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JP2007055193A - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents

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JP2007055193A
JP2007055193A JP2005246207A JP2005246207A JP2007055193A JP 2007055193 A JP2007055193 A JP 2007055193A JP 2005246207 A JP2005246207 A JP 2005246207A JP 2005246207 A JP2005246207 A JP 2005246207A JP 2007055193 A JP2007055193 A JP 2007055193A
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crystalline polymer
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liquid crystal
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JP2005246207A
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Takehiro Toyooka
武裕 豊岡
Tetsuya Kamisaka
哲也 上坂
Toshiaki Ogisawa
敏明 扇澤
Keiichi Kuboyama
敬一 久保山
Atsushi Takeda
淳 武田
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Tokyo Institute of Technology NUC
Eneos Corp
Original Assignee
Tokyo Institute of Technology NUC
Nippon Oil Corp
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Abstract

【課題】簡便な工程により液晶性高分子の配向を三次元的に制御し、低コストで、効率よくチルト構造を有する液晶性高分子からなる光学フィルムを製造することが可能な方法を提供すること。
【解決手段】液晶性高分子を含有する溶液を、配向規制力のある基板面上に塗布する工程と、液晶状態を呈する温度で、基板側の下面部にある液晶性高分子を第一の方向に配向させる工程と、液晶状態を呈する温度で磁場を印加し、基板から離れた側の上面部にある液晶性高分子を、基板面の法線方向と第一の方向とを含む面内において、第一の方向に対して45〜90°の角度をなす第二の方向に配向させると共に、下面部と上面部との間にある液晶性高分子の配向方向が第一の方向から第二の方向に連続的に変化するチルト構造の中間部を形成せしめる工程と、配向せしめた液晶性高分子を、配向状態が維持されるように冷却してガラス状態とする工程によりなる、光学フィルムの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光学フィルムの製造方法に関し、より詳しくは、視野角改良フィルムとして利用することが可能な光学フィルムの製造方法に関する。
液晶性高分子はその独自の配向構造に基づく様々な液晶相を示し、しかもこれらの液晶構造を固定化できるため、光記緑、非線形光学材料、液晶配向膜、光ファイバー、液晶表示素子用光学素子等の各種の機能性材料分野で活発な研究がなされている。このような液晶性高分子は多様な配向性を示すため、これらの分子配向を固定化して得られる材料は、屈折率、複屈折などの光学的性質においても多様な性質を示し、光の位相、偏光状態等の制御が可能となるため、光学材料として広い範囲の応用が考えられている。
このような液晶性高分子としてはネマチック配向性もしくはねじれネマチック配向性の液晶が代表的である。このような液晶性高分子を基板上で配向させる際に、前記ネマチック配向性の液晶を用いた場合には、液晶性高分子の配向方向が基板に略平行であるホモジニアス配向又は略垂直であるホメオトロピック配向が得られ、また、前記ねじれネマチック配向性の液晶を用いた場合には、ホモジニアス配向しつつらせん構造をもつ配向が得られる。このようにして液晶性高分子を基板上で配向させて液晶性高分子の構造を制御することで、屈折率分布や、らせん構造等の制御を容易に行うことができるため、得られる光学材料に様々な光学的性質を発現させることが可能となる。そして、このような光学材料としては、例えば、液晶表示装置の視野角改良フィルムとして用いることができる液晶性高分子が基板面から傾いたチルト構造を有する光学フィルムが研究されてきた。
例えば、特開平6−347742号公報(特許文献1)においては、少なくともホメオトロピック配向性液晶性高分子とホモジニアス配向性液晶性高分子からなる液晶性高分子組成物が開示されている。そして、このような特許文献1に記載の液晶性高分子組成物を用いることで、チルト構造を有する光学フィルムが得られている。また、特開平10−186356号公報(特許文献2)においては、光学的に正の一軸性を示す液晶性高分子より実質的に形成され、該液晶性高分子が液晶状態において形成したネマチックハイブリッド配向を固定化せしめた光学フィルムが開示されている。
また、このような光学フィルムの製造方法としては、特開平7−20434号公報(特許文献3)において、液晶転移点以下の温度ではガラス状態となる液晶性高分子を、基板上で、液晶転移点を超える温度において、液晶性高分子の平均配向方向が基板平面に対して5°から85°傾いた状態で配向させ、次いで液晶転移点以下の温度に冷却し、液晶性高分子の配向方向が基板平面に対して傾いた液晶状態を固定化する方法が開示されている。しかしながら、このような従来のチルト構造を有する液晶性高分子からなる光学フィルムの製造方法においては、その方法が必ずしも簡便なものではなかった。そのため、チルト構造を有する液晶性高分子からなる光学フィルムをより効率よく且つ簡便に得ることができる方法の開発が望まれている。
特開平6−347742号公報 特開平10−186356号公報 特開平7−20434号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、簡便な工程によって液晶性高分子の配向を三次元的に制御し、低コストでありながら効率よく且つ確実にチルト構造を有する液晶性高分子からなる光学フィルムを製造することが可能な方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、配向規制力のある基板による配向方向と、磁場による配向方向とを液晶性高分子フィルムの厚み方向によって変化させることによって上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の光学フィルムの製造方法は、液晶状態においてはネマチック相を有しかつガラス転移点以下の温度ではガラス状態となる液晶性高分子を含有する溶液を、配向規制力のある基板の基板面上に塗布する工程と、
前記液晶性高分子が液晶状態を呈する温度で、前記基板の配向規制力によって基板側の下面部にある前記液晶性高分子を第一の方向に配向させる工程と、
前記液晶性高分子が液晶状態を呈する温度で、前記液晶性高分子に磁場を印加し、基板から離れた側の上面部にある前記液晶性高分子を、前記基板面の法線方向と前記第一の方向とを含む面内において、前記第一の方向に対して45〜90°の角度をなす第二の方向に配向させると共に、前記下面部と前記上面部との間にある前記液晶性高分子の配向方向が第一の方向から第二の方向に連続的に変化するチルト構造の中間部を形成せしめる工程と、
前記配向せしめた前記液晶性高分子を、配向状態が維持されるように冷却してガラス状態とし、前記液晶性高分子からなる光学フィルムを得る工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
上記本発明の光学フィルムの製造方法としては、前記液晶性高分子に0.1〜10テスラの磁場を印加することが好ましい。
上記本発明の光学フィルムの製造方法としては、前記配向せしめた前記液晶性高分子に磁場を印加しつつ、配向状態が維持されるように0.1〜10℃/minの降温速度で徐冷してガラス状態とすることが好ましい。
本発明によれば、簡便な工程によって液晶性高分子の配向を三次元的に制御し、低コストでありながら効率よく且つ確実にチルト構造を有する液晶性高分子からなる光学フィルムを製造することが可能な方法を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の光学フィルムの製造方法について説明する。すなわち、本発明の光学フィルムの製造方法は、液晶状態においてはネマチック相を有しかつガラス転移点以下の温度ではガラス状態となる液晶性高分子を含有する溶液を、配向規制力のある基板の基板面上に塗布する工程と、
前記液晶性高分子が液晶状態を呈する温度で、前記基板の配向規制力によって基板側の下面部にある前記液晶性高分子を第一の方向に配向させる工程と、
前記液晶性高分子が液晶状態を呈する温度で、前記液晶性高分子に磁場を印加し、基板から離れた側の上面部にある前記液晶性高分子を、前記基板面の法線方向と前記第一の方向とを含む面内において、前記第一の方向に対して45〜90°の角度をなす第二の方向に配向させると共に、前記下面部と前記上面部との間にある前記液晶性高分子の配向方向が第一の方向から第二の方向に連続的に変化するチルト構造の中間部を形成せしめる工程と、
前記配向せしめた前記液晶性高分子を、配向状態が維持されるように冷却してガラス状態とし、前記液晶性高分子からなる光学フィルムを得る工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
本発明において用いられる液晶性高分子は、液晶状態においてはネマチック相を有しかつガラス転移点以下の温度ではガラス状態となるものであればよく、特に制限されないが、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステルイミド等の主鎖型液晶性高分子、あるいはポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリマロネート、ポリシロキサン等の側鎖型液晶性高分子を例示することができる。このような液晶性高分子の中でも、屈折率の大きさ、合成の容易さ、透明性、配向性、ガラス転移点等の観点から、主鎖型ポリエステル系液晶性高分子が好ましい。
このような主鎖型ポリエステル系液晶性高分子の構成単位としては、特に限定されないが、好適な例としては、(a)ジカルボン酸類より誘導される単位(以下、ジカルボン酸単位とよぶ)、(b)ジオール類より誘導される単位(以下、ジオール単位とよぶ)、(c)一つの単位中にカルボキシル基と水酸基を同時にもつオキシカルボン酸類より誘導される単位(以下、オキシカルボン酸単位とよぶ)等が挙げられる。このようなポリエステルの構造としては、(a)+(b)型、(a)+(b)+(c)型、(c)単独型がある。
(a)のジカルボン酸単位としては、例えば、以下のものが挙げられる。
(Xは、水素、ハロゲン(塩素、臭素)、炭素数1〜4のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プリポキシ基、ブトキシ基等)又はフェニル基を示し、kは0〜2の整数である。以下同様)、
(*印は光学活性炭素を示す。以下同様)
また、(b)のジオール単位としては、例えば、以下のものが挙げられる。
さらに、(c)のオキシカルボン酸単位としては、例えば、以下のものが挙げられる。
また、本発明において用いられる液晶性高分子は、液晶状態においてはネマチック相を有すると共に、ガラス転移点以下の温度ではガラス状態となるものである。したがって、このような液晶性高分子の配向構造を固定化する場合、一旦液晶温度においてポリマー分子を配向させ、次いで固定化のための冷却を行うが、結晶相を有する液晶性高分子を用いた場合には、この冷却を行う際に一度得られた配向状態が破壊されてしまう場合がある。そのため、本発明において用いる液晶性高分子としては、結晶化を抑制する構成単位を更に含んでいるものが好ましく、前記液晶性高分子が主鎖型ポリエステル系液晶性高分子の場合にはオルソ置換芳香族単位を更に含んでいることが好ましい。ここでいうオルソ置換芳香族単位とは、主鎖をなす結合を互いにオルソ位とする構造単位を意味する。このようなオルソ置換芳香族単位としては、具体的には次に示すようなカテコール単位、サリチル酸単位、フタル酸単位及びこれらの基のベンゼン環に置換基を有するもの等が挙げられ、例えば、
等が好ましいものとして挙げられ、これらの中でも特に好ましいものとして以下のものが例示される。
さらに、本発明において用いる液晶性高分子は、上記のオルソ置換芳香族単位に代えて、以下に示すようなかさ高い置換基を有する芳香族単位、あるいはフッ素又は含フッ素置換基を有する芳香族単位を構成成分として含んでいてもよい。このような芳香族単位を含むことによって、得られる液晶性高分子がホメオトロピック配向性となる傾向にある。このようなかさ高い置換基を有する芳香族単位としては、例えば、以下のものが挙げられる。
(Rは炭素数3〜12のアルキル基、iPrはイソプロピル、tBuは第3級ブチルを示す。)
また、フッ素又は含フッ素置換基を有する芳香族単位としては、例えば、以下のものが挙げられる。
以上説明した本発明に好適な主鎖型ポリエステル系液晶性高分子の代表的なものとして、以下のような液晶性高分子を具体的に例示することができる。
の構造単位から構成されるポリマー(式中、k、l、mは単に組成割合(モル)を示すものであり、k=l+m、l/m=80/20〜20/80、好ましくは75/25〜25/75である)
の構造単位から構成されるポリマー(式中、k、l、mは単に組成割合(モル)を示すものであり、k=l+m、l/m=80/20〜20/80、好ましくは75/25〜25/75である)
の構造単位から構成されるポリマー(式中、k、l、mは単に組成割合(モル)を示すものであり、k=l+m、l/m=80/20〜20/80、好ましくは75/25〜25/75である)
の構造単位から構成されるポリマー(式中、k、l、m、nは単に組成割合(モル)を示すものであり、k=l+m+n、l/m=80/20〜20/80、好ましくは75/25〜25/75、l/n=80/20〜20/80、好ましくは75/25〜25/
75である)
の構造単位から構成されるポリマー(式中、k、l、m、nは単に組成割合(モル)を示すものであり、k+l=m+n、k/l=80/20〜20/80、好ましくは75/25〜25/75、m/n=80/20〜20/80、好ましくは75/25〜25/75である)
の構造単位から構成されるポリマー(式中、k、l、mは単に組成割合(モル)を示すものであり、k=l+m、l/m=80/20〜20/80、好ましくは75/25〜25/75である)
の構造単位から構成されるポリマー(式中、k、l、mは単に組成割合(モル)を示すものであり、k/l=80/20〜20/80、好ましくは75/25〜25/75であり、l/m=80/20〜20/80、好ましくは75/25〜25/75である)
の構造単位から構成されるポリマー(式中、k、l、m、nは単に組成割合(モル)を示すものであり、k+l=m+n、k/l=80/20〜20/80、好ましくは75/25〜25/75、m/n=80/20〜20/80、好ましくは75/25〜25/
75であり、pは2〜12である)
の構造単位から構成されるポリマー(式中、k、l、mは単に組成割合(モル)を示すものであり、k+l=m、k/l=80/20〜20/80、好ましくは75/25〜25/75であり、pは2〜12である)。
このような本発明において用いられる液晶性高分子の分子量は、特に制限されないが、各種溶媒中、例えばフェノール/テトラクロロエタン(60/40(重量比))混合溶媒中、30℃で測定した対数粘度が0.05〜3.0程度が好ましく、0.07〜2.0程度がより好ましい。前記対数粘度が0.05より小さい場合、得られた液晶性高分子の強度が弱くなる傾向にあり、他方、3.0より大きい場合、液晶形成時の粘性が高すぎて、配向性の低下や配向に要する時間の増加といった問題点が生じる傾向にある。
また、本発明において用いられる液晶性高分子のガラス転移点も特に制限されないが、配向を固定化した後の配向の安定性に影響を及ぼすことから、一般的にはガラス転移点は0℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましい。
また、本発明において用いられる液晶性高分子の合成法も特に制限されるものではなく、当該分野で公知の重合法、例えば溶融重合法あるいは対応するジカルボン酸の酸クロライドを用いる酸クロライド法で合成される。溶融重合法で合成する場合、例えば対応するジカルボン酸と対応するジオールのアセチル化物を、高温、高真空下で重合させることによって製造でき、分子量は重合時間のコントロールあるいは仕込組成のコントロールにより、目的の液晶性高分子を得ることができる。また、重合反応を促進させるためには、従来から公知の酢酸ナトリウム等の金属塩を使用することもできる。さらに、溶液重合法を用いる場合は、所定量のジカルボン酸ジクロライドとジオールとを溶媒に溶解し、ピリジン、N−メチルイミダゾール等の酸受容体の存在下に加熱することにより、目的の液晶性高分子を得ることができる。
なお、前述の主鎖型ポリエステル系液晶性高分子は、その屈折率楕円体を考えたときの長軸方向の屈折率(n//)と短軸方向の屈折率(n⊥)との差が大きい傾向にあり、この点においても前述の主鎖型ポリエステル系液晶性高分子は好ましい。また、本発明においては、前記液晶性高分子が正の固有複屈折値を有していることが好ましく、この点においても一般的に正の固有複屈折値を有している前述の主鎖型ポリエステル系液晶性高分子は好ましい。
本発明の光学フィルムの製造方法においては、先ず、前記液晶性高分子を含有する溶液を準備する。
ここで用いられる溶媒は、前記液晶性高分子を溶解できるものであればよく、特に制限されないが、クロロホルム、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、これらとフェノール類との混合溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、スルホラン、シクロヘキサン等の極性溶媒を用いることができる。溶液の濃度は、溶質の固形分濃度として、通常は0.1〜50重量%の範囲が好ましく、5〜20重量%の範囲がより好ましい。
次に、本発明の光学フィルムの製造方法においては、前記溶液を配向規制力のある基板の基板面上に塗布した後、前記液晶性高分子が液晶状態を呈する温度で前記基板の配向規制力によって基板側の下面部にある前記液晶性高分子(以下、場合により「下面部の液晶性高分子」という)を第一の方向に配向させる。なお、前記溶液を基板の基板面上に塗布する工程と前記液晶性高分子を基板の配向規制力によって配向させる工程とを同一工程中で実施してもよく、あるいは、前記溶液を基板の基板面上に塗布し乾燥せしめてフィルムを得た後、再度加熱して前記液晶性高分子を基板の配向規制力によって配向させるようにしてもよい。
ここで、前記溶液を基板の基板面上に塗布する方法は特に制限されず、例えば、スピンコート法(スピンキャスト法)、ロールコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スロットコート法、浸漬引き上げ法等を適宜採用することができる。
また、本発明において用いる配向規制力のある基板としては、基板近傍の下面部の液晶性高分子を所定方向(第一の方向)に配向させることができる基板であればよく、特に制限されないが、例えばラビング基板が好適に用いられる。このようなラビング基板としては、従来公知の種々のラビング基板を用いることが可能であり、優れた配向性と共に耐熱性、耐溶剤性及び剥離性にも優れたものとして、ポリイミド層を有するガラス基板、直接ラビングしたポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレートのフィルム等が挙げられる。
さらに、本発明の光学フィルムの製造方法においては、前記液晶性高分子が液晶状態を呈する温度で前記下面部の液晶性高分子を所定方向(第一の方向)に配向させる。この時の温度、すなわち前記液晶性高分子が液晶状態を呈する温度は、用いる液晶性高分子の特性によって相違するが、その液晶性高分子のガラス転移点以上でかつ等方相−液晶相転移温度以下の温度で熱処理することが好ましい。このような温度としては、一般的には50〜300℃程度の範囲が好ましく、100〜250℃の範囲がより好ましい。また、このような配向処理に要する時間は、特に制限されず、液晶性高分子の組成、分子量等によって異なり一概には言えないが、一般的なラビング基板を用いる場合は10秒〜100分程度の範囲が好ましく、30秒〜60分程度の範囲がより好ましい。
なお、上記の配向処理に先立って、必要に応じて乾燥処理を施して基板の基板面上に塗布された溶液から予め溶媒を除去してもよい。かかる乾燥処理の際の温度も特に制限されないが、(溶媒の沸点マイナス50℃)から(溶媒の沸点)の間の温度程度が好ましい。
次に、本発明の光学フィルムの製造方法においては、前記下面部の液晶性高分子が基板の配向規制力によって第一の方向に配向された液晶性高分子フィルムを、それが液晶状態を呈する温度とし、前記液晶性高分子に磁場を印加して、基板から離れた側の上面部にある液晶性高分子(以下、場合により「上面部の液晶性高分子」という)を、前記基板面の法線方向と前記第一の方向とを含む面内において、前記第一の方向に対して45〜90°の角度をなす第二の方向に配向させる。
なお、このように磁場により前記液晶性高分子を配向させる工程も、前記溶液を基板の基板面上に塗布する工程及び前記液晶性高分子を基板の配向規制力によって配向させる工程と同一工程、または前記液晶性高分子を基板の配向規制力によって配向させる工程と同一工程中で実施してもよく、あるいは、前記液晶性高分子を基板の配向規制力によって配向させて一旦ガラス状態に冷却した後、再度加熱して前記液晶性高分子に磁場を印加して更に配向させるようにしてもよい。ラビング工程の効率化という観点からは、前記液晶性高分子を基板の配向規制力によって配向させる工程と磁場により配向させる工程とを同一工程中で実施、すなわち、前記溶液を基板の基板面上に塗布し、必要に応じて乾燥させた後、磁場を印加させつつ熱処理を施すことにより、基板による下面部の第一の方向への配向と磁場による上面部の第二の方向への配向とを実質的に同時に進行させることが好ましい。
本発明の製造方法においては、このように、単層の液晶性高分子フィルムを構成する下面部の液晶性高分子と上面部の液晶性高分子とを、前記基板面の法線方向と前記第一の方向とを含む面内において、両者の配向方向の差(第一の方向と第二の方向との間の角度)が45〜90°の角度となるように配向させることにより、下面部の液晶性高分子と上面部の液晶性高分子との間にある液晶性高分子(以下、場合により「中間部の液晶性高分子」という)の構造は、その配向方向が第一の方向から第二の方向に連続的に変化するチルト構造となる。すなわち、下面部の液晶性高分子と上面部の液晶性高分子との間にある液晶性高分子によって、チルト構造の中間部が形成されることとなる。なお、本発明でいう連続的に変化するチルト構造とは、第一の方向から第二の方向へ線形的に連続変化するもの、あるいは、非線形的に連続変化するもの全てを含むものである。
また、本発明の製造方法においては、前記基板面の法線方向と前記第一の方向とを含む面内において、前記第一の方向に対して第二の方向が45〜90°の角度をなすが、かかる角度としては60〜90°であることが好ましく、75〜90°であることがより好ましい。この角度が45°未満では、例えば、得られる光学フィルムを視野角改良フィルムとして用いた場合に十分に視野角を改良することが困難となる傾向にある。
本発明の製造方法において、上面部の液晶性高分子を磁場により配向させる工程において印加する磁場の強さは、0.1〜10テスラであることが好ましく、0.5〜4テスラであることがより好ましい。かかる磁場の強さが前記下限未満では、磁場による液晶性高分子の配向が十分に達成されなくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、上面部の液晶性高分子と共に中間部、更には下面部の液晶性高分子が同じ方向に配向してしまい、構造の制御が困難となる傾向にある。
磁場により上面部の液晶性高分子を配向させる際の温度は、前述の基板の配向規制力によって配向させる工程における温度と同様であり、用いる液晶性高分子の特性によって相違するが、その液晶性高分子のガラス転移点以上でかつ等方相−液晶相転移温度以下の温度が好ましい。このような温度としては、一般的には50〜300℃程度の範囲が好ましく、100〜250℃の範囲がより好ましい。また、このような磁場による配向処理に要する時間も、特に制限されず、液晶性高分子の組成、分子量等によって異なり一概には言えないが、一般的には10秒〜100分程度の範囲が好ましく、30秒〜60分程度の範囲がより好ましい。
次に、本発明の光学フィルムの製造方法においては、前記の配向処理が施された前記液晶性高分子を、その配向状態が維持されるように冷却してガラス状態とする。すなわち、前記配向状態とされた液晶性高分子をそのガラス転移点以下の温度に冷却することによって、配向を損なわずに固定化することができる。
このようにガラス転移点以下の温度に冷却する際の冷却速度は、特に制限されないが、0.1〜10℃/minの降温速度で徐冷することが好ましく、その際に0.1〜10テスラ程度の磁場を印加しつつ徐冷することが特に好ましい。この徐冷速度が前記下限未満では、徐冷時間が不必要に長時間となる傾向にあり、他方、前記上限を超えて冷却させると得られる光学フィルムにクラック等が発生し易くなる傾向にある。また、上記の徐冷工程において磁場を印加することによって、徐冷過程における配向状態の崩れが十分に防止され、配向状態が維持された光学フィルムがより確実に得られるようになる傾向にある。
以上説明した本発明の方法によって、基板側にある液晶性高分子が基板の配向規制力によって第一の方向に配向しており、かつ、基板から離れた側にある液晶性高分子が磁場の印加によって、基板面に対して垂直な方向と前記第一の方向とを含む面内において、第一の方向に対して45〜90°の角度をなす第二の方向に配向しており、両者の間には配向方向が第一の方向から第二の方向に連続的に変化するチルト構造の中間部が存在する光学フィルムが、効率良くかつ確実に得られるようになる。このようにして得られる光学フィルムについて、以下において図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の光学フィルムの製造方法を用いて得られる光学フィルム中の液晶性高分子の配向の状態を概念的に示した模式図である。図1において、1はラビング基板を示し、2は基板面を示し、3は液晶性高分子を示す。また、図1において、磁場の印加方向4は基板面2に垂直な方向(法線方向)であり、ラビング基板1のラビング方向5に対して90°の角度をなしている。そして、図1に示す光学フィルムにおいては、基板側の下面部3aの液晶性高分子はラビング方向5と平行な方向(第一の方向)に配向しており(ラビング方向配向相)、基板から離れた側の上面部3cの液晶性高分子は磁場の印加方向4と平行な方向(第二の方向)に配向しており(磁場方向配向相)、両者の中間部3bの液晶性高分子は、その配向方向が第一の方向から第二の方向に向かって連続的に変化するチルト構造を形成している(中間相)。
このように、本発明の光学フィルムの製造方法を用いて得られる光学フィルムは、下面部3aの液晶性高分子が第一の方向に配向し、基板から離れた側の上面部の液晶性高分子が第二の方向に配向し、かつ中間部の液晶性高分子がチルト構造を形成していることから、例えば、液晶表示装置用の視野角改良フィルム等といった用途に好適に用いることができる。なお、図1に示す光学フィルムにおいてはラビング方向に対して垂直な方向に磁場を印加しているが、この角度を前述の角度の範囲内で変化させることによって、第二の方向を任意の角度にすることができる。
さらに、このようにして得られる光学フィルムの膜厚は、特に制限されないが、10〜100μm程度の範囲が好ましく、20〜100μm程度のいわゆる厚膜の範囲がより好ましい。用いる液晶性高分子にもよるが、一般的にラビング基板による配向規制力は5μm程度までは影響する傾向にある。また、膜厚が前記10μm未満では、得られた光学フィルムを視野角改良フィルムとして用いた場合に十分に視野角を改良することが困難となる傾向にあり、他方、膜厚が前記100μmを超えると、得られた光学フィルムを視野角改良フィルムとして用いた場合にディスプレー表示が必要以上に色づいてしまう傾向にある。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(合成例1:液晶性高分子の合成)
先ず、テレフタル酸50mmol、2,6−ナフタレンジカルボン酸50mmol、メチルヒドロキノンジアセテート40mmol、カテコールジアセテート60mmol及びN−メチルイミダゾール60mgを用いて窒素雰囲気下、270℃の温度条件で12時間重合反応を進行させた。次に、このようにして得られた反応生成物をテトラクロロエタンに溶解した後、メタノールで再沈殿させて精製し、全芳香族主鎖型の液晶性ポリエステルを14.7g得た。
このようにして得られた液晶性ポリエステルは、その対数粘度が0.17であり、且つ、液晶相としてネマチック相を有していた。また、前記液晶性ポリエステルは、その等方相−液晶相転移温度は250℃以上であり、そのガラス転移点は115℃であり、且つ、液晶正の固有複屈折値を有していた。
(実施例1)
合成例1で得られた液晶性ポリエステル(以下、「LCP」と略す。)と、溶媒としてのN‐メチル‐2‐ピロリドン(以下、「NMP」と略す。)とを用いて光学フィルムを製造した。すなわち、先ず、LCPを10質量%含有するNMP溶液を調製し、次に、室温(23℃)下、スピンキャスト法(500rpm、30s)を採用して、得られたNMP溶液を、イミドフィルムによって基板面に対して平行方向にラビング処理が施されたガラス基板の基板面上に厚膜状に塗布した。そして、NMP溶液を塗布したガラス基板を、200℃の温度条件下において10分間維持して乾燥処理を施し、基板上に液晶性高分子からなるフィルムを形成せしめた。
次いで、前記基板上の液晶性高分子からなるフィルムに対して、基板面の法線方向に1テスラの磁場を印加しながら230℃の温度条件で30分間熱処理を施した後、1テスラの磁場を印加しながら1℃/minの降温速度で室温まで冷却してLCPからなる単層の光学フィルム(膜厚:約50μm)を得た。
(比較例1)
ガラス基板として、イミドフィルムによる基板面に対し平行方向にラビング処理を施していないガラス基板を用いた以外は実施例1と同様にして、LCPからなる単層の液晶性高分子フィルム(膜厚:約50μm)を得た。
(比較例2)
熱処理の際に磁場を印加しなかった以外は実施例1と同様にして、LCPからなる単層の液晶性高分子フィルム(膜厚:約50μm)を得た。
<配向状態確認試験:偏向顕微鏡観察>
実施例1で得られた光学フィルム及び比較例1〜2で得られた液晶性高分子フィルムに対して、クロスニコル下で鋭敏色板(位相差530nm)を用いて偏光顕微鏡観察を行い、液晶性ポリエステルの配向状態について評価した。実施例1で得られた光学フィルムの偏光顕微鏡写真を図2に示し、比較例1で得られた液晶性高分子フィルムの偏光顕微鏡写真を図3に示し、比較例2で得られた液晶性高分子フィルムの偏光顕微鏡写真を図4に示す。
図2〜3に示す偏光顕微鏡写真からも明らかなように、比較例2で得られた液晶性高分子フィルム(図4)は不均一な構造を有していたのに対して、実施例1で得られた光学フィルム(図2)及び比較例1で得られた液晶性高分子フィルム(図3)は均一な構造を有していることが確認された。また、一般に液晶は同一面内で配向方向が異なるドメインを有している場合はいわゆるシュリーレン組織が観察されるが、磁場処理後の実施例1で得られた光学フィルム(図2)及び比較例1で得られた液晶性高分子フィルム(図3)においてはシュリーレン組織は観察されなかった。この事実は、液晶性ポリエステルが磁場の影響で配向し、モノドメインを形成したことを示しており、磁場処理後の実施例1で得られた光学フィルム(図2)及び比較例1で得られた液晶性高分子フィルム(図3)においては、同一面内にある液晶性ポリエステルは単一の方向に配向していることが確認された。
なお、一般に複屈折を有する試料について、その試料の下側から直線偏光を入射して偏光顕微鏡観察を行うと、その試料の複屈折楕円体の短軸もしくは長軸方向と試料下部から入射する直線偏光の方向が一致するとき、入射光は位相差を受けない。そのため、試料透過後も直線偏光が維持され、試料上部の偏光板によって光は遮断されることとなる。
しかしながら、比較例1で得られた液晶性高分子フィルムにおいては、試料をサンプルステージ上で回転させても写真は常に暗視野を示していた。これは偏光顕微鏡観察の際、試料に対して光は基板と垂直方向から入射するため、その光が液晶性高分子の光軸と平行となり、試料内でリターデーション(位相差)が発生しなかったためと考えられる。
これに対して、実施例1で得られた光学フィルムにおいては、図2に示す偏光顕微鏡写真からも明らかなように、試料を回転させると得られる偏光顕微鏡写真の色がわずかに変化していることが確認された。これは試料内においてリターデーション(位相差)が存在していることを意味している。また、偏光顕微鏡写真の色の変化がわずかであることから、この試料のリターデーションが非常に小さい値であることが確認された。
<複屈折波長分散確認試験>
実施例1で得られた光学フィルムに対して、図5、図6に示した光学測定系を用いて、光学フィルムを基板のラビング方向に傾けていき、リターデーション値(Re=Δn・d、Δn:複屈折、d:膜厚)を測定した。得られた結果を図7に示す。図7示すグラフからも明らかなように、実施例1で得られた光学フィルムにおいては、そのリターデーション値のグラフは図7に示すように左右非対称に変化するグラフとなり、また、リターデーション値が0になる角度がないことが分かった。
次に、比較例1で得られた液晶性高分子フィルムに対しても、上記と同様にしてリターデーション値を測定した。得られた結果を図8に示す。図8示すグラフからも明らかなように、比較例1で得られた液晶性高分子フィルムにおいては、上下左右どの方向に傾けた場合においても、そのリターデーション値のグラフは図8に示すように左右対称に変化するグラフとなることが確認された。
このような結果から、比較例1で得られた液晶性高分子フィルムは、基板に対して垂直に配向しているのに対し、実施例1で得られた光学フィルムにおいては、中間層の液晶性ポリエステルの配向方向が基板に対して傾いており、液晶性ポリエステルが配向基板から空気界面に向かって連続的に徐々に傾いたチルト構造(ハイブリッド配向)が形成されていることが確認された。
(実施例2)
光学フィルムの膜厚を1μmとした以外は実施例1と同様にしてLCPからなる単層の光学フィルム(膜厚:1μm)を製造し、これを視野角改良フィルムとして用いた。
このようにして得られた膜厚1μmの光学フィルム(視野角改良フィルム)2枚を、それぞれ図9に示すような軸配置となるようにして駆動用液晶セルの上下に配置した。なお、液晶セルの上下に光学フィルムを配置する際には、各光学フィルムのガラス基板側を液晶セル基板に近接するようにした。また、使用した駆動用液晶セルはTN型の駆動用液晶セルであり、液晶材料としてZLI−4792を用い、セルパラメータはセルギャップ4.2μm、Δnd395nm、ねじれ角90度(左ねじれ)、プレチルト角3度であった。またプレチルト方向は、液晶セル基板のラビング方向に一致していた。
このような光学フィルム2枚を配置した駆動用液晶セルに対して、300Hzの矩形波で電圧を印加した。白表示0V、黒表示6Vの透過率の比(白表示)/(黒表示)をコントラスト比として、浜松ホトニクス(株)製FFP光学系DVS−3000を用いて、全方位からのコントラスト比の測定を行い、そのコントラスト曲線を描いた。得られた結果を図10に示す。
また、比較のために、得られた光学フィルムを配置する前の前記駆動用液晶セルに対しても上記測定方法と同様の方法でコントラスト比の測定を行い、コントラスト曲線を描いた。得られた結果を図11に示す。
図10及び図11に示す結果からも明らかなように、本発明により得られた光学フィルム(実施例2)は、これを液晶表示装置に導入することにより液晶セルの視野角特性を大幅に改善できることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、簡便な工程によって液晶性高分子の配向を三次元的に制御し、低コストでありながら効率よく且つ確実にチルト構造を有する液晶性高分子からなる光学フィルムを製造することが可能な方法を提供することが可能となる。
従って、本発明の光学フィルムの製造方法は、例えば、液晶表示装置の視野角改良フィルムとして利用することが可能な光学フィルムの製造方法として有用である。
本発明の光学フィルムの製造方法を用いて得られる光学フィルム中の液晶性高分子の配向の状態を概念的に示した模式図である。 (a)は実施例1で得られた光学フィルムの偏光顕微鏡写真(Θ=0°)であり、(b)は実施例1で得られた光学フィルムの偏光顕微鏡写真(Θ=30°)である。 比較例1で得られた液晶性高分子フィルムの偏光顕微鏡写真である。 比較例2で得られた液晶性高分子フィルムの顕微鏡写真である。 本発明の光学フィルムの製造方法を用いて得られる光学フィルムのチルト角測定に用いた光学測定系の配置を示す模式図である。 本発明の光学フィルムの製造方法を用いて得られる光学フィルムのチルト角測定に用いた光学測定系の試料及び偏光板の軸方位の関係を示す模式図である。 実施例1で得られた光学フィルムのリターデーション値と、試料の傾き角との関係を示すグラフである。 比較例1で得られた液晶性高分子フィルムのリターデーション値と、試料の傾き角との関係を示すグラフである。 実施例2における各光学素子の軸配置を概念的に示した模式図である。 実施例2で得られた光学フィルムを配置した駆動用液晶セルのコントラスト曲線を示すグラフである。 光学フィルムを配置していない駆動用液晶セルのコントラスト曲線を示すグラフである。
符号の説明
1…ラビング基板、2基板面、3…液晶性高分子、3a…ラビング方向配向相、3b…中間相、3c…磁場方向配向相、4…磁場の印加方向、5…ラビング方向、11…入射光、12…上偏光板、13…光学フィルム、14…下偏光板、15…上偏光板透過軸、16…基板のラビング方向、17…下偏光板透過軸、21…下偏光板、22a…光学フィルム(下側)、22b…光学フィルム(上側)、23a…液晶セル下側基板、23b…液晶セル上側基板、23…液晶セル、24…上偏光板。

Claims (3)

  1. 液晶状態においてはネマチック相を有しかつガラス転移点以下の温度ではガラス状態となる液晶性高分子を含有する溶液を、配向規制力のある基板の基板面上に塗布する工程と、
    前記液晶性高分子が液晶状態を呈する温度で、前記基板の配向規制力によって基板側の下面部にある前記液晶性高分子を第一の方向に配向させる工程と、
    前記液晶性高分子が液晶状態を呈する温度で、前記液晶性高分子に磁場を印加し、基板から離れた側の上面部にある前記液晶性高分子を、前記基板面の法線方向と前記第一の方向とを含む面内において、前記第一の方向に対して45〜90°の角度をなす第二の方向に配向させると共に、前記下面部と前記上面部との間にある前記液晶性高分子の配向方向が第一の方向から第二の方向に連続的に変化するチルト構造の中間部を形成せしめる工程と、
    前記配向せしめた前記液晶性高分子を、配向状態が維持されるように冷却してガラス状態とし、前記液晶性高分子からなる光学フィルムを得る工程と、
    を含むことを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  2. 前記液晶性高分子に0.1〜10テスラの磁場を印加することを特徴とする請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 前記配向せしめた前記液晶性高分子に磁場を印加しつつ、配向状態が維持されるように0.1〜10℃/minの降温速度で徐冷してガラス状態とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フィルムの製造方法。
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