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JP2006332370A - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents

窒化物半導体発光素子 Download PDF

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JP2006332370A JP2005154416A JP2005154416A JP2006332370A JP 2006332370 A JP2006332370 A JP 2006332370A JP 2005154416 A JP2005154416 A JP 2005154416A JP 2005154416 A JP2005154416 A JP 2005154416A JP 2006332370 A JP2006332370 A JP 2006332370A
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孝史 京野
Katsushi Akita
勝史 秋田
Hideki Hirayama
秀樹 平山
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RIKEN
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Sumitomo Electric Industries Ltd
RIKEN
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Abstract

【課題】 発光効率が向上された窒化物半導体発光素子を提供する。
【解決手段】 窒化物半導体発光素子11は、紫外線領域の波長成分を含む光を発生する窒化物半導体発光素子である。窒化物半導体発光素子11は、InX1AlY1Ga1−X1−Y1N井戸層13(1>X1>0、1>Y1>0)及びInX2AlY2Ga1−X2−Y2Nバリア層15(1>X2>0、1>Y2>0)を含む発光領域17を備える。InX1AlY1Ga1−X1−Y1N井戸層13とInX2AlY2Ga1−X2−Y2Nバリア層15との間のエネルギーギャップ差Eg1は、2.4×10−20J以上4.8×10−20J以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、窒化物半導体発光素子に関する。
特許文献1には、AlGaNからなる量子井戸構造の発光層を有するLEDが記載されている。このLEDでは、量子井戸構造を構成する障壁層のAl組成と量子井戸層のAl組成との差が15%以内であり、かつ、量子井戸層のAl組成が2%以上である。
特開2004−6957号公報
ところで、InGaN井戸層及びInGaNバリア層からなる量子井戸構造(InGaN−QW)を有する窒化物半導体発光素子では、InGaN井戸層のIn組成を調整することにより、紫から緑の範囲内における所望の波長の光を発生させることができる。InGaNバリア層のIn組成は、結晶品質を低下させないように小さく設定されている。あるいは、InGaNバリア層に代えてGaNバリア層を用いてもよい。よって、InGaNバリア層のIn組成は、非常に狭い範囲内の値しかとれない。
したがって、InGaN井戸層とInGaNバリア層との間のエネルギーギャップ差は、InGaN井戸層のIn組成を調整することにより実質的に決定される。このため、InGaN−QWではエネルギーギャップ差の値に選択の余地は少ない。
一方、AlGaN井戸層及びAlGaNバリア層からなる量子井戸構造(AlGaN−QW)を有する窒化物半導体発光素子では、AlGaN井戸層のAl組成を調整することに加えて、AlGaNバリア層のAl組成を調整することによってもAlGaN井戸層とAlGaNバリア層とのエネルギーギャップ差の値を調整することができる。
しかしながら、AlGaNバリア層のAl組成を大きくし過ぎると、キャリア閉じ込め効果は向上するものの、AlGaN井戸層内のピエゾ電界が強くなり、注入された電子とホールとが空間的に分離されてしまうため、窒化物半導体発光素子の発光効率を高くすることができない。
一方、InAlGaN井戸層及びInAlGaNバリア層からなる量子井戸構造(InAlGaN−QW)を有する窒化物半導体発光素子では、本発明者らの知見によれば、ピエゾ電界の影響が小さいと推察される。このため、キャリア閉じ込め効果を向上させるためにInAlGaNバリア層のAl組成を大きくすることができると考えられる。しかしながら、本発明者らの実験によって、InAlGaNバリア層のAl組成を大きくし過ぎると、InAlGaNバリア層の結晶品質が低下するため、窒化物半導体発光素子の発光効率が低下してしまうことが判明した。
本発明は、上記事項を鑑みて為されたものであり、発光効率が向上された窒化物半導体発光素子を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明の窒化物半導体発光素子は、紫外線領域の波長成分を含む光を発生する窒化物半導体発光素子であって、InX1AlY1Ga1−X1−Y1N井戸層(1>X1>0、1>Y1>0)及びInX2AlY2Ga1−X2−Y2Nバリア層(1>X2>0、1>Y2>0)を含む発光領域を備え、前記InX1AlY1Ga1−X1−Y1N井戸層と前記InX2AlY2Ga1−X2−Y2Nバリア層との間のエネルギーギャップ差は、2.4×10−20J以上4.8×10−20J以下である。
本発明の窒化物半導体発光素子では、井戸層とバリア層との間のエネルギーギャップ差(以下、「第1のエネルギーギャップ差」とする。)が2.4×10−20J以上であるので、発光領域のキャリア閉じ込め効果が非常に優れている。
また、井戸層のバンドギャップエネルギーがある値の場合に、第1のエネルギーギャップ差を大きくするためにはバリア層のバンドギャップエネルギーを大きくする必要がある。ここで、バリア層のバンドギャップエネルギーを大きくするためにはバリア層のAl組成Y2を大きくする必要がある。しかしながら、バリア層のAl組成Y2が大き過ぎるとバリア層の結晶品質が低下してしまう傾向にある。したがって、第1のエネルギーギャップ差が大き過ぎると、バリア層の結晶品質が低下してしまう傾向にある。本発明の窒化物半導体発光素子では、第1のエネルギーギャップ差が4.8×10−20J以下であるので、バリア層の結晶品質が非常に優れている。
以上より、この窒化物半導体発光素子によれば、窒化物半導体発光素子の発光効率を顕著に向上させることができる。
また、上記窒化物半導体発光素子は、前記発光領域上に設けられたInX3AlY3Ga1−X3−Y3N層(1>X3≧0、1>Y3>0)を更に備え、前記InX3AlY3Ga1−X3−Y3N層と前記InX1AlY1Ga1−X1−Y1N井戸層との間のエネルギーギャップ差は、前記InX1AlY1Ga1−X1−Y1N井戸層と前記InX2AlY2Ga1−X2−Y2Nバリア層との間のエネルギーギャップ差よりも大きく、前記InX3AlY3Ga1−X3−Y3N層と前記InX1AlY1Ga1−X1−Y1N井戸層との間のエネルギーギャップ差は、7.2×10−20J以下であることが好ましい。
この窒化物半導体発光素子では、InX3AlY3Ga1−X3−Y3N層と井戸層とのエネルギーギャップ差(以下、「第2のエネルギーギャップ差」とする。)が、上記第1のエネルギーギャップ差よりも大きいので、キャリアのオーバーフローを抑制することができる。
また、井戸層のバンドギャップエネルギーがある値の場合に、第2のエネルギーギャップ差を大きくするためにはInX3AlY3Ga1−X3−Y3N層のバンドギャップエネルギーを大きくする必要がある。ここで、InX3AlY3Ga1−X3−Y3N層のバンドギャップエネルギーを大きくするためにはInX3AlY3Ga1−X3−Y3N層のAl組成Y3を大きくする必要がある。しかしながら、Al組成Y3が大き過ぎるとInX3AlY3Ga1−X3−Y3N層の結晶品質が低下してしまう傾向にある。したがって、第2のエネルギーギャップ差が大き過ぎると、InX3AlY3Ga1−X3−Y3N層の結晶品質が低下してしまう傾向にある。この窒化物半導体発光素子では、第2のエネルギーギャップ差が7.2×10−20J以下であるので、InX3AlY3Ga1−X3−Y3N層の結晶品質が非常に優れている。
また、前記InX3AlY3Ga1−X3−Y3N層の厚みが、10nm以上であり、前記InX3AlY3Ga1−X3−Y3N層の厚みが、30nm以下であることが好ましい。この窒化物半導体発光素子では、InX3AlY3Ga1−X3−Y3N層の厚みが10nm以上であるので、キャリアのオーバーフローを抑制することができる。また、InX3AlY3Ga1−X3−Y3N層の厚みが厚くなり過ぎると、結晶品質が低下する傾向にある。この窒化物半導体素子では、InX3AlY3Ga1−X3−Y3N層の厚みが30nm以下であるので、結晶品質が非常に優れている。よって、窒化物半導体発光素子の発光効率を向上させることができる。
また、前記InX1AlY1Ga1−X1−Y1N井戸層のIn組成X1が、0より大きく0.03未満であることが好ましい。ある発光波長において、In組成X1を大きくすると、波長を調整するためにAl組成Y1を大きくする必要がある。また、Al組成Y1が大き過ぎると井戸層の結晶品質が低下する傾向にある。よって、井戸層の結晶品質を向上させるためには、In組成X1を小さくすることが好ましい。この窒化物半導体発光素子では、井戸層のIn組成X1が0.03未満であるので、井戸層の結晶品質が優れている。このため、窒化物半導体発光素子の発光効率を向上させることができる。
また、前記InX2AlY2Ga1−X2−Y2Nバリア層のIn組成X2が、0より大きく0.03未満であることが好ましい。ある発光波長において、In組成X2を大きくすると、波長を調整するためにAl組成Y2を大きくする必要がある。また、Al組成Y2が大き過ぎるとバリア層の結晶品質が低下する傾向にある。よって、バリア層の結晶品質を向上させるためには、In組成X2を小さくすることが好ましい。この窒化物半導体発光素子では、バリア層のIn組成X2が0.03未満であるので、バリア層の結晶品質が優れている。このため、窒化物半導体発光素子の発光効率を向上させることができる。
また、前記発光領域が、300nm以上365nm以下の波長領域内の波長の光を発生する量子井戸構造を有することが好ましい。この窒化物半導体発光素子では、300nm以上365nm以下の波長領域内にピーク波長を有する発光スペクトルを示す光を発生させることができる。
本発明によれば、発光効率が向上された窒化物半導体発光素子が提供される。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子を模式的に示す断面図である。図1には、第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子のバンドダイアグラムも示されている。図1に示される窒化物半導体発光素子11は、例えばレーザ光等の光によって励起されることにより、紫外線領域の波長成分を含む光を発生する。窒化物半導体発光素子11は、InAlGaN半導体からなる発光領域17を備える。
発光領域17は、InX1AlY1Ga1−X1−Y1N井戸層13(以下、「井戸層13」という。)及びInX2AlY2Ga1−X2−Y2Nバリア層15(以下、「バリア層15」という。)を含む。ここで、In組成X1,X2及びAl組成Y1,Y2は、1>X1>0、1>Y1>0、1>X2>0、1>Y2>0を満たす。In組成X1,X2及びAl組成Y1,Y2は、井戸層13及びバリア層15を形成する際に、例えば有機金属気相成長法の場合であれば、In含有ガスの流量、Al含有ガスの流量又は温度等のプロセス条件を制御することにより調整される。
井戸層13のバンドギャップエネルギーE(w)とバリア層15のバンドギャップエネルギーE(b)の差、すなわち井戸層13とバリア層15との間のエネルギーギャップ差Eg1(Eg1=E(b)−E(w))は、2.4×10−20J(0.15eV)以上4.8×10−20J(0.3eV)以下である。なお、換算式として1eV=1.602×10−19Jを用いた。バンドギャップエネルギーE(w)は、例えばIn組成X1及びAl組成Y1の値を調整することにより決定される。バンドギャップエネルギーE(w)は、In組成X1を固定した場合、Al組成Y1を大きくすると大きくなる。バンドギャップエネルギーE(b)は、例えばIn組成X2及びAl組成Y2の値を調整することにより決定される。バンドギャップエネルギーE(b)は、In組成X2を固定した場合、Al組成Y2を大きくすると大きくなる。
発光領域17は、複数の井戸層13と複数のバリア層15とが交互に配置された量子井戸構造を有することが好ましい。井戸層13は、バリア層15の間に配置される。発光領域17は、例えば、支持基体19上に設けられた第1導電型窒化物半導体層25上に設けられている。発光領域17と第1導電型窒化物半導体層25との間には、バッファ層27が設けられていることが好ましい。支持基体19と第1導電型窒化物半導体層25との間には、第1導電型窒化物半導体層23が設けられていることが好ましい。支持基体19と第1導電型窒化物半導体層23との間には、窒化物半導体層21が設けられていることが好ましい。
この窒化物半導体発光素子11では、エネルギーギャップ差Eg1が2.4×10−20J以上であるので、発光領域17のキャリア閉じ込め効果が非常に優れている。
また、井戸層13のバンドギャップエネルギーE(w)がある値の場合に、エネルギーギャップ差Eg1を大きくするためにはバリア層15のバンドギャップエネルギーE(b)を大きくする必要がある。ここで、バリア層15のバンドギャップエネルギーE(b)を大きくするためにはバリア層15のAl組成Y2を大きくする必要がある。しかしながら、バリア層15のAl組成Y2が大き過ぎるとバリア層15の結晶品質が低下してしまう傾向にある。この原因は次のように考えられる。
一般に、Inを含む窒化物半導体層を結晶品質良く成膜するためには800℃程度と低温にすることが好適である。これは、高温にするとInが脱離してしまい、Inが結晶中に取り込まれないためである。一方、Alを多く含む窒化物半導体層を結晶品質良く成膜するためには1000℃以上の高温にすることが好適である。これは、高温ほどAlのマイグレーションが促進されるためである。ここで、バリア層15はInを含むので低温で形成されることが好ましいが、バリア層15はAlも含むので、Al組成Y2が大きくなるとバリア層15の結晶品質は低下してしまう傾向にある。
さらに、InAlGaN層はAlGaN層よりも低温で成長されるため、InAlGaN層中には不純物としての酸素が混入し易い。よって、InAlGaN層中のAl組成が増加するほど酸素濃度が増大すると考えられる。このため、Al組成Y2が大きくなると、酸素濃度の増大に起因してバリア層15の結晶品質が低下する傾向にあると考えられる。
したがって、エネルギーギャップ差Eg1が大き過ぎると、バリア層15の結晶品質が低下してしまう傾向にある。窒化物半導体発光素子11では、エネルギーギャップ差Eg1が4.8×10−20J以下であるので、バリア層15の結晶品質が非常に優れている。この場合、発光領域17におけるキャリアの非発光再結合を抑制することができる。
以上より、窒化物半導体発光素子11では、その発光効率を顕著に向上させることができる。
支持基体19は、例えばGaN等のIII族窒化物、サファイア等からなる。窒化物半導体層21は、例えばGaN半導体からなる。第1導電型窒化物半導体層23は、例えばSi等がドープされたn型GaN半導体からなる。第1導電型窒化物半導体層25は、例えばSi等がドープされたn型AlGaN半導体からなる。バッファ層27は、InX4AlY4Ga1−X4−Y4N半導体(1>X4>0、1>Y4>0)からなることが好ましい。
また、井戸層13のIn組成X1は、0より大きく0.03未満であることが好ましく、0.01以上0.02以下であることが更に好ましい。ある発光波長において、In組成X1を大きくすると、波長を調整するためにAl組成Y1を大きくする必要がある。また、Al組成Y1が大き過ぎると井戸層13の結晶品質が低下する傾向にある。よって、井戸層13の結晶品質を向上させるためには、In組成X1を小さくすることが好ましい。しかし、In組成を小さくし過ぎると、In組成が自発的に不均一になって発光効率が向上するいわゆるIn組成ゆらぎ効果が小さくなるため、発光効率は劣化する傾向にある。この窒化物半導体発光素子11では、井戸層13のIn組成X1が0より大きく0.03未満であるので、井戸層13の結晶品質とIn組成ゆらぎ効果とを両立させることができる。このため、窒化物半導体発光素子11の発光効率を向上させることができる。
また、井戸層13のIn組成X1が0より大きく0.03未満であると、井戸層13の表面粗さが低下する。これにより、井戸層13とバリア層15との界面急峻性が向上するので、窒化物半導体発光素子11の発光効率が向上する。
さらに、窒化物半導体発光素子11の発光波長が例えば350nmであって、井戸層13のIn組成X1が0より大きく0.03未満である場合、井戸層13のAl組成Y1は、0.05より大きく0.14未満であることが好ましい。
また、バリア層15のIn組成X2は、0より大きく0.03未満であることが好ましく、0.01以上0.02以下であることが更に好ましい。井戸層13と交互に成長するバリア層15は、井戸層13と同様に、Inが取り込まれる程度の比較的低い温度で成長することが好ましい。その場合、バリア層15にもInをわずかに混入させた方が結晶品質は向上する。ある発光波長において、In組成X2を大きくすると、波長を調整するためにAl組成Y2を大きくする必要がある。また、Al組成Y2が大き過ぎるとバリア層15の結晶品質が低下する傾向にある。よって、バリア層15の結晶品質を向上させるためには、In組成X2を小さくすることが好ましい。この窒化物半導体発光素子11では、バリア層15のIn組成X2が0.03未満であるので、バリア層15の結晶品質が優れている。このため、窒化物半導体発光素子11の発光効率を向上させることができる。
また、バリア層15のIn組成X2が0より大きく0.03未満であると、バリア層15の表面粗さが低下する。これにより、井戸層13とバリア層15との界面急峻性が向上するので、窒化物半導体発光素子11の発光効率が向上する。
さらに、窒化物半導体発光素子11の発光波長が例えば350nmであって、エネルギーギャップ差Eg1が3.5×10−20Jであり、バリア層15のIn組成X2が0より大きく0.03未満である場合、バリア層15のAl組成Y2は、0.15より大きく0.24未満であることが好ましい。
また、発光領域17が、300nm以上365nm以下の波長領域内の波長の光を発生する量子井戸構造を有することが好ましい。より好ましくは、発光領域17は多重量子井戸構造(MQW)を有する。この場合、窒化物半導体発光素子11は、300nm以上365nm以下の波長領域内にピーク波長を有する発光スペクトルを示す光を発生させることができる。発光波長が300nm以上の発光領域17では、その結晶品質は良好である。
(第2実施形態)
図2は、第2実施形態に係る窒化物半導体発光素子を模式的に示す断面図である。図2には、第2実施形態に係る窒化物半導体発光素子のバンドダイアグラムも示されている。図2に示される窒化物半導体発光素子11aは、例えば電流が注入されることにより、紫外線領域の波長成分を含む光を発生する。窒化物半導体発光素子11aは、InAlGaN半導体からなる発光領域17と、発光領域17上に設けられたInX3AlY3Ga1−X3−Y3N層29(以下、「InAlGaN層29」という。)を備える。ここで、In組成X3及びAl組成Y3は、1>X3≧0、1>Y3>0を満たす。In組成X3及びAl組成Y3は、InAlGaN層29を形成する際に、例えば有機金属気相成長法の場合であれば、In含有ガスの流量又はAl含有ガスの流量又は温度等のプロセス条件を制御することにより調整される。
窒化物半導体発光素子11aは発光領域17を備えるので、窒化物半導体発光素子11と同様に、窒化物半導体発光素子11aの発光効率を顕著に向上させることができる。
InAlGaN層29のバンドギャップエネルギーE(bl)とバンドギャップエネルギーE(w)との差、すなわちInAlGaN層29と井戸層13との間のエネルギーギャップ差Eg2(Eg2=E(bl)−E(w))は、エネルギーギャップ差Eg1よりも大きいことが好ましい。バンドギャップエネルギーE(bl)は、例えばIn組成X3及びAl組成Y3の値を調整することにより決定される。バンドギャップエネルギーE(bl)は、In組成X3を固定した場合、Al組成Y3を大きくすると大きくなる。エネルギーギャップ差Eg2がエネルギーギャップ差Eg1よりも大きいと、キャリアのオーバーフローを抑制することができる。InAlGaN層29は電子ブロック層として機能することが好ましい。より好ましくは、エネルギーギャップ差Eg2は、4.8×10−20J(0.3eV)以上であることが好ましい。
また、エネルギーギャップ差Eg2は7.2×10−20J以下(0.45eV)であることが好ましい。井戸層13のバンドギャップエネルギーE(w)がある値の場合に、エネルギーギャップ差Eg2を大きくするためにはInAlGaN層29のバンドギャップエネルギーE(bl)を大きくする必要がある。ここで、InAlGaN層29のバンドギャップエネルギーE(bl)を大きくするためにはInAlGaN層29のAl組成Y3を大きくする必要がある。しかしながら、Al組成Y3が大き過ぎるとInAlGaN層29の結晶品質が低下してしまう傾向にある。したがって、エネルギーギャップ差Eg2が大き過ぎると、InAlGaN層29の結晶品質が低下してしまう傾向にある。エネルギーギャップ差Eg2が7.2×10−20J以下であると、InAlGaN層29の結晶品質が非常に優れる。
また、InAlGaN層29は、Mgをドープしたp型半導体から構成されるとしてもよい。その場合、Al組成Y3が増大すると、p型化が難しくなると共にホールキャリア濃度が低下することによって、キャリアオーバーフローが発生する傾向にある。しかしながら、エネルギーギャップ差Eg2が7.2×10−20J以下であると、InAlGaN層29がMgをドープしたp型半導体から構成される場合であっても、InAlGaN層29は良好なp型伝導性を有する。
InAlGaN層29の厚みは、10nm以上であることが好ましい。この場合、キャリアのオーバーフローを抑制することができる。よって、窒化物半導体発光素子11aの発光効率を向上させることができる。
また、InAlGaN層29の厚みは、30nm以下であることが好ましい。この場合、InAlGaN層29の結晶品質を劣化させることなくキャリアオーバーフロー抑制効果が得られる。よって、窒化物半導体発光素子11aの発光効率を向上させることができる。
窒化物半導体発光素子11aにおいて、発光領域17は、例えば、支持基体19上に設けられた第1導電型窒化物半導体層25上に設けられている。発光領域17と第1導電型窒化物半導体層25との間には、バッファ層27が設けられていることが好ましい。支持基体19と第1導電型窒化物半導体層25との間には、第1導電型窒化物半導体層23が設けられていることが好ましい。InAlGaN層29上には、第2電型窒化物半導体層31が設けられていることが好ましい。第2電型窒化物半導体層31上には第1の電極が設けられていることが好ましい。支持基体19の裏面上には第2の電極が設けられていることが好ましい。支持基体19は、第2の電極と第1導電型窒化物半導体層23との間に設けられることが好ましい。
InAlGaN層29は、ノンドープInX3AlY3Ga1−X3−Y3N層又は第2導電型InX3AlY3Ga1−X3−Y3N層であることが好ましい。InAlGaN層29は、例えばMg等がドープされたp型InX3AlY3Ga1−X3−Y3N半導体又はノンドープInX3AlY3Ga1−X3−Y3N半導体からなる。第2電型窒化物半導体層31は、例えばMg等がドープされたp型AlGaN半導体からなる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されない。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
図3は、第1実施形態に対応する窒化物半導体発光素子を模式的に示す図である。図3に示されるyは、バリア層のAl組成を示す。
(実施例1)
yの値を0.19とした。したがって、実施例1の窒化物半導体発光素子は以下の構造を有する。
・バリア層15:In0.02Al0.19Ga0.79N層(厚み:15nm)
・井戸層13:In0.02Al0.09Ga0.89N層(厚み:2.5nm)
・バッファ層27:In0.05Al0.24Ga0.71N層(厚み:30nm)
・第1導電型窒化物半導体層25:Siドープn型Al0.18Ga0.82N層(厚み:30nm)
・第1導電型窒化物半導体層23:Siドープn型GaN層(厚み:3μm)
・窒化物半導体層21:GaN層
・支持基体19:サファイア基板
井戸層のバンドギャップエネルギーE(w)は5.67×10−19J(3.54eV)である。バリア層のバンドギャップエネルギーE(b)は6.02×10−19J(3.76eV)である。
実施例1の窒化物半導体発光素子は、以下の方法で作製した。まず、サファイア基板をH雰囲気、1100℃でクリーニングした。次に、GaNバッファ層、Siドープn型GaN層及びSiドープn型AlGaN層をサファイア基板上に順に成長させた。さらに、780℃で、InAlGaN層をSiドープn型AlGaN層上に成長させた。その後、830℃で、2周期のInAlGaN/InAlGaN−MQWをInAlGaN層上に形成した。
(比較例1)
yの値を0.15とした以外は実施例1と同様に比較例1の窒化物半導体発光素子を作製した。したがって、比較例1の窒化物半導体発光素子のバリア層はIn0.02Al0.15Ga0.83N層(厚み:15nm)である。バリア層のバンドギャップエネルギーは5.88×10−19J(3.67eV)である。
(比較例2)
yの値を0.26とした以外は実施例1と同様に比較例2の窒化物半導体発光素子を作製した。したがって、比較例2の窒化物半導体発光素子のバリア層はIn0.02Al0.26Ga0.72N層(厚み:15nm)である。バリア層のバンドギャップエネルギーは6.20×10−19J(3.87eV)である。
(エネルギーギャップ差の算出結果)
実施例1、比較例1及び比較例2の窒化物半導体発光素子について、エネルギーギャップ差Eg1をそれぞれ算出した。算出結果を図4(a)に示す。図4(a)は、実施例1、比較例1及び比較例2の窒化物半導体発光素子のエネルギーギャップ差を示す図である。
(フォトルミネッセンス強度の測定結果)
実施例1、比較例1及び比較例2の窒化物半導体発光素子について、それぞれ、フォトルミネッセンス強度(PL強度)を測定した。測定結果を図4(b)に示す。図4(b)は、実施例1、比較例1及び比較例2の窒化物半導体発光素子のフォトルミネッセンス・スペクトルをそれぞれ示すグラフである。横軸は波長を示し、縦軸はPL強度を示す。図4(b)に示されるフォトルミネッセンス・スペクトルU1は、比較例1の窒化物半導体発光素子についての測定結果を示す。フォトルミネッセンス・スペクトルU2は、実施例1の窒化物半導体発光素子についての測定結果を示す。フォトルミネッセンス・スペクトルU3は、比較例2の窒化物半導体発光素子についての測定結果を示す。
図4(b)に示されるように、フォトルミネッセンス・スペクトルU2のピーク強度は、フォトルミネッセンス・スペクトルU1のピーク強度の約2倍である。フォトルミネッセンス・スペクトルU2のピーク強度は、フォトルミネッセンス・スペクトルU3のピーク強度の約1.5倍である。したがって、実施例1の窒化物半導体発光素子の発光効率は、比較例1,2の窒化物半導体発光素子の発光効率に比べて高いことが確認された。この要因としては、実施例1の窒化物半導体発光素子では、キャリアが効率的に閉じ込められると共にバリア層の結晶品質が優れていることが考えられる。バリア層の結晶品質が優れていると、MQW界面又はバリア層におけるキャリアの非発光再結合が抑制される。
(実施例2)
エネルギーギャップ差Eg1を3.5×10−20Jに維持しながら、井戸層13のIn組成X1及びバリア層15のIn組成X2をいずれも0.06とした以外は実施例1と同様に実施例2の窒化物半導体発光素子を作製した。
(比較例3)
エネルギーギャップ差Eg1を3.5×10−20Jに維持しながら、井戸層13のIn組成X1及びバリア層15のIn組成X2をいずれも0とした以外は実施例1と同様に比較例3の窒化物半導体発光素子を作製した。
(フォトルミネッセンス強度の測定結果)
実施例2及び比較例3の窒化物半導体発光素子について、それぞれ、フォトルミネッセンス強度(PL強度)を測定した。測定結果を図5に示す。図5は、実施例1、実施例2及び比較例3の窒化物半導体発光素子のフォトルミネッセンス・スペクトルをそれぞれ示すグラフである。横軸は波長を示し、縦軸はPL強度を示す。図5に示されるフォトルミネッセンス・スペクトルU4は、実施例2の窒化物半導体発光素子についての測定結果を示す。フォトルミネッセンス・スペクトルU5は、比較例3の窒化物半導体発光素子についての測定結果を示す。なお、図5において、フォトルミネッセンス・スペクトルU5のPL強度はフォトルミネッセンス・スペクトルU4,U5に比べて10倍の値で描かれている。
図5に示されるように、フォトルミネッセンス・スペクトルU2のピーク強度は、フォトルミネッセンス・スペクトルU4のピーク強度の約4倍であり、フォトルミネッセンス・スペクトルU5のピーク強度の約80倍である。これにより、In組成X1,X2が0より大きい場合、In組成ゆらぎ効果によってPL強度が大幅に増大する一方、In組成X1,X2を増やし過ぎると、PL強度が低下することも分かる。これは、In組成X1,X2を増やし過ぎると、エネルギーギャップ差Eg1を維持するためにAl組成Y1,Y2も増やす必要が出てくるため、井戸層及びバリア層の結晶性が低下したからと考えられる。また、Al組成Y1,Y2を増やすと表面の平坦性が損なわれることに起因して量子井戸界面の急峻性が悪化することも、In組成X1,X2を増やし過ぎるとPL強度が低下する一要因であると考えられる。In組成ゆらぎを維持したままAl組成を下げることで、結晶性及び界面急峻性に優れた発光領域を提供することができる。
図6は、第2実施形態に対応する窒化物半導体発光素子を模式的に示す図である。図6に示されるzは、電子ブロック層のAl組成を示す。
(実施例3)
zの値を0.18とした。したがって、実施例3の窒化物半導体発光素子は以下の構造を有する。
・第2電型窒化物半導体層31:Mgドープp型Al0.18Ga0.82N層(厚み:60nm)
・InAlGaN層29:Mgドープp型Al0.18Ga0.82N電子ブロック層(厚み:25nm)
・バリア層15:In0.02Al0.19Ga0.79N層(厚み:15nm)
・井戸層13:In0.02Al0.09Ga0.89N層(厚み:2.5nm)
・バッファ層27:In0.05Al0.24Ga0.71N層(厚み:30nm)
・第1導電型窒化物半導体層25:Siドープn型Al0.18Ga0.82N層(厚み:30nm)
・第1導電型窒化物半導体層23:Siドープn型GaN層(厚み:100nm)
・支持基体19:GaN基板
井戸層のバンドギャップエネルギーE(w)は5.67×10−19J(3.54eV)である。バリア層のバンドギャップエネルギーE(b)は6.02×10−19J(3.76eV)である。電子ブロック層のバンドギャップエネルギーE(bl)は6.04×10−19J(3.77eV)である。
実施例3の窒化物半導体発光素子は、以下の方法で作製した。まず、GaN基板上に、1080℃で、Siドープn型GaN層、Siドープn型AlGaN層をGaN層上に順に成長させた。さらに、780℃で、InAlGaN層をSiドープn型AlGaN層上に成長させた。その後、830℃で、2周期のInAlGaN/InAlGaN−MQWをInAlGaN層上に形成した。続いて、MQW上に、Mgドープp型AlGaN層を形成した。さらに、GaN基板の裏面にTi/Alからなるn電極を形成し、Mgドープp型AlGaN層上にNi/Auからなるp電極を形成した。
(実施例4)
zの値を0.24とした以外は実施例3と同様に実施例4の窒化物半導体発光素子を作製した。したがって、実施例4の窒化物半導体発光素子の電子ブロック層は、Mgドープp型Al0.24Ga0.76N電子ブロック層(厚み:25nm)である。電子ブロック層のバンドギャップエネルギーE(bl)は6.20×10−19J(3.87eV)である。
(実施例5)
zの値を0.27とした以外は実施例3と同様に実施例5の窒化物半導体発光素子を作製した。したがって、実施例5の窒化物半導体発光素子の電子ブロック層は、Mgドープp型Al0.27Ga0.73N電子ブロック層(厚み:25nm)である。電子ブロック層のバンドギャップエネルギーE(bl)は6.31×10−19J(3.94eV)である。
(実施例6)
zの値を0.30とした以外は実施例3と同様に実施例6の窒化物半導体発光素子を作製した。したがって、実施例6の窒化物半導体発光素子の電子ブロック層は、Mgドープp型Al0.30Ga0.70N電子ブロック層(厚み:25nm)である。電子ブロック層のバンドギャップエネルギーE(bl)は6.4×10−19J(4.00eV)である。
(エネルギーギャップ差の算出結果)
実施例3、実施例4、実施例5及び実施例6の窒化物半導体発光素子のエネルギーギャップ差Eg1,Eg2をそれぞれ算出した。エネルギーギャップ差Eg1はいずれも3.5×10−20J(0.22eV)であった。エネルギーギャップ差Eg2の算出結果を図7(a)に示す。図7(a)は、実施例3、実施例4、実施例5及び実施例6の窒化物半導体発光素子のエネルギーギャップ差を示す図である。
(発光強度の測定結果)
実施例3、実施例4、実施例5及び実施例6の窒化物半導体発光素子について、それぞれ、発光強度(エレクトロルミネセンス強度)を測定した。測定結果を図7(b)に示す。図7(b)は、実施例3、実施例4、実施例5及び実施例6の窒化物半導体発光素子の発光スペクトルをそれぞれ示すグラフである。横軸は波長を示し、縦軸は発光強度を示す。図7(b)に示される発光スペクトルV1は、実施例3の窒化物半導体発光素子についての測定結果を示す。発光スペクトルV2は、実施例4の窒化物半導体発光素子についての測定結果を示す。発光スペクトルV3は、実施例5の窒化物半導体発光素子についての測定結果を示す。発光スペクトルV4は、実施例6の窒化物半導体発光素子についての測定結果を示す。
図7(b)に示されるように、発光スペクトルV1がピーク波長の長波長側にすそを引いているのに対し、発光スペクトルV2,V3,V4ではピークがシングルとなった。発光スペクトルV2,V3,V4では、発光スペクトルV1に比べてキャリアオーバーフローが抑制されていることが確認された。発光スペクトルV2のピーク強度は、発光スペクトルV1のピーク強度の約5倍であった。発光スペクトルV3のピーク強度は、発光スペクトルV2のピーク強度の約2.5倍であった。発光スペクトルV4のピーク強度は、発光スペクトルV3のピーク強度の約1/3であった。したがって、エネルギーギャップ差Eg2が大きい程、発光スペクトルがシングルピークとなり、発光強度が増大する一方、エネルギーギャップ差Eg2が大きくなり過ぎると発光強度が減少することが確認された。
(井戸層の表面粗さ評価)
以下の積層構造を有する評価素子を作製して、その評価素子の表面(井戸層の表面)を原子間力顕微鏡(AFM)で観察した。井戸層の表面粗さ評価は、二乗平均平方根粗さRq(RMSともいう。)を用いて行った。
・井戸層13:InX1AlY1Ga1−X1−Y1N層(厚み:60nm)
・第1導電型窒化物半導体層23:Siドープn型GaN層(厚み:3μm)
・窒化物半導体層21:GaN層
・支持基体19:サファイア基板
評価素子の作製において、井戸層のバンドギャップエネルギーE(w)を5.67×10−19Jに維持しながら、In組成X1を、0.01、0.02、0.04と変化させた。In組成X1が0.01の場合、井戸層の成長温度を850℃とした。In組成X1が0.02の場合、井戸層の成長温度を830℃とした。In組成X1が0.04の場合、井戸層の成長温度を800℃とした。
図8(a)〜図8(c)は、いずれも井戸層の表面をAFMで観察して得られた画像を示す図である。図8(a)は、In組成X1が0.04の場合におけるAFM画像を示す。In組成X1が0.04の場合、二乗平均平方根粗さRqは1.76nmであった。図8(b)は、In組成X1が0.02の場合におけるAFM画像を示す。In組成X1が0.02の場合、二乗平均平方根粗さRqは0.45nmであった。図8(c)は、In組成X1が0.01の場合におけるAFM画像を示す。In組成X1が0.01の場合、二乗平均平方根粗さRqは0.40nmであった。
表面粗さ評価の結果、In組成X1を減少させるに従って、表面粗さが低下していくことが分かった。
(バリア層の表面粗さ評価)
井戸層の表面粗さ評価と同様に、以下の積層構造を有する評価素子を作製して、その評価素子の表面(バリア層の表面)を原子間力顕微鏡(AFM)で観察した。バリア層の表面粗さ評価は、二乗平均平方根粗さRqを用いて行った。
・バリア層15:InX2AlY2Ga1−X2−Y2N層(厚み:60nm)
・第1導電型窒化物半導体層23:Siドープn型GaN層(厚み:3μm)
・窒化物半導体層21:GaN層
・支持基体19:サファイア基板
評価素子の作製において、バリア層のバンドギャップエネルギーE(b)を6.02×10−19Jに維持しながら、In組成X2を、0.01、0.02、0.04と変化させた。
図9(a)〜図9(c)は、いずれもバリア層の表面をAFMで観察して得られた画像を示す図である。図9(a)は、In組成X2が0.04の場合におけるAFM画像を示す。In組成X2が0.04の場合、二乗平均平方根粗さRqは0.85nmであった。図9(b)は、In組成X2が0.02の場合におけるAFM画像を示す。In組成X2が0.02の場合、二乗平均平方根粗さRqは0.49nmであった。図9(c)は、In組成X2が0.01の場合におけるAFM画像を示す。In組成X2が0.01の場合、二乗平均平方根粗さRqは0.33nmであった。
表面粗さ評価の結果、In組成X2を減少させるに従って、表面粗さが低下していくことが分かった。
第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子を模式的に示す断面図である。 第2実施形態に係る窒化物半導体発光素子を模式的に示す断面図である。 第1実施形態に対応する窒化物半導体発光素子を模式的に示す図である。 図4(a)は、実施例1、比較例1及び比較例2の窒化物半導体発光素子のエネルギーギャップ差を示す図であり、図4(b)は、実施例1、比較例1及び比較例2の窒化物半導体発光素子のフォトルミネッセンス・スペクトルをそれぞれ示すグラフである。 実施例1、実施例2及び比較例3の窒化物半導体発光素子のフォトルミネッセンス・スペクトルをそれぞれ示すグラフである。 第2実施形態に対応する窒化物半導体発光素子を模式的に示す図である。 図7(a)は、実施例3、実施例4、実施例5及び実施例6の窒化物半導体発光素子のエネルギーギャップ差を示す図であり、図7(b)は、実施例3、実施例4、実施例5及び実施例6の窒化物半導体発光素子の発光スペクトルをそれぞれ示すグラフである。 図8(a)〜図8(c)は、いずれも井戸層の表面をAFMで観察して得られた画像を示す図である。 図9(a)〜図9(c)は、いずれもバリア層の表面をAFMで観察して得られた画像を示す図である。
符号の説明
11,11a…窒化物半導体発光素子、13…InX1AlY1Ga1−X1−Y1N井戸層、15…InX2AlY2Ga1−X2−Y2Nバリア層、17…発光領域、29…InX3AlY3Ga1−X3−Y3N層。

Claims (6)

  1. 紫外線領域の波長成分を含む光を発生する窒化物半導体発光素子であって、
    InX1AlY1Ga1−X1−Y1N井戸層(1>X1>0、1>Y1>0)及びInX2AlY2Ga1−X2−Y2Nバリア層(1>X2>0、1>Y2>0)を含む発光領域を備え、
    前記InX1AlY1Ga1−X1−Y1N井戸層と前記InX2AlY2Ga1−X2−Y2Nバリア層との間のエネルギーギャップ差は、2.4×10−20J以上4.8×10−20J以下である、窒化物半導体発光素子。
  2. 前記発光領域上に設けられたInX3AlY3Ga1−X3−Y3N層(1>X3≧0、1>Y3>0)を更に備え、
    前記InX3AlY3Ga1−X3−Y3N層と前記InX1AlY1Ga1−X1−Y1N井戸層との間のエネルギーギャップ差は、前記InX1AlY1Ga1−X1−Y1N井戸層と前記InX2AlY2Ga1−X2−Y2Nバリア層との間のエネルギーギャップ差よりも大きく、
    前記InX3AlY3Ga1−X3−Y3N層と前記InX1AlY1Ga1−X1−Y1N井戸層との間のエネルギーギャップ差は、7.2×10−20J以下である、請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  3. 前記InX3AlY3Ga1−X3−Y3N層の厚みが、10nm以上であり、
    前記InX3AlY3Ga1−X3−Y3N層の厚みが、30nm以下である、請求項2に記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 前記InX1AlY1Ga1−X1−Y1N井戸層のIn組成X1が、0より大きく0.03未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の窒化物半導体発光素子。
  5. 前記InX2AlY2Ga1−X2−Y2Nバリア層のIn組成X2が、0より大きく0.03未満である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の窒化物半導体発光素子。
  6. 前記発光領域が、300nm以上365nm以下の波長領域内の波長の光を発生する量子井戸構造を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の窒化物半導体発光素子。
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