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JP2007136715A - バイオマス系繊維製造方法及びバイオマス系繊維製造装置 - Google Patents

バイオマス系繊維製造方法及びバイオマス系繊維製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】繊維を含むバイオマス系材料から、バイオマス系繊維を簡便に、効率良く製造する方法及びその装置、及び応用製品を提供する。
【解決手段】繊維を含むバイオマス系材料を、加熱圧縮して、繊維と繊維以外の部位に分離し、繊維を取り出すことからなるバイオマス系繊維の製造方法、バイオマス系材料から分離されたバイオマス系繊維とその応用製品、及び、バイオマス系材料の導入部、該材料を加熱圧縮する加熱圧縮部、及び繊維を取り出す取出部を具備してなるバイオマス系繊維の製造装置。
【効果】バイオマス系材料の利用を促進し、森林の伐採抑制、環境保全を達成することを可能とする新しいバイオマス系繊維及びその製造に関する新技術、新製品を提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、バイオマス系繊維を製造する方法、及び該方法に使用されるバイオマス系繊維の製造装置に関するものであり、更に詳しくは、バイオマス系材料を、ロールプレス機で加熱圧縮することにより、簡便な方法及び手段で、該バイオマス系材料から繊維を高効率に取り出すことを可能とするバイオマス系繊維の製造方法、及びその装置に関するものである。
本発明は、再生産可能資源として、その活用が高く期待されている竹やバガス等のバイオマス系材料から、バイオマス系繊維を、簡便な装置及び工程により、化学薬品等を使用することなく、効率的に製造することが可能なバイオマス系繊維の製造方法、及びその装置を提供するものである。本発明は、天然繊維であって、更には、ガラス繊維又はカーボン繊維の代替物としても有用なバイオマス系繊維を効率良く製造し、提供することを可能とするバイオマス系繊維に関する新技術、新製品を提供するものである。
竹やバガス等から得られるバイオマス系繊維は、従来のガラス繊維に替わる環境対応型材料として、また、衣料用繊維として最近注目されている繊維である。該バイオマス系繊維を製造するために、従来技術として、所定の長さに切断したバイオマス系材料を圧延装置により粗砕し、得られた粗砕品を、特定の機構を有するハンマーミル型粉砕装置により繊維化する方法(特許文献1)や、天然木質から蒸煮爆砕処理により天然繊維を回収する方法(特許文献2)が提案されている。
しかし、上記した前者の方法では、粗砕したバイオマス系材料をハンマーミル型粉砕装置で繊維化する工程に非常に多くの時間とエネルギーを要し、非効率である。また、上記した後者の方法では、蒸煮爆砕処理のために高温高圧に耐え得る大掛かりな装置を必要とし、処理に長時間を要し、また、高温高圧環境が必要なために大量のエネルギーを消費し、また、その原理上、連続処理が不可能である。一般に、竹やバガス等から得られるバイオマス系繊維は、再生産可能資源として注目されている天然繊維である。この種のバイオマス系繊維には、例えば、靭皮繊維である亜麻、大麻、ジュート、ケナフ、葉脈繊維であるマニラ麻、サイザル麻、果実又は茎幹繊維であるヤシ類の実及び幹、へちま、麦わら、稲わら、竹、葦、シュロ、及びバガス等の植物繊維が含まれる。
バイオマス系繊維について、非木質繊維植物である竹及び稲わらを原料とした繊維を一例として説明すると、竹繊維の原料である竹は、稲科の多年生植物で成長が早く、短サイクルで再生産が可能な植物であり、また、稲わらは、わが国及び東南アジアにおける稲作地帯において大量に副生する繊維含有材料であり、それらの有効利用が望まれている。
従来、これらのバイオマス系繊維の製造に関する先行技術が種々報告されており、例えば、竹繊維の製造例として、押潰し状態の短冊状竹片を解繊機で解繊することにより、竹片の長さを維持した繊維を得た後、該繊維をスクリーンにより選別して竹繊維とする、竹繊維を簡単かつ迅速に、歩止り良く製造する方法(特許文献3参照)、また、乾燥した笹又は竹を5〜10mmに切断し、この切断片を苛性ソーダ水溶液で煮沸して、笹・竹中のリグニンが溶出されてセルロースが分解し易くなってから、このパルプを水で洗浄してアルカリ分を除去した後、解繊して笹・竹繊維を製造する方法(特許文献4参照)、が報告されている。
また、竹材を密閉した空間に入れ、該空間内に熱した蒸気を送り込むことにより一定時間の間、一定の圧力に保ち、この後に急激に空間内の圧力を低下させる工程を一回もしくは複数回行い、得られた竹繊維を煮沸して竹繊維を製造する方法(特許文献5参照)、また、竹材を圧縮して開裂させて、平板状に圧縮成形した竹材を、加熱水蒸気の雰囲気下で蒸煮し、常圧下で、常温より高い温度下で解繊して竹繊維を製造する方法(特許文献6)、が報告されている。
また、竹材に対して、冷凍処理、解凍処理、解繊処理を順に施して、少なくとも竹の維管束を容易に解繊可能とし、維管束に含まれる個々の短繊維を取得可能とする竹材の解繊方法(特許文献7参照)が報告されている。更に、稲わら等の非木質繊維植物より繊維を製造する方法として、稲わらを微生物により分解して製紙用生物パルプを製造する方法(特許文献8)、が報告されている。
しかし、これまでのバイオマス系繊維の製造技術は、特殊な処理、大型の設備や長時間の処理が必要とされる等、多くの改善すべき点を有しており、それらの技術的問題がネックとなって実用化が遅れているのが実情であった。
特開平6−15616号公報 特開2003−306825号公報 特開2000−71209号公報 特開平5−321190号公報 特開2004−167730号公報 特開2005−193405号公報 特開2005−153160号公報 特開2004−256982号公報
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、上記従来技術の諸問題を確実に解決し得るとともに、バイオマス系材料から、特殊な装置及び工程、又は化学薬品等を用いることなく、簡便で、効率良く繊維を製造することを可能とする新しい技術を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、繊維を含むバイオマス系材料をロールプレス機で加熱圧縮することによって、簡便な方法及び手段で、効率的に繊維を取り出すことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、バイオマス系材料を原料とした、バイオマス系繊維の製造方法、及びその製造装置を提供することを目的とするものである。また、本発明は、再生産可能資源であるバイオマス系材料を原料とした、バイオマス系繊維の新しい製造技術を提供することを目的とするものである。また、本発明は、竹、バガス、稲わら等の非木質材料から繊維を製造するための、簡便で効率の良い製造技術を提供することを目的とするものである。また、本発明は、ガラス繊維に代替可能なバイオマス系繊維を提供し、ガラス強化材料の廃棄の際の環境負荷の問題を解決することを可能とするバイオマス系繊維の製造技術を提供することを目的とするものである。更に、本発明は、バイオマス系繊維、及びその特性を生かした製品、例えば、竹繊維の脱臭力、抗菌力、吸湿性、通気性、及び制電性等を付与した衣料品等の繊維製品を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)繊維を含むバイオマス系材料を、加熱圧縮して、繊維とそれ以外の部位とを分離し、繊維を取り出すことを特徴とするバイオマス系繊維の製造方法。
(2)バイオマス系材料を加熱ロールプレス機に送り込み、加熱圧縮する上記(1)に記載のバイオマス系繊維の製造方法。
(3)加熱の温度が、180〜240℃である上記(1)に記載のバイオマス系繊維の製造方法。
(4)圧縮の圧力が、100〜500MPaである上記(1)に記載のバイオマス系繊維の製造方法。
(5)繊維を含むバイオマス系材料が、竹、バガス、亜麻、大麻、ジュート、ケナフ、マニラ麻、サイザル麻、ヤシ類の実及び幹、へちま、麦わら、稲わら、葦、及びシュロから選ばれる一種以上である上記(1)に記載のバイオマス系繊維の製造方法。
(6)繊維を含むバイオマス系材料から分離されたバイオマス系繊維であって、1)加熱圧縮手段による加熱圧縮が施された非生材である、2)流動性成分が分離除去されている、ことを特徴とするバイオマス系繊維。
(7)繊維を含むバイオマス系材料を装置内へ導入する材料導入部、該バイオマス系材料を所定の温度及び圧力で加熱圧縮して、繊維とそれ以外の部位とを分離する加熱圧縮部、及び繊維を取り出す取出部を具備していることを特徴とするバイオマス系繊維の製造装置。
(8)加熱圧縮部が、加熱ロールを有するロールプレス機である上記(7)に記載のバイオマス系繊維の製造装置。
(9)加熱ロールの外周面に、突條が形成されている上記(8)に記載のバイオマス系繊維の製造装置。
(10)繊維以外の部位を回収する回収部を有する上記(7)に記載のバイオマス系繊維の製造装置。
(11)上記(6)に記載のバイオマス系繊維を原材料として含む製品であることを特徴とするバイオマス系繊維製品。
(12)上記バイオマス系繊維を原材料とする成形体からなる上記(11)に記載のバイオマス系繊維製品。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、バイオマス系材料を、加熱ロールプレス機に送り込み、加熱圧縮して、繊維とそれ以外の部位とを分離し、繊維を取り出すことを特徴とするものである。また、本発明は、繊維を含むバイオマス系材料を装置内へ導入する材料導入部、該バイオマス系材料を所定の温度及び圧力で加熱圧縮して、繊維とそれ以外の部位とを分離する加熱圧縮部、及び繊維を取り出す取出部を具備している装置を使用することを特徴とするものである。
本発明において、繊維を含むバイオマス系材料とは、太陽エネルギーと水、土、及び空気を使って植物が合成した再生可能な有機性資源であり、化石資源を除いたものの中で、有機質繊維を含むものを意味する。本発明の原料である、繊維を含むバイオマス系材料としては、特に限定されることはなく、本発明は、繊維を含むバイオマス系材料全般に対して適用可能である。具体的には、例えば、非木質系の材料である竹、バガス、亜麻、大麻、ジュート、ケナフ、マニラ麻、サイザル麻、ヤシ類の実及び幹、へちま、麦わら、稲わら、葦、及びシュロが特に好適な材料として例示される。竹は、セルロース約51%、リグニン約26%、ペントサン約23%の化学組成を有し、バガスは、セルロース約46〜63%、リグニン約16〜23%、ペントサン約26〜33%の化学組成を有し、また、稲わらは、セルロースを約21%有するバイオマス系材料であり、本発明は、これらを好適に使用することができる。
次に、本発明のバイオマス系繊維の製造方法について説明する。本発明では、バイオマス系材料に所定の温度と圧力を加えることにより、その成分を変化させて主として柔細胞から構成される繊維以外の部位に流動性を持たせ、ロール間を加圧しながら通過させることにより、流動性を与えられた繊維以外の部位を取り除き、繊維を取り出すことを最大の特徴としている。
本発明の製造方法による場合、バイオマス系材料に所定の温度と圧力を加えることにより、繊維以外の部位に流動性を付与することができる。その後、材料を一対のロール間に加圧しながら通過させることによって、流動性を得た繊維以外の部位のみが材料から搾り出され、形状的に流動しにくい繊維についてはロールを通過させ、取り出すことができる。
前記加熱時の温度としては、180℃以上、好適には180〜240℃であり、それにより材料中に存在する繊維以外の部位の流動性を大きく向上させることができる。加熱時の温度が150℃を下回ると、繊維以外の部位の流動性を十分に向上させることができない。なお、本発明において、原料である繊維を含む植物は、特に限定されるものではなく、繊維を有するバイオマス系材料一般に対して、本発明の方法を適用可能である。
バイオマス系材料を加熱圧縮するときの加熱の温度は、180〜240℃が好適であり、圧縮の圧力は、10MPa以上、100〜500MPaの範囲が好適である。バイオマス系材料を加熱圧縮する時間は、10〜60秒間が好ましく、短時間では繊維の分離が十分ではなく、長時間にわたると、生産効率が低下し、また、繊維が熱変性するので好ましくない。
バイオマス系材料は、例えば、繊維に沿って分割し、適宜の大きさの短冊状とした上で加熱圧縮することが好適である。加熱ロールプレスに送り込む際には、各材料の繊維方向をそろえて送り込むことが効率的な処理を行う上で重要である。
次に、繊維を含むバイオマス系材料の一例として、竹材から竹繊維を製造する場合について説明する。竹繊維の原料である竹は、稲科の多年生植物であり、熱帯から温帯に分布し、成長が早いことでも知られている。竹は、短サイクルでの再生産が可能であるため、その有効利用は、森林の伐採抑制にもつながり、自然に優しい繊維材料として注目を集めている。竹から抽出したセルロース繊維を紡糸した糸を原料とした布は、吸湿が早く、通気性が高く、制電性がある等の特徴があるとされているが、竹の有する抗菌性、脱臭力、消臭力を利用することも可能である。また、竹繊維は、繊維強化樹脂のフィラーとしても有用であり、ガラス繊維、カーボン繊維の代替品としても注目されている繊維である。
竹の種類は、一般的な説では、世界に40属、600種、日本に12属、150種と云われているが、本発明では、いかなる種類の竹でも利用可能であり、好適には、例えば、モウソウチク、マダケ、ハチク、ナリヒラダケ、及びホウライチク等を使用することができる。竹(棹部)の断面写真を、図4及び図5(拡大図)に示す。竹を構成する細胞は竹の長手方向に伸び、主に柔細胞(約50%)と繊維細胞(約40%)を含み、それ以外に、道管や篩管が占める。柔細胞(図6、図7(拡大図))は、球状、薄壁の細胞であり、接着剤等の原料に利用可能である。一方、繊維細胞(図8)は、繊維径5〜30μm程度の繊維であり、厚壁で細長く、高強度で、既存繊維の代替材料としての利用が見込める。竹の繊維細胞を既存繊維の代替物として利用するためには、竹から、流動性成分である繊維細胞以外の組織(主に柔細胞)を取り除くことが重要であることが判明した。
竹繊維を製造するには、例えば、竹材を、幅5cm程度のロールに入る厚さの短冊状とした後、ロールプレス機の加熱ロール間に供給して、180〜240℃に加熱する。加熱ロール間の間隙を調整することにより、竹材に作用する圧縮力を、100〜500MPaに調整することが好ましい。加熱ロール間に供給された竹材は加熱されて竹材中に含まれる柔細胞は軟化し、流動化成分として流動化する。同時に、ロール圧の圧縮作用により、柔細胞等の流動化成分は、繊維と分離して加熱ロールの竹材供給側に搾り出され、繊維のみが、加熱ロールの回転に従って前方に送られて取り出される(図1)。
取り出された竹繊維は、図2に示す外観を呈し、例えば、長さ5〜10cm、繊維径100〜150μmを有している。図3は、竹材を途中まで加熱ロール間に通したときに、繊維と繊維以外の部位が分離される状態を分かりやすく示したものであり、加工前の竹材、加熱ロールにより柔細胞が搾り出されている状態、加熱ロール通過後に取り出された繊維の束の状態を示している。
本発明のバイオマス系繊維の製造装置は、繊維を含むバイオマス系材料の導入部、該バイオマス系材料を所定の温度及び圧力で加熱圧縮してバイオマス系材料から繊維とそれ以外の部位を分離する加熱圧縮部、及び繊維を取り出す取出部を具備している。上記加熱圧縮部としては、例えば、少なくとも一対の加熱ロールを有するロールプレス機を使用することができる(図1)。加熱ロール間に導入された竹材は、所定の温度及び圧力で、加熱圧縮されて、柔細胞は軟化し、流動化して、繊維と分離される。
バイオマス系材料の導入部、及び繊維の取出部については、図1には示していないが、任意の装置を適宜採用することができる。加熱圧縮部には、好適には、ロール径200mm程度の加熱ロールを有し、送りスピード0.5〜2m/分程度のロールプレス機が用いられる。また、加熱ロールの外周面の一部又は全面には、例えば、バイオマス系材料から繊維と繊維以外の部位を効果的に分離し、取り除くための適宜の形状及び構造の突條を形成することができる。
本発明は、繊維と繊維以外の柔細胞等の成分から構成されるバイオマス系材料を、180〜240℃の温度に加熱して、繊維以外の柔細胞等からなる成分を流動化させ、繊維と、柔細胞等からなる繊維以外の部位とに分離して、繊維を取り出すことを可能とするものである。該バイオマス系材料は、加熱圧縮により柔細胞等の流動性成分を搾り出すことで、繊維を簡便に分離することが可能となる。分離された繊維は、優れた特性を有するバイオマス系繊維である。本発明は、バイオマス系材料を、開放系で加熱圧縮するという簡便な手法により繊維と繊維以外の部位とを分離して取出し、再資源化材料及びその製品として提供するものである。本発明により、上記バイオマス系繊維を繊維原料として利用した、低環境負荷型の繊維製品を提供することが実現可能となる。
本発明により、(1)繊維を含むバイオマス系材料から繊維を簡便な手法で効率良く製造する方法及びその製造装置を提供することができる、(2)バイオマス系材料を所定の条件で加熱圧縮することで、材料中に含まれる繊維を分離し、提供することができる、(3)本発明のバイオマス系繊維は、再生産可能な資源であるバイオマス系材料のみを原料としているため、資源問題に対する根本的な解決策となり得る、(4)竹、稲わら等の非木質材料から繊維を製造するための、簡便で効率の良い製造技術を提供することができる、(5)バイオマス系繊維をガラス繊維の代替とすることにより、ガラス強化材料の廃棄の際の環境負荷の問題を解決することが可能となる、(6)各バイオマス系繊維に特有の特性を生かした製品、例えば、竹繊維の脱臭力、抗菌力、吸湿性、通気性、制電性を付与した衣料品等の繊維製品を提供することができる、(7)分離して得られる繊維以外の部位については、接着剤の原料等への利用が見込めるので、それにより、バイオマス系材料の全体を有効利用することが可能となる、という効果が奏される。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
本実施例では、一対の加熱ロールを有するロールプレス機を用いて竹繊維を製造した。3年生のモウソウチク(Phyllostachys pubescens)を短冊状に切断、割裂して、大きさが繊維方向100cm、接線方向3cm、放射方向1cmの生材状態の原料竹材を得た。ロールプレス機は、ロールの材質が炭素鋼S45C、径500mmの対向する一対の加熱ロールを有するロールプレス機を使用し、竹材の送りスピードを50cm/分に設定した。
得られた竹材を、ロール温度を300℃、ロールギャップを1mmに設定したロールプレス機に、送り込み、加熱圧縮して、竹材をロールプレス機により処理した。竹材がロールを通過すると、熱により流動性を獲得した竹の柔細胞がロール後方に搾り出され、ロール前方から繊維が得られた。製造された竹繊維は、繊維径100μm、長さ50mmであり、高品質の繊維であった。
本実施例1では、加熱ロールプレス機により、竹繊維、及び柔細胞等からなる搾出成分を製造した。実施例1と同様の条件で、竹材をロールプレス機により加熱圧縮して、繊維径100μm、長さ50mmの繊維と、繊維以外の部位(柔細胞)を主成分とする搾出成分とが得られ、流動性成分を分離除去した高純度のバイオマス系繊維を効率的に取り出すことができることが分かった。
以上詳述したように、本発明は、バイオマス系繊維、その製造方法及び装置、及びその製品に係るものであり、本発明により、繊維を含むバイオマス系材料に、所定の温度と圧力を加えることにより、材料成分を変化させて繊維以外の部位に流動性を発現させ、繊維を繊維以外の部位から分離し、提供することができる。本発明によれば、例えば、竹やバガス等の繊維を含むバイオマス系材料を原料として、簡便な手法で繊維を製造することが可能となる。本発明によるバイオマス系繊維の製造方法を用いることにより、例えば、グラスファイバーの代替材となり得るバイオマス系繊維を環境問題に対応する形で得ることが可能となる。本発明は、繊維を含むバイオマス系材料から、簡便な装置及び工程により、化学薬品等を使用することなくバイオマス系繊維を製造することを可能とし、それにより、バイオマス系材料の有効利用を促進することを可能とするものである。
これらの原料は、再生産可能な材料であることから、本発明のバイオマス系繊維は、森林の伐採の抑制と、環境保全に適合した繊維の利用、及び応用技術の促進を実現する。更に、竹材を原料とした竹繊維は、ガラス繊維やカーボン繊維に匹敵する機械的性能を有するものであり、本発明により製造された竹繊維は、各種工業材料の機械的特性の向上を可能とし、また、脱臭、清浄、抗菌作用や、吸湿性、速乾性に優れた天然繊維として、衣料等の繊維製品への適用を可能とするものである。
本発明の製造装置の概要を示す。 作製した竹繊維の一例を示す。 竹片の柔細胞が300℃において成分変化を起こし、流動化して搾り出される様子を示す。 竹(棹部)の断面写真を示す。 竹(棹部)の断面写真(拡大図)を示す。 柔細胞を示す。 柔細胞(拡大図)を示す。 繊維細胞を示す。

Claims (12)

  1. 繊維を含むバイオマス系材料を、加熱圧縮して、繊維とそれ以外の部位とを分離し、繊維を取り出すことを特徴とするバイオマス系繊維の製造方法。
  2. バイオマス系材料を加熱ロールプレス機に送り込み、加熱圧縮する請求項1に記載のバイオマス系繊維の製造方法。
  3. 加熱の温度が、180〜240℃である請求項1に記載のバイオマス系繊維の製造方法。
  4. 圧縮の圧力が、100〜500MPaである請求項1に記載のバイオマス系繊維の製造方法。
  5. 繊維を含むバイオマス系材料が、竹、バガス、亜麻、大麻、ジュート、ケナフ、マニラ麻、サイザル麻、ヤシ類の実及び幹、へちま、麦わら、稲わら、葦、及びシュロから選ばれる一種以上である請求項1に記載のバイオマス系繊維の製造方法。
  6. 繊維を含むバイオマス系材料から分離されたバイオマス系繊維であって、(1)加熱圧縮手段による加熱圧縮が施された非生材である、(2)流動性成分が分離除去されている、ことを特徴とするバイオマス系繊維。
  7. 繊維を含むバイオマス系材料を装置内へ導入する材料導入部、該バイオマス系材料を所定の温度及び圧力で加熱圧縮して、繊維とそれ以外の部位とを分離する加熱圧縮部、及び繊維を取り出す取出部を具備していることを特徴とするバイオマス系繊維の製造装置。
  8. 加熱圧縮部が、加熱ロールを有するロールプレス機である請求項7に記載のバイオマス系繊維の製造装置。
  9. 加熱ロールの外周面に、突條が形成されている請求項8に記載のバイオマス系繊維の製造装置。
  10. 繊維以外の部位を回収する回収部を有する請求項7に記載のバイオマス系繊維の製造装置。
  11. 請求項6に記載のバイオマス系繊維を原材料として含む製品であることを特徴とするバイオマス系繊維製品。
  12. 上記バイオマス系繊維を原材料とする成形体からなる請求項11に記載のバイオマス系繊維製品。
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