JP2006219241A - 建設機械 - Google Patents

Abstract

【課題】下部走行体の左右一対のサイドフレーム間の移動を容易にする。
【解決手段】トラックフレーム２１の幅方向両側に設けられ、履帯２３が装着された一対のサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒと、トラックフレーム２１から支持され、一対のサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒの間に設けられたロワーウエイト４０とを備えた建設機械であって、一方のサイドフレーム２２Ｌの上面からロワーウエイト４０の上面を通って他方のサイドフレーム２２Ｒの上面へ移動できるようにロワーウエイト４０の幅方向両端部をサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒに近接して設ける。
【選択図】図２

Description

本発明は、左右一対のサイドフレームを有する建設機械に関する。

一般に、クローラクレーンや油圧ショベル等のクローラ式建設機械は、左右一対のサイドフレームを有する下部走行体と、下部走行体の上方に旋回可能に設けられた上部旋回体とを備える。このような建設機械において、機体の安定性を高めるために左右のサイドフレームの間に着脱可能にロワーウエイトを設けたものが知られている（例えば特許文献１参照）。

特開平１１−２９２９０号公報

クローラ式建設機械の左右のサイドフレーム間には空隙があるため、左右のサイドフレーム間を移動する際に、作業員は運転室内を通過するか、もしくは一旦地上に降りなければならず、スムーズな移動が困難である。また、上記特許文献１記載のように左右のサイドフレームの間にロワーウエイトを設けると、左右のサイドフレーム間の移動の際にロワーウエイトが障害となる。

本発明は、トラックフレームの幅方向両側に設けられ、履帯が装着された一対のサイドフレームと、トラックフレームから支持され、一対のサイドフレームの間に設けられたロワーウエイトとを備えた建設機械であって、一方のサイドフレームの上面からロワーウエイトの上面を通って他方のサイドフレームの上面へ移動できるようにロワーウエイトの幅方向両端部をサイドフレームに近接して設けることを特徴とする。
ロワーウエイトを、ロワーウエイトの上面とサイドフレームの上面の段差が小さくなるように設けることが好ましい。
ロワーウエイトを、その前後方向端部の位置がサイドフレームの前後方向端部の位置とほぼ一致するように設けることもできる。
トラックフレームの前後方向端部からジャッキアップシリンダを支持する支持部材を備え、ロワーウエイトを、支持部材を介してトラックフレームから支持するようにしてもよい。
ロワーウエイトを、高さ方向および幅方向に分割された複数の分割ウエイトを結合して構成し、ロワーウエイトの幅方向の長さを可変とすることが好ましい。

本発明によれば、一対のサイドフレーム間に設けられるロワーウエイトの幅方向両端部をサイドフレームに近接して設けたので、ロワーウエイト上を通ってサイドフレーム間を移動することができ、サイドフレーム間のスムーズな移動が可能となる。

以下、図１〜図７を参照して本発明による建設機械の実施の形態について説明する。
図１は、本発明が適用されるクローラクレーンの側面図である。下部走行体１の上方には上部旋回体２が旋回可能に搭載されている。上部旋回体２の前部には前後方向に回動可能にブーム３が軸支され、ブーム３の後方には旋回体２の上方を通って前後方向に回動可能にライブマスト４が軸支されている。旋回体フレーム２ａの前部には運転室５が搭載され、その後方に主巻ドラム６，補巻ドラム７，起伏ドラム８が搭載され、旋回体フレーム２ａの後端部にカウンタウエイト９が搭載されている。ブーム先端部とライブマスト４はペンダントロープ１１で連結されている。主巻ドラム６の駆動により主巻ロープ６ａを介してフック１０が昇降し、起伏ドラム８の駆動により起伏ロープ８ａおよびペンダントロープ１１を介してブーム３が起伏する。

図２は下部走行体１の上面図である。図１，２に示すように下部走行体１は上部旋回体２が取り付けられるトラックフレーム２１と、トラックフレーム２１の左右両側に設けられた一対のサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒと、各サイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒの前後方向一端側に設けられた駆動輪２４および前後方向他端側に設けられた従動輪２５に掛け回され、サイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒの周囲に装着された履帯２３とを有する。

サイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒはトラックフレーム２１に対し左右方向に移動可能、すなわち拡縮可能であり、図２では一方のサイドフレーム２２Ｌを最大に拡張し、他方のサイドフレーム２２Ｒを最大に縮退した状態を示している。トラックフレーム２１の前端部および後端部にはそれぞれ左右一対のブラケット２６が設けられている。各ブラケット２６にはそれぞれジャッキビーム２７が取り付けられ、ジャッキビーム２７を介してサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒの間にロワーウエイト４０が支持されている。

図３（ａ）はロワーウエイト４０の支持部の構成を示す図２のIII部拡大図であり、図３（ｂ）は図３（ａ）の矢視ｂ図である。なお、ロワーウエイト４０の他の支持部の構成も図３と同様であり、図示を省略する。

ジャッキビーム２７はピン２６ａを介してブラケット２６に水平方向に回動可能に取り付けられ、図３はジャッキビーム２７を作業位置に回動した状態を示している。この状態ではジャッキビーム２７の側端部にリンク２９の一端が連結され、トラックフレーム２１の後端部にリンク２９の他端が連結されている。これによりピン２６ａを支点にしたジャッキビーム２７の回動が阻止され、ジャッキビーム２７が作業位置に固定される。なお、ジャッキビーム２７を格納する場合には、ピン２６ａを支点にしてジャッキビーム２７を図示矢印Ａ方向に回動し、トラックフレーム後端部に設けたブラケット３４にジャッキビーム先端部（後述するブラケット３３）をピン結合して固定する。

ジャッキビーム２７には上下方向に貫通孔２７ａが開口され、貫通孔２７ａにジャッキシリンダ２８のシリンダチューブが挿入して固定されている。ジャッキシリンダ２８のシリンダロッドは下方に向けて伸縮し、図３（ｂ）に示すようにジャッキシリンダ２８が伸長すると下部走行体１がジャッキアップされる。

図３（ａ）に示すようにジャッキビーム２７の先端部には左右一対の側板３１が固設され、これら側板３１の端部には左右方向にわたって補強板３２が架設されている。これによりジャッキビーム２７の外周面と一対の側板３１と補強板３２とにより前後左右方向が閉塞した略ボックス状の閉空間が形成されている。図３（ｂ）に示すように側板３１の上縁部には凹部３１ａが設けられ、凹部３１ａの下方に水平方向に貫通孔３１ｂが開口されている。補強板３２の端面には上述したジャッキビーム格納用のブラケット３３が固設されている。

ロワーウエイト４０（後述する下部ウエイト４１）の前端部には左右一対の側板４５が固設され、側板４５には貫通孔４５ａ，４５ｂが開口されている。貫通孔４５ａには水平方向にピン４６が挿入され、このピン４６が側板３１の凹部３５ａに収容され、ロワーウエイト４０がジャッキビーム２７から支持されている。また、貫通孔４５ｂおよび側板３１の貫通孔３１ｂには水平方向にピン４７が挿入され、ピン４６を支点にしたロワーウエイト４０の揺動が阻止されている。

次に、本実施の形態に係るロワーウエイト４０の形状について説明する。図４はロワーウエイト４０の正面図（図１の矢視IV図）であり、図５は側面図（図１のV-V線断面図）である。ロワーウエイト４０は複数の分割ウエイト、すなわち上述したようにジャッキビーム２７に取り付けられる下部ウエイト４１と、下部ウエイト４１上に搭載される左右一対の上部ウエイト４２，４３からなる。

図２，４に示すように下部ウエイト４１は左右のジャッキビーム２７にかけて延設され、上部ウエイト４２，４３の左右方向端部は下部ウエイト４１の左右方向端部よりもそれぞれ左右方向外側に突出している。これにより上部ウエイト４２，４３の左右方向端部がサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒに近接し、ロワーウエイト４０とサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒの隙間（ｔ１）を小さくすることができる。また、図５に示すようにロワーウエイト４０の上面の高さが高くなり、ロワーウエイト４０の上面の高さをサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒの上面の高さ以下としたときに、その両者の高さの差（ｔ２）を小さくすることができる。なお、ｔ１は例えば３００mm以下、ｔ２は例えば３００mm以下とすることが好ましい。

図２に示すように下部ウエイト４１の前端部および後端部には左右方向中央部にそれぞれステップ（踏み台）４５が取り付けられている。ステップ４５の前側または後側の上部ウエイト４２，４３の角部にはそれぞれ切り欠き４２ａ，４３ａが設けられ、下部ウエイト４１のステップ４５に隣接する部分（図２の斜線部４１ａ）の上面は露出している。

図５に示すようにステップ４５の高さ（地上高）は下部ウエイト４１の上面の高さ（地上高）のほぼ半分であり、例えば下部ウエイト４１の地上高を４００mmとすると、ステップ４５の地上高は２００mmとなっている。このとき上部ウエイト４２，４３の上面の高さ（地上高）を６００mmとすれば、地面とステップ４５，ステップ４５と下部ウエイト４１の上面，下部ウエイト４１の上面と上部ウエイト４２，４３の上面の高さの差はそれぞれ２００mmで等しい。これにより、ロワーウエイト４０の地上高を高くした場合にも、ステップ４５と下部ウエイト４１（図２の斜線部４１ａ）を踏み台にして地面からロワーウエイト４０の上面までスムーズに昇降することができる。

図６（ａ）は下部ウエイト４１と上部ウエイト４２の結合状態を示す図４のa-a線断面図であり、図６（ｂ）は図４のb-b線断面図である。なお、下部ウエイト４１と上部ウエイト４３の結合も図６と同一であり、図示を省略する。

図６（ａ）に示すように下部ウエイト４１の上端面にはボス部４１ａが形成され、ボス部４１ａと干渉しないように上部ウエイト４２の下端面には凹部４２ａが形成されている。ボス部４１ａにはねじ孔４１ｂが設けられ、このねじ孔４１ｂに対応して上部ウエイト４２には貫通孔４２ｂが開口されている。貫通孔４２ｂを挿通したボルト４４がねじ孔４１に螺合し、上部ウエイト４２が下部ウエイト４１に締結されている。

図６（ｂ）に示すように下部ウエイト４１の上端面にはウエイト吊り上げ用の吊り治具４１ｃが取り付けられ、吊り治具４１ｃと干渉しないように上部ウエイト４２の下端面には凹部４２ｃが形成されている。上部ウエイト４２の上端面にもウエイト吊り上げ用の吊り治具４２ｄが取り付けられている。このように下部ウエイト上面のボス部４１ａおよび吊り治具４１ｃに対応して上部ウエイト下面に凹部４２ａ，４２ｃを形成するので、ウエイト４１，４２同士の干渉を防止するだけでなく、下部ウエイト４１に対する上部ウエイト４２の位置決めも容易になる。

ここで、図４に示すように下部ウエイト４１には、上部ウエイト４２の下方において左右方向に２カ所のねじ部４１ｂと１カ所の吊り治具４１ｃが設けられているのに対し、上部ウエイト４２には左右方向に３カ所の貫通孔４２ｂと２カ所の凹部４２ｃが設けられている。これにより上部ウエイト４２の位置をボルト４４のピッチ分だけ左右方向にずらすことができ、上部ウエイト４２の取付位置を２段階に変更可能となる。この場合の上部ウエイト４２の移動量はサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒの拡縮量に応じて設定される。

本実施の形態に係るロワーウエイト４０は、作業時に機体の安定性を高めるために取り付けられる。そして、ロワーウエイト４０の左右両端部をサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒに近接して設けたので、サイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒ間を連通する渡り廊下としてロワーウエイト４０を機能させることができる。これにより作業員はロワーウエイト４０上を通って一方のサイドフレーム２２Ｌ上から他方のサイドフレーム２２Ｒ上へと移動することができる。そのためサイドフレーム間の移動の際に、作業員は運転室５を通過したり地面に一旦降りる必要がなく、移動が容易になる。

この場合、下部ウエイト４１に上部ウエイト４２を搭載してロワーウエイト４０の高さを高くしているため、サイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒとロワーウエイト４０の高さの差ｔ２は小さく、ロワーウエイト４０からサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒへの乗り移りが容易である。さらに、作業員が地面を通って移動することがないので、作業員の上半身の高さを上部旋回体２が通過することはなく、安全性も高い。

サイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒを拡縮する際はそれに伴い下部ウエイト４１に対する上部ウエイト４２，４３の取付位置を左右方向にずらす。すなわちサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒを拡張する場合は上部ウエイト４２，４３の左右方向内側２カ所の貫通孔４２ｂにボルト４４を挿通し、サイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒを縮退する場合は左右方向外側２カ所の貫通孔４２ｂにボルト４４を挿通し、ウエイト４１〜４３同士を締結する。これによりサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒの拡縮に拘わらず、ロワーウエイト４０の端部がサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒに接近し、サイドフレーム間の移動が容易になる。

以上の実施の形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
（１）ロワーウエイト４０を左右方向に延設し、ロワーウエイト４０の端部をサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒに近接して設けたので、作業員はサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒからロワーウエイト４０に乗り移ることができる。これによりサイドフレーム間を移動する際に、一旦地面に降りたり運転室５を通過したりする必要がなく、移動が容易である。
（２）ロワーウエイト４０を足場（渡り廊下）として用いるので、サイドフレーム間に別途足場を設ける必要がなく、効率的である。

（３）ロワーウエイト４０とサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒの高さの差ｔ２を小さくしたので、サイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒからロワーウエイト４０への乗り移りが容易である。
（４）下部ウエイト４１の上方に上部ウエイト４２，４３を左右に分割して設け、上部ウエイト４２，４３の左右方向取付位置を調整可能としたので、サイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒの拡縮に拘わらずロワーウエイト４０の端部をサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒに近接して設けることができる。
（５）ロワーウエイト４０を水平方向に回動可能なジャッキビーム２７に取り付けるので、ロワーウエイト４０をトラックフレーム２１から前後方向に離して設けることができる。これに対し、トラックフレーム２１の前後方向端部にブラケットを設けてロワーウエイト４０を支持する場合、ブラケットの長さが長くなるため、ロワーウエイト４０をトラックフレーム２１から離して設けることが困難である。

（６）下部ウエイト４１にステップ４５を取り付け、上部ウエイト４２，４３に切り欠き４２ａ，４３ａを設けて下部ウエイト４１のステップ４５に隣接した部分４１ａを露出させるので、ステップ４５と下部ウエイト４１を踏み台にして地面からロワーウエイト上に容易に昇降することができる。
（７）ステップ４５をロワーウエイト４０の左右方向中央部に設けるので、例えば上部旋回体２が下部走行体１に対して９０度旋回しているとき、サイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒ上を通らずにロワーウエイト４０から運転室５へ乗り降りすることができ、遠回りの必要がない。

なお、上記実施の形態では、ロワーウエイト４０をサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒの前後方向端部よりも内側に設けたが、図７に示すようにロワーウエイト４０を前後方向に延設し、ロワーウエイト４０の端部（図では後端部）とサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒの端部の位置をほぼ一致させるようにしてもよい。これによりサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒの間の地面に立って作業を行うことが禁止されるため、安全性がより高まる。図７では後側のロワーウエイト４０のみ後方に延設したが、前側のロワーウエイト４０を同様に前方に延設し、サイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒの端部がロワーウエイト４０の端部よりも前後方向に突出しないようにしてもよい。

上記実施の形態では、下部ウエイト４１上に上部ウエイト４２，４３を搭載してロワーウエイト４０とサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒの段差を小さくしたが、少なくとも作業員が一方のサイドフレーム２２Ｌの上面からロワーウエイト４０の上面を通って他方のサイドフレーム２２Ｒの上面へ移動できるようにロワーウエイト４０の幅方向両端部をサイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒに近接して設けるのであれば、すなわちロワーウエイト４０を渡り廊下として機能させるのであれば、ロワーウエイト４０の構成は上述したものに限らない。ロワーウエイト４０を下部ウエイト４１と上部ウエイト４２，４３に分割したが、必ずしもロワーウエイト４０を分割ウエイトとする必要はない。ジャッキビーム２７を介してトラックフレーム２１からロワーウエイト４０を支持するようにしたが、他の支持部材を介して支持してもよい。

上記実施の形態は、クレーンの下部走行体１を例に説明したが、サイドフレーム２２Ｌ，２２Ｒの間にロワーウエイト４０を有する他の建設機械（例えば油圧ショベルなど）にも本発明は同様に適用可能である。すなわち本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態の建設機械に限定されない。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係になんら限定も拘束もされない。

本発明が適用されるクローラクレーンの側面図。 本実施の形態に係る下部走行体の上面図。 （ａ）は図２のIII部拡大図、（ｂ）は図３（ａ）の矢視ｂ図。 図１の矢視IV図。 図１のV-V線断面図。 （ａ）は図４のa-a線断面図、（ｂ）は図４のb-b線断面図。 図２の変形例を示す図。

符号の説明

２１ トラックフレーム
２２Ｌ，２２Ｒ サイドフレーム
２３ 履帯
２７ ジャッキビーム
４０ ロワーウエイト
４１ 上部ウエイト
４２，４３ 下部ウエイト

Claims (5)

1. トラックフレームの幅方向両側に設けられ、履帯が装着された一対のサイドフレームと、
   前記トラックフレームから支持され、前記一対のサイドフレームの間に設けられたロワーウエイトとを備えた建設機械であって、
   前記一方のサイドフレームの上面から前記ロワーウエイトの上面を通って前記他方のサイドフレームの上面へ移動できるように前記ロワーウエイトの幅方向両端部を前記サイドフレームに近接して設けることを特徴とする建設機械。
2. 請求項１に記載の建設機械において、
   前記ロワーウエイトは、前記ロワーウエイトの上面と前記サイドフレームの上面の段差が小さくなるように設けられることを特徴とする建設機械。
3. 請求項１または２に記載の建設機械において、
   前記ロワーウエイトは、その前後方向端部の位置が前記サイドフレームの前後方向端部の位置とほぼ一致するように設けられることを特徴とする建設機械。
4. 請求項１〜３のいずれか１項に記載の建設機械において、
   前記トラックフレームの前後方向端部からジャッキアップシリンダを支持する支持部材を備え、
   前記ロワーウエイトは、前記支持部材を介して前記トラックフレームから支持されることを特徴とする建設機械。
5. 請求項１〜４のいずれか１項に記載の建設機械において、
   前記ロワーウエイトは、高さ方向および幅方向に分割された複数の分割ウエイトを結合してなり、前記ロワーウエイトの幅方向の長さを可変としたことを特徴とする建設機械。

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