JP2006234137A - 地上式lngタンク - Google Patents
地上式lngタンク Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006234137A JP2006234137A JP2005053163A JP2005053163A JP2006234137A JP 2006234137 A JP2006234137 A JP 2006234137A JP 2005053163 A JP2005053163 A JP 2005053163A JP 2005053163 A JP2005053163 A JP 2005053163A JP 2006234137 A JP2006234137 A JP 2006234137A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tank
- plate panel
- layer
- barrier layer
- secondary barrier
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)
Abstract
【課題】 従来の9%Ni鋼に替わる強度と靭性と保冷性を備え、かつ、施工が容易な材料から構成される地上式LNGタンクを提供することを目的とする。
【解決手段】 少なくとも内槽2と外槽3とを備え、該内槽2と該外槽3との間隙に断熱材を充填してなる地上式LNGタンクであって、前記内槽2と前記外槽3との間に、二次バリア層4をさらに備え、該二次バリア層4が、樹脂系バリア材から構成され、前記二次バリア層4の上端部52を上記外槽3に設けたアンカー部6で支持し、前記二次バリア層4が、少なくとも底板パネル61と側板パネル51とで構成される隅角部を備え、該隅角部で、前記底板パネル61と前記側板パネル51とが接合部を有し、該接合部で一般構造用鋼62によって前記底板パネル61と前記側板パネル51とを接合してなることとした。
【選択図】 図5
【解決手段】 少なくとも内槽2と外槽3とを備え、該内槽2と該外槽3との間隙に断熱材を充填してなる地上式LNGタンクであって、前記内槽2と前記外槽3との間に、二次バリア層4をさらに備え、該二次バリア層4が、樹脂系バリア材から構成され、前記二次バリア層4の上端部52を上記外槽3に設けたアンカー部6で支持し、前記二次バリア層4が、少なくとも底板パネル61と側板パネル51とで構成される隅角部を備え、該隅角部で、前記底板パネル61と前記側板パネル51とが接合部を有し、該接合部で一般構造用鋼62によって前記底板パネル61と前記側板パネル51とを接合してなることとした。
【選択図】 図5
Description
本発明は、地上式LNGタンクに関する。特には、本発明は、軽量、安価で施工が容易な地上式LNGタンクに関する。
近年、地球環境問題から、クリーンなエネルギーとして天然ガスが注目され、その需要は益々高まる傾向にある。液化天然ガス(liquid natural gas:LNG)は、メタンを主成分とする天然ガスを水分、硫黄化合物、二酸化炭素などの不純物を除去した後、超低温に冷却、液化したものである。LNGタンクは、液化天然ガスを−163℃以下に保持して貯蔵するための装置であって、地上式LNGタンクや地下式LNGタンクが知られている。
このうち、特に、地上式のLNGタンクにおいては、内槽と外槽とから構成される二重殻式のLNGタンクが一般に用いられている。二重殻式のLNGタンクにおいては、LNGに接触する内槽の材料として、通常、9%Ni鋼が使用されてきた。9%Ni鋼は、線膨張係数が低く、LNGを液体状態に保持ことができる−163℃以下の低温においても脆性破壊を起こすことがなく、優れた強度と靭性を有する部材である。
しかし、9%Ni鋼は、比重が大きく、溶接などの施工が困難である。また、9%Ni鋼には地球規模で不足しているNiが用いられており、今後も需要が増加していくLNGタンク用の材料としては好ましくない。また、上記のような十分な強度と靭性を有する9%Ni鋼は、その製造に特殊な熱処理技術を必要とするため、製造自体が困難である。そのため、9%Ni鋼は価格が高く、さらに高性能の9%Ni鋼が十分に供給される状況にはない。9%Ni鋼に替わってLNGタンク内槽として使用できる新たな材料が求められている。
非特許文献1には、繊維強化プラスチックをLNG接触面に適用した、地下式のLNGタンクが記載されている。かかる地下式LNGタンクは、LNG接触面となる内槽が繊維強化プラスチックのパネルであり、その周囲にアルミ箔付きのグラスウールを巻き、さらに外側に硬質ポリウレタンフォームを巻き、その外側を鉄筋コンクリートで囲んで、鉄筋コンクリートの外側は土で荷重を支える構造となっている。
しかし、上記構造は、水深が30〜40m、直径が60〜100mにもなるLNGの液荷重を土圧で支えることができる地下式のLNGタンクには適用できるが、鋼材の液圧保持強度が十分でないため、鋼材でLNGの液荷重を支える必要のある地上式のLNGタンクには適用することができない。
日経産業新聞、13面、昭和53年11月30日
日経産業新聞、13面、昭和53年11月30日
本発明は、強度と靭性と保冷性を備え、かつ、軽量で施工が容易な材料から構成される地上式LNGタンクであって、その二次バリア層に特徴を備えた地上式LNGタンクを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明に係る地上式LNGタンクは、上記目的を達成するために、少なくとも内槽と外槽とを備え、該内槽と該外槽との間隙に断熱材を充填してなる地上式LNGタンクであって、前記内槽と前記外槽との間に、二次バリア層をさらに備え、該二次バリア層が、樹脂系バリア材から構成され、前記二次バリア層の上端部を上記外槽に設けたアンカー部で支持してなることを特徴とする。
本発明に係る地上式LNGタンクは、前記二次バリア層と前記アンカー部との接合部において、前記二次バリア層と前記アンカー部とが接着層を介して接合されていることが好ましい。また、前記接着層が、低温用接着剤の接着層と、弾性接着剤の接着層とを含むことが好ましい。
本発明に係る地上式LNGタンクは、前記二次バリア層と前記アンカー部との接合部において、前記二次バリア層と前記アンカー部とが接着層を介して接合されていることが好ましい。また、前記接着層が、低温用接着剤の接着層と、弾性接着剤の接着層とを含むことが好ましい。
また、本発明に係る地上式LNGタンクは、前記接合部が、保冷層で覆われ、該保冷層がガラス繊維織物またはガラス繊維強化プラスチックのプリプレグシートでさらに覆われていることが好ましい。
さらに、前記アンカー部が、水平部と下垂部とから成る断面L字形の吊りアンカーで構成され、前記水平部の延長端が前記外槽の壁面に埋め込まれて片持ち梁的に支持され、前記下垂部の外周に沿って上記二次バリア層の側板パネルの上端部が位置するようにして成ることが好適である。
さらに、前記アンカー部が、水平部と下垂部とから成る断面L字形の吊りアンカーで構成され、前記水平部の延長端が前記外槽の壁面に埋め込まれて片持ち梁的に支持され、前記下垂部の外周に沿って上記二次バリア層の側板パネルの上端部が位置するようにして成ることが好適である。
本発明に係る地上式LNGタンクは、別の形態で、少なくとも内槽と外槽とを備え、該内槽と該外槽との間隙に断熱材を充填してなる地上式LNGタンクであって、前記内槽と前記外槽との間に、二次バリア層をさらに備え、該二次バリア層が、樹脂系バリア材から構成され、前記二次バリア層が、少なくとも底板パネルと側板パネルとで構成される隅角部を備え、該隅角部で、前記底板パネルと前記側板パネルとが接合部を有し、該接合部で炭素鋼によって前記底板パネルと前記側板パネルとを接合してなることを特徴とする。
この形態では、前記底板パネルと前記側板パネルとの接合部で、前記底板パネルの下側に前記炭素鋼が接着層を介して接合し、前記側板パネルの内側に前記炭素鋼が接着層を介して接合されていることが好ましい。
また、この形態では、前記接合部が、保冷層で覆われ、該保冷層がガラス繊維織物またはガラス繊維強化プラスチックのプリプレグシートでさらに覆われていることが好ましい。
この形態では、前記底板パネルと前記側板パネルとの接合部で、前記底板パネルの下側に前記炭素鋼が接着層を介して接合し、前記側板パネルの内側に前記炭素鋼が接着層を介して接合されていることが好ましい。
また、この形態では、前記接合部が、保冷層で覆われ、該保冷層がガラス繊維織物またはガラス繊維強化プラスチックのプリプレグシートでさらに覆われていることが好ましい。
さらに、本発明に係る地上式LNGタンクは、別の形態で、少なくとも内槽と外槽とを備え、該内槽と該外槽との間隙に断熱材を充填してなる地上式LNGタンクであって、前記内槽と前記外槽との間に、二次バリア層をさらに備え、該二次バリア層が、樹脂系バリア材から構成され、前記二次バリア層の上端部を上記外槽に設けたアンカー部で支持し、前記二次バリア層が、少なくとも底板パネルと側板パネルとで構成される隅角部を備え、該隅角部で、前記底板パネルと前記側板パネルとが接合部を有し、該接合部で炭素鋼によって前記底板パネルと前記側板パネルとを接合してなることを特徴とする。
本発明によれば、二次バリア層に、ガラス繊維強化プラスチック材を適用した樹脂系バリア材を用い、該二次バリア層が、LNG漏洩時の非常用バリアとして機能し、かつ、該二次バリア層の側板パネルを支持するアンカー部の新規な特徴、および該二次バリア層の隅角部の新規な特徴よって、LNG漏洩時の冷熱収縮に対応でき、LNG漏洩時における液圧保持強度、ガスバリア性、液密性に十分に優れた地上式LNGタンクが提供される。さらに、樹脂系バリア材は従来用いられてきた9%Ni鋼と比較して安価、軽量で、施工が容易なため、コスト的に有利な地上式LNGタンクを得ることができる。
以下に、本発明を、図面を参照して詳細に説明する。同じ部材には同じ符号を付して表した。なお、本発明は以下に説明する形態に制限されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る地上式二重殻LNGタンクを示す概念図である。地上式二重殻LNGタンク1は、内槽2と、外槽3と、二次バリア層4と、粉末保冷材5と、一次保冷材6と、二次保冷材7と、アンカー部9と、支持材10とから構成される。内槽2には、LNG8が収容される。
本発明は、本実施の形態の全体構造を明らかにすることによってより鮮明となるので、本実施の形態に係る地上式二重殻LNGタンク1の主だった部分から説明する。
本発明は、本実施の形態の全体構造を明らかにすることによってより鮮明となるので、本実施の形態に係る地上式二重殻LNGタンク1の主だった部分から説明する。
本実施形態にかかる地上式二重殻LNGタンク1において、外槽3は、円形の平底を有する円筒形状である。外槽3の内壁には、間隙を介して、同じく円形の平底を有する円筒形の二次バリア層4が設けられている。二次バリア層4は、その側壁高さが外槽3の側壁高さよりも低く、外槽3の側壁内側にアンカー部9により取り付けられている。間隙は、外槽3底部と二次バリア層4底部との間、外槽3内側壁部と二次バリア層4の外側壁部との間に設けられる。そして、外槽3と二次バリア層4との間隙には二次保冷材7が充填されている。また、外槽3底部と二次バリア層4底部との間隙であって、内槽2の側壁の直下部に位置する箇所には、支持材10が設けられている。支持材10は、外槽の底面下の土中に設置される杭(図示せず)に荷重を伝えるようになっている。
二次バリア層4の底部には二次保冷材7が敷き詰められている。内槽2は、二次保冷材7を介して、二次バリア層4の内側に設置される。内槽2は、平底を有する円筒形の容器である。内槽2はその内部にLNGを収容することができる。内槽2と二次バリア層4の間隙、および内槽2と外槽3との間隙には、粉末状保冷材5が充填される。
さらに、地上式二重殻LNGタンク1には、図示しない蓋と、LNGの搬出手段、搬入手段となる配管等が設けられ、LNG8は内槽2内に密閉された状態で保持されている。
次に、地上式二重殻LNGタンク1を構成する各構成要素について説明する。
内槽2は、深さが約30m〜約40m、直径が約60m〜約100mであり、約10〜20万klのLNGを収容できることが好ましい。そして、LNGを−163℃の液状で保存しうる保冷機能と、LNG及びガス化したLNGを外部に漏らさないための液密性及び気密性、上記容量のLNGの荷重に耐えられるだけの強度を備える。本実施形態においては、内槽2は、従来用いられている9%Ni鋼ではなく、LNG接触面にガラス繊維強化プラスチックを適用した樹脂系バリア材から構成される。
本実施形態による円筒形の内槽2は、側壁部と、底部とから構成される。内槽2を構成する樹脂系バリア材は、複数の層からなる。樹脂系バリア材は、側壁部、底部とも内槽2のLNG接触面に垂直な方向に積層されている。図2は、樹脂系バリア材の一部を拡大した概念図である。内槽を構成する樹脂系バリア材2は、内槽2のLNG接触面20から順に、ガラス繊維強化プラスチック層21、フォームグラス層22、樹脂層23、ポリウレタンフォーム層24、プライマー層25、一般構造用鋼26が積層された部材である。
LNGと接触するガラス繊維強化プラスチック材21は、−163℃でLNGの搬入、搬出を繰り返してもクラックを生じにくく、液バリア機能を有する材料である。本実施形態におけるガラス繊維強化プラスチック材21は、LNG接触面に、ガラス繊維のステッチ材が設けられ、さらに延性と難燃性とを有する樹脂と、少なくとも収縮の等方性を有するガラス繊維クロスとが交互に複数層にわたって積層された積層体であることが好ましい。このような積層体は、真空含浸法で製造することができる。
具体的には、上記ステッチ材は、ガラス繊維からなるものを用いることが好ましい。ステッチ材とは、複数の縦糸ガラス繊維の上に複数の横糸ガラス繊維を重ね、交差部を適当な接着手段によって留めた材料をいう。ステッチ材は、クロスのように繊維を織って形成されたものとは異なり、うねりがないことを特徴とする。収縮の等方性を有するガラス繊維クロスは、#400〜600(400〜600g/m2)のガラス繊維の平織クロスであることが好ましい。かかるガラス繊維クロスは、比較的目が小さく、−163℃のLNGと接触した場合にもひずみが生じにくい。上記ステッチ材、ガラス繊維クロスの両方について、ガラス繊維としては、一般的なEガラス製でも良い。
樹脂は、好ましくは酸素指数が26以上の難燃性と、−163℃におけるひずみが2%以上の延性とを有する難燃化ビニルエステル樹脂である。かかる樹脂は、自己消火性を有し、−163℃においても延びやすくクラックが生じにくい。
なお、ガラス繊維強化プラスチック材のLNG接触面にステッチ材が存在していれば、樹脂とガラス繊維クロス層との繰り返し積層回数は、必要なガラス繊維強化プラスチック材の厚さに応じて適宜決定することができる。このようにして得られたガラス繊維強化プラスチック材は、気泡が少なく繊維含有率が約65%以上となっているため、気密性が高いものである。また、うねりの少ないステッチ材をLNG接触面に用いることで、樹脂の割れを防止することができる。
本実施形態において、LNG接触面に適用するガラス繊維強化プラスチック材21は、成型され、完全に硬化されたたパネルであってもよく、プリプレグシートであってもよい。プリプレグシートとする場合は、樹脂に、例えば、UV硬化剤を含んだ熱硬化性樹脂成分等を含有させ、目的箇所に貼り付けた後に完全に硬化させることができる。ガラス繊維強化プラスチック材のプリプレグシートは、パネル形状のガラス繊維強化プラスチック材接合部などに貼り付けた後で硬化させることにより、接合部を完全に覆うことができる点で特に有用である。
また別の態様によれば、本実施形態に用いるガラス繊維強化プラスチック材は、シート状の部材であって、少なくとも2層の上記ガラス繊維強化プラスチック材のシートで、樹脂層を挟んだ、三層式のシート材であってよい。かかるシート材は、前述のガラス繊維のステッチ材と、延性と難燃性とを有する樹脂と、少なくとも収縮の等方性を有するガラス繊維クロスとを真空含浸法によりNSテープ(ノンサンディングテープ)上に積層して第一のガラス繊維強化プラスチック層を成形し、第一のガラス繊維強化プラスチック層のNSテープ側に、ガラス繊維強化プラスチック層が硬化する前に樹脂を吹きつけ、樹脂上部に、別途、予め成形・硬化させた第二のガラス繊維強化プラスチック層を貼り合わせることで製造することができる。樹脂層は、接着性とガスバリア性に優れるビニルエステル樹脂で構成することが好ましい。
かかるガラス繊維強化プラスチックの三層式のシート材は、曲面などの自由な形状に成形することができ、接着施工が容易な点で特に有利である。さらに、第一のガラス繊維強化プラスチック層と第二のガラス繊維強化プラスチック層が冷熱緩和材として樹脂層を保護し、樹脂層が冷熱衝撃によって発生するガラス繊維強化プラスチックのマイクロクラックの進展を阻止するため、ガスバリア性が保持される。また、ガラス繊維強化プラスチック層と樹脂層との界面は、樹脂同士であるためにぬれ性がよく、界面剥離に強いという利点もある。
このようなガラス繊維強化プラスチック材は、樹脂系バリア材を構成する部材としてのみならず、単独で液密性を確保するためのバリア材用途に用いることもできる。具体的には、LNGタンクの内槽の接合箇所の被覆保護用等に用いることができる。
なお、本実施形態において、樹脂系バリア材を構成する部材として用いる場合、ガラス繊維強化プラスチック材21は、層厚さが2mm〜10mmであることが好ましい。液バリア機能を確保するためである。
フォームグラス層22は、第一の保冷層であって、ガラス繊維強化プラスチック材21のLNG接触面と逆側に位置する。フォームグラスは、保冷性を有し、かつ、LNG気化ガスの浸入による冷熱衝撃に耐えうる材料である。フォームグラス22層は、20〜60cmの厚さとすることが好ましい。保冷機能を確保するためである。なお、本実施形態では、ガラス繊維強化プラスチック材21と接する第一の保冷層としてフォームグラスを用いたが、保冷機能及びLNGの冷熱衝撃に耐えうる特性を有するほかの保冷材料を用いることもできる。
樹脂層23は、フォームグラス層22のガラス繊維強化プラスチック材と逆側に位置する。樹脂層23は、フォームグラス層22と、樹脂層23の外側に設けられるポリウレタンフォーム24層とを接着する機能と、LNG気化ガスのポリウレタンフォーム層24への浸入を防止するガスバリア機能を有する。樹脂としては、ビニルエステル樹脂を含んでなる接着剤を用いることが好ましい。あるいは、接着機能を有するビニルエステルシート材を、樹脂層とすることもできる。樹脂層23の厚さは、1〜3mmであることが好ましい。
ポリウレタンフォーム層24は、第二の保冷層であって、保冷機能を有し、その外側に位置する一般構造用鋼26を冷熱から保護するものである。ポリウレタンフォーム層24の厚さは、一般構造用鋼26を十分に保冷できる程度とすることが好ましく、例えば、25cm〜40cmとすることができる。なお、本実施形態では、第二の保冷層としてポリウレタンフォーム層を用いたが、空気層を多量に含んだ層(発泡層など)を有し、低熱伝導率性で、安価なほかの材料を用いることもできる。第二の保冷層は、さらに、発泡させやすく、燃えても有害ガスが出てこないといった施工性が容易なものであることが好ましい。
プライマー層25は、ポリウレタンフォーム層24と、その外側に位置する一般構造用鋼とを接着する機能と、ガスバリア機能を有するものである。特に、プライマー材としては、保冷層であるポリウレタンフォーム24層と、鋼材である一般構造用鋼26との剪断剥離を防止しうる、低温延性の大きいものを用いることが好ましい。具体的には、ビニルエステル系プライマーを使用することができる。プライマー層25の厚さは、0.5mm〜3mm程度であってよく、通常、1mm〜3mm程度とすることができる。
一般構造用鋼26は、内槽2に収容するLNGの液圧を保持し、ガスバリア機能を有するものである。一般構造用鋼26はコストの面から好ましく用いられるが、他の炭素鋼も使用可能である。一般構造用鋼26の層厚さは、内槽2の側壁を構成する樹脂系バリア材においては、頂部が薄く、底部が厚くなるように勾配をもって形成されていることが好ましい。40m以上の深さになるように収容されるLNGの液圧に適応するためである。具体的には、側壁の頂部の径方向厚さが10mm〜20mm程度であり、側壁の底部付近の径方向厚さが60mm〜80mm程度であることが好ましい。また、内槽2の底部を構成する一般構造用鋼26は、厚さが5mm〜10mm程度であることが好ましい。
このように、ガラス繊維強化プラスチック層21、フォームグラス層22、樹脂層23、ポリウレタンフォーム層24、プライマー層25、一般構造用鋼26が積層された樹脂系バリア材は、各層の特性が相まって、液バリア性、ガスバリア性、保冷性、液圧保持強度を備える。そして、各層が十分に接着されており、剥離などによる変形を防止することができる。このため、従来用いられていた9%Ni鋼に替わる鋼材として十分に内槽2を構成するのに適用することができる。なお、本実施形態においては、樹脂系バリア材を上記層構成として説明したが、上記層構成に限定されるものではない。例えば、フォームグラス層22、ポリウレタンフォーム層24は、同様の保冷機能を有する別の材料で構成された第一の保冷層、第二の保冷層であってよく、各保冷層が複数の保冷層から構成されていてもよい。また、本発明の樹脂系バリア材は、各層の機能や接着性を害しない限りにおいて、別の層をさらに備えることもできる。
本実施形態における有底円筒形状の内槽2が、上記樹脂系バリア材で構成されるとき、内槽2の底部、側壁部ともに、最外部に一般構造用鋼26の層があり、一般構造用鋼26の内壁にプライマー25層が位置し、プライマー25層の内壁にポリウレタンフォーム24が位置し、ポリウレタンフォーム層24の内壁に樹脂層23が位置し、樹脂層23の内壁にフォームグラス22が位置し、フォームグラス22の内壁にガラス繊維強化プラスチック21が位置する。そして、内槽2のLNG接触面は、ガラス繊維強化プラスチック21で覆われた状態となっている。
内槽2の製造においては、最初に、一般構造用鋼26で、内槽2の側壁および底部を溶接により製造する。一般構造用鋼は、溶接により容易に施工することができ、溶接施工によればガスバリア性を確保することができる。この一般構造用鋼26の側壁および底部の内側に、プライマー25、ポリウレタンフォーム層24、樹脂層23、フォームグラス22層、ガラス繊維強化プラスチック層21を順次形成することができる。
プライマー層25は、液状のプライマー材を一般構造用鋼26に直接塗布することができる。ポリウレタンフォーム層24は、その場で発泡させて、所望の厚さとすることができる。樹脂層2は、液状の樹脂接着剤をポリウレタンフォーム層24表面に直接塗布することができる。あるいは、接着機能を有するビニルエステルシート材をポリウレタンフォーム層24表面に張ることもできる。
ガラス繊維強化プラスチック材21は、フォームグラス層22の表面に、ガラス繊維強化プラスチック材のプリプレグシートまたはガラス繊維強化プラスチック材のパネルを張り付けることにより形成することができる。図3に、ガラス繊維強化プラスチック材21のパネルを複数使用する場合の概略的な断面図を示す。このとき、複数のパネル材間の接合部を覆うように、ガラス繊維強化プラスチック材21のプリプレグシート21aを張ることができる。プリプレグシート21aを、接合部を覆うように貼り付けることにより、接着面が強固となる。そして、接合部にLNGが進入して、接合部からの液漏れが生じる現象を防ぐことができる。
内槽2が円形の平面底を有する円筒形状の場合、底部と側壁部とが交わる箇所に隅角が形成される。図4は、本実施形態によるLNGタンク内槽2の隅角部の概略的な拡大断面図である。隅角部において、底部に貼り付けられたガラス繊維強化プラスチック材21と側壁部に貼り付けられたガラス繊維強化プラスチック材21とのあいだには接合部が生ずる。本実施形態においては、内槽2は、その隅角部の接合部を保護する隅角構造を備えている。
隅角構造において、隅角部のガラス繊維強化プラスチック材21の接合部は、ポリウレタンフォーム層27で覆われている。そして、ポリウレタンフォーム層27の上から、ポリウレタンフォーム層27、ポリウレタンフォーム層27と底部に貼り付けられたガラス繊維強化プラスチック材21との接合部、およびポリウレタンフォーム層27と側壁に貼り付けられたガラス繊維強化プラスチック材21との接合部を覆うように、ガラス繊維強化プラスチックのプリプレグシート21aが貼り付けられている。ポリウレタンフォーム層27が被覆する面積は特に限定されないが、LNGの隅角部からの液漏れを防止することができる程度であれば良い。なお、ポリウレタンフォーム層27は、他の同等の機能を有する保冷層で代替することもできる。
このように、内槽2が、隅角部の接合部をポリウレタンフォーム27とガラス繊維強化プラスチックのプリプレグシート21aとで被覆された隅角構造を備えることで、最も液漏れの危険性が高い隅角部を補強することができる。
本実施形態では、円形状の底を有する円筒形タンク形状の内槽2について隅角部の構造を説明したが、長方形状の底を有する角柱状のタンクにおいても、同様の隅角構造とすることができる。長方形状の底を有する角柱状のタンクの場合は、特に、底部と側壁の間のみならず、側壁と側壁との接合部にも隅角が形成される。このとき、側壁と側壁との接合部の隅角にも同様にポリウレタンフォームおよびガラス繊維強化プラスチックのプリプレグシートを適用することができる。
このように、ガラス繊維強化プラスチック材21が適用された樹脂系バリア材で構成され、接合部が被覆補強されている内槽2は、十分な液密性、気密性、保冷性を備え、かつ液荷重にも耐えることができる。
本実施形態に係る地上式二重殻LNGタンク1において、外槽3は、プレストレストコンクリート材から形成することができる。プレストレストコンクリート材は、あらかじめ鋼材で圧縮力を与えておき引張力に対する抵抗を高めたものであって、鉄筋コンクリート部材よりも、軽量化ができ、耐久性・水密性に優れた性能を有する。外槽3は、側壁高さが約40m〜50m、円形状の底の直径が約80m〜100mとなるように設計することができる。しかし、外槽3の厚さやサイズは、LNG収容量などにより変化するため、当業者であれば、所望のLNG収容量に適合するように外槽3のサイズを設計することができる。また、外槽3の内壁には、一般構造用鋼からなるモイスチャーバリア層(図示せず)を設けることができる。
二次バリア層4は、外槽3の内壁に設けられ、液密性と気密性とを有するものである。二次バリア層4は、内槽2が破損して、LNGが漏出した場合の非常用バリアである。二次バリア層4は、上記内槽2に用いた樹脂系バリア材により構成することができる。すなわち、二次バリア層4の内壁面である、LNG漏出の際にLNGに接触しうる面が、ガラス繊維強化プラスチックを適用したものであってよい。
ここで、二次バリア層4の側板パネルを支持するアンカー部9、および二次バリア層の隅角部の構造について、図5、6を参照して説明する。
二次バリア層4は、側板パネル51の上端部52を外槽3に設けた吊りアンカー53で支持している。吊りアンカー53は、アンカー部9の主要部を構成する。側板パネル51は、内槽2の側壁と同じく、円筒状をなしている。
吊りアンカー53は、図示のように断面L字形であって、右端が、外槽3の壁面に埋め込まれ、断面的には片持ち梁的に支持されている。ただし、吊りアンカー53は、外槽3の内壁に沿って周回し、側板パネル51と一体になって、LNG漏洩時におけるガスバリア性、液密性を保つように構成されている。吊りアンカー53は、図示のように、水平部53aと下垂部53bとを備えている。そして、下垂部53bの外周に沿って側板パネル51の上端部52が位置している。この実施の形態では、上端部52は、その最上端で水平部53bに当接している。
吊りアンカー53は、9%Ni鋼で構成されている。強度と靭性から係る材質で構成することが好ましい。なお、吊りアンカー53の部分のみを9%Ni鋼で構成しても、全体としての大幅なコスト増とはならない。
二次バリア層4は、側板パネル51の上端部52を外槽3に設けた吊りアンカー53で支持している。吊りアンカー53は、アンカー部9の主要部を構成する。側板パネル51は、内槽2の側壁と同じく、円筒状をなしている。
吊りアンカー53は、図示のように断面L字形であって、右端が、外槽3の壁面に埋め込まれ、断面的には片持ち梁的に支持されている。ただし、吊りアンカー53は、外槽3の内壁に沿って周回し、側板パネル51と一体になって、LNG漏洩時におけるガスバリア性、液密性を保つように構成されている。吊りアンカー53は、図示のように、水平部53aと下垂部53bとを備えている。そして、下垂部53bの外周に沿って側板パネル51の上端部52が位置している。この実施の形態では、上端部52は、その最上端で水平部53bに当接している。
吊りアンカー53は、9%Ni鋼で構成されている。強度と靭性から係る材質で構成することが好ましい。なお、吊りアンカー53の部分のみを9%Ni鋼で構成しても、全体としての大幅なコスト増とはならない。
側板パネル51と吊りアンカー53とは、接合部において、下部の低温用接着剤の接着層54と、上部の弾性接着剤の接着層55とを介して接着されている。低温用接着剤としては、せん断力に強いビニルエステル系の接着剤が好適である。弾性接着剤としては、剥離に強いシリコン系接着剤が好適である。LNG漏洩時には、二次バリア層の円周方向の冷熱収縮が起こる。それによるせん断力に、低温用接着剤の接着層54が対抗する。これにより、密着性が向上し、ガスバリア性の向上が図れる。
また、上端部52には、構造上、冷熱収縮により吊りアンカー53から剥離しようとする力が働く。弾性接着剤の接着層55は、このような剥離しようとする力に対抗する。すなわち、冷熱収縮時には、吊りアンカー53の先端を支点として曲げ応力が発生することがあるため、弾性接着剤の接着層55を設けることで、曲げ剥離応力を接着剤の弾性変形で吸収する。また、円周方向(せん断熱応力)の冷熱収縮変形に対しては、接着剤本来の機能であるせん断変形吸収機能により密着性を維持することができる。なお、後述するようにポリウレタンフォーム層56により、極低温から保護されるため、接着剤の機能が低下しない。なお、このポリウレタンフォーム層56は、同等の保冷効果を備えたものであれば他の保冷層で代替することができる。
側板パネル51と吊りアンカー53との接合部は、ポリウレタンフォーム層56で覆われ、ポリウレタンフォーム層56は、ガラス繊維織物またはガラス繊維強化プラスチックのプリプレグシート57でさらに覆われている。プリプレグシートとする場合は、樹脂に、例えば、UV硬化剤を含んだ熱硬化性樹脂成分等を含有させ、目的箇所に貼り付けた後に完全に硬化させることができる。なお、ガラス繊維強化プラスチックに含まれる樹脂は、一般的には、ビニルエステル系の樹脂であるが、テフロン系の樹脂とすることもできる。この接合部の構造は、図4について説明した内槽2の隅角部の構造に類似している。ポリウレタンフォーム層56は、低い熱伝導率であって、LNG漏洩時に上記接合部の冷熱収縮を緩和し、側板パネル51と吊りアンカー53との接合を強化するための発泡樹脂層を構成する。ガラス繊維織物またはガラス繊維強化プラスチックのプリプレグシート57は、ポリウレタンフォームが、冷熱によって硬化し、割れ、LNG中に飛散することを防止するための保護層を構成する。
一般的に、ポリウレタンフォームは、接合部に吹き付けられ、その上を覆うようにガラス繊維織物またはガラス繊維強化プラスチックのプリプレグシート57が接着される。
一般的に、ポリウレタンフォームは、接合部に吹き付けられ、その上を覆うようにガラス繊維織物またはガラス繊維強化プラスチックのプリプレグシート57が接着される。
さらに、二次バリア層4は、図6に示すように、底板パネル61と側板パネル51とで構成される隅角部を備える。
該隅角部は、底板パネル61と側板パネル51との接合部を有し、該接合部で曲率を付けた一般構造用鋼62によって、底板パネル61と側板パネル51とを接合している。そして、底板パネル61の下側に一般構造要綱62を、低温用接着剤の接着層63を介して接合し、側板パネル51の内側に一般構造用鋼62を、低温用接着剤の接着層64を介して接合している。冷熱衝撃時には、側板パネル51は、槽中心方向へ収縮するため一般構造用鋼62に密着する方向に熱応力が作用する。よって、接着剤の弱点である剥離応力を低減することができ、これによって、気密性を確保することができる。なお、底板パネル61の槽中心方向に対する収縮および側板パネル51の円周方向に対する収縮に対しては、このように、一般構造用鋼62と、これらのパネルの重ね合わせ継手構造とすることにより、接着剤本来の機能であるせん断変形で吸収することができ、気密性を確保することができる。なお、本実施の形態では、一般構造用鋼を用いることとしているが、ステンレススチール材で代替することもできる。
該隅角部は、底板パネル61と側板パネル51との接合部を有し、該接合部で曲率を付けた一般構造用鋼62によって、底板パネル61と側板パネル51とを接合している。そして、底板パネル61の下側に一般構造要綱62を、低温用接着剤の接着層63を介して接合し、側板パネル51の内側に一般構造用鋼62を、低温用接着剤の接着層64を介して接合している。冷熱衝撃時には、側板パネル51は、槽中心方向へ収縮するため一般構造用鋼62に密着する方向に熱応力が作用する。よって、接着剤の弱点である剥離応力を低減することができ、これによって、気密性を確保することができる。なお、底板パネル61の槽中心方向に対する収縮および側板パネル51の円周方向に対する収縮に対しては、このように、一般構造用鋼62と、これらのパネルの重ね合わせ継手構造とすることにより、接着剤本来の機能であるせん断変形で吸収することができ、気密性を確保することができる。なお、本実施の形態では、一般構造用鋼を用いることとしているが、ステンレススチール材で代替することもできる。
LNG漏洩時の液圧力及び気化したメタンガスは、一般構造用鋼62が保持し、過大な冷熱収縮変形に対しては、この一般構造用鋼62自体が塑性座屈変形を起こすことによってパネル51、61の折損を防止する。
さらに、接合部の上部から発泡樹脂としてポリウレタンフォームを吹き付け、ポリウレタンフォーム層65を構成する。ポリウレタンフォーム層65は、ガラス繊維織物またはガラス繊維強化プラスチックのプリプレグシート66でさらに覆われている。プリプレグシートとする場合は、樹脂に、例えば、UV硬化剤を含んだ熱硬化性樹脂成分等を含有させ、目的箇所に貼り付けた後に完全に硬化させることができる。なお、ガラス繊維強化プラスチックに含まれる樹脂は、一般的には、ビニルエステル系の樹脂であるが、テフロン系の樹脂とすることもできる。この接合部の構造は、図4について説明した内槽2の隅角部の構造に類似している。ポリウレタンフォーム層65は、低い熱伝導率であって、LNG漏洩時に上記接合部の冷熱収縮を緩和し、底板パネル61と側板パネル51との接合を強化するための発泡樹脂層を構成する。なお、ポリウレタンフォーム層65は、同等の機能を有する他の保冷で代替することができる。
ガラス繊維織物またはガラス繊維強化プラスチックのプリプレグシート66は、LNGの隅角部方向への侵入を防止し、底板パネル61と側板パネル51との結合を強化し、液密性を確保している。また、この隅角構造によれば、一般構造用鋼62に対する冷熱が緩和され、接着層63、64が保護される。なお、この構造を採用するので、9%Ni鋼ではなく、一般構造用鋼62を採用することができる。
ガラス繊維織物またはガラス繊維強化プラスチックのプリプレグシート66は、LNGの隅角部方向への侵入を防止し、底板パネル61と側板パネル51との結合を強化し、液密性を確保している。また、この隅角構造によれば、一般構造用鋼62に対する冷熱が緩和され、接着層63、64が保護される。なお、この構造を採用するので、9%Ni鋼ではなく、一般構造用鋼62を採用することができる。
このように、図6に示す二次バリア層の隅角部の構造では、必要な機能(気密性・液密性・冷熱緩和機能・液圧保持機能)を、一般構造用鋼62、パネルの接着層63,64、ポリウレタンフォーム層65、ガラス繊維織物またはガラス繊維強化プラスチックのプリプレグシート66に好適に分担させることにより、接着層の剥離を防止し、接着層の冷熱からの保護を図り、かつ一般構造用鋼の適用を可能にし、施工性を向上させている。
ここで、図1の構成に戻って、粉末保冷材5としては、断熱性を有し、二次バリア層4と内槽2との間隙に充填しやすい粉末状の保冷材であって、LNGと反応しないものを用いることができる。内槽2に収容されたLNG8を−163℃に保冷し、かつ、LNGが内槽2から漏出した場合に危険な反応が生ずるのを防ぐためである。具体的には、粉末保冷材5として、パーライトを用いることができる。
一次保冷材6は、内槽2底部と二次バリア層4底部の間隙に充填される。一次保冷材6としては、安価で堅固な保冷材を用いることが好ましい。内槽2底部から大きな面圧を受けるためである。具体的には、グラスウールを使用することができる。二次保冷材7としては、面圧保持機能を有するものを用いることが好ましい。内槽2底部から大きな面圧を受けるためである。具体的には、硬質ポリウレタンフォームを用いることができる。
支持材10としては、保冷機能と内槽の外壁の荷重保持機能を有するものを用いることができる。特には、パーライトコンクリートが好ましい。
本実施の形態にかかる地上式二重殻LNGタンク1は、上述のように、安価、軽量で、機能性に優れる樹脂系バリア材により内槽2、二次バリア層4が構成されているため、全体として十分な液密性、気密性、保冷性を備え、コスト的に有利なものとなっている。
なお、本実施形態においては、地上式の二重殻LNGタンクについて記載したが、本発明は、二重殻型のLNGタンクに限定されるものではない。当業者であれば、必要に応じて、多重殻型のLNGタンクを製造することができる。
なお、本実施形態においては、地上式の二重殻LNGタンクについて記載したが、本発明は、二重殻型のLNGタンクに限定されるものではない。当業者であれば、必要に応じて、多重殻型のLNGタンクを製造することができる。
本発明の活用例として、天然ガス液化基地におけるLNG製造と船積みまでの間,及びLNG受入基地における荷揚げから再ガス化・出荷までの間の調節・貯蔵の役割を果たす、地上式のLNGタンクとして用いることができる。
1 地上式二重殻LNGタンク
1a 地上式二重殻LNGタンク
2 内槽
3 外槽
4 樹脂系二次バリア層
5 粉末保冷材
6 一次保冷材
7 二次保冷材
8 LNG
9 アンカー部
20 LNG接触面
21 ガラス繊維強化プラスチック層
21a ガラス繊維強化プラスチックプリプレグシート
22 フォームグラス層
23 樹脂層
24 ポリウレタンフォーム層
25 プライマー層
26 一般構造用鋼
27 ポリウレタンフォーム
51 側板パネル
52 上端部
53 吊りアンカー
54 低温用接着剤の接着層
55 弾性接着剤の接着層
56 ポリウレタンフォーム層
57 ガラス繊維織物またはガラス繊維強化プラスチックのプリプレグシート
61 底板パネル
62 一般構造用鋼
63 低温用接着剤の接着層
64 低温用接着剤の接着層
65 ポリウレタンフォーム層
66 ガラス繊維織物またはガラス繊維強化プラスチックのプリプレグシート
1a 地上式二重殻LNGタンク
2 内槽
3 外槽
4 樹脂系二次バリア層
5 粉末保冷材
6 一次保冷材
7 二次保冷材
8 LNG
9 アンカー部
20 LNG接触面
21 ガラス繊維強化プラスチック層
21a ガラス繊維強化プラスチックプリプレグシート
22 フォームグラス層
23 樹脂層
24 ポリウレタンフォーム層
25 プライマー層
26 一般構造用鋼
27 ポリウレタンフォーム
51 側板パネル
52 上端部
53 吊りアンカー
54 低温用接着剤の接着層
55 弾性接着剤の接着層
56 ポリウレタンフォーム層
57 ガラス繊維織物またはガラス繊維強化プラスチックのプリプレグシート
61 底板パネル
62 一般構造用鋼
63 低温用接着剤の接着層
64 低温用接着剤の接着層
65 ポリウレタンフォーム層
66 ガラス繊維織物またはガラス繊維強化プラスチックのプリプレグシート
Claims (9)
- 少なくとも内槽と外槽とを備え、該内槽と該外槽との間隙に断熱材を充填してなる地上式LNGタンクであって、
前記内槽と前記外槽との間に、二次バリア層をさらに備え、該二次バリア層が、樹脂系バリア材から構成され、
前記二次バリア層の上端部を上記外槽に設けたアンカー部で支持してなることを特徴とする地上式LNGタンク。 - 前記二次バリア層と前記アンカー部との接合部において、前記二次バリア層と前記アンカー部とが接着層を介して接合されていることを特徴とする請求項1に記載の地上式LNGタンク。
- 前記接着層が、低温用接着剤の接着層と、弾性接着剤の接着層とを含むことを特徴とする請求項2に記載の地上式LNGタンク。
- 前記接合部が、保冷層で覆われ、該保冷層がガラス繊維織物またはガラス繊維強化プラスチックのプリプレグシートでさらに覆われていることを特徴とする請求項2または3に記載の地上式LNGタンク。
- 前記アンカー部が、水平部と下垂部とから成る断面L字形の吊りアンカーで構成され、前記水平部の延長端が前記外槽の壁面に埋め込まれて片持ち梁的に支持され、前記下垂部の外周に沿って上記二次バリア層の側板パネルの上端部が位置するようにして成ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の地上式LNGタンク。
- 少なくとも内槽と外槽とを備え、該内槽と該外槽との間隙に断熱材を充填してなる地上式LNGタンクであって、
前記内槽と前記外槽との間に、二次バリア層をさらに備え、該二次バリア層が、樹脂系バリア材から構成され、
前記二次バリア層が、少なくとも底板パネルと側板パネルとで構成される隅角部を備え、
該隅角部で、前記底板パネルと前記側板パネルとが接合部を有し、該接合部で炭素鋼によって前記底板パネルと前記側板パネルとを接合してなることを特徴とする地上式LNGタンク。 - 前記底板パネルと前記側板パネルとの接合部で、前記底板パネルの下側に前記炭素鋼が接着層を介して接合し、前記側板パネルの内側に前記炭素鋼が接着層を介して接合されていることを特徴とする請求項6に記載の地上式LNGタンク。
- 前記接合部が、保冷層で覆われ、該保冷層がガラス繊維織物またはガラス繊維強化プラスチックのプリプレグシートでさらに覆われていることを特徴とする請求項6または7に記載の地上式LNGタンク。
- 少なくとも内槽と外槽とを備え、該内槽と該外槽との間隙に断熱材を充填してなる地上式LNGタンクであって、
前記内槽と前記外槽との間に、二次バリア層をさらに備え、該二次バリア層が、樹脂系バリア材から構成され、
前記二次バリア層の上端部を上記外槽に設けたアンカー部で支持し、
前記二次バリア層が、少なくとも底板パネルと側板パネルとで構成される隅角部を備え、
該隅角部で、前記底板パネルと前記側板パネルとが接合部を有し、該接合部で炭素鋼によって前記底板パネルと前記側板パネルとを接合してなることを特徴とする地上式LNGタンク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005053163A JP2006234137A (ja) | 2005-02-28 | 2005-02-28 | 地上式lngタンク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005053163A JP2006234137A (ja) | 2005-02-28 | 2005-02-28 | 地上式lngタンク |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006234137A true JP2006234137A (ja) | 2006-09-07 |
Family
ID=37042019
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005053163A Withdrawn JP2006234137A (ja) | 2005-02-28 | 2005-02-28 | 地上式lngタンク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006234137A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008020070A (ja) * | 2006-07-12 | 2008-01-31 | Korea Advanced Inst Of Science & Technology | 液化天然ガス運搬船の断熱防壁接合構造およびその方法 |
CN102616504A (zh) * | 2012-01-12 | 2012-08-01 | 嘉兴中集木业有限公司 | 集装箱底板及其新型复合材料集装箱底板单元 |
CN103604042A (zh) * | 2013-11-15 | 2014-02-26 | 张家港保税区长江新能源装备有限公司 | 一种低温绝热气瓶尾端的内胆支撑结构 |
WO2014175345A1 (ja) | 2013-04-25 | 2014-10-30 | 新日鐵住金株式会社 | 線材及びその製造方法 |
CN105972291A (zh) * | 2016-06-29 | 2016-09-28 | 朱佳 | 一种智能防充装阀芯及阀门 |
CN106090414A (zh) * | 2016-08-12 | 2016-11-09 | 朱佳 | 一种液化气钢瓶用防充防拆阀门 |
-
2005
- 2005-02-28 JP JP2005053163A patent/JP2006234137A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008020070A (ja) * | 2006-07-12 | 2008-01-31 | Korea Advanced Inst Of Science & Technology | 液化天然ガス運搬船の断熱防壁接合構造およびその方法 |
CN102616504A (zh) * | 2012-01-12 | 2012-08-01 | 嘉兴中集木业有限公司 | 集装箱底板及其新型复合材料集装箱底板单元 |
WO2014175345A1 (ja) | 2013-04-25 | 2014-10-30 | 新日鐵住金株式会社 | 線材及びその製造方法 |
CN103604042A (zh) * | 2013-11-15 | 2014-02-26 | 张家港保税区长江新能源装备有限公司 | 一种低温绝热气瓶尾端的内胆支撑结构 |
CN105972291A (zh) * | 2016-06-29 | 2016-09-28 | 朱佳 | 一种智能防充装阀芯及阀门 |
CN106090414A (zh) * | 2016-08-12 | 2016-11-09 | 朱佳 | 一种液化气钢瓶用防充防拆阀门 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5312344B2 (ja) | 複合材の極低温下でのバリヤーとしての使用 | |
JP6909635B2 (ja) | 低温液化ガス貯蔵タンク | |
CN106461158A (zh) | 密封隔热罐及其制造方法 | |
CN108541247A (zh) | 用于连接独立式液化气储罐的交替堆叠的真空隔热板的结构件 | |
JP5476508B2 (ja) | 液化天然ガス貨物倉の防壁構造及び防壁シート | |
KR20130033470A (ko) | 액화천연가스 화물창의 단열패널 보강구조 | |
KR20180002359A (ko) | 액화가스 화물창의 단열 구조 | |
US20110168722A1 (en) | Full containment tank | |
JPH0761493A (ja) | 極低温タンク断熱用パネル | |
JP2006234137A (ja) | 地上式lngタンク | |
KR102232225B1 (ko) | 격납 시스템 및 이의 시공 방법 | |
JP2007278400A (ja) | Lngタンク | |
KR101865673B1 (ko) | 비발포성 폴리우레탄 단열 구조재 및 이를 이용한 선박의 저온 단열 화물창 | |
KR101393004B1 (ko) | 액화천연가스 운반선의 화물창 | |
JP2006234136A (ja) | 地上式lngタンクおよびこれに用いるガラス繊維強化プラスチック材 | |
KR101580912B1 (ko) | 액화가스 화물창의 단열패널 구조체 | |
CN108700245A (zh) | 使用真空隔热件的隔热结构体、和具有该隔热结构体的隔热容器 | |
JP2007100772A (ja) | 地上式lngタンク | |
KR101291126B1 (ko) | 액화천연가스 저장탱크의 펌프타워 단열구조 | |
KR101924168B1 (ko) | 선박용 극저온 탱크의 단열 구조재 및 그 선박용 극저온 탱크의 단열 구조재의 제조방법 | |
KR20230018985A (ko) | 액화 가스 저장 탱크와 이를 포함하는 선박 및 액화 가스 저장 탱크의 제조 방법 | |
AU2015370947B2 (en) | Process for manufacturing a fluid tight laminate of composite material on an object | |
JP7257730B2 (ja) | 低温液体貯蔵用タンク | |
KR102014718B1 (ko) | 고성능 단열 구조재가 적용된 중대형 lpg 운반선 화물창 및 그 고성능 단열 구조재 | |
CN212828949U (zh) | 一种imo b型液货舱用保温结构及b型液货舱 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080513 |