JP2007193271A - 防眩性フィルムの製造方法及び防眩性フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた防眩機能を有する上、透過鮮明度が高く、各種ディスプレイに使用した際に視認性が良好な防眩性フィルムを効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】透明支持体上に、活性エネルギー線硬化型化合物を含む溶液とフィラー粒子とを含有する塗工液を塗布し、乾燥処理して塗膜を形成させた後、次いで活性エネルギー線を照射してハードコート層を形成させ、防眩性フィルムを製造する方法であって、前記フィラー粒子として、前記活性エネルギー線硬化型化合物を含む溶液よりも比重の大きな粒子を用い、かつ未乾燥塗膜面が下向きになるように透明支持体を設置して乾燥処理し、フィラー粒子の含有密度が、透明支持体側からハードコート層表面に向けて漸次密となる傾斜構造を有するハードコート層を形成させる防眩性フィルムの製造方法である。
【選択図】なし
【解決手段】透明支持体上に、活性エネルギー線硬化型化合物を含む溶液とフィラー粒子とを含有する塗工液を塗布し、乾燥処理して塗膜を形成させた後、次いで活性エネルギー線を照射してハードコート層を形成させ、防眩性フィルムを製造する方法であって、前記フィラー粒子として、前記活性エネルギー線硬化型化合物を含む溶液よりも比重の大きな粒子を用い、かつ未乾燥塗膜面が下向きになるように透明支持体を設置して乾燥処理し、フィラー粒子の含有密度が、透明支持体側からハードコート層表面に向けて漸次密となる傾斜構造を有するハードコート層を形成させる防眩性フィルムの製造方法である。
【選択図】なし
Description
本発明は、防眩性フィルムの製造方法、及び防眩性フィルムに関する。さらに詳しくは、本発明は、優れた防眩機能を有する上、透過鮮明度が高く、各種ディスプレイ、例えば液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、ブラウン管(CRT)、さらにはタッチパネルなどに使用した際に視認性が良好であり、かつ表面硬度が大きく、表面保護フィルムとしても利用可能な防眩性フィルムを効率よく製造する方法、及び前記性能を有する防眩性フィルムに関するものである。
CRTや液晶表示体などのディスプレイにおいては、画面に外部から光が入射し、この光が反射して(グレアーあるいはギラツキなどといわれる)表示画像を見難くすることがあり、特に近年、ディスプレイの大型化に伴い、上記問題を解決することが、ますます重要な課題となってきている。
このような問題を解決するために、これまで種々のディスプレイに対して、様々な防眩処置がとられている。その一つとして、例えば液晶表示体における偏光板に使用されるハードコートフィルムや各種ディスプレイ保護用ハードコートフィルムなどに対し、その表面を粗面化する防眩処理が施されている。このハードコートフィルムの防眩処理方法は、一般に、(1)ハードコート層を形成するための硬化時に物理的方法で表面を粗面化する方法と、(2)ハードコート層形成用のハードコート剤にフィラーを混入する方法とに大別することができる。
これらの2つの方法の中で、後者のハードコート剤にフィラーを混入する方法が主流であり、そして、フィラーとしては、主にシリカ粒子が用いられている。シリカ粒子が使用される理由としては、得られたハードコートフィルムの白色度を低く抑えることができる上、硬度低下をもたらさず、かつコート剤に混入させた際に分散性が良好であることなどが挙げられる。
ところで、防眩性ハードコートフィルムを各種ディスプレイに使用した際に、視認性に優れたものにするためには、該防眩性ハードコートフィルムに対して、防眩機能を有すると共に、透過鮮明度に優れることが要求される。
従来の防眩性ハードコートフィルムにおいては、前記の要求特性を満たすために、一般に塗膜中におけるフィラー粒子の沈降防止対策がとられていた。例えば平均粒径0.5〜5μmのシリカ粒子と平均粒径1〜60nmの微粒子とを組み合わせて、ハードコート層に含有させる方法(例えば、特許文献1参照)などが試みられている。
一方、透明基板上に、屈折率1.40〜1.60の樹脂ビーズと電離放射線硬化型樹脂組成物から構成される防眩層が形成されてなる耐擦傷性防眩フィルムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この防眩フィルムにおいては、好ましい樹脂ビーズとして、粒径が3〜8μmの範囲にあるポリメタクリル酸メチルビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリスチレンビーズ、ポリアクリルスチレンビーズ、ポリ塩化ビニルビーズが用いられており、そして、これらの樹脂ビーズがコート剤中で沈降するのを防止するために、粒径0.5μm以下のシリカビーズが、電離放射線硬化型樹脂100重量部当たり、0.1重量部未満程度加えられている。
しかしながら、高い防眩効果を得るためには、塗工液中にフィラーを多量に添加する必要があり、その結果、透過鮮明度の低下を招くという、防眩機能と透過鮮明度は、相反する性質を有するものであり、従来の防眩性フィルムにおいては、優れた防眩機能と高い透過鮮明度の両立は困難であるのが実状であった。
特開2002−36452号公報
特開平6−18706号公報
このような問題を解決するために、これまで種々のディスプレイに対して、様々な防眩処置がとられている。その一つとして、例えば液晶表示体における偏光板に使用されるハードコートフィルムや各種ディスプレイ保護用ハードコートフィルムなどに対し、その表面を粗面化する防眩処理が施されている。このハードコートフィルムの防眩処理方法は、一般に、(1)ハードコート層を形成するための硬化時に物理的方法で表面を粗面化する方法と、(2)ハードコート層形成用のハードコート剤にフィラーを混入する方法とに大別することができる。
これらの2つの方法の中で、後者のハードコート剤にフィラーを混入する方法が主流であり、そして、フィラーとしては、主にシリカ粒子が用いられている。シリカ粒子が使用される理由としては、得られたハードコートフィルムの白色度を低く抑えることができる上、硬度低下をもたらさず、かつコート剤に混入させた際に分散性が良好であることなどが挙げられる。
ところで、防眩性ハードコートフィルムを各種ディスプレイに使用した際に、視認性に優れたものにするためには、該防眩性ハードコートフィルムに対して、防眩機能を有すると共に、透過鮮明度に優れることが要求される。
従来の防眩性ハードコートフィルムにおいては、前記の要求特性を満たすために、一般に塗膜中におけるフィラー粒子の沈降防止対策がとられていた。例えば平均粒径0.5〜5μmのシリカ粒子と平均粒径1〜60nmの微粒子とを組み合わせて、ハードコート層に含有させる方法(例えば、特許文献1参照)などが試みられている。
一方、透明基板上に、屈折率1.40〜1.60の樹脂ビーズと電離放射線硬化型樹脂組成物から構成される防眩層が形成されてなる耐擦傷性防眩フィルムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この防眩フィルムにおいては、好ましい樹脂ビーズとして、粒径が3〜8μmの範囲にあるポリメタクリル酸メチルビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリスチレンビーズ、ポリアクリルスチレンビーズ、ポリ塩化ビニルビーズが用いられており、そして、これらの樹脂ビーズがコート剤中で沈降するのを防止するために、粒径0.5μm以下のシリカビーズが、電離放射線硬化型樹脂100重量部当たり、0.1重量部未満程度加えられている。
しかしながら、高い防眩効果を得るためには、塗工液中にフィラーを多量に添加する必要があり、その結果、透過鮮明度の低下を招くという、防眩機能と透過鮮明度は、相反する性質を有するものであり、従来の防眩性フィルムにおいては、優れた防眩機能と高い透過鮮明度の両立は困難であるのが実状であった。
本発明は、このような事情のもとで、優れた防眩機能を有する上、透過鮮明度が高く、各種ディスプレイに使用した際に視認性が良好であり、かつ表面硬度が大きく、表面保護フィルムとしても利用可能な防眩性フィルムを効率よく製造する方法、及び前記性能を有する防眩性フィルムを提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、透明支持体上に、微細凹凸形状を有するハードコート層を形成させるに際し、フィラー粒子含有塗工液を塗布し、特定の方式で乾燥処理することにより、フィラー粒子の含有密度が、透明支持体側からハードコート層表面に向けて漸次密となる傾斜構造を有するハードコート層を形成させることができ、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)透明支持体上に、活性エネルギー線硬化型化合物を含む溶液とフィラー粒子とを含有する塗工液を塗布し、乾燥処理して塗膜を形成させたのち、該塗膜に活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、微細凹凸形状を有するハードコート層を形成させて防眩性フィルムを製造する方法であって、
前記フィラー粒子として、前記活性エネルギー線硬化型化合物を含む溶液よりも比重の大きな粒子を用い、かつ未乾燥塗膜面が下向きになるように透明支持体を設置して乾燥処理し、フィラー粒子の含有密度が、透明支持体側からハードコート層表面に向けて漸次密となる傾斜構造を有するハードコート層を形成させることを特徴とする防眩性フィルムの製造方法、
(2)乾燥処理を、未乾燥塗膜表面及び/又は透明支持体側に熱風を吹き付ける対流乾燥方式で行う上記(1)項に記載の防眩性フィルムの製造方法、
(3)熱風温度が30〜75℃である上記(2)項に記載の防眩性フィルムの製造方法、
(4)フィラー粒子の平均粒径が、0.8〜6.0μmである上記(1)〜(3)項のいずれかに記載の防眩性フィルムの製造方法、
(5)フィラー粒子が球状である上記(4)項に記載の防眩性フィルム製造方法、
(6)得られる防眩性フィルムの透過鮮明度が150以上、60°グロス値が80以下及びヘイズ値が12%以上である上記(1)〜(5)項のいずれかに記載の防眩性フィルムの製造方法、
(7)透過鮮明度が200以上である上記(6)項に記載の防眩性フィルムの製造方法、
(8)形成されるハードコート層表面の算術平均粗さ(Ra)が0.080μm以上で、10点平均粗さ(Rz)が0.64μm以上である上記(1)〜(7)項のいずれかに記載の防眩性フィルムの製造方法、及び
(9)ハードコート層におけるフィラー粒子の含有密度が、透明支持体側からハードコート層表面に向けて密となる傾斜構造を有し、かつ透過鮮明度/60°グロスの値が、2.2よりも大きいことを特徴とする防眩性フィルム、
を提供するものである。
すなわち、本発明は、
(1)透明支持体上に、活性エネルギー線硬化型化合物を含む溶液とフィラー粒子とを含有する塗工液を塗布し、乾燥処理して塗膜を形成させたのち、該塗膜に活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、微細凹凸形状を有するハードコート層を形成させて防眩性フィルムを製造する方法であって、
前記フィラー粒子として、前記活性エネルギー線硬化型化合物を含む溶液よりも比重の大きな粒子を用い、かつ未乾燥塗膜面が下向きになるように透明支持体を設置して乾燥処理し、フィラー粒子の含有密度が、透明支持体側からハードコート層表面に向けて漸次密となる傾斜構造を有するハードコート層を形成させることを特徴とする防眩性フィルムの製造方法、
(2)乾燥処理を、未乾燥塗膜表面及び/又は透明支持体側に熱風を吹き付ける対流乾燥方式で行う上記(1)項に記載の防眩性フィルムの製造方法、
(3)熱風温度が30〜75℃である上記(2)項に記載の防眩性フィルムの製造方法、
(4)フィラー粒子の平均粒径が、0.8〜6.0μmである上記(1)〜(3)項のいずれかに記載の防眩性フィルムの製造方法、
(5)フィラー粒子が球状である上記(4)項に記載の防眩性フィルム製造方法、
(6)得られる防眩性フィルムの透過鮮明度が150以上、60°グロス値が80以下及びヘイズ値が12%以上である上記(1)〜(5)項のいずれかに記載の防眩性フィルムの製造方法、
(7)透過鮮明度が200以上である上記(6)項に記載の防眩性フィルムの製造方法、
(8)形成されるハードコート層表面の算術平均粗さ(Ra)が0.080μm以上で、10点平均粗さ(Rz)が0.64μm以上である上記(1)〜(7)項のいずれかに記載の防眩性フィルムの製造方法、及び
(9)ハードコート層におけるフィラー粒子の含有密度が、透明支持体側からハードコート層表面に向けて密となる傾斜構造を有し、かつ透過鮮明度/60°グロスの値が、2.2よりも大きいことを特徴とする防眩性フィルム、
を提供するものである。
本発明によれば、優れた防眩機能を有する上、透過鮮明度が高く、各種ディスプレイ、例えば液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、ブラウン管(CRT)、さらにはタッチパネルなどに使用した際に視認性が良好であり、かつ表面硬度が大きく、表面保護フィルムとしても利用可能な防眩性フィルムを効率よく製造する方法、及び前記性能を有する防眩性フィルムを提供することができる。
本発明の防眩性フィルムの製造方法においては、透明支持体上に、活性エネルギー線硬化型化合物を含む溶液とフィラー粒子とを含有する塗工液を塗布し、乾燥処理して塗膜を形成させたのち、該塗膜に活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、微細凹凸形状を有するハードコート層を形成させて防眩性フィルムを製造する。
本発明の製造方法において用いられる透明支持体については特に制限はなく、従来光学用防眩性ハードコートフィルムの基材として公知のプラスチックフィルムの中から適宣選択して用いることができる。このようなプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム等を挙げることができる。
これらの透明支持体は、透明、半透明のいずれであってもよく、また、着色されていてもよいし、無着色のものでもよく、用途に応じて適宜選択すればよい。例えば液晶表示体の保護用として用いる場合には、無色透明のフィルムが好適である。
本発明の製造方法において用いられる透明支持体については特に制限はなく、従来光学用防眩性ハードコートフィルムの基材として公知のプラスチックフィルムの中から適宣選択して用いることができる。このようなプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム等を挙げることができる。
これらの透明支持体は、透明、半透明のいずれであってもよく、また、着色されていてもよいし、無着色のものでもよく、用途に応じて適宜選択すればよい。例えば液晶表示体の保護用として用いる場合には、無色透明のフィルムが好適である。
これらの透明支持体の厚さは特に制限はなく、状況に応じて適宜選定されるが、通常15〜300μm、好ましくは30〜200μmの範囲である。また、この透明支持体は、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は透明支持体の種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。
本発明においては、これらの透明支持体上に、微細凹凸形状を有するハードコート層を形成させるための塗工液をまず調製する。この塗工液としては、活性エネルギー線硬化型化合物を必須成分として含み、所望により光重合開始剤及び他の各種添加成分を含む溶液と、防眩機能を付与するフィラー粒子とを含有するものを挙げることができる。
なお、活性エネルギー線硬化型化合物とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線などを照射することにより、架橋、硬化する重合性化合物を指す。
このような活性エネルギー線硬化型化合物としては、例えば活性エネルギー線重合性プレポリマー及び/又は活性エネルギー線重合性モノマーを挙げることができる。上記活性エネルギー線重合性プレポリマーには、ラジカル重合型とカチオン重合型があり、ラジカル重合型の活性エネルギー線重合性プレポリマーとしては、例えばポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系などが挙げられる。
本発明においては、これらの透明支持体上に、微細凹凸形状を有するハードコート層を形成させるための塗工液をまず調製する。この塗工液としては、活性エネルギー線硬化型化合物を必須成分として含み、所望により光重合開始剤及び他の各種添加成分を含む溶液と、防眩機能を付与するフィラー粒子とを含有するものを挙げることができる。
なお、活性エネルギー線硬化型化合物とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線などを照射することにより、架橋、硬化する重合性化合物を指す。
このような活性エネルギー線硬化型化合物としては、例えば活性エネルギー線重合性プレポリマー及び/又は活性エネルギー線重合性モノマーを挙げることができる。上記活性エネルギー線重合性プレポリマーには、ラジカル重合型とカチオン重合型があり、ラジカル重合型の活性エネルギー線重合性プレポリマーとしては、例えばポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系などが挙げられる。
ここで、ポリエステルアクリレート系プレポリマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシアクリレート系プレポリマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。ウレタンアクリレート系プレポリマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。さらに、ポリオールアクリレート系プレポリマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。これらの活性エネルギー線重合性プレポリマーは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、カチオン重合型の活性エネルギー線重合性プレポリマーとしては、エポキシ系樹脂が通常使用される。このエポキシ系樹脂としては、例えばビスフェノール樹脂やノボラック樹脂などの多価フェノール類にエピクロルヒドリンなどでエポキシ化した化合物、直鎖状オレフィン化合物や環状オレフィン化合物を過酸化物などで酸化して得られた化合物などが挙げられる。
一方、カチオン重合型の活性エネルギー線重合性プレポリマーとしては、エポキシ系樹脂が通常使用される。このエポキシ系樹脂としては、例えばビスフェノール樹脂やノボラック樹脂などの多価フェノール類にエピクロルヒドリンなどでエポキシ化した化合物、直鎖状オレフィン化合物や環状オレフィン化合物を過酸化物などで酸化して得られた化合物などが挙げられる。
また、活性エネルギー線重合性モノマーとしては、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能アクリレートが挙げられる。これらの活性エネルギー線重合性モノマーは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、前記活性エネルギー線重合性プレポリマーと併用してもよい。
一方、所望により用いられる光重合開始剤としては、活性エネルギー線重合性のプレポリマーやモノマーの中でラジカル重合型の光重合性プレポリマーや光重合性モノマーに対しては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミン安息香酸エステルなどが挙げられる。また、カチオン重合型の光重合性プレポリマーに対する光重合開始剤としては、例えば芳香族スルホニウムイオン、芳香族オキソスルホニウムイオン、芳香族ヨードニウムイオンなどのオニウムと、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセネートなどの陰イオンとからなる化合物が挙げられる。これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、その配合量は、前記光重合性プレポリマー及び/又は光重合性モノマー100質量部に対して、通常0.2〜10質量部の範囲で選ばれる。
一方、所望により用いられる光重合開始剤としては、活性エネルギー線重合性のプレポリマーやモノマーの中でラジカル重合型の光重合性プレポリマーや光重合性モノマーに対しては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミン安息香酸エステルなどが挙げられる。また、カチオン重合型の光重合性プレポリマーに対する光重合開始剤としては、例えば芳香族スルホニウムイオン、芳香族オキソスルホニウムイオン、芳香族ヨードニウムイオンなどのオニウムと、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセネートなどの陰イオンとからなる化合物が挙げられる。これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、その配合量は、前記光重合性プレポリマー及び/又は光重合性モノマー100質量部に対して、通常0.2〜10質量部の範囲で選ばれる。
本発明において、活性エネルギー線硬化型化合物を必須成分として含む前記溶液の調製に用いられる溶剤としては、例えばヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、塩化メチレン、塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル、エチルセロソルブなどのセロソルブ系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、所望により用いられる各種添加成分としては、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、消泡剤などを挙げることができる。
当該塗工液において、前記の活性エネルギー線硬化型化合物を必須成分として含む溶液と共に、含有されるフィラー粒子は、前記溶液よりも比重が大きく、かつ得られる防眩性フィルムの透過鮮明度にあまり悪影響を及ぼさないものであればよく、その種類については特に制限されず、無機粒子及び有機粒子のいずれであってもよく、またそれらの混合物であってもよい。
フィラー粒子の比重が、活性エネルギー線硬化型化合物を含む溶液の比重以下であれば、後述の本発明に係る乾燥処理方法を採用しても、形成されるハードコート層におけるフィラー粒子の含有密度が所望の傾斜構造を発現することができず、本発明の目的が達成されない。
また、所望により用いられる各種添加成分としては、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、消泡剤などを挙げることができる。
当該塗工液において、前記の活性エネルギー線硬化型化合物を必須成分として含む溶液と共に、含有されるフィラー粒子は、前記溶液よりも比重が大きく、かつ得られる防眩性フィルムの透過鮮明度にあまり悪影響を及ぼさないものであればよく、その種類については特に制限されず、無機粒子及び有機粒子のいずれであってもよく、またそれらの混合物であってもよい。
フィラー粒子の比重が、活性エネルギー線硬化型化合物を含む溶液の比重以下であれば、後述の本発明に係る乾燥処理方法を採用しても、形成されるハードコート層におけるフィラー粒子の含有密度が所望の傾斜構造を発現することができず、本発明の目的が達成されない。
無機粒子としては、例えばシリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、チタニア、ジルコニア、マイカ、ガラスビーズなどの各粒子を挙げることができ、有機粒子としては、例えばポリメタクリル酸メチル粒子、ポリカーボネート粒子、ポリスチレン粒子、ポリアクリルスチレン粒子、ポリ塩化ビニル粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン/メラミン/ホルムアルデヒド縮合物粒子などを挙げることができる。
これらのフィラー粒子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、得られる防眩性フィルムの防眩機能、ハードコート機能、透過鮮明度、粒子自体の比重などを考慮するとシリカ粒子が好適である。
本発明で用いるフィラー粒子の平均粒径は、防眩機能及び形成されるハードコート層における含有密度の傾斜性などの点から、通常0.8〜6.0μm程度であり、好ましくは1.2〜3.0μmである。また、フィラー粒子は、球状である方が沈降しやすいため好ましい。
フィラー粒子としてシリカ粒子を用いる場合、該シリカ粒子は、表面を有機表面処理剤で処理したものであってもよいし、未処理のものであってもよい。前記有機表面処理剤としては、シラン系カップリング剤やシリコーンオイル、シリコーンワックスなどを用いることができる。
前記シラン系カップリング剤としては、例えばトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらの中でもγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン類が好適である。
該シリカ粒子を、上記表面処理剤で処理する方法については特に制限はなく、従来慣用されている方法、例えば水溶液法、有機溶媒法、スプレー方法など、任意の方法を用いることができる。
これらのフィラー粒子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、得られる防眩性フィルムの防眩機能、ハードコート機能、透過鮮明度、粒子自体の比重などを考慮するとシリカ粒子が好適である。
本発明で用いるフィラー粒子の平均粒径は、防眩機能及び形成されるハードコート層における含有密度の傾斜性などの点から、通常0.8〜6.0μm程度であり、好ましくは1.2〜3.0μmである。また、フィラー粒子は、球状である方が沈降しやすいため好ましい。
フィラー粒子としてシリカ粒子を用いる場合、該シリカ粒子は、表面を有機表面処理剤で処理したものであってもよいし、未処理のものであってもよい。前記有機表面処理剤としては、シラン系カップリング剤やシリコーンオイル、シリコーンワックスなどを用いることができる。
前記シラン系カップリング剤としては、例えばトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらの中でもγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン類が好適である。
該シリカ粒子を、上記表面処理剤で処理する方法については特に制限はなく、従来慣用されている方法、例えば水溶液法、有機溶媒法、スプレー方法など、任意の方法を用いることができる。
本発明においては、前記フィラー粒子は、形成されるハードコート層中に、通常3〜20質量%、好ましくは5〜15質量%、より好ましくは7〜10質量%の割合で含有されていることが望ましい。従来の防眩性ハードコートフィルムにおけるハードコート層中のフィラー粒子の含有量は、通常5〜20質量%、好ましくは8〜15質量%程度であるが、本発明の方法で得られる防眩性フィルムにおいては、ハードコート層中のフィラー粒子の含有量を、従来の防眩性ハードコートフィルムよりも、低減させることができる。この理由については後で説明する。
当該塗工液は、前記のように、活性エネルギー線硬化型化合物を必須成分として含み、所望により光重合開始剤及び他の各種添加成分を含む溶液と、防眩機能を付与するフィラー粒子とを含有する塗工液であって、その濃度、粘度としては、コーティング可能なものであればよく、特に制限されず、状況に応じて適宜選定することができる。
本発明においては、このようにして調製した塗工液を、透明支持体上に、従来公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いて、コーティングして未乾燥塗膜を形成させたのち、以下に示す方法により乾燥処理を施す。
当該塗工液は、前記のように、活性エネルギー線硬化型化合物を必須成分として含み、所望により光重合開始剤及び他の各種添加成分を含む溶液と、防眩機能を付与するフィラー粒子とを含有する塗工液であって、その濃度、粘度としては、コーティング可能なものであればよく、特に制限されず、状況に応じて適宜選定することができる。
本発明においては、このようにして調製した塗工液を、透明支持体上に、従来公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いて、コーティングして未乾燥塗膜を形成させたのち、以下に示す方法により乾燥処理を施す。
本発明においては、このようにして透明支持体上に未乾燥塗膜を設けたのち、該未乾燥塗膜面が下向きになるように透明支持体を設置して、塗膜表面側又は透明支持体面側からの熱風乾燥処理することにより、前記未乾燥塗膜が乾燥する過程において、フィラー粒子が重力の作用により、また、塗膜表面の極端な粘度上昇を抑制することにより、塗膜表面側に徐々に沈降していき、塗膜が乾燥した時点で、当該フィラー粒子の含有密度が、透明支持体側からハードコート層表面に向けて漸次密となる傾斜構造を形成させる。
このように、フィラー粒子の含有密度が傾斜構造をとることにより、その後に続く活性エネルギー線照射により形成された硬化塗膜(ハードコート層)は、その表面付近にフィラー粒子を多く偏在させることができ、その結果、高い防眩機能を発現することができる。
このような乾燥方法を採用することにより、作製された防眩性フィルムにおいては、ハードコート層全体中のフィラー粒子含有量が、従来の防眩性フィルムにおけるハードコート層中のフィラー粒子の含有量と同じである場合、透過鮮明度は、従来の防眩性フィルムとほぼ同じであるが、防眩機能は著しく高くなる。また、ハードコート層全体中のフィラー粒子含有量を、従来の防眩性フィルムにおけるハードコート層中のフィラー粒子含有量よりもかなり少なくしても、従来の防眩性フィルムと同等の防眩機能を発揮させることができ、しかもこの場合、フィラー粒子の含有量が少ない分だけ、従来の防眩性フィルムに比べて透過鮮明度が高くなると共に、ハードコート層の強度や透明支持体への密着性が向上する。
このように、フィラー粒子の含有密度が傾斜構造をとることにより、その後に続く活性エネルギー線照射により形成された硬化塗膜(ハードコート層)は、その表面付近にフィラー粒子を多く偏在させることができ、その結果、高い防眩機能を発現することができる。
このような乾燥方法を採用することにより、作製された防眩性フィルムにおいては、ハードコート層全体中のフィラー粒子含有量が、従来の防眩性フィルムにおけるハードコート層中のフィラー粒子の含有量と同じである場合、透過鮮明度は、従来の防眩性フィルムとほぼ同じであるが、防眩機能は著しく高くなる。また、ハードコート層全体中のフィラー粒子含有量を、従来の防眩性フィルムにおけるハードコート層中のフィラー粒子含有量よりもかなり少なくしても、従来の防眩性フィルムと同等の防眩機能を発揮させることができ、しかもこの場合、フィラー粒子の含有量が少ない分だけ、従来の防眩性フィルムに比べて透過鮮明度が高くなると共に、ハードコート層の強度や透明支持体への密着性が向上する。
本発明における乾燥方式については、乾燥塗膜中のフィラー粒子の含有密度が、所望の傾斜構造を形成し得る方式であればよく、特に制限されず、様々な方式を用いることができる。この乾燥方式としては、例えば赤外線加熱乾燥、電熱加熱乾燥、ホットプレート加熱乾燥、熱風対流乾燥などの方式が挙げられるが、これらの中で、フィラー粒子の含有密度の傾斜構造を制御するのが容易な点から、熱風対流乾燥方式を採用することが好ましい。
この熱風対流乾燥方式は、未乾燥塗膜表面及び/又は透明支持体側に、熱風を吹き付ける対流電熱乾燥方式である。このような熱風対流乾燥方式によると、未乾燥塗膜の乾燥速度を、(1)熱風の温度を一定にして、風速を変化させる、(2)熱風の風速を一定にして、温度を変化させる、(3)熱風の温度及び風速を変化させる、などによって容易に制御することができる。
熱風の温度や未乾燥塗膜の乾燥速度などにより、乾燥塗膜におけるフィラー粒子の含有密度の傾斜構造を制御することができ、その結果防眩機能を容易に制御することが可能となる。また、同じ温度で未乾燥塗膜を乾燥させた場合、塗膜表面側に熱風を吹き付けた方が、防眩性は高くなる。
本発明においては、高い防眩機能を得るためには、ある程度の低温熱風で乾燥させ、一方、低い防眩機能を得るためには、ある程度高温熱風で乾燥させるのがよい。
熱風対流乾燥方式における熱風温度としては、乾燥塗膜中のフィラー粒子の含有密度が所望の傾斜構造を形成し得る点から、30〜75℃の範囲が好ましく、35〜70℃の範囲がより好ましい。また、未乾燥塗膜の厚さは、前記傾斜構造を形成させる点から、一般に5〜25μm程度が好ましく、10〜20μmがより好ましい。
なお、フィラー粒子の含有密度の傾斜構造は、後述の方法により確認することができる。
この熱風対流乾燥方式は、未乾燥塗膜表面及び/又は透明支持体側に、熱風を吹き付ける対流電熱乾燥方式である。このような熱風対流乾燥方式によると、未乾燥塗膜の乾燥速度を、(1)熱風の温度を一定にして、風速を変化させる、(2)熱風の風速を一定にして、温度を変化させる、(3)熱風の温度及び風速を変化させる、などによって容易に制御することができる。
熱風の温度や未乾燥塗膜の乾燥速度などにより、乾燥塗膜におけるフィラー粒子の含有密度の傾斜構造を制御することができ、その結果防眩機能を容易に制御することが可能となる。また、同じ温度で未乾燥塗膜を乾燥させた場合、塗膜表面側に熱風を吹き付けた方が、防眩性は高くなる。
本発明においては、高い防眩機能を得るためには、ある程度の低温熱風で乾燥させ、一方、低い防眩機能を得るためには、ある程度高温熱風で乾燥させるのがよい。
熱風対流乾燥方式における熱風温度としては、乾燥塗膜中のフィラー粒子の含有密度が所望の傾斜構造を形成し得る点から、30〜75℃の範囲が好ましく、35〜70℃の範囲がより好ましい。また、未乾燥塗膜の厚さは、前記傾斜構造を形成させる点から、一般に5〜25μm程度が好ましく、10〜20μmがより好ましい。
なお、フィラー粒子の含有密度の傾斜構造は、後述の方法により確認することができる。
本発明においては、このようにして得られた乾燥塗膜に、活性エネルギー線を照射して該塗膜を硬化させることにより、ハードコート層が形成される。
活性エネルギー線としては、例えば紫外線や電子線などが挙げられる。上記紫外線は、高圧水銀ランプ、ヒュージョンHランプ、キセノンランプなどで得られ、照射量は、通常100〜500mJ/cm2であり、一方電子線は、電子線加速器などによって得られ、照射量は、通常150〜350kVである。この活性エネルギー線の中では、特に紫外線が好適である。なお、電子線を使用する場合は、重合開始剤を添加することなく、硬化膜を得ることができる。
このようにして形成されたハードコート層の厚さは、耐擦傷性、フィラー粒子の含有密度の傾斜構造及び光学特性などの点から、3〜8μmが好ましく、4〜6μmがより好ましい。
本発明においては、このハードコート層は、その中に含まれるフィラー粒子の含有密度が、透明支持体側からハードコート層表面に向けて漸次密となる傾斜構造を有しており、ハードコート層表面近傍にフィラー粒子が多く偏在している。
このような傾斜構造は、例えば以下の方法により確認することができる。
ハードコート層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影して、表面層、中層及び底面層に、それぞれがほぼ同面積になるように3分割する。それぞれの層の断面積において、フィラー粒子の含有面積率を求め、(表面層におけるフィラー粒子の含有面積率)/(底面層におけるフィラー粒子の含有面積率)の値が5より大きければ、傾斜構造を有するものであるとする。
当該ハードコート層表面の算術平均粗さ(Ra)は、通常0.080μm以上であり、その上限に特に制限はないが、通常0.3μm程度である。また、10点平均粗さ(Rz)は、通常0.64μm以上であり、その上限に特に制限はないが、通常5μm程度である。
なお、前記の算術平均粗さ(Ra)及び10点平均粗さ(Rz)は、JIS B 0601に準拠して測定した値である。
活性エネルギー線としては、例えば紫外線や電子線などが挙げられる。上記紫外線は、高圧水銀ランプ、ヒュージョンHランプ、キセノンランプなどで得られ、照射量は、通常100〜500mJ/cm2であり、一方電子線は、電子線加速器などによって得られ、照射量は、通常150〜350kVである。この活性エネルギー線の中では、特に紫外線が好適である。なお、電子線を使用する場合は、重合開始剤を添加することなく、硬化膜を得ることができる。
このようにして形成されたハードコート層の厚さは、耐擦傷性、フィラー粒子の含有密度の傾斜構造及び光学特性などの点から、3〜8μmが好ましく、4〜6μmがより好ましい。
本発明においては、このハードコート層は、その中に含まれるフィラー粒子の含有密度が、透明支持体側からハードコート層表面に向けて漸次密となる傾斜構造を有しており、ハードコート層表面近傍にフィラー粒子が多く偏在している。
このような傾斜構造は、例えば以下の方法により確認することができる。
ハードコート層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影して、表面層、中層及び底面層に、それぞれがほぼ同面積になるように3分割する。それぞれの層の断面積において、フィラー粒子の含有面積率を求め、(表面層におけるフィラー粒子の含有面積率)/(底面層におけるフィラー粒子の含有面積率)の値が5より大きければ、傾斜構造を有するものであるとする。
当該ハードコート層表面の算術平均粗さ(Ra)は、通常0.080μm以上であり、その上限に特に制限はないが、通常0.3μm程度である。また、10点平均粗さ(Rz)は、通常0.64μm以上であり、その上限に特に制限はないが、通常5μm程度である。
なお、前記の算術平均粗さ(Ra)及び10点平均粗さ(Rz)は、JIS B 0601に準拠して測定した値である。
本発明で得られた防眩性フィルムにおいては、通常透過鮮明度は150以上、60°グロス値は80以下、ヘイズ値は12%以上である。
前記透過鮮明度は視認性の指標となり、この値が150未満では十分に良好な表示画質(視認性)が得られない。なお、この透過鮮明度は、JIS K 7105に準拠して測定した、4種類のスリットの合計値である。
また、60°グロス値及びヘイズ値は防眩性の指標となり、60°グロス値が80を超えると表面光沢度が大きく(光の反射が大きい)、防眩性に悪影響を及ぼし、ヘイズ値が12%未満では十分な防眩性が発揮されない。ただし、ヘイズ値があまり高すぎると光透過性が悪くなり、好ましくない。なお、グロス値は、JIS K 7361に準拠して測定した値であり、ヘイズ値は、JIS K 7136に準拠して測定した値である。
防眩性、表示画質(視認性)及び光透過性などのバランスの面から、透過鮮明度は、150〜250、60°グロス値は25〜80、ヘイズ値は12〜30%であることが好ましい。また、本発明の方法によれば、ハードコート層中のフィラー粒子の含有量を減少させることにより、60°グロス値を70程度に維持したまま、透過鮮明度を200以上にすることが可能である。
本発明においては、必要により、前記ハードコート層の表面に、反射防止性を付与させるなどの目的で反射防止層、例えばシロキサン系被膜、フッ素系被膜などを設けることができる。この場合、該反射防止層の厚さは、0.05〜0.2μm程度が適当である。なお、波長550nmの反射率は3.5%以下が好ましい。この反射防止層を設けることにより、太陽光、蛍光灯などによる反射から生じる画面の映り込みが解消され、また、表面の反射率を抑えることで、全光線透過率が上がり、透明性が向上する。なお、反射防止層の種類によっては、帯電防止性の向上を図ることができる。
本発明においては、透明支持体のハードコート層とは反対側の面に、被着体に貼着させるための粘着剤層を形成させることができる。この粘着剤層を構成する粘着剤としては、光学用途用のもの、例えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤が好ましく用いられる。この粘着剤層の厚さは、通常5〜100μm、好ましくは10〜60μmの範囲である。
前記透過鮮明度は視認性の指標となり、この値が150未満では十分に良好な表示画質(視認性)が得られない。なお、この透過鮮明度は、JIS K 7105に準拠して測定した、4種類のスリットの合計値である。
また、60°グロス値及びヘイズ値は防眩性の指標となり、60°グロス値が80を超えると表面光沢度が大きく(光の反射が大きい)、防眩性に悪影響を及ぼし、ヘイズ値が12%未満では十分な防眩性が発揮されない。ただし、ヘイズ値があまり高すぎると光透過性が悪くなり、好ましくない。なお、グロス値は、JIS K 7361に準拠して測定した値であり、ヘイズ値は、JIS K 7136に準拠して測定した値である。
防眩性、表示画質(視認性)及び光透過性などのバランスの面から、透過鮮明度は、150〜250、60°グロス値は25〜80、ヘイズ値は12〜30%であることが好ましい。また、本発明の方法によれば、ハードコート層中のフィラー粒子の含有量を減少させることにより、60°グロス値を70程度に維持したまま、透過鮮明度を200以上にすることが可能である。
本発明においては、必要により、前記ハードコート層の表面に、反射防止性を付与させるなどの目的で反射防止層、例えばシロキサン系被膜、フッ素系被膜などを設けることができる。この場合、該反射防止層の厚さは、0.05〜0.2μm程度が適当である。なお、波長550nmの反射率は3.5%以下が好ましい。この反射防止層を設けることにより、太陽光、蛍光灯などによる反射から生じる画面の映り込みが解消され、また、表面の反射率を抑えることで、全光線透過率が上がり、透明性が向上する。なお、反射防止層の種類によっては、帯電防止性の向上を図ることができる。
本発明においては、透明支持体のハードコート層とは反対側の面に、被着体に貼着させるための粘着剤層を形成させることができる。この粘着剤層を構成する粘着剤としては、光学用途用のもの、例えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤が好ましく用いられる。この粘着剤層の厚さは、通常5〜100μm、好ましくは10〜60μmの範囲である。
さらに、この粘着剤層の上に、必要に応じて剥離シートを設けることができる。この剥離シートとしては、例えばグラシン紙、コート紙、ラミネート紙などの紙及び各種プラスチックフィルムに、シリコーン樹脂などの剥離剤を塗付したものなどが挙げられる。この剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20〜150μm程度である。
本発明はまた、ハードコート層におけるフィラー粒子の含有密度が、透明支持体側からハードコート層表面に向けて密となる傾斜構造を有し、かつ透過鮮明度/60°グロス値が、2.2よりも大きいことを特徴とする防眩性フィルムをも提供する。
すなわち、本発明の防眩性フィルムは、60°グロス値が低いにもかかわらず、高い透過鮮明度を有している。透過鮮明度/60°グロス値の上限に特に制限はない。
このような特性を有する本発明の防眩性フィルムは、前述の本発明の方法によって製造することができる。
本発明はまた、ハードコート層におけるフィラー粒子の含有密度が、透明支持体側からハードコート層表面に向けて密となる傾斜構造を有し、かつ透過鮮明度/60°グロス値が、2.2よりも大きいことを特徴とする防眩性フィルムをも提供する。
すなわち、本発明の防眩性フィルムは、60°グロス値が低いにもかかわらず、高い透過鮮明度を有している。透過鮮明度/60°グロス値の上限に特に制限はない。
このような特性を有する本発明の防眩性フィルムは、前述の本発明の方法によって製造することができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で作製された防眩性フィルムの性能は、下記の方法に従って求めた。
(1)60°グロス
JIS K 7361に準拠し、日本電色工業(株)製、グロスメーター「VG2000」を用いて測定した。
(2)ヘイズ値
JIS K 7136に準拠し、日本電色工業(株)製、ヘイズメーター「NDH2000」を用いて測定した。
(3)透過鮮明度
JIS K 7105に準拠し、スガ試験機(株)製、写像性測定器を用いて測定し、4種類のスリットの合計値を透過鮮明度と表す。
(4)ハードコート層表面の算術平均粗さRa及び10点平均粗さRz
JIS B 0601に準拠し、MITUTOYO社製「SORFPAK−SV」を用い、ハードコート層表面の算術平均粗さRa及び10点平均粗さRzを測定した。
また、ハードコート層の傾斜構造は、下記の方法により調べた。
<ハードコート層の傾斜構造>
明細書本文に記載した方法で調べた。
なお、各例で作製された防眩性フィルムの性能は、下記の方法に従って求めた。
(1)60°グロス
JIS K 7361に準拠し、日本電色工業(株)製、グロスメーター「VG2000」を用いて測定した。
(2)ヘイズ値
JIS K 7136に準拠し、日本電色工業(株)製、ヘイズメーター「NDH2000」を用いて測定した。
(3)透過鮮明度
JIS K 7105に準拠し、スガ試験機(株)製、写像性測定器を用いて測定し、4種類のスリットの合計値を透過鮮明度と表す。
(4)ハードコート層表面の算術平均粗さRa及び10点平均粗さRz
JIS B 0601に準拠し、MITUTOYO社製「SORFPAK−SV」を用い、ハードコート層表面の算術平均粗さRa及び10点平均粗さRzを測定した。
また、ハードコート層の傾斜構造は、下記の方法により調べた。
<ハードコート層の傾斜構造>
明細書本文に記載した方法で調べた。
実施例1
ペンタエリスリトールトリアクリレート[東亜合成(株)製、商品名「アロニックスM−305」(比重1.179)]90.0質量部、平均粒径1.5μmのシリカ微粒子[東ソー・シリカ(株)製、商品名「ニップシールE−200」(比重2.150)]10.0質量部、及び光重合開始剤1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製、商品名「イルガキュア184」]5.0質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルに加え、混合して固形分濃度30質量%の塗工液を調製した。
透明支持体である厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[三菱化学ポリエステル(株)製、商品名「ダイアホイルO300E」]の表面に、前記塗工液を硬化膜厚が4.5μmとなるようにマイヤーバーで塗工し、厚さ約15μmの未乾燥塗膜表面が下向きとなるように設置し、塗膜表面側に温度60℃、風速7.0m/sの熱風を吹き付けて乾燥させたのち、高圧水銀ランプで230mJ/cm2の紫外線を照射して防眩性フィルムを作製した。
この防眩性フィルムの性能及び傾斜構造の有無を第1表に示す。なお、ハードコート層断面のSEM写真において、各層におけるシリカ粒子の含有面積率比は、表面層:中層:底面層=6:3:1であり、(表面層におけるフィラー粒子の含有面積率)/(底面層におけるフィラー粒子の含有面積率)=6であり、傾斜構造を有していた。
比較例1
実施例1において、未乾燥塗膜の乾燥処理を、該未乾燥塗膜表面が上向きとなるように設置して行った以外は、実施例1と同様に実施して、防眩性フィルムを作製した。
この防眩性フィルムの性能及び傾斜構造の有無を第1表に示す。なお、ハードコート層断面のSEM写真において、各層におけるシリカ粒子の含有面積率比は、表面層:中層:底面層=3:3:4であり、(表面層におけるフィラー粒子の含有面積率)/(底面層におけるフィラー粒子の含有面積率)=0.75であり、傾斜構造を有していなかった。
実施例2
実施例1において、未乾燥塗膜の乾燥処理を、塗膜表面側に温度40℃、風速7.0m/sの熱風を吹き付けることにより行った以外は、実施例1と同様に実施して、防眩性フィルムを作製した。
この防眩性フィルムの性能及び傾斜構造の有無を第1表に示す。
比較例2
実施例1において、未乾燥塗膜の乾燥処理を、塗膜表面側に温度80℃、風速7.0m/sの熱風を吹き付けることにより行った以外は、実施例1と同様に実施して、防眩性フィルムを作製した。
この防眩性フィルムの性能及び傾斜構造の有無を第1表に示す。
実施例3
実施例1において、熱風温度を70℃とし、未乾燥塗膜の乾燥処理を、透明支持体面側に熱風を吹き付けることにより行った以外は、実施例1と同様に実施して、防眩性フィルムを作製した。
この防眩性フィルムの性能及び傾斜構造の有無を第1表に示す。
実施例4
実施例1において、塗工液の調製を、ペンタエリスリトールトリアクリレート92.5質量部、シリカ微粒子7.5質量部を用いて行った以外は、実施例1と同様にして防眩性フィルムを作製した。
この防眩性フィルムの性能及び傾斜構造の有無を第1表に示す。
ペンタエリスリトールトリアクリレート[東亜合成(株)製、商品名「アロニックスM−305」(比重1.179)]90.0質量部、平均粒径1.5μmのシリカ微粒子[東ソー・シリカ(株)製、商品名「ニップシールE−200」(比重2.150)]10.0質量部、及び光重合開始剤1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製、商品名「イルガキュア184」]5.0質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルに加え、混合して固形分濃度30質量%の塗工液を調製した。
透明支持体である厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[三菱化学ポリエステル(株)製、商品名「ダイアホイルO300E」]の表面に、前記塗工液を硬化膜厚が4.5μmとなるようにマイヤーバーで塗工し、厚さ約15μmの未乾燥塗膜表面が下向きとなるように設置し、塗膜表面側に温度60℃、風速7.0m/sの熱風を吹き付けて乾燥させたのち、高圧水銀ランプで230mJ/cm2の紫外線を照射して防眩性フィルムを作製した。
この防眩性フィルムの性能及び傾斜構造の有無を第1表に示す。なお、ハードコート層断面のSEM写真において、各層におけるシリカ粒子の含有面積率比は、表面層:中層:底面層=6:3:1であり、(表面層におけるフィラー粒子の含有面積率)/(底面層におけるフィラー粒子の含有面積率)=6であり、傾斜構造を有していた。
比較例1
実施例1において、未乾燥塗膜の乾燥処理を、該未乾燥塗膜表面が上向きとなるように設置して行った以外は、実施例1と同様に実施して、防眩性フィルムを作製した。
この防眩性フィルムの性能及び傾斜構造の有無を第1表に示す。なお、ハードコート層断面のSEM写真において、各層におけるシリカ粒子の含有面積率比は、表面層:中層:底面層=3:3:4であり、(表面層におけるフィラー粒子の含有面積率)/(底面層におけるフィラー粒子の含有面積率)=0.75であり、傾斜構造を有していなかった。
実施例2
実施例1において、未乾燥塗膜の乾燥処理を、塗膜表面側に温度40℃、風速7.0m/sの熱風を吹き付けることにより行った以外は、実施例1と同様に実施して、防眩性フィルムを作製した。
この防眩性フィルムの性能及び傾斜構造の有無を第1表に示す。
比較例2
実施例1において、未乾燥塗膜の乾燥処理を、塗膜表面側に温度80℃、風速7.0m/sの熱風を吹き付けることにより行った以外は、実施例1と同様に実施して、防眩性フィルムを作製した。
この防眩性フィルムの性能及び傾斜構造の有無を第1表に示す。
実施例3
実施例1において、熱風温度を70℃とし、未乾燥塗膜の乾燥処理を、透明支持体面側に熱風を吹き付けることにより行った以外は、実施例1と同様に実施して、防眩性フィルムを作製した。
この防眩性フィルムの性能及び傾斜構造の有無を第1表に示す。
実施例4
実施例1において、塗工液の調製を、ペンタエリスリトールトリアクリレート92.5質量部、シリカ微粒子7.5質量部を用いて行った以外は、実施例1と同様にして防眩性フィルムを作製した。
この防眩性フィルムの性能及び傾斜構造の有無を第1表に示す。
本発明の方法で得られた防眩性フィルムは、優れた防眩機能を有する上、透過鮮明度が高く、各種ディスプレイ、例えば液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、ブラウン管、さらにはタッチパネルなどに適用することができる。
Claims (9)
- 透明支持体上に、活性エネルギー線硬化型化合物を含む溶液とフィラー粒子とを含有する塗工液を塗布し、乾燥処理して塗膜を形成させたのち、該塗膜に活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、微細凹凸形状を有するハードコート層を形成させて防眩性フィルムを製造する方法であって、
前記フィラー粒子として、前記活性エネルギー線硬化型化合物を含む溶液よりも比重の大きな粒子を用い、かつ未乾燥塗膜面が下向きになるように透明支持体を設置して乾燥処理し、フィラー粒子の含有密度が、透明支持体側からハードコート層表面に向けて漸次密となる傾斜構造を有するハードコート層を形成させることを特徴とする防眩性フィルムの製造方法。 - 乾燥処理を、未乾燥塗膜表面及び/又は透明支持体側に熱風を吹き付ける対流乾燥方式で行う請求項1に記載の防眩性フィルムの製造方法。
- 熱風温度が30〜75℃である請求項2に記載の防眩性フィルムの製造方法。
- フィラー粒子の平均粒径が、0.8〜6.0μmである請求項1〜3のいずれかに記載の防眩性フィルムの製造方法。
- フィラー粒子が球状である請求項4に記載の防眩性フィルムの製造方法。
- 得られる防眩性フィルムの透過鮮明度が150以上、60°グロス値が80以下及びヘイズ値が12%以上である請求項1〜5のいずれかに記載の防眩性フィルムの製造方法。
- 透過鮮明度が200以上である請求項6に記載の防眩性フィルムの製造方法。
- 形成されるハードコート層表面の算術平均粗さ(Ra)が0.080μm以上で、10点平均粗さ(Rz)が0.64μm以上である請求項1〜7のいずれかに記載の防眩性フィルムの製造方法。
- ハードコート層におけるフィラー粒子の含有密度が、透明支持体側からハードコート層表面に向けて密となる傾斜構造を有し、かつ透過鮮明度/60°グロスの値が、2.2よりも大きいことを特徴とする防眩性フィルム。
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