本発明は、ユーザがコンテンツ視聴中に、視聴中のコンテンツとは別のニュース速報のような別情報を追加し、再生することが可能なコンテンツ再生装置またはその装置を含むコンテンツ再生システムである。本発明の詳細を説明するに際し、まず、本明細書において使用される用語の説明を行う。本明細書中、係る用語の記述があった場合にはこれらの定義に準ずるものとする。
「コンテンツ」とは、あらゆる音、画像、動画、およびそれらをデータ化したものを指し、例えばTV番組、デジタル放送番組、衛星放送番組、DVDに収録された動画、CDに収録された音楽、音楽データ、動画データ、ストリーミングデータ、録音あるいは録画した音楽や動画、写真、デジタルカメラや携帯電話等で記録した音声データおよび画像データ等である。
「コンテンツ再生装置」は、放送受信、ネットワーク配信受信、記録媒体からの読み出し等によって取得したコンテンツを再生する端末装置であり、以下、「コンテンツ再生端末」という。コンテンツ再生端末とは、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話、TV、PDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)、CDプレーヤ、DVDプレーヤ、ラジオ、携帯オーディオプレーヤ等を指す。また、本明細書において以降、「端末」と表記した場合には、「コンテンツ再生端末」を指すものとする。
「コンテンツ関連情報」とは、コンテンツに関連する情報であり、例えば、放送時間、タイトル、ジャンル、出演者、画像の大きさ、動画や音楽の長さ、データファイルのフォーマット、ファイルサイズ、作成年月日、作成機器等を指す。
「別情報」とは、本明細書中、コンテンツに追加してユーザに知らせるべき情報のことを指し、例えば、現在時刻、天気予報、ニュース速報、株価情報、新作映画情報、商品広告等を指す。
「通信網」とは、データを送受信できるあらゆる接続手段であり、インターネット網、イントラネット網、携帯電話網、無線通信網、赤外線通信網等を指す。
「EPG」とは、Electronic Program Guideの略であり、電子番組表のことを指し、新聞のTV欄にあたる情報をデータベース化したものであり、番組に関するコンテンツ関連情報、例えば番組名、タイトル、ジャンル、出演者等の情報を得ることができる。
「CDDB」とは、CD Database の略であり、CDに収録されている曲に関するコンテンツ関連情報、例えばCDに収録されている曲の曲名、アーティスト名、曲長等の情報を得ることができる。
「記録メディア」とは、コンテンツをデータ化したものを記録できる媒体であり、CD、DVD、SD(Secure Digital)カード、CF(Compact Flash)カード等を指す。
本発明に係るコンテンツ再生端末は、記録メディアに記録されているコンテンツを再生するCDプレーヤ、通信網から動画データをダウンロードしながら再生するストリーミング再生を行えるプレーヤ、デジタル放送チューナ付きTV等を指し、コンテンツをディスプレイおよび/またはスピーカに出力し視聴可能な状態にするコンテンツ再生手段と、コンテンツに記録されている(あるいは端末外から取得した)コンテンツ関連情報を参照するコンテンツ関連情報参照手段とを有するものとする。
そして、本発明に係るコンテンツ再生端末は、上述のコンテンツ再生手段およびコンテンツ関連情報参照手段に加え、別情報追加手段を備えるものとする。この別情報追加手段は、コンテンツ関連情報参照手段で参照したコンテンツ関連情報に基づいて、再生中のコンテンツの一部あるいは全体に、そのコンテンツとは別の情報(別情報)を追加する手段である。
この別情報追加手段によりユーザに別情報(コンテンツ以外の情報)を供給することとなるが、別情報の追加は、参照したコンテンツ関連情報に基づき適切なタイミングと追加(付加)方法によって実行する。このため、コンテンツ関連情報参照手段は、少なくとも再生中のコンテンツに対し、再生開始時や再生開始から早い段階でそのコンテンツ関連情報を参照するよう構成するとよい。また、コンテンツを再生する際に毎回コンテンツ関連情報を参照するのではなく、別情報の追加要求がなされているときのみ、コンテンツ関連情報の参照を行うようにしてもよい。
別情報の追加は、参照したコンテンツ関連情報に基づき実行されるが、コンテンツ関連情報が例えばユーザにより指定された所定の条件を満たすときのみ、別情報の追加を実行することが好ましい。ここで、所定の条件(特定条件ともいう)とは、例えば、別情報を追加してもよいジャンルの指定(ユーザ指定では別情報を追加してほしくないジャンルを指定させてもよい)、時刻指定等が挙げられる。
また、コンテンツ関連情報に基づく別情報の追加とは、例えば、「携帯音楽プレーヤで音楽を視聴中に、ニュース速報等の別情報を音声合成し、イヤホンに出力することにより、ユーザは別情報を取得する」といったシナリオにおいて、まず、コンテンツの再生中に、コンテンツ関連情報を参照して視聴中の曲が特定のアーティストの曲であるか否かを判定する。そして、特定のアーティストの曲を視聴中である場合には、ニュース速報を保留しておき、その曲が終了した際に音声合成することにより、ユーザがコンテンツに集中したいタイミングを避けて情報提供することができる。
このように、本発明に係る端末によれば、コンテンツ再生中に別情報を提示するに際し、コンテンツを再生する度に別情報の抑止操作を行う必要もなく、ユーザに対しコンテンツ視聴中に不快感を与えずに済む。
また、端末には、コンテンツとコンテンツ関連情報を関連付けて記録する記録手段を備えることが好ましい。そして、コンテンツ関連情報参照手段は、記録手段で記録されたコンテンツがコンテンツ再生手段で再生されているときには、後述する通信網経由での参照を行わずに、記録手段で記録されたコンテンツ関連情報を参照することで済ませるとよい。
また、端末には、別情報を加工する別情報加工手段を備えることが好ましい。実際、別情報をそのまま出力するだけでなく、加工してからの出力も可能とすることで、ユーザに不快感を与えないような別情報提示方法の種類が増す。また、この別情報加工も、コンテンツ関連情報が所定の条件を満たしたときのみ実行するようにしてもよい。
また、端末には、通信網を通じて様々なデータを送受信する通信手段を備えておくことが好ましい。そして、コンテンツ関連情報参照手段は、この通信手段を介し通信網を通じて、通信網上のサーバ等の情報処理装置に格納されているコンテンツ関連情報を参照する手段を備えておいてもよい。また、端末には、通信手段を介し通信網を通じて、追加すべき別情報を取得する別情報取得手段をさらに備えることが好ましい。これらの形態のように、コンテンツ関連情報や別情報の取得経路を多くしておくことで、様々なシステムに対応できる。
また、本発明に係るコンテンツ再生システムは、端末と、端末に別情報を能動的にプッシュ配信する手段を有する別情報配信サーバを含むものとする。この別情報配信サーバは、通信網を通じてデータを送受信する通信手段と、端末を特定し別情報を配信する別情報配信手段とを有する。
本発明に係るコンテンツ再生システムによれば、コンテンツ再生中に別情報を提示するに際し、コンテンツを再生する度に別情報の抑止操作を行う必要もなく、ユーザに対しコンテンツ視聴中に不快感を与えずに済み、且つ、別情報提供者側からの能動的な配信に対応した提示も可能となる。
以降、図面を用いて本発明を詳細に説明する。なお、ここでは、端末における別情報,コンテンツ関連情報,コンテンツの様々な取得方法に対応可能なコンテンツ再生システムについて、本発明の一実施形態として説明を行う。本発明はその一部の取得方法にのみ必要なシステムとしても実現できることは言及するまでもない。また、コンテンツ再生システムとして本発明に係る別情報追加処理を実行可能な形態だけでなく、本発明に係る別情報追加処理を端末単体で実行可能な形態(サーバ等との接続なく端末単体で別情報,コンテンツ関連情報,コンテンツの取得が可能な形態)についても、併せて説明している。
図1は本発明の一実施形態に係るコンテンツ再生システムの一構成例を示す概略図、図2は図1におけるコンテンツ再生端末の一構成例を示すブロック図、図3は図1における別情報配信サーバの一構成例を示すブロック図、図4は図1におけるコンテンツ関連情報配信サーバの一構成例を示すブロック図である。
図1ないし図4において、1はコンテンツ再生端末、2は別情報配信サーバ、3はコンテンツ関連情報配信サーバ、4は通信網、5はコンテンツ、6はコンテンツ配信サーバ、11はコンテンツ再生部、12はコンテンツ関連情報参照部、13は別情報追加部、14は通信部、15は別情報取得部、16は記録部、17は別情報加工部、21は通信部、22は別情報配信部、23は別情報制御部、24は別情報加工部、31は通信部、32はコンテンツ関連情報配信部、33はコンテンツ関連情報加工部である。
本発明の一実施形態に係るコンテンツ再生システム(以下、本システムという)は、コンテンツ再生端末1、別情報配信サーバ2、コンテンツ関連情報配信サーバ3、およびコンテンツ配信サーバ6が、通信網4に接続されてなるシステムであり、少なくとも端末1と各サーバ2,3,6との間で相互にデータのやりとりが可能となっている。但し、これらサーバ2,3,6は同じ機器で構成してもよい。また、コンテンツ再生端末1としては、図1で図示するように、PC、携帯電話、TV、PDA、CDプレイヤ、およびDVD等が適用できる。
また、コンテンツ再生端末1は、コンテンツ5として、CD,DVD,記録メディア等の記録媒体に収録された収録データ、ハードディスク等に蓄積された音楽,動画,画像データ等を直接取得し、あるいは音楽,動画,画像データをコンテンツ配信サーバ6経由で通信網4を経て受信し、あるいは放送番組を受信して、再生する。なお、コンテンツ再生端末1は、これらのいずれかのコンテンツを再生可能に取得できればよい。
図2で例示するコンテンツ再生端末1は、コンテンツ再生手段の一例でなるコンテンツ再生部11、コンテンツ関連情報参照手段の一例でなるコンテンツ関連情報参照部12、別情報追加手段の一例でなる別情報追加部13、通信手段の一例でなる通信部14、別情報取得手段の一例でなる別情報取得部15、記録手段の一例でなる記録部16、および別情報加工手段の一例でなる別情報加工部17を備える。
コンテンツ再生部11は、コンテンツ5を再生する部位であり、コンテンツ5の再生にかかる必要な装置を内包しており、例えば、符号化されているコンテンツを復号化するチューナやMPEG復号化チップ等から構成される。別情報追加部13は、コンテンツ再生部11で映像や音声に変換された信号に、別情報を追加する。通信部14は、通信網4とのデータのやり取りを行う部位であり、通信網4の形態によってイーサネット(登録商標)カードや、無線LANアンテナ、赤外線送受光部等から構成される。
別情報加工部17は、音声や映像の加工を行う部位であり、例えばユーザ設定において、音声消去や、画像の縮小拡大を行う必要が生じた際に処理を行い、加工後の別情報を別情報追加部13に渡す。別情報取得部15は、追加すべき別情報を取得する部位であり、必要に応じて通信部14を利用し、インターネット上の情報などを収集することや、能動的に情報を受ける場合に受け口となるためのHTTPサーバアプリケーションの起動を行う。
コンテンツ関連情報参照部12は、再生中のコンテンツ5に関する情報を参照する部位であり、コンテンツ内にその情報が埋め込まれていない場合は通信部14を利用し、インターネット上から情報を収集する。記録部16は、HDDやフラッシュメモリ等から構成され、他の部位をコントロールするアプリケーション、ユーザの設定情報、コンテンツ5の保管部となりうる。
図3で例示する別情報配信サーバ2は、通信手段の一例でなる通信部21、別情報配信手段の一例でなる別情報配信部22、別情報制御部23、および別情報加工部24を備える。別情報配信サーバ2は、ショッピングサイト、ニュースサイト、オークションサイト、および株取引サイト等、種々のサイトをインターネット上で提示可能に備えるサーバであって、サイトに関連する別情報を配信している。なお、これらのサイトは基本的に複数の提供業者が別々に運営しており、従って通常、サイト毎に別のサーバで構築されているが、これらを1つにまとめて別情報の配信を包括的に行うようにサーバを構築してもよい。
通信部21は、コンテンツ再生端末1における通信部14と同様の構成でよく、その説明を省略する。別情報配信部22は、受動型の場合はHTTPサーバ等のアプリケーションを起動といった役割を担い、要求に応じて別情報の配信を行う。その代表的な実施形態は、ニュースサイトやポータルサイトである。また、能動型の場合は他のクライアントに向け情報を配信するアプリケーションを実装している。例えば、SMTPプロトコル、HTTPのPUTプロトコル、SIPプロトコル等を利用して能動的に別情報の配信を行う。
別情報制御部23は、別情報を受けたいユーザの設定によって別情報の配信タイミング等をコントロールできるアプリケーションから構成される。別情報加工部24は、別情報を受けたいユーザの設定によって別情報の内容を加工することができるアプリケーション等から構成される。なお、加工例については、前述のコンテンツ再生端末1の情報加工部17と同等であるため、その説明を省略する。
図4で例示するコンテンツ関連情報配信サーバ3は、通信部31、コンテンツ関連情報配信部32、およびコンテンツ関連情報加工部33を備える。コンテンツ関連情報配信サーバ3としては、電子番組表配信サーバやCD/DVD曲目(演目)配信サーバ等が挙げられ、これらのサーバは複数の提供業者が別々に設置運営してもよいし、配信を包括的に行うようにサーバを構築してもよい。
通信部31についての説明は、コンテンツ再生端末1の通信部14と同様であるため省略する。コンテンツ関連情報配信部32は、受動型の場合はHTTPサーバ等のアプリケーションの起動を担い、要求に応じてコンテンツ関連情報を配信を行う。その代表的な実施形態は、EPGサーバやCDDBサーバである。
コンテンツ関連情報加工部33は、コンテンツ関連情報をユーザごとにカスタマイズできるアプリケーションから構成される。例えば、番組表情報に、ユーザ毎に別情報配信をされたくない時間帯等のマーキングをつけたものを配信する。
本実施形態では、上述のごとき構成により、ニュース速報や広告情報等の別情報が追加された際に、再生コンテンツの関連情報を参照し、ユーザのコンテンツ視聴を(少なくともユーザがコンテンツに熱中している間)妨げずに、別情報の提供を行うことができる。例えば、ユーザが次週に同じ番組を視聴している際や、同じジャンルに属する番組、あるいは同じ出演者に関する番組を視聴している際などの、特定条件に合致するコンテンツを視聴中の場合には、自動的に広告の抑止を行うことや、別情報の追加方法を変更することにより、コンテンツ視聴を妨げずに別情報が提供できる。このように、再生中のコンテンツのタイトル、ジャンル、出演者等のコンテンツ関連情報を、通信網等を利用し、参照する手段を搭載し、特定条件に合致するコンテンツの再生時には情報の追加方法を容易に変更可能となる。さらに、本発明によれば、コンテンツ再生中の別情報の提示が、そのコンテンツに対するユーザの過去の視聴実態(コンテンツ再生中の別情報の視聴状態)に応じて実行できるので、コンテンツを再生する度に別情報の抑止操作を行う必要もない。また、本発明では、別情報提供者側からの能動的な配信に対応した提示も可能となる。
次に、図1ないし図4で説明したコンテンツ再生システムの一部あるいは全部を適用した具体例を説明する。
(具体例I)
まず、具体例Iとして、コンテンツ再生端末1のみでコンテンツ再生処理および別情報の追加処理が完結するシンプルなケースを説明する。また、この具体例Iでは、コンテンツ再生端末1はデジタル放送が再生できるTVであり、番組再生中にTV画面の一部に別情報として現在時刻を表示する機能を搭載しているものとし、「特定ジャンルの番組視聴中には時計表示を抑止する」といったシナリオを採用して説明する。
図5は本発明に係るコンテンツ再生端末における別情報追加処理の一例を説明するための模式図、図6は図5の別情報追加処理を実行するためのコンテンツ再生端末の一構成例を示すブロック図、図7は図6における復号化部の処理を説明するための模式図、図8は図5の別情報追加処理のうち抑止設定処理の一例を説明するためのフロー図、図9は図5の別情報追加処理のうち抑止実施処理の一例を説明するためのフロー図である。
まず、図5を参照して説明する。コンテンツ再生端末1は、デジタル放送アンテナ7からのデジタル放送波を受信し、TV画面に時刻表示と合成表示する(フェーズ1)。この状態でユーザがリモコン1aの「時計」ボタンを押下すると(フェーズ2)、時計表示が消え、以降、同様のジャンルの番組を視聴中には自動的に時計が表示されなくなる(フェーズ3)。
図6で例示するコンテンツ再生端末1において、コンテンツ再生部11は、デジタル放送アンテナ7から発せられた電波を受信アンテナ10aおよびケーブル10bを経由して受信し、デジタル放送チューナ11bを含む復号化部11aを用いて、図7に示すように、映像パート、音声パート、およびデータパートに復号化する。また、コンテンツ関連情報参照部12は、復号化されたデータパートから番組情報を参照し、番組ジャンル「科学」を取得する。
別情報追加部13は、現在時刻を取得する時刻取得部10dから現在時刻を取得し、復号化された映像パートに合成し、ディスプレイ10pやスピーカ10qから構成される出力部10cに出力する。
記録部16は、設定を保存するデータベースを持つ。演算処理部10eは、CPU(中央演算処理装置)10r、RAM(ランダムアクセスメモリ)10s、ROM(リードオンリーメモリ)10t等から構成され、記録部16のデータベースの読み書きを行うことや他の部位のアプリケーションの動作を担う。インターフェース部10fは、赤外線受光部10uを通じ、リモコン1aからの命令を受信し、時計の表示/非表示命令を演算処理部10eに伝える。
図8を参照して、時計抑止設定処理の流れを説明する。まず、ユーザが「科学ジャンルの番組を見ている際にはコンテンツに集中したいので時計表示を消したい」と感じ、科学ジャンルの番組を視聴中に、リモコン1aの「時計」ボタンを押下する(ステップS1)。
次に、現在時計が表示中であるか否かを判定し(ステップS2)、時計が表示されていた場合には、コンテンツ関連情報参照部12は、放送中の番組名、出演者、放送時間、ジャンルといったコンテンツ関連情報を参照する(ステップS3)。ステップS3で取得するコンテンツ関連情報としては、図7で示した例では、チャンネルが「1ch」、番組名が「宇宙実況」、ジャンルが「科学」といった番組情報となる。この例のように、もし、その際に取得した番組のジャンルが「科学」であった場合には、記録部16の時計表示抑止テーブルに、時計表示抑止ジャンルとして「科学」を追記する(ステップS4)。同様に、仮に「ドラマ」を表示中にステップS1のユーザ操作がなされた場合には、データベース中の時計表示抑止テーブルに「ドラマ」を追記する。次に、別情報追加部13は、時計表示の追加を中止する(ステップS5)。
一方、ステップS2で時計が表示されていなかった場合には、データベース中の時計表示抑止テーブルから「科学」を消去し(ステップS6)、時計表示を行う(ステップS7)。以上で、科学ジャンルの番組視聴中に時計表示/非表示の設定の流れの解説を終了する。
次に、図9を参照して、時計表示が抑止される処理の流れを説明する。まず、ユーザがTV視聴中に見ていた番組が終了して次の番組が始まるか、あるいはユーザのリモコン1a操作によりチャンネルが切り替わり、現在視聴中のものとは違う番組が開始された際など、番組開始/チャンネル変更を検出する(ステップS11)。この検出により、コンテンツ関連情報参照部12は、放送中の番組情報を参照し(ステップS12)、番組のジャンルを取得する。ステップS12で取得するコンテンツ関連情報としては、例えば、チャンネルが「3ch」、番組名が「健康と科学」、ジャンルが「科学」といった番組情報となる。
次に、記録部16にデータベース形式で記録されている時計表示抑止ジャンルテーブルを参照し、この例のように、「科学」が含まれているならば(ステップS13でYES)、別情報追加部13は時計表示の追加を中止する(ステップS14)。逆に、含まれていなければ時計表示を追加表示する(ステップS15)。
図8および図9で説明した2つの処理により、ユーザは集中したい番組のジャンルの視聴中には時計表示を抑止設定することができ、次の番組が始まった場合や違うチャンネルに変えた際に、抑止対象でない番組の再生が開始された場合には再度時計が表示される。また、同様の流れで、番組単位、出演者単位、あるいはチャンネル単位での設定も可能である。
(具体例II)
次に、具体例IIとして、コンテンツ再生処理および別情報の追加処理が、コンテンツ再生端末1、別情報配信サーバ2、およびコンテンツ関連情報配信サーバ3が通信網4で接続されてなるシステムにおいて実行されるケースを説明する。
また、この具体例IIでは、コンテンツ再生端末1を通信網4に常時接続されている地上波情報家電TV、別情報配信サーバ2を株取引情報を配信して株の売買を促進する株取引サイト、コンテンツ関連情報配信サーバ3を電子番組表配信サーバ、通信網4をインターネット網、コンテンツ5を地上波TV番組、とそれぞれ仮定する。さらに、具体例IIにおいては、ユーザは「『A社の株価が¥1800を超えた』といった情報を受けたいが、音楽番組再生中は番組に集中したいため、無音で配信を行って欲しい」といった要求があると仮定したシナリオを採用して説明する。
図10は本発明に係るコンテンツ再生システムにおける別情報追加処理の他の例を説明するための模式図、図11は図10の別情報追加処理を実行するためのコンテンツ再生端末の一構成例を示すブロック図、図12は図11のコンテンツ再生端末における各部の詳細を説明するための図である。ここで、図12(A)は復号化部の処理を説明するための模式図、図12(B)は通信部で受け取る番組情報の例を説明するための模式図、図12(C)は記録部に記録された別情報表示抑止テーブルの例を説明するための模式図である。
まず、図10を参照して説明する。コンテンツ再生端末1は、地上波放送アンテナ8からの放送波を受信し、ディスプレイ10pに表示する。また、通信網4に常時接続しており、電子番組表配信サーバ3から電子番組表を取得し、現在放送中の番組情報を得ることができ、また、ユーザは希望の株価変動があった際に株取引サイト2から株価変動の別情報を受けることが可能である。
ここで、別情報は、株取引サイト2で作成され、例えば、図10中の地上波情報家電TV1における小窓10ppに表示されたような情報である。この例での別情報は、小窓形式で、別情報を受けたという注意を促すチャイム音と、「A社の株価が¥1800円を超えました」と記述された文章と、さらに同内容を合成音声で読み上げが成されて消えるという一連の15秒程度のポップアップメッセージである。別情報を受けた地上波情報家電TV1は、ディスプレイ10pの画面の右下に別情報を表示し、スピーカ10qから現在の視聴中の番組の音と合成された音声を流す。このように、例えば250ピクセル×250ピクセルの大きさの小窓10ppが15秒程度、TV画面(ディスプレイ10p)の一部に表示されて消える。そして、情報が届くと(例えば表示と同時に)、チャイム音を鳴らして視聴者にメッセージ到着を知らせ、合成音声読み上げ処理により文章を読み上げる。
図11で例示するコンテンツ再生端末1(地上波情報家電TV)において、コンテンツ再生部11は、地上波放送アンテナ8から発せられた電波を受信アンテナ10g、ケーブル10hを経由して受信し、地上波放送チューナ11cを含む復号化部11aを用いて、図12(A)でコンテンツの復号化のイメージを示すように、映像パート、音声パートに復号化する。
コンテンツ関連情報参照部12は、図12(B)で番組情報の例を示すように、イーサネット(登録商標)カード14aを含む通信部14を通じ、通信網4(インターネット)に接続して、コンテンツ関連情報配信サーバ3(電子番組表サーバ)に接続し、現在放送中の番組のジャンル、出演者、放送時間、番組タイトル等のコンテンツ関連情報を取得する。図12(B)で番組情報の例では、コンテンツ関連情報として、チャンネルが「6ch」、番組名が「ポップミュージック」、ジャンルが「音楽番組」、出演者が「○○××」といった番組情報を取得する。
別情報取得部15は、外部からの情報を待ち受ける部位であり、HTTPサーバを立ち上げ、通信部14経由で別情報配信サーバ2(株取引サイト)からの情報を受け取ることができる。別情報加工部17は、別情報取得部15から小窓10ppおよび付属の音声で例示したような別情報を受け取り、ユーザの指定条件によって、例えば音声のみの消去といった加工を行う。別情報追加部13は、別情報加工部17で加工済みの別情報を合成し、ディスプレイ10pとスピーカ10q等からなる出力部10cに出力する。
インターフェース部10fは、赤外線受光部10uを通じ、リモコン1aからの信号を受信し、演算処理部10eに制御命令を伝える。記録部16は、HDDから構成され、図12(C)で示す別情報表示抑止テーブルのような、ユーザの情報加工設定を保存するデータベースを持つ。図12(C)の例では、別情報表示抑止テーブルとして、抑止チャンネルが「1ch」でその抑止方法が「全抑止」、抑止ジャンルが「音楽番組」でその抑止方法が「音抑止」といった情報を格納している。演算処理部10eは、CPU10r、RAM10s、ROM10t等から構成され、記録部16のデータベースの読み書きや、別情報取得部15のサーバアプリケーションの処理等を行う。
図13は図10の別情報追加処理を実行するための別情報配信サーバの一構成例を示すブロック図である。図13では、別情報配信サーバ2として、株取引サイトをユーザに提供するためのサーバを例に挙げて説明する。
別情報配信サーバ2は、通信部21、株価情報保管部26、記録部28、別情報作成部25、演算処理部27、および別情報配信部22を構成要素として備える。
通信部21は、通信網4と接続し、イーサネット(登録商標)カード21aから構成される。株価情報保管部26は、株価情報を保持する。記録部28は、HDDから構成され、ユーザ情報とユーザ設定を記録するデータベースを構成する。別情報作成部25は、そのユーザ設定と株価情報からユーザ毎の別情報を作成する。演算処理部27は、これらの部位を動作させるためのCPU27a、RAM27b、ROM27c等から構成される。別情報配信部22は、別情報を各ユーザの端末に配信するためのアプリケーション等からなる。
図14は図10の別情報追加処理を実行するためのコンテンツ関連情報配信サーバの一構成例を示すブロック図である。図14では、コンテンツ関連情報配信サーバ3として、電子番組表サーバを例に挙げて説明する。
コンテンツ関連情報配信サーバ3(電子番組表サーバ)は、通信部31、コンテンツ関連情報配信部32、電子番組表保管部34、演算処理部35、および記録部36を備える。
通信部31は、通信網4と接続し、データをやりとりするイーサネット(登録商標)カード31a等からなる。コンテンツ関連情報配信部32は、電子番組表を配信するためのサーバアプリケーション等からなる。電子番組表保管部34は、電子番組表データを保持する。演算処理部35は、前述の部位を動作させるためのCPU35a、RAM35b、ROM35c等から構成される。記録部36は、前述の部位のアプリケーション等を格納する。
図10ないし図14で説明したシステム構成における大まかな処理の流れを図15を用いて説明する。図15は図10の別情報追加処理の概要を説明するためのフロー図である。
フェーズ0は、ユーザ登録フェーズであり、ユーザ側のアクションとなる。フェーズ0では、まず、ユーザは情報配信を受けるため、株取引サイト2にユーザ登録を行う(ステップS20)。もし、既にこのサイト2にユーザ登録が済んでいる場合にはこのフェーズは必要ない。
フェーズ1は、情報配信設定フェーズであり、ユーザ側のアクションとなる。フェーズ1では、ユーザはどんな情報が欲しいかといった設定を行う(ステップS21)。具体的には、「A社の株価が¥1800円を超えた」という情報を配信して欲しいといった設定を行う。ここで行った設定はユーザIDとともに株取引サイト2の記録部28のデータベースに記録される。
フェーズ2は、情報配信フェーズであり、株取引サイト側のアクションとなる。フェーズ2では、株の取引情報を常に監視している株取引サイト2が、ユーザの設定条件になった際にユーザのTV1に向けて音と映像つきのウィンドウを開く方式で情報を配信する(ステップS22)。
フェーズ3は、情報表示方法変更フェーズであり、ユーザ側のアクションとなる。フェーズ3では、ユーザが「音楽番組再生中は音楽に集中したいため株情報の配信は画像のみで音を鳴らさないで欲しい」と感じたため、該当ジャンルの番組再生中は配信情報の音を消すという設定をTV上で行う(ステップS23)。この設定はユーザのTVの記録部16に保存される。
フェーズ4は、情報加工/表示フェーズであり、ユーザ側のアクションとなる。フェーズ4では、以降、ユーザのTVは株取引サイトからの配信を受ける度に、ユーザの設定した条件下での情報表示を行う(ステップS24)。
以降、各フェーズの詳細な説明を行う。
<フェーズ0>
図16は図15の処理のうち株取引サイトにおけるユーザ登録処理(ユーザ登録フェーズ)の一例を説明するためのフロー図、図17は図16のユーザ登録処理を補足して説明するための模式図である。ここで、図17(A)はユーザ登録画面の一例を示す図、図17(B)はユーザ登録時のエラー画面の一例を示す図、図17(C)はユーザデータベースのテーブルの一例を示す図である。
ステップS20のフェーズ0(ユーザ登録フェーズ)では、まず、ユーザが株取引サイト2にアクセスする。すると株取引サイト2側では図17(A)のごときユーザ登録画面を表示する(ステップS31)。ユーザは、TV1において、ユーザ登録画面に従い、自分のID(yamada)、パスワード(password)、配信先のIPアドレス(192.168.0.1)を入力する。
なお、配信先として、ここではIPアドレスを例に説明したが、DDNS(Dynamic DNS)サービスと組み合わせたホスト名や、インターネット電話の電話番号代わりに使用されるSIP(Session Initiation Protocol)アドレス、あるいは電子メールを用いてもよい。
株取引サイト2では、記録部28に保管されているユーザデータベースを参照し(ステップS32)、ユーザIDおよびパスワードをそのデータベースから照合し(ステップS33)、前記データベース上に存在しなければ新規登録する(ステップS34)。ユーザデータベースは、例えばユーザ登録画面での入力情報の一部あるいは全部に相当する図17(C)で例示するような情報(ユーザID、パスワード、および送信先等)を格納している。また、すでに存在している場合は、図17(B)で例示したように「すでにIDが登録されています。別のIDを登録してください」などといったエラー画面を表示する(ステップS35)。
<フェーズ1>
図18は図15の処理のうち株取引サイトにおけるログイン処理(ログインフェーズ)の一例を説明するためのフロー図、図19は図18のログイン処理を補足して説明するための模式図である。ここで、図19(A)はログイン画面の一例を示す図である。図19(B)はログイン時のエラー画面の一例を示す図である。図19(C)はユーザデータベースのテーブルの一例を示す図である。また、図20は図15の処理のうち株取引サイトにおける情報配信設定処理(情報配信設定フェーズ)の一例を説明するためのフロー図、図21は図20の情報配信設定処理を補足して説明するための模式図である。ここで、図21(A)は情報配信設定画面の一例を示す図、図21(B)は情報配信設定後の確認画面の一例を示す図、図21(C)はデータベース「配信条件テーブル」の一例を示す図である。
ステップS21のフェーズ1(別情報配信設定フェーズ)では、まず、ユーザが株取引サイト2のログインアドレスにアクセスする。図19(A)で例示するような、ログイン画面がディスプレイ10pに表示され(ステップS41)、ユーザ入力によりログイン処理を開始する。
株取引サイト2側では、記録部28に保管されているユーザデータベースを参照し、ユーザIDとパスワードの照合を行う(ステップS42)。図19(C)で例示するように、ユーザデータベースにユーザIDとパスワードのペアが存在すれば(ステップS43でYES)、配信先のIPアドレス(192.168.0.1)を読み出し(ステップS44)、次の設定画面に進む。存在しなければ、図19(B)で例示したように「IDが登録されていないか、パスワードが違います」などといったエラー画面を表示する(ステップS45)。
次に、図20を参照して、ユーザが「A社の株価が¥1800を超えたら配信を行う」という条件設定をする流れを説明する。まず、株取引サイト2は、情報配信設定画面表示を行う(ステップS51)。ユーザは、図21(A)で例示するような情報配信設定画面において、受け取りたい情報の条件設定を行う。
図21(A)の例で説明すると、まず、会社選択で「A社」を選択し、情報を受け取りたい株価の閾値の欄に「¥1800」と入力し、配信条件として「超えたら配信」を選択する。株取引サイト2側では、受け取った条件を記録部28のデータベースの条件テーブル:notice(図21(C)を参照)に保管する(ステップS52)。続いて、株取引サイト2が、図21(B)で例示するような「設定が完了致しました。A社株が¥1800を超えた際に192.168.0.1宛に情報配信を行います」などといった情報配信確認画面をTV1のディスプレイ10pに表示させる(ステップS53)。
<フェーズ2>
図22は図15の処理のうち株取引サイトにおける別情報配信処理(別情報配信フェーズ)の一例を説明するためのフロー図、図23は図22の別情報配信処理を補足して説明するための模式図である。ここで、図23(A)は情報配信時の画面の一例を示す図、図23(B)は情報配信時の通信内容の一例を示す図である。
ステップS22のフェーズ2(情報配信フェーズ)では、ユーザの地上波情報家電TV1に別情報を配信するに際して、まず、株取引サイト2が株価変動を常に監視している(ものとするステップS61)。株価変動があった際に(ステップS62でYES)、記録部28のデータベースに保管されているユーザの配信条件を参照し、配信条件に達しているかどうかを判定する(ステップS63)。ステップS63で配信条件になっていた場合には、別情作成部25は「A社の株価が¥1800円を超えた」という音付きのポップアップメッセージを作成する(ステップS64)。
次に、別情報配信部22は、配信先である、ユーザの情報家電TV1のIPアドレス(192.168.0.1)のHTTPポート宛に、POSTメソッドの添付部分にポップアップメッセージをエンコードして埋め込み(図23(B)を参照)、通信部21を通じて配信する(ステップS65)。変動がない場合や、該当ユーザの指定条件に達していない場合にはステップS61に戻る。
ユーザの地上波情報家電TV1は、別情報取得部15に起動しているHTTPサーバが別情報を受け取り、アプリケーションを起動し、別情報のPOSTメソッドの添付部分をデコードし、ポップアップメッセージを再構築し、別情報追加部13によって現在再生中のコンテンツに株価情報の別情報を追加する。図23(A)で例示するように、追加された映像パートは、ディスプレイ10pの小窓10ppで、音声パートはスピーカ10qで再生される。
<フェーズ3>
図24は図15の処理のうち株取引サイトにおける抑止情報配信処理(情報配信表示設定フェーズ)の一例を説明するためのフロー図、図25は図24の抑止情報配信処理を補足して説明するための模式図である。ここで、図25(A)は情報配信表示設定時の情報ブロック時の画面の一例を示す図、図25(B)は情報配信表示設定時の番組情報の一例を示す図、図25(C)は抑止レベル設定画面の一例を示す図、図25(D)は抑止方法設定画面の一例を示す図、図25(E)は情報表示抑止テーブルの一例を示す図である。
ステップS23のフェーズ3(情報表示方法変更フェーズ)について、別情報配信を地上波情報家電TV1で受けたユーザが、情報配信方法を設定するケースを説明する。まず、ユーザが「音楽番組に熱中しており、別情報は欲しいが音での配信は不要と感じたため、配信方法を変更しよう」と思い、図25(A)で例示するように、リモコン1aの「情報」ボタン1bを押下した(ステップS71)とする。ユーザの地上波情報家電TV1のコンテンツ関連情報参照部12は、通信網4を利用し、電子番組表を取得し、図25(B)で例示するような、この時点で再生しているコンテンツ関連情報を取得する(ステップS72)。
この電子番組表情報を基に、まず、図25(C)で例示するような、どのレベルで抑止するかのレベル設定画面を表示する(ステップS73)。「番組」、「ジャンル」、「出演者」、あるいは「チャンネル」といった抑止したいレベルをリモコン1aの上下ボタンで選択して設定できる。「番組」は、この番組に限った設定で、毎週この番組が再生されている際にのみに適用される。「ジャンル」は、音楽番組全てを再生している際に適用される。「出演者」は、この出演者が出演している番組を再生している際に全て適用される。「チャンネル」は、このチャンネルを再生している際には全て適用される。地上波情報家電TVは、ここで設定された抑止レベルを記憶しておき次のステップに進む(ステップS74)。
次に抑止方法を設定する。図25(D)で例示するように、「保留する」、「画像のみで配信」、「音声のみで配信」が選べるプルダウンメニューを表示する(ステップS75)。ユーザは、リモコン1aの上下ボタンで選択して設定できる。「保留する」は、次回から抑止設定がされていない状態の番組が始まるか、チャンネルが切り替わるまで情報配信が保留される。「画像のみで配信」は、別情報加工部17において音声が抹消されて別情報追加部13に渡される。「音声のみで配信」は、同様に画像が抹消される。
この例では、レベルとして「ジャンル」、方法として「画像のみで配信」が選択されたため、ユーザの地上波情報家電TV1は、記録部16に保管されている情報(別情報)表示抑止テーブルに、音楽番組では音のみを消去するという情報を書き込む(ステップS76)。ステップS76で書き込まれる情報は、図25(E)で例示するように、抑止チャンネルが「1ch」でその抑止方法が「全抑止」、抑止ジャンルが「音楽番組」でその抑止方法が「音抑止」といった情報となる。
<フェーズ4>
図26は図15の処理のうち株取引サイトにおける、別情報抑止状態での別情報追加処理(情報加工/表示フェーズ)の一例を説明するためのフロー図である。
ステップS24のフェーズ4(情報加工/表示フェーズ)を、前フェーズで設定した情報表示抑止状態でユーザの地上波情報家電TV1が別情報を受信したケースを例に挙げて説明する。
まず、ユーザが地上波情報家電TVの電源を入れ、コンテンツの再生開始(ステップS81)を行うと、演算処理部10eは記録部16に「保留」状態の別情報が存在するかどうかを判定する(ステップS82)。ステップS82で無いと判定された場合、別情報追加部13は何もせず、コンテンツ再生部11が再生しているコンテンツはそのまま出力部10cへ配信され、コンテンツが再生される(ステップS83)。一方、ステップS82であると判定された場合、現在視聴しているコンテンツ関連情報を持っているかどうかを判定し(ステップS86)、無いならば通信部14を通じ、コンテンツ関連情報を取得する(ステップS87)。ここで取得するコンテンツ関連情報としては、例えば、リソースが「TV番組」、チャンネルが「3ch」、番組名が「J−Pop」、ジャンルが「音楽番組」、出演者が「○○、××」といった番組情報が挙げられる。
ここでコンテンツ関連情報を参照し(ステップS88)、ユーザが設定した保留条件に合致しているか否かを判定する(ステップS89)。この判定は、例えば、「○○」が出演中は別情報の追加を保留する、あるいはCD再生中は別情報の追加を保留する、といった特定条件テーブル[保留]を参照することで行えばよい。ステップS89で合致していると判定された場合、別情報を記録部16に記憶して保留しておき(ステップS90)、コンテンツ再生へと進む(ステップS83)。
次に、ステップS89において特定条件「保留」に合致しなかった場合、加工に関する特定条件に合致するか否かを判定する(ステップS91)。この判定は、例えば、「音楽番組」ジャンルの再生中は別情報の音を消去する、といった特定条件テーブル[加工]を参照することで行えばよい。ステップS91で加工に合致していたと判定された場合は、別情報加工部17は別情報を加工する(ステップS92)。ステップS92では、音楽番組再生中は、別情報に付属している音声部分を消去し、画像のみに加工する。保留にも加工にも合致しない場合は、そのまま別情報追加部13が別情報を追加する(ステップS93)。
その後、別情報追加部13は、順次別情報の追加を行い、保留している情報がなくなるまでループする(ステップS82へ戻る)。最終的にコンテンツ再生状態で安定状態に入ると、次はステップS83におけるイベント待ち受け状態になる。ここで、イベントとは「再生コンテンツ切り替え(ステップS84)」、「別情報受信(ステップS85)」、および「再生終了(ステップS94)」の3パターンがある。
「再生コンテンツ切り替え」は、現在見ている番組が終了し次の番組が始まった場合や、チャンネルの切り替え、あるいはビデオの再生など、再生しているコンテンツの切り替えが起こった場合に発生する(ステップS84)。この場合、スタート時と同じくステップS82に移動し、判定を行う。
次に「別情報受信」であるが、これは新たに別情報を受信した場合に発生する(ステップS85)。ステップS85の後は、ステップS86に遷移する。次に「再生終了」であるが、これはTVの電源を切るなどして、再生を終了した場合に発生し、全ての動作を終了する(ステップS94)。
以上、本発明について具体例I,IIを例示して説明したが、これらの具体例においてコンテンツを様々な形態におきかえてもよい。例えば、コンテンツ再生端末1がTVチューナ機能搭載パソコンとした場合、TV番組を視聴中に電子番組表を参照し、「『アーティスト:○○××』の出演中には情報表示を抑止」といった設定を行った場合、その後、前述アーティストのCDの再生中や、通信網4からダウンロードした音楽データを再生中にも別情報追加制御を適用してもよい。
以上、発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、今回開示した実施の形態および実施例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
1…コンテンツ再生装置(コンテンツ再生端末)、1a…リモコン、1b…情報ボタン、2…別情報配信サーバ、3…コンテンツ関連情報配信サーバ、4…通信網、5…コンテンツ、6…コンテンツ配信サーバ、7…デジタル放送アンテナ、8…地上波放送アンテナ、10a,10g…受信アンテナ、10b,10h…ケーブル、10c…出力部、10d…時刻取得部、10e,27,35…演算処理部、10f…インターフェース部、10p…ディスプレイ、10q…スピーカ、10r,27a,35a…CPU、10s,27b,35b…RAM、10t,27c,35c…ROM、10u…赤外線受光部、11…コンテンツ再生部、11a…復号化部、11b…デジタル放送チューナ、11c…地上波放送チューナ、12…コンテンツ関連情報参照部、13…別情報追加部、14,21,31…通信部、14a,21a,31a…イーサネット(登録商標)カード、15…別情報取得部、16,28,36…記録部、17,24…別情報加工部、22…別情報配信部、23…別情報制御部、25…別情報作成部、26…株価情報保管部、32…コンテンツ関連情報配信部、33…コンテンツ関連情報加工部、34…電子番組表保管部。