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JP2007153283A - ロールオーバ判定装置及びロールオーバ判定方法 - Google Patents

ロールオーバ判定装置及びロールオーバ判定方法 Download PDF

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JP2007153283A
JP2007153283A JP2005355474A JP2005355474A JP2007153283A JP 2007153283 A JP2007153283 A JP 2007153283A JP 2005355474 A JP2005355474 A JP 2005355474A JP 2005355474 A JP2005355474 A JP 2005355474A JP 2007153283 A JP2007153283 A JP 2007153283A
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Satoru Sugie
哲 杉江
Shusaku Kuroda
修作 黒田
Noribumi Iyoda
紀文 伊豫田
Yujiro Miyata
裕次郎 宮田
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Denso Ten Ltd
Toyota Motor Corp
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Denso Ten Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】 車両のロールオーバをより迅速かつ正確に感知するロールオーバ判定装置を提供する。
【解決手段】 車両の横転可能性を判定して、乗員を保護する保護装置を起動するロールオーバ判定装置であって、
車両に設けられたサスペンションのバネよりも下側に設置された車両下部前後軸回りの回転状態を検出するバネ下ロールレイトセンサ3と、このバネ下ロールレイトセンサ3の検出した回転状態に基づいて、車両の横転可能性を判定するロールオーバ判定部25とを有している。車両が横転するときには、サスペンションよりも下側の車両下部の回転状態が大きくなるので、これを検出することで車両の横転可能性を迅速にしかも正確に検出することができる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、車両の横転(ロールオーバ)を感知するためのロールオーバ判定装置及びロールオーバ判定方法に関する。特に、ロールオーバを迅速かつ正確に感知する技術に関する。
近年、車両横転時の乗員の安全を確保するために、フロントエアバッグやサイドエアバッグなどに加えカーテンエアバッグとこれを動作させる車両ロールオーバの感知システムとが開発されている。カーテンエアバッグとは、車両ロールオーバ時に、車両のサイド内側で上方や、前方、後方などから車両のサイドの窓を塞ぐように展開して、乗員が窓から車外に飛び出してしまうことを防止するエアバッグである。サイドエアバック、カーテンエアバッグについては、乗員と車室側部との間にある程度の隙間が確保できる時間内にエアバッグの展開判定を行う必要がある。
車両の横転を検知する技術として、例えば、特許文献1のように車両がロールする際のロールレイト(RR、角速度)と、このロールレイトを時間積分したロール角(RA)とをパラメータとする2次元マップと、前述ロールレートと車両の横方向加速度(Gy)とをパラメータとする2次元マップとを用いて車両の横転を検出するロールオーバ判定装置が知られている。
RR−RAの2次元マップは、主にレーンチェンジや斜面走行時など、車両の横転スピードが比較的ゆっくりとしたロールオーバを検知することを目的として設定されている。またRR−Gyの2次元マップは、主にトリップオーバなど車両の横転スピードがはやいロールオーバを検知することを目的として設定されている。
特開2002−200951号公報
しかしながら、上述したロールオーバ判定装置のロールレイトセンサは、乗員を乗せる車室のフロア部に搭載されており、車室の挙動だけしか検出できていなかった。図1を参照しながら横転時の車両の挙動について説明する。図1には、車両横転時の車体の様子と、車体上部の車室のロール角の経時変化を示す。例えば、車両の旋回によってロールオーバが発生する場合、まず、車両の上部(車室)にロールが生じる(図1(B)に示す状態)。その後、車室がさらにロールしようとすると、サスペンションのバネがストロークの限界に達し(図1(C)に示す状態)、バネの反力で車体下部(サスペンションのバネよりも下側の車体)がロールする。この時、サスペンションの反力と、重心の移動との関係で、車室(バネ上重量)のロールが一時的に反転し、車体下部がロールしていく方向とは逆向きのロールレートが発生する(図1(D)に示す状態)。その後、車室と車体下部とがほぼ一体となり、同じロール角、ロールレートの挙動で車両がロールオーバーしていく(図1(E)に示す状態)。このような車両のロールオーバでは、車体下部のロール挙動を考慮できていないことで、ロールオーバの判別が遅くなってしまっているという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ロールオーバをより迅速かつ正確に感知することができるロールオーバ判定装置及びロールオーバ判定方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために本発明のロールオーバ判定装置は、車両の横転可能性を判定して、乗員を保護する保護装置を起動するロールオーバ判定装置であって、車両に設けられたサスペンションのバネよりも下側に設置された車両下部の前後軸回りの回転状態を検出する車両下部回転状態検出手段と、前記車両下部回転状態検出手段の検出した回転状態に基づいて、車両の横転可能性を判定する判定手段とを有する構成としている。
車両が横転するときには、サスペンションよりも下側の車両下部の回転角度が大きくなるので、これを検出することで車両の横転可能性を迅速にしかも正確に検出することができる。
上記ロールオーバ判定装置において、車両に設けられたサスペンションのバネよりも上側に設置された車両上部の前後輪回りの回転状態を検出する車両上部回転状態検出手段を有し、前記判定手段は、前記車両下部回転状態検出手段と前記車両上部回転状態検出手段の検出する回転状態に応じたロール角に基づいて、車両の横転可能性を判定するとよい。
横転時に、それぞれ違う挙動を示す車室と車両下部の回転状態を検出して車両の横転可能性を判定するので、車両の横転可能性を迅速にしかも正確に検出することができる。
上記ロールオーバ判定装置において、前記判定手段は、車室と前記車両下部のロール角に、前記車室と前記車両下部の重量比に応じて設定される係数をそれぞれ乗算した結果を加算し、加算値が第1のしきい値以上となった場合に、車両の横転可能性ありと判定するとよい。
車両の重心位置での回転状態を求めることで、車両の横転可能性を迅速にしかも正確に検出することができる。
上記ロールオーバ判定装置において、前記判定手段は、車室のロール角が第1しきい値以上となった後に、前記車両下部のロール角が前記第1しきい値よりも小さい第2しきい値以上となった場合に、車両の横転可能性ありと判定するとよい。また、前記判定手段は、車室のロール角が第1しきい値以上となった後に第3しきい値よりも小さくなり、その後前記車両下部のロール角が前記第1しきい値よりも小さい第2しきい値以上となった場合に、車両の横転可能性ありと判定するとよい。
車両の横転判定を精度よく行うことができる。
上記ロールオーバ判定装置において、前記判定手段は、前記車室のロール角と前記車両下部のロール角との差が所要値以上である場合に、前記車両上部回転状態検出手段と前記車両下部回転状態検出手段の出力による横転判定を行わないとよい。また、前記判定手段は、前記車室のロール角と前記車両下部のロール角の向きが異なる場合に、前記車両上部回転状態検出手段と前記車両上部回転状態検出手段の出力による横転判定を行わないとよい。さらに、前記判定手段は、前記車室のロール角が前記車両下部のロール角よりも小さい場合に、横転ではないと判定するとよい。
誤った横転判定を行わないようにすることができる。
本発明のロールオーバ判定方法は、車両の横転可能性を判定して、乗員を保護する保護装置を起動させるロールオーバ判定方法であって、車両に設けられたサスペンションのバネよりも下側に設置された車両下部回転状態検出手段によって、車両下部前後軸回りの回転状態を検出するステップと、検出した回転状態に基づいて、車両の横転可能性を判定するステップと、を有している。
車両が横転するときには、サスペンションよりも下側の車両下部の回転角度が大きくなるので、これを検出することで車両の横転可能性を迅速にしかも正確に検出することができる。
本発明は、車両のロールオーバをより迅速かつ正確に感知することができる。
添付図面を参照しながら本実施例の最良の実施例を説明する。
まず、図2を参照しながら本実施例のロールオーバ判定装置の構成を説明する。ロールオーバ判定装置は、図2に示すように車両の横転を判定するECU1と、ECU1からの横転判定信号によりエアバック等の保護装置を展開する乗員保護装置50と、車両下部のロール角(回転状態)を検出するバネ下ロールレイトセンサ3とを備えている。また、ECU10には、図2に示すように車室ロールレイトセンサ2と、この車室ロールレイトセンサ2からのセンサ信号と、バネ下ロールレイトセンサ3からのセンサ信号とを用いて、車両の横転を判定するメインCPU10、サブCPU30、判定回路40等の制御部とを有している。
メインCPU10は、図2に示すように入力ポート11、CPU12、ROM13、RAM14、バックアップRAM15、出力ポート16等を備えている。ROM13には、車両の横転判定用のプログラムが格納されており、CPU12は、ROM13からこのプログラムを読み出して、プログラムに従った演算を行うことで車両の横転判定を行う。RAM14は、CPU12が演算を行う際のワークエリアとして使用される揮発性のメモリである。またバックアップRAM15は、不揮発性のメモリであって、入力ポート11から入力したセンサデータや、CPU12の演算データ等が格納される。CPU12による横転の判定結果は、出力ポート16から判定回路40に出力される。
また、サブCPU30もメインCPU10と同様な構成を備えており、セーフィング判定用(誤判定を防止するための判定)として使用される。バネ下ロールレイトセンサ3のセンサ信号に基づいて行う判定は、セーフィング判定の意味を持っており、セーフィング判定を本判定と同一のCPUで行うと、CPUの故障やノイズで誤動作したときにセーフィングの意味がなくなるため、メインCPU10とサブCPU30とを設けている。
判定回路40は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって構成され、メインCPU10とサブCPU30の判定結果を論理演算し、演算結果をロールオーバ判定結果として乗員保護装置50に出力する。
車室ロールレイトセンサ2とバネ下ロールレイトセンサ3は、車両の前後軸を軸として回った際に、車両の前後軸回りに生じる回転力による回転角速度(ロールレイト)を検出する。ロールレイトセンサとしては、一般的なセンサ、例えば、コリオリの力を用いて回転角速度を検出するタイプの周知のセンサを用いることできる。
車室ロールレイトセンサ2は、図2及び図3に示すようにECU1内に搭載され、図3に示すように乗員を乗せる車室51内に設置されている。ここでは、ECU1がインパネ下部等の車室内に設けられている場合に、車室ロールレイトセンサ2をECU1内に設ける例を記載しているが、車室内のどこに設けてもよく、また車両のサスペンションのバネより上部であれば車室内に設けなくても良い。
バネ下ロールレイトセンサ3は、図4に示すように車両の下部に設けられている。具体的には、図4に示すように車輪を懸架するサスペンションのバネ52よりも下側の車両部分、例えば車軸に取り付けられている。以下では、バネ下ロールレイトセンサ4でロール角を測定する車両下部を台車部と呼ぶ。また、図4に示すようにバネ下ロールレイトセンサ4は、左右の車輪の近傍にそれぞれ設けてもよいし、車軸の中心付近に1つ設けてもよい。すなわち、車輪の近傍に配置するときには、前後輪の近傍に4つ、車軸の中心付近に配置するときには前後の車軸にそれぞれ1つずつ設ければよい。
図5には、プログラムに従った処理によりメインCPU10内に構築される機能ブロックと、サブCPU30内に構築される機能ブロックと、ASICに組み込まれた判定回路40の論理演算部とを示す。図5に示すようにメインCPU10内には、LPF21、23と、積分器22、24と、ロールオーバ判定部25とが構成される。また、サブCPU30内には、LPF31、33と、積分器32、34と、RR−RA判定部35とが構成される。さらに、判定回路40内には、ANDゲート41が構成される。
メインCPU10内のローパスフィルタ(LPF)21、23は、各センサ2、3から出力されたそれぞれの電気信号のノイズ成分を除去する。ノイズの除去特性は、センサ2、3の性質に鑑みて決定することができる。ローパスフィルタによるフィルタリングは、アナログ信号でのフィルタリングでも、ディジタル信号に変換した後で行ってもよい。なお、サブCPU30内のローパスフィルタ(LPF)31、33もメインCPU10内のローパスフィルタ(LPF)21、23と同様の機能を果たす。
積分器22は、ノイズ成分を除去された車室ロールレイトセンサ2のセンサ信号を時間で積分して、ロール角RA1を演算する。同様に、積分器24は、ノイズ成分を除去されたバネ下ロールレイトセンサ3のセンサ信号を時間積分して、ロール角RA2を演算する。
ロールオーバ判定部25の判定方法について詳述する。
ロールオーバ判定部25は、積分器22から出力される車室のロール角情報RA1と、積分器24から出力される台車のロール角情報RA2とを用いて、車両の横転を判定する判定値を求める。この判定値を予め設定してあるしきい値と比較して、判定値がしきい値よりも大きくなると横転可能性ありと判定する。
判定値は、以下に示す算出式に従って算出される。
判定値=(車室のロール角RA1)×K1+(台車のロール角RA2)×K2
ここで、係数K1と係数K2は、車室と台車の重量比に応じて決定される定数であり、係数K1,K2を車室と台車の重量比に応じて設定しおけば、それぞれのロール角に乗算することで車両の重心位置での傾きを求めることができる。図6には、車両の横転の様子と、そのときの判定値の経時変化が示されている。図1に示すように車室のロール角RA1は、横転の過程でサスペンションのバネの反力によってロール角が大きくなったり小さくなったり変動していた。これに対して上述した算出式に従って求めた判定値は、車両重心位置でのロール角を表しているので、図6に示すようにロール角の変化が単調に増加していくので、横転可能性を早期に判定することができる。
また、サブCPU30は、車室ロールレイトセンサ2のセンサ信号をLPF31に入力して低周波成分を取り出し、積分器32で時間積分してロール角RA1を求める。このロール角RA1とLPF31の出力であるロールレイトRR1とをRR−RA判定部35に入力する。同様に、バネ下ロールレイトセンサ3のセンサ信号をLPF33に入力して低周波成分を取り出し、積分器34で時間積分してロール角RA2を求める。このロール角RA2とLPF31の出力であるロールレイトRR2とをRR−RA判定部35に入力する。
RR−RA判定部35には、図7に示すようなロールレイトとロール角とをパラメータとする2次元の判定マップが格納されており、ロールレイトRR1とロール角RA1とからマップ判定を行う。同様にロールレイトRR2とロール角RA2とからマップ判定を行う。図7に示すように判定マップ上には、横転可能性ありと判定される領域Rが予め設定されている。車室ロールレイトセンサ2とバネ下ロールレイトセンサ3は、周期的にロールレイトRRを測定するので、このロールレイトRRとロール角RAとで定まる特定点が上記領域R上に属したときに、車両がロールオーバ様態であると判定する。車室ロールレイトセンサ2のセンサ信号を用いた横転判定と、バネ下ロールレイトセンサ3のセンサ信号を用いた横転判定とが共に横転の判定であった場合、又はどちらか一方の横転判定で横転の判定を行った場合には、RR−RA判定部35は、判定回路40のANDゲート41に横転可能性ありを示す判定信号を出力する。
判定回路40のANDゲート41は、ロールオーバ判定部25と、RR−RA判定部35の判定結果の論理積を演算し、演算結果をロールオーバ判定結果として乗員保護装置50に出力する。
乗員保護装置50には、サイドエアバックやカーテンエアバックが含まれる。横転の可能性ありと判定されると、判定回路40からのロールオーバ判定信号をアクチュエータに供給する。アクチュエータはロールオーバ判定信号が入力されると、高圧ガスをサイドエアバック、カーテンエアバックに供給し、これらを展開させる。また、乗員保護装置50には、シートベルトプリテンショナが含まれ、判定回路40によって横転可能性ありと判定されるとシートベルトを巻き上げる。
図8に示すフローチャートを参照しながらメインCPU10の動作手順を説明する。
まず、車室ロールレイトセンサ2と、バネ下ロールレイトセンサ3によって測定されたセンサ信号をそれぞれメインCPU10に入力する(ステップS1)。これらのセンサ信号は、それぞれ対応するLPF21、23に入力され、ここでセンサ信号の低周波数成分が取り出される(ステップS2)。次に、センサ信号を積分器22、24で時間積分して、車室のロール角RA1と、台車のロール角RA2をそれぞれ算出する(ステップS3)。算出結果は、ロールオーバ判定部25に出力される。ロールオーバ判定部25では、まず、車室のロール角RA1と台車のロール角RA2に、それぞれ係数K1、K2を積算し、係数を積算した結果を足し合わせ、判定値を求める(ステップ4)。次に、ロールオーバ判定部25は、算出した判定値と予め設定されているしきい値とを比較する。図6に示すように判定値がしきい値を超えている場合(ステップS5/YES)、横転可能性ありを示す信号を判定回路40に出力する(ステップS6)。なお、RR−RA判定部35による横転判定結果も横転可能性ありであった場合には、乗員保護装置50を起動させる信号が出力される。
このように本実施例では、横転時に、それぞれ違う挙動を示す車室と車両下部の傾きを検出して車両の横転可能性を判定するので、車両の横転可能性を迅速にしかも正確に検出することができる。従って、サイドエアバックやカーテンエアバックを展開させるタイミングに遅れを生じさせない。
なお、上述した説明では、車室と台車の傾きから車両重心位置の傾きを求めて、車両の横転を判定していたが、車両の横転は、サスペンションよりも下側の台車の横転でもあるので、台車のロール角だけで車両の横転可能性を判定することもできる。この場合にも車両の横転可能性を迅速にしかも正確に検出することができる。
次に、添付図面を参照しながら本発明の第2実施例を説明する。上述した実施例1では車室のロール角に係数を積算したものと、台車のロール角に定数を積算したものとを加算して車両の重心位置でのロール角を判定値として求めていた。本実施例では、実施例1のように判定値は算出せずに、車室のロール角と、台車のロール角にそれぞれ別々のしきい値を設定して、横転判定を行う。
本実施例の横転判定方法を図9を参照しながら説明する。横転が始まり、車室のロール角RA1が大きくなって図9(B)に示すようにサスペンションのバネがストローク限界に近くなってくると、台車部が車室に引かれてロールを初める。さらに、車室の傾きが大きくなり、サスペンションのバネがストローク限界に達する(図9(C)参照)と、車室はサスペンションの反力と重心の移動との関係で、一時的に車両がロールしていく方向とは逆向きにロールする(図9(D)参照)。すなわち、図9に示すように車室のロール角が減少していく。その後、車室と車体下部とがほぼ一体となり、同じロール角、ロールレートの挙動で車両がロールオーバーしていく。そこで、本実施例では、車室用のしきい値(以下、第1しきい値という)と、第1のしきい値よりも小さい車室用のしきい値(以下、第3しきい値という)と、第1のしきい値よりも小さい台車用のしきい値(以下、第2しきい値という)とを予め設定しておいて、図9に示すように車室のロール角RA1が第1しきい値を超えた後に、ロール角RA1が第1しきい値を下回ってさらに第3しきい値を下回り、その後、台車のロール角RA2が第2しきい値を超えた場合に、横転可能性ありと判定する。このように横転までの車室と台車の挙動に合わせて横転判定の判定基準値を設定することで、迅速にしかも正確に横転判定することができる。
なお、上述した判定方法以外に、以下に示す判定方法も考えれる。
まず、車室のロール角RA1が第1しきい値以上となり、かつ台車のロール角RA2が第2しきい値以上となった場合に、車両に横転可能性ありと判定する方法がある。この判定方法では、車室のロール角RA1と台車のロール角RA2がそれぞれに設定したしきい値を超えた場合に横転可能性ありと判定する。
また、車室のロール角RA1が第1しきい値以上となった後で、台車のロール角RA2が第2しきい値以上となった場合に、車両の横転可能性ありと判定する方法がある。この判定方法は、車室のロール角RA1が第1しきい値を超えたことだけを見ており、車室のロール角RA1が第1しきい値を下回ったかは判定基準にしていない。
なお、第3のしきい値は、図9に示すように第1のしきい値よりも小さい値としていたが、第1しきい値よりも大きな値にしてもよいし、第1しきい値と第3しきい値とを同一の値にしてもよい。なお、第3しきい値は第1しきい値と同様に第2しきい値よりも大きな値の方が好ましい。
図10に示すフローチャートを参照しながら本実施例のロールオーバ判定部25の動作手順を説明する。
車室ロールレイトセンサ2、バネ下ロールレイトセンサ3によって測定されたセンサ信号を入力して(ステップS10)、それぞれの信号の低周波数成分を取り出し(ステップS11)、これらを時間積分して車室のロール角RA1と台車のロール角RA2とを求める(ステップS12)。これらの情報は、ロールオーバ判定部25に入力される。
ロールオーバ判定部25は、まず、フラグ2がオンしているか否かを判定する(ステップS13)。フラグ2は、フラグ1がオン状態で、車室のロール角RA1が第3しきい値以下になった場合にオンするフラグである。またフラグ1は、車室のロール角RA1が第1しきい値以上になった場合にオンするフラグである。フラグ2がオンしている場合には(ステップS13/YES)、ロールオーバ判定部25は台車のロール角RA2が第2しきい値以上になっているか否かを判定する(ステップS14)。台車のロール角RA2が第2しきい値以上になっている場合には(ステップS14/YES)、車両の横転判定を出力する(ステップS15)。
また、フラグ2がオンしていない場合には(ステップS13/NO)、ロールオーバ判定部25は、フラグ1がオンしているか否かを判定する(ステップS16)。フラグ1がオンしている場合(ステップS16/YES)、ロールオーバ判定部25は、車室のロール角RA1が第3しきい値以下になっているか否かを判定する(ステップS17)。車室のロール角RA1が第3しきい値以下になっている場合(ステップS17/YES)、ロールオーバ判定部25はフラグ2をオンさせる(ステップS18)。また、車室のロール角RA1が第3しきい値以下になっていない場合(ステップS17/NO)、ロールオーバ判定部25はフラグの変更は行わず、その後の経過を監視する。
また、フラグ1がオンしていない場合(ステップS16/NO)、ロールオーバ判定部25は、ロール角RA1が第1しきい値以上になっているか否かを判定する(ステップS19)。車室のロール角RA1が第1しきい値以上になっている場合(ステップS19/YES)、ロールオーバ判定部25は、フラグ1をオンさせる(ステップS20)。また、車室のロール角RA1が第1しきい値以上になっていない場合(ステップS19/NO)、ロールオーバ判定部25は、ロールオーバ判定部25はフラグの変更は行わず、その後の経過を監視する。このようにして本実施例では、車両の横転を迅速かつ正確に判定することができる。
以上の説明では、車両が横転する場合について説明したが、車室と台車のロール角が以下に示す条件を満たすときには、センサの故障と判定し、横転と判定しない。
まず、車室の傾きと台車の傾きに所定値以上の開きがある場合である。サスペンションのストロークには限界があるので、それ以上の開きがある場合には、センサの故障の可能性が高い。
また車室と台車の傾きの向きが異なる場合である。車両が横転する場合には、同じ方向に傾くのでセンサの故障の可能性が高い。
また、車室の傾きが台車部の傾きよりも小さい場合には、横転ではないと判定する。横転する場合は、車室の方が傾きが大きくなる。
なお、上述した説明では、車室のロール角RAが第1しきい値を超えた後に第1しきい値を下回ったか否かを判定しているが、車室のロール角RAが第1しきい値を超えたか否かだけに着目し、その後に台車のロール角RAが第2しきい値を超えた場合に横転と判定してもよい。
なお、図8に示すフローと図10に示すフローは、ロールオーバ判定部25でいずれか一方のみを行ってもよいし、図8と図10に示すフローを並列処理して、どちらか一方で車両の横転可能性ありと判定されると、判定回路40に横転判定出力を行うようにしてもよい。
また、上述した実施例1及び2では車室及び台車のロール角RAによって車両の横転可能性を判定していたが、車室と台車のロールレイトRRを用い、実施例1及び2と同様な手順で車両の横転を判定することも可能である。図11に車両が横転するときの車室と台車のロールレイトを示す。なお、図11に実線で示す曲線が車室のロールレイトであり、点線で示す曲線が台車のロールレイトである。図11に示すように、まず車室のロールレイトが大きくなり、その後サスペンションのバネがストローク限界となり車室のロールレイトが車両の横転方向とは逆向きになる。その後、バネの反力によって台車のロールレイトが車両の横転方向に大きくなる。このようにロールレイトもロール角と同様な軌跡を描くので上述した横転判定方法を十分に適用することができる。
上述した実施例は本発明の好適な実施例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
車両の横転時に、車室のロール角の経時変化を示す図である。 ロールオーバ判定装置の構成を示すブロック図である。 車室ロールレイトセンサの配置を示す図である。 バネ下ロールレイトセンサの配置を示す図である。 ロールオーバ判定装置のより詳細な構成を示すブロック図である。 車両が横転する過程で、車両重心位置のロール角の経時変化を示す図である。 判定マップを示す図である。 実施例1のロールオーバ判定装置の動作手順を示すフローチャートである。 実施例2のロールオーバ判定方法を説明するための図である。 実施例2の動作手順を示すフローチャートである。 車室と台車のロールレイトの経時変化を示す図である。
符号の説明
1 ECU
2 車室ロールレイトセンサ(車両上部回転状態検出手段)
3 バネ下ロールレイトセンサ(車両下部回転状態検出手段)
10 メインCPU
11 入力ポート
12 CPU
13 ROM
14 RAM
15 バックアップRAM
16 出力ポート
21、22、31、33 LPF
22、24、32、34 積分器
25 ロールオーバ判定部
35 RR−RA判定部
40 判定回路
41 ANDゲート
50 乗員保護装置
52 バネ

Claims (9)

  1. 車両の横転可能性を判定して、乗員を保護する保護装置を起動するロールオーバ判定装置であって、
    車両に設けられたサスペンションのバネよりも下側に設置された車両下部の前後軸回りの回転状態を検出する車両下部回転状態検出手段と、
    前記車両下部回転状態検出手段の検出した回転状態に基づいて、車両の横転可能性を判定する判定手段と、
    を有することを特徴とするロールオーバ判定装置。
  2. 車両に設けられたサスペンションのバネよりも上側に設置された車両上部の前後輪回りの回転状態を検出する車両上部回転状態検出手段を有し、
    前記判定手段は、前記車両下部回転状態検出手段と前記車両上部回転状態検出手段の検出する回転状態に応じたロール角に基づいて、車両の横転可能性を判定することを特徴とする請求項1記載のロールオーバ判定装置。
  3. 前記判定手段は、車室と前記車両下部のロール角に、前記車室と前記車両下部の重量比に応じて設定される係数をそれぞれ乗算した結果を加算し、加算値が第1のしきい値以上となった場合に、車両の横転可能性ありと判定することを特徴とする請求項2記載のロールオーバ判定装置。
  4. 前記判定手段は、車室のロール角が第1しきい値以上となった後に、前記車両下部のロール角が前記第1しきい値よりも小さい第2しきい値以上となった場合に、車両の横転可能性ありと判定することを特徴とする請求項2記載のロールオーバ判定装置。
  5. 前記判定手段は、車室のロール角が第1しきい値以上となった後に第3しきい値よりも小さくなり、その後前記車両下部のロール角が前記第1しきい値よりも小さい第2しきい値以上となった場合に、車両の横転可能性ありと判定することを特徴とする請求項2記載のロールオーバ判定装置。
  6. 前記判定手段は、前記車室のロール角と前記車両下部のロール角との差が所要値以上である場合に、前記車両上部回転状態検出手段と前記車両下部回転状態検出手段の出力による横転判定を行わないことを特徴とする請求項4又は5記載のロールオーバ判定装置。
  7. 前記判定手段は、前記車室のロール角と前記車両下部のロール角の向きが異なる場合に、前記車両上部回転状態検出手段と前記車両上部回転状態検出手段の出力による横転判定を行わないことを特徴とする請求項4又は5記載のロールオーバ判定装置。
  8. 前記判定手段は、前記車室のロール角が前記車両下部のロール角よりも小さい場合に、横転ではないと判定することを特徴とする請求項4又は5記載のロールオーバ判定装置。
  9. 車両の横転可能性を判定して、乗員を保護する保護装置を起動させるロールオーバ判定方法であって、
    車両に設けられたサスペンションのバネよりも下側に設置された車両下部回転状態検出手段によって、車両下部前後軸回りの回転状態を検出するステップと、
    検出した回転状態に基づいて、車両の横転可能性を判定するステップと、
    を有することを特徴とするロールオーバ判定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115285137A (zh) * 2022-08-26 2022-11-04 沈阳工业大学 一种基于lstm-dtw重型车辆侧翻预警方法

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