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JP2006526567A - 金属イオンの存在により特徴づけられる疾患を処置および/または防止するための組成物 - Google Patents

金属イオンの存在により特徴づけられる疾患を処置および/または防止するための組成物 Download PDF

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JP2006526567A JP2004570636A JP2004570636A JP2006526567A JP 2006526567 A JP2006526567 A JP 2006526567A JP 2004570636 A JP2004570636 A JP 2004570636A JP 2004570636 A JP2004570636 A JP 2004570636A JP 2006526567 A JP2006526567 A JP 2006526567A
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Abstract

本発明は、一般的に、アルツハイマー病、他の神経変性疾患および/またはある金属イオンの存在により特徴づけられる疾患の、有機ケイ素化合物を含むある組成物を用いることによる処置および/または防止に関する。本発明の組成物を、哺乳類、例えばヒトに投与することができる。いくつかの場合において、組成物は、シラノール、シランジオール、シラントリオールもしくは環状有機シランを含むことができ、および/または血液、胃および/または胃腸管もしくは脳もしくは他の器官において見出される生理学的条件に曝露した際に、シラノール、シランジオールもしくはシラントリオールを形成することができる。ある場合において、有機ケイ素化合物は、脳−血液障壁を横断して脳中に輸送され得る部分、例えばアミノ酸、ペプチド、タンパク質、ウイルスなどに結合していてもよい。有機ケイ素化合物はまた、ある例において標識されていてもよい(蛍光的に、または放射活性的に)。いくつかの態様において、組成物またはこの一部は、アルミニウムまたは他のイオンを、例えばアルミニウムイオンに静電的に結合することにより、金属イオン封鎖することができる。組成物はまた、他の官能性、例えばアミン、あるアルキルおよび/またはアリール部分(置換アルキルおよび/またはアリールを含む)または疎水性部分を含んで、例えば有機ケイ素化合物の血液−脳障壁を通っての輸送を促進することができる。

Description

発明の分野
本発明は、一般的に、金属イオンの存在により特徴づけられる疾患、例えばアルツハイマー病を処置および/または防止することに、特にキレート剤および/またはケイ素化合物を含むある組成物を用いてこのような疾患を処置および/または防止することに関する。
関連技術の記載
多くの疾患を、体内、例えば器官または組織内の金属イオンの過剰量または不均衡により特徴づけることができる。過剰量の金属イオンは、いくつかの場合において、タンパク質構造もしくは機能に影響し得るか、あるいはある疾患、例えばアルツハイマー病、パーキンソン病、種々の恒常性の疾患、心不整脈、種々の中枢神経系(CNS)障害、血漿不均衡、皮膚炎、ゲルストマン−シュタウスラー−シェインカー(Gerstmann-Staeussler-Scheinker)障害、家族性不眠症、メンケス症候群、鉛中毒および他の重金属毒性、または種々のプリオン疾患、例えば感染性海綿状脳症もしくはクロイツフェルトヤコブ病をもたらすか、もしくは促進し得る。いくつかの場合において、過剰の金属イオンはまた、イオンチャネル機能、タンパク質構造もしくは折り畳み、または酵素機能に干渉し得、これにより疾患状態がもたらされ得る。例えば、多くのタンパク質および酵素は、金属イオンを用いて、反応性部位において、またはこれとしてこれらの配座を安定化する。
金属イオンの生理学的除去または金属イオン封鎖は、このような疾患を処置するにあたり有用であり得る。しかし、標的部位に送達され得るイオンに結合することができる、極めて少数の生体適合性剤が、存在することが知られている。体内のイオンに結合することができる化合物の1種の例は、エチレンジアミン四酢酸(「EDTA」)である。しかし、EDTAの体中での半減期は、比較的短い。EDTAの典型的な用量は、体中で約1時間持続するに過ぎず、この形態の処置の有効性が制限される。
過剰量の金属イオンにより特徴づけることができる1種の疾患は、アルツハイマー病である。アルツハイマー病は、老年痴呆の一般的な形態である。いくつかの研究により、80歳代のすべての人々の25〜50%は、アルツハイマー病を有し得ることが示唆された。アルツハイマー病の徴候は、記憶喪失、言語または認知能力の喪失、推論能力の低下および低下した言語行動の使用を含む。挙動障害もまた存在し得る。脳生理学における変化、例えば拡大された室、狭い皮質性回または拡大された溝もまた生じ得る。これらの変化は、神経損失に帰した。精神的能力および脳機能の悪化は、不可逆的であると見られ、最終的には死をもたらし得る。
アルツハイマー病は、実際には、関連する神経変性疾患の族である。アルツハイマー病および他のこのような神経変性疾患の1つの特徴は、一般的には神経原線維変化または老年性プラークとして知られている、線維状タンパク質構造の出現および蓄積である。神経フィラメント(NF)タンパク質は、神経原線維変化の1つの構成成分である。NFタンパク質は、例えば、NFタンパク質が過剰リン酸化された際に神経原線維変化を生じることができるフィラメントを形成し得る。約42個のアミノ酸を含むタンパク質であるベータ−アミロイドは、ある老年性プラークの重要な成分の1種である。
アルツハイマー病の原因には、遺伝因子(例えば、染色体1、14、19および21上のある遺伝子が、アルツハイマー病に対する増大した感受性に関連した)または特に正常なアルミニウム濃度よりも高い環境的因子が含まれる。いくつかの研究により、脳内の増大したアルミニウム濃度が、神経原線維変化または老年性プラークと関連し得ることが示された。アルミニウムは、例えば、ベータ−アミロイドまたは神経フィラメントタンパク質と複合して出現し得る。ある研究により、水供給中に見出されるアルミニウムとアルツハイマー病の発生との間の関連が示唆された。アルミニウムはまた、医薬または他の化合物、例えば制酸剤錠剤から生じ得る。アルミニウムは、体中で、他の種、例えば有機種に複合して、または溶液に(例えば血液もしくは脳脊髄液内に)溶解して見出すことができる。例えば、アルミニウムは、Al3+、Al(OH)、AlまたはAl(SOなどとして存在し得る。
発明の概要
本発明は、一般的に、金属イオンの存在により特徴づけられる疾患、例えばアルツハイマー病の処置および/または防止に関する。本発明の主題は、いくつかの場合において、特定の問題に対する相互に関係する生成物、代替の溶液および/または1種もしくは2種以上の系および/または物品の複数の異なる使用を含む。
1つの観点において、本発明は、組成物を含む。1つの群の態様において、組成物または少なくともこの一部は、器官、例えば脳に、血液−脳障壁を横断しての輸送により進入することができる。いくつかの場合において、組成物はまた、薬学的に許容し得る担体を含む。
ある態様において、組成物は、シラノール、シランジオール、シラントリオールの少なくとも1種および/または生理学的条件への曝露によりシラノール、シランジオールもしくはシラントリオールの少なくとも1種を形成することができる化合物を含む。このような化合物は、例えば、ハロゲン化有機ケイ素化合物または環状有機ケイ素化合物を含むことができる。いくつかの場合において、化合物は、溶液中で顕著に重合することができない。他の群の態様において、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%または少なくとも99%の化合物が、インビボでモノマー構造を維持することができる。
1つの群の態様において、組成物は、1つの構造:
Figure 2006526567
式中、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、JおよびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む、
を有する1つの化合物またはこの1つの塩を含む。YおよびYの各々は、SiおよびNに相互に結合する部分(例えばアルキル部分、アリール部分、環状部分など)である。J10、J11、J12およびJ13の各々は、独立して、Hであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む。1つの態様において、J10、J11、J12およびJ13の各々は、独立して、水素、アルキルまたはアリールである。他の態様において、J10、J11、J12およびJ13の少なくとも1つは、3個または4個より多くない炭素原子を有するアルキルである。
尚他の態様において、YおよびYの少なくとも1つは、構造:
Figure 2006526567
を有し、ここで、Yは、水素または非水素原子を含むことができる。尚他の態様において、Yは、疎水性部分を含む。本明細書中で種々の化学構造を参照して用いる、記号
Figure 2006526567
は、通常の当業者により容易に理解されるように、化学構造が、基本的な化学構造に結合している場合を示す。例えば、前述の構造において、YおよびYの少なくとも1つについて、2つの
Figure 2006526567
の記号は、前述の構造が、それぞれ前述の構造の直前の基本的な化学構造中のNおよびSiに結合する場合を示す。
他の群の態様において、組成物は、アミノアルキル部分を含むケイ素化合物を含む。1つの態様において、化合物は、1つの構造:
Figure 2006526567
式中、Z、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含む、
またはこの塩を有する。Jの各々は、独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含み、Yは、SiおよびNに相互に結合する部分(例えばアルキル部分、アリール部分、環状部分など)である。
尚他の群の態様において、本発明の組成物は、構造:
Figure 2006526567
式中、Z、Z、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、JおよびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む、
を有する1つの化合物またはこの1つの塩を含む。化合物は、少なくとも1個の炭素原子を含むことができ、即ち、Z、Z、ZおよびZの少なくとも1つは、少なくとも1個の炭素原子を含む。ある態様において、Z、Z、ZおよびZは、すべて同時には、HまたはRの1つではなく;Z、Z、ZおよびZは、すべて同時には、酢酸塩ではない。
他の群の態様において、化合物は、1つの構造、例えば:
Figure 2006526567
式中、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、JおよびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む、
またはこの1つの塩を有することができる。この構造において、Aは、炭素原子およびケイ素原子の少なくとも1つを含む部分である。EおよびEの各々は(適用可能である場合には)、独立して、(a)OおよびNJの1つ、または(b)Siが部分Aに共有結合するように不存在のいずれかである。Jは、Hであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む。ある例において、EおよびEは(適用可能である場合には)、共に不存在ではない。
尚他の群の態様において、本発明の組成物は、環状有機ケイ素化合物、即ち少なくとも1個のケイ素原子を含む環状有機化合物を含む。例えば、環状有機ケイ素化合物は、1つの構造:例えば
Figure 2006526567
を有することができる。これらの構造において、各々のAは、独立して、炭素原子およびケイ素原子の少なくとも1個を有する部分であり、各々のZは、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、JおよびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む。いくつかの場合において、組成物は、前述の構造のすべての塩を含むことができる。
尚他の群の態様において、本発明の組成物は、少なくとも2個のケイ素原子を有する化合物を含む。1つの態様において、この化合物は、1つの構造:
Figure 2006526567
式中、Z、Z、Z、Z、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、JおよびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む、
またはこの1つの塩を有する。他の態様において、この組成物は、少なくとも1個のケイ素原子を含む繰り返し単位を有するポリマーを含む。
尚他の態様において、この化合物は、1つの構造、例えば:
Figure 2006526567
式中、Y、YおよびYの各々は、独立して、少なくとも1個の炭素原子を含む相互に結合する部分(例えばアルキル部分、アリール部分、環状部分など)であり、Z、Z、Z、Z、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、JおよびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む、
またはこの1つの塩を有することができる。E、E、EおよびEの各々は、独立して、(a)OおよびNJの1つ、または(b)SiがY部分に共有結合するように不存在のいずれかである。Jは、Hであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含むことができる。典型的には、少なくとも1つのE部分が、構造内に存在する。
他の群の態様において、本発明の化合物は、アルミニウムもしくは他の金属イオンに結合することができる(か、またはアルミニウムもしくは他の金属イオンに結合することができるキレート剤を形成することができる)キレート剤を含む。1つの態様において、本発明の化合物は、1つの構造:
Figure 2006526567
式中、Xは、アルミニウムもしくは他の金属イオンに結合することができる1つのキレート剤であるか、またはアルミニウムもしくは他の金属イオンに結合することができる1つのキレート剤を形成することができる、
を有する。さらに、Yは、血液−脳障壁を横断しての化合物(またはこの一部)の輸送を促進することができる構造であり、構造
Figure 2006526567
は、少なくとも1つの化学結合を含み、構造−は、生理学的条件下で、例えば脳内で、または血流内で、例えばOHに加水分解され得る部分である。いくつかの場合において、キレート剤は、イオンに結合するか、または他の方法では固定することができるすべての剤であってもよく、例えば、従って、これは、溶液中で遊離のままである代わりにキレート剤に複合するか、または他の方法で結合する。
他の観点において、本発明は、方法である。1つの群の態様において、この方法は、被検者に、シラノール化合物、シランジオール化合物、シラントリオール化合物、環状有機ケイ素化合物および/または被検者内で、シラノール化合物、シランジオール化合物もしくはシラントリオール化合物の少なくとも1種に加水分解され得る化合物の少なくとも1種を含む、治療的に有効な量の組成物を投与することを含む。他の群の態様において、この方法は、被検者に、前述の化合物の1種または2種以上を投与することを含む。いくつかの場合において、被検者は、アルツハイマー病を罹患しやすいか、またはこの徴候を示す。他の場合において、被検者は、過剰量のイオン、例えば金属イオンにより特徴づけられる疾患を罹患しやすいか、またはこの徴候を示す。ある場合において、被検者は、他の方法では、組成物での処置を必要としない。例えば、被検者は、白血球エラスターゼの阻害により処置可能な疾患を有する必要がなくてもよい。
いくつかの態様において、本発明の化合物は、アルミニウムおよび/または他の金属イオン、例えば2価の、もしくは3価の金属イオンに結合する(または他の方法でこれと相互作用する)ことができ、および/または被検者内で加水分解されて、アルミニウムおよび/または他の金属イオンに結合することができる化合物を形成することができる。いくつかの態様において、有機ケイ素化合物またはこの少なくとも一部は、器官、例えば脳に、血液−脳障壁を横断しての輸送により進入することができる。しかし、他の態様においては、有機ケイ素化合物は、器官、例えば脳に進入することができず、代わりに血流中の循環中に残留して、例えばこれらが脳または他の器官に進入する前に、血液内のアルミニウムまたは他のイオンを除去するかまたは金属イオン封鎖する。組成物はまた、ある場合においては、薬学的に許容し得る担体を含むことができる。
他の群の態様において、本方法は、被検者に、以下の1つの構造:
Figure 2006526567
式中、Z、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、JおよびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む、
を有する化合物またはこの1つの塩を含む治療的に有効な量の組成物を投与することを含む。明確化のために、本明細書中に記載した化学構造、例えば前述の化学構造のすべてにおいて、ケイ素に結合している原子のすべてを描写しているわけではない。いくつかの場合において、被検者は、アルツハイマー病または過剰量の金属イオンにより特徴づけられる他の疾患を罹患しやすいか、またはこの徴候を示す。構造
Figure 2006526567
は、化合物が、被検者内に、例えば活性部位に位置する際には、正に帯電していることができる化合物の一部を示す。1つの態様において、被検者は、他の方法では、組成物での処置を必要としない。他の態様において、構造
Figure 2006526567
は、化合物またはこの少なくとも一部が、器官中に進入するか、または血液−脳障壁を横断することを可能にする構造を有する化合物の一部である。
1つの群の態様において、この方法は、被検者に、被検者内で、アルミニウムおよび/または他の金属イオン、例えば2価の、もしくは3価の金属イオンに結合することができる形態に、例えば加水分解により変換され得る化合物を含む組成物を投与することを含む。他の群の態様において、この方法は、被検者に、血液−脳障壁を横断し、および/またはアルミニウムおよび/または他の金属イオンに結合することができる化合物を含む、治療的に有効な量の組成物を投与することを含む。
他の群の態様において、この方法は、被検者に、化合物の分子構造内に、少なくとも2個のケイ素原子を含む化合物を含む、治療的に有効な量の1つの組成物を投与することを含む。1つの態様において、この化合物は、少なくとも約100g/mol、少なくとも約200g/mol、少なくとも約300g/mol、少なくとも約400g/mol、少なくとも約500g/mol、少なくとも約600g/mol、少なくとも約700g/mol、少なくとも約800g/mol、少なくとも約900g/mol、少なくとも約1000g/molまたはいくつかの場合においてこれ以上の分子量を有することができる。他の態様において、この化合物は、塩である。
尚他の群の態様において、この方法は、被検者に、化合物の分子構造内に、ケイ素原子および窒素原子を有する化合物を含む、治療的に有効な量の1つの組成物を投与することを含む。
尚他の群の態様において、この方法は、金属をインビボでキレートする方法である。1つの態様において、この方法は、被検者に、ケイ素ポリマーおよびいくつかの場合において薬学的に許容し得る担体を含む、治療的に有効な量の組成物を投与することを含む。いくつかの例において、ケイ素ポリマーは、ヒドロキシル化および/またはハロゲン化されていてもよい。
他の群の態様において、この方法は、非機能的な、または機能不全的な配座(即ち、生理学的に正常なレベルよりも低い機能化)を有するタンパク質の、機能的な配座への逆転を促進する方法である。この方法は、1つの態様において、ケイ素を含む化合物を被検者中に導入し、ここで、被検者は、タンパク質、脂質または糖が、1個または2個以上の金属原子に結合していることにより特徴づけられる疾患または症状を有しているか、または有していると疑われる。タンパク質、脂質または糖は、1個または2個以上の金属原子にこのように結合した際には、非機能的な、または機能不全的な配座を有し得る。この方法はまた、金属原子の少なくともいくつかが、タンパク質、脂質または糖からケイ素化合物に移送されるのを可能にすることを含むことができる。いくつかの場合において、ケイ素ポリマーは、ヒドロキシル化および/またはハロゲン化されていてもよい。
尚他の群の態様において、この方法は、アルツハイマー病を罹患しやすいか、またはこの徴候を示す1つの被検者の神経系に、ケイ素原子を有する化合物を含む治療的に有効な量の1つの組成物を投与することを含む。1つの態様において、この組成物は、以下の1つの構造:
Figure 2006526567
式中、Z、Z、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、JおよびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む、
を有する1つの化合物またはこの1つの塩を含む。いくつかの場合において、Z、Z、ZおよびZの1つ、2つ、3つまたは4つは、各々OHおよび/または酢酸塩であってもよい。他の態様において、この組成物は、ケイ酸塩、例えばケイ酸ナトリウムおよび/またはメタケイ酸塩、例えばメタケイ酸ナトリウムなどを含む。尚他の態様において、この組成物は、ケイ素塩を含む。
他の観点において、本発明は、金属イオンの存在により特徴づけられる疾患、例えばアルツハイマー病を処置するための医薬の製造における組成物の使用を含む。1つの群の態様において、この組成物は、前述の1種または2種以上の化合物を含む。被検者を組成物で処置する方法は、本明細書中の至る所に記載されており、本発明はまた、他の観点において、被検者を処置するための医薬の製造における当該組成物の使用を含むことを理解するべきである。
尚他の観点において、本発明は、本明細書中に記載した態様のすべてを製造する方法に関する。尚他の観点において、本発明は、本明細書中に記載した態様のすべてを用いる方法に関する。他の観点において、本発明は、本明細書中に記載した態様のすべてを促進する方法に関する。
本発明の他の利点、新規な特徴および目的は、図式的であり、縮尺通りに描写されていることを意図しない添付した図面と関連させて考慮した際には、本発明の非限定的な態様の以下の詳細な記載から明らかである。図面において、種々の図面に例示されている各々の同一の、または同一に近い成分を、単一の符号により表す。明瞭の目的のために、すべての成分を、すべての図面において標識しているわけではなく、本発明の各々の態様のすべての成分を示しているわけではなく、ここで、例示は、通常の当業者に、本発明を理解することを可能にするために必要ではない。本明細書および、参照により導入された文献が、矛盾する開示を含む場合には、本明細書が支配する。
図面の簡単な説明
本発明の非限定的な態様を、添付した図面を参照して例により記載し、ここで:
図1は、神経フィラメント配列(配列番号1)を例示し;
図2A〜2Uは、本発明において有用な種々の化学構造を例示し;
図3A〜3Dは、楕円率対波長としてプロットした円偏光二色性(CD)データにより示した、図1の神経フィラメントに対するメタケイ酸ナトリウム水和物の効果を例示し;
図4A〜4Eは、CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するオルトケイ酸ナトリウムの効果を例示し;
図5A〜5Fは、CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対する3−アミノプロピルシラントリオールの効果を例示し;
図6A〜6Dは、オルトケイ酸ナトリウム対3−アミノプロピルシラントリオールについての比較のCDデータを例示し;
図7A〜7Dは、CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対する3−シアノプロピルトリクロロシランの効果を例示し;
図8A〜8Dは、CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するヘキシルメチルジクロロシランの効果を例示し;
図9A〜9Dは、CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するメチルフェニルジクロロシランの効果を例示し;
図10A〜10Dは、CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するジクロロジエチルシランの効果を例示し;
図11A〜11Eは、CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するジクロロジイソプロピルシランの効果を例示し;
図12A〜12Eは、CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対する(ジクロロ)メチルシリルブチロニトリルの効果を例示し;
図13は、CDデータにより例示した、ヒトアミロイドベータタンパク質に対するアルミニウムの効果を例示し;
図14は、CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対する3−シアノプロピルトリクロロシランの効果を例示し;
図15は、CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対するジクロロジエチルシランの効果を例示し;
図16は、CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対するジクロロジイソプロピルシランの効果を例示し;
図17は、CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対する(ジクロロ)エチルメチルシランの効果を例示し;
図18は、CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対するヘキシルメチルジクロロシランの効果を例示し;
図19は、CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対する(ジクロロ)メチルシリルブチロニトリルの効果を例示し;
図20は、CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対するジクロロシラシクロブタンの効果を例示し;
図21は、CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対する1,7−ジオキサ−6−シラ−スピロ[5.5]ウンデカンの効果を例示し;
図22は、CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対するオルトケイ酸ナトリウムの効果を例示し;
図23は、CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対するトリエトキシシリルブチロニトリルの効果を例示し;
図24は、CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対するトリエトキシシリルプロピオニトリルの効果を例示し;
図25は、CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対するホスホン酸トリヒドロキシシリルプロピルメチルの効果を例示し;
図26は、CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対するトリエチルシラノールの効果を例示し;
図27は、CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対するテトラキス(ジメチルアミノ)シランの効果を例示し;
図28は、CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対するテトラアセトオキシシランの効果を例示し;
図29A〜29Bは、Caco−2細胞を横断しての、本発明のある有機ケイ素化合物の輸送を例示し;
図30は、bMVEC細胞を横断しての、本発明のある有機ケイ素化合物の分子輸送を例示する。
詳細な説明
本発明は、一般的に、アルツハイマー病、他の神経変性疾患および/またはある金属イオンの存在により特徴づけられる疾患を、有機ケイ素化合物を含むある組成物を用いることにより処置および/または防止することに関する。本発明の組成物を、動物、例えばヒトに投与することができる。いくつかの場合において、組成物は、シラノール、シランジオール、シラントリオールもしくは環状有機シランを含むことができ、および/または、例えば血液中、胃および/または胃腸管中、または脳もしくは他の器官中で見出される生理学的条件に曝露することにより、シラノール、シランジオールもしくはシラントリオールを形成することができる。ある場合において、有機ケイ素化合物は、血液−脳障壁を横断して脳中に輸送することができる部分、例えばアミノ酸、ペプチド、タンパク質、ウイルスなどに結合することができる。有機ケイ素化合物を、また、ある例において標識する(例えば蛍光的にまたは放射活性的に)ことができる。いくつかの態様において、組成物またはこの一部は、アルミニウムまたは他のイオンを、例えばアルミニウムイオンに静電気的に結合させることにより、金属封鎖することができる。この組成物はまた、他の官能性、例えばアミン、あるアルキルおよび/またはアリール部分(置換されたアルキルおよび/またはアリールを含む)、または疎水性部分を含んで、例えば血液−脳障壁を横断しての有機ケイ素化合物の輸送を促進することができる。
以下の出願を、参照により本明細書中に導入する:G. D. Fasmanによる米国特許第5,523,295号、1996年6月4日刊行、題名「アルツハイマー病を処置および防止するための方法」;O. Friedman, et al.による米国仮特許出願第60/427,203号、2002年11月18日出願、題名「アルツハイマー病を処置および防止するための組成物」;O. Friedman, et al.による米国仮特許出願第60/427,105号、2002年11月18日出願、題名「アルツハイマー病を処置および防止するための組成物」;O. Friedman, et al.による米国仮特許出願第60/427,104号、2002年11月18日出願、題名「アルツハイマー病を処置および防止するための組成物」;O. Friedman, et al.による米国仮特許出願第60/427,201号、2002年11月18日出願、題名「キレート剤」;およびO. Friedman, et al.による米国仮特許出願第60/456,345号、2003年3月20日出願、題名「金属イオンの存在により特徴づけられる疾患を処置および防止するための組成物」。
本明細書中および特許請求の範囲において用いる不定冠詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は、対照的に明確に示さない限り、「少なくとも1つの」を意味するものと理解されるべきである。
本明細書中で用いる、「または」は、包括的に、即ち多くの要素のリストの少なくとも1つを含むが、1つより多いものを含むことを意味すると理解される。対照的に明らかに示す用語、例えば「専ら」または「正確に1つの」のみが、多くの要素のリストの正確に1つの要素を含むことを意味する。
本明細書中で用いる用語「決定する」は、一般的に、種を、例えば定量的に、または定性的に分析すること、および/または種の存在または不存在を検出することを意味する。「決定する」はまた、2種または3種以上の種の間の相互作用を、例えば定量的にまたは定性的に、および/または相互作用の存在または不存在を検出することにより分析することを意味し得る。
本明細書中で用いるように、物質は、これが、血液から脳または中枢神経系に、インビボで、生理学的条件下で、内因的に有用な輸送プロセス、例えば拡散またはある内因性輸送系を用いて輸送され得る(受動的に、または能動的に)場合には、「血液−脳障壁を横断することができる」。例えば、本発明の組成物(またはこの一部)は、糖またはペプチドを含むことができ、および/または血液−脳障壁の糖および/またはペプチド輸送系において基質(即ち模擬体(mimic))として置換され得(例えば内因性輸送タンパク質)、従って血液−脳障壁を横断しての組成物の輸送が生じることを可能にする。本明細書中で用いる「血液−脳障壁」は、業界において用いられているこの通常の意味、即ち血流を、脊髄を含む「神経系」、即ち脳および中枢神経系から分離する細胞状障壁を示す。
本明細書中で用いる「アルツハイマー病の処置」は、脳内の神経原線維変化および/または老年性プラークの形成を防止、停止、変化および/または逆転することを含み、「このような処置を必要としている」被検者、即ちアルツハイマー病の徴候を示す被検者、アルツハイマー病を罹患しやすいかもしくは他の方法でこの増大した危険にある被検者、またはアルツハイマー病の徴候を示していないが、当該被検者からアルツハイマー病の危険を低下させるのが望ましい被検者に対して行うことができる(例えばワクチン接種または予防処置)。本明細書中で用いる用語「患者」または「被検者」は、哺乳類、例えばヒトおよび非ヒト哺乳類、例えば非ヒト霊長類、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、ウサギまたはげっ歯動物、例えばマウスもしくはラットを含む。
アルツハイマー病を参照して本明細書中に記載したすべての組成物または方法をまた、いくつかの場合において、過剰量の金属イオンにより特徴づけられる他の疾患を処置するために用いることができることを理解するべきである。本明細書中で用いる、「過剰量のイオンにより特徴づけられる」疾患は、体の器官または系内の過剰量のイオン(例えば金属イオン)が健康に関連する問題をもたらし得るすべての疾患を含む。このようなイオンの例には、鉄、鉛、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、水銀、ストロンチウム、ベリリウム、コバルト、亜鉛、ニッケル、ヒ素などが含まれるが、これらには限定されない。イオンは、ある例において、2価または3価(即ち、それぞれ±2または±3の正味の電荷を有する)であり得る。いくつかの場合において、疾患は、過剰量のイオンが存在することにより、異常な折り畳み構造のタンパク質をもたらし得る。1つの例において、アルツハイマー病は、脳中の過剰量のアルミニウムイオンにより特徴づけられ得る。
過剰量のイオンにより特徴づけられ得る他の脳疾患には、例えば、あるプリオン疾患、例えば感染性海綿状脳症またはクロイツフェルトヤコブ病が含まれる。過剰量のイオン、例えば金属イオンが関与した他の疾患には、パーキンソン病、種々の恒常性の疾患、心不整脈、種々の中枢神経系(CNS)障害、血漿不均衡、皮膚炎、ゲルストマン−シュタウスラー−シェインカー障害、家族性不眠症、メンケス症候群または重金属毒性もしくは中毒が含まれる。いくつかの場合において、疾患は、環境的要因、例えば環境からの過剰量のイオン、例えばアルミニウム、鉛または鉄により発生し得る。他の場合において、疾患イオンは、食事、飲料水などにより作成され得る。器官または系は、体中のすべての器官または系、例えば血流内、脳、肝臓、腎臓、皮膚、脂肪組織内などであってもよい。過剰量のイオンにより特徴づけられる他の疾患は、関連する技術における通常の当業者により、容易に同定され得る。
本明細書中で用いる「アミノ酸」は、生化学の分野において用いられるこの通常の意味を示す。アミノ酸は、典型的に、構造:
Figure 2006526567
を有する。この構造において、Rは、すべての好適な部分であってもよく;例えば、Rは、水素原子、メチルまたはイソプロピルであってもよい。1つのアミノ酸のNHが次のアミノ酸のCOOHと反応して、ペプチド(−NH−C(O))結合を形成することにより、一連のアミノ酸を結合させて、ペプチドまたはタンパク質を形成することができる。アミノ酸は、天然のアミノ酸または天然でないアミノ酸であってもよい。本明細書中で用いる「天然のアミノ酸」は、本質的に一般的に見出される20種のアミノ酸、即ちアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンである。逆に、「天然でないアミノ酸」は、前述の構造に相当し、ここで、R部分が、20種の天然のアミノ酸の1種に相当しないアミノ酸である。いくつかの場合において、アミノ酸はまた、ある様式で誘導体化されていてもよい。例えば、アミノ酸は、アミド化、エステル化されていてもよく、側方の部分は、アミノ酸などに結合していてもよい。他のアミノ酸誘導体化反応は、通常の当業者に知られている。
本明細書中で用いる「アルキル」は、有機化学の分野において用いられるこの通常の意味を示す。アルキルまたは脂肪族部分は、多くの炭素原子を含むことができる。この部分は、例えば、1〜15個の炭素原子、1〜10個の炭素原子または1〜5個の炭素原子を含むことができる。ある態様において、アルキル部分は、10個よりも少ない炭素原子、6個よりも少ない炭素原子、5個よりも少ない炭素原子、4個よりも少ない炭素原子または3個よりも少ない炭素原子を有する。本発明のいくつかの態様において、ある大きさを有するアルキル鎖を用いて、組成物の疎水性を制御することができる。炭素原子を、アルキル部分内で、適切な形状で、例えば直鎖(即ちn−アルキル、例えばメチル(「Me」)、エチル(「Et」)、プロピル(「Pr」)、ブチル(「Bu」)、ペンチル(「Pe」)もしくはヘキシル(「Hx」)、または分枝鎖(例えばtert−ブチル部分、もしくはイソアルキル部分、例えばイソプロピル部分)として配置することができる。
アルキル部分は、0個または1個もしくは2個以上の二重または三重結合を、この構造内に、例えばアルケン、アルキン、アルカジエン、アルカジイン、アルキネンなどとして含むことができる。アルキル部分はまた、いくつかの場合において置換基を含むことができる。例えば、アルキル部分は、ハロゲン、アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシもしくはプロポキシ)、アミン(例えば第一、第二、第三もしくは第四アミン)、エーテル、カルボニル(例えばアセチル(「Ac」)部分)または水酸化物を、置換基として含むことができる(即ち、「置換アルキル」)。1つよりも多い置換基が存在する場合には、置換基は、各々、同一であるかまたは異なっていてもよい。いくつかの場合において、アルキル部分は、炭素および水素原子のみを含む;しかし、他の場合において、アルキル部分内の原子はまた、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子またはすべての他の好適な原子を含むことができる。
同様に、本明細書中で用いる「環状」部分は、有機化学の分野において用いられるこの通常の定義、即ち、原子の少なくとも1つの環を含み、原子の1つよりも多い環を含むことができる部分を示す。即ち、環状部分は、末端端部を有しない原子の少なくとも1つの鎖を有する。鎖は、例えば、環状に配置した3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個もしくは10個または11個以上の原子を有することができる。いくつかの態様において、環状部分は、多くとも10個の原子、多くとも8個の原子、または多くとも7個の原子の最大の大きさを有する。いくつかの場合において、環状部分は、環状部分の環内に炭素原子のみを含む;しかし、他の場合においては、環内の原子はまた、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子または少なくとも2個の異なる原子に共有結合することができるすべての他の原子を含むことができる(即ち、「複素環式」部分)。
環状部分が、1つよりも多い環を含む場合には、環は、互いに関してすべての配向で配置していてもよく、例えば、環は、縮合(即ち、少なくとも2個の環が、共通する1個よりも多い原子を有する、例えば二環式部分、三環式部分など)、スピロ(即ち、2個の環が、共通する1個のみの原子を有する)であってもよく、環は、他の環上で置換されていてもよく、2個または3個以上の環は、アルキル部分により結合していてもよいなど。環状部分は、0個または1個もしくは2個以上の二重または三重結合を、この構造内に、例えばシクロアルケン、シクロアルキン、シクロアルカジエン、芳香族部分などとして含むことができる。用語「芳香族」または「アリール」部分は、業界において用いられているこれらの通常の意味を示し、例えばここで、この部分の少なくとも2個または3個以上の原子が、非局在化したパイ結合に関与する。非局在化したパイ結合に関与する1個または2個以上の非炭素原子(例えば窒素)を含むアリール部分は、「ヘテロアリール」部分である。
本明細書中で用いる「ケイ素化合物」は、少なくとも1個のケイ素原子を含むすべての化学的化合物を含む。ケイ素化合物は、例えば被検者内に配置された際に、水溶性、脂溶性であるか、または両親媒性特性を示してもよい。本明細書中で用いる「有機ケイ素化合物」は、有機部分、例えばアルキル、アリール、アルコキシ、シクロアルキル、アミン(第一、第二、第三または第四)などに結合した少なくとも1個のケイ素原子を含む化合物である。「有機ケイ素組成物」は、少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含み、他の化合物、例えば他の生理学的に活性な化合物および/または薬学的に許容し得る担体、例えば以下にさらに記載するものを同様に含むことができる。いくつかの態様において、有機ケイ素化合物内のケイ素原子は、超配位(hypercoordinate)していてもよい(即ち、ケイ素原子は5または6の原子価を有していてもよい)。
1つの群の態様において、ケイ素化合物は、1つまたは2つ以上の「加水分解可能な」部分(例えば、生理学的条件下で、同時に、および/または代謝的プロセスにより、例えば水酸化物部分に加水分解され得る部分)、例えばハロゲン、水酸化物、アルコキシド、エステル、エーテルなどを含む。例には、ハロシラン、ジハロシラン、トリハロシラン、シラノール、ジハロシラノール、ハロシランジオール、シラントリオール、ハロシラノールなどが含まれるが、これらには限定されない。用語、例えば「シラノール」、「シランジオール」および「ハロシラン」は、化学の分野において用いられているこれらの通常の意味を示す。例えば、「シランジオール」は、ケイ素原子に共有結合した2つの水酸化物部分を含む化合物であり、「シラントリオール」は、ケイ素原子に共有結合した3つの水酸化物部分を含む化合物である。
同様に、「ジハロシラン」(例えばジクロロシランまたはブロモクロロシラン)は、各々ケイ素原子に結合した2個のハロゲン原子(以下にさらに定義するように)を含む化合物であり(即ち、ここで、ハロゲン原子は、同一であっても異なっていてもよい)、「ハロシラノール」は、各々化合物内のケイ素原子に結合したハロゲンおよび水酸化物部分を含む化合物である。用語、例えば「トリハロシラン」、「ジハロシラノール」および「ハロジシラノール」は、同様に定義される。本明細書中で用いる用語「ハロゲン」(または「ハロ−」)は、化学の分野において通常に用いられているハロゲン群の原子(例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)を含む。本明細書中で用いる「プソイドハロゲン」は、ハロゲン原子ではないが、ハロゲン化合物に類似する特性を有する部分である。プソイドハロゲンの例には、CN、SCN、NCOなどおよび、ケイ素と不安定な結合を形成することができる他の加水分解可能な部分(例えばイミダゾール、トリアゾール、テトラゾールなど)が含まれる。多くの場合において、プソイドハロゲン部分を、本明細書中に記載したすべての構造において、ハロゲン原子で置換することができる。
本発明の有機ケイ素化合物は、1つの群の態様において、イオン、例えばアルミニウムイオンと脳または他の器官の生理学的(または神経学的)成分、例えばベータ−アミロイドまたは他のアミロイド化合物、神経フィラメントタンパク質などとの間の相互作用を阻害および/または逆転することができる。例えば、あるタイプのアミロイドタンパク質は、肝臓または筋肉組織中に見出すことができる。この化合物は、体内の至る箇所での、例えば脳または他の器官内、血液−脳障壁内、血流内などでのこのような相互作用を阻害および/または逆転することができる。用語「阻害する」は、アルミニウム(または他の金属イオン)が成分と錯化する前および/または後に生じる阻害を含む。阻害は、部分的または完全な阻害であってもよい。本発明の組成物の効能を例示する1つの簡単な試験は、組成物を、成分、例えば好適な疾患マーカーを含む溶液に加え、加えられた組成物が、溶液がアルミニウムに曝露された際に、成分またはマーカーの構造および/または配座における変化を防止するかまたは低減することができるか否かを決定することである。
例として、アルツハイマー病について、疾患についての好適なマーカーは、アルミニウムに感受性であるベータ−アミロイドもしくは神経フィラメントタンパク質(またはベータ−アミロイドもしくは神経フィラメントタンパク質を産生することができる細胞)であってもよく、即ちここで、マーカーの構造および/または配座は、アルミニウムに曝露することにより変化する。組成物を、マーカーがアルミニウムまたは他のイオンに曝露される前または後に加えることができる。このプロセスの例は、例1に記載されている。通常の当業者は、本明細書中で用いる「アルミニウム」は、体中に見出すことができるすべての形態のアルミニウム、例えばアルミニウム粒子、酸化アルミニウム粒子、アルミニウムイオン(Al3+)、Al(OH)、Al、Al(SOなどを意味することを理解する。アルミニウムは、すべての環境的な供給源、例えば飲料水内に溶解して;アルミニウムポット、鍋、パイプ、用具または工具;塵;医療デバイスの成分;投薬;宝石類;エーロゾル;脱臭剤および皮膚に適用された他の製品;アルミニウム缶などから生じ得る。
しかし、いくつかの態様において、本発明の有機ケイ素化合物は、脳または他の器官に進入することができない。いくつかの態様において、有機ケイ素化合物は、これらが体中に導入された箇所に残留することができるか、または有機ケイ素化合物は、血流中の循環中に残留することができる。1つの例において、化合物が、脳中に直接注射された(例えば以下にさらに記載するように)場合には、化合物は、血液−脳障壁を横断することができず、従って脳内に残留することができる場合がある。他の例として、本発明の化合物を、全身的な循環中に導入して、これらが脳または他の器官に進入する前に、血液内のアルミニウムまたは他のイオンを除去するかまたは金属イオン封鎖することができる。
本発明の組成物を、1つの群の態様において、被検者に投与して、脳内の神経原線維変化または老年性プラークの形成および/または成長を処置(例えば逆転)、防止および/または低減することができる。アルツハイマー病または他の神経変性疾患を有するヒトにおいて、老年性プラークおよび神経原線維変化において見出されるベータ−アミロイドおよび/または神経フィラメントタンパク質は、いくつかの場合において、リン酸化され、および/または金属イオン、例えばアルミニウムの存在下で錯化し、および/または機能不全の、もしくは非機能的な配座(例えば適切な活性が欠乏している構造もしくは疾患状態を示す構造)、例えばベータ−シートを推測し得る。これらのタンパク質内のベータ−シートまたは他の非機能的/機能不全配座は、ベータ−アミロイドおよび/または神経フィラメントタンパク質を、不溶性にし、および/または沈殿させ得、これにより、脳内の神経原線維変化および/または老年性プラークの形成がもたらされ得る。
1つの群の態様において、本発明の組成物は、体内のイオン、例えば金属イオンに結合するか、または他の方法で金属イオン封鎖することができる。1つの群の態様において、イオンは、2価または3価である。イオンは、体内に、または器官もしくは体内の系内に、過剰な濃度で(例えば生理学的に望ましい濃度よりも顕著に高い)存在し得る。いくつかの場合において、組成物は、イオンを、イオンの、組成物の例えば反対の電荷に帯電した部分との相互作用により金属イオン封鎖することができる。
いくつかの場合において、組成物は、過剰量の金属イオンにより影響された分子もしくは構造が、この最初の配座に戻るのを可能にし得るか、または、組成物は、例えば過剰量の金属イオンの存在により、変性したか、または不適切に折り畳まれたか、もしくは構成されたタンパク質におけるような、非機能的な、もしくは変形した構造の形成を防止し得る。従って、本発明の組成物を、分子または構造がこの最初の配座に戻るのを可能にするこれらの能力などにより、決定することができる。組成物は、過剰量のイオンに結合し、および/またはこれを金属イオン封鎖することができ、これにより、イオンの分子または構造との相互作用が防止、阻害および/または低減され得る。例えば、本発明の組成物が脳中に存在することにより、ある神経フィラメントタンパク質が、これらの最初の機能的構造に戻るのが可能になり、および/または神経フィラメントタンパク質内のベータ−シート配座または他の機能的もしくは機能不全構造の形成が防止され得る。
有機ケイ素化合物はまた、脳または他の器官内に存在するすべてのアルミニウム(または他の金属イオン)に結合することができ、これにより、アルミニウムまたは他の金属イオンの少なくともいくらかの金属イオン封鎖がもたらされ、アルミニウムと、脳または他の器官の他の成分、例えばベータ−アミロイドまたは神経フィラメントタンパク質との相互作用が防止および/または低減され得る。組成物と、アルミニウムまたは他の金属イオンとの相互作用は、例えば、イオン性相互作用、水素結合相互作用、ファンデルワールス相互作用、金属リガンド相互作用、配位相互作用、疎水性相互作用および/またはこれらの組み合わせであってもよい。
このような結合の程度は、通常の当業者により決定され得る;例えば、本発明の有機ケイ素組成物を、既知の濃度のアルミニウムイオンまたは他の金属イオンを含む溶液と混合し、溶液中の遊離のアルミニウムまたは他の金属イオン(存在する場合には)の濃度のもたらされた減少を、溶液中に溶解したイオンを検出するための既知の手法を用いて、例えば円偏光二色性(CD)手法、原子吸収分光学、質量分光学、放射活性トレーサー測定などを用いて決定または計算することができる。
いくつかの場合において、イオン、例えばアルミニウムを、体または脳もしくは他の器官内で、本発明の有機ケイ素組成物により、例えばアルミニウムイオンを有機ケイ素化合物の負に帯電した部分で金属イオン封鎖することにより、金属イオン封鎖することができる。例えば、有機ケイ素化合物は、生理学的条件下で負に帯電する(即ち脱プロトンする)ことができる1つまたは2つ以上の水酸化物部分を含み、静電引力またはアルミニウムもしくは他の金属イオンを化合物に結合させることを可能にし得る。1つの群の態様において、有機ケイ素化合物は、シラノール、シランジオールまたはシラントリオールであってもよい。他の群の態様において、有機ケイ素化合物は、シラノール、シランジオールまたはシラントリオールを、化合物を例えば生理学的な条件下で体内で(例えば、37℃の温度において、および/または一般的に水性の環境内で)加水分解することにより形成することができるケイ素化合物であってもよい。いくつかの態様において、アルミニウム−有機ケイ素錯体(または他のイオン性−有機ケイ素錯体)が形成した後に、錯体はまた、脳または他の器官から除去され、例えば物理的に除去されるか、または他の方法で非活性化され得る。
1つの観点において、組成物は、ケイ素を含む化合物を含む。ケイ素化合物は、例えば、酸、塩、塩基、酸化物など、例えばケイ酸(HSiO)、四酢酸ケイ素、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどを含む。追加の例を、以下に記載する。ケイ素化合物は、以下にさらに記載するように、例えば中枢神経系もしくは他の器官内、または血流内のアルミニウムまたは他の金属イオンに結合するか、または他の方法でこれと相互作用することができ得る。
1つの群の態様において、本発明は、以下に示す(1〜35の番号を付す)1種または2種以上の化合物を含む組成物を、随意に薬学的に許容し得る担体と共に含む組成物を提供する:
Figure 2006526567
Figure 2006526567
Figure 2006526567
他の群の態様において、組成物は、ケイ素化合物または有機ケイ素化合物、即ち有機部分に結合した少なくとも1個のケイ素原子を含む化合物を含む。1つの群の態様において、化合物は、1つの構造、例えば:
Figure 2006526567
式中、Z、Z、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲン(例えばニトリル)であり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、JおよびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む、
またはこの1つの塩を有することができる。化合物は、この例においては、少なくとも1個の炭素原子を含み、即ち、Z、Z、ZおよびZの少なくとも1つは、少なくとも1個の炭素原子を含む。ある態様において、Z、Z、ZおよびZは、すべて同時には、HまたはRの1つではなく;Z、Z、ZおよびZは、すべて同時には、酢酸塩ではない。
他の群の態様において、組成物は、1つの構造:
Figure 2006526567
式中、Z、Z、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、JおよびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む、
を有する1つの化合物またはこの1つの塩を含む。いくつかの場合において、Z、Z、ZおよびZの1つ、2つ、3つまたは4つは、各々OHおよび/または酢酸塩であってもよい。他の態様において、この組成物は、ケイ酸塩、例えばケイ酸ナトリウムおよび/またはメタケイ酸塩、例えばメタケイ酸ナトリウムなどを含む。
他の群の態様において、化合物は、構造、例えば:
Figure 2006526567
式中、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、JおよびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む、
またはこの1つの塩を有することができる。この構造において、Aは、炭素原子およびケイ素原子の少なくとも1つを有する部分である。EおよびEの各々は(適用可能である場合には)、独立して、(a)OおよびNJの1つ、または(b)Siが部分Aに共有結合するように不存在のいずれかである。Jは、Hであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む。ある例において、EおよびEは(適用可能である場合には)、共に不存在ではなく、Siは、不存在ではないAおよびEまたはEに結合していることができる。
尚他の群の態様において、化合物は、環状有機ケイ素化合物であってもよい。いくつかの場合において、1つよりも多い環が、例えば二環式またはスピロ環系として、化合物内に存在することができる(即ち、ここで、環は、1個、2個、3個または4個以上の原子を共有する)。いくつかの場合において、二環式またはスピロ構造の2個の環は、各々アルキル部分を含むことができる。例として、化合物は、1つの態様において、構造、例えば:
Figure 2006526567
を有する。
これらの構造において、A、AおよびAの各々は、独立して、1つの炭素原子および1つのケイ素原子の少なくとも1つを有する1つの部分であり、EおよびEの各々は(適用可能である場合には)、独立して、(a)OおよびNJの1つ、または(b)Siが部分Aに共有結合するように不存在のいずれかである。Zは、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含む。いくつかの場合において、EおよびEは、共に不存在ではない。EおよびEは(適用可能である場合には)、独立して、(a)OおよびNJの1つ、または(b)Siが部分Aに共有結合するように不存在のいずれかであってもよい。各々のJは、独立して、Hであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む。いくつかの場合において、本発明の組成物は、前述の化学構造のすべての塩を含むことができる。
いくつかの場合において、環状有機ケイ素化合物は、1つまたは2つ以上の加水分解可能な構造を含むことができ、例えば、本発明の化合物を、例えば生理学的条件に曝露することにより、加水分解して、シラノール、シランジオールまたはシラントリオールを形成することができる。例えば、環状有機ケイ素化合物は、加水分解されて水酸化物を生成するエステルまたはアミン部分を含むことができ、従ってこれにより、環状有機ケイ素化合物の1つまたは2つ以上の環を開環することができる。
尚他の群の態様において、この化合物は、少なくとも2個のケイ素原子を有する構造であってもよい。いくつかの場合において、化合物は、ポリマー、例えば以下にさらに記載するように、少なくとも1個のケイ素原子を有する繰り返し単位を有するポリマーであってもよい。いくつかの場合において、化合物は、1つの構造、例えば:
Figure 2006526567
式中、Y、YおよびYの各々は、独立して、少なくとも1個の炭素原子を含む相互に結合する部分(例えばアルキル部分、アリール部分、環状部分など)であり、Z、Z、Z、Z、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、JおよびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む、
またはこの1つの塩を有する。E、E、EおよびEの各々は(適用可能である場合には)、独立して、(a)OおよびNJの1つ、または(b)SiがY部分に共有結合するように不存在のいずれかである。Jは、Hであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含むことができる。典型的には、少なくとも1つのE部分が、構造内に存在する。
上記した態様のすべてにおいて、Z、Z、Z、Z、ZおよびZのいずれか1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つは(適用可能である場合には)、各々独立して、ハロゲン(X)、例えばF、Cl、Br、Iなどまたはプソイドハロゲンであってもよい。いくつかの場合において、ハロゲンまたはプソイドハロゲンは、生理学的条件下でOHに加水分解可能であり得る。
他の群の態様において、Z、Z、Z、Z、ZおよびZのいずれか1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つは(適用可能である場合には)、各々独立して、水酸化物(OH)、またはアルコキシ(OR、式中Rは、少なくとも1個の炭素原子を含む)であってもよい。いくつかの例において、水酸化物を、生理学的条件下で脱プロトンすることができる(即ちOに)。いくつかの場合において、アルコキシは、加水分解可能であって(例えば被検者内で)水酸化物を形成することができる。アルコキシ部分の非限定的例は、メトキシ(OMe)、エトキシ(OEt)、プロポキシ(OPr)、イソプロポキシ、ブトキシ(OBu)、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、アセトキシ(OAc)などを含む。アルコキシ部分は、いくつかの場合において置換アルコキシ部分、例えばクロロメトキシまたはブロモクロロメトキシ部分であってもよい。
、Z、Z、Z、ZおよびZのいずれか1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つは(適用可能である場合には)、各々独立して、すべての上記した態様において少なくとも1個の炭素原子を含む部分であってもよい。例えば、Rは、アルキル(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、イソオクチルなど)、シクロアルキル、芳香族部分(例えばフェニル、ベンジル、置換フェニルまたはベンジルなど)、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル(例えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピルなど)、シアノアルキル(即ち少なくとも1つのCNを含むアルキル、例えばシアノエチル、シアノプロピル、シアノブチルなど)であってもよい。ニトリルを含む部分(例えばエチルニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリルなど)は、いくつかの場合において特に有用であり得る。ニトリル部分により、化合物が、金属イオン、例えばアルミニウムに結合することが可能になり得る。
いくつかの場合において、ニトリル部分により、例えば以下にさらに記載するように、血液−脳障壁を横断しての化合物の輸送または浸透が促進され得る。いくつかの態様において、アルキル部分は、さらに、1つまたは2つ以上の側部分を含むことができる。側部分は、すべての非水素原子または部分、例えばアルキル部分、例えばメチル部分またはシクロアルキル部分であってもよい。側部分(または複数の部分)を、例えば、化合物の検出を可能にするように、化合物がある程度の疎水性または他の物理的特性を有することが可能であるように、化合物がある代謝機能を有することが可能であるように、化合物がある免疫学的特性を有することが可能であるようになどで選択することができる。1つの群の態様において、疎水性側鎖を、化合物、例えばアルキル部分、環状部分またはアリール部分に結合させる。いくつかの場合において、環状部分は、不飽和構造、例えばシクロヘキシル構造であってもよい。
上記した態様のすべてにおいて、化合物は、ホスホノ部分、即ち構造:
Figure 2006526567
を有する部分を含むことができる。いくつかの場合において、例えば、ある生理学的条件下で、ホスホノ部分内の一方または両方のOH部分を、Oに加水分解することができる。いくつかの例において、ホスホノ部分により、化合物が、金属イオン、例えばアルミニウムに結合することが可能になり得る。
上記した態様のすべてにおいて、Z、Z、Z、Z、ZおよびZのいずれか1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つは(適用可能である場合には)、各々独立して、窒素含有部分、例えばアミン、ヒドロキシルアミン、オキシム、ニトロ部分などを含むことができる。1つの例として、窒素含有部分は、例えばスルホンアミドにおいて、即ち構造N−SO−Arとして窒素原子に結合することができる硫黄原子を含むことができ、ここで、Arは、アリール(ヘテロアリールを含む)部分である(明確化のために、結合を除去した)。他の例において、窒素含有部分は、例えばヒドロキシルアミン(N−OH)、オキシム(N−OR、Rは少なくとも1個の炭素原子を含む)またはニトロ部分(NO)において、窒素原子に結合することができる酸素原子を含むことができる。尚他の例において、窒素含有部分は、例えばヒドラジド(N−NH)、置換ヒドラジド(N−NHJまたはN−NHJ、各々のJは、炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子の少なくとも1つを含む、例えばアシル、スルホニルなど)などにおいて、互いに結合することができる2個の窒素原子を含むことができる。
上記した態様のすべてにおいて、Z、Z、Z、Z、ZおよびZのいずれか1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つは(適用可能である場合には)、各々独立して、式NJを有し、式中JおよびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む。JおよびJは、各々、炭素および水素原子以外の原子、例えば硫黄、窒素または酸素を含むことができる。1つの例として、NJは、アミンであってもよい。いくつかの場合において、アミンのNは、Siに共有結合していてもよい。しかし、他の場合において、アミンのNは、Siに共有結合していなくてもよく、1個または2個以上の炭素原子が、アミンのNをSiに結合させていてもよい(即ち、アミノシクロアルキル部分、例えばアミノアリール部分、またはアミノアルキル部分、例えばアミノプロピル、アミノブチル、アミノペンチルなど)。アミンは、第一アミン、第二アミン、第三アミンまたは第四アミンであってもよい。
1つの群の態様において、少なくとも1つのアミノアルキルおよび/またはアミノアリール部分を、アミン部分が、化合物のケイ素原子に共有結合した1つまたは2つ以上の水酸化物部分と相互作用することができるように選択する。アミノアルキルおよび/またはアミノアリール部分の水酸化物部分(これは、例えば、OHまたはOとして存在し得る)との相互作用により、ある例において、化合物が、例えば、溶液中での分解または重合(例えば、水中での自発的重合)に対して安定化され得る。溶液中での顕著な、または検出可能な分解または重合は、例えば、化合物内の自己相互作用により防止され得、これにより、化合物の隣接する分子への実質的な、および/または安定な重合が防止または阻害され得る。例えば、化合物は、構造、例えば:
Figure 2006526567
式中、Aは、窒素原子と水酸化物との間の実質的な相互作用が生じる(
Figure 2006526567
により示す)ことを可能にするすべてのアルキルおよび/またはアリール部分であり、J、JおよびJの各々は、独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む、
を有することができるか、または体内で加水分解もしくはプロトン化されて、この構造を形成することができる。
好適なアルキルの例は、前に記載したものを含む。前述の構造において、明瞭の理由により、ケイ素に結合した原子のすべてを描写しているわけではない。例として、アミノアルキル部分において、アミノアルキル部分は、窒素原子とケイ素原子との間に2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を含むことができる。いくつかの場合において、アミノアルキル部分は、アミノプロピル、アミノブチルまたはアミノイソブチルなどであってもよい。アミノアルキル部分を有する化合物の非限定的な例には、以下のものが含まれる:
Figure 2006526567
いくつかの態様において、アミノアルキル部分は、例えばビス(アミノアルキル)アルキル部分またはトリス(アミノアルキル)アルキル部分におけるように、1つより多いアミノ部分を含むことができる。このような構造を有する化合物の例には、以下のものが含まれるが、これらには限定されない:
Figure 2006526567
これらの構造において、明瞭の理由により、ケイ素に結合した元素のすべてを示しているわけではない。これらのおよび他のアミノアルキル部分の組み合わせ、例えばビス(ジメチルアミノエチル)(トリメチルアミノエチル)エチル部分はまた、想像される。
他の例は、以下の構造により提供される:
Figure 2006526567
これらの構造において、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、JおよびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む。J10、J11、J12およびJ13の各々は、独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む。いくつかの場合において、ZおよびZは、各々独立して、1つのハロゲンもしくは1つのプソイドハロゲン、例えば塩素もしくはCNであるか、またはアルコキシ、例えばメトキシであってもよい。ある態様において、J10、J11、J12およびJ13の各々は、独立してアルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルなどであってもよい。
他の例において、化合物のアミノアルキル部分は、環状構造(即ちアミノシクロアルキル部分)、例えばアリール部分、飽和または不飽和環状部分、ヘテロアリール部分などを含むことができる。アミノシクロアルキル部分は、随意に、例えばアリール部分またはシクロアルキル部分とケイ素原子との間に、1つまたは2つ以上のアルキル部分を含むことができる。アミノシクロアルキル化合物の非限定的な例には、以下のものが含まれる:
Figure 2006526567
前述の構造において、各々のAkは、独立してアルキルを含み、各々のArは、独立してアリール(例えばアミノアリール)を含み、Jは、独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む。いくつかの場合において、ケイ素組成物は、前に記載したアミンを含む、アミノアルキルおよびアミノシクロアルキルの両方を含むことができる。
1つの群の態様において、化合物は、アミノケイ素化合物またはこの塩、即ち窒素原子が、ケイ素原子に共有結合している化合物である。化合物は、例えば、シラノール、シランジオールもしくはシラントリオールまたは例えば生理学的条件下での加水分解によりシラノール、シランジオールもしくはシラントリオールを形成することができる化合物であってもよい。アミノケイ素化合物は、いくつかの場合において環状である。環状アミノケイ素化合物の非限定的な例は、以下のものを含む:
Figure 2006526567
これらの構造において、Aは、炭素原子およびケイ素原子の少なくとも1つを有する部分(例えばアルキル、シクロアルキル、アリールなど)であり、各々のJは、独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む。前述の構造において、明瞭の理由により、ケイ素に結合した原子のすべてを描写しているわけではない。
環状アミノケイ素化合物の特定の非限定的な例は、以下のものを含む:
Figure 2006526567
これらの構造において、各々のZは、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含む。各々のJは、独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む。各々のY部分は、独立して、少なくとも1個の原子(例えば水素、ハロゲン、プソイドハロゲン、アルキル部分、アリール部分、環状部分など)を含む。
上記した態様のすべてにおいて、Z、Z、Z、Z、ZおよびZのいずれか1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つは(適用可能である場合には)、各々独立して、ケイ素原子を含む。従って、化合物は、この構造内に、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個などのケイ素原子を有することができる。1つの態様において、化合物はポリマーである。この構造内に2個のケイ素原子を有する化合物の例は:
Figure 2006526567
であり、式中、Z、Z、Z、Z、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、JおよびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む。
いくつかの場合において、化合物は、複数の水酸化ケイ素部分が同時にアルミニウムまたは他の金属イオンと相互作用するのを可能にする構造を有することができるか、または生理学的条件下で加水分解されて該構造を形成するのを可能にする構造を有する。図式的な非限定的な例を、以下に例示し、ここで、Mは、金属イオンの位置を示し、例示した構造中の各々のR部分は、独立して、ケイ素原子と相互に結合する少なくとも1個の原子(例えばアルキル部分、アリール部分、環状部分、アミンなど)を含む。ZおよびZは、各々独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、JおよびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む。これらの非限定的な例において、SiOの金属イオンとの(非共有的)相互作用を、
Figure 2006526567
により示す:
Figure 2006526567
このような構造の非限定的な例には、以下のものが含まれる:
Figure 2006526567
これらの構造において、Yは、少なくとも1個の原子(例えば水素、ハロゲン、プソイドハロゲン、アルキル部分、アリール部分、環状部分など)を含む。
ある場合において、化合物は、少なくとも1個のケイ素原子を含む繰り返し単位を有するポリマーである。いくつかの場合において、ケイ素は、前に記載したように官能化されていてもよい(例えば、繰り返し単位のケイ素原子は、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つまたは2つ以上に共有結合していてもよく、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、JおよびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む)。例えば、1つの態様において、化合物は、シラノール、シランジオールもしくはシラントリオール官能性を有する繰り返し単位を含むポリマーであるか、またはポリマーは、加水分解されてシラノール、シランジオールもしくはシラントリオール官能性を形成することができる繰り返し単位を含む。
非限定的な例には、以下のものが含まれる:
Figure 2006526567
これらの構造において、Yは、少なくとも1個の原子(例えば水素、ハロゲン、プソイドハロゲン、アルキル部分、アリール部分、環状部分など)を含み、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、nおよびmは、正の整数である。ポリマーが、コポリマーである(例えば前に示したように)場合には、コポリマーは、例えば、ブロックコポリマー、ランダムコポリマー、交互コポリマー、グラフトコポリマーなどであってもよい。
1つの群の態様において、本発明の化合物は、少なくとも1つのエステル部分を有する環状有機ケイ素化合物またはこの塩である。このような化合物の非限定的な例には、以下のものが含まれる:
Figure 2006526567
これらの構造において、各々のAは、独立して、炭素原子およびケイ素原子の少なくとも1個を有する部分であり、各々のZは、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、JおよびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む。いくつかの場合において、各々のAは、化合物を一層疎水性に、もしくは一層疎水性ではなくするように、および/または血液−脳障壁を横断しての化合物の通過を促進するように選択することができる。
本発明の環状有機ケイ素エステルの非限定的な例には、以下のものが含まれる:
Figure 2006526567
前述の構造において、ZおよびZは、各々独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、JおよびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む。前述の構造において、明瞭の理由により、ケイ素に結合した原子のすべてを描写しているわけではない。
他の例において、化合物は、構造:
Figure 2006526567
式中、A、A、A、A、A、A、A、A、A、A10、A11およびA12の各々は、独立して、Hであるかまたは少なくとも1個の炭素原子を含む、
を有する。明瞭の理由により、ケイ素に結合した原子のすべてを描写しているわけではない。いくつかの場合において、Aの各々を、オキサシリナン環の共通の炭素原子により接合された2つのA部分が同一であるように、選択することができる。ある場合において、Aの各々を、化合物が対照的もしくは非キラルであるように、または化合物が、非対照もしくはキラルであるように選択することができる。1つの態様において、各々のAは、Hまたはアルキル部分、例えばメチル、エチル、プロピルなどのいずれかである。
前に記載したように、化合物は、いくつかの態様において1個よりも多いケイ素原子を有することができる。追加の非限定的な例には、以下のものが含まれる:
Figure 2006526567
これらの構造において、Z、Z、Z、Z、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、JおよびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む。
尚他の観点において、本発明の化合物は、体内の生理学的条件下で正に帯電し(本明細書中では記号
Figure 2006526567
により図式的に表す)、これにより、分子を、いくつかの場合において一層小さい程度に帯電させるか、または双性イオン性とする(即ち、分子が、正に帯電した部分と負に帯電した部分とを有するか、または分子が、正味の双極子モーメントを有する)部分を有することができる。一層小さい程度に帯電した化合物により、いくつかの場合において、例えば血液−脳障壁を横断して、または細胞膜を横断して、化合物の脳中への輸送が促進され得る。例えば、化合物は:
Figure 2006526567
式中、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、JおよびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む、
により表され得る。いくつかの場合において、化合物は、塩として存在することができる。
1つの群の態様において、
Figure 2006526567
は、アミン部分である。例えば、アミン部分の窒素原子は、化合物の1つの部分上に位置することができ、これにより、ある生理学的溶液または条件に曝露した際に、化合物の当該部分に正の電荷が付与され得る。好適なアミンの例には、上記したものが含まれる。アミンは、第一アミン、第二アミン、第三アミンまたは第四アミンであってもよい。例えば、アミンが第三アミンである場合には、アミンは、ジメチルアミン、エチルメチルアミン、プロピルメチルアミン、ジエチルアミンなどであってもよい。特定の非限定的な例には、ビス(ジアルキルアミノアルキル)シランジオール、ビス(トリアルキルアミノアルキル)シランジオールまたはトリス(トリアルキルアミノアルキル)シラントリオールが含まれる。1つよりも多いアミン部分が、化合物内に存在する場合には、アミンは、各々同一であっても異なっていてもよい。(例えば生理学的条件下で)正の電荷を付与することができる他の部分には、例えば、アミジン、グアニジン、アリールアミン、ヘテロアリールアミン、ピリジン、イミダゾールなどが含まれる。
本発明の化合物内で生理学的条件下で正に帯電され得る1つまたは2つ以上の部分の組み合わせ、例えばアミン部分およびグアニジン部分、グアニジン部分およびピリジンを有する化合物などがまた、想像される。当然、分子が帯電している際には、化合物が正に帯電している場合には、1つまたは2つ以上の対イオン、例えば有機または無機陰イオン、例えば塩化物、フッ化物、臭化物、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩などがまた存在するか、またはこの化合物と関連することができる。このような化合物の特定の非限定的な例には、以下のものが含まれる:
Figure 2006526567
他の観点において、化合物は、化合物の器官中への、または血液−脳障壁を横断しての輸送を促進する構造を有することができる。1つの群の態様において、化合物を、化合物の器官中への、あるいは血液−脳障壁を横断しての(例えば、拡散による、または輸送系、例えば輸送タンパク質もしくはイオンチャネルを用いての)輸送を促進する組成物の疎水性を最適化するように、設計することができる。いくつかの場合において、器官中に、または血液−脳障壁を横断して移動する化合物の能力は、化合物が、金属イオン、例えばアルミニウムに結合した際に、あるいは化合物が、脳もしくは他の器官に進入したか、または輸送中である(即ち、血液−脳障壁を形成する細胞内にあるなど)際には、失われ得る。他の場合において、化合物は、金属イオンと結合した際に、器官中に、または血液−脳障壁を横断して移動するこの能力を維持するかまたは改善することができる。
1つの群の態様において、正の、負のおよび/または疎水性の部分を、化合物に結合させて、化合物の選択された疎水性および/または選択された電気的双極子モーメントを達成することができる。化合物の疎水性は、通常の当業者により、すべての好適な試験を用いて、例えば化合物を、二相液体系、例えば水−オクタノール系、または通常の当業者に知られている他の好適な系において分割することにより、決定され得る。例えば、化合物の疎水性を、化合物を水−オクタノール系において分割させ、水相に対するオクタノール相中の化合物の百分率を決定することにより、決定することができる(例えば、質量基準あたりまたは他の定量的測定において)。水−オクタノール分割係数を、ある例において血液−脳障壁の浸透を最適化するように選択することができ、実際の生理学的条件に依存し得る。例えば、Lohmann, et al., "Predicting Blood-Brain Barrier Permeability of Drugs: Evaluation of Different In Vitro Assays," J. Drug Targeting, 10(4): 263-276, 2002を参照。
いくつかの場合において、疎水性化合物についてのオクタノール/水分割比は、少なくとも約1.25:1(オクタノール:水)、少なくとも約1.5:1、少なくとも約1.75:1、少なくとも約2:1、少なくとも約5:1、少なくとも約10:1、少なくとも約20:1、少なくとも約50:1、少なくとも約100:1、少なくとも約300:1または少なくとも約1000:1またはこれ以上である。いくつかの場合において、疎水性化合物は、一層容易に、血液−脳障壁または他の同様の障壁もしくは膜を横断して、脳または他の器官中に進入することができる。従って、1つの態様において、化合物は、1つまたは2つ以上の疎水性または親油性部分、例えばアルキル部分、シクロアルキル部分、アリール部分などを含む。
他の群の態様において、本発明の化合物は、アルミニウムもしくは他の金属イオンに結合することができる(か、またはアルミニウムもしくは他の金属イオンに結合することができるキレート剤を形成することができる)キレート剤を含む。1つの態様において、本発明の化合物は、1つの構造:
Figure 2006526567
式中、Xは、アルミニウムもしくは他の金属イオンに結合することができる1つのキレート剤であるか、またはアルミニウムもしくは他の金属イオンに結合することができる1つのキレート剤を形成することができる、
を有する。さらに、Yは、血液−脳障壁を横断しての化合物(またはこの一部)の輸送を促進することができる構造であり、構造
Figure 2006526567
は、少なくとも1つの化学結合を含み、構造−は、生理学的条件下で、例えば脳、血液−脳障壁内で、または血流内で加水分解され得る部分である。いくつかの場合において、構造
Figure 2006526567
は、構造Xおよび構造Yを結合する少なくとも1個の原子を含む(例えば、構造
Figure 2006526567
は、XとYとの間を架橋する2個の原子、XとYとの間を架橋する3個の原子、XとYとの間を架橋する4個の原子、XとYとの間を架橋する5個の原子などを含むことができる)。
XとYとを相互に結合させる好適な加水分解可能な構造には、例えば前に記載したように、例えば、アルコキシド部分、エステル部分またはエーテル部分が含まれる。他の好適な加水分解可能な構造は、通常の当業者に知られている。いくつかの場合において、加水分解可能な構造を、(例えば前述の構造において、Yの放出によりXが活性化する場合には)脳内の化合物の分解速度を制御するように選択することができる。例えば、Si−F結合を有する化合物は、比較的遅い速度で加水分解され得、一方Si−ClまたはSi−Br結合を有する化合物は、比較的速い速度で加水分解され得る。分解の遅い速度は、いくつかの場合において、例えば化合物のゆっくりとした、または制御された放出が望ましい際に、望ましい場合がある。種々のハロゲンを有する種々の化合物を、また、一緒に投与して、ある場合において、短期間および長期間の活性を提供することができる。
例として、1つの態様において、Yは、血液−脳障壁の成分を標的して、例えば内因性輸送経路による輸送を、タンパク質または標的された内因性輸送タンパク質により天然に輸送される他の物質を模擬することにより促進することができる標的部分である。例えば、組成物を、ヘキソース輸送体、モノカルボン酸塩輸送体、アミノ酸輸送体、グルコース輸送体、ペプチド輸送体(例えばエンケファリン、バソプレシン、アパミンなどのための輸送体)、タンパク質輸送体(例えばトランスフェリン)などのための基質を模擬するように選択することができる。例えば、炭水化物輸送体を用いた、血液−脳障壁を横断しての輸送を目的とする本発明の化合物は:
Figure 2006526567
などの構造を有することができる。
これらの構造において、Z、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含む。各々のJは、独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含み、Yは、相互に結合する部分(例えばアルキル部分、アリール部分、環状部分など)であり、Cbは、炭水化物部分(またはこの一部)を含む。いくつかの場合において、Cbは、実質的に炭水化物またはこの一部から由来する実体である。例えば、炭水化物のアミノケイ素組成物またはアミド化されたケイ素化合物との反応を用いて、化合物の組成物を得ることができる。いくつかの場合において、炭水化物は、アルデヒド糖(「アルドカルボース」)(例えばアルドヘキソースもしくはアルドペントース)またはケトン糖(「ケトカルボース」)(例えばケトヘキソースもしくはケトペントース)、またはアルドカルボースもしくはケトカルボースから由来する部分であってもよい。例えば、炭水化物は、アミド化、アミノ化、エステル化などされていてもよい。他の炭水化物誘導体化反応は、通常の当業者に知られている。いくつかの場合において、炭水化物の少なくとも一部は、アルデヒド糖またはケトン糖であってもよい。
他の例として、化合物は:
Figure 2006526567
などの構造を有することができる。これらの構造において、Z、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含む。また、各々のJは、独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含み、Yは、相互に結合する部分(例えばアルキル部分、アリール部分、環状部分など)であり、Aaは、1種もしくは2種以上のアミノ酸(即ち、nは、1、2、3、ペプチド、タンパク質などであってもよい)および/または1種もしくは2種以上のアミノ酸誘導体を含む。いくつかの場合において、nは、約50より小さい、約20より小さい、約10より小さい正の整数であってもよい。
このような化合物を、例えば、好適なアミノケイ素化合物を炭水化物、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ホルモン、神経伝達物質などと、通常の当業者に知られているカップリング反応を用いて反応させることにより、調製することができる。
他の群の態様において、本発明の化合物を、ウイルス、例えば脳または他の器官を標的するウイルス中に包装するかまたは導入することができる。例えば、ウイルスに、シラノール、シランジオールもしくはシラントリオールおよび/または加水分解によりシラノール、シランジオールもしくはシラントリオールを形成し、および/またはウイルスから放出することができる化合物を負荷させることができる。いくつかの場合において、ウイルスを、ウイルスのウイルス外被を本発明の1種または2種以上の化合物の存在下で組み立て、これによりウイルスの本発明の化合物での内部的な負荷を促進することにより、調製することができる。
尚他の観点において、化合物は、検出可能な部分、即ち、例えばインビボで、またはインビトロで外部検出を促進する部分を有することができる。例えば、化合物の一部を、放射活性的に、および/または蛍光的に標識することができる。このような化合物を、通常の当業者に知られているカップリング反応を用いて調製することができる。例として、構造:
Figure 2006526567
を有する化合物を、蛍光部分上の、またはこれに結合したアシル、イソシアネートまたはイソチオシアネート部分と反応させ、これにより検出可能な化合物を得ることができる。
他の例において、構造:
Figure 2006526567
を有する化合物を、蛍光部分上の、またはこれに結合したNH、SHまたはOH部分と反応させて、検出可能な化合物を得ることができる。前述の構造において、各々のZは、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、Xは、1つのハロゲンまたは1つのプソイドハロゲンであり、Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、JおよびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む。Yは、SiおよびNに相互に結合する部分(例えばアルキル部分、アリール部分、環状部分など)である。通常の当業者は、前述の構造において用いるのに適する蛍光標識を知っている。1つの特定の例として、蛍光標識は、FITCまたはFITC誘導体、フルオレセイン、GFPなどであってもよい。
検出可能な部分は、他の群の態様において、放射活性原子、例えばH、14C、33P、32P、125I、131I、35Sなどを含む。通常の当業者は、放射活性標識を本発明の化合物中に導入する好適な方法を知っている。1つの特定の例として、検出可能な部分がトリチウム(HまたはT)である場合には、トリチウムを、化合物中に、還元反応を用いて導入することができる。例えば、トリチウム化された水素化リチウムアルミニウム(例えばLiAlT、LiAlHT、LiAlHおよび/またはLiAlHT)を、官能性部分と反応させ、官能性部分の還元およびトリチウム標識の化合物中への導入をもたらすことができる。
有用な還元反応の非限定的な例には、以下のものが含まれる:
Figure 2006526567
前述の構造において、各々のR(またはRおよびRを有する構造について、RおよびRの少なくとも1つ)は、少なくとも1個のケイ素原子を含む。前述の構造におけるすべてのTについて、実際の反応生成物は、標識された(トリチウム化された)、および標識されていない水素原子の混合物を含むことを理解するべきである。
本発明の1つの観点において、本発明の組成物を、被検者の細胞を横断しての輸送についてアッセイすることができる。1つの群の態様において、細胞は、血液−脳障壁のモデルとなるために用いることができる細胞、例えばCaco−2細胞またはbMVEC細胞(「ウシ微小血管上皮細胞」)である。例えば、細胞の単層を横断しての本発明の組成物の輸送を用いて、組成物(またはこの一部)の、血液−脳障壁を横断しての輸送または取り込み速度を決定または予測することができる。組成物の輸送を、例えば、CDまたは同様の手法、例えば原子吸収、分光学、質量分光学、放射活性トレーサー測定などを用いて決定することができる。
いくつかの場合において、本発明の組成物を、細胞の単層を横断してのこの輸送挙動により決定することができ、即ち、本発明の組成物を、細胞単層を横断して、実質的な速度で輸送することができる。従って、血液−脳障壁(または他の膜)を「横断することができる」組成物を、いくつかの場合において、細胞、例えばCaco−2細胞またはbMVEC細胞の単層を横断する化合物の能力により決定することができる。好適な細胞モデルの他の例は、Lohmann, et al., "Predicting Blood-Brain Barrier Permeability of Drugs: Evaluation of Different In Vitro Assays," J. Drug Targeting, 10(4): 263-276, 2002に記載されている。
他の群の態様において、細胞、例えばヒト細胞に対する試験化合物の毒性を、決定する。被検者細胞に対して実質的に無毒性である試験化合物を選択する段階を、提供する。本明細書中で用いる「実質的に無毒性である」は、試験化合物を、被検者に、被検者細胞に対する許容し得る量の損傷を伴って(好ましくは検出可能な損傷を伴わずに)投与することができることを意味する。細胞に対する損傷を、変化した細胞代謝、細胞形態、細胞有糸分裂、壊死、アポトーシスなどにより示すことができる。許容し得る量の損傷を、当業者により、常習的を超えない実験で決定することができる。許容し得る量の損傷は、投与の経路、副作用の危険対投与の利益などに依存し得る。
他の観点において、本発明の組成物および方法を、診断またはアッセイ手法において用いることができる。例えば、本発明の組成物を、アッセイ、例えばアルミニウム検出アッセイまたは金属イオン検出アッセイにおいて用いることができる。既知の、または未知の濃度のアルミニウムまたは他の金属イオンを有する試料を、本発明の組成物を含む溶液に加えることができ、組成物(またはこの一部)のアルミニウムまたは他の金属イオンへの結合の量または程度を、通常の当業者により知られている手法を用いて、例えば円偏光二色性または質量分光学を用いて決定することができる。他の例として、本発明を、細胞培養系において、例えば神経および/または他のタイプの細胞、例えばベータ−アミロイドおよび/または神経フィラメントタンパク質を産生することができる細胞を含む細胞培養において、用いることができる。
1つの群の態様において、本発明の組成物を、随意に既知の、または未知の濃度のアルミニウムまたは他の金属イオンと共に、細胞培養に加え、アルミニウムまたは他の金属イオンと本発明の有機ケイ素組成物との組み合わせの細胞機能に対する正味の効果を、通常の当業者に知られている手法を用いて決定する。他の群の態様において、細胞培養を用いて、試料中のアルミニウム(または他の金属イオン)の濃度を、本発明の方法および組成物を用いて検出および/または決定し、この試料は、いくつかの場合において、生物学的起源の試料であってもよい。1つの態様において、細胞培養、診断またはアッセイを用いて、組成物を被検者に適用する際に、ある特定の結果(例えば遊離のアルミニウムイオンのある濃度)を達成するための適切な投薬を決定することができる。
本発明の他の観点は、本発明の組成物を被検者に投与する方法を提供する。投与される際には、本発明の組成物は、薬学的に許容し得る処方物として治療的に有効な、薬学的に許容し得る量で適用される。本明細書中で用いる用語「薬学的に許容し得る」は、業界において用いられているこの通常の意味を示す。薬学的に許容し得る化合物は、一般的に、処方物の他の物質と適合性であり、一般的に被検者には有害ではない。本発明の組成物(または組成物のプロドラッグ形態)を、被検者に、すべての治療的に有効な用量または処置で投与することができる。「治療的に有効な」用量または量は、前に記載した金属イオンの悪影響、例えば脳中の神経原線維変化または老年性プラークの形成に関連する徴候を少なくとも部分的に防止するかまたは逆転させることができる。治療的に有効な量は、通常の当業者により、例えば、以下にさらに記載する因子を用いて、常習的を超えない実験を用いて、決定され得る。1つの態様において、このようにして処置される被検者は、白血球エラスターゼの阻害により処置可能な疾患または症状を有することを必要としない。
本発明の組成物を被検者に投与するにあたり、投薬量、投薬スケジュール、投与の経路などを、本発明の組成物の既知の活性をもたらすように選択することができる。投与量を、随意に本発明の組成物のアッセイの結果と組み合わせて、実験モデルの結果を基準として推定することができる。投与量を、適切に調整して、投与のモードに依存して、局所的な、または全身的な所望の薬物レベルを達成することができる。用量を、1日あたり1回または数回の投与で与えることができる。いくつかの場合において、組成物の非経口的な投与は、経口投与と比較して、1日あたり1〜数倍低くてもよい。特定の被検者の応答が、このような用量において不十分である場合には、さらに高い用量(または異なる一層局在化された送達経路による有効に一層高い用量)を、被検者の許容性が可能である程度に用いることができる。1日あたりの複数の用量をまた、ある場合において考慮して、被検者内または被検者の活性部位内、例えば脳内の組成物の適切なレベルを達成する。
組成物の被検者への用量を、治療的に有効な量の組成物(またはこの一部、例えば有機ケイ素化合物)が脳または他の活性部位に到達するかまたは進入する程度とすることができる。投与量を、いくつかの場合において、最大の量で与え、一方被検者へのすべての潜在的に不利益な副作用を回避するかまたは最小化することができる。例えば、有機ケイ素組成物の用量は、約0.1mcmol/kg(「マイクロモル」/kg)〜約50mcmol/kg、または約0.5mcmol/kg〜約5.0mcmol/kgであってもよい。実際に投与される組成物の投与量は、活性部位において望ましい最終濃度、被検者への投与の方法、組成物の効能、組成物の被検者内での寿命(即ち半減期)、濃縮体および/またはプラークの形成に関する投与のタイミング、処置の頻度、同時に行うことができる処置の効果などの因子に依存する。
送達された用量はまた、被検者に関連する症状に依存し得、いくつかの場合において、被検者ごとに変化し得る。例えば、被検者の年齢、性別、体重、大きさ、環境、物理的条件または健康の現在の状態もまた、活性部位において必要な用量および/または組成物(もしくはこの一部)の濃度に影響し得る。投薬の変化は、異なる個体間で、またはさらに同一の個体内で、異なる日において生じ得る。最大の用量、即ち妥当な医学的判定による最も高い安全な用量を用いることが、好ましい場合がある。好ましくは、投薬形態は、これが、被検者に実質的に有害に影響しない程度である。従って、被検者に与えられる特定の1または2以上の投与量は、通常の当業者により、常習的を超えない実験を用いて決定され得る。
本発明の組成物の投与を、組成物(またはこの一部)がこの標的に到達するのを可能にする、すべての医学的に許容し得る方法により達成することができる。選択された特定のモードは、当然、特定の組成物、処置される被検者の状態の重篤度または治療効能に必要な投与量などの因子に依存する。本明細書中で用いる処置の「医学的に許容し得る」モードは、臨床的に許容し得ない悪影響を生じずに、被検者内で有効なレベルの組成物(またはこの一部)を産生することができるモードである。「標的」または「活性部位」は、本発明の組成物(またはこの一部)が、金属イオンに結合し、および/または金属イオンと、金属イオンの存在により悪影響を及ぼされた体の成分、例えばベータ−アミロイドまたは神経フィラメントタンパク質との間の相互作用を阻害することができる位置である。金属イオンの阻害は、金属イオンが、錯化するかまたは、悪影響を及ぼされたこのような成分を他の方法で不活性化する前または後に生じ得る。このような標的の非限定的な例には、血流または脳が含まれる。
すべての医学的に許容し得る方法を用いて、組成物を被検者に投与することができる。投与は、処置されるべき症状に依存して、局在化されたか(即ち、特定の領域、生理学的系、組織、器官もしくは細胞のタイプ)または全身的であってもよい。例えば、組成物を、経口的に、膣内に、直腸内に、頬側に、肺に、局所的に、鼻腔内に、非経口注射もしくは移植により経皮的に、手術的投与により、または本発明の組成物による標的への接近が達成されるすべての他の投与の方法で、投与することができる。他の例として、本明細書中に記載したすべての組成物を、脳、脊髄もしくは他の器官中に直接注射することができるか、または組成物を、領域に注射して、例えば脳脊髄液中に注射して、これが、脳、脊髄もしくは他の器官中に輸送されるようにすることができる。本発明で用いることができる非経口様式の例には、静脈内、皮内、皮下、腔内(intracavity)、筋肉内、腹腔内、硬膜外またはくも膜下腔内が含まれる。
移植様式の例には、すべての移植可能な、または注射可能な薬剤送達系が含まれる。1つの態様において、移植可能な送達系は、例えば手術により脳と直接接触させて配置させた、有機ケイ素組成物を含む硬膜下物品である。この物品は、脳内での移植のためのすべての好適な形態、例えばスポンジ、フィルム、毛布、パッド、ウエーハ、ディスクなどを有することができる。ある場合において、物品を、好適な期間が経過した後に、例えば所定の時間、例えば1日、1週間または1カ月後に、取り外す(および随意に、新たな物品と取り替える)ことができる。ある例において、物品を、ある条件が達成された際に、例えばある量の、または百分率の組成物が、物品の外に拡散した後、および/またはある量のアルミニウムが物品に結合した際に、取り外すことができる。他の場合において、物品を、被検者内に永久に残留させることができる。例えば、スポンジは、当該スポンジから、移植により放出させることができるか、またはスポンジ内に固定されたままであってもよい、本発明の1種または2種以上の組成物を含むことができる。
経口投与が、被検者への好都合および投与スケジュールの理由により、いくつかの態様において好ましい場合がある。経口投与に適する組成物を、別個の単位、例えば硬質もしくは軟質カプセル、ピル、カシェ剤、錠剤、トローチまたは薬用キャンデーとして提示することができ、各々は、組成物の所定の量の活性化合物を含む。本発明で用いるのに適する他の経口組成物には、水性または非水性液体中の溶液または懸濁液、例えばシロップ、エリキシル剤またはエマルジョンが含まれる。他の群の態様において、組成物を用いて、食物または飲料の栄養価を高めることができる。
本発明のある態様において、本発明の組成物の投与を、ある期間、例えば時間、日、週、月または年にわたる組成物への連続的な曝露をもたらすように設計することができる。このことを、上記した方法の1つによる組成物の繰り返された投与により、または組成物を、長期間にわたり繰り返された投与を伴わずに送達する、持続されたかもしくは制御された放出送達系により、達成することができる。このような送達系を用いた組成物の投与は、例えば、経口投薬形態、ボーラス注入法、経皮パッチまたは皮下移植によることができる。いくつかの場合において、組成物の実質的に一定の濃度を維持することが、例えば金属イオン、例えばアルミニウムを体中から除去し、金属イオンの腎臓および腸を介しての排出を促進することを可能にするか、または金属イオンにより悪影響を及ぼされた体の成分、例えば神経原線維変化もしくは老年性プラークとの反応を可能にするために、好ましい場合がある。しかし、体内の短期間で高められたレベルの組成物の回避が、いくつかの場合において、例えば非生理学的レベルのケイ素およびケイ素含有化合物の存在下でのケイ酸塩腎臓結石の沈殿を最小化するために望ましい場合がある。
本発明で用いるのに適する他の送達系は(例えば放出動力学の変化および/または制御が望ましい場合には)、時間により放出された、遅延放出、持続放出または制御された放出の送達系を含む。このような系により、多くの場合において、組成物の繰り返された投与が回避され、被検者への好都合が増大し得る。多くのタイプの放出送達系が、入手可能であり、通常の当業者に知られている。これらには、例えば、ポリマー、例えばポリ乳酸および/またはポリグリコール酸、ポリ酸無水物、ポリカプロラクトンおよび/またはこれらの組み合わせに基づく系;ステロール、例えばコレステロール、コレステロールエステルおよび脂肪酸もしくは中性脂肪、例えばモノ、ジおよびトリグリセリドを含む、脂質に基づく非ポリマー系;ヒドロゲル放出系;リポソームに基づく系;リン脂質に基づく系;シラスティック系;ペプチドに基づく系;ろう被膜;慣用の結合剤および添加剤を用いた圧縮錠剤;または部分的に融合した移植片が含まれる。
特定の例には、組成物がマトリックス内の形態で含有される浸食系(例えば米国特許第4,452,775号、4,675,189号および5,736,152号に記載されているように)、または活性成分が放出速度を制御する拡散系(例えば米国特許第3,854,480号、5,133,974号および5,407,686号に記載されているように)が含まれるが、これらには限定されない。処方物は、例えば、微粒子、ヒドロゲル、ポリマー溜、コレステロールマトリックスまたはポリマー系としてであってもよい。いくつかの態様において、系は、組成物の持続されたかまたは制御された放出が、例えば組成物を含む処方物の拡散または浸食/分解速度を制御することにより起こるのを可能にし得る。さらに、ポンプに基づくハードウェア送達系を用いて、本発明の1種または2種以上の態様を送達することができる。
長期間放出移植片を用いることは、本発明のいくつかの態様において特に好適であり得る。本明細書中で用いる「長期間放出」は、組成物を含む移植片が、治療的に有効なレベルの組成物を、少なくとも30日もしくは45日、好ましくは少なくとも60日もしくは90日またはいくつかの場合においてさらに長期間にわたり送達するように構成および調整されていることを意味する。長期間放出移植片は、通常の当業者に十分知られており、上記した放出系のいくつかを含む。
本発明のある態様において、本発明の組成物を、アルツハイマー病もしくは過剰量の金属イオンにより特徴づけられる他の疾患の家族歴を有する被検者、または疾患に対する遺伝子的な素因を有する被検者に投与する。他の態様において、この組成物を、特定の年齢に達した被検者または疾患に罹患する傾向が一層強い被検者に投与する。尚他の態様において、この組成物を、疾患の徴候(例えば初期の、または進行した)を示す被検者に投与することができる。尚他の態様において、この組成物を、被検者に、防止的方策として投与することができる。いくつかの態様において、この組成物を、人口統計的もしくは疫学的研究に基づく被検者、例えばある地理上の区域、例えば高い濃度の金属イオン、例えばアルミニウムが、地下水中に存在する区域に住む人;あるいは特定の分野における人、例えばアルミニウムもしくは鉛工業における作業者、またはアルミニウム化合物もしくは材料を用いる作業者に投与する。
アルツハイマー病は、本発明の組成物での処置の前に通常の当業者により被検者において特徴づけられ得る。例えば、被検者についての生物学的試料、例えば血液試験、尿試験、生検、脊椎穿刺などを、適切な分析手法を用いて分析することができ、イオン(例えば金属イオン、例えばアルミニウム)の濃度を決定し、正常な値と比較することができる。例えば、イオン濃度を、NMR、質量分析法、ICP、発光分光学、蛍光分光分析法、ELISA、化学的染色または指示薬などにより決定することができる。他の例として、被検者を、例えばMRI、CAT走査、X線などを用いて直接試験して、疾患が存在するかまたは存在し得る(即ち、被検者が、疾患に感染しやすい)か否かを決定することができる。他の群の態様において、被検者を、医学的専門家により、常習的な慣例を用いて、アルツハイマー病を有するか、またはこれについての危険があることについて診断することができる。
アルツハイマー病を、例えば、ヒトの一般的な健康状態、過去の医学的問題および/または被検者が毎日の活動を行うにあたり有する困難などの情報を含む医学的履歴;医学的試験、例えば血液、尿もしくは髄液の試験;神経心理学的試験、例えば記憶、問題解決、注意、計数および言語試験;および/または例えば脳波、MRI、CATまたはPET走査を用いた脳走査;並びに挙動的指標、例えば記憶喪失、人格変化、痴呆、言語行動問題、認知または推論問題、摂食問題、失調症、運動制御問題などを考慮することにより、診断することができる。また、研究試験により、脳脊髄液(CSF)ベータ−アミロイドレベルの一般的な低下が示され、タウタンパク質の増大は、疾患を有するかまたはこの危険にある被検者を示す。前述の症状の少なくともいくつかの改善または停止を、本発明の組成物の有効性と関連させることができる。当然、有効性を、前に列挙したものを含むが、これらには限定されない、当業者に知られている手法のすべてにより、測定することができる。
Harrison's Principles of Internal Medicine, 第15版、CD-ROM, McGraw-Hill, 2001
本発明の組成物(または組成物のプロドラッグ形態)の投与は、単独であっても、他の治療剤および/または組成物(例えばアルツハイマー病もしくは過剰量の金属イオンにより特徴づけられる他の疾患を処置するために用いることができる他の剤もしくは組成物)と組み合わせてもよい。ある態様において、本発明の組成物を、好適な薬学的に許容し得る担体と、例えばリポソーム中に導入して、ポリマー放出系中に導入して、または例えば溶解した形態もしくはコロイド状形態において液体中に懸濁させて、混ぜ合わせることができる。担体は、適用に依存して、可溶性または不溶性のいずれでもよい。薬学的に許容可能であり得る本発明の組成物には、活性化合物のみならず、活性化合物と共に用いることができる処方物成分、例えば塩、担体、緩衝剤、乳化剤、希釈剤、添加剤、キレート剤、乾燥剤、酸化防止剤、抗菌剤、保存剤、結合剤、増量剤、可溶化剤または安定剤も含まれる。例えば、処方物が液体である場合には、担体は、溶媒、部分的な溶媒または非溶媒であってもよく、水性または有機に基づくものであってもよい。
好適な処方成分の例には、希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、カオリン、リン酸カルシウムもしくはリン酸ナトリウム;顆粒化剤および崩壊剤、例えばコーンスターチもしくはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチンもしくはアカシア;潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸もしくはタルク;時間遅延材料、例えばモノステアリン酸グリセロールもしくはジステアリン酸グリセロール;懸濁剤、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン;分散もしくは湿潤剤、例えばレシチンもしくは他の天然に存在するホスファチド;増粘剤、例えばセチルアルコールもしくは密ろう;緩衝剤、例えば酢酸およびこの塩、クエン酸およびこの塩、ホウ酸およびこの塩もしくはリン酸およびこの塩;または保存剤、例えば塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、パラベンもしくはチメロサールが含まれる。好適な担体濃度を、常習的を超えない実験を用いて、通常の当業者により決定することができる。本発明の組成物を、固体、半固体、液体または気体状形態、例えば錠剤、カプセル、エリキシル剤、粉末、顆粒、軟膏、溶液、保管場所(depositories)、吸入剤または注射可能剤で、製剤に処方することができる。通常の当業者は、他の好適な処方製剤を知っているか、またはこれを、常習的な実験のみを用いて確認することができる。
一般的に、本発明において用いるのに適する薬学的に許容し得る担体は、通常の当業者に十分知られている。本明細書中で用いる「薬学的に許容し得る担体」は、投与されるべき1種または2種以上の活性化合物の生物学的活性の有効性に顕著に干渉せず、例えば使用前に組成物内の1種または2種以上の活性化合物を安定化または保護するために、処方成分として用いられる無毒性物質を意味する。用語「担体」は、天然または合成であってもよく、本発明の1種または2種以上の活性化合物を混ぜ合わせて、組成物の適用を促進する、有機または無機成分を示す。担体を、本発明の1種または2種以上の活性化合物と、および互いに、実質的に所望の薬学的効能を損なう相互作用がないように、混合する(co-mingle)かまたは他の方法で混合することができる。薬学的に許容し得る担体には、例えば、希釈剤、乳化剤、充填剤、塩、緩衝剤、添加剤、乾燥剤、酸化防止剤、保存剤、結合剤、増量剤、キレート剤、安定剤、可溶化剤、シリカおよび業界において十分知られている他の材料が含まれる。
製剤には、ある態様において被検者の血液と等張であり得る、無菌の水性または非水性溶液、懸濁液および乳化剤が含まれる。非水性溶媒の例は、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、例えばオリーブ油、ゴマ油、ココナッツ油、ピーナッツ油、注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルまたは合成モノもしくはジグリセリドを含む固定油である。水性担体には、水、生理的食塩水および緩衝媒体を含むアルコール性/水性溶液、エマルジョンまたは懸濁液が含まれる。非経口ビヒクルには、塩化ナトリウム溶液、1,3−ブタンジオール、リンゲルのデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸化されたリンゲルまたは固定油が含まれる。静脈内ビヒクルには、流体および栄養素補充薬、電解質補充薬(例えばリンゲルのデキストロースに基づくもの)などが含まれる。保存剤および/または他の添加剤、例えば抗菌剤、酸化防止剤、キレート剤および不活性ガスなどもまた、存在することができる。当業者は、本発明の組成物を調製し、処方するための種々のパラメーターを、過度の実験に頼らずに、容易に決定することができる。
いくつかの態様において、本発明は、本発明の組成物または化合物を、1種または2種以上の補足的な成分を構成することができる好適な担体と関連させるかまたは接触させる段階を含む。最終的な組成物を、すべての好適な手法により、例えば組成物を液体担体、微粉固体担体または両方と、随意に前に記載した1種または2種以上の処方成分と均一に、および密接に関連させ、次に所要に応じて生成物を成形することにより、調製することができる。
いくつかの態様において、本発明の化合物は、薬学的に許容し得る塩として存在することができる。用語「薬学的に許容し得る塩」は、所望の組成物および処置様式内で見出される特定の化合物に依存して、例えば酸または塩基と組み合わせて調製される化合物の塩を含む。薬学的に許容し得る塩を、アルカリ金属塩、例えばリチウム、ナトリウムもしくはカリウム塩として;またはアルカリ土類金属塩、例えばベリリウム、マグネシウムもしくはカルシウム塩として調製することができる。塩を形成するために用いることができる好適な塩基の例には、アンモニウムまたは鉱物塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどが含まれる。
塩を生成するために用いることができる好適な酸の例には、無機または鉱酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸一水素、リン酸、リン酸一水素、リン酸二水素、硫酸、硫酸一水素、亜リン酸などが含まれる。他の好適な酸には、有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、サリチル酸、ギ酸、ナフタレン−2−スルホン酸などが含まれる。尚他の好適な酸には、アミノ酸、例えばアルギン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸などが含まれる。
本発明の1つの観点において、組成物は、相同体、類似体、誘導体、鏡像体および/または本発明の化合物のこれらの官能的に等価な組成物、例えば前述の化合物のすべてを含む。このような相同体、類似体、誘導体、鏡像体およびこの化合物のこれらの官能的に等価な組成物を、アルツハイマー病または金属イオンの存在により特徴づけられる他の疾患を検出するかまたは処置することができる上記したすべてのアッセイ、方法または組成物において用いることができる。「官能的に等価な」は、一般的に、アルツハイマー病または金属イオンの存在により特徴づけられる他の疾患の徴候を示す被検者、このような疾患に感染しやすいか、もしくは他の方法で増大した危険にある被検者、またはこのような疾患の徴候を示さないが、該被検者についてこのような疾患の危険を低下させることが望ましい被検者の処置(例えばワクチン接種または予防処置)が可能である組成物を意味する。
通常の当業者は、条件を、このような相同体、類似体、誘導体、鏡像体および官能的に等価な組成物を調製する方法で操作することができることが、理解される。従って、基本化合物とほぼ同等に有効であるかまたはこれよりも有効である相同体、類似体、誘導体、鏡像体および/または官能的に等価な組成物はまた、本発明の方法において用いられることが意図される。このような組成物の合成を、典型的な化学的修飾方法、例えば業界において常習的に行われているものにより、達成することができる。
本発明の他の観点は、本発明の組成物(またはこの一部)のすべてを提供し、組成物に対する組み合わせ合成を行って、好ましくは相同体、類似体、誘導体、鏡像体および組成物のこれらの官能的に等価な組成物を得ることを含む方法を含む。アッセイを、相同体、類似体、誘導体、鏡像体または官能的に等価な組成物について行って、アルツハイマー病または金属イオンの存在により特徴づけられる他の疾患の処置、防止または阻害におけるこの有効性を決定することができる。組み合わせ合成は、本明細書中に記載した複数の組成物に、通常の当業者に知られている手法を用いて組み合わせ合成を施すことを含むことができる。
本発明はまた、アルツハイマー病または金属イオンの存在により特徴づけられる他の疾患の処置に有用であり、随意にこのような疾患の処置のための組成物を用いるための指示を含む、キット中に包装された前述の組成物のすべてを提供する。即ち、キットは、アルツハイマー病または金属イオンの存在により特徴づけられる他の疾患と関連する、本明細書中に開示したすべての生物学的または化学的機構への関与のための組成物の使用の記載を含むことができる。キットは、本明細書中に記載した組成物の使用の記載を含むことができる。キットはまた、2種または3種以上の本発明の組成物の組み合わせを用いるための指示を含むことができる。また、指示には、薬剤を、前に記載したすべての好適な手法により投与することを付与することができる。
本発明はまた、いくつかの態様において、アルツハイマー病または金属イオンの存在により特徴づけられる他の疾患の、本明細書中に記載したすべての手法および組成物による処置の促進を含む。本明細書中で用いる「促進される」は、例えば本明細書中に記載した、本発明の方法および組成物と関連し得る、販売、広告、譲渡、許諾、契約、指示、教育、研究、輸入、輸出、協定、助成、貸し付け、貿易、行商、転売、流通、交換などを含むがこれらには限定されないビジネスを行うすべての方法を含む。促進はまた、いくつかの場合において、政府機関からの、本発明の組成物を医薬的目的のために販売するための承認を求めることを含むことができる。促進の方法を、ビジネス(公営もしくは民営)、契約もしくは下請け契約機関、教育施設、例えば専門学校および大学、研究施設、病院または他の臨床的施設、政府機関などを含むが、これらには限定されないすべての団体により行うことができる。
促進活動は、本発明に明確に関連するすべての形態の指示または通信(例えば文書の、口頭での、および/または電子的通信、例えばeメール、電話、ファクシミリ、インターネット、ウェブに基づくなどであるが、これらには限定されない)を含むことができる。本明細書中で用いる「指示」は、指示用役(例えば命令、案内、警告、標識、注意、FAQ(「頻繁に質問される質問」)などの成分を定義することができ、典型的に、組成物に対する、またはこれと関連する、および/または組成物の包装に関連する文書の指示、例えばアルツハイマー病または金属イオンの存在により特徴づけられる他の疾患の処置または防止における組成物の使用または投与を含む。指示はまた、使用者が、指示が例えば本明細書中に記載したように組成物と関連するべきであることを明確に認識するように、すべての方法で提供されたすべての形態(例えば口頭、電子的、デジタル、光学的、視覚的など)での指示通信を含むことができる。
本明細書中で用いる「キット」は、本発明の組成物のどれか1つまたは組み合わせおよび/または相同体、類似体、誘導体、鏡像体およびこれらの官能的に等価な組成物並びに指示を含むが、また本発明の組成物並びに、臨床的な専門家が、指示が例えば上記したように特定の組成物と関連するべきであることを明確に認識するように、組成物に関連して提供されたすべての形態での指示を含むことができる、包装を定義する。本明細書中に記載したキットはまた、いくつかの場合において、組成物、例えば上記したものを含むことができる、1つまたは2つ以上の容器を含むことができる。キットはまた、組成物を混合、希釈および/または投与するための指示を含むことができる。キットはまた、1種または2種以上の溶媒、界面活性剤、保存剤および/または希釈剤(例えば生理食塩水(0.9%NaCl)もしくは5%デキストロース)を有する他の容器並びに組成物を混合、希釈または被検者に投与するための容器を含むことができる。
キットの組成物を、すべての好適な形態として、例えば液体溶液として、または乾燥した粉末として提供することができる。提供された組成物が乾燥粉末である際には、組成物を、また提供することができる好適な溶媒を加えることにより再構成することができる。組成物の液体形態を用いる態様において、液体形態を、濃縮するかまたは用いる状態とすることができる。溶媒は、組成物の処方および使用または投与のモードに依存する。薬剤組成物に適する溶媒は、十分知られており、文献中で入手できる。
キットは、1つの群の態様において、区分されて1つまたは2つ以上の容器手段、例えばバイアル、管などに厳密に限定して受ける担体を含むことができ、各々の区分は、本方法において用いるべき別個の要素の1種を含む。例えば、区分の1種は、アッセイのための正の対照を含むことができる。さらに、キットは、組成物の他の成分、例えばアッセイにおいて有用である緩衝液のための容器を含むことができる。
本発明のこれらのおよび他の態様の機能および利点は、以下の例から一層完全に理解される。以下の例は、本発明の利益を例示することを意図するが、本発明の完全な範囲を例示していない。
例1
この例において、円偏光二色性(CD)を用いて、本発明のある化合物に曝露した際の、ヒト神経フィラメントからのモデルペプチドであるNF−M17(glu−glu−lys−gly−lys−ser−pro−val−pro−lys−ser−pro−val−glu−glu−lys−gly)(配列番号1)(図1)の配座の変化を監視した。これらの化合物は、有機シランのあるヒドロキシ誘導体並びにある有機ケイ素化合物のモノオール、ジオールおよびトリオールを含んでいた。これらの化合物を、NF−M17のCDスペクトルをこの最初の形状に回復するこれらの能力について試験した。
実験を、以下のようにして行った。ヒト神経フィラメントの中程度の大きさのサブユニットタンパク質の17個のアミノ酸領域を含むペプチドであるNF−M17を、95%よりも高い純度で合成した。CD滴定のために、ペプチドを、2,2,2−トリフルオロエタノール(TFE)に、0.4mg/ml(0.2mM)の濃度で溶解した。アルミニウム溶液(20mM)をまた、TFE中に調製した。メタケイ酸ナトリウムおよびオルトケイ酸ナトリウムを、水に溶解した。メタケイ酸ナトリウム溶液を、pH6.0に酸性化した。採集された最初のCDスペクトルは、主に、ペプチドについての情報のみを含んでいた。アルミニウムイオンの増加する添加を、8当量(8マイクロリットルの添加)の金属イオンを、ペプチドを含む溶液に添加するまで、行った。次に、8当量のアルミニウムにおける最大の配座の変化を、SiO 4−で滴定した。溶液への添加を、ペプチドモル当量の増加として行い、32当量を超えなかった。各々の添加の後に、CDスペクトルを採集し、分析した。
以下のシラントリオールまたはこれらの前駆体を、試験した:3−アミノプロピルシラントリオール(APST)、3−(トリヒドロキシシリル)プロピルメチルホスホン酸ナトリウム塩(TSPMP)、水中での加水分解の後のn−オクチルトリクロロシラン(OTCS)および水中での加水分解の後の3−シアノプロピルトリクロロシラン(CPTCS)。以下のシランジオールまたはこれらの前駆体もまた、本例において試験した:ジフェニルシランジオール(DPSD)、ヘキシルメチルジクロロシラン(HMDS)、メチルフェニルジクロロシラン(MPDS)、ジクロロジエチルシラン(DCDES)、ジクロロジイソプロピルシラン(DCDIPS)および(ジクロロ)メチルシリルブチロニトリル(DCMSBN)。以下のシラノールまたはこれらの前駆体もまた、試験した:カリウムトリメチルシラノレート(PTMS)、tert−ブチルジメチルシラノール(TBDMS)、トリエチルシラノール(TES)およびベンジルジエチルシラノール(BDS)。APST、DPSDおよびAPTESを、Gelest, Inc. (Tullytown, PA)から得た。TFE、TSPMP、PTMS、TBDMS、TES、TPS、DCDIPS、DCDES、DCMSBNおよびBDSを、Sigma-Aldrich (St. Louis, MO)から得た。OCSおよびCPTCSを、Lancaster Synthesis (Windham, NH)から得た。これらの構造を、図2に示す。
APST(図2A)、TSPMP(図2B)、PTMS(図2K)、TBDMS(図2L)、TES(図2M)およびBDS(図2N)を、各々、TFEに20mMの最終濃度で溶解した。2マイクロリットル〜100マイクロリットルのペプチド溶液の添加は、2当量を表した。
OTCS(図2C)、CPTCS(図2D)、HMDS(図2F)、DCDES(図2H)、DCDIPS(図2I)およびDCMSBN(図2J)を、各々、水中で加水分解し、20mMの最終濃度に希釈した。MPDSを、先ず水中の50%TFEに溶解し、次に20mMの最終濃度とした。MPDS(図2G)を、先ず水中の50%TFEに溶解し、20mMの最終濃度に希釈した。DPSD(図2E)を、先ずジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、次にTFE中の20mMの最終濃度とした。DMSOブランク(ペプチドを含まない)を、各々の希釈(0.04%〜1%)について採集した。
これらの実験の結果を、表1にまとめる、図3および4は、ケイ酸塩イオンの供給源としての、それぞれメタケイ酸ナトリウム九水和物およびオルトケイ酸ナトリウムを用いた対照実験を示す。メタケイ酸ナトリウムについて、CD曲線は、約32当量においてこの最初の形状へのいくらかの戻りを示した(図3D)。しかし、オルトケイ酸ナトリウムは、4当量において開始する最初の形状への戻りを示した(図4C)。16当量の周辺において、オルトケイ酸ナトリウムについてのCDスペクトルは、最初のNF−M17のスペクトルに、形状が類似している(図4D)。
表1
Figure 2006526567
用いたAPST溶液は、水中の22〜25重量%溶液であった。APST溶液は、NF−M17/アルミニウムのCDスペクトルをこの最初の形状に回復することができ、一層高い当量において一層良好な回復を有していた(図5)。APST溶液はまた、オルトケイ酸ナトリウムと比較して、アルミニウムの改善されたキレート化を示した(図6)。
用いたTSPMP溶液は、水中の42重量%溶液であった。このトリオールは、NF−M17の最初のスペクトルを好首尾に回復しなかった。TSPMP溶液の増加する添加により、ペプチドが、溶液から沈殿した(データは示していない)。
用いたOTCS溶液は、100%溶液であった。水を加えて、有機クロロシラン溶液は、ゲル化を受け、NF−M17ペプチドの最初のスペクトルを回復しなかった(データは示していない)。
用いたCPTCS溶液は、100%溶液としてであった。CPTCS溶液は、水を加えた際にゲル化せず、溶液は、32当量の周辺において、NF−M17/アルミニウムのCDスペクトルをこの最初の形状に回復した(図7)。
DPSDは、NF−M17の最初のスペクトルを回復しなかった。DPSD溶液の増加する添加により、ペプチドが、溶液から沈殿した(データは示していない)。対照的に、HMDS(図8)、MPDS(図9)、DCDES(図10)、DCDIPS(図11)およびDCMSBN(図12)の溶液は、各々、NF−M17/アルミニウムの最初のCDスペクトルを、32当量の周辺において、この最初の形状に回復した。
PTMS、TBDMS、TESおよびBDSの溶液(データは示していない)は、各々、NF−M17ペプチドの最初のスペクトルを回復しなかった。
結論として、有機シラン、ジオールおよびトリオールは、NF−M17の最初のCDスペクトルを回復し、従ってNF−M17の最初の配座の回復を示した。ジオールおよびトリオールは、アルミニウムに好ましく結合し、これをNF−Mから除去することができる、多価の架橋した実体を形成することができる。
例2
この予言的な例は、ヒト被検者におけるアルツハイマー病を、アルミニウムとベータ−アミロイドとの間の相互作用を阻害する有機ケイ素化合物を含む、本発明の組成物で処置するための方法を例示する。
被検者に組成物を、経口的に、ピルの形態で、1日1回与える。1日あたりの用量濃度は、4.0mcmol/kgである。投与を、約6カ月の期間にわたり行う。この処置により、神経原線維変化および老年性プラークのさらなる発生が干渉される。
例3
TFE中のアミロイドペプチドは、アルミニウムイオンの存在によりベータ−シート構造に変化した大きい程度のアルファ−らせん構造を有すると考えられる。当該変換は、CDスペクトルにおいて、シグナルの平坦化として見られる。従って、最初のベータ−アミロイドシグナルを部分的に、または完全に回復する試薬を、試薬へのアルミニウムの結合として解釈することができ、ペプチドが、この自然のアルファ−らせん特性を取り戻すことを可能にする。
アミロイドペプチド(ヒトアミロイドベータ−タンパク質1−42、SynPep)を、80%トリフルオロエタノール(「TFE」)/20%水の溶液に、10mg/mlにおいて溶解して、貯蔵溶液を作成し、4℃で貯蔵した。貯蔵溶液を、これらの実験において用いるために、TFE中で0.45nm/ml〜0.50nm/mlに希釈した。ペプチドの分子量は、4315Daであった;従って、0.45mg/mlは、100マイクロモルと等価である。過塩素酸アルミニウムを、TFEに、10mg/mlの濃度で溶解した。ケイ酸塩試験試薬を、典型的には60mMにおいて水に溶解し、加水分解した。
CDスペクトルを、各々の試料について、以下のように決定した。試料を、JASCO J−810分光偏光計中に、100mlの容積および500mmの通路長さを有するキュベット中に配置した。機器の感度は、約100ミリ度であった。各々のスペクトルを、約180nm〜約260nmの、または約180nm〜約280nmの波長範囲で走査した。データ間隔は、約0.2nmであった。走査設定を、連続的走査の下で、約50nm/分において1秒の応答で行った。提示されたデータは、2つの蓄積からのデータである。
最初に、TFEのみを、対照として走査して、標準のスペクトルを確認した。次に、ベータ−アミロイドペプチドのみを、各々の試薬試験の開始において走査した。次に、10mMの過塩素酸アルミニウムの2〜4マイクロリットルのアリコートを、2〜20マイクロリットルのマイクロピペッターにより加え、新たな走査を記録した。キュベット内での混合を、100マイクロリットルのピペッターで行った。他の実験(示していない)により、8〜12マイクロリットルのアルミニウム(約8〜12モル当量に等しい)の添加に伴って、ペプチドスペクトルの大幅な平坦化が明らかになった。試験化合物のアリコートを、キュベット中のペプチドおよびアルミニウムに、1回に2〜4マイクロリットル加え、十分混合し、各々の添加の間のスペクトルをアッセイした。この手順を、各々の化合物について繰り返した。キュベットを、アッセイの間に、3〜5回、約100マイクロリットルのTFEで十分洗浄した。
この例において試験した化合物は、以下のものであった:3−シアノプロピルトリクロロシラン(CPTCS)(図2D)、ジクロロジエチルシラン(DCDES)(図2H)、ジクロロジイソプロピルシラン(DCDIPS)(図2I)、(ジクロロ)エチルメチルシラン(DCEMS)(図2O)、ヘキシルメチルジクロロシラン(HMDS)(図2F)、(ジクロロ)メチルシリルブチロニトリル(DCMSBN)(図2J)、ジクロロシラシクロブタン(DCSCB)(図2P)、1,7−ジオキサ−6−シラスピロ[5.5]ウンデカン(SDSU)(図2Q)、オルトケイ酸ナトリウム、トリエトキシシリルブチロニトリル(TESB)(図2R)、トリエトキシシリルプロピオニトリル(TESP)(図2S)、ホスホン酸トリヒドロキシシリルプロピルメチル(TSPM)(図2B)、トリエチルシラノール(TES)(図2M)、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン(「テトラキス」)(図2T)およびテトラアセトオキシシラン(TAS)(図2U)。これらの化合物を、Gelest (Morrisville, PA)、Sigma-Aldrich (St. Louis, MO)、Lancaster Synthesis (Windham, NH)、Fluka (St. Louis, MO)およびAlpha Aesar (Ward Hill, MA)から得た。
図13は、アミロイドペプチドに対するアルミニウムの効果を例示する。図13において、アミロイドペプチドのCDスペクトルは、アルミニウムの一層高い濃度に伴って低下する。
図14は、アルミニウム−アミロイドペプチド系に対するCPTCSの効果を例示する。図14において、12当量のアルミニウムをアミロイドペプチドを含む溶液に加えることにより、CDスペクトルの主要な低下がもたらされる。しかし、CPTCSをさらに加えると、ペプチドのCDスペクトルを回復することができる。中程度の逆転が、6当量および12当量において見られ、一方ペプチドに対するアルミニウムの効果のほとんど完全な逆転は、24当量のCTPCSを加えて見られた。
同様の結果は、DCDESを用いて見られた。図15において、8当量のアルミニウムを加えることにより、アミロイドペプチドのCDスペクトルの主要な低下がもたらされ、一方DCDESを系に加えることにより、CDスペクトルが少なくとも部分的に回復し、一層高い当量のDCDESにより、一層大きい量の回復がもたらされた。同様に、DCDIPS(図16)、DCEMS(図17)、HMDS(図18)、DCMSBN(図19)、DCSCB(図20)、SDSU(図21)、オルトケイ酸ナトリウム(図22)、TESB(図23)、TESP(図24)、TSPMP(図25)、TES(図26)、テトラキス(図27)およびTAS(図28)は、各々、ペプチドをアルミニウムに曝露した後に、ペプチドの最初のCDスペクトルを少なくとも部分的に回復した。
例4
この例において、本発明の種々の有機ケイ素化合物の、血液−脳障壁を模擬する細胞単層を横断しての輸送を例証した。2種の異なる細胞系を、モデルの血液−脳障壁系として用いた:Caco−2細胞およびbMVEC細胞。有機ケイ素化合物の検出を、EPA方法200.7により、超音波ネブライザーを用いて、誘導的に結合したプラズマ分光分析(ICP)を用いて行った。
Caco−2は、厳密な接合を伴う上皮を横断しての分子輸送の研究に一般的に用いられる、ヒト腸上皮から由来する細胞系である。これらの実験において用いられるCaco−2細胞は、ATCC(American Type Culture Collection)から発生する、Brandeis UniversityのDr. Neil Simisterの研究室からのものであった。細胞を、5%CO、37℃で5%胎児ウシ血清、50マイクログラム/mlのゲンタマイシンを有するダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)中で成長させた。DMEMの代わりにイスグローブ(Isgrove)の培地およびRPMI−1640中で成長させた細胞は、集合に達する同様の回数および同様の形態を示した(データは示していない)。Caco−2細胞は、電気抵抗をWorld Precision Instruments EVOM-Gで測定することによりアッセイして、電気的に厳密な接合を形成した。
細胞を、組織培養フラスコ中で成長させ、集合が約4:1に達した際に分割した(通過させた)。細胞を、0.4マイクロメートルの孔を有するコーニングコスタートランスウェル(Corning Costar Transwell)挿入体、ポリエステルまたはポリカーボネート上に、実験のために播いた。透明なポリエステル膜上の細胞を、位相差顕微鏡検査を用いて直接観察することができた。細胞に、新鮮な培地を、2〜4日おきの間隔で供給した。細胞を、細胞単層の電気抵抗が少なくとも400オーム/cmである際に、アッセイのために用いた。
ウシ微小血管上皮細胞は、Cambrex Bio Scienceから凍結させて購入したウシ脳からの一次細胞である。これらの細胞を、フィブロネクチンで上塗りした、コラーゲン被覆膜挿入体上で成長させた。用いた培地は、bECGF、アスコルビン酸、血小板欠乏ウマ血清、ペニシリン、ストレプトマイシンおよびファンギゾーン(fungizone)(Cambrexによるキットとして提供される)を捕捉した、内皮基本培地2(Clonetics)であった。細胞の1つのアリコートを、希釈し、分割させて、48の6.5mm膜(コーニングコスターポリエステル、0.4マイクロメートル孔)を播いた。細胞に、新鮮な培地を、2〜3日おきに供給し、視覚的に集合した際に用いた。
6種の化合物を、この例において2種の細胞系を横断しての輸送について試験した:SDSU、DCSCB、TSPM、TESB、DCMSBNおよびDCEMS。これらの実験からのデータは、図29Aおよび29B(Caco−2細胞)並びに図30(bMVEC)中で明らかである。図29Aおよび29Bにおいて、これらの有機ケイ素化合物の輸送を、回数および時間の関数としてプロットする。各々の化合物についての頂点の側上の出発濃度は、1mM〜10mMの範囲内である。すべての場合において、Caco−2細胞を横断しての顕著な量の輸送が観察され、TESB、DCMSBNおよびDCEMS(図29B)について、TSPM、DCSCBおよびSDSU(図29A)よりも多量の輸送が観察された。
図30は、bMVEC細胞を横断してのこれらの化合物の輸送を例示する。図30において、データを、2種の異なるドナー濃度について、4時間後および24時間後の輸送についてプロットする。すべての場合において、顕著な量の輸送が観察され、一層高い濃度頂点において、一層多量の輸送が起こった。
従って、この例は、本発明の種々の化合物が、血液−脳障壁を横断して好首尾に輸送され得ることを例示する。
例5
この例は、本発明の1つの態様における1,7−ジオキサ−6−シラ−スピロ[5.5]ウンデカン(図2Q)を製造する方法を例示する。
ドライアイス凝縮器、上方の攪拌機、ポット温度計および漏斗を備えた2リットルの4つ首フラスコに、54.29gのSiClを装入した。4−クロロ−1−ブタノールを、漏斗を通して、40℃より低いポット温度において、約30分の時間にわたり加えた。混合物を、室温で約4時間撹拌した。次に、250mlのエーテルを加え、続いて4.86gのマグネシウム粉末(turning)を加えた。室温で14時間撹拌した後に、125mlのテトラヒドロフラン(「THF」)を、5部において、1時間の時間にわたり加えた。すべてのマグネシウム粉末が消費された後に、他の4.86gのマグネシウムを加え、続いて他の125mlのテトラヒドロフランを滴加した。混合物を、室温で6時間撹拌し、次に一晩沈降させた。超液体(superliquid)を、他のフラスコに移送し、塩を、125mlのエーテルで洗浄した。溶液を混ぜ合わせ、次に短いカラムを用いて蒸留した。5.32g(12.4%収率)の所望の生成物が、8mmHgで55℃の頭部温度において加熱することにより、得られた。
図式的に、この反応を、以下のように表すことができる:
Figure 2006526567
この反応についての物理的データは、以下の通りである:
Figure 2006526567
本発明のいくつかの態様を本明細書中に記載し、例示した一方、通常の当業者は、機能を発揮し、および/または本明細書中に記載した結果および/または1つもしくは2つ以上の利点を得るために、種々の他の手段および/または構造を容易に想像し、このような変更および修正の各々は、本発明の範囲内にあると見なされる。一層一般的に、当業者は、本明細書中に記載したすべてのパラメーター、寸法、物質および形態は、例示的であることを意味し、実際のパラメーター、寸法、物質および形態は、本発明の教示を用いる特定の1つの用途または複数の用途に依存することを、容易に理解する。当業者は、常習的を超えない実験を用いて、本明細書中に記載した本発明の特定の態様の多くの等価なものを認識するか、または確認することができる。従って、前記の態様は、例のみにより提示されており、添付した特許請求の範囲およびこれと等価なものの範囲内で、本発明を、特定的に記載し、および/またはクレームした方法以外の方法で実施することができることを、理解するべきである。本発明は、本明細書中に記載した各々の個別の特徴、系、物質および/または方法に関する。さらに、このような特徴、系、物品、物質および/または方法の2つまたは3つ以上のすべての組み合わせは、このような特徴、系、物品、物質および/または方法が、相互に矛盾していない場合には、本発明の範囲内に含まれる。
本明細書中で用いる定義は、辞書の定義、参照により導入した文献中の定義および/または定義された用語の通常の意味を超えて支配するものと理解されるべきである。
また、対照的に明確に示さない限り、1つよりも多い作用を含む、本出願においてクレームしたすべての方法において、方法の作用の順序は、必ずしも、方法の作用が引用された順序に限定されないことを理解するべきである。
特許請求の範囲および前述の明細書中で、すべての移行句、例えば「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(carrying)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」、「保持する(holding)」などは、制限のない、即ち含むが、限定されないことを意味するものと理解されるべきである。移行句「〜からなる」および「本質的に〜からなる」のみが、米国特許庁特許審査便覧、セクション2111.03に述べられているように、それぞれ制限のある、または制限のあるに準ずる移行句であるものとする。
神経フィラメント配列(配列番号1)を示す図である。 本発明において有用な化学構造の1つの例を示す。 本発明において有用な化学構造の他の例を示す。 本発明において有用な化学構造の他の例を示す。 本発明において有用な化学構造の他の例を示す。 本発明において有用な化学構造の他の例を示す。 本発明において有用な化学構造の他の例を示す。 本発明において有用な化学構造の他の例を示す。 本発明において有用な化学構造の他の例を示す。 本発明において有用な化学構造の他の例を示す。 本発明において有用な化学構造の他の例を示す。 本発明において有用な化学構造の他の例を示す。 本発明において有用な化学構造の他の例を示す。 本発明において有用な化学構造の他の例を示す。 本発明において有用な化学構造の他の例を示す。 本発明において有用な化学構造の他の例を示す。 本発明において有用な化学構造の他の例を示す。 本発明において有用な化学構造の他の例を示す。 本発明において有用な化学構造の他の例を示す。 本発明において有用な化学構造の他の例を示す。 本発明において有用な化学構造の他の例を示す。 本発明において有用な化学構造の他の例を示す。 楕円率対波長としてプロットした円偏光二色性(CD)データにより示した、図1の神経フィラメントに対するメタケイ酸ナトリウム水和物の効果を示す図である。 楕円率対波長としてプロットした円偏光二色性(CD)データにより示した、図1の神経フィラメントに対するメタケイ酸ナトリウム水和物の効果を示す図である。 楕円率対波長としてプロットした円偏光二色性(CD)データにより示した、図1の神経フィラメントに対するメタケイ酸ナトリウム水和物の効果を示す図である。 楕円率対波長としてプロットした円偏光二色性(CD)データにより示した、図1の神経フィラメントに対するメタケイ酸ナトリウム水和物の効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するオルトケイ酸ナトリウムの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するオルトケイ酸ナトリウムの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するオルトケイ酸ナトリウムの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するオルトケイ酸ナトリウムの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するオルトケイ酸ナトリウムの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対する3−アミノプロピルシラントリオールの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対する3−アミノプロピルシラントリオールの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対する3−アミノプロピルシラントリオールの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対する3−アミノプロピルシラントリオールの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対する3−アミノプロピルシラントリオールの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対する3−アミノプロピルシラントリオールの効果を示す図である。 オルトケイ酸ナトリウム対3−アミノプロピルシラントリオールについての比較のCDデータを示す図である。 オルトケイ酸ナトリウム対3−アミノプロピルシラントリオールについての比較のCDデータを示す図である。 オルトケイ酸ナトリウム対3−アミノプロピルシラントリオールについての比較のCDデータを示す図である。 オルトケイ酸ナトリウム対3−アミノプロピルシラントリオールについての比較のCDデータを示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対する3−シアノプロピルトリクロロシランの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対する3−シアノプロピルトリクロロシランの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対する3−シアノプロピルトリクロロシランの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対する3−シアノプロピルトリクロロシランの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するヘキシルメチルジクロロシランの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するヘキシルメチルジクロロシランの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するヘキシルメチルジクロロシランの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するヘキシルメチルジクロロシランの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するメチルフェニルジクロロシランの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するメチルフェニルジクロロシランの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するメチルフェニルジクロロシランの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するメチルフェニルジクロロシランの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するジクロロジエチルシランの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するジクロロジエチルシランの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するジクロロジエチルシランの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するジクロロジエチルシランの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するジクロロジイソプロピルシランの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するジクロロジイソプロピルシランの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するジクロロジイソプロピルシランの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するジクロロジイソプロピルシランの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対するジクロロジイソプロピルシランの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対する(ジクロロ)メチルシリルブチロニトリルの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対する(ジクロロ)メチルシリルブチロニトリルの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対する(ジクロロ)メチルシリルブチロニトリルの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対する(ジクロロ)メチルシリルブチロニトリルの効果を示す図である。 CDデータにより示した、図1の神経フィラメントに対する(ジクロロ)メチルシリルブチロニトリルの効果を示す図である。 CDデータにより例示した、ヒトアミロイドベータタンパク質に対するアルミニウムの効果を示す図である。 CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対する3−シアノプロピルトリクロロシランの効果を示す図である。 CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対するジクロロジエチルシランの効果を示す図である。 CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対するジクロロジイソプロピルシランの効果を示す図である。 CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対する(ジクロロ)エチルメチルシランの効果を示す図である。 CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対するヘキシルメチルジクロロシランの効果を示す図である。 CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対する(ジクロロ)メチルシリルブチロニトリルの効果を示す図である。 CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対するジクロロシラシクロブタンの効果を示す図である。 CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対する1,7−ジオキサ−6−シラ−スピロ[5.5]ウンデカンの効果を示す図である。 CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対するオルトケイ酸ナトリウムの効果を示す図である。 CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対するトリエトキシシリルブチロニトリルの効果を示す図である。 CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対するトリエトキシシリルプロピオニトリルの効果を示す図である。 CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対するホスホン酸トリヒドロキシシリルプロピルメチルの効果を示す図である。 CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対するトリエチルシラノールの効果を示す図である。 CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対するテトラキス(ジメチルアミノ)シランの効果を示す図である。 CDデータにより例示した、アミロイドタンパク質に対するテトラアセトオキシシランの効果を示す図である。 Caco−2細胞を横断しての、本発明のある有機ケイ素化合物の輸送を示す図である。 Caco−2細胞を横断しての、本発明の他の有機ケイ素化合物の輸送を示す図である。 bMVEC細胞を横断しての、本発明のある有機ケイ素化合物の分子輸送を示す図である。

Claims (180)

  1. アルツハイマー病を罹患しやすいかまたはこの徴候を示す1つの被検者に、以下の1つの構造:
    Figure 2006526567
    式中:
    、Z、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、
    Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、
    Xは、1つのハロゲンであり、
    は、少なくとも1個の炭素原子を含み、
    およびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含み;
    式中:
    、Z、ZおよびZの少なくとも1つは、少なくとも1個の炭素原子を含み;
    、Z、ZおよびZは、すべて同時には、HまたはRの1つではなく;
    、Z、ZおよびZは、すべて同時には、酢酸塩ではない;
    を有する1つの化合物またはこの1つの塩を;
    1つの薬学的に許容し得る担体と組み合わせて含む組成物の治療的に有効な量を投与することを含む、方法。
  2. 被検者が、他の方法では組成物での処置を必要としない、請求項1に記載の方法。
  3. 組成物が、被検者の血液−脳障壁を横断することができない、請求項1に記載の方法。
  4. 組成物が、被検者の血液−脳障壁を横断することができる、請求項1に記載の方法。
  5. 、Z、ZおよびZの少なくとも1つが独立してXである、請求項1に記載の方法。
  6. 、Z、ZおよびZの少なくとも2つが独立してXである、請求項5に記載の方法。
  7. 、Z、ZおよびZの3つが独立してXである、請求項6に記載の方法。
  8. 、Z、ZおよびZの少なくとも1つがClである、請求項5に記載の方法。
  9. 、Z、ZおよびZの少なくとも2つがClである、請求項8に記載の方法。
  10. 、Z、ZおよびZの少なくとも3つがClである、請求項9に記載の方法。
  11. 、Z、ZおよびZの少なくとも1つがOHである、請求項1に記載の方法。
  12. 、Z、ZおよびZの少なくとも2つがOHである、請求項11に記載の方法。
  13. 、Z、ZおよびZの3つがOHである、請求項12に記載の方法。
  14. 、Z、ZおよびZの少なくとも1つが独立してORである、請求項1に記載の方法。
  15. 、Z、ZおよびZの少なくとも2つが独立してORである、請求項14に記載の方法。
  16. 、Z、ZおよびZの少なくとも3つが独立してORである、請求項15に記載の方法。
  17. 、Z、ZおよびZの各々が独立してORである、請求項16に記載の方法。
  18. 、Z、ZおよびZの少なくとも1つがOEtである、請求項14に記載の方法。
  19. 、Z、ZおよびZの少なくとも2つがOEtである、請求項18に記載の方法。
  20. 、Z、ZおよびZの少なくとも3つがOEtである、請求項19に記載の方法。
  21. 、Z、ZおよびZの少なくとも1つがOAcである、請求項14に記載の方法。
  22. 、Z、ZおよびZの少なくとも2つがOAcである、請求項21に記載の方法。
  23. 、Z、ZおよびZの少なくとも3つがOAcである、請求項22に記載の方法。
  24. 、Z、ZおよびZの少なくとも1つがtert−ブトキシである、請求項14に記載の方法。
  25. 、Z、ZおよびZの少なくとも2つがtert−ブトキシである、請求項24に記載の方法。
  26. 、Z、ZおよびZの少なくとも3つがtert−ブトキシである、請求項25に記載の方法。
  27. 、Z、ZおよびZの少なくとも1つが独立してNJである、請求項1に記載の方法。
  28. 、Z、ZおよびZの少なくとも2つが独立してNJである、請求項27に記載の方法。
  29. 、Z、ZおよびZの少なくとも3つが独立してNJである、請求項28に記載の方法。
  30. 、Z、ZおよびZが独立してNJである、請求項29に記載の方法。
  31. 少なくとも1つのNJがNHである、請求項27に記載の方法。
  32. 少なくとも1つのNJがNHR10であり、R10が少なくとも1個の炭素原子を含む、請求項27に記載の方法。
  33. 少なくとも1つのNJがNR1011であり、R10およびR11の各々が独立して少なくとも1個の炭素原子を含む、請求項27に記載の方法。
  34. 、Z、ZおよびZの少なくとも1つが、Siに共有結合した炭素原子を含む、請求項1に記載の方法。
  35. 、Z、ZおよびZの少なくとも1つが独立してRである、請求項34に記載の方法。
  36. 、Z、ZおよびZの少なくとも2つが独立してRである、請求項35に記載の方法。
  37. 、Z、ZおよびZの3つが独立してRである、請求項36に記載の方法。
  38. 少なくとも1つのRがアルキルである、請求項35に記載の方法。
  39. 少なくとも1つのアルキルがメチルである、請求項38に記載の方法。
  40. 少なくとも1つのアルキルがエチルである、請求項38に記載の方法。
  41. 少なくとも1つのアルキルがイソプロピルである、請求項38に記載の方法。
  42. 少なくとも1つのアルキルがtert−ブチルである、請求項38に記載の方法。
  43. 少なくとも1つのアルキルがヘキシルである、請求項38に記載の方法。
  44. 少なくとも1つのアルキルがオクチルである、請求項38に記載の方法。
  45. 、Z、ZおよびZの少なくとも1つが独立して1つのアミノアルキルを含む、請求項1に記載の方法。
  46. 少なくとも1つのアミノアルキルが1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項45に記載の方法。
  47. 、Z、ZおよびZの少なくとも1つが独立して1つのシアノアルキルを含む、請求項1に記載の方法。
  48. 少なくとも1つのシアノアルキルが1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項47に記載の方法。
  49. 、Z、ZおよびZの少なくとも1つが独立して1つの芳香族部分を含む、請求項1に記載の方法。
  50. 少なくとも1つの芳香族部分がベンジルである、請求項49に記載の方法。
  51. 少なくとも1つの芳香族部分がフェニルである、請求項49に記載の方法。
  52. 、Z、ZおよびZの少なくとも1つが1つのホスホノ部分を含む、請求項1に記載の方法。
  53. 、Z、ZおよびZの少なくとも1つが1つのケイ素原子を含む、請求項1に記載の方法。
  54. およびZの各々が独立してXであり、ZおよびZの各々が独立してRである、請求項1に記載の方法。
  55. 、ZおよびZの各々が独立してXであり、ZがRである、請求項1に記載の方法。
  56. 、ZおよびZの各々が独立してORであり、ZがRである、請求項1に記載の方法。
  57. 、ZおよびZの各々が独立してORであり、ZがOHである、請求項1に記載の方法。
  58. 、ZおよびZの各々がOHであり、ZがRである、請求項1に記載の方法。
  59. およびZの各々がOHであり、ZおよびZの各々が独立してRである、請求項1に記載の方法。
  60. がOHであり、Z、ZおよびZの各々が独立してRである、請求項1に記載の方法。
  61. 、ZおよびZの各々がOHであり、Zが1つのアミンを含む、請求項1に記載の方法。
  62. 、ZおよびZの各々が独立してORであり、Zが1つのアミンを含む、請求項1に記載の方法。
  63. 、ZおよびZの各々がOHであり、Zが1つのアミノアルキルを含む、請求項1に記載の方法。
  64. 、ZおよびZの各々が独立してORであり、Zが1つのアミノアルキルを含む、請求項1に記載の方法。
  65. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  66. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  67. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  68. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  69. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  70. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  71. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  72. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  73. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  74. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  75. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  76. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  77. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  78. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  79. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  80. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  81. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  82. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  83. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  84. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  85. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  86. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  87. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  88. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  89. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  90. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項1に記載の方法。
  91. 投与が、組成物を被検者の脳中に投与することを含む、請求項1に記載の方法。
  92. アルツハイマー病を罹患しやすいかまたはこの徴候を示す1つの被検者に、以下の1つの構造:
    Figure 2006526567
    式中:
    およびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、
    Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、
    Xは、1つのハロゲンであり、
    は、少なくとも1個の炭素原子を含み、
    およびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含み;
    式中:
    Aは、炭素原子およびケイ素原子の少なくとも1つを有する部分であり;
    およびEの各々は、独立して、(a)OおよびNJの1つ、または(b)Siが部分Aに共有結合するように不存在のいずれかであり;
    従ってEおよびEは、共には不存在ではなく、
    は、Hであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む;
    を有する1つの化合物またはこの1つの塩を;
    1つの薬学的に許容し得る担体と組み合わせて含む組成物の治療的に有効な量を投与することを含む、方法。
  93. 被検者が、他の方法では組成物での処置を必要としない、請求項92に記載の方法。
  94. 組成物が、被検者の血液−脳障壁を横断することができない、請求項92に記載の方法。
  95. 組成物が、被検者の血液−脳障壁を横断することができる、請求項92に記載の方法。
  96. およびZの少なくとも1つが独立してXである、請求項92に記載の方法。
  97. およびZの各々が独立してXである、請求項96に記載の方法。
  98. およびZの少なくとも1つがClである、請求項96に記載の方法。
  99. およびZの各々がClである、請求項98に記載の方法。
  100. およびEの少なくとも1つが不存在である、請求項92に記載の方法。
  101. およびEの各々が不存在である、請求項100に記載の方法。
  102. およびEの少なくとも1つがOである、請求項92に記載の方法。
  103. およびEの各々がOである、請求項102に記載の方法。
  104. およびEの少なくとも1つが独立してNJである、請求項92に記載の方法。
  105. およびEの各々が独立してNJである、請求項104に記載の方法。
  106. Aが1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項92に記載の方法。
  107. 化合物がキラルである、請求項92に記載の方法。
  108. 化合物がアキラルである、請求項92に記載の方法。
  109. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項92に記載の方法。
  110. アルツハイマー病を罹患しやすいかまたはこの徴候を示す1つの被検者に、以下の1つの構造:
    Figure 2006526567
    式中:
    およびAの各々は、独立して、炭素原子およびケイ素原子の少なくとも1つを有する部分であり、
    およびEの各々は、独立して、(a)OおよびNJの1つ、または(b)Siが部分Aに共有結合するように不存在のいずれかであり、
    従ってEおよびEは、共には不存在ではなく、
    は、Hであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含み;
    および式中:
    およびEの各々は、独立して、(a)OおよびNJの1つ、または(b)Siが部分Aに共有結合するように不存在のいずれかであり、
    は、Hであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む;
    を有する1つの化合物またはこの1つの塩を;
    1つの薬学的に許容し得る担体と組み合わせて含む組成物の治療的に有効な量を投与することを含む、方法。
  111. 被検者が、他の方法では組成物での処置を必要としない、請求項110に記載の方法。
  112. 組成物が、被検者の血液−脳障壁を横断することができない、請求項110に記載の方法。
  113. 組成物が、被検者の血液−脳障壁を横断することができる、請求項110に記載の方法。
  114. およびEの少なくとも1つがOである、請求項110に記載の方法。
  115. およびEの各々がOである、請求項114に記載の方法。
  116. およびAの少なくとも1つが1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項110に記載の方法。
  117. およびAの各々が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項116に記載の方法。
  118. 、E、EおよびEの少なくとも1つが不存在である、請求項110に記載の方法。
  119. 、E、EおよびEの少なくとも2つが不存在である、請求項110に記載の方法。
  120. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項110に記載の方法。
  121. 化合物がキラルである、請求項110に記載の方法。
  122. 化合物がアキラルである、請求項110に記載の方法。
  123. 化合物が1つの構造:
    Figure 2006526567
    を有する、請求項110に記載の方法。
  124. アルツハイマー病を罹患しやすいかまたはこの徴候を示す1つの被検者に、以下の1つの構造:
    Figure 2006526567
    式中:
    Yは、少なくとも1つの炭素原子を含み;
    、Z、Z、Z、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、
    Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、
    Xは、1つのハロゲンであり、
    は、少なくとも1個の炭素原子を含み、
    およびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含み;
    式中:
    およびEの各々は、独立して、OおよびNJの1つであり、
    は、Hであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む;
    を有する1つの化合物またはこの1つの塩を;
    1つの薬学的に許容し得る担体と組み合わせて含む組成物の治療的に有効な量を投与することを含む、方法。
  125. 被検者が、他の方法では組成物での処置を必要としない、請求項124に記載の方法。
  126. 組成物が、被検者の血液−脳障壁を横断することができない、請求項124に記載の方法。
  127. 組成物が、被検者の血液−脳障壁を横断することができる、請求項124に記載の方法。
  128. アルツハイマー病を罹患しやすいかまたはこの徴候を示す1つの被検者に、以下の1つの構造:
    Figure 2006526567
    式中:
    およびYの各々は、独立して、少なくとも1個の炭素原子を含み;
    、Z、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、
    Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、
    Xは、1つのハロゲンであり、
    は、少なくとも1個の炭素原子を含み、
    およびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含み;
    式中:
    、E、EおよびEの各々は、独立して、OおよびNJの1つであり、
    は、Hであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む;
    を有する1つの化合物またはこの1つの塩を;
    1つの薬学的に許容し得る担体と組み合わせて含む組成物の治療的に有効な量を投与することを含む、方法。
  129. 被検者が、他の方法では組成物での処置を必要としない、請求項128に記載の方法。
  130. アルツハイマー病を罹患しやすいかまたはこの徴候を示す1つの被検者に、シラノール化合物、シランジオール化合物およびシラントリオール化合物の少なくとも1種を含む組成物の治療的に有効な量を投与することを含む、方法。
  131. 被検者が、他の方法では組成物での処置を必要としない、請求項130に記載の方法。
  132. アルツハイマー病を罹患しやすいかまたはこの徴候を示す1つの被検者に、被検者内で、シラノール化合物、シランジオール化合物、シラントリオール化合物の少なくとも1種に加水分解され得る化合物を含む組成物の治療的に有効な量を投与することを含む、方法。
  133. 被検者が、他の方法では組成物での処置を必要としない、請求項132に記載の方法。
  134. アルツハイマー病を罹患しやすいかまたはこの徴候を示す1つの被検者に、被検者内で加水分解されて、3価の金属イオンに結合することができる化合物を形成することができる化合物を含む組成物の治療的に有効な量を投与することを含む、方法。
  135. 被検者が、他の方法では組成物での処置を必要としない、請求項134に記載の方法。
  136. 加水分解され得る化合物がケイ素を含む、請求項134に記載の方法。
  137. 3価の金属イオンに結合することができる化合物がケイ素を含む、請求項134に記載の方法。
  138. 3価の金属イオンがアルミニウムイオンである、請求項134に記載の方法。
  139. アルツハイマー病を罹患しやすいかまたはこの徴候を示す1つの被検者に、環式有機ケイ素化合物を含む組成物の治療的に有効な量を投与することを含む、方法。
  140. 被検者が、他の方法では組成物での処置を必要としない、請求項139に記載の方法。
  141. 環式有機ケイ素化合物が少なくとも二環式である、請求項139に記載の方法。
  142. 環式有機ケイ素化合物がスピロ部分を含む、請求項139に記載の方法。
  143. アルツハイマー病を罹患しやすいかまたはこの徴候を示す1つの被検者に、化合物の分子構造内にケイ素原子および窒素原子を有する化合物を含む組成物の治療的に有効な量を投与することを含む、方法。
  144. 被検者が、他の方法では組成物での処置を必要としない、請求項143に記載の方法。
  145. 窒素原子がケイ素原子に共有結合している、請求項143に記載の方法。
  146. 窒素原子がケイ素原子に共有結合していない、請求項143に記載の方法。
  147. 化合物が1個よりも多い窒素原子を含む、請求項143に記載の方法。
  148. 化合物が1個よりも多いケイ素原子を含む、請求項143に記載の方法。
  149. アルツハイマー病を罹患しやすいかまたはこの徴候を示す1つの被検者に、化合物の分子構造内に少なくとも2個のケイ素原子を含む化合物を含む組成物の治療的に有効な量を投与することを含む、方法。
  150. 被検者が、他の方法では組成物での処置を必要としない、請求項149に記載の方法。
  151. 化合物がポリマーである、請求項149に記載の方法。
  152. アルツハイマー病を罹患しやすいかまたはこの徴候を示す1つの被検者に、少なくとも1個のケイ素原子を含む繰り返し単位を有するポリマーを含む組成物の治療的に有効な量を投与することを含む、方法。
  153. 被検者が、他の方法では組成物での処置を必要としない、請求項152に記載の方法。
  154. 繰り返し単位の少なくとも1個のケイ素原子の少なくとも1個が、ハロゲンに結合している、請求項152に記載の方法。
  155. 繰り返し単位の少なくとも1個のケイ素原子の少なくとも1個が、OHに結合している、請求項152に記載の方法。
  156. 繰り返し単位の少なくとも1個のケイ素原子の少なくとも1個が、ORに結合しており、Rが少なくとも1個の炭素原子を含む、請求項152に記載の方法。
  157. 繰り返し単位の少なくとも1個のケイ素原子の少なくとも1個が、NJに結合しており、JおよびJが各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む、請求項152に記載の方法。
  158. 以下の1つの構造:
    Figure 2006526567
    式中:
    、Z、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、
    Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、
    Xは、1つのハロゲンであり、
    は、少なくとも1個の炭素原子を含み、
    およびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含み;
    式中:
    、Z、ZおよびZの少なくとも1つは、少なくとも1個の炭素原子を含み;
    、Z、ZおよびZは、すべて同時には、HまたはRの1つではなく;
    、Z、ZおよびZは、すべて同時には、酢酸塩ではない;
    を有する1つの化合物またはこの1つの塩を;
    1つの薬学的に許容し得る担体と組み合わせて含む、組成物。
  159. 以下の1つの構造:
    Figure 2006526567
    式中:
    およびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、
    Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、
    Xは、1つのハロゲンであり、
    は、少なくとも1個の炭素原子を含み、
    およびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含み;
    式中:
    Aは、1つの炭素原子および1つのケイ素原子の少なくとも1つを有する部分であり;
    およびEの各々は、独立して、(a)OおよびNJの1つ、または(b)Siが部分Aに共有結合するように不存在のいずれかであり、
    従ってEおよびEが、共に不存在ではなく、
    は、Hであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む;
    を有する1つの化合物またはこの1つの塩を;
    1つの薬学的に許容し得る担体と組み合わせて含む、組成物。
  160. 以下の1つの構造:
    Figure 2006526567
    式中:
    およびAの各々は、独立して、1つの炭素原子および1つのケイ素原子の少なくとも1つを有する1つの部分であり;
    およびEの各々は、独立して、(a)OおよびNJの1つ、または(b)Siが部分Aに共有結合するように不存在のいずれかであり、
    従ってEおよびEが、共に不存在ではなく、
    は、Hであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含み;
    式中:
    およびEの各々は、独立して、(a)OおよびNJの1つ、または(b)Siが部分Aに共有結合するように不存在のいずれかであり、
    は、Hであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む;
    を有する1つの化合物またはこの1つの塩を;
    1つの薬学的に許容し得る担体と組み合わせて含む、組成物。
  161. 以下の1つの構造:
    Figure 2006526567
    式中:
    Yは、少なくとも1個の炭素原子を含み;
    、Z、Z、Z、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、
    Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、
    Xは、1つのハロゲンであり、
    は、少なくとも1個の炭素原子を含み、
    およびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含み;
    式中:
    およびEの各々は、独立して、OおよびNJの1つであり、
    は、Hであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む;
    を有する1つの化合物またはこの1つの塩を;
    1つの薬学的に許容し得る担体と組み合わせて含む、組成物。
  162. 以下の1つの構造:
    Figure 2006526567
    式中:
    およびYの各々は、独立して、少なくとも1個の炭素原子を含み;
    、Z、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、
    Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、
    Xは、1つのハロゲンであり、
    は、少なくとも1個の炭素原子を含み、
    およびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含み;
    式中:
    、E、EおよびEの各々は、独立して、OおよびNJの1つであり、
    は、Hであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む;
    を有する1つの化合物またはこの1つの塩を;
    1つの薬学的に許容し得る担体と組み合わせて含む、組成物。
  163. アルツハイマー病を罹患しやすいかまたはこの徴候を示す1つの被検者の1つの神経系に、1つのケイ素原子を有する1つの化合物を含む1つの組成物の治療的に有効な量を投与することを含む、方法。
  164. 投与が、組成物の脳への投与を含む、請求項163に記載の方法。
  165. 化合物が、以下の1つの構造:
    Figure 2006526567
    式中:
    、Z、ZおよびZの各々は、独立して、H、X、R、OH、ORまたはNJの1つであり、
    Rは、少なくとも1個の炭素原子を含み、
    Xは、1つのハロゲンであり、
    は、少なくとも1個の炭素原子を含み、
    およびJは、各々独立してHであるか、または1つの炭素原子、1つの窒素原子、1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子の少なくとも1つを含む;
    またはこの1つの塩を有する、請求項163に記載の方法。
  166. 組成物が薬学的に許容し得る担体を含む、請求項165に記載の方法。
  167. 、Z、ZおよびZの少なくとも1つがOHである、請求項165に記載の方法。
  168. 、Z、ZおよびZの少なくとも2つがOHである、請求項167に記載の方法。
  169. 、Z、ZおよびZの少なくとも3つがOHである、請求項168に記載の方法。
  170. 、Z、ZおよびZの各々がOHである、請求項169に記載の方法。
  171. 、Z、ZおよびZの少なくとも1つが酢酸塩である、請求項165に記載の方法。
  172. 、Z、ZおよびZの少なくとも2つが酢酸塩である、請求項171に記載の方法。
  173. 、Z、ZおよびZの少なくとも3つが酢酸塩である、請求項172に記載の方法。
  174. 、Z、ZおよびZの各々が酢酸塩である、請求項173に記載の方法。
  175. 組成物がケイ酸塩を含む、請求項163に記載の方法。
  176. 組成物がケイ酸ナトリウムを含む、請求項175に記載の方法。
  177. 組成物がメタケイ酸塩を含む、請求項163に記載の方法。
  178. 組成物がメタケイ酸ナトリウムを含む、請求項177に記載の方法。
  179. ケイ素化合物が、塩、酸、酸化物およびこれらの組み合わせからなる群から選択されている、請求項163に記載の方法。
  180. 組成物が、被検者の血液−脳障壁を横断することができない、請求項163に記載の方法。
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