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JP2006289679A - 熱可塑性樹脂発泡体 - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡体 Download PDF

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JP2006289679A
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foam
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foaming
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Nobuhiko Inui
延彦 乾
Kazuho Uchida
かずほ 内田
Tomoo Shimamoto
倫男 島本
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】実質上単工程からなる方法により、低コストで生産することのできる連続気泡構造を有する熱可塑性樹脂発泡体の提供。
【解決手段】ゲル分率1〜35wt%の熱可塑性樹脂からなる連泡率20%以上の熱可塑性樹脂発泡体であって、熱可塑性樹脂100重量部に対して、アスペクト比5〜500の繊維状物を5〜100重量部添加し、化学発泡剤を添加し、その化学発泡剤の分解温度以上に加熱することで発泡させたことを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂発泡体に関し、詳しくは繊維状物を含有する熱可塑性樹脂を加熱発泡させて得られる連続気泡構造体を有する熱可塑性樹脂発泡体に関する。
熱可塑性樹脂発泡体は、熱硬化性樹脂発泡体に比べ2次加工性やリサイクルの面で優れていることから広く緩衝材や断熱材等に用いられており、またこの熱可塑性樹脂発泡体を連続気泡化することで吸音性を有する防音材とすることも可能である。
しかしながら化学発泡剤等を用いて熱可塑性樹脂を加熱発泡する場合、その熱可塑性のために連続気泡の構造体は得られ難いという問題を有していた。これまでに、熱可塑性樹脂発泡体を連続気泡化するためには、例えば、発泡成形後の機械的変形による気泡セルを破壊する方法(例えば、特許文献1参照。)、マイクロ波照射により気泡セルを破壊する方法(例えば、特許文献2参照。)、2段階での発泡させる方法(例えば、特許文献3参照。)等に記載されているように複数の工程が必要であったため、設備投資等のコストの増大が課題であった。
特開平11−315161号公報 特開平10−235670号公報 特許2872505号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、実質上化学発泡による単工程からなる方法により、低コストで生産することのできる連続気泡構造を有する熱可塑性樹脂発泡体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂に特定の繊維状物を特定量加えて、特定のゲル分率を有するように化学発泡させることにより、実質上単工程からなる加熱発泡により低コストで、特定の連続気泡構造を有する熱可塑性樹脂発泡体が生産できることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、ゲル分率1〜35wt%の熱可塑性樹脂からなる連泡率20%以上の熱可塑性樹脂発泡体であって、熱可塑性樹脂100重量部に対して、アスペクト比5〜500の繊維状物を5〜100重量部添加して発泡させたことを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、熱可塑性樹脂発泡体が、熱可塑性樹脂に化学発泡剤を添加し、その化学発泡剤の分解温度以上に加熱することで賦形された発泡体であることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、繊維状物が、無機化合物であることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレンプロピレン共重合体、またはエチレン酢酸ビニル共重合体等の結晶性熱可塑性樹脂であることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、熱可塑性樹脂発泡体が、実質上単工程からなる発泡工程の完了時に連泡率が20%以上であることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体が提供される。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体は、熱可塑性樹脂にアスペクト比5〜500の繊維状物を配合し、化学発泡剤の分解温度以上で加熱発泡させて得られる架橋熱可塑性樹脂発泡体であるので、発泡時に気泡のセルを破裂・開口させたのち繊維の増粘・補強効果によってセルの穴を保持し連泡構造を形成するように発泡して発泡体が得られ、実質上単工程からなる方法による熱可塑性樹脂発泡体である。
本発明は、熱可塑性樹脂に繊維状物を配合し、発泡、架橋して得られる連泡構造を有する発泡体である。以下に、熱可塑性樹脂、繊維状物、発泡体の製造方法等について、詳細に説明する。
1.熱可塑性樹脂
本発明で用いる熱可塑性樹脂とは、一般に用いられている熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン類や、ポリ塩化ビニルやポリ酢酸ビニル等のビニル共重合体、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリヒドロキシエーテル等の樹脂、またこれらを用いたランダム共重合体やブロック共重合体などが挙げられる。本発明ではこれら熱可塑性樹脂を単体で用いても複数を混合して用いてもよいが、このうち加熱発泡により連続気泡構造を形成した後、冷却固化によって構造を保持するためには結晶化速度の速い結晶性の樹脂を含むことが好ましい。
これらの中では、特にポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体の結晶性樹脂が好ましい。
また、上記熱可塑性樹脂には、必要に応じ、ユリア系、メラミン系、レゾルシノール系、フェノール系、エポキシ系、ポリウレタン系、ポリエステル系、アルキッド系等の熱硬化性樹脂を添加してもよい。
上記熱可塑性樹脂は、発泡性を付与するために、架橋構造の導入等によりゲル分率を1〜35wt%にする必要があり、好ましくは1〜30wt%であり、より好ましくは1〜25wt%である。ゲル分率が35wt%を超えると粘度が高まりすぎるため発泡に適さなくなる。一方、ゲル分率が1wt%未満では、発泡に必要な粘度が得られない。
熱可塑性樹脂に架橋構造を導入する方法は、一般に用いられているものであれば特に限定されず、有機過酸化物等のラジカルによる架橋、電離性放射線やUVによる架橋、ジビニルモノマー存在下においてエチレングリコールやメチレンビスアクリルアミドなどを用いた熱重合、過酸化物やアゾビス系化合物を光増感剤として用いた光重合等の化学架橋が挙げられる。本発明においては、過酸化物や架橋用モノマーを用いる化学架橋方法は、発泡と同時に行なうことができ好ましい。
過酸化物や架橋用モノマーを用いる化学架橋方法としては、熱可塑性樹脂に過酸化物や架橋用モノマーを加え、過酸化物等の分解温度より低い温度で溶融混練後、加熱して架橋する方法が挙げられる。この方法において用いられる過酸化物は、特に限定されず、例えば、ジブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ターシャルブチルクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド等が挙げられ、分解温度が適正温度範囲であるので、ジクミルパーオキサイド、ターシャルブチルクミルパーオキサイドが好ましく、ジクミルパーオキサイドが特に好ましい。また、架橋用モノマーとしては、ジオキシム化合物、アクリル系多官能モノマー、(メタ)アクリル系多官能モノマー、キノン化合物等が挙げられる。
過酸化物や架橋用モノマーの配合量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜5重量部が特に好ましい。過酸化物や架橋用モノマーの添加量が、多すぎると、樹脂分解反応や架橋反応が激しくが進行し、発泡体が得られないやすくなり、得られる発泡体が着色し、また、少なすぎると、熱可塑性樹脂の架橋が不十分となることがあるので好ましくない。
ここで、熱可塑性樹脂発泡体のゲル分率は、下記のようにして求める。
まず熱可塑性樹脂発泡体Ag秤量し、540℃のるつぼで6時間燃焼させた残渣重量Bgを測定する。また熱可塑性樹脂発泡体Cgを溶剤が浸透しやすいようにプレス等で潰しシート状にし、これを熱可塑性樹脂が溶解可能な溶剤中(例;オレフィン樹脂の場合120℃キシレン)に24時間浸漬して不溶物を200メッシュの金網で濾過し、金網上の残渣を真空乾燥して乾燥残渣Dgを測定することで、下記式により算出する値である。
ゲル分率(重量%)=(1−B/A)×(D/C)×100
2.繊維状物
本発明で用いる繊維状物は、熱可塑性樹脂に配合できるものであれば特に制限はないが、そのアスペクト比が5〜500、好ましくは10〜400である必要がある。アスペクト比が低すぎると繊維による増粘・補強効果が得られ難く、高すぎると発泡性を損なう。
ここで、アスペクト比とは、繊維状物の径に対する長さの比を表す。
本発明で用いることのできる繊維状物としては、無機化合物繊維や有機化合物繊維があり、無機化合物の繊維としては、例えば、ガラス繊維、ロックウール等の非晶質繊維、ウォラストナイトやチタン酸カリウム繊維等の単結晶繊維、カーボン繊維、アルミナ繊維等の多結晶繊維等が挙げられる。また、有機化合物の繊維としては、例えば、アラミド繊維、ポリエステル繊維、(超高分子量)ポリエチレン繊維等のオレフィン繊維、セルロース繊維等の天然繊維、ポリビニルアルコール繊維、ゴム有機繊維等が挙げられる。さらに、必要に応じて、これら繊維状物に表面処理等の改質を行っても良い。
本発明において用いる繊維状物の配合量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、5〜100重量部であり、好ましくは10〜80重量部であり、より好ましくは15〜70重量部である。繊維状物の配合量が少なすぎると繊維による増粘・補強効果が得られ難く、多すぎると発泡性を損なう。
3.発泡体の製造方法
本発明の熱可塑性樹脂発泡体は、上記熱可塑性樹脂に繊維状物を配合した熱可塑性樹脂組成物を発泡して得られ、熱可塑性樹脂の発泡方法は、一般に用いられているものであれば特に限定されないが、熱分解型の化学発泡剤を用いる方法が生産上好ましい。
熱分解型化学発泡剤の代表例としては、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が挙げられる。これらは単独で用いてもまたは2種類以上組み合わせて用いてもよい。
化学発泡剤の量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、1〜25重量部が好ましい。化学発泡剤の量が多過ぎると、破泡しやすく、逆にすくな過ぎると発泡しなくなる。
また、本発明の熱可塑性樹脂発泡体には、熱可塑性樹脂発泡体の物性を損なわない範囲で、炭酸カルシウム、タルク、クレー、酸化マグネシウム等の気泡形成剤;2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなどのフェノール系、リン系、アミン系、ジラウリルチオプロピオネートなどのイオウ系等の酸化防止剤;メチルベンゾトリアゾール金属害防止剤;ヘキサブロモビフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル等のハロゲン化難燃剤;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムとうの非ハロゲン化難燃剤;ポリリン酸アンモニウム、トリメチルフォスフェート等のリン系難燃剤の他、充填剤、帯電防止剤、安定剤、顔料等が添加されてもよい。
上記熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂に、繊維状物、化学発泡剤、必要に応じて、過酸化物等を配合して、押出機等で、熱分解型発泡剤の分解温度より低い温度で溶融混練して、熱可塑性樹脂発泡原反を形成する。得られた発泡原反を、最終製品に応じて賦形する。賦形方法としては、押出成形の他、プレス成形、ブロー成型、カレンダリング成型、射出成形など、プラスチックの成型加工で一般的に行われている方法が適用可能である。これらの中でも、スクリュー押出機より吐出する発泡性樹脂組成物を、直接賦形する方法が、生産性の点から好ましい。この場合は、一定寸法幅の連続発泡性原反を得ることができる。
発泡原反の発泡は、通常、熱分解型有機発泡剤の分解温度以上、熱可塑性樹脂の分解温度以下で行われる。特に、連続式発泡装置としては、加熱炉の出口側で発泡体を引き取りながら発泡させる引き取り式発泡機の他、連続ベルト式発泡機、縦型または横型発泡炉、熱風恒温槽や、あるいは熱浴中で発泡を行うオイルバス、メタルバス、ソルトバスなどが用いられる。
本発明によって得られる熱可塑性樹脂発泡体の倍率は、特に限定されないが、2〜40倍であり、より好ましくは5〜30倍である。発泡倍率が小さすぎると軽量性を損ない、大きすぎると剛性等を損なう。
ここで、発泡体の発泡倍率は、JIS K722に準拠して測定する見かけ密度の逆数として表す値である。
本発明における発泡は、実質上単工程からなる発泡であり、発泡工程において発泡原反を加熱し冷却・固化して発泡体が得られるまでの連続的な工程であり、本発明ではこの冷却・固化の後、熱可塑性樹脂発泡体が連続気泡化していることを特徴としている。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体は、連続気泡化しており、その連泡率は、20%以上であり、好ましくは20〜100%である。
連泡率が20%以上であることにより、発泡体が、吸音性、通気性、柔軟性の効果を有し、防音材、フィルター、緩衝材等の用途に有効に用いることができる。
ここで、発泡体の連泡率は、ASTM D2856に準拠して測定する値である。
本発明を以下の実施例により具体的に記すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下に本発明における熱可塑性樹脂発泡体の分析、測定方法を示す。
(1)ゲル分率:熱可塑性樹脂発泡体Ag秤量し、540℃のるつぼで6時間燃焼させた残渣重量Bgを測定する。また熱可塑性樹脂発泡体Cgを溶剤が浸透しやすいようにプレス等で潰しシート状にし、これをキシレン中に24時間浸漬して不溶物を200メッシュの金網で濾過し、金網上の残渣を真空乾燥して乾燥残渣Dgを測定し、下記式により算出した。
ゲル分率(重量%)=(1−B/A)×(D/C)×100
(2)連泡率:ASTM D2856(エアーピクノメーター法)に準拠し測定した。
(3)発泡倍率:JIS K7222に準拠して測定した見かけ密度の逆数から求めた。
(実施例1)
(1)発泡原反の賦形
熱可塑性樹脂として日本ポリプロ社製ポリプロピレン樹脂(PP)「ノバテックPP EG8」、(MFR=0.8g/10min、密度=0.9g/cm)を用い、樹脂架橋用のモノマーとしてジオキシム化合物(大内新興化学社製「バルノックGM−P」)を用いて、それぞれ50重量部、0.45重量部をプラスチック工学研究所社製同方向回転2軸スクリュー押出機BT40に投入し設定温度240℃で溶融混合した。この熱可塑性樹脂混合物を上記BT40の先端から日本製鋼社製同方向回転2軸スクリュー押出機TEX44にタンデム型で連結して投入し、さらに、熱可塑性樹脂のブロック・ポリプロピレン樹脂(BPP)(日本ポリプロ社製「ノバテックPP BC3B」、MFR=9g/10min、密度=0.9g/cm)30重量部、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(日本ポリプロ社製「ノバテックLL UJ370」、MFR=16g/10min、密度=0.92g/cm)20重量部、繊維状物としてガラス繊維(旭ファイバーグラス社製「ミルドファイバー MF20JH1−20」、繊維径=10μm、平均繊維長=200μm、アスペクト比20)20重量部、発泡剤として永和化成社製アゾジカルボンアミド(ADCA)「ビニホール AC#K3」7.5重量部をフィーダーより投入して、設定温度180℃で押し出すことで厚さ約0.4mmの熱可塑性樹脂発泡原反シートを得た。
(2)発泡操作
予熱ゾーン、発泡ゾーン、冷却ゾーンの3ゾーンからなる全長6mの横型発泡機(共和エンジニアリング社製)を用い、予熱ゾーンを190℃、発泡ゾーンを230℃、冷却ロールの表面温度を90℃にそれぞれ設定した。そして原反シートを発泡する際、予熱ゾーンにおいて発泡性樹脂組成物シートの表面、裏面の両面に、PET製フィルム(帝人デュポンフィルム社製、「テトロン」SG 25μm)を両面に挟んで融着させながら発泡ゾーンへ供給し、発泡・冷却により発泡機出口から外観良好な発泡体シートを得た。得られた発泡体の結果を表1に示す。また、発泡体の気泡セルの顕微鏡写真を図1に示す。
(実施例2)
(1)発泡原反の賦形
熱可塑性樹脂発泡体として住友化学社製エチレン・酢酸ビニル共重合体「エバテート H−1011」(MFR=0.6g/10min、密度=0.94g/cm)を100重量部、樹脂架橋剤として有機過酸化物(日本油脂社製「パークミルD−40」を1.5重量部、繊維状物としてキンセイマテック社製ウォラストナイト「長繊維珪灰石 SH−800」(アスペクト比10)を25重量部、発泡剤として永和化成社製アゾジカルボンアミド(ADCA)「ビニホール AC#K3」を8重量部、異方向回転2軸スクリュー押出機〔池貝鉄工社製、PCM−30〕に供給し、温度180℃で溶融混練して押出すことで厚さ約0.7mmの熱可塑性樹脂発泡原反シートを得た。
(2)発泡操作
実施例1と同様の発泡操作を行い外観良好な発泡体シートを得た。得られた発泡体の結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、(1)発泡原反の賦形について所定の繊維状物を添加しないこと以外は全く同様にして原反シートの賦形、発泡を行うことで外観良好な発泡体を得た。得られた発泡体の結果を表1に示す。また、発泡体の気泡セルの顕微鏡写真を図2に示す。
(比較例2)
実施例1において、(1)発泡原反の賦形についてオキシム化合物の添加量を1.0重量部とし、設定温度を220℃としたこと以外は全く同様にして原反シートの賦形、発泡を行ったが、発泡体は得られなかった。得られた結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1において、(1)発泡原反の賦形について繊維状物として旭ファイバーグラス社製ガラス繊維「チョップドストランド CS 13 JA FT689」(アスペクト比1300)を用いたこと以外は全く同様にして原反シートの賦形、発泡を行ったが発泡体は得られなかった。得られた結果を表1に示す。
Figure 2006289679
表1より明らかなように、アスペクト比が5〜500の範囲にある繊維状物を熱可塑性樹脂に配合してゲル分率が1〜35重量%の範囲になるように架橋発泡させると、高連泡率の発泡体が得られる(実施例1、2)。一方、繊維状物を用いないと、連泡構造を有する発泡体は得られず(比較例1)、ゲル分率が高過ぎる架橋構造を有する熱可塑性樹脂では、発泡せず(比較例2)、アスペクト比が高すぎる繊維状物を用いると発泡しない(比較例3)。また、顕微鏡写真の図から、実施例1の発泡体は連泡構造を有しており、比較例1の発泡体は連泡構造を有していないことがわかる。
本発明の熱可塑性発泡体は、実質上単工程からなる工程で得られる連続気泡化発泡体であるので、低コストで生産でき、連泡率が20%以上であることにより、吸音性、通気性、柔軟性に優れ、防音材、フィルター、緩衝材の用途に有効に用いることができる。
実施例1の発泡体の気泡セルの顕微鏡写である。 比較例1の発泡体の気泡セルの顕微鏡写である。

Claims (5)

  1. ゲル分率1〜35wt%の熱可塑性樹脂からなる連泡率20%以上の熱可塑性樹脂発泡体であって、熱可塑性樹脂100重量部に対して、アスペクト比5〜500の繊維状物を5〜100重量部添加して発泡させたことを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体。
  2. 熱可塑性樹脂発泡体が、熱可塑性樹脂に化学発泡剤を添加し、その化学発泡剤の分解温度以上に加熱することで賦形された発泡体であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  3. 繊維状物が、無機化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  4. 熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレンプロピレン共重合体、またはエチレン酢酸ビニル共重合体等の結晶性熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  5. 熱可塑性樹脂発泡体が、実質上単工程からなる発泡工程の完了時に連泡率が20%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂発泡体。
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