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JP2007038169A - 酸性ガスの除去方法及び除去装置 - Google Patents

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Nobuhiro Oda
信博 織田
Toshihiro Kiyokawa
智弘 清川
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Abstract

【課題】使用済みの脱硫剤が大量に発生することなく、気液比を小さく、吸収塔を大きくする必要がなく、アルカリ消費量が少なく、酸性ガスを低濃度まで除去することができる酸性ガスの除去方法及び除去装置を提供する。
【解決手段】酸性ガスを含有する排ガスを気液接触塔に導入し、アルカリ液と接触させて酸性ガスを吸収させ、気液接触塔から流出するガス中に残留する酸性ガスをアニオン交換体により除去する酸性ガスの除去方法、及び、酸性ガスを含有する排ガスとアルカリ液を接触させて酸性ガスを吸収させる気液接触塔、気液接触塔から流出するガス中に残存する酸性ガスを除去するアニオン交換体塔、気液接触塔から流出する液に吸収された酸性ガスを好気的に酸化分解する生物酸化槽、生物酸化槽の生物培養液を気液接触塔に循環する手段、アニオン交換樹脂を再生する手段及びアニオン交換体の再生液を生物酸化槽に導入する手段を有する酸性ガスの除去装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸性ガスの除去方法及び除去装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、硫化水素などの酸性ガスを含有する排ガスを、気液接触塔でアルカリ液と接触させて酸性ガスを吸収させ、気液接触塔から流出するガス中に残留する酸性ガスをアニオン交換体を用いて除去することにより、処理ガス中の酸性ガスを極めて低濃度まで減少することができる酸性ガスの除去方法及び除去装置に関する。
化学工場、製紙工場、食品飲料製造工場、ゴミ焼却場、し尿処理場、下水処理場などから排出される排ガスには、硫化水素、硫化カルボニル、塩化水素、臭化水素、硫黄酸化物、窒素酸化物、二酸化炭素などの酸性ガスを含有するものが多い。従来より、硫化水素などの酸性ガスの処理方法としては、酸化鉄などとの化学反応による除去や、微生物による酸化分解などが行われている。
例えば、廃熱と廃棄物を活用して、簡便かつ経済性に優れたガス中の硫化水素を除去する脱硫方法として、鉄廃棄物を酸処理して鉄含有溶液を製造し、該鉄含有溶液を加水分解したのち、さらに焼成することによって得られた酸化鉄を排ガスの脱硫剤として使用する方法が提案されている(特許文献1)。しかし、酸化鉄などとの化学反応では、大量の使用済みの脱硫剤が発生し、その再生処理は容易ではない。
有機性排水の嫌気性消化処理工程から発生する消化ガス中に含まれる硫化水素などを脱硫する装置として、硫化水素を酸化分解する微生物が付着した充填材層を有する生物脱硫塔と、該塔に消化ガスを導入する手段と、処理ガスを排出する手段と、前記生物脱硫塔に空気又は酸素を供給する手段とを備えた消化ガスの脱硫装置が提案されている(特許文献2)。
また、メタンガスの含有率を低下させず、低コストで効率よく、しかも高い脱硫率で脱硫でき、かつ脱硫に伴って新たな廃液を生じない消化ガスの脱硫方法として、有機性物質の嫌気性微生物消化により発生する消化ガスを、酸素を混合することなく、有機性物質の好気性微生物酸化における処理液からなる洗浄液のスプレー液と接触させて、消化ガス中の硫化水素を洗浄液に吸収させる吸収工程と、吸収工程で得られた吸収液を好気性微生物酸化して、吸収された硫化水素を酸化する酸化工程とを含む消化ガスの脱硫方法が提案されている(特許文献3)。
さらに、有機性物質の嫌気性微生物消化により発生する消化ガスから、硫化水素を除去するとともに、臭気ガスを脱臭するための消化ガスと臭気ガスの同時処理方法として、嫌気性消化施設の消化液の一部を好気性酸化装置に導入して好気性酸化を行う方法であって、嫌気性微生物消化により発生する消化ガスを、好気性酸化装置における混合液又は処理液からなる洗浄液と接触させて、硫化水素を洗浄液に吸収させる吸収工程と、吸収工程で得られた吸収液を好気性酸化装置において好気性微生物酸化して硫化水素を酸化する酸化工程と、嫌気性消化により派生する臭気ガスを酸化工程に導入して脱臭及び好気性微生物酸化を行う工程とからなる消化ガスと臭気ガスの同時処理方法が提案されている(特許文献4)。しかし、生物酸化法によって硫化水素などを低濃度まで処理するためには、気液比を小さくする必要があるために、吸収が塔が大きく、高価になるなどの問題がある。
また、硫化水素含有ガスを、大容量の設備を必要とすることなく、多量のアルカリを使用することなく、低コストで効率的に処理して、硫化水素濃度の低い処理ガスを得る方法として、硫化水素を含む原ガスを活性汚泥、生物処理水又は工水と接触させて、原ガス中の硫化水素を粗取りする一次脱硫工程と、一次脱硫工程の処理ガスを湿式又は乾式でアルカリと接触させてガス中に残留する硫化水素を除去する二次脱硫工程とを有する硫化水素含有ガスの脱硫方法が提案されている(特許文献5)。しかし、硫化水素含有ガス中の炭酸ガスの濃度比が高いと、アルカリが炭酸ガスに消費され、ランニング費用が高価となる。
また、微生物を運転開始当初に高密度で保持し、かつ長期間その状態を維持できる脱臭装置として、臭気ガスを微生物を用いて脱臭する脱臭装置であって、微生物と、繊維表面にアニオン交換樹脂を処理した不織布を含む、微生物をイオン的な吸引力によって付着させて保持し、かつ通気性を有する担体とを備えた脱臭装置が提案されている(特許文献6)。しかし、この装置において、イオン交換樹脂は微生物を多く担持するために利用されるものであり、硫化水素の生物酸化を組み合わせたアルカリ吸収プロセスに残留する硫化水素、悪臭成分の吸着に有効でなく、また、再生も行われないので、生物脱硫プロセス処理後の精製には有効ではない。
特開2004−230304号公報 特開平2−26615号公報 特許第3235131号公報 特許第3413856号公報 特開2002−79051号公報 特開2001−205042号公報
本発明は、再生処理が容易ではない使用済みの脱硫剤が大量に発生することなく、生物脱硫プロセス処理装置単独のように気液比を小さく、吸収塔を大きくする必要がなく、炭酸ガスによるアルカリ消費量が少なく、酸性ガスを低濃度まで除去することができる酸性ガスの除去方法及び除去装置を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、酸性ガスを含有する排ガスを気液接触塔に導入し、アルカリ液と接触させて酸性ガスを吸収させ、気液接触塔から流出するガス中に残留する酸性ガスをアニオン交換体を用いて除去することにより、硫化水素などの酸性ガスを極めて低濃度まで除去し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)酸性ガスを含有する排ガスを気液接触塔に導入し、アルカリ液と接触させて酸性ガスを吸収させ、気液接触塔から流出するガス中に残留する酸性ガスをアニオン交換体により除去することを特徴とする酸性ガスの除去方法、
(2)酸性ガスが、硫化水素である(1)記載の酸性ガスの除去方法、
(3)排ガスが、硫化水素の10体積倍以上の炭酸ガスを含有する(2)記載の酸性ガスの除去方法、
(4)アニオン交換体が、アニオン交換樹脂である(1)記載の酸性ガスの除去方法、
(5)アニオン交換樹脂が、第四級アンモニウム基を有する強塩基性アニオン交換樹脂である(4)記載の酸性ガスの除去方法、
(6)アニオン交換体が、0.1〜10重量%の水酸化ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液又は炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて再生されたものである(1)又は(4)記載の酸性ガスの除去方法、
(7)気液接触塔から流出する液を生物酸化槽に導き、吸収された硫化水素を好気的に酸化分解する(2)記載の酸性ガスの除去方法、
(8)アニオン交換体の再生液を、生物酸化槽に供給する(6)記載の酸性ガスの除去方法、
(9)生物酸化槽の生物培養液を、気液接触塔に導入するアルカリ液として循環使用する(7)記載の酸性ガスの除去方法、
(10)酸性ガスを含有する排ガスとアルカリ液を接触させて酸性ガスをアルカリ液に吸収させる気液接触塔及び気液接触塔から流出するガス中に残存する酸性ガスを吸収除去するアニオン交換体塔を有することを特徴とする酸性ガスの除去装置、及び、
(11)酸性ガスを含有する排ガスとアルカリ液を接触させて酸性ガスをアルカリ液に吸収させる気液接触塔、気液接触塔から流出するガス中に残存する酸性ガスを吸収除去するアニオン交換体塔、気液接触塔から流出する液に吸収された酸性ガスを好気的に酸化分解する生物酸化槽、生物酸化槽の生物培養液を気液接触塔に循環する手段、アニオン交換体を再生する手段及びアニオン交換体の再生液を生物酸化槽に導入する手段を有することを特徴とする酸性ガスの除去装置、
を提供するものである。
本発明の酸性ガスの除去方法及び除去装置によれば、硫化水素などの酸性ガスを含有する排ガスを、気液接触塔でアルカリ液と接触させて酸性ガスを吸収させ、気液接触塔から流出するガス中に残留する酸性ガスをアニオン交換体、とりわけアニオン交換樹脂を用いて除去することにより、低コストで効果的に処理ガス中の酸性ガスを極めて低濃度まで減少することができる。
本発明の酸性ガスの除去方法においては、酸性ガスを含有する排ガスを気液接触塔に導入し、アルカリ液と接触させて酸性ガスを吸収させ、気液接触塔から流出するガス中に残留する酸性ガスをアニオン交換体により除去する。本発明方法により除去することができる酸性ガスとしては、例えば、硫化水素、硫化カルボニル、塩化水素、臭化水素、硫黄酸化物、窒素酸化物、二酸化炭素などを挙げることができる。本発明方法は、これらの中で、硫化水素を含有する排ガスの処理に好適に適用することができ、排水の嫌気性消化により発生した硫化水素を含有する排ガスの処理に特に好適に適用することができる。
図1は、本発明方法の一態様の工程系統図である。本態様においては、硫化水素を含む排ガスを気液接触塔1に送り、塔頂の液分散器2から供給されるアルカリ液と接触させる。排ガス中の硫化水素は、アルカリ液に移行し、硫化水素の大部分が除去されたガスが塔頂の排気管から排出され、さらにアニオン交換体としてアニオン交換樹脂を充填したアニオン交換樹脂塔3において残留する硫化水素がアニオン交換樹脂により除去され、硫化水素濃度の低い処理ガスとして排出される。本発明方法によれば、気液接触塔から流出する硫化水素濃度数十ppm(体積比)程度のガスから、アニオン交換樹脂塔においてさらに硫化水素を除去し、硫化水素濃度1ppm(体積比)以下の処理ガスとすることができる。気液接触塔において硫化水素を吸収したアルカリ液は、送液管4を経由して生物酸化槽5へ送られる。生物酸化槽においては、槽底の散気管6から空気が供給され、硫化物イオンが硫黄酸化細菌により酸化されて硫黄単体、亜硫酸イオン、硫酸イオンなどになる。生物酸化槽内の液は、ポンプ7により返送液管8を経由して気液接触塔に送られ、アルカリ液として循環使用される。生物酸化槽からは、過剰の液が溢流液として排出される。
本発明方法において、吸収剤として用いるアニオン交換樹脂は、再生して繰り返し使用することができる。図1に示す態様においては、アニオン交換樹脂は水酸化ナトリウム水溶液により再生され、その再生液は、再生液配管9を経由して生物酸化槽に供給される。本発明方法に用いるアニオン交換体としては、アニオン交換樹脂の他にアニオン交換繊維やアニオン交換シート等が適用可である。このうち、アニオン交換樹脂としては特に制限はなく、例えば、強塩基性I型アニオン交換樹脂、強塩基性II型アニオン交換樹脂、弱塩基性アニオン交換樹脂などを挙げることができる。これらの中で、強塩基性I型アニオン交換樹脂及び強塩基性II型アニオン交換樹脂は、HS-イオンを強く吸着し、硫化水素濃度の低い処理ガスを得ることができるので、特に好適に用いることができる。
本発明方法において、アニオン交換体がHS-イオンを吸着して破過点に達したときには、アルカリ水溶液を用いて再生することができる。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液及び炭酸水素ナトリウム水溶液を好適に用いることができ、水酸化ナトリウム水溶液を特に好適に用いることができる。アルカリ水溶液の濃度は、0.1〜10重量%であることが好ましく、2〜7重量%であることがより好ましい。アルカリ水溶液の濃度が0.1重量%未満であると、アニオン交換体の再生に多量のアルカリ水溶液を必要とするおそれがある。アルカリ水溶液の濃度が10重量%を超えると、炭酸水素ナトリウムが析出するおそれがある。
本発明方法においては、気液接触塔から流出する硫化水素を吸収した液を生物酸化槽に導き、好気的に酸化分解することが好ましい。硫化水素は硫黄酸化細菌により好気的に酸化分解され、H2S+O→S(ゼロ)+H2O、S2-+2O2→SO4 2-などの反応により無害、無臭の分子状の硫黄、硫酸イオンなどとなる。本発明方法に用いる硫黄酸化細菌としては、例えば、チオバチルス属、チオトリックス属、ベギアトア属、チオマリヌス属、シュードモナス属などの細菌を挙げることができる。本発明方法においては、硫化水素含有ガスの処理に先立って、硫黄酸化細菌を下水、産業排水などの活性汚泥から馴養することが好ましい。硫黄酸化細菌の馴養は、チオ硫酸塩、硫化ナトリウム、亜硫酸塩などの不揮発性の還元性硫黄化合物を用いて行うことが好ましい。不揮発性の還元性硫黄化合物を用いることにより、還元性硫黄化合物の放散による大気汚染を防止することができる。好気性活性汚泥法により発生した活性汚泥を生物酸化槽に入れ、不揮発性の還元性化合物を添加した培養液、下水、産業排水などを供給し、曝気しつつ処理することにより、硫黄酸化細菌を馴養することができる。処理水中に還元性硫黄化合物が検出されなくなることにより、硫黄酸化細菌の馴養の完了を確認することができる。
本発明方法においては、アニオン交換体の再生液を、生物酸化槽に供給することが好ましい。生物酸化槽の液はpH7.5〜9に保たれ、酸性ガスの吸収のために気液接触塔に循環されるので、アルカリ性であるアニオン交換体の再生液をpH調整剤として有効に活用することができる。また、アニオン交換体の再生により脱着した硫化水素イオン又は硫化水素は、生物酸化槽内で好気的に酸化分解されて無害、無臭の分子状の硫黄や硫酸イオンなどとなる。
本発明の酸性ガスの除去装置の第一の態様は、酸性ガスを含有する排ガスとアルカリ液を接触させて酸性ガスをアルカリ液に吸収させる気液接触塔及び気液接触塔から流出するガス中に残存する酸性ガスを吸収除去するアニオン交換体塔を有する装置である。
本発明の酸性ガスの除去装置の第二の態様は、酸性ガスを含有する排ガスとアルカリ液を接触させて酸性ガスをアルカリ液に吸収させる気液接触塔、気液接触塔から流出するガス中に残存する酸性ガスを吸収除去するアニオン交換体塔、気液接触塔から流出する液に吸収された酸性ガスを好気的に酸化分解する生物酸化槽、生物酸化槽の生物培養液を気液接触塔に循環する手段、アニオン交換体を再生する手段及びアニオン交換体の再生液を生物酸化槽に導入する手段を有する装置である。
本発明装置に用いる気液接触塔に特に制限はなく、例えば、充填塔、濡れ壁塔、段塔、スプレー塔、気泡塔などを挙げることができる。これらの中で、充填塔及びスプレー塔を好適に用いることができる。充填塔は、構造が簡単で取り扱いが容易であり、ガスの圧力損失が少ない。スプレー塔は、液の噴霧にかなりの動力が必要であるが、構造が簡単で建設費が安く、ガスの圧力損失が少ない。スプレー塔には、液の飛沫同伴を防止する手段を設けることが好ましい。
本発明装置において、気液接触塔から流出するガスをアニオン交換体と接触させる手段に特に制限はなく、例えば、固定床方式、詳しくは網状物や薄板スリット多孔体にアニオン交換体を挟みこんだものなどを挙げることができる。本発明装置においては、アニオン交換体塔2基を設け、一方のアニオン交換体塔の再生中は切り換えにより他方のアニオン交換体塔に通気し、酸性ガスを含有する排ガスの処理を中断することなく、連続して処理することができる。
本発明装置に用いる好気性生物処理槽に特に制限はなく、例えば、機械撹拌式エアレーションタンク、散気式エアレーションタンクのいずれをも用いることができる。好気性生物処理方式に特に制限はなく、例えば、押出流れ型又は完全混合型の標準活性汚泥法、ステップエアレーション法、コンタクトスタビリゼーション法などを挙げることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、硫化水素の濃度測定には、(株)ガステックの検知管を用いた。
実施例1
化学工場の高負荷嫌気処理設備から発生する嫌気性バイオガスと類似の試験用混合ガスを用いて、図1に示すアニオン交換樹脂塔と生物酸化槽とを備えた充填塔ガス吸収方式の生物脱硫プロセス試験装置を用い、硫化水素の除去試験を行った。
試験用混合ガスの組成は、炭酸ガス29.85体積%、硫化水素0.15体積%、窒素ガス70.00体積%である。充填塔の寸法は、内径30mm、高さ4,000mmであり、称呼寸法6mmの磁製ラシヒリングを高さ2,500mmまで充填した。アニオン交換樹脂塔は、内径300mm、高さ100mmであり、OH形とした強塩基性I型アニオン交換樹脂[三菱化学(株)、ダイヤイオンPA312]1.4Lを充填した。生物酸化槽の寸法は、長さ300mm、幅100mm、高さ600mm、実容量10Lであり、1モル/L炭酸ナトリウム水溶液(pH8.3)を槽に入れ、工場排水の活性汚泥を添加し、チオ硫酸ナトリウム550mg/Lを添加した工場排水を4日間供給して硫黄酸化細菌の馴養を行ったのち、試験を開始した。
充填塔の塔底に試験用混合ガス350L(標準状態)/hを供給し、生物酸化槽から生物培養液34L/hを循環して、ガスと循環液を向流で接触させた。充填塔から流出するガスを、さらにアニオン交換樹脂塔に通気して、処理ガスを得た。
処理ガス中の硫化水素濃度は、運転開始4時間後0.3ppm(体積比)、50時間後0.1ppm(体積比)、1週間後0.2ppm(体積比)、1ヵ月後0.2ppm(体積比)であった。アニオン交換樹脂を取り出し、4重量%水酸化ナトリウム水溶液2Lを用いて再生したところ、樹脂はOH形に戻り、再利用し得ることが確認された。このときの水酸化ナトリウムの使用量をガス100万m3(標準状態)当たりに換算すると約330kgとなり、アルカリ吸収塔に比較して極めて少なかった。
比較例1
実施例1において、充填塔から流出するガス中の硫化水素の濃度を測定した。
流出ガス中の硫化水素濃度は、運転開始4時間後34ppm(体積比)、50時間後25ppm(体積比)、1週間後31ppm(体積比)、1ヵ月後30ppm(体積比)であった。
比較例2
アニオン交換樹脂塔の代わりに、酸化鉄脱硫剤[(株)鐡原、TGリファイナー]10Lを充填した内径200mm、高さ500mmのアクリルカラムからなる乾式脱硫塔を用いて、充填塔から流出するガスを通気して処理した以外は、実施例1と同じ操作を行った。
処理ガス中の硫化水素濃度は、運転開始4時間後0.2ppm(体積比)、50時間後0.1ppm(体積比)未満、1週間後0.1ppm(体積比)であった。処理ガス性状に問題はないが、ガス100万m3(標準状態)当たり300kgの廃脱硫剤が発生し、被処理ガスが可燃性ガスを含有する場合は、脱硫剤の取替時に発火や爆発の危険性がある。
比較例3
アニオン交換樹脂塔の代わりに、内径300mm、高さ4,000mm、充填材高さ2,500mmのアルカリ吸収塔を用いて、充填塔から流出するガスを通気して処理した以外は、実施例1と同じ操作を行った。アルカリ吸収塔には、0.1モル/L水酸化ナトリウム水溶液34L/hを一過式に通水した。
処理ガス中の硫化水素濃度は、運転開始4時間後10ppm(体積比)、50時間後8ppm(体積比)、1週間後12ppm(体積比)であった。168時間で水酸化ナトリウム22,850gが注入され、ガス100万m3(標準状態)当たり約390tの水酸化ナトリウムが費消される計算となった。
実施例1及び比較例1〜3の結果を、第1表に示す。
Figure 2007038169
第1表に見られるように、充填塔から流出するガスには平均30ppm(体積比)程度の硫化水素が含まれるが、充填塔からの流出ガスをさらにアニオン交換樹脂で処理した実施例1と酸化鉄脱硫剤で処理した比較例2の処理ガスは、いずれも硫化水素濃度が0.3ppm(体積比)以下となり、アルカリ吸収により処理した比較例3の処理ガスは、硫化水素濃度が約10ppm(体積比)となっている。二次吸収剤として酸化鉄脱硫剤を用いた比較例2では、多量の廃脱硫剤が発生する。二次吸収手段としてアルカリ吸収塔で水酸化ナトリウム水溶液を用いた比較例3では、多量の水酸化ナトリウムが費消され、それでも硫化水素濃度約10ppm(体積比)までしか処理できない。これに対して、二次吸収剤として強塩基性アニオン交換樹脂を用いた実施例1では、樹脂の再生に費消される水酸化ナトリウムは比較的少量であり、しかも再生廃液をガス吸収剤あるいは生物酸化槽のpH調整剤として利用することができる。
本発明の酸性ガスの除去方法及び除去装置によれば、硫化水素などの酸性ガスを含有する排ガスを、気液接触塔でアルカリ液と接触させて酸性ガスを吸収させ、気液接触塔から流出するガス中に残留する酸性ガスをアニオン交換体を用いて除去することにより、処理ガス中の酸性ガスを低コストで効果的に除去し、極めて低濃度まで減少することができる。
本発明方法の一態様の工程系統図である。
符号の説明
1 気液接触塔
2 液分散器
3 アニオン交換樹脂塔
4 送液管
5 生物酸化槽
6 散気管
7 ポンプ
8 返送液管
9 再生液配管

Claims (11)

  1. 酸性ガスを含有する排ガスを気液接触塔に導入し、アルカリ液と接触させて酸性ガスを吸収させ、気液接触塔から流出するガス中に残留する酸性ガスをアニオン交換体により除去することを特徴とする酸性ガスの除去方法。
  2. 酸性ガスが、硫化水素である請求項1記載の酸性ガスの除去方法。
  3. 排ガスが、硫化水素の10体積倍以上の炭酸ガスを含有する請求項2記載の酸性ガスの除去方法。
  4. アニオン交換体が、アニオン交換樹脂である請求項1記載の酸性ガスの除去方法。
  5. アニオン交換樹脂が、第四級アンモニウム基を有する強塩基性アニオン交換樹脂である請求項4記載の酸性ガスの除去方法。
  6. アニオン交換体が、0.1〜10重量%の水酸化ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液又は炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて再生されたものである請求項1又は請求項4記載の酸性ガスの除去方法。
  7. 気液接触塔から流出する液を生物酸化槽に導き、吸収された硫化水素を好気的に酸化分解する請求項2記載の酸性ガスの除去方法。
  8. アニオン交換体の再生液を、生物酸化槽に供給する請求項6記載の酸性ガスの除去方法。
  9. 生物酸化槽の生物培養液を、気液接触塔に導入するアルカリ液として循環使用する請求項7記載の酸性ガスの除去方法。
  10. 酸性ガスを含有する排ガスとアルカリ液を接触させて酸性ガスをアルカリ液に吸収させる気液接触塔及び気液接触塔から流出するガス中に残存する酸性ガスを吸収除去するアニオン交換体塔を有することを特徴とする酸性ガスの除去装置。
  11. 酸性ガスを含有する排ガスとアルカリ液を接触させて酸性ガスをアルカリ液に吸収させる気液接触塔、気液接触塔から流出するガス中に残存する酸性ガスを吸収除去するアニオン交換体塔、気液接触塔から流出する液に吸収された酸性ガスを好気的に酸化分解する生物酸化槽、生物酸化槽の生物培養液を気液接触塔に循環する手段、アニオン交換体を再生する手段及びアニオン交換体の再生液を生物酸化槽に導入する手段を有することを特徴とする酸性ガスの除去装置。
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