JP2007007747A - 被研磨物保持枠材および研磨ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】被研磨物保持枠材が研磨中に受ける応力を緩和し、被研磨物および被研磨物保持枠材の破損や剥がれを防止し、良好な研磨結果を得ることができる被研磨物保持枠材および研磨ヘッドを提供する。
【解決手段】被研磨物保持枠材1aを、被研磨物保持部5を内側に有する内部保持枠材3と、内部保持枠材3の外側に構成される外部保持枠材2とから構成し、前記内部保持枠材3と外部保持枠材2との間に一定の隙間4aを設けることにより、上記課題を解決する。また、被研磨物保持枠材1bでは、内部保持枠材3と外部保持枠材2との間に、前記内部保持枠材3より低硬度の部材からなる緩衝枠材4bを設けることにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1
【解決手段】被研磨物保持枠材1aを、被研磨物保持部5を内側に有する内部保持枠材3と、内部保持枠材3の外側に構成される外部保持枠材2とから構成し、前記内部保持枠材3と外部保持枠材2との間に一定の隙間4aを設けることにより、上記課題を解決する。また、被研磨物保持枠材1bでは、内部保持枠材3と外部保持枠材2との間に、前記内部保持枠材3より低硬度の部材からなる緩衝枠材4bを設けることにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1
Description
本発明は、被研磨物を研磨機に設置して固定する際に使用する被研磨物保持枠材および研磨ヘッドに関する。
シリコンウェハやLCDガラス等の被研磨物の研磨において、被研磨物は研磨ヘッドに保持された状態で定盤上に設置した研磨布に押し付けられて、砥粒を含んだスラリーを介して摺動することにより研磨される。当該研磨において、研磨ヘッドには、摩擦力や遠心力による被研磨物の脱落防止のため、被研磨物保持枠材が使用されている。
当該被研磨物保持枠材の使用により被研磨物の脱落問題は改善されたが、研磨中に被研磨物保持枠材の内側面に接触して被研磨物が破損したり、被研磨物保持枠材内側面が破損してスクラッチの原因となったりする問題が新たに発生した。
係る問題を解決するために、様々な方法が考案されている。例えば、図7に示すように、被研磨物保持枠材30の材質を有機繊維と樹脂からなる積層板とし、さらに被研磨物保持枠材内側面31に耐摩耗性に優れた有機繊維と樹脂からなる部材32を用いることにより、被研磨物保持枠材内側面31における前記問題の解決を図っている(例えば、特許文献1参照。)。
この特許文献1を説明すると、研磨時における被研磨物保持材30にかかる応力は、例えば図8に示すように、被研磨物20の揺動に起因する応力7と、被研磨物20を研磨布8へ圧接することにより発生する応力9、の二つに大別される。
応力7に着目すると、被研磨物保持パッド10上に粘着層11を介して設置した被研磨物保持枠材30は、被研磨物20が揺動することにより発生する応力7を、被研磨物20が部材32と接触することにより受け止めている。当該技術により、被研磨物20が接触することによる部材32表面が研削されることなどに起因するスクラッチは軽減された。しかしながら、被研磨物保持枠材30自体は一体に成形されているため、被研磨物20が接触する際に発生する応力7を分散することができず、被研磨物20や被研磨物保持枠材30が破損するといった問題や、被研磨物保持枠材30と被研磨物保持パッド10の界面に応力が集中するため、当該界面で剥離が生じるといった問題が生じていた。
一方、応力9に着目した場合、研磨布8からの応力9が、被研磨物保持枠材30に対し応力9の方向に作用する。当該応力9により被研磨物保持枠材30は、応力9の方向に変形したり、被研磨物保持パッド10が不均一に沈み込んだりすることとなり、被研磨物保持枠材30の被研磨物20側が持ち上がり、被研磨物保持枠材30が破損したり、剥がれたりする現象が発生していた。このため、被研磨物保持枠材30の厚さを被研磨物20の厚さより薄く設計することが考えられるが、この方法では被研磨物20の突き出し量を確保することができず、被研磨物20の表面平坦度を確保できなかった。また、当該変形により研磨布表面に傷が生じるといった問題も生じており、改善策が望まれていた。
したがって、本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、被研磨物保持枠材が研磨中に受ける応力を緩和し、被研磨物および被研磨物保持枠材の破損や剥がれを防止し、良好な研磨結果を得ることができる被研磨物保持枠材および研磨ヘッドを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の被研磨物保持枠材は、被研磨物を研磨する際に、前記被研磨物を研磨機の研磨ヘッドに設置して固定する際に使用する被研磨物保持枠材であって、内側に前記被研磨物の保持部を有する内部保持枠材と、前記内部保持枠材の外側に設けられ、前記内部保持枠材との間に一定の隙間を有する外部保持枠材とを有することを特徴とする。
また、本発明の被研磨物保持枠材は、内側に被研磨物保持部を有する内部保持枠材と、前記内部保持枠材の外側に一定の隙間を有して設けられる外部保持枠材とによって構成し、前記隙間が前記内部保持枠材の内側壁から前記外部保持枠材の外側壁までの幅に対して0.1〜20%であることを特徴とする。
また、本発明の研磨ヘッドは、内側に被研磨物の保持部を有する内部保持枠材と、前記内部保持枠材の外側に設けられ、前記内部保持枠材との間に一定の隙間を有する外部保持枠材とで構成される被研磨物保持枠材が粘着層を介して被研磨物保持パッドに複数設置されていることを特徴とする。
また、本発明の研磨ヘッドは、内側に被研磨物の保持部を有する内部保持枠材と、前記内部保持枠材の外側に設けられ、前記内部保持枠材との間に一定の隙間を有する外部保持枠材とで構成される被研磨物保持枠材が粘着層を介して直接複数設置されていることを特徴とする。
また、本発明の被研磨物保持枠材は、内側に前記被研磨物の保持部を有する内部保持枠材と、前記内部保持枠材の外側に設けられ、前記内部保持枠材より低硬度の部材からなる緩衝枠材と、前記緩衝枠材の外側に設けられる外部保持枠材とを有することを特徴とする。
また、本発明の被研磨物保持枠材は、内側に前記被研磨物の保持部を有する内部保持枠材と、前記内部保持枠材の外側に設けられ、前記内部保持枠材より低硬度の部材からなる緩衝枠材と、前記緩衝枠材の外側に設けられる外部保持枠材によって構成し、前記緩衝枠材の幅が前記内部保持枠材の内側壁から前記外部保持枠材の外側壁までの幅に対して、0.1〜20%であることを特徴とする。
また、本発明の研磨ヘッドは、内側に前記被研磨物の保持部を有する内部保持枠材と、前記内部保持枠材の外側に設けられ、前記内部保持枠材より低硬度の部材からなる緩衝枠材と、前記緩衝枠材の外側に設けられる外部保持枠材とで構成される被研磨物保持枠材が粘着層を介して被研磨物保持パッドに複数設置されていることを特徴とする。
また、本発明の被研磨物保持枠材は、内側に前記被研磨物の保持部を有する内部保持枠材と、前記内部保持枠材の外側に設けられ、前記内部保持枠材より低硬度の部材からなる緩衝枠材と、前記緩衝枠材の外側に設けられる外部保持枠材とで構成される被研磨物保持枠材が粘着層を介して直接複数設置されていることを特徴とする。
本発明の被研磨物保持枠材および研磨ヘッドを用いることにより、被研磨物保持枠材の内側面や被研磨物が破損しないため、破損によって発生する樹脂片、繊維片、および被研磨物片などが発生せず、スクラッチの発生が抑制される。
また、被研磨物の突き出し量を確保することにより、被研磨物表面の平坦度などの特性が向上する。
さらに、スクラッチの発生が抑制されると被研磨物保持枠材の寿命が延びることとなり、交換頻度が減少するため、コストを抑えることが可能となる。
以下に、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明に係る被研磨物保持枠材の実施形態の例を示す図である。
図1(a)に示すように、本発明の実施形態に係る被研磨物保持枠材1aは、例えば円形の外部保持枠材2と、その内側に一定の隙間4aをおいて設置される例えば円形の内部保持枠材3からなり、前記内部保持枠材3は、被研磨物保持部5を有している。
図1は、本発明に係る被研磨物保持枠材の実施形態の例を示す図である。
図1(a)に示すように、本発明の実施形態に係る被研磨物保持枠材1aは、例えば円形の外部保持枠材2と、その内側に一定の隙間4aをおいて設置される例えば円形の内部保持枠材3からなり、前記内部保持枠材3は、被研磨物保持部5を有している。
また、図1(b)に示すように、本発明の実施形態に係る被研磨物保持枠材1bは、例えば円形の外部保持枠材2と、その内側に設置される内部保持枠材より低硬度の部材からなる例えば円形の緩衝枠材4bと、その緩衝枠材4bの内側に設置される例えば円形の内部保持枠材3からなり、前記内部保持枠材3は、被研磨物保持部5を有している。
ここで、図1(a)に示す外部保持枠材2と内部保持枠材3の間に設けられる隙間4aは、被研磨物保持枠材1aの幅6(内部保持枠材3の内側壁から外部保持枠材2の外側壁までの幅)に対して0.1〜20%、より好ましくは0.8〜15%である。隙間4aが0.1%より小さい場合、被研磨物20(図2参照)が接触した際の緩衝領域が狭すぎるため、内部保持枠材3と外部保持枠材2が頻繁に接触することとなるため好ましくない。また、隙間4aが20%を超える場合は、その分、各保持枠材2,3の幅が狭くなり、強度が低下するため好ましくない。また、各保持枠材2,3の幅を広くした場合、内部保持枠材3の内径を小さくする必要があり、適用できる被研磨物サイズが小さくなるため、好ましくない。また、外部保持枠材2と内部保持枠材3の幅は、それぞれ選択されるが、同一であっても良い。
また、図1(b)に示す外部保持枠材2と内部保持枠材3の間に設けられる緩衝枠材4bの硬度は、内部保持枠材3より低硬度であればよく、必要に応じて選択されるが、十分な緩衝特性を発揮するためには、内部保持枠材3の硬度の90%以下の硬度であることが好ましく、80%以下の硬度であることがより好ましい。また、緩衝枠材4bの材質は、内部保持枠材3より低硬度の部材であればよく、必要に応じて選択されるが、例えば、発泡高分子フォーム、シリコンゴム、シリコンゲル封入物、不織布、軟質ゴムなどが使用できる。緩衝枠材4bの幅は、被研磨物保持枠材1bの幅6に対して0.1〜20%、より好ましくは0.8〜15%である。緩衝枠材4bの幅が0.1%より小さい場合、被研磨物20(図2参照)が接触した際に緩衝枠材4bが十分に機能しないこととなり好ましくない。また、緩衝枠材4bの幅が20%を超える場合は、その分、各保持枠材2,3の幅が狭くなり、強度が低下するため好ましくない。また、各保持枠材2,3の幅を広くした場合、内部保持枠材3の内径を小さくする必要があり、適用できる被研磨物サイズが小さくなるため、好ましくない。また、外部保持枠材2と内部保持枠材3の幅は、それぞれ選択されるが、同一であっても良い。
図2は、研磨ヘッドの被研磨物保持パッドに複数の被研磨物保持部5を作成した例である。この例においても、隙間4aの幅は同様に設定される。この場合、外部保持枠材2は複数の隙間4aの外側全体となる。また、隙間4aの基準となる幅6は、被研磨物保持枠材1aの最外周と被研磨物保持部5の内周が最も近接する距離とすることが好ましい。被研磨物保持部5がさらに多数作成される場合についても、最外周と被研磨物保持部5の内周が最も近接する距離を基準として、隙間4aを設定する。幅6は、被研磨物の種類や研磨機によって種々選択されるが、例えば円形の被研磨物を研磨する際は、5mm〜35mmに設定される。
ここで、図2において隙間4aを緩衝枠材4bに置き換えることにより、複数の被研磨物保持部5を有した被研磨物保持枠材1bを構成することも可能である。
実施形態に係る被研磨物保持枠材1a,1bは、その形状も円形にとらわれるものではなく、同様に内部保持枠材3の形状も円形にとらわれるものではない。
図3は、実施形態に係る被研磨物保持枠材1aを研磨ヘッドの被研磨物保持パッドに用いて研磨する際の状態を示す図である。
研磨作業中において、被研磨物20が揺動した際、被研磨物20はまず内部保持枠材3に接触する。このとき、内部保持枠材3には被研磨物20から外向きの応力7がかかることとなるが、前記応力7は内部保持部材3およびその外側に設けられた隙間4aにより分散し緩衝され、被研磨物20及び内部保持枠材3は破損したり、剥がれたり、脱落したりすることはない。内部保持枠材3に被研磨物20から一定以上の応力7が負荷された場合は、内部保持枠材3が隙間4aを介して外部保持枠材2に接触することになり、内部保持枠材3にかかる応力7を更に分散する。
また、研磨布8側からの応力9は、外部保持枠材2によって受け止められ、内部保持枠材3に殆ど影響をおよぼさない。この結果、設計時に設定された被研磨物20の突き出し量を確保することができる。研磨布8側から一定以上の応力9が負荷された場合は、内部保持枠材3も研磨布8を保持することとなり、応力9を更に分散する。
なお、実際の研磨においては、前記応力7及び9に加えて、摩擦力や振動などの応力が発生するが、外部保持枠材2と内部保持枠材3が独立してその応力を受け、必要に応じて一体となってその応力等を分散することにより、被研磨物20や被研磨物保持枠材1を破損することがない。
図4は、実施形態に係る被研磨物保持枠材1bを研磨ヘッドの被研磨物保持パッドに用いて研磨する際の状態を示す図である。
研磨作業中において、被研磨物20が揺動した際、被研磨物20はまず内部保持枠材3に接触する。このとき、内部保持枠材3には被研磨物20から外向きの応力7がかかることとなるが、前記応力7は内部保持部材3およびその外側に設けられた緩衝枠材4bにより分散し緩衝され、被研磨物20及び内部保持枠材3は破損したり、剥がれたり、脱落したりすることはない。この場合緩衝枠材4bは、圧縮されることとなり、弾性体として機能することによって前記応力7を分散し緩和する。内部保持枠材3に被研磨物20から緩衝枠材4bの限界変形量以上の応力7が負荷された場合は、外部保持枠材2を含む被研磨物保持枠材1b全体で内部保持枠材3にかかる応力7を更に分散する。
また、研磨布8側からの応力9は、外部保持枠材2によって受け止められ、内部保持枠材3に殆ど影響をおよぼさない。このとき、緩衝枠材4bは引っ張られることとなり、弾性体として機能することによって前記応力9を分散し緩和する。この結果、設計時に設定された被研磨物20の突き出し量を確保することができる。研磨布8側から一定以上の応力9が負荷された場合は、内部保持枠材3を含む被研磨物保持枠材1b全体で研磨布8を保持することとなり、応力9を更に分散する。
なお、実際の研磨におけるその他振動や応力についても、外部保持枠材2と内部保持枠材3が独立してその応力を受け、必要に応じて一体となってその応力等を分散することにより、被研磨物20や被研磨物保持枠材1bを破損することがない。
ここで、緩衝枠材4bの高さは、外部保持枠材2および内部保持枠材3の高さを超えることは無く、外部保持枠材2および内部保持枠材3の高さの95%未満であることが好ましい。前記高さが、外部保持枠材2および内部保持枠材3の高さを超える場合、応力7による緩衝枠材4bの圧縮変形部分が研磨布8側に突出することとなり、平坦性に影響をおよぼすため好ましくない。
被研磨物保持枠材1a,1bの材質としては、被研磨物20の種類および研磨条件に応じて適宜選択されるが、例えばポリエーテルケトン、ポリカーボネイト、アクリル樹脂、ユニレート(登録商標)等の高分子材料、もしくは、ガラス繊維、カーボン繊維、テトロン(登録商標)繊維等にエポキシ樹脂等を含浸したり、積層したりした材料を用いることができる。
また、外部保持枠材2と内部保持枠材3は、必要に応じてそれぞれ別の種類の材料を用いることができる。この場合、各枠材の材料の選択幅はさらに広がり、セラミックスや、金属などの硬質材料から、発泡ウレタンフォームなどの軟質材料まで種々選択することができる。また、各枠材は単一材料から構成される必要は無く、複数材料から構成されても良い。
被研磨物保持枠材1a,1bは、図3および図4に示すように、被研磨物保持パッド10上に両面テープなどの粘着層11を介して設置することにより、被研磨物保持パッド10の弾力性を有効に利用することができる。
ここで、緩衝枠材4bは他の方法によっても設置することが可能である。例えば、接着剤や両面テープなどの粘着層により、外部保持枠材2の内側面や内部保持枠材3の外側面の片方または両方に固定することが可能である。また、外部保持枠材2の内側面や内部保持枠材3の外側面の片方または両方と、緩衝枠材4bの内側面および外側面または片方に噛合部を形成することも可能である。
図5は、実施形態に係る被研磨物保持枠材1aを研磨ヘッドに用いて研磨した際の状態を示す図である。
被研磨物保持枠材1aは、図5に示すように、粘着層11を介して研磨ヘッド12上に直接設置することもできる。粘着層11は、被研磨物保持部材1aや被研磨物20の種類と研磨条件を調整することにより両面テープなど種々の物を使用することが可能であるが、被研磨物保持枠材1aの奏する効果をより顕著なものとするために、フォームテープなどのクッション性を有する材料を使用することも可能である。
本発明の実施形態に係る被研磨物保持枠材1a,1bは、種々の方法で製造できる。その製造には、切削、切断、射出成型、加熱加工、加圧加工など一般的な方法が用いられる。例えば、厚さが均一な一枚の樹脂製シートから、同一円心状の被研磨物保持枠材1a,1bを切り出すことが可能である。この場合、外部保持枠材2と内部保持枠材3の間の部分は、被研磨物保持枠材1a,1bを設置する際に有効なスペーサーとして使用することができる。すなわち、外部保持枠材2と内部保持枠材3の間に、前記スペーサーを置いて設置後、前記スペーサーを取り除くことにより、一定間隔の隙間4aを形成することが可能である。当然のことながら、各保持枠材2,3をそれぞれ製造することも可能である。この場合、各保持枠材2,3を設置する際には別途作成した、円状または、数個に分割されたスペーサーなどを使用することも可能であるが、その他の方法を用いることにより設置することもできる。
また、本発明に係る緩衝枠材4bは、連続したものに限られない。すなわち、一定の幅を有したテープ上の緩衝枠材4bを内部保持枠材3の外側に設置した後、不要部分を切除することにより被研磨用保持枠材1bを得ることが可能である。
次に、本発明に係る被研磨物保持材の実施例を説明する。
本発明に係る実施例1として、例えば、図3に示す被研磨物保持枠材1aのケースで、その材料としてガラスエポキシ積層シートを用い、切削加工により、幅15mmの外部保持枠材2と13mmの内部保持枠材3を得た。これらを2mmの隙間4aを確保してニッタ・ハース社製被研磨物保持パッド(商品名:R601)上に設置し、研磨ヘッドに設置した。次に、研磨布8としてニッタ・ハース社製研磨布(商品名:SUBA600)を用いて研磨試験を実施した。研磨機はシトラスバー社製研磨機(装置名:6CA)を用い、研磨条件は、定盤および研磨ヘッドの回転速度を50rpm、研磨時間を15分として、シリコンウェハを研磨した。研磨後、KLA−Tencor社製表面試験機(装置名:P−12)を用いて、全体的な平坦度を示す指標であるGBIR(Global Back-side Ideal
Range)および部分的な平坦度を示す指標であるSFQR(Site Front Least Squares
Range)を測定し評価した。また寿命は、被研磨物保持枠材1aに剥離が発生するまでの研磨処理枚数を評価した。研磨傷発生頻度は、目視並びに光学顕微鏡により行い、研磨傷発生個数を評価した。結果を図6に示す。
本発明に係る実施例1として、例えば、図3に示す被研磨物保持枠材1aのケースで、その材料としてガラスエポキシ積層シートを用い、切削加工により、幅15mmの外部保持枠材2と13mmの内部保持枠材3を得た。これらを2mmの隙間4aを確保してニッタ・ハース社製被研磨物保持パッド(商品名:R601)上に設置し、研磨ヘッドに設置した。次に、研磨布8としてニッタ・ハース社製研磨布(商品名:SUBA600)を用いて研磨試験を実施した。研磨機はシトラスバー社製研磨機(装置名:6CA)を用い、研磨条件は、定盤および研磨ヘッドの回転速度を50rpm、研磨時間を15分として、シリコンウェハを研磨した。研磨後、KLA−Tencor社製表面試験機(装置名:P−12)を用いて、全体的な平坦度を示す指標であるGBIR(Global Back-side Ideal
Range)および部分的な平坦度を示す指標であるSFQR(Site Front Least Squares
Range)を測定し評価した。また寿命は、被研磨物保持枠材1aに剥離が発生するまでの研磨処理枚数を評価した。研磨傷発生頻度は、目視並びに光学顕微鏡により行い、研磨傷発生個数を評価した。結果を図6に示す。
本発明に係る実施例2として、例えば、図4に示す被研磨物保持枠材1bのケースで、その材料としてガラスエポキシ積層シートを用い、切削加工により、幅15mmの外部保持枠材2と13mmの内部保持枠材3を得た。次に発泡ウレタンフォームを幅2mm、高さを外部保持枠材2と内部保持枠材3の95%として緩衝枠材4bを作成した。これらをニッタ・ハース社製被研磨物保持パッド(商品名:R601)上に設置し、研磨ヘッドに設置した。その他の条件は実施例1と同様にして研磨試験を行った。評価も実施例1と同様とし、その結果を図6に併せて示した。
<比較例>
幅30mmの一体型である以外は、全て実施例1と同条件により作成した被研磨物保持枠材を、実施例1と同様の方法で評価した。結果を図6に併せて示した。図6において、寿命と研磨傷発生頻度は、比較例を100とした場合の相対値を示した。
幅30mmの一体型である以外は、全て実施例1と同条件により作成した被研磨物保持枠材を、実施例1と同様の方法で評価した。結果を図6に併せて示した。図6において、寿命と研磨傷発生頻度は、比較例を100とした場合の相対値を示した。
図6は、本発明に係る実施例1,2と比較例の研磨試験結果を示す図である。
図6の実施例1および実施例2に示す通り、本発明に係る被研磨物保持枠材1aおよび1bを使用することにより、GBIRの値が比較例に比べて小さく、平坦であることが確認された。また、SFQRの値についても比較例に比べて小さく、平坦であることが確認された。寿命についても、本発明に係る被研磨物保持枠材1aおよび1bは約10%長かった。さらに、研磨キズの発生頻度が低いことから、被研磨物保持枠材1aおよび1bの内面の破損などが殆ど見られないことが確認された。
図6の実施例1および実施例2に示す通り、本発明に係る被研磨物保持枠材1aおよび1bを使用することにより、GBIRの値が比較例に比べて小さく、平坦であることが確認された。また、SFQRの値についても比較例に比べて小さく、平坦であることが確認された。寿命についても、本発明に係る被研磨物保持枠材1aおよび1bは約10%長かった。さらに、研磨キズの発生頻度が低いことから、被研磨物保持枠材1aおよび1bの内面の破損などが殆ど見られないことが確認された。
1a,1b 被研磨物保持枠材
2 外部保持枠材
3 内部保持枠材
4a 隙間
4b 緩衝枠材
5 被研磨物保持部
7,9 応力
8 研磨布
10 被研磨物保持パッド
11 粘着層
12 研磨ヘッド
20 被研磨物
2 外部保持枠材
3 内部保持枠材
4a 隙間
4b 緩衝枠材
5 被研磨物保持部
7,9 応力
8 研磨布
10 被研磨物保持パッド
11 粘着層
12 研磨ヘッド
20 被研磨物
Claims (8)
- 被研磨物を研磨する際に、前記被研磨物を研磨機の研磨ヘッドに設置して固定する際に使用する被研磨物保持枠材であって、
内側に前記被研磨物の保持部を有する内部保持枠材と、
前記内部保持枠材の外側に設けられ、前記内部保持枠材との間に一定の隙間を有する外部保持枠材と
を有することを特徴とする被研磨物保持枠材。 - 前記隙間が、前記内部保持枠材の内側壁から前記外部保持枠材の外側壁までの幅に対して、0.1〜20%であることを特徴とする請求項1に記載の被研磨物保持枠材。
- 前記請求項1に記載の被研磨物保持枠材が粘着層を介して被研磨物保持パッドに複数設置されていることを特徴とする研磨ヘッド。
- 前記請求項1に記載の被研磨物保持枠材が粘着層を介して直接複数設置されていることを特徴とする研磨ヘッド。
- 被研磨物を研磨する際に、前記被研磨物を研磨機の研磨ヘッドに設置して固定する際に使用する被研磨物保持枠材であって、
内側に前記被研磨物の保持部を有する内部保持枠材と、
前記内部保持枠材の外側に設けられ、前記内部保持枠材より低硬度の部材からなる緩衝枠材と、
前記緩衝枠材の外側に設けられる外部保持枠材と
を有することを特徴とする被研磨物保持枠材。 - 前記緩衝枠材の幅が前記内部保持枠材の内側壁から前記外部保持枠材の外側壁までの幅に対して、0.1〜20%であることを特徴とする請求項5に記載の被研磨物保持枠材。
- 前記請求項5に記載の被研磨物保持枠材が粘着層を介して被研磨物保持パッドに複数設置されていることを特徴とする研磨ヘッド。
- 前記請求項5に記載の被研磨物保持枠材が粘着層を介して直接複数設置されていることを特徴とする研磨ヘッド。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005188844A JP2007007747A (ja) | 2005-06-28 | 2005-06-28 | 被研磨物保持枠材および研磨ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=37746875
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007007747A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US8469776B2 (en) | 2006-11-22 | 2013-06-25 | Applied Materials, Inc. | Flexible membrane for carrier head |
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-
2005
- 2005-06-28 JP JP2005188844A patent/JP2007007747A/ja active Pending
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KR102040019B1 (ko) * | 2017-11-28 | 2019-11-04 | 윤주영 | 탄소 섬유 강화 플라스틱 성형체 및 이를 포함하는 유리기판 연마공정용 지지 유닛 |
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