[go: up one dir, main page]

JP2006310220A - 燃料電池 - Google Patents

燃料電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2006310220A
JP2006310220A JP2005134059A JP2005134059A JP2006310220A JP 2006310220 A JP2006310220 A JP 2006310220A JP 2005134059 A JP2005134059 A JP 2005134059A JP 2005134059 A JP2005134059 A JP 2005134059A JP 2006310220 A JP2006310220 A JP 2006310220A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal plate
fuel cell
plate
electrode plate
anode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005134059A
Other languages
English (en)
Inventor
Masakazu Sugimoto
正和 杉本
Masaya Yano
雅也 矢野
Taiichi Sugita
泰一 杉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2005134059A priority Critical patent/JP2006310220A/ja
Publication of JP2006310220A publication Critical patent/JP2006310220A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】単位セルごとの封止構造を有し、軽量化と薄型化が可能であり、電極板の接触圧力を高めて十分な出力を得ることができる燃料電池を提供する。
【解決手段】板状の固体高分子電解質1と、その一方側に配置されたカソード側電極板2と、他方側に配置されたアノード側電極板3と、カソード側電極板2の表面に配置され内面側へのガスの流通を可能とするカソード側金属板4と、アノード側電極板3の表面に配置され内面側への燃料の流通を可能とするアノード側金属板5とを備える燃料電池であって、両側の金属板4,5の周縁を電気的に絶縁した状態で封止してあり、少なくともアノード側金属板5の内面には流路溝9を形成してあり、平行に形成された流路溝9の間に凸状の曲面接触部5rを形成してある。
【選択図】図2

Description

本発明は、一対の金属板によって正負の電極板と固体高分子電解質とを挟持する構造の燃料電池に関し、特に出力を維持しながら厚みを薄くすることのできる高分子型燃料電池に関する。
ポリマー電解質のような固体高分子電解質を使用した高分子型燃料電池は、高いエネルギー変換効率を持ち、薄型小型・軽量であることから、家庭用コージェネレーションシステムや自動車向けに開発が活発化している。かかる燃料電池の従来技術の構造として、図7に示すものが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
即ち、図7に示すように、固体高分子電解質膜100を挟んでアノード101とカソード102とを配設する。さらに、ガスケット103を介して一対のセパレータ104により挟持して単位セル105を構成する。各々のセパレータ104にはガス流路溝が形成されており、アノード101との接触により、還元ガス(例えば、水素ガス)の流路が形成され、カソード102との接触により、酸化ガス(例えば、酸素ガス)の流路が形成される。各々のガスは、単位セル105内の各流路を流通しながら、アノード101又はカソード102の内部に担持された触媒の作用により電極反応(電極における化学反応)に供され、電流の発生とイオン伝導が生じる。
この単位セル105を多数個積層し、単位セル105どうしを電気的に直列に接続して燃料電池Nを構成し、電極106は、積層した両端の単位セル105から取り出すことができる。このような燃料電池Nは、クリーンかつ高効率という特徴から、種々の用途、特に、電気自動車用電源や家庭用分散型電源として注目されている。
一方、近年のIT技術の活発化に伴い、携帯電話、ノートパソコン、デジカメなどモバイル機器が頻繁に使用される傾向があるが、これらの電源は、ほとんどリチウムイオン二次電池が用いられている。ところが、モバイル機器の高機能化に伴って消費電力がどんどん増大し、その電源用としてクリーンで高効率な燃料電池が注目されてきている。
しかしながら、図7に示すような従来の構造では、構造に自由度が無いため、モバイル機器の電源として求められる薄型小型軽量化や形状の高自由度化に難があり、メンテナス性が悪いという問題もあった。また、燃料電池セル内で酸化還元ガスを相互に混合させないように供給し、かつ、密閉化することが難しく、これらの条件を満たしながら、燃料電池セルの大きさや重量を低減化することは困難であった。
ところで、下記の特許文献1には、固体高分子電解質膜/電極接合体と、酸化剤ガスの流路溝を形成したカソード側金属板と、燃料ガスの流路を形成したアノード側金属板とを備え、両側の金属板の周縁を固定ピンで締結しつつ、その内側周囲にガスパッキンを介在させて封止した構造の燃料電池が開示されている。そして、アノード側金属板等に流路溝を形成する際に、プレス成形が用いられている。
しかし、この金属板の内面における流路溝の間には、平坦な接触面が形成されており、接触圧力が均等に分散されるため、単位セルごとに封止してセルを薄型化しようとすると、電極板と金属板との接触圧力を十分得られない場合がある。接触圧力が不十分な場合、接触の電気抵抗が増大し、燃料電池の出力が低下するという問題が生じる。
日経メカニカル別冊「燃料電池開発最前線」発行日2001年6月29日、発行所:日経BP社、第3章PEFC、3.1原理と特徴p46 特開平8−162145号公報
そこで、本発明の目的は、単位セルごとの封止構造を有し、軽量化と薄型化が可能であり、電極板の接触圧力を高めて十分な出力を得ることができる燃料電池を提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。
即ち、本発明の燃料電池は、板状の固体高分子電解質と、その固体高分子電解質の一方側に配置されたカソード側電極板と、他方側に配置されたアノード側電極板と、前記カソード側電極板の表面に配置され内面側へのガスの流通を可能とするカソード側金属板と、前記アノード側電極板の表面に配置され内面側への燃料の流通を可能とするアノード側金属板と、を備える燃料電池であって、前記両側の金属板の周縁を電気的に絶縁した状態で封止してあると共に、少なくとも前記アノード側金属板の内面には流路溝を形成してあり、平行に形成された流路溝の間に凸状の曲面接触部を形成してあることを特徴とする。
本発明の燃料電池によると、カソード側金属板がカソード側電極板へのガスの流通を可能とし、アノード側金属板がアノード側電極板への燃料の流通を可能とすることで、各々の電極板で電極反応を生じさせることができ、金属板から電流を取り出すことができる。その際、本発明のように薄型化のために金属板を用いると、電極板との接触圧力が維持しにくくなるが、本発明では、金属板の内面に流路溝を形成する際に凸状の曲面接触部を形成してあるため、電極板に対する接触圧力が十分でない場合でも、接触抵抗を低減して出力を向上させることができる。
上記において、前記流路溝はプレス加工により形成され、前記凸状の曲面接触部は曲率半径が0.1〜100mmの曲面接触部を形成してあることが好ましい。流路溝をプレス加工により形成することで、このような曲率半径の曲面接触部を形成するのが容易になり、当該曲率半径の範囲であると、電極板に対する接触圧力が十分でない場合でも、より確実に接触抵抗を低減して出力を向上させることができる。
また、前記両側の金属板の周縁を電気的に絶縁した状態で曲げプレスにより封止してあることが好ましい。この構造によると、金属板の周縁を電気的に絶縁した状態で曲げプレスにより封止しているため、両者の短絡を防止しながら、厚みをさほど増加させずに単位セルごとに確実に封止を行うことができる。これによって、セル部材に剛性が要求されなくなるため、各単位セルを大幅に薄型化することができる。
また、前記アノード側金属板の厚みが0.05〜1mmであることが好ましい。厚みがこの範囲より薄い場合には、プレス加工による剛性向上を考慮しても、電極板に対する接触圧力が小さくなりすぎ、また、厚みがこの範囲より厚い場合には、軽量化の目的が達成し難く、曲面接触部を形成しなくとも接触面に十分な接触圧力が得られるため、本発明の意義が薄れる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の燃料電池の単位セルの一例を示す組み立て斜視図であり、図2は、本発明の燃料電池の単位セルの一例を示す縦断面図である。
本発明の燃料電池は、図1〜図2に示すように、板状の固体高分子電解質1と、その固体高分子電解質1の一方側に配置されたカソード側電極板2と、他方側に配置されたアノード側電極板3と、カソード側電極板2の表面に配置され内面側へのガスの流通を可能とするカソード側金属板4と、アノード側電極板3の表面に配置され内面側への燃料の流通を可能とするアノード側金属板5とを備えるものである。本実施形態では、カソード側金属板4には空気を自然供給するための開口部4cが形成されている例を示す。
固体高分子電解質1としては、従来の固体高分子膜型電池に用いられるものであれば何れでもよいが、化学的安定性及び導電性の点から、超強酸であるスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる陽イオン交換膜が好適に用いられる。このような陽イオン交換膜としては、ナフィオン(登録商標)が好適に用いられる。
その他、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂からなる多孔質膜に上記ナフィオンや他のイオン伝導性物質を含浸させたものや、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなる多孔質膜や不織布に上記ナフィオンや他のイオン伝導性物質を担持させたものでもよい。
固体高分子電解質1の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、イオン伝導機能、強度、ハンドリング性などを考慮すると、10〜300μmが使用可能であるが、25〜50μmが好ましい。
電極板2,3は、ガス拡散層としての機能を発揮して、燃料ガスや、酸化ガス及び水蒸気の供給・排出を行なうと同時に、集電の機能を発揮するものが使用できる。電極板2,3としては、同一又は異なるものが使用でき、その基材には電極触媒作用を有する触媒を担持させることが好ましい。触媒は、固体高分子電解質1と接する内面2b,3bに少なくとも担持させるのが好ましい。
電極基材としては、例えば、カーボンペーパー、カーボン繊維不織布などの繊維質カーボン、導電性高分子繊維の集合体などの電導性多孔質材が使用できる。一般に、電極板2,3は、このような電導性多孔質材にフッ素樹脂等の撥水性物質を添加して作製されるものであって、触媒を担持させる場合、白金微粒子などの触媒とフッ素樹脂等の撥水性物質とを混合し、これに溶媒を混合して、ペースト状或いはインク状とした後、これを固体高分子電解質膜と対向すべき電極基材の片面に塗布して形成される。
一般に、電極板2,3や固体高分子電解質1は、燃料電池に供給される還元ガスと酸化ガスに応じた設計がなされる。本発明では、酸化ガスとして空気が用いられると共に、還元ガスとして水素ガスや用いられるのが好ましい。また、還元ガスの代わりに、メタノールやジメチルエーテル等を用いることもできる。
例えば、水素ガスと空気を使用する場合、空気が自然供給される側のカソード側電極板2では、酸素と水素イオンの反応が生じて水が生成するため、かかる電極反応に応じた設計をするのが好ましい。特に、低作動温度、高電流密度及び高ガス利用率の運転条件では、特に水が生成する空気極において水蒸気の凝縮による電極多孔体の閉塞(フラッディング)現象が起こりやすい。したがって、長期にわたって燃料電池の安定な特性を得るためには、フラッディング現象が起こらないように電極の撥水性を確保することが有効である。
触媒としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、銀、ニッケル、鉄、銅、コバルト及びモリブデンから選ばれる少なくとも1種の金属か、又はその酸化物が使用でき、これらの触媒をカーボンブラック等に予め担持させたものも使用できる。
電極板2,3の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、電極反応、強度、ハンドリング性などを考慮すると、50〜500μmが好ましい。
電極板2,3と固体高分子電解質1とは、予め接着、融着等を行って積層一体化しておいてもよいが、単に積層配置されているだけでもよい。このような積層体は、薄膜電極組立体(Membrane Electrode Assembly:MEA)として入手することもでき、これを使用してもよい。
上記のカソード側電極板2の表面にはカソード側金属板4が配置され、アノード側電極板3の表面にはアノード側金属板5が配置される。
カソード側金属板4には、空気中の酸素を供給するための開口部4cが設けられている。開口部4cは、カソード側電極板2が露出可能であれば、その個数、形状、大きさ、形成位置などは何れでもよい。但し、空気中の酸素の供給効率と、カソード側電極板2からの集電効果などを考慮すると、開口部4cの面積はカソード側電極板2の面積の10〜50%であるのが好ましく、特に20〜40%であるのが好ましい。
カソード側金属板4の開口部4cは、例えば規則的又はランダムに複数の円孔やスリット等を設けたり、または金属メッシュによって開口部を設けてもよい。
金属板4,5としては、電極反応に悪影響がないものであれば何れの金属も使用でき、例えばステンレス板、ニッケル、銅、銅合金などが挙げられる。但し、伸び、重量、弾性率、強度、耐腐食性、プレス加工性などの観点から、ステンレス板、ニッケルなどが好ましい。
本発明では、図2に示すように、少なくともアノード側金属板5の内面には流路溝9を形成してあり、平行に形成された流路溝9の間に凸状の曲面接触部5rを形成してある。本実施形態では、アノード側金属板5には燃料の注入口5c及び排出口5dが設けられ、その間にプレス加工により流路溝9が設けられている例を示す。
本発明では、流路溝9の間の曲面接触部5rの形状は、断面が円弧状のものに限定されないが、図3に示すように、曲面接触部5rの断面が円弧状である場合、その内面の曲率半径Rが0.1〜100mmであるのが好ましく、内面の曲率半径Rが0.1〜10mmであるのがより好ましい。曲率半径Rが0.1mm未満であると、加工性や耐久性などの問題が生じ易くなり、曲率半径Rが100mmを超えると、曲面接触部5rが平面に近づくため、電極板に対する接触圧力が十分でない場合、接触抵抗が大きくなり出力の低下が生じ易くなる。
アノード側金属板5に設けられる流路溝9は、上記のような曲面接触部5rを形成したものであれば何れの平面形状や断面形状でもよい。但し、流路密度、積層時の積層密度、屈曲性などを考慮すると、金属板5の一辺に平行な縦溝9aと垂直な横溝9bを主に形成するのが好ましい。本実施形態では、複数本(図示した例では3本)の縦溝9aが横溝9bに直列接続されるようにして、流路密度と流路長のバランスを取っている。
なお、このような金属板5の流路溝9の一部(例えば横溝9b)を電極板3の外面に形成してもよい。電極板3の外面に流路溝を形成する方法としては、加熱プレスや切削などの機械的な方法でもよいが、微細加工を好適に行う上で、レーザ照射によって溝加工を行うことが好ましい。レーザ照射を行う観点からも、電極板2,3の基材としては、繊維質カーボンの集合体が好ましい。
金属板5の流路溝9に連通する注入口5c及び排出口5dは、それぞれ1個又は複数を形成することができる。なお、金属板4,5の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、前述した理由から、0.05〜1mmが好ましく、0.07〜0.7mmがより好ましい。
本発明では、金属板5の厚みを抑えて軽量化を図りつつ、流路溝9の形成により補強効果を得る観点から、プレス加工による金属板5の変形により流路溝9を形成するのが好ましい。プレス加工により流路溝9を形成する際、流路溝9としては幅0.1〜10mm、深さ0.1〜10mmが好ましい。また、流路溝9の断面形状は、略四角形、略台形、略半円形、V字形などが好ましい。なお、エッチングや切削加工により流路溝9を形成することも可能であり、その場合も同程度の幅の流路溝9を形成するのが好ましい。
金属板4への開口部4cの形成、金属板4,5の外縁部の薄肉化、金属板5への注入口5c等の形成については、エッチング、パンチ、ドリリングなどを利用するのが好ましい。
本発明では、カソード側金属板4又はアノード側金属板5の少なくとも一方の内側面には、貴金属の被覆層を形成してあることが好ましい。被覆層としては、金属板4,5の酸化を防ぎ、カーボンペーパー等の電極板2,3、及び電気取り出し端子との接触抵抗を下げるものであれば、特に限定するものではなく、一般的に、金、白金、パラジウム、ルテニウム、などの金属を挙げることができる。
貴金属の被覆層の形成方法としては、セルの金属と密着力良く、形成できるものであれば、特に限定するものではなく、様々な種類の形成方法を使うことが出来る。代表例としては、メッキ、スパッタ蒸着、イオンプレーティング、蒸着、CVD、CAT−CVD、などを用いることができる。
本発明では、前記両側の金属板4,5の周縁を電気的に絶縁した状態で封止してあるが、その際、両側の電極板2,3から固体高分子電解質1の周縁部1aを延出させ、その周縁部1aをこれに対向する前記金属板4,5によって挟持する構造が好ましい。封止は、例えば曲げプレス、即ち所謂カシメなどの機械的な封止により行うことが好ましい。
本実施形態では、固体高分子電解質1の周縁部1aが絶縁材料6を介在させつつ金属板4,5によって挟持されると共に、金属板4,5の周縁が、絶縁材料6を介在させつつカシメにより封止されている例を示す。電気的な絶縁は、絶縁材料6や固体高分子電解質1の周縁部、又はその両者を介在させることで行うことができる。
本発明では、カシメを行う際、図2に示すように、金属板4,5の外縁によって固体高分子電解質1を挟持する構造が好ましく、絶縁材料6を介在させつつ固体高分子電解質1を挟持する構造がより好ましい。このような構造によると、電極板2,3の一方から他方へのガス等の流入を効果的に防止することができる。絶縁材料6の厚みとしては、薄型化の観点から、0.1mm以下が好ましい。なお、絶縁材料をコーティングすることにより、更なる薄型化が可能である(例えば絶縁材料6の厚み1μmも可能)。
絶縁材料6としては、シート状の樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマー、セラミックスなどが使用できるが、シール性を高める上で、樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーなどが好ましく、特にポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミドが好ましい。絶縁材料6は、金属板4,5の周縁に直接あるいは粘着剤を介して貼着したり、塗布したりして、予め金属板4,5に一体化しておくことも可能である。
カシメ構造としては、シール性や製造の容易性、厚み等の観点から図2に示すものが好ましい。つまり、一方の金属板5の外縁部5aを他方の外縁部4aより大きくしておき、絶縁材料6を介在させつつ、一方の金属板5の外縁部5aを他方の金属板4の外縁部4aを挟圧するように折り返したカシメ構造が好ましい。このカシメ構造では、プレス加工等によって、金属板4の外縁部4aに段差を設けておくのが好ましい。このようなカシメ構造自体は金属加工として公知であり、公知のカシメ装置によって、それを形成することができる。
本発明では、図2に示すような単位セルを1個又は複数個使用することができるが、固体高分子電解質1、一対の電極板2,3、及び一対の金属板4,5で単位セルを構成し、この単位セルを複数積層したり、同一面に配列して使用することも可能である。このようにすると、ボルト及びナットの締結部品で相互結合して、セル部品に一定の圧力を加えなくても、高出力の燃料電池を提供することができる。
使用の際、金属板5の燃料の注入口5c及び排出口5dには、直接、燃料供給用のチューブを接合することも可能であるが、燃料電池の薄型化を行う上で、厚みが小さく、金属板5の表面に平行なパイプを有するチューブジョイントを設けるのが好ましい。
本発明の燃料電池は、薄型化が可能で小型軽量かつ自由な形状設計が可能なため、特に、携帯電話、ノートPC等のモバイル機器に好適に使用することができる。
[他の実施形態]
(1)前述の実施形態では、図2に示すカシメ構造を採用する例を示したが、本発明では、図4(a)〜(b)に示すようなカシメ構造を採用してもよい。
図4(a)に示すカシメ構造は、両方の金属板4,5の外縁部4a,5aを折り返したカシメ構造である。この例では、金属板5には段差部を設けずに、金属板4のみに段差部を設けてある。なお、この単位セルでは、各々の電極板2,3から拡散したガスが混合しないように、金属板4,5の各々と固体高分子電解質1との間に、シール部材Sを介在させている。
更に、図4(b)に示すカシメ構造は、両方の金属板4,5の外縁部4a,5aを折り返さずに、別の金属板7によって、各々の金属板4,5を絶縁する絶縁材料6a,6bを介して、挟圧したカシメ構造である。この例では、金属板4および金属板5に、緩やかに傾斜する段差部を設けてある。なお、カシメ構造では、両者の金属板4,5をプレス加工せずに平板のまま使用することも可能である。
(2)前述の実施形態では、両側の金属板の周縁を電気的に絶縁した状態で曲げプレスにより封止してある例を示したが、本発明では、封止方法は特に限定されず、リベットやボルトナット等の締結手段などを用いた機械的な封止や、接着剤、封止材の融着等による封止などでもよい。
(3)前述の実施形態では、カソード側金属板に空気を自然供給するための開口部が形成されている例を示したが、アノード側金属板と同様に、エッチングやプレス加工により、空気等の酸素含有ガスの流路溝、注入口、排出口を形成してもよい。その場合、アノード側金属板と同様に、カソード側金属板の注入口から空気等を供給しつつ発電を行う。
(4)前述の実施形態では、カソード側金属板の開口部から、そのままカソード側電極板を露出させる例を示したが、本発明では、カソード側金属板に、前記開口部を覆うように疎水性の高分子多孔質膜を積層してもよい。高分子多孔質膜の積層は、カソード側金属板の内側でも外側でもよい。
高分子多孔質膜の平均孔径は、通気性を維持しながら水滴の漏出を防止する上で、0.01〜3μmが好ましい。また、高分子多孔質膜の厚みは10〜100μmが好ましい。高分子多孔質膜の材質としては、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリウレタン、シリコーン樹脂などが挙げられる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
〔実施例1〕
耐食性を有するSUS(50mm×26mm×0.1mm厚)に溝(幅0.5mm、深さ0.2mm、間隔1.0mm、曲面接触部の曲率半径0.2mm)をプレス加工により21個設けた。得られた金属板には、全面に金メッキ(メッキ厚0.3μm)を施した。
そして絶縁シート(50mm×26mm×2mm幅、厚み80μm)をSUSに張り合わせた。
また、薄膜電極組立体(49.3mm×25.3mm)は、下記のようにして作製した。白金触媒は、米国エレクトロケム社製20%白金担持カーボン触媒(EC−20−PTC)を用いた。この白金触媒と、カーボンブラック(アクゾ社ケッチェンブラックEC)、ポリフッ化ビニリデン(カイナー)を、それぞれ75重量%、15重量%、10重量%の割合で混合し、ジメチルホルムアミドを、2.5重量%のポリフッ化ビニリデン溶液となるような割合で、上記白金触媒、カーボンブラック、ポリフッ化ビニリデンの混合物中に加え、乳鉢中で溶解・混合して、触媒ペーストを作製した。カーボンペーパー(東レ製TGP−H−90、厚み370μm)を20mm×43mmに切断し、この上に、上記のようにして作製した触媒ペースト約20mgをスパチュラにて塗布し、80℃の熱風循環式乾燥機中で乾燥した。このようにして4mgの触媒組成物が担持されたカーボンペーパーを作製した。白金担持量は、0.6mg/cm2 である。
上記のようにして作製した白金触媒担持カーボンペーパーと、固体高分子電解質(陽イオン交換膜)としてナフィオンフィルム(デュポン社製ナフィオン112)(25.3mm×49.3mm、厚み50μm)を用い、その両面に、金型を用いて、135℃、2MPaの条件にて2分間ホットプレスした。こうして得られた薄膜電極組立体を上記のSUS板2枚の中央で挟み込み、図2に示すようにカシメ合わせることで、外寸50mm×26mm×1.4mm厚という薄型小型のマイクロ燃料電池を得る事ができた。なお、セル全体の質量は、2.72gであった。
このマイクロ燃料電池の電池特性を評価した。燃料電池特性は、東陽テクニカ製燃料電池評価システムを用い、室温下、純水素ガス、純酸素ガスを用いて評価した。ガス流量は、0.2L/minとした。その際の電流密度と電圧との関係を示すグラフを図5に、電流密度とセル抵抗との関係を示すグラフを図6に、それぞれ示した。
〔比較例1〕
実施例1において、カソード側金属板及びアノード側金属板を作製する際に、厚み0.3mmの金属板を用いて、その内面だけをエッチングして、平行な流路溝の間に幅0.5mmの平面接触部を形成したこと以外は、実施例1と全く同様にして燃料電池を作製し、同様にして評価を行った。その結果を図5〜図6に夫々併せて示す。このグラフから明らかなように、金属板の厚みが増加して接触圧力が高くなったため、電池特性は実施例1と同等であったが、セル全体の質量は、4.65gと大きく増加しており、軽量化を図る上で問題であった。
〔比較例2〕
実施例1において、カソード側金属板及びアノード側金属板を作製する際に、厚み0.3mmの金属板を用いて、セル全体の質量が実施例1と同じになるように、内面及び外面をエッチングして、実施例1と略同じ断面凹凸形状で、平行な流路溝の間に幅0.5mmの平面接触部を形成したこと以外は、実施例1と全く同様にして燃料電池を作製し、同様にして評価を行った。その結果を図5〜図6に夫々併せて示す。このグラフから明らかなように、金属板の曲げ剛性が低下して接触圧力が低くなったため、平面接触部によりセル抵抗が増加し、電池特性が実施例1より大きく低下した。なお、セル全体の質量は、2.81gであった。
本発明の燃料電池(単位セル)の一例を示す組み立て斜視図 本発明の燃料電池(単位セル)の一例を示す縦断面図 本発明の燃料電池(単位セル)の一例の要部を示す断面図 本発明の燃料電池におけるカシメ構造の他の例を示す要部断面図 本発明の実施例等で得られた燃料電池の電流密度と電圧の関係を示すグラフ 本発明の実施例等で得られた燃料電池の電流密度とセル抵抗の関係を示すグラフ 従来の燃料電池の一例を示す組み立て斜視図
符号の説明
1 固体高分子電解質
2 カソード側電極板
2a カソード側電極板の周縁部
3 アノード側電極板
3a アノード側電極板の周縁部
4 カソード側金属板
4c 開口部
5 アノード側金属板
5c 注入口
5d 排出口
5r 曲面接触部
6 絶縁材料
9 流路溝
R 曲面接触部の内面の曲率半径

Claims (4)

  1. 板状の固体高分子電解質と、その固体高分子電解質の一方側に配置されたカソード側電極板と、他方側に配置されたアノード側電極板と、前記カソード側電極板の表面に配置され内面側へのガスの流通を可能とするカソード側金属板と、前記アノード側電極板の表面に配置され内面側への燃料の流通を可能とするアノード側金属板と、を備える燃料電池であって、
    前記両側の金属板の周縁を電気的に絶縁した状態で封止してあると共に、少なくとも前記アノード側金属板の内面には流路溝を形成してあり、平行に形成された流路溝の間に凸状の曲面接触部を形成してある燃料電池。
  2. 前記流路溝はプレス加工により形成され、前記凸状の曲面接触部は曲率半径が0.1〜100mmの曲面接触部を形成してある請求項1記載の燃料電池。
  3. 前記両側の金属板の周縁を電気的に絶縁した状態で曲げプレスにより封止してある請求項1又は2に記載の燃料電池。
  4. 前記アノード側金属板の厚みが0.05〜1mmである請求項1〜3いずれかに記載の燃料電池。
JP2005134059A 2005-05-02 2005-05-02 燃料電池 Pending JP2006310220A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005134059A JP2006310220A (ja) 2005-05-02 2005-05-02 燃料電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005134059A JP2006310220A (ja) 2005-05-02 2005-05-02 燃料電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006310220A true JP2006310220A (ja) 2006-11-09

Family

ID=37476864

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005134059A Pending JP2006310220A (ja) 2005-05-02 2005-05-02 燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006310220A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008218054A (ja) * 2007-02-28 2008-09-18 Toshiba Corp 燃料電池および燃料電池システム
JP2008282586A (ja) * 2007-05-08 2008-11-20 Sony Corp 燃料電池、燃料電池の製造方法および電子機器

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002298874A (ja) * 2001-04-02 2002-10-11 Kemitsukusu:Kk 平面型燃料電池用セパレータ及び平面型燃料電池
JP2004296199A (ja) * 2003-03-26 2004-10-21 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池用セパレータ、この燃料電池用セパレータを用いた燃料電池、この燃料電池を搭載した燃料電池車、及び燃料電池用セパレータの製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002298874A (ja) * 2001-04-02 2002-10-11 Kemitsukusu:Kk 平面型燃料電池用セパレータ及び平面型燃料電池
JP2004296199A (ja) * 2003-03-26 2004-10-21 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池用セパレータ、この燃料電池用セパレータを用いた燃料電池、この燃料電池を搭載した燃料電池車、及び燃料電池用セパレータの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008218054A (ja) * 2007-02-28 2008-09-18 Toshiba Corp 燃料電池および燃料電池システム
JP2008282586A (ja) * 2007-05-08 2008-11-20 Sony Corp 燃料電池、燃料電池の製造方法および電子機器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4420960B2 (ja) 燃料電池および燃料電池層
KR102163539B1 (ko) 막-전극 어셈블리, 이의 제조 방법, 및 이를 포함하는 연료 전지 스택
JPWO2004075331A1 (ja) 燃料電池およびその製造方法
JP2005150008A (ja) 燃料電池
US7862954B2 (en) Fuel cell
JP3696230B1 (ja) 燃料電池
JP2006066323A (ja) 燃料電池セル
JP4477910B2 (ja) 燃料電池
CA2781095A1 (en) Fuel cell capable of miniaturization
CN101971405B (zh) 固体高分子型燃料电池组
JP4660151B2 (ja) 燃料電池
JP4440088B2 (ja) 燃料電池
JP2006310220A (ja) 燃料電池
JP2006066339A (ja) 燃料電池セル
JP4381857B2 (ja) 燃料電池
JP2006004754A (ja) 燃料電池
JP2006236740A (ja) 燃料電池
JP4643178B2 (ja) 燃料電池
JP3115434U (ja) 燃料電池セル
JP3946228B2 (ja) 燃料電池
JP2006196328A (ja) 電池セルの製造方法及び製造設備
JP2006092783A (ja) 燃料電池
JP2006092842A (ja) 燃料電池及びそれを用いた発電装置
JP4381887B2 (ja) 燃料電池セル
JP2006107819A (ja) 電源装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080109

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20080109

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20080611

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110324

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110329

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110804