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JP2006089636A - タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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JP2006089636A JP2004278156A JP2004278156A JP2006089636A JP 2006089636 A JP2006089636 A JP 2006089636A JP 2004278156 A JP2004278156 A JP 2004278156A JP 2004278156 A JP2004278156 A JP 2004278156A JP 2006089636 A JP2006089636 A JP 2006089636A
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JP2004278156A
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Norio Minouchi
則夫 箕内
Takashi Sakurai
貴志 櫻井
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Toyo Tire Corp
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Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

【課題】 背反関係にある低転がり抵抗とウェット性能及び耐摩耗性の各性能をバランスよく向上するタイヤ用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】 加硫されたタイヤトレッド用ゴム組成物が、スチレンブタジエンゴム(A)からなるマトリックス中に前記スチレンブタジエンゴム(A)以外のジエン系ゴム(B)が島相として分散せしめられてなる海島構造を有し、前記島相の平均粒子径が0.1〜1.0μmにあり、かつ、前記島相を構成する(B)ゴムに含まれるシリカ量Y(重量部)が、下記式(1)で示される範囲にある。
(X/100)・Z・1.4≧Y≧(X/100)・Z・0.7……(1)
(式中、Xはゴム成分100重量部に対する(B)ゴムの配合量(重量部)、Zはゴム成分100重量部に対するシリカの配合量(重量部)である)
【選択図】 なし

Description

本発明は、タイヤトレッド用ゴム組成物に関し、さらに詳しくは、低転がり抵抗と湿潤路面での制動性能をバランスよく両立し、かつ耐摩耗性を向上させたトレッドに適したゴム組成物、及びこのタイヤトレッド用ゴム組成物をトレッド部に適用した空気入りタイヤに関する。
タイヤ用、中でもトレッド部に用いられるゴム組成物は、低燃費性の市場ニーズから低転がり抵抗の要求が強く、また安全性の面からの湿潤路面での制動性能や操縦安定性(以下、ウエット性能という)の向上が求められ、さらに耐久性、経済性の点で優れた耐摩耗性が求められており、ゴム特性として背反傾向を示すこれら低転がり抵抗とウェット性能及び耐摩耗性の各性能を高次元でバランスよく向上させることが要求されている。
このような要求に基づいて、ゴム組成物に用いられるポリマーのミクロ構造の改良や末端変性による改質、ポリマーブレンドの組み合わせやそのブレンド比の検討が多くなされ、特に近年では、補強性フィラーとしてシリカを配合し低転がり抵抗とウェット性能とをバランスさせることが注目されるようになっている。
この様な改良技術としては、ミクロ構造を特定するスチレンブタジエンゴムにシリカとコロイダル特性を特定したカーボンブラックを配合したタイヤトレッド用ゴム組成物、ゴム成分にΔ熱重量減少率とCTABとが特定の関係にあるシリカを配合するもの、ゴム成分にシリカとカーボンブラック、及び特定の炭酸カルシウムや無機化合物粉体を配合するもの、などの種々の改良が開示されている(例えば、特許文献1〜4)。
特開平7−48476号公報 特開2003−155383号公報 特開2002−363346号公報 特開2003−55503号公報
上記特許文献に記載の各ゴム組成物は、ゴム成分を構成するポリマーの改良、そのブレンド比やカーボンブラック、シリカなどの補強性フィラーの改質などのゴム組成物を構成する配合材料を改良することにより、低転がり抵抗とウェット性能及び耐摩耗性とを向上させる効果があることが記載されている。
ブレンドゴムにシリカを配合するゴム組成物では、シリカによるtanδの温度依存性を改良し低転がり抵抗とウェット性能とを向上し、補強性の低下を抑えて耐摩耗性を維持することがなされている。しかし、このシリカの特長を最大限に発揮させるにはシリカをブレンドゴム中に均一に分布させる必要があるが、シリカは表面のシラノール基同士で結合して凝集塊を作りやすくし、分散性が低下するとともに一方のポリマーに偏って存在しやすく、ブレンドゴムの長所が十分発揮されていないのが実状である。
従来のゴム配合技術では、ポリマーの改良やブレンド配合の改善、補強性フィラーの改良、添加剤の改良などが多くなされてきたが、加硫された後のゴム組成物におけるポリマーモルフォロジーやその場合の各ポリマーに含まれる補強性フィラーの含有量の観点からの検討にはなされておらず、これらの観点をポリマーやフィラーなどの改良検討にさらに導入することで各材料の持つ特長を高度にバランスさせ、低転がり抵抗やウェット性能及び耐摩耗性との背反関係にあるゴム特性を高度に両立させ得ることが考えられる。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、トレッド部に主として使用されるスチレンブタジエンゴムを用いたブレンド配合系のゴム組成物において、特定のポリマーモルフォロジーを有し、その各ポリマーへの補強性フィラーの分配量を定量的に制御することにより、低転がり抵抗とウェット性能及び耐摩耗性とをバランスよく向上させることのできるタイヤトレッド用ゴム組成物、及びそれを適用した空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、スチレンブタジエンゴム(A)及び前記スチレンブタジエンゴム以外の他のジエン系ゴム(B)を含むゴム成分に、シリカを配合してなるタイヤトレッド用ゴム組成物において、加硫された前記タイヤトレッド用ゴム組成物が、前記(A)ゴムからなるマトリックス中に前記(B)ゴムが島相として分散せしめられてなる海島構造を有し、前記島相の平均粒子径が0.1〜1.0μmにあり、かつ、前記島相を構成する(B)ゴムに含まれるシリカ量Y(重量部)が、下記式(1)で示される範囲にあることを特徴とする。 (X/100)・Z・1.4≧Y≧(X/100)・Z・0.7……(1) (式中、Xはゴム成分100重量部に対する(B)ゴムの配合量(重量部)、Zはゴム成分100重量部に対するシリカの配合量(重量部)である)
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物においては、前記(A)ゴムの配合量が、ゴム成分100重量部に対し30〜90重量部であり、また、前記シリカが、窒素吸着比表面積(BET)が100〜300m/g、DBP吸油量が150〜300ml/100gであり、その配合量は前記ゴム成分100重量部に対し10〜120重量部であることが好ましい。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物によれば、スチレンブタジエンゴム(A)からなるマトリックス中に、(B)ゴムからなる平均粒子径が0.1〜1.0μmの微粒子相を微細に分散させることにより、海相の(A)ゴム成分と島相の(B)ゴム成分とが適度な相溶性を有し、かつ、従来の通常ブレンド配合において海島構造を形成する場合には海相を構成するスチレンブタジエンゴム中に配合されるシリカの大半、例えば70〜80%以上のシリカが偏在していた(式(1)中の係数が0.1〜0.4)ものを、島相を構成する(B)ゴム成分にシリカを従来より多く分配しブレンドゴム全体にシリカを均等に存在させることで、(A)ゴムと(B)ゴムのそれぞれ独自の作用効果を発揮させ、ブレンドポリマーの特長を有効に発現させるとともに、シリカの分配制御によりゴム組成物のtanδの温度依存性を改善して低温域でのtanδを高めてヒステリシスロスを小さくし、高温域でのtanδを低いレベルに抑えてヒステリシスロスを大きくしてシリカ配合の効果を有効に発揮させ、その特長である低転がり抵抗性とウェット性能を共に向上し、耐摩耗性を良好にして従来の相反していた各性能をそれぞれバランスさせ向上することができる。
本発明の空気入りタイヤによれば、上記タイヤトレッド用ゴム組成物をトレッド部に適用することにより、低転がり抵抗とウェット性能をバランスよく両立し、かつ耐摩耗性を向上させる空気入りタイヤを提供するものとなる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、スチレンブタジエンゴム(A)と(B)ゴムとのブレンドからなる加硫されたゴム組成物が海島構造を有し、海島相のスチレンブタジエンゴム(A)と(B)ゴムとの両ゴム成分中にシリカをより均等に分配させることにより、各ゴム成分の特長を有効に発現させ背反関係にある低転がり抵抗とウェット性能及び耐摩耗性の各性能をバランスよく向上するという優れた効果を有し、それをトレッド部に適用することでバランスのよいタイヤ性能を備えた空気入りタイヤを得ることができる。
以下に、本発明に係る実施の形態について説明する。本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物のゴム成分は、スチレンブタジエンゴム(SBR(A))と、前記SBR(A)以外の他のジエン系ゴム(B)ゴムとから構成され、加硫されたゴム組成物が前記SBR(A)からなるマトリックス(海相)中に前記(B)ゴムが島相として分散せしめられてなる海島構造を有している。
本発明において海相を構成するSBR(A)としては、重合方法やスチレン含有率などのポリマーのミクロ構造、分子量、或いは末端変性の有無などにより制限されることはなく、通常のタイヤトレッド用に用いられている溶液重合或いは乳化重合により得られるSBRから選択し使用することができる。
その中でも、好ましくはスチレン含有率が10〜45重量%、より好ましくは15〜40重量%にあり、ビニル含有率は30〜60重量%程度であるSBRがタイヤトレッド用として転がり抵抗や耐摩耗性に優れ好適である。スチレン含有率が45重量%を超えるとガラス転移温度(Tg)が上昇し、ウエット性能は維持されるが、転がり抵抗が大きくなり耐摩耗性が低下し、ビニル含有率を上記範囲とすることでSBRのTgを適正な範囲とすることができる。
島相を構成する(B)ゴムとしては、例えば天然ゴム(NR)、前記SBR(A)以外の各種のSBR、各種ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ニトリルゴム(NBR)等のジエン系ゴムが例示され、その単独または2種以上を用いることもできる。BRを用いる場合は、シス含有量が93重量%以上のハイシスBRが耐摩耗性に優れ好ましい。
(B)ゴムとしてSBRを用いる場合は、ポリマーの重合方法やそのミクロ構造、分子量、分子量分布等がSBR(A)とは異なり、シリカとの親和性を向上するために末端変性されたSBRであってもよく、前記海相を構成するSBR(A)以外のSBRであれば使用することができる。
このような末端変性溶液重合SBRとしては、スチレン含有率が10〜30重量%程度、ビニル含有率が40〜80重量%程度の任意の溶液重合SBRを常法に従い末端変性したものが使用される。末端変性法としては、SBR分子鎖中にベンゾフェノンやイソシアナート等の官能基をアルカリ金属触媒の存在下で導入し末端変性されたものや、特開昭63−150338号公報、特開平3−252433号公報等に開示の方法による末端変性SBRを特に制限を受けること無く用いることができ、シリカとの親和性を向上し、またシリカの分散性をよくすることができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物においては、海相を構成するSBR(A)の配合量が、ゴム成分100重量部に対し30〜90重量部であることが好ましく、この範囲で加硫後のゴム組成物においてSBR(A)ポリマーがブレンドゴムのミクロ構造に海相を構成すればよい。
SBR(A)の配合量が30〜90重量部の範囲を外れるとシリカの両ゴム成分への均等分配が困難となり、すなわち配合量が30重量部よりも少なくなると、SBR(A)を海相として形成するのが困難となり補強性、耐摩耗性が低下し低転がり抵抗とウエット性能との両立効果が充分に奏されず、逆に多すぎると(B)ゴムによる島相の形成が少なくなりシリカの分配制御を困難とし、低転がり抵抗とウエット性能のバランスが両立し得なくなる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物に配合使用されるシリカとしては、通常のゴム補強用に用いられる湿式シリカ、乾式シリカなどが使用でき、特に湿式シリカが好ましい。シリカの窒素吸着比表面積(BET)は100〜300m/g、DBP吸油量が150〜300ml/100gにあるものが好ましく、BETが100m/g未満であるとシリカの補強効果が得られにくくなり、300m/gを越えるとシリカの分散性が低下し、加工性(混合、押出性)が著しく低下する傾向にある。また、DBP吸油量を150〜300ml/100gとすることで分散性を良好に維持することができる。このようなシリカとしては、日本シリカ工業(株)製のニップシールVN3、AQ、トクヤマ(株)製のトクシールUR、U−13、デグッサ社製のウルトラジルVN3などの市販品が使用できる。なお、シリカのBETはASTM D3037に、DBP吸油量はJIS K6221に記載の方法に準拠し測定される。
シリカの配合量はゴム成分100重量部に対して10〜120重量部である。シリカの配合量が10重量部未満ではシリカを配合する効果が得られず、120重量部を越えると加工性が低下する。
本発明のゴム組成物には、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を配合することが好ましい。シランカップリング剤としては、ビス−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィドなどのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系等の通常使用されるシランカップリング剤が挙げられ、その単独又は2種以上を併用することができる。
このシランカップリング剤の配合量は、シリカ配合量の1〜20重量%であり、シランカップリング剤が1重量%未満ではそのカップリング効果が十分得られずシリカ配合の長所が発揮されず、20重量%を越えるとコストの上昇の割にそれ以上のカップリング効果が得られず、逆に補強性、耐摩耗性が低下し加工性も悪くなる傾向にある。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、その加硫後のゴム組成物において、海相をなすSBR(A)のマトリックス中に(B)ゴムからなる島相が微細に分散する海島構造を構成する。
本発明における海島構造では、(B)ゴムからなる島相の平均粒子径が0.1〜1.0μmにあり、加硫後ゴム組成物のミクロ構造のマトリックス中に島相が微細に、かつ均一に分散される。島相の平均粒子径が0.1μm未満になるとマトリックス中の島相が微細になりすぎ海島構造を呈さなくなりポリマーモルフォロジーの形態をなさず本発明から逸脱し、逆に1.0μmを越える島相が大きくなりすぎ、いわゆる団子状を呈して島相をマトリックス中に均一に分散させず海相と島相の良好な相溶性が得られなくなる。従って、平均粒子径は0.1〜1.0μmの範囲であると、SBR(A)からなる海相と(B)ゴムからなる島相との相溶性が良好となり、互いの特性を相殺することなく両者の特長を高度にバランスよく創出することができる。
ここで、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、加硫後のゴム組成物における島相を構成する(B)ゴムに含まれるシリカ量Y(重量部)が、式(X/100)・Z・1.4≧Y≧(X/100)・Z・0.7……(1)(式中、Xはゴム成分100重量部に対する(B)ゴムの配合量(重量部)、Zはゴム成分100重量部に対するシリカの配合量(重量部)である)の範囲内にあることで、SBR(A)と(B)ゴムとの配合比率に関わらず海島両相のゴム中にシリカを均等な分配量で分布させることができる。
これは、従来の通常配合でのブレンドゴムにおいては海相を構成するSBR(A)にシリカの大半が偏在していたものを、ポリマーモルフォロジーの観点に補強性フィラーの含有量の観点を導入することにより改善したものである。すなわち、島相を構成する(B)ゴム側に通常よりも多くのシリカを分配制御することでシリカの分布をブレンドゴム全体に満遍なく均一化し、ブレンドされる各ポリマーの特長を有効に発現させるとともにシリカの特長であるtanδの温度依存性を大きく改善したものである。
すなわち、島相のシリカ量Yが、上記の式(1)の範囲であると、通常は海相のSBR(A)にシリカの大半が偏在(式中の係数が0.1〜0.4)していたものを、島相を構成する(B)ゴム成分側にも均等に分配させることになり、シリカの分配量を均等化することでブレンドポリマーの特長を有効に発現させるとともに、従来のシリカ偏在によるtanδの温度依存性を改善し、低温域、例えば0℃付近でのtanδを高めてウェット性能を向上し、60℃付近でのtanδを低いレベルに抑えて走行温度域でのヒステリシスロスを小さくし低転がり抵抗と耐摩耗性を良好にし、相反する性能をそれぞれ向上し高次元にバランスさせることができる。
上記シリカ量Yが式(1)の範囲を外れると、シリカが海相又は島相に偏在することになり、本発明のシリカ分散の均等化に反し発明の目的を達成することができない。
本発明のゴム組成物では、海相を構成するSBR(A)と島相を構成する(B)ゴムとにシリカを配合したブレンドゴムに海島構造が形成され、かつシリカが上記式(1)の範囲内で定量的に分配し調整されるものであればその調整方法は特に制限されることはない。
その調整方法としては、SBR(A)と(B)ゴムとの間で、ポリマーの有するミクロ構造やTg、凝集状態などの差やシリカの特性を組み合わせ、それに混合条件などを付加してブレンドゴムに海島構造を形成するものであればよく、配合手法や混合手法などの組み合わせにより適宜実施することができる。
例えば、海相を構成するSBR(A)と島相を構成する(B)ゴム及びシリカの全量を同時に配合し、他の配合成分と同時に混合して均一に分散させブレンドゴムを調整することができ、この場合は混合温度や時間、バンバリーミキサーのローター回転トルク等の混合条件を考慮し調整すればよい。この場合は、島相のゴム成分にシリカとの親和性を向上させた末端変性SBRなどの活性なポリマーを使用する等の各種手法を同時に採用することができる。
また、海相を構成するSBR(A)のシリカマスターバッチと、島相を構成する(B)ゴムのシリカマスターバッチとをそれぞれシリカ量を調整し個別に作製し、そのマスターバッチを混合し分散させることでブレンドゴムを得ることもできる。また、(B)ゴムにシリカの全量を配合したマスターバッチとSBR(A)ポリマーとを混合しブレンドゴムとするなど、各種の手法を用いることができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物においては、上記シリカと併用してカーボンブラックを用いてもよい。カーボンブラックを配合することで、補強性や耐摩耗性を向上し、シリカによる混合時の発熱(焼け)の問題や加工性の低下を改善することができる。
このカーボンブラックとしては、通常のタイヤトレッドに用いられるものであればよいが、特に耐摩耗性や低転がり抵抗に優れるHAF級以上の補強性を有するカーボンブラックが好ましく、すなわち、窒素吸着比表面積(NSA)が70〜130m/g、及びDBP吸油量が70〜120ml/100gのカーボンブラックが好適に使用され、例えば、HAF、ISAF、SAF級のカーボンブラックが実用に適し、これらの2種以上を併用してもよい。
上記カーボンブラックを用いる場合の配合量は、ゴム成分100重量部に対し100重量部未満でシリカとの合計量が10〜140重量部程度の範囲で配合されることが好ましい。配合量が100重量部を超えるとゴム組成物の転がり抵抗が大きくなり、またゴム中への分散性、混合性が悪化するため海島相へのシリカ分配量の調整が困難となり、加工性にも影響し工程性を低下させるおそれがある。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物には、上記ゴム成分とシリカの他に、カーボンブラック、ゴム工業において通常に用いられる硫黄などの加硫剤、加硫促進剤、プロセスオイル、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、加硫助剤などの各種配合剤を、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じ適宜配合し用いることができる。
本発明では、原料ゴムとシリカに、或いはシリカマスターバッチに各種配合剤を配合しバンバリーミキサー、ロール、ニーダーなどの各種混練機を使用して常法に従い作製することができ、タイヤのトレッド部を始めとしてサイドウォール部、ビード部などのタイヤ各部位に使用することができるが、特にタイヤトレッド用ゴムとして好適に使用される。
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
下記の2種類のSBR−A,Bとシリカとを用い、それぞれシリカの配合量を調整したマスターバッチを作製し、表1に記載の各タイヤトレッド用ゴム組成物をマスターバッチに下記シランカップリング剤と下記共通の配合成分を配合し、容量20リットルのバンバリーミキサーにより混練し調整した。また、必要に応じて各ゴム組成物はバンバリーミキサーによる混練時間とローターの回転トルクを調整することでブレンドゴムの海島構造及びシリカの両ゴム成分への分配量を調整した。なお、表1中のSBR−Aの配合量はゴム成分のみの配合量を示す。
[SBR−A,B、シリカ、シランカップリング剤]
・SBR−A:溶液重合SBR、スチレン含有率35重量%、ビニル含有率40重量% (37.5%油展)
・SBR−B:末端変性溶液重合SBR、スチレン含有率15重量%、ビニル含有率65重量%
・シリカ:日本シリカ工業(株)製、ニップシールAQ、(BET:210m/g)
・シランカップリング剤:デグッサ社製 Si69
[共通配合成分]
・アロマオイル:30重量部(ジャパンエナジー(株)製、プロセスX−140)
・亜鉛華:3重量部(三井金属鉱業(株)製、亜鉛華1号)
・ワックス:1重量部(大内新興化学工業(株)製、サンノック)
・老化防止剤6C:2重量部(大内新興化学工業(株)製、ノクラック6C)
・硫黄:1.8重量部(細井化学工業(株)製、ゴム用粉末硫黄150メッシュ)
・加硫促進剤CZ:1重量部(大内新興化学工業(株)製、ノクセラーCZ)
得られた各タイヤトレッド用ゴム組成物について、加硫後ゴム組成物の海島構造の島相の平均粒子径、島相のシリカの存在量を測定し、さらに各ゴム組成物をトレッド部に適用したサイズ185/70R14の試験用ラジアルタイヤを製造し、各タイヤの転がり抵抗、ウェット性能、耐摩耗性を下記の方法に従い評価し、その結果を比較例1のタイヤを100とする指数で表1に示した。
試験方法
[島相の平均粒子径(μm)]
各ゴム組成物を試験用ロールを用いてシートにし、15×15×1cmの試験用モールドを用いて、150℃×30分間のプレス加硫を行い加硫シートを作製し、これをミクロトームを用いて超薄切片を作成し透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察した。島相の粒子径を測定し、その平均値を求めた。
[島相のシリカの存在量(重量部)]
島相の平均粒子径測定用の試験サンプルを使用し、走査型プローブ顕微鏡を用いて海相と島相のシリカ数を測定し、その比率より島相のシリカ存在量を配合したシリカ量に基づいて求めた。
[転がり抵抗]
1軸ドラム試験機を用い、内圧200kPa、負荷荷重400Kg、速度80Km/hでドラム上を走行する時の転がり抵抗を測定し、次式により各試験タイヤの転がり抵抗指数を計算した。値が小さいほど燃費性が良く良好である。 転がり抵抗(指数)=(各試験タイヤの転がり抵抗)×100/(比較例1のタイヤの転がり抵抗)
[ウェット性能]
排気量2000ccの国産乗用車に同種の試験タイヤ4本を内圧200kPaに調整し取り付け、水深2〜3mmに水没したアスファルト路面を時速60Km/hで通過中に急ブレーキをかけてから停止するまでの距離を測定し、次式により各試験タイヤのウエット制動性指数を計算し、ウエット性を評価した。値が大きいほど制動性が良く良好である。 ウエット性(指数)=(比較例1の試験タイヤの停止距離)×100/(各試験タイヤの停止距離)
[耐摩耗性]
排気量2000ccの国産乗用車に2種類の試験タイヤを、内圧200kPaに調整し前輪と後輪にそれぞれ取り付け、走行5,000Km毎にローティションを行いながら一般路を20,000Km走行後、各タイヤのトレッドの残溝深さを測定し摩耗量を求め、次式により各試験タイヤの耐摩耗性指数を計算し、耐摩耗性を評価した。値が大きいほど耐摩耗性が良好である。 耐摩耗性(指数)=(比較例1の試験タイヤの摩耗量)×100/(各試験タイヤの摩耗量)
Figure 2006089636
表1に示す通り、実施例の各ゴム組成物をトレッド部に適用したタイヤは、従来の比較例1に比べて、島相へのシリカ分配量を増加しブレンドゴム中のシリカ分布を均等化することで、シリカ配合による良好なウェッ性能を維持した上で転がり抵抗と耐摩耗性を向上し、バランスのよいタイヤ性能が得られる。特に島相のシリカを増量する(実施例3)ことで各性能をより優れたものとすることができる。
しかし、島相のシリカ分配量が多くなる(比較例2)と、海相のゴム成分に対するシリカ配合の効果が低下しバランスが崩れ始め、また、島相の粒子径が小さい比較例3は島相形成の効果が得られず転がり抵抗とウェット性能とのバランスが低下し、大きすぎる比較例4は相溶性が低下し耐摩耗性が悪化してしまう結果となり、島相の粒子径を0.1〜1.0μmの範囲内に制限することでポリマーの特長が発揮され本発明を達成することができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ブレンドゴムのゴム成分の特長を有効に発現させ低転がり抵抗とウェット性能及び耐摩耗性の各性能をバランスよく向上するものとなり、燃費、安全性、耐久性に優れた空気入りタイヤを提供し、特に乗用車用タイヤに好適である。

Claims (4)

  1. スチレンブタジエンゴム(A)、及び前記スチレンブタジエンゴム(A)以外の他のジエン系ゴム(B)を含むゴム成分に、シリカを配合してなるタイヤトレッド用ゴム組成物において、
    加硫された前記タイヤトレッド用ゴム組成物が、前記(A)ゴムからなるマトリックス中に前記(B)ゴムが島相として分散せしめられてなる海島構造を有し、
    前記島相の平均粒子径が0.1〜1.0μmにあり、かつ、
    前記島相を構成する(B)ゴムに含まれるシリカ量Y(重量部)が、下記式(1)で示される範囲にある
    ことを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成物。
    (X/100)・Z・1.4≧Y≧(X/100)・Z・0.7……(1)
    (式中、Xはゴム成分100重量部に対する(B)ゴムの配合量(重量部)、Zはゴム成分100重量部に対するシリカの配合量(重量部)である)
  2. 前記(A)ゴムの配合量が、ゴム成分100重量部に対し30〜90重量部である
    ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記シリカが、窒素吸着比表面積(BET)が100〜300m/g、DBP吸油量が150〜300ml/100gであり、その配合量が前記ゴム成分100重量部に対し10〜120重量部である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物をトレッド部に適用した
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
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