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JP2006050739A - 埋め込み磁石型同期モータの磁気騒音低減方法 - Google Patents

埋め込み磁石型同期モータの磁気騒音低減方法 Download PDF

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JP2006050739A JP2004226720A JP2004226720A JP2006050739A JP 2006050739 A JP2006050739 A JP 2006050739A JP 2004226720 A JP2004226720 A JP 2004226720A JP 2004226720 A JP2004226720 A JP 2004226720A JP 2006050739 A JP2006050739 A JP 2006050739A
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magnetic
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Koji Asae
浩嗣 朝柄
Yoriaki Ando
順明 安藤
Soichi Yoshinaga
聡一 吉永
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Soken Inc
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Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Abstract

【課題】制御回路の複雑化を抑止しつつ磁気音を良好に低減可能な埋め込み磁石型同期モータの磁気騒音低減方法を提供すること。
【解決手段】フラックスバリア4、5に近接してロータコア1の外周面10に形成される磁極密度急変領域13、14の位置や周方向幅を調整することにより、磁気騒音の高調波成分を低減する。
【選択図】図1

Description

本発明は、埋め込み磁石型同期モータの磁気騒音低減方法に関する。
磁石が埋め込まれて界磁子すなわち回転磁束発生体として作用する回転子(以下IPMロータとも言うものとする)をもつ埋め込み式回転電機(IPM)は、電動トルクが磁石磁束によるマグネットトルクの他に、回転子の周方向各部における磁気抵抗の差に起因するリラクタンストルクを利用できるため効率向上や小型化の利点を有し、ハイブリッド車の走行モータなど小型軽量化及び高効率化を要求される分野にて有望とされている。この種の埋め込み磁石型同期モータは、特許文献1に記載されるように一般に埋め込み磁石式同期機(IPMーSCと呼ばれる)として用いられる。
しかしながら、従来のIPMーSCでは、基本周波数の奇数次数の高調波騒音成分(磁気音又は磁気騒音とも呼ばれている)が可聴感度が高いスペクトル領域に強く発生するという問題があった。この問題を解決するために、下記の特許文献1は、ステータ電流波形を調整して磁気騒音(以下、磁気音とも呼ぶ)を低減することを提案している。
特開平11−341864号公報
しかしながら、上記したステータ電流波形を制御する磁気騒音低減方法は、磁気音の周波数、位相及び振幅が回転数やステータ電流の変動により連動して変化するため高速で複雑な制御回路を必要とするうえ、磁気騒音低減用の電流波形の変更がトルクリップルや消費電力を増大させるという欠点があった。
本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、制御回路の複雑化を抑止しつつ磁気音を良好に低減可能な埋め込み磁石型同期モータの磁気騒音低減方法を提供することをその解決すべき課題としている。
第1〜第3発明の磁気騒音低減方法が適用される埋め込み磁石型同期モータの構造は、磁石磁極数の整数倍のティースが周方向へ等間隔で形成されたステータコアの周面に対面する周面と、前記周面より内部に位置して電気角πごとに形成されて前記磁石磁極形成用の永久磁石をそれぞれ収容する複数の磁石収容孔と、前記磁石収容孔の周方向一側端近傍かつ前記ロータコアの周面近傍に存在して前記永久磁石の磁束が前記ロータコア内の短絡磁路を流れるのを抑止する一側のフラックスバリアと、前記磁石収容孔の周方向他側端近傍かつ前記ロータコアの周面近傍に存在して前記永久磁石の磁束が前記ロータコア内の短絡磁路を流れるのを抑止する他側のフラックスバリアと、前記一側のフラックスバリアと前記他側のフラックスバリアとの間に挟設されてq軸磁束を略径方向へ導くq軸磁束通路用の低磁気抵抗部と、前記フラックスバリアと前記周面との間の配置されて磁束が周方向に流れる薄肉領域とを有し、前記周面は、前記一側のフラックスバリアと他側のフラックスバリアとの間にて前記永久磁石に径方向に隣接して配置されて前記永久磁石により磁石磁極が形成される磁石磁極領域と、前記他側のフラックスバリアと一側のフラックスバリアとの間にて前記低磁気抵抗部の表面に配置されて前記q軸磁束によりq軸磁極が形成されるq軸磁極領域と、前記一側のフラックスバリア側の前記薄肉領域に配置されて磁極密度が急変する一側の磁極密度急変領域と、前記他側のフラックスバリア側の前記薄肉領域の表面に配置されて磁極密度が急変する他側の磁極密度急変領域とに区画されるロータコアを有する。
以下の説明では、理解を容易とするために、インナーロータ型の回転電機を対象とし、ロータコアの周面は外周面、ステータコアの周面は内周面であるとする。もちろん、本発明を、アウターロータ型の回転電機に適用しても良い。磁石収容孔の周方向一側端とは磁石収容孔の径方向断面における周方向一方側の端部を言い、磁石収容孔の周方向他側端とは、磁石収容孔の径方向断面における周方向他方側の端部を言う。
永久磁石は軸方向に延在する長平板形状を有することが好適であるが湾曲板としてもよい。永久磁石の径方向断面は、ロータ軸心から永久磁石の周方向中央点を結ぶ径方向に延在する直線を基準とした場合に線対称形状をもつことが好適である。永久磁石はその厚さ方向に磁化され、永久磁石の一対の主面が反対極性の磁極となることが好適である。ロータコアの一つの磁極を構成する永久磁石を複数の小永久磁石により構成してもよく、一つの磁石収容孔にこれら複数の小永久磁石を挿入してもよい。あるいは、一つの磁石収容孔を構成する複数の小磁石収容孔に同一方向に磁化されてロータコアの一つの磁石磁極を構成する複数の小永久磁石を個別に収容してもよい。
フラックスバリアは、一つの磁石収容孔に収容された永久磁石の磁束がステータコアを経由することなく、ロータコア内でその両磁極間が磁気的に短絡されるのを防ぐためのものであり、通常、空孔とされるが、内部に非磁性体が挿入されてもよい。上記した磁気短絡効果の抑止のために、フラックスバリアは通常、磁石収容孔の側端からロータコアの周面近傍まで形成されるのが通常であるが、上述したように一つの磁石収容孔の一つの側端からロータコアの周面に向けて延在するフラックスバリアを磁石収容孔のこの側端からロータコアの周面に向けて並んだ複数の小フラックスバリアにより構成してもよい。
ロータコアのうち、周方向に隣接する二つの永久磁石の間の角度部分である磁石間領域は、いわゆるq軸磁束が径方向に流れる磁束通路である低磁気抵抗部と、この低磁気抵抗部を挟む一側のフラックスバリアと他側のフラックスバリアとをもつ。一側のフラックスバリアは上記二つの永久磁石のうち一方側の永久磁石の一側端から延在し、他側のフラックスバリアは、上記二つの永久磁石のうち他方側の永久磁石の他端側から延在することが好適である。
磁石収容孔の周方向一側端側に設けられる一側のフラックスバリアは、磁石収容孔の一側端側からロータコアの外周面側へ向けて並んだ複数のバリア孔により構成することができる。同じく、磁石収容孔の周方向他方側に設けられる他側のフラックスバリアは、磁石収容孔の他側端側からロータコアの外周面側へ向けて並んだ複数のバリア孔により構成することができる。1磁極分の磁石収容孔も周方向にならんだ複数の小磁石孔により構成することができる。磁石収容孔とフラックスバリアの基端部とを連通させることも周知となっている。
この明細書において、ロータコアの外周面に形成される磁極の密度は、ロータコアの外周面から出入する磁束の密度に相当し、ロータコアの外周面とティースの先端面との間の電磁ギャップの空間磁束密度に等しいとみなす。ティースの先端面の磁極密度は、その直下のロータコアの外周面の磁極密度と大きさが等しく、極性が反対であると仮定する。
この明細書が問題とする磁気騒音(磁気音)は、ティースの径方向振動に起因する成分である。ティースが径方向に振動すると、これはステータコアのヨーク(コアバック)を通じてステータコアの外周面を径方向に振動させ、この振動がステータコアの外周面に接する外部空気を振動させることにより、磁気騒音として回転電機から放射される。
ただし、ロータコアの外周面とフラックスバリアとの間の薄肉領域は周方向に伸びる薄板形状をもちティースと同様に径方向に振動して磁気騒音を生じると考えられが、ロータコアがステータコアに囲包されること、並びに、薄肉領域の径方向振動の位相とティースの径方向振動の位相とは所定の位相角を有して同期することから、この明細書では、磁気騒音の高調波成分はティース加振力のみに起因するとみなす。
磁石収容孔は、電気角πごとに形成され、周方向に隣接する二つの磁石収容孔に収容される永久磁石の極性配置は逆とされる。これにより、ロータコアの表面には、電気角πごとに磁石磁極領域が周方向極性交互に形成される。
薄肉領域はフラックスバリアとロータコアの外周面との間の部分を言う。磁極密度急変領域は、薄肉領域が接するロータコアの外周面に形成される。この磁極密度急変領域の磁極密度は、この明細書では、磁石磁極領域の磁石磁極密度からq軸磁極領域のq軸磁極密度に変化するとみなす。
ただし、薄肉領域が実質的に周方向に磁気飽和していると見なせる場合には、薄肉領域の外周面すなわち磁極密度急変領域からティースに出入りする磁束量は少なく、薄肉領域は非磁性領域とみなすこともできる。この場合、薄肉領域が磁気飽和しているため、磁極密度急変領域の磁極密度が磁石磁極領域の磁石磁極密度及びq軸磁極領域のq軸磁極密度よりも低下すると見なせる場合も生じる。
しかし、薄肉領域が磁気飽和していても、ロータコアの外周面の磁石磁極領域やq軸磁極領域とティースの先端面との間の電磁ギャップの磁束は磁極密度急変領域側に曲がってティースの先端面に出入するため、電磁ギャップの磁束は略径方向に存在すると仮定し、その結果、薄肉領域の表面すなわち磁極密度急変領域の磁極密度は、磁極密度急変領域とティースとの間の径方向磁束密度に対応して発生するとみなすことができる。したがって、以下の説明では、磁極密度急変領域の磁極密度は、磁石磁極領域の磁極密度からq軸磁極領域の磁極密度に連続的に変化すると考えるものとする。q軸磁極密度はステータ電流の大きさにより変動するのは当然である。
磁気騒音の高調波成分は、ティースの先端面の磁極とロータコアの外周面の磁極との間の磁気吸引力の変動により、ティースが径方向に所定周波数で伸縮することにより生じる。つまり、磁気騒音の所定次数の高調波成分は、ティースに径方向に作用する磁気吸引力の周期変化により生じ、この磁気吸引力の周期変化は、磁極密度急変領域がティースの先端面に近づいてから遠ざかるまでの磁極密度急変領域のティース直下通過期間に生じると見なすことができる。
通常において、ロータコアの磁石磁極領域の周方向幅はティースの先端面の実質的な周方向幅よりも大きい。したがって、ロータコアの磁石磁極領域が1つのティースの先端面近傍を周方向に横断する場合、それによるティースの径方向磁束密度の変化は小さく、それによる磁気騒音の高調波成分はほとんど無視することができる。
ロータコアのq軸磁極領域の周方向幅がティースの先端面の実質的な周方向幅よりも大きいとみなせる場合には、ロータコアのq軸磁極領域が1つのティースの先端面近傍を周方向に横断する場合の磁気騒音も同様にほとんど無視することができる。
結局、埋め込み磁石型同期モータでは、薄肉領域が1つのティースの先端面近傍を周方向に通過する際に、ティースの径方向磁束密度が変化し、磁気騒音の高調波成分が発生する。つまり、1つのティースの直下に磁石磁極領域が全面的に存在する状態からこの1つのティースの直下にq軸磁極領域が全面的に存在する状態へ時間的に変化する際におけるティースの先端面とロータコアの外周面との間のギャップの径方向磁界の変化が磁気騒音の主要な原因とみなすことができる。q軸磁極領域の周方向幅がティースの周方向幅より小さい場合もティースの磁束変化は本質的に同じである。
更に詳しく説明すると、ロータコアの周面のうち、磁石磁極領域とq軸磁極領域との間の境界領域の磁極密度は、磁石磁極領域の磁極密度からq軸磁極領域の磁極密度に連続的に変化すると考えることができるので、ティースの磁束は、磁石磁束、磁極密度急変領域磁束、q軸磁束、磁極密度急変領域、ー磁石磁束、磁極密度急変領域、ーq軸磁束と1サイクルの変化を生じ、このティース磁束の1サイクル変化により基本周波数に相当するティースの径方向振動が生じ、基本周波数の磁気音が生じ、それが正弦波でないため、高調波成分が生じると考えることができる。この一つのティースの磁気音をすべてのティースにわたって加算することにより、合計の磁気音が生じると考えることができる。ロータコアも部分的に径方向に振動するが本質的にティースの径方向振動と同様であり、ここでは無視する。
もし、各磁石磁極領域の周方向一方側に隣接する各一側の磁極密度急変領域がそれぞれ完全に回転対称な位置に設けられていれば、各磁極密度急変領域の横断により各ティースが発生する磁気音の高調波成分は略等しい位相と波形とをもち、全体として磁気音の高調波成分の合計は大きくなってしまう。各他側の磁極密度急変領域についても同じである。
ロータコアの電気角2πだけロータが回転する時間を基本周期とする場合、磁石の極性にかかわらず磁石磁束によるティースの吸引力が発生するため、磁気騒音の周期は、磁石磁極1個あたりティースが1個の場合に上記基本周期の半分の周期の磁気騒音基礎周期とその整数分の1の高調波周期とが主成分となる。したがって、磁石磁極1個あたりティース個数がm(mは整数)となると、上記磁気騒音基礎成分の周期は上記基本周期の2m分の1となる。通常、回転電機は3相であり、1磁石磁極あたり3ティースをもつため、上記磁気騒音基礎成分の周期は、上記基本周期の6分の1となり、上記磁気騒音基礎成分の周波数は基本周期は逆数である基本周波数を1次とする場合に6次となる。
本出願人は、上記知見に鑑み、次の3つの発明を創案した。
(第1発明の説明)
第1発明の磁気騒音低減方法は、前記各一側の磁極密度急変領域と最近接位置のティースとの間の周方向距離を不等に設定するか、あるいは、前記各他側の磁極密度急変領域と最近接位置のティースとの間の周方向距離を不等に設定することを特徴としている。つまり、第1発明では、少なくとも一つの一側のフラックスバリアの先端部の位置(たとえば周方向中央位置)が他の一側のフラックスバリアのそれと異なっている。すなわち、すべての一側のフラックスバリアの先端部の周方向位置はそれぞれの永久磁石の周方向中央位置を基準として回転対称位置に形成されない。
なお、一側又は他側の磁極密度急変領域と最近接位置のティースとの間の周方向距離は、たとえば磁極密度急変領域及びティースにそれぞれしかるべき代表点を与え、これら二つの代表点間の距離をこの周方向距離とすればよい。磁極密度急変領域の代表点としては、磁石磁極領域の周方向中央位置とすることができ、ティースの代表点としては、ティースの周方向中央位置とすることができる。つまり、第1発明は、ロータコアのある回転角度位置にて、各一側又は各他側の磁極密度急変領域とその直近の各ティースとの間の周方向位置関係は異なる配置としたものである。上述の如く磁極密度急変領域がティースの先端面近傍を周方向に横切る時にティースの磁束が急変する。したがって、フラックスバリアの先端部の周方向位置を変更すると、磁極密度急変領域の周方向位置が変化するため、磁極密度急変領域がティース直下を横断することにより生じるティース貫通磁束の変化の高調波成分の位相がティースごとに異なるわけである。
もちろん、各一側の磁極密度急変領域とその直近の各ティースとの間の周方向位置関係がすべて異なっているようにしてもよく、各他側の磁極密度急変領域とその直近の各ティースとの間の周方向位置関係がすべて異なっているようにしてもよい。その他、各一側の磁極密度急変領域を複数のグループに分割し、グループ間では各磁石磁極領域とその直近のティースとの周方向位置関係が等しく、グループ内では各磁極密度急変領域とその直近のティースとの周方向位置関係が異なっているようにしてもよい。この場合、複数のグループは、ロータコアを所定角度ごとに分割して形成されることが好ましい。分割はロータコアを180度ごとに2分割して2つのグループを作成してもよく、ロータコアを90度ごとに4分割して4つのグループを作成してもよく、更にもっと多数に分割しても良い。
以下、更に詳しく説明する。磁極密度急変領域の磁極密度が磁石磁極領域の磁極密度からq軸磁極領域の磁極密度へ連続的に変化する場合、磁極密度急変領域の周方向中央位置を、磁極密度の磁極密度とq軸磁極領域の磁極密度との平均の磁極密度となる周方向位置を言うものとする。以下、ティースがロータコアに対して相対回転していると見なして説明する。
ティースが磁石磁極領域に対面する状態からq軸磁極領域に対面する状態まで変化する期間において、ティースの先端面は磁石磁極領域を周方向に乗り越える。ティースが磁極密度急変領域の前端(回転方向先端)に達してからこの磁石磁極領域の後端(回転方向後端)に達するまでの期間に、ティースの磁束は、磁石磁極密度からq軸磁極密度へと変化し、これにより、ティースの慣性質量を無視すれば、ティースの径方向伸び量が変化し、磁気騒音(の高調波成分)が発生する。
所定の1つのティースを二つの磁極密度急変領域が通過する期間が磁気騒音の基本周期とすると、1つの磁石磁極領域占有角度に存在するティース数の高調波成分がティースの磁気騒音の高調波成分として発生することになる。各ティースの磁気騒音は合成されてモータ磁気騒音となる。
従来では、各一側の磁極密度急変領域と直近のティースとの位置関係は等しいため、モータを点状の音源とみなす場合、各一側の磁極密度急変領域とティースとの磁気力により生じる磁気騒音は同一位相となり、各一側の磁極密度急変領域によるモータ磁気騒音騒音は各一側の磁極密度急変領域による各ティース磁気騒音を加算した値となる。同様に、各他側の磁極密度急変領域によるモータ磁気騒音は各他側の磁極密度急変領域による各ティース磁気騒音騒音を加算した値となる。
そこで、第1発明では、各一側(他側)の磁極密度急変領域のうちの少なくとも一つは他の一側(他の他側)の磁極密度急変領域に対して、直近のティースの周方向中央位置を基準として異なる周方向中央位置をもつ。
これにより、容易に理解されるように、各磁極密度急変領域とティースとの間の径方向磁気力振動成分(以下、径方向加振力の高調波成分とも言う)の位相がずれるため、これら径方向加振力の高調波成分を加算したモータ磁気騒音を低減することができる。
言い換えれば、各一側の磁極密度急変領域は、周方向に磁石磁極ピッチの整数倍離れた回転対称位置にすべて配置されるのではなく、少なくともその一つはこの回転対称位置からずれて配置される。同じく、各他側の磁極密度急変領域は、周方向に磁石磁極ピッチの整数倍離れた回転対称位置にすべて配置されるのではなく、少なくともその一つはこの回転対称位置からずれて配置される。
好適な態様において、各一側の磁極密度急変領域は、その最も近接するティースをそれぞれ基準としてそれぞれ異なる周方向位置をもつ。このようにすれば、各一側の磁極密度急変領域とそれらに最も近接するティースとの間の径方向磁気力変化の合計を良好に低減することができる。各他側の磁極密度急変領域についても同じである。好適な態様において、各一側の磁極密度急変領域のうちの複数の磁極密度急変領域は、それらに最も近接するティースに対してそれぞれ異なる周方向位置をもち、一つのグループを構成する。これらグループを複数配置することにより各一側の磁極密度急変領域が構成される。他側の磁極密度急変領域についても同じである。好適な態様において、一つの低磁気抵抗部を挟んで配置される一対の磁極密度急変領域の一方が本来の位置から回転方向後退側に変位して配置される場合、この一対の磁極密度急変領域の他方は本来の位置から回転方向前進側に変位して配置される。これにより、低磁気抵抗部の周方向幅が狭くなってq軸トルクが減少するのを抑止することができる。なお、この場合、q軸磁極領域がティースより小さい周方向幅をもつ場合、このq軸磁極領域を周方向に挟んで存在する一対の磁極密度急変領域がセットとなっていると考えることもできる。この場合、各セットの周方向位置が互いにばらついているとみなすこともできる。
(第2発明の説明)
次に、第2発明では、所定の前記一側の磁極密度急変領域が近傍の前記ティースの直下を通過する所定期間に前記所定の一側の磁極密度急変領域が前記近傍のティースに対して与える磁束変化をΔΦa、前記所定の一側の磁極密度急変領域に隣接する所定の前記他側の磁極密度急変領域がその近傍の前記ティースに対して前記所定期間に与える磁束変化をΔΦbとする場合に、前記ΔΦaとΔΦbとの和であるΣΦ1の絶対値の最大値がΔΦaの絶対値又は前記ΔΦbの絶対値よりも小さい周方向位置に、前記所定の一側の磁極密度急変領域と前記所定の他側の磁極密度急変領域とを設定することを特徴としている。
更に具体的に説明すると、この第2発明では、所定の一側の磁極密度急変領域が直近のティースに与える径方向磁気加振力(径方向磁束密度)の変化方向が、この所定の一側の磁極密度急変領域に周方向に隣接する他側の磁極密度急変領域が直近のティースに与える径方向加振力(径方向磁束密度)の変化方向に対して逆向きとなるようあるいは位相が異なるように、一側の磁極密度急変領域と他側の磁極密度急変領域との周方向相対位置関係を設定する。
このようにすれば、所定の磁石磁極領域がその直近のティースを通じてステータコアのヨーク(コアバック)に与える径方向加振力が、この所定の磁石磁極領域がその直近のティースを通じてステータコアのヨーク(コアバック)に与える径方向加振力と向きが少なくとも一部の期間において逆となるためあるいは位相が異なるため、各ティースの磁気騒音の高調波成分の総和であるモータ磁気騒音の高調波成分を減少することができる。
好適な態様において、ある永久磁石の周方向両側の一対の磁極密度急変領域は、これら一対の磁極密度急変領域がそれぞれ最も近接する一対のティースに与える磁極変化の合計が最小となるように配置される。
たとえば、磁石磁極領域を挟んで配置される一対の磁極密度急変領域の一方(一側の磁極密度急変領域とも言う)がその直近の第1のティースに近づき、その後、第1のティースが磁石磁極領域に対面する場合に、一対の磁極密度急変領域の他方(他側の磁極密度急変領域とも言う)が第2のティースから遠ざかり、その後、第2のティースはq軸磁極領域に対面するとする。
この場合、第1のティースの磁束変化はq軸磁極密度Φqから磁石磁極密度Φmに変化し、第2のティースの磁束変化は磁石磁極密度Φmからq軸磁極密度Φqになる。したがって、これら二つのティースの磁束変化の和の絶対値は大幅に小さくなる。つまり、一側の磁極密度急変領域が直近のティースに与える径方向加振力と、他側の磁極密度急変領域が直近のティースに与える径方向加振力が互いにうち消しあうため、それらの合成力を最小とすることができるわけである。
同様に、ある低磁気抵抗部の周方向両側の一対の磁極密度急変領域は、これら一対の磁極密度急変領域がそれぞれ最も近接する一対のティースに与える磁極変化の合計が最小となるように、配置される。これにより、一対の磁極密度急変領域の一方が第1のティースに近づく場合に、一対の磁極密度急変領域の他方が第2のティースから遠ざかることになる。したがって、これら一つの磁極密度急変領域を一物とみなせば、一方はq軸磁極密度から磁石磁極密度に変化し、他方は磁石磁極密度からq軸磁極密度に変化するので、これらを合計すると、ティースに与える磁気力の和を低減することができる。
(第3発明の説明)
次に、第3発明は、前記薄肉領域の周方向幅は、スロットピッチの0.6〜0.9の範囲に設定されることを特徴としている。このようにすれば、磁気騒音の高調波成分を良好に低減することができる。その理由については後述するものとする。なお、薄肉領域の周方向幅はフラックスバリアの先端部の周方向幅とみなすこともできる。更に、薄肉領域又はフラックスバリアの先端部の周方向幅の代わりに磁極密度急変領域の周方向幅を採用することもできる。同様に、スロットピッチの代わりにティースの周方向幅を採用しても良い。
本発明の好適な実施態様を具体的に説明する。もちろん、本発明は下記の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想を他の公知の技術要素又はそれに相当する技術要素を組み合わせて実現してもよいことは当然である。
(実施態様1)
第1発明の磁気騒音低減方法の好適実施態様を以下に説明する。
この実施態様の磁気騒音低減原理を図1、図2を参照して説明する。図1はロータコアの一部を周方向に展開した模式断面図、図2は1つのティースの下をロータコアの磁極密度急変領域が通過する状態を示す説明図である。
軟磁性のロータコア1の外周面10は図示しないステータコアの内周面に対面している。外周面10より所定深さだけ内部に位置して周方向電気角πのピッチで複数の磁石収容孔2が形成されている。略軸方向へそれぞれ延在する磁石収容孔2にはそれぞれ一個の永久磁石3が軸方向へ挿通され、各永久磁石3は周方向極性交互に磁化されている。永久磁石3は、平板形状を有し、その厚さ方向はロータコア1の径方向と、その幅方向はロータコア1の接線方向と、その長さ方向はロータコア1の軸方向と一致している。永久磁石3の一対の主面が磁極面となっている。
ロータコア1は、磁石収容孔2の周方向一側端に連なる基端部と、ロータコア1の外周面近傍の先端部とをもつ一側のフラックスバリア4を有している。同じく、ロータコア1は、磁石収容孔2の周方向他側端に連なる基端部と、ロータコア1の外周面近傍の先端部とをもつ他側のフラックスバリア5を有している。フラックスバリア4、5は積層電磁鋼板からなるロータコア1を軸方向に貫通する空孔により構成されている。フラックスバリア4、5とロータコア1の外周面との間に薄肉領域6が形成され、ロータコア1と永久磁石3との間にフラックスバリア4、5に周方向に挟まれてq軸磁束を径方向へ導く低磁気抵抗部8が形成されている。
11は、ロータコア1の外周面のうち磁石収容孔2の径方向外側に存在する領域であり、この領域には磁石磁束により磁極が形成されるため磁石磁極領域と称するものとする。12は、ロータコア1の外周面のうち低磁気抵抗部8の径方向外側に存在する領域であり、この領域にはq軸磁束により磁極が形成されるためq軸磁極領域と称するものとする。
永久磁石3は、それに接する磁石隣接領域7の表面である磁石磁極領域11からステータコアに磁石磁束Φmを径方向へ出入させる。低磁気抵抗部8の表面であるq軸磁極領域12は、ステータ電流により形成されるq軸磁束Φqを径方向へ出入させる。フラックスバリア4に薄肉領域6を挟んで隣接するロータコア1の外周面領域である一側の磁極密度急変領域13は、永久磁石3の周方向前側にて磁石磁極領域11とq軸磁極領域12との間に設置される。フラックスバリア4に薄肉領域6を挟んで隣接するロータコア1の外周面領域である他側の磁極密度急変領域14は、永久磁石3の周方向後側にてq軸磁極領域12と磁石磁極領域11との間に設置される。
ロータコア1の外周面に所定の微小ギャップを挟んで対面するステータコアの内周面がスロットを持たないと仮定した場合のロータコア1の外周面の磁極密度(磁束密度に等しい)Bの絶対値を図1の上部に模式的に示す。この場合、ロータコア1の外周面のこの磁極密度の分布と逆極性の磁極密度分布が図示しないステータコアの内周面に形成されるとみなすことができる。なお、ここで言うロータコア1の磁極密度とは、ロータコア1の外周面10上から出入りする径方向磁束成分の密度を言う。
磁石磁極領域11の磁極密度Bmの絶対値は、q軸磁極領域12の磁極密度Bqの絶対値より通常、大きく設計される。図1から明らかにわかるように、磁極密度急変領域13、14において、ロータコア1の外周面の磁極密度は急変し、磁石磁極領域11、q軸磁極領域12における磁極密度は略一定とみなすことができる。
ティース9の先端面に反対極性の磁極を発生させる磁極密度急変領域13、14の磁極密度は、磁石磁極領域11の磁極密度Bmからq軸磁極領域12の磁極密度Bqにゆるやかに変化すると仮定することができる。この場合における磁極密度急変領域13、14の磁極密度(径方向磁束密度)の絶対値を図1に示す。
磁石磁極領域11、q軸磁極領域12、磁極密度急変領域13、14がステータコアの一つのティース9の先端面近傍を周方向に通過する際の状態を図2に模式的に図示する。なお、t1〜t9は一定時間ごとの各時点である。図2から、磁極密度急変領域13、14がティース9の先端面の直下を通過する場合に、それに誘導されてティース9の先端面の磁極密度変化が急変することがわかる。この急変は、ティース9の先端面とロータコア1の外周面との間の磁気吸引力の急変を招き、ティース9の径方向加振力の急変を招く。各ティース9が生じる磁気騒音の高調波成分の合計が全体としての磁気騒音となる。言い換えれば、各ティース9の径方向加振力の総和がステータの径方向加振力となり、それが磁気騒音を生む。
磁極密度急変領域13の周方向位置を互いに変更すると、各磁極密度急変領域13に対面する各ティース9が発生する磁気騒音の高調波の位相がずれ、それらの合計が減少する。同様に、磁極密度急変領域14の周方向位置を互いに変更すると、各磁極密度急変領域14に対面する各ティース9が発生する磁気騒音の高調波の位相すなわちタイミングがずれ、それらの合計が減少する。つまり、磁極密度急変領域13、14の周方向への位置ずれにより、各ティース9が生じる径方向加振力の高調波成分の位相の同期性が崩れ、これにより、各ティース9が発生する磁気騒音の合計が小さくなる。
このことから考えると、周方向に隣接する一側の磁極密度急変領域13、13は互いに半スロットピッチずれていることが好適であることがわかる。これにより、1スロットピッチを1周期とする磁気騒音の高調波成分を良好に低減できる。同様に、周方向に隣接する他側の磁極密度急変領域14、14は互いに半スロットピッチずれていることが好適であることがわかる。これにより、1スロットピッチを1周期とする磁気騒音の高調波成分を良好に低減できる。もちろん、各一側の磁極密度急変領域13、13の周方向位置ずれや、各他側の磁極密度急変領域14、14の周方向位置ずれは半スロットピッチに限定されない。
なお、磁極密度急変領域13、14の周方向位置は、たとえばその周方向中央位置により代表されることができる。ティース9の周方向位置はその周方向中央位置により代表されることができる。磁極密度急変領域13、14の周方向中央位置は、ロータコア1の外周面の磁極密度が磁石磁極領域11の磁極密度とq軸磁極領域12の磁極密度との平均値となる周方向位置とすることができる。
各一側の磁極密度急変領域13の直近ティース基準の周方向位置をばらつかせるために一側のフラックスバリア4の先端部の周方向位置をばらつかせ、各他側の磁極密度急変領域14の直近ティース基準の周方向位置をばらつかせるために一側のフラックスバリア5の先端部の周方向位置をばらつかせた例を図3に示す。フラックスバリア4、5の先端部の周方向位置のばらつきは、薄肉領域6のばらつきとそれによる磁極密度急変領域13、14の周方向位置の変動を生じる。図3において、100は積層電磁鋼板からなるステータコアであり、ステータコア100は、ロータコア1の外周面に対面する内周面側にスロット30とティース9とを周方向所定ピッチで有している。ロータコア1の外周面近傍に位置して磁石収容孔(磁石収容孔に相当)2が角度45度(電気角π)ごとに軸方向に貫設され、各磁石収容孔2の径方向断面は、ロータコア1の接線方向に長く延在する長方形形状を有している。各磁石収容孔2には長平板形状の永久磁石3がそれぞれ挿入されており、その主面が磁極面を構成している。磁石収容孔2はロータコア1の接線方向に長辺が伸びる長方形の径方向断面形状をもち、永久磁石3の径方向断面は長方形である。周方向に隣接する二つの永久磁石3は逆方向に磁化されている。周方向に隣接する二つの磁石収容孔2の間には、リラクタンストルクを得るために径方向にq軸磁束が容易に通過可能な低磁気抵抗部8が形成されている。
41〜44は一側のフラックスバリア、51〜54は他側のフラックスバリアである。各フラックスバリア41〜44、51〜54は、各磁石収容孔2の側端からロータコア1の外周面近傍まで形成されている。ステータコア100には3相ステータコイルが分散巻きされており、各スロットには一つの相コイルが挿入されている。したがって、3スロットピッチが電気角πを構成している。図3に示すように、一側のフラックスバリア41〜44の基端から先端への延在方向はそれぞれ異なり、他側のフラックスバリア51〜54の基端から先端への延在方向はそれぞれ異なっている。
既述したように、一つのティース9を径方向に貫通する磁束量(又はティース9とロータコア1の外周面との間を結ぶ磁束量)は、ティース9の先端部の周方向一端又は他端がこの境界領域を通過するときに大きく変化するため、この変化に応じてティース9の径方向最内側の先端面とロータコア1の外周面との間の磁気吸引力が急変する。
ロータコア1の図示しない残りの半円部の各一側のフラックスバリアは、図3に示す一側のフラックスバリア41〜44を180度回転対称とした形状をもつ。同じく、ロータコア1の図示しない残りの半円部の各他側のフラックスバリアも図3に示す他側のフラックスバリア51〜54を180度回転対称とした形状をもつ。ただし、各低磁気抵抗部8を径方向に通過するq軸磁束量の変動を最小とするために、q軸磁束通路である低磁気抵抗部8の周方向幅を略一定とされる。このため、各低磁気抵抗部8の両側の一側のフラックスバリアと他側のフラックスバリアとの延在方向とともに各フラックスバリアの周方向幅も調整されている。
このようにすることにより、各ティース9の径方向内側の先端面とロータコア1の外周面との間の磁気吸引力の急変タイミングが時間的にすこしづつずれ、その結果として、従来に比べて耳障りな磁気音の高調波成分を低減することができる。
図3には3相ステータコイルが巻装され、電気角2π(基本周波数の1周期に相当)内に6個又は6の整数倍のティースが形成されるために、電気角2πだけロータコア1が回転する時間の逆数である基本周波数の1/6の時間ごとに1つの磁石磁極領域が1つのティースを横切ることになる。したがって、基本周波数を1次とする場合にその6倍(6次の)径方向加振力(磁気加振力)がティース9に作用する。磁気騒音を生じるこの径方向加振力とその整数倍の高調波成分との位相は、フラックスバリア4、5の周方向位置のばらつきにより各磁極密度急変領域ごとにばらつくことになり、この6次の径方向加振力の高調波成分とその高調波である12次、18次、24次の径方向加振力が低減される。
(変形態様1)
図3において、磁石収容孔2を2つの小磁石収容孔2a、2bに分割し、各フラックスバリア4、5を径方向に並ぶ二つの小フラックスバリア4a、4b、5a、5bにそれぞれ分割した例を図4に示す。図4では、ロータコア1の外周面側の小フラックスバリアの周方向位置をずらせることにより、ロータコア1の外周面の磁極密度急変領域の位置を変化させることができる。なお、図4では、1永久磁石あたり(電気角πあたり)12ティースをもつステータコアを用いたが、ステータコアの図示は省略する。
(変形態様2)
ロータコア1を4分割し、四分の一のロータコアに含まれる一対の一側のフラックスバリア4、4’の形状を互いに変更することにより、一対の一側の磁極密度急変領域13、13’の直近ティース基準とする周方向位置を互いに変更し、同じく、この四分の一のロータコアに含まれる一対の他側のフラックスバリア5、5’の形状を互いに変更することにより、一対の他側の磁極密度急変領域14、14’の直近ティース基準とする周方向位置を互いに変更した例を図5に示す。この場合、他の三つの四分の一のロータコアに含まれるフラックスバリアの形状は、図5に示すフラックスバリアを回動した形状とされる。このようにしても磁気騒音低減効果が得られることは明白である。
(変形態様3)
図5において、磁石収容孔2を2つの小磁石収容孔に分割し、各フラックスバリアを径方向に並ぶ二つの小フラックスバリアにそれぞれ分割した例を図6に示す。図6では、ロータコア1の外周面側の小フラックスバリア4a、4a’の周方向位置を互いにずらせることにより、更に小フラックスバリア5a、5a’の周方向位置を互いにずらせることにより、ロータコア1の外周面の磁極密度急変領域13、13’の周方向位置を変化させることができ、磁極密度急変領域14、14’の周方向位置を変化させることができる、これにより、磁気騒音の高調波成分を低減することができる。なお、図6では、1永久磁石あたり(電気角πあたり)12ティースをもつステータコアを用いた。
(実施態様2)
第2発明、第3発明の磁気騒音低減方法の好適実施態様を図7を参照して説明する。図7はロータコアの一部を周方向に展開した模式断面図である。
ロータ構造は実施態様1と同じであり、説明を省略する。三相ステータコイルが分布巻きにて巻装されたステータコアのティース9は、1磁石磁極ピッチ(電気角π)あたり6個配置されている。すなわち、毎相毎極あたり2ティースが設けられている。
この実施態様では、一側の磁極密度急変領域13の周方向位置(たとえばその周方向中央位置)が直近のティース91の周方向位置(たとえばその周方向中央位置)と一致する場合、他側の磁極密度急変領域14の周方向位置も直近のティース95の周方向位置と一致するように設定されている。
このことは、あるq軸磁極領域12を周方向に挟む二つの磁極密度急変領域13、14においても、一側の磁極密度急変領域13の周方向位置が直近のティース97の周方向位置と一致する場合、他側の磁極密度急変領域14の周方向位置も直近のティース95の周方向位置と一致するように設定されていることを意味する。また、図7では、ティース96がq軸磁極領域12に面して存在している。
この場合の、ティース91、95、97の磁束変化を図8に示す。時点t10では、ティース91、97はq軸磁極領域12に面しており、磁束密度Bqをもつ。この時、ティース95は磁石磁極領域11に面しており、磁束密度Bmをもつ。
ロータコア1が左方向に回転すると、ティース91、97が一側の磁極密度急変領域13に対面する割合が増え、ティース91、97の磁束密度はq軸磁極領域12の磁束密度Bqから磁石磁極領域11の磁束密度Bmへと変化していく。この時、ティース95が他側の磁極密度急変領域14に対面する割合が増え、ティース95の磁束密度は磁束密度Bmからq軸磁極領域12の磁束密度Bqへと変化していく。
時点t11では、ティース91、97は磁石磁極領域11に面しており、磁束密度Bmをもつ。この時、ティース95はq軸磁極領域12に面しており、磁束密度Bqをもつ。
注目するべきことは、上記時点t10から時点t11におけるティース91、97の磁束密度変化とティース95の磁束密度変化が逆方向となり、変化量の絶対値が等しくなることである。したがって、ティース91、97の径方向加振力(磁気可振力)は、ティース95のそれと大きさが等しく、方向が逆となることである。したがって、周方向に近接するティース91、95の径方向加振力の和はティース91、95、97個々の径方向加振力よりも小さくなり、ティース91、95のティースペアの磁気騒音の高調波成分の和が各ティース個々の磁気騒音の高調波成分よりも低減することができる。同じく、ティース95、97の磁束密度変化も逆方向で大きさは等しくなり、同様に、ティース95、97のティースペアの磁気騒音の高調波成分の和がティース91、95、97個々の径方向加振力よりも小さくなり、ティース95、97のティースペアの磁気騒音の高調波成分の和が各ティース個々の磁気騒音の高調波成分よりも低減することができる。
したがって、周方向に近接し、おおざっぱに言えば同一振動源と見なすことができるティース95、97からなるティースペア、又はティース91、95からなるティースペアの磁気加振力の和は、ティース91、95、97個々の径方向加振力よりも小さくなり、全体としての磁気騒音の高調波成分を低減することができる。
結局、直近のティース91、97の周方向位置と一側の磁極密度急変領域13の周方向位置とが一致する時に、直近のティース95の周方向位置と他側の磁極密度急変領域14の周方向位置とが一致する配置を採用する場合に、磁気騒音の良好な低減が可能となる。
このことは、直近のティース91、97の周方向位置と一側の磁極密度急変領域13の周方向位置とが一致する場合に、他側の磁極密度急変領域14の周方向位置が直近のティース95の周方向位置に対して半スロットピッチずれていると、磁気騒音が相対的に増大する。
したがって、一側の磁極密度急変領域13と他側の磁極密度急変領域14との位置関係の好適範囲は、一側の磁極密度急変領域13の周方向中央点がティース91又は97の周方向中央点と周方向において一致する時点txにて、他側の磁極密度急変領域14の周方向中央点がティース95の周方向中央点からー0.2〜+0.2スロットピッチの範囲内にあることが好適であることがわかる。もちろん、上記時点txにて、他側の磁極密度急変領域14の周方向中央点がティース95の周方向中央点に周方向において一致することが最も好ましい。
なお、磁極密度急変領域13、14の周方向中央点は、フラックスバリア4、5の径方向外端部分すなわちフラックスバリア4、5の先端部の周方向中央とすることができ、あるいは、磁石磁束による磁気飽和している薄肉領域6の周方向中央とすることもできる。
次に、1磁石磁極あたり(電気角πあたり)12ティースをもつステータコアにこの実施例のフラックスバリア配置を用いたこの実施例の適用例を図9に示す。磁石収容孔2は、周方向に並んだ小磁石収容孔2a、2bからなり、小磁石収容孔2a、2bにはそれぞれ永久磁石3が極性同方向に収容されている。フラックスバリア4は、径方向外側の小フラックスバリア4aと、小磁石収容孔2aに連通する小フラックスバリア4bとからなり、フラックスバリア5は、径方向外側の小フラックスバリア5aと、小磁石収容孔2bに連通する小フラックスバリア5bとからなる。
小フラックスバリア4a又は磁極密度急変領域13の周方向中央点が直近のティース9の周方向中央点と一致する時、小フラックスバリア5a又は磁極密度急変領域14の周方向中央点も直近のティース9の周方向中央点と一致するように配置されている。この時、q軸磁極領域12に対面して1つのティース9が設けられている。小フラックスバリア4a、5aの周方向幅は、スロットピッチの0.6〜0.9倍に設定されている。
実験及びその解析の結果、スロットピッチを基準とした場合のフラックスバリアの先端部(言い換えれば磁極密度急変領域)の周方向幅がティース9の周方向幅に対してあまり小さくなると、ロータコア1の磁石磁極領域11から電磁ギャップ、ティース9の先端部、電磁ギャップを通じてロータコア1のq軸磁束通路と流れる磁束が急増する。この磁束はティース9をロータコア1側に吸引する磁気力すなわちティース9の磁気加振力を増加するので、スロットピッチを基準とした場合のフラックスバリア4、5の先端部の周方向幅があまり小さくなると磁気騒音の高調波成分が増大する。
逆に、スロットピッチを基準とした場合のフラックスバリアの先端部(言い換えれば磁極密度急変領域)の周方向幅があまり大きくなると、磁極密度急変領域13、14に対して径方向に対面するティース9の磁束密度が、磁石磁極領域11又はq軸磁極領域12と径方向に対面するティース9の磁束密度より小さくなり、このため、フラックスバリアの先端部の周方向幅が小さい場合に比べてティース9を径方向に貫通する磁束量の変化が増大して磁気騒音の高調波成分が増大する。
この現象を更に詳しく説明する。
磁極密度急変領域13、14又はフラックスバリア4、5の先端部すなわち小フラックスバリア4a、5aの周方向幅に対して、ティース9の周方向幅(又はスロットピッチ)があまりに小さいと、たとえば、磁極密度急変領域13、14の周方向中央点が所定のティース9の周方向中央点と一致する時、磁極密度急変領域13、14が磁石磁束により磁気飽和しているために、磁極密度急変領域13、14の周方向中央点からティース9に向かう磁束の量は、磁石磁極領域11及びq軸磁極領域12のそれよりも小さくなる。したがって、磁極密度急変領域13、14に対面するティース9の磁束量は、このティース9が磁石磁極領域11に対面する場合やq軸磁極領域12に対面する場合よりもかえって小さくなってしまう。
つまり、磁極密度急変領域13、14の磁極密度は、図1に実線で示すように磁石磁極領域11の磁極密度Bmと、q軸磁極領域12の磁極密度Bqとの平均値とはもはやみなせなくなり、図1に破線で示すように更に小さい値に落ち込んでしまう。これは、ティース9の先端面が非磁性体とみなせる薄肉領域6に対面するためである。このため、磁極密度急変領域13、14がティース9に対面する場合のティース9の磁束密度をBminとする場合に、ロータコア1の回転に伴うティース9の磁束変化ΔBtは、BmーBminとなってしまう。
これに対して、磁極密度急変領域13、14又はフラックスバリア4、5の先端部の周方向幅に対して、ティース9の周方向幅(又はスロットピッチ)が十分に大きい場合には、磁極密度急変領域13、14の周方向中央点とあるティース9の周方向中央点とが一致する時でも、このティース9の周方向一端は磁石磁極領域11に対面し、このティース9の周方向他端はq軸磁極領域12に対面し、したがって、磁石磁極領域11、電磁ギャップ、ティース9、電磁ギャップ、q軸磁極領域12と磁束が流れるため、ティース9は十分に強くロータコア1に吸引される。すなわち、ティース9の先端部の平均的な磁極密度は高くなる。このため、磁極密度急変領域13、14が通過する時、ティース9の先端面の磁極密度は、磁石磁極領域11の磁極密度からq軸磁極領域12の磁極密度に連続的に変化するとみなすことができる。
結局、フラックスバリア4、5の先端部の周方向幅(又は磁極密度急変領域13、14の周方向幅)とスロットピッチ(又はティース9の周方向幅)とには磁気騒音の高調波成分を抑止する好適範囲が存在する。実験と上記解析結果によれば、磁極密度急変領域13、14の周方向幅はティース9の周方向幅より小さく、かつ、ティース9の周方向幅の半分以上であることが好ましいことがわかった。また、フラックスバリア4、5の先端部の周方向幅はスロットピッチの0.6〜0.9倍に設定することが好適であることがわかった。
(試験結果1)
第1の試験結果を図10を参照して説明する。図10は、図3に示す試験品1と、図3に示すロータコアの各フラックスバリア4、5を磁石の周方向中央点を基準として線対称形状とし、かつ、各一側のフラックスバリア4を45度回転対称形状とし、各他側のフラックスバリア5を45度回転対称形状とした参考品1とにおけるティース9の径方向の磁気加振力を比較したものである。aは参考品1の各次数の磁気加振力を示し、bは試験品1の各次数の磁気加振力を示す。フラックスバリア4、5の周方向位置をばらつかせたることにより、磁気騒音の高調波成分が低減できることがわかる。
(試験結果2)
第2の試験結果を図11を参照して説明する。図11において、cは図4において、ロータコアの各フラックスバリア4、5を磁石の周方向中央点を基準として線対称形状とし、かつ、各一側のフラックスバリア4を45度回転対称形状とし、各他側のフラックスバリア5を45度回転対称形状とした参考品2の各次数の磁気加振力を示す。
dは図4の回転電機の各次数の磁気加振力を示し、eは図6の回転電機の各次数の磁気加振力を示し、fは図7の回転電機の各次数の磁気加振力を示す。c〜fにより、フラックスバリア4、5の周方向位置ばらつき、フラックスバリア4とフラックスバリア5との位置一致、フラックスバリア4又は5の周方向幅の最適設定により、磁気加振力を低減できることがわかる。
実施例1の回転電機の部分径方向模式展開断面図である。 ティースに対する磁極密度急変領域の周方向移動の状態を示す説明図である。 実施例1のロータ構造を採用する回転電機の一例を示す径方向半断面図である。 図3の変形態様を示すロータの径方向半断面図である。 図3の変形態様を示す回転電機の1/4径方向断面図である。 図5の変形態様を示すロータの1/4径方向断面図である。 実施例2の回転電機の部分径方向模式展開断面図である。 磁極密度急変領域の周方向移動によるティースの磁束密度の変化を示す説明図である。 実施例2のロータ構造を採用する回転電機の一例を示す径方向半断面図である。 試験例1を示す説明図である。 試験例2を示す説明図である。
符号の説明
1 ロータコア
2a 小磁石収容孔
2b 小磁石収容孔
2 磁石収容孔
3 永久磁石
4a 小フラックスバリア
4b 小フラックスバリア
4 フラックスバリア
5a 小フラックスバリア
5b 小フラックスバリア
5 フラックスバリア
6 薄肉領域
7 磁石隣接領域
8 低磁気抵抗部
9 ティース
10 ロータの外周面
11 磁石磁極領域
12 q軸磁極領域
13 一側の磁極密度急変領域
14 他側の磁極密度急変領域
41〜44 フラックスバリア
51〜54 フラックスバリア
91 ティース
95 ティース
96 ティース
97 ティース
100 ステータコア

Claims (3)

  1. 磁石磁極数の整数倍のティースが周方向へ等間隔で形成されたステータコアの周面に対面する周面と、
    前記周面より内部に位置して電気角πごとに形成されて前記磁石磁極形成用の永久磁石をそれぞれ収容する複数の磁石収容孔と、
    前記磁石収容孔の周方向一側端近傍かつ前記ロータコアの周面近傍に存在して前記永久磁石の磁束が前記ロータコア内の短絡磁路を流れるのを抑止する一側のフラックスバリアと、
    前記磁石収容孔の周方向他側端近傍かつ前記ロータコアの周面近傍に存在して前記永久磁石の磁束が前記ロータコア内の短絡磁路を流れるのを抑止する他側のフラックスバリアと、
    前記一側のフラックスバリアと前記他側のフラックスバリアとの間に挟設されてq軸磁束を略径方向へ導くq軸磁束通路用の低磁気抵抗部と、
    前記フラックスバリアと前記周面との間に配置されて磁束が周方向に流れる薄肉領域と、
    を有し、
    前記周面は、
    前記一側のフラックスバリアと他側のフラックスバリアとの間にて前記永久磁石に径方向に隣接して配置されて前記永久磁石により磁石磁極が形成される磁石磁極領域と、
    前記他側のフラックスバリアと一側のフラックスバリアとの間にて前記低磁気抵抗部の表面に配置されて前記q軸磁束によりq軸磁極が形成されるq軸磁極領域と、
    前記一側のフラックスバリア側の前記薄肉領域に配置されて磁極密度が急変する一側の磁極密度急変領域と、
    前記他側のフラックスバリア側の前記薄肉領域の表面に配置されて磁極密度が急変する他側の磁極密度急変領域と、
    に区画されるロータコアを有する埋め込み磁石型同期モータの磁気騒音低減方法において、
    前記各一側の磁極密度急変領域と最近接位置のティースとの間の周方向距離を不等に設定するか、あるいは、前記各他側の磁極密度急変領域と最近接位置のティースとの間の周方向距離を不等に設定することを特徴とする埋め込み磁石型同期モータの磁気騒音低減方法。
  2. 磁石磁極数の整数倍のティースが周方向へ等間隔で形成されたステータコアの周面に対面する周面と、
    前記周面より内部に位置して電気角πごとに形成されて前記磁石磁極形成用の永久磁石をそれぞれ収容する複数の磁石収容孔と、
    前記磁石収容孔の周方向一側端近傍かつ前記ロータコアの周面近傍に存在して前記永久磁石の磁束が前記ロータコア内の短絡磁路を流れるのを抑止する一側のフラックスバリアと、
    前記磁石収容孔の周方向他側端近傍かつ前記ロータコアの周面近傍に存在して前記永久磁石の磁束が前記ロータコア内の短絡磁路を流れるのを抑止する他側のフラックスバリアと、
    前記一側のフラックスバリアと前記他側のフラックスバリアとの間に挟設されてq軸磁束を略径方向へ導くq軸磁束通路用の低磁気抵抗部と、
    前記フラックスバリアと前記周面との間の配置されて磁束が周方向に流れる薄肉領域と、
    を有し、
    前記周面は、
    前記一側のフラックスバリアと他側のフラックスバリアとの間にて前記永久磁石に径方向に隣接して配置されて前記永久磁石により磁石磁極が形成される磁石磁極領域と、
    前記他側のフラックスバリアと一側のフラックスバリアとの間にて前記低磁気抵抗部の表面に配置されて前記q軸磁束によりq軸磁極が形成されるq軸磁極領域と、
    前記一側のフラックスバリア側の前記薄肉領域に配置されて磁極密度が急変する一側の磁極密度急変領域と、
    前記他側のフラックスバリア側の前記薄肉領域の表面に配置されて磁極密度が急変する他側の磁極密度急変領域と、
    に区画されるロータコアを有する埋め込み磁石型同期モータの磁気騒音低減方法において、
    所定の前記一側の磁極密度急変領域が近傍の前記ティースの直下を通過する所定期間に前記所定の一側の磁極密度急変領域が前記近傍のティースに対して与える磁束変化をΔΦa、
    前記所定の一側の磁極密度急変領域に隣接する所定の前記他側の磁極密度急変領域がその近傍の前記ティースに対して前記所定期間に与える磁束変化をΔΦb、
    とする場合に、
    前記ΔΦaとΔΦbとの和であるΣΦの絶対値の最大値がΔΦaの絶対値又は前記ΔΦbの絶対値よりも小さい周方向位置に、前記所定の一側の磁極密度急変領域と前記所定の他側の磁極密度急変領域とを設定することを特徴とする埋め込み磁石型同期モータの磁気騒音低減方法。
  3. 磁石磁極数の整数倍のティースが周方向へ等間隔で形成されたステータコアの周面に対面する周面と、
    前記周面より内部に位置して電気角πごとに形成されて前記磁石磁極形成用の永久磁石をそれぞれ収容する複数の磁石収容孔と、
    前記磁石収容孔の周方向一側端近傍かつ前記ロータコアの周面近傍に存在して前記永久磁石の磁束が前記ロータコア内の短絡磁路を流れるのを抑止する一側のフラックスバリアと、
    前記磁石収容孔の周方向他側端近傍かつ前記ロータコアの周面近傍に存在して前記永久磁石の磁束が前記ロータコア内の短絡磁路を流れるのを抑止する他側のフラックスバリアと、
    前記一側のフラックスバリアと前記他側のフラックスバリアとの間に挟設されてq軸磁束を略径方向へ導くq軸磁束通路用の低磁気抵抗部と、
    前記フラックスバリアと前記周面との間の配置されて磁束が周方向に流れる薄肉領域と、
    を有し、
    前記周面は、
    前記一側のフラックスバリアと他側のフラックスバリアとの間にて前記永久磁石に径方向に隣接して配置されて前記永久磁石により磁石磁極が形成される磁石磁極領域と、
    前記他側のフラックスバリアと一側のフラックスバリアとの間にて前記低磁気抵抗部の表面に配置されて前記q軸磁束によりq軸磁極が形成されるq軸磁極領域と、
    前記一側のフラックスバリア側の前記薄肉領域に配置されて磁極密度が急変する一側の磁極密度急変領域と、
    前記他側のフラックスバリア側の前記薄肉領域の表面に配置されて磁極密度が急変する他側の磁極密度急変領域と、
    に区画されるロータコアを有する埋め込み磁石型同期モータの磁気騒音低減方法において、
    前記薄肉領域の周方向幅は、スロットピッチの0.6〜0.9の範囲に設定されることを特徴とする埋め込み磁石型同期モータの磁気騒音低減方法。
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