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JP2007038976A - 車両用サスペンション装置 - Google Patents

車両用サスペンション装置 Download PDF

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JP2007038976A
JP2007038976A JP2005227922A JP2005227922A JP2007038976A JP 2007038976 A JP2007038976 A JP 2007038976A JP 2005227922 A JP2005227922 A JP 2005227922A JP 2005227922 A JP2005227922 A JP 2005227922A JP 2007038976 A JP2007038976 A JP 2007038976A
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Tadatsugu Tamamasa
忠嗣 玉正
Takuma Suzuki
卓馬 鈴木
Yutaka Mikuriya
裕 御厨
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Abstract

【課題】 車輪のキャンバ方向に運動の自由度を有すると共に、制動性能の低下およびコストの増大を招くことのない車両用のサスペンション装置を提供すること。
【解決手段】 車両の旋回時において、タイヤに車両横方向の力が作用した場合にも、タイヤのキャンバ角を適正なものとし、接地力を確保することが可能となる。また、このような機能を、軸方向に運動可能に支持する支持部材を用いて、中間部材がブレーキディスクとタイヤホイールのインナーリムとの間に延びることのない構成によって実現している。そのため、ブレーキディスクの径が制限されることを防止でき、制動性能の低下あるいはコストの増加を招くことを防止できる。即ち、本発明によって、車輪のキャンバ方向に運動の自由度を有すると共に、制動性能の低下およびコストの増大を招くことのないサスペンション装置を実現することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車体を懸架する車両用サスペンション装置に関する。
従来、自動車等の車体を懸架するサスペンション装置において、車輪の上下方向および転舵方向に加え、キャンバ方向にも運動の自由度を有するものが知られている。
例えば、特許文献1には、湾曲型のスライダ機構を介してホイールと支持体とを連結することにより、車輪に対し、キャンバ方向における運動の自由度を与えるサスペンション装置が開示されている。
具体的には、特許文献1に記載されたサスペンション装置は、当該文献の図2,3等に記載されているように、タイヤ・ホイール2の上下動および転舵における自由度を与える中間支持体4に、湾曲スライダ10を介してホイール支持体3が取り付けられており、そのホイール支持体3にタイヤの回転運動を許容するハブが取り付けられ、さらに、そのハブにタイヤ・ホイール2が取り付けられた構造を有している。
上記湾曲スライダ10は、タイヤの接地点に車両幅方向内向きの横力が加わったときに、タイヤの上端側が車両内側に傾斜するように、瞬間中心がタイヤの接地点より下方に設定されている。
このような構成により、車両旋回時においては、タイヤの上端側が旋回の内側に傾くキャンバ角(即ち、内輪はポジティブキャンバ、外輪はネガティブキャンバ)となる作用が働き、内輪および外輪共に、タイヤの接地面が適切な状態に誘導される。
特開2003−118338号公報
しかしながら、特許文献1に記載された構成においては、湾曲スライダがリムとブレーキディスクとの間の空間に位置するよう設置されていることから、ブレーキディスク径を大きく取ることができず、制動性能の低下を招く可能性があった。あるいは、このような制動性能の低下を防ぐために、ブレーキのコントロール系を高性能化する必要があり、コストの増大を招く可能性があった。
さらに、特許文献1に記載された構成においては、タイヤのキャンバ方向における自由度を与えるために、上述のような湾曲スライダ機構を用いるものであるが、スライダは比較的高価なものであるため、コストの増加を招く可能性があった。
即ち、特許文献1に記載されたサスペンション装置を含め、従来の車両用サスペンション装置においては、制動性能の低下およびコストの増大を招くことなく、車輪のキャンバ方向に運動の自由度を与えることができなかった。
本発明の課題は、車輪のキャンバ方向に運動の自由度を有すると共に、制動性能の低下およびコストの増大を招くことのない車両用のサスペンション装置を提供することである。
以上の課題を解決するため、本発明は、
車輪のキャンバ方向に運動の自由度を与える車両用サスペンション装置であって、
前記車輪を支持するための車輪側支持部材を、該車輪側支持部材が車輪を支持している部分よりも車両幅方向内側位置で、略車両幅方向に設定された軸方向に運動可能に支持する複数の支持部材によって車体側支持部材が支持すると共に、該運動の瞬間中心がタイヤ接地面より下方に設定されていることを特徴としている。
本発明によれば、車両の旋回時において、車輪に車両横方向の力が作用した場合にも、車輪のキャンバ角を適正なものとし、接地力を確保することが可能となる。
また、このように車輪がキャンバ方向に運動する機能を、軸方向に運動可能に支持する支持部材を用いて、車体側支持部材がブレーキディスクと車輪のインナーリムとの間に延びることのない構成によって実現している。
そのため、ブレーキディスクの径が制限されることを防止でき、制動性能の低下あるいはコストの増加を招くことを防止できる。
即ち、本発明によって、車輪のキャンバ方向に運動の自由度を有すると共に、制動性能の低下およびコストの増大を招くことのないサスペンション装置を実現することができる。
以下、図を参照して本発明に係る車両用のサスペンション装置の実施の形態を説明する。
(構成)
まず、構成を説明する。
図1は、本発明に係る車両用のサスペンション装置1の構成を示す図である。
図1において、サスペンション装置1は、タイヤ2が備えられたホイール3およびそれに固定されたブレーキディスク4をハブを介して回転自在に支持するハブキャリア5と、ハブキャリア5と中間部材8とを連結するブッシュ6,7とを備えている。なお、ブレーキディスク4は、ホイール3のインナーリムを周囲とする空間内に設置され、ハブにおいてホイール3と同軸に固定されている。
また、サスペンション装置1は、上端をアッパーボールジョイント9、下端をロアボールジョイント10によってリンク11,12に支持され、ブッシュ6,7の内筒を摺動可能に挿通する支軸部を所定箇所に備えた中間部材8と、車体に連結された上下一対のリンクのうち、上方のリンク11と中間部材8とを中間部材8の上端において揺動自在に接続するアッパーボールジョイント9と、車体に連結された上下一対のリンクのうち、下方のリンク12と中間部材8とを中間部材8の下端において揺動自在に接続するロアボールジョイント10とを備えている。
さらに、サスペンション装置1は、上下一対のリンクを構成する、ブッシュ13を介して車体に連結された上方のリンク11およびブッシュ14を介して車体に連結された下方のリンク12と、軸方向を車両前後方向として車体に設置され、リンク11を車両上下方向に揺動自在に連結するブッシュ13と、軸方向を車両前後方向として車体のブッシュ13下方位置に設置され、リンク12を車両上下方向に揺動自在に連結するブッシュ14とを備えている。
これらのうち、ハブキャリア5は、ホイール3のハブ位置から車両内側斜め上方に延びるアーム5aと、ホイール3のハブ位置から車両内側斜め下方に延びるアーム5bとを有している。このアーム5a,5b先端には、ブッシュ6,7がそれぞれ備えられており、ブッシュ6,7の内筒に、中間部材8に形成された支軸部がそれぞれ挿通している。このように中間部材8の支軸部がブッシュ6,7を挿通することにより、ホイール3が車体を支持している。そして、ブッシュ6,7の内筒を挿通する中間部材8の支軸部が、ブッシュ6,7に圧入されたゴムを弾性変形させながら摺動可能であることにより、ホイール3にキャンバ方向の自由度が与えられている。
このキャンバ方向におけるホイール3の動作は、中間部材8とブッシュ6,7との設置関係により規定される。
図1において、ブッシュ6,7の内筒における軸は、平面視略左右方向(即ち、略車両幅方向)に設定されており、サスペンション装置1において、軸方向への剛性がより小さく、軸に直交する方向の剛性がより大きい構造となっている。
図2は、ブッシュ6,7の設置例を示す車両上下方向の断面図である。
図2において、上述のようにブッシュ6,7の軸方向への剛性がより小さいことにより、ハブキャリア5と中間部材8とがこの軸方向に運動の自由度を有している。
また、図1において、中間部材8における支軸部の設置角度およびハブキャリア5におけるブッシュ6,7の軸角度は、ホイール3を車体に設置した状態で、ホイール3のキャンバ角が設定値となるように決定される。
さらに、ハブキャリア5と中間部材8とは、ブッシュ6,7それぞれにおける軸方向を接線とする円周に直行する直線(図1における一点鎖線a,b)の交点Pを瞬間中心とする運動を行う。サスペンション装置1においては、この交点Pが、タイヤ2の接地面より下方で、接地中心を通る鉛直線上に設定されている。
そのため、タイヤ2に作用する車両上下方向の力に対しては、キャンバ方向の回転運動を生じさせず、タイヤ2に作用する車両横方向の力に対しては、交点Pを中心とする回転運動を生じさせる。
中間部材8は、ホイール3を車体に設置した状態において、下端がホイール3のインナーリムを周囲とする空間内で、ブレーキディスク4のやや車両内側に位置し、上端が車体とタイヤ2上部の車両内側面との間に位置する形状を有している。このように、中間部材8がブレーキディスク4とホイール3のインナーリムとの間に延びることなくホイール3を支持する構成であるため、ブレーキディスク4の径が制限されることを回避できる。
また、中間部材8が、上端のアッパーボールジョイント9および下端のロアボールジョイント10においてリンク11,12に接続されることにより、ホイール3に転舵方向の自由度が与えられている。
なお、中間部材8は、従来のサスペンション装置と同様に、車両前後方向の前方あるいは後方に延びるアーム部を有し、アーム部においてボールジョイントを介してタイロッドに接続され、転舵方向を規制している。
リンク11,12は、ダブルウィッシュボーン型サスペンションの一対のアームを構成するものであり、ブッシュ13,14を介して車体に連結されている。そして、リンク11,12が、ブッシュ13,14の軸、即ち、車両前後方向を軸として車両上下方向に揺動可能であることにより、ホイール3に車両上下方向の自由度が与えられている。
ここで、サスペンション装置1において、キャンバ角およびトー角の特性を適正なものとするための原理について説明する。
まず、キャンバ角を適正なものとする原理について説明する。
図3は、タイヤ2の接地面に車両横方向の力が作用した場合の運動を示す図である。
図3において、(a)は、タイヤ2に車両横方向の力が作用していない状態であり、設定されたキャンバ角の状態となっている。
一方、(b)は、タイヤ2の接地面に車両内向きの力が作用した状態(即ち、平面視右方への旋回が行われている状態)を示している。
サスペンション装置1においては、上述のように、タイヤ2のキャンバ方向の回転の中心である交点Pが、タイヤ2の接地面より下方で、接地中心を通る鉛直線上に設定されている。
そのため、タイヤ2の接地面に車両横方向の力が作用した場合、ブッシュ6,7の内筒が中間部材8の支軸部を軸方向に摺動することにより、その力が図3(b)のように車両内向きの力であるときは、キャンバ角が負の方向(タイヤ2上部が車両内側に傾く方向)にタイヤ2が回転する。また、タイヤ2の接地面に車両外向きの力が作用した場合には、キャンバ角が正の方向(タイヤ2上部が車両外側に傾く方向)にタイヤ2が回転する。
したがって、車両の旋回時において、タイヤ2に車両横方向の力が作用した場合にも、タイヤ2のキャンバ角を適正なものとし、接地力を確保することが可能となる。
次に、トー角を適正なものとする原理について説明する。
まず、車両幅方向においてトー角を適正化する原理を説明する。
車両幅方向に関しては、車両前後方向の力に起因するトー角の変化を考慮することとなる。
図4は、タイヤ2の接地面に車両前後方向の力(ここでは車両後向きの力とする)が作用した場合の運動を示す図であり、図4(a)は左前輪を車両後方から見た図、図4(b)は左後輪を車両後方から見た図である。
本実施の形態に係るサスペンション装置1においては、ブッシュ6,7を介してハブキャリア5と中間部材8とが連結されている。
そして、ブッシュ6,7は、内筒と外筒の間にゴムが圧入されていることから、軸方向のみならず、軸と交差する方向にも、中間部材8との相対運動に一定の自由度を有している。即ち、図4に示すように、ブッシュ6,7の中央を結ぶ直線(以下、「回転軸d」と称する。)を軸として、ホイール3と中間部材8とが回転の自由度を有するものである。
この回転軸dが、タイヤ2の接地面における前後方向の力の作用点Fxと距離eを有する場合、その力によって、ホイール3はトー角の変化を生ずる。
一般に、制動力を作用させる場合、前輪はトーアウト方向、後輪はトーイン方向とするため、サスペンション装置1においては、この回転軸dと作用点Fxとの関係によって、トー角の変化を発生させる構成となっている。
即ち、前輪においては、回転軸dとタイヤ2の接地面との交点Q1が作用点Fxより車両内側となるようにブッシュ6,7の設置位置が選択され、後輪においては、回転軸dとタイヤ2の接地面との交点Q1が作用点Fxより車両外側となるようにブッシュ6,7の設置位置が選択されている。
したがって、制動により各車輪に車両後向きの力が作用した場合、車両上方から見て、前輪は、回転軸dを中心としてタイヤ2が開く向きの運動(トーアウト方向の運動)を行うこととなり、後輪は、回転軸dを中心としてタイヤ2が閉じる向きの運動(トーイン方向の運動)を行うこととなる。
なお、ハブキャリア5を中間部材8に連結する場合には、レイアウト上の便宜を考慮して、図4(a)に示すように、ブッシュ6,7を中間部材8の車両外側に連結することや、図4(b)のブッシュ6のように、中間部材8の車両内側に連結することが可能である。
続いて、車両前後方向においてトー角を適正化する原理について説明する。
車両前後方向に関しては、車両横方向の力に起因するトー角の変化を考慮することとなる。
図5は、タイヤ2の接地面に車両横方向の力(ここでは車両幅方向右向きの力(紙面手前から奥に向かう力)とする)が作用した場合の運動を示す図であり、図5(a)は左前輪を車両左方から見た図、図5(b)は左後輪を車両左方から見た図である。
図5において、タイヤ接地面に車両横方向の力が作用した場合、図4における場合と同様に、ブッシュ6,7の中心を結ぶ直線(以下、「回転軸g」と称する。)を軸として、ホイール3と中間部材8とが回転の自由度を有するものである。
このとき、タイヤ接地面に作用する横方向の力と、その横方向の力の作用点Fyと回転軸gの距離との積が、トー方向に作用するモーメントとなる。
したがって、横方向の力が作用した場合のトー角の変化が目的の値となるように、回転軸gが設定される。
図5(a)に示す前輪への適用例では、タイヤ接地面に作用する横方向の力の作用点Fyが、回転軸gとタイヤ2の接地面との交点Q2より車両後方となるようにブッシュ6,7の設置位置が選択されている。
これにより、横方向の力が作用した場合、前輪は回転軸gを中心としてトーアウト方向(アンダーステア方向)の運動を行うこととなる。
また、図5(b)に示す後輪への適用例では、タイヤ接地面に作用する横方向の力の作用点Fyが、回転軸gとタイヤ2の接地面との交点Q2より車両前方となるようにブッシュ6,7の設置位置が選択されている。
これにより、横方向の力が作用した場合、後輪は回転軸gを中心としてトーイン方向(アンダーステア方向)の運動を行うこととなる。
車両右前輪および右後輪については、車体左右でサスペンション構造を対称なものとすることにより、横方向に同じ向きの力が作用した場合に、図5(a)、(b)に示すトー角変化と逆方向(即ち、同一のステアリング特性の方向)に変化する。
なお、回転軸gと作用点Fyとの関係は、回転軸gとタイヤ2の接地面との交点Q2が、タイヤ2に作用する横方向の力Fyの作用点の近傍(例えば、ホイールセンタ直下あるいはそのやや後方の範囲)に設定することも可能である。
この場合、横方向の力が作用した場合におけるトー角の変化を小さく抑えることができると共に、ブッシュ6,7を支持している部材に働く曲げ力も抑えることができるため、ブッシュ6,7の支持構造を軽量化することが可能となる。このとき、タイヤ2に対する横方向の力に対しては、中間部材8より車体側の構造においてコンプライアンスステアを設定することとなる。
(作用)
次に、本発明に係るサスペンション装置1の作用を説明する。
サスペンション装置1は、図1に示すように、中間部材8に形成された支軸部をハブキャリア5のアーム5a,5bに備えられたブッシュ6,7が挿通することにより、車体が懸架されている。
そして、ブッシュ6,7の軸方向は、ほぼ車両幅方向とされており、この軸方向にブッシュ6,7と中間部材8とが相対運動可能である。
さらに、タイヤ2が車体に対して、ブッシュ6,7の軸方向に運動する際の瞬間中心は、タイヤ2の接地面より下方で接地中心を通る鉛直線上に設定されている。
そのため、タイヤ2に車両内向きの力が作用した場合には、キャンバ角が負の方向(タイヤ2上部が車両内側に傾く方向)にタイヤ2が回転する。また、タイヤ2の接地面に車両外向きの力が作用した場合には、キャンバ角が正の方向(タイヤ2上部が車両外側に傾く方向)にタイヤ2が回転する。
したがって、車両の旋回時において、タイヤ2に車両横方向の力が作用した場合にも、タイヤ2のキャンバ角を適正なものとし、接地力を確保することが可能となる。
また、このようにタイヤ2がキャンバ方向に運動する機能を、ブッシュ6,7を用いて、中間部材8がブレーキディスク4とホイール3のインナーリムとの間に延びることのない構成によって実現している。
そのため、ブレーキディスク4の径が制限されることを防止でき、制動性能の低下あるいはコストの増加を招くことを防止できる。
即ち、本発明によって、車輪のキャンバ方向に運動の自由度を有すると共に、制動性能の低下およびコストの増大を招くことのないサスペンション装置1を実現することができる。
(応用例)
上述の説明においては、ブッシュ6,7の2つによって中間部材8を支持するものとして説明したが、タイヤ2に車両前後方向の力が作用した場合、下方に備えられるブッシュ7には、上方のブッシュ6より大きな力が加わることとなる。そのため、ブッシュ7を支持する支軸部は、ブッシュ6の支軸部より強度を高いものとする必要があり、支軸部の径がより大きい構成とされる。即ち、ブッシュ6,7の2つによって中間部材8を支持する場合には、ブッシュ7として、ブッシュ6より内径の大きいものが用いられる。
そこで、ブッシュ7をより小さい複数のブッシュによって代替し、レイアウト、重量あるいはコストの観点から有利な構成とすることも可能である。
図6は、ブッシュ7をより小さい2つのブッシュ7a,7bによって代替した場合の構成例を示す図である。
このような構成においては、車両横方向から見た場合のブッシュ6,7の上記回転軸gは、上方に備えられたブッシュ6と、ブッシュ7を代替する2つのブッシュ7a,7bの中間点(弾性中心)を結ぶ直線として定義される。
また、サスペンション装置1において、タイヤ2あるいはホイールセンタに上方向の力が作用した場合に、トー方向の回転運動が生ずることを防ぐため、上方向の力がブッシュ6,7の中心を結ぶ回転軸gに対し、モーメントを発生しない構成とすることも可能である。
図7は、上方向の力がブッシュ6,7の中心を結ぶ回転軸gに対し、モーメントを発生しない構成例を示す図であり、図7(a)は左前輪を車両左方から見た図、図7(b)は左前輪を車両後方から見た図である。
図7に示すように、回転軸gを鉛直方向に設定することにより、上方向の力Fzによる回転軸gのまわりのモーメントが発生することを防止できる。
なお、上記実施の形態においては、ブッシュ6,7が複数の支持部材を構成し、アーム5a,5bがアーム部を構成する
(効果)
(1)ハブにおいて車輪と回転一体に固定されたブレーキディスクより車両幅方向内側位置に延びるアーム部において、複数の支持部材がハブと中間部材とを連結し、ハブと中間部材との運動の瞬間中心を、タイヤ接地面より下方に設定することとしたため、車輪のキャンバ方向に運動の自由度を有すると共に、制動性能の低下およびコストの増大を招くことのないサスペンション装置を実現することができる。
(2)支持部材が、軸方向に剛性が小さく、運動の自由度を有すると共に、該軸に交差する方向には剛性が大きく、弾性変形可能である部材(ブッシュ等)によって構成され、複数の支持部材それぞれの軸が、所定の角度をもって略車両幅方向に設置されることにより、各支持部材の弾性変形を伴って略車両幅方向に並進を許容する状態で、ハブと中間部材とを支持しているため、低コストな支持部材によって、車両用サスペンション装置を実現することができる。
(3)複数の支持部材それぞれは、アーム部と中間部材とを異なる高さ位置で連結しているため、トー方向運動の回転軸を定義したり、制動力トルクに抗する支持部材の負荷を低減し、支持構造に要求される強度を低減したりすることができる。
(4)複数の支持部材が、中間部材における車両幅方向逆側の位置でアーム部と中間部材とを連結しているため、中間部材を湾曲させることによる重量の増加を抑制しつつ、キャンバ方向の回転中心を定義することができる。
(5)車両後方から見て、複数の支持部材によって規定されるハブと中間部材とのトー方向相対運動の軸と地面との交点が、タイヤ接地面の前後方向力作用点に対し車両幅方向内側に設定されているため、制動力が作用した場合に、トーアウト傾向を生じさせることができ、車両前輪に適用することにより、車両の旋回制動時にアンダーステア傾向を与えることができる。
(6)車両後方から見て、複数の支持部材によって規定されるハブと中間部材とのトー方向相対運動の軸と地面との交点が、タイヤ接地面の前後方向力作用点に対し車両幅方向外側に設定されているため、制動力が作用した場合に、トーイン傾向を生じさせることができ、車両後輪に適用することにより、車両の旋回制動時にアンダーステア傾向を与えることができる。
(7)車両側方から見て、複数の支持部材によって規定されるハブと中間部材とのトー方向相対運動の軸と地面との交点が、タイヤ接地面の横力作用点に対し車両前後方向前方に設定されているため、旋回横力が作用した場合に、旋回外輪においてはトーアウト傾向、旋回内輪においてはトーイン傾向を生じさせることができ、車両前輪に適用することにより、車両旋回時にアンダーステア傾向を与えることができる。
(8)車両側方から見て、複数の支持部材によって規定されるハブと中間部材とのトー方向相対運動の軸と地面との交点が、タイヤ接地面の横力作用点に対し車両前後方向後方に設定されているため、旋回横力が作用した場合に、旋回外輪においてはトーイン傾向、旋回内輪においてはトーアウト傾向を生じさせることができ、車両後輪に適用することにより、車両旋回時にアンダーステア傾向を与えることができる。
(9)車両側方から見て、複数の支持部材によって規定されるハブと中間部材とのトー方向相対運動の軸が鉛直方向に設定されているため、タイヤに上方向の力が作用した場合に軸の周りにモーメントが発生することを抑制でき、トー方向変化を低減することができる。
本発明に係る車両用のサスペンション装置1の構成を示す図である。 ブッシュ6,7の設置例を示す車両上下方向の断面図である。 タイヤ2の接地面に車両横方向の力が作用した場合の運動を示す図である。 タイヤ2の接地面に車両前後方向の力(ここでは車両後向きの力とする)が作用した場合の運動を示す図である。 タイヤ2の接地面に車両横方向の力が作用した場合の運動を示す図である。 ブッシュ7をより小さい2つのブッシュ7a,7bによって代替した場合の構成例を示す図である。 上方向の力がブッシュ6,7の中心を結ぶ回転軸gに対し、モーメントを発生しない構成例を示す図である。
符号の説明
1 サスペンション装置、2 タイヤ、3 ホイール、4 ブレーキディスク、5 ハブキャリア、5a,5b アーム、6,7,13,14 ブッシュ、8 中間部材、9 アッパーボールジョイント、10 ロアボールジョイント、11,12 リンク

Claims (10)

  1. 車輪のキャンバ方向に運動の自由度を与える車両用サスペンション装置であって、
    前記車輪を支持するための車輪側支持部材を、該車輪側支持部材が車輪を支持している部分よりも車両幅方向内側位置で、略車両幅方向に設定された軸方向に運動可能に支持する複数の支持部材によって車体側支持部材が支持すると共に、該運動の瞬間中心がタイヤ接地面より下方に設定されていることを特徴とする車両用サスペンション装置。
  2. リンクを介して車体に連結され、且つステアリング動作時に左右に揺動する中間部材と、車輪を回転自在に支持するハブと前記中間部材とを連結するハブキャリアとを備える車両用サスペンション装置であって、
    前記ハブキャリアは、前記ハブよりも車両幅方向内側位置に延びるアーム部を有し、
    前記アーム部と前記中間部材とを連結し、前記ハブを前記中間部材に対して略車両幅方向に設定された軸方向に運動可能に支持する支持部材を複数備え、
    前記複数の支持部材によって規定される前記ハブと前記中間部材との運動の瞬間中心が、タイヤ接地面より下方に設定されていることを特徴とする車両用サスペンション装置。
  3. 前記支持部材は、前記軸方向には剛性が小さく、運動の自由度を有すると共に、該軸に交差する方向には剛性が大きく、弾性変形可能である部材によって構成され、
    前記複数の支持部材それぞれの前記軸が、所定の角度をもって略車両幅方向に設置されることにより、各支持部材の弾性変形を伴って略車両幅方向に並進を許容する状態で、前記ハブを前記中間部材に支持することを特徴とする請求項2記載の車両用サスペンション装置。
  4. 前記複数の支持部材それぞれは、前記アーム部と前記中間部材とを異なる高さ位置で連結していることを特徴とする請求項2または3記載の車両用サスペンション装置。
  5. 前記複数の支持部材は、前記中間部材における車両幅方向逆側の位置で前記アーム部と前記中間部材とを連結していることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のサスペンション装置。
  6. 車両後方から見て、前記複数の支持部材によって規定される前記ハブと前記中間部材とのトー方向相対運動の軸と地面との交点が、タイヤ接地面の前後方向力作用点に対し車両幅方向内側に設定されていることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載のサスペンション装置。
  7. 車両後方から見て、前記複数の支持部材によって規定される前記ハブと前記中間部材とのトー方向相対運動の軸と地面との交点が、タイヤ接地面の前後方向力作用点に対し車両幅方向外側に設定されていることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載のサスペンション装置。
  8. 車両側方から見て、前記複数の支持部材によって規定される前記ハブと前記中間部材とのトー方向相対運動の軸と地面との交点が、タイヤ接地面の横力作用点に対し車両前後方向前方に設定されていることを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載のサスペンション装置。
  9. 車両側方から見て、前記複数の支持部材によって規定される前記ハブと前記中間部材とのトー方向相対運動の軸と地面との交点が、タイヤ接地面の横力作用点に対し車両前後方向後方に設定されていることを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載のサスペンション装置。
  10. 車両側方から見て、前記複数の支持部材によって規定される前記ハブと前記中間部材とのトー方向相対運動の軸が鉛直方向に設定されていることを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載のサスペンション装置。
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