ｂ）における１０Ｃ−１０Ｃ線に沿う断面図である。従来の電気コネクタの他の例の平面図である。図１１の電気コネクタに用いられるコンタクトの斜視図である。

符号の説明

１電気コネクタ
１０固定ハウジング
２０可動ハウジング
３０コンタクト
３１雌型接触部
３２接続部
３３可撓連結部
ＰＣＢ回路基板

Claims

固定ハウジングと、相手コネクタと嵌合し、前記固定ハウジングに対して遊動可能な可動ハウジングと、複数のコンタクトとを具備し、該コンタクトの各々が、一端に設けられた、相手コンタクトに接触する雌型接触部と、他端に設けられた、回路基板に接続する接続部と、前記雌型接触部及び前記接続部を連結する可撓連結部とを備え、前記雌型接触部が前記可動ハウジングに固定され、前記接続部が前記固定ハウジングに固定された電気コネクタであって、
前記可撓連結部が、前記雌型接触部の接圧方向に対して相対的に４５°捩じられ、前記雌型接触部の接圧方向が前記可動ハウジングの一辺が延びる方向と平行又は直角になるように前記雌型接触部が配置されていることを特徴とする電気コネクタ。