JP2006291865A - 水力機械のランナおよび水力機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】 水流がランナ羽根の負圧面から剥離することを抑制することで、機器効率の低下や振動、騒音を防止することができ、また、ランナ羽根の負圧面のキャビテーションによる壊食を抑制すること。
【解決手段】 水力機械のランナ10は、回転軸11と、この回転軸11に連結されたランナクラウン12と、ランナクラウン12から離間して位置するランナバンド13と、ランナクラウン12とランナバンド13との間であって回転軸11の周りに複数枚配置されたランナ羽根20とを備えている。各ランナ羽根20は、負圧面23において膨らみ部25を有している。この膨らみ部25は、ランナ羽根20における水車運転時の水流の入口側先端Paの近傍に設けられている。
【選択図】 図2
【解決手段】 水力機械のランナ10は、回転軸11と、この回転軸11に連結されたランナクラウン12と、ランナクラウン12から離間して位置するランナバンド13と、ランナクラウン12とランナバンド13との間であって回転軸11の周りに複数枚配置されたランナ羽根20とを備えている。各ランナ羽根20は、負圧面23において膨らみ部25を有している。この膨らみ部25は、ランナ羽根20における水車運転時の水流の入口側先端Paの近傍に設けられている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、水車運転を行う水力機械のランナに関し、とりわけ水流がランナ羽根の負圧面から剥離することを抑制することができるフランシス水車ランナに関する。
従来より、回転軸と、この回転軸に連結されたランナクラウンと、ランナクラウンから離間して位置するランナバンドと、ランナクラウンとランナバンドとの間であって回転軸の周りに複数枚配置されたランナ羽根とを備えた、ポンプ運転や水車運転を行う水力機械のランナが知られている。
このような水力機械のランナは、ポンプ運転時には例えば発電電動機により回転駆動されたランナによって、下池から水が吸い上げられて上池に運搬されるようになっている。一方、水車運転時には水力機械のランナは上方から供給される水によって回転駆動力を得て回転し、発電を行うことができるようになっている。
このような水力機械のランナは、ポンプ運転時には例えば発電電動機により回転駆動されたランナによって、下池から水が吸い上げられて上池に運搬されるようになっている。一方、水車運転時には水力機械のランナは上方から供給される水によって回転駆動力を得て回転し、発電を行うことができるようになっている。
上述の水力機械のランナは、常に最高効率点付近の良好な運転条件下で運転されるわけではなく、例えば河川等の流況や電力の需要の大きさによって、当該水力機械に関する落差や流量(出力)が変化する。
ここで、最高効率点から離れた運転条件下で水車運転を行う場合、ランナ羽根における水流の入口側先端において、回転系から見た水流の相対的な向きとランナ羽根の延びる向きとの間にずれが生じたり、ランナ出口において、大きな旋回成分を有する水流が流出したりすることがある。このため、水力機械の運転効率の低下を招くとともに不安定な流動状態に陥りやすくなる。特に流量が小さな部分負荷運転においては、運転条件によってはランナ羽根の入口側先端付近において水流がランナ羽根の表面から剥離してキャビテーションが発生し、機器の振動や騒音、場合によってはランナ羽根の壊食が発生するおそれがある。
ここで、最高効率点から離れた運転条件下で水車運転を行う場合、ランナ羽根における水流の入口側先端において、回転系から見た水流の相対的な向きとランナ羽根の延びる向きとの間にずれが生じたり、ランナ出口において、大きな旋回成分を有する水流が流出したりすることがある。このため、水力機械の運転効率の低下を招くとともに不安定な流動状態に陥りやすくなる。特に流量が小さな部分負荷運転においては、運転条件によってはランナ羽根の入口側先端付近において水流がランナ羽根の表面から剥離してキャビテーションが発生し、機器の振動や騒音、場合によってはランナ羽根の壊食が発生するおそれがある。
このようなランナ羽根の入口側先端付近における水流の剥離やキャビテーションを抑制する方法としては、主にポンプ水車のランナにおいて、ランナ羽根の圧力面における水車運転時の水流の入口側先端の近傍に膨らみ部を設ける方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。ここで、ランナ羽根の圧力面とは、ランナ羽根における水流を受ける面のことをいう。
このような方法を用いることにより、水車運転の低落差運転時においても回転系から見た水流の相対的な向きとランナ羽根の圧力面の入口先端付近の向きとの間のずれを小さくすることができ、低落差運転時の水流がランナ羽根の圧力面に沿って流れるようになる。
このような方法を用いることにより、水車運転の低落差運転時においても回転系から見た水流の相対的な向きとランナ羽根の圧力面の入口先端付近の向きとの間のずれを小さくすることができ、低落差運転時の水流がランナ羽根の圧力面に沿って流れるようになる。
一方、専ら水車運転を行う発電専用のフランシス水車ランナにおいては、発電所の運転要項と、これに合うよう選定された水車の水力特性との関係に起因して、高落差側の部分負荷運転では図10に示すようなランナ羽根の負圧面における水流の剥離(剥離渦)がより一層問題となる。
最高効率点近傍の運転点では、水流の相対的な向きと、ランナ羽根の延びる向きとはほぼ一致して良好な流れとなるのに対して、高落差側の部分負荷運転では図10に示すように、相対速度Wの向きと羽根の角度にずれが生じ、このずれが大きくなると、水流がランナ羽根50の入口側先端Paで負圧面53に沿って回り込むことができなくなって水流の剥離が発生する。なお、図10において、矢印Vは水車運転時の水流の静止系から見た速度(絶対速度)のベクトルを示し、矢印Uはランナ羽根50の入口側先端Paの回転による周速度ベクトルを示している。また、相対速度Wが周方向、すなわち周速度とのなす角度を流れ角度β、ランナ羽根の延びる向きと周方向とのなす角度を羽根角度αとする。流れ角度βと羽根角度αとの間のずれによって発生する入口側先端Pa付近での剥離は、ランナ羽根50の下流側においても再付着せずに大きな剥離となって機器効率を大幅に低下させ、またエネルギーの高いランナ入口部分での水流を巻き込むために大きな騒音や振動を発生させてしまうという問題がある。また、この剥離が渦状となって巻き上がり、その中心部での圧力が低下してキャビテーション状になることもあり、発達すると機器に接触して壊食を生じさせることもある。さらに、剥離が生じない場合においても図11に示すように、水流がランナ羽根50の先端部付近を回り込む際にキャビテーションが発生し、ランナ羽根50の負圧面53側の表面が壊食されてしまうという問題もある。
最高効率点近傍の運転点では、水流の相対的な向きと、ランナ羽根の延びる向きとはほぼ一致して良好な流れとなるのに対して、高落差側の部分負荷運転では図10に示すように、相対速度Wの向きと羽根の角度にずれが生じ、このずれが大きくなると、水流がランナ羽根50の入口側先端Paで負圧面53に沿って回り込むことができなくなって水流の剥離が発生する。なお、図10において、矢印Vは水車運転時の水流の静止系から見た速度(絶対速度)のベクトルを示し、矢印Uはランナ羽根50の入口側先端Paの回転による周速度ベクトルを示している。また、相対速度Wが周方向、すなわち周速度とのなす角度を流れ角度β、ランナ羽根の延びる向きと周方向とのなす角度を羽根角度αとする。流れ角度βと羽根角度αとの間のずれによって発生する入口側先端Pa付近での剥離は、ランナ羽根50の下流側においても再付着せずに大きな剥離となって機器効率を大幅に低下させ、またエネルギーの高いランナ入口部分での水流を巻き込むために大きな騒音や振動を発生させてしまうという問題がある。また、この剥離が渦状となって巻き上がり、その中心部での圧力が低下してキャビテーション状になることもあり、発達すると機器に接触して壊食を生じさせることもある。さらに、剥離が生じない場合においても図11に示すように、水流がランナ羽根50の先端部付近を回り込む際にキャビテーションが発生し、ランナ羽根50の負圧面53側の表面が壊食されてしまうという問題もある。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであって、水流がランナ羽根の負圧面から剥離することを抑制することで機器効率の低下や振動、騒音を防止でき、また、ランナ羽根の負圧面のキャビテーションによる壊食を抑制することができる水力機械のランナおよび水力機械を提供することを目的とする。
本発明は、回転軸と、この回転軸に連結されたランナクラウンと、このランナクラウンから離間して位置するランナバンドと、ランナクラウンとランナバンドとの間であって回転軸の周りに複数枚配置されたランナ羽根とを備えた、水車運転を行う水力機械のランナにおいて、各ランナ羽根は、負圧面において水車運転時の水流の入口側先端の近傍に膨らみ部を有することを特徴とする水力機械のランナである。
このような水力機械のランナによれば、各ランナ羽根の負圧面に膨らみ部を設けない場合と比べて、回転系から見た水流の相対的な向きと、ランナ羽根の入口側先端の近傍における負圧面の向きとの間のずれを小さくすることができ、水流がランナ羽根の負圧面から剥離する限界流量を大幅に低減することができる。
このような水力機械のランナによれば、各ランナ羽根の負圧面に膨らみ部を設けない場合と比べて、回転系から見た水流の相対的な向きと、ランナ羽根の入口側先端の近傍における負圧面の向きとの間のずれを小さくすることができ、水流がランナ羽根の負圧面から剥離する限界流量を大幅に低減することができる。
本発明の水力機械のランナにおいては、各ランナ羽根の膨らみ部は、ランナ羽根の入口側先端から、ランナ出口径Dの1/10の距離L0の位置までの範囲内に位置することが好ましい。
このような水力機械のランナによれば、ランナ羽根の厚さが最大となる位置を入口側先端により近づけることができ、膨らみ部の曲率半径をより小さなものとすることができるので、ランナ羽根の入口側先端の近傍における負圧面の向きとの間のずれをより小さくすることができる。
このような水力機械のランナによれば、ランナ羽根の厚さが最大となる位置を入口側先端により近づけることができ、膨らみ部の曲率半径をより小さなものとすることができるので、ランナ羽根の入口側先端の近傍における負圧面の向きとの間のずれをより小さくすることができる。
本発明の水力機械のランナにおいては、各ランナ羽根の膨らみ部は、ランナ羽根の入口側先端から水流に沿って延びる凸形状の第1の表面部分と、第1の表面部分に後続する凹形状の第2の表面部分とを有することが好ましい。
このような水力機械のランナによれば、ランナ羽根の負圧面においてキャビテーションが発生した場合であっても、このキャビテーションは第1の表面部分における膨らみ部が最大厚さとなる位置の下流側に発生することとなり、しかも第2の表面部分が凹形状となっているのでこのキャビテーションの発生位置はランナ羽根の負圧面から離間した位置となる。このため、キャビテーションによるランナ羽根の壊食を抑止することができる。また、仮にこの部分で流れが剥離しても、入口端での剥離とは異なり、羽根角度と流れ角度との差は小さく、直ちに再付着するため、大きな効率低下や騒音、振動は生じない。
このような水力機械のランナによれば、ランナ羽根の負圧面においてキャビテーションが発生した場合であっても、このキャビテーションは第1の表面部分における膨らみ部が最大厚さとなる位置の下流側に発生することとなり、しかも第2の表面部分が凹形状となっているのでこのキャビテーションの発生位置はランナ羽根の負圧面から離間した位置となる。このため、キャビテーションによるランナ羽根の壊食を抑止することができる。また、仮にこの部分で流れが剥離しても、入口端での剥離とは異なり、羽根角度と流れ角度との差は小さく、直ちに再付着するため、大きな効率低下や騒音、振動は生じない。
本発明の水力機械のランナにおいては、各ランナ羽根の膨らみ部の最大厚さをTmax、このランナ羽根の入口側先端からランナ出口径Dの1/10の距離L0の位置における基準厚さをT0としたとき、前記最大厚さTmaxと前記基準厚さT0との比が1.1≦Tmax/T0≦1.6となっていることが好ましい。
このような水力機械のランナによれば、水車運転時の水流が膨らみ部に衝突することにより発生する水力損失を小さくすることができるとともに、水流がランナ羽根の負圧面から剥離する限界流量を大幅に低減することができる。
このような水力機械のランナによれば、水車運転時の水流が膨らみ部に衝突することにより発生する水力損失を小さくすることができるとともに、水流がランナ羽根の負圧面から剥離する限界流量を大幅に低減することができる。
本発明の水力機械のランナにおいては、各ランナ羽根の膨らみ部の最大厚さをTmax、このランナ羽根の入口側先端から前記膨らみ部が最大厚さを有する位置までの間の距離をLmaxとしたとき、前記距離Lmaxと前記最大厚さTmaxとの比が0.5≦Lmax/Tmax≦0.8となっていることが好ましい。
このような水力機械のランナによれば、水車運転時の水流が膨らみ部に衝突することにより発生する水力損失を小さくすることができるとともに、水流がランナ羽根の負圧面から剥離する限界流量を大幅に低減することができる。
このような水力機械のランナによれば、水車運転時の水流が膨らみ部に衝突することにより発生する水力損失を小さくすることができるとともに、水流がランナ羽根の負圧面から剥離する限界流量を大幅に低減することができる。
本発明の水力機械のランナにおいては、各ランナ羽根において入口側先端から膨らみ部が最大厚さを有する位置までの間の距離をLmax、前記膨らみ部が最大厚さを有する位置から下流側に最も近い位置であって、ランナ羽根の入口側先端からランナ出口径Dの1/10の距離L0の位置における基準厚さT0と同じ厚さとなる位置と、前記入口側先端との間の距離をLRとしたとき、1.5≦LR/Lmax≦5.5となっていることが好ましい。
このような水力機械のランナによれば、水車運転時の水流が膨らみ部に衝突することにより発生する水力損失を小さくすることができるとともに、水流がランナ羽根の負圧面から剥離する限界流量を大幅に低減することができる。
このような水力機械のランナによれば、水車運転時の水流が膨らみ部に衝突することにより発生する水力損失を小さくすることができるとともに、水流がランナ羽根の負圧面から剥離する限界流量を大幅に低減することができる。
本発明の水力機械のランナにおいては、各ランナ羽根の膨らみ部は、ランナクラウンの入口側端部から、前記回転軸が延びる方向における当該ランナクラウンの入口側端部とランナバンドの入口側端部との間の距離B0の0.4〜0.7倍の距離Bmの位置までの範囲内におけるランナ羽根の入口側先端の近傍に位置することが好ましい。
このような水力機械のランナによれば、剥離限界流量を大幅に低減させることができ、ランナ羽根の負圧面からの水流の剥離を効率よく抑制することができる。
このような水力機械のランナによれば、剥離限界流量を大幅に低減させることができ、ランナ羽根の負圧面からの水流の剥離を効率よく抑制することができる。
本発明は、上述の水力機械のランナを備えた水力機械である。
本発明の水力機械のランナおよび水力機械によれば、各ランナ羽根の負圧面に膨らみ部を設けない場合と比べて、回転系から見た水流の相対的な向きと、ランナ羽根の入口側先端の近傍における負圧面の向きとの間のずれを小さくすることができる。このため、水流がランナ羽根の負圧面から剥離することを抑制して機器効率の低下や振動、騒音を防止することができ、また、ランナ羽根の負圧面のキャビテーションによる壊食を抑制することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図9は、本発明による水力機械のランナの実施の形態を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態の水力機械のランナの構成を示す断面図であり、図2は、図1の水力機械のランナのランナ羽根の構成を示す横断面図であり、図3は、図2のランナ羽根の入口側先端の拡大図であり、図4は、図1の水力機械のランナの鎖線部分の拡大図であり、図5は、図1の水力機械に関する落差Hと流量Qとの関係を示すグラフである。
また、図6は、図3のランナ羽根の最大厚さTmaxと基準厚さT0との比Tmax/T0と、水力損失および剥離限界流量指数との関係をそれぞれ示すグラフであり、図7は、図3のランナ羽根の距離Lmaxと最大厚さTmaxとの比Lmax/Tmaxと、水力損失および剥離限界流量指数との関係をそれぞれ示すグラフであり、図8は、図3のランナ羽根の距離LRと距離Lmaxとの比LR/Lmaxと、水力損失および剥離限界流量指数との関係をそれぞれ示すグラフであり、図9は、図4のランナにおける距離Bmと距離B0との比Bm/B0と、剥離限界流量指数との関係を示すグラフである。
図1乃至図9は、本発明による水力機械のランナの実施の形態を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態の水力機械のランナの構成を示す断面図であり、図2は、図1の水力機械のランナのランナ羽根の構成を示す横断面図であり、図3は、図2のランナ羽根の入口側先端の拡大図であり、図4は、図1の水力機械のランナの鎖線部分の拡大図であり、図5は、図1の水力機械に関する落差Hと流量Qとの関係を示すグラフである。
また、図6は、図3のランナ羽根の最大厚さTmaxと基準厚さT0との比Tmax/T0と、水力損失および剥離限界流量指数との関係をそれぞれ示すグラフであり、図7は、図3のランナ羽根の距離Lmaxと最大厚さTmaxとの比Lmax/Tmaxと、水力損失および剥離限界流量指数との関係をそれぞれ示すグラフであり、図8は、図3のランナ羽根の距離LRと距離Lmaxとの比LR/Lmaxと、水力損失および剥離限界流量指数との関係をそれぞれ示すグラフであり、図9は、図4のランナにおける距離Bmと距離B0との比Bm/B0と、剥離限界流量指数との関係を示すグラフである。
図1に示す水力機械のランナ(羽根車)10は、フランシス水車ランナからなるものであり、上方において発電機(図示せず)に接続された回転軸11と、回転軸11に連結されたランナクラウン12と、ランナクラウン12の外方に位置するランナバンド13と、ランナクラウン12とランナバンド13との間であって回転軸11の周りに複数枚配置されたランナ羽根20とを備えている。また、このようなランナ10が設けられた水力機械には、ケーシング3と、ステーベーン4と、ガイドベーン5と、吸出し管6とが更に設けられており、水車運転時に、上池(図示せず)からの水がケーシング3に導かれ、ステーベーン4の間を通り、ガイドベーン5で整流され、主流は矢印Fに示すようにランナ10に外側から流入するようになっている。矢印Fで示される主流はランナ10からその下方の吸出し管6を経て、放水路等の下池(図示せず)に放出されるようになっている。
以下、本実施の形態の水力機械のランナ10の各ランナ羽根20の構成について図2乃至図4を用いて詳述する。
各ランナ羽根20は、図2に示すように、水車運転時の水流(図2の矢印V参照)を受ける圧力面22と、この圧力面22の反対側に設けられた負圧面23とを備え、図4に示すように、ランナクラウン12およびランナバンド13に両端縁が接続されている。図2および図4において、ランナ羽根20における水車運転時の水流の入口側の先端はPaで示され、この水流の出口側の末端はPbで表される。
図2において、ベクトルVは水車運転時の水流の絶対速度(静止系から見た速度)を示している。また、ベクトルUはランナ羽根20の入口側先端Paの回転による周速度を示している。さらに、ベクトルWは水車運転時の水流の相対速度(回転系から見た速度)を示している。
各ランナ羽根20は、図2に示すように、水車運転時の水流(図2の矢印V参照)を受ける圧力面22と、この圧力面22の反対側に設けられた負圧面23とを備え、図4に示すように、ランナクラウン12およびランナバンド13に両端縁が接続されている。図2および図4において、ランナ羽根20における水車運転時の水流の入口側の先端はPaで示され、この水流の出口側の末端はPbで表される。
図2において、ベクトルVは水車運転時の水流の絶対速度(静止系から見た速度)を示している。また、ベクトルUはランナ羽根20の入口側先端Paの回転による周速度を示している。さらに、ベクトルWは水車運転時の水流の相対速度(回転系から見た速度)を示している。
図2および図4に示すように、各ランナ羽根20は、負圧面23において水流の入口側先端Paの近傍に膨らみ部25を有している(図4の斜線部分参照)。この膨らみ部25は、図3に示すように、ランナ羽根20の入口側先端Paから、ランナ出口径Dの1/10の距離L0の位置P0までの範囲内に位置するようになっている。ここで、ランナ出口径Dとは、図1に示すようにランナ10の出口におけるランナバンド13の直径をいう。
また、図3に示すように、各ランナ羽根20の膨らみ部25は、ランナ羽根20の入口側先端Paから水流に沿って延びる凸形状の第1の表面部分25aと、第1の表面部分25aに後続する凹形状の第2の表面部分25bとを有している。
ここで、この第1の表面部分25aにおける各ランナ羽根20の膨らみ部25の最大厚さをTmax、このランナ羽根20の入口側先端Paから前述のランナ出口径Dの1/10の距離L0の位置P0における基準厚さをT0としたとき、最大厚さTmaxと基準厚さT0との比が1.1≦Tmax/T0≦1.6となっている(図3参照)。
ここで、この第1の表面部分25aにおける各ランナ羽根20の膨らみ部25の最大厚さをTmax、このランナ羽根20の入口側先端Paから前述のランナ出口径Dの1/10の距離L0の位置P0における基準厚さをT0としたとき、最大厚さTmaxと基準厚さT0との比が1.1≦Tmax/T0≦1.6となっている(図3参照)。
また、ランナ羽根20の入口側先端Paから膨らみ部25が最大厚さを有する位置Pmaxまでの距離(最短距離)をLmaxとしたときに、この距離Lmaxと前述の最大厚さTmaxとの比が0.5≦Lmax/Tmax≦0.8となっている。
さらに、ランナ羽根20の膨らみ部25が最大厚さを有する位置Pmaxから下流側に最も近い位置であって、ランナ羽根20の厚さが前述の基準厚さT0と同じ厚さ(TR)となる位置をPRとする(図3参照)。ここで、ランナ羽根20の入口側先端Paと前述の位置PRとの間の距離(最短距離)をLRとしたときに、距離LRと前述の距離Lmaxとの比が1.5≦LR/Lmax≦5.5となっている。
さらに、ランナ羽根20の膨らみ部25が最大厚さを有する位置Pmaxから下流側に最も近い位置であって、ランナ羽根20の厚さが前述の基準厚さT0と同じ厚さ(TR)となる位置をPRとする(図3参照)。ここで、ランナ羽根20の入口側先端Paと前述の位置PRとの間の距離(最短距離)をLRとしたときに、距離LRと前述の距離Lmaxとの比が1.5≦LR/Lmax≦5.5となっている。
また、図4に示すように、ランナ羽根20の膨らみ部25は、ランナクラウン12の入口側端部12aから、回転軸11が延びる方向(図4の上下方向)における当該ランナクラウン12の入口側端部12aとランナバンド13の入口側端部13aとの間の距離B0の0.4〜0.7倍の距離Bmの位置Pmまでの範囲内におけるランナ羽根20の入口側先端Paの近傍に位置している。ここで、ランナクラウン12の入口側端部12aおよびランナバンド13の入口側端部13aは、それぞれ水車運転時の水流の入口側にあるランナクラウン12およびランナバンド13の端部のことをいう。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
水力機械のランナの水車運転時において、図1に示すように、最初に上池(図示せず)からの水がケーシング3に導かれ、ステーベーン4の間を通り、ガイドベーン5で整流され、主流が矢印Fに示すようにランナ10に外側から流入する。矢印Fで示される主流はランナ10からその下方の吸出し管6を経て、放水路等の下池(図示せず)に放出されるようになっている。
水力機械のランナの水車運転時において、図1に示すように、最初に上池(図示せず)からの水がケーシング3に導かれ、ステーベーン4の間を通り、ガイドベーン5で整流され、主流が矢印Fに示すようにランナ10に外側から流入する。矢印Fで示される主流はランナ10からその下方の吸出し管6を経て、放水路等の下池(図示せず)に放出されるようになっている。
ランナ10に水流が流入する際に、このランナ10の各ランナ羽根20に対して水流が図2の絶対速度Vで流入し、ランナ羽根20の圧力面22がこの水流を受ける。このことにより、各ランナ羽根20が回転軸11を中心として回転し、各ランナ羽根20の水流の入口側先端Paは図2の周速度Uで回転する。このため、回転系から見た水流の相対速度は図2のベクトルWで示すようになる。すなわち、ランナ羽根20に対して水流は相対速度Wで流入することになる。
この図では、水流の相対速度Wの向きとランナ羽根20の延びる向き(図10の矢印S参照)とは一致していないが、これは高落差側の部分負荷に特徴的なフローパタンであり、通常の水車ランナにおいては、図10に示すように水流がランナ羽根20の負圧面23から剥離してしまうおそれがある。このような剥離は、図4に示すように、ランナ羽根20の負圧面23の入口側先端Paにおいてランナクラウン12側で発生することが多い。しかしながら、図2のように各ランナ羽根20が負圧面23において水流の入口側先端Paのランナクラウン12側の近傍に膨らみ部25を有することにより、前述の水流の相対速度Wの向きとランナ羽根20の膨らみ部25の表面の延びる向きとの間のずれが小さくなり、水流がランナ羽根20の負圧面23から剥離することを抑制することができる。
ランナ羽根20の負圧面23において膨らみ部25を設けることにより水流のランナ羽根20の負圧面23からの剥離が抑制されることについて、図5のグラフを用いて更に詳細に説明する。図5のグラフの横軸は水力機械に対する水流の落差Hを表し、縦軸は水流の流量Qを表している。また、図5のグラフにおける点線の多重楕円はランナ10の等効率曲線を示し、グラフにおいて実線で囲まれた斜線部分は水力機械のランナ10の水車運転時における発電所固有の運転条件の範囲を示す。さらに、グラフにおける鎖線A、Bは、それぞれ膨らみ部25をランナ羽根20に設けなかった場合と設けた場合の剥離限界流量を各々表している。ここで、剥離限界流量とは、水流の実際の流量がこの剥離限界流量よりも小さいときに水流がランナ羽根20の負圧面23から剥離してしまう流量のことをいう。
図5に示すように、水力機械の落差Hが最高落差である場合において、膨らみ部25をランナ羽根20に設けなかった場合(鎖線A参照)には剥離限界流量は図5に示すQ0の大きさとなる。一方、膨らみ部25をランナ羽根20に設けた場合(鎖線B参照)には剥離限界流量は前述のQ0に比べて△Q分だけ小さくなる。このように、膨らみ部25をランナ羽根20に設けることにより、水車運転時の水流の剥離限界流量を低減させることができ、膨らみ部25をランナ羽根20に設けなかった場合と比べて水流の流量がより少ない場合であっても当該水流がランナ羽根20の負圧面23から剥離することがなくなる。
また、ランナ羽根20の膨らみ部25は、入口側先端Paから水流に沿って延びる凸形状の第1の表面部分25aと、第1の表面部分25aに後続する凹形状の第2の表面部分25bとを有している。このため、ランナ羽根20の負圧面23においてキャビテーションが発生した場合であっても、図3に示すようにこのキャビテーションは第1の表面部分25aにおける膨らみ部25が最大厚さTmaxとなる位置Pmaxの下流側に発生することとなり、しかも第2の表面部分25bが凹形状となっているのでこのキャビテーションの発生位置はランナ羽根20の負圧面23から離間した位置となる。このため、キャビテーションによるランナ羽根20の壊食を抑止することができる。
さらに、膨らみ部25の第2の表面部分25bで水流が負圧面23から剥離した場合であっても、負圧面23の延びる向きと位置Pmaxの下流側における水流の向きとの間のずれは小さく、水流は負圧面23に直ちに再付着するようになり、大幅な効率低下などは発生しない。
さらに、膨らみ部25の第2の表面部分25bで水流が負圧面23から剥離した場合であっても、負圧面23の延びる向きと位置Pmaxの下流側における水流の向きとの間のずれは小さく、水流は負圧面23に直ちに再付着するようになり、大幅な効率低下などは発生しない。
一方、ランナ羽根20の負圧面23において水流の入口側先端Paの近傍に膨らみ部25を設けることにより、水車運転時の水流がこの膨らみ部25に衝突することによる水力損失△hが増大してしまう。このため、ランナ羽根20の膨らみ部25の形状は、この水力損失△hができるだけ小さくなるとともに、剥離限界流量指数(1−△Q/Q0)ができるだけ小さくなるようなものが求められる。
ここで、剥離限界流量指数(1−△Q/Q0)とは、図5に示すように、水力機械の落差Hが最高落差である場合における、膨らみ部25をランナ羽根20に設けなかった場合の剥離限界流量Q0の大きさと比較した、膨らみ部25をランナ羽根20に設けた場合の剥離限界流量の減少量△Qに関する指数のことをいい、この剥離限界流量指数が小さくなればなるほどランナ羽根20の負圧面23からの水流の剥離をより抑制することができるようになっている。
以下、ランナ羽根20の膨らみ部25の形状と、水力損失および剥離限界流量指数との各々の関係について詳述する。
ここで、剥離限界流量指数(1−△Q/Q0)とは、図5に示すように、水力機械の落差Hが最高落差である場合における、膨らみ部25をランナ羽根20に設けなかった場合の剥離限界流量Q0の大きさと比較した、膨らみ部25をランナ羽根20に設けた場合の剥離限界流量の減少量△Qに関する指数のことをいい、この剥離限界流量指数が小さくなればなるほどランナ羽根20の負圧面23からの水流の剥離をより抑制することができるようになっている。
以下、ランナ羽根20の膨らみ部25の形状と、水力損失および剥離限界流量指数との各々の関係について詳述する。
図6に、図3のランナ羽根20の最大厚さTmaxと基準厚さT0との比Tmax/T0と、水力損失および剥離限界流量指数との関係をそれぞれ表すグラフを示す。このグラフにおいて、横軸はランナ羽根20の最大厚さTmaxと基準厚さT0との比Tmax/T0を示し、左側縦軸は水力損失△hを示し、右側縦軸は剥離限界流量指数(1−△Q/Q0)を示す。
また、図6のグラフにおける実線部分は水力損失の大きさを表し、点線部分は剥離限界流量指数を表している。
また、図6のグラフにおける実線部分は水力損失の大きさを表し、点線部分は剥離限界流量指数を表している。
図6のグラフに示すように、比Tmax/T0が1.6以下である場合には水力損失△hが急激に増大することを抑制することができる。一方、比Tmax/T0が1.1以上である場合には剥離限界流量指数が急激に増大することを抑制することができる。このように、最大厚さTmaxと基準厚さT0との比が1.1≦Tmax/T0≦1.6となっていることにより、水力損失△hを小さくすることができるとともに剥離限界流量指数(1−△Q/Q0)を小さくすることができる。
図7に、図3のランナ羽根20の距離Lmaxと最大厚さTmaxとの比Lmax/Tmaxと、水力損失および剥離限界流量指数との関係をそれぞれ表すグラフを示す。このグラフにおいて、横軸はランナ羽根20の距離Lmaxと最大厚さTmaxとの比Lmax/Tmaxを示し、左側縦軸は水力損失△hを示し、右側縦軸は剥離限界流量指数(1−△Q/Q0)を示す。
また、図7のグラフにおける実線部分は水力損失の大きさを表し、点線部分は剥離限界流量指数を表している。
また、図7のグラフにおける実線部分は水力損失の大きさを表し、点線部分は剥離限界流量指数を表している。
図7のグラフに示すように、比Lmax/Tmaxが0.5以上である場合には水力損失△hが急激に増大することを抑制することができる。一方、比Lmax/Tmaxが0.8以下である場合には剥離限界流量指数が急激に増大することを抑制することができる。このように、距離Lmaxと最大厚さTmaxとの比が0.5≦Lmax/Tmax≦0.8となっていることにより、水力損失△hを小さくすることができるとともに剥離限界流量指数(1−△Q/Q0)を小さくすることができる。
図8に、図3のランナ羽根20の距離LRと距離Lmaxとの比LR/Lmaxと、水力損失および剥離限界流量指数との関係をそれぞれ表すグラフを示す。このグラフにおいて、横軸はランナ羽根20の距離LRと距離Lmaxとの比LR/Lmaxを示し、左側縦軸は水力損失△hを示し、右側縦軸は剥離限界流量指数(1−△Q/Q0)を示す。
また、図8のグラフにおける実線部分は水力損失の大きさを表し、点線部分は剥離限界流量指数を表している。
また、図8のグラフにおける実線部分は水力損失の大きさを表し、点線部分は剥離限界流量指数を表している。
図8のグラフに示すように、比LR/Lmaxが5.5以下である場合には水力損失△hが急激に増大することを抑制することができる。一方、比LR/Lmaxが1.5以上である場合には剥離限界流量指数が急激に増大することを抑制することができる。このように、距離LRと距離Lmaxとの比が1.5≦LR/Lmax≦5.5となっていることにより、水力損失△hを小さくすることができるとともに剥離限界流量指数(1−△Q/Q0)を小さくすることができる。
図9に、図4のランナ10における距離Bmと距離B0との比Bm/B0と、剥離限界流量指数との関係を表すグラフを示す。このグラフにおいて、横軸はランナ10における距離Bmと距離B0との比Bm/B0を示し、縦軸は剥離限界流量指数(1−△Q/Q0)を示す。
また、図9のグラフにおける実線部分は剥離限界流量指数を表している。
また、図9のグラフにおける実線部分は剥離限界流量指数を表している。
図9のグラフに示すように、ランナ10における距離Bmと距離B0との比Bm/B0が0.4よりも小さい場合においては、当該ランナ羽根20の膨らみ部25の範囲を規定する距離Bmの大きさを変化させても剥離限界流量指数の大きさはそれほど変化しない。同様に、ランナ10における距離Bmと距離B0との比Bm/B0が0.7よりも大きい場合においては、当該ランナ羽根20の膨らみ部25の範囲を規定する距離Bmの大きさを変化させても剥離限界流量指数の大きさはそれほど変化しない。このように、ランナ10における距離Bmと距離B0との比Bm/B0を0.4〜0.7の範囲内に規定することにより、剥離限界流量指数を大幅に低減させることができ、水流の剥離を効率良く抑制することができる。
以上のように本実施の形態によれば、各ランナ羽根20は負圧面23において水車運転時の水流の入口側先端Paの近傍に膨らみ部25を有しているので、高落差側の部分負荷運転において各ランナ羽根20に膨らみ部25を設けない場合と比べて、回転系から見た水流の相対速度Wの向きと、ランナ羽根20の入口側先端Paの近傍における負圧面23の延びる向きとの間のずれを小さくすることができ、水流がランナ羽根20の負圧面23から剥離することを抑制することができる。
また、各ランナ羽根20の膨らみ部25は、ランナ羽根20の入口側先端Paから、ランナ出口径Dの1/10の距離L0の位置P0までの範囲内に位置することにより、ランナ羽根20の厚さが最大となる位置Pmaxを入口側先端Paにより近づけることができ、負圧面の角度を高落差側の部分負荷運転時の相対速度の角度に近づけることができるので、ランナ羽根20の入口側先端Paの近傍における負圧面23の延びる向きとの間のずれをより小さくすることができる。
また、各ランナ羽根20の膨らみ部25は、ランナ羽根20の入口側先端Paから水流に沿って延びる凸形状の第1の表面部分25aと、第1の表面部分25aに後続する凹形状の第2の表面部分25bとを有することにより、ランナ羽根20の負圧面23においてキャビテーションが発生した場合であっても、このキャビテーションは第1の表面部分25aにおける膨らみ部25が最大厚さTmaxとなる位置Pmaxの下流側に発生することとなり、しかも第2の表面部分25bが凹形状となっているのでこのキャビテーションの発生位置はランナ羽根20の負圧面23から離間した位置となる。このため、キャビテーションによるランナ羽根20の壊食を抑止することができる。
また、ランナ羽根20の膨らみ部25において最大厚さTmaxと基準厚さT0との比が1.1≦Tmax/T0≦1.6となっていることにより、水車運転時の水流が膨らみ部25に衝突することにより発生する水力損失△hを小さくすることができるとともに、剥離限界流量指数(1−△Q/Q0)を小さくすることができ、水流がランナ羽根20の負圧面23から剥離することをより確実に抑制することができる。
また、ランナ羽根20の膨らみ部25において距離Lmaxと前記最大厚さTmaxとの比が0.5≦Lmax/Tmax≦0.8となっていることにより、水車運転時の水流が膨らみ部25に衝突することにより発生する水力損失△hを小さくすることができるとともに、剥離限界流量指数(1−△Q/Q0)を小さくすることができ、水流がランナ羽根20の負圧面23から剥離することをより確実に抑制することができる。
また、ランナ羽根20の膨らみ部25において距離LRと距離Lmaxとの比が1.5≦LR/Lmax≦5.5となっていることにより、水車運転時の水流が膨らみ部25に衝突することにより発生する水力損失△hを小さくすることができるとともに、剥離限界流量指数(1−△Q/Q0)を小さくすることができ、水流がランナ羽根20の負圧面23から剥離することをより確実に抑制することができる。
また、各ランナ羽根20の膨らみ部25は、ランナクラウン12の入口側端部12aから、回転軸11が延びる方向における当該ランナクラウン12の入口側端部12aとランナバンド13の入口側端部13aとの間の距離B0の0.4〜0.7倍の距離Bmの位置までの範囲内におけるランナ羽根20の入口側先端Paの近傍に位置することにより、剥離限界流量指数(1−△Q/Q0)を大幅に低減させることができ、ランナ羽根20の負圧面23からの水流の剥離を効率良く抑制することができる。
3 ケーシング
4 ステーベーン
5 ガイドベーン
6 吸出し管
10 水力機械のランナ
11 回転軸
12 ランナクラウン
12a 入口側端部
13 ランナバンド
13a 入口側端部
20 ランナ羽根
22 圧力面
23 負圧面
25 膨らみ部
25a 第1の表面部分
25b 第2の表面部分
50 ランナ羽根
53 負圧面
4 ステーベーン
5 ガイドベーン
6 吸出し管
10 水力機械のランナ
11 回転軸
12 ランナクラウン
12a 入口側端部
13 ランナバンド
13a 入口側端部
20 ランナ羽根
22 圧力面
23 負圧面
25 膨らみ部
25a 第1の表面部分
25b 第2の表面部分
50 ランナ羽根
53 負圧面
Claims (8)
- 回転軸と、この回転軸に連結されたランナクラウンと、このランナクラウンから離間して位置するランナバンドと、ランナクラウンとランナバンドとの間であって回転軸の周りに複数枚配置されたランナ羽根とを備えた、水車運転を行う水力機械のランナにおいて、
各ランナ羽根は、負圧面において水車運転時の水流の入口側先端の近傍に膨らみ部を有することを特徴とする水力機械のランナ。 - 各ランナ羽根の膨らみ部は、ランナ羽根の入口側先端から、ランナ出口径Dの1/10の距離L0の位置までの範囲内に位置することを特徴とする請求項1記載の水力機械のランナ。
- 各ランナ羽根の膨らみ部は、ランナ羽根の入口側先端から水流に沿って延びる凸形状の第1の表面部分と、第1の表面部分に後続する凹形状の第2の表面部分とを有することを特徴とする請求項1または2記載の水力機械のランナ。
- 各ランナ羽根の膨らみ部の最大厚さをTmax、このランナ羽根の入口側先端からランナ出口径Dの1/10の距離L0の位置における基準厚さをT0としたとき、前記最大厚さTmaxと前記基準厚さT0との比が1.1≦Tmax/T0≦1.6となっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の水力機械のランナ。
- 各ランナ羽根の膨らみ部の最大厚さをTmax、このランナ羽根の入口側先端から前記膨らみ部が最大厚さを有する位置までの間の距離をLmaxとしたとき、前記距離Lmaxと前記最大厚さTmaxとの比が0.5≦Lmax/Tmax≦0.8となっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の水力機械のランナ。
- 各ランナ羽根において入口側先端から膨らみ部が最大厚さを有する位置までの間の距離をLmax、前記膨らみ部が最大厚さを有する位置から下流側に最も近い位置であって、ランナ羽根の入口側先端からランナ出口径Dの1/10の距離L0の位置における基準厚さT0と同じ厚さとなる位置と、前記入口側先端との間の距離をLRとしたとき、1.5≦LR/Lmax≦5.5となっていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の水力機械のランナ。
- 各ランナ羽根の膨らみ部は、ランナクラウンの入口側端部から、前記回転軸が延びる方向における当該ランナクラウンの入口側端部とランナバンドの入口側端部との間の距離B0の0.4〜0.7倍の距離Bmの位置までの範囲内におけるランナ羽根の入口側先端の近傍に位置することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の水力機械のランナ。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の水力機械のランナを備えた水力機械。
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JP2005114401A JP2006291865A (ja) | 2005-04-12 | 2005-04-12 | 水力機械のランナおよび水力機械 |
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- 2005-04-12 JP JP2005114401A patent/JP2006291865A/ja active Pending
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