以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下の実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
図1に本実施の形態の画素部をマトリクス状に配置した回路図を示す。また図2に、本実施の形態の画素部の回路の構成を拡大したものを示す。図1に示す領域100は、第1の画素pix1と、第2の画素pix2を有する。また、図1、及び図2に示す拡大した領域100は、走査線gateと、データ線sigと、第1の電源線com1と、第2の電源線com2と、第3の電源線com3と、を有している。
なお、本発明において、画素部とは複数の走査線、および複数のデータ線の各交点に設けられた領域のことをいう。本実施の形態においては領域100を画素部とする。
図2において画素部には、選択用トランジスタ101、駆動用トランジスタ102、第1の発光素子103、第2の発光素子104、第1の容量素子105、第2の容量素子106と、を有している。
なお、本発明において、発光素子は、整流性がある素子であれば、何でもよい。EL素子(有機EL素子、無機EL素子又は有機物及び無機物を含むEL素子)やフィールドエミッションディスプレイ(FED)で用いる素子など、どのような発光素子でもよい。
また、選択用トランジスタ101のソース及びドレインのうち、一方はデータ線sigに接続され、他方は駆動用トランジスタ102のゲートに接続されている。また、第1の容量素子105の一方の電極は、駆動用トランジスタ102のゲートに接続され、他方の電極は第1の電源線com1に接続されている。また、第2の容量素子106の一方の電極は、駆動用トランジスタ102のゲートに接続され、他方の電極は第2の電源線com2に接続されている。
また、第1の発光素子103が有する第1の電極は第1の電源線com1に接続され、第1の発光素子103が有する第2の電極には、駆動用トランジスタ102のソースまたはドレインのいずれかに接続される。また、第2の発光素子104が有する第1の電極は第2の電源線com2に接続され、第2の発光素子104が有する第2の電極には、駆動用トランジスタ102のソースまたはドレインのいずれかに接続される。また第1の発光素子103が有する第2の電極、及び第2の発光素子104が有する第2の電極はそれぞれ接続されている。また駆動用トランジスタ102のソース及びドレイン電極のうち、第1の発光素子103及び第2の発光素子104が接続されていない方の電極には第3の電源線com3が接続されている。
なお、本明細書において、接続されているとは、特にことわりがない場合、電気的な接続のことをいう。
なお、本実施の形態においては、第1の発光素子103は、第1の電極から第2の電極の向きに電流が流れることで発光するものとする。また、第2の発光素子104において、第1の電極から第2の電極の向きに電流が流れることで発光するものとする。なお、第1の電極の極性と第2の電極の極性とは逆である。
なお、駆動用トランジスタ102のゲートに入力されるビデオ信号を保持するための第1の容量素子105、第2の容量素子106は、駆動用トランジスタ102のゲートと別の配線(専用の配線や、前段の画素のゲート信号線など)との間に、容量素子を配置してもよい。なお、本実施の形態において、選択用トランジスタ101は、Nチャネル型であり、駆動用トランジスタ102はPチャネル型であるとする。ただし、これに限定されない。
次に、図2に示した本実施の形態の画素構成の動作方法について具体的に説明する。
図3は本実施の形態の画素について第1の発光素子103を選択し発光させるときの各配線の電圧、及びタイミングチャートについて示した図である。
図3(A)の状態(初期状態)について説明する。データ線sigにはHighの電位(以下、Hと略記)またはLowの電位(以下、Lと略記する)が入力され、第1の電源線com1にはHの電位が入力され、第2の電源線com2には第1のLowの電位(以下、L1と略記する)の電位が入力され、第3の電源線com3には第2のLowの電位(以下、L2と略記する)に電位が入力されている。本実施の形態においては、H≫L2>L1とし、またL1及びL2の電位は、概ねLの電位に等しいものとする。
次に図3(B)の状態(信号入力期間)に移行する。ここでデータ線sigをLの電位にする。選択用トランジスタ101をオンするため、走査線gateにHの電位が入力される。選択用トランジスタ101がオンすることによって、pix1およびpix2における第1の容量素子105および第2の容量素子106の一方の電極には、データ線sigからLの電位が入力される。第1の容量素子105の他方の電極には、第1の電源線com1の電位であるHが入力されており、第1の容量素子105において電荷が蓄積される。また第2の容量素子106の他方の電極では、第2の電源線com2よりL1の電位が入力されるが、第2の容量素子105における2つの電極に印加される電位差が概ね同じ電位差となり、ほとんど電荷の蓄積は行われない。
第1の容量素子105に蓄積された電荷より駆動用トランジスタ102のゲートにLの電位が印加されることにより、駆動用トランジスタ102はオンする。このとき第3の電源線はL2の電位が入力されている。そのため、第1の発光素子103の第1の電極にはHの電位が印加され、第1の発光素子103の第2の電極にはL2の電位が印加された状態となる。このとき生じる電位差によって、図3(B)で示した点線矢印の向きに電流が流れることによって第1の発光素子103が発光する。つまり、第1の発光素子103には順バイアス電圧が印加される。
また、第2の発光素子104の第1の電極には、L1の電位が入力され、第2の電極にはL2の電圧が入力される。上述のようにL2>L1に電位が設定されており、第2の発光素子104には、第2の電極側から第1の電極側に逆バイアス電圧が印加される。そのため、定期的に発光素子の電荷の偏りを緩和することができ、発光素子の発光をしながら、且つ発光素子の信頼性、長寿命化を達成することができる。
次に図3(C)の状態(信号保持期間)に移行する。走査線gateをLの電位にすることによって、選択用トランジスタ101をオフにする。第1の容量素子105には、駆動用トランジスタ102をオンするための電圧が保持されており、第1の発光素子103は発光状態を保持することができる。
図3(D)は、図3(A)〜(C)の各段階(初期状態、信号入力期間、信号保持期間)における走査線gate、データ線sig、第1の電源線com1、第2の電源線com2、第3の電源線com3の各電圧のタイミングチャートである。図3(D)のように、各配線の電位を制御することによって、発光素子の発光と、逆バイアス電圧を印加する動作を同時に制御することができる。なお図3(D)において、データ線sigにおける電位の斜線区間は、とくに電位がHであってもLであってもよい不定値区間(Don’t care)とする。
なお、L1及びL2の電位については、同じ電位にしてもよい。この場合、第2の発光素子104には逆バイアス電圧が印加されない。
次に、図4は本実施の形態の画素について第2の発光素子104を選択し発光させるときの各配線の電圧、及びタイミングチャートについて示した図である。
図4(A)の状態(初期状態)について説明する。データ線sigにはHまたはLの電位が入力され、第1の電源線com1にはL1の電位が入力され、第2の電源線com2にはHの電位が入力され、第3の電源線com3にはL2の電位が入力されている。
次に図4(B)の状態(信号入力期間)に移行する。ここでデータ線sigをLにする。選択用トランジスタ101をオンするため、走査線gateにHの電位が入力される。選択用トランジスタ101がオンすることによって、pix1およびpix2における第1の容量素子105および第2の容量素子106の一方の電極には、データ線sigからLの電位が入力される。第1の容量素子105の他方の電極では、第1の電源線com1よりL1の電位が入力されるが、第1の容量素子105における2つの電極に印加される電位差が概ね同じ電位差となり、ほとんど電荷の蓄積は行われない。また第2の容量素子106の他方の電極には、第2の電源線com2の電位であるHが入力されており、第2の容量素子106において電荷が蓄積される。
第2の容量素子106に蓄積された電荷より駆動用トランジスタ102のゲートにLの電位が印加されることにより、駆動用トランジスタ102はオンする。このとき第3の電源線はL2の電圧が入力されている。そのため、第2の発光素子104の第1の電極にはHの電圧が印加され、第2の発光素子104の第2の電極にはL2の電圧が印加された状態となる。このとき生じる電位差によって、図4(B)で示した点線矢印の向きに電流が流れることによって第2の発光素子104が発光する。つまり、第2の発光素子104には順バイアス電圧が印加される。
また、第1の発光素子103の第1の電極には、L1の電位が入力され、第2の電極にはL2の電圧が入力される。上述のようにL2>L1に電位が設定されており、第1の発光素子103には、第2の電極側から第1の電極側に逆バイアス電圧が印加される。そのため、定期的に発光素子の電荷の偏りを緩和することができ、発光素子の発光をしながら、且つ発光素子の信頼性、長寿命化を達成することができる。
次に図4(C)の状態(信号保持期間)に移行する。走査線gateをLの電位にすることによって、選択用トランジスタ101はオフする。第2の容量素子106には、駆動用トランジスタ102をオンするための電圧が保持されており、第2の発光素子104は発光状態を保持することができる。
図4(D)は、図4(A)〜(C)の各段階(初期状態、信号入力期間、信号保持期間)における走査線gate、データ線sig、第1の電源線com1、第2の電源線com2、第3の電源線com3の各電圧のタイミングチャートである。図4(D)のように、各配線の電位を制御することによって、発光素子の発光と、逆バイアス電圧を印加する動作を同時に制御することができる。なお図4(D)において、データ線sigにおける電位の斜線区間は、とくに電位がHであってもLであってもよい不定値区間とする。
なお、L1及びL2の電位については、同じ電位にしてもよい。この場合、第1の発光素子103には逆バイアス電圧が印加されない。
また、図5には本実施の形態における回路構成の実際の上面図を示す。各配線の接続部にはコンタクト部130を有する。図5に示す上面図は、一例であって、本発明はこの構成に特に限定されるものではない。
次に、本実施の形態の発光装置の回路構成を有する表示パネル、駆動回路の構成について説明する。
図6には、走査線駆動回路901、及び信号線駆動回路902を、表示部600の周辺に設けたブロック図を示す。
走査線駆動回路901は、シフトレジスタ301、レベルシフタ304、バッファ305を有する。また信号線駆動回路902は、シフトレジスタ401、第1のラッチ回路402、第2のラッチ回路403、レベルシフタ404、バッファ405を有する。表示部600は、第1の画素pix1及び第2の画素pix2が設けられた領域100を有し、各画素には発光素子が設けられている。領域100の回路構成については、図2に示した通りである。
信号線駆動回路902、走査線駆動回路901、表示部600は、同一基板状に設けられた半導体素子によって形成することができる。例えば、ガラス基板に設けられた薄膜トランジスタを用いて形成することができる。また、信号線駆動回路902や走査線駆動回路901は、ICチップを用いて、ガラス基板上に実装することもできる。
本実施の形態の発光装置については第1の発光素子及び第2の発光素子を選択して発光させ、画像を表示する。また本実施の形態の発光素子においては、時分割階調により表示をおこなう。そのため、本発明の発光装置においては、1フレームの画面表示を画素の奇数行目と偶数行目で分けて行なうインターレース方式を用いた表示を採用する。インターレース方式で表示を行うことによって、表示部における擬似輪郭が発生し画質が劣化して認識される現象を防止することができる。なお、擬似輪郭とは、中間調を表示しているときに、不自然に明るい線や暗い線が混ざって見える現象である。
図7には、本実施の形態の回路構成がマトリクス状に配置された、アクティブマトリクス型の発光装置の画素部の模式図を示し、表示画素は白色表示、非表示画素は黒色表示である。
本実施の形態においては、図1で示したデータ線sigの延長方向に第1の発光素子を含む第1の画素pix1及び第2の発光素子を含む第2の画素pix2を配置すればよい。
このような画素部において、第1のフレームでは、第1の画素pix1である奇数行の画素のみを表示し(図7(A)参照)、第2のフレームでは、第2の画素pix2である偶数行の画素のみを表示する(図7(B)参照)。すなわち、画素部において、ストライプ状に表示領域と、非表示領域を設ける。
なお本実施の形態において、第1のフレームを奇数フレーム、第2のフレームを偶数フレームとして表記する。
また本発明の画素部において、奇数フレームで、第2の発光素子を含む偶数行の画素のみを表示し、偶数フレームで第1の発光素子を含む奇数行の画素のみを表示しても構わない。
図8には、このような表示を行うためのタイミングチャートを示す。図8(A)には、奇数フレームにおける、行方向の走査線を選択するための、走査線スタートパルス(GSP)、走査線クロック信号(GCK)、選択用(ENB)信号を示す。また列方向のデータ線を選択するための、スタートパルス(SSP)、スタートクロック信号(SCK)を示す。そしてこれらの信号により、映像信号(DATA)のタイミングを示す。
図8(B)には、偶数フレームにおけるタイミングチャートを示す。図8(A)とは、ENB信号が反転しており、その他のタイミングは同様である。
奇数フレームでは、ENB信号がHighのときのみ、画素部の奇数行目の画素が選択される。また偶数フレームでは、ENB信号がHighのときのみ、画素部の偶数行目の画素が選択される。すなわち、本実施の形態の表示部において、ENB信号がHighのときのみ、表示部の走査線が選択される。
映像信号(DATA)は、SSP信号後に入力され、選択された画素に入力される。また映像信号(DATA)は、1ゲートクロック期間内に取り込めばよい。なお選択された画素とは、選択された走査線に接続された半導体素子を有する画素である。
以上のような本発明により、時分割階調を行うアクティブ型発光装置において、擬似輪郭の発生を低減することができる。
なお擬似輪郭を防止するためには、フレーム周波数を高くする必要があった。しかしフレーム周波数を高くすると駆動回路に負担が生じ、映像信号の情報量を多くすることがある。そのため、駆動回路の負担、特にラッチ回路の周波数が高まり、映像信号を入力するための配線数が増加してしまう。そこで本実施の形態の回路構成を採用することにより、フレーム周波数を上げることなく擬似輪郭を防止でき、駆動回路の負担を増加させることがなく好適である。
インターレース法を用いることにより、映像信号の情報量を半分にすることができる。その結果、信号線や走査線の本数を低減することができ、開口率を向上することができる。
なおインターレース法を用いると、輝度低下が懸念される。しかし、本実施の形態の発光装置の発光素子に有機材料を使用すれば、該発光素子は指数関数的に輝度低下を生じるため、輝度低下に伴う供給電圧の増加がさして問題とならない。
また、インターレース法を用いることにより、第1のフレームで奇数行の画素、第2のフレームで偶数行の画素の発光を分けて行う。そのため、映像信号の情報量が半分になり、駆動回路に負担をかけることなくフレーム周波数を高くすることができる。その結果、輝度の低下をまねくことなく疑似輪郭を防止することができ、駆動回路に負担をかけることがないため好適である。
なお、走査線の延長方向に図1で示した第1の画素pix1及び第2の画素pix2を配置した場合は、走査線gateの延長方向に第1の画素pix1及び第2の画素pix2が順次配列する構成とすることができる。この構成の場合は、データ線sigの延長方向のインターレース方式として表示をおこなうこともできる。
なお本実施の形態において、信号線や走査線に接続される半導体素子には薄膜トランジスタを用いることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態の記載と自由に組み合わせて実施することが可能である。画素を構成するトランジスタの数及び各画素に接続される走査線、電源線等の配線数を削減することができ開口率の増加が見込めるため、所望の輝度を保持するための発光素子に印加する電圧をおさえることができ、低消費電力化を達成できる。また、本発明の発光装置においては、走査線とデータ線の各交点に設けられた領域の隣り合う画素において、一方の画素に順バイアス電圧を印加して発光素子を発光させ、他方の画素に逆バイアス電圧を印加することを同時に行うことができる。そのため、逆バイアス電圧の印加時間を設ける必要がないため、デューティー比(1フレーム期間における点灯期間の割合)を低下させることなく、発光素子の劣化を制御し、信頼性を向上させることができる。
また、本発明の発光装置においては、画素の発光を、データ線の延長方向、または走査線の延長方向に1行おきに画素の発光を順次行う方式(インターレース方式)を採用することで、時間階調方式で画像表示を行った際に問題となる疑似輪郭の視認を軽減することができる。また各行2画素毎に順次画素を点灯させ、次の行については、前行で画素が点灯した画素よりデータ線の延長方向に1画素ずらして画素の点灯を行う、いわゆる市松模様状に画素の発光を行う方式(チェッカー方式)を採用することによって、疑似輪郭の視認を軽減することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1においては、第1の発光素子及び第2の発光素子を駆動するための駆動用トランジスタを共通に駆動させ、第1の発光素子を発光させつつ、且つ第2の発光素子に逆バイアス電圧を印加することを達成することができる発光装置の回路図について示した。本実施の形態においては、駆動用トランジスタを第1の発光素子及び第2の発光素子のそれぞれに設ける具体的な構成について、以下に説明する。
図9に本実施の形態の画素部をマトリクス状に配置した回路図を示す。また図10に、本実施の形態の画素部の回路の構成を拡大したものを示す。図9に示す画素部である領域100には、第1の画素pix1と、第2の画素pix2を有する。また、図9、及び図10に示す拡大した領域100には、走査線gateと、データ線sigと、第1の電源線com1と、第2の電源線com2と、を有している。
図10において画素部には、選択用トランジスタ101、第1の駆動用トランジスタ1001、第2の駆動用トランジスタ1002、第1の発光素子103、第2の発光素子104、第1の容量素子105、第2の容量素子106と、を有している。
また、選択用トランジスタ101のソース及びドレインのうち、一方はデータ線sigに接続され、他方は第1の駆動用トランジスタ1001のゲート及び第2の駆動用トランジスタ1002のゲートに接続されている。また、第1の容量素子105の一方の電極は、第1の駆動用トランジスタ1001のゲートに接続され、他方の電極は第1の電源線com1に接続されている。また、第2の容量素子106の一方の電極は、第2の駆動用トランジスタ1002のゲートに接続され、他方の電極は第2の電源線com2に接続されている。
また、第1の発光素子103が有する第1の電極は、第1の駆動用トランジスタ1001のソース及びドレインのいずれかに接続され、第1の発光素子103が有する第2の電極は、第2の電源線com2に接続されている。また、第2の発光素子104が有する第1の電極は、駆動用トランジスタのソース及びドレイン電極のいずれかに接続され、第2の発光素子が有する第2の電極は、第1の電源線com1に接続されている。また、第1の駆動用トランジスタ1001のソース電極、ドレイン電極のうち、第1の発光素子103に接続されていない方の電極には第1の電源線com1が接続されている。また、第2の駆動用トランジスタ1002のソース及びドレイン電極のうち、第1の発光素子104に接続されていない方の電極には第2の電源線com2が接続されている。
なお、本実施の形態においては、第1の発光素子103は、第1の電極から第2の電極の向きに電流が流れることで発光するものとする。また、第2の発光素子104において、第1の電極から第2の電極の向きに電流が流れることで発光するものとする。なお、第1の電極の極性と第2の電極の極性とは逆である。
なお、第1の駆動用トランジスタ1001及び第2の駆動用トランジスタ1002のゲートに入力されるビデオ信号を保持するための第1の容量素子105、第2の容量素子106は、第1の駆動用トランジスタ1001及び第2の駆動用トランジスタ1002のゲートと別の配線(専用の配線や、前段の画素のゲート信号線など)との間に、容量素子を配置してもよい。なお、本実施の形態において、選択用トランジスタ101は、Nチャネル型であり、第1の駆動用トランジスタ及び第2の駆動用トランジスタはPチャネル型であるとする。ただし、これに限定されない。
次に、図10に示した本実施の形態の画素構成の動作方法について具体的に説明する。
図11は本実施の形態の画素について第1の発光素子103を選択し発光させるときの各配線の電圧、及びタイミングチャートについて示した図である。
図11(A)の状態(初期状態)について説明する。データ線sigにはHighの電位(以下、Hと略記)またはLowの電位(以下、Lと略記する)が入力され、第1の電源線com1にはHの電位が入力され、第2の電源線com2にはLの電位が入力されている。
次に図11(B)の状態(信号入力期間)に移行する。ここでデータ線sigをLにする。選択用トランジスタ101をオンするため、走査線gateにHの電位が入力される。選択用トランジスタ101がオンすることによって、pix1およびpix2における第1の容量素子105および第2の容量素子106の一方の電極には、データ線sigからLの電位が入力される。第1の容量素子105の他方の電極には、第1の電源線com1の電位であるHが入力されており、第1の容量素子105において電荷が蓄積される。また第2の容量素子106の他方の電極では、第2の電源線com2よりLの電位が入力されるため、第2の容量素子106における2つの電極に印加される電位差が同じ電位差となり、電荷の蓄積は行われない。
第1の容量素子105に蓄積された電荷より第1の駆動用トランジスタ1001及び第2の駆動用トランジスタ1002のゲートにLの電圧が印加されることにより、第1の駆動用トランジスタ1001及び第2の駆動用トランジスタ1002はオンする。このとき第2の電源線はLの電圧が入力されている。そのため、第1の発光素子103の第1の電極にはHの電圧が印加され、第1の発光素子103の第2の電極にはLの電圧が印加された状態となる。このとき生じる電位差によって、図11(B)で示した点線矢印の向きに電流が流れることによって第1の発光素子103が発光する。つまり、第1の発光素子103には順バイアス電圧が印加される。
また、第2の駆動用トランジスタ1002がオンすることによって、第2の発光素子104の第1の電極には、Lの電位が入力され、第2の電極にはHの電圧が入力される。即ち、第2の発光素子104には、第2の電極側から第1の電極側に逆バイアス電圧が印加される。そのため、定期的に発光素子の電荷の偏りを緩和することができ、発光素子の発光をしながら、且つ発光素子の信頼性、長寿命化を達成することができる。
次に図11(C)の状態(信号保持期間)に移行する。走査線gateをLの電位にすることによって、選択用トランジスタ101はオフする。第1の容量素子105には、第1の駆動用トランジスタ1001及び第2の駆動用トランジスタ1002をオンするための電圧が保持されており、第1の発光素子103は発光状態を保持することができる。
図11(D)は、図11(A)〜(C)の各段階(初期状態、信号入力期間、信号保持期間)における走査線gate、データ線sig、第1の電源線com1、第2の電源線com2の各電圧のタイミングチャートである。図11(D)のように、各配線の電位を制御することによって、発光素子の発光と、逆バイアス電圧を印加する動作を同時に制御することができる。なお図11(D)において、データ線sigにおける電位の斜線区間は、とくに電位がHであってもLであってもよい不定値区間とする。
次に、図12は本実施の形態の画素について第2の発光素子104を選択し発光させるときの各配線の電圧、及びタイミングチャートについて示した図である。
図12(A)の状態(初期状態)について説明する。データ線sigにはHまたはLの電位を入力され、第1の電源線com1にはLの電位が入力され、第2の電源線com2にはHの電位が入力されている。
次に図12(B)の状態(信号入力期間)に移行する。ここでデータ線sigをLにする。選択用トランジスタ101をオンするため、走査線gateにHの電位が入力される。選択用トランジスタ101がオンすることによって、pix1およびpix2における第1の容量素子105および第2の容量素子106の一方の電極には、データ線sigからLの電位が入力される。第1の容量素子105の他方の電極では、第1の電源線com1よりLの電位が入力され、第1の容量素子105における2つの電極に印加される電位差が同じ電位差となり、電荷の蓄積は行われない。また第2の容量素子106の他方の電極には、第2の電源線com2の電位であるHが入力されており、第2の容量素子106において電荷が蓄積される。
第2の容量素子106に蓄積された電荷より第1の駆動用トランジスタ1001及び第2の駆動用トランジスタ1002のゲートにLの電圧が印加されることにより、第1の駆動用トランジスタ1001及び第2の駆動用トランジスタ1002はオンする。このとき第1の電源線はLの電圧が入力されている。そのため、第2の発光素子104の第1の電極にはHの電圧が印加され、第2の発光素子104の第2の電極にはLの電圧が印加された状態となる。このとき生じる電位差によって、図12(B)で示した点線矢印の向きに電流が流れることによって第2の発光素子104が発光する。つまり、第2の発光素子104には順バイアス電圧が印加される。
また、第1の発光素子103の第1の電極には、Hの電位が入力され、第2の電極にはLの電圧が入力される。即ち、第1の発光素子103には、第2の電極側から第1の電極側に逆バイアス電圧が印加される。そのため、定期的に発光素子の電荷の偏りを緩和することができ、一方の発光素子の発光をしつつ、且つ他方の発光素子の信頼性、長寿命化を達成することができる。
次に図12(C)の状態(信号保持期間)に移行する。走査線gateをLの電位にすることによって、選択用トランジスタ101はオフする。第2の容量素子106には、第1の駆動用トランジスタ1001および第2の駆動用トランジスタ1002をオンするための電圧が保持されており、第2の発光素子104は発光状態を保持することができる。
図12(D)は、図12(A)〜(C)の各段階(初期状態、信号入力期間、信号保持期間)における走査線gate、データ線sig、第1の電源線com1、第2の電源線com2の各電圧のタイミングチャートである。図12(D)のように、各配線の電位を制御することによって、発光素子の発光と、逆バイアス電圧を印加する動作を同時に制御することができる。なお図12(D)において、データ線sigにおける電位の斜線区間は、とくに電位がHであってもLであってもよい不定値区間(Don’t care)とする。
なお、走査線gateより、第1の駆動用トランジスタ1001及び第2の駆動用トランジスタ1002をオンするための第1の容量素子105及び第2の容量素子106に保持された電位を消去するための信号を入力する構成としてもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態の記載と自由に組み合わせて実施することが可能である。画素を構成するトランジスタの数及び各画素に接続される走査線、電源線等の配線数を削減することができ開口率の増加が見込めるため、所望の輝度を保持するための発光素子に印加する電圧をおさえることができ、低消費電力化を達成できる。また、本発明の発光装置においては、走査線とデータ線の各交点に設けられた領域の隣り合う画素において、一方の画素に順バイアス電圧を印加して発光素子を発光させ、他方の画素に逆バイアス電圧を印加することを同時に行うことができる。そのため、逆バイアス電圧の印加時間を設ける必要がないため、デューティー比(1フレーム期間における点灯期間の割合)を低下させることなく、発光素子の劣化を制御し、信頼性を向上させることができる。
また、本発明の発光装置においては、画素の発光を、データ線の延長方向、または走査線の延長方向に1行おきに画素の発光を順次行う方式(インターレース方式)を採用することで、時間階調方式で画像表示を行った際に問題となる疑似輪郭の視認を軽減することができる。また各行2画素毎に順次画素を点灯させ、次の行については、前行で画素が点灯した画素よりデータ線の延長方向に1画素ずらして画素の点灯を行う、いわゆる市松模様状に画素の発光を行う方式(チェッカー方式)を採用することによって、疑似輪郭の視認を軽減することができる。
(実施の形態3)
上記実施の形態において、第1の容量素子及び第2の容量素子に保持された電位を消去するための消去用トランジスタを設ける構成としてもよい。以下にその具体的な構成について説明する。
図13に本実施の形態の画素部をマトリクス状に配置した回路図を示す。また図14(A)に、本実施の形態の画素部の回路の構成を拡大したものを示す。図13に示す画素部である領域100には、第1の画素pix1と、第2の画素pix2を有する。また、図13、及び図14(A)に示す拡大した領域100には、走査線gate1と、消去線gate2と、データ線sigと、第1の電源線com1と、第2の電源線com2と、を有している。
図14(A)において画素部には、選択用トランジスタ101、第1の駆動用トランジスタ1001、第2の駆動用トランジスタ1002、消去用トランジスタ1401、第1の発光素子103、第2の発光素子104、第1の容量素子105、第2の容量素子106と、を有している。
また、選択用トランジスタ101のソース及びドレインのうち、一方はデータ線sigに接続され、他方は第1の駆動用トランジスタ1001のゲート及び第2の駆動用トランジスタ1002のゲートに接続されている。また、消去用トランジスタ1401のソース及びドレインのうち、一方は第1の容量素子105の一方の電極に接続され、他方は消去線gate2に接続されている。消去用トランジスタ1401のゲートは、消去線gate2に接続されている。また、第1の容量素子105の一方の電極は、第1の駆動用トランジスタ1001のゲートに接続され、他方の電極は第1の電源線com1に接続されている。また、第2の容量素子106の一方の電極は、第2の駆動用トランジスタ1002のゲートに接続され、他方の電極は第2の電源線com2に接続されている。
なお、消去用トランジスタ1401は、第1の電極が消去線gate2に接続され、第2の電極が第1の容量素子105及び第2の容量素子に接続された構成の消去用ダイオード1402を用いる構成であってもよい。図14(A)に用いた消去用トランジスタ1401を消去用ダイオード1402に置き換えた場合の構成を図14(B)に示す。この場合、消去用ダイオード1402は、第1の電極から第2の電極の方向に整流特性を有することとする。なお、消去用ダイオードは、整流性がある素子であれば、なんでもよい。PN型ダイオードでもよいし、PIN型ダイオードでもよいし、ショットキー型ダイオードでもよいし、ツェナー型ダイオードでもよいものとする。
また、第1の発光素子103が有する第1の電極は、第1の駆動用トランジスタ1001のソース及びドレインのいずれかに接続され、第1の発光素子103が有する第2の電極は、第2の電源線com2に接続されている。また、第2の発光素子104が有する第1の電極は、駆動用トランジスタのソース及びドレインのいずれかに接続され、第2の発光素子104が有する第2の電極は、第1の電源線com1に接続されている。また、第1の駆動用トランジスタ1001のソース電極、ドレイン電極のうち、第1の発光素子103に接続されていない方の電極には第1の電源線com1が接続されている。また、第2の駆動用トランジスタ1002のソース及びドレインのうち、第1の発光素子104に接続されていない方には第2の電源線com2が接続されている。
なお、本実施の形態においては、第1の発光素子103は、第1の電極から第2の電極の向きに電流が流れることで発光するものとする。また、第2の発光素子104において、第1の電極から第2の電極の向きに電流が流れることで発光するものとする。なお、第1の電極の極性と第2の電極の極性とは逆である。
なお、第1の駆動用トランジスタ及び第2の駆動用トランジスタのゲートに入力されるビデオ信号を保持するための第1の容量素子、第2の容量素子は、第1の駆動用トランジスタ及び第2の駆動用トランジスタのゲートと別の配線(専用の配線や、前段の画素のゲート信号線など)との間に、容量素子を配置してもよい。なお、本実施の形態において、選択用トランジスタ101及び消去用トランジスタ1401はNチャネル型であり、駆動用トランジスタはPチャネル型であるとする。ただし、これに限定されない。
次に、図14(A)に示した本実施の形態の画素構成の動作方法について具体的に説明する。
図15は本実施の形態の画素について第1の発光素子103を選択し発光させるときの各配線の電位、及びタイミングチャートについて示した図である。
図15(A)の状態(初期状態)について説明する。データ線sigにはHighの電位(以下、Hと略記)またはLowの電位(以下、Lと略記する)が入力され、第1の電源線com1にはHの電位が入力され、第2の電源線com2にはLの電位が入力されている。
次に図15(B)の状態(信号入力期間)に移行する。ここでデータ線sigをLの電位にする。選択用トランジスタ101をオンするため、走査線gate1にHの電位が入力される。選択用トランジスタ101がオンすることによって、pix1およびpix2における第1の容量素子105および第2の容量素子106の一方の電極には、データ線sigからLの電位が入力される。第1の容量素子105の他方の電極には、第1の電源線com1の電位であるHが入力されており、第1の容量素子105において電荷が蓄積される。また第2の容量素子106の他方の電極では、第2の電源線com2よりLの電位が入力されるため、第2の容量素子106における2つの電極に印加される電位差が同じ電位差となり、電荷の蓄積は行われない。
第1の容量素子105に蓄積された電荷より第1の駆動用トランジスタ1001及び第2の駆動用トランジスタのゲートにLの電圧が印加されることにより、第1の駆動用トランジスタ1001及び第2の駆動用トランジスタはオンする。このとき第2の電源線はLの電圧が入力されている。そのため、第1の発光素子103の第1の電極にはHの電圧が印加され、第1の発光素子103の第2の電極にはLの電圧が印加された状態となる。このとき生じる電位差によって、図15(B)で示した点線矢印の向きに電流が流れることによって第1の発光素子103が発光する。つまり、第1の発光素子103には順バイアス電圧が印加される。
また、第2の駆動用トランジスタ1002がオンすることによって、第2の発光素子104の第1の電極には、Lの電位が入力され、第2の電極にはHの電圧が入力される。即ち、第2の発光素子104には、第2の電極側から第1の電極側に逆バイアス電圧が印加される。そのため、定期的に発光素子の電荷の偏りを緩和することができ、発光素子の発光をしながら、且つ発光素子の信頼性、長寿命化を達成することができる。
次に図15(C)の状態(信号保持期間)に移行する。走査線gate1をLの電位にすることによって、選択用トランジスタ101をオフにする。第1の容量素子105には、第1の駆動用トランジスタ1001及び第2の駆動用トランジスタ1002をオンするための電圧が保持されており、第1の発光素子103は発光状態を保持することができる。
次に図15(D)の状態(信号消去期間)に移行する。消去線gate2の電位をHにすることによって、消去用トランジスタ1401をオンする。すると、消去線gate2よりHの電位が入力され、第1の容量素子105に保持されていたLの電荷は放電される。また、第2の容量素子の一方の電極には、消去線gate2よりHの電位が印加され、第2の容量素子106の他方の電極には、第2の電源線com2よりLの電位が印加されることにより、第2の容量素子106は電荷が蓄積される。第2の容量素子106の充電により、第1の駆動用トランジスタ1001及び第2の駆動用トランジスタ1002のゲートには電圧がHの電圧が印加されるが、第1の駆動用トランジスタ1001及び第2の駆動用トランジスタ1002共にPチャネル型であるためオンしない。その結果、第1の容量素子105及び第2の容量素子に保持された第1の駆動用トランジスタ1001及び第2の駆動用トランジスタ1002をオンするための電荷を消去することができ、第1の発光素子及び第2の発光素子の発光・非発光を制御することができる。
図15(E)は、図15(A)〜(D)の各段階(初期状態、信号入力期間、信号保持期間、信号消去期間)における走査線gate1、消去線gate2データ線sig、第1の電源線com1、第2の電源線com2の各電圧のタイミングチャートである。図15(E)のように、各配線の電位を制御することによって、発光素子の発光と、逆バイアス電圧を印加する動作を同時に制御することができる。なお図15(E)において、データ線sigにおける電位の斜線区間は、とくに電位がHであってもLであってもよい不定値区間とする。
次に、図16は本実施の形態の画素について第2の発光素子104を選択し発光させるときの各配線の電圧、及びタイミングチャートについて示した図である。
図16(A)の状態(初期状態)について説明する。データ線sigにはLの電位を入力され、第1の電源線com1にはLの電位が入力され、第2の電源線com2にはHの電位が入力されている。
次に図16(B)の状態(信号入力期間)に移行する。選択用トランジスタ101をオンするため、走査線gateにHの電位が入力される。選択用トランジスタ101がオンすることによって、pix1およびpix2における第1の容量素子105および第2の容量素子106の一方の電極には、Lの電位が入力される。第1の容量素子105の他方の電極では、第1の電源線com1よりLの電位が入力され、第1の容量素子105における2つの電極に印加される電位差が同じ電位差となり、電荷の蓄積は行われない。また第2の容量素子106の他方の電極には、第2の電源線com2の電位であるHが入力されており、第2の容量素子106において電荷が蓄積される。
第2の容量素子106に蓄積された電荷より第1の駆動用トランジスタ1001及び第2の駆動用トランジスタ1002のゲートにLの電圧が印加されることにより、第1の駆動用トランジスタ1001及び第2の駆動用トランジスタ1002はオンする。このとき第1の電源線はLの電圧が入力されている。そのため、第2の発光素子104の第1の電極にはHの電圧が印加され、第2の発光素子104の第2の電極にはLの電圧が印加された状態となる。このとき生じる電位差によって、図16(B)で示した点線矢印の向きに電流が流れることによって第2の発光素子104が発光する。
また、第1の発光素子103の第1の電極には、Hの電位が入力され、第2の電極にはLの電圧が入力される。即ち、第1の発光素子103には、第2の電極側から第1の電極側に逆バイアス電圧が印加される。そのため、定期的に発光素子の電荷の偏りを緩和することができ、発光素子の発光をしながら、且つ発光素子の信頼性、長寿命化を達成することができる。
次に図16(C)の状態(信号保持期間)に移行する。走査線gateをLの電位にすることによって、選択用トランジスタ101はオフする。第2の容量素子106には、第1の駆動用トランジスタ1001および第2の駆動用トランジスタ1002をオンするための電圧が保持されており、第2の発光素子104は発光状態を保持することができる。
次に図16(D)の状態(信号消去期間)に移行する。消去線gate2の電位をHにすることによって、消去用トランジスタ1401をオンする。すると、消去線gate2よりHの電位が入力され、第1の容量素子105の一方の電極にはHの電位が入力され、第1の容量素子105の他方の電極には第1の電源線com1よりLの電位が入力されることにより、第1の容量素子105は電荷が蓄積される。また、第2の容量素子106の他方の電極には、消去線gate2よりHの電位が印加され、第2の容量素子106の他方の電極には、第2の電源線com2よりHの電位が印加されることにより、第2の容量素子106は電荷を保持しない。第1の容量素子105の充電により、第1の駆動用トランジスタ1001及び第2の駆動用トランジスタ1002のゲートには電圧がHの電圧が印加されるが、第1の駆動用トランジスタ1001及び第2の駆動用トランジスタ1002共にPチャネル型であるためオンしない。その結果、第1の容量素子105及び第2の容量素子106に保持された第1の駆動用トランジスタ1001及び第2の駆動用トランジスタ1002をオンするための電荷を消去することができ、第1の発光素子及び第2の発光素子の発光・非発光を制御することができる。
図16(E)は、図16(A)〜(D)の各段階(初期状態、信号入力期間、信号保持期間、信号消去期間)における走査線gate1、消去線gate2データ線sig、第1の電源線com1、第2の電源線com2の各電圧のタイミングチャートである。図16(E)のように、各配線の電位を制御することによって、発光素子の発光と、逆バイアス電圧を印加する動作を同時に制御することができる。なお図16(E)において、データ線sigにおける電位の斜線区間は、とくに電位がHであってもLであってもよい不定値区間とする。
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態の記載と自由に組み合わせて実施することが可能である。すなわち、画素を構成するトランジスタの数及び各画素に接続される走査線、電源線等の配線数を削減することができ開口率の増加が見込めるため、所望の輝度を保持するための発光素子に印加する電圧をおさえることができ、低消費電力化を達成できる。また、本発明の発光装置においては、走査線とデータ線の各交点に設けられた領域の隣り合う画素において、一方の画素に順バイアス電圧を印加して発光素子を発光させ、他方の画素に逆バイアス電圧を印加することを同時に行うことができる。そのため、逆バイアス電圧の印加時間を設ける必要がないため、デューティー比(1フレーム期間における点灯期間の割合)を低下させることなく、発光素子の劣化を制御し、信頼性を向上させることができる。
また、本発明の発光装置においては、画素の発光を、データ線の延長方向、または走査線の延長方向に1行おきに画素の発光を順次行う方式(インターレース方式)を採用することで、時間階調方式で画像表示を行った際に問題となる疑似輪郭の視認を軽減することができる。また各行2画素毎に順次画素を点灯させ、次の行については、前行で画素が点灯した画素よりデータ線の延長方向に1画素ずらして画素の点灯を行う、いわゆる市松模様状に画素の発光を行う方式(チェッカー方式)を採用することによって、疑似輪郭の視認を軽減することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1で示したインターレース方式とは別の方式で、本発明の発光装置における第1の画素及び第2の画素を発光させ、画像を表示した例について説明する。
図17には、半導体素子がマトリクス状に配置された発光装置の画素部を示し、表示画素は白色で示し、非表示画素は黒色で示す。このような画素部において、第1のフレームでは、奇数行・奇数列の画素、及び偶数行・偶数列の画素のみを表示し(図17(A)参照)、第2のフレームでは、奇数行・偶数列の画素、及び偶数行・奇数列の画素のみを表示する(図17(B)参照)。すなわち、画素部において、格子状に表示領域と、非表示領域を設ける。
なお本実施の形態においては、第1の画素pix1を奇数行・奇数列の画素、及び偶数行・偶数列に配置し、第2の画素pix2を奇数行・偶数列の画素、及び偶数行・奇数列に配置すればよい。勿論、第1の画素pix1と第2の画素pix2を入れ替えて配置してもよい。
なお本実施の形態において、第1のフレームを奇数フレーム、第2のフレームを偶数フレームとして表記する。
また本実施の形態の画素部において、奇数フレームで、奇数行・偶数列の画素、及び偶数行・奇数列の画素のみを表示し、偶数フレームで、奇数行・奇数列の画素、及び偶数行・偶数列の画素のみを表示してもよい。
図18には、このような表示を行うためのタイミングチャートを示す。図18(A)には、奇数フレームにおける、行方向の走査線を選択するための、走査線スタートパルス(GSP)、走査線クロック信号(GCK)、反転用信号(SW)を示す。また奇数行、偶数行における列方向の走査線を選択するための、スタートパルス(SSP)、スタートクロック信号(SCK)を示す。そしてこれらの信号により、書き込まれる映像信号(DATA)のタイミングを示す。
図18(B)には、偶数フレームにおけるタイミングチャートを示しており、図18(A)とは、SW信号が反転しており、その他のタイミングは同様である。
奇数フレームでは、SW信号がHighのとき奇数列の画素が選択され、Lowのときは偶数列の画素が選択される。また偶数フレームでは、SW信号がHighのとき偶数列の画素が選択され、Highのときは奇数列の画素が選択される。
映像信号(DATA)は、SSP信号入力後に入力され、選択された画素に入力される。なお選択された画素とは、選択された走査線に接続された半導体素子を有する画素である。
以上のようにして、各行2画素毎に順次画素を点灯させ、次の行については、前行で画素が点灯した画素よりデータ線の延長方向に1画素ずらして画素の点灯を行う、所謂市松模様状に画素の点灯と非点灯を選択することができる。
本実施の形態の構成を採用することによって、時分割階調を行う発光装置において、インターレース方式に比べ、縞模様の発生を低減した上、擬似輪郭の発生を低減することができる。
本発明の発光装置の画素構成のようにトランジスタ数を削減し、開口率が増加した画素構成に適用した場合、本実施の形態のチェッカー法を用いて表示させることで本発明の効果が相乗的に高められ、好適である。
なおチェッカー法を用いると、輝度低下が懸念される。しかし、マトリクス型の発光装置の発光素子に有機材料を使用すれば、該発光素子は指数関数的に輝度低下を生じるため、輝度低下に伴う供給電圧の向上がさして問題とならない。すなわち、チェッカー法は、有機材料を有する発光素子を具備する本発明の発光装置に用いることは非常に好適である。
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態の記載と自由に組み合わせて実施することが可能である。すなわち、画素を構成するトランジスタの数及び各画素に接続される走査線、電源線等の配線数を削減することができ開口率の増加が見込めるため、所望の輝度を保持するための発光素子に印加する電圧をおさえることができ、低消費電力化を達成できる。また、本発明の発光装置においては、走査線とデータ線の各交点に設けられた領域の隣り合う画素において、一方の画素に順バイアス電圧を印加して発光素子を発光させ、他方の画素に逆バイアス電圧を印加することを同時に行うことができる。そのため、逆バイアス電圧の印加時間を設ける必要がないため、デューティー比(1フレーム期間における点灯期間の割合)を低下させることなく、発光素子の劣化を制御し、信頼性を向上させることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、発光素子を有する画素の断面構造について説明する。上述したような発光素子への電流の供給を制御するトランジスタがp型薄膜トランジスタ(TFT)の場合における、画素の断面構造について、図19を用いて説明する。なお本実施の形態では、発光素子が有する陽極と陰極の2つの電極のうち、トランジスタによって電位を制御することができる一方の電極を第1の電極、他方の電極を第2の電極とする。そして図19では、第1の電極が陽極、第2の電極が陰極の場合について説明するが、第1の電極が陰極、第2の電極が陽極であってもよい。
図19(A)に、TFT6001がp型で、発光素子6003から発せられる光を第1の電極6004側から取り出す場合の、画素の断面図を示す。図19(A)では、発光素子6003の第1の電極6004と、TFT6001が電気的に接続されている。
TFT6001は層間絶縁膜6007で覆われており、層間絶縁膜6007上には開口部を有する隔壁6008が形成されている。隔壁6008の開口部において第1の電極6004が一部露出しており、該開口部において第1の電極6004、電界発光層6005、第2の電極6006が順に積層されている。
層間絶縁膜6007は、有機樹脂膜、無機絶縁膜またはシロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む絶縁膜(以下、シロキサン系絶縁膜と呼ぶ)を用いて形成することができる。シロキサン系絶縁膜は、置換基に水素を有し、その他フッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち少なくとも1種を有することができる。層間絶縁膜6007に、低誘電率材料(low−k材料)と呼ばれる材料を用いていても良い。
隔壁6008は、有機樹脂膜、無機絶縁膜またはシロキサン系絶縁膜を用いて形成することができる。有機樹脂膜ならば、例えばアクリル、ポリイミド、ポリアミドなど、無機絶縁膜ならば酸化珪素、窒化酸化珪素などを用いることができる。特に感光性の有機樹脂膜を隔壁6008に用い、第1の電極6004上に開口部を形成し、その開口部の側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することで、第1の電極6004と第2の電極6006とが接続してしまうのを防ぐことができる。
第1の電極6004は、光を透過する材料または膜厚で形成し、なおかつ陽極として用いるのに適する材料で形成する。例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などその他の透光性酸化物導電材料を第1の電極6004に用いることが可能である。またITO及び酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(以下、ITSOとする)や、酸化珪素を含んだ酸化インジウムに、さらに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したものを第1の電極6004に用いても良い。また上記透光性酸化物導電材料の他に、例えばTiN、ZrN、Ti、W、Ni、Pt、Cr、Ag、Al等の1つまたは複数からなる単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との三層構造等を第1の電極6004に用いることもできる。ただし透光性酸化物導電材料以外の材料を用いる場合、光が透過する程度の膜厚(好ましくは、5nm〜30nm程度)で第1の電極6004を形成する。
また第2の電極6006は、光を反射もしくは遮蔽する材料及び膜厚で形成し、なおかつ仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などで形成することができる。具体的には、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、これらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li、Mg:Inなど)、およびこれらの化合物(フッ化カルシウム、窒化カルシウム)の他、YbやEr等の希土類金属を用いることができる。また電子注入層を設ける場合、Alなどの他の導電層を用いることも可能である。
電界発光層6005は、単数または複数の層で構成されている。複数の層で構成されている場合、これらの層は、キャリア輸送特性の観点から正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などに分類することができる。電界発光層6005が発光層の他に、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層のいずれかを有している場合、第1の電極6004から正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の順に積層する。なお各層の境目は必ずしも明確である必要はなく、互いの層を構成している材料が一部混合し、界面が不明瞭になっている場合もある。各層には、有機系の材料、無機系の材料を用いることが可能である。有機系の材料として、高分子系、中分子系、低分子系のいずれの材料も用いることが可能である。なお中分子系の材料とは、構造単位の繰返しの数(重合度)が2から20程度の低重合体に相当する。正孔注入層と正孔輸送層との区別は必ずしも厳密なものではなく、これらは正孔輸送性(正孔移動度)が特に重要な特性である意味において同じである。便宜上正孔注入層は陽極に接する側の層であり、正孔注入層に接する層を正孔輸送層と呼んで区別する。電子輸送層、電子注入層についても同様であり、陰極に接する層を電子注入層と呼び、電子注入層に接する層を電子輸送層と呼んでいる。発光層は電子輸送層を兼ねる場合もあり、発光性電子輸送層とも呼ばれる。
図19(A)に示した画素の場合、発光素子6003から発せられる光を、白抜きの矢印で示すように第1の電極6004側から取り出すことができる。
次に図19(B)に、TFT6011がp型で、発光素子6013から発せられる光を第2の電極6016側から取り出す場合の、画素の断面図を示す。図19(B)では、発光素子6013の第1の電極6014と、TFT6011が電気的に接続されている。また第1の電極6014上に電界発光層6015、第2の電極6016が順に積層されている。
第1の電極6014は、光を反射もしくは遮蔽する材料及び膜厚で形成し、なおかつ陽極として用いるのに適する材料で形成する。例えば、TiN、ZrN、Ti、W、Ni、Pt、Cr、Ag、Al等の1つまたは複数からなる単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との三層構造等を第1の電極6014に用いることができる。
また第2の電極6016は、光を透過する材料または膜厚で形成し、なおかつ仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などで形成することができる。具体的には、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、これらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li、Mg:Inなど)、およびこれらの化合物(フッ化カルシウム、窒化カルシウム)の他、YbやEr等の希土類金属を用いることができる。また電子注入層を設ける場合、Alなどの他の導電層を用いることも可能である。そして第2の電極6016を、光が透過する程度の膜厚(好ましくは、5nm〜30nm程度)で形成する。なお、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などその他の透光性酸化物導電材料を用いることも可能である。またITO及び酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(以下、ITSOとする)や、酸化珪素を含んだ酸化インジウムに、さらに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したものを用いても良い。透光性酸化物導電材料を用いる場合、電界発光層6015に電子注入層を設けるのが望ましい。
電界発光層6015は、図19(A)の電界発光層6005と同様に形成することができる。
図19(B)に示した画素の場合、発光素子6013から発せられる光を、白抜きの矢印で示すように第2の電極6016側から取り出すことができる。
次に図19(C)に、TFT6021がp型で、発光素子6023から発せられる光を第1の電極6024側及び第2の電極6026側から取り出す場合の、画素の断面図を示す。図19(C)では、発光素子6023の第1の電極6024と、TFT6021が電気的に接続されている。また第1の電極6024上に電界発光層6025、第2の電極6026が順に積層されている。
第1の電極6024は、図19(A)の第1の電極6004と同様に形成することができる。また第2の電極6026は、図19(B)の第2の電極6016と同様に形成することができる。電界発光層6025は、図19(A)の電界発光層6005と同様に形成することができる。
図19(C)に示した画素の場合、発光素子6023から発せられる光を、白抜きの矢印で示すように第1の電極6024側及び第2の電極6026側から取り出すことができる。
本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態の記載と自由に組み合わせて実施することが可能である。すなわち、画素を構成するトランジスタの数及び各画素に接続される走査線、電源線等の配線数を削減することができ開口率の増加が見込めるため、所望の輝度を保持するための発光素子に印加する電圧をおさえることができ、低消費電力化を達成できる。また、本発明の発光装置においては、走査線とデータ線の各交点に設けられた領域の隣り合う画素において、一方の画素に順バイアス電圧を印加して発光素子を発光させ、他方の画素に逆バイアス電圧を印加することを同時に行うことができる。そのため、逆バイアス電圧の印加時間を設ける必要がないため、デューティー比(1フレーム期間における点灯期間の割合)を低下させることなく、発光素子の劣化を制御し、信頼性を向上させることができる。
また、本発明の発光装置においては、画素の発光を、データ線の延長方向、または走査線の延長方向に1行おきに画素の発光を順次行う方式(インターレース方式)を採用することで、時間階調方式で画像表示を行った際に問題となる疑似輪郭の視認を軽減することができる。また各行2画素毎に順次画素を点灯させ、次の行については、前行で画素が点灯した画素よりデータ線の延長方向に1画素ずらして画素の点灯を行う、いわゆる市松模様状に画素の発光を行う方式(チェッカー方式)を採用することによって、疑似輪郭の視認を軽減することができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、発光素子への電流の供給を制御するトランジスタがn型TFTの場合における、画素の断面構造について、図20を用いて説明する。なお図20では、第1の電極が陰極、第2の電極が陽極の場合について説明するが、第1の電極が陽極、第2の電極が陰極であっても良い。
図20(A)に、TFT6031がn型で、発光素子6033から発せられる光を第1の電極6034側から取り出す場合の、画素の断面図を示す。図20(A)では、発光素子6033の第1の電極6034と、TFT6031が電気的に接続されている。また第1の電極6034上に電界発光層6035、第2の電極6036が順に積層されている。
第1の電極6034は、光を透過する材料または膜厚で形成し、なおかつ仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などで形成することができる。具体的には、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、これらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li、Mg:Inなど)、およびこれらの化合物(フッ化カルシウム、窒化カルシウム)の他、YbやEr等の希土類金属を用いることができる。また電子注入層を設ける場合、Alなどの他の導電層を用いることも可能である。そして第1の電極6034を、光が透過する程度の膜厚(好ましくは、5nm〜30nm程度)で形成する。さらに、光が透過する程度の膜厚を有する上記導電層の上または下に接するように、透光性酸化物導電材料を用いて透光性を有する導電層を形成し、第1の電極6034のシート抵抗を抑えるようにしても良い。なお、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などその他の透光性酸化物導電材料を用いた導電層だけを用いることも可能である。またITO及び酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(以下、ITSOとする)や、酸化珪素を含んだ酸化インジウムに、さらに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したものを用いても良い。透光性酸化物導電材料を用いる場合、電界発光層6035に電子注入層を設けるのが望ましい。
また第2の電極6036は、光を反射もしくは遮蔽する材料及び膜厚で形成し、なおかつ陽極として用いるのに適する材料で形成する。例えば、TiN、ZrN、Ti、W、Ni、Pt、Cr、Ag、Al等の1つまたは複数からなる単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との三層構造等を第2の電極6036に用いることができる。
電界発光層6035は、図20(A)の電界発光層6005と同様に形成することができる。ただし、電界発光層6035が発光層の他に、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層のいずれかを有している場合、第1の電極6034から、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層の順に積層する。
図20(A)に示した画素の場合、発光素子6033から発せられる光を、白抜きの矢印で示すように第1の電極6034側から取り出すことができる。
次に図20(B)に、TFT6041がn型で、発光素子6043から発せられる光を第2の電極6046側から取り出す場合の、画素の断面図を示す。図20(B)では、発光素子6043の第1の電極6044と、TFT6041が電気的に接続されている。また第1の電極6044上に電界発光層6045、第2の電極6046が順に積層されている。
第1の電極6044は、光を反射もしくは遮蔽する材料及び膜厚で形成し、なおかつ仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などで形成することができる。具体的には、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、これらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li、Mg:Inなど)、およびこれらの化合物(弗化カルシウム、窒化カルシウム)の他、YbやEr等の希土類金属を用いることができる。また電子注入層を設ける場合、Alなどの他の導電層を用いることも可能である。
また第2の電極6046は、光を透過する材料または膜厚で形成し、なおかつ陽極として用いるのに適する材料で形成する。例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などその他の透光性酸化物導電材料を第2の電極6046に用いることが可能である。またITO及び酸化珪素を含む酸化インジウムスズや、酸化珪素を含んだ酸化インジウムに、さらに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したものを第2の電極6046に用いても良い。また上記透光性酸化物導電材料の他に、例えばTiN、ZrN、Ti、W、Ni、Pt、Cr、Ag、Al等の1つまたは複数からなる単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との三層構造等を第2の電極6046に用いることもできる。ただし透光性酸化物導電材料以外の材料を用いる場合、光が透過する程度の膜厚(好ましくは、5nm〜30nm程度)で第2の電極6046を形成する。
電界発光層6045は、図20(A)の電界発光層6035と同様に形成することができる。
図20(B)に示した画素の場合、発光素子6043から発せられる光を、白抜きの矢印で示すように第2の電極6046側から取り出すことができる。
次に図20(C)に、TFT6051がn型で、発光素子6053から発せられる光を第1の電極6054側及び第2の電極6056側から取り出す場合の、画素の断面図を示す。図20(C)では、発光素子6053の第1の電極6054と、TFT6051が電気的に接続されている。また第1の電極6054上に電界発光層6055、第2の電極6056が順に積層されている。
第1の電極6054は、図20(A)の第1の電極6034と同様に形成することができる。また第2の電極6056は、図20(B)の第2の電極6046と同様に形成することができる。電界発光層6055は、図20(A)の電界発光層6035と同様に形成することができる。
図20(C)に示した画素の場合、発光素子6053から発せられる光を、白抜きの矢印で示すように第1の電極6054側及び第2の電極6056側から取り出すことができる。
本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態の記載と自由に組み合わせて実施することが可能である。すなわち、画素を構成するトランジスタの数及び各画素に接続される走査線、電源線等の配線数を削減することができ開口率の増加が見込めるため、所望の輝度を保持するための発光素子に印加する電圧をおさえることができ、低消費電力化を達成できる。また、本発明の発光装置においては、走査線とデータ線の各交点に設けられた領域の隣り合う画素において、一方の画素に順バイアス電圧を印加して発光素子を発光させ、他方の画素に逆バイアス電圧を印加することを同時に行うことができる。そのため、逆バイアス電圧の印加時間を設ける必要がないため、デューティー比(1フレーム期間における点灯期間の割合)を低下させることなく、発光素子の劣化を制御し、信頼性を向上させることができる。
また、本発明の発光装置においては、画素の発光を、データ線の延長方向、または走査線の延長方向に1行おきに画素の発光を順次行う方式(インターレース方式)を採用することで、時間階調方式で画像表示を行った際に問題となる疑似輪郭の視認を軽減することができる。また各行2画素毎に順次画素を点灯させ、次の行については、前行で画素が点灯した画素よりデータ線の延長方向に1画素ずらして画素の点灯を行う、いわゆる市松模様状に画素の発光を行う方式(チェッカー方式)を採用することによって、疑似輪郭の視認を軽減することができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の発光装置の一形態に相当するパネルの外観について、図21を用いて説明する。図21(A)は、第1の基板上に形成されたトランジスタ及び発光素子を、第2の基板との間にシール材によって封止した、パネルの上面図であり、図21(B)は、図21(A)のA−A’における断面図に相当する。
第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、信号線駆動回路4003と、第1の走査線駆動回路4004と、第2の走査線駆動回路4005とを囲むようにして、シール材4020が設けられている。また画素部4002と、信号線駆動回路4003と、第1の走査線駆動回路4004と、第2の走査線駆動回路4005の上に、第2の基板4006が設けられている。よって画素部4002と、信号線駆動回路4003と、第1の走査線駆動回路4004と、第2の走査線駆動回路4005とは、第1の基板4001とシール材4020と第2の基板4006とによって、充填材4007と共に密封されている。
また第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、信号線駆動回路4003と、第1の走査線駆動回路4004と、第2の走査線駆動回路4005とは、トランジスタを複数有しており、図21(B)では、信号線駆動回路4003に含まれるトランジスタ4008と、画素部4002に含まれる駆動用トランジスタ4009及びスイッチング用トランジスタ4010とを例示している。
また4011は発光素子に相当し、駆動用トランジスタ4009のドレインと接続されている配線4017の一部が、発光素子4011の第1の電極として機能する。また透明導電膜が、発光素子4011の第2の電極4012として機能する。なお発光素子4011の構成は、本実施の形態に示した構成に限定されない。発光素子4011から取り出す光の方向や、駆動用トランジスタ4009の極性などに合わせて、発光素子4011の構成は適宜変えることができる。
また信号線駆動回路4003、第1の走査線駆動回路4004、第2の走査線駆動回路4005または画素部4002に与えられる各種信号及び電圧は、図21(B)に示す断面図では図示されていないが、引き出し配線4014及び4015を介して、接続端子4016から供給されている。
本実施の形態では、接続端子4016が、発光素子4011が有する第2の電極4012と同じ導電膜から形成されている。また、引き出し配線4014は、配線4017と同じ導電膜から形成されている。また引き出し配線4015は、駆動用トランジスタ4009、スイッチング用トランジスタ4010、トランジスタ4008がそれぞれ有するゲートと、同じ導電膜から形成されている。
接続端子4016は、FPC4018が有する端子と、異方性導電膜4019を介して電気的に接続されている。
なお、第1の基板4001、第2の基板4006としては、ガラス、金属(代表的にはステンレス)、セラミックス、プラスチックを用いることができる。プラスチックとしては、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィルム、マイラーフィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリル樹脂フィルムを用いることができる。また、アルミニウムホイルをPVFフィルムやマイラーフィルムで挟んだ構造のシートを用いることもできる。
但し、発光素子4011からの光の取り出し方向に位置する第2の基板4006は、透光性を有していなければならない。よって第2の基板4006は、ガラス板、プラスチック板、ポリエステルフィルムまたはアクリルフィルムのような透光性を有する材料を用いる。
また、充填材4007としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)を用いることができる。本実施の形態では充填材として窒素を用いた。
また、周辺に設けられる駆動回路は、第1の走査線駆動回路4004、第2の走査線駆動回路4005と、信号線駆動回路4003はそれぞれゲート配線とソース配線で画素部に接続されている。
なお、本発明の発光装置は発光素子を有する画素部が形成されたパネルと、該パネルにICが実装されたモジュールとをその範疇に含む。
本実施の形態のような構成のパネル及びモジュールは、表示部の画素を構成する薄膜トランジスタを削減し、且つ逆バイアスを定期的に発光素子に印加することによって発光素子の信頼性の向上が見込める。また、表示部の画素を構成する薄膜トランジスタ数、配線数を削減することができるため、画素部の開口率の増加が見込めるため、消費電力の低下に貢献することができる。また、画素部周辺の駆動回路部のレイアウト面積を低減することができるパネル及びモジュールとすることができる。
本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態の記載と自由に組み合わせて実施することが可能である。すなわち、画素を構成するトランジスタの数及び各画素に接続される走査線、電源線等の配線数を削減することができ開口率の増加が見込めるため、所望の輝度を保持するための発光素子に印加する電圧をおさえることができ、低消費電力化を達成できる。また、本発明の発光装置においては、走査線とデータ線の各交点に設けられた領域の隣り合う画素において、一方の画素に順バイアス電圧を印加して発光素子を発光させ、他方の画素に逆バイアス電圧を印加することを同時に行うことができる。そのため、逆バイアス電圧の印加時間を設ける必要がないため、デューティー比(1フレーム期間における点灯期間の割合)を低下させることなく、発光素子の劣化を制御し、信頼性を向上させることができる。
また、本発明の発光装置においては、画素の発光を、データ線の延長方向、または走査線の延長方向に1行おきに画素の発光を順次行う方式(インターレース方式)を採用することで、時間階調方式で画像表示を行った際に問題となる疑似輪郭の視認を軽減することができる。また各行2画素毎に順次画素を点灯させ、次の行については、前行で画素が点灯した画素よりデータ線の延長方向に1画素ずらして画素の点灯を行う、いわゆる市松模様状に画素の発光を行う方式(チェッカー方式)を採用することによって、疑似輪郭の視認を軽減することができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、チャネルエッチ型のTFTをスイッチング素子とするアクティブマトリクス型表示装置の作製例について図面を参照して説明する。
図30(A)で示すように、基板3000上に後に形成する液滴吐出法による材料層と密着性を向上させるための下地層3011を形成する。下地層3011は、極薄く形成すれば良いので、必ずしも層構造を持っていなくても良い。下地層3011の作製は、スプレー法またはスパッタ法によって光触媒物質(酸化チタン(TiOX)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、セレン化カドミウム(CdSe)、タンタル酸カリウム(KTaO3)、硫化カドミウム(CdS)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化タングステン(WO3))を全面に形成する処理を行う。またはインクジェット法やゾルゲル法を用いて有機材料(ポリイミド、アクリル、或いは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基に水素、フッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち少なくとも1種を有する材料を用いた塗布絶縁膜)を選択的に形成する処理を行えばよい。これは下地前処理とみなすこともできる。
ここでは基板上に導電性材料を吐出する場合に密着性を良くする下地前処理を行う例を示したが、材料層(例えば、有機層、無機層、金属層)、或いは、吐出した導電性層の上にさらに液滴吐出法で材料層(例えば、有機層、無機層、金属層)を形成する場合において、材料層と材料層との密着性向上のためのTiOX成膜処理を行っても良い。つまり、液滴吐出法で導電性材料を吐出して描画する場合、その導電性材料層の上下界面で下地前処理を挟み、その密着性を良くすることが望ましい。
また、下地層3011は、光触媒材料に限らず、3d遷移金属(Sc、Ti、Cr、Ni、V、Mn、Fe、Co、Cu、Zn等)、または、その酸化物、窒化物、酸窒化物を用いることができる。
なお、基板3000は、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス若しくはアルミノシリケートガラスなど、フュージョン法やフロート法で作製される無アルカリガラス基板の他、本作製工程の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板等を用いることができる。
次いで、液滴吐出法、代表的にはインクジェット法により導電膜材料液を滴下して導電膜パターン3012を形成する。(図30(A))導電膜材料液に含ませる導電材料としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、若しくはアルミニウム(Al)、これらからなる合金、これらの分散性ナノ粒子、又はハロゲン化銀の微粒子を用いる。特に、ゲート配線は、低抵抗化することが好ましいので、比抵抗値を考慮して、金、銀、銅のいずれかの材料を溶媒に溶解又は分散させたものを用いることが好適であり、より好適には、低抵抗な銀、銅を用いるとよい。但し、銀、銅を用いる場合には、不純物拡散防止対策のため、合わせてバリア膜を設けるとよい。溶媒は、酢酸ブチル等のエステル類、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン等の有機溶剤等に相当する。表面張力と粘度は、溶媒の濃度を調整したり、界面活性剤等を加えたりして適宜調整する。
ここで、液滴吐出装置の一例を図31に示す。図31において、3100は大型基板、3104は撮像手段、3107はステージ、3111はマーカー、3103は1つのパネルが形成される領域を示している。1つのパネルの幅と同じ幅のヘッド3105a、3105b、3105cを備え、ステージを移動させてこれらのヘッドを走査、例えばジグザグまたは往復させて適宜、材料層のパターンを形成する。大型基板の幅と同じ幅のヘッドとすることも可能であるが、図31のように1つのパネルサイズに合わせるほうが操作しやすい。また、スループット向上のためには、ステージを動かしたままで材料の吐出を行うことが好ましい。
また、ヘッド3105a、3105b、3105cやステージ3107には温度調節機能を持たせることが好ましい。なお、ヘッド(ノズル先端)と大型基板との間隔は、約1mmとする。この間隔を短くすることによって着弾精度を高めることができる。
図31において、走査方向に対して3列としたヘッド3105a、3105b、3105cはそれぞれ異なる材料層を形成することを可能としてもよいし、同一材料を吐出してもよい。3つのヘッドで同一材料を吐出して層間絶縁膜3028をパターン形成する場合にはスループットが向上する。なお、図31に示す装置は、ヘッド部を固定し、基板3100を移動させて走査させることも、基板3100を固定し、ヘッド部を移動させて走査させることも可能である。
液滴吐出手段の個々のヘッド3105a、3105b、3105cは制御手段に接続され、それがコンピュータで制御することにより予めプログラミングされたパターンを描画することができる。吐出量は印加するパルス電圧により制御する。描画するタイミングは、例えば、基板上に形成されたマーカを基準に行えば良い。或いは、基板の縁を基準にして基準点を確定させても良い。これをCCDなどの撮像手段で検出し、画像処理手段にてデジタル信号に変換したものをコンピュータで認識して制御信号を発生させて制御手段に送る。勿論、基板上に形成されるべきパターンの情報は記憶媒体に格納されたものであり、この情報を基にして制御手段に制御信号を送り、液滴吐出手段の個々のヘッドを個別に制御することができる。
次いで、レーザ光を選択的に照射して、導電膜パターンの一部を露光させる(図30(B)参照。)。吐出する導電膜材料液には、予め感光性材料を含ませておき、照射するレーザ光によって化学反応させる。ここで感光性材料は、照射して化学反応させた部分を残すネガ型とした例を示している。レーザ光の照射によって、正確なパターン形状、特に細い幅の配線を得ることができる。
ここで、レーザビーム描画装置について、図32を用いて説明する。レーザビーム描画装置3201は、レーザビームを照射する際の各種制御を実行するパーソナルコンピュータ(以下、PCともいう。)3202と、レーザビームを出力するレーザ発振器3203と、レーザ発振器3203の電源3204と、レーザビームを減衰させるための光学系(NDフィルタ)3205と、レーザビームの強度を変調するための音響光学変調器(AOM)3206と、レーザビームの断面の拡大又は縮小をするためのレンズ、光路の変更するためのミラー等で構成される光学系3207、Xステージ及びYステージを有する基板移動機構3209と、PCから出力される制御データをデジタルーアナログ変換するD/A変換部3210と、D/A変換部から出力されるアナログ電圧に応じて音響光学変調器3206を制御するドライバ3211と、基板移動機構3209を駆動するための駆動信号を出力するドライバ3212とを備えている。
レーザ発振器3203としては、紫外光、可視光、又は赤外光を発振することが可能なレーザ発振器を用いることができる。レーザ発振器としては、KrF、ArF、XeCl、Xe等のエキシマレーザ発振器、He、He−Cd、Ar、He−Ne、HF等の気体レーザ発振器、YAG、GdVO4、YVO4、YLF、YAlO3などの結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶を使った固体レーザ発振器、GaN、GaAs、GaAlAs、InGaAsP等の半導体レーザ発振器を用いることができる。なお、固体レーザ発振器においては、基本波の第1高調波〜第5高調波を適用するのが好ましい。
レーザビーム直接描画装置を用いた感光材料の感光方法について以下に述べる。なお、ここで言う感光材料とは、導電膜パターンとなる導電膜材料(感光材料含む)を指している。
基板3208が基板移動機構3209に装着されると、PC3202は図外のカメラによって、基板に付されているマーカの位置を検出する。次いで、PC3202は、検出したマーカの位置データと、予め入力されている描画パターンデータとに基づいて、基板移動機構3209を移動させるための移動データを生成する。この後、PC3202が、ドライバ3211を介して音響光学変調器3206の出力光量を制御することにより、レーザ発振器3203から出力されたレーザビームは、光学系3205によって減衰された後、音響光学変調器3206によって所定の光量になるように光量が制御される。一方、音響光学変調器3206から出力されたレーザビームは、光学系3207で光路及びビーム形を変化させ、レンズで集光した後、基板上に形成された感光材料に対して該ビームを照射して、感光材料を感光する。このとき、PC3202が生成した移動データに従い、基板移動機構3209をX方向及びY方向に移動制御する。この結果、所定の場所にレーザビームが照射され、感光材料の露光が行われる。
なお、感光材料に照射されたレーザ光のエネルギーの一部は、熱に変換され、感光材料の一部を反応させる。従って、パターン幅は、レーザビームの幅より若干大きくなる。また、短波長のレーザ光ほど、ビーム径を小さく集光することが可能であるため、微細な幅のパターンを形成するためには、短波長のレーザビームを照射することが好ましい。
また、レーザビームの感光材料表面でのスポット形状は、点状、円形、楕円形、矩形、または線状(厳密には細長い長方形状)となるように光学系で加工されている。なお、スポット形状は円形であっても構わないが、線状にした方が、幅が均一なパターンを形成することができる。
また、図32に示した装置は、基板の表面側からレーザ光を照射して露光する例を示したが、光学系や基板移動機構を適宜変更し、基板の裏面側からレーザ光を照射して露光するレーザビーム描画装置としてもよい。なお、ここでは、基板を移動して選択的にレーザビームを照射しているが、これに限定されず、レーザビームをXY軸方向に走査してレーザビームを照射することができる。この場合、光学系3207にポリゴンミラーやガルバノミラーを用いることが好ましい。
次いで、エッチャント(または現像液)を用いて現像を行い、余分な部分を除去して、本焼成を行ってゲートまたはゲート配線となる金属配線3015を形成する(図30(C)参照。)。
また、金属配線3015と同様に端子部に伸びる配線3040も形成する。なお、ここでは図示しないが、発光素子に電流を供給するための電源線も形成してもよい。また、保持容量を形成するための容量電極または容量配線も必要であれば形成する。なお、ポジ型の感光性材料を用いる場合には、除去したい部分にレーザ照射を行って化学反応させ、その部分をエッチャントで溶解させればよい。また、導電膜材料液を滴下した後、室温乾燥または仮焼成を行ってからレーザ光の照射による露光を行ってもよい。
次いで、プラズマCVD法やスパッタリング法を用いて、ゲート絶縁膜3018、半導体膜、n型の半導体膜を順次成膜する。ゲート絶縁膜3018としては、PCVD法により得られる酸化珪素、窒化珪素、または窒化酸化珪素を主成分とする材料を用いる。また、ゲート絶縁膜3018について、シロキサン系ポリマーを用いた液滴吐出法により吐出、焼成してアルキル基を含むSiOx膜としてもよい。
半導体膜は、シランやゲルマンに代表される半導体材料ガスを用いて気相成長法やスパッタリング法や熱CVD法で作製されるアモルファス半導体膜、或いはセミアモルファス半導体膜で形成する。アモルファス半導体膜としては、SiH4、若しくはSiH4とH2の混合気体を用いたPCVD法により得られるアモルファスシリコン膜を用いることができる。また、セミアモルファス(マイクロクリスタル若しくは微結晶ともいう)半導体膜としては、SiH4をH2で3倍〜1000倍に希釈した混合気体、Si2H6とGeF4のガス流量比を20〜40:0.9(Si2H6:GeF4)で希釈した混合気体、或いはSi2H6とF2の混合気体、或いはSiH4とF2の混合気体を用いたPCVD法により得られるセミアモルファスシリコン膜を用いることができる。なお、セミアモルファスシリコン膜は、下地との界面に、より結晶性を持たせることができるため好ましい。
また、SiH4とF2の混合気体を用いたPCVD法により得られるセミアモルファスシリコン膜にレーザ光を照射して、さらに結晶性を向上させてもよい。
n型の半導体膜は、シランガスとフォスフィンガスを用いたPCVD法で形成すれば良く、アモルファス半導体膜、或いはセミアモルファス半導体膜で形成することができる。n型の半導体膜3020を設けると、半導体膜と電極(後の工程で形成される電極)とのコンタクト抵抗が低くなり好ましいが、必要に応じて設ければよい。
次いで、マスク3021を設け、半導体膜と、n型の半導体膜とを選択的にエッチングして島状の半導体膜3019、n型の半導体膜3020を得る(図30(D)参照。)。マスク3021の形成方法は、液滴吐出法や印刷法(凸版、平板、凹版、スクリーンなど)を用いて形成する。直接、所望のマスクパターンを液滴吐出法や印刷法で形成してもよいが、高精細度に形成するために液滴吐出法や印刷法で大まかなレジストパターンを形成した後、レーザ光を用いて選択的に露光を行って精細なレジストパターンを形成してもよい。
図32に示すレーザビーム描画装置を用いれば、レジストの露光も行うこともできる。その場合、感光材料をレジストとしてレーザ光により露光を行ってレジストマスク3021を形成すればよい。
次いで、マスク3021を除去した後、マスク(図示しない)を設けてゲート絶縁膜を選択的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。また、端子部においてはゲート絶縁膜を除去する。マスクの形成方法は、通常のフォトリソ技術、或いは、液滴吐出方法によるレジストパターン形成、或いは、全面にポジ型のレジスト塗布を行った後、レーザ光による露光、現像を行うレジストパターン形成でもよい。アクティブマトリクス型の発光装置においては一つの画素に複数のTFTが配置され、ゲートとゲート絶縁膜を介して上層の配線との接続箇所を有する。
次いで、液滴吐出法により導電性材料(Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)等)を含む組成物を選択的に吐出して、ソース配線またはドレイン配線3022、3023、および引出電極3017を形成する。なお、同様に、発光素子に電流を供給するための電源線や、端子部において接続配線(図示しない)も形成する(図30(E)参照)。
次いで、ソース配線またはドレイン配線3022、3023をマスクとしてn型の半導体膜、および半導体膜の上層部をエッチングして、図33(A)の状態を得る。この段階で、活性層となるチャネル形成領域3024、ソース領域3026、ドレイン領域3025を備えたチャネルエッチ型のTFTが完成する。
次いで、チャネル形成領域3024を不純物汚染から防ぐための保護膜3027を形成する(図33(B)参照。)。保護膜3027としては、スパッタ法、またはPCVD法により得られる窒化珪素、または窒化酸化珪素を主成分とする材料を用いる。ここでは保護膜3027を形成した例を示したが、特に必要でなければ設ける必要はない。
次いで、液滴吐出法により層間絶縁膜3028を選択的に形成する。層間絶縁膜3028は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂材料を用いる。また、ベンゾシクロブテン、パリレン、透過性を有するポリイミドなどの有機材料、シロキサンポリマー等の重合によってできた化合物材料、水溶性ホモポリマーと水溶性共重合体を含む組成物材料等を用いて液滴吐出法で形成する。層間絶縁膜3028の形成方法は、特に液滴吐出法に限定されず、塗布法やPCVD法などを用いて全面に形成してもよい。
次いで、層間絶縁膜3028をマスクとして保護膜3027をエッチングし、ソース配線またはドレイン配線3022、3023上の一部に導電性部材からなる凸状部(ピラー)3029を形成する。凸状部(ピラー)3029は、導電性材料(Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)等)を含む組成物の吐出と焼成を繰り返すことによって形成してもよい。
次いで、層間絶縁膜3028上に凸状部(ピラー)3029と接する第1の電極3030を形成する(図33(C)参照。)。なお、同様に配線3040と接する端子電極3041も形成する。ここでは駆動用のTFTはnチャネル型とした例であるので第1の電極3030は陰極として機能させることが好ましい。発光を通過させる場合、液滴吐出法または印刷法によりインジウム錫酸化物(ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)などを含む組成物からなる所定のパターンを形成し、焼成して第1の電極3030および端子電極3041を形成する。また、発光を第1の電極3030で反射させる場合、液滴吐出法によりAg(銀)、Au(金)、Cu(銅)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)等の金属の粒子を主成分とした組成物からなる所定のパターンを形成し、焼成して第1の電極3030および端子電極3041を形成する。他の方法としては、スパッタリング法により透明導電膜、若しくは光反射性の導電膜を形成して、液滴吐出法によりマスクパターンを形成し、エッチングを組み合わせて第1の電極3030を形成しても良い。
図33(C)の段階での画素の上面図の一例を図34に示す。図34中において、鎖線A−A’断面が図33(C)中の画素部右側の断面図と対応し、鎖線B−B’が図33(C)中の画素部左側の断面図と対応している。なお、図34中において、図30および図33に対応する部位には同じ符号を用いている。また、図34において、後に形成される隔壁3034の端部となる箇所は点線で示している。
また、ここでは保護膜3027を設けた例としたため、層間絶縁膜3028と凸状部(ピラー)3029とを別々に形成したが、保護膜3027を設けない場合、液滴吐出法により同じ装置で形成することもできる。
次いで、第1の電極3030の周縁部を覆う隔壁3034を形成する。隔壁(土手ともいう)3034は、珪素を含む材料、有機材料及び化合物材料を用いて形成する。また、多孔質膜を用いても良い。但し、アクリル、ポリイミド等の感光性、非感光性の材料を用いて形成すると、その側面は曲率半径が連続的に変化する形状となり、上層の薄膜が段切れせずに形成されるため好ましい。
以上の工程により、基板3000上にボトムゲート型(逆スタガ型ともいう)のTFTおよび第1の電極3030が形成された発光表示パネル用のTFT基板が完成する。
次いで、電界発光層(EL層)として機能する層、即ち、有機化合物を含む層3036の形成を行う。有機化合物を含む層3036は、積層構造であり、それぞれ蒸着法または塗布法を用いて形成する。例えば、陰極上に電子輸送層(電子注入層)、発光層、正孔輸送層、正孔注入層と順次積層する。
電子輸送層は、電荷注入輸送物質を含んでおり、特に電子輸送性の高い電荷注入輸送物質としては、例えばトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等が挙げられる。また正孔輸送性の高い物質としては、例えば4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)や4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD)や4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)などの芳香族アミン系(即ち、ベンゼン環−窒素の結合を有する)の化合物が挙げられる。
また、電荷注入輸送物質のうち、特に電子注入性の高い物質としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物が挙げられる。また、この他、Alq3のような電子輸送性の高い物質とマグネシウム(Mg)のようなアルカリ土類金属との混合物であってもよい。
また、発光層は、有機化合物又は無機化合物を含む電荷注入輸送物質及び発光材料で形成し、その分子数から低分子系有機化合物、中分子系有機化合物(昇華性を有さず、且つ分子数が20以下、又は連鎖する分子の長さが10μm以下の有機化合物を指していう)、高分子系有機化合物から選ばれた一種又は複数種の層を含み、電子注入輸送性又は正孔注入輸送性の無機化合物と組み合わせても良い。
発光材料には様々な材料がある。低分子系有機発光材料では、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−9−ジュロリジル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−t−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTB)、ペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]ベンゼン、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6、クマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)や9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)等を用いることができる。また、この他の物質でもよい。
高分子系有機発光材料は低分子系に比べて物理的強度が高く、素子の耐久性が高い。また塗布により成膜することが可能であるので、素子の作製が比較的容易である。高分子系有機発光材料を用いた発光素子の構造は、低分子系有機発光材料を用いたときと基本的には同じであり、陰極、有機発光層、陽極とを順次積層した構造なる。しかし、高分子系有機発光材料を用いた発光層を形成する際には、低分子系有機発光材料を用いたときのような積層構造を形成させることは難しく、多くの場合2層構造となる。具体的には、陰極、発光層、正孔輸送層、陽極を順次積層した構造である。
発光色は、発光層を形成する材料で決まるため、これらを選択することで所望の発光を示す発光素子を形成することができる。発光層の形成に用いることができる高分子系の電界発光材料は、ポリパラフェニレンビニレン系、ポリパラフェニレン系、ポリチオフェン系、ポリフルオレン系が挙げられる。
ポリパラフェニレンビニレン系には、ポリ(パラフェニレンビニレン) (PPV) の誘導体、ポリ(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレンビニレン) [RO−PPV]、ポリ(2−(2’−エチル−ヘキソキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン)[MEH−PPV]、ポリ(2−(ジアルコキシフェニル)−1,4−フェニレンビニレン)[ROPh−PPV]等が挙げられる。ポリパラフェニレン系には、ポリパラフェニレン[PPP]の誘導体、ポリ(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレン)[RO−PPP]、ポリ(2,5−ジヘキソキシ−1,4−フェニレン)等が挙げられる。ポリチオフェン系には、ポリチオフェン[PT]の誘導体、ポリ(3−アルキルチオフェン)[PAT]、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)[PHT]、ポリ(3−シクロヘキシルチオフェン)[PCHT]、ポリ(3−シクロヘキシル−4−メチルチオフェン)[PCHMT]、ポリ(3,4−ジシクロヘキシルチオフェン)[PDCHT]、ポリ[3−(4−オクチルフェニル)−チオフェン][POPT]、ポリ[3−(4−オクチルフェニル)−2,2ビチオフェン][PTOPT]等が挙げられる。ポリフルオレン系には、ポリフルオレン[PF]の誘導体、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)[PDAF]、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)[PDOF]等が挙げられる。
なお、正孔輸送性の高分子系有機発光材料を、陽極と発光性の高分子系有機発光材料の間に挟んで形成すると、陽極からの正孔注入性を向上させることができる。一般にアクセプター材料と共に水に溶解させたものをスピンコート法などで塗布する。また、有機溶媒には不溶であるため、上述した発光性の有機発光材料との積層が可能である。正孔輸送性の高分子系有機発光材料としては、PEDOTとアクセプター材料としてのショウノウスルホン酸(CSA)の混合物、ポリアニリン[PANI]とアクセプター材料としてのポリスチレンスルホン酸[PSS]の混合物等が挙げられる。
さらに、発光層は、一重項励起発光材料の他、金属錯体などを含む三重項励起材料を用いても良い。例えば、赤色の発光性の画素、緑色の発光性の画素及び青色の発光性の画素のうち、輝度半減時間が比較的短い赤色の発光性の画素を三重項励起発光材料で形成し、他を一重項励起発光材料で形成する。三重項励起発光材料は発光効率が良いので、同じ輝度を得るのに消費電力が少なくて済むという特徴がある。すなわち、赤色画素に適用した場合、発光素子に流す電流量が少なくて済むので、信頼性を向上させることができる。低消費電力化として、赤色の発光性の画素と緑色の発光性の画素とを三重項励起発光材料で形成し、青色の発光性の画素を一重項励起発光材料で形成しても良い。人間の視感度が高い緑色の発光素子も三重項励起発光材料で形成することで、より低消費電力化を図ることができる。
三重項励起発光材料の一例としては、金属錯体をドーパントとして用いたものがあり、第三遷移系列元素である白金を中心金属とする金属錯体、イリジウムを中心金属とする金属錯体などが知られている。三重項励起発光材料としては、これらの化合物に限られることはなく、上記構造を有し、且つ中心金属に周期表の8〜10属に属する元素を有する化合物を用いることも可能である。
また、正孔輸送層は、電荷注入輸送物質を含んでおり、正孔注入性の高い物質としては、例えば、モリブデン酸化物(MoOx)やバナジウム酸化物(VOx)、ルテニウム酸化物(RuOx)、タングステン酸化物(WOx)、マンガン酸化物(MnOx)等の金属酸化物が挙げられる。また、この他、フタロシアニン(略称:H2Pc)や銅フタロシアニン(CuPc)等のフタロシアニン系の化合物が挙げられる。
なお、有機化合物を含む層3036の形成前に、酸素雰囲気中でのプラズマ処理や真空雰囲気下での加熱処理を行うとよい。蒸着法を用いる場合、予め、抵抗加熱により有機化合物は気化されており、蒸着時にシャッターが開くことにより基板の方向へ飛散する。気化された有機化合物は、上方に飛散し、メタルマスクに設けられた開口部を通って基板に蒸着される。また、フルカラー化するためには、発光色(R、G、B)ごとにマスクのアライメントを行えばよい。
発光層は、発光波長帯の異なる発光層を画素毎に形成して、フルカラー表示を行う構成とすれば良い。典型的には、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応した発光層を形成する。この場合に、画素の光放射側にその発光波長帯の光を透過するフィルター(着色層)を設けた構成とすることで、色純度の向上や、画素部の鏡面化(映り込み)の防止を図ることができる。フィルター(着色層)を設けることで、従来必要であるとされていた円偏光版などを省略することが可能となり、発光層から放射される光の損失を無くすことができる。さらに、斜方から画素部(表示画面)を見た場合に起こる色調の変化を低減すことができる。
また、塗り分けを行わず、有機化合物を含む層3036として単色の発光を示す材料を用い、カラーフィルターや色変換層を組み合わせることによりフルカラー表示を行うことができる。例えば、白色又は橙色の発光を示す電界発光層を形成する場合、画素の光放射側にカラーフィルター、又は色変換層、カラーフィルターと色変換層とを組み合わせたものを別途設けることによってフルカラー表示ができる。カラーフィルターや色変換層は、例えば第2の基板(封止基板)に形成し、基板へ張り合わせればよい。また上述したように、単色の発光を示す材料、カラーフィルター、及び色変換層のいずれも液滴吐出法により形成することができる。
白色に発光する発光層を形成するには、例えば、Alq3、部分的に赤色発光色素であるナイルレッドをドープしたAlq3、p−EtTAZ、TPD(芳香族ジアミン)を蒸着法により順次積層することで白色を得ることができる。また、スピンコートを用いた塗布法によりELを形成する場合には、塗布した後、塗布された膜は真空加熱で焼成することが好ましい。例えば、正孔注入層として作用するポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PEDOT/PSS)を全面に塗布、焼成し、その後、発光層として作用する発光中心色素(1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン(TPB)、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノ−スチリル)−4H−ピラン(DCM1)、ナイルレッド、クマリン6など)ドープしたポリビニルカルバゾール(PVK)溶液を全面に塗布、焼成すればよい。
発光層は単層で形成することもでき、ホール輸送性のポリビニルカルバゾール(PVK)に電子輸送性の1,3,4−オキサジアゾール誘導体(PBD)を分散させてもよい。また、30wt%のPBDを電子輸送剤として分散し、4種類の色素(TPB、クマリン6、DCM1、ナイルレッド)を適当量分散することで白色発光が得られる。
以上に掲げる有機化合物を含む層を形成する物質は一例であり、正孔注入輸送層、正孔輸送層、電子注入輸送層、電子輸送層、発光層、電子ブロック層、正孔ブロック層などの機能性の各層を適宜積層することで発光素子を形成することができる。また、これらの各層を合わせた混合層又は混合接合を形成しても良い。発光層の層構造は変化しうるものであり、特定の電子注入領域や発光領域を備えていない代わりに、もっぱらこの目的用の電極を備えたり、発光性の材料を分散させて備えたりする変形は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において許容されうるものである。
もちろん単色発光の表示を行ってもよい。例えば、単色発光を用いてエリアカラータイプの発光表示装置を形成してもよい。エリアカラータイプは、パッシブマトリクス型の表示部が適しており、主に文字や記号を表示することができる。
次いで、第2の電極3037を形成する。発光素子の陽極として機能する第2の電極3037は光を透過する透明導電膜を用いて形成し、例えばITO、ITSOの他、酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合した透明導電膜を用いる。発光素子は、有機化合物を含む層3036を第1の電極3030と第2の電極3037で挟んだ構成になっている。なお、第1の電極3030及び第2の電極3037は仕事関数を考慮して材料を選択する必要があり、そして第1の電極3030及び第2の電極3037は、画素構成によりいずれも陽極、又は陰極となりうる。
上記のような材料で形成した発光素子は、順方向にバイアスすることで発光する。発光素子を用いて形成する表示装置の画素は、単純マトリクス方式、若しくはアクティブマトリクス方式で駆動することができる。いずれにしても、個々の画素は、ある特定のタイミングで順方向バイアスを印加して発光させることとなるが、ある一定期間は非発光状態となっている。この非発光時間に逆方向のバイアスを印加することで発光素子の信頼性を向上させることができる。発光素子では、一定駆動条件下で発光強度が低下する劣化や、画素内で非発光領域が拡大して見かけ上輝度が低下する劣化モードがあるが、順方向及び逆方向にバイアスを印加する交流的な駆動(AC駆動)を行うことで、劣化の進行を遅くすることができ、発光装置の信頼性を向上させることができる。
また、第2の電極3037の低抵抗化を図るため、発光領域とならない領域の第2の電極3037上に補助電極を設けてもよい。また、第2の電極3037を保護する保護層を形成してもよい。例えば、珪素からなる円盤状のターゲットを用い、成膜室雰囲気を窒素雰囲気または窒素とアルゴンを含む雰囲気とすることによって窒化珪素膜からなる保護膜を形成することができる。また、炭素を主成分とする薄膜(DLC膜、CN膜、アモルファスカーボン膜)を保護膜として形成してもよく、別途、CVD法を用いた成膜室を設けてもよい。ダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜とも呼ばれる)は、プラズマCVD法(代表的には、RFプラズマCVD法、マイクロ波CVD法、電子サイクロトロン共鳴(ECR)CVD法、熱フィラメントCVD法など)、燃焼炎法、スパッタ法、イオンビーム蒸着法、レーザ蒸着法などで形成することができる。成膜に用いる反応ガスは、水素ガスと、炭化水素系のガス(例えばCH4、C2H2、C6H6など)とを用い、グロー放電によりイオン化し、負の自己バイアスがかかったカソードにイオンを加速衝突させて成膜する。また、窒化炭素膜(CN膜)は反応ガスとしてC2H4ガスとN2ガスとを用いて形成すればよい。なお、DLC膜やCN膜は、可視光に対して透明もしくは半透明な絶縁膜である。「可視光に対して透明」とは可視光の透過率が80〜100%であることを指し、「可視光に対して半透明」とは可視光の透過率が50〜80%であることを指す。なお、この保護膜は、必要がなければ特に設けなくともよい。
次いで、封止基板3035をシール材(図示しない)で貼り合わせて発光素子を封止する。なお、シール材で囲まれた領域には透明な充填材3038を充填する。充填材3038としては、透光性を有している材料であれば特に限定されず、代表的には紫外線硬化または熱硬化のエポキシ樹脂を用いればよい。ここでは屈折率1.50、粘度500cps、ショアD硬度90、テンシル強度3000psi、Tg点150℃、体積抵抗1×1015Ω・cm、耐電圧450V/milである高耐熱のUVエポキシ樹脂(エレクトロライト社製:2500Clear)を用いる。また、充填材3038を一対の基板間に充填することによって、全体の透過率を向上させることができる。
最後にFPC3046を異方性導電膜3045により公知の方法で端子電極3041と貼りつける(図33(D)参照。)。以上の工程により、アクティブマトリクス型発光装置が作製できる。
図35はEL表示パネル構成の一例を示す上面図である。図35は、走査線及び信号線へ入力する信号を、外付けの駆動回路により制御する発光表示パネルの構成を示している。絶縁表面を有する基板3500上に画素3502をマトリクス上に配列させた画素部3501、走査線側入力端子3503、信号線側入力端子3504が形成されている。画素数は種々の規格に従って設ければ良く、XGAであれば1024×768×3(RGB)、UXGAであれば1600×1200×3(RGB)、フルスペックハイビジョンに対応させるのであれば1920×1080×3(RGB)とすれば良い。
画素3502は、走査線側入力端子3503から延在する走査線と、信号線側入力端子3504から延在する信号線とが交差することで、マトリクス状に配設される。画素3502のそれぞれには、スイッチング素子とそれに接続する画素電極が備えられている。スイッチング素子の代表的な一例はTFTであり、TFTのゲート側が走査線と、ソース若しくはドレイン側が信号線と接続されることにより、個々の画素を外部から入力する信号によって独立して制御可能としている。
なお、図33で示した第1の電極3030を透明材料、第2の電極3037を金属材料とすれば、基板3000を通過させて光を取り出す構造、即ちボトムエミッション型となる。また、第1の電極3030を金属材料、第2の電極3037を透明材料とすれば、封止基板3035を通過させて光を取り出す構造、即ちトップエミッション型となる。また、第1の電極3030および第2の電極3037を透明材料とすれば、基板3000と封止基板3035の両方を通過させて光を取り出す構造とすることができる。本発明は、適宜、いずれか一の構造とすればよい。また、EL表示パネルに駆動用のドライバ回路を実装しても良い。その一態様について図36を参照して説明する。
まず、COG方式を採用した表示装置について、図36を用いて説明する。基板3600上には、文字や画像などの情報を表示する画素部3601、走査側の駆動回路3602が設けられる。複数の駆動回路が設けられた基板を、矩形状に分断し、分断後の駆動回路(以下ドライバICと表記する。)3605a、3605bは、基板3600上に実装される。図36は複数のドライバIC3605a、3605b、該ドライバIC3605a、3605bの先にテープ3604a、3604bを実装する形態を示す。また、分割する大きさを画素部の信号線側の辺の長さとほぼ同じにし、単数のドライバICに、該ドライバICの先にテープを実装してもよい。
また、TAB方式を採用してもよく、その場合は、複数のテープを貼り付けて、該テープにドライバICを実装すればよい。COG方式の場合と同様に、単数のテープに単数のドライバICを実装してもよく、この場合には、強度の問題から、ドライバICを固定する金属片等を一緒に貼り付けるとよい。
これらのEL表示パネルに実装されるドライバICは、生産性を向上させる観点から、一辺が300mmから1000mm以上の矩形状の基板上に複数個作り込むとよい。つまり、基板上に駆動回路部と入出力端子を一つのユニットとする回路パターンを複数個形成し、最後に分割して取り出せばよい。ドライバICは、画素部の一辺の長さや画素ピッチを考慮して、長辺が15〜80mm、短辺が1〜6mmの矩形状に形成してもよいし、画素領域の一辺、又は画素部の一辺と各駆動回路の一辺とを足した長さに形成してもよい。
ドライバICのICチップに対する外形寸法の優位性は長辺の長さにあり、長辺が15〜80mmで形成されたドライバICを用いると、画素部に対応して実装するのに必要な数がICチップを用いる場合よりも少なくて済み、製造上の歩留まりを向上させることができる。また、ガラス基板上にドライバICを形成すると、母体として用いる基板の形状に限定されないので生産性を損なうことがない。これは、円形のシリコンウエハからICチップを取り出す場合と比較すると、大きな優位点である。
図36において、画素部3601の外側の領域には、駆動回路が形成されたドライバIC3605a、3605bが実装される。これらのドライバIC3605a、3605bは、信号線側の駆動回路である。RGBフルカラーに対応した画素領域を形成するためには、XGAクラスで信号線の本数が3072本必要であり、UXGAクラスでは4800本が必要となる。このような本数で形成された信号線は、画素部3601の端部で数ブロック毎に区分して引出線を形成し、ドライバIC3605a、3605bの出力端子のピッチに合わせて集められる。
ドライバICは、基板上に形成された結晶質半導体により形成されることが好適であり、該結晶質半導体は連続発光のレーザ光を照射することで形成されることが好適である。従って、当該レーザ光を発生させる発振器としては、連続発光の固体レーザ又は気体レーザを用いる。連続発光のレーザを用いると、結晶欠陥が少なく、大粒径の多結晶半導体層を用いて、トランジスタを作成することが可能となる。また移動度や応答速度が良好なために高速駆動が可能で、従来よりも素子の動作周波数を向上させることができ、特性バラツキが少ないために高い信頼性を得ることができる。なお、さらなる動作周波数の向上を目的として、トランジスタのチャネル長方向とレーザ光の走査方向と一致させるとよい。これは、連続発光レーザによるレーザ結晶化工程では、トランジスタのチャネル長方向とレーザ光の基板に対する走査方向とが概ね並行(好ましくは−30°〜30°)であるときに、最も高い移動度が得られるためである。なおチャネル長方向とは、チャネル形成領域において、電流が流れる方向、換言すると電荷が移動する方向と一致する。このように作製したトランジスタは、結晶粒がチャネル方向に延在する多結晶半導体層によって構成される活性層を有し、このことは結晶粒界が概ねチャネル方向に沿って形成されていることを意味する。
レーザ結晶化を行うには、レーザ光の大幅な絞り込みを行うことが好ましく、そのビームスポットの幅は、ドライバICの短辺の同じ幅の1〜3mm程度とすることがよい。また、被照射体に対して、十分に且つ効率的なエネルギー密度を確保するために、レーザ光の照射領域は、線状であることが好ましい。但し、ここでいう線状とは、厳密な意味で線を意味しているのではなく、アスペクト比の大きい長方形もしくは長楕円形を意味する。例えば、アスペクト比が2以上(好ましくは10〜10000)のものを指す。このように、レーザ光のビームスポットの幅をドライバICの短辺と同じ長さとすることで、生産性を向上させた表示装置の作製方法を提供することができる。
図36では、走査線駆動回路は画素部と共に一体形成し、信号線駆動回路としてドライバICを実装した形態を示した。しかしながら、本発明はこの形態に限定されず、走査線駆動回路及び信号線駆動回路の両方として、ドライバICを実装してもよい。その場合には、走査線側と信号線側で用いるドライバICの仕様を異なるものにするとよい。
画素部3601は、信号線と走査線が交差してマトリクスを形成し、各交差部に対応してトランジスタが配置される。本発明は、画素部3601に配置されるトランジスタとして、非晶質半導体又はセミアモルファス半導体をチャネル部としたTFTを用いることを特徴とする。非晶質半導体は、プラズマCVD法やスパッタリング法等の方法により形成する。セミアモルファス半導体は、プラズマCVD法で300℃以下の温度で形成することが可能であり、例えば、外寸550×650mmの無アルカリガラス基板であっても、トランジスタを形成するのに必要な膜厚を短時間で形成するという特徴を有する。このような製造技術の特徴は、大画面の表示装置を作製する上で有効である。また、セミアモルファスTFTは、SASでチャネル形成領域を構成することにより2〜10cm2/V・secの電界効果移動度を得ることができる。従って、このTFTを画素のスイッチング用素子や、走査線側の駆動回路を構成する素子として用いることができる。従って、システムオンパネル化を実現したEL表示パネルを作製することができる。
なお、図36では、半導体層をSASで形成したTFTを用いることにより、走査線側駆動回路も基板上に一体形成することを前提として示している。半導体層をSASで形成したTFTを用いる場合には、走査線側駆動回路及び信号線側駆動回路の両方にドライバICを実装してもよい。
その場合には、走査線側と信号線側で用いるドライバICの仕様を異なるものにすることが好適である。例えば、走査線側のドライバICを構成するトランジスタには30V程度の耐圧が要求されるものの、駆動周波数は100kHz以下であり、比較的高速動作は要求されない。従って、走査線側のドライバを構成するトランジスタのチャネル長(L)は十分大きく設定することが好適である。一方、信号線側のドライバICのトランジスタには、12V程度の耐圧があれば十分であるが、駆動周波数は3Vにて65MHz程度であり、高速動作が要求される。そのため、ドライバを構成するトランジスタを高集積化して設計することが好適である。
ドライバICの実装方法は、特に限定されるものではなく、公知のCOG方法やワイヤボンディング方法、或いはTAB方法を用いることができる。ドライバICの厚さは、対向基板と同じ厚さとすることで、両者の間の高さはほぼ同じものとなり、表示装置全体としての薄型化に寄与する。また、それぞれの基板を同じ材質のもので作製することにより、この表示装置に温度変化が生じても熱応力が発生することなく、TFTで作製された回路の特性を損なうことはない。その他にも、本実施例で示すようにICチップよりも長尺のドライバICで駆動回路を実装することにより、1つの画素領域に対して、実装されるドライバICの個数を減らすことができる。
以上示したように、液滴吐出法を用いた導電膜パターンに対してレーザ光で露光し、現像することによって微細なパターンを実現することができる。また、液滴吐出法を用いて基板上に直接的に各種のパターンを形成することにより、1辺が1000mmを超える第5世代以降のガラス基板を用いても、EL表示パネルの製造を容易なものとすることができる。
また、本実施の形態では、スピンコートを行わず、フォトマスクを利用した光露光工程を極力行わない工程を示したが、特に限定されず、一部のパターニングにフォトマスクを利用した光露光工程で行っても良い。
なお、本実施例は、本明細書中の他の実施の形態の記載とも自由に組み合わせて実施することが可能である。すなわち、画素を構成するトランジスタの数及び各画素に接続される走査線、電源線等の配線数を削減することができ開口率の増加が見込めるため、所望の輝度を保持するための発光素子に印加する電圧をおさえることができ、低消費電力化を達成できる。また、本発明の発光装置においては、走査線とデータ線の各交点に設けられた領域の隣り合う画素において、一方の画素に順バイアス電圧を印加して発光素子を発光させ、他方の画素に逆バイアス電圧を印加することを同時に行うことができる。そのため、逆バイアス電圧の印加時間を設ける必要がないため、デューティー比(1フレーム期間における点灯期間の割合)を低下させることなく、発光素子の劣化を制御し、信頼性を向上させることができる。
また、本発明の発光装置においては、画素の発光を、データ線の延長方向、または走査線の延長方向に1行おきに画素の発光を順次行う方式(インターレース方式)を採用することで、時間階調方式で画像表示を行った際に問題となる疑似輪郭の視認を軽減することができる。また各行2画素毎に順次画素を点灯させ、次の行については、前行で画素が点灯した画素よりデータ線の延長方向に1画素ずらして画素の点灯を行う、いわゆる市松模様状に画素の発光を行う方式(チェッカー方式)を採用することによって、疑似輪郭の視認を軽減することができる。
(実施の形態9)
次に、表示パネルの画素部の部分断面図を示す。
まず、トランジスタの半導体層に結晶性半導体膜(ポリシリコン(p−Si:H)膜)を用いた場合について図37及び図38を用いて説明する。
ここで、半導体層は、例えば基板上にアモルファスシリコン(a−Si)膜を公知の成膜法で形成する。なお、アモルファスシリコン膜に限定する必要はなく、非晶質構造を含む半導体膜(微結晶半導体膜を含む)であれば良い。さらに非晶質シリコンゲルマニウム膜などの非晶質構造を含む化合物半導体膜でも良い。
そして、アモルファスシリコン膜をレーザ結晶化法や、RTAやファーネスアニール炉を用いた熱結晶化法や、結晶化を助長する金属元素を用いた熱結晶化法などにより結晶化させる。もちろん、これらを組み合わせて行っても良い。
上述した結晶化によって、非晶質半導体膜に部分的に結晶化された領域が形成される。
さらに、部分的に結晶性が高められた結晶性半導体膜を所望の形状にパターニングして、結晶化された領域から島状の半導体膜を形成する。この半導体膜をトランジスタの半導体層に用いる。
図37に示すように、基板26101上に下地膜26102が形成され、その上に半導体層が形成されている。半導体層は駆動トランジスタ26118のチャネル形成領域26103及びソース又はドレイン領域となる不純物領域26105、並びに容量素子26119の下部電極となるチャネル形成領域26106、LDD領域26107及び不純物領域26108を有する。なお、チャネル形成領域26103及びチャネル形成領域26106にはチャネルドープが行われていても良い。
基板はガラス基板、石英基板、セラミック基板、プラスチック基板などを用いることができる。また、下地膜26102としては、窒化アルミニウム(AlN)や酸化珪素(SiO2)、酸化窒化珪素(SiOxNy)などの単層やこれらの積層を用いることができる。
半導体層上にはゲート絶縁膜26109を介してゲート26110及び容量素子の上部電極26111が形成されている。
駆動トランジスタ26118及び容量素子26119を覆って層間絶縁物26112が形成され、層間絶縁物26112上にコンタクトホールを介して配線26113が不純物領域26105と接している。配線26113に接して画素電極26114が形成され、画素電極26114の端部及び配線26113を覆って第2の層間絶縁物26115が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成する。そして、画素電極26114上に有機化合物を含む層26116及び対向電極26117が形成され、画素電極26114と対向電極26117とで有機化合物を含む層26116が挟まれた領域では発光素子26120が形成されている。
また、図37(b)に示すように、容量素子26119の下部電極の一部を構成するLDD領域が、上部電極26111と重なるような領域26202を設けても良い。なお、図37(a)と共通するところは共通の符号を用い、説明は省略する。
また、図38(a)に示すように、駆動トランジスタ26118の不純物領域26105と接する配線26113と同じ層に形成された第2の上部電極26301を有していても良い。なお、図37(a)と共通するところは共通の符号を用い、説明は省略する。第2の上部電極26301と上部電極26111とで層間絶縁物26112を挟みこみ、第2の容量素子を構成している。また、第2の上部電極26301は不純物領域26108と接しているため、上部電極26111とチャネル形成領域26106とでゲート絶縁膜26109を挟みこんで構成される第1の容量素子と、上部電極26111と第2の上部電極26301とで層間絶縁物26112を挟みこんで構成される第2の容量素子と、が並列に接続され、第1の容量素子と第2の容量素子からなる容量素子26302を構成している。この容量素子26302の容量は第1の容量素子と第2の容量素子の容量を加算した合成容量であるため、小さい面積で大きな容量の容量素子を形成することができる。つまり、本発明の画素構成の容量素子として用いるとより開口率の向上が図れる。
また、図38(b)に示すような容量素子の構成としても良い。基板27101上に下地膜27102が形成され、その上に半導体層が形成されている。半導体層は駆動トランジスタ27118のチャネル形成領域27103及びソース又はドレイン領域となる不純物領域27105を有する。なお、チャネル形成領域27103はチャネルドープが行われていても良い。
基板はガラス基板、石英基板、セラミック基板、プラスチック基板などを用いることができる。また、下地膜26102としては、窒化アルミ(AlN)や酸化珪素(SiO2)、酸化窒化珪素(SiOxNy)などの単層やこれらの積層を用いることができる。
半導体層上にはゲート絶縁膜27106を介してゲート27107及び第1の電極27108が形成されている。
駆動トランジスタ27118及び第1の電極27108を覆って第1の層間絶縁物27109が形成され、第1の層間絶縁物27109上にコンタクトホールを介して配線27110が不純物領域27105と接している。また、配線27110と同じ材料からなる同層の第2の電極27111が形成される。
さらに、配線27110及び第2の電極27111を覆うように第2の層間絶縁物27112が形成され、第2の層間絶縁物27112上にコンタクトホールを介して、配線27110と接して画素電極27113が形成されている。また、画素電極27113と同じ材料からなる同層の第3の電極27114が形成されている。ここで、第1の電極27108、第2の電極27111及び第3の電極27114からなる容量素子27119が形成される。
画素電極27113と第3の電極27114の端部を覆って第3の層間絶縁物27115が形成され、第3の層間絶縁物27115及び第3の電極27114上に有機化合物を含む層27116及び対向電極27117が形成され、画素電極27113と対向電極27117とで有機化合物を含む層27116が挟まれた領域では発光素子27120が形成されている。
上述したように、結晶性半導体膜を半導体層に用いたトランジスタの構成は図37及び図38に示したような構成が挙げられる。なお、図37及び図38に示したトランジスタの構造はトップゲートの構造のトランジスタの一例である。つまり、トランジスタはP型でもN型でもよい。N型の場合には、LDD領域はゲートと重なっていても良いし、ゲートと重なっていなくても良いし、又はLDD領域の一部の領域が重なっていてもよい。さらに、ゲートはテーパー形状でもよく、ゲートのテーパー部の下部にLDD領域が自己整合的に設けられていても良い。また、ゲートは二つに限られず三以上のマルチゲート構造でも良いし、一つのゲートでも良い。
本発明の画素を構成するトランジスタの半導体層(チャネル形成領域やソース領域やドレイン領域など)に結晶性半導体膜を用いることで、例えば、図6における走査線駆動回路901、及び信号線駆動回路902を表示部600と一体形成することが容易になる。
また、半導体層にポリシリコン(p−Si:H)を用いたトランジスタの構成として、基板と半導体層の間にゲートが挟まれた構造、つまり、半導体層の下にゲートが位置するボトムゲートのトランジスタを適用した表示パネルの部分断面を図39に示す。
基板7501上に下地膜7502が形成されている。さらに下地膜7502上にゲート7503が形成されている。また、ゲートと同層に同じ材料からなる第1の電極7504が形成されている。ゲート7503の材料にはリンが添加された多結晶シリコンを用いることができる。多結晶シリコンの他に、金属とシリコンの化合物であるシリサイドでもよい。
また、ゲート7503及び第1の電極7504を覆うようにゲート絶縁膜7505が形成されている。ゲート絶縁膜7505としては酸化珪素膜や窒化珪素膜などが用いられる。
また、ゲート絶縁膜7505上に、半導体層が形成されている。半導体層は駆動トランジスタ7522のチャネル形成領域7506、LDD領域7507及びソース又はドレイン領域となる不純物領域7508、並びに容量素子7523の第2の電極となるチャネル形成領域7509、LDD領域7510及び不純物領域7511を有する。なお、チャネル形成領域7506及びチャネル形成領域7509はチャネルドープが行われていても良い。
基板はガラス基板、石英基板、セラミック基板、プラスチック基板などを用いることができる。また、下地膜7502としては、窒化アルミ(AlN)や酸化珪素(SiO2)、酸化窒化珪素(SiOxNy)などの単層やこれらの積層を用いることができる。
半導体層を覆って第1の層間絶縁物7512が形成され、第1の層間絶縁物7512上にコンタクトホールを介して配線7513が不純物領域7508と接している。また、配線7513と同層に同じ材料で第3の電極7514が形成されている。第1の電極7504、第2の電極、第3の電極7514によって容量素子7523が構成されている。
また、第1の層間絶縁物7512には開口部7515が形成されている。駆動トランジスタ7522、容量素子7523及び開口部7515を覆うように第2の層間絶縁物7516が形成され、第2の層間絶縁物7516上にコンタクトホールを介して、画素電極7517が形成されている。また、画素電極7517の端部を覆って絶縁物7518が形成されている。例えば、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることができる。そして、画素電極7517上に有機化合物を含む層7519及び対向電極7520が形成され、画素電極7517と対向電極7520とで有機化合物を含む層7519が挟まれた領域では発光素子7521が形成されている。そして、発光素子7521の下部に開口部7515が位置している。つまり、発光素子7521からの発光を基板側から取り出すときには開口部7515を有するため透過率を高めることができる。
また、図39(a)において画素電極7517と同層に同じ材料を用いて第4の電極7524を形成して、図39(b)のような構成としてもよい。すると、第1の電極7504、第2の電極、第3の電極7514及び第4の電極7524によって構成される容量素子7525を形成することができる。
次に、トランジスタの半導体層にアモルファスシリコン(a−Si:H)膜を用いた場合について説明する。図40にはトップゲートのトランジスタ、図41及び図42にはボトムゲートのトランジスタの場合について示す。
アモルファスシリコンを半導体層に用いた順スタガ構造のトランジスタの断面を図40(a)に示す。に示すように、基板7601上に下地膜7602が形成されている。さらに下地膜7602上に画素電極7603が形成されている。また、画素電極7603と同層に同じ材料からなる第1の電極7604が形成されている。
基板はガラス基板、石英基板、セラミック基板、プラスチック基板などを用いることができる。また、下地膜7602としては、窒化アルミ(AlN)や酸化珪素(SiO2)、酸化窒化珪素(SiOxNy)などの単層やこれらの積層を用いることができる。
また、下地膜7602上に配線7605及び配線7606が形成され、画素電極7603の端部が配線7605で覆われている。配線7605及び配線7606の上部にN型の導電型を有するN型半導体層7607及びN型半導体層7608が形成されている。また、配線7605と配線7606の間であって、下地膜7602上に半導体層7609が形成されている。そして、半導体層7609の一部はN型半導体層7607及びN型半導体層7608上にまで延長されている。なお、この半導体層はアモルファスシリコン(a−Si:H)、微結晶半導体(μ−Si:H)等の非結晶性を有する半導体膜で形成されている。また、半導体層7609上にゲート絶縁膜7610が形成されている。また、ゲート絶縁膜7610と同層の同じ材料からなる絶縁膜7611が第1の電極7604上にも形成されている。なお、ゲート絶縁膜7610としては酸化珪素膜や窒化珪素膜などが用いられる。
また、ゲート絶縁膜7610上に、ゲート7612が形成されている。また、ゲートと同層に同じ材料でなる第2の電極7613が第1の電極7604上に絶縁膜7611を介して形成されている。第1の電極7604及び第2の電極7613で絶縁膜7611を挟まれた容量素子7619が形成されている。また、画素電極7603の端部、駆動トランジスタ7618及び容量素子7619を覆い、層間絶縁物7614が形成されている。
層間絶縁物7614及びその開口部に位置する画素電極7603上に有機化合物を含む層7615及び対向電極7616が形成され、画素電極7603と対向電極7616とで有機化合物を含む層7615が挟まれた領域では発光素子7617が形成されている。
また、図40(a)に示す第1の電極7604を図40(b)に示すように第1の電極7620で形成してもよい。第1の電極7620は配線7605及び7606と同層の同一材料で形成されている。
また、アモルファスシリコンを半導体層に用いたボトムゲート構造のトランジスタを用いた表示パネルの部分断面を図41に示す。
基板7701上に下地膜7702が形成されている。さらに下地膜7702上にゲート7703が形成されている。また、ゲートと同層に同じ材料からなる第1の電極7704が形成されている。ゲート7703の材料にはリンが添加された多結晶シリコンを用いることができる。多結晶シリコンの他に、金属とシリコンの化合物であるシリサイドでもよい。
また、ゲート7703及び第1の電極7704を覆うようにゲート絶縁膜7705が形成されている。ゲート絶縁膜7705としては酸化珪素膜や窒化珪素膜などが用いられる。
また、ゲート絶縁膜7705上に、半導体層7706が形成されている。また、半導体層7706と同層に同じ材料からなる半導体層7707が形成されている。
基板はガラス基板、石英基板、セラミック基板、プラスチック基板などを用いることができる。また、下地膜7602としては、窒化アルミ(AlN)や酸化珪素(SiO2)、酸化窒化珪素(SiOxNy)などの単層やこれらの積層を用いることができる。
半導体層7706上にはN型の導電性を有するN型半導体層7708、7709が形成され、半導体層7707上にはN型半導体層7710が形成されている。
N型半導体層7708、7709、7710上にはそれぞれ配線7711、7712、7713が形成され、N型半導体層7710上には配線7711及び7712と同層の同一材料からなる導電層7713が形成されている。
半導体層7707、N型半導体層7710及び導電層7713からなる第2の電極が構成される。なお、この第2の電極と第1の電極7704でゲート絶縁膜7705を挟み込んだ構造の容量素子7720が形成されている。
また、配線7711の一方の端部は延在し、その延在した配線7711上部に接して画素電極7714が形成されている。
また、画素電極7714の端部、駆動トランジスタ7719及び容量素子7720を覆うように絶縁物7715が形成されている。
画素電極7714及び絶縁物7715上には有機化合物を含む層7716及び対向電極7717が形成され、画素電極7714と対向電極7717とで有機化合物を含む層7716が挟まれた領域では発光素子7718が形成されている。
容量素子の第2の電極の一部となる半導体層7707及びN型半導体層7710は設けなくても良い。つまり第2の電極は導電層7713とし、第1の電極7704と導電層7713でゲート絶縁膜が挟まれた構造の容量素子としてもよい。
なお、図41(a)において、配線7711を形成する前に画素電極7714を形成することで、図41(b)に示すような、画素電極7714からなる第2の電極7721と第1の電極7704でゲート絶縁膜7705が挟まれた構造の容量素子7722を形成することができる。
なお、図41では、逆スタガ型のチャネルエッチ構造のトランジスタについて示したが、もちろんチャネル保護構造のトランジスタでも良い。チャネル保護構造のトランジスタの場合について、図42(a)、(b)を用いて説明する。
図42(a)に示すチャネル保護型構造のトランジスタは図41(a)に示したチャネルエッチ構造の駆動トランジスタ7719の半導体層7706のチャネルが形成される領域上にエッチングのマスクとなる絶縁物7801が設けられている点が異なり、他の共通しているところは共通の符号を用いている。
また、同様に、図42(b)に示すチャネル保護型構造のトランジスタは図41(b)に示したチャネルエッチ構造の駆動トランジスタ7719の半導体層7706のチャネルが形成される領域上にエッチングのマスクとなる絶縁物7802が設けられている点が異なり、他の共通しているところは共通の符号を用いている。
また、本発明の画素を構成するトランジスタの半導体層(チャネル形成領域やソース領域やドレイン領域など)に非晶質半導体膜を用いることで、製造コストを削減することができる。
なお、本発明の画素構成の適用することができるトランジスタの構造や、容量素子の構造は上述した構成に限られず、さまざまな構成のトランジスタの構造や、容量素子の構造のものを用いることができる。
なお、本実施例は、本明細書中の他の実施の形態の記載と自由に組み合わせて実施することが可能である。すなわち、画素を構成するトランジスタの数及び各画素に接続される走査線、電源線等の配線数を削減することができ開口率の増加が見込めるため、所望の輝度を保持するための発光素子に印加する電圧をおさえることができ、低消費電力化を達成できる。また、本発明の発光装置においては、走査線とデータ線の各交点に設けられた領域の隣り合う画素において、一方の画素に順バイアス電圧を印加して発光素子を発光させ、他方の画素に逆バイアス電圧を印加することを同時に行うことができる。そのため、逆バイアス電圧の印加時間を設ける必要がないため、デューティー比(1フレーム期間における点灯期間の割合)を低下させることなく、発光素子の劣化を制御し、信頼性を向上させることができる。
また、本発明の発光装置においては、画素の発光を、データ線の延長方向、または走査線の延長方向に1行おきに画素の発光を順次行う方式(インターレース方式)を採用することで、時間階調方式で画像表示を行った際に問題となる疑似輪郭の視認を軽減することができる。また各行2画素毎に順次画素を点灯させ、次の行については、前行で画素が点灯した画素よりデータ線の延長方向に1画素ずらして画素の点灯を行う、いわゆる市松模様状に画素の発光を行う方式(チェッカー方式)を採用することによって、疑似輪郭の視認を軽減することができる。
(実施の形態10)
本発明の発光装置を具備する電子機器として、テレビ受像器、ビデオカメラ、デジタルカメラなどのカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それらの電子機器の具体例を図22、図23、図24(A)〜図24(B)、図25(A)〜図25(B)、図26、図27(A)〜図27(E)に示す。
図22は表示パネル5001と、回路基板5011を組み合わせたモジュールを示している。回路基板5011には、コントロール回路5012や信号分割回路5013などが形成されており、接続配線5014によって表示パネル5001と電気的に接続されている。
この表示パネル5001には、複数の画素が設けられた画素部5002と、走査線駆動回路5003、選択された画素にビデオ信号を供給する信号線駆動回路5004を備えている。なお表示パネル5001を作製する場合は上記実施の形態を用いて作製すればよい。また、走査線駆動回路5003や信号線駆動回路5004等制御用駆動回路部を、薄膜トランジスタを用いて作製することが可能である。以上のように、図22に示すモジュールを完成させることができる。
図23は、テレビ受像機の主要な構成を示すブロック図である。チューナ5101は映像信号と音声信号を受信する。映像信号は、映像信号増幅回路5102と、そこから出力される信号を赤、緑、青の各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路5103と、その映像信号をドライバICの入力仕様に変換するためのコントロール回路5012により処理される。コントロール回路5012は、走査線側と信号線側にそれぞれ信号が出力する。デジタル駆動する場合には、信号線側に信号分割回路5013を設け、入力デジタル信号をm個に分割して供給する構成としても良い。
チューナ5101で受信した信号のうち、音声信号は音声信号増幅回路5105に送られ、その出力は音声信号処理回路5106を経てスピーカー5107に供給される。制御回路5108は受信局(受信周波数)や音量の制御情報を入力部5109から受け、チューナ5101や音声信号処理回路5106に信号を送出する。
図24(A)に示すように、モジュールを筐体5201に組みこんで、テレビ受像機を完成させることができる。モジュールにより、表示画面5202が形成される。また、スピーカー5203、操作スイッチ5204などが適宜備えられている。
また図24(B)に、ワイヤレスでディスプレイのみを持ち運び可能なテレビ受像器を示す。筐体5212にはバッテリー及び信号受信器が内蔵されており、そのバッテリーで表示部5213やスピーカー部5217を駆動させる。バッテリーは充電器5210で繰り返し充電が可能となっている。また、充電器5210は映像信号を送受信することが可能で、その映像信号をディスプレイの信号受信器に送信することができる。筐体5212は操作キー5216によって制御する。また、図24(B)に示す装置は、操作キー5216を操作することによって、筐体5212から充電器5210に信号を送ることも可能であるため映像音声双方向通信装置とも言える。また、操作キー5216を操作することによって、筐体5212から充電器5210に信号を送り、さらに充電器5210が送信できる信号を他の電子機器に受信させることによって、他の電子機器の通信制御も可能であり、汎用遠隔制御装置とも言える。
本発明の発光装置を図22、図23、図24(A)〜図24(B)に示すテレビ受像器に使用することにより、表示部の画素を構成するトランジスタ数を削減し、且つ逆バイアス電圧を定期的に発光素子に印加することによって発光素子の信頼性の向上が見込める。また、表示部の画素を構成するトランジスタ数、配線数を削減することができるため、画素部の開口率の増加が見込めるため、消費電力の低下に貢献することができる。また、画素部周辺の駆動回路部のレイアウト面積を低減することができ、なおかつ歩留まり高い製品を顧客に提供することが可能となる。
勿論、本発明はテレビ受像機に限定されず、パーソナルコンピュータのモニタをはじめ、鉄道の駅や空港などにおける情報表示盤や、街頭における広告表示盤など特に大面積の表示媒体として様々な用途に適用することができる。
図25(A)は表示パネル5301とプリント配線基板5302を組み合わせたモジュールを示している。表示パネル5301は、複数の画素が設けられた画素部5303と、第1の走査線駆動回路5304、第2の走査線駆動回路5305と、選択された画素にビデオ信号を供給する信号線駆動回路5306を備えている。
プリント配線基板5302には、コントローラ5307、中央処理装置(CPU)5308、メモリ5309、電源回路5310、音声処理回路5311及び送受信回路5312などが備えられている。プリント配線基板5302と表示パネル5301は、フレキシブル配線基板(FPC)5313により接続されている。プリント配線基板5313には、容量素子、バッファ回路などを設け、電源電圧や信号にノイズがのったり、信号の立ち上がりが鈍ったりすることを防ぐ構成としても良い。また、コントローラ5307、音声処理回路5311、メモリ5309、CPU5308、電源回路5310などは、COG(Chip On Glass)方式を用いて表示パネル5301に実装することもできる。COG方式により、プリント配線基板5302の規模を縮小することができる。
プリント配線基板5302に備えられたインターフェース(I/F)部5314を介して、各種制御信号の入出力が行われる。また、アンテナとの間の信号の送受信を行うためのアンテナ用ポート5315が、プリント配線基板5302に設けられている。
図25(B)は、図25(A)に示したモジュールのブロック図を示す。このモジュールは、メモリ5309としてVRAM5316、DRAM5317、フラッシュメモリ5318などが含まれている。VRAM5316にはパネルに表示する画像のデータが、DRAM5317には画像データまたは音声データが、フラッシュメモリには各種プログラムが記憶されている。
電源回路5310は、表示パネル5301、コントローラ5307、CPU5308、音声処理回路5311、メモリ5309、送受信回路5312を動作させる電力を供給する。またパネルの仕様によっては、電源回路5310に電流源が備えられている場合もある。
CPU5308は、制御信号生成回路5320、デコーダ5321、レジスタ5322、演算回路5323、RAM5324、CPU5308用のインターフェース5319などを有している。インターフェース5319を介してCPU5308に入力された各種信号は、一旦レジスタ5322に保持された後、演算回路5323、デコーダ5321などに入力される。演算回路5323では、入力された信号に基づき演算を行い、各種命令を送る場所を指定する。一方デコーダ5321に入力された信号はデコードされ、制御信号生成回路5320に入力される。制御信号生成回路5320は入力された信号に基づき、各種命令を含む信号を生成し、演算回路5323において指定された場所、具体的にはメモリ5309、送受信回路5312、音声処理回路5311、コントローラ5307などに送る。
メモリ5309、送受信回路5312、音声処理回路5311、コントローラ5307は、それぞれ受けた命令に従って動作する。以下その動作について簡単に説明する。
入力手段5325から入力された信号は、I/F部5314を介してプリント配線基板5302に実装されたCPU5308に送られる。制御信号生成回路5320は、ポインティングデバイスやキーボードなどの入力手段5325から送られてきた信号に従い、VRAM5316に格納してある画像データを所定のフォーマットに変換し、コントローラ5307に送付する。
コントローラ5307は、パネルの仕様に合わせてCPU5308から送られてきた画像データを含む信号にデータ処理を施し、表示パネル5301に供給する。またコントローラ5307は、電源回路5310から入力された電源電圧やCPU5308から入力された各種信号をもとに、Hsync信号、Vsync信号、クロック信号CLK、交流電圧(AC Cont)、切り替え信号L/Rを生成し、表示パネル5301に供給する。
送受信回路5312では、アンテナ5328において電波として送受信される信号が処理されており、具体的にはアイソレータ、バンドパスフィルタ、VCO(Voltage Controlled Oscillator)、LPF(Low Pass Filter)、カプラ、バランなどの高周波回路を含んでいる。送受信回路5312において送受信される信号のうち音声情報を含む信号が、CPU5308からの命令に従って、音声処理回路5311に送られる。
CPU5308の命令に従って送られてきた音声情報を含む信号は、音声処理回路5311において音声信号に復調され、スピーカー5327に送られる。またマイク5326から送られてきた音声信号は、音声処理回路5311において変調され、CPU5308からの命令に従って、送受信回路5312に送られる。
コントローラ5307、CPU5308、電源回路5310、音声処理回路5311、メモリ5309を、本実施の形態のパッケージとして実装することができる。本実施の形態は、アイソレータ、バンドパスフィルタ、VCO(Voltage Controlled Oscillator)、LPF(Low Pass Filter)、カプラ、バランなどの高周波回路以外であれば、どのような回路にも応用することができる。
図26は、図25(A)〜図25(B)に示すモジュールを含む携帯電話機の一態様を示している。表示パネル5301はハウジング5330に脱着自在に組み込まれる。ハウジング5330は表示パネル5301のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。表示パネル5301を固定したハウジング5330はプリント基板5331に嵌着されモジュールとして組み立てられる。
表示パネル5301はFPC5313を介してプリント基板5331に接続される。プリント基板5331には、スピーカー5332、マイクロフォン5333、送受信回路5334、CPU及びコントローラなどを含む信号処理回路5335が形成されている。このようなモジュールと、入力手段5336、バッテリー5337、アンテナ5340を組み合わせ、筐体5339に収納する。表示パネル5301の画素部は筐体5339に形成された開口窓から視認できように配置する。
本発明を図25(A)〜図25(B)、図26に示す携帯電話に使用することにより、表示パネルの画素を構成するトランジスタ数を削減し、且つ逆バイアス電圧を定期的に発光素子に印加することによって発光素子の信頼性の向上が見込める。また、表示パネルの画素を構成するトランジスタ数、配線数を削減することができるため、画素部の開口率の増加が見込めるため、消費電力の低下に貢献することができる。また、画素部周辺の駆動回路部のレイアウト面積を低減することができ、なおかつ歩留まり高い製品を顧客に提供することが可能となる。
本実施の形態に係る携帯電話機は、その機能や用途に応じてさまざまな態様に変容し得る。例えば、表示パネルを複数備えたり、筐体を適宜複数に分割して蝶番により開閉式とした構成にしたりしても、その表示パネルにおいて、表示パネルの画素を構成するトランジスタ数を削減し、且つ逆バイアス電圧を定期的に発光素子に印加することによって発光素子の信頼性の向上が見込める。また、表示パネルの画素を構成するトランジスタ数、配線数を削減することができるため、画素部の開口率の増加が見込めるため、消費電力の低下に貢献することができる。また、画素部周辺の駆動回路部のレイアウト面積を低減することができ、なおかつ歩留まり高い製品を顧客に提供することが可能となるといった作用効果を奏することができる。
図27(A)はディスプレイであり、筐体6071、支持台6072、表示部6073などによって構成されている。本発明は図25(A)に示す表示パネルの構成を用いて、表示部6073の画素部に適用が可能である。
本発明を使用することにより、表示部6073の画素を構成するトランジスタ数を削減し、且つ逆バイアス電圧を定期的に発光素子に印加することによって発光素子の信頼性の向上が見込める。また、表示パネルの画素を構成するトランジスタ数、配線数を削減することができるため、画素部の開口率の増加が見込めるため、消費電力の低下に貢献することができる。また、画素部周辺の駆動回路部のレイアウト面積を低減することができ、なおかつ歩留まり高い製品を顧客に提供することが可能となる。
図27(B)はコンピュータであり、本体6101、筐体6102、表示部6103、キーボード6104、外部接続ポート6105、ポインティングマウス6106等を含む。本発明は図25(A)に示す表示パネルの構成を用いて、表示部6103に適用することができる。
本発明を使用することにより、表示部6103の画素を構成するトランジスタ数を削減し、且つ逆バイアス電圧を定期的に発光素子に印加することによって発光素子の信頼性の向上が見込める。また、表示パネルの画素を構成するトランジスタ数、配線数を削減することができるため、画素部の開口率の増加が見込めるため、消費電力の低下に貢献することができる。また、画素部周辺の駆動回路部のレイアウト面積を低減することができ、なおかつ歩留まり高い製品を顧客に提供することが可能となる。
図27(C)は携帯可能なコンピュータであり、本体6201、表示部6202、スイッチ6203、操作キー6204、赤外線ポート6205等を含む。本発明は図25(A)に示す表示パネルの構成を用いて、表示部6202に適用することができる。
本発明を使用することにより、表示部6202の画素を構成するトランジスタ数を削減し、且つ逆バイアス電圧を、逆バイアス電圧の印加する期間を設けることなく、発光素子に印加することによって発光素子の信頼性の向上が見込める。また、表示パネルの画素を構成するトランジスタ数、配線数を削減することができるため、画素部の開口率の増加が見込めるため、消費電力の低下に貢献することができる。また、画素部周辺の駆動回路部のレイアウト面積を低減することができ、なおかつ歩留まり高い製品を顧客に提供することが可能となる。
図27(D)は携帯型のゲーム機であり、筐体6301、表示部6302、スピーカー部6303、操作キー6304、記録媒体挿入部6305等を含む。本発明は図25(A)に示す表示パネルの構成を用いて、表示部6302に適用することができる。
本発明を使用することにより、表示部6302の画素を構成するトランジスタを削減し、且つ逆バイアス電圧を定期的に発光素子に印加することによって発光素子の信頼性の向上が見込める。また、表示パネルの画素を構成するトランジスタ数、配線数を削減することができるため、画素部の開口率の増加が見込めるため、消費電力の低下に貢献することができる。また、画素部周辺の駆動回路部のレイアウト面積を低減することができ、なおかつ歩留まり高い製品を顧客に提供することが可能となる。
図27(E)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体6401、筐体6402、表示部A6403、表示部B6404、記録媒体(DVD等)読込部6405、操作キー6406、スピーカー部6407等を含む。表示部A6403は主として画像情報を表示し、表示部B6404は主として文字情報を表示する。本発明は図25(A)に示す表示パネルの構成を用いて、表示部A6403、表示部B6404及び制御用回路部等に適用することができる。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。
本発明を使用することにより、表示部A6403、表示部B6404の画素を構成するトランジスタ数を削減し、且つ逆バイアス電圧を定期的に発光素子に印加することによって発光素子の信頼性の向上が見込める。また、表示パネルの画素を構成するトランジスタ数、配線数を削減することができるため、画素部の開口率の増加が見込めるため、消費電力の低下に貢献することができる。また、画素部周辺の駆動回路部のレイアウト面積を低減することができ、なおかつ歩留まり高い製品を顧客に提供することが可能となる。
これらの電子機器に使われる発光装置は、大きさや強度、または使用目的に応じて、ガラス基板だけでなく耐熱性のプラスチック基板を用いることも可能である。それによってよりいっそうの軽量化を図ることができる。
なお、本実施の形態に示した例はごく一例であり、これらの用途に限定するものではないことを付記する。
また本実施の形態は、実施の形態のいかなる記載とも自由に組み合わせて実施することが可能である。すなわち、画素を構成するトランジスタの数及び各画素に接続される走査線、電源線等の配線数を削減することができ開口率の増加が見込めるため、所望の輝度を保持するための発光素子に印加する電圧をおさえることができ、低消費電力化を達成できる。また、本発明の発光装置においては、走査線とデータ線の各交点に設けられた領域の隣り合う画素において、一方の画素に順バイアス電圧を印加して発光素子を発光させ、他方の画素に逆バイアス電圧を印加することを同時に行うことができる。そのため、逆バイアス電圧の印加する期間を設ける必要がないため、デューティー比(1フレーム期間における点灯期間の割合)を低下させることなく、発光素子の劣化を制御し、信頼性を向上させることができる。
また、本発明の発光装置を具備する電子機器においては、画素の発光を、データ線の延長方向、または走査線の延長方向に1行おきに画素の発光を順次行う方式(インターレース方式)を採用することで、時間階調方式で画像表示を行った際に問題となる疑似輪郭の視認を軽減することができる。また各行2画素毎に順次画素を点灯させ、次の行については、前行で画素が点灯した画素よりデータ線の延長方向に1画素ずらして画素の点灯を行う、いわゆる市松模様状に画素の発光を行う方式(チェッカー方式)を採用することによって、疑似輪郭の視認を軽減することができる。また、本発明の発光装置を具備する電子機器においては、先に述べたように、各画素に接続されるトランジスタの数、走査線、電源線等の配線数を削減することができるため、画素部周辺の駆動回路のレイアウト面積を削減することができ、表示パネルのレイアウト面積の縮小が計れる。そのため、電子機器の小型化、軽量化をすることができる。また、歩留まりが高い製品を製造することができ、より安価な商品を顧客に提供することができる。