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JP2006335931A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

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JP2006335931A JP2005163774A JP2005163774A JP2006335931A JP 2006335931 A JP2006335931 A JP 2006335931A JP 2005163774 A JP2005163774 A JP 2005163774A JP 2005163774 A JP2005163774 A JP 2005163774A JP 2006335931 A JP2006335931 A JP 2006335931A
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Abstract

【課題】 ポリエステルの有する機械的特性を維持しながら、湿熱時の耐加水分解性が改善され、かつ、成形性も良好なポリエステル樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 ポリエステル100重量部に対して、側鎖にオキサゾリン基および芳香族基を有するビニル系重合体を0.5〜30重量部配合したポリエステル樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明はポリエステル樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、特に湿熱時の耐加水分解性が改善されたポリエステル樹脂組成物に関するものである。
熱可塑性ポリエステル樹脂、特にポリアルキレンテレフタレートは、成型しやすく、強伸度特性が良好であるなど多くの優れた特性を有しているため、工業用繊維、フィルム、その他の成形体の素材としても広く用いられているが、より優れた機械的特性、耐熱性、耐加水分解性、成形性が要求されている。特に自動車用部品として使用される場合などには高温多湿な環境にさらされるため、一般にポリエステル樹脂は加水分解により固有粘度が低下しやすく、耐久性のある耐湿熱性を実現するのは困難であった。
これらの問題を改良するため、従来ポリエステルの重合度を高めること、ポリエステル中の末端カルボキシル基濃度を減少させることなどが提案されており、例えばポリエステル樹脂の末端カルボキシル基と反応してポリマー鎖を延長することができる鎖延長剤を用いる方法が提案されている(特許文献1〜4)。
確かにこれらの方法によれば、ポリエステル樹脂に機械的特性、耐熱性、耐加水分解性をある程度付与することはできるものの、その成形性は不十分でさらなる改善が望まれている。例えば、ビスオキサゾリン化合物を用いる方法(特許文献1)では、機械的特性や耐久性は十分とはいえず、また、各種成形法に供するに十分な溶融粘度や固有粘度を付与することが困難である場合がある。一方、多官能エポキシ化合物や多官能イソシアネート等の多官能性化合物を用いる方法(特許文献2〜4)でも、やはり十分な溶融粘度や固有粘度を付与することが困難であり、押出成形、射出成形、ブロー成形等に適用した場合には、ポリエステル樹脂組成物がドローダウンしやすいという問題が発生する。また、発泡成形に適用した場合には、樹脂粘度が低いために均一微細な発泡体を得ることが困難である、紡糸成形に適用した場合には、紡糸中の糸切れが起こりやすいなどの問題もある。このような問題を改善するために用いる剤の添加量を増やすと、得られる組成物がゲル化して成形性が著しく阻害されるという問題が起こる。さらには、これらの多官能性化合物が成形工程中に揮散して金型汚染を起こし、成形品の外観を損なう等の問題も起こりやすい。
特開昭55−161832号公報 特公昭47−13860号公報 特開平2−276820号公報 特表平5−506056号公報
本発明は、上記背景技術を鑑みなされたもので、その目的は、ポリエステルの有する機械的特性を維持しながら、湿熱時の耐加水分解性が改善され、かつ、成形性も良好なポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は上記目的を達成するために鋭意研究した結果、ポリエステルに特定の反応性基を有するビニル系重合体を混合すれば上記目的を達成できる組成物が得られることを見出し、本発明に到達した。
かくして本発明によれば、「ポリエステル(A)100重量部に対して、側鎖にオキサゾリン基および芳香族基を有するビニル系重合体(B)を0.5〜30重量部配合してなるポリエステル樹脂組成物。」が提供される。
また、本発明によれば、好ましい態様として、ポリビニル系重合体(B)の数平均分子量が1000−40000であること、ポリエステルの全繰返し単位の80モル%以上がエチレンナフタレート単位であること、組成物の固有粘度が0.7〜0.9dl/gでカルボキシル基濃度が10〜30eq/Tであること、温度130℃の飽和水蒸気圧下100時間保持した時の固有粘度保持率が70%以上であること、の少なくともいずれかの要件を具備するポリエステル樹脂組成物が提供される。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、湿熱時での耐加水分解性が改善されているだけでなく、その成形安定性も良好である。したがって、例えば、射出成形による各種成形品、押出成形によるシート、フィルム等、押出成形および熱成形による容器、トレイ等を安定して製造することができ、工業的に極めて有用なものである。
先ず、本発明で用いられるポリエステル(A)としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(4−ジカルボキシメチルフェノキシ)エタン、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の酸成分と、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等のグリコール成分とからなるポリエステルを挙げることができる。かかるポリエステルには、上記2官能成分のほかにトリメリット酸、ペンタエリスリトール等の3官能以上の成分を共重合していてもよい。また、p−オキシ安息香酸等のオキシ酸、ピパロラクトン等のラクトンからなるポリルエステルをあげることができる。さらに、上記のジカルボン酸成分、オキシ酸成分、グリコール成分などを組み合わせた共重合ポリエステルであってもよく、また、2種以上の低分子量ポリエステルを2官能性鎖延長剤を用いてカップリングさせたブロック共重合ポリエステルであってもよい。
これらのポリエステルの中では、機械的特性および耐加水分解性の点からポリエチレンナフタレート、特にポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが好ましい。また、共重合成分の割合は多くなりすぎると耐熱性や機械的特性が低下しやすいので、全繰返し単位を基準として20モル%以下、特に10モル%以下とすることが好ましく、ホモポリエステルが最も好ましい。
かかるポリエステルの固有粘度(重量比が6/4のフェノール/トリクロロエタン混合溶媒を用いて温度35℃で測定)は、小さすぎると機械的特性が不十分になる場合があり、逆に大きすぎると成形が難しくなる場合があるので0.6〜0.8dl/gの範囲が適当である。なお、本発明の目的を阻害しない範囲内で、従来公知の各種添加剤を含有していてもよく、例えば有機または無機の滑剤粒子、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、潤滑剤などをあげることができる。
また、本発明で用いられるビニル系重合体(B)は、その側鎖にオキサゾリン基および芳香族基を有している必要がある。かかるビニル系重合体は、下記式(化1)で表される付加重合性オキサゾリン化合物と、スチレン、α-メチルスチレン、p−メチルスチレンなどの芳香族基を有する付加重合性ビニル化合物、必要に応じてアクリロニトリル、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート等の脂肪族の付加重合性ビニル化合物を共重合することにより得ることができる。なお、付加重合性オキサゾリン化合物の割合が少なすぎると耐加水分解性や成形性の改善効果が小さくなり、逆に多すぎると前記改善効果は飽和するだけでなく、機械的特性が低下したり、経済的に不利になったりするので、該オキサゾリン化合物のビニル系重合体中を占める割合を0.5〜50重量%、特に0.8〜30重量%の範囲とするのが望ましい。また、芳香族基を有する付加重合性ビニル化合物の割合が少なすぎる場合には、熱安定性が低下し湿熱環境下の強度保持率が低下し、逆に多くなりすぎるとポリエステル(A)中でのビニル化合物(B)の分散性が低下し、成型時、金型内での流動むらを惹起する傾向にあるので、該芳香族基を有する付加重合性ビニル化合物のビニル系重合体中を占める割合は50〜95重量%、特に60〜90重量%の範囲とするのが望ましい。
Figure 2006335931
(式中、R、R、R、Rはそれぞれ独立に水素、ハロゲン、アルキル、アラルキル、フェニルまたは置換フェニルであり、Rは付加重合性不飽和結合を持つ非環状有機基である。)
好ましく用いられる側鎖にオキサゾリン基を有するビニル系重合体としては、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン/スチレン共重合体、5−メチル−2−ビニル−2−オキサゾリン/スチレン共重合体、4,4−ジメチル−2−ビニル−2−オキサゾリン/アクリロニトリル/α−メチルスチレン共重合体、5−メチル−2−ビニル−2−オキサゾリン/メタクリル酸メチル/アクリル酸ブチル/スチレン共重合体などを例示することができるが、特にこれらに限定されるものではない。
かかるビニル系重合体(B)は、例えば付加重合性オキサゾリン化合物と芳香族基を有するビニル系単量体、および、必要に応じて少なくとも1種の他の単量体とを、従来公知の重合法、例えば、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、バルク重合法等により製造できる。なお、かかるビニル系重合体の数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)の測定において、1000〜40000の範囲が好ましく、1500〜30000の範囲が特に好ましい。数平均分子量が1000未満の場合には、得られる組成物の溶融粘度が低下して成形性の改善効果が小さくなる傾向があり、また、耐加水分解性の改善効果も少なくなりがちである。一方、40000を越える場合には、得られる組成物の成形性改善効果が不十分になる場合がある。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、上記のポリエステル(A)にビニル系重合体(B)を配合してなるものであるが、該ビニル系重合体(B)の配合割合は、ポリエステル100重量部に対して0.5〜30重量部、好ましくは1〜25重量部、特に好ましくは5〜15重量部とする必要がある。該配合割合が0.5重量部未満の場合には、耐加水分解性や成形性の改善効果が不十分となり、一方30重量部を超える場合には、得られる組成物の機械的特性が低下する等の問題が発生しやすいので好ましくない。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物は、組成物としての固有粘度(重量比が6/4のフェノール/トリクロロエタン混合溶媒を用いて温度35℃で測定)が0.70〜0.90dl/g、好ましくは0.70〜0.80dl/gの範囲である必要がある。固有粘度が0.70dl/g未満の場合には機械的特性が低下するだけでなく耐水性も不十分となる。一方、固有粘度が0.90dl/gを超える場合には、流動性が乏しくなって成形性が不十分となる。
さらに本発明のポリエステル樹脂組成物は、組成物としてのカルボキシル基濃度が10〜30eq/T、好ましくは15〜28eq/Tの範囲であることが好ましい。この濃度が10eq/T未満の場合には、予め固相重合などでポリエステル中のカルボキシル基濃度を下げておく必要があり、生産性が低下する。一方30eq/Tを超える場合には、湿熱下での耐水性改善効果が低下しやすい。
さらに本発明のポリエステル樹脂組成物は、後述する方法で測定した固有粘度保持率が70%以上、特に80%以上であることが好ましい。
なお、本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル(A)とビニル系重合体(B)とが互いに反応せずに単に混合物の状態であってもよいし、各成分の一部が反応した状態、すなわち、混合物と反応物とが併存する状態であってもよいし、あるいは、各成分が完全に反応した反応物として存在していてもよい。
また、物性を損なわない範囲内であれば、他の添加剤、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などの他の熱可塑性樹脂、顔料、染料、強化剤、炭酸カルシウムやタルクなどの充填剤、耐熱性向上剤、酸化劣化防止剤、可塑剤、耐候性向上剤、滑剤、離型剤、結晶核剤、結晶促進剤、流動性改良剤、帯電防止剤、安定剤、難燃剤などを添加してもよい。さらに、必要に応じて強化剤として強化繊維を配合してもよく、例えばガラス繊維、アラミド繊維、カーボン繊維などがあげられる。
以上に説明した本発明のポリエステル樹脂組成物は、その製造方法は特に限定されず、任意の方法により製造することができる。例えば上記の成分を従来公知の方法、例えば二軸混練押出機を用いて溶融混練すればよい。また、ポリエステルの重縮合反応が終了した時点で、所定量の該ビニル系重合体(B)を添加し、溶融混合後に押出しても構わない。
このようにして得られたポリエステル樹脂組成物は、一旦ペレット状に成形した後に再度溶融して、あるいはペレット状に成形することなく連続して種々の成形品に成形することができる。例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形、発泡成形、紡糸成形、フィルム製膜などにより成形することができる。なお、本発明のポリエステル樹脂組成物は、その成形性が改善されているので、特に押出成形、ブロー成形、フィルム製膜などで良好な成形性を示し、また、発泡成形の際には均一微細な発泡体が得られ、かつ、これらの成形方法により機械的物性、外観に優れた成形品が得られる。また、紡糸成形においては、糸切れが起こりにくくなる。
これらの成形で用いられる成形機は特に限定されないが、例えば、通常の射出成形機や、いわゆる射出圧縮成形機、二軸スクリュー押出機、一軸スクリュー押出機、ベント付き二軸スクリュー押出機、ベント付き一軸スクリュー押出機などが好ましく用いられる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、本発明における各種特性は、以下の測定方法にしたがった。
(1)固有粘度
ポリエステルおよび組成物は、フェノール/トリクロロエタン=6/4(重量比)を溶媒に用いて35℃恒温下オストワルト型粘度計を用いて測定した。
(2)数平均分子量
溶媒としてテトラヒドロフランを用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC:日本ウォーターズ製)によって測定した。
(3)カルボキシル基濃度
窒素雰囲気下でベンジルアルコールに溶解させ、滴定法により測定した。
(4)耐湿熱性
ポリエステル樹脂組成物からなるペレットを、170℃で5時間乾燥した後、1軸の溶融混練押出機に供給し、290℃まで加熱して溶融状態でダイから回転冷却ドラムの上にシート状に押出し、急冷固化した後に125℃にて製膜方向および幅方向にそれぞれ3.5倍に延伸して厚み75μmの二軸配向フィルムを得る。
得られたフィルムから、押出方向を縦、幅方向を横として、縦、横100mmの正方形試験片を切り出し、この試験片を温度130℃の飽和水蒸気圧下オートクレーブ内で100時間処理し、処理後の固有粘度保持率を求めた。この値が70%以上であれば湿熱下での耐水性良好とした。
(5)初期ヤング率
ポリエステル樹脂組成物からなるペレットを、170℃で5時間乾燥した後、1軸の溶融混練押出機に供給し、290℃まで加熱して溶融状態でダイから回転冷却ドラムの上にシート状に押出し、急冷固化した後に125℃にて製膜方向および幅方向にそれぞれ3.5倍に延伸して厚み75μmの二軸配向フィルムを得る。
得られたフィルムの初期ヤング率を測定した後、この試験片を温度130℃の飽和水蒸気圧下オートクレーブ内で100時間処理し、処理後のヤング率保持率を求めた。この値が70%以上であれば湿熱下での耐水性良好とした。
[参考例1]
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計および滴下ロートを備えたフラスコに、トルエン665部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを流しながら90℃に加熱した。そこへ、スチレン512部、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン128部およびパ−ブチルO(日本油脂(株)製)25部からなる混合物を2時間にわたって滴下した。さらに、90℃で6時間攪拌を続けて反応を完結させた後、室温まで冷却して樹脂溶液を得た。次に得られた樹脂溶液をロータリーエバポレーターに移し、所定の温度および圧力でトルエンを留去した後、残留物を粉砕して、オキサゾリン基および芳香族基を有するビニル系重合体(B)を得た。得られた重合体中にオキサゾリン基が存在することは、IRスペクトルにより、1655cm−1に特性吸収があることにより確認した。また、得られたビニル系重合体の数平均分子量をGPCにて測定したところ、30000であった。
[参考例2]
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計および滴下ロートを備えたフラスコに、トルエン665部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを流しながら90℃に加熱した。そこへ、スチレン171部、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン128部、メタクリル酸メチル350部、アクリル酸ブチル50部およびパ−ブチルO(日本油脂(株)製)25部からなる混合物を2時間にわたって滴下した。さらに、90℃で6時間攪拌を続けて反応を完結させた後、室温まで冷却して樹脂溶液を得た。次に得られた樹脂溶液をロータリーエバポレーターに移し、所定の温度および圧力でトルエンを留去した後、残留物を粉砕して、オキサゾリン基および芳香族基を有するビニル系重合体(B)を得た。得られた重合体中にオキサゾリン基が存在することは、IRスペクトルにより、1655cm−1に特性吸収があることにより確認した。また、得られたビニル系重合体の数平均分子量をGPCにて測定したところ、30000であった。
[参考例3]
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計および滴下ロートを備えたフラスコに、トルエン665部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを流しながら90℃に加熱した。そこへ、メチルメタクリレート600部、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン128部およびパ−ブチルO(日本油脂(株)製)25部からなる混合物を2時間にわたって滴下した。さらに、90℃で6時間攪拌を続けて反応を完結させた後、室温まで冷却して樹脂溶液を得た。次に得られた樹脂溶液をロータリーエバポレーターに移し、所定の温度および圧力でトルエンを留去した後、残留物を粉砕して、オキサゾリン基および芳香族基を有するビニル系重合体(B)を得た。得られた重合体中にオキサゾリン基が存在することは、IRスペクトルにより、1655cm−1に特性吸収があることにより確認した。また、得られたビニル系重合体の数平均分子量をGPCにて測定したところ、38000であった。
[実施例1]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル(以下、NDCMという)100モル(24.4kg)、エチレングリコール(以下、EGという)180モル(11.2kg)、酢酸マンガン四水和物0.03モルを反応器に仕込み、窒素雰囲気下で240℃まで昇温してエステル交換反応を行った。メタノールの留出量が理論量に対して90%以上に達した後、NDCM100モルに対して三酸化二アンチモン0.02モルとトリメチルホスフェート(以下、TMPという)0.04モルを加え、260℃で30分間保持した。その後、昇温と減圧を徐々に行い、最終的に300℃、0.1kPa以下で重合を行った。適度な溶融粘度になった時点で、参考例1で製造したビニル系重合体(B)を2.5kg添加した。その後、反応器内を3.0kPaに10分間保ち、反応を終了して固有粘度0.63、カルボキシル基濃度27eq/Tのポリエチレンナフタレート樹脂組成物を得た。これを230℃で10時間固相重合し、固有粘度0.75、カルボキシル基濃度20eq/Tのポリエステル樹脂組成物を得た。この評価結果を表1に示す。
[実施例2]
ビニル系重合体の割合を表1記載のとおり変更する以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
[比較例1]
ビニル系重合体を添加しない以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
[比較例2]
ビニル系共重合体として参考例3で製造したものを用いる以外は、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
[実施例3〜4]
(株)神戸製鋼製二軸混練押出機NEXT−60を用い、帝人ファイバー(株)製ポリエチレンナフタレートFQ−QBAと参考例1(実施例3)または参考例2(実施例4)で製造したビニル系重合体とを重量比が100:25となるよう供給し、120kg/hの速度で溶融混練して押出し、固有粘度0.58のポリエチレンナフタレート樹脂組成物を得た。これを230℃で10時間固相重合して固有粘度が0.74、カルボキシル基濃度が18eq/Tの樹脂組成物を得た。この評価結果を表1に示す。
Figure 2006335931
本発明のポリエステル樹脂組成物は、芳香族基とオキサゾリン基とを有するビニル系重合体が分散されているので、機械的性能を損なうことなく、湿熱下における耐水性が改善された種々の成形品を製造するのに利用できる。

Claims (5)

  1. ポリエステル(A)100重量部に対して、側鎖にオキサゾリン基および芳香族基を有するビニル系重合体(B)を0.5〜30重量部配合してなるポリエステル樹脂組成物。
  2. 該ビニル系重合体(B)の数平均分子量が1000〜40000である請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. ポリエステル(A)の全繰返し単位の80モル%以上がエチレンナフタレート単位である請求項1または2記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. ポリエステル樹脂組成物の固有粘度が0.7〜0.9dl/g、カルボキシル基濃度が10〜30eq/Tである請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. 温度130℃の飽和水蒸気圧下100時間保持したときの固有粘度保持率が70%以上である請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
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JP2010031171A (ja) * 2008-07-30 2010-02-12 Teijin Dupont Films Japan Ltd 太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムおよび太陽電池裏面保護膜
WO2020246381A1 (ja) * 2019-06-06 2020-12-10 株式会社日本触媒 共重合体、及び複合樹脂

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