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JP2006302636A - 有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、表示装置および照明装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、表示装置および照明装置 Download PDF

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JP2006302636A
JP2006302636A JP2005122044A JP2005122044A JP2006302636A JP 2006302636 A JP2006302636 A JP 2006302636A JP 2005122044 A JP2005122044 A JP 2005122044A JP 2005122044 A JP2005122044 A JP 2005122044A JP 2006302636 A JP2006302636 A JP 2006302636A
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light
organic layer
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substrate
layer
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JP2005122044A
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Masahito Nishizeki
雅人 西関
秀雄 ▲高▼
Hideo Ko
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

【課題】 ウェットプロセスを用いて有機EL素子を製造するにあたり、積層構造の問題を解消して、低コストで高性能な有機エレクトロルミネッセンス素子を作製する製造方法を提供することにある。
【解決手段】 陽極基板、陽極、少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層、少なくとも一層の発光性の有機層、少なくとも二層の電子輸送性の非発光性の有機層、陰極及び陰極基板をこの順に有する積層体からなる有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記正孔輸送性の非発光性の有機層が、実質的にウェットプロセスによって形成されており、かつ、前記電子輸送性の非発光性の有機層を構成する少なくとも二層の有機層のうち発光性の有機層に隣接する有機層が転写法によって形成されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法と用途に関し、詳しくは、低コストで効率の良い有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に関する。
近年、フラットディスプレイなどの表示装置や、電子写真複写機、プリンターなどの光源に有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子の使用が検討されている。
この有機EL素子は蛍光性有機化合物の非常に薄い薄膜を陽極と陰極ではさみ、電極間に電流を流すことで発光する電流駆動型発光素子である。通常、有機物は絶縁体であるが有機層の膜厚を非常に薄くすることにより電流注入が可能となり有機EL素子として駆動する事が可能となる。そして10V以下の低電圧で駆動することが可能であり、これにより高効率な発光を得ることも可能なため将来のディスプレイとして注目を浴びている。
特に最近においては従来の励起一重項を用いる有機EL素子の効率を遙かにしのぐ励起三重項を用いるリン光発光有機EL素子がS.R.Forrestらにより見いだされている(Appl.Phys.Lett.(1999),75(1),4−6)。更にC.Adachiらが報告しているように(J.Appl.Phys.,90,5048(2001))60lm/Wにもおよぶ視感度効率を出すまでに及び、この様な素子はディスプレイのみならず、照明への応用が期待される。
ところで有機EL素子を用いた照明装置を製造するとなると、以下の様な状況を考慮しなければならない。
現在、有機EL材料には低分子系のものと高分子系のものがある。
低分子系材料を用いてEL素子を製造するには高真空での蒸着を行う。低分子材料は昇華精製する事が可能で、精製が行いやすく、高純度な有機EL材料を用いることができ、更に積層構造を作るのが容易なため、効率、寿命という面で非常に優れている。
しかしながら10-4Pa以下という高真空条件下で蒸着を行うため、操作が複雑でコストも高く製造の観点からは必ずしも好ましくない。特に照明用途では、大面積に素子を形成しなければならないので、蒸着では製造が難しい。また、リン光発光有機EL素子で用いられるようなリン光ドーパントについても、大面積でムラ無く、複数のドーパントを蒸着で素子に導入するのは困難であり、コスト的にも技術的にも難しいと言わざるを得ない。
それに対し高分子系材料では製造にスピンコート、インクジェット、印刷といったウェットプロセスを採用することができる。つまり大気圧下で製造することができるためコストが安くすむメリットがある。更に溶液で調製して薄膜にするため、ドーパント等の調整がしやすく、大面積に対してもムラができにくいという特徴がある。これは有機EL素子の照明用途にはコスト、製造技術という面で非常にメリットがあると言える。
しかしながら高分子系材料でウェットプロセスを用いると積層構造を構成するのが難しい。一層目の上に二層目を積層すると一層目の高分子材料が二層目の溶媒にとけ込んでしまい、一層目と二層目が混ざってしまうからである。そのために低分子材料で素子を製造するのに比べ一般的に発光効率が悪くなってしまう。
一般的に高分子系有機EL素子はスピンコート法、インクジェット法、印刷により製造される。
スピンコート法は枚葉でしか行うことができないため、連続生産できない。インクジェット法は三色発光方式によるディスプレイの製造には非常に有用な方法であるが、照明用途や色変換方式によるディスプレイのような一面を同色にて発光させる発光装置の製造には生産性という面で好ましくない。
そこで特許文献1、特許文献2、特許文献3等で印刷法による製造が提案されている。印刷法は、非常に簡便な方法であるため非常に有用な成膜方法であるが、それらは一層づつのみを成膜する方法なので、もし多層構成としたい場合は一層成膜後改めてもう一層成膜する必要がある。これでは生産性に劣り、更には装置、工程が増えることによるコスト高につながる。また同様に有機溶媒に可溶な高分子を積層する場合、2層が混ざってしまうという問題も抱えている。
特開平3−269995号公報 特開平10−77467号公報 特開平11−273859号公報
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、ウェットプロセスを用いて有機EL素子を製造するにあたり、積層構造の問題を解消して、低コストで高性能な有機エレクトロルミネッセンス素子を作製する製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の手段によって達成される。
(請求項1)
陽極基板、陽極、少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層、少なくとも一層の発光性の有機層、少なくとも二層の電子輸送性の非発光性の有機層、陰極及び陰極基板をこの順に有する積層体からなる有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記正孔輸送性の非発光性の有機層が、実質的にウェットプロセスによって形成されており、かつ、
前記電子輸送性の非発光性の有機層を構成する少なくとも二層の有機層のうち発光性の有機層に隣接する有機層が転写法によって形成されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項2)
前記正孔輸送性の非発光性の有機層と発光性の有機層との間、前記発光性の有機層と電子輸送性の非発光性の有機層との間、前記二つの電子輸送性の非発光性の有機層の間、前記電子輸送性の非発光性の有機層と陰極あるいは陰極バッファー層との間、あるいは、陰極と陰極基板との間から選ばれる少なくとも1ヶ所に貼り合わせ構造を有することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項3)
前記発光性の有機層が転写法によって形成されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項4)
前記電子輸送性の非発光性の有機層を構成する少なくとも二層の有機層のうち発光性の有機層に隣接しない有機層が実質的にウェットプロセスによって形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項5)
陽極基板、陽極、少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層、少なくとも一層の発光性の有機層、少なくとも二層の電子輸送性の非発光性の有機層、陰極及び陰極基板をこの順に有する積層体からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
a−1)前記陽極基板、前記陽極、少なくとも一層の前記正孔輸送性の非発光性の有機層を含む部分積層体を陽極基板上にこの順に順次積層する工程、
a−2)少なくとも一層の前記発光性の有機層を仮支持体上に積層し、発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料を作製する工程、
a−3)前記電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に積層し、電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料を作製する工程、
a−4)前記陰極基板、前記陰極、前記陰極バッファー層を陰極基板上にこの順に順次積層する工程、
a−5)前記陰極、前記陰極バッファー層を積層した前記陰極基板上に少なくとも一層の電子輸送性の非発光性の有機層を積層し製膜する工程、
b)前記陰極基板上に積層成膜することで形成された少なくとも一層の電子輸送性の非発光性の有機層と前記電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の有機層側を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、該転写材料から電子輸送性の非発光性の有機層を前記陰極基板上に転写する工程、
c)前記電子輸送性の非発光性の有機層を転写した陰極基板の有機層側と前記発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の有機層側を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、該転写材料から発光性の有機層を前記基板上に転写する工程、
d)前記陽極基板と前記陰極基板とを、前記陽極基板上に形成された前記正孔輸送性の非発光性の有機層と、前記陰極基板上に形成された発光性の有機層を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、積層体を形成する工程、
e)前記積層体の側面を全周にわたって接着剤によって封止する工程、
からなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項6)
陽極基板、陽極、少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層、少なくとも一層の発光性の有機層、少なくとも二層の電子輸送性の非発光性の有機層、陰極及び陰極基板をこの順に有する積層体からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
a−1)前記陽極基板、前記陽極、前記少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層を含む部分積層体を陽極基板上にこの順に順次積層する工程、
a−2)少なくとも一層の前記発光性の有機層を仮支持体上に積層し、発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料を作製する工程、
a−3)前記電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に積層し、電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料を作成する工程、
a−4)前記陰極基板、前記陰極、前記陰極バッファー層を陰極基板上にこの順に順次積層する工程、
a−5)前記陰極、前記陰極バッファー層積層が積層された前記陰極基板上に少なくとも一層の電子輸送性の非発光性の有機層を積層し製膜する工程、
b)前記陽極基板上の積層体の有機層側と、前記発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の発光性の有機層側を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の発光性の有機層を前記基板上に転写する工程、
c)前記陰極基板上に少なくとも一層の電子輸送性の非発光性の有機層を積層し作製された積層体の有機層側と前記電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の有機層側を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記電子輸送性の非発光性の有機層を前記陰極基板上に転写する工程、
d)前記陽極基板と前記陰極基板とを、前記陽極基板上に形成された発光性の有機層と、前記陰極基板上に形成された電子輸送性の非発光性の有機層を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、積層体を形成する工程、
e)前記積層体の側面を全周にわたって接着剤によって封止する工程、
からなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項7)
陽極基板、陽極、少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層、少なくとも一層の発光性の有機層、少なくとも二層の電子輸送性の非発光性の有機層、陰極及び陰極基板をこの順に有する積層体からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
a−1)前記陽極基板、前記陽極、少なくとも一層の前記正孔輸送性の非発光性の有機層を含む部分積層体を陽極基板上にこの順に順次積層する工程、
a−2)少なくとも一層の前記発光性の有機層を仮支持体上に積層し、発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料を作成する工程、
a−3)前記電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に積層し、電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料を作製する工程、
a−4)前記陰極基板、前記陰極、前記陰極バッファー層を陰極基板上にこの順に順次積層する工程、
a−5)前記陰極基板上に少なくとも一層の電子輸送性の非発光性の有機層を積層し製膜する工程
b)前記陽極基板上の積層体の有機層側と、前記発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の発光性の有機層側を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の発光性の有機層を前記基板上に転写する工程、
c)前記発光性の有機層を転写した陽極基板の発光性の有機層側と、前記電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の電子輸送性の非発光性の有機層側を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記電子輸送性の非発光性の有機層を前記基板上に転写する工程、
d)前記陽極基板と前記陰極基板とを、前記陽極基板上に形成された前記電子輸送性の非発光性の有機層と、前記陰極基板上に形成された電子輸送性の非発光性の有機層を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、積層体を形成する工程、
e)前記積層体の側面を全周にわたって接着剤によって封止する工程、
からなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項8)
陽極基板、陽極、少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層、少なくとも一層の発光性の有機層、少なくとも二層の電子輸送性の非発光性の有機層、陰極及び陰極基板をこの順に有する積層体からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
a−1)前記陽極基板、前記陽極、前記少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層を含む部分積層体を陽極基板上にこの順に順次積層する工程、
a−2)少なくとも一層の前記発光性の有機層を仮支持体上に積層し、発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料を作成する工程、
a−3)前記電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に積層し、電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料を作成する工程、
a−4)前記陰極基板、前記陰極、前記陰極バッファー層を陰極基板上にこの順に順次積層する工程、
b)前記陽極基板上の積層体の有機層側と、前記発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の発光性の有機層側を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の発光性の有機層を前記陽極基板上に転写する工程、
c)前記発光性の有機層を転写した陽極基板の発光性の有機層側と、前記電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の電子輸送性の非発光性の有機層側を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記電子輸送性の非発光性の有機層を前記陽極基板上に転写する工程、
d)前記陽極基板上に少なくとも一層の電子輸送性の非発光性の有機層を積層し製膜する工程、
e)前記陽極基板と前記陰極基板とを、前記陽極基板上に形成された前記電子輸送性の非発光性の有機層と前記陰極基板上に形成された電子輸送性の非発光性の有機層を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、積層体を形成する工程、
f)前記積層体の側面を全周にわたって接着剤によって封止する工程、
からなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項9)
陽極基板、陽極、少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層、少なくとも一層の発光性の有機層、少なくとも二層の電子輸送性の非発光性の有機層、陰極及び陰極基板をこの順に有する積層体からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
a−1)前記陽極基板、前記陽極、前記少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層を含む部分積層体を陽極基板上にこの順に順次積層する工程、
a−2)少なくとも一層の前記発光性の有機層を仮支持体上に積層し、発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料を作製する工程、
a−3)前記電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に積層し、電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料を作成する工程、
b)前記陽極基板上の積層体の有機層側と、前記発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の発光性の有機層側を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の発光性の有機層を前記陽極基板上に転写する工程、
c)前記発光性の有機層を転写した陽極基板の発光性の有機層側と、前記電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の電子輸送性の非発光性の有機層側を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記電子輸送性の非発光性の有機層を前記陽極基板上に転写する工程、
d)前記陽極基板上に更に少なくとも一層の電子輸送性の非発光性の有機層を積層し製膜する工程、
e)前記陽極基板上に積層した電子輸送性の非発光性の有機層の有機層の上に陰極バッファー層および/または陰極を真空蒸着法によって積層し、積層体を形成する工程、
f)前記陽極基板上に積層形成された有機エレクトロルミネッセンス素子構成層の陰極側と前記陰極基板を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、積層体を形成する工程、
g)前記積層体の側面を全周にわたって接着剤によって封止する工程、
からなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項10)
予め水分吸収層および/または酸素吸収層を前記陰極基板上、かつ陰極基板に最も近い側に積層する工程が含まれることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項11)
前記陽極基板または陰極基板がフレキシブル基板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項12)
前記陽極基板または陰極基板がフレキシブル基板であることを特徴とする請求項5〜10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項13)
前記陽極基板および陰極基板が共にフレキシブル基板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項14)
前記陽極基板および陰極基板が共にフレキシブル基板であることを特徴とする請求項5〜10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項15)
前記の少なくとも二層の電子輸送性の非発光性の有機層のうち発光性の有機層に隣接しない有機層が水混和性の溶剤を使用した溶液あるいは分散液を用いたウェットプロセスで積層・製膜されることを特徴とする請求項5〜10、12、14のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項16)
前記少なくとも一層の発光性の有機層を仮支持体上に積層した発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料が青、緑および赤の3色の発光画素がパターニングされたものであることを特徴とする請求項5〜10、12、14、15のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項17)
前記発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料が、仮支持体上にBGR3種類の異なる発光材料をパターニング形成した転写材料であり、該転写材料は、
a)異なる発光材料用の1次転写シート上に、それぞれ異なる発光材料を塗布する工程、
b)異なる発光材料を塗布した前記1次転写シートをそれぞれ乾燥する工程、
c)前記転写材料の仮支持体上に、それぞれ異なる発光材料を有する前記1次転写シートのうち1つの1次転写シートを、前記パターンと略同一形状の開口を有するマスク材を介して、発光材料を塗布した側を前記転写材料の仮支持体に相対するように重ね合わせ、前記1次転写シートの裏面より押圧板により押圧することにより、発光材料を、前記転写材料の仮支持体上に前記パターン状に転写する操作を、BGR3種類の異なる発光材料について3回分繰り返して行い、前記転写材料の仮支持体上にBGR3種類の異なる発光材料をパターンを状に形成する工程、
によって作製されたものであることを特徴とする、請求項5〜10、12、14〜16のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(請求項18)
請求項15〜17のいずれか1項に記載された有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法により製造されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項19)
発光がリン光に基づくものであることを特徴とする請求項1〜4、11、13、18いずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(請求項20)
請求項1〜4、11、13、18のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする表示装置。
(請求項21)
請求項1〜4、11、13、18のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする照明装置。
本発明によれば、ウェットプロセスを用いて低コストで効率良く有機EL素子を製造することができ、大面積の素子の作製が容易である等の利点を有する。さらに本発明の発光素子は、貼り合わせ構造を有することにより層間の密着性が高く、耐久性に優れ、ダークスポット等の欠陥が少ない等の利点を有する。
本発明者は、有機エレクトロルミネッセンス素子を、ウェットプロセスを主体とした方法で作製する場合に、1)電子輸送性層を少なくとも2層有する層構成にすること、2)発光層と電子輸送性層との境界面および/または2つの電子輸送層の境界面を加熱処理を伴った処理方法で形成することが高性能な有機エレクトロルミネッセンス素子を作製するために非常に効果的であることを見出し、ウェットプロセスを主体とした製造方法で安価に多層構成からなる高性能な有機エレクトロルミネッセンス素子を作製できることを見出し、本発明に至った。
また、本発明者は、上記の2)発光層と電子輸送性層との境界面および/または2つの電子輸送層の境界面を加熱処理を伴った処理方法で形成することの実施形態として、A)発光層と隣接する電子輸送性層を転写法によって形成することが好ましいこと、さらに加えて、B)発光層も転写法によって形成することが好ましいことを見出し、本発明に至った。
また、本発明者は、有機エレクトロルミネッセンス素子の構成層を、複数の部分に分割して、それぞれの部分をウェットプロセスを主体とした方法で作製し、ついで各々の部分を転写・貼り合わせによって統合する場合にも、1)電子輸送性層を少なくとも2層有する層構成にすること、2)発光層と電子輸送性層との境界面および/または2つの電子輸送層の境界面を加熱処理を伴った処理方法で形成することが高性能な有機エレクトロルミネッセンス素子を作製するために非常に効果的であることを見出し、本発明に至った。
また、本発明者は、有機エレクトロルミネッセンス素子の構成層を、ウェットプロセスを主体とし、転写法、真空蒸着法なども適宜併用する方法で順次積層して作製する場合にも、1)電子輸送性層を少なくとも2層有する層構成にすること、2)発光層と電子輸送性層との境界面および/または2つの電子輸送層の境界面を加熱処理を伴った処理方法で形成することが高性能な有機エレクトロルミネッセンス素子を作製するために非常に効果的であることを見出し、本発明に至った。
以下、本発明について詳しく述べる。
[1]層構成
本発明の発光素子を構成する積層体は、少なくとも陽極基板、陽極、少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層、少なくとも一層の発光性の有機層、少なくとも二層の電子輸送性の非発光性の有機層、陰極、及び陰極基板を有する層構成を有し、この他に水分吸収層および/または酸素吸収層(以下「水分・酸素吸収層」という。)を有するのが好ましい。少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層は、少なくとも一層の正孔輸送層を有するほか、正孔注入層、電子阻止層等を有するのが好ましい。少なくとも二層の電子輸送性の非発光性の有機層は、発光層の隣接層としての正孔阻止性の電子輸送層と少なくとも二層の電子輸送層を有するほか、電子注入層を有するのが好ましい。水分・酸素吸収層を有する場合、その設置位置は、陽極基板/陽極/有機層/陰極/水分・酸素吸収層/陰極基板が好ましい。
本発明に係る有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、これに限定されるものではない。
(i)陽極/正孔輸送層/電子輸送型発光層/電子輸送層1/電子輸送層2/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/正孔輸送型発光層/電子輸送層1/電子輸送層2/陰極
(iii)陽極/正孔注入層/電子輸送型発光層/電子輸送層1/電子輸送層2/陰極
(iv)陽極/正孔注入層/正孔輸送型発光層/電子輸送層1/電子輸送層2/陰極
(v)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/電子輸送型発光層/電子輸送層1/電子輸送層2/陰極
(vi)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/正孔輸送型発光層/電子輸送層1/電子輸送層2/陰極
(vii)陽極/正孔輸送層/電子輸送型発光層/電子輸送層1/電子輸送層2/電子注入層/陰極
(viii)陽極/正孔輸送層/正孔輸送型発光層/電子輸送層1/電子輸送層2/電子注入層/陰極
(ix)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/電子輸送型発光層/電子輸送層1/電子輸送層2/電子注入層/陰極
(x)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/正孔輸送型発光層/電子輸送層1/電子輸送層2/電子注入層/陰極
図1〜図6はそれぞれ本発明の製造方法により作製した発光素子の層構成の例を示す断面図である。図1〜図6中、1は陽極基板、2は陽極、3は正孔輸送性の非発光性の有機層、4は発光性の有機層、5−1は電子輸送性の非発光性の有機層1、5−2は電子輸送性の非発光性の有機層2、6は陰極、7は陰極基板、8は陽極リード、9は陰極リード、10は接着剤層、11は水分・酸素吸収層を示す。
図1は、陽極基板1及び陰極基板7が同じ大きさであり、両者をずらすことなく貼り合わせた例を示す。貼り合わせの位置は、正孔輸送性の非発光性の有機層3と発光性の有機層4の間、発光性の有機層4と電子輸送性の非発光性の有機層5−1の間、電子輸送性の非発光性の有機層5−1と電子輸送性の非発光性の有機層5−2の間、電子輸送性の非発光性の有機層5−2と電子注入層の間、陰極と陰極基板の間、などである。接着剤層10は陽極基板1、陽極2、正孔輸送性の非発光性の有機層3、発光性の有機層4、電子輸送性の非発光性の有機層5−1、電子輸送性の非発光性の有機層5−2、陰極6及び陰極基板7の外周を被覆する。
図2は、陽極基板1と陰極基板7が陽極2及び陰極6よりもそれぞれ大きく、陽極基板1と陰極基板7をずらして貼り合わせた例を示す。貼り合わせの位置は、図1に示す例と同じで良い。接着剤層10は陽極2、正孔輸送性の非発光性の有機層3、発光性の有機層4、電子輸送性の非発光性の有機層5、及び陰極6の外周全体を被覆し、さらに陽極2の側面に揃った陽極基板1の側面及び陰極6の側面に揃った陰極基板7側面を被覆する。
図3は、陽極2より大きい陽極基板1に、陰極6と同じ大きさの陰極基板7側を貼り合わせた例を示す。貼り合わせの位置は、図1に示す例と同じで良い。接着剤層10は陽極2、正孔輸送性の非発光性の有機層3、発光性の有機層4、電子輸送性の非発光性の有機層5、陰極6及び陰極基板7の外周全体を被覆する。
図4は、図1の構成にさらに水分・酸素吸収層11を追加した構成である。
図5は、図2の構成にさらに水分・酸素吸収層11を追加した構成である。
図6は、図3の構成にさらに水分・酸素吸収層11を追加した構成である。
[2]製造方法
本発明の発光素子の製造方法として好ましい実施態様は、以下のような工程からなる。
(A)正孔輸送層と発光層の境界面で最後に張り合わせる場合、
(a−1)陽極基板上に陽極と少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層を製膜し、
(a−2)陰極基板上に陰極と少なくとも一層の電子輸送性の非発光性の有機層を製膜し、
(a−3)仮支持体上に少なくとも一層の発光性の有機層を製膜し、
(a−4)仮支持体上に少なくとも一層の電子輸送性の非発光性の有機層を製膜し、
(b)陰極基板上の有機層に仮支持体上の電子輸送性の非発光性の有機層を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記転写材料上の電子輸送性の非発光性の有機層を前記基板上に転写し、
(c)さらに、転写された陰極基板上の有機層に仮支持体上の発光性の有機層を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記転写材料上の発光性の有機層を前記基板上に転写し、
(d)さらに、転写された発光層と陽極基板の有機層を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、有機層同士を貼り合わせた後、
(e)得られた積層体の側面を接着剤により封止する工程を有する。
(B)発光層と正孔阻止性の電子輸送層1の境界面で最後に張り合わせる場合、
(a−1)陽極基板上に陽極と少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層を製膜し、
(a−2)陰極基板上に陰極と少なくとも一層の電子輸送性の非発光性の有機層を製膜し、
(a−3)仮支持体上に少なくとも一層の発光性の有機層を製膜し、
(a−4)仮支持体上に少なくとも一層の電子輸送性の非発光性の有機層を製膜し、
(b−1)陽極基板に仮支持体上の発光層の有機層を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記転写材料上の発光性の有機層を前記陽極基板上に転写し、
(b−2)陰極基板上の有機層に仮支持体上の電子輸送性の非発光性の有機層を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記転写材料上の電子輸送性の非発光性の有機層を前記陰極基板上に転写し、
(c)さらに陽極基板と陰極基板の有機層を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、有機層同士を貼り合わせた後、(d)得られた積層体の側面を接着剤により封止する工程を有する。
(C)正孔阻止性の電子輸送層1と電子輸送層2の境界面で最後に張り合わせる場合、
(a−1)陽極基板上に陽極と少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層を製膜し、
(a−2)陰極基板上に陰極と少なくとも一層の電子輸送性の非発光性の有機層を製膜し、
(a−3)仮支持体上に少なくとも一層の発光性の有機層を製膜し、
(a−4)仮支持体上に少なくとも一層の電子輸送性の非発光性の有機層を製膜し、
(b)陽極基板上の有機層に仮支持体上の発光性の有機層を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記転写材料上の発光性の有機層を前記基板上に転写し、
(c)さらに、転写された陽極基板上の発光性の有機層に仮支持体上の電子輸送性の非発光性の有機層を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記転写材料上の電子輸送性の非発光性の有機層を前記基板上に転写し、
(d)さらに、転写された電子輸送層と陰極基板の有機層を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、有機層同士を貼り合わせた後、(e)得られた積層体の側面を接着剤により封止する工程を有する。
(D)電子輸送層2と電子注入輸送層の境界面で最後に張り合わせる場合、
(a−1)陽極基板上に陽極と少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層を製膜し、
(a−2)陰極基板上に陰極と電子注入層を製膜し、
(a−3)仮支持体上に少なくとも一層の発光性の有機層を製膜し、
(a−4)仮支持体上に少なくとも一層の電子輸送性の非発光性の有機層を製膜し、
(b)陽極基板上の有機層に仮支持体上の発光性の有機層を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記転写材料上の発光性の有機層を前記基板上に転写し、
(c)さらに、転写された陽極基板上の発光性の有機層に仮支持体上の電子輸送性の非発光性の有機層を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記転写材料上の電子輸送性の非発光性の有機層を前記基板上に転写し、
(d)さらに、転写された電子輸送層1の上にウェットプロセス、真空蒸着法、印刷法などの方法から選んだ方法で少なくとも一層の電子輸送層2を積層し製膜する工程、
(e)陽極基板上に積層された有機層と陰極基板の有機層を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、有機層同士を貼り合わせた後、(f)得られた積層体の側面を接着剤により封止する工程を有する。
(E)陰極と陰極基板の境界面で最後に張り合わせる場合、
(a−1)陽極基板上に陽極と少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層を製膜し、
(a−2)陰極基板上に陰極と電子注入層を製膜し、
(a−3)仮支持体上に少なくとも一層の発光性の有機層を製膜し、
(a−4)仮支持体上に少なくとも一層の電子輸送性の非発光性の有機層を製膜し、
(b)陽極基板上の有機層に仮支持体上の発光性の有機層を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記転写材料上の発光性の有機層を前記基板上に転写し、
(c)さらに、転写された陽極基板上の発光性の有機層に仮支持体上の電子輸送性の非発光性の有機層を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記転写材料上の電子輸送性の非発光性の有機層を前記基板上に転写し、
(d)さらに、転写された電子輸送層1の上にウェットプロセス、真空蒸着法、印刷法などの方法から選んだ方法で少なくとも一層の電子輸送層2を積層し製膜する工程、
(e)陽極基板上に積層された有機層の上にと電子注入層、陰極金属を順次真空蒸着法によって積層し製膜する工程、
(f)陽極基板上に積層された有機層の上の陰極と陰極基板を対面させて重ね合わせ、貼り合わせた後、
(g)得られた積層体の側面を接着剤により封止する工程を有する。
貼り合わせ法を用いることにより、貼り合わせ界面に余分な封止空間ができず、耐久性が向上するという利点が得られるだけでなく、大面積の発光素子を安価に効率よく作製することができる。貼り合わせ法としては、2つの層の界面を密着、圧着、融着等により接合する方法が挙げられる。貼り合わせる際に加熱及び/又は加圧を施すのが好ましい。加熱及び加圧は単独で行っても良いし、これらを組み合せても良い。
加熱手段としては、一般的な方法を用いることができ、例えばラミネータ、赤外線ヒータ、ローラーヒータ、ヒータ、レーザ、熱ヘッド等を用いることができる。大面積の貼り合わせを行う場合、面状加熱手段が好ましく、ラミネータ、赤外線ヒータ、ローラーヒータ等がより好ましい。貼り合わせ温度は特に限定されず、有機層の材質や加熱部材によって変更することができる。一般的には、40〜250℃が好ましく、50〜200℃がより好ましく、60〜180℃が特に好ましい。ただし好ましい貼り合わせ温度は、加熱部材、材料及び基板の耐熱性に関係し、耐熱性が向上すればそれに伴って変化する。
加圧手段は特に限定されないが、ガラス等の歪により破壊されやすい基板を用いる場合は、均一に加圧できるものが好ましい。例えば、片方又は両方をゴムにした対ローラを用いるのが好ましく、具体的にはラミネータ(ファーストラミネータVA−400III(大成ラミネータ(株)製)等)、熱転写プリント用の熱ヘッド等を用いることができる。
[3]接着剤
本発明の発光素子に使用する接着剤は特に限定されず、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、二液型硬化樹脂、水分硬化樹脂、嫌気性硬化樹脂、ホットメルト型樹脂等を使用できる。なかでも水分透過性及び酸素透過性が小さいエポキシ系の接着剤が好ましく、紫外線硬化型、熱硬化型、二液硬化型のいずれも好ましい。さらに工程数の削減及び容易性の観点から、紫外線硬化型が好ましい。
接着剤の塗布法は特に限定されないが、ディスペンス法が好ましい。接着剤の塗布量は特に限定されず、紫外線硬化型の接着剤を使用する場合には、紫外線が充分に吸収される膜厚になるように塗布すればよい。また二液混合型を用いる場合、二液を充分に混合させれば、量は特に限定されない。発光素子の耐久性を確保するために、接着剤の厚さD(図1参照)は0.1〜5mmであるのが好ましい。
接着剤は積層体の側面部に全周にわたって塗布する。ここで「側面部の全周」とは、
(a)図1に示すように陽極基板、陽極、有機層、陰極及び陰極基板の端面が全て揃っている場合には、これらの層からなる積層体の側面全体を意味するが、
(b)図2及び図3に示すように陽極基板又は陰極基板が大きい場合には、その大きな基板を除く層からなる積層体の側面全体を意味する。
[4]各層の材料
以下、本発明の発光素子の各層を構成する材料について詳細に説明する。
(a)陽極基板
本発明で使用する陽極基板の具体例としては、ジルコニア安定化イットリウム(YSZ)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルやポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、ポリイミド、等の有機材料が挙げられる。有機材料の場合、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
陽極基板の形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、発光素子の用途、目的等に応じて適宜選択することができる。一般的には、前記形状としては、板状である。前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、また、単一部材で形成されていてもよいし、2以上の部材で形成されていてもよい。
陽極基板は、無色透明であってもよいし、不透明であってもよいが、陽極基板側から光取出しを行う場合には無色透明である必要がある。
陽極基板に有機材料を使用する場合には、その表面又は裏面(陽極側)に透湿防止層(ガスバリア層)を設けることが好ましい。前記透湿防止層(ガスバリア層)の材料としては、窒化珪素、酸化珪素などの無機物が好適に用いられる。前記透湿防止層(ガスバリア層)は、例えば、高周波スパッタリング法、大気圧プラズマ法などにより形成することができる。
透湿防止層(ガスバリア層)の形成方法としては大気圧プラズマ法が、生産性が高い上、透明性やガスバリア性も高いので好ましい。大気圧プラズマ法による透湿防止層(ガスバリア層)の形成に関しては、本出願人の出願した特許(特開2003−105541号公報)などに詳細な方法が記載されており、その方法に従って透明樹脂基板に好適な透湿防止層(ガスバリア層)を形成することができる。
陽極基板には、さらに必要に応じて、ハードコート層、アンダーコート層などを設けてもよい。陽極基板はその熱線膨張係数が20 ppm/℃以下であるのが好ましい。熱膨張係数は、一定速度で加熱し、試料の長さの変化を検知する方法で測定され、主にTMA法により測定される。熱線膨張係数が20ppm/℃よりも大きいと、貼合わせ工程や使用時の熱等で電極や有機層の剥がれの原因となり、耐久性悪化の原因となる。
陽極基板の水分透過率は0.1g/m2・day以下であるのが好ましく、0.05g/m2・day以下であるのがより好ましく、0.01g/m2・day以下であるのが特に好ましい。また、酸素透過率は0.1ml/m2・day・atm以下であるのが好ましく、0.05ml/m2・day・atm以下であるのがより好ましく、0.01ml/m2・day・atm以下であるのが特に好ましい。水分透過率はJIS K7129;1992法に準拠した方法(主としてMOCON法)により測定できる。酸素透過率はJIS K7126;1987法に準拠した方法(主としてMOCON法)により測定できる。このようにすることにより、発光素子内に耐久性悪化の原因となる水分や酸素の侵入を防ぐことが可能となる。
(b)陽極
前記陽極としては、通常、有機層に正孔を供給する陽極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はない。発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができる。
前記陽極の材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、有機導電性化合物、またはこれらの混合物を好適に挙げられ、仕事関数が4.0eV以上の材料が好ましい。具体例としては、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の半導性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、前記半導性金属酸化物または金属化合物の分散物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、およびこれらとITOとの積層物などが挙げられる。
前記陽極は例えば、本発明においては真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの中から前記材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って基板又は有機層上に形成することができる。例えば、前記陽極の材料として、ITOを選択する場合には、前記陽極の形成は、直流あるいは高周波スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等に従って行うことができる。
なお前記陽極のパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングにより行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングにより行ってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法により行ってもよい。
前記陽極の厚みとしては、前記材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常10nm〜50μmであり、50nm〜20μmが好ましい。前記陽極の抵抗値としては、106Ω/□以下が好ましく、105Ω/□以下がより好ましい。105Ω/□以下の場合、本発明のバスライン電極を設置することにより性能の優れた大面積発光素子を得ることができる。前記陽極は、無色透明であっても、有色透明であってもよく、前記陽極側から発光を取り出すためには、その透過率としては、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。この透過率は、分光光度計を用いた公知の方法に従って測定することができる。
(c)陰極基板
本発明で使用する陰極基板の具体例としては、ジルコニア安定化イットリウム(YSZ)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルやポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、ポリイミド、等の有機材料が挙げられる。有機材料の場合、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
陰極基板の形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、発光素子の用途、目的等に応じて適宜選択することができる。一般的には、前記形状としては、板状である。前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、また、単一部材で形成されていてもよいし、2以上の部材で形成されていてもよい。
陰極基板は、無色透明であってもよいし、不透明であってもよいが、陰極基板側から光取出しを行う場合には無色透明である必要がある。
陰極基板が不透明である場合には、金属箔の片面又は両面に絶縁層を設けた基板支持体が好ましい。金属箔は特に限定されず、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔、金箔、銀箔等の金属箔を用いることができる。中でも加工の容易さ及びコストの観点からアルミ箔又は銅箔が好ましい。絶縁層は特に限定的でなく、例えば無機酸化物や無機窒化物等の無機物や、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、ポリイミド等のプラスチックにより形成することができる。
陰極基板に透明な有機材料の支持体を用いる場合には、その表面又は裏面(陰極側)に透湿防止層(ガスバリア層)を設けることが好ましい。前記透湿防止層(ガスバリア層)の形成方法に関しては陽極基板と同様の方法を用いることができる。
陰極基板はその熱線膨張係数が20ppm/℃以下であるのが好ましい。熱膨張係数は、一定速度で加熱し、試料の長さの変化を検知する方法で測定され、主にTMA法により測定される。熱線膨張係数が20ppm/℃よりも大きいと、貼合わせ工程や使用時の熱等で電極や有機層の剥がれの原因となり、耐久性悪化の原因となる。
陰極基板に設けた絶縁層の熱線膨張係数も20ppm/℃以下であるのが好ましい。熱線膨張係数が20ppm/℃以下の絶縁層を形成する材料としては、酸化珪素、酸化ゲルマニウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化銅等の金属酸化物や、窒化珪素、窒化ゲルマニウム、窒化アルミニウム等の金属窒化物が好ましく、これらを一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。金属酸化物及び/又は金属窒化物の無機絶縁層の厚さは10〜1000nmであるのが好ましい。無機絶縁層が10nmより薄いと絶縁性が低すぎる。また。無機絶縁層が1000nmより厚いとクラックが生じやすくなり、ピンホールができて絶縁性が低下する。金属酸化物及び/又は金属窒化物の絶縁層を製膜する方法は限定的でなく、蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の乾式法や、ゾルーゲル法等の湿式法、又は金属酸化物及び/又は金属窒化物の粒子を溶剤に分散し塗布する方法等を利用することができる。
熱線膨張係数が20ppm以下のプラスチック材料としては、特にポリイミドや液晶ポリマーが好ましく用いることができる。これらのプラスチック材料の性質等の詳細については「プラスチック・データブック」(旭化成アミダス(株)「プラスチック」編集部編)等に記載されている。ポリイミド等を絶縁層として用いる場合にはポリイミド等のシートとアルミ箔を積層するのが好ましい。ポリイミド等のシートの厚さは10〜200μmであるのが好ましい。ポリイミド等のシートの厚さが10μmより薄いと積層時のハンドリングが困難になる。またポリイミド等のシートの厚さが200μmよりも厚いと可撓性が損なわれ、ハンドリングが不便になる。絶縁層は金属箔の片面だけに設けても良いが、両面に設けても良い。両面に設ける場合、両面とも金属酸化物及び/又は金属窒化物であっても良く、また両面ともポリイミドのようなプラスチック絶縁層であっても良い。また一方の片面が金属酸化物及び/又は金属窒化物からなる絶縁層であり、他方の片面がポリイミドシート絶縁層であっても良い。さらに必要によりハードコート層やアンダーコート層を設けても良い。
陰極基板の水分透過率は0.1g/m2・day以下であるのが好ましく、0.05g/m2・day以下であるのがより好ましく、0.01g/m2・day以下であるのが特に好ましい。また、酸素透過率は0.1ml/m2・day・atm以下であるのが好ましく、0.05ml/m2・day・atm以下であるのがより好ましく、0.01ml/m2・day・atm以下であるのが特に好ましい。水分透過率はJIS K7129;1992法に準拠した方法(主としてMOCON法)により測定できる。酸素透過率はJIS K7126;1987法に準拠した方法(主としてMOCON法)により測定できる。このようにすることにより、発光素子内に耐久性悪化の原因となる水分や酸素の侵入を防ぐことが可能となる。このような材料として、前記と同様の材料を用いることができる。
(d)陰極
陰極としては、通常、前記有機層に電子を注入する陰極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はない。このため発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極の中から適宜選択することができる。
前記陰極の材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられ、仕事関数が4.5eV以下のものが好ましい。具体例としてはアルカリ金属(たとえば、Li、Na、K、CS等)、アルカリ土類金属(たとえばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。
これらの中でも、電子注入性の点で、アルカリ金属やアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に優れる点で、アルミニウムを主体とする材料が好ましい。前記アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、又はアルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属との合金若しくは混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。
なお前記陰極の材料については、特開平2−15595号及び特開平5−121172号に詳述されている。
前記陰極の形成法は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、本発明においては真空機器内でおこなう。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの中から前記材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って前記基板上に形成することができる。例えば、前記陰極の材料として、金属等を選択する場合には、その1種又は2種以上を同時又は順次にスパッタ法等に従って行うことができる。
なお陰極のパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングにより行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングにより行ってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法により行ってもよい。
また、前記陰極と前記有機層との間に前記アルカリ金属又は前記アルカリ土類金属のフッ化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで挿入してもよい。なお前記誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
前記陰極の厚みとしては、前記材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常10nm〜5μmであり、50nm〜1μmが好ましい。
(e)有機層
本発明において、前記有機層は、少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層、少なくとも一層の発光性の有機層、少なくとも二層の電子輸送性の非発光性の有機層からなる。なお本明細書において、「誘導体」という用語はその化合物自身及びその誘導体を意味する。
(1)発光層
本発明に用いられる発光層は、少なくとも一種の発光材料からなり、必要に応じて正孔輸送材料、電子輸送材料、ホスト材料を含んでも良い。
発光層は一般にホスト材料にドーパントを混在させてなる。
発光層のホストとドーパントとは、発光層を2種類以上の化合物から構成し、前記2種以上の化合物の混合比(質量)で多い方がホストであり、少ない方がドーパントである。
ドーパントの混合比は好ましくは質量で0.001%以上50%未満であり、ホストの混合比は好ましくは質量で50%以上100%未満である。
原理としては2つ挙げられ、一つはキャリアが輸送されるホスト上でキャリアの再結合が起こってホスト化合物の励起状態が生成し、このエネルギーをドーパントに移動させることでドーパントからの発光を得るというエネルギー移動型、もう一つはドーパントがキャリアトラップとなり、ドーパント化合物上でキャリアの再結合が起こりドーパントからの発光が得られるというキャリアトラップ型であるが、いずれの場合においても、ドーパント化合物の励起状態のエネルギーはホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件である。
また、エネルギー移動型ではエネルギー移動をしやすい条件として、ホストの発光とドーパントの吸収の重なり積分が大きい方が良い。キャリアトラップ型ではキャリアトラップしやすいエネルギー関係であることが必要である。例えば電子のキャリアートラップはホストの電子親和力(LUMOレベル)よりもドーパントの電子親和力(LUMOレベル)の方が大きい必要がある。逆に正孔のキャリアトラップはドーパントのイオン化ポテンシャル(HOMOレベル)よりもドーパントのイオン化ポテンシャル(HOMOレベル)が小さい必要がある。
これらのことから、ドーパントには色純度を含めた発光色と発光効率からドーパント化合物の選択が可能で、ホスト化合物はキャリア輸送性が良く、更に上記のエネルギー関係を満たすものから選ばれる。
本発明に用いられる発光ドーパントとしては特に限定されることはなく、蛍光発光性化合物または燐光発光性化合物であれば用いることができる。例えば蛍光発光性化合物としては、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、スチリルアミン誘導体、芳香族ジメチリデン化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物等が挙げられる。これらは一種もしくは二種以上を混合して用いることができる。
燐光発光性化合物としては特に限定されることはないが、オルトメタル化金属錯体、又はポルフィリン金属錯体が好ましい。前記オルトメタル化金属錯体とは、例えば山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」150頁、232頁、裳華房社(1982年発行)やH.Yersin著「Photochemistry and Photophisics of Coordination Compounds」71〜77頁、135〜146頁、Springer−Verlag社(1987年発行)等に記載されている化合物群の総称である。前記オルトメタル化金属錯体を含む前記有機層は、高輝度で発光効率に優れる点で有利である。
前記オルトメタル化金属錯体を形成する配位子としては、種々のものがあり、上記文献にも記載されているが、その中でも好ましい配位子としては、2−フェニルピリジン誘導体、7、8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導体等が挙げられる。これらの誘導体は必要に応じて置換基を有しても良い。前記オルトメタル化金属錯体は、前記配位子のほかに、他の配位子を有していてもよい。
本発明で用いるオルトメタル化金属錯体はInorg.Chem.1991年,30号,1685頁,同1988年,27号,3464頁,同1994年,33号,545頁,Inorg.Chim.Acta 1991年,181号,245頁,J.Organomet.Chem.1987年,335号,293頁,J.Am.Chem.Soc.1985年,107号,1431頁等、種々の公知の手法で合成することができる。前記オルトメタル化錯体の中でも、三重項励起子から発光する化合物が本発明においては発光効率向上の観点から好適に使用することができる。また、ポルフィリン金属錯体の中ではポルフィリン白金錯体が好ましい。前記燐光発光性の化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、前記蛍光発光性化合物と燐光発光性化合物を同時に用いても良い。本発明においては、発光輝度、発光効率の点から、前記燐光発光性化合物を用いることが好ましい。
前記正孔輸送材料としては、低分子正孔輸送材料、高分子正孔輸送材料いずれも用いることができ、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれかを有しているもので有れば限定されることはなく、例えば以下の材料を挙げることができる。カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正孔輸送材料の前記発光層における含有量としては0〜99.9質量%が好ましく、さらに好ましくは0〜80質量%である。
前記電子輸送材料としては電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれかを有しているもので有れば制限されることはなく例えば以下の材料を挙げることができる。トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物を挙げることができる。
前記電子輸送材の前記発光層における含有量としては0〜99.9質量%が好ましく、さらに好ましくは0〜80質量%である。
前記ホスト材料(化合物)とは、その励起状態から前記蛍光発光性化合物または燐光発光性の化合物へエネルギー移動が起こり、その結果、前記蛍光発光性または燐光発光性の化合物を発光させる機能を有する化合物のことである。前記ホスト材料としては励起子エネルギーを発光材にエネルギー移動できる化合物ならば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、具体的にはカルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物等が挙げられる。
ホスト材料としては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつかつ、発光の長波長化を防ぎ、なおかつ高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。
このような有機化合物は、例えばπ電子平面を立体障害等の効果により非平面的することで得られる。例としてはトリアリールアミンのアリール基のオルト位(窒素原子から見た)に立体障害性の置換基を導入することが挙げられる。これによりねじれ角を増強される。即ち、メチル基、t−ブチル基、イソプロピル基、ナフチル基のペリ位水素原子等、立体障害のある置換基を有機化合物内に効果的に配置することにより、高Tg正孔輸送化合物、高Tg電子輸送化合物のTgを下げることなく、多少の正孔輸送能、電子輸送能の低下が見られるが短波長発光を有する発光材料が得られる。但し、置換基は上記に限定するものではない。
また、芳香環に共役する基を導入する場合に非共役する位に導入する(例えば、トリフェニルアミンの場合フェニル基のメタ位)ことでも得られる。
前記ホスト化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記ホスト化合物の前記発光層における含有量としては0〜99.9質量%が好ましく、さらに好ましくは0〜99.0質量%である。
前記その他の成分としては、特に本発明においては発光層には必要に応じて、電気的に不活性なポリマーバインダーを用いることができる。必要に応じて用いられる電気的に不活性なポリマーバインダーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等を挙げることができる。前記発光層が前記ポリマーバインダーを含有していると、前記発光層を湿式製膜法により容易にかつ大面積に塗布形成することができる、貼り合わせが良くなる等で有利である。
(2)注入層(バッファー層)
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記のごとく陽極と正孔輸送層の間、および、陰極と電子輸送層との間に存在させる。
注入層とは、駆動電圧低下や発光効率向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(第123頁〜第166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45479号、同9−260062号、同8−288069号等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
陰極バッファー層(電子注入層)は、特開平6−325871号、同9−17574号、同10−74586号等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。
上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるが、その膜厚は0.1〜100nmの範囲が好ましい。
(3)阻止層
阻止層は、上記のごとく、有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば特開平11−204258号、同11−204359号、および「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の第237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層であり、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
一方、電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層であり、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
(4)正孔輸送層
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。
正孔輸送層は単層もしくは複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、特に制限はなく、従来、光導伝材料において、正孔の電荷注入輸送材料として慣用されているものやEL素子の正孔注入層、正孔輸送層に使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。
正孔輸送材料は、正孔の注入もしくは輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えばトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また、導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマーなどが挙げられる。
正孔輸送材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、さらには、米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)などが挙げられる。
さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、p型−Si、p型−SiCなどの無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
(5)電子輸送層
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。本発明では少なくとも二層の電子輸送層を設ける。
電子輸送材料としては、特に制限はなく、従来のEL素子の電子輸送材料に使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。
この電子輸送材料の例としては、フェナントロリン誘導体、ビピリジン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレンなどの複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体などが挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料、電子注入材料として用いることができる。
さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また金属錯体を用いることもできる。
(6)有機層の形成
前記有機層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、ディッピング、スピンコート法、ディップコート法、キャスト法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、グラビアコート法等の湿式製膜法、転写法、印刷法いずれも好適に製膜することができる。
本発明では、高い生産性を実現するため、基板上に製膜積層する有機層の内、加熱処理を行わなくてもよい有機層は実質的に上記の湿式製膜法あるいは印刷法から選ばれるウェットプロセスで製膜するのが好ましい。実質的にとは前記のウェットプロセスによって製膜される有機層がそれぞれの構成層の内80質量%以上を占めていることを意味する。好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上である。
なかでも、前記湿式製膜法による塗布形成の場合、前記有機層を容易に大面積化することができ、高輝度で発光効率に優れた発光素子が低コストで効率よく得られる点で有利である。なおこれらの製膜法の種類の選択は、前記有機層の材料に応じて適宜おこなうことができる。前記湿式製膜法により製膜した場合は、製膜した後、適宜乾燥を行うことができ、前記乾燥の条件としては特に制限はないが、塗布形成した層が損傷しない範囲の温度等を採用することができる。
前記有機層を前記湿式製膜法で塗布形成する場合、前記有機層には、バインダー樹脂を添加することができる。この場合、前記バインダー樹脂としてはポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタールなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機層を湿式製膜法により塗布形成する場合、前記有機層の材料を溶解して塗布液を調製する際に用いられる溶剤としては、特に制限はなく、前記正孔輸送材料、前記オルトメタル化錯体、前記ホスト材料、前記ポリマーバインダー等の種類に応じて適宜選択することができ、例えば、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、n−プロピルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン、炭酸ジエチル等のエステル系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、等のアルコール系溶剤、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。
また、前記有機層を湿式製膜法により塗布形成する場合、前記有機層の材料を溶剤に分散した分散液として塗布液を調整することも好ましい。その際に用いられる溶剤としては、分散物の分散状態が安定であること、塗布液の製膜性が良いことなどから、比較的高粘度かつ高極性の溶剤、さらに中でも水との混和性のある溶剤が好ましい。水混和性の溶剤を使用することで、水の添加による分散溶剤の溶解性、粘度、表面張力等の物性が調整しやすくなり安定した分散液塗布が可能になる。
具体的には、アミド系溶剤あるいはアルコール系の溶剤が好ましく、乾燥時の熱量負荷が低い点で炭素数8以下の低級〜中級のアルコール類が好ましい。より好ましくは炭素数5以下のアルコール類である。
分散液にはさらに分散安定性を向上させるための分散安定剤のような添加剤を添加することもできる。そのような化合物としては高沸点のアルコールや多価アルコールが挙げられる。
なお前記塗布液における固形分の溶剤に対する固形分量としては、特に制限はなく、その粘度も湿式製膜方法に応じて任意に選択することができる。
本発明では、正孔阻止性の電子輸送層の形成に加熱転写法を用いることにより、好ましい境界面の形成ができて電子の注入性や移動度の制御が可能になり、高性能な有機エレクトロルミネッセンス素子を作製できる。さらに、発光性の有機層の形成にも加熱転写法を用いることにより、正孔輸送層側においても好ましい境界面の形成ができて正孔の注入性や移動度の制御が可能になり、高性能な有機エレクトロルミネッセンス素子を作製できる。
転写法とは仮支持体に有機層を形成した複数の転写材料を用いて、剥離転写法により基板上に有機層を転写する工程を含む方法である。剥離転写法は、転写材料を加熱及び/又は加圧することにより有機薄膜層を軟化させて、基板の被成膜面に接着させた後、仮支持体を剥離することにより有機層だけを被成膜面に残留させる転写方法である。加熱法、加圧法については前記貼り合わせ法で用いた方法と同じ方法を用いることができる。
(7)転写材料
〔1〕仮支持体
本発明に使用する転写シート用の仮支持体は、化学的及び熱的に安定であって、可撓性を有する材料により構成されるべきであり、具体的にはフッ素樹脂[例えば4フッ化エチレン樹脂(PTFE)、3フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)]、ポリエステル[例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)]、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリエーテルスルホン(PES)等の薄いシート、又はこれらの積層体が好ましい。仮支持体の厚さは1μm〜300μmが適当であり、特に微細パターン状の有機薄膜層を形成する場合、3μm〜20μmであるのが好ましい。
〔2〕仮支持体への有機薄膜層の形成
バインダーとして高分子化合物を含む有機薄膜層は、湿式法により仮支持体に形成するのが好ましい。これには、有機薄膜層用材料を有機溶剤に所望の濃度に溶解し、得られた溶液を仮支持体に塗布する。塗布法としては、有機薄膜層の乾燥膜厚が200nm以下で均一な膜厚分布が得られれば特に制限はなく、スピンコート法、スクリーン印刷法、グラビアコート法(例えばマイクログラビアコート法)、ディップコート法、キャスト法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、エクストロージェンコート法、インクジェット塗布法等が挙げられる。中でも、パターニングに好ましいマイクログラビアコート法及びインクジェット法が好ましい。
各色の発光性化合物を含有する塗布液をマスクを介して順次所定のパターンに塗布することにより、青、緑及び赤の3色の発光画素がパターニングされた有機薄膜層を形成することもできる。
また、各色の発光性化合物を含有する塗布膜をマスクを介して順次所定のパターンに転写することにより、青、緑及び赤の3色の発光画素がパターニングされた有機薄膜層を形成することもできる。
マスクの材質は限定的でないが、金属、ガラス、セラミック、耐熱性樹脂等の耐久性があって安価なものが好ましい。またこれらの材料を組み合わせて使用することもできる。また機械的強度及び有機薄膜層の発光画素のパターン精度の観点から、マスクの厚さは2〜100μmであるのが好ましく、5〜60μmがより好ましい。
〔3〕発光材料のパターニング方法
以下、図面に従って本発明に係るパターン部材の製造方法の1例について説明する。
図7に、本発明で用いるパターン部材の製造方法のプロセスフローが一例として示される。
本実施の形態では、各種の1次転写シート102としては、図7に示されるように、赤(R)用の1次転写シート102R、緑(G)用の1次転写シート102G、青(B)用の1次転写シート102Bの3種類の1次転写シートが使用される。各種の1次転写シート102として帯状可撓性支持体が好ましく使用できる。
帯状可撓性支持体としては、所定形状のシートで、各種の異なる材料(パターン材料)Pが塗布でき、かつ、転写工程において材料Pを転写材料シート(仮支持体)110に転写できる材質が使用できる。すなわち、転写工程における条件下において、材料Pの濡れ性又は接着性が、転写材料シート110より劣る材質であることが求められる。
このような帯状可撓性支持体としては、一般に、所定幅、所定長さで、厚さが2〜200μm程度のポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド等のプラスチックフイルム、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンブテン共重合体等の炭素数が2〜10のα−ポリオレフィン類を塗布又はラミネートした紙、金属板等からなる可撓性帯状物又は該帯状物を基材としてその表面に加工層を形成した帯状物が使用できる。
図7に示される塗布装置(塗布手段)101としては、ローラ塗布装置が採用されている。このローラ塗布装置において、図示の方向に回転するアプリケータロール101Aの下を、矢印の方向に1次転写シート102が所定速度で移動することにより、1次転写シート102上に所定厚さのパターン材料Pが塗布される。アプリケータロール101Aの背面にはメタリングロール101Bが配されており、アプリケータロール101Aへのパターン材料Pの供給量が均一になるようにコントロールがなされている。
1次転写シート102は、送り出し部(不図示)のローラより繰出され、塗布装置101及び乾燥手段104(後述)を経て巻取り部(不図示)のローラに巻き取られる態様で搬送されてもよいし、所定サイズの1次転写シート102が1次転写シート保持テーブル(たとえば、真空吸着テーブル)に保持されて、塗布装置101で移動されるのであってもよい。
塗布装置101は、1台で各種のパターン材料Pを塗布するようにしてもよく、各種のパターン材料P毎に塗布装置101を備えてもよい。
なお、既述のように、塗布装置101は、1次転写シート102上に所定厚さのパターン材料Pが塗布できれば、方式は問わない。
パターン材料Pが塗布された1次転写シート102は、乾燥装置(乾燥手段)104に送られ、パターン材料Pの乾燥がなされる。これに使用される乾燥装置104としては、熱風循環式乾燥機、遠赤外線式乾燥機、真空式乾燥機等、公知の各種方式の装置が使用できる。
上記一連の工程は、良好な無塵度及び最適な温湿度の環境下で実施されることが好ましい。したがって、クリーンルーム内で行なわれるのが好ましく、特に、塗布手段101及び乾燥手段104は、クラス100以下の環境下に設置されるのが好ましい。このためには、ダウンフローのクリーンルーム又はクリーンベンチを併用する形態が採用できる。
本発明では、パターン材料Pが有機ELの発光層であり、この発光層は水分が製品寿命に大きく影響するので、低湿度の環境に維持することが好ましい。具体的には、露点マイナス20°C以下の空気又は窒素ガス雰囲気であることが好ましい。相対湿度(RH)も可能な限り低くすることが好ましい。
転写工程に使用される転写装置(転写手段)105は、転写材料シート110に、それぞれの1次転写シート102のうち1つの転写シートを、パターンと略同一形状の開口を有するマスクM(マスク材)を介してパターン材料Pが転写材料シート110に相対するように重ね合わせ、1次転写シート102の裏面より押圧板103により押圧することによりパターン材料Pを転写材料シート110にパターン状に転写する装置である。
この転写工程で供給される転写材料シート110の材質としては、帯状可撓性支持体が好ましく使用できる。
帯状可撓性支持体としては、一般に、所定幅の、長さが45〜20000m、厚さが2〜200μmのポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド等のプラスチックフイルム、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンブテン共重合体等の炭素数が2〜10のα−ポリオレフィン類を塗布又はラミネートした紙等からなる可撓性帯状物又は該帯状物を基材としてその表面に加工層を形成した帯状物が使用できる。
マスクM(マスク材)としては、図8に示されるように、パターンと略同一形状の開口MAを有する薄板状部材が使用される。開口MAのマスクM上の配置は、各材料(R、G、B等)のパターンに対応してなされる。開口MAのサイズは、パターンと略同一形状であり、好ましくはパターンより若干大きいサイズとするのがよい。この詳細については後述する。具体的には、たとえば、パターンが100×200μmの矩形である場合、開口MAを105×205μmの矩形とするのが好ましい。
マスクMの厚さは、パターンのサイズ、パターンの膜厚、パターンの要求精度等に応じて最適値が採用できるが、一般的には20〜40μmが好ましく採用できる。パターンの要求精度の観点からは、マスクMの厚さが可能な限り小さいことが好ましく、マスクMの耐久性(寿命)や剛性の観点からは、マスクMの厚さが厚いことが好ましい。
このようなマスクMは、四周を枠材により保持され、所定のテンションをもって支持されているのが好ましい。マスクMの材質としては、たとえば、ステンレス鋼が好ましく使用できる。マスクMの開口MAの形成は、フォトエッチング等により行なえる。
押圧板103としては、図9に示されるように、表面にパターンと略同一形状の突起103Aが形成されている板状部材が使用される。突起103Aの押圧板103上の配置は、各材料(R、G、B等)のパターンに対応してなされる。突起103Aのサイズは、パターンと略同一サイズ又はパターンより若干小さいサイズとするのがよい。この詳細については後述する。具体的には、たとえば、パターンが100×200μmの矩形である場合、これと同一とするのが好ましい。
押圧板103の突起103Aの段差は、パターンのサイズ、パターンの膜厚、パターンの要求精度等に応じて最適値が採用できるが、一般的には30〜70μmが好ましく採用できる。パターンの要求精度、すなわち突起103Aの成形精度の観点からは、突起103Aの段差が可能な限り小さいことが好ましく、パターンの転写性の観点からは、突起103Aの段差がある程度大きいことが好ましい。
このような押圧板103は、所定以上の厚さをもった金属部材で形成されているのが好ましい。押圧板103の突起103Aの形成は、フォトエッチング等により行なえる。
位置合わせ転写ゾーン106において、転写材料シート110は1次転写シート102と高精度で位置合わせされるためには、転写材料シート110に付与される張力は小さいことが好ましい。すなわち、転写材料シート110の弾性変形は極力抑えることが高精度の位置合わせには好ましい。特に、転写材料シート110が基板支持ベース107に吸着支持される際には、張力は付与されないことが好ましい。
なお、図示の転写装置(転写手段)105は、帯状可撓性支持体の転写材料シート110に対応した態様であるが、ガラス板、シリコン基板、金属板等の板状体の転写材料シート110を使用する場合でも搬送手段が相違するのみで、基本的な構成は略同様である。
次に、位置合わせ転写ゾーン106における詳細について、図7及び図10を使用して説明する。なお、図10は転写工程の詳細フローを示す概念図である。図7と図10とは、上下が逆転した状態となっている。また、図10において、基板支持ベース107の図示は省略されている。
図10において、位置合わせ転写手段105は、上面に1次転写シート102を支持するマスクMと、マスクMを支持するとともに、マスクMのX、Y、Z及びθ方向の位置合わせを行なう図示しないマスク位置合わせ手段と、表面が平坦に形成され、転写材料シート110の裏面を吸着支持する基板支持ベース107(図7参照)と、1次転写シート102の両端部近傍に位置決めできるように設けられ、マスクMの位置決めマーク又は転写材料シート110(仮支持体)のパターン部を検出できる2個以上の位置決め検出手段(図示略)と、1次転写シート102の裏面より突起103Aにより押圧することによりパターン材料PをマスクMの開口MAを介して転写材料シート110にパターン状に転写する押圧板103と、押圧板103を転写材料シート110(仮支持体)側に押圧する押圧手段(図示略)とより構成される。
マスクMのX、Y、Z及びθ方向の位置合わせを行なうマスク位置合わせ手段は、慣用の手段、たとえば、ボールねじとステッピングモータの組み合わせ等で構成できる。基板支持ベース107における転写材料シート110(仮支持体)の吸着支持は、たとえば、基板支持ベース107表面に設ける複数の微細な真空吸着孔と、これと連通する吸引手段(たとえば、ロータリ式真空ポンプ)の組み合わせで構成できる。位置決め検出手段は、顕微鏡又はデジタルカメラと、これに接続されるCRTモニタの組み合わせで構成できる。
押圧手段は慣用の手段、たとえば、エアシリンダとレギュレータの組み合わせにより面状に押圧する構成が採用できる。また、面状に押圧する構成に代えて、ローラ部材を使用した線状の押圧方法も採用できる。すなわち、押圧板103の裏面よりローラ部材で押圧しながらこのローラ部材を移動させる構成も可能である。
なお、位置決め検出手段の検出結果を見ながら、作業者が位置合わせ手段によりマスクMのX、Y、Z及びθ方向の位置合わせを行なう手動方式であっても、位置決め検出手段の検出結果により、自動的にマスクMのX、Y、Z及びθ方向の位置合わせが行なわれる自動方式であってもよい。
押圧板103の突起103Aは、全ての位置でマスクMの開口MAに嵌合できるようにX、Y及びθ方向の位置合わせができていなければならない。このための構成として、マスクMと押圧板103とを外段取りで位置決め固定でき、Z方向の動きのみ可動なような態様が採用できる。
また、押圧板103専用にX、Y、Z及びθ方向の位置合わせを行なう位置合わせ手段を設けることもできる。このような構成であれば、設備的には負担となるが、位置合わせ精度の観点からはより望ましい。この場合、押圧板103とマスクMとの位置合わせに、既述の位置決め検出手段を使用できる。すなわち、位置決め検出手段の焦点距離を切り換えて使用すればよい。
図7に示される状態から、先ず、基板支持ベース107が下降し、転写材料シート(仮支持体)110の裏面(上面)に略接触する位置で、転写材料シート110を吸着支持する。次に、図10(a)に示されるように、マスクM上に1次転写シート102を支持するとともに、マスクMを介して1次転写シート102を転写材料シート110に接近かつ相対させた状態で、マスク位置合わせ手段(図示略)によりマスクMのX、Y、Z及びθ方向の位置合わせを行なう。また、必要に応じて、押圧板103のX、Y、Z及びθ方向の位置合わせを行なう。
この位置合わせは、マスクMの全面において、押圧板103の突起103AがマスクMの開口MAと略一致し、押圧板103を転写材料シート110側に移動した際に、突起103AがマスクMの開口MAに嵌合するような状態まで合わせ込む必要がある。
位置合わせが完了した時点で、押圧手段により押圧板30の裏面より押圧することによりパターン材料Pが転写材料シート110に転写される。この状態が、図10(b)及び(c)に順次示される。すなわち、1次転写シート102の厚さは薄いので、伸長変形して、押圧板103の突起103AによりマスクMの開口MAに押し込まれる。これにより、開口MAに押し込まれた部分の1次転写シート102上のパターン材料Pが転写材料シート110に押圧され、最終的に転写材料シート110側に転写され転写材料が形成される。
図10(b)及び(c)に示されるように、転写シート仮支持体110側に転写されたパターンの幅はマスクMの開口MAの幅より若干小さく、また、パターンの幅は押圧板103の突起103Aの幅より若干大きくなっていることが解る。このような断面状態となることより、マスクMの開口MAの幅、及び、押圧板103の突起103Aの幅は、パターンの設計幅、1次転写シート102の厚さ、1次転写シート102の伸長量、1次転写シート102の機械特性(たとえば、縦弾性計数)、パターン材料Pの膜厚等を考慮して設計する必要がある。
パターン材料Pが転写材料シート110に転写された後に、押圧板103、マスクM及び1次転写シート102は転写材料シート110側から退避する(図10(d))。この操作が、たとえばR、G、Bの3色分繰り返されて、図10(e)及び図11に示されるような転写材料が形成される。
転写の際にはパターン材料Pの形状、材質に応じて所定の圧力と必要に応じて所定の熱が加えられるように構成されることが好ましい。加熱手段としては、たとえば、押圧板103内部にシースヒータを設ける構成が採用できる。
第1種目のパターン材料Pの転写が終了した時点で、基板支持ベース107(図7参照)及びこれに支持された転写材料シート110はそのままの状態で待機する。そして、第1種目の1次転写シート102及びマスクMが他の1次転写シート102及びマスクMと交換される。この際、他のマスクMは、ストライプ又はマトリックスパターンの1ピッチ分ずらして位置決めされる。
第2種目以降のマスクMの位置合わせは、転写材料シート(仮支持体)110表面に既に形成された第1種目のパターン材料Pと適正な位置関係となるように、マスクMの両端部近傍に形成された位置合わせマークを位置決め検出手段で読み取るか、第1種目のパターン材料Pを位置決め検出手段で読み取って位置合わせを行なう。このような作業をマスクMの全種類について行い、パターン材料Pの転写材料シート110への転写が完了する。
なお、第1種目等のパターン材料Pを位置決め検出手段で読み取って位置合わせを行なう場合、基板支持ベース107又はマスクMの一部を透明性の材料で形成するか、基板支持ベース107の一部を切り欠いておけば、この基板支持ベース107又はマスクMを透過して第1種目等のパターン材料Pを位置決め検出手段で読み取ることができ便利である。
また、マスク位置合わせ手段にマスクMを支持させる際には、マスク位置合わせ手段に3箇所の位置決めピンを設け、マスクMの枠材の2辺をこの位置決めピンに押し当てることにより、マスクMが同じ位置に支持できるような構成とするのが好ましい。同様に、マスク位置合わせ手段とマスクMとの位置合わせ位置に貫通孔を設け、この貫通孔同士を貫通ピン(この場合はテーパ状のものが好ましい)で連結することにより位置決めする構成も採り得る。
パターン材料Pの位置決め精度がラフで良い場合には、前記のような位置決め検出手段を採用せずに、上記の位置決めピンのみでもマスク位置合わせは可能である。
転写条件はパターン材料Pの材質、転写材料シート110の材質等に応じて最適な条件を選択する必要がある。転写時の押圧力は、たとえば、ローラ部材(ゴムローラ等の弾性ローラ)を使用した線状の押圧の場合、線圧として0.5〜5kg/cmが採用できる。
また、転写時の加熱温度は、一般的には40〜250°Cが好ましく、60〜180°Cがより好ましく採用できる。なお、1次転写シート102(押圧板103)及び/又は転写材料シート110(基板支持ベース107)を余熱させておけば生産性が向上するので好ましい。
転写時に重要となるのが、マスクM、1次転写シート102、転写材料シート110及び押圧板103の間において、熱膨張係数αの差がある場合である。たとえば、常温(たとえば20°C)でマスクM(たとえば、ステンレス鋼で、α=18×10-6)と転写材料シート110(たとえば、樹脂フイルムで、α=80×10−6)の両端(たとえば、スパン50mm)が一致していたとしても、転写時の加熱温度を150°Cとした場合、転写時には40μm程度の熱膨張量の差を生じ、無視できない問題となる。
このためには、各構成部材の熱膨張係数αを極力接近させる構成とするのが一つの対策であり、転写時の加熱温度において各構成部材の位置関係が最適状態となるように設計するのが他の一つの対策である。また、両者を組み合わせればなおよい。
また、転写終了時においても、しかるべき温度制御を施さないと、押圧板103を転写シート110側より退避させる際に、突起103AがマスクMの開口MAに嵌合された状態から開放できなくなるおそれも生じる。
転写工程の終了後、パターン材料Pと転写材料シート110との接着力が確保された状態で、巻取りローラ130に巻き取られる。
図11は、転写材料シート110に転写が終了した転写材料の構成図である。この転写材料の表面には、3種類(R、G、B)のパターン材料Pが所定幅、所定ピッチ毎に繰り返し形成されている。
以上、本発明に係るパターン部材の製造方法について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、1次転写シート102の種類、枚数、塗布装置101、乾燥装置104等の台数、レイアウト等、移載装置の配置等は、パターン部材の製品サイズ、製品の種別、生産数量等に応じて上記実施形態以外の各種態様が選択できる。
本実施の形態では、バッチ式の乾燥装置104が使用されたが、1次転写シート102をローラにより搬送される構成とし、塗布装置101の後段にトンネル炉形式の乾燥装置104を設ける態様も採用できる。
本実施の形態では、マスクMを各パターン材料Pの数だけ準備し、交換して使用したが、1種類のマスクMをマスク位置合わせ手段に固定して各パターン材料Pに共通して使用する態様も採用できる。このような態様であれば、マスクMの位置合わせ作業が簡略化できる。
また、たとえば、転写装置(転写手段)105において、次のマスクMが、ストライプ又はマトリックスパターンの1ピッチ分ずらして位置決めされる構成に代えて、基板支持ベース107(転写材料シート110)を1ピッチ分ずらして位置決めする構成としてもよい。
また、上記実施形態の例では、パターン部材が塗布された転写シートを乾燥する工程が採用されているが、パターン部材の材質によっては、乾燥工程を経ないで転写する工程を採用することも可能である。
(f)水分および、または酸素の吸収層
〔1〕材料
本発明の水分および/又は酸素の吸収層に用いられる材料は、還元性金属酸化物、又は仕事関数が4.0eV以下の金属若しくは合金であるのが好ましい。
「還元性金属酸化物」とは、酸素と結合する原子が、原子価よりも小さい酸化数をもつ酸化物を示す。水分および/又は酸素の吸収層に利用する還元性を有する酸化物としては、例えばSiO、GeO、SnO、FeO、MnO、WOを挙げることができ、SiO、GeO、SnO、FeOが好ましい。
仕事関数が4.0eVよりも小さい金属又は合金としては、例えばCa、Ce、Cs、Er、Eu、Gd、Hf、K、La、Li、Mg、Nd、Rb、Sc、Sm、Y、Yb、Zn等の金属やこれらの金属を主成分とする合金を挙げることができる。中でも入手のし易さや取り扱いやすさの点から、Ca、Li、Mg又はこれらの合金が特に好ましい。
水分および/又は酸素の吸収層の材料として、還元性を有する酸化物と仕事関数が4.0eVよりも小さい金属又は合金を併用してもよい。併用する場合、水分および/又は酸素の吸収層を多層化してもよいし、一層吸収層の中に両者を分散させても良い。
〔2〕設置方法
水分および/又は酸素の吸収層は、陰極基板と陰極の間に設置される。このような構造にすることにより、基板に含まれる水分及び/又は酸素、並びに素子に侵入してきた水分および/又は酸素を効率よく吸収でき、発光素子の耐久性や輝度を向上させることができる。
水分および/又は酸素の吸収層の設置方法は特に限定されないが、蒸着法又はスパッタ法が好ましく、陰極の設置法と同じ方法が好ましい。陰極の設置法と同じ方法で水分および/又は酸素の吸収層を設置することにより、水分及び/又は酸素の吸収層を設置した後、連続して陰極を設置することができ、工程を簡略化することができる。水分及び/又は酸素の吸収層と、陰極又は陰極基板との間に、絶縁層等の中間層を設けてもよい。
水分および/又は酸素吸収層の厚みは特に限定されず、発光素子の耐久性を向上させるのに十分な量の水分および/又は酸素を吸収する、還元性を有する酸化物及び/又は仕事関数が4.0eVよりも小さい金属若しくは合金が含まれていればよい。一般的には、10nm以上1μm以下であるのが好ましく、50nm以上500nm以下であるのがより好ましい。吸収層の厚みがこれよりも薄いと水分吸収能力が十分でないので好ましくない。またこれよりも厚いと、製膜に時間がかかる他、陰極基板や陰極と吸収層との剥離等の問題が生じ易いので好ましくない。
(g)その他の層
その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、保護層、乾燥層などが挙げられる。前記保護層としては、例えば、特開平7−85974号、同7−1925866号、同8−22891号、同10−275682号、同10−106746号等に記載のものが好適に挙げられる。前記保護層の形状、大きさ、厚み等については、適宜選択することができ、その材料としては、水分や酸素等の発光素子を劣化させ得るものを前記発光素子内に侵入及び透過させるのを抑制する機能を有していれば特に制限はなく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、酸化ゲルマニウム、二酸化ゲルマニウム、等が挙げられる。
前記保護層の形成方法としては、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子センエピタキシ法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザCVD法、熱CVD法、コーティング法などが挙げられる。
乾燥層としては、材料は特に限定されることはないが、水分を吸収する材料が好ましく用いられ、例えば、SiO、GeO、FeO,SnO等の還元性金属酸化物、Ca、Li、Na等の仕事関数が4.0eV以下の金属や合金が好ましく用いられる。乾燥層の設置場所は、陰極と陰極基板との間が好ましく、設置方法は特に限定されることはなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子センエピタキシ法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザCVD法、熱CVD法、コーティング法、などが挙げられる。
本発明の発光素子は、前記陽極と前記陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜40ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。本発明の発光素子の駆動については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号、米国特許第5,828,429号、同第6,023,308号、日本特許第2784615号、等に記載の方法を利用することができる。
具体的な構成層と化合物としては下記のものが挙げられる。
構成層としては正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層などである。
例えば正孔注入層には共役型高分子と非共役型高分子、オリゴマー化合物が用いられ、通常どれも導電性を挙げるためにアクセプターをドープして用いられる。
共役型高分子としてはポリチオフェン類、ポリアニリン類が挙げられ、アクセプターとして酸をドープするのが一般的である。特にポリチオフェン類としてはPEDOT/PSS、ポリアニリン類としてはPANI/CSAが好ましい。
Figure 2006302636
非共役型高分子としては高分子化された芳香族アミン類が挙げられ、芳香族アミンを主鎖もしくは側鎖に導入したものであり例えば下記一般式1、2で表されるものである。その例としてはPC−TPB−DEG、PTPDES、Et−PTPDEK、PVTPA1、PVTPA2が好ましい。
Figure 2006302636
Figure 2006302636
Figure 2006302636
アクセプターとしては、非常に電子受容性の高いものが好ましく、その例としてはTBPAH、やキノン類、特にDDQが好ましい。
Figure 2006302636
非共役型高分子としては縮合型の高分子も挙げられる。
具体的には下記一般式で表される化合物である。
Figure 2006302636
式中、[Ar]nはnヶ所の置換可能な部位をもち、それぞれ独立に置換されても良いアリール基、ヘテロアリール基をあらわす。Zは蛍光もしくはリン光性化合物残基(有機金属錯体も含む)をあらわし、[Ar]nの置換可能な部位nヶ所のうちのmヶ所が、K(Kは2価の連結基もしくは単なる結合手を表す)を介してZに連結する。ここで、
m個のZ−Kで表される基はすべて同一でも全て異なっていても良く、またm個のそれぞれZ,Kがそれぞれ異なっていても良い。
Lは下記連結基群1から選ばれる2価の連結基を示す。
Figure 2006302636
ここにおいて、R1〜R4は水素原子、または、置換してもよいアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基を表す。
これらの化合物の具体例としては以下の化合物が挙げられる。
Figure 2006302636
Figure 2006302636
オリゴマー化合物としては芳香族アミンオリゴマー類が挙げられる。これは芳香族アミンが連結された構造を有するが昇華精製が可能であり、かつ塗布しても良好なアモルファス性を有するものであり、例えば下記一般式3〜6の何れかで表されるものでありその例としては下記化合物3−1〜5、4−1〜4、5−1〜4、6−1〜3が挙げられる。
Figure 2006302636
Figure 2006302636
Figure 2006302636
Figure 2006302636
Figure 2006302636
Figure 2006302636
Figure 2006302636
Figure 2006302636
アクセプターとしては、非常に電子受容性の高いものが好ましく、その例としては前述のTBPAH、やキノン類、特にDDQが好ましい。
正孔輸送層には高分子化された芳香族アミン類、アモルファス性低分子、液晶化合物類が用いられる。
高分子化された芳香族アミン類には芳香族アミンを主鎖もしくは側鎖に導入したものであり例えば前述の一般式1、2で表されるものである。その例としてはPC−TPB−DEG、PTPDES、Et−PTPDEK、PVTPA1、PVTPA2が好ましい。
アモルファス性低分子とは、昇華精製が可能で、かつ塗布しても良好なアモルファス性を有するものである。
この様なアモルファス性低分子としては芳香族アミンオリゴマー類が挙げられる。これは芳香族アミンが連結された構造を有するが昇華精製が可能であり、かつ塗布しても良好なアモルファス性を有するものであり、例えば前述の一般式3〜6で表されるものであり、その例としては化合物3−1〜5、4−1〜4、5−1〜4、6−1〜3が挙げられる。
液晶化合物類としては、液晶性を示すもので有れば何でも良く、ディスコティック性を示すトリフェニレン誘導体やポリフルオレン誘導体などが挙げられる。更に正孔輸送性をあげるために正孔輸送性ドーパントを入れても良い。
発光層としては共役型高分子と非共役型高分子、アモルファス性低分子が用いられる。
共役型高分子としてはポリフェニレンビニレン誘導体やポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリアセチレン誘導類、リン光分子を主鎖に導入した高分子が挙げられる。
ポリフェニレンビニレン誘導体としては下記一般式7で表されるものであり例えばPPV、RO−PPV、CN−PPVが挙げられる。
Figure 2006302636
ポリチオフェン誘導体としては下記一般式8で表されるものであり、例えばPAT、PCHMT、POPTなどが挙げられる。
Figure 2006302636
ポリパラフェニレン誘導体としては下記一般式9で表されるものであり、例えばPPP、RO−PPP、FP−PPP、PDAFなどが挙げられる。
Figure 2006302636
ポリアセチレン類としては下記一般式10で表されるものであり例えばPPA、PDPAなどが挙げられる。
Figure 2006302636
リン光分子を主鎖に導入した高分子としてはリン光発光可能なリン光分子を主鎖に導入したものである。リン光分子としてはオルトメタル錯体や白金錯体が好ましく、特にIr錯体が好ましい。その例としては下記一般式11で表されるものであり、例えば化合物11−1、11−2等が挙げられる。
Figure 2006302636
非共役型高分子は機能性分子を側鎖にペンダントしたものである。その例としては下記一般式12で表されるものであり、PVCz、化合物12−1が挙げられる。
Figure 2006302636
また、リン光分子を側鎖にペンダントした高分子を用いても良く、その例としては下記一般式13が挙げられ、例えば化合物13−1、13−2が挙げられる。
Figure 2006302636
アモルファス性低分子とは、前述の様に昇華精製が可能であり、かつ塗布しても良好なアモルファス性を有するものである。アモルファス性を高く示すものとしてはTg(ガラス転移温度)が高いものが好ましい。その例としては前記一般式3〜6、下記一般式14〜17の何れかで表され、例えば化合物3−1〜5、4−1〜4、5−1〜4、6−1〜3、14−1〜15、15−1〜4、16−1〜3、17−1〜5が挙げられる。
Figure 2006302636
Figure 2006302636
Figure 2006302636
Figure 2006302636
Figure 2006302636
Figure 2006302636
Figure 2006302636
Figure 2006302636
Figure 2006302636
Figure 2006302636
また上記に挙げた高分子、もしくは化合物に必要で有れば、ドーパントを加えても良い。ドーパントとしては発光ドーパントと電荷輸送ドーパントが挙げられる。発光ドーパントは蛍光ドーパントとリン光ドーパントが挙げられ得たい発光色によって選ばれる。蛍光ドーパントは蛍光量子収率の高いものが好ましくレーザー色素などが挙げられる。
リン光ドーパントは室温にてリン光が観測される化合物が好ましく、オルトメタル錯体や白金錯体が好ましく、更にIr錯体が好ましい。例えばIr−1〜13が挙げられる。
Figure 2006302636
Figure 2006302636
電荷輸送ドーパントとしては、正孔輸送ドーパントと電子輸送ドーパントが挙げられ、正孔輸送ドーパントとしては芳香族アミン類が挙げられる、電子輸送ドーパントとしては複素環類が挙げられる。
電子輸送層としては発光層に挙げた高分子もしくは化合物を用いることができる。必要に応じて電子輸送ドーパントを使用しても良く、例えば複素環化合物が挙げられる。またここに挙げた高分子、もしくは他の高分子と複数混ぜて用いても良い。更に、これら高分子を合成する際のモノマーをここに挙げた高分子のモノマーもしくは他の高分子のモノマーとを共重合もしくはブロック重合させ、本発明に用いても良い。
本発明の有機EL素子は、表示装置(ディスプレイ)、発光光源として用いることができる。表示装置において、青、赤、緑発光の3種の有機EL素子を用いることにより、フルカラーの表示が可能となる。
表示装置としてはテレビ、パソコン、モバイル機器、AV機器、文字放送表示、自動車内の情報表示等が挙げられる。特に静止画像や動画像を再生する表示装置として使用しても良く、動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は単純マトリックス(パッシブマトリックス)方式でもアクティブマトリックス方式でもどちらでも良い。
発光光源としては家庭用照明、車内照明、時計や液晶用のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられ、本発明の有機EL素子は特に各種照明に用いて好適である。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
《有機EL素子1の作製》
陰極基板/陰極/電子輸送層/正孔阻止性の電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなるフルカラー有機EL素子1の作製及び封止
(A)陰極積層体1(陰極基板/陰極/電子輸送層)の作製
アルミニウム箔(30μm)の両面に厚み50μmのポリイミドシート(ユーピレックス50S、宇部興産(株)製)を両面にラミネートしたものを35mm×40mmに裁断し、陰極基板とした。
この陰極基板を洗浄容器に入れ、i−プロピルアルコール(IPA)により洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。次にパターニングした蒸着用のマスク(線幅が300μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図12)を設置し、約0.1mPaの減圧雰囲気中でアルミニウムを蒸着し、膜厚0.2μmのストライプ構造の陰極を形成した。(図13)
続けて電子注入材としてフッ化リチウム(LiF)をアルミニウム層と同パターンで蒸着し、膜厚3nmの電子注入層を製膜した。
次に、上記マスクを取り除き、
下記組成:
電子輸送性化合物12−1(Mw=50000) 40質量部
ジクロロエタン 3200質量部
を有する電子輸送性有機薄膜層用の塗布液をスピンコーターを用いて塗布し、60℃で乾燥することにより、厚さ40nmの電子輸送層を製膜し、陰極積層体1を作製した。
(B)陽極積層体1(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の作製
0.7mm×35mm×40mmのガラス板を陽極基板とし、この陽極基板を真空チャンバー内に導入し、パターニングした蒸着用のマスク(線幅が960μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図21)を設置し、SnO2含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタリング(条件:基板支持体の温度250℃、酸素圧1×10-3Pa)により、厚さ0.2μmのITO薄膜からなるストライプ構造の陽極を形成した。(図14)
前記陽極の表面抵抗は10Ω/□であった。この陽極を形成した陽極基板を洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコールにより洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。処理した透明電極の表面に、
下記組成:
正孔輸送性化合物(PTPDES) 40質量部
添加剤(TBPAH) 10質量部
ジクロロエタン 3200質量部
をスピンコートした後、40℃で乾燥し、厚さ100nmの正孔輸送層を製膜し、陽極積層体1を作製した。
(C)パターニングした発光性有機薄膜層を有する転写材料の形成:グラビア印刷法
(1)1次転写シートの作製
(a)青色用1次転写シートの作製
ポリビニルカルバゾール(Mw=63000、アルドリッチ社製)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−12)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にマイクログラビアコータを用いて塗布し、乾燥させることにより、縦960μm及び横300μmで縦・横周期990μmのパターン状で、厚さが40nmの青色発光層(発光画素)を支持体上に有する青色用1次転写シートを得た。パターン配列はストライプ配置の配列にした。(図15)
(b)緑色用1次転写シートの作製
ポリビニルカルバゾール(Mw=63000、アルドリッチ社製)と、オルトメタル化錯体としてのトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(Ir−1)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にマイクログラビアコータを用いて塗布し、乾燥させることにより、縦960μm及び横300μmで縦・横周期990μmのパターン状で、厚さが40nmの緑色発光層(発光画素)を支持体上に有する緑色用1次転写シートを得た。パターン配列は青色と同様にストライプ配置の配列にした。(図15)。
(c)赤色1次転写シートの作製
ポリビニルカルバゾール(Mw=63000、アルドリッチ社製)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−9)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にマイクログラビアコータを用いて塗布し、乾燥させることにより、縦960μm及び横300μmで縦・横周期990μmのパターン状で、厚さが40nmの赤色発光層(発光画素)を支持体上に有する赤色用1次転写シートを得た。パターン配列は青色と同様にストライプ配置の配列にした。(図15)
このようにして、一次転写シート用支持体に青、緑及び赤の発光性有機層の発光画素をパターン状に形成した1次転写シート3種類を作製した。
(2)BGRにパターニングされた転写体の作製。
厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる転写材料用の仮支持体上に青色用1次転写シートの有機層側を重ね、1次転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより1次転写シートの支持体側から加熱しながら加圧した。ついで1次転写シートを仮支持体から引きはがすことにより青色発光層を転写材料用の仮支持体上に転写した。(図16)
次に、緑色用1次転写シートの有機層側を画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、青色発光層と同様に緑発光層を転写材料用の仮支持体上に転写した。(図17)
最後に、赤色用1次転写シートを用いて同様に赤発光性層を転写しBGRにパターニングされた転写材料を作製した。(図18)
(D)正孔阻止性の電子輸送材料の転写材料の作製
下記組成:
電子輸送性化合物12−1(Mw=50000) 40質量部
正孔阻止性化合物5−4 40質量部
ジクロロエタン 3200質量部
を有する電子輸送性有機薄膜層用の塗布液を、厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる仮支持体上にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、60℃で乾燥することにより、厚さ40nmの電子輸送層を製膜し、転写材料を作製した。
(E)陰極積層体1への電子輸送性有機薄膜層の転写
(D)で作製した転写材料の電子輸送性有機層側を(A)で作製した陰極積層体1の電子輸送層側に重ね合わせた。
転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写シートの支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写シートを陰極基板から引きはがすことにより正孔阻止性の電子輸送層を(A)で作製した陰極積層体1(陰極基板/陰極/電子輸送層)の電子輸送層側に転写して第一積層体1を作製した。
(F)陽極積層体1への発光性有機薄膜層の転写
(C)で作製したBGRにパターニングされた転写材料の発光性有機層側を(B)で作製した陽極積層体1の正孔輸送層側に発光画素の横方向のストライプパターンと陽極のストライプパターンが一致するように重ね合わせた。
転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写シートの支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写シートを陽極基板から引きはがすことによりBGR3色の発光層を(A)で作製した陽極積層体1(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の有機層側に転写して第二積層体1(図19)を作製した。
(G)第一積層体1と第二積層体1の貼り合わせ
(F)で得られた第二積層体1の発光層側と(E)で得られた第一積層体1の電子輸送層を対面させ、発光画素の縦方向のストライプパターンと陰極のストライプパターンが一致するように重ね合わせ、図20に示したように長辺方向を90℃ずらして重ね合せた。
第一積層体1の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより第一積層体1の支持体側から加熱しながら加圧し、第一積層体1と第二積層体1を貼り合わせた。
次に陽極、陰極よりそれぞれ電極のラインごとにアルミニウムのリード線を出して
陰極基板/陰極/電子輸送層/正孔阻止性の電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなる32画素×32画素のパッシブ駆動型のフルカラー有機EL素子1を作製した。
(H)側面部の封止
接着剤として、UV硬化型のエポキシ系接着剤XNR5493T(長瀬チバ(株)製)を用い、上記で作製した発光素子の図2に示した接着剤の位置にディスペンサーを用いて、膜厚1mmになるように塗布した。塗布後、発光素子の両面から100mW/cm2の強度で高圧水銀ランプにより紫外線照射し硬化させ、本発明の発光素子1を作製した。なお封止作業は窒素置換したグローブボックス内で行い、露点−60℃、酸素濃度10ppmであった。
《有機EL素子2の作製》
陰極基板/陰極/電子輸送層/正孔阻止性の電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなるフルカラー有機EL素子2の作製及び封止
(A)陰極積層体2(陰極基板/陰極/電子輸送層)の作製
アルミニウム箔(30μm)の両面に厚み50μmのポリイミドシート(ユーピレックス50S、宇部興産(株)製)を両面にラミネートしたものを35mm×40mmに裁断し、陰極基板とした。
この陰極基板を洗浄容器に入れ、i−プロピルアルコール(IPA)により洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。次にパターニングした蒸着用のマスク(線幅が300μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図12)を設置し、約0.1 mPaの減圧雰囲気中でアルミニウムを蒸着し、膜厚0.2μmのストライプ構造の陰極を形成した。(図13)
続けて電子注入材としてフッ化リチウム(LiF)をアルミニウム層と同パターンで蒸着し、膜厚3nmの電子注入層を製膜した。
次に、上記マスクを取り除き、
下記組成:
電子輸送性化合物12−1(Mw=50000) 40質量部
ジクロロエタン 3200質量部
を有する電子輸送性有機薄膜層用の塗布液をスピンコーターを用いて塗布し、60℃で乾燥することにより、厚さ40nmの電子輸送層を製膜し、陰極積層体2を作製した。
(B)陽極積層体2(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の作製
0.7mm×35mm×40mmのガラス板を陽極基板とし、この陽極基板を真空チャンバー内に導入し、パターニングした蒸着用のマスク(線幅が960μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図21)を設置し、SnO2含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタリング(条件:基板支持体の温度250℃、酸素圧1×10-3Pa)により、厚さ0.2μmのITO薄膜からなるストライプ構造の陽極を形成した。(図14)
前記陽極の表面抵抗は10Ω/□であった。この陽極を形成した陽極基板を洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコールにより洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。処理した透明電極の表面に、
下記組成:
正孔輸送性化合物(PTPDES) 40質量部
添加剤(TBPAH) 10質量部
ジクロロエタン 3200質量部
をスピンコートした後、40℃で乾燥し、厚さ100nmの正孔輸送層を製膜し、陽極積層体2を作製した。
(C)パターニングした発光性有機薄膜層を有する転写材料の形成:マスク転写法−1
(1)1次転写シートの作製
(a)青色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−12)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの青色発光層を支持体上に有する青色用1次転写シートを得た。
(b)緑色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(Ir−1)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの緑色発光層を支持体上に有する緑色用1次転写シートを得た。
(c)赤色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−9)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの赤色発光層を支持体上に有する赤色用1次転写シートを得た。
このようにして、支持体上に青、緑及び赤の発光性有機層を有する1次転写シート3種類を作製した。
(2)BGRにパターニングされた転写材料の作製。
厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる転写材料用の仮支持体上にストライプ構造のマスク(50mm×50mm、厚さ30μm、縦970μm及び横310μmで縦・横周期990μmのストライプパターンで穴が開いている:図22)、青色用1次転写シートの有機層側、押圧版(50mm×50mm、縦960μm及び横300μmで縦・横周期990μmのストライプパターンで突起を作製してある。突起の高さは30μm:図23)をマスク穴の中心に押圧板の突起が一致するように順に重ね、青色用1次転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより1次転写シートの支持体側から加熱しながら加圧した。ついで押圧板、1次転写シートおよびマスクを仮支持体から引きはがすことにより青色発光層を転写材料仮支持体上に転写した。(図16)
次に、マスク、緑色用1次転写シート、押圧版を緑色用1次転写シートの有機層側を青と緑の画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、青色発光層と同様に緑発光層を転写材料仮支持体上に転写した。(図17)
最後に、マスク、赤色用1次転写シート、押圧版を赤色用1次転写シートの有機層側を青、緑と赤画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、緑色発光層と同様に赤発光性層を転写材料仮支持体転写しBGRにパターニングされた転写材料を作製した。(図18)
(D)正孔阻止性の電子輸送材料の転写材料の作製
下記組成:
電子輸送性化合物12−1(Mw=50000) 40質量部
正孔阻止性化合物HB−1 40質量部
ジクロロエタン 3200質量部
を有する電子輸送性有機薄膜層用の塗布液を、厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる仮支持体上にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、60℃で乾燥することにより、厚さ40nmの電子輸送層を製膜し、転写材料を作製した。
Figure 2006302636
(E)陰極積層体2への電子輸送性有機薄膜層の転写
(D)で作製した転写材料の電子輸送性有機層側を(A)で作製した陰極積層体2の電子輸送層側に重ね合わせた。
転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写シートの支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写シートを陰極基板から引きはがすことにより正孔阻止性の電子輸送層を(A)で作製した陰極積層体2(陰極基板/陰極/電子輸送層)の電子輸送層側に転写して第一積層体2′を作製した。
(F)第一積層体2′への発光性有機薄膜層の転写
(C)で作製したBGRにパターニングされた転写シートの発光性有機層側を(E)で作製した第一積層体2′の電子輸送層側に発光画素と陰極の縦方向のストライプパターンが一致するように重ね合わせた。
転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写シートの支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写シートを陰極基板から引きはがすことによりBGR3色の発光層を(E)で作製した第一積層体2′(陰極基板/陰極/電子輸送層/正孔阻止性の電子輸送層)の有機層側に転写して第一積層体2(図24)を作製した。
(G)第一積層体2と陽極積層体2の貼り合わせ
(F)で得られた第一積層体2の発光層側と陽極積層体2の正孔輸送層を対面させ、発光画素の横方向のストライプパターンと陽極のストライプパターンが一致するように重ね合わせ、図20に示したように長辺方向を90℃ずらして重ね合せた。
第一積層体2の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより第一積層体Cの支持体側から加熱しながら加圧し、第一積層体2と陽極積層体2を貼り合わせた。
次に陽極、陰極よりそれぞれ電極のラインごとにアルミニウムのリード線を出して陰極基板/陰極/電子輸送層/正孔阻止性の電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなる32画素×32画素のパッシブ駆動型のフルカラー有機EL素子2を作製した。
(H)側面部の封止
接着剤として、UV硬化型のエポキシ系接着剤XNR5493T(長瀬チバ(株)製)を用い、上記で作製した発光素子の図2に示した接着剤の位置にディスペンサーを用いて、膜厚1mmになるように塗布した。塗布後、発光素子の両面から100mW/cm2の強度で高圧水銀ランプにより紫外線照射し硬化させ、本発明の発光素子2を作製した。なお封止作業は窒素置換したグローブボックス内で行い、露点−60℃、酸素濃度10ppmであった。
《有機EL素子3の作製》
陰極基板/陰極/電子輸送層/正孔阻止性の電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなるフルカラー有機EL素子3の作製及び封止
(A)陰極積層体3(陰極基板/陰極/電子輸送層)の作製
アルミニウム箔(30μm)の両面に厚み50μmのポリイミドシート(ユーピレックス50S、宇部興産(株)製)を両面にラミネートしたものを35mm×40mmに裁断し、陰極基板とした。
この陰極基板を洗浄容器に入れ、i−プロピルアルコール(IPA)により洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。次にパターニングした蒸着用のマスク(線幅が300μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図12)を設置し、約0.1mPaの減圧雰囲気中でアルミニウムを蒸着し、膜厚0.2μmのストライプ構造の陰極を形成した。(図13)
続けて電子注入材としてフッ化リチウム(LiF)をアルミニウム層と同パターンで蒸着し、膜厚3nmの電子注入層を製膜した。
次に、上記マスクを取り除き、
下記組成:
電子輸送性化合物12−1(Mw=50000) 40質量部
ジクロロエタン 3200質量部
を有する電子輸送性有機薄膜層用の塗布液をスピンコーターを用いて塗布し、60℃で乾燥することにより、厚さ40nmの電子輸送層を製膜し、陰極積層体3を作製した。
(B)陽極積層体3(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の作製
0.7mm×35mm×40mmのガラス板を陽極基板とし、この陽極基板を真空チャンバー内に導入し、パターニングした蒸着用のマスク(線幅が960μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図14)を設置し、SnO2含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタリング(条件:基板支持体の温度250℃、酸素圧1×10-3Pa)により、厚さ0.2μmのITO薄膜からなるストライプ構造の陽極を形成した。(図14)
前記陽極の表面抵抗は10Ω/□であった。この陽極を形成した陽極基板を洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコールにより洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。
処理した透明電極の表面に、
下記組成:
正孔輸送性化合物(PTPDES) 40質量部
添加剤(TBPAH) 10質量部
ジクロロエタン 3200質量部
をスピンコートした後、40℃で乾燥し、厚さ100nmの正孔輸送層を製膜し、陽極積層体3を作製した。
(C)パターニングした発光性有機薄膜層を有する転写材料の形成:マスク転写法−2
(1)1次転写シートの作製
(a)青色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−12)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの青色発光層を支持体上に有する青色用1次転写シートを得た。
(b)緑色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(Ir−1)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの緑色発光層を支持体上に有する緑色用1次転写シートを得た。
(c)赤色1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−9)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの赤色発光層を支持体上に有する赤色用1次転写シートを得た。
このようにして、支持体上に青、緑及び赤の発光性有機層を有する1次転写シート3種類を作製した。
(2)BGRにパターニングされた転写材料の作製。
厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる転写シート用の仮支持体上に斜め線配列のマスク(50mm×50mm、厚さ30μm、縦970μm及び横310μmで縦・横周期990μm、縦1周期ごとに横方向に3分の1周期(330μm)ずれる斜め線配列パターンで穴が開いている:図25)、青色用1次転写シートの有機層側、押圧版(50mm×50mm、縦960μm及び横300μmで縦・横周期990μm、縦1周期ごとに横方向に3分の1周期(330μm)ずれる斜め線配列パターンで突起を作製してある。突起の高さは30μm:図35)をマスク穴の中心に押圧板の突起が一致するように順に重ね、1次転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより1次転写シートの支持体側から加熱しながら加圧した。ついで押圧板、1次転写シートおよびマスクを仮支持体から引きはがすことにより青色発光層を転写シート上に転写した。(図26)
次に、マスク、緑色用1次転写シート、押圧版を緑色用1次転写シートの有機層側を青と緑の画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、青色発光層と同様に緑発光層を転写シート上に転写した。(図27)
最後に、マスク、赤色用1次転写シート、押圧版を赤色用1次転写シートの有機層側を青、緑と赤画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、緑色発光層と同様に赤発光性層を転写しBGRにパターニングされた転写材料を作製した。(図28)
(D)正孔阻止性の電子輸送材料の転写材料の作製
下記組成:
電子輸送性化合物12−1(Mw=50000) 40質量部
正孔阻止性化合物HB−1 40質量部
ジクロロエタン 3200質量部
を有する電子輸送性有機薄膜層用の塗布液を、厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる仮支持体上にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、60℃で乾燥することにより、厚さ40nmの電子輸送層を製膜し、転写材料を作製した。
(E)陰極積層体3への電子輸送性有機薄膜層の転写
(D)で作製した転写材料の電子輸送性有機層側を(A)で作製した陰極積層体3の電子輸送層側に重ね合わせた。
転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写シートの支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写シートを陰極基板から引きはがすことにより正孔阻止性の電子輸送層を(A)で作製した陰極積層体3(陰極基板/陰極/電子輸送層)の電子輸送層側に転写して第一積層体3を作製した。
(F)陽極積層体3への発光性有機薄膜層の転写
(C)で作製したBGRにパターニングされた転写材料の発光性有機層側を(A)で作製した陽極積層体3の正孔輸送層側に発光画素の横方向のストライプパターンと陽極のストライプパターンが一致するように重ね合わせた。
転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写シートの支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写シートを陽極基板から引きはがすことによりBGR3色の発光層を(A)で作製した陽極積層体3(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の有機層側に転写して第二積層体3(図19)を作製した。
(G)第一積層体3と第二積層体3の貼り合わせ
(F)で得られた第二積層体3の発光層側と(E)で得られた第一積層体3の電子輸送層を対面させ、発光画素の縦方向のストライプパターンと陰極のストライプパターンが一致するように重ね合わせ、図20に示したように長辺方向を90℃ずらして重ね合せた。
第一積層体3の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより第一積層体3の支持体側から加熱しながら加圧し、第一積層体3と第二積層体3を貼り合わせた。
次に陽極、陰極よりそれぞれ電極のラインごとにアルミニウムのリード線を出して、陰極基板/陰極/電子輸送層/正孔阻止性の電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなる32画素×32画素のパッシブ駆動型のフルカラー有機EL素子3を作製した。
(H)側面部の封止
接着剤として、UV硬化型のエポキシ系接着剤XNR5493T(長瀬チバ(株)製)を用い、上記で作製した発光素子の図2に示した接着剤の位置にディスペンサーを用いて、膜厚1mmになるように塗布した。塗布後、発光素子の両面から100mW/cm2の強度で高圧水銀ランプにより紫外線照射し硬化させ、本発明の発光素子3を作製した。なお封止作業は窒素置換したグローブボックス内で行い、露点−60℃、酸素濃度10ppmであった。
《有機EL素子4の作製》
陰極基板/陰極/電子輸送層/正孔阻止性の電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなるフルカラー有機EL素子4の作製
(A)陰極積層体4(陰極基板/陰極/電子輸送層)の作製
アルミニウム箔(30μm)の両面に厚み50μmのポリイミドシート(ユーピレックス50S、宇部興産(株)製)を両面にラミネートしたものを35mm×40mmに裁断し、陰極基板とした。
この陰極基板を洗浄容器に入れ、i−プロピルアルコール(IPA)により洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。次にパターニングした蒸着用のマスク(線幅が300μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図12)を設置し、約0.1mPaの減圧雰囲気中でアルミニウムを蒸着し、膜厚0.2μmのストライプ構造の陰極を形成した。(図13)
続けて電子注入材としてLiFをアルミニウム層と同パターンで蒸着し、膜厚3nmの電子注入層を製膜した。
次に、上記マスクを取り除き、
下記組成:
電子輸送性化合物12−1(Mw=50000) 40質量部
ジクロロエタン 3200質量部
を有する電子輸送性有機薄膜層用の塗布液をスピンコーターを用いて塗布し、60℃で乾燥することにより、厚さ40nmの電子輸送層を製膜し、陰極積層体4を作製した。
(B)陽極積層体4(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の作製
0.7mm×35mm×40mmのガラス板を陽極基板とし、この陽極基板を真空チャンバー内に導入し、パターニングした蒸着用のマスク(線幅が960μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図21)を設置し、SnO2含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタリング(条件:基板支持体の温度250℃、酸素圧1×10-3Pa)により、厚さ0.2μmのITO薄膜からなるストライプ構造の陽極を形成した。(図14)
前記陽極の表面抵抗は10Ω/□であった。この陽極を形成した陽極基板を洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコールにより洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。
処理した透明電極の表面に、
下記組成:
正孔輸送性化合物(PTPDES) 40質量部
添加剤(TBPAH) 10質量部
ジクロロエタン 3200質量部
をスピンコートした後、40℃で乾燥し、厚さ100nmの正孔輸送層を製膜し、陽極積層体4を作製した。
(C)パターニングした発光性有機薄膜層を有する転写材料の形成:マスク転写法−1
(1)1次転写シートの作製
(a)青色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−12)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの青色発光層を支持体上に有する青色用1次転写シートを得た。
(b)緑色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体〔Ir−1〕とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの緑色発光層を支持体上に有する緑色用1次転写シートを得た。
(c)赤色1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体〔Ir−9〕とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの赤色発光層を支持体上に有する赤色用1次転写シートを得た。
このようにして、支持体上に青、緑及び赤の発光性有機層を有する1次転写シート3種類を作製した。
(2)BGRにパターニングされた転写材料の作製。
厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる転写材料用の仮支持体上にストライプ構造のマスク(50mm×50mm、厚さ30μm、縦970μm及び横310μmで縦・横周期990μmのストライプパターンで穴が開いている:図22)、青色用1次転写シートの有機層側、押圧版(50mm×50mm、縦960μm及び横300μmで縦・横周期990μmのストライプパターンで突起を作製してある。突起の高さは30μm:図23)をマスク穴の中心に押圧板の突起が一致するように順に重ね、1次転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより1次転写シートの支持体側から加熱しながら加圧した。ついで押圧板、1次転写シートおよびマスクを仮支持体から引きはがすことにより青色発光層を転写材料用の仮支持体上に転写した。(図16)
次に、マスク、緑色用1次転写シート、押圧版を緑色用1次転写シートの有機層側を青と緑の画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、青色発光層と同様に緑発光層を転写材料用の仮支持体上に転写した。(図17)
最後に、マスク、赤色用1次転写シート、押圧版を赤色用1次転写シートの有機層側を青、緑と赤画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、緑色発光層と同様に赤発光性層を転写しBGRにパターニングされた転写材料を作製した。(図18)
(D)正孔阻止性の電子輸送材料の転写材料の作製
下記組成:
電子輸送性化合物12−1(Mw=50000) 40質量部
正孔阻止性化合物HB−2 40質量部
ジクロロエタン 3200質量部
を有する電子輸送性有機薄膜層用の塗布液を、厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる仮支持体上にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、60℃で乾燥することにより、厚さ40nmの電子輸送層を製膜し、転写材料を作製した。
Figure 2006302636
(E)陽極積層体4への発光性有機薄膜層の転写
(C)で作製したBGRにパターニングされた転写材料の発光性有機層側を(B)で作製した陽極積層体4の正孔輸送層側に発光画素の横方向のストライプパターンと陽極のストライプパターンが一致するように重ね合わせた。
転写材料の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写材料の支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写材料を陽極基板から引きはがすことによりBGR3色の発光層を(B)で作製した陽極積層体4(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の有機層側に転写して第二積層体4′(図19)を作製した。
(F)第二積層体4′への電子輸送性有機薄膜層の転写
(D)で作製した転写材料の電子輸送性有機層側を(E)で作製した第二積層体4′の発光性有機層側に重ね合わせた。
転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写材料の支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写材料を陽極基板から引きはがすことにより正孔阻止性の電子輸送層を(E)で作製した第二積層体4′(陽極基板/陽極/正孔輸送層/発光層)の発光層側に転写して第二積層体4を作製した。
(G)第二積層体4と陰極積層体4の貼り合わせ
(F)で得られた第二積層体4の正孔阻止性の電子輸送層と陰極積層体4の電子輸送層を対面させ、発光画素の縦方向のストライプパターンと陰極のストライプパターンが一致するように重ね合わせ、図20に示したように長辺方向を90℃ずらして重ね合せた。
陰極積層体4の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより第一積層体4の支持体側から加熱しながら加圧し、陰極積層体4と第二積層体4を貼り合わせた。
次に陽極、陰極よりそれぞれ電極のラインごとにアルミニウムのリード線を出して、陰極基板/陰極/電子輸送層/正孔阻止性の電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなる32画素×32画素のパッシブ駆動型のフルカラー有機EL素子4を作製した。
(H)側面部の封止
接着剤として、UV硬化型のエポキシ系接着剤XNR5493T(長瀬チバ(株)製)を用い、上記で作製した発光素子の図2に示した接着剤の位置にディスペンサーを用いて、膜厚1mmになるように塗布した。塗布後、発光素子の両面から100mW/cm2の強度で高圧水銀ランプにより紫外線照射し硬化させ、本発明の発光素子4を作製した。なお封止作業は窒素置換したグローブボックス内で行い、露点−60℃、酸素濃度10ppmであった。
《有機EL素子5の作製》
陰極基板/陰極/電子注入層/電子輸送層/正孔阻止性の電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなるフルカラー有機EL素子5の作製
(A)陰極積層体5(陰極基板/陰極/電子注入層)の作製
アルミニウム箔(30μm)の両面に厚み50μmのポリイミドシート(ユーピレックス50S、宇部興産(株)製)を両面にラミネートしたものを35mm×40mmに裁断し、陰極基板とした。
この陰極基板を洗浄容器に入れ、i−プロピルアルコール(IPA)により洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。次にパターニングした蒸着用のマスク(線幅が300μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図12)を設置し、約0.1mPaの減圧雰囲気中でAlを蒸着し、膜厚0.2μmのストライプ構造の陰極を形成した。(図13)
続けて電子注入材としてLiFをアルミニウム層と同パターンで蒸着し、膜厚3nmの電子注入層を製膜し、陰極積層体5を作製した。
(B)陽極積層体5(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の作製
0.7mm×35mm×40mmのガラス板を陽極基板とし、この陽極基板を真空チャンバー内に導入し、パターニングした蒸着用のマスク(線幅が960μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図21)を設置し、SnO2含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタリング(条件:基板支持体の温度250℃、酸素圧1×10-3Pa)により、厚さ0.2μmのITO薄膜からなるストライプ構造の陽極を形成した。(図14)
前記陽極の表面抵抗は10Ω/□であった。この陽極を形成した陽極基板を洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコールにより洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。
処理した透明電極の表面に、
下記組成:
正孔輸送性化合物(PTPDES) 40質量部
添加剤(TBPAH) 10質量部
ジクロロエタン 3200質量部
をスピンコートした後、40℃で乾燥し、厚さ100nmの正孔輸送層を製膜し、陽極積層体5を作製した。
(C)パターニングした発光性有機薄膜層を有する転写材料の形成:マスク転写法−1
(1)1次転写シートの作製
(a)青色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−12)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの青色発光層を有する青色用1次転写シートを得た。
(b)緑色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(Ir−1)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの緑色発光層を有する緑色用1次転写シートを得た。
(c)赤色1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−9)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの赤色発光層をを有する赤色用1次転写シート得た。
このようにして、支持体上に青、緑及び赤の発光性有機層を有する1次転写シート3種類を作製した。
(2)BGRにパターニングされた転写材料の作製。
厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる転写材料用の仮支持体上にストライプ構造のマスク(50mm×50mm、厚さ30μm、縦970μm及び横310μmで縦・横周期990μmのストライプパターンで穴が開いている:図22)、青色用1次転写シートの有機層側、押圧版(50mm×50mm、縦960μm及び横300μmで縦・横周期990μmのストライプパターンで突起を作製してある。突起の高さは30μm:図23)をマスク穴の中心に押圧板の突起が一致するように順に重ね、1次転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより1次転写シートの支持体側から加熱しながら加圧した。ついで押圧板、1次転写シートおよびマスクを仮支持体から引きはがすことにより青色発光層を転写材料用の仮支持体上に転写した。(図16)
次に、マスク、緑色用1次転写シート、押圧版を緑色用1次転写シートの有機層側を青と緑の画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、青色発光層と同様に緑発光層を転写材料用の仮支持体上に転写した。(図17)
最後に、マスク、赤色用1次転写シート、押圧版を赤色用1次転写シートの有機層側を青、緑と赤画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、緑色発光層と同様に赤発光性層を転写しBGRにパターニングされた転写材料を作製した。(図18)
(D)正孔阻止性の電子輸送材料の転写材料の作製
下記組成:
電子輸送性化合物12−1(Mw=50000) 40質量部
正孔阻止性化合物HB−2 40質量部
ジクロロエタン 3200質量部
を有する電子輸送性有機薄膜層用の塗布液を、厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる仮支持体上にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、60℃で乾燥することにより、厚さ40nmの電子輸送層を製膜し、転写材料を作製した。
(E)陽極積層体5への発光性有機薄膜層の転写
(C)で作製したBGRにパターニングされた転写材料の発光性有機層側を(B)で作製した陽極積層体5の正孔輸送層側に発光画素の横方向のストライプパターンと陽極のストライプパターンが一致するように重ね合わせた。
転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写材料の支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写材料を陽極基板から引きはがすことによりBGR3色の発光層を(B)で作製した陽極積層体5(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の有機層側に転写して第二積層体5″(図19)を作製した。
(F)第二積層体5″への電子輸送性有機薄膜層の転写
(D)で作製した転写材料の電子輸送性有機層側を(E)で作製した第二積層体5″の発光性有機層側に重ね合わせた。
転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写材料の支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写材料を陽極基板から引きはがすことにより正孔阻止性の電子輸送層を(E)で作製した第二積層体5″(陽極基板/陽極/正孔輸送層/発光層)の発光層側に転写して第二積層体5′を作製した。
(G)第二積層体5′上への蒸着による電子輸送層の製膜
第二積層体5′の上へ約0.1mPaの減圧雰囲気中で下記構造を有する電子輸送材料を蒸着し、厚さ40nmの電子輸送層を製膜し、第二積層体5を作製した。
(H)第二積層体5と陰極積層体5の貼り合わせ
(G)で得られた第二積層体5の電子輸送層と陰極積層体5の電子注入層を対面させ、発光画素の縦方向のストライプパターンと陰極のストライプパターンが一致するように重ね合わせ、図20に示したように長辺方向を90℃ずらして重ね合せた。
陰極積層体5の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより陰極積層体5の支持体側から加熱しながら加圧し、陰極積層体5と第二積層体5を貼り合わせた。
次に陽極、陰極よりそれぞれ電極のラインごとにアルミニウムのリード線を出して、陰極基板/陰極/電子輸送層/正孔阻止性の電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなる32画素×32画素のパッシブ駆動型のフルカラー有機EL素子5を作製した。
(I)側面部の封止
接着剤として、UV硬化型のエポキシ系接着剤XNR5493T(長瀬チバ(株)製)を用い、上記で作製した発光素子の図2に示した接着剤の位置にディスペンサーを用いて、膜厚1mmになるように塗布した。塗布後、発光素子の両面から100mW/cm2の強度で高圧水銀ランプにより紫外線照射し硬化させ、本発明の発光素子5を作製した。なお封止作業は窒素置換したグローブボックス内で行い、露点−60℃、酸素濃度10ppmであった。
《有機EL素子6の作製》
陰極基板/陰極/電子注入層/電子輸送層/正孔阻止性の電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなるフルカラー有機EL素子6の作製
(A)陰極積層体6(陰極基板/陰極/電子注入層)の作製
アルミニウム箔(30μm)の両面に厚み50μmのポリイミドシート(ユーピレックス50S、宇部興産(株)製)を両面にラミネートしたものを35mm×40mmに裁断し、陰極基板とした。
この陰極基板を洗浄容器に入れ、i−プロピルアルコール(IPA)により洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。次にパターニングした蒸着用のマスク(線幅が300μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図12)を設置し、約0.1mPaの減圧雰囲気中でAlを蒸着し、膜厚0.2μmのストライプ構造の陰極を形成した。(図13)
続けて電子注入材料としてLiFをアルミニウム層と同パターンで蒸着し、膜厚3nmの電子注入層を製膜し、陰極積層体6を作製した。
(B)陽極積層体6(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の作製
0.7mm×35mm×40mmのガラス板を陽極基板とし、この陽極基板を真空チャンバー内に導入し、パターニングした蒸着用のマスク(線幅が960μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図21)を設置し、SnO2含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタリング(条件:基板支持体の温度250℃、酸素圧1×10-3Pa)により、厚さ0.2μmのITO薄膜からなるストライプ構造の陽極を形成した。(図14)
前記陽極の表面抵抗は10Ω/□であった。この陽極を形成した陽極基板を洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコールにより洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。
処理した透明電極の表面に、
下記組成:
正孔輸送性化合物(PTPDES) 40質量部
添加剤(TBPAH) 10質量部
ジクロロエタン 3200質量部
をスピンコートした後、40℃で乾燥し、厚さ100nmの正孔輸送層を製膜し、陽極積層体6を作製した。
(C)パターニングした発光性有機薄膜層を有する転写材料の形成:マスク転写法−1
(1)1次転写シートの作製
(a)青色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−12)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの青色発光層を有する青色用1次転写シートを得た。
(b)緑色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(Ir−1)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの緑色発光層を有する緑色用1次転写シートを得た。
(c)赤色1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−9)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの赤色発光層を有する緑色用1次転写シートを得た。
このようにして、支持体上に青、緑及び赤の発光性有機層を有する1次転写シート3種類を作製した。
(2)BGRにパターニングされた転写材料の作製。
厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる転写材料用の仮支持体上にストライプ構造のマスク(50mm×50mm、厚さ30μm、縦970μm及び横310μmで縦・横周期990μmのストライプパターンで穴が開いている:図22)、青色用1次転写シートの有機層側、押圧版(50mm×50mm、縦960μm及び横300μmで縦・横周期990μmのストライプパターンで突起を作製してある。突起の高さは30μm:図23)をマスク穴の中心に押圧板の突起が一致するように順に重ね、1次転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより1次転写シートの支持体側から加熱しながら加圧した。ついで押圧板、1次転写シートおよびマスクを仮支持体から引きはがすことにより青色発光層を転写材料用の仮支持体上に転写した。(図16)
次に、マスク、緑色用1次転写シート、押圧版を緑色用1次転写シートの有機層側を青と緑の画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、青色発光層と同様に緑発光層を転写材料用の仮支持体上に転写した。(図17)
最後に、マスク、赤色用1次転写シート、押圧版を赤色用1次転写シートの有機層側を青、緑と赤画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、緑色発光層と同様に赤発光性層を転写しBGRにパターニングされた転写材料を作製した。(図18)
(D)正孔阻止性の電子輸送材料の転写材料の作製
下記組成:
電子輸送性化合物12−1(Mw=50000) 40質量部
正孔阻止性化合物HB−3 40質量部
ジクロロエタン 3200質量部
を有する電子輸送性有機薄膜層用の塗布液を、厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる仮支持体上にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、60℃で乾燥することにより、厚さ40nmの電子輸送層を製膜し、転写材料を作製した。
Figure 2006302636
(E)陽極積層体6への発光性有機薄膜層の転写
(C)で作製したBGRにパターニングされた転写材料の発光性有機層側を(B)で作製した陽極積層体6の正孔輸送層側に発光画素の横方向のストライプパターンと陽極のストライプパターンが一致するように重ね合わせた。
転写材料の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写材料の支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写材料を陽極基板から引きはがすことによりBGR3色の発光層を(B)で作製した陽極積層体6(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の有機層側に転写して第二積層体6″(図19)を作製した。
(F)第二積層体6″への電子輸送性有機薄膜層の転写
(D)で作製した転写材料の電子輸送性有機層側を(E)で作製した第二積層体6″の発光性有機層側に重ね合わせた。
転写材料の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写材料の支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写材料を陽極基板から引きはがすことにより正孔阻止性の電子輸送層を(E)で作製した第二積層体6″(陽極基板/陽極/正孔輸送層/発光層)の発光層側に転写して第二積層体6′を作製した。
(G)第二積層体6′上への塗布による電子輸送層の製膜
下記組成:
電子輸送性化合物12−1(Mw=50000) 40質量部
メタノール 2000質量部
を有する電子輸送性化合物の微粒子分散液(平均粒径30nm)をスピンコーターを用いて塗布し、60℃で乾燥することにより、厚さ70nmの電子輸送層を製膜し、第二積層体6を作製した。
(H)第二積層体6と陰極積層体6の貼り合わせ
(G)で得られた第二積層体6の電子輸送層と陰極積層体6の電子注入層を対面させ、発光画素の縦方向のストライプパターンと陰極のストライプパターンが一致するように重ね合わせ、図20に示したように長辺方向を90℃ずらして重ね合せた。
陰極積層体6の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより陰極積層体6の支持体側から加熱しながら加圧し、陰極積層体6と第二積層体6を貼り合わせた。
次に陽極、陰極よりそれぞれ電極のラインごとにアルミニウムのリード線を出して、陰極基板/陰極/電子輸送層/正孔阻止性の電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなる32画素×32画素のパッシブ駆動型のフルカラー有機EL素子6を作製した。
(I)側面部の封止
接着剤として、UV硬化型のエポキシ系接着剤XNR5493T(長瀬チバ(株)製)を用い、上記で作製した発光素子の図2に示した接着剤の位置にディスペンサーを用いて、膜厚1mmになるように塗布した。塗布後、発光素子の両面から100mW/cm2の強度で高圧水銀ランプにより紫外線照射し硬化させ、本発明の発光素子6を作製した。なお封止作業は窒素置換したグローブボックス内で行い、露点−60℃、酸素濃度10ppmであった。
《有機EL素子7の作製》
陰極基板/水分・酸素吸収層/陰極/電子輸送層/正孔阻止性の電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなるフルカラー有機EL素子7の作製及び封止
(A)陰極積層体7(陰極基板/水分・酸素吸収層/陰極/電子輸送層)の作製
アルミニウム箔(30μm)の両面に厚み50μmのポリイミドシート(ユーピレックス50S、宇部興産(株)製)を両面にラミネートしたものを35mm×40mmに裁断し、陰極基板とした。
この陰極基板を洗浄容器に入れ、i−プロピルアルコール(IPA)により洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。次に約0.1mPaの減圧雰囲気中でSiOを蒸着し、膜厚0.1μmの水分・酸素吸収層を製膜した。
続いて、パターニングした蒸着用のマスク(線幅が300μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図12)を設置し、約0.1mPaの減圧雰囲気中でアルミニウムを蒸着し、膜厚0.2μmのストライプ構造の陰極を形成した。(図13)
続けて電子注入材としてLiFをアルミニウム層と同パターンで蒸着し、膜厚3nmの電子注入層を製膜した。
次に、上記マスクを取り除き、
下記組成:
電子輸送性化合物12−1(Mw=50000) 40質量部
ジクロロエタン 3200質量部
を有する電子輸送性有機薄膜層用の塗布液をスピンコーターを用いて塗布し、60℃で乾燥することにより、厚さ40nmの電子輸送層を製膜し、陰極積層体7を作製した。
(B)陽極積層体7(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の作製
0.7mm×35mm×40mmのガラス板を陽極基板とし、この陽極基板を真空チャンバー内に導入し、パターニングした蒸着用のマスク(線幅が960μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図21)を設置し、SnO2含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタリング(条件:基板支持体の温度250℃、酸素圧1×10-3Pa)により、厚さ0.2μmのITO薄膜からなるストライプ構造の陽極を形成した。(図14)
前記陽極の表面抵抗は10Ω/□であった。この陽極を形成した陽極基板を洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコールにより洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。
処理した透明電極の表面に、
下記組成:
正孔輸送性化合物(PTPDES) 40質量部
添加剤(TBPAH) 10質量部
ジクロロエタン 3200質量部
をスピンコートした後、40℃で乾燥し、厚さ100nmの正孔輸送層を製膜し、陽極積層体7を作製した。
(C)パターニングした発光性有機薄膜層を有する転写材料の形成:マスク転写法−2
(1)1次転写シートの作製
(a)青色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−12)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの青色発光層を有する青色用1次転写シートを得た。
(b)緑色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(Ir−1)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの緑色発光層を有する緑色用1次転写シートを得た。
(c)赤色1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−9)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの赤色発光層を有する赤色用1次転写シートを得た。
このようにして、支持体上に青、緑及び赤の発光性有機層を有する1次転写シート3種類を作製した。
(2)BGRにパターニングされた転写材料の作製。
厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる転写材料用の仮支持体上に斜め線配列のマスク(50mm×50mm、厚さ30μm、縦970μm及び横310μmで縦・横周期990μm、縦1周期ごとに横方向に3分の1周期(330μm)ずれる斜め線配列パターンで穴が開いている:図25)、青色用1次転写シートの有機層側、押圧版(50mm×50mm、縦960μm及び横300μmで縦・横周期990μm、縦1周期ごとに横方向に3分の1周期(330μm)ずれる斜め線配列パターンで突起を作製してある。突起の高さは30μm:図22)をマスク穴の中心に押圧板の突起が一致するように順に重ね、1次転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより1次転写シートの支持体側から加熱しながら加圧した。ついで押圧板、1次転写シートおよびマスクを仮支持体から引きはがすことにより青色発光層を転写材料用の仮支持体上に転写した。(図26)
次に、マスク、緑色用1次転写シート、押圧版を緑色用1次転写シートの有機層側を青と緑の画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、青色発光層と同様に緑発光層を転写材料用の仮支持体上に転写した。(図27)
最後に、マスク、赤色用1次転写シート、押圧版を赤色用1次転写シートの有機層側を青、緑と赤画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、緑色発光層と同様に赤発光性層を転写しBGRにパターニングされた転写材料を作製した。(図28)
(D)正孔阻止性の電子輸送材料の転写材料の作製
下記組成:
電子輸送性化合物12−1(Mw=50000) 40質量部
正孔阻止性化合物HB−2 40質量部
ジクロロエタン 3200質量部
を有する電子輸送性有機薄膜層用の塗布液を、厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる仮支持体上にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、60℃で乾燥することにより、厚さ40nmの電子輸送層を製膜し、転写材料を作製した。
(E)陰極積層体7への電子輸送性有機薄膜層の転写
(D)で作製した転写材料の電子輸送性有機層側を(A)で作製した陰極積層体7の電子輸送層側に重ね合わせた。
転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写シートの支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写シートを陰極基板から引きはがすことにより正孔阻止性の電子輸送層を(A)で作製した陰極積層体7(陰極基板/陰極/電子輸送層)の電子輸送層側に転写して第一積層体7を作製した。
(F)陽極積層体7への発光性有機薄膜層の転写
(C)で作製したBGRにパターニングされた転写材料の発光性有機層側を(B)で作製した陽極積層体7の正孔輸送層側に発光画素の横方向のストライプパターンと陽極のストライプパターンが一致するように重ね合わせた。
転写材料の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写材料の支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写材料を陽極基板から引きはがすことによりBGR3色の発光層を(B)で作製した陽極積層体7(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の有機層側に転写して第二積層体7(図19)を作製した。
(G)第一積層体7と第二積層体7の貼り合わせ
(F)で得られた第二積層体7の発光層側と(E)で得られた第一積層体7の電子輸送層を対面させ、発光画素の縦方向のストライプパターンと陰極のストライプパターンが一致するように重ね合わせ、図20に示したように長辺方向を90℃ずらして重ね合せた。
第一積層体3の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより第一積層体7の支持体側から加熱しながら加圧し、第一積層体7と第二積層体7を貼り合わせた。
次に陽極、陰極よりそれぞれ電極のラインごとにアルミニウムのリード線を出して 陰極基板/水分・酸素吸収層/陰極/電子輸送層/正孔阻止性の電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなる32画素×32画素のパッシブ駆動型のフルカラー有機EL素子7を作製した。
(H)側面部の封止
接着剤として、UV硬化型のエポキシ系接着剤XNR5493T(長瀬チバ(株)製)を用い、上記で作製した発光素子の図2に示した接着剤の位置にディスペンサーを用いて、膜厚1mmになるように塗布した。塗布後、発光素子の両面から100mW/cm2の強度で高圧水銀ランプにより紫外線照射し硬化させ、本発明の発光素子7を作製した。なお封止作業は窒素置換したグローブボックス内で行い、露点−60℃、酸素濃度10ppmであった。
《有機EL素子8の作製》
陰極基板/水分・酸素吸収層/陰極/電子輸送層/正孔阻止性の電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなるフルカラー有機EL素子8の作製
(A)陰極積層体8(陰極基板/水分・酸素吸収層)の作製
アルミニウム箔(30μm)の両面に厚み50μmのポリイミドシート(ユーピレックス50S、宇部興産(株)製)を両面にラミネートし、これを35mm×35mmに裁断したものを陰極基板として使用した。
この陰極基板を洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコール(IPA)により洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。次に約0.1mPaの減圧雰囲気中でSiOを蒸着し、膜厚0.1μmの水分・酸素吸収層を製膜し、陰極積層体8を作製した。
(B)陽極積層体8(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の作製
0.7mm×40mm×40mmのガラス板を陽極基板とし、この陽極基板を真空チャンバー内に導入し、パターニングした蒸着用のマスク(線幅が960μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図29)を設置し、SnO2含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタリング(条件:基板支持体の温度250℃、酸素圧1×10-3Pa)により、厚さ0.2μmのITO薄膜からなるストライプ構造の陽極を形成した。(図30)
前記陽極の表面抵抗は10Ω/□であった。この陽極を形成した陽極基板を洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコールにより洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。
処理した透明電極の表面に、
下記組成:
正孔輸送性化合物(PTPDES) 40質量部
添加剤(TBPAH) 10質量部
ジクロロエタン 3200質量部
をスピンコートした後、40℃で乾燥し、厚さ100nmの正孔輸送層を製膜し、陽極積層体8を作製した。
(C)パターニングした発光性有機薄膜層を有する転写材料の形成:マスク転写法
(1)1次転写シートの作製
(a)青色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−12)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの青色発光層を有する青色用1次転写シートを得た。
(b)緑色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(Ir−1)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの緑色発光層を有する緑色用1次転写シートを得た。
(c)赤色1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−9)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの赤色発光層を有する赤色用1次転写シートを得た。
このようにして、支持体上に青、緑及び赤の発光性有機層を有する1次転写シート3種類を作製した。
(2)BGRにパターニングされた転写材料の作製。
厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる転写材料用の仮支持体上にストライプ構造のマスク(50mm×50mm、厚さ30μm、縦970μm及び横310μmで縦・横周期990μmのストライプパターンで穴が開いている:図22)、青色用1次転写シートの有機層側、押圧版(50mm×50mm、縦960μm及び横300μmで縦・横周期990μmのストライプパターンで突起を作製してある。突起の高さは30μm:図23)をマスク穴の中心に押圧板の突起が一致するように順に重ね、1次転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより1次転写シートの支持体側から加熱しながら加圧した。ついで押圧板、1次転写シートおよびマスクを仮支持体から引きはがすことにより青色発光層を転写材料用仮支持体上に転写した。(図16)
次に、マスク、緑色用1次転写シート、押圧版を緑色用1次転写シートの有機層側を青と緑の画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、青色発光層と同様に緑発光層を転写材料用仮支持体上に転写した。(図17)
最後に、マスク、赤色用1次転写シート、押圧版を赤色用1次転写シートの有機層側を青、緑と赤画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、緑色発光層と同様に赤発光性層を転写しBGRにパターニングされた転写材料を作製した。(図18)
(D)正孔阻止性の電子輸送材料の転写材料の作製
下記組成:
電子輸送性化合物12−1(Mw=50000) 40質量部
正孔阻止性化合物HB−3 40質量部
ジクロロエタン 3200質量部
を有する電子輸送性有機薄膜層用の塗布液を、厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる仮支持体上にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、60℃で乾燥することにより、厚さ40nmの電子輸送層を製膜し、転写材料を作製した。
(E)陽極積層体8への発光性有機薄膜層の転写
(C)で作製したBGRにパターニングされた転写材料の発光性有機層側を(B)で作製した陽極積層体8の正孔輸送層側に発光画素の横方向のストライプパターンと陽極のストライプパターンが一致するように重ね合わせた。
転写材料の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写材料の支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写材料を陽極基板から引きはがすことによりBGR3色の発光層を(B)で作製した陽極積層体8(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の有機層側に転写して第二積層体8′″(図31)を作製した。
(F)第二積層体8′″への電子輸送性有機薄膜層の転写
(D)で作製した転写材料の電子輸送性有機層側を(E)で作製した第二積層体8′″の発光性有機層側に重ね合わせた。
転写材料の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写材料の支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写材料を陽極基板から引きはがすことにより正孔阻止性の電子輸送層を(E)で作製した第二積層体8′″(陽極基板/陽極/正孔輸送層/発光層)の発光層側に転写して第二積層体8″(図31)を作製した。
(G)第二積層体8″上への塗布による電子輸送層の製膜
(F)で得られた第二積層体8″上へ
下記組成:
電子輸送性化合物12−1(Mw=50000) 40質量部
メタノール 2000質量部
を有する電子輸送性化合物の微粒子分散液(平均粒径30nm)をスピンコーターを用いて塗布し、60℃で乾燥することにより、厚さ70nmの電子輸送層を製膜し、第二積層体8′(図31)を作製した。
(H)第二積層体8′上への真空蒸着による電子注入層および陰極の設置
(G)で得られた第二積層体8′上へ、パターニングした蒸着用のマスク(線幅が300μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図32)を発光画素の縦方向のストライプパターンと陰極のストライプパターンが一致するように重ね合わせて設置し、約0.1mPaの減圧雰囲気中で電子注入材としてLiFを蒸着し膜厚3nmの電子注入層を製膜した。次いで、電子注入層と同じパターンでアルミニウムを蒸着し、膜厚0.2μmのアルミニウム陰極を形成し、第二積層体8(図33)を作製した。
(I)第二積層体8と陰極積層体8の貼り合わせと側面部の封止
(H)で得られた第二積層体8の陰極と陰極積層体8の水分・酸素吸収層を対面させ、重ね合せた。
両基板の裏側から0.1MPaの加圧力の押圧板で加圧した状態で両基板を固定し、陰極積層体8と第二積層体8を貼り合わせた。(図34)
接着剤として、UV硬化型のエポキシ系接着剤XNR5493T(長瀬チバ(株)製)を用い、上記で貼り合わせた発光素子の図3に示した接着剤の位置にディスペンサーを用いて、膜厚2mmになるように塗布した。塗布後、発光素子の両面から100mW/cm2の強度で高圧水銀ランプにより紫外線照射し硬化させ、本発明の発光素子8を作製した。なお封止作業は窒素置換したグローブボックス内で行い、露点−60℃、酸素濃度10ppmであった。
次に陽極、陰極よりそれぞれ電極のラインごとにアルミニウムのリード線を出して、陰極基板/陰極/電子輸送層/正孔阻止性の電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなる32画素×32画素のパッシブ駆動型のフルカラー有機EL素子8を作製した。
《有機EL素子9の作製》
陰極基板/水分・酸素吸収層/陰極/電子輸送層/正孔阻止性の電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなるフルカラー有機EL素子9の作製及び封止
(A)陰極積層体9(陰極基板/水分・酸素吸収層/陰極/電子輸送層)の作製
アルミニウム箔(30μm)の両面に厚み50μmのポリイミドシート(ユーピレックス50S、宇部興産(株)製)を両面にラミネートしたものを35mm×40mmに裁断し、陰極基板とした。
この陰極基板を洗浄容器に入れ、i−プロピルアルコール(IPA)により洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。次に約0.1mPaの減圧雰囲気中でSiOを蒸着し、膜厚0.1μmの水分・酸素吸収層を製膜した。
続いて、パターニングした蒸着用のマスク(線幅が300μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図12)を設置し、約0.1mPaの減圧雰囲気中でアルミニウムを蒸着し、膜厚0.2μmのストライプ構造の陰極を形成した。(図13)
続けて電子注入材としてLiFをアルミニウム層と同パターンで蒸着し、膜厚3nmの電子注入層を製膜した。
次に、上記マスクを取り除き、
下記組成:
電子輸送性化合物12−1(Mw=50000) 40質量部
ジクロロエタン 3200質量部
を有する電子輸送性有機薄膜層用の塗布液をスピンコーターを用いて塗布し、60℃で乾燥することにより、厚さ40nmの電子輸送層を製膜し、陰極積層体9を作製した。
(B)陽極積層体9(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の作製
(1)陽極基基板の作製
基材として透光性を有する厚さ0.1mmのPES(ポリエーテルスルホン)フィルム(住友ベークライト(株)製スミライトFS−1300)を使用し、その両面に透湿防止層(ガスバリア層)として、大気圧プラズマ装置によって、200nmのSiON膜を形成し、陽極基盤とした。作製したSiON膜のO:N組成比はO:N=75:25、また炭素含有率は0.3%だった。作製条件の詳細については、本出願人の出願した特許(特開2003−105541号公報)の実施例の方法に沿って行った。
(2)陽極積層体9の作製
上記(1)で作製した透明樹脂基板を35mm×40mmのサイズに切り出し陽極基板とした。
この陽極基板を真空チャンバー内に導入し、パターニングした蒸着用のマスク(線幅が960μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図21)を設置し、SnO2含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタリング(条件:基板支持体の温度250℃、酸素圧1×10-3Pa)により、厚さ0.2μmのITO薄膜からなるストライプ構造の陽極を形成した。(図14)
前記陽極の表面抵抗は10Ω/□であった。この陽極を形成した陽極基板を洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコールにより洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。
処理した透明電極の表面に、
下記組成:
正孔輸送性化合物(PTPDES) 40質量部
添加剤(TBPAH) 10質量部
ジクロロエタン 3200質量部
をスピンコートした後、40℃で乾燥し、厚さ100nmの正孔輸送層を製膜し、陽極積層体9を作製した。
(C)パターニングした発光性有機薄膜層を有する転写材料の形成:マスク転写法−2
(1)1次転写シートの作製
(a)青色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−12)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの青色発光層を有する青色用1次転写シートを得た。
(b)緑色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(Ir−1)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの緑色発光層を有する緑色用1次転写シートを得た。
(c)赤色1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−9)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる仮支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの赤色発光層を有する赤色用1次転写シートを得た。
このようにして、支持体上に青、緑及び赤の発光性有機層を有する1次転写シート3種類を作製した。
(2)BGRにパターニングされた転写材料の作製。
厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる転写材料用の仮支持体上に斜め線配列のマスク(50mm×50mm、厚さ30μm、縦970μm及び横310μmで縦・横周期990μm、縦1周期ごとに横方向に3分の1周期(330μm)ずれる斜め線配列パターンで穴が開いている:図25)、青色用1次転写シートの有機層側、押圧版(50mm×50mm、縦960μm及び横300μmで縦・横周期990μm、縦1周期ごとに横方向に3分の1周期(330μm)ずれる斜め線配列パターンで突起を作製してある。突起の高さは30μm:図35)をマスク穴の中心に押圧板の突起が一致するように順に重ね、1次転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより1次転写シートの支持体側から加熱しながら加圧した。ついで押圧板、1次転写シートおよびマスクを仮支持体から引きはがすことにより青色発光層を転写シート用の仮支持体上に転写した。(図26)
次に、マスク、緑色用1次転写シート、押圧版を緑色用1次転写シートの有機層側を青と緑の画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、青色発光層と同様に緑発光層を転写シート用の仮支持体上に転写した。(図27)
最後に、マスク、赤色用1次転写シート、押圧版を赤色用1次転写シートの有機層側を青、緑と赤画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、緑色発光層と同様に赤発光性層を転写しBGRにパターニングされた転写材料を作製した。(図28)
(D)正孔阻止性の電子輸送材料の転写材料の作製
下記組成:
電子輸送性化合物12−1(Mw=50000) 40質量部
正孔阻止性化合物HB−2 40質量部
ジクロロエタン 3200質量部
を有する電子輸送性有機薄膜層用の塗布液を、厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる仮支持体上にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、60℃で乾燥することにより、厚さ40nmの電子輸送層を製膜し、転写材料を作製した。
(E)陰極積層体9への電子輸送性有機薄膜層の転写
(D)で作製した転写材料の電子輸送性有機層側を(A)で作製した陰極積層体9の電子輸送層側に重ね合わせた。
転写材料の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写材料の支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写材料を陰極基板から引きはがすことにより正孔阻止性の電子輸送層を(A)で作製した陰極積層体9(陰極基板/陰極/電子輸送層)の電子輸送層側に転写して第一積層体9を作製した。
(F)陽極積層体9への発光性有機薄膜層の転写
(C)で作製したBGRにパターニングされた転写材料の発光性有機層側を(B)で作製した陽極積層体9の正孔輸送層側に発光画素の横方向のストライプパターンと陽極のストライプパターンが一致するように重ね合わせた。
転写材料の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写材料の支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写材料を陽極基板から引きはがすことによりBGR3色の発光層を(A)で作製した陽極積層体9(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の有機層側に転写して第二積層体9(図19)を作製した。
(G)第一積層体9と第二積層体9の貼り合わせ
(F)で得られた第二積層体9の発光層側と(E)で得られた第一積層体9の電子輸送層を対面させ、発光画素の縦方向のストライプパターンと陰極のストライプパターンが一致するように重ね合わせ、図20に示したように長辺方向を90℃ずらして重ね合せた。
第一積層体9の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより第一積層体9の支持体側から加熱しながら加圧し、第一積層体9と第二積層体9を貼り合わせた。
次に陽極、陰極よりそれぞれ電極のラインごとにアルミニウムのリード線を出して、陰極基板/水分・酸素吸収層/陰極/電子輸送層/正孔阻止性の電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなる32画素×32画素のパッシブ駆動型のフルカラー有機EL素子9を作製した。
(H)側面部の封止
接着剤として、UV硬化型のエポキシ系接着剤XNR5493T(長瀬チバ(株)製)を用い、上記で作製した発光素子の図2に示した接着剤の位置にディスペンサーを用いて、膜厚1mmになるように塗布した。塗布後、発光素子の両面から100mW/cm2の強度で高圧水銀ランプにより紫外線照射し硬化させ、本発明の発光素子9を作製した。なお封止作業は窒素置換したグローブボックス内で行い、露点−60℃、酸素濃度10ppmであった。
《有機EL素子10の作製》
陰極基板/水分・酸素吸収層/陰極/電子輸送層/正孔阻止性の電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなるフルカラー有機EL素子10の作製
(A)陰極積層体10(陰極基板/水分・酸素吸収層)の作製
アルミニウム箔(30μm)の両面に厚み50μmのポリイミドシート(ユーピレックス50S、宇部興産(株)製)を両面にラミネートし、これを35mm×35mmに裁断したものを陰極基板として使用した。
この陰極基板を洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコール(IPA)により洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。次に約0.1mPaの減圧雰囲気中でSiOを蒸着し、膜厚0.1μmの水分・酸素吸収層を製膜し、陰極積層体10を作製した。
(B)陽極積層体10(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の作製
(1)陽極基基板の作製
基材として透光性を有する厚さ0.2mmのPES(ポリエーテルスルホン)フィルム(住友ベークライト(株)製スミライトFS−1300)を使用し、その両面に透湿防止層(ガスバリア層)として、大気圧プラズマ装置によって、200nmのSiON膜を形成し、陽極基盤とした。作製したSiON膜のO:N組成比はO:N=75:25、また炭素含有率は0.3%だった。作製条件の詳細については、本出願人の出願した特許(特開2003−105541号公報)の実施例の方法に沿って行った。
(2)陽極積層体10の作製
上記(1)で作製した透明樹脂基板を40mm×40mmのサイズに切り出し陽極基板とした。
この陽極基板を真空チャンバー内に導入し、パターニングした蒸着用のマスク(線幅が960μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図29)を設置し、SnO2含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタリング(条件:基板支持体の温度250℃、酸素圧1×10-3Pa)により、厚さ0.2μmのITO薄膜からなるストライプ構造の陽極を形成した。(図30)
前記陽極の表面抵抗は10Ω/□であった。この陽極を形成した陽極基板を洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコールにより洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。
処理した透明電極の表面に、
下記組成:
正孔輸送性化合物(PTPDES) 40質量部
添加剤(TBPAH) 10質量部
ジクロロエタン 3200質量部
をスピンコートした後、40℃で乾燥し、厚さ100nmの正孔輸送層を製膜し、陽極積層体10を作製した。
(C)パターニングした発光性有機薄膜層を有する転写材料の形成:マスク転写法
(1)1次転写シートの作製
(a)青色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−12)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの青色発光層を有する青色用1次転写シートを得た。
(b)緑色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(Ir−1)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの緑色発光層を有する緑色用1次転写シートを得た。
(c)赤色1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−9)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの赤色発光層を有する赤色用1次転写シートを得た。
このようにして、支持体上に青、緑及び赤の発光性有機層を有する1次転写シート3種類を作製した。
(2)BGRにパターニングされた転写材料の作製。
厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる転写材料用の仮支持体上にストライプ構造のマスク(50mm×50mm、厚さ30μm、縦970μm及び横310μmで縦・横周期990μmのストライプパターンで穴が開いている:図22)、青色用1次転写シートの有機層側、押圧版(50mm×50mm、縦960μm及び横300μmで縦・横周期990μmのストライプパターンで突起を作製してある。突起の高さは30μm:図23)をマスク穴の中心に押圧板の突起が一致するように順に重ね、1次転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより1次転写シートの支持体側から加熱しながら加圧した。ついで押圧板、1次転写シートおよびマスクを仮支持体から引きはがすことにより青色発光層を転写材料用の仮支持体上に転写した。(図16)
次に、マスク、緑色用1次転写シート、押圧版を緑色用1次転写シートの有機層側を青と緑の画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、青色発光層と同様に緑発光層を転写材料用の仮支持体上に転写した。(図17)
最後に、マスク、赤色用1次転写シート、押圧版を赤色用1次転写シートの有機層側を青、緑と赤画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、緑色発光層と同様に赤発光性層を転写しBGRにパターニングされた転写材料を作製した。(図18)
(D)正孔阻止性の電子輸送材料の転写材料の作製
下記組成:
電子輸送性化合物12−1(Mw=50000) 40質量部
正孔阻止性化合物HB−3 40質量部
ジクロロエタン 3200質量部
を有する電子輸送性有機薄膜層用の塗布液を、厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる仮支持体上にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、60℃で乾燥することにより、厚さ40nmの電子輸送層を製膜し、転写材料を作製した。
(E)陽極積層体10への発光性有機薄膜層の転写
(C)で作製したBGRにパターニングされた転写材料の発光性有機層側を(B)で作製した陽極積層体10の正孔輸送層側に発光画素の横方向のストライプパターンと陽極のストライプパターンが一致するように重ね合わせた。
転写材料の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写材料の支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写材料を陽極基板から引きはがすことによりBGR3色の発光層を(A)で作製した陽極積層体10(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の有機層側に転写して第二積層体10′″(図31)を作製した。
(F)第二積層体10′″への電子輸送性有機薄膜層の転写
(D)で作製した転写材料の電子輸送性有機層側を(E)で作製した第二積層体10′″の発光性有機層側に重ね合わせた。
転写材料の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写材料の支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写材料を陽極基板から引きはがすことにより正孔阻止性の電子輸送層を(E)で作製した第二積層体10′″(陽極基板/陽極/正孔輸送層/発光層)の発光層側に転写して第二積層体10″(図31)を作製した。
(G)第二積層体10″上への塗布による電子輸送層の製膜
(F)で得られた第二積層体10″上へ
下記組成:
電子輸送性化合物12−1(Mw=50000) 40質量部
メタノール 2000質量部
を有する電子輸送性化合物の微粒子分散液(平均粒径30nm)をスピンコーターを用いて塗布し、60℃で乾燥することにより、厚さ70nmの電子輸送層を製膜し、第二積層体10′(図″)を作製した。
(H)第二積層体10′上への真空蒸着による電子注入層および陰極の設置
(G)で得られた第二積層体10′上へ、パターニングした蒸着用のマスク(線幅が300μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図12)を発光画素の縦方向のストライプパターンと陰極のストライプパターンが一致するように重ね合わせて設置し、約0.1mPaの減圧雰囲気中で電子注入材としてLiFを蒸着し膜厚3nmの電子注入層を製膜した。次いで、電子注入層と同じパターンでアルミニウムを蒸着し、膜厚0.2μmのアルミニウム陰極を形成し、第二積層体10(図33)を作製した。
(I)第二積層体10と陰極積層体10の貼り合わせと側面部の封止
(H)で得られた第二積層体10の陰極と陰極積層体10の水分・酸素吸収層を対面させ、重ね合せた。
両基板の裏側から0.1MPaの加圧力の押圧板で加圧した状態で両基板を固定し、陰極積層体10と第二積層体10を貼り合わせた。接着剤として、UV硬化型のエポキシ系接着剤XNR5493T(長瀬チバ(株)製)を用い、上記で作製した発光素子の図3に示した接着剤の位置にディスペンサーを用いて、膜厚2mmになるように塗布した。塗布後、発光素子の両面から100mW/cm2の強度で高圧水銀ランプにより紫外線照射し硬化させ、本発明の発光素子10を作製した。なお封止作業は窒素置換したグローブボックス内で行い、露点−60℃、酸素濃度10ppmであった。
次に陽極、陰極よりそれぞれ電極のラインごとにアルミニウムのリード線を出して、陰極基板/陰極/電子輸送層/正孔阻止性の電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなる32画素×32画素のパッシブ駆動型のフルカラー有機EL素子10を作製した。
《有機EL素子11の作製》
1層だけの電子輸送層を真空蒸着法で作製し以下の構成で発光素子を作製した。
陰極基板/陰極/電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなるフルカラー有機EL素子11の作製及び封止
(A)陰極積層体11(陰極基板/陰極/電子輸送層)の作製
アルミニウム箔(30μm)の両面に厚み50μmのポリイミドシート(ユーピレックス50S、宇部興産(株)製)を両面にラミネートしたものを35mm×40mmに裁断し、陰極基板とした。
この陰極基板を洗浄容器に入れ、i−プロピルアルコール(IPA)により洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。次にパターニングした蒸着用のマスク(線幅が300μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図12)を設置し、約0.1mPaの減圧雰囲気中でAlを蒸着し、膜厚0.2μmのストライプ構造の陰極を形成した。(図13)
続けて電子注入材としてLiFをアルミニウム層と同パターンで蒸着し、膜厚3nmの電子注入層を製膜した。
次に、上記マスクを取り除き、約0.1mPaの減圧雰囲気中で下記構造を有する電子輸送材を蒸着し、厚さ40nmの電子輸送層を製膜し、陰極積層体11を作製した。
(B)陽極積層体11(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の作製
0.7mm×35mm×40mmのガラス板を陽極基板とし、この陽極基板を真空チャンバー内に導入し、パターニングした蒸着用のマスク(線幅が960μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図21)を設置し、SnO2含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタリング(条件:基板支持体の温度250℃、酸素圧1×10-3Pa)により、厚さ0.2μmのITO薄膜からなるストライプ構造の陽極を形成した。(図14)
前記陽極の表面抵抗は10Ω/□であった。この陽極を形成した陽極基板を洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコールにより洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。
処理した透明電極の表面に、
下記組成:
正孔輸送性化合物(PTPDES) 40質量部
添加剤(TBPAH) 10質量部
ジクロロエタン 3200質量部
をスピンコートした後、40℃で乾燥し、厚さ100nmの正孔輸送層を製膜し、陽極積層体11を作製した。
(C)パターニングした発光性有機薄膜層を有する転写材料の形成:マスク転写法
(1)1次転写シートの作製
(a)青色用1次転写シートの作製
ポリビニルカルバゾール(Mw=63000、アルドリッチ社製)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−12)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの青色発光層を有する青色用1次転写シートを得た。
(b)緑色用1次転写シートの作製
ポリビニルカルバゾール(Mw=63000、アルドリッチ社製)と、オルトメタル化錯体としてのトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(Ir−1)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの緑色発光層を有する緑色用1次転写シートを得た。
(c)赤色1次転写シートの作製
ポリビニルカルバゾール(Mw=63000、アルドリッチ社製)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−9)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの赤色発光層を有する赤色用1次転写シートを得た。
このようにして、支持体上に青、緑及び赤の発光性有機層を有する1次転写シート3種類を作製した。
(2)BGRにパターニングされた転写材料の作製。
厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる転写材料用の仮支持体上にストライプ構造のマスク(50mm×50mm、厚さ30μm、縦970μm及び横310μmで縦・横周期990μmのストライプパターンで穴が開いている:図22)、青色用1次転写シートの有機層側、押圧版(50mm×50mm、縦960μm及び横300μmで縦・横周期990μmのストライプパターンで突起を作製してある。突起の高さは30μm:図23)をマスク穴の中心に押圧板の突起が一致するように順に重ね、1次転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより1次転写シートの支持体側から加熱しながら加圧した。ついで押圧板、1次転写シートおよびマスクを仮支持体から引きはがすことにより青色発光層を転写材料用の仮支持体上に転写した。(図16)
次に、マスク、緑色用1次転写シート、押圧版を緑色用1次転写シートの有機層側を青と緑の画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、青色発光層と同様に緑発光層を転写材料用の仮支持体上に転写した。(図17)
最後に、マスク、赤色用1次転写シート、押圧版を赤色用1次転写シートの有機層側を青、緑と赤画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、緑色発光層と同様に赤発光性層を転写しBGRにパターニングされた転写材料を作製した。(図18)
(D)陽極積層体11への発光性有機薄膜層の転写
(C)で作製したBGRにパターニングされた転写材料の発光性有機層側を(B)で作製した陽極積層体11の正孔輸送層側に発光画素と陽極の横方向のストライプパターンが一致するように重ね合わせた。
転写材料の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写材料の支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写材料を陽極基板から引きはがすことによりBGR3色の発光層を(B)で作製した陽極積層体11(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の正孔輸送層側に転写して第二積層体11(図19)を作製した。
(E)第二積層体11と陰極積層体11の貼り合わせ
(D)で得られた第二積層体11の発光層側と(A)で作製した陰極積層体11の電子輸送層を対面させ、発光画素の縦方向のストライプパターンと陰極のストライプパターンが一致するように重ね合わせ、図20に示したように長辺方向を90℃ずらして重ね合せた。
第二積層体11の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより陰極積層体11の支持体側から加熱しながら加圧し、第一積層体11と陰極積層体11を貼り合わせた。
次に陽極、陰極よりそれぞれ電極のラインごとにアルミニウムのリード線を出して、陰極基板/陰極/電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなる32画素×32画素のパッシブ駆動型のフルカラー有機EL素子11を作製した。
(F)側面部の封止
接着剤として、UV硬化型のエポキシ系接着剤XNR5493T(長瀬チバ(株)製)を用い、上記で作製した発光素子の図2に示した接着剤の位置にディスペンサーを用いて、膜厚1mmになるように塗布した。塗布後、発光素子の両面から100mW/cm2の強度で高圧水銀ランプにより紫外線照射し硬化させ、比較の発光素子11を作製した。なお封止作業は窒素置換したグローブボックス内で行い、露点−60℃、酸素濃度10ppmであった。
《有機EL素子12の作製》
1層だけの電子輸送層を真空蒸着法で作製し以下の構成で発光素子を作製した。
陰極基板/陰極/電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなるフルカラー有機EL素子12の作製及び封止
(A)陰極積層体12(陰極基板/陰極/電子輸送層)の作製
アルミニウム箔(30μm)の両面に厚み50μmのポリイミドシート(ユーピレックス50S、宇部興産(株)製)を両面にラミネートしたものを35mm×40mmに裁断し、陰極基板とした。
この陰極基板を洗浄容器に入れ、i−プロピルアルコール(IPA)により洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。次にパターニングした蒸着用のマスク(線幅が300μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図12)を設置し、約0.1mPaの減圧雰囲気中でアルミニウムを蒸着し、膜厚0.2μmのストライプ構造の陰極を形成した。(図13)
続けて電子注入材としてLiFをアルミニウム層と同パターンで蒸着し、膜厚3nmの電子注入層を製膜した。
次に、上記マスクを取り除き、約0.1mPaの減圧雰囲気中で下記構造を有する電子輸送材を蒸着し、厚さ40nmの電子輸送層を製膜し、陰極積層体12を作製した。
(B)陽極積層体12(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の作製
0.7mm×35mm×40mmのガラス板を陽極基板とし、この陽極基板を真空チャンバー内に導入し、パターニングした蒸着用のマスク(線幅が960μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図21)を設置し、SnO2含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタリング(条件:基板支持体の温度250℃、酸素圧1×10-3Pa)により、厚さ0.2μmのITO薄膜からなるストライプ構造の陽極を形成した。(図14)
前記陽極の表面抵抗は10Ω/□であった。この陽極を形成した陽極基板を洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコールにより洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。
処理した透明電極の表面に、
下記組成:
正孔輸送性化合物(PTPDES) 40質量部
添加剤(TBPAH) 10質量部
ジクロロエタン 3200質量部
をスピンコートした後、40℃で乾燥し、厚さ100nmの正孔輸送層を製膜し、陽極積層体12を作製した。
(C)パターニングした発光性有機薄膜層を有する転写材料の形成:マスク転写法
(1)1次転写シートの作製
(a)青色用1次転写シートの作製
ポリビニルカルバゾール(Mw=63000、アルドリッチ社製)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−12)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの青色発光層を有する青色用1次転写シートを得た。
(b)緑色用1次転写シートの作製
ポリビニルカルバゾール(Mw=63000、アルドリッチ社製)と、オルトメタル化錯体としてのトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(Ir−1)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの緑色発光層を有する緑色用1次転写シートを得た。
(c)赤色1次転写シートの作製
ポリビニルカルバゾール(Mw=63000、アルドリッチ社製)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−9)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの赤色発光層を有する赤色用1次転写シートを得た。
このようにして、支持体上に青、緑及び赤の発光性有機層を有する1次転写シート3種類を作製した。
(2)BGRにパターニングされた転写材料の作製。
厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる転写材料用の仮支持体上にストライプ構造のマスク(50mm×50mm、厚さ30μm、縦970μm及び横310μmで縦・横周期990μmのストライプパターンで穴が開いている:図22)、青色用1次転写シートの有機層側、押圧版(50mm×50mm、縦960μm及び横300μmで縦・横周期990μmのストライプパターンで突起を作製してある。突起の高さは30μm:図20)をマスク穴の中心に押圧板の突起が一致するように順に重ね、1次転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより1次転写シートの支持体側から加熱しながら加圧した。ついで押圧板、1次転写シートおよびマスクを仮支持体から引きはがすことにより青色発光層を転写材料用の仮支持体上に転写した。(図16)
次に、マスク、緑色用1次転写シート、押圧版を緑色用1次転写シートの有機層側を青と緑の画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、青色発光層と同様に緑発光層を転写材料用の仮支持体上に転写した。(図17)
最後に、マスク、赤色用1次転写シート、押圧版を赤色用1次転写シートの有機層側を青、緑と赤画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、緑色発光層と同様に赤発光性層を転写しBGRにパターニングされた転写材料を作製した。(図18)
(D)陽極積層体12への発光性有機薄膜層の転写
(C)で作製したBGRにパターニングされた転写材料の発光性有機層側を(A)で作製した陰極積層体12ので電子輸送層側に発光画素と陰極の縦方向のストライプパターンが一致するように重ね合わせた。
転写材料の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写材料の支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写材料を陰極基板から引きはがすことによりBGR3色の発光層を(A)で作製した陰極積層体12(陰極基板/陰極/電子輸送層)の電子輸送層側に転写して第一積層体12(図24)を作製した。
(E)第一積層体12と陽極積層体12の貼り合わせ
(D)で得られた第一積層体12の発光層側と陽極積層体12の正孔輸送層を対面させ、発光画素の横方向のストライプパターンと陽極のストライプパターンが一致するように重ね合わせ、図20に示したように長辺方向を90℃ずらして重ね合せた。
第一積層体12の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより第一積層体12の支持体側から加熱しながら加圧し、第一積層体12と陽極積層体12を貼り合わせた。
次に陽極、陰極よりそれぞれ電極のラインごとにアルミニウムのリード線を出して、陰極基板/陰極/電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなる32画素×32画素のパッシブ駆動型のフルカラー有機EL素子12を作製した。
(F)側面部の封止
接着剤として、UV硬化型のエポキシ系接着剤XNR5493T(長瀬チバ(株)製)を用い、上記で作製した発光素子の図2に示した接着剤の位置にディスペンサーを用いて、膜厚1mmになるように塗布した。塗布後、発光素子の両面から100mW/cm2の強度で高圧水銀ランプにより紫外線照射し硬化させ、比較の発光素子12を作製した。なお封止作業は窒素置換したグローブボックス内で行い、露点−60℃、酸素濃度10ppmであった。
《有機EL素子13の作製》
1層だけの電子輸送層を塗布法で作成し以下の構成で発光素子を作製した。
陰極基板/陰極/電子注入層/電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなるフルカラー有機EL素子13の作製
(A)陰極積層体13(陰極基板/陰極/電子輸送層)の作製
アルミニウム箔(30μm)の両面に厚み50μmのポリイミドシート(ユーピレックス50S、宇部興産(株)製)を両面にラミネートしたものを35mm×40mmに裁断し、陰極基板とした。
この陰極基板を洗浄容器に入れ、i−プロピルアルコール(IPA)により洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。次にパターニングした蒸着用のマスク(線幅が300μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図12)を設置し、約0.1mPaの減圧雰囲気中でAlを蒸着し、膜厚0.2μmのストライプ構造の陰極を形成した。(図13)
続けて電子注入材としてLiFをアルミニウム層と同パターンで蒸着し、膜厚3nmの電子注入層を製膜した。
次に、上記マスクを取り除き、
下記組成:
電子輸送性化合物12−1(Mw=50000) 40質量部
ジクロロエタン 3200質量部
を有する電子輸送性有機薄膜層用の塗布液をスピンコーターを用いて塗布し、60℃で乾燥することにより、厚さ40nmの電子輸送層を製膜し、陰極積層体13を作製した。
(B)陽極積層体13(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の作製
0.7mm×35mm×40mmのガラス板を陽極基板とし、この陽極基板を真空チャンバー内に導入し、パターニングした蒸着用のマスク(線幅が960μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図21)を設置し、SnO2含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタリング(条件:基板支持体の温度250℃、酸素圧1×10-3Pa)により、厚さ0.2μmのITO薄膜からなるストライプ構造の陽極を形成した。(図1413b)
前記陽極の表面抵抗は10Ω/□であった。この陽極を形成した陽極基板を洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコールにより洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。処理した透明電極の表面に、
下記組成:
正孔輸送性化合物(PTPDES) 40質量部
添加剤(TBPAH) 10質量部
ジクロロエタン 3200質量部
をスピンコートした後、40℃で乾燥し、厚さ100nmの正孔輸送層を製膜し、陽極積層体13を作製した。
(C)パターニングした発光性有機薄膜層を有する転写材料の形成:マスク転写法−1
(1)1次転写シートの作製
(a)青色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−12)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの青色発光層を有する青色用1次転写シートを得た。
(b)緑色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(Ir−1)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの緑色発光層を有する緑色用1次転写シートを得た。
(c)赤色1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−9)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの赤色発光層を有する赤色用1次転写シートを得た。
このようにして、支持体上に青、緑及び赤の発光性有機層を有する1次転写シート3種類を作製した。
(2)BGRにパターニングされた転写材料の作製。
厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる転写材料用の仮支持体上にストライプ構造のマスク(50mm×50mm、厚さ30μm、縦970μm及び横310μmで縦・横周期990μmのストライプパターンで穴が開いている:図22)、青色用1次転写シートの有機層側、押圧版(50mm×50mm、縦960μm及び横300μmで縦・横周期990μmのストライプパターンで突起を作製してある。突起の高さは30μm:図20)をマスク穴の中心に押圧板の突起が一致するように順に重ね、1次転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより1次転写シートの支持体側から加熱しながら加圧した。ついで押圧板、1次転写シートおよびマスクを仮支持体から引きはがすことにより青色発光層を転写材料用の仮支持体上に転写した。(図16)
次に、マスク、緑色用1次転写シート、押圧版を緑色用1次転写シートの有機層側を青と緑の画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、青色発光層と同様に緑発光層を転写材料用の仮支持体上に転写した。(図17)
最後に、マスク、赤色用1次転写シート、押圧版を赤色用1次転写シートの有機層側を青、緑と赤画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、緑色発光層と同様に赤発光性層を転写しBGRにパターニングされた転写材料を作製した。(図18)
(D)陽極積層体13への発光性有機薄膜層の転写
(C)で作製したBGRにパターニングされた転写材料の発光性有機層側を(B)で作製した陽極積層体13の正孔輸送層側に発光画素の横方向のストライプパターンと陽極のストライプパターンが一致するように重ね合わせた。
転写材料の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写材料の支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写材料を陽極基板から引きはがすことによりBGR3色の発光層を(B)で作製した陽極積層体13(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の有機層側に転写して第二積層体13(図19)を作製した。
(E)第二積層体13と陰極積層体13の貼り合わせ
(D)で得られた第二積層体13の発光層側と(A)で得られた陰極積層体13の電子輸送層を対面させ、発光画素の縦方向のストライプパターンと陰極のストライプパターンが一致するように重ね合わせ、図20に示したように長辺方向を90℃ずらして重ね合せた。
陰極積層体13の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより陰極積層体13の支持体側から加熱しながら加圧し、第二積層体13と陰極積層体13を貼り合わせた。
次に陽極、陰極よりそれぞれ電極のラインごとにアルミニウムのリード線を出して、陰極基板/陰極/電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなる32画素×32画素のパッシブ駆動型のフルカラー有機EL素子13を作製した。
(H)側面部の封止
接着剤として、UV硬化型のエポキシ系接着剤XNR5493T(長瀬チバ(株)製)を用い、上記で作製した発光素子の図2に示した接着剤の位置にディスペンサーを用いて、膜厚1mmになるように塗布した。塗布後、発光素子の両面から100mW/cm2の強度で高圧水銀ランプにより紫外線照射し硬化させ、本発明の発光素子13を作製した。なお封止作業は窒素置換したグローブボックス内で行い、露点−60℃、酸素濃度10ppmであった。
《有機EL素子14の作製》
1層だけの電子輸送層を塗布法で作成し以下の構成で発光素子を作製した。
陰極基板/陰極/電子注入層/電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなるフルカラー有機EL素子14の作製
(A)陰極積層体14(陰極基板/陰極/電子輸送層)の作製
アルミニウム箔(30μm)の両面に厚み50μmのポリイミドシート(ユーピレックス50S、宇部興産(株)製)を両面にラミネートしたものを35mm×40mmに裁断し、陰極基板とした。
この陰極基板を洗浄容器に入れ、i−プロピルアルコール(IPA)により洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。次にパターニングした蒸着用のマスク(線幅が300μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図12)を設置し、約0.1mPaの減圧雰囲気中でアルミニウムを蒸着し、膜厚0.2μmのストライプ構造の陰極を形成した。(図13)
続けて電子注入材料としてLiFをアルミニウム層と同パターンで蒸着し、膜厚3nmの電子注入層を製膜した。
次に、上記マスクを取り除き、
下記組成:
電子輸送性化合物12−1(Mw=50000) 40質量部
ジクロロエタン 3200質量部
を有する電子輸送性有機薄膜層用の塗布液をスピンコーターを用いて塗布し、60℃で乾燥することにより、厚さ40nmの電子輸送層を製膜し、陰極積層体14を作製した。
(B)陽極積層体14(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の作製
0.7mm×35mm×40mmのガラス板を陽極基板とし、この陽極基板を真空チャンバー内に導入し、パターニングした蒸着用のマスク(線幅が960μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図21)を設置し、SnO2含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタリング(条件:基板支持体の温度250℃、酸素圧1×10-3Pa)により、厚さ0.2μmのITO薄膜からなるストライプ構造の陽極を形成した。(図14)
前記陽極の表面抵抗は10Ω/□であった。この陽極を形成した陽極基板を洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコールにより洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。処理した 透明電極の表面に、
下記組成:
正孔輸送性化合物(PTPDES) 40質量部
添加剤(TBPAH) 10質量部
ジクロロエタン 3200質量部
をスピンコートした後、40℃で乾燥し、厚さ100nmの正孔輸送層を製膜し、陽極積層体14を作製した。
(C)パターニングした発光性有機薄膜層を有する転写材料の形成:マスク転写法−1
(1)1次転写シートの作製
(a)青色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−12)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの青色発光層を有する青色用1次転写シートを得た。
(b)緑色用1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(Ir−1)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの緑色発光層を有する緑色用1次転写シートを得た。
(c)赤色1次転写シートの作製
化合物CP−2(Mw=50000)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−9)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる仮支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの赤色発光層を有する赤色用1次転写シートを得た。
このようにして、支持体上に青、緑及び赤の発光性有機層を有する1次転写シート3種類を作製した。
(2)BGRにパターニングされた転写材料の作製。
厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる転写材料用の仮支持体上にストライプ構造のマスク(50mm×50mm、厚さ30μm、縦970μm及び横310μmで縦・横周期990μmのストライプパターンで穴が開いている:図22)、青色用1次転写シートの有機層側、押圧版(50mm×50mm、縦960μm及び横300μmで縦・横周期990μmのストライプパターンで突起を作製してある。突起の高さは30μm:図20)をマスク穴の中心に押圧板の突起が一致するように順に重ね、1次転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより1次転写シートの支持体側から加熱しながら加圧した。ついで押圧板、1次転写シートおよびマスクを仮支持体から引きはがすことにより青色発光層を転写材料用の仮支持体上に転写した。(図16)
次に、マスク、緑色用1次転写シート、押圧版を緑色用1次転写シートの有機層側を青と緑の画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、青色発光層と同様に緑発光層を転写材料用の仮支持体上に転写した。(図17)
最後に、マスク、赤色用1次転写シート、押圧版を赤色用1次転写シートの有機層側を青、緑と赤画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、緑色発光層と同様に赤発光性層を転写しBGRにパターニングされた転写材料を作製した。(図18)
(D)陰極積層体14への発光性有機薄膜層の転写
(C)で作製したBGRにパターニングされた転写材料の発光性有機層側を(A)で作製した陰極積層体14の電子輸送層側に発光画素の縦方向のストライプパターンと陰極のストライプパターンが一致するように重ね合わせた。
転写材料の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写材料の支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写材料を陽極基板から引きはがすことによりBGR3色の発光層を(A)で作製した陰極積層体14(陰極基板/陰極/電子輸送層)の有機層側に転写して第一積層体14(図24)を作製した。
(E)第一積層体14と陽極積層体14の貼り合わせ
(D)で得られた第一積層体14の発光層側と(B)で得られた陽極積層体14の正孔輸送層を対面させ、発光画素の横方向のストライプパターンと陽極のストライプパターンが一致するように重ね合わせ、図20に示したように長辺方向を90℃ずらして重ね合せた。
第一積層体14の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより第一積層体14の支持体側から加熱しながら加圧し、第一積層体14と陽極積層体14を貼り合わせた。
次に陽極、陰極よりそれぞれ電極のラインごとにアルミニウムのリード線を出して、陰極基板/陰極/電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなる32画素×32画素のパッシブ駆動型のフルカラー有機EL素子14を作製した。
(H)側面部の封止
接着剤として、UV硬化型のエポキシ系接着剤XNR5493T(長瀬チバ(株)製)を用い、上記で作製した発光素子の図2に示した接着剤の位置にディスペンサーを用いて、膜厚1mmになるように塗布した。塗布後、発光素子の両面から100mW/cm2の強度で高圧水銀ランプにより紫外線照射し硬化させ、本発明の発光素子14を作製した。なお封止作業は窒素置換したグローブボックス内で行い、露点−60℃、酸素濃度10ppmであった。
《有機EL素子15の作製》
2層の電子輸送層を持ち、発光層以外の有機層は真空蒸着法で作製し以下の構成で発光素子を作製した。
陰極基板/陰極//電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなるフルカラー有機EL素子15の作製及び封止
(A)陰極積層体(陰極基板/陰極/電子輸送層/正孔阻止層)の作製
アルミニウム箔(30μm)の両面に厚み50μmのポリイミドシート(ユーピレックス50S、宇部興産(株)製)を両面にラミネートしたものを35mm×40mmに裁断し、陰極基板とした。
この陰極基板を洗浄容器に入れ、i−プロピルアルコール(IPA)により洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。次にパターニングした蒸着用のマスク(線幅が300μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図12)を設置し、約0.1mPaの減圧雰囲気中でアルミニウムを蒸着し、膜厚0.2μmのストライプ構造の陰極を形成した。(図13)
続けて電子注入材としてLiFをアルミニウム層と同パターンで蒸着し、膜厚3nmの電子注入層を製膜した。
次に、上記マスクを取り除き、約0.1mPaの減圧雰囲気中で電子輸送材Alq3を蒸着し、厚さ40nmの電子輸送層を製膜した。最後に、約0.1mPaの減圧雰囲気中で正孔阻止材BAlq3を蒸着し、厚さ10nmの正孔阻止層を製膜し、陰極積層体15を作製した。
(B)陽極積層体15(陽極基板/陽極/正孔輸送層)の作製
0.7mm×35mm×40mmのガラス板を陽極基板とし、この陽極基板を真空チャンバー内に導入し、パターニングした蒸着用のマスク(線幅が960μm、30μm間隔のストライプ構造のマスク:図21)を設置し、SnO2含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタリング(条件:基板支持体の温度250℃、酸素圧1×10-3Pa)により、厚さ0.2μmのITO薄膜からなるストライプ構造の陽極を形成した。(図14)
前記陽極の表面抵抗は10Ω/□であった。この陽極を形成した陽極基板を洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコールにより洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。処理した透明電極の表面に正孔輸送層として、N,N′−ジナフチル−N,N′−ジフェニルベンジジン(α−NPD)を真空蒸着し、厚さ40nmの正孔輸送層を製膜し、陽極積層体15を作製した。
(C)パターニングした発光性有機薄膜層を有する転写材料の形成:マスク転写法
(1)1次転写シートの作製
(a)青色用1次転写シートの作製
ポリビニルカルバゾール(Mw=63000、アルドリッチ社製)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−12)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの青色発光層を有する青色用1次転写シートを得た。
(b)緑色用1次転写シートの作製
ポリビニルカルバゾール(Mw=63000、アルドリッチ社製)と、オルトメタル化錯体としてのトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(Ir−1)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの緑色発光層を有する緑色用1次転写シートを得た。
(c)赤色1次転写シートの作製
ポリビニルカルバゾール(Mw=63000、アルドリッチ社製)と、オルトメタル化錯体としてのイリジウム錯体(Ir−9)とを40:1の質量比でジクロロエタンに溶解した。得られた塗布液を厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる支持体にエクストルージョン型塗布装置を用いて塗布し、乾燥させることにより、厚さが40nmの赤色発光層を有する赤色用1次転写シートを得た。
このようにして、支持体上に青、緑及び赤の発光性有機層を有する1次転写シート3種類を作製した。
(2)BGRにパターニングされた転写材料の作製。
厚さ5μmのPETフィルム(帝人(株)製)からなる転写材料用の仮支持体上にストライプ構造のマスク(50mm×50mm、厚さ30μm、縦970μm及び横310μmで縦・横周期990μmのストライプパターンで穴が開いている:図22)、青色用1次転写シートの有機層側、押圧版(50mm×50mm、縦960μm及び横300μmで縦・横周期990μmのストライプパターンで突起を作製してある。突起の高さは30μm:図20)をマスク穴の中心に押圧板の突起が一致するように順に重ね、1次転写シートの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより1次転写シートの支持体側から加熱しながら加圧した。ついで押圧板、1次転写シートおよびマスクを仮支持体から引きはがすことにより青色発光層を転写材料用の仮支持体上に転写した。(図16)
次に、マスク、緑色用1次転写シート、押圧版を緑色用1次転写シートの有機層側を青と緑の画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、青色発光層と同様に緑発光層を転写材料用の仮支持体上に転写した。(図17)
最後に、マスク、赤色用1次転写シート、押圧版を赤色用1次転写シートの有機層側を青、緑と赤画素が重ならないように画素の横方向に3分の1周期(330μm)だけずらして重ねあわせ、緑色発光層と同様に赤発光性層を転写しBGRにパターニングされた転写材料を作製した。(図18)
(D)陰極積層体15への発光性有機薄膜層の転写
(C)で作製したBGRにパターニングされた転写材料の発光性有機層側を(A)で作製した陰極積層体15の電子輸送層側に発光画素と陰極の縦方向のストライプパターンが一致するように重ね合わせた。
転写材料の裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより転写材料の支持体側から加熱しながら加圧した。ついで転写材料を陰極基板から引きはがすことによりBGR3色の発光層を(A)で作製した陰極積層体15(陰極基板/陰極/電子輸送層/正孔阻止性層)の有機層側に転写して第一積層体15(図24)を作製した。
(E)第一積層体15と陽極積層体15の貼り合わせ
(D)で得られた第一積層体15の発光層側と陽極積層体15の正孔輸送層を対面させ、発光画素の横方向のストライプパターンと陽極のストライプパターンが一致するように重ね合わせ、図20に示したように長辺方向を90℃ずらして重ね合せた。
第一積層体Cの裏側から0.3MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05m/分の速度で通すことにより第一積層体Cの支持体側から加熱しながら加圧し、第一積層体15と陽極積層体15を貼り合わせた。
次に陽極、陰極よりそれぞれ電極のラインごとにアルミニウムのリード線を出して、陰極基板/陰極/電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極/陽極基板からなる32画素×32画素のパッシブ駆動型のフルカラー有機EL素子15を作製した。
(F)側面部の封止
接着剤として、UV硬化型のエポキシ系接着剤XNR5493T(長瀬チバ(株)製)を用い、上記で作製した発光素子の図2に示した接着剤の位置にディスペンサーを用いて、膜厚1mmになるように塗布した。塗布後、発光素子の両面から100mW/cm2の強度で高圧水銀ランプにより紫外線照射し硬化させ、比較の発光素子15を作製した。なお封止作業は窒素置換したグローブボックス内で行い、露点−60℃、酸素濃度10ppmであった。
〔有機EL素子の評価〕
作製した有機EL素子1〜15について、以下の方法で評価した。
東洋テクニカ(株)製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流電圧を有機EL素子に印加し発光させた。その時の最高輝度をLmax(cd/m2)、Lmaxが得られた時の電圧をVmax(V)とした。さらに200cd/m2時の発光効率η200(%)を測定した。また、各電極から引き出したリード線を外付けの駆動回路に接続し、各画素ごとの発光の状況をチェックし、不良画素の数を調べた。
また、この有機EL素子を85℃、95%RHの条件で、30日保存後のLmax、Vmax及びη200を測定した。また同じく各画素ごとの発光の状況をチェックし、不良画素の数を調べた。
評価の結果を表1に示す。
実施例で測定した有機EL素子の作製直後及び30日保管後のLmax、Vmax、η200および不良画素の有無を表1に示す。
Figure 2006302636
本発明の実施方法で作製した発光素子1〜10は陰極基板上の電子輸送性有機層、陽極基板上の正孔輸送性有機層、仮支持体上の発光層の1次転写材料などのほとんどをウェットプロセスで作製することができ、高い生産性が可能となる方法である。また、性能面に関しては比較例11〜14の発光素子と比べても発光効率等で優れた性能を示し、発光層以外の有機層をすべて真空蒸着法で作製した発光素子15と比べても遜色のない発光性能を示している。
本発明の方法によれば、生産効率の高いウェットプロセスを主体とした製造方法で高性能のフルカラー有機EL素子が作製できることがわかる。
本発明の発光素子の一例を示す断面図である。 本発明の発光素子の一例を示す断面図である。 本発明の発光素子の一例を示す断面図である。 本発明の発光素子の一例を示す断面図である。 本発明の発光素子の一例を示す断面図である。 本発明の発光素子の一例を示す断面図である。 パターン材料の製造方法のフローを示す概念図である。 マスクの構成図(斜め線配列)である。 押圧板の構成図(斜め線配列)である。 転写工程のフローを示す概念図である。 1次転写シートからの転写終了後の転写シートの構成図である。 陰極用のマスクの構成図(ストライプ配列)である。 陰極Al、また電子注入層を蒸着した後の陰極基板。 陽極ITOを蒸着した後の陽極基板。 1次転写シート構成図(ストライプ配列)である。 青色用の1次転写シートからの転写終了後の転写シートの構成図である。 青色用+緑色用の2種の1次転写シートからの転写終了後の転写シートの構成図である。 青色用+緑色用+赤色用の3種の1次転写シートからの転写終了後の転写シートの構成図である。 転写シートから発光層を陽極基板に転写した後の第二積層体の構成図である。 陰極基板と陽極基板を貼り合わせた後の発光素子の構成図である。 陽極用のマスクの構成図(ストライプ配列)である。 発光層転写用のマスクの構成図(ストライプ配列)である。 発光層転写用の押圧板の構成図(ストライプ配列)である。 転写シートから発光層を陰極基板に転写した後の第一積層体の構成図である。 発光層転写用のマスクの構成図(斜め線配列)である。 青色用の1次転写シートからの転写終了後の転写シートの構成図である。 青色用+緑色用の2種の1次転写シートからの転写終了後の転写シートの構成図−2 青色用+緑色用+赤色用の3種の1次転写シートからの転写終了後の転写シートの構成図である。 陽極用のマスクの構成図(ストライプ配列)である。 陽極ITOを蒸着した後の陽極基板。 転写シートから発光層を陽極基板に転写した後の第二積層体の構成図である。 陰極用のマスクの構成図(ストライプ配列)である。 陽極基板上に転写した発光層の上に電子注入層、陰極を蒸着した後の第二積層体の構成図である。 陰極基板と陽極基板を貼り合わせた後の発光素子の構成図である。 発光層転写用の押圧板の構成図(斜め線配列)である。
符号の説明
1 陽極基板
2 陽極
3 正孔輸送性の非発光性の有機層
4 発光性の有機層
5−1 電子輸送性の非発光性の有機層1
5−2 電子輸送性の非発光性の有機層2
6 陰極
7 陰極基板
8 陽極リード
9 陰極リード
10 接着剤層
11 水分・酸素吸収層
101 塗布装置(塗布手段)
101A アプリケータロール
101B メタリングロール
102 1次転写シート
103 押圧板
103A 押圧板の突起
104 乾燥装置(乾燥手段)
105 転写装置(転写手段)
106 転写ゾーン
107 基板支持ベース
110 転写材料シート
120 供給ローラ
130 巻取りローラ
M マスク
MA マスク開口部
P パターン材料

Claims (21)

  1. 陽極基板、陽極、少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層、少なくとも一層の発光性の有機層、少なくとも二層の電子輸送性の非発光性の有機層、陰極及び陰極基板をこの順に有する積層体からなる有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記正孔輸送性の非発光性の有機層が、実質的にウェットプロセスによって形成されており、かつ、
    前記電子輸送性の非発光性の有機層を構成する少なくとも二層の有機層のうち発光性の有機層に隣接する有機層が転写法によって形成されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記正孔輸送性の非発光性の有機層と発光性の有機層との間、前記発光性の有機層と電子輸送性の非発光性の有機層との間、前記二つの電子輸送性の非発光性の有機層の間、前記電子輸送性の非発光性の有機層と陰極あるいは陰極バッファー層との間、あるいは、陰極と陰極基板との間から選ばれる少なくとも1ヶ所に貼り合わせ構造を有することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記発光性の有機層が転写法によって形成されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記電子輸送性の非発光性の有機層を構成する少なくとも二層の有機層のうち発光性の有機層に隣接しない有機層が実質的にウェットプロセスによって形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 陽極基板、陽極、少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層、少なくとも一層の発光性の有機層、少なくとも二層の電子輸送性の非発光性の有機層、陰極及び陰極基板をこの順に有する積層体からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    a−1)前記陽極基板、前記陽極、少なくとも一層の前記正孔輸送性の非発光性の有機層を含む部分積層体を陽極基板上にこの順に順次積層する工程、
    a−2)少なくとも一層の前記発光性の有機層を仮支持体上に積層し、発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料を作製する工程、
    a−3)前記電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に積層し、電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料を作製する工程、
    a−4)前記陰極基板、前記陰極、前記陰極バッファー層を陰極基板上にこの順に順次積層する工程、
    a−5)前記陰極、前記陰極バッファー層を積層した前記陰極基板上に少なくとも一層の電子輸送性の非発光性の有機層を積層し製膜する工程、
    b)前記陰極基板上に積層成膜することで形成された少なくとも一層の電子輸送性の非発光性の有機層と前記電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の有機層側を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、該転写材料から電子輸送性の非発光性の有機層を前記陰極基板上に転写する工程、
    c)前記電子輸送性の非発光性の有機層を転写した陰極基板の有機層側と前記発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の有機層側を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、該転写材料から発光性の有機層を前記基板上に転写する工程、
    d)前記陽極基板と前記陰極基板とを、前記陽極基板上に形成された前記正孔輸送性の非発光性の有機層と、前記陰極基板上に形成された発光性の有機層を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、積層体を形成する工程、
    e)前記積層体の側面を全周にわたって接着剤によって封止する工程、
    からなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  6. 陽極基板、陽極、少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層、少なくとも一層の発光性の有機層、少なくとも二層の電子輸送性の非発光性の有機層、陰極及び陰極基板をこの順に有する積層体からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    a−1)前記陽極基板、前記陽極、前記少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層を含む部分積層体を陽極基板上にこの順に順次積層する工程、
    a−2)少なくとも一層の前記発光性の有機層を仮支持体上に積層し、発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料を作製する工程、
    a−3)前記電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に積層し、電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料を作成する工程、
    a−4)前記陰極基板、前記陰極、前記陰極バッファー層を陰極基板上にこの順に順次積層する工程、
    a−5)前記陰極、前記陰極バッファー層積層が積層された前記陰極基板上に少なくとも一層の電子輸送性の非発光性の有機層を積層し製膜する工程、
    b)前記陽極基板上の積層体の有機層側と、前記発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の発光性の有機層側を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の発光性の有機層を前記基板上に転写する工程、
    c)前記陰極基板上に少なくとも一層の電子輸送性の非発光性の有機層を積層し作製された積層体の有機層側と前記電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の有機層側を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記電子輸送性の非発光性の有機層を前記陰極基板上に転写する工程、
    d)前記陽極基板と前記陰極基板とを、前記陽極基板上に形成された発光性の有機層と、前記陰極基板上に形成された電子輸送性の非発光性の有機層を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、積層体を形成する工程、
    e)前記積層体の側面を全周にわたって接着剤によって封止する工程、
    からなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  7. 陽極基板、陽極、少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層、少なくとも一層の発光性の有機層、少なくとも二層の電子輸送性の非発光性の有機層、陰極及び陰極基板をこの順に有する積層体からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    a−1)前記陽極基板、前記陽極、少なくとも一層の前記正孔輸送性の非発光性の有機層を含む部分積層体を陽極基板上にこの順に順次積層する工程、
    a−2)少なくとも一層の前記発光性の有機層を仮支持体上に積層し、発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料を作成する工程、
    a−3)前記電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に積層し、電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料を作製する工程、
    a−4)前記陰極基板、前記陰極、前記陰極バッファー層を陰極基板上にこの順に順次積層する工程、
    a−5)前記陰極基板上に少なくとも一層の電子輸送性の非発光性の有機層を積層し製膜する工程
    b)前記陽極基板上の積層体の有機層側と、前記発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の発光性の有機層側を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の発光性の有機層を前記基板上に転写する工程、
    c)前記発光性の有機層を転写した陽極基板の発光性の有機層側と、前記電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の電子輸送性の非発光性の有機層側を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記電子輸送性の非発光性の有機層を前記基板上に転写する工程、
    d)前記陽極基板と前記陰極基板とを、前記陽極基板上に形成された前記電子輸送性の非発光性の有機層と、前記陰極基板上に形成された電子輸送性の非発光性の有機層を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、積層体を形成する工程、
    e)前記積層体の側面を全周にわたって接着剤によって封止する工程、
    からなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  8. 陽極基板、陽極、少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層、少なくとも一層の発光性の有機層、少なくとも二層の電子輸送性の非発光性の有機層、陰極及び陰極基板をこの順に有する積層体からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    a−1)前記陽極基板、前記陽極、前記少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層を含む部分積層体を陽極基板上にこの順に順次積層する工程、
    a−2)少なくとも一層の前記発光性の有機層を仮支持体上に積層し、発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料を作成する工程、
    a−3)前記電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に積層し、電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料を作成する工程、
    a−4)前記陰極基板、前記陰極、前記陰極バッファー層を陰極基板上にこの順に順次積層する工程、
    b)前記陽極基板上の積層体の有機層側と、前記発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の発光性の有機層側を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の発光性の有機層を前記陽極基板上に転写する工程、
    c)前記発光性の有機層を転写した陽極基板の発光性の有機層側と、前記電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の電子輸送性の非発光性の有機層側を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記電子輸送性の非発光性の有機層を前記陽極基板上に転写する工程、
    d)前記陽極基板上に少なくとも一層の電子輸送性の非発光性の有機層を積層し製膜する工程、
    e)前記陽極基板と前記陰極基板とを、前記陽極基板上に形成された前記電子輸送性の非発光性の有機層と前記陰極基板上に形成された電子輸送性の非発光性の有機層を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、積層体を形成する工程、
    f)前記積層体の側面を全周にわたって接着剤によって封止する工程、
    からなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  9. 陽極基板、陽極、少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層、少なくとも一層の発光性の有機層、少なくとも二層の電子輸送性の非発光性の有機層、陰極及び陰極基板をこの順に有する積層体からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    a−1)前記陽極基板、前記陽極、前記少なくとも一層の正孔輸送性の非発光性の有機層を含む部分積層体を陽極基板上にこの順に順次積層する工程、
    a−2)少なくとも一層の前記発光性の有機層を仮支持体上に積層し、発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料を作製する工程、
    a−3)前記電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に積層し、電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料を作成する工程、
    b)前記陽極基板上の積層体の有機層側と、前記発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の発光性の有機層側を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の発光性の有機層を前記陽極基板上に転写する工程、
    c)前記発光性の有機層を転写した陽極基板の発光性の有機層側と、前記電子輸送性の非発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料の電子輸送性の非発光性の有機層側を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、前記電子輸送性の非発光性の有機層を前記陽極基板上に転写する工程、
    d)前記陽極基板上に更に少なくとも一層の電子輸送性の非発光性の有機層を積層し製膜する工程、
    e)前記陽極基板上に積層した電子輸送性の非発光性の有機層の有機層の上に陰極バッファー層および/または陰極を真空蒸着法によって積層し、積層体を形成する工程、
    f)前記陽極基板上に積層形成された有機エレクトロルミネッセンス素子構成層の陰極側と前記陰極基板を対面させて重ね合わせ、加熱処理および加圧処理の少なくとも1つを施すことにより、積層体を形成する工程、
    g)前記積層体の側面を全周にわたって接着剤によって封止する工程、
    からなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  10. 予め水分吸収層および/または酸素吸収層を前記陰極基板上、かつ陰極基板に最も近い側に積層する工程が含まれることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  11. 前記陽極基板または陰極基板がフレキシブル基板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 前記陽極基板または陰極基板がフレキシブル基板であることを特徴とする請求項5〜10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  13. 前記陽極基板および陰極基板が共にフレキシブル基板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14. 前記陽極基板および陰極基板が共にフレキシブル基板であることを特徴とする請求項5〜10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  15. 前記の少なくとも二層の電子輸送性の非発光性の有機層のうち発光性の有機層に隣接しない有機層が水混和性の溶剤を使用した溶液あるいは分散液を用いたウェットプロセスで積層・製膜されることを特徴とする請求項5〜10、12、14のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  16. 前記少なくとも一層の発光性の有機層を仮支持体上に積層した発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料が青、緑および赤の3色の発光画素がパターニングされたものであることを特徴とする請求項5〜10、12、14、15のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  17. 前記発光性の有機層を仮支持体上に有する転写材料が、仮支持体上にBGR3種類の異なる発光材料をパターニング形成した転写材料であり、該転写材料は、
    a)異なる発光材料用の1次転写シート上に、それぞれ異なる発光材料を塗布する工程、
    b)異なる発光材料を塗布した前記1次転写シートをそれぞれ乾燥する工程、
    c)前記転写材料の仮支持体上に、それぞれ異なる発光材料を有する前記1次転写シートのうち1つの1次転写シートを、前記パターンと略同一形状の開口を有するマスク材を介して、発光材料を塗布した側を前記転写材料の仮支持体に相対するように重ね合わせ、前記1次転写シートの裏面より押圧板により押圧することにより、発光材料を、前記転写材料の仮支持体上に前記パターン状に転写する操作を、BGR3種類の異なる発光材料について3回分繰り返して行い、前記転写材料の仮支持体上にBGR3種類の異なる発光材料をパターンを状に形成する工程、
    によって作製されたものであることを特徴とする、請求項5〜10、12、14〜16のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  18. 請求項15〜17のいずれか1項に記載された有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法により製造されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  19. 発光がリン光に基づくものであることを特徴とする請求項1〜4、11、13、18いずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  20. 請求項1〜4、11、13、18のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする表示装置。
  21. 請求項1〜4、11、13、18のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする照明装置。
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