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JP2007103134A - リチウムイオン二次電池、及びその製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池、及びその製造方法 Download PDF

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JP2007103134A JP2005290336A JP2005290336A JP2007103134A JP 2007103134 A JP2007103134 A JP 2007103134A JP 2005290336 A JP2005290336 A JP 2005290336A JP 2005290336 A JP2005290336 A JP 2005290336A JP 2007103134 A JP2007103134 A JP 2007103134A
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Abstract

【課題】高出力で信頼性の高いリチウムイオン二次電池、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のリチウムイオン二次電池100は、正極活物質153と、比表面積が100m2/g以上である高比表面積カーボン材154とを有する正極155を備えている。高比表面積カーボン材154は、炭酸塩158により、その表面が被覆されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池、及びその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、ポータブル機器や携帯機器などの電源として、また、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として注目されている。ところが、リチウムイオン二次電池では、充放電の繰り返しや、過充電などを行った場合に、正極表面で電解液の分解反応が起こり、この反応により生成された化合物によって、正極表面が被覆されてしまう問題がある。この被膜により、電池のIV抵抗値(内部抵抗)が上昇して、電池の出力特性が低下してしまう。かかる問題を解決すべく、近年、様々なリチウムイオン二次電池やその製造方法が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平7−245107号公報 特開2003−92146号公報
特許文献1では、ニッケル酸リチウムの表面を炭酸リチウムで被覆した正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池を提案している。ニッケル酸リチウムの表面を炭酸リチウムで被覆することで、ニッケル酸リチウムと電解液との接触面を低減して、電解液の分解反応によって生じる被膜の形成を抑制するようにしている。具体的には、焼成したニッケル酸リチウムを150℃の炭酸ガス雰囲気中に2〜3分放置することにより、または、ニッケル酸リチウムを200℃の空気中に10分間放置することにより、ニッケル酸リチウムの表面を炭酸リチウムで被覆するようにしている。
また、特許文献2では、スピネル型マンガン酸リチウムを正極活物質として用いると共に、電池ケース内に、炭酸ガスを溶存させた電解液を注液する。そして、注液後、スピネル型マンガン酸リチウムの表面に、電解液に溶存させた炭酸ガスと電解液との反応により生成された炭酸リチウムの被膜を設けるようにしている。これにより、スピネル型マンガン酸リチウムと電解液との接触面を低減して、電解液の分解反応を抑制するようにしている。
しかしながら、近年、リチウムイオン二次電池について、更なる高出力化の要請が高まっており、特許文献1及び特許文献2で提案されているリチウムイオン二次電池、及びその製造方法では、その要求に応えることができなかった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、高出力で信頼性の高いリチウムイオン二次電池、及び製造方法を提供することを目的とする。
その解決手段は、正極活物質と、比表面積が100m2/g以上である高比表面積カーボン材と、を有する正極を備えるリチウムイオン二次電池であって、上記高比表面積カーボン材は、炭酸塩により、その表面が被覆されてなるリチウムイオン二次電池である。
本発明のリチウムイオン二次電池の正極は、比表面積が100m2/g以上である高比表面積カーボン材を有している。このため、本発明のリチウムイオン二次電池は、高出力なリチウムイオン二次電池となる。
しかも、高比表面積カーボン材は、炭酸塩により、その表面が被覆されている。このように、高比表面積カーボン材の表面を炭酸塩(炭酸リチウムなど)で被覆することで、高比表面積カーボン材と電解液との接触を抑制し、電解液の分解反応を抑制することができる。これにより、電解液の分解反応に伴うガスの発生を抑制できるので、信頼性の高い電池となる。さらには、正極表面に、電解液の分解反応により生成される化合物の被膜が形成されるのを抑制できる。これにより、電池のIV抵抗値(内部抵抗)の上昇を抑制することもできるので、電池の出力特性の低下をも抑制できる。
以上より、本発明のリチウムイオン二次電池は、高出力で信頼性の高いリチウムイオン二次電池となる。
なお、正極活物質としては、LiNiO2系の正極活物質やLiCoO2系の正極活物質などを例示することができる。LiNiO2系の正極活物質としては、LiNiO2のほか、そのNiの一部をCo,Alで置換したLiNi0.81Co0.16Al0.032等を例示できる。その他、Niの一部を、Mg,Ti,Cr,Mn,Fe,Cu,Zn,Ga,Nbから選ばれた少なくとも1種の金属元素で置換した材料を例示することができる。また、LiCoO2系の正極活物質としては、LiCoO2のほか、LiとCoの比(Li/Co)が1よりも大きくなる組成の材料を例示することができる。
また、正極活物質として、LiMnO2をベースとした材料(LiMnO2系の正極活物質)を用いることもできる。
また、高比表面積カーボン材は、正極活物質とは別に高比表面積カーボン材単体で正極中に混入していても良いし、正極活物質の表面を被覆する形態で含まれていても良い。また、正極活物質の表面が高比表面積カーボン材で被覆されていると共に、高比表面積カーボン材が別途、正極中に混在しているようにしても良い。
さらに、上記のリチウムイオン二次電池であって、前記正極は、前記高比表面積カーボン材の少なくとも一部が、前記正極活物質の表面を被覆してなるリチウムイオン二次電池とすると良い。
本発明のリチウムイオン二次電池の正極では、比表面積が100m2/g以上である高比表面積カーボン材の少なくとも一部により、正極活物質の表面が被覆されている。このように、正極活物質の表面を、比表面積が100m2/g以上の高比表面積カーボン材で被覆することで、特に、電池の出力特性を向上させることができる。
しかも、前述のように、高比表面積カーボン材の表面は、炭酸塩により被覆されている。すなわち、正極活物質を被覆していない高比表面積カーボン材の表面のみならず、正極活物質を被覆する高比表面積カーボン材の表面もが、炭酸塩により被覆されている。これにより、電解液の分解反応に伴うガスの発生を抑制できるので、信頼性の高い電池となる。さらには、正極表面に、電解液の分解反応により生成される化合物の被膜が形成されるのを抑制できる。これにより、電池のIV抵抗値(内部抵抗)の上昇を抑制することもできるので、電池の出力特性の低下をも抑制できる。
以上より、本発明のリチウムイオン二次電池は、さらに高出力で信頼性の高いリチウムイオン二次電池となる。
さらに、上記のリチウムイオン二次電池であって、前記正極は、前記高比表面積カーボン材の重量を基準として、前記炭酸塩に含まれる炭酸イオンの重量が5wt%以上となる量の炭酸塩を含むリチウムイオン二次電池とすると良い。
本発明のリチウムイオン二次電池では、高比表面積カーボン材の重量を基準として、炭酸イオンの重量が5wt%以上となる量の炭酸塩により、高比表面積カーボン材の表面を被覆している。これにより、適切に、高比表面積カーボン材と電解液との接触を抑制し、電解液の分解反応を抑制することができる。
さらに、上記のリチウムイオン二次電池であって、前記正極は、前記高比表面積カーボン材の重量を基準として、前記炭酸塩に含まれる炭酸イオンの重量が5wt%以上30wt%以下となる量の炭酸塩を含むリチウムイオン二次電池とすると良い。
カーボン材を被覆する炭酸塩を増加させるほど、電解液の分解反応を抑制できるが、カーボン材を被覆する炭酸塩を増量し過ぎると、炭酸塩によりIV抵抗値(内部抵抗)が大きく上昇し、出力特性を低下させてしまう虞がある。これに対し、本発明のリチウムイオン二次電池では、高比表面積カーボン材を被覆する炭酸塩の量を、その炭酸イオンが高比表面積カーボン材の重量の30wt%以下となる量に抑制している。これにより、炭酸塩によるIV抵抗値(内部抵抗)の上昇を抑制できる。
従って、本発明のリチウムイオン二次電池は、高出力で信頼性の高いリチウムイオン二次電池となる。
さらに、上記のリチウムイオン二次電池であって、前記正極は、前記高比表面積カーボン材の重量を基準として、前記炭酸塩に含まれる炭酸イオンの重量が10wt%以上25wt%以下となる量の炭酸塩を含むリチウムイオン二次電池とするのが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池では、高比表面積カーボン材の重量を基準として、炭酸イオンの重量が10wt%以上となる量の炭酸塩により、高比表面積カーボン材の表面を被覆している。これにより、より一層、高比表面積カーボン材と電解液との接触を抑制し、電解液の分解反応を抑制することができる。
しかも、高比表面積カーボン材を被覆する炭酸塩の量を、その炭酸イオンが高比表面積カーボン材の重量の25wt%以下となる量に抑制している。これにより、炭酸塩によるIV抵抗値(内部抵抗)の上昇を、より一層抑制できる。
従って、本発明のリチウムイオン二次電池は、特に高出力で信頼性の高いリチウムイオン二次電池となる。
他の解決手段は、リチウムイオン二次電池の製造方法であって、正極活物質、比表面積が100m2/g以上である高比表面積カーボン材、及び水系バインダ樹脂を含む正極材と、水とを混練して、上記正極活物質と水との反応により生成されたアルカリ化合物を含むペーストを作製するペースト作製工程と、上記ペーストまたは上記ペーストを乾燥硬化させた硬化物を、CO2を含むガス雰囲気に晒すことにより、上記アルカリ化合物とCO2とを反応させて、上記正極材の表面に炭酸塩を生成させる炭酸塩生成工程を備えるリチウムイオン二次電池の製造方法である。
本発明の製造方法では、ペースト作製工程において、正極活物質、比表面積が100m2/g以上である高比表面積カーボン材、及び水系バインダ樹脂を含む正極材と、水とを混練して、ペーストを作製する。このとき、正極活物質と水との反応により、アルカリ化合物、例えば、金属水酸化物(LiOHなど)が生成されるので、ペースト中には、アルカリ化合物(LiOHなど)が含まれることとなる。
さらに、炭酸塩生成工程において、上記ペーストを、CO2を含むガス雰囲気に晒すことにより、ペースト中のアルカリ化合物(LiOHなど)とCO2とを反応させ、炭酸塩(Li2CO3など)を生成することができる。これにより、正極材(正極活物質や高比表面積カーボン材)の表面を、炭酸塩で被覆することができる。
しかも、ペーストは、正極材と水とを混練したものであるから、アルカリ化合物(LiOHなど)は、正極材の表面の全体にわたって存在する。特に、比表面積の大きな高比表面積カーボン材の表面に、多くのアルカリ化合物(LiOHなど)が付着することとなる。このようなペーストをCO2を含むガス雰囲気に晒すことにより、正極材(正極活物質や高比表面積カーボン材)の表面の全体を、特に、高比表面積カーボン材の表面を、炭酸塩で被覆することができる。
これにより、正極材と電解液との接触、特に、高比表面積カーボン材と電解液との接触を抑制でき、電解液の分解反応を抑制できる。このため、電解液の分解反応に伴うガスの発生を抑制できる。さらには、正極表面に、電解液の分解反応に伴う化合物の被膜が形成されるのを抑制できるので、電池のIV抵抗値(内部抵抗)の上昇を抑制することもできる。
従って、本発明の製造方法によれば、高出力で信頼性の高いリチウムイオン二次電池を製造することができる。
なお、ペーストは、正極基材の表面に塗布した状態(その後、乾燥硬化しても良い)で、CO2を含むガス雰囲気に晒すようにしても良いし、正極基材の表面に塗布する前に、ペースト単体でCO2を含むガス雰囲気に晒すようにしても良い。
また、高比表面積カーボン材は、正極活物質とは別に高比表面積カーボン材単体でペースト中に混入していても良いし、正極活物質の表面を被覆する形態で含まれていても良い。また、正極活物質の表面が高比表面積カーボン材で被覆されていると共に、高比表面積カーボン材単体が別途、ペースト中に混在しているようにしても良い。
さらに、上記のリチウムイオン二次電池の製造方法であって、前記ペーストを正極基材に塗布する塗布工程を有し、前記炭酸塩生成工程において、上記正極基材に塗布された上記ペースト、または上記正極基材に塗布された上記ペーストを乾燥硬化させた硬化物を、CO2を含むガス雰囲気に晒すリチウムイオン二次電池の製造方法とすると良い。
本発明の製造方法では、炭酸塩生成工程において、正極基材に塗布されたペースト、または正極基材に塗布されたペーストを乾燥硬化させた硬化物を、CO2を含むガス雰囲気に晒すようにしている。これにより、適切且つ効率良く、高比表面積カーボン材の表面が炭酸塩で被覆されてなる正極を作製することができる。
あるいは、前記のリチウムイオン二次電池の製造方法であって、前記炭酸塩生成工程において、前記ペーストを、CO2を含むガス雰囲気に晒すことにより、前記アルカリ化合物とCO2とを反応させて、前記正極材の表面に炭酸塩を生成させ、上記正極材の表面に上記炭酸塩を生成させてなるペーストを、正極基材に塗布する塗布工程を備えるリチウムイオン二次電池の製造方法とすると良い。
本発明の製造方法では、炭酸塩生成工程において、ペーストを、CO2を含むガス雰囲気に晒し、正極材の表面に炭酸塩を生成させた後、塗布工程において、正極材の表面に炭酸塩を生成させてなるペーストを、正極基材に塗布するようにしている。このような手順で正極を作製することで、正極基材(例えばアルミニウム箔)の腐食を抑制することができる。
すなわち、ペースト作製工程において作製したペーストは、アルカリ化合物(LiOHなど)を多く含んでいることから、アルカリ性(pH10〜11程度)となる。従って、アルカリ性のペーストを正極基材に塗布した場合には、正極基材が腐食してしまう虞がある。これに対し、本発明の製造方法のように、ペーストを正極基材に塗布する前に、ペーストのみをCO2を含むガスに晒すことで、アルカリ性であったペーストを中和することができる。このため、その後、このペーストを正極基材(アルミニウム箔など)に塗布するようにすれば、正極基材の腐食を防ぐことができる。
さらに、上記いずれかのリチウムイオン二次電池の製造方法であって、前記正極は、前記高比表面積カーボン材の少なくとも一部が、前記正極活物質の表面を被覆してなり、前記炭酸塩生成工程において、上記高比表面積カーボン材の表面を、前記炭酸塩で被覆するリチウムイオン二次電池の製造方法とすると良い。
本発明の製造方法で用いる正極活物質は、高比表面積カーボン材により、その表面が被覆されている。このように、高比表面積カーボン材に被覆された正極活物質を用いることで、電池の出力特性を向上させることができる。
その上、炭酸塩生成工程において、前述のように、正極材と水とを混練してなるペースト、またはその硬化物を、CO2を含むガス雰囲気に晒すようにしている。これにより、正極活物質の表面を被覆していない高比表面積カーボン材の表面のみならず、正極活物質の表面を被覆している高比表面積カーボン材の表面をも、適切に、炭酸塩で被覆することができる。これにより、高比表面積カーボン材と電解液との接触を抑制できるので、電解液の分解反応を抑制できる。
従って、本発明の製造方法によれば、特に、高出力で、信頼性の高いリチウムイオン二次電池を製造することができる。
さらに、上記いずれかのリチウムイオン二次電池の製造方法であって、前記正極活物質は、LiNiO2系の正極活物質、及びLiCoO2系の正極活物質の少なくともいずれかを含むリチウムイオン二次電池の製造方法とすると良い。
LiNiO2系の正極活物質及びLiCoO2系の正極活物質は、特に、水との反応によりLiOHを生成し易い。従って、LiNiO2系の正極活物質及びLiCoO2系の正極活物質の少なくともいずれかを含む正極活物質を用いることで、ペースト中の正極材の表面に、適切に、LiOHを付着させることができる。これにより、炭酸塩生成工程において、正極材の表面にLi2CO3を被覆させることができる。
なお、LiNiO2系の正極活物質としては、LiNiO2のほか、そのNiの一部をCo,Alで置換したLiNi0.81Co0.16Al0.032等を例示できる。その他、Niの一部を、Mg,Ti,Cr,Mn,Fe,Cu,Zn,Ga,Nbから選ばれた少なくとも1種の金属元素で置換した材料を例示することができる。また、LiCoO2系の正極活物質としては、LiCoO2のほか、LiとCoの比(Li/Co)が1よりも大きくなる組成の材料を例示することができる。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(実施例)
まず、本実施例にかかるリチウムイオン二次電池100について説明する。リチウムイオン二次電池100は、図1に示すように、直方体形状の電池ケース110と、正極端子120と、負極端子130とを備える角形密閉式電池である。
電池ケース110は、金属からなり、直方体形状の収容空間をなす角形収容部111と、金属製の蓋部112とを有している。電池ケース110(角形収容部111)の内部には、捲回体150、正極集電部材122、負極集電部材132などが収容されている。正極集電部材122及び負極集電部材132は、細長板形状の金属部材であり、それぞれ、正極端子120及び負極端子130に接続されている。
捲回体150は、断面長円状をなし、シート状の正極155、負極156、及びセパレータ157を捲回してなる扁平型の捲回体である。この捲回体150は、その軸線方向(図1において左右方向)の一方端部(図1において右端部)に位置し、正極155の一部のみが渦巻状に重なる正極捲回部155bと、他方端部(図1において左端部)に位置し、負極156の一部のみが渦巻状に重なる負極捲回部156bとを有している。正極155には、正極捲回部155bを除く部位に、正極活物質を含む正極合材が塗工されている。同様に、負極156には、負極捲回部156bを除く部位に、負極活物質を含む負極合材が塗工されている。
ここで、正極155について、図2を参照して詳細に説明する。正極155は、図2に示すように、アルミニウム箔からなる正極基材151と、この正極基材151の表面に塗布された正極合材152とを有している。正極合材152中には、正極活物質153(本実施例では、LiNi0.81Co0.16Al0.032)が含まれている。この正極活物質153の表面は、高比表面積カーボン材154(本実施例では、ケッチェンブラック、比表面積1370m2/g)で被覆されている。さらに、この高比表面積カーボン材154の表面は、炭酸塩158(Li2CO3など)で被覆されている。
さらに、正極合材152は、正極活物質153を被覆していない高比表面積カーボン材160(本実施例では活性炭、比表面積1000m2/g)と、低比表面積カーボン材159(本実施例では、アセチレンブラック、比表面積40m2/g)と、図示しないバインダ樹脂(本実施例では、CMC,PTFE)とを有している。これらの表面も、炭酸塩158(Li2CO3など)で被覆されている。このように、本実施例の正極155は、これに含まれる高比表面積カーボン材154,160が、炭酸塩(Li2CO3など)で被覆された正極となっている。
次に、本実施例のリチウムイオン二次電池100の製造方法について説明する。
(正極の製作)
まず、正極活物質153(LiNi0.81Co0.16Al0.032)84wt%と、高比表面積カーボン材154(ケッチェンブラック、比表面積1370m2/g)4wt%と、高比表面積カーボン材160(活性炭、比表面積1000m2/g)3wt%と、低比表面積カーボン材159(アセチレンブラック、比表面積40m2/g)6wt%と、CMC(バインダ樹脂)2wt%と、PTFE(バインダ樹脂)1wt%とからなる、正極材を作製した。
具体的には、まず、図3に示すように、カーボン被覆工程において、4wt%分の高比表面積カーボン材154を用いて、正極活物質153の表面に高比表面積カーボン材154を被覆形成した。詳細には、公知のメカノフュージョン装置を用いたメカノケミカル処理により、正極活物質153の表面を、高比表面積カーボン材154で被覆した。次いで、高比表面積カーボン材154で被覆した正極活物質153と、3wt%分の高比表面積カーボン材160と、6wt%分の低比表面積カーボン材159と、2wt%分のCMCと、1wt%分のPTFEとを混合して、正極材を得た。
次いで、ペースト作製工程に進み、上述のようにして得た正極材と、水とを混練し、ペーストを作製した。次いで、塗布工程に進み、このペーストを、正極基材151(アルミニウム箔)の表面に塗布した。
ところで、ペースト中には、正極活物質153(LiNi0.81Co0.16Al0.032)と水との反応により生成されたアルカリ化合物(LiOHなど)が含まれている。特に、このペーストは、正極材と水とを混練したものであるから、アルカリ化合物(LiOHなど)は、正極材の表面の全体にわたって存在することとなる。特に、本実施例では、正極活物質として、LiNiO2系の正極活物質(具体的には、LiNi0.81Co0.16Al0.032)を用いている。LiNiO2系の正極活物質は、水との反応によりLiOHを生成し易いので、本実施例では、ペースト中の正極材の表面に、十分な量の、LiOHを付着させることができる。
次いで、ペーストを塗布した正極基材151にプレス加工を施し、押圧成形して正極シートを得た。次いで、この正極シートを、120℃で8時間真空乾燥し、その後冷却した。次いで、炭酸塩生成工程に進み、この正極シートを、CO2を含むガス(具体的には、CO2とN2との混合ガス)を充填したチャンバ内に、1時間放置した。これにより、正極材(高比表面積カーボン材など)の表面に、炭酸塩158(Li2CO3など)を生成することができる。具体的には、正極材の表面の全体にわたって存在するアルカリ化合物(LiOHなど)をCO2と反応させることにより、正極材(高比表面積カーボン材など)の表面の全体を、炭酸塩158で被覆することができる。
なお、本実施例では、CO2濃度を、0.03%、3%、10%、50%、99%の5種類に異ならせたチャンバ内に、それぞれ、正極シートを配置し、1時間放置した。このようにして、炭酸塩158の生成量(被覆量)の異なる5種類の正極155(正極サンプルA1〜A5とする)を得た。ここで、CO2濃度0.03%は、空気(大気)と同等のCO2濃度である。従って、CO2濃度を0.03%としたチャンバ内に1時間放置して得た正極(正極サンプルA1)は、空気(大気)中に1時間放置して得た正極と同等品である。すなわち、正極サンプルA1は、CO2を含むガスを充填したチャンバ内に配置することなく(炭酸塩生成工程を施すことなく)作製した正極と同等品である。
(電池の作製)
また、負極活物質(カーボン粉末)とバインダ樹脂とを混合したペーストを、負極基材(銅箔)の表面に塗布し、プレス加工を施して、負極156を作製した。次いで、正極155、負極156、及びセパレータ157を積層し、これを捲回して断面長円状の扁平捲回体150を形成した。次いで、この扁平捲回体150を外部端子(正極端子120と負極端子130)と接続させると共に、角形収容部111内に収容した。その後、図1に示すように、角形収容部111と蓋体112とを溶接して、電池ケース110を封止した。次いで、蓋体112に設けられている注液口(図示しない)を通じて電解液を注液した後、注液口を封止することで、本実施例のリチウムイオン二次電池100が完成する。なお、本実施例では、正極として、それぞれ正極サンプルA1〜A5を備える5種類のリチウムイオン二次電池(電池サンプルB1〜B5とする)を作製した。
次に、正極サンプルA1〜A5に含まれる炭酸塩の炭酸イオン(CO3 2-)の割合を検出した。具体的には、正極サンプルA1〜A5から正極合材0.1gを掻き取り、これを0.1リットルの純水に溶解させた。次いで、この水溶液を、孔径0.22μmのメンブランフィルタでろ過し、ろ液100mlをイオンクロマトグラフィ装置に注入し、炭酸イオン(CO3 2-)濃度を測定した。
さらに、測定した炭酸イオン濃度に基づいて、高比表面積カーボン材の重量を基準とした炭酸イオン(CO3 2-)の重量割合を算出し、これを炭酸イオン量x(wt%)とした。具体的には、正極サンプルA1〜A5の正極合材は、いずれも高比表面積カーボン材を7wt%含んでいることから、正極合材の重量を基準とした炭酸イオンの重量割合を算出し、この値を0.07で除して、炭酸イオン量x(wt%)を得ることができる。この結果を表1に示す。
Figure 2007103134
なお、本実施例では、イオンクロマトグラフィ装置として、ダイオネクス社のDX−320を使用した。カラムは弱酸性のカラムを使用し、検出器は電気伝導度検出器を使用した。また、溶解液として0.3mmol/リットルのオクタンスルホン酸を使用した。再生液として、0.5mmol/リットルの水酸化テトラブチルアンモニウムと50mmol/リットルのホウ酸との混合液を使用した。
表1に示すように、正極サンプルA2〜A5(本発明にかかる正極)では、正極サンプルA1(炭酸塩生成工程を施さない従来と同等の正極)に比べて、炭酸イオン量x(wt%)を大きく増大させることができた。具体的には、正極サンプルA1では、炭酸イオン量xが2.9wt%と小さかったのに対し、正極サンプルA2〜A5では、それぞれ、10.0wt%,14.3wt%,21.4wt%,35.7wt%と大きくすることができた。この結果より、正極サンプルA2〜A5では、正極サンプルA1に比べて、高比表面積カーボン材の表面に多くの炭酸塩を生成することができたといえる。従って、本実施例の炭酸塩生成工程によれば、適切に、高比表面積カーボン材の表面を、炭酸塩で被覆することができるといえる。
また、表1に示すように、炭酸塩生成工程においてCO2濃度の高いガス雰囲気に晒したサンプルほど、正極合材中の炭酸イオン濃度は高くなり、炭酸イオン量x(wt%)も大きくなることが確認できた。この結果より、本実施例の製造方法によれば、炭酸塩生成工程においてCO2濃度を調整することにより、炭酸塩の生成量(被覆量)を調整することができるといえる。
(比較例)
また、比較例として、炭酸塩生成工程を施す代わりに、正極合材にLi2CO3の粉末を混合した正極を備えるリチウムイオン二次電池(電池サンプルB6とする)を作製した。具体的には、実施例と同様にして正極材を調整した後、これに20wt%の割合でLi2CO3の粉末を混合した。次いで、実施例と同様に、この混合物をペーストにし、正極基材(アルミニウム箔)の表面に塗布した。その後、プレス加工を施し、押圧成形して正極シートとし、この正極シートを120℃で8時間真空乾燥した後冷却し、炭酸塩生成工程を施すことなく、本比較例の正極(正極サンプルA6とする)を得た。本比較例では、この正極サンプルA6を用い、実施例と同様にして、リチウムイオン二次電池(電池サンプルB6)を作製した。
(電池の評価)
次に、電池サンプルB1〜B6について、それぞれ、IV抵抗値を測定した。
具体的には、所定の初期充放電を行った各電池サンプルを、25℃で10日間放置した後、電池電圧が4.1Vになるまで、定電流−定電圧で1.5時間充電を施した。その後、電池電圧が3Vになるまで、1Cの電流値で放電を行った。このときの放電容量を電池容量としたところ、いずれのサンプルも約7Ahであった。
次いで、各電池サンプルを、電池電圧が3.72Vになるまで、1Cの定電流−定電圧で1.5時間充電を施して、SOC(State Of Charge)を調整した。その後、1C,2C,3C,5C,15Cの各電流値で、10秒間ずつ、充電及び放電を行うと共に、電圧低下量を測定した。このときの、電流値(X軸)と電圧(Y軸)との関係を、IV線図として表し、このIV線図に基づいて、各電池サンプルのIV抵抗値(内部抵抗)を算出した。
そして、電池サンプルB1のIV抵抗値を基準として、電池サンプルB2〜B6の各IV抵抗値について、電池サンプルB1のIV抵抗値との比を、IV抵抗比として算出した。電池サンプルB2〜B6にかかるIV抵抗比は、順に、0.95,0.92,0.93,1.02,0.98となった。この結果に基づいて作製した、炭酸イオン量xとIV抵抗比との関係図を図4に示す。なお、上述した一連の試験は、25℃の恒温槽内で行っている。
ここで、図4に示す、炭酸イオン量x(wt%)とIV抵抗比との関係について検討する。実施例の結果からわかるように、電池サンプルB1(炭酸イオン量x=2.9wt%)を基準として、炭酸イオン量xが増大するにしたがってIV抵抗比が小さくなるが、所定の炭酸イオン量x(18wt%程度)を超えるとIV抵抗値が上昇し、炭酸イオン量xが大きくなり過ぎると逆にIV抵抗比が大きくなってしまう。すなわち、高比表面積カーボン材の表面を炭酸塩で被覆することで、IV抵抗値を低減させて電池の出力を向上させることができるが、炭酸塩の被覆量を増大し過ぎると、かえってIV抵抗値が上昇し、出力特性を低下させてしまうことがわかる。
これは、高比表面積カーボン材の表面を被覆する炭酸塩量を増大するほど、高比表面積カーボン材と電解液との接触を抑制でき、電解液の分解反応を抑制することができるが、高比表面積カーボン材を被覆する炭酸塩量を増大し過ぎると、炭酸塩によりIV抵抗値(内部抵抗)が大きく上昇し、かえって出力特性を低下させてしまうためと考えられる。
また、電池サンプルB6(比較例)では、IV抵抗比が0.98となり、電池サンプルB1(炭酸塩生成工程を施さない従来と同等の電池)に比べて、IV抵抗値が小さくなることがわかる。これに対し、実施例において、IV抵抗比を0.98以下とするには、図4に示すように、炭酸イオン量xを5wt%以上30wt%以下にすれば良いことがわかる。すなわち、本実施例において、炭酸イオン量xを5wt%以上30wt%以下とすることで、比較例の電池(正極中にLi2CO3粉末を混合した電池)に比べて、出力の高いリチウムイオン二次電池にできるといえる。
従って、高比表面積カーボン材の重量を基準として、炭酸塩に含まれる炭酸イオンの重量が5wt%以上30wt%以下となる量の炭酸塩で、高比表面積カーボン材の表面を被覆することで、高出力なリチウムイオン二次電池になるといえる。
さらに、図4からわかるように、炭酸イオン量xを10wt%以上25wt%以下とすることで、IV抵抗比を0.95以下に低減することができる。すなわち、炭酸イオン量xを10wt%以上25wt%以下とすることで、電池サンプルB1(炭酸塩生成工程を施さない従来と同等の電池)に比べて、5%以上もIV抵抗値を低減することができる。 従って、高比表面積カーボン材の重量を基準として、炭酸塩に含まれる炭酸イオンの重量が10wt%以上25wt%以下となる量の炭酸塩で、高比表面積カーボン材の表面を被覆することで、特に、高出力なリチウムイオン二次電池になるといえる。
次に、各サンプル電池について耐久試験を施し、耐久試験において発生したガス量を測定した。具体的には、各サンプル電池に圧力センサを取付け、各電池サンプルをSOC80%まで充電した後、60℃で60日間放置した。その後、各電池サンプルについて、圧力センサの示す値から圧力上昇値を算出し、これに基づいてガス発生量(ml)を算出した。この結果に基づいて作製した、炭酸イオン量x(wt%)とガス発生量(ml)との関係図を図5に示す。
図5に示す、実施例(電池サンプルB1〜B5)の結果より、炭酸イオン量x(wt%)が増大するにしたがって、ガス発生量が減少することがわかる。具体的には、電池サンプルB1(炭酸イオン量x=2.9)では、ガス発生量が11mlと多かったのに対し、電池サンプルB2〜B5(炭酸イオン量x=10.0〜35.7)では、それぞれ、6ml,5.5ml,5ml,5mlと大きく低減することができた。すなわち、電池サンプルB2〜B5(本発明にかかる電池)では、電池サンプルB1(炭酸塩生成工程を施さない従来と同等の電池)に比べて、ガス発生量を大きく低減することができた。この結果より、炭酸塩生成工程を施して高比表面積カーボン材の表面に炭酸塩を被覆させることにより、適切に、ガス発生量を低減することができるといえる。従って、本発明のリチウムイオン二次電池(電池サンプルB2〜B5)は、信頼性の高いリチウムイオン二次電池といえる。
また、電池サンプルB6(比較例)では、ガスの発生量が9mlであった。本実施例において、ガスの発生量を9ml以下とするには、図5に示すように、炭酸イオン量xを5wt%以上にすれば良いことがわかる。すなわち、炭酸イオン量xを5wt%以上とすることで、比較例の電池(正極中にLi2CO3粉末を混合した電池)に比べて、ガス発生量の少ないリチウムイオン二次電池となるといえる。この結果より、高比表面積カーボン材の重量を基準として、炭酸塩に含まれる炭酸イオンの重量が5wt%以上となる量の炭酸塩で、高比表面積カーボン材の表面を被覆することで、信頼性の高いリチウムイオン二次電池となるといえる。
さらに、図5に示すように、炭酸イオン量x(wt%)を増大させるにしたがって、ガス発生量を減少させることができるが、炭酸イオン量xを10wt%以上とした場合には、特に、ガス発生量を大きく低減することができることがわかる。すなわち、炭酸イオン量xを10wt%以上とすることで、特に、ガス発生量の少ない信頼性の高いリチウムイオン二次電池となるといえる。従って、炭酸塩に含まれる炭酸イオンを、高比表面積カーボン材の重量を基準として10wt%以上とするのが、より好ましいといえる。
以上より、本実施例の製造方法によれば、高出力で信頼性の高いリチウムイオン二次電池を製造することができるといえる。特に、高比表面積カーボン材の重量を基準として、炭酸塩に含まれる炭酸イオンの重量が5wt%以上、好ましくは、5wt%以上30wt%以下、さらに好ましくは10wt%以上25wt%以下となる量の炭酸塩で、高比表面積カーボン材の表面を被覆することで、高出力で信頼性の高いリチウムイオン二次電池となるといえる。
(変形例)
上述の実施例では、図3に示したように、カーボン被覆工程、ペースト作製工程、塗布工程、炭酸塩生成工程の順で、正極を作製した。しかしながら、図6に示す本変形例のように、カーボン被覆工程、ペースト作製工程、炭酸塩生成工程、塗布工程の順で、正極を作製するようにしても良い。すなわち、ペーストを正極基材(アルミニウム箔)に塗布する前に、ペーストのみをCO2を含むガスに晒し、その後、このペーストを正極基材(アルミニウム箔)に塗布するようにしても良い。
このような手順で正極を作製することで、正極基材であるアルミニウム箔の腐食を抑制することができる。すなわち、ペースト作製工程において作製したペーストは、LiOHなどを多く含んでいることから、アルカリ性(pHは約11)となる。従って、このペーストをアルミニウム箔に塗布した場合には、アルミニウム箔が腐食してしまう虞がある。これに対し、本変形例のように、ペーストを正極基材(アルミニウム箔)に塗布する前に、ペーストのみをCO2を含むガスに晒すことで、アルカリ性であったペーストを中和することができる。このため、その後、このペーストを正極基材(アルミニウム箔)に塗布するようにすれば、アルミニウム箔の腐食を防ぐことができる。
以上において、本発明を実施例及び変形例に即して説明したが、本発明は上記実施例等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
実施例にかかるリチウムイオン二次電池100の断面図である。 リチウムイオン二次電池100の正極155の拡大断面図である。 実施例にかかる正極の製作工程の流れを示すブロック図である。 炭酸イオン量xとIV抵抗比との関係を示すグラフである。 炭酸イオン量xとガス発生量との関係を示すグラフである。 変形例にかかる正極の製作工程の流れを示すブロック図である。
符号の説明
100 リチウムイオン二次電池
153 正極活物質
154,160 高比表面積カーボン材
155 正極
158 炭酸塩

Claims (9)

  1. 正極活物質と、
    比表面積が100m2/g以上である高比表面積カーボン材と、
    を有する正極
    を備えるリチウムイオン二次電池であって、
    上記高比表面積カーボン材は、炭酸塩により、その表面が被覆されてなる
    リチウムイオン二次電池。
  2. 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池であって、
    前記正極は、
    前記高比表面積カーボン材の少なくとも一部が、前記正極活物質の表面を被覆してなる
    リチウムイオン二次電池。
  3. 請求項2に記載のリチウムイオン二次電池であって、
    前記正極は、
    前記高比表面積カーボン材の重量を基準として、前記炭酸塩に含まれる炭酸イオンの重量が5wt%以上となる量の炭酸塩を含む
    リチウムイオン二次電池。
  4. 請求項3に記載のリチウムイオン二次電池であって、
    前記正極は、
    前記高比表面積カーボン材の重量を基準として、前記炭酸塩に含まれる炭酸イオンの重量が5wt%以上30wt%以下となる量の炭酸塩を含む
    リチウムイオン二次電池。
  5. リチウムイオン二次電池の製造方法であって、
    正極活物質、比表面積が100m2/g以上である高比表面積カーボン材、及び水系バインダ樹脂を含む正極材と、水とを混練して、上記正極活物質と水との反応により生成されたアルカリ化合物を含むペーストを作製するペースト作製工程と、
    上記ペーストまたは上記ペーストを乾燥硬化させた硬化物を、CO2を含むガス雰囲気に晒すことにより、上記アルカリ化合物とCO2とを反応させて、上記正極材の表面に炭酸塩を生成させる炭酸塩生成工程を備える
    リチウムイオン二次電池の製造方法。
  6. 請求項5に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
    前記ペーストを正極基材に塗布する塗布工程を有し、
    前記炭酸塩生成工程において、
    上記正極基材に塗布された上記ペースト、または上記正極基材に塗布された上記ペーストを乾燥硬化させた硬化物を、CO2を含むガス雰囲気に晒す
    リチウムイオン二次電池の製造方法。
  7. 請求項5に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
    前記炭酸塩生成工程において、
    前記ペーストを、CO2を含むガス雰囲気に晒すことにより、前記アルカリ化合物とCO2とを反応させて、前記正極材の表面に炭酸塩を生成させ、
    上記正極材の表面に上記炭酸塩を生成させてなるペーストを、正極基材に塗布する塗布工程を備える
    リチウムイオン二次電池の製造方法。
  8. 請求項5〜請求項7のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
    前記正極は、前記高比表面積カーボン材の少なくとも一部が、前記正極活物質の表面を被覆してなり、
    前記炭酸塩生成工程において、上記高比表面積カーボン材の表面を、前記炭酸塩で被覆する
    リチウムイオン二次電池の製造方法。
  9. 請求項5〜請求項8のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
    前記正極活物質は、LiNiO2系の正極活物質、及びLiCoO2系の正極活物質の少なくともいずれかを含む
    リチウムイオン二次電池の製造方法。
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