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JP2017011858A - 回転電機、磁石、及び磁石の製造方法 - Google Patents

回転電機、磁石、及び磁石の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】保持力の異なる複数の永久磁石を用いて一磁極を構成する場合であっても、回転子内に形成される全ての磁極間の着磁性及び減磁性を均一にする。【解決手段】回転子が有する磁極は、保持力の異なる複数の永久磁石を回転子の径方向に重ね合わせてなる磁石ユニットにより形成され、複数の永久磁石のうち少なくとも二つの永久磁石は、固定子巻線に流れるd軸電流が形成する磁界によって着磁及び減磁が可能な保持力を有する低保持力磁石であって、複数の永久磁石のうち最も高い保持力を有する永久磁石は、エアギャップに最も近い側に配置される。そして、低保持力磁石それぞれの回転子径方向における厚さは、磁石ユニットを構成する低保持力磁石それぞれの保持力を合成した等価保持力が回転子に設けられた全ての磁石ユニットにおいて略同一となるように調整される。【選択図】図1

Description

本発明は、回転電機、磁石、及び磁石の製造方法に関する。
従来、保持力が異なる2つの永久磁石を磁気的に直列に配置することで一磁極を形成し、当該磁極を回転子内に複数配置して構成された回転子構造が知られている(特許文献1参照)。本構造を用いることで、回転電機の運転中に、固定子巻線電流により永久磁石を着磁あるいは減磁させることが可能となっている。
特開2010−004671号公報
永久磁石の保持力には元来ばらつきが存在している。このばらつきの量は、一般的な回転電機に用いる永久磁石の保持力に対しては、相対的に小さな値であるため大きな問題となることがなかった。しかしながら、回転電機の運転中に、固定子巻線電流により永久磁石を着磁あるいは減磁させる構成においては、保持力特性のばらつきが回転子内の磁極間において生じると、その着磁性や減磁性に係り得る。着磁性及び減磁性のばらつきは、回転電機のトルクリップルや損失を増大させる要因となり問題となる。
本発明は、保持力の異なる複数の永久磁石を用いて、所望の保持力を有する一つの永久磁石を形成する技術を提供することを目的とする。また、形成した所望の保持力を有する永久磁石によって回転電機が備える回転子の磁極を構成することで、回転子内に形成される全ての磁極間の着磁性及び減磁性を均一にすることができる技術を提供する。
本発明による回転電機の磁石は、回転磁界を生成するための固定子巻線を有する固定子と、複数の磁極を有し固定子との間でエアギャップを介して配置される回転子とを備える。当該回転子が有する磁極は、保持力の異なる複数の永久磁石を回転子の径方向に重ね合わせてなる磁石ユニットにより形成され、複数の永久磁石のうち少なくとも二つの永久磁石は、固定子巻線に流れるd軸電流が形成する磁界によって着磁及び減磁が可能な保持力を有する低保持力磁石であって、複数の永久磁石のうち最も高い保持力を有する永久磁石は、エアギャップに最も近い側に配置される。そして、低保持力磁石それぞれの回転子径方向における厚さは、磁石ユニットを構成する低保持力磁石それぞれの保持力を合成した等価保持力が回転子に設けられた全ての磁石ユニットにおいて略同一となるように調整される。
本発明によれば、所望の保持力を有するように調整された永久磁石ユニットによって回転子の磁極を形成することで、回転子内に形成される全ての磁極間の着磁性及び減磁性を均一にすることができる。これにより、保持力の異なる複数の永久磁石を用いて一磁極を構成する場合であっても、回転電機のトルクリップルや損失が増大するリスクを回避することができる。
図1は、第1実施形態の回転電機を軸方向に垂直な平面から見た構成図であって、構成全体の一部を示した図である。 図2は、低保持力磁石が有する磁気特性の一例を示す図である。 図3は、等価保持力Hc_eqの算出方法を説明するための図である。 図4Aは、第1実施形態に係る実施例1の回転電機を軸方向に垂直な平面から見た構成図である。 図4Bは、実施例1に係る所望の等価保持力に対する磁石ユニットの等価保持力及び低保持力磁石の保持力を表した図である。 図5Aは、第1実施形態に係る実施例2の回転電機を軸方向に垂直な平面から見た構成図である。 図5Bは、実施例2に係る所望の等価保持力に対する磁石ユニットの等価保持力及び低保持力磁石の保持力を表した図である。 図6Aは、第1実施形態に係る実施例3の回転電機を軸方向に垂直な平面から見た構成図である。 図6Bは、実施例3に係る所望の等価保持力に対する磁石ユニットの等価保持力及び低保持力磁石の保持力を表した図である。 図7Aは、第1実施形態に係る実施例4の回転電機を軸方向に垂直な平面から見た構成図である。 図7Bは、実施例4に係る所望の等価保持力に対する磁石ユニットの等価保持力及び低保持力磁石の保持力を表した図である。 図8Aは、第1実施形態に係る実施例5の回転電機を軸方向に垂直な平面から見た構成図である。 図8Bは、実施例5に係る所望の等価保持力に対する磁石ユニットの等価保持力及び低保持力磁石の保持力を表した図である。 図8Cは、実施例5に係る所望の等価保持力に対する磁石ユニットの等価保持力及び低保持力磁石の保持力を表した図である。 図9Aは、第2実施形態の回転電機の一部を示す斜視図である。 図9Bで示す回転子に嵌装された磁石ユニット詳細を説明するための図である。 図10は、第3実施形態の回転電機を軸方向に垂直な平面から見た構成図である。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の回転電機100を軸方向に垂直な断面から見た構成図であって、構成全体の一部を示した図である。本実施形態の回転電機100は、円環形状をなす固定子3と、固定子3と同心円状をなし、固定子3との間にエアギャップ11を有するように配置された回転子4と、永久磁石1a、1bを磁化方向に直列となるように重ね合わせた状態で回転子4の対応箇所に嵌装された永久磁石ユニット10(以下、単に磁石ユニットという)と、を備え、電動機或いは発電機を構成する。
固定子3は、リング状の固定子コア13と、固定子コア13から内周側に向けて突起する複数のティース9と、ティース9に巻き回された固定子巻線12と、からなる。固定子コア13は、例えば軟磁性材料である電磁鋼板により形成される。
回転子4は、回転子コア14を有している。回転子コア14は、透磁率の高い金属製の鋼板を円環状に打ち抜き加工して形成された多数の電磁鋼板を軸方向に積層して構成された、いわゆる積層鋼板構造により円筒形に形成されている。また、回転子コア14の、固定子13と対向する周辺部の近傍には、周方向に沿って、磁石ユニット10により構成される磁極が互いに等間隔で、且つ、互いに隣接する磁極の極性が異極性となるように設けられている。なお、本実施形態の回転電機100に係る回転子コア14は、図1で示す部分構成から推察されるとおり、周方向に沿って6個の永久磁石が設けられた6極構造を有する。
また、回転子4は、各磁極間に、回転子コア14を形成する電磁鋼板を打ち抜き加工することで形成された空間部分である磁気的障壁5、6を有する。磁気的障壁5、6は、電磁鋼板よりも磁気抵抗が大きい。したがって、磁気的障壁5、6は、永久磁石1a、1bが回転子4上に構成する磁気回路において、磁石磁束に対する磁束障壁として作用する。図で示す通り、磁気的障壁5は回転子4の外周側よりも回転中心側の方が幅の狭い略半円形状に形成される。磁気的障壁6は、磁気的障壁5よりも回転中心側に、磁気的障壁5を覆うように略U字状に形成される。ただし、磁気的障壁5、6の形状はこれに限定されない。
また、回転子4には、磁気的障壁5、6が図のように形成されていることにより、ある一磁極を構成する磁石ユニット10から出た磁束が、隣接する他の磁石ユニット10が構成する磁極側へ漏洩する際の経路となる磁束バイパス路7が形成される。さらに、回転子4には、磁気的障壁5の外周側に、磁束バイパス路7と連結する幅狭のブリッジ形状部8が設けられている。
磁石ユニット10は、永久磁石1a、1bを磁気的に直列となるように重ね合わせた状態で回転子コア14の対応部分に形成された空隙に嵌装されて、回転子コア14に固定される。なお、回転電機100においては、回転子4の径方向が磁化方向とされる。なお、永久磁石1a、1bは、例えば、永久磁石の製造過程において保持力にばらつきが生じた複数の永久磁石ブロックを、それぞれの磁化方向において所望の厚さにカットすることで得られる。ここで、本実施形態では、磁石ユニット10の幾何学的な中心であるd軸と電気的に直交する位置をq軸と定義する。なお、本実施形態の回転電機100は6極構造なので、d軸から機械角で30度の位置がq軸と定義される。
磁石ユニット10を構成する永久磁石1a、1bは、回転電機100を車両に搭載した場合に、固定子巻線12にパルス状のd軸電流を流すことで形成される磁界(電機子反作用磁界)によって、着磁又は減磁がなされる程度の保持力を有する低保持力の永久磁石である。
ここで、磁石ユニット10を構成する永久磁石1a、1bの磁気特性について、図2を参照して説明する。上述の通り、永久磁石1a、1bは、固定子巻線12に通電されるパルス状のd軸電流で作られる磁界によって着磁又は減磁が可能な保持力を有する永久磁石である(以下、低保持力磁石ともいう)。図2は、このような低保持力磁石が有する磁気特性の一例を示す図である。図2では、縦軸が永久磁石の磁束密度(T)であり、横軸が固定子巻線12のd軸電流で形成される磁界の強さ(A/m)である。d軸電流の値がプラスの方向に大きくなるほど、永久磁石に与えられる磁界が強くなり、これに伴い永久磁石の磁束密度が増加する。
図2に示すように、低保持力の永久磁石の磁気特性は、非可逆な特性であり、固定子巻線12に供給されるd軸電流の大きさに応じて選択される複数の磁化経路、例えばc1〜c4を有する。
固定子巻線12に供給されるd軸電流の値をプラスの方向に大きくすることにより、低保持力磁石は、その磁束密度が増加するように磁化される。すなわち、固定子巻線12に供給されるd軸電流のパルスの高さをプラスの方向に高くすることで低保持力磁石が着磁される。
低保持力磁石を着磁させるときには、d軸電流のパルスの高さによって磁化経路c1〜c4の中から1つの経路が選択される。例えば、固定子巻線12のd軸電流で作られる磁界が着磁磁界Hi1となるように設定された場合には、磁化経路c1が選択される。その後、選択された磁化経路c1において、永久磁石の磁束密度(T)は、固定子巻線12の界磁磁束を減少させるいわゆる弱め界磁制御によって与えられるマイナスのd軸電流に応じて変動する。
一方、固定子巻線12に供給されるd軸電流の値がマイナスの方向に増加されると、永久磁石は、その磁束密度が減少するように磁化される。すなわち、固定子巻線12に供給されるd軸電流のパルスの高さをマイナスの方向に低くすることで永久磁石が減磁される。
低保持力の永久磁石を減磁させるときには、固定子巻線12に供給されるd軸電流が、弱め界磁制御によるマイナスのd軸電流の値よりも小さくなるように設定される。例えば、固定子巻線12のd軸電流で作られる磁界が減磁磁界Hrとなるように設定された場合には、固定子巻線12の磁束密度がゼロになる。なお、永久磁石の磁束密度が小さくなるほど、固定子巻線12に作用する逆起電力は小さくなる。
このように、低保持力の永久磁石は、回転電機100の回転中に固定子巻線12に供給されるd軸電流のパルスの高さに応じて、永久磁石が有する磁束密度を段階的に増減させることができる。すなわち、低保持力磁石の着磁量は、固定子巻線12に供給されるd軸電流により段階的に変更可能である。
してみれば、例えば、このような特性を有する低保持力磁石を備えた回転電機100を電動車両に適用した場合、車両の走行中に固定子巻線12に供給するd軸電流を制御することにより、電動車両の走行状態に合わせて永久磁石1a、1bの磁力を好適に変化させることができる。具体的には、例えば、トルクが要求される低回転領域においては、トルク及び出力が最大となるように着磁し、回転速度が求められる高回転領域においては、逆起電力の発生を抑えて回転数を高めるために減磁するといった具合である。また、走行状態に応じて永久磁石の磁力を変化させることで広範囲で効率を向上させることができるので、回転電機100の消費電力を抑えることができる。
なお、このような低保持力磁石を備えた回転電機、すなわち本実施形態の回転電機100は、上述のように永久磁石の磁力を変化させることができる特性を備えることから、可変磁力モータ、可変磁束モータ等と呼ばれる。なお、以下では、永久磁石の着磁及び減磁のしやすさ及びしにくさに係る性質を、着磁性及び減磁性という。
ここで、一般に、上述のような低保持力磁石が有する保持力Hcは、0kA/m〜250kA/m程度である。そして、ある強度のd軸電流に対する永久磁石の着磁性及び減磁性は、その永久磁石の持つ保持力Hcの高低によって異なる。例えば、保持力Hcが所定値よりも低い場合は、減磁がされやすくなる。そうすると、弱め界磁制御における電流を永久磁石が減磁されない程度に制限する必要があるため、弱め界磁性が低下する。その結果、誘起電圧が高くなり、パワーが低下する。他方、保持力Hcが所定値よりも高い場合は、着磁が困難となる。このため、着磁量が不足し、磁束密度が低下するので、トルクが低下する。
してみると、本願発明に係る回転電機100のように、回転電機100の運転中に、固定子巻線電流により永久磁石を着磁あるいは減磁させる構成においては、回転子の各磁極を構成する永久磁石の保持力Hcにばらつきがある場合、そのバラつきに応じて、各永久磁石の着磁性及び減磁性もばらついてしまう。このばらつきは、回転子内の各磁極間における磁束密度のばらつきとなり、振動の原因となるトルクリップルの増大や、損失の増大の要因となる。したがって、回転電機に用いる永久磁石は、所望の保持力Hcで均一なものを使用するのが望ましい。しかしながら、永久磁石の製造過程において生じる保持力Hcのばらつきをゼロに抑え込むのは現実的に困難である。
本発明は、回転電機に用いる永久磁石の製造過程において、低保持力磁石の保持力Hcにばらつきが生じた場合であっても、それらの永久磁石を有効に活用し、回転電機の回転子上に形成される磁極間における着磁性及び減磁性を均一にすることを目的とする。
図1に戻って説明を続ける。図1に示す通り、第1実施形態に係る回転電機100の磁極は、永久磁石1a、1bを磁気的に直列となるように重ね合わせてなる磁石ユニット10により形成される。したがって、回転子4が備える磁石ユニット10を構成する永久磁石1aと1bの保持力Hcが不均一であっても、永久磁石1aの保持力Hcと永久磁石1bの保持力Hcとを合成した合成保持力である等価保持力Hc_eqが、回転子4に形成される全ての磁極間で均一となればよい。以下、等価保持力Hc_eqの算出方法について説明する。
図3は、等価保持力Hc_eqの算出方法を説明するための図である。図上段は、永久磁石1a、1bを磁気的に直列に重ね合わせて配置したものである。前提として、永久磁石1aの保持力Hc1及び厚さt1と、永久磁石1bの保持力Hc2及び厚さt2はそれぞれ異なる。そして、厚さtと保持力Hcの異なる二つの永久磁石1a、1bを重ね合わせて、全体を一つの等価磁石(磁石ユニット10)とみると、磁石ユニット10の見かけ上の保持力Hcは、等価保持力Hc_eqとして以下(1)式で表せられる。
Figure 2017011858
すなわち、永久磁石1aの厚さt1と永久磁石1bの厚さt2を調整することで、永久磁石1a、1bの保持力Hc1、Hc2の値によらず、所望の等価保持力Hc_eqを得ることができる。
ここで、磁石ユニット10の製造方法をまとめる。磁石ユニット10は、例えば磁石製造過程における製造バラつきにより生じた保持力の異なる複数の永久磁石ブロックを当該永久磁石ブロックの磁化方向において所定の厚さt1、t2にカットする。そして、厚さt1、t2にそれぞれカットされた保持力の異なる永久磁石1a、1bを磁化方向に直列となるように重ね合わせる。なお、所定の厚さt1、t2は、磁石ユニット10を構成する永久磁石1a、1bそれぞれの保持力を合成した等価保持力が所望の等価保持力Hc_eqとなるように、上記式(1)に基づいて調整される。
このように調整された等価保持力Hc_eqを有する磁石ユニット10により回転子4上の全ての磁極を形成することで、永久磁石1a、1bの保持力Hcのばらつきによらず、全ての磁極における等価保持力を略同一とすることができる。これにより、磁極間における着磁性及び減磁性が均一化されるので、各磁極における着磁量のアンバランスを解消することができる。したがって、磁極間における着磁量のアンバランスにより生じるトルクリップルの増大や損失の増大を抑制することができる。なお、上記の略同一とは、例えば±10%以内である。
続いて、図4〜8を参照して、上述のように製造された磁石ユニット10を回転電機100に適用する際の態様、及び、得られる等価保持力について説明する。
[実施例1]
図4Aは、第1実施形態に係る実施例1の回転電機100を軸方向に垂直な平面から見た構成図であって、回転子4に嵌装される磁石ユニット10及び磁石ユニット10を構成する低保持力磁石1a、1bの態様を説明するための図である。
図4Bは、実施例1に係る所望の等価保持力Hc_target(点線)に対する磁石ユニット10の等価保持力(実線)及び低保持力磁石1a、1bの各保持力Hc(Hc_1a:一点鎖線、Hc_1b:二点鎖線)を表した図である。縦軸が磁束密度J[T]であり、横軸が固定子巻線12のd軸電流で形成される磁界の強さH[kA/m]である。
図4Bで示すとおり、本実施例における所望の等価保持力Hc_targetは、160[kA/m]である。これに対して、永久磁石1aの保持力は224[kA/m]であり、永久磁石1bの保持力は97[kA/m]である。回転子4の磁石挿入孔の径方向幅が10mm程度に設定されているため、磁石ユニット10の回転子径方向の厚さ(磁化方向厚)は10mmに設定される。したがって、永久磁石1aの厚さt1と永久磁石1bの厚さt2との和が10mmとなる。これを前提として上記式(1)に基づき永久磁石1a、1bの厚さt1、t2を算出すると、t1=5mm、t2=5mmとなる。この算出結果に基づいて永久磁石1a、1bの厚さt1、t2を調整し、磁石ユニット10を構成することで、磁石ユニット10は、図中の実線で示すとおり、所望の等価保持力Hc_targetとほぼ同一な等価保持力160[kA/m]を得ることができる。
また、図4Aから分かるとおり、磁石ユニット1を回転子4に嵌装する際は、永久磁石1a、1bのうちより高い保持力を有する永久磁石1aを、エアギャップ11に最も近い側に配置する。エアギャップ11により近い側、すなわち回転子4の外周側は、固定子巻線12に形成される磁界の影響を受けやすいので、意図しない着磁及び減磁がなされる可能性がある。また、上述のとおり、永久磁石は保持力が低いほど着磁及び減磁がしやすくなる性質がある。したがって、より保持力の高い永久磁石を回転子4の外周側に配置することで、意図しない着磁又は減磁がなされるリスクを抑制することができる。
また、図4Bから分かるとおり、所望の等価保持力Hc_targetより大きい保持力Hcを有する永久磁石1aと、所望の等価保持力Hc_targetより小さい保持力を有する1bとをそれぞれ組み合わせて磁石ユニット10を構成することで、所望する等価保持力Hc_eqを有する磁石ユニット10を作成することができる。
[実施例2]
図5Aは、第1実施形態に係る実施例2の回転電機100を軸方向に垂直な平面から見た構成図であって、回転子4に嵌装される磁石ユニット10及び磁石ユニット10を構成する永久磁石1a、1bの態様を説明するための図である。
図5Bは、実施例2に係る所望の等価保持力Hc_target(点線)に対する磁石ユニット10の等価保持力(実線)及び永久磁石1a、1bの各保持力Hc(Hc_1a:一点鎖線、Hc_1b:二点鎖線)を表した図である。縦軸が磁束密度J[T]であり、横軸が固定子巻線12のd軸電流で形成される磁界の強さH[kA/m]である。
図5Bに示すとおり、本実施例においても所望の等価保持力Hc_targetは、160[kA/m]に設定される。これに対して、永久磁石1aの保持力は192[kA/m]であり、永久磁石1bの保持力は128[kA/m]である。磁石ユニット10の磁化方向厚は10mmに設定される。したがって、永久磁石1aの厚さt1と永久磁石1bの厚さt2との和が10mmとなる。これを前提として上記式(1)に基づき永久磁石1a、1bの厚さt1、t2を算出すると、t1=5mm、t2=5mmとなる。このように永久磁石1a、1bの厚さを調整することで、図中の実線で示すとおり、所望の等価保持力Hc_targetとほぼ同一な等価保持力160[kA/m]を得ることができる。
また、本実施例においても実施例1と同様の理由により、より保持力の高い低保持力磁石1aが回転子4の外周側に配置される。
[実施例3]
図6Aは、第1実施形態に係る実施例3の回転電機100を軸方向に垂直な平面から見た構成図であって、回転子4に嵌装される磁石ユニット10及び磁石ユニット10を構成する永久磁石1a、1bの態様を説明するための図である。
図6Bは、実施例3に係る所望の等価保持力Hc_target(点線)に対する磁石ユニット10の等価保持力(実線)及び永久磁石1a、1bの各保持力Hc(Hc_1a:一点鎖線、Hc_1b:二点鎖線)を表した図である。縦軸が磁束密度J[T]であり、横軸が固定子巻線12のd軸電流で形成される磁界の強さH[kA/m]である。
図6Bに示すとおり、所望の等価保持力Hc_targetは、他の実施例と同様160[kA/m]である。これに対して、永久磁石1aの保持力は223[kA/m]であり、永久磁石1bの保持力は143[kA/m]である。磁石ユニット10の磁化方向厚は10mmに設定される。したがって、永久磁石1aの厚さt1と永久磁石1bの厚さt2との和が10mmとなる。これを前提として上記式(1)に基づき永久磁石1a、1bの厚さt1、t2を算出すると、t1=2mm、t2=8mmとなる。このように永久磁石1a、1bの厚さを調整することで、図中の実線で示すとおり、所望の等価保持力Hc_targetとほぼ同一な等価保持力160[kA/m]を得ることができる。
また、本実施例においても実施例1、2と同様の理由により、より保持力の高い永久磁石1aが回転子4の外周側に配置される。
[実施例4]
図7Aは、第1実施形態に係る実施例4の回転電機100を軸方向に垂直な平面から見た構成図であって、回転子4に嵌装される磁石ユニット10及び磁石ユニット10を構成する永久磁石1a、1bの態様を説明するための図である。
図7Bは、実施例4に係る所望の等価保持力Hc_target(点線)に対する磁石ユニット10の等価保持力(実線)及び永久磁石1a、1bの各保持力Hc(Hc_1a:一点鎖線、Hc_1b:二点鎖線)を表した図である。縦軸が磁束密度J[T]であり、横軸が固定子巻線12のd軸電流で形成される磁界の強さH[kA/m]である。
図7Bに示すとおり、所望の等価保持力Hc_targetは、他の実施例と同様160[kA/m]である。これに対して、永久磁石1aの保持力は183[kA/m]であり、永久磁石1bの保持力は88[kA/m]である。磁石ユニット10の磁化方向厚は10mmに設定される。したがって、永久磁石1aの厚さt1と永久磁石1bの厚さt2との和が10mmとなる。これを前提として上記式(1)に基づき永久磁石1a、1bの厚さt1、t2を算出すると、t1=7.5mm、t2=2.5mmとなる。このように永久磁石1a、1bの厚さを調整することで、図中の実線で示すとおり、所望の等価保持力Hc_targetとほぼ同一な等価保持力160[kA/m]を得ることができる。
また、本実施例においても実施例1から3と同様の理由により、より保持力の高い永久磁石1aが回転子4の外周側に配置される。
[実施例5]
図8Aは、第1実施形態に係る実施例5の回転電機100を軸方向に垂直な平面から見た構成図であって、回転子4に嵌装される磁石ユニット10a、10b及び磁石ユニット10a、10bをそれぞれ構成する永久磁石1a、1d及び永久磁石1c、1bの態様を説明するための図である。本実施例では、永久磁石1a〜1dの保持力が全て異なっている。
図8Bは、実施例5に係る所望の等価保持力Hc_target(点線)に対する磁石ユニット10aの等価保持力(実線)及び永久磁石1a、1bの各保持力Hc(Hc_1a:一点鎖線、Hc_1b:二点鎖線)を表した図である。縦軸が磁束密度J[T]であり、横軸が固定子巻線12のd軸電流で形成される磁界の強さH[kA/m]である。
図8Bに示すとおり、所望の等価保持力Hc_targetは、他の実施例と同様160[kA/m]である。これに対して、永久磁石1aの保持力は223[kA/m]であり、永久磁石1bの保持力は144[kA/m]である。他の実施例と同様に上記式(1)に基づき永久磁石1a、1bの厚さt1、t2を算出すると、t1=2mm、t2=8mmとなる。このように永久磁石1a、1bの厚さを調整することで、図中の実線で示すとおり、所望の等価保持力Hc_targetとほぼ同一な等価保持力160[kA/m]を得ることができる。
図8Cは、実施例5に係る所望の等価保持力Hc_target(点線)に対する磁石ユニット10bの等価保持力(実線)及び永久磁石1c、1dの各保持力Hc(Hc_1a:一点鎖線、Hc_1b:二点鎖線)を表した図である。縦軸が磁束密度J[T]であり、横軸が固定子巻線12のd軸電流で形成される磁界の強さH[kA/m]である。
また、図7Cで示すとおり、所望の等価保持力Hc_targetは、他の実施例と同様160[kA/m]である。これに対して、永久磁石1cの保持力は183[kA/m]であり、永久磁石1dの保持力は88[kA/m]である。上記式(1)に基づき永久磁石1a、1bの厚さt1、t2を算出すると、t3=7.5mm、t4=2.5mmとなる。このように永久磁石1a、1bの厚さを調整することで、図中の実線で示すとおり、所望の等価保持力Hc_targetとほぼ同一な等価保持力160[kA/m]を得ることができる。
本実施例においては、磁石ユニット10a、10bの磁化方向厚は同一であるが、磁石ユニット10aを構成する永久磁石1a、1bの厚さt1、t2と、磁石ユニット10bを構成する永久磁石1c、1dの厚さt3、t4とはそれぞれ異なる。
このように、各磁石ユニット10a、10bを構成する各低保持力磁石の厚さの合計である磁化方向厚は略同一に設定されるが、当該各低保持力磁石それぞれの磁化方向厚は異なっていても良い。してみれば、回転子4上の各磁極において、所望の等価保持力を有する磁石ユニット10a、10bを構成するために、より多様な保持力を有する低保持力磁石を使用することができる。これにより、回転電機100の製造において、磁石製造過程で生じる保持力のバラツキをより許容することができる。
なお、本実施例においても実施例1〜4と同様の理由により、より保持力の高い永久磁石1a及び1cが回転子4の外周側に配置される。
以上、実施例1〜5に係る説明では、二つの低保持力磁石によって一つの磁石ユニットを構成する例について説明した。しかしながら、一つの磁石ユニットを構成する低保持力磁石の個数はこれに限定されず、3つ以上であっても良い。その場合は、下記式(2)を用いて、磁石ユニットを構成する低保持力磁石の各磁化方向厚を算出することで、所望の等価保持力を有する磁石ユニットを提供することができる。
Figure 2017011858
ただし、Hc_epは所望の等価保持力を表し、tiは、回転子4の外周側もしくは回転中心側から数えてi番目の低保持力磁石の磁化方向厚を、Hc_iはi番目の低保持力磁石の保持力を表す。また、iは、1〜Nの整数であって、Nは磁石ユニットを構成する低保持力磁石の総数とする。
以上、第1実施形態の回転電機100は、回転磁界を生成するための固定子巻線12を有する固定子3と、複数の磁極を有し固定子3との間でエアギャップ11を介して配置される回転子4とを備える。回転子4が有する磁極は、保持力の異なる複数の永久磁石1a、1bを回転子4の径方向に重ね合わせてなる磁石ユニット10により形成され、複数の永久磁石のうち少なくとも二つの永久磁石1a、1bは、固定子巻線12に流れるd軸電流が形成する磁界によって着磁及び減磁が可能な保持力を有する低保持力磁石であって、複数の永久磁石のうち最も高い保持力を有する永久磁石1aは、エアギャップ12に最も近い側に配置される。そして、低保持力磁石それぞれの回転子径方向における厚さ(磁化方向厚)は、磁石ユニット10を構成する低保持力磁石それぞれの保持力Hcを合成した等価保持力Hc_eqが回転子4に設けられた全ての磁石ユニット10において略同一となるように調整される。
これにより、磁極間における着磁性及び減磁性が均一化されるので、各磁極における着磁量のアンバランスを解消することができる。したがって、磁極間における着磁量のアンバランスにより生じるトルクリップルの増大や損失の増大を抑制することができる。
また、より保持力の高い永久磁石を回転子4の外周側に配置することで、意図しない着磁又は減磁がなされるリスクを抑制することができる。
また、第1実施形態の回転電機100は、磁石ユニット10を構成する低保持力磁石1a、1bのうち、低保持力磁石1aは所望の等価保持力Hc_targetよりも大きい保持力を有し、低保持力磁石1bは所望の等価保持力Hc_targetよりも小さい保持力を有する。これにより、所望する等価保持力Hc_eqを有する磁石ユニット10を作成することができる。
また、第1実施形態の回転電機100は、磁石ユニット10がN個の低保持力磁石を含む場合であって、等価保持力をHc_epとし、N個の低保持力磁石のうち、回転子4の外周側もしくは回転中心側から数えてi番目の当該低保持力磁石の厚さをti、i番目の当該低保持力磁石の保持力をHc_iとした場合に、N個の低保持力磁石のそれぞれの厚さtiは、所望の等価保持力Hc_epに対して、上記(2)式が成立するように調整される。これにより、3つ以上の低保持力磁石によって磁石ユニットを構成する場合であっても、所望する等価保持力Hc_eqを有する磁石ユニットを作成することができる。
また、第1実施形態の回転電機100は、回転子4が備える全ての磁石ユニット10の回転子径方向における厚みは略同一であり、磁石ユニット10を構成する各低保持力磁石1a、1bの回転子径方向における厚みは回転子4が備える磁石ユニット10それぞれにおいて異なっていてもよい。これにより、所望の等価保持力を有する磁石ユニット10を構成するために、より多様な保持力を有する低保持力磁石を使用することができる。これにより、回転電機100の製造において、磁石製造過程で生じる保持力のバラツキをより許容することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の回転電機100について説明する。
図9Aは、第2実施形態の回転電機100の軸方向に垂直な断面の斜視図であって、構成全体の一部を表した図である。図9Bは、図9Aで示す回転子4に嵌装された磁石ユニット10の態様を説明するための図であって、磁石ユニット10を回転子4の軸方向側面から見た図である。
図9Bから分かるとおり、第2実施形態の回転電機100の一磁極を形成する磁石ユニット10は、低保持力磁石を回転子径方向に重ね合わせてなる磁石サブユニット30a、30b、30cを、回転子軸方向に積み重ねて構成される。
磁石サブユニット30aは、低保持力磁石1a、1bを回転子径方向に重ね合わせて構成される。また、低保持力磁石1a、1bの厚さt_1a、t_1bは、低保持力磁石1a、1bの保持力Hc_1a、Hc_1bに基づいて、上記(1)式により、磁石サブユニット30aが所望の等価保持力となるように調整される。他の磁石サブユニット30b、30cを構成する各低保持力磁石b1、b2及びc1、c2についても、磁石サブユニット30b、30cがそれぞれ所望の等価保持力となるように、上記式(1)に基づいて磁化方向厚が調整される。
そして、略同一の等価保持力を有する磁石サブユニット30a、30b、30cを、回転子4の軸方向に積み重ねることで磁石ユニット10が構成される。このように構成される磁石ユニット10は、各磁石サブユニット30a、30b、30cと同じ所望の等価保持力を有する。なお、各磁石サブユニット30a、30b、30cは、これらを構成する低保持力磁石のうち、より高い保持力を有する低保持力磁石をエアギャップ11に最も近い側に配置して構成される。
このように構成された磁石ユニット10で一磁極を形成することで、所望の等価保持力を有する磁石ユニットを構成するために、より多様な保持力を有する低保持力磁石を使用することができる。これにより、回転電機100の製造において、磁石製造過程で生じる保持力のバラツキをより許容することができる。
以上、第2実施形態の回転電機100が有する磁極は、保持力の異なる複数の永久磁石1a、1b、1c、1d、1e、1fをそれぞれ回転子の径方向に重ね合わせてなる磁石サブユニット30a、30b、30cを、前記回転子の軸方向に三つ積み重ねて構成される磁石ユニット30により形成される。これにより、回転電機100の製造において、磁石製造過程で生じる保持力のバラツキをより許容することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の回転電機100について説明する。
図10は、第3実施形態に係る実施例1の回転電機100を軸方向に垂直な平面から見た構成図であって、回転子4に嵌装される磁石ユニット10の態様を説明するための図である。
図で表されるとおり、本実施形態の磁石ユニット10は、二つの低保持力磁石40b、40cと、一つの高保持力磁石40aの三つの永久磁石を回転子径方向に重ね合わせて構成されることを特徴とする。そして、三つの永久磁石40a、40b、40cのうち、最も高い保持力を有する高保持力磁石40aをエアギャップ11に最も近い側に配置する。
ここで、高保持力磁石とは、固定子巻線12に通電されるパルス状のd軸電流で作られる磁界によっては、着磁又は減磁がなされない程度の高い保持力を有する永久磁石のことをいう。このような保持力は例えば500[kA/m]以上である。なお、低保持力磁石40b、40cとの合成保持力である等価保持力は、それぞれ上記式(1)に基づいて等価保持力が160[kA/m]程度となるように調整されているものとする。
このような配置にすることで、高保持力磁石40aが有する高い保持力により、低保持力磁石40bと40cとの等価保持力による着磁性及び減磁性をサポートすることができる。また、高保持力磁石40cをエアギャップ11に最も近い側に配置することで、固定子巻線12に通電されるパルス状のd軸電流で作られる磁界によって意図せぬ着磁又は減磁がなされるリスクを回避することができる。また、磁石ユニット10を製造する際、低保持力磁石40b、40cの等価保持力だけでは当該磁石ユニット10の目標とする合成保持力に到達できない場合であっても、高い保持力を有する高保持力磁石を使用することで、磁石ユニット10全体の合成保持力が目標に到達できる場合がある。すなわち、高保持力磁石を用いることで、より低い側に偏ってばらついた低保持力磁石も活用することができるので、低保持力磁石の製造ばらつきをより許容することができる。なお、本実施形態における磁石ユニット10も、上記式(2)に基づいて、高保持力磁石も含めた全ての永久磁石の磁化方向厚を調整し、所望の保持力の磁石ユニット10を作製することができる。
以上、第3実施形態の回転電機100は、磁石ユニット10を構成する複数の永久磁石のうち、少なくとも一つの永久磁石は、低保持力磁石よりも高い保持力を有する高保持力磁石である。したがって、低保持力磁石40b、40cの保持力が設計時に想定した保持力に到達できないほど小さい場合であっても、高保持力磁石40aが有する高い保持力により、所望の合成保持力に近づけることができる。
本発明は、上述した一実施の形態に限定されることはない。例えば、所望の保持力に調整した磁石ユニット10の適用先は上述したような回転電機に限定されず、スピーカーやヘッドホン等の音響機器や、MRI等の高度医療機器、磁力を用いる各種センサ類等、磁石を用いる様々な装置に適用することが可能である。
1a、1b…低保持力磁石
3…固定子
4…回転子
10…磁石ユニット
11…エアギャップ
12…固定子巻線
30a、30b、30c…磁石サブユニット
100…回転電機

Claims (8)

  1. 回転磁界を生成するための固定子巻線を有する固定子と、複数の磁極を有し前記固定子との間でエアギャップを介して配置される回転子とを備えた回転電機において、
    前記磁極は、保持力の異なる複数の永久磁石を前記回転子の径方向に重ね合わせてなる磁石ユニットにより形成され、
    前記複数の永久磁石のうち少なくとも二つの永久磁石は、前記固定子巻線に流れるd軸電流が形成する磁界によって着磁及び減磁が可能な保持力を有する低保持力磁石であって、
    前記複数の永久磁石のうち最も高い保持力を有する永久磁石は、前記エアギャップに最も近い側に配置され、
    前記低保持力磁石それぞれの回転子径方向における厚さは、前記磁石ユニットを構成する前記低保持力磁石それぞれの保持力を合成した等価保持力が前記回転子に設けられた全ての磁石ユニットにおいて略同一となるように調整される、
    ことを特徴とする回転電機。
  2. 前記磁石ユニットを構成する前記低保持力磁石のうち、少なくとも一つの前記低保持力磁石は前記等価保持力よりも大きい保持力を有し、少なくも一つの他の前記低保持力磁石は前記等価保持力よりも小さい保持力を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記磁石ユニットがN個の前記低保持力磁石を含む場合であって、
    前記等価保持力をHc_epとし、
    前記N個の低保持力磁石のうち、前記回転子の外周側もしくは回転中心側から数えてi番目の当該低保持力磁石の厚さをti、i番目の当該低保持力磁石の保持力をHc_iとした場合に、
    前記N個の低保持力磁石のそれぞれの厚さtiは、所望の等価保持力Hc_epに対して、下記(1)式が成立するように調整される、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転電機。
    Figure 2017011858
  4. 前記回転子が備える全ての前記磁石ユニットの回転子径方向における厚みは略同一であり、
    前記磁石ユニットを構成する各低保持力磁石の回転子径方向における厚みは前記回転子が備える前記磁石ユニットそれぞれにおいて異なる、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の回転電機。
  5. 前記磁極は、保持力の異なる複数の永久磁石を前記回転子の径方向に重ね合わせてなる磁石ユニットを、前記回転子の軸方向に少なくとも二つ積み重ねて構成される、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の回転電機。
  6. 前記磁石ユニットを構成する複数の永久磁石のうち、少なくとも一つの前記永久磁石は、前記低保持力磁石よりも高い保持力を有する高保持力磁石である、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の回転電機。
  7. 保持力の異なる複数の永久磁石を前記永久磁石の磁化方向に直列となるように重ね合わせてなる磁石であって、
    前記永久磁石それぞれの磁化方向における厚さは、前記磁石を構成する前記永久磁石それぞれの保持力を合成した等価保持力が所望の保持力となるように調整される、
    ことを特徴とする磁石。
  8. 保持力の異なる複数の永久磁石を前記永久磁石の磁化方向に直列となるように重ね合わせてなる磁石の製造方法であって、
    保持力の異なる複数の永久磁石ブロックを当該永久磁石ブロックの磁化方向において所定の厚さにカットする工程と、
    カットされた保持力の異なる複数の永久磁石を当該永久磁石の磁化方向に直列となるように重ね合わせて一つの磁石を構成する工程と、を含み、
    前記所定の厚さは、前記磁石を構成する前記永久磁石それぞれの保持力を合成した等価保持力が所望の保持力となるようにそれぞれ調整される、
    ことを特徴とする磁石の製造方法。
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