(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置を示している。図1に示すように、例えばp型シリコン(Si)からなる半導体基板101の主面上には、それぞれ不純物がドープされた多結晶シリコンからなり、孤立して形成されたゲート電極構造体として複数のゲート電極103が行列状に配置されている。
各ゲート電極103と半導体基板101との間には、ゲート絶縁膜102が形成されている。ゲート絶縁膜102は、酸化シリコン(SiO2 )からなる下層絶縁膜102aと、窒化シリコン(SiN)からなる中層絶縁膜102bと、酸化シリコン(SiO2 )からなる上層絶縁膜102cとにより構成され、窒化シリコンからなる中層絶縁膜102bに電荷が蓄積される。
複数のゲート電極103のうち列方向に隣接するゲート電極103同士の間には、窒化シリコンからなる第1の埋め込み絶縁膜(ゲート間絶縁膜)104が形成されている。従って、複数のゲート電極103は第1の埋め込み絶縁膜104を含め列方向に延びるストライプ状パターンとして形成されている。
半導体基板101におけるストライプ状パターンから露出する部分には、それぞれ不純物イオンが選択的に導入され、ビット線(ビットライン)として機能する複数の拡散層106が形成されている。ストライプ状パターンの拡散層106側の各側面上には、酸化シリコンからなる側壁絶縁膜107がそれぞれ形成されている。
側壁絶縁膜107が形成されたストライプ状パターンから露出する各拡散層106の上部及び各ゲート電極103の上部は、例えばコバルト(Co)によるシリサイド層108がそれぞれ形成されている。
複数のゲート電極103のうち行方向に隣接するゲート電極103は、その上方を行方向に延びるように設けられた配線であるワード線110に対して、それぞれシリサイド層108及び該シリサイド層108の上に形成されたコンタクトプラグ109を介して電気的に接続されている。なお、図示はしていないが、残りのゲート電極103に対しても同様に、行方向に隣接する一群のゲート電極103は図示したワード線110とは異なる他のワード線とそれぞれ接続されている。
このように、第1の実施形態においては、ビット線である拡散層106及びゲート電極103、特に拡散層106を金属によりシリサイド化しているため、ビット線を低抵抗化できることにより、データの読み出し動作の高速化を実現できる。
以下、前記のように構成された不揮発性半導体記憶装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図2(a)〜図2(d)及び図3(a)〜図3(c)は本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の工程順の部分的な断面構成及び斜視構成を示している。
まず、図2(a)に示すように、半導体基板101を温度が900℃の酸化雰囲気で熱処理することにより、半導体基板101の主面の全面にわたって膜厚が7nmの酸化シリコンからなる下層絶縁膜102aを形成する。続いて、下層絶縁膜102aの上に、基板温度を700℃とする低圧化学気相堆積(LPCVD)法により、膜厚が15nmの窒化シリコンからなる中層絶縁膜102bを形成する。続いて、中層絶縁膜102bの上に、温度が1000℃の酸化雰囲気で熱処理することにより、膜厚が7nmの上層絶縁膜102cを形成する。これにより、下層絶縁膜102a、中層絶縁膜102b及び上層絶縁膜102cにより構成された、いわゆるONO膜であるゲート絶縁膜102が形成される。その後、基板温度を600℃とするLPCVD法により、ゲート絶縁膜102の上に、膜厚が200nmの多結晶シリコンからなるゲート電極形成膜を堆積する。続いて、リソグラフィ法により、堆積したゲート電極形成膜の上に列方向に延びるストライプ状の開口パターンを有する第1のマスクパターン(図示せず)を形成し、形成した第1のマスクパターンを用いて、ゲート電極形成膜に対して塩素(Cl2 )を主成分とするエッチングガスによりドライエッチングを行なう。これにより、ゲート電極形成膜から列方向に延びるストライプ状パターンを有するゲート電極形成膜103Aが形成される。
次に、図2(b)に示すように、第1のマスクパターンを除去した後、LPCVD法により、半導体基板101の上にゲート電極形成膜103Aからなるストライプ状パターンを含む全面にわたってシリコン酸化膜を堆積し、堆積したシリコン酸化膜に対してフッ化炭素を主成分とするエッチングガスを用いたドライエッチによるエッチバックを行なう。これにより、ゲート電極形成膜103Aにおけるストライプ状パターンの各空隙に酸化シリコンからなる第2の埋め込み絶縁膜105を残存させる。
次に、ストライプ状パターンを有するゲート電極形成膜103Aとその空隙を埋める第2の埋め込み絶縁膜105の上に、リソグラフィ法により、ゲート電極形成膜103Aのストライプ方向と交差する方向、すなわち行方向に延びるストライプ状の開口パターンを有する第2のマスクパターン(図示せず)を形成し、形成した第2のマスクパターンを用いて、ゲート電極形成膜103Aに対して塩素を主成分とするエッチングガスによるドライエッチングを行なう。このドライエッチングにより、多結晶シリコンからなるゲート電極形成膜103Aのみが選択的にエッチングされるため、図2(c)に示すように、ストライプ状のゲート電極形成膜103Aから、行列状に配置され且つ孤立した複数のゲート電極103を得ることができる。
次に、図2(d)に示すように、第2のマスクパターンを除去した後、LPCVD法により、半導体基板101の上にゲート電極103及び第2の埋め込み絶縁膜105を含む全面にわたってシリコン窒化膜を堆積し、堆積したシリコン窒化膜に対してフッ化炭素を主成分とするエッチングガスを用いたエッチバックを行なう。これにより、列方向に隣接するゲート電極103同士の間の領域にそれぞれ窒化シリコンからなる第1の埋め込み絶縁膜104が充填される。
次に、図3(a)に示すように、第1の埋め込み絶縁膜104が形成された状態で、第2の埋め込み絶縁膜105に対してフッ酸を含む水溶液でウェットエッチングを行なうことにより、酸化シリコンからなる第2の埋め込み酸化膜105及びその下の上層絶縁膜102cを除去する。その後、ドライエッチング法により、中層絶縁膜102b及び下層絶縁膜102aを順次除去することにより、半導体基板101の主面における行方向に隣接するゲート電極103同士の間の領域を露出する。これにより、行列状に配置された複数のゲート電極103は、列方向に隣接するゲート電極103同士の間を第1の埋め込み絶縁膜104により埋め込まれた状態となり、列方向に延びるストライプ状パターンとなる。
次に、図3(b)に示すように、ゲート電極103及び第1の埋め込み絶縁膜104からなるストライプ状パターンをマスクとして、例えば、半導体基板101の主面に対して垂直な方向に、すなわち法線に対して傾きを0°として、注入エネルギーを30KeVとし、且つドーズ量を3×1015atoms/cm-2とする注入条件で、ヒ素(As)イオンを半導体基板101にイオン注入することにより、半導体基板101のストライプ状パターンから露出する領域にビット線となる拡散層106を形成する。続いて、LPCVD法により、半導体基板101上にゲート電極103及び第1の埋め込み絶縁膜104を含む全面にわたって膜厚が100nmのシリコン酸化膜を堆積する。その後、堆積したシリコン酸化膜に対してフッ化炭素を主成分とするエッチングガスを用いたエッチバックを行なって、ゲート電極103及び第1の埋め込み絶縁膜104からなるストライプ状パターンの各側面上に、側壁絶縁膜107をそれぞれ形成する。続いて、半導体基板101の上にストライプ状パターンを含む全面にわたって、例えばスパッタ法又は真空蒸着法により、コバルトよりなる金属膜を堆積し、公知の熱処理(例えば温度が800℃で10秒間程度の熱処理)を施すことにより、各ゲート電極103及び各拡散層106の上部にのみシリサイド層108を形成する。なお、シリサイド層108は必ずしもシリコンとの間で合金化(シリサイド化)される必要はない。例えば、各ゲート電極103及び各拡散層106の上部を開口するマスクパターンを形成した後に、形成したマスクパターンを介在させて金属層を堆積し、その後マスクパターンを除去するいわゆるリフトオフを行なえば、シリサイド化されにくい金属、例えばタングステン(W)等により、金属層が単独で形成できる。
次に、図3(c)に示すように、行列状に配置されたゲート電極103のうち拡散層106と交差する方向、すなわち行方向に並ぶゲート電極103に例えばタングステン(W)からなるコンタクトプラグ109を形成し、行方向に並ぶゲート電極103同士をワード線110によってそれぞれ電気的に接続して、不揮発性半導体記憶装置を得る。
第1の実施形態によると、ゲート絶縁膜102にONO膜を用いて電荷を捕獲する不揮発性半導体記憶装置において、ビット線を構成する拡散層106を金属により確実にシリサイド化できるため、拡散層(ビット線)106の低抵抗化を実現できる。このため、ビット線の抵抗による遅延を抑制できるので、高速な読み出し動作を実現することができる。
また、拡散層106を形成した後の熱負荷(サーマルバジェット)が小さいため、拡散層106における熱拡散も抑制されるので、さらなる微細化をも実現可能となる。
また、第1の実施形態においては、拡散層106の上に、従来例に示した特殊な層間絶縁膜10を形成する必要がないため、拡散層106に対する熱処理及びシリサイド化処理をロジック回路部と共通化することも可能となる。従って、最小限の熱処理でメモリセルを形成することができる。
また、第1の実施形態においては、孤立した各ゲート電極103同士の間の空隙を埋める第1の埋め込み絶縁膜104に窒化シリコンを用いている。このように、第1の埋め込み絶縁膜104に、酸化シリコンよりも紫外光を遮光する能力が高い窒化シリコンを用いることにより、半導体基板101において紫外光により励起された電子がゲート絶縁膜102に捕獲されてしまい、メモリセルのしきい値電圧をばらつかせるという不具合を抑止することができる。
また、第1の実施形態においては、電荷蓄積特性が優れていることから、ONO膜をメモリセルのゲート絶縁膜102に用いたが、これに限られない。例えば、ゲート絶縁膜102を、酸化シリコンからなる下層絶縁膜102aと窒化シリコンからなる中層絶縁膜102bとにより構成するON膜等をトラップ膜として用いてもよい。
また、第1の実施形態においては、ビット線である拡散層106を隣接するメモリセル(ビット)と共用する、いわゆる仮想接地型のアレイ構造としたが、これに限られず、隣接するビットとは共用しない、いわゆるAND型アレイ構造を採ることもできる。
また、第1の実施形態においては、シリサイド層108を形成する金属材料にコバルトを用いたが、チタン(Ti)又はニッケル(Ni)等の他の金属材料を用いてもよい。
また、第1の実施形態においては、第1の埋め込み絶縁膜104及び第2の埋め込み絶縁膜105の形成にエッチバック法を用いたが、化学機械的研磨(CMP)法を用いることもできる。
(第1の実施形態の一変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の一変形例について図面を参照しながら説明する。
図4は本発明の第1の実施形態の一変形例に係る不揮発性半導体記憶装置を示している。図4において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図4に示すように、本変形例に係る不揮発性半導体記憶装置は、各ゲート電極103の上面にシリサイド層108を設ける代わりに、窒化シリコンからなるキャップ層121を設けている。さらに、側壁絶縁膜117の組成を酸化シリコンに代えて窒化シリコンとしている。
これにより、各ゲート電極103は、上面及び側面を窒化シリコンで覆われるため、各ビット線を構成する各拡散層106と電気的な接続を取るビット線コンタクト122を形成する際に、自己整合的に形成することが可能となるので、不揮発性半導体記憶装置のさらなる微細化を実現できる。
以下、前記のように構成された不揮発性半導体記憶装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図5(a)〜図5(d)及び図6(a)〜図6(c)は本発明の第1の実施形態の一変形例に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の工程順の部分的な断面構成及び斜視構成を示している。
まず、図5(a)に示すように、第1の実施形態と同様にして、半導体基板101の主面上に、膜厚が7nmの酸化シリコンからなる下層絶縁膜102aと、膜厚が15nmの窒化シリコンからなる中層絶縁膜102bと、膜厚が7nmの上層絶縁膜102cとを順次成膜して、ONO構造を持つゲート絶縁膜102を形成する。その後、LPCVD法により、ゲート絶縁膜102の上に、膜厚が200nmの多結晶シリコンからなるゲート電極形成膜を堆積する。続いて、LPCVD法により、ゲート電極形成膜の上に、膜厚が100nmの窒化シリコンからなるキャップ層121を堆積する。その後、リソグラフィ法により、堆積したキャップ層121の上に列方向に延びるストライプ状の開口パターンを有する第1のマスクパターン(図示せず)を形成し、形成した第1のマスクパターンを用いて、キャップ層121に対してはフッ化炭素を主成分とするエッチングガスにより、ゲート電極形成膜に対しては塩素を主成分とするエッチングガスによりドライエッチングを行なう。これにより、それぞれの上面にキャップ層121が形成されたゲート電極形成膜から、列方向に延びるストライプ状パターンを有するゲート電極形成膜103Aが形成される。
次に、図5(b)に示すように、第1のマスクパターンを除去した後、LPCVD法により、半導体基板101の上にキャップ層121を有するストライプ状パターンを含む全面にわたってシリコン酸化膜を堆積し、堆積したシリコン酸化膜に対してフッ化炭素を主成分とするエッチングガスを用いたエッチバックを行なう。これにより、キャップ層121とゲート電極形成膜103Aとを含むストライプ状パターンの各空隙に酸化シリコンからなる第2の埋め込み絶縁膜105を残存させる。
次に、キャップ層121を有するストライプ状パターンと該ストライプ状パターンの空隙を埋める第2の埋め込み絶縁膜105との上に、リソグラフィ法により、行方向に延びるストライプ状の開口パターンを有する第2のマスクパターン(図示せず)を形成し、形成した第2のマスクパターンを用いて、キャップ層121に対してはフッ化炭素を主成分とするエッチングガスにより、また、ゲート電極形成膜103Aに対して塩素を主成分とするエッチングガスによりドライエッチングを行なう。このドライエッチングにより、多結晶シリコンからなるゲート電極形成膜103Aのみが選択的にエッチングされるため、図5(c)に示すように、ストライプ状のゲート電極形成膜103Aから、行列状に配置され且つ孤立した複数のゲート電極103を得ることができる。このとき、窒化シリコンからなるキャップ層121と、酸化シリコンからなる第2の埋め込み絶縁膜105とはエッチング選択比が小さいが、第2の埋め込み絶縁膜105の膜厚はキャップ層121の膜厚よりも十分に大きいため、不具合は生じない。
次に、図5(d)に示すように、第2のマスクパターンを除去した後、LPCVD法により、半導体基板101の上にキャップ層121及び第2の埋め込み絶縁膜105を含む全面にわたってシリコン窒化膜を堆積し、堆積したシリコン窒化膜に対してフッ化炭素を主成分とするエッチングガスを用いたエッチバックを行なう。これにより、キャップ層121を含め行方向に隣接するゲート電極103同士の間の領域にそれぞれ窒化シリコンからなる第1の埋め込み絶縁膜104が充填される。
次に、図6(a)に示すように、第1の埋め込み絶縁膜104が形成された状態で、第2の埋め込み絶縁膜105に対してフッ酸を含む水溶液でウェットエッチングを行なうことにより、酸化シリコンからなる第2の埋め込み酸化膜105及びその下の上層絶縁膜102cを除去する。その後、ドライエッチング法により、中層絶縁膜102b及び下層絶縁膜102aを除去することにより、半導体基板101を露出する。これにより、行列状に配置された複数のゲート電極103は、列方向に隣接するゲート電極103同士の間を第1の埋め込み絶縁膜104により埋め込まれた状態となり、列方向に延びるストライプ状パターンとなる。
次に、図6(b)に示すように、キャップ層121及び第1の埋め込み絶縁膜104を含むストライプ状パターンをマスクとして、例えば、半導体基板101の主面に対して垂直な方向に、注入エネルギーを30KeVとし、且つドーズ量を3×1015atoms/cm-2とする注入条件で、ヒ素(As)イオンを半導体基板101にイオン注入することにより、半導体基板101のストライプ状パターンから露出する領域にビット線となる拡散層106を形成する。続いて、LPCVD法により、半導体基板101上にキャップ層121及び第1の埋め込み絶縁膜104を含む全面にわたって膜厚が100nmのシリコン窒化膜を堆積する。その後、堆積したシリコン窒化膜に対してフッ化炭素を主成分とするエッチングガスを用いたエッチバックを行なって、ゲート電極103及び第1の埋め込み絶縁膜104からなるストライプ状パターンの各側面上に、窒化シリコンからなる側壁絶縁膜117をそれぞれ形成する。続いて、半導体基板101の上にストライプ状パターンを含む全面にわたって、例えばスパッタ法又は真空蒸着法により、コバルトよりなる金属膜を堆積し、所定の熱処理を施すことにより、各拡散層106の上部にのみシリサイド層108を形成する。
次に、図6(c)に示すように、行列状に配置されたゲート電極103のうち拡散層106と交差する方向、すなわち行方向に並ぶ複数のゲート電極103にコンタクトプラグ109を形成し、行方向に並ぶゲート電極103同士をワード線110によってそれぞれ電気的に接続する。続いて、各拡散層106の上にシリサイド層108を介在させてビット線コンタクト122を自己整合的に形成して、不揮発性半導体記憶装置を得る。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態ついて図面を参照しながら説明する。
図7は本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置を示している。図7において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図7に示すように、第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、複数のゲート電極103のうち列方向(拡散層106が延びる方向)に隣接するゲート電極103同士の間に埋め込む埋め込み絶縁膜(ゲート間絶縁膜)114を窒化シリコンに代えて酸化シリコンとしている。これにより、不揮発性半導体記憶装置の製造プロセスを第1の実施形態と比べて簡略化することができる。
以下、前記のように構成された不揮発性半導体記憶装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図8(a)〜図8(c)、図9(a)及び図9(b)は本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の工程順の部分的な断面構成及び斜視構成を示している。
まず、図8(a)に示すように、第1の実施形態と同様にして、半導体基板101の主面上に、膜厚が7nmの酸化シリコンからなる下層絶縁膜102aと、膜厚が15nmの窒化シリコンからなる中層絶縁膜102bと、膜厚が7nmの上層絶縁膜102cとを順次成膜して、ONO構造を持つゲート絶縁膜102を形成する。その後、LPCVD法により、ゲート絶縁膜102の上に、膜厚が200nmの多結晶シリコンからなるゲート電極形成膜を堆積する。その後、リソグラフィ法により、堆積したゲート電極形成膜の上に行方向に延びるストライプ状の開口パターンを有する第1のマスクパターン(図示せず)を形成し、形成した第1のマスクパターンを用いて、ゲート電極形成膜に対して塩素を主成分とするエッチングガスによりドライエッチングを行なう。これにより、ゲート電極形成膜から、行方向に延びるストライプ状パターンを有するゲート電極形成膜103Bが形成される。
次に、図8(b)に示すように、第1のマスクパターンを除去した後、LPCVD法により、半導体基板101の上にゲート電極形成膜103Bからなるストライプ状パターンを含む全面にわたってシリコン酸化膜を堆積し、堆積したシリコン酸化膜に対してフッ化炭素を主成分とするエッチングガスを用いたエッチバックを行なう。これにより、ゲート電極形成膜103Bにおけるストライプ状パターンの各空隙に酸化シリコンからなる埋め込み絶縁膜114を残存させる。
次に、ストライプ状パターンを有するゲート電極形成膜103Bとその空隙を埋める埋め込み絶縁膜114の上に、リソグラフィ法により、ゲート電極形成膜103Bのストライプ方向と交差する方向、すなわち列方向に延びるストライプ状の開口パターンを有する第2のマスクパターン(図示せず)を形成し、形成した第2のマスクパターンを用いて、多結晶シリコンからなるゲート電極形成膜103B及び酸化シリコンからなる埋め込み絶縁膜114に対してドライエッチングを行なう。このとき、多結晶シリコンと酸化シリコンとのエッチング選択比が小さい条件でゲート電極形成膜103B及び埋め込み絶縁膜114を同時にエッチングしてもよく、また、多結晶シリコンと酸化シリコンとのエッチング選択比が大きい条件でゲート電極形成膜103Bと埋め込み絶縁膜114とを順次エッチングしてもよい。なお、ゲート電極形成膜103Bと埋め込み絶縁膜114とを別々にエッチングする場合にその順序は問われない。このドライエッチングにより、図8(c)に示すように、ストライプ状のゲート電極形成膜103Bから、行列状に配置され且つ孤立した複数のゲート電極103を得ることができる。その後、フッ酸を含む水溶液でウェットエッチングを行なうことにより、ストライプ状パターンから露出した酸化シリコンからなる上層絶縁膜102cを除去する。続いて、ドライエッチング法により、中層絶縁膜102b及び下層絶縁膜102aを順次除去することにより、半導体基板101の主面における行方向に隣接するゲート電極103同士の間の領域を露出する。これにより、行列状に配置された複数のゲート電極103は、列方向に隣接するゲート電極103同士の間を埋め込み絶縁膜114により埋め込まれた状態の、列方向に延びるストライプ状パターンとなる。
次に、図9(a)に示すように、ゲート電極103及び埋め込み絶縁膜114からなるストライプ状パターンをマスクとして、例えば、半導体基板101の主面に対して垂直な方向に、注入エネルギーを30KeVとし、且つドーズ量を3×1015atoms/cm-2とする注入条件で、ヒ素(As)イオンを半導体基板101にイオン注入することにより、半導体基板101のストライプ状パターンから露出する領域にビット線となる拡散層106を形成する。続いて、LPCVD法により、半導体基板101上にゲート電極103及び埋め込み絶縁膜114を含む全面にわたって膜厚が100nmのシリコン酸化膜を堆積する。その後、堆積したシリコン酸化膜に対してフッ化炭素を主成分とするエッチングガスを用いたエッチバックを行なって、ゲート電極103及び埋め込み絶縁膜114からなるストライプ状パターンの各側面上に、側壁絶縁膜107をそれぞれ形成する。続いて、半導体基板101の上にストライプ状パターンを含む全面にわたって、例えばスパッタ法又は真空蒸着法により、コバルトよりなる金属膜を堆積し、所定の熱処理を施すことにより、各ゲート電極103及び各拡散層106の上部にのみシリサイド層108を形成する。
次に、図9(b)に示すように、行列状に配置されたゲート電極103のうち拡散層106と交差する方向、すなわち行方向に並ぶ複数のゲート電極103に例えばタングステン(W)からなるコンタクトプラグ109を形成し、行方向に並ぶゲート電極103同士をワード線110によってそれぞれ電気的に接続して、不揮発性半導体記憶装置を得る。
第2の実施形態によると、ゲート絶縁膜102にONO膜を用いて電荷を捕獲する不揮発性半導体記憶装置において、ビット線を構成する拡散層106を金属により確実にシリサイド化できるため、拡散層(ビット線)106の低抵抗化を実現できる。このため、ビット線の抵抗による遅延を抑制できるので、高速な読み出し動作を実現することができる。その上、図8(b)に示した1種類の埋め込み絶縁膜114を最後まで用いるため、製造工程を簡略化できるので、製造コストを低減することができる。
(第2の実施形態の一変形例)
以下、本発明の第2の実施形態の一変形例について図面を参照しながら説明する。
図10は本発明の第2の実施形態の一変形例に係る不揮発性半導体記憶装置を示している。図10において、図1及び図4に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図10に示すように、本変形例に係る不揮発性半導体記憶装置は、各ゲート電極103の上面にシリサイド層108を設ける代わりに、窒化シリコンからなるキャップ層121を設けている。さらに、側壁絶縁膜117の組成を酸化シリコンに代えて窒化シリコンとしている。
これにより、各ゲート電極103は、上面及び側面を窒化シリコンで覆われるため、各ビット線を構成する各拡散層106と電気的な接続を取るビット線コンタクト122を形成する際に、自己整合的に形成することが可能となるので、不揮発性半導体記憶装置の微細化を実現できる。
以下、前記のように構成された不揮発性半導体記憶装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図11(a)〜図11(c)及び図12(a)〜図12(c)は本発明の第2の実施形態の一変形例に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の工程順の部分的な断面構成及び斜視構成を示している。
まず、図11(a)に示すように、第1の実施形態と同様にして、半導体基板101の主面上に、膜厚が7nmの酸化シリコンからなる下層絶縁膜102aと、膜厚が15nmの窒化シリコンからなる中層絶縁膜102bと、膜厚が7nmの上層絶縁膜102cとを順次成膜して、ONO構造を持つゲート絶縁膜102を形成する。その後、LPCVD法により、ゲート絶縁膜102の上に、膜厚が200nmの多結晶シリコンからなるゲート電極形成膜を堆積する。その後、リソグラフィ法により、堆積したゲート電極形成膜の上に行方向に延びるストライプ状の開口パターンを有する第1のマスクパターン(図示せず)を形成し、形成した第1のマスクパターンを用いて、ゲート電極形成膜に対して塩素を主成分とするエッチングガスによりドライエッチングを行なう。これにより、ゲート電極形成膜から、行方向に延びるストライプ状パターンを有するゲート電極形成膜103Bが形成される。
次に、図11(b)に示すように、第1のマスクパターンを除去した後、LPCVD法により、半導体基板101の上にゲート電極形成膜103Bからなるストライプ状パターンを含む全面にわたってシリコン酸化膜を堆積し、堆積したシリコン酸化膜に対してフッ化炭素を主成分とするエッチングガスを用いたエッチバックを行なう。これにより、ゲート電極形成膜103Bにおけるストライプ状パターンの各空隙に酸化シリコンからなる埋め込み絶縁膜114を残存させる。
次に、図11(c)に示すように、LPCVD法により、ストライプ状パターンを有するゲート電極形成膜103Bとその空隙を埋める埋め込み絶縁膜114の上に、膜厚が100nmの窒化シリコンからなるキャップ層121を全面的に堆積する。
次に、キャップ層121の上に、リソグラフィ法により、ゲート電極形成膜103Bのストライプ方向と交差する方向、すなわち列方向に延びるストライプ状の開口パターンを有する第2のマスクパターン(図示せず)を形成し、形成した第2のマスクパターンを用いて、まず、窒化シリコンからなるキャップ層121をドライエッチングし、その後、多結晶シリコンからなるゲート電極形成膜103B及び酸化シリコンからなる埋め込み絶縁膜114に対してドライエッチングを行なう。このとき、多結晶シリコンと酸化シリコンとのエッチング選択比が小さい条件でゲート電極形成膜103B及び埋め込み絶縁膜114を同時にエッチングしてもよい。また、多結晶シリコンと酸化シリコンとのエッチング選択比が大きい条件でゲート電極形成膜103Bと埋め込み絶縁膜114とを順次エッチングしてもよい。このドライエッチングにより、図12(a)に示すように、ストライプ状のゲート電極形成膜103Bから、行列状に配置され且つ孤立した複数のゲート電極103を得ることができる。その後、フッ酸を含む水溶液でウェットエッチングを行なうことにより、隣接するストライプ状パターンから露出した酸化シリコンからなる上層絶縁膜102cを除去する。続いて、ドライエッチング法により、中層絶縁膜102b及び下層絶縁膜102aを順次除去することにより、半導体基板101の主面における行方向に隣接するゲート電極103同士の間の領域を露出する。これにより、行列状に配置された複数のゲート電極103は、列方向に隣接するゲート電極103同士の間を埋め込み絶縁膜114により埋め込まれ、さらにその上面にキャップ層121が連続して形成された状態の列方向に延びるストライプ状パターンとなる。
次に、図12(b)に示すように、キャップ層121を含むストライプ状パターンをマスクとして、例えば、半導体基板101の主面に対して垂直な方向に、注入エネルギーを30KeVとし、且つドーズ量を3×1015atoms/cm-2とする注入条件で、ヒ素(As)イオンを半導体基板101にイオン注入することにより、半導体基板101のストライプ状パターンから露出する領域にビット線となる拡散層106を形成する。続いて、LPCVD法により、半導体基板101上にキャップ層121及び埋め込み絶縁膜114を含む全面にわたって膜厚が100nmのシリコン窒化膜を堆積する。その後、堆積したシリコン窒化膜に対してフッ化炭素を主成分とするエッチングガスを用いたエッチバックを行なって、キャップ層121、ゲート電極103及び埋め込み絶縁膜114からなるストライプ状パターンの各側面上に、側壁絶縁膜117をそれぞれ形成する。続いて、半導体基板101の上にストライプ状パターンを含む全面にわたって、例えばスパッタ法又は真空蒸着法により、コバルトよりなる金属膜を堆積し、所定の熱処理を施すことにより、各拡散層106の上部にのみシリサイド層108を形成する。
次に、図12(c)に示すように、行列状に配置されたゲート電極103のうち拡散層106と交差する方向、すなわち行方向に並ぶ複数のゲート電極103にコンタクトプラグ109を形成し、行方向に並ぶゲート電極103同士をワード線110によってそれぞれ電気的に接続する。続いて、各拡散層106の上にシリサイド層108を介在させてビット線コンタクト122を自己整合的に形成して、不揮発性半導体記憶装置を得る。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図13は本発明の第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置を示している。図13に示すように、例えばp型シリコン(Si)からなる半導体基板201の主面上には、それぞれ不純物がドープされた多結晶シリコンからなり、孤立して形成された複数のゲート電極構造体216が行列状に配置されている。
各ゲート電極構造体216と半導体基板201との間には、ゲート絶縁膜であって、トンネル効果を生じさせるトンネル絶縁膜213が形成されている。
ゲート電極構造体216は、下から順次形成された浮遊ゲート電極214、容量絶縁膜202及び制御ゲート電極215により構成されている。
容量絶縁膜202は、酸化シリコンからなる下層絶縁膜202aと、窒化シリコンからなる中層絶縁膜202bと、酸化シリコンからなる上層絶縁膜202cとにより構成されている。
複数のゲート電極構造体216のうち列方向に隣接するゲート電極構造体216同士の間には、窒化シリコンからなる第1の埋め込み絶縁膜(ゲート間絶縁膜)204が形成されている。従って、複数のゲート電極構造体216は第1の埋め込み絶縁膜204を含め列方向に延びるストライプ状パターンとして形成されている。
半導体基板201におけるストライプ状パターンから露出する部分には、それぞれ不純物イオンが導入され、ビット線(ビットライン)として機能する複数の拡散層206が形成されている。ストライプ状パターンの拡散層206側の各側面上には、酸化シリコンからなる側壁絶縁膜207がそれぞれ形成されている。
側壁絶縁膜207が形成されたストライプ状パターンから露出する各拡散層206の上部及び各ゲート電極構造体216の上部は、例えばコバルト(Co)によるシリサイド層208がそれぞれ形成されている。
複数のゲート電極構造体216のうち行方向に隣接するゲート電極構造体216の上部に含まれる制御ゲート電極215は、その上方を行方向に延びるように設けられた配線であるワード線210に対して、それぞれシリサイド層208及び該シリサイド層208の上に形成されたコンタクトプラグ209を介して電気的に接続されている。なお、図示はしていないが、残りのゲート電極構造体216に対しても同様に、行方向に隣接する一群のゲート電極構造体216は図示したワード線210とは異なる他のワード線とそれぞれ接続されている。
このように、第3の実施形態においては、ビット線である拡散層206及びゲート電極構造体216における制御ゲート電極215、特に拡散層206をシリサイド化しているため、ビット線を低抵抗化できることにより、データの読み出し動作の高速化を実現できる。
以下、前記のように構成された不揮発性半導体記憶装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図14(a)〜図14(d)及び図15(a)〜図15(c)は本発明の第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の工程順の部分的な断面構成及び斜視構成を示している。
まず、図14(a)に示すように、半導体基板201を温度が900℃の酸化雰囲気で熱処理することにより、半導体基板101の主面の全面にわたって膜厚が5nmの酸化シリコンからなるトンネル絶縁膜213を形成する。続いて、基板温度を600℃とするLPCVD法により、トンネル絶縁膜213の上に、膜厚が100nmの多結晶シリコンからなる浮遊ゲート形成膜を堆積する。続いて、浮遊ゲート形成膜の上に、基板温度を800℃とするLPCVD法により、膜厚が7nmの酸化シリコンからなる下層絶縁膜202aを形成する。続いて、下層絶縁膜102aの上に、基板温度を700℃とするLPCVD法により、膜厚が15nmの窒化シリコンからなる中層絶縁膜202bと、該中層絶縁膜202bの上に、基板温度が800℃とするLPCVD法により、膜厚が7nmの上層絶縁膜202cを形成する。これにより、下層絶縁膜202a、中層絶縁膜202b及び上層絶縁膜202cにより構成された、いわゆるONO膜である容量絶縁膜202が形成される。続いて、基板温度を600℃とするLPCVD法により、容量絶縁膜202の上に、膜厚が100nmの多結晶シリコンからなる制御ゲート形成膜を堆積する。続いて、リソグラフィ法により、堆積した制御ゲート形成膜の上に列方向に延びるストライプ状の開口パターンを有する第1のマスクパターン(図示せず)を形成し、形成した第1のマスクパターンを用いて、制御ゲート形成膜及び浮遊ゲート形成膜に対しては塩素を主成分とし、容量絶縁膜202に対してはフッ化炭素を主成分とするエッチングガスによりドライエッチングを行なう。これにより、制御ゲート形成膜、容量絶縁膜202及び浮遊ゲート形成膜から、列方向に延びるストライプ状パターンを有する制御ゲート形成膜215A、容量絶縁膜202及び浮遊ゲート形成膜214Aが形成される。なお、ここでは、ストライプ状パターンを形成する際に、トンネル絶縁膜213を除去していないが、浮遊ゲート形成膜214Aのエッチングに続いて、トンネル絶縁膜213を除去してもよい。
次に、図14(b)に示すように、第1のマスクパターンを除去した後、LPCVD法により、半導体基板201の上にストライプ状パターンを含む全面にわたってシリコン酸化膜を堆積し、堆積したシリコン酸化膜に対してフッ化炭素を主成分とするエッチングガスを用いたエッチバックを行なう。これにより、浮遊ゲート形成膜214A、容量絶縁膜202及び制御ゲート形成膜215Aを含むストライプ状パターンの各空隙に酸化シリコンからなる第2の埋め込み絶縁膜205を残存させる。
次に、ストライプ状パターンとその空隙を埋める第2の埋め込み絶縁膜205の上に、リソグラフィ法により、制御ゲート形成膜215Aのストライプ方向と交差する方向、すなわち行方向に延びるストライプ状の開口パターンを有する第2のマスクパターン(図示せず)を形成し、形成した第2のマスクパターンを用いて、制御ゲート形成膜215A、容量絶縁膜202及び浮遊ゲート電極214Aを順次ドライエッチングする。このドライエッチングにより、いずれも多結晶シリコンからなる制御ゲート形成膜215A及び浮遊ゲート形成膜214Aが主としてエッチングされるため、図14(c)に示すように、ストライプ状の制御ゲート形成膜215A、容量絶縁膜202及び浮遊ゲート形成膜214Aから、行列状に配置され且つ孤立した複数のゲート電極構造体216を得ることができる。なお、容量絶縁膜202に対するドライエッチング時に、ONO膜である容量絶縁膜202は酸化シリコンからなる第2の埋め込み絶縁膜205に対してエッチング選択比が小さい場合もあるが、第2の埋め込み絶縁膜205の膜厚は容量絶縁膜202の膜厚と比べて十分に大きいため不具合はない。
次に、図14(d)に示すように、第2のマスクパターンを除去した後、LPCVD法により、半導体基板201の上にゲート電極構造体216及び第2の埋め込み絶縁膜205を含む全面にわたってシリコン窒化膜を堆積し、堆積したシリコン窒化膜に対してフッ化炭素を主成分とするエッチングガスを用いたエッチバックを行なう。これにより、行方向に隣接するゲート電極構造体216同士の間の領域にそれぞれ窒化シリコンからなる第1の埋め込み絶縁膜204が充填される。
次に、図15(a)に示すように、第1の埋め込み絶縁膜204が形成された状態で、第2の埋め込み絶縁膜205に対してフッ酸を含む水溶液でウェットエッチングを行なうことにより、酸化シリコンからなる第2の埋め込み酸化膜205及びその下のトンネル絶縁膜213を除去する。これにより、行列状に配置された複数のゲート電極構造体216は、列方向に隣接するゲート電極構造体216同士の間を第1の埋め込み絶縁膜204により埋め込まれた状態となり、列方向に延びるストライプ状パターンとなる。
次に、図15(b)に示すように、ゲート電極構造体216及び第1の埋め込み絶縁膜204からなるストライプ状パターンをマスクとして、例えば、半導体基板201の主面に対して垂直な方向に、注入エネルギーを30KeVとし、且つドーズ量を3×1015atoms/cm-2とする注入条件で、ヒ素(As)イオンを半導体基板201にイオン注入することにより、半導体基板201のストライプ状パターンから露出する領域にビット線となる拡散層206を形成する。続いて、LPCVD法により、半導体基板201上にゲート電極構造体216及び第1の埋め込み絶縁膜204を含む全面にわたって膜厚が100nmのシリコン酸化膜を堆積する。その後、堆積したシリコン酸化膜に対してフッ化炭素を主成分とするエッチングガスを用いたエッチバックを行なって、ゲート電極構造体216及び第1の埋め込み絶縁膜204からなるストライプ状パターンの各側面上に、側壁絶縁膜207をそれぞれ形成する。続いて、半導体基板201の上にストライプ状パターンを含む全面にわたって、例えばスパッタ法又は真空蒸着法により、コバルトよりなる金属膜を堆積し、所定の熱処理を施すことにより、各ゲート電極構造体216及び各拡散層206の上部にのみシリサイド層208を形成する。
次に、図15(c)に示すように、行列状に配置されたゲート電極構造体216のうち拡散層206と交差する方向、すなわち行方向に並ぶ複数のゲート電極構造体216に例えばタングステン(W)からなるコンタクトプラグ209を形成し、行方向に並ぶゲート電極構造体216同士をワード線210によってそれぞれ電気的に接続して、不揮発性半導体記憶装置を得る。
第3の実施形態によると、浮遊ゲート電極214に電荷を捕獲する不揮発性半導体記憶装置において、ビット線を構成する拡散層206を金属により確実にシリサイド化できるため、拡散層(ビット線)206の低抵抗化を実現できる。このため、ビット線の抵抗による遅延を抑制できるので、高速な読み出し動作を実現することができる。
また、拡散層206を形成した後の熱負荷(サーマルバジェット)が小さいため、拡散層206における熱拡散も抑制されるので、さらなる微細化をも実現可能となる。
また、ONO膜をゲート電極構造体216における容量絶縁膜202に用いたが、これに限られない。例えば、容量絶縁膜202を、酸化シリコンからなる下層絶縁膜202aと窒化シリコンからなる中層絶縁膜202bとにより構成するON膜等を用いてもよい。また、酸化シリコン又は窒化シリコンからなる単層膜であってもよい。
また、第3の実施形態においては、ビット線である拡散層206を隣接するメモリセル(ビット)と共用する、いわゆる仮想接地型のアレイ構造としたが、これに限られず、隣接するビットとは共用しない、いわゆるAND型アレイ構造を採ることもできる。
また、第3の実施形態においては、シリサイド層208を形成する金属材料にコバルトを用いたが、チタン(Ti)又はニッケル(Ni)等の他の金属材料を用いることができる。
また、第1の埋め込み絶縁膜204及び第2の埋め込み絶縁膜205の形成にエッチバック法を用いたが、化学機械的研磨(CMP)法を用いることもできる。
(第3の実施形態の一変形例)
以下、本発明の第3の実施形態の一変形例について図面を参照しながら説明する。
図16は本発明の第3の実施形態の一変形例に係る不揮発性半導体記憶装置を示している。図16において、図13に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図16に示すように、本変形例に係る不揮発性半導体記憶装置は、各ゲート電極構造体216の上面にシリサイド層208を設ける代わりに、窒化シリコンからなるキャップ層221を設けている。さらに、側壁絶縁膜217の組成を酸化シリコンに代えて窒化シリコンとしている。
これにより、各ゲート電極構造体216は、上面及び側面を窒化シリコンで覆われるため、各ビット線を構成する各拡散層206と電気的な接続を取るビット線コンタクト222を形成する際に、自己整合的に形成することが可能となるので、不揮発性半導体記憶装置のより一層の微細化を実現できる。
以下、前記のように構成された不揮発性半導体記憶装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図17(a)〜図17(d)及び図18(a)〜図18(c)は本発明の第3の実施形態の一変形例に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の工程順の部分的な断面構成及び斜視構成を示している。
まず、図17(a)に示すように、第3の実施形態と同様にして、半導体基板201の主面上に、膜厚が5nmの酸化シリコンからなるトンネル絶縁膜213と、膜厚が100nmの多結晶シリコンからなる浮遊ゲート形成膜、膜厚が7nmの酸化シリコンからなる下層絶縁膜202a、膜厚が15nmの窒化シリコンからなる中層絶縁膜202bと、膜厚が7nmの上層絶縁膜202cとを含むONO構造を持つ容量絶縁膜202と、膜厚が100nmの多結晶シリコンからなる制御ゲート形成膜を順次成膜する。続いて、LPCVD法により、浮遊ゲート形成膜の上に、膜厚が100nmの窒化シリコンからなるキャップ層221を堆積する。その後、リソグラフィ法により、堆積したキャップ層221の上に列方向に延びるストライプ状の開口パターンを有する第1のマスクパターン(図示せず)を形成し、形成した第1のマスクパターンを用いて、キャップ層221、容量絶縁膜202及びトンネル絶縁膜213に対してはフッ化炭素を主成分とするエッチングガスにより、制御ゲート形成膜及び浮遊ゲート電極に対しては塩素を主成分とするエッチングガスによりドライエッチングを行なう。これにより、上面にキャップ層121を有する制御ゲート形成膜、容量絶縁膜202及び浮遊ゲート形成膜から、列方向に延びるストライプ状パターンを有するキャップ層221、制御ゲート形成膜215A、容量絶縁膜202及び浮遊ゲート形成膜214Aが形成される。なお、ここでは、トンネル絶縁膜213は除去せずに残しておいてもよい。
次に、図17(b)に示すように、第1のマスクパターンを除去した後、LPCVD法により、半導体基板201の上にキャップ層221を有するストライプ状パターンを含む全面にわたってシリコン酸化膜を堆積し、堆積したシリコン酸化膜に対してフッ化炭素を主成分とするエッチングガスを用いたエッチバックを行なう。これにより、浮遊ゲート形成膜214A、容量絶縁膜202、制御ゲート形成膜215A及びキャップ層221を含むストライプ状パターンの各空隙に酸化シリコンからなる第2の埋め込み絶縁膜205を残存させる。
次に、キャップ層221を含むストライプ状パターンと該ストライプ状パターンの空隙を埋める第2の埋め込み絶縁膜205との上に、リソグラフィ法により、行方向に延びるストライプ状の開口パターンを有する第2のマスクパターン(図示せず)を形成し、形成した第2のマスクパターンを用いて、キャップ層221に対してはフッ化炭素を主成分とするエッチングガスにより、ドライエッチングを行なう。続いて、制御ゲート形成膜215A、容量絶縁膜202及び浮遊ゲート電極214Aを順次ドライエッチングする。このドライエッチングにより、いずれも多結晶シリコンからなる制御ゲート形成膜215A及び浮遊ゲート形成膜214Aが主としてエッチングされるため、図17(c)に示すように、ストライプ状の制御ゲート形成膜215A、容量絶縁膜202及び浮遊ゲート形成膜214Aから、行列状に配置され且つ孤立した複数のゲート電極構造体216を得ることができる。なお、キャップ層221及び容量絶縁膜202に対するドライエッチング時において、窒化シリコンからなるキャップ層221及びONO膜である容量絶縁膜202は酸化シリコンからなる第2の埋め込み絶縁膜205に対してエッチング選択比が小さい場合もあるが、第2の埋め込み絶縁膜205の膜厚はキャップ層221及び容量絶縁膜202の膜厚と比べて十分に大きいため不具合はない。
次に、図17(d)に示すように、第2のマスクパターンを除去した後、LPCVD法により、半導体基板201の上にキャップ層221及び第2の埋め込み絶縁膜205を含む全面にわたってシリコン窒化膜を堆積し、堆積したシリコン窒化膜に対してフッ化炭素を主成分とするエッチングガスを用いたエッチバックを行なう。これにより、行方向に隣接するゲート電極構造体216同士の間の領域にそれぞれ窒化シリコンからなる第1の埋め込み絶縁膜204が充填される。
次に、図18(a)に示すように、第1の埋め込み絶縁膜204が形成された状態で、第2の埋め込み絶縁膜205に対してフッ酸を含む水溶液でウェットエッチングを行なうことにより、酸化シリコンからなる第2の埋め込み酸化膜205を除去する。これにより、行列状に配置された複数のゲート電極構造体216は、列方向に隣接するゲート電極構造体216同士の間を第1の埋め込み絶縁膜204により埋め込まれた状態となり、列方向に延びるストライプ状パターンとなる。なお、図17(a)に示すストライプ状パターン形成工程において、トンネル絶縁膜213を除去しなかった場合には、この工程において第2の埋め込み酸化膜205に続いてその下のトンネル絶縁膜213をも除去する。
次に、図18(b)に示すように、ゲート電極構造体216及び第1の埋め込み絶縁膜204からなるストライプ状パターンをマスクとして、例えば、半導体基板201の主面に対して垂直な方向に、注入エネルギーを30KeVとし、且つドーズ量を3×1015atoms/cm-2とする注入条件で、ヒ素(As)イオンを半導体基板201にイオン注入することにより、半導体基板201のストライプ状パターンから露出する領域にビット線となる拡散層206を形成する。続いて、LPCVD法により、半導体基板201上にゲート電極構造体216及び第1の埋め込み絶縁膜204を含む全面にわたって膜厚が100nmのシリコン窒化膜を堆積する。その後、堆積したシリコン酸化膜に対してフッ化炭素を主成分とするエッチングガスを用いたエッチバックを行なって、ゲート電極構造体216及び第1の埋め込み絶縁膜204からなるストライプ状パターンの各側面上に、窒化シリコンからなる側壁絶縁膜207をそれぞれ形成する。続いて、半導体基板201の上にストライプ状パターンを含む全面にわたって、例えばスパッタ法又は真空蒸着法により、コバルトよりなる金属膜を堆積し、所定の熱処理を施すことにより、各拡散層206の上部にのみシリサイド層208を形成する。
次に、図18(c)に示すように、行列状に配置されたゲート電極構造体216のうち拡散層206と交差する方向、すなわち行方向に並ぶ複数のゲート電極構造体216に例えばタングステン(W)からなるコンタクトプラグ209を形成し、行方向に並ぶゲート電極構造体216同士をワード線210によってそれぞれ電気的に接続する。続いて、各拡散層206の上にシリサイド層208を介在させてビット線コンタクト222を自己整合的に形成して、不揮発性半導体記憶装置を得る。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態ついて図面を参照しながら説明する。
図19は本発明の第4の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置を示している。図19において、図13に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図19に示すように、第4の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、複数のゲート電極構造体216のうち列方向(拡散層206が延びる方向)に隣接するゲート電極構造体216同士の間に埋め込む埋め込み絶縁膜(ゲート間絶縁膜)224を窒化シリコンに代えて酸化シリコンとしている。これにより、不揮発性半導体記憶装置の製造プロセスを第3の実施形態と比べて簡略化することができる。
以下、前記のように構成された不揮発性半導体記憶装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図20(a)〜図20(c)、図21(a)及び図21(b)は本発明の第4の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の工程順の部分的な断面構成及び斜視構成を示している。
まず、図20(a)に示すように、第3の実施形態と同様にして、半導体基板201の主面上に、膜厚が5nmの酸化シリコンからなるトンネル絶縁膜213と、膜厚が100nmの多結晶シリコンからなる浮遊ゲート形成膜、膜厚が7nmの酸化シリコンからなる下層絶縁膜202a、膜厚が15nmの窒化シリコンからなる中層絶縁膜202bと、膜厚が7nmの上層絶縁膜202cとを含むONO構造を持つ容量絶縁膜202と、膜厚が100nmの多結晶シリコンからなる制御ゲート形成膜を順次成膜する。その後、リソグラフィ法により、堆積した制御ゲート形成膜の上に行方向に延びるストライプ状の開口パターンを有する第1のマスクパターン(図示せず)を形成し、形成した第1のマスクパターンを用いて、制御ゲート形成膜及び浮遊ゲート電極に対しては塩素を主成分とするエッチングガスにより、容量絶縁膜202に対してはフッ化炭素を主成分とするエッチングガスによりドライエッチングを行なう。これにより、制御ゲート形成膜、容量絶縁膜202及び浮遊ゲート形成膜から、行方向に延びるストライプ状パターンを有する制御ゲート形成膜215B、容量絶縁膜202及び浮遊ゲート形成膜214Bが形成される。なお、浮遊ゲート形成膜214Bのエッチングに続いてトンネル絶縁膜213を除去してもよい。
次に、図20(b)に示すように、第1のマスクパターンを除去した後、LPCVD法により、半導体基板201の上にストライプ状パターンを含む全面にわたってシリコン酸化膜を堆積し、堆積したシリコン酸化膜に対してフッ化炭素を主成分とするエッチングガスを用いたエッチバックを行なう。これにより、浮遊ゲート形成膜214B、容量絶縁膜202及び制御ゲート形成膜215Bを含むストライプ状パターンの各空隙に酸化シリコンからなる埋め込み絶縁膜224を残存させる。
次に、制御ゲート形成膜215Bを有するストライプ状パターンとその空隙を埋める埋め込み絶縁膜224の上に、リソグラフィ法により、制御ゲート形成膜215Bのストライプ方向と交差する方向、すなわち列方向に延びるストライプ状の開口パターンを有する第2のマスクパターン(図示せず)を形成し、形成した第2のマスクパターンを用いて、多結晶シリコンからなる制御ゲート形成膜215B、ONO膜である容量絶縁膜202及び多結晶シリコンからなる浮遊ゲート形成膜214Bと、酸化シリコンからなる埋め込み絶縁膜224とに対してドライエッチングを行なう。このとき、多結晶シリコンと酸化シリコンとのエッチング選択比が小さい条件で、制御ゲート形成膜215B及び浮遊ゲート形成膜214Bと埋め込み絶縁膜224とを同時にエッチングしてもよい。また、多結晶シリコンと酸化シリコンとのエッチング選択比が大きい条件で順次エッチングしてもよい。なお、制御ゲート形成膜215B等と埋め込み絶縁膜224とを別々にエッチングする場合にその順序は問われない。このドライエッチングにより、図20(c)に示すように、ストライプ状の制御ゲート形成膜215B、容量絶縁膜202及び浮遊ゲート形成膜214Bから、行列状に配置され且つ孤立した複数のゲート電極構造体216を得ることができる。その後、フッ酸を含む水溶液でウェットエッチングを行なうことにより、ストライプ状パターンから露出した酸化シリコンからなるトンネル絶縁膜213を除去する。以上の工程により、行列状に配置された複数のゲート電極構造体216は、列方向に隣接するゲート電極構造体216同士の間を埋め込み絶縁膜224により埋め込まれた状態の列方向に延びるストライプ状パターンとなる。
次に、図21(a)に示すように、ゲート電極構造体216及び埋め込み絶縁膜224からなるストライプ状パターンをマスクとして、例えば、半導体基板201の主面に対して垂直な方向に、注入エネルギーを30KeVとし、且つドーズ量を3×1015atoms/cm-2とする注入条件で、ヒ素(As)イオンを半導体基板201にイオン注入することにより、半導体基板201のストライプ状パターンから露出する領域にビット線となる拡散層206を形成する。続いて、LPCVD法により、半導体基板201上にゲート電極構造体216及び埋め込み絶縁膜224を含む全面にわたって膜厚が100nmのシリコン酸化膜を堆積する。その後、堆積したシリコン酸化膜に対してフッ化炭素を主成分とするエッチングガスを用いたエッチバックを行なって、ゲート電極構造体216及び埋め込み絶縁膜224からなるストライプ状パターンの各側面上に、側壁絶縁膜207をそれぞれ形成する。続いて、半導体基板201の上にストライプ状パターンを含む全面にわたって、例えばスパッタ法又は真空蒸着法により、コバルトよりなる金属膜を堆積し、所定の熱処理を施すことにより、各ゲート電極構造体216及び各拡散層206の上部にのみシリサイド層208を形成する。
次に、図21(b)に示すように、行列状に配置されたゲート電極構造体216のうち拡散層206と交差する方向、すなわち行方向に並ぶ複数のゲート電極構造体216に例えばタングステン(W)からなるコンタクトプラグ209を形成し、行方向に並ぶゲート電極構造体216同士をワード線210によってそれぞれ電気的に接続して、不揮発性半導体記憶装置を得る。
第4の実施形態によると、ゲート電極構造体216を構成する浮遊ゲート電極214に電荷を捕獲する不揮発性半導体記憶装置において、ビット線を構成する拡散層206を金属により確実にシリサイド化できるため、拡散層(ビット線)206の低抵抗化を実現できる。このため、ビット線の抵抗による遅延を抑制できるので、高速な読み出し動作を実現することができる。その上、図20(b)に示した1種類の埋め込み絶縁膜224を最後まで用いるため、製造工程を簡略化できるので、製造コストを低減することができる。
(第4の実施形態の一変形例)
図22は本発明の第4の実施形態の一変形例に係る不揮発性半導体記憶装置を示している。図22において、図13及び図16に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図22に示すように、本変形例に係る不揮発性半導体記憶装置は、各ゲート電極構造体216の上面にシリサイド層208を設ける代わりに、窒化シリコンからなるキャップ層221を設けている。さらに、側壁絶縁膜217の組成を酸化シリコンに代えて窒化シリコンとしている。
これにより、各ゲート電極構造体216は、上面及び側面を窒化シリコンで覆われるため、各ビット線を構成する各拡散層206と電気的な接続を取るビット線コンタクト222を形成する際に、自己整合的に形成することが可能となるので、不揮発性半導体記憶装置の微細化を実現できる。
以下、前記のように構成された不揮発性半導体記憶装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図23(a)〜図23(c)及び図24(a)〜図24(c)は本発明の第4の実施形態の一変形例に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の工程順の部分的な断面構成及び斜視構成を示している。
まず、図23(a)に示すように、第3の実施形態と同様にして、半導体基板201の主面上に、膜厚が5nmの酸化シリコンからなるトンネル絶縁膜213と、膜厚が100nmの多結晶シリコンからなる浮遊ゲート形成膜、膜厚が7nmの酸化シリコンからなる下層絶縁膜202a、膜厚が15nmの窒化シリコンからなる中層絶縁膜202bと、膜厚が7nmの上層絶縁膜202cとを含むONO構造を持つ容量絶縁膜202と、膜厚が100nmの多結晶シリコンからなる制御ゲート形成膜を順次成膜する。その後、リソグラフィ法により、堆積した制御ゲート形成膜の上に行方向に延びるストライプ状の開口パターンを有する第1のマスクパターン(図示せず)を形成し、形成した第1のマスクパターンを用いて、制御ゲート形成膜及び浮遊ゲート電極に対しては塩素を主成分とするエッチングガスにより、容量絶縁膜202に対してはフッ化炭素を主成分とするエッチングガスによりドライエッチングを行なう。これにより、制御ゲート形成膜、容量絶縁膜202及び浮遊ゲート形成膜から、行方向に延びるストライプ状パターンを有する制御ゲート形成膜215B、容量絶縁膜202及び浮遊ゲート形成膜214Bが形成される。なお、ここで、トンネル絶縁膜213を除去してもよい。
次に、図23(b)に示すように、第1のマスクパターンを除去した後、LPCVD法により、半導体基板201の上にストライプ状パターンを含む全面にわたってシリコン酸化膜を堆積し、堆積したシリコン酸化膜に対してフッ化炭素を主成分とするエッチングガスを用いたエッチバックを行なう。これにより、浮遊ゲート形成膜214B、容量絶縁膜202及び制御ゲート形成膜215Bを含むストライプ状パターンの各空隙に酸化シリコンからなる埋め込み絶縁膜224を残存させる。
次に、図23(c)に示すように、LPCVD法により、制御ゲート形成膜215Bを含むストライプ状パターンとその空隙を埋める埋め込み絶縁膜224の上に、膜厚が100nmの窒化シリコンからなるキャップ層221を全面的に堆積する。
次に、キャップ層221の上に、リソグラフィ法により、制御ゲート形成膜215Bのストライプ方向と交差する方向、すなわち列方向に延びるストライプ状の開口パターンを有する第2のマスクパターン(図示せず)を形成し、形成した第2のマスクパターンを用いて、まず、窒化シリコンからなるキャップ層221をドライエッチングし、その後、多結晶シリコンからなる制御ゲート形成膜215B、ONO膜である容量絶縁膜202及び多結晶シリコンからなる浮遊ゲート形成膜214Bと、酸化シリコンからなる埋め込み絶縁膜214とに対してドライエッチングを行なう。このとき、多結晶シリコンと酸化シリコンとのエッチング選択比が小さい条件で、制御ゲート形成膜215B及び浮遊ゲート形成膜214Bと埋め込み絶縁膜224とを同時にエッチングしてもよい。また、多結晶シリコンと酸化シリコンとのエッチング選択比が大きい条件で順次エッチングしてもよい。このドライエッチングにより、図24(a)に示すように、ストライプ状の制御ゲート形成膜215B、容量絶縁膜202及び浮遊ゲート形成膜214Bから、行列状に配置され且つ孤立した複数のゲート電極構造体216を得ることができる。その後、フッ酸を含む水溶液でウェットエッチングを行なうことにより、ストライプ状パターンから露出した酸化シリコンからなるトンネル絶縁膜213を除去する。以上の工程により、行列状に配置された複数のゲート電極構造体216は、列方向に隣接するゲート電極構造体216同士の間を埋め込み絶縁膜224により埋め込まれ、さらにその上面にキャップ層221が連続して形成された状態の列方向に延びるストライプ状パターンとしてパターニングされる。
次に、図24(b)に示すように、キャップ層221を含むストライプ状パターンをマスクとして、例えば、半導体基板201の主面に対して垂直な方向に、注入エネルギーを30KeVとし、且つドーズ量を3×1015atoms/cm-2とする注入条件で、ヒ素(As)イオンを半導体基板201にイオン注入することにより、半導体基板201のストライプ状パターンから露出する領域にビット線となる拡散層206を形成する。続いて、LPCVD法により、半導体基板201上にゲート電極構造体216及び埋め込み絶縁膜224を含む全面にわたって膜厚が100nmのシリコン酸化膜を堆積する。その後、堆積したシリコン酸化膜に対してフッ化炭素を主成分とするエッチングガスを用いたエッチバックを行なって、キャップ層221、ゲート電極構造体216及び埋め込み絶縁膜224からなるストライプ状パターンの各側面上に、側壁絶縁膜207をそれぞれ形成する。続いて、半導体基板201の上にストライプ状パターンを含む全面にわたって、例えばスパッタ法又は真空蒸着法により、コバルトよりなる金属膜を堆積し、所定の熱処理を施すことにより、各拡散層206の上部にのみシリサイド層208を形成する。
次に、図21(b)に示すように、行列状に配置されたゲート電極構造体216のうち拡散層206と交差する方向、すなわち行方向に並ぶ複数のゲート電極構造体216に例えばタングステン(W)からなるコンタクトプラグ209を形成し、行方向に並ぶゲート電極構造体216同士をワード線210によってそれぞれ電気的に接続する。続いて、各拡散層206の上にシリサイド層208を介在させてビット線コンタクト222を自己整合的に形成して、不揮発性半導体記憶装置を得る。