JP2006042590A - 三相電動機の検出電流値補正装置及び補正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電流検出器の相対精度を高める補正を行うことにより、特別な装置を用いずに、三相電動機の電流検出値を補正する装置及び方法を提供する。
【解決手段】 三相の各相の電流を検出する電流検出器を有し、三相電動機の動作時に、前記三相のうちのある一相の電流のゼロクロス時における他の二相に設けられた前記電流検出器の検出値の相関関係に基いて相対的補正を行う検出電流値補正手段を備える。
【選択図】 図3
【解決手段】 三相の各相の電流を検出する電流検出器を有し、三相電動機の動作時に、前記三相のうちのある一相の電流のゼロクロス時における他の二相に設けられた前記電流検出器の検出値の相関関係に基いて相対的補正を行う検出電流値補正手段を備える。
【選択図】 図3
Description
本発明は、三相電動機を円滑に回転させるための電流検出器の検出電流値補正装置及び補正方法に関する。
従来の三相電動機の制御装置においては、各相の電流検出器の抵抗、増幅器等にバラツキがあるため、電流検出器の出力にそれぞれオフセット誤差やゲイン誤差が含まれており、これらの誤差のために電流設定値および実際に三相電動機に供給される電流値が一致せず、三相電流に不平衡が生じ、トルクリップルが発生する原因となっていた。このような問題を解決するため、1つの方法として以下のように電流検出値を補正する方法が開示されている(特許文献1)。
まず、三相電動機の各相(U、V、W)のうち1相を基準の相(U)とし、補正時には三相電動機のいずれの相にも電流が流れない状態で各相の電流検出器のオフセット誤差(Δu、Δv、Δw)をそれぞれ求める。次に、前記基準の相(U)および他の1相(V)にのみ所定の電流が流れるようにし、このときのU相およびV相の電流検出器の出力から前記他の1相(V)の電流検出器のゲイン誤差(ΔGv)を求める。また、前記基準の相(U)および別の他の1相(W)にのみ所定の電流が流れるようにし、このときのU相およびW相の電流検出器の出力から前記他の1相(W)の電流検出器のゲイン誤差(ΔGw)を求める。そして、三相電動機の運転時には、前記求めた各相の電流検出器のオフセット誤差(Δu、Δv、Δw)およびゲイン誤差(ΔGv、ΔGw)を用いて各相の電流検出器の検出値(Iu、Iv、Iw)をそれぞれ補正し、補正した電流検出器の検出値(Icu、Icv、Icw)に応じた電流を三相電動機に供給している。
図1は上記従来の補正方法を説明するための回路の概略図である。トランジスタTru1、Tru2、Trv1、Trv2、Trw1、Trw2はU、V、Wの各相に設けられインバータ回路を構成しており、直流電源V+の出力をスイッチングして得た可変電圧、可変デューティの出力により三相電動機Mを駆動する。Ru、Rv、Rwは各相の電流検出器を構成する抵抗であり、図1は基準の相(U)および他の1相(V)にのみ所定の電流iが流れるようにし、このときのU相およびV相の電流検出器の出力を求める場合を示している。
図2は電流検出器の電流検出値を補正するため、各相の電流検出値を求める別の構成を示した図であり、三相のうちU相の電流検出値を求める場合を示している。トランジスタTru1、Tru2はインバータ回路のU相に設けられたトランジスタであり、定電流源から所定の電流を流し、電流検出器を構成する抵抗Ruでこれを検出し、増幅器Ampで増幅してマイコンに出力し、ここでA/D変換し、変換された検出電流値に基いて補正を行う。
即ち、これらの従来技術においては、電流検出値の補正時に、ある任意の相にのみ所定の電流を流す等、特有の状態を発生させることにより補正を行っている。
即ち、これらの従来技術においては、電流検出値の補正時に、ある任意の相にのみ所定の電流を流す等、特有の状態を発生させることにより補正を行っている。
電流検出器は、抵抗、増幅器等より構成されるが、それぞれの素子にバラツキがあるため、同じ電流値であっても検出器で検出される電流値は異なってくる場合がある。
三相電動機の制御精度を上げるため、各相の電流検出器の出力に含まれているオフセット誤差等を検出し補正を行っているが、そのために電流の値を正確に検出する必要があり、そのための装置が必要となる。
三相電動機の制御精度を上げるため、各相の電流検出器の出力に含まれているオフセット誤差等を検出し補正を行っているが、そのために電流の値を正確に検出する必要があり、そのための装置が必要となる。
一方、三相電動機を円滑に回転駆動させるためには、ある時点で電動機の複数の相に同じ値の電流が流れている場合には、検出電流値も同じ値になるようにすればよく、各相(U、V、W)の電流の絶対精度ではなく相対精度を高めればよい。
従って、本発明は、電流検出器の相対精度を高める補正を行うことにより、特別な装置を用いずに、三相電動機の電流検出値を補正する方法を提供することを目的とするものである。
従って、本発明は、電流検出器の相対精度を高める補正を行うことにより、特別な装置を用いずに、三相電動機の電流検出値を補正する方法を提供することを目的とするものである。
本発明による三相電動機の検出電流値補正装置によれば、三相の各相の電流を検出する電流検出器を有し、三相電動機の動作時に、三相のうちのある一相の電流のゼロクロス時における他の二相に設けられた電流検出器の検出値の相関関係に基いて相対的補正を行う検出電流値補正手段を備える。
また、前記検出電流値補正手段は、前記一相の電流が立ち上がる場合のゼロクロス時及び立下がる場合のゼロクロス時における前記他の二相に設けられた前記電流検出器の検出値の相関関係に基いて相対的補正を行う。
また、前記検出電流補正手段は、前記一相の電流のゼロクロス時における前記他の二相に設けられた前記電流検出器の検出値を、前記三相電動機の電流が相対的に大、中、小であるときに検出する。
また、前記三相電動機の電流が0〔A〕の場合に、前記三相の各相の前記電流検出器の検出値を記憶する記憶手段をさらに備え、前記三相のうちのある一相の電流のゼロクロス時の判定は、前記三相のうちのある一相に設けられた前記電流検出器の検出値と前記記憶手段に記憶された該一相の検出値とが一致したことにより行う。
本発明による三相電動機の検出電流値補正方法によれば、三相の各相の電流を検出する電流検出器を有し、前記三相電動機の動作時に、前記三相のうちのある一相の電流のゼロクロス時における他の二相に設けられた前記電流検出器の検出値の相関関係に基いて相対的補正を行う。
また、三相電動機の動作時に、三相のうちある一相を基準相とし、他の二相のうち一相の電流値のゼロクロス時に、その他の一相の電流値を検出し、前記その他の一相の電流検出値を前記基準相の電流の検出値と等しくなるように補正する。
また、三相電動機の動作時に、三相のうちある一相を基準相とし、他の二相のうち一相の電流値のゼロクロス時に、その他の一相の電流値を検出し、前記その他の一相の電流検出値を前記基準相の電流の検出値と等しくなるように補正する。
本発明によれば、三相電動機の検出電流値を相対的に補正することにより、特別な装置を用いずに電流検出器のバラツキによる検出電流値を補正できるので、簡単に補正を行うことができる。
また、ある任意の相にのみ所定の電流を流す等、電流検出値を補正するための特有の状態を発生させる必要がない。そのため、例えば、電動パワーステアリング等の三相電動機を有した製品の出荷後においても、その製品が使用中であれば随時電流検出値の補正が可能となるため、製品の出荷前検査における補正工程をなくすことができる。
また、製品の使用状況・環境等によって生じる劣化によって各相の電流検出器の抵抗、増幅器等にさらなるバラツキが生じたとしても、その製品が使用中であれば随時電流検出値の補正が可能となるため、製品の出荷後もそのバラツキに応じた適切な電流検出値の補正が可能となる。
また、三相電動機を有した製品の使用中においては、多種の電流パターンが存在するため、その補正精度を向上させることができる。
図3は本発明による補正方法が適用される三相電動機用制御回路の構成の概要を示した図である。トランジスタTru1、Tru2、Trv1、Trv2、Trw1、Trw2はU、V、Wの各相に設けられインバータ回路を構成しており、直流電源V+の出力をスイッチングして得た可変電圧、可変デューティの出力により三相電動機Mを駆動する。なお、これらの駆動制御はマイコン1により制御されるインバータ駆動部3により行われる。Ru、Rv、Rwは各相の電流検出器を構成する抵抗であり、各相に流れる電流をこれら抵抗によって検出し、各相の増幅器Au、Av、Awで増幅してマイコン1に出力し、検出された電流値はここでA/D変換されて記憶装置2に記憶される。図3は、三相電動機で車両の操舵操作をアシストする電動パワーステアリング装置に適用した例を示しているので、トルクセンサ4から操舵トルク信号及び車速センサ5から車速信号がマイコン1に入力している。図4は回転子の構成の一例を示したもので、回転子位置検出センサ7により検出された回転子6の位置がマイコン1に送られる。
図5は本発明による第1の補正方法を説明するための三相交流の波形図である。図5は電動機の電流値のレベルが相対的に小の場合の波形を示している。図からわかるように、三相交流の波形では、1相の電流値が0の時には他の2相の電流の絶対値は同じとなる。例えば、W相の電流値が0のときのU相の電流の絶対値|ius(t1)|とV相の電流の絶対値|ivs(t1)|、およびU相の電流の絶対値|ius(t2)|とV相の電流の絶対値|ivs(t2)|は等しくなる。
|ius(t1)|=|ivs(t1)|
|ius(t2)|=|ivs(t2)|
なお、ius(t1)とivs(t1)は、W相の電流が立ち上がるときのゼロクロス時の電流値であり、ius(t2)とivs(t2)は、W相の電流が立ち下がるときのゼロクロス時の電流値である。U相およびV相の電流値がそれぞれ0の場合も、他の2相の電流の絶対値は同様に等しくなる。
また、後述する三相電動機の電流が0〔A〕のときにW相で検出され記憶された電流値の記憶値(DIw)とW相の検出電流値が一致した時がW相のゼロクロス時である。U相、V相の場合も、U相、V相の検出電流値が記憶値DIu、DIvと一致したときがU相、V相のゼロクロス時である。
|ius(t1)|=|ivs(t1)|
|ius(t2)|=|ivs(t2)|
なお、ius(t1)とivs(t1)は、W相の電流が立ち上がるときのゼロクロス時の電流値であり、ius(t2)とivs(t2)は、W相の電流が立ち下がるときのゼロクロス時の電流値である。U相およびV相の電流値がそれぞれ0の場合も、他の2相の電流の絶対値は同様に等しくなる。
また、後述する三相電動機の電流が0〔A〕のときにW相で検出され記憶された電流値の記憶値(DIw)とW相の検出電流値が一致した時がW相のゼロクロス時である。U相、V相の場合も、U相、V相の検出電流値が記憶値DIu、DIvと一致したときがU相、V相のゼロクロス時である。
図6は電動機の電流値のレベルが相対的に中の場合の波形を示している。図5の場合と同様、三相交流の波形では、1相の電流値が0の時には他の2相の電流の絶対値は同じとなる。W相の電流値が0のときのU相の電流の絶対値|ium(t1)|とV相の電流の絶対値|ivm(t1)|、およびU相の電流の絶対値|ium(t2)|とV相の電流の絶対値|ivm(t2)|は等しくなる。
|ium(t1)|=|ivm(t1)|
|ium(t2)|=|ivm(t2)|
なお、ium(t1)とivm(t1)は、W相の電流が立ち上がるときのゼロクロス時の電流値であり、ium(t2)とivm(t2)は、W相の電流が立ち下がるときのゼロクロス時の電流値である。
また、後述する三相電動機の電流が0〔A〕のときにW相で検出され記憶された電流値の記憶値(DIw)とW相の検出電流値が一致した時がW相のゼロクロス時である。U相、V相の場合も、U相、V相の検出電流値が記憶値DIu、DIvと一致したときがU相、V相のゼロクロス時である。
|ium(t1)|=|ivm(t1)|
|ium(t2)|=|ivm(t2)|
なお、ium(t1)とivm(t1)は、W相の電流が立ち上がるときのゼロクロス時の電流値であり、ium(t2)とivm(t2)は、W相の電流が立ち下がるときのゼロクロス時の電流値である。
また、後述する三相電動機の電流が0〔A〕のときにW相で検出され記憶された電流値の記憶値(DIw)とW相の検出電流値が一致した時がW相のゼロクロス時である。U相、V相の場合も、U相、V相の検出電流値が記憶値DIu、DIvと一致したときがU相、V相のゼロクロス時である。
図7は電動機の電流値のレベルが相対的に大の場合の波形を示している。図5の場合と同様、三相交流の波形では、1相の電流値が0の時には他の2相の電流の絶対値は同じとなる。W相の電流値が0のときのU相の電流の絶対値|iub(t1)|とV相の電流の絶対値|ivb(t1)|、およびU相の電流の絶対値|iub(t2)|とV相の電流の絶対値|ivb(t2)|は等しくなる。
|iub(t1)|=|ivb(t1)|
|iub(t2)|=|ivb(t2)|
なお、iub(t1)とivb(t1)は、W相の電流が立ち上がるときのゼロクロス時の電流値であり、iub(t2)とivb(t2)は、W相の電流が立ち下がるときのゼロクロス時の電流値である。
また、後述する三相電動機の電流が0〔A〕のときにW相で検出され記憶された電流値の記憶値(DIw)とW相の検出電流値が一致した時がW相のゼロクロス時である。U相、V相の場合も、U相、V相の検出電流値が記憶値DIu、DIvと一致したときがU相、V相のゼロクロス時である。
|iub(t1)|=|ivb(t1)|
|iub(t2)|=|ivb(t2)|
なお、iub(t1)とivb(t1)は、W相の電流が立ち上がるときのゼロクロス時の電流値であり、iub(t2)とivb(t2)は、W相の電流が立ち下がるときのゼロクロス時の電流値である。
また、後述する三相電動機の電流が0〔A〕のときにW相で検出され記憶された電流値の記憶値(DIw)とW相の検出電流値が一致した時がW相のゼロクロス時である。U相、V相の場合も、U相、V相の検出電流値が記憶値DIu、DIvと一致したときがU相、V相のゼロクロス時である。
〔実施例1〕
図8は本発明の第1の補正方法を説明するためのフローチャートである。このフローチャートにおいて行われている制御は、図3のマイコン1によって行われている。以下、図3を参照してフローチャートの説明をする。
〔電動機電流が0〔A〕のときの各相の電流検出器の検出電流値〕
(1)まず、電動機電流が0〔A〕のとき、即ち、電動機に通電していないときの各相の電流検出器の出力をオフセット誤差として求める。このときの電流値は電流検出器を構成する抵抗Ru、Rv、Rwを介して検出され、各相の増幅器(Amp)Au、Av、Awで増幅された検出電流値Iu、Iv、Iwをマイコン1に出力する。マイコン1で検出電流値Iu、Iv、IwをA/D変換し、各相の電流検出器のオフセット誤差を示すディジタル信号DIu、DIv、DIwを取得する。そして、取得したディジタル信号DIu、DIv、DIwを記憶装置2に保存する(S1)。記憶装置は、例えばEE−PROMで構成される。
図8は本発明の第1の補正方法を説明するためのフローチャートである。このフローチャートにおいて行われている制御は、図3のマイコン1によって行われている。以下、図3を参照してフローチャートの説明をする。
〔電動機電流が0〔A〕のときの各相の電流検出器の検出電流値〕
(1)まず、電動機電流が0〔A〕のとき、即ち、電動機に通電していないときの各相の電流検出器の出力をオフセット誤差として求める。このときの電流値は電流検出器を構成する抵抗Ru、Rv、Rwを介して検出され、各相の増幅器(Amp)Au、Av、Awで増幅された検出電流値Iu、Iv、Iwをマイコン1に出力する。マイコン1で検出電流値Iu、Iv、IwをA/D変換し、各相の電流検出器のオフセット誤差を示すディジタル信号DIu、DIv、DIwを取得する。そして、取得したディジタル信号DIu、DIv、DIwを記憶装置2に保存する(S1)。記憶装置は、例えばEE−PROMで構成される。
〔W相の電流がゼロクロス時のU相及びV相の電流検出器の検出電流値〕
(2)次に、電動機を駆動し、図5に示すように電流値のレベルが相対的に小のときにおいて、W相の電流がゼロクロス時のU相の電流検出器の検出電流値Ius(t1)、Ius(t2)、およびV相の電流検出器の検出電流値Ivs(t1)、Ivs(t2)をマイコン1に出力する。マイコン1で検出電流値Ius(t1)、Ius(t2)、Ivs(t1)、Ivs(t2)をA/D変換し、ディジタル信号値DIus(t1)、DIus(t2)、DIvs(t1)、DIvs(t2)を取得し、記憶装置に保存する。
(2)次に、電動機を駆動し、図5に示すように電流値のレベルが相対的に小のときにおいて、W相の電流がゼロクロス時のU相の電流検出器の検出電流値Ius(t1)、Ius(t2)、およびV相の電流検出器の検出電流値Ivs(t1)、Ivs(t2)をマイコン1に出力する。マイコン1で検出電流値Ius(t1)、Ius(t2)、Ivs(t1)、Ivs(t2)をA/D変換し、ディジタル信号値DIus(t1)、DIus(t2)、DIvs(t1)、DIvs(t2)を取得し、記憶装置に保存する。
同様に、図6に示すように電流値のレベルが相対的に中のときのディジタル信号値DIum(t1)、DIum(t2)、DIvm(t1)、DIvm(t2)を取得し、記憶装置に保存する。
さらに、図7に示すように電流値のレベルが相対的に大のときのディジタル信号値DIub(t1)、DIub(t2)、DIvb(t1)、DIvb(t2)を取得し、記憶装置に保存する(S2)。
(3)次に、取得した上記検出電流値の相関関係を求める。具体的には図9に示すように、横軸が電動機の実際の電流値であり、縦軸が検出器によって検出された電流値である座標に、上記検出された電流値をA/D変換したディジタル信号値の絶対値をプロットする。
さらに、図7に示すように電流値のレベルが相対的に大のときのディジタル信号値DIub(t1)、DIub(t2)、DIvb(t1)、DIvb(t2)を取得し、記憶装置に保存する(S2)。
(3)次に、取得した上記検出電流値の相関関係を求める。具体的には図9に示すように、横軸が電動機の実際の電流値であり、縦軸が検出器によって検出された電流値である座標に、上記検出された電流値をA/D変換したディジタル信号値の絶対値をプロットする。
図9に示すように、電動機の実際の電流値のレベルが0〔A〕、及び予め取得した小、中、大のときのU相およびV相の検出電流のディジタル信号値の絶対値をそれぞれプロットする。なお、横軸の電動機の実際の電流値は当該電動機において相対的に大、中、小の値を選択すればよく、具体的に正確な値を選択する必要はない。
次に、プロットしたU相の検出電流の絶対値の分布から、該分布に沿った直線(DIu=Au・i+Bu)を求め(BuはU相が0〔A〕の時の検出値)、同様に、プロットしたV相の検出電流の絶対値の分布から、該分布に沿った直線(DIv=Av・i+Bv)を求める(BvはV相が0〔A〕の時の検出値)。
上記2式より「i」を消去することにより、以下の式が導かれる。
DIu=(Au/Av)DIv+Bu−(Au/Av)BV または
DIv=(Av/Au)DIu+Bv−(Av/Au)Bu
上記式は、U相の検出電流とV相の検出電流の相関関係を表している(S3)。
DIu=(Au/Av)DIv+Bu−(Au/Av)BV または
DIv=(Av/Au)DIu+Bv−(Av/Au)Bu
上記式は、U相の検出電流とV相の検出電流の相関関係を表している(S3)。
なお、プロットした検出電流値の分布が直線とならず、例えば、二次曲線となった場合には、U相の検出電流に係る二次曲線とV相の検出電流に係る二次曲線との相関関係を求める。以下に記載するU相、V相の電流がゼロクロス時の場合も同様である。
〔U相の電流がゼロクロス時のV相及びW相の電流検出器の検出電流値〕
(4)同様に、電動機を駆動し、図5に示すように電流値のレベルが相対的に小のときにおいて、U相の電流がゼロクロス時のV相の電流検出器の検出電流値Ivs(t1)、Ivs(t2)、およびW相の電流検出器の検出電流値Iws(t1)、Iws(t2))をマイコン1に出力する。マイコン1で検出電流値Ivs(t1)、Ivs(t2)、Iws(t1)、Iws(t2)をA/D変換し、ディジタル信号値DIvs(t1)、DIvs(t2)、DIws(t1)、DIws(t2)を取得し、記憶装置に保存する。
(4)同様に、電動機を駆動し、図5に示すように電流値のレベルが相対的に小のときにおいて、U相の電流がゼロクロス時のV相の電流検出器の検出電流値Ivs(t1)、Ivs(t2)、およびW相の電流検出器の検出電流値Iws(t1)、Iws(t2))をマイコン1に出力する。マイコン1で検出電流値Ivs(t1)、Ivs(t2)、Iws(t1)、Iws(t2)をA/D変換し、ディジタル信号値DIvs(t1)、DIvs(t2)、DIws(t1)、DIws(t2)を取得し、記憶装置に保存する。
同様に、図6に示すように電流値のレベルが相対的に中のときのディジタル信号値DIvm(t1)、DIvm(t2)、DIwm(t1)、DIwm(t2)を取得し、記憶装置に保存する。
さらに、図7に示すように電流値のレベルが相対的に大のときのディジタル信号値DIvb(t1)、DIvb(t2)、DIwb(t1)、DIwb(t2)を取得し、記憶装置に保存する(S4)。
さらに、図7に示すように電流値のレベルが相対的に大のときのディジタル信号値DIvb(t1)、DIvb(t2)、DIwb(t1)、DIwb(t2)を取得し、記憶装置に保存する(S4)。
(5)次に、取得した上記検出電流値の相関関係を求める。具体的には図10に示すように、横軸が電動機の実際の電流値であり、縦軸が検出器によって検出された電流値である座標に、上記検出された電流値をA/D変換したディジタル信号値の絶対値をプロットする。
図10に示すように、電動機の実際の電流値のレベルが0〔A〕、及び予め取得した小、中、大のときのV相およびW相の検出電流のディジタル信号値の絶対値をそれぞれプロットする。なお、横軸の電動機の実際の電流値は当該電動機において相対的に大、中、小の値を選択すればよく、具体的に正確な値を選択する必要はない。
次に、プロットしたV相の検出電流の絶対値の分布から、該分布に沿った直線(DIv=Av・i+Bv)を求め(BvはV相が0〔A〕の時の検出値)、同様に、プロットしたW相の検出電流の絶対値の分布から、該分布に沿った直線(DIw=Aw・i+Bw)を求める(BwはW相が0〔A〕の時の検出値)。
上記2式より「i」を消去することにより、以下の式が導かれる。
DIv=(Av/Aw)DIw+Bv−(Av/Aw)Bw または
DIw=(Aw/Av)DIv+Bw−(Aw/Av)Bv
上記式は、V相の検出電流とW相の検出電流の相関関係を表している(S5)。
DIv=(Av/Aw)DIw+Bv−(Av/Aw)Bw または
DIw=(Aw/Av)DIv+Bw−(Aw/Av)Bv
上記式は、V相の検出電流とW相の検出電流の相関関係を表している(S5)。
〔V相の電流がゼロクロス時のW相及びU相の電流検出器の検出電流値〕
(6)同様に、電動機を駆動し、図5に示すように電流値のレベルが相対的に小のときにおいて、V相の電流がゼロクロス時のW相の電流検出器の検出電流値Iws(t1)、Iws(t2)、およびU相の電流検出器の検出電流値Ius(t1)、Ius(t2))をマイコン1に出力する。マイコン1で検出電流値値Iws(t1)、Iws(t2)、Ius(t1)、Ius(t2)をA/D変換し、ディジタル信号値DIws(t1)、DIws(t2)、DIus(t1)、DIus(t2)を取得し、記憶装置に保存する。
(6)同様に、電動機を駆動し、図5に示すように電流値のレベルが相対的に小のときにおいて、V相の電流がゼロクロス時のW相の電流検出器の検出電流値Iws(t1)、Iws(t2)、およびU相の電流検出器の検出電流値Ius(t1)、Ius(t2))をマイコン1に出力する。マイコン1で検出電流値値Iws(t1)、Iws(t2)、Ius(t1)、Ius(t2)をA/D変換し、ディジタル信号値DIws(t1)、DIws(t2)、DIus(t1)、DIus(t2)を取得し、記憶装置に保存する。
同様に、図6に示すように電流値のレベルが相対的に中のときのディジタル信号値DIwm(t1)、DIwm(t2)、DIum(t1)、DIum(t2)を取得し、記憶装置に保存する。
さらに、図7に示すように電流値のレベルが相対的に大のときのディジタル信号値DIwb(t1)、DIwb(t2)、DIub(t1)、DIub(t2)を取得し、記憶装置に保存する(S6)。
さらに、図7に示すように電流値のレベルが相対的に大のときのディジタル信号値DIwb(t1)、DIwb(t2)、DIub(t1)、DIub(t2)を取得し、記憶装置に保存する(S6)。
(7)次に、取得した上記検出電流値の関係を求める。具体的には図11に示すように、横軸が電動機の実際の電流値であり、縦軸が検出器によって検出された電流値である座標に、上記検出された電流値をA/D変換したディジタル信号値の絶対値をプロットする。
図11に示すように、電動機の実際の電流値のレベルが0〔A〕、及び予め取得した小、中、大のときのW相およびU相の検出電流のディジタル信号値の絶対値をそれぞれプロットする。なお、横軸の電動機の実際の電流値は当該電動機において相対的に大、中、小の値を選択すればよく、具体的に正確な値を選択する必要はない。
図11に示すように、電動機の実際の電流値のレベルが0〔A〕、及び予め取得した小、中、大のときのW相およびU相の検出電流のディジタル信号値の絶対値をそれぞれプロットする。なお、横軸の電動機の実際の電流値は当該電動機において相対的に大、中、小の値を選択すればよく、具体的に正確な値を選択する必要はない。
次に、プロットしたW相の検出電流の絶対値の分布から、該分布に沿った直線(DIw=Aw・i+Bw)を求め(BwはW相が0〔A〕の時の検出値)、同様に、プロットしたW相の検出電流の絶対値の分布から、該分布に沿った直線(DIu=Au・i+Bu)を求める(BuはU相が0〔A〕の時の検出値)。
上記2式より「i」を消去することにより、以下の式が導かれる。
DIw=(Aw/Au)DIu+Bw−(Aw/Au)Bu または
DIu=(Au/Aw)DIw+Bu−(Au/Aw)Bw
上記式は、W相の検出電流とU相の検出電流の相関関係を表している(S7)。
DIw=(Aw/Au)DIu+Bw−(Aw/Au)Bu または
DIu=(Au/Aw)DIw+Bu−(Au/Aw)Bw
上記式は、W相の検出電流とU相の検出電流の相関関係を表している(S7)。
〔各相間の相関関係に基き補正を行う〕
(8)上記(S3)、(S5)、(S7)で求めた相関関係の式を用いて以下のように変換することができる。
(1)V相とW相をU相の値に変換する場合には以下の式を用いることができる。
DIv(u)=(Au/Av)DIv+Bu−(Au/Av)Bv
DIw(u)=(Au/Aw)DIw+Bu−(Au/Aw)Bw
(2)U相とW相をV相の値に変換する場合には以下の式を用いることができる。
DIu(v)=(Av/Au)DIu+Bv−(Av/Au)Bu
DIw(v)=(Av/Aw)DIw+Bv−(Av/Aw)Bw
(3)U相とV相をW相の値に変換する場合には以下の式を用いることができる。
DIu(w)=(Aw/Au)DIu+Bw−(Aw/Au)Bu
DIv(w)=(Aw/Av)DIv+Bw−(Aw/Av)Bv
(8)上記(S3)、(S5)、(S7)で求めた相関関係の式を用いて以下のように変換することができる。
(1)V相とW相をU相の値に変換する場合には以下の式を用いることができる。
DIv(u)=(Au/Av)DIv+Bu−(Au/Av)Bv
DIw(u)=(Au/Aw)DIw+Bu−(Au/Aw)Bw
(2)U相とW相をV相の値に変換する場合には以下の式を用いることができる。
DIu(v)=(Av/Au)DIu+Bv−(Av/Au)Bu
DIw(v)=(Av/Aw)DIw+Bv−(Av/Aw)Bw
(3)U相とV相をW相の値に変換する場合には以下の式を用いることができる。
DIu(w)=(Aw/Au)DIu+Bw−(Aw/Au)Bu
DIv(w)=(Aw/Av)DIv+Bw−(Aw/Av)Bv
〔実施例2〕
本発明の第2の補正方法は、三相のうちのある一相を基準相とし、他の二相のうち、一相の電流値のゼロクロス時に、その他の一相の電流の検出値が基準相の電流の検出値と等しくなるよう補正するものである。さらに、当該他の二相のうち、別の一相の電流値のゼロクロス時に、一方の相の電流検出値が基準相の電流検出値と等しくなるよう補正するものである。これにより、二つの相の電流検出値が基準相の電流検出値と等しくなるよう補正でき、オフセット誤差を解消することができる。
なお、本実施例においては、U相を基準とした実施例を示すが、その他の相を基準相としても同様の検出電流値の補正を行うことができる。
本発明の第2の補正方法は、三相のうちのある一相を基準相とし、他の二相のうち、一相の電流値のゼロクロス時に、その他の一相の電流の検出値が基準相の電流の検出値と等しくなるよう補正するものである。さらに、当該他の二相のうち、別の一相の電流値のゼロクロス時に、一方の相の電流検出値が基準相の電流検出値と等しくなるよう補正するものである。これにより、二つの相の電流検出値が基準相の電流検出値と等しくなるよう補正でき、オフセット誤差を解消することができる。
なお、本実施例においては、U相を基準とした実施例を示すが、その他の相を基準相としても同様の検出電流値の補正を行うことができる。
図12は本発明の第2の補正方法を説明するためのフローチャートである。このフローチャートにおける制御は、図3のマイコン1によって行われている。以下、図3を参照してフローチャートの説明をする。
まず、電動機電流が0〔A〕のときの各相の電流検出器の検出電流値を取得する(S11)。
電動機電流が0〔A〕のとき、即ち、電動機に通電していないときの各相の電流検出器の出力をオフセット誤差として求める。このときの電流値は電流検出器を構成する抵抗Ru、Rv、Rwを介して検出され、各相の増幅器(Amp)Au、Av、Awで増幅された検出電流値Iu、Iv、Iwをマイコン1に出力する。マイコン1で検出電流値Iu、Iv、IwをA/D変換し、ディジタル信号DIu、DIv、DIwを取得する。そして、取得したディジタル信号DIu、DIv、DIwを各相の電流検出器のオフセット誤差を示すBu、Bv、Bwとして記憶装置2に保存する。記憶装置は、例えばEE−PROMで構成される。
まず、電動機電流が0〔A〕のときの各相の電流検出器の検出電流値を取得する(S11)。
電動機電流が0〔A〕のとき、即ち、電動機に通電していないときの各相の電流検出器の出力をオフセット誤差として求める。このときの電流値は電流検出器を構成する抵抗Ru、Rv、Rwを介して検出され、各相の増幅器(Amp)Au、Av、Awで増幅された検出電流値Iu、Iv、Iwをマイコン1に出力する。マイコン1で検出電流値Iu、Iv、IwをA/D変換し、ディジタル信号DIu、DIv、DIwを取得する。そして、取得したディジタル信号DIu、DIv、DIwを各相の電流検出器のオフセット誤差を示すBu、Bv、Bwとして記憶装置2に保存する。記憶装置は、例えばEE−PROMで構成される。
次に、W相の電流がゼロクロス時のU相及びV相の電流検出器の検出電流値を取得する(S12)。
電動機を駆動し、図5に示すように電流値のレベルが相対的に小のときにおいて、W相の電流がゼロクロス時のU相の電流検出器の検出電流値Ius(t1)、Ius(t2)、およびV相の電流検出器の検出電流値Ivs(t1)、Ivs(t2)をマイコン1に出力する。マイコン1で検出電流値Ius(t1)、Ius(t2)、Ivs(t1)、Ivs(t2)をA/D変換し、ディジタル信号値DIus(t1)、DIus(t2)、DIvs(t1)、DIvs(t2)を取得し、記憶装置に保存する。
同様に、図6に示すように電流値のレベルが相対的に中のときのディジタル信号値DIum(t1)、DIum(t2)、DIvm(t1)、DIvm(t2)を取得し、記憶装置に保存する。
さらに、図7に示すように電流値のベレルが相対的に大のときのディジタル信号値DIub(t1)、DIub(t2)、DIvb(t1)、DIvb(t2)を取得し、記憶装置に保存する。
電動機を駆動し、図5に示すように電流値のレベルが相対的に小のときにおいて、W相の電流がゼロクロス時のU相の電流検出器の検出電流値Ius(t1)、Ius(t2)、およびV相の電流検出器の検出電流値Ivs(t1)、Ivs(t2)をマイコン1に出力する。マイコン1で検出電流値Ius(t1)、Ius(t2)、Ivs(t1)、Ivs(t2)をA/D変換し、ディジタル信号値DIus(t1)、DIus(t2)、DIvs(t1)、DIvs(t2)を取得し、記憶装置に保存する。
同様に、図6に示すように電流値のレベルが相対的に中のときのディジタル信号値DIum(t1)、DIum(t2)、DIvm(t1)、DIvm(t2)を取得し、記憶装置に保存する。
さらに、図7に示すように電流値のベレルが相対的に大のときのディジタル信号値DIub(t1)、DIub(t2)、DIvb(t1)、DIvb(t2)を取得し、記憶装置に保存する。
そして、取得した上記検出電流値の相関関係を求める(S13)。具体的には図9に示すように、横軸が電動機の実際の電流値であり、縦軸が検出器によって検出された電流値である座標に、上記検出された電流値をA/D変換したディジタル信号値の絶対値をプロットする。
図9に示すように、電動機の実際の電流値のレベルが0〔A〕、及び予め取得した小、中、大のときのU相およびV相の検出電流のディジタル信号値の絶対値をそれぞれプロットする。なお、横軸の電動機の実際の電流値は当該電動機において相対的に大、中、小の値を選択すればよく、具体的に正確な値を選択する必要はない。
次に、プロットしたU相の検出電流の絶対値の分布から、該分布に沿った直線
DIu=Au・i+Bu・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
を求める。ここで、BuはU相が0〔A〕の時のU相の検出値でありオフセット誤差に相当する値である。同様に、プロットしたV相の検出電流の絶対値の分布から、該分布に沿った直線
DIv=Av・i+Bv・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
を求める。ここで、BvはV相が0〔A〕の時のV相の検出値でありオフセット誤差に相当する値である。
DIu=Au・i+Bu・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
を求める。ここで、BuはU相が0〔A〕の時のU相の検出値でありオフセット誤差に相当する値である。同様に、プロットしたV相の検出電流の絶対値の分布から、該分布に沿った直線
DIv=Av・i+Bv・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
を求める。ここで、BvはV相が0〔A〕の時のV相の検出値でありオフセット誤差に相当する値である。
上記(1)(2)式より、U相の(1)式から「i」を消去すると、
DIu=(Au/Av)DIv+Bu−(Au/Av)Bv・・・・・・・・・(3)
が導かれ、これをU相の値を基準に補正されたV相電流の式として表すと、
DIv(u)=(Au/Av)DIv+Bu−(Au/Av)Bv ・・・・・・・(4)
となる。
(4)式のDIvに電流検出器により検出されたV相の電流値を代入することにより、V相の検出値を基準相のU相の検出電流値と同値に補正することができる。
これにより、U相とV相において、両相の直線の隔たり、つまりオフセット誤差が解消される。
DIu=(Au/Av)DIv+Bu−(Au/Av)Bv・・・・・・・・・(3)
が導かれ、これをU相の値を基準に補正されたV相電流の式として表すと、
DIv(u)=(Au/Av)DIv+Bu−(Au/Av)Bv ・・・・・・・(4)
となる。
(4)式のDIvに電流検出器により検出されたV相の電流値を代入することにより、V相の検出値を基準相のU相の検出電流値と同値に補正することができる。
これにより、U相とV相において、両相の直線の隔たり、つまりオフセット誤差が解消される。
次に、V相の電流がゼロクロス時のU相及びW相の電流検出器の検出電流値を取得する(S14)。
電動機を駆動し、図5に示すように電流値のレベルが相対的に小のときにおいて、V相の電流がゼロクロス時のU相の電流検出器の検出電流値Ius(t1)、Ius(t2)、およびW相の電流検出器の検出電流値Iws(t1)、Iws(t2)をマイコン1に出力する。マイコン1で検出電流値Ius(t1)、Ius(t2)、Iws(t1)、Iws(t2)をA/D変換し、ディジタル信号値DIus(t1)、DIus(t2)、DIws(t1)、DIws(t2)を取得し、記憶装置に保存する。
同様に、図6に示すように電流値のレベルが相対的に中のときのディジタル信号値DIum(t1)、DIum(t2)、DIwm(t1)、DIwm(t2)を取得し、記憶装置に保存する。
さらに、図7に示すように電流値のレベルが相対的に大のときのディジタル信号値DIub(t1)、DIub(t2)、DIwb(t1)、DIwb(t2)を取得し、記憶装置に保存する。
電動機を駆動し、図5に示すように電流値のレベルが相対的に小のときにおいて、V相の電流がゼロクロス時のU相の電流検出器の検出電流値Ius(t1)、Ius(t2)、およびW相の電流検出器の検出電流値Iws(t1)、Iws(t2)をマイコン1に出力する。マイコン1で検出電流値Ius(t1)、Ius(t2)、Iws(t1)、Iws(t2)をA/D変換し、ディジタル信号値DIus(t1)、DIus(t2)、DIws(t1)、DIws(t2)を取得し、記憶装置に保存する。
同様に、図6に示すように電流値のレベルが相対的に中のときのディジタル信号値DIum(t1)、DIum(t2)、DIwm(t1)、DIwm(t2)を取得し、記憶装置に保存する。
さらに、図7に示すように電流値のレベルが相対的に大のときのディジタル信号値DIub(t1)、DIub(t2)、DIwb(t1)、DIwb(t2)を取得し、記憶装置に保存する。
そして、取得した上記検出電流値の相関関係を求める(S15)。具体的には図11に示すように、横軸が電動機の実際の電流値であり、縦軸が検出器によって検出された電流値である座標に、上記検出された電流値をA/D変換したディジタル信号値の絶対値をプロットする。
図11に示すように、電動機の実際の電流値のレベルが0〔A〕、及び予め取得した小、中、大のときのU相およびW相の検出電流のディジタル信号値の絶対値をそれぞれプロットする。なお、横軸の電動機の実際の電流値は当該電動機において相対的に大、中、小の値を選択すればよく、具体的に正確な値を選択する必要はない。
次に、プロットしたU相の検出電流の絶対値の分布から、該分布に沿った直線
DIu=Au・i+Bu・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
を求め、同様に、プロットしたW相の検出電流の絶対値の分布から、該分布に沿った直線
DIw=Aw・i+Bw・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
を求める。ここで、BwはW相が0〔A〕の時のW相の検出値でありオフセット誤差に相当する値である。
DIu=Au・i+Bu・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
を求め、同様に、プロットしたW相の検出電流の絶対値の分布から、該分布に沿った直線
DIw=Aw・i+Bw・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
を求める。ここで、BwはW相が0〔A〕の時のW相の検出値でありオフセット誤差に相当する値である。
上記(1)(5)式より、U相の(1)式から「i」を消去すると、
DIu=(Au/Aw)DIw+Bu−(Au/Aw)Bw・・・・・・・・・(6)
が導かれ、これをU相の値を基準に補正されたW相電流の式として表すと、
DIw(u)=(Au/Aw)DIw+Bu−(Au/Aw)Bw ・・・・・・・(7)
となる。
(7)式のDIwに電流検出器により検出されたW相の電流値を代入することにより、W相の検出値を基準相のU相の検出電流値と同値に補正することができる。
これにより、U相とW相において、両相の直線の隔たり、つまりオフセット誤差が解消される。
DIu=(Au/Aw)DIw+Bu−(Au/Aw)Bw・・・・・・・・・(6)
が導かれ、これをU相の値を基準に補正されたW相電流の式として表すと、
DIw(u)=(Au/Aw)DIw+Bu−(Au/Aw)Bw ・・・・・・・(7)
となる。
(7)式のDIwに電流検出器により検出されたW相の電流値を代入することにより、W相の検出値を基準相のU相の検出電流値と同値に補正することができる。
これにより、U相とW相において、両相の直線の隔たり、つまりオフセット誤差が解消される。
そして、上記(1)式、(4)式、(7)式により取得した検出電流値を用いて電動機制御を行う(S16)。
電動機の実際の電流値がある値、例えば、小レベルのある値の電流値(is)であった場合、3相のうちの1相の電流がゼロクロス時の他の二相の検出された電流の絶対値は等しくなけらばならない。しかしながら、検出器のバラツキのために図9、図10、図11に示されているように必ずしも等しくならない場合がある。
本発明では、上記式に基き検出された電流値を補正し、補正された他の二相の電流値の絶対値が等しくなるように制御すれば、電流検出値の相対精度を高めることができる。
本発明では、上記式に基き検出された電流値を補正し、補正された他の二相の電流値の絶対値が等しくなるように制御すれば、電流検出値の相対精度を高めることができる。
なお、本発明は三相電動機を有する装置であれば適用可能である。好適には三相電動機で車両の操舵操作をアシストする電動パワーステアリング装置に適用することにより、トルクリップルの無いスムーズな操舵操作をユーザに提供することができる。
1 マイコン
2 記憶装置
3 インバータ駆動部
4 トルクセンサ
5 車速センサ
6 回転子
7 回転子位置検出センサ
M 電動機
Tru1、Tru2、Trv1、Trv2、Trw1、Trw2 インバータ回路を構成するトランジスタ
Ru、Rv、Rw 電流検出用抵抗
Amp 増幅器
2 記憶装置
3 インバータ駆動部
4 トルクセンサ
5 車速センサ
6 回転子
7 回転子位置検出センサ
M 電動機
Tru1、Tru2、Trv1、Trv2、Trw1、Trw2 インバータ回路を構成するトランジスタ
Ru、Rv、Rw 電流検出用抵抗
Amp 増幅器
Claims (8)
- 三相の各相の電流を検出する電流検出器を有した三相電動機の検出電流値補正装置であって、
前記三相電動機の動作時に、前記三相のうちのある一相の電流のゼロクロス時における他の二相に設けられた前記電流検出器の検出値の相関関係に基いて相対的補正を行う検出電流値補正手段を備えることを特徴とする検出電流値補正装置。 - 前記検出電流値補正手段は、前記一相の電流が立ち上がる場合のゼロクロス時及び又は立下がる場合のゼロクロス時における前記他の二相に設けられた前記電流検出器の検出値の相関関係に基いて相対的補正を行うことを特徴とする、請求項1に記載の検出電流値補正装置。
- 前記検出電流補正手段は、前記一相の電流のゼロクロス時における前記他の二相に設けられた前記電流検出器の検出値を、前記三相電動機の電流が相対的に大、中、小であるときに検出することを特徴とする、請求項1に記載の検出電流値補正装置。
- 前記三相電動機の電流が0〔A〕の場合に、前記三相の各相の前記電流検出器の検出値を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記三相のうちのある一相の電流のゼロクロス時の判定は、前記三相のうちのある一相に設けられた前記電流検出器の検出値と前記記憶手段に記憶された該一相の検出値とが一致したことにより行うことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の検出電流値補正装置。 - 三相の各相の電流を検出する電流検出器を有した三相電動機の検出電流値補正方法であって、
前記三相電動機の動作時に、前記三相のうちのある一相の電流のゼロクロス時における他の二相に設けられた前記電流検出器の検出値の相関関係に基いて相対的補正を行うことを特徴とする、検出電流値補正方法。 - 三相の各相の電流を検出する電流検出器を有した三相電動機の電流値補正を行う電動パワーステアリング制御装置であって、
前記三相電動機の動作時に、前記三相のうちのある一相の電流のゼロクロス時における他の二相に設けられた前記電流検出器の検出値の相関関係に基いて、前記他の二相の電流値の相対的補正を行う電流値補正手段を備えることを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。 - 三相の各相の電流を検出する電流検出器を有した三相電動機の制御装置であって、前記三相電動機の動作時に、三相のうちのある一相を基準相とし、
他の二相のうち、一相の電流値のゼロクロス時に、その他の一相の電流値を検出する電流値検出手段と、
前記その他の一相の電流の検出値を前記基準相の電流の検出値と等しくなるよう補正する検出電流値補正手段と、
を備えたことを特徴とする三相電動機の制御装置。 - 三相の各相の電流を検出する電流検出器を有した三相電動機の検出電流値補正方法であって、
前記三相電動機の動作時に、三相のうちのある一相を基準相とし、
他の二相のうち一相の電流値のゼロクロス時に、その他の一相の電流値を検出し、
前記その他の一相の電流の検出値を前記基準相の電流の検出値と等しくなるように補正する、
検出電流値補正方法。
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- 2005-06-20 JP JP2005179300A patent/JP2006042590A/ja active Pending
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