[go: up one dir, main page]

JP2006032788A - 露光装置及び半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

露光装置及び半導体デバイスの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006032788A
JP2006032788A JP2004211961A JP2004211961A JP2006032788A JP 2006032788 A JP2006032788 A JP 2006032788A JP 2004211961 A JP2004211961 A JP 2004211961A JP 2004211961 A JP2004211961 A JP 2004211961A JP 2006032788 A JP2006032788 A JP 2006032788A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
surface plate
stage device
stage
exposure apparatus
counter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004211961A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006032788A5 (ja
Inventor
Takehiko Mayama
武彦 間山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2004211961A priority Critical patent/JP2006032788A/ja
Priority to EP05015330A priority patent/EP1619407A1/en
Priority to US11/182,010 priority patent/US20060017908A1/en
Priority to KR1020050065740A priority patent/KR100662662B1/ko
Publication of JP2006032788A publication Critical patent/JP2006032788A/ja
Publication of JP2006032788A5 publication Critical patent/JP2006032788A5/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/02Suppression of vibrations of non-rotating, e.g. reciprocating systems; Suppression of vibrations of rotating systems by use of members not moving with the rotating systems
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F7/00Vibration-dampers; Shock-absorbers
    • F16F7/10Vibration-dampers; Shock-absorbers using inertia effect
    • F16F7/1005Vibration-dampers; Shock-absorbers using inertia effect characterised by active control of the mass
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70691Handling of masks or workpieces
    • G03F7/70716Stages
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70691Handling of masks or workpieces
    • G03F7/70758Drive means, e.g. actuators, motors for long- or short-stroke modules or fine or coarse driving
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70691Handling of masks or workpieces
    • G03F7/70766Reaction force control means, e.g. countermass

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

【課題】 カウンタマスシステムでも十分に相殺しきれない、ステージ装置の駆動反力によるステージ装置を搭載する定盤への影響を低減し、定盤の振動を低減・抑制する装置及び方法を提供すること。
【解決手段】 露光装置は、定盤1(1a、1b)と、定盤1(1a、1b)に搭載されて所定方向(矢印a)に移動するステージ装置51と、定盤定盤1(1a、1b)に搭載されてステージ装置51の移動に伴って前記所定方向とは逆方向(矢印Aa、Ab)に移動するカウンタマス52a、52bと、ステージ装置51及びカウンタマス52a、52bの各々の動作物理量を検出するセンサ61(61a、61b)、62、63、64a、64b、65a、65b、66a、66bと、センサ61(61a、61b)、62、63、64a、64b、65a、65b、66a、66bによる検出結果に基づいて定盤1(1a、1b)に制御力を与えるアクチュエータ11(11a〜11h)と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、露光装置及びこれを利用した半導体デバイスの製造方法に関し、特に、ステージ装置の駆動によって生じる振動を効果的に抑制する機構を有する露光装置及びこれを利用した半導体デバイスの製造方法に関する。
半導体露光装置の高精度化に伴って、より高性能な除振・制振技術が求められている。露光用ステージや露光装置本体を構成する構造体に振動が発生すると、露光に悪影響が及ぼされるからである。そのため、装置設置基礎等の露光装置外部の振動から露光装置本体を絶縁するとともに、露光装置本体に搭載されたステージ装置等の駆動手段を備える機器の動作によって発生する振動を効果的かつ速やかに低減する技術が要求される。
半導体露光装置は、パターンの原版であるレチクル又はパターンが露光されるシリコンウエハ等の基板を搭載するステージ装置を、ステップ・アンド・リピート又はステップ・アンド・スキャンという断続的な動作パターンで駆動する。このような動作パターンによって、ステージ装置の駆動時に反力が生じる。従って、この反力によって露光装置本体に振動が励起されないようにする必要がある。露光装置本体に振動が発生すると、ステージ装置及びステージ装置と同じ定盤・除振台の上に搭載されている光学系及び計測系の性能にも悪影響が及ぼされるからである。
このような要求に応えるべく、半導体露光装置では、露光装置本体を搭載する定盤の振動及び位置情報をセンサで検出し、その検出信号を補償して定盤に制御力を加えるアクチュエータにフィードバックするとともに、除振台に搭載されたステージ装置等の駆動手段を備える機器からの信号を補償してこのアクチュエータにフィードフォワードすることによって、能動的に定盤・除振台の振動を抑えて位置・姿勢の制御を行う能動除振装置が開発され、広く適用されている。
特許文献1は、このような能動除振装置及びこれを半導体露光装置に適用した一例を開示している。特許文献1では、除振台を装置設置基礎上で支持する空気ばねをエアアクチュエータとして利用するとともに、これと力学的に並列に配置されて除振台と装置設置基礎との間に制御力を作用させる電磁駆動式リニアモータを併用して、除振台の振動を低減・抑制するように構成された能動除振装置及びこれを利用した半導体露光装置が開示されている。
この露光装置では、センサを用いて除振台の位置情報(変位)及び加速度情報等を検出し、それに補償演算を施して得られた信号、並びに除振台に搭載されたステージ装置等の駆動手段を持つ機器からの信号を補償して得られた信号等に基づいて、各アクチュエータを制御する。
特に、駆動装置を有するステージ装置を搭載する定盤を載置した能動除振装置では、特許文献1及び特許文献2で開示された露光装置のように、定盤上に搭載されたステージ装置の駆動反力に相当する信号を、能動除振装置の定盤に制御力を加えるアクチュエータにフィードフォワードすることによって、迅速に振動を低減・減衰させる制御手法が用いられてきた。
一方、最近では、ステージ装置の駆動反力を、カウンタマスシステムで相殺することによって、ステージ装置を搭載する定盤に作用する力を抑制し、定盤を励振しないようにする露光装置が開発されている。図8は、カウンタマスを利用したステージシステムの動作を説明する図面である。
図8に示すステージシステムは、リニアモータで駆動される。このステージシステムは、載置対象物を搭載するステージ装置31及びカウンタマス32a、32bを備える。ステージ装置31にはリニアモータの可動子が締結され、ステージ装置31はリニアモータの可動子と一体となって動作する。一方、カウンタマス32a、32bにはリニアモータの固定子が締結され、リニアモータの固定子がカウンタマス32a、32bの一部となっている。カウンタマス32a、32bは、ステージ装置31が搭載される定盤1(1a、1b)に対して、エアパッド等を備えるガイド・ベアリングに沿って低摩擦で可動な構造によって支持され、リニアモータの可動子と略同一の自由度方向に移動する。
従来のステージ装置では、ステージ装置全体が搭載される定盤にリニアモータの固定子が剛に締結されていたが、このカウンタマスシステムでは、ステージ装置31が搭載される定盤1上でリニアモータの固定子が可動な構造によって支持される。
このようなステージ装置では、ステージを動作させるためにリニアモータを駆動しても、ステージ駆動反力のエネルギー及び運動量がリニアモータの固定子と負荷質量とを備えるカウンタマスの運動エネルギー及び運動量となり、理想的な状態では定盤に力が伝わらない。
図8に示すステージ装置31は、その位置情報を検出する位置センサ33(33a、33b)から得られた信号を不図示の補償演算装置で補償し、その結果得られた信号に基づいて、リニアモータを駆動することによって制御される。ステージ装置31の駆動の際に、ステージ装置31に図示aの矢印方向に加速度が発生した場合では、その駆動反力によって、カウンタマス32a、32bに図示の矢印方向Aa、Abに加速度が発生する。
このようにして、ステージ駆動反力のエネルギー及び運動量は、リニアモータ固定子と負荷質量とを備えるカウンタマス32a、32bの運動エネルギー及び運動量となって、定盤1への作用力が抑えられ、理想的な状態では定盤1に力が伝わらない。その結果、これらの構成要素を備えるステージ装置31を搭載する定盤1が大きく振動することがない。このように、カウンタマス32a、32bを適用したステージ装置31は、半導体露光装置において好適に使用されうる。
図8のステージシステムは、1自由度の運動方向に機能するものとして説明したが、XYステージのように2自由度の運動自由度を有するステージ装置でも、同様にしてカウンタマスを用いたステージシステムを構成することができる。図9は、2自由度の運動自由度を有するステージ装置であるXYステージにおけるカウンタマスシステムの一構成例を示す図面である。
図9に示すXYステージでは、載置対象物を搭載するステージ装置41は、X、Yの2自由度方向に可動な構造となっており、X方向移動部材42によってX方向に、Y方向移動部材43によってY方向に移動可能な構造となっている。ステージ装置41は、互いの動作を拘束することがないように構成されたX方向移動部材42とY方向移動部材43とによって構成されたクロスバー構造体上で水平方向に支持され、X、Y方向のいずれの方向にも可動な状態になっている。
X方向移動部材42とX方向カウンタマス44a、44bとの間には、X方向リニアモータによって推力が作用する。この場合、X方向移動部材42は可動子として機能し、X方向カウンタマス44a、44bは固定子として機能する。同様に、Y方向移動部材43とY方向カウンタマス45a、45bとの間には、Y方向リニアモータによって推力が作用する。この場合、Y方向移動部材43は可動子として機能し、Y方向カウンタマス45a、45bは固定子として機能する。X方向カウンタマス44a、44b及びY方向カウンタマス45a、45bは、XYステージを搭載する定盤3上でそれぞれX方向、Y方向に可動な構造によって支持されている。
従来のXYステージでは、リニアモータの固定子はステージ装置全体が搭載される定盤に剛に締結されていたが、カウンタマスシステムでは、リニアモータの固定子と剛に締結されたカウンタマスが、ステージ装置が搭載される定盤上で可動な構造によって支持されている。
このようなステージ装置では、XYステージを動作させるためにリニアモータを駆動しても、ステージ駆動反力のエネルギー及び運動量が、X方向、Y方向のいずれの方向においても、リニアモータ固定子と負荷質量とを備えるカウンタマスの運動エネルギー及び運動量となる。従って、理想的な状態では、定盤に力が伝わることがなく、結果として、これらの構成要素を備えるステージ装置を搭載する定盤を大きく振動させることがない。
図9に示すステージシステムにおいて、ステージ装置41は、その位置情報を検出する位置センサ46(46a、46b)及び47(47a、47b)から得られる信号を不図示の補償演算装置で補償し、その結果得られた信号に基づいて、リニアモータを駆動することによって制御される。ステージ装置41の駆動の際に、ステージ装置41及びX方向移動部材42に図示の矢印方向aに加速度が発生した場合では、その駆動反力によって、X方向カウンタマス44a、44bには、図示の矢印方向Aa、Abに加速度が発生する。ステージ装置41及びY方向移動部材43に図示の矢印方向bで加速度が発生した場合では、その駆動反力によって、Y方向カウンタマス45a、45bには、図示の矢印方向Ba、Bbに加速度が発生する。
このようにして、ステージ駆動反力のエネルギー及び運動量は、リニアモータの固定子と負荷質量とを備えるカウンタマスの運動エネルギー及び運動量となり、定盤3への作用力が低減され、理想的な状態では定盤には力が伝わらない。その結果、これらの構成要素を備えるステージ装置を搭載する定盤が大きく振動することがない。従って、このようなカウンタマスを適用したステージ装置は、半導体露光装置において好適に使用されうる。
以上に説明したように、これらのカウンタマスを用いたステージシステムでは、ステージ装置及びカウンタマスを、双方の質量比に適合した加速度、動作ストロークで動作させることによって、原理的には双方における運動量が保存され、ステージ装置を搭載する定盤及び除振台への作用力を非常に小さくすることができるとともに、ステージ及びカウンタマスを合わせた可動物全体の重心位置を略不動とすることができる。
また、以上に説明した構成に加えて、外部よりカウンタマスに制御力を加えるアクチュエータを備え、これを用いてステージ装置とともに、カウンタマスの位置、速度及び加速度を制御して、能動的にカウンタマスを動作させる方法も適用可能である。この場合は、ステージ装置とともにカウンタマスの動作も制御することができるので、カウンタマスのストロークオーバを回避すること等も可能となり、より適切な状態で露光装置を稼動させることが可能となる。なお、この場合においても、基本的には、カウンタマスは、ステージ装置の駆動反力によって駆動されることになるため、外部よりカウンタマスに制御力を加えるアクチュエータにはほとんど推力は発生しない。
以上に説明したカウンタマスシステムは、ステージ装置の駆動反力を能動除振装置のアクチュエータにフィードフォワードする従来の一般的な制振制御手法とは異なり、定盤を介さないメカニズムによってステージ装置の駆動反力を相殺し、半導体露光装置を搭載する定盤に発生する振動を低減することができる。そのため、ステージの駆動反力及び定盤に制御力を加えるアクチュエータのフィードフォワード力によって、定盤の構造共振が励振されたり、定盤に変形が生じたりすることがなく、より好適に定盤振動を低減・抑制することができる。
特開平11−294520号公報 特開平10−311364号公報
しかしながら、従来のカウンタマスシステムを適用したステージ装置では、その駆動反力を完全には相殺できない場合がある。カウンタマスシステムを用いてステージ装置の駆動反力を完全に相殺するためには、理想的には、完全に同一仕様・同一特性の2台のステージ装置をその駆動反力が発生する軸が完全に一致するように配置し、双方のステージを完全に同一動作条件下で動作させる必要がある。
しかし、実際に装置を設計・適用する場合では、完全に同一仕様の2台のステージ装置をその駆動反力が発生する軸が完全に一致するように配置することは極めて困難である。多くの場合、ユニットの配置設計上の空間的な制約があるからである。
従って、カウンタマスシステムを適用したステージシステムとしては、図8及び図9で説明した、ステージ装置を駆動するリニアモータの可動子をステージ装置にリニアモータの固定子をカウンタマスにそれぞれ取り付け、かつ、カウンタマスをステージ装置及びステージ装置のユニットを搭載する定盤に対して移動可能な状態に支持する構成が実現性のある一実施形態となる。
しかし、ステージ装置の運動エネルギー、運動量及び駆動反力等が、図8、9では不図示のベアリングにおいて発生する摩擦力・減衰力、並びに、定盤とステージ装置及びカウンタマスとの間に設置された配線・配管類の影響力等によって、カウンタマスに全て伝えられない場合では、ステージ装置の運動エネルギー及び運動量とカウンタマスの運動エネルギー及び運動量とがつり合わず、その差が双方を搭載する定盤に伝わって、定盤に振動が励起されてしまう。
また、上述のように、カウンタマスの動作も能動的に制御してカウンタマスシステムを機能させようとする場合では、ステージ装置及びカウンタマスの質量比が非常に重要な制御パラメータとなる。これを正確に反映させて制御を実施しなければ、ステージ装置とカウンタマスとの間だけでは運動量を保存することができなくなり、結果として、ステージ装置を搭載する定盤に推力が伝わり、定盤を振動させてしまう。実際問題としては、ステージ装置及びカウンタマスは、重量が比較的大きな構造物であるため、これらの質量を十分な精度で把握して制御に反映させることは困難である。また、これらを駆動するアクチュエータの推力特性のばらつき及びその他の外乱要因の影響もあるため、カウンタマスシステムの制御パラメータを調整する場合では、質量比に相当するパラメータを試行錯誤して調整しなければならない。このパラメータ調整が十分な精度で行なわれなければ、カウンタマスシステムは適切に動作せずに、定盤に推力が作用して定盤を振動させてしまう。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、カウンタマスシステムでも十分に相殺しきれない、ステージ装置の駆動反力によるステージ装置を搭載する定盤への影響を低減し、定盤の振動を低減・抑制する装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の側面は、露光装置に係り、定盤と、前記定盤に搭載されて所定方向に移動するステージ装置と、前記定盤に搭載されて前記ステージ装置の移動に伴って前記所定方向とは逆方向に移動するカウンタマスと、前記ステージ装置及び前記カウンタマスの各々の動作物理量を検出するセンサと、前記センサによる検出結果に基づいて前記定盤に力を与えるアクチュエータと、を備えることを特徴とする。
本発明の第2の側面は、半導体デバイスの製造方法に係り、上記の露光装置を利用して原版のパターンを基板に転写する露光工程と、前記パターンが転写された基板を現像する現像工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、カウンタマスシステムでも十分に相殺しきれない、ステージ装置の駆動反力によるステージ装置を搭載する定盤への影響を低減し、定盤の振動を低減・抑制する装置及び方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態に係る露光装置を図面とともに説明する。
図7は、本発明の好適な実施形態に係る露光装置の構成の一例を示す図である。図7に示す装置では、装置設置基礎100の上に、防振支持マウント92aを介してステージ定盤93及びステージ定盤93に搭載された基板ステージ装置94が設置されている。基板ステージ装置94は、パターンが露光される基板(例えば、シリコンウエハ)を載置するために用いられる。また、装置設置基礎100の上に、防振支持マウント92bを介してレチクルステージ装置95及びレチクルステージ装置95に光学レンズシステム96を搭載した鏡筒定盤97が設置されている。光学レンズシステム96は、レチクルと呼ばれる原版のパターンを基板に転写するために用いられる。
防振支持マウント92a、92bは、装置設置基礎100に直接設置されるのではなく、パレット又はベースフレーム等と称される基礎構造物91の上に固定されている。基礎構造物91は、防振支持マウント92a、92bのそれぞれの上に搭載される機器の相互位置関係、及び、図7では図示を省略したが、防振支持マウント92a、92bの上に搭載されていない露光装置を構成する他の機器との相対位置関係を維持するための基準として機能する。また、基礎構造物91は、露光装置全体を載置し、露光装置を一括して輸送するための基礎部材としても機能する。
光学レンズシステム96は、レチクルステージ装置95と基板ステージ装置94との間に配置される。照明光学系98から照射された露光光は、レチクルに当たって、レチクル上のパターンが光学レンズシステム96を介して基板に投影露光される。
露光装置は、露光方式によって一括露光型(ステッパ)、走査露光型(スキャナ)等に分類される。一括露光型の露光装置の場合では、基板ステージ装置94をステップ・アンド・リピートと呼ばれる断続的な動作方式で逐次駆動しながら、ある一定の露光エリア、例えば、IC等の集積回路1個分のエリアを一括して露光する。一方、走査露光型の露光装置の場合では、基板ステージ装置94とレチクルステージ装置95とを同期して動作させ、レチクル上のパターンを基板上に走査露光する。
本発明の好適な実施の形態に係る半導体露光装置は、以上のような構成において、基板ステージ装置94及びレチクルステージ装置95の少なくとも一方に、上述のようなカウンタマスシステムを適用した場合に、カウンタマスシステムを用いても相殺しきれない、ステージ装置94、95からこれらのステージ装置94、95を搭載するステージ定盤93、鏡筒定盤97への駆動反力の影響を低減し、該定盤の振動を低減・抑制するように構成されている。
[第1の実施形態]
図1、2は、本発明の好適な第1の実施形態に係る露光装置を構成するステージ装置周辺のユニットの構成及びその動作を説明するための図である。図1、2では、1自由度方向の運動自由度を有するステージ装置を例示している。図1は露光装置の平面図、図2は露光装置の側面図である。これは、図7に示す露光装置においては、レチクルステージ装置95に相当する。
レチクルステージ装置95は、このように1自由度の運動自由度を有するステージ装置としている。実際には、図示したY方向の1自由度だけではなく、レチクルの位置合わせのためのX、θz等の運動自由度も有する場合があるが、比較的大きな駆動反力を発生するのは、レチクルステージ装置95をスキャン動作させるY方向の1自由度である。
なお、基板ステージ装置94は、レチクル上のパターンを繰り返し露光することによって、基板上に複数のパターンを焼き付けるために、XYステージのような2自由度方向を有するステージ装置が採用されるが、これについては後述する。
まず、1自由度方向の運動自由度を有するステージ装置を例に説明を行う。図1、2に示すように、本発明の好適な第1の実施形態に係る半導体露光装置は、概略的には、以下のような構成要素を備える。すなわち、本実施形態に係る半導体露光装置は、レチクル等の載置対象物を載置してその精密位置決め動作を行うステージ装置51と、ステージ装置51とは同一の自由度方向に動作する慣性質量としてのカウンタマス52a、52bとを備える。
ステージ装置51は、レチクル等の載置物を搭載して定盤1(1a、1b)上で定められた、所定の1自由度方向(図1、2ではY方向)に可動な構造によって支持されている。ステージ装置51は、リニアモータによって駆動される。ステージ装置51にはリニアモータの可動子が締結されており、ステージ装置51はリニアモータの可動子と一体となって動作する。一方、カウンタマス52a、52bにはリニアモータの固定子が締結されている。カウンタマス52a、52bは、ステージ装置51が搭載される定盤1に対して、エアパッド等を備えるガイド・ベアリングに沿って低摩擦で可動な構造によって支持され、リニアモータの可動子と同一の自由度方向に動作する。
このようなステージシステムでは、ステージ装置51がリニアモータによって駆動されると、その駆動反力によって、カウンタマス52a、52bがステージ装置51と同一の自由度方向で反対向きに動作する。ステージ装置51を駆動するリニアモータの固定子は、ステージ装置51が搭載される定盤上で、可動な構造によって支持されているので、ステージ装置を動作させるためにリニアモータを駆動しても、ステージ駆動反力のエネルギー及び運動量は、リニアモータ固定子及び負荷質量からなるカウンタマスの運動エネルギー及び運動量となる。その結果、理想的な状態では、定盤に力が伝わることがなく、これらの構成要素からなるステージシステムを搭載する定盤を大きく振動させることなく、ステージを動作させることができる。
本実施形態に係る半導体露光装置では、このように構成されたステージ装置51及びカウンタマス52a、52bに、その動作物理量を検出するセンサを適用する。つまり、ステージ装置51は、ステージ装置51の位置情報を検出して出力する位置センサ61(61a、61b)と、ステージ装置51の速度情報を検出して出力する速度センサ62と、ステージ装置51の加速度情報を検出して出力する加速度センサ63とを備える。位置センサ61、速度センサ62及び加速度センサ63は、ステージ装置51が動作する方向の位置情報、速度情報及び加速度情報等の動作物理量をそれぞれ検出する。
また、カウンタマス52a、52bは、それぞれのカウンタマスの位置情報を検出して出力する位置センサ64a、64bと、それぞれのカウンタマスの速度情報を検出して出力する速度センサ65a、65bと、それぞれのカウンタマスの加速度情報を検出して出力する加速度センサ66a、66bと備える。位置センサ64a、64b、速度センサ65a、65b及び加速度センサ66a、66bは、カウンタマス52a、52bが動作する方向の位置情報、速度情報及び加速度情報等の動作物理量をそれぞれ検出する。
ステージ装置51の位置情報を検出して出力する位置センサ61としては、精度等の要求から、この分野で広く用いられているレーザ干渉計を用いることができる。ステージ装置51の速度情報を検出して出力する速度センサ62としては、ジオフォンセンサ又はその他の速度計を用いることができる。ステージ装置51の加速度情報を検出して出力する加速度センサ63としては、サーボ型又は圧電式の各種加速度計を用いることができる。
なお、位置センサ61としてレーザ干渉計を用いる場合では、速度センサ62や加速度センサ63を用いる代わりに、レーザ干渉計の出力信号の動作物理量を適宜変換して、速度や加速度を算出しても、良好な動作が可能である。
同様に、カウンタマス52a、52bのそれぞれの位置情報を検出して出力する位置センサ64a、64bとしては、レーザ干渉計又はエンコーダ等の各種位置センサを用いることができる。
カウンタマス52a、52bの速度情報を検出して出力する速度センサ65a、65bとしては、ジオフォンセンサやその他の種類の速度計を用いることができる。カウンタマス52a、52bの加速度情報を検出して出力する加速度センサ66a、66bとしては、サーボ型又は圧電式の各種加速度計を用いることができる。
なお、位置センサ64a、64bとしてレーザ干渉計を用いる場合は、速度センサ65a、65bや加速度センサ66a、66bを用いる代わりに、レーザ干渉計の出力信号の動作物理量を適宜変換して、速度や加速度を算出しても、良好な動作が可能である。
なお、後述する制御手法を適用する際に、これらのセンサの少なくとも1つを省略しても装置の動作上問題がない場合には、位置センサ61、64a、64b、速度センサ62、65a、65b及び加速度センサ63、66a、66bのうち少なくとも1つのセンサを省略してもよい。
以上に説明した、ステージ装置51及びカウンタマス52a、52bを備えるステージシステムは、定盤1に搭載される。定盤1は、装置設置基礎に設置された基礎構造体7の上で、防振支持部2によって防振支持される。図1、2の構成では、定盤1は2つの構造体1a、1bを含み、支持部材8を介して相互に剛に締結されているが、定盤1は一体構造であってもよい。なお、図2では、ステージ装置51をレチクルステージ装置と想定し、露光装置の光学レンズシステム9を構成している。
定盤1には、定盤1に制御力を加えるアクチュエータ11(11a〜11h)が備えられている。アクチュエータ11(11a〜11h)の発生推力は、図3に示す補償演算部6で得られた信号に基づいて制御される。
図3に示すように、位置センサ61、速度センサ62、加速度センサ63、位置センサ64a、64b、速度センサ65a、65b及び加速度センサ66a、66bの出力信号は、補償演算部6に入力されて補償演算を施される。アクチュエータ11(11a〜11h)は、補償演算部6で得られた演算結果に基づいて、駆動回路10によって駆動される。
図1〜3では、アクチュエータ11は11a〜11hの8個で構成されているが、要求される制御性能を実現するのに十分な個数が構成されるのであれば、その個数は8個に限定されない。
定盤1に制御力を加えるアクチュエータ11(11a〜11h)は、図1、図2に示すように、定盤1に対して鉛直方向に制御力を加えるアクチュエータ(11a〜11d)及び水平方向に制御力を加えるアクチュエータ(11e〜11h)の少なくとも一方を含む。なお、後述する制御構成上、実質的に制御力を加える必要がなければ、アクチュエータ11(11a〜11h)のうちのいくつかを省略してもよい。定盤1に制御力を加えるアクチュエータ11としては、電磁駆動のリニアモータ等を用いることが望ましい。
定盤1を防振支持する防振支持部2としては、空気ばねとその内部圧力を調整する電空比例弁等を含む空気圧駆動式アクチュエータを備えたものを用いることが望ましい。この場合、定盤1の基準位置に対する変位量(位置情報)を検出して出力する位置センサと、定盤1の速度情報又は加速度情報を検出して出力する振動センサとを配置し、さらに、位置センサの出力信号及び振動センサの出力信号の少なくとも一方の信号に基づいて前記定盤の振動を低減するために補償演算を施す定盤振動補償演算部を構成して、定盤振動補償演算部で得られた補償演算結果に基づいて、空気圧駆動式アクチュエータを制御することによって、定盤1の振動を低減するように制御を行うことが望ましい。すなわち、位置センサ、振動センサ、定盤振動補償演算部及び空気圧駆動式アクチュエータ等を用いて、定盤1の位置・姿勢を所定の状態に維持するとともに、定盤1の振動を能動的に制御する能動除振装置を構成することが望ましい。
防振支持部2として能動除振装置を適用する場合は、定盤振動センサの出力信号に基づく定盤1の振動制御に用いるアクチュエータとして、アクチュエータ11(11a〜11h)を用いてもよい。このような能動除振装置を適用すれば、定盤1へ伝わる外乱力によって生じる定盤1の振動をより迅速かつ適切に低減することができる。
本実施形態に係る半導体露光装置は、以上に説明した構成要素を備える。次に、本実施形態に係る半導体露光装置の動作を詳細に説明する。
本実施形態に係る半導体露光装置においては、図1のステージ装置51が位置センサ61による位置検出信号を補償演算して得られた駆動指令信号に基づいて、図示した矢印aの方向に駆動されると、カウンタマス52a、52bは、図示した矢印Aa、Abの方向、すなわち、ステージ装置51と同一の自由度方向で逆方向に動作する。
これは、ステージ装置51に取り付けられたステージ駆動用リニアモータの可動子と、カウンタマス52a、52bに取り付けられたステージ駆動用リニアモータの固定子との間で生じる推力を、双方とも可動に支持されたステージ装置51とカウンタマス52a、52bとに作用させることによって生じる動作である。
このような構造のステージシステムでは、ステージ装置51を駆動するときに発生する駆動力の反力は、ステージシステムを搭載する定盤1ではなく、カウンタマス52a、52bに伝えられる。よって、駆動反力のエネルギーは、カウンタマス52a、52bの運動エネルギーに変換され、定盤1への作用力をステージ駆動用リニアモータの固定子を定盤に固定した形態の従来方式のステージ装置よりも大幅に低減することができる。よって定盤1の振動を小さく抑制することができる。
このような形態のステージ装置は、理想的には、ステージ装置51の運動エネルギー及び運動量が、カウンタマス52a、52bに全て伝えられ、ステージ駆動に起因する力が定盤1には全く伝わらないように動作させることが望ましい。そうすれば、定盤1には外乱力が作用することがなく、それに起因する振動を生じることがない。
しかし、ステージ装置51の運動エネルギー、運動量及び駆動反力等が、不図示のステージ装置51、カウンタマス52a、52bのベアリングにおいて発生する摩擦力・減衰力、及び定盤1からステージ装置51、カウンタマス52a、52bへの配線・配管類がばねとして作用することによって生じる力等によって、カウンタマス52a、52bに全て伝えられない場合がある。この場合、ステージ装置51の運動エネルギー及び運動量と、カウンタマス52a、52bの運動エネルギー及び運動量とはつりあわず、その差の部分が双方を搭載する定盤1に伝わり、定盤1に振動を励起してしまう。
本実施形態に係る露光装置では、ステージ装置51とカウンタマス52a、52bとの間で相殺しきれない、運動エネルギー、運動量・駆動反力を、ステージ装置51及びカウンタマス52a、52bの位置情報(変位)、速度情報及び加速度情報等の動作物理量から推定し、この信号に基づいて定盤1に制御力を加えるアクチュエータを制御することによって、定盤1での振動を低減する。
本実施形態に係る露光装置の具体的な制御動作を以下に説明する。まず、ステージ装置51、カウンタマス52a、52bの加速度信号に基づいて、定盤1に伝わる推力・モーメント等を推定して制御を行う装置及びその制御方法を説明する。
図1のステージ装置51は、所定の駆動パターンに従って駆動指令信号によって駆動される。カウンタマス52a、52bは、その駆動反力によってステージ装置51が駆動された方向と逆方向に動作する。このときのステージ装置51及びカウンタマス52a、52bの加速度情報は、加速度センサ63、66a、66bにより検出される。そして、加速度センサの出力信号は、補償演算部6に入力される。補償演算部6では、カウンタマス52a、52bの動作によって相殺できなかったステージ装置51の駆動反力を推定する。
1自由度方向に駆動するステージ装置の場合では、駆動反力は、ステージの駆動方向の1並進自由度と、ステージの駆動方向に直交する2軸まわりの2つの回転自由度方向とに作用する。従って、ステージ装置とカウンタマスとの推力・モーメントの関係は、これらの3自由度の運動方向について定式化される。
ステージ装置、カウンタマスの加速度比例の推力・モーメント成分に着目すると、以下の運動方程式が成り立つ。
Figure 2006032788
…(式1)
ここで、mはステージ装置51の質量、M1はカウンタマス52aの質量、M2はカウンタマス52bの質量、ayはステージ装置51の加速度情報、aY1はカウンタマス52aの加速度情報、aY2はカウンタマス52bの加速度情報、lz0〜lz2は定盤1の重心位置を原点とした場合のステージ51及びカウンタマス52a、52bの重心位置のZ座標、lx0〜lx2は定盤1の重心位置を原点とした場合のステージ51及びカウンタマス52a、52bの重心位置のX座標をそれぞれ示す。lz0〜lz2、lx0〜lx2は、ステージ装置51、カウンタマス52a、52bの機械的設計情報等から得ることができる。XYZの座標系は、図1、2にも示すとおり、ステージ装置51、カウンタマス52a、52bの動作方向(水平1自由度方向)をY軸とし、それと直交する水平軸をX軸、鉛直軸をZ軸とする。また、XYZ各軸まわりの回転方向をそれぞれ、θx、θy、θzとする。
左辺のfy、Mqx、Mqzは、ステージ装置51とカウンタマス52a、52bとの動作で相互に相殺されずに残留するY、θx、θz方向の推力・モーメントである。すなわち、fy、Mqx、Mqzは、ステージ装置とカウンタマスとの間の動作の差であり、ここがゼロでない場合は、双方の装置の間で、推力・モーメントが相殺されず、その他の部位、すなわち定盤1にそれらが漏れ出していることを示す。
従って、この式の左辺にあたる推力を打ち消すようにアクチュエータ11(11a〜11h)に制御力を分配すれば、ステージ装置とカウンタマスとの間でステージ駆動反力が相殺し切れずに漏れ出した作用力が定盤1に入力されたとしても、アクチュエータ11(11a〜11h)によりこれを相殺し、定盤1の振動を低減することができる。
従って、補償演算部6は、式1に従って、左辺のfy、Mqx、Mqzを推定し、これを打ち消すように、定盤1に制御力を加えるアクチュエータ11(11a〜11h)を制御するための制御指令信号を生成する。具体的には、推定されたfy、Mqx、Mqzに対して、適宜、ゲイン補償演算及びフィルタ処理演算を施す。アクチュエータ11が、電磁駆動のリニアモータなどの、応答性の高いアクチュエータである場合、補償演算部6は、式1に従って推定したfy、Mqx、Mqzの情報に基づいてゲイン補償を中心とした制御演算を行い、得られた制御指令信号を各アクチュエータに分配する演算を行うことができる。
この際、アクチュエータ11(11a〜11h)が発生すべき推力は、fy、Mqx、MqzとしてY、θx、θz各方向の推力という形で推定されるので、補償演算部6では、これらのY、θx、θzの各方向に、式1に基づいて導出した所望の推力・モーメントを発生するために、複数配置されたアクチュエータ11(11a〜11h)に推力を分配して与えるように推力分配演算を施す。推力分配演算式は、アクチュエータ11(11a〜11h)の幾何的配置及びそれらの配置方向に基づいて定式化されうる。
定盤1に制御力を加えるように、複数配置されたアクチュエータ11(11a〜11h)は、このようにして補償演算部6で導出された制御指令信号に基づいて駆動される。そして、式1に従って発生するステージ装置51とカウンタマス52a、52bとで相殺し切れずに定盤1に伝わる推力・モーメントは、アクチュエータ11によってリアルタイムで相殺され、結果として定盤1の振動を小さく抑えることができる。
ステージ装置51及びカウンタマス52a、52bを備え、その相互の動作によって、ステージ駆動反力を低減する装置においては、ステージの駆動反力をそれら相互の構成要素の動作によって相殺・低減し、それらを搭載する定盤の振動を低減することができる。しかし、これらの相互の動作によって、ステージ駆動反力を相殺し切れず、これらを搭載する定盤に伝わる推力・モーメントがある場合は、何らかの手段を用いて定盤への作用力を低減する必要があった。
本実施形態に係る露光装置は、上述したように、ステージ装置51及びカウンタマス52a、52bの加速度情報等の動作物理量を検出するセンサからの信号に基づいて、双方の動作によって相殺し切れずに定盤1に伝わる推力・モーメントを推定し、これに基づいて定盤1に制御力を加えるアクチュエータを制御する。これによって、従来の装置では得られなかった、より高度な制振性能を得ることができ、結果として、定盤に搭載されたステージ装置やその他の精密機器の振動を低減して、露光装置等の搭載機器の性能向上を実現する。
なお、以上の説明では、説明を簡単にするために、定盤1に伝わる推力は加速度比例項だけとした。しかし、実際には、ステージ装置51及びカウンタマス52a、52bを可動支持するためのエアベアリングでの摩擦や、ステージ装置を構成するリニアモータの可動部と固定部との間に生じる逆起電力による抵抗等、加速度比例項だけでは表現しきれない力・モーメントのやりとりが無視できない場合もある。この場合は、速度比例項、位置比例項を追加して、定盤1に伝わる推力・モーメントを推定することができる。この場合の定盤1に伝わる推力・モーメントを推定は、以下の式によって可能となる。なお、以下の式中の速度比例項には、定盤1に対するステージ装置、カウンタマスの速度だけでなく、ステージ装置とカウンタマスとの間の相対速度も考慮されている。
Figure 2006032788
…(式2)
式2において、式1と同じ記号で示したものは、式1と同じパラメータを示す。vyはステージ装置51の速度、vY1はカウンタマス52aの速度、vY2はカウンタマス52bの速度、pyはステージ装置51の位置(変位)、pY1はカウンタマス52aの位置(変位)、pY2はカウンタマス52bの位置(変位)、dij、kij(i,j=1,2,3)は、それぞれ、速度比例項、位置比例項を示す。
速度比例項、位置比例項は、ステージ装置51、カウンタマス52a、52bのいずれかふたつを動作しないように固定したうえで、リニアモータに制御力を加え、そのときの各動作物理量(ay、aY1、aY2、vy、vY1、vY2、py、pY1、pY2)の応答特性を測定する等して、実験的に推定してもよい。
また、式1及び式2では、加速度比例項として、ステージ装置51の質量m、カウンタマス52a、52bの質量M1、M2を用いたが、その数値が明確に分からない場合も、同様にして実験的にこれを求めてもよい。
上記の式2により推定された推力・モーメントに基づいて、アクチュエータを制御し、定盤の振動を低減・抑制する構成は、さきに説明した構成と同じなので、説明を省略する。
このように速度比例項、位置比例項を考慮することによって、より精密にステージ系から定盤1に伝わる推力・モーメントを推定でき、より効果的に定盤1の振動を抑制・低減することができる。
なお、実際の制御においては、ステージ装置51、カウンタマス52a、52bの位置情報(変位)、速度情報及び加速度情報の全ての動作物理量を制御に用いる必要はない。十分な効果が得られれば、位置情報(変位)、速度情報及び加速度情報の信号の少なくとも1つを用いる構成も本発明に含まれる。もちろん、式1のように加速度比例項のみを考慮した制御を行ってもよい。そのような場合は、使われない動作物理量を検出するセンサを省略してもよい。また、該制御は、Y、θx、θzのすべての方向について行うのではなく、必要に応じてこれらのうちの少なくとも1つの方向について行うものであってもよい。
また、式2から分かるように、fy、Mqx、Mqzは、vx、vY1、vY2の値によっても決定されうるが、これらの速度情報に関する動作物理量は、上記の説明のように、速度計を用いるのではなく、ステージ装置とカウンタマスとの間の相対速度(vx-vY1)、(vx-vY2)を相対速度センサを用いて検出した相対速度センサの出力信号を用いてもよい。
さらに、ステージ装置、カウンタマスの位置情報(変位)、速度情報及び加速度情報を得る手段は、それらの動作物理量を検出するセンサに限定されない。例えば、ステージ装置やカウンタマスの駆動プロファイル情報に基づいて、これらの位置情報(変位)、速度情報及び加速度情報を得てもよいことはいうまでもない。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、ステージ装置は1自由度方向に動作するものとして説明した。これは、図7で説明した露光装置においては、レチクルステージ装置95に相当する。一方、本発明の構成は、基板ステージ等の2自由度方向に動作するステージ装置にも適用可能である。以下、2自由度方向に動作するステージ装置及び、その駆動反力を相殺するために構成されたカウンタマスを備えるステージシステムにおいて、ステージ装置とカウンタマスの相互動作だけでは相殺し切れずに、それらを搭載する定盤に伝わる推力・モーメントを推定し、その推定信号に基づいて、定盤に制御力を加えるアクチュエータを制御することによって、定盤の振動を低減・抑制する装置を説明する。
図4、5に、本発明の好適な第2の実施形態に係る露光装置を構成するステージ装置周辺のユニットの構成及びその動作を説明するための図を示す。図4、5では、2自由度方向の運動自由度を有するステージ装置を例示している。図4は装置の平面図、図5は装置の側面図である。これは、図7に示す露光装置においては、基板ステージ装置94に相当する。基板ステージ装置94は、レチクル上のパターンを繰り返し露光することによって、基板上に複数のパターンを焼き付けるために、XYステージのような2自由度方向の運動自由度を有するステージ装置が採用される。
図4、5に示すように、本実施形態に係る好適な第2の露光装置は、以下のような構成要素を備える。すなわち、本実施形態に係る装置は、基板等の載置対象物を搭載するステージ装置71は、X、Yの2自由度方向に可動な構造となっており、X方向移動部材72によってX方向に、Y方向移動部材73によってY方向に移動可能な構造となっている。XYステージ71は、互いの動作を拘束することがないように構成されたX方向移動部材72とY方向移動部材73とによって構成された、クロスバー構造体上に支持され、X、Yいずれの方向にも可動な状態になっている。ここで、座標系は、直交する2つの水平軸をX、Y、鉛直軸をZ、XYZ各軸まわりの回転方向をそれぞれ、θx、θy、θzとする。
また、ステージ装置71は、X方向に可動な構造によって支持される負荷質量であるX方向カウンタマス74a、74b、Y方向に可動な構造によって支持される負荷質量であるY方向カウンタマス75a、75bを備える。
X方向移動部材72とX方向カウンタマス74a、74bとの間には、X方向リニアモータによって推力が作用する。この場合、X方向移動部材72は可動子、X方向カウンタマス74a、74bは固定子として機能する。同様にして、Y方向移動部材73とY方向カウンタマス75a、75bとの間にはY方向リニアモータによって推力が作用する。この場合、Y方向移動部材73は可動子、Y方向カウンタマス75a、75bは固定子として機能する。これらのリニアモータの作用によって、X方向移動部材72及びY方向移動部材73が駆動され、それによって、ステージ装置71がX、Y方向に駆動される。
このようなステージシステムでは、ステージ装置71が、リニアモータによって、X方向移動部材72及びY方向移動部材73を介して駆動されると、その駆動反力によりX方向カウンタマス74a及び74b、Y方向カウンタマス75a、75bは、ステージ装置71の駆動反力が作用する向きに動作する。ステージ装置71を駆動するリニアモータの固定子は、ステージ装置71が搭載される定盤3上で、可動な構造によって支持されているので、ステージを動作させるためにリニアモータを駆動しても、ステージ駆動反力のエネルギー及び運動量は、リニアモータ固定子と負荷質量とを備えるカウンタマスの運動エネルギー及び運動量となり、理想的な状態では、定盤3には力が伝えられることがなく、これらの構成要素を備えるステージシステムを搭載する定盤3を大きく振動させることなく、ステージ動作を行える。
本実施形態に係る半導体露光装置では、このように構成されたステージ装置71、X方向カウンタマス74a、74b及びY方向カウンタマス75a,75bに対して、その動作物理量を検出するセンサを適用する。
すなわち、XYステージ71には、XYステージ71のX、Yのそれぞれの自由度方向の位置情報を検出して出力する位置センサ81a(81aT、81aH)、81b(81bT、81bH)、X、Yのそれぞれの自由度方向の速度情報を検出して出力する速度センサ82a、82b、X、Yのそれぞれの自由度方向の加速度情報を検出して出力する加速度センサ83a、83bが備えられている。
また、X方向カウンタマス74a、74bには、それぞれのカウンタマスの位置情報を検出して出力する位置センサ84a、84b、それぞれのカウンタマスの速度情報を検出して出力する速度センサ85a、85b、それぞれのカウンタマスの加速度情報を検出して出力する加速度センサ86a、86bが備えられている。
同様に、Y方向カウンタマス75a、75bには、それぞれのカウンタマスの位置情報を検出して出力する位置センサ87a、87b、それぞれのカウンタマスの速度情報を検出して出力する速度センサ88a、88b、それぞれのカウンタマスの加速度情報を検出して出力する加速度センサ89a、89bが備えられている。
位置センサ84a、84b、87a、87b、速度センサ85a、85b、88a、88b及び加速度センサ86a、86b、89a、89bは、X、Y方向カウンタマス74a、74b、75a、75bが動作する方向の位置情報、速度情報及び加速度情報等の動作物理量をそれぞれ検出するものとする。
ステージ装置71の位置情報を検出して出力する位置センサ81(81a、81b)としては、精度等の要求からこの分野で広く用いられているレーザ干渉計を使用することが好適である。
ステージ装置71の速度情報を検出して出力する速度センサ82(82a、82b)としては、ジオフォンセンサやその他の種類の速度計を用いることができる。ステージ装置71の加速度情報を検出して出力する加速度センサ83(83a、83b)としては、サーボ型や圧電式の各種加速度計を用いることができる。
なお、位置センサ81としてレーザ干渉計を用いる場合は、速度センサ82、加速度センサ83を用いる代わりに、レーザ干渉計の出力信号の動作物理量を適宜変換して、速度及び加速度を算出して用いてもよい。
同様に、X方向カウンタマス74a、74b及びY方向カウンタマス75a、75bのそれぞれの位置情報を検出して出力する位置センサ84a、84b、87a、87bとしては、レーザ干渉計やエンコーダ等の各種位置センサを用いることができる。
X方向カウンタマス74a、74b及びY方向カウンタマス75a、75bの速度情報を検出して出力する速度センサ85a、85b、88a、88bとしては、ジオフォンセンサやその他の種類の速度計を用いることができる。X方向カウンタマス74a、74b及びY方向カウンタマス75a、75bの加速度情報を検出して出力する加速度センサ86a、86b、89a、89bとしては、サーボ型や圧電式の各種加速度計を用いることができる。
なお、位置センサ84a、84b、87a、87bとしてレーザ干渉計を用いる場合では、速度センサ85a、85b、88a、88b及び加速度センサ86a、86b、89a、89bを用いる代わりに、レーザ干渉計の出力信号を適宜動作物理量を変換することによって、速度及び加速度を算出して用いてもよい。
なお、後述する制御手法を適用する際に、これらのセンサの少なくとも1つを省略しても装置の動作上、問題がない場合には、位置センサ81a、81b、84a、84b、87a、87b、速度センサ82a、82b、85a、85b、88a、88b及び加速度センサ83a、83b、86a、86b、89a、89bのうちの少なくとも1つのセンサを省略することも可能である。
以上に説明した、ステージ装置71、X方向カウンタマス74a、74b及びY方向カウンタマス75a、75b等を備えるステージシステムは、定盤3に搭載されており、定盤3は、装置設置基礎に設置された基礎構造体4の上で、防振支持部5によって防振支持されている。定盤3には、定盤3に制御力を加えるアクチュエータ21(21a〜21h)が備えられている。アクチュエータ21(21a〜21h)の発生推力は、補償演算部6bで得られた信号に基づいて制御される。
位置センサ81a、81b、速度センサ82a、82b、加速度センサ83a、83b、位置センサ84a、84b、87a、87b、速度センサ85a、85b、88a、88b及び加速度センサ86a、86b、89a、89bの出力信号は、図6に示すとおり、補償演算部6bに入力され、補償演算を施される。アクチュエータ21(21a〜21h)は、補償演算部6bで得られた演算結果に基づいて、駆動回路20を介して駆動される。
図4〜6では、アクチュエータ21は、21a〜21hの8個で構成されているが、要求される制御性能を実現するに足る個数が構成されるのであれば、その個数は8個には限定されない。
定盤3に制御力を加えるアクチュエータ21(21a〜21h)は、図4、図5に示すとおり、定盤3に対して鉛直方向に制御力を加えるもの(21a〜21d)と、水平方向に制御力を加えるもの(21e〜21h)とを備える。なお、後述する制御構成上、実質的に制御力を加える必要がなければ、これらのアクチュエータのうちの少なくとも1つを省略することもできる。定盤3に制御力を加えるアクチュエータ21は、電磁駆動リニアモータ等を好適に用いることができる。
防振支持部5としては、第1の実施形態で説明したものと同様のものを用いることができる。もちろん、第1の実施形態でその構成を詳述したのと同様の構成の能動除振装置を防振支持部5として用いることもできる。露光装置等の精密機器では、機器を搭載する定盤3の位置や振動を精密に制御する必要性が高く、防振支持部5としては、能動除振装置を適用することが望ましい。
本実施形態に係る半導体露光装置は、以上に説明した構成要素を備える。次に、本実施形態に係る半導体露光装置の動作を詳細に説明する。
本実施形態に係る半導体露光装置においては、ステージ装置71及びX方向移動部材72が、その制御装置からの駆動指令信号に基づいて、図4中の図示した矢印aの方向(X方向)に動作すると、X方向カウンタマス74a、74bは、図示した矢印Aa、Abの方向、つまり、ステージ装置71と同一の自由度方向で逆方向に動作する。また、ステージ装置71、及び、Y方向移動部材73が、その制御装置からの駆動指令信号に基づいて、図4中の図示した矢印bの方向(Y方向)に動作すると、Y方向カウンタマス75a、75bは、図示した矢印Ba、Bbの方向、つまり、ステージ装置71と同一の自由度方向で逆方向に動作する。これは、X方向移動部材72及びY方向移動部材73に取り付けられたステージ駆動用リニアモータの可動子と、X方向カウンタマス74a、74b及びY方向カウンタマス75a、75bに取り付けられたステージ駆動用リニアモータの固定子との間で生じる推力を、双方とも可動に支持されたステージ装置71及びX方向可動部材72、Y方向可動部材と、X方向カウンタマス74a、74b及びY方向カウンタマス75a、75bとに作用させることによって生じる動作である。
このような構造のステージシステムでは、ステージ装置71を駆動するため発生する駆動力の反力を、ステージシステムを搭載する定盤3ではなく、X、Y方向カウンタマスに伝える。よって、駆動反力のエネルギーは、定盤3ではなく、X方向カウンタマス74a、74b、Y方向カウンタマス75a、75bの運動エネルギー及び運動量に変換されるため、ステージ駆動用リニアモータの固定子を定盤に固定した形態の従来方式のステージ装置よりも、定盤3への作用力を大幅に低減でき、その結果、その振動を小さく抑制することができる。
このような形態のステージ装置では、理想的には、ステージ装置71、X方向移動部材72及びY方向移動部材73の運動エネルギー及び運動量は、X方向カウンタマス74a、74b及びY方向カウンタマス75a、75bに全て伝えられ、ステージ駆動に起因する力・モーメントが定盤3には全く伝わらないように動作させることが望ましい。そうすれば、定盤3には外乱力が作用することがなく、それに起因した振動を生じることもない。
しかし、ステージ装置71、X方向移動部材72及びY方向移動部材73の運動エネルギー、運動量及び駆動反力等が、不図示のベアリングにおいて発生する摩擦力・減衰力、並びに、定盤からステージ装置71、X方向移動部材72、Y方向移動部材73、X、Y方向カウンタマスへの配線・配管類がばねとして作用することによって発生する影響力等によって、X方向カウンタマス74a、74b、Y方向カウンタマス75a、75bに全て伝えられなかったとする。この場合、ステージ装置71及びX方向移動部材72、Y方向移動部材73の運動エネルギー及び運動量と、X方向カウンタマス74a、74b、Y方向カウンタマス75a、75bの運動エネルギー及び運動量がつりあわず、その差が双方を搭載する定盤3に伝わって、定盤3の振動を励起してしまう。
本実施形態に係る半導体露光装置では、このような、ステージ装置71とX方向カウンタマス74a、74b及びY方向カウンタマス75a、75bとの間で相殺しきれない、運動エネルギー・運動量・駆動反力を、ステージ装置、カウンタマスの位置情報(変位)、速度情報及び加速度情報等の動作物理量から推定し、この信号に基づいて定盤3に制御力を加えるアクチュエータを制御することによって、定盤3の振動を低減する。
本実施形態に係る半導体露光装置の具体的な制御動作を以下に説明する。まず、ステージ装置71、カウンタマス74a、74b、75a、75bの加速度信号に基づいて、定盤3に伝わる推力・モーメント等を推定して制御を行う装置及びその制御方法を説明する。
ステージ装置71は、所定駆動パターンに従って駆動指令信号によって駆動される。すると、X方向カウンタマス74a、74bはそのX方向駆動反力によって、Y方向カウンタマス75a、75bはY方向の駆動反力によって、ステージ装置71が駆動された方向とはそれぞれ逆方向に動作する。このときのステージ装置71のX、Y方向の加速度情報、X方向カウンタマス74a、74bのX方向の加速度情報及びY方向カウンタマス75a、75bのY方向の加速度情報は、加速度センサ83a、83b、86a、86b、89a及び89bにより検出される。そして、加速度センサの出力信号が補償演算部6bに入力される。
補償演算部6bでは、X方向カウンタマス74a、74b及びY方向カウンタマス75a、75bの動作によって相殺できなかったステージ装置71の駆動反力を推定する。
ここで説明するような2自由度方向に駆動するステージ装置の場合、駆動反力は、ステージの駆動方向の2並進自由度と、ステージの駆動方向と直交する軸まわりの3つの回転自由度方向とに作用する。従って、ステージ装置とカウンタマスとの推力・モーメントの関係は、これら5自由度の運動方向について定式化することができる。
ステージ装置、カウンタマスの加速度比例の推力・モーメント成分に着目すると、以下の運動方程式が成り立つ。
Figure 2006032788
…(式3)
ここで、mxはステージ装置71とX方向移動部材72の質量の和、myはステージ装置71とY方向移動部材73の質量の和、M1はX方向カウンタマス74aの質量、M2はX方向カウンタマス74bの質量、M3はY方向カウンタマス75aの質量、M4はY方向カウンタマス75bの質量、axはステージ装置71のX方向の加速度、ayはステージ装置71のY方向の加速度、aX1はX方向カウンタマス74aのX方向の加速度、aX2はX方向カウンタマス74bのX方向の加速度、aY1はY方向カウンタマス75aのY方向の加速度、aY2はY方向カウンタマス75bのY方向の加速度、lz0〜lz4は定盤3の重心位置を原点とした場合のステージ装置71及びX、Y方向カウンタマス74a、74b、75a、75bの重心位置のZ座標、ly0〜ly2は定盤1の重心位置を原点とした場合のステージ装置71及びX方向カウンタマス74a、74bの重心位置のY座標、lx0、lx3、lx4は定盤1の重心位置を原点とした場合のステージ装置71及びY方向カウンタマス75a、75bの重心位置のY座標をそれぞれ示す。lz0〜lz4、ly0〜ly2、lx0、lx3、lx4は、ステージ装置71、カウンタマス74a、74b、75a、75bの機械的設計情報などから得ることができる。
左辺のfx、fy、Mqx、Mwy、Mqzは、ステージ装置71及びX、Y方向カウンタマス74a、74b、75a、75bの動作で相互に相殺されずに残留する、X、Y、θx、θy、θz方向の推力・モーメントである。つまり、fx、fy、Mqx、Mwy、Mqzは、ステージ装置とカウンタマスとの動作の差であり、ここがゼロでない場合は、双方の装置の間で推力・モーメントが相殺されず、その他の部位、つまり、定盤3にそれらが漏れ出していることを示す。
従って、この式の左辺に当たる推力をアクチュエータ21(21a〜21h)に分配することによって、ステージ装置とカウンタマスとの間でステージ駆動反力が相殺し切れずに、その漏れ出した作用力が定盤に入力されたとしても、アクチュエータ21(21a〜21h)によりこれを相殺し、定盤3の振動を低減することができる。
よって、補償演算部6bでは、式3に従って、左辺のfx、fy、Mqx、Mqy、Mqzを推定し、これを打ち消すように、定盤3に制御力を加えるアクチュエータ21(21a〜21h)を制御するための制御指令信号を生成する。具体的には、推定されたfx、fy、Mqx、Mqy、Mqzに対して、適宜、ゲイン補償演算、フィルタ処理演算を施す。アクチュエータ21が、電磁駆動のリニアモータなどの、応答性の高いアクチュエータである場合、補償演算部6bは、式3に従って推定したfx、fy、Mqx、Mwy、Mqzの情報に基づいてゲイン補償を中心とした制御演算を行い、得られた制御指令信号を各アクチュエータに分配する演算を行うことができる。この際、アクチュエータ21(21a〜21h)が発生すべき推力は、fx、fy、Mqx、Mqy、Mqzという形で、X、Y、θx、θy、θz各方向の推力・モーメントという形で与えられるので、補償演算部6bでは、これらX、Y、θx、θy、θz各方向に、式3に基づいて導出した所望の推力・モーメントが発生するように、そして複数配置されたアクチュエータ21(21a〜21h)に推力を分配して与えるように推力分配演算を施す。推力分配演算式は、アクチュエータ21(21a〜21h)の幾何的配置、それらの配置方向に基づいて定式化することができる。
定盤3に制御力を加えるよう、複数配置されたアクチュエータ21(21a〜21h)は、このようにして補償演算部6bで導出された制御指令信号に基づいて、駆動回路20を介して駆動される。すると、式3に従って発生してしまうステージ装置71とX方向及びY方向カウンタマス74a、74b、75a、75bで相殺し切れずに定盤3に伝わる推力・モーメントは、アクチュエータ21によりリアルタイムで相殺され、結果として定盤3の振動を小さく抑制することができる。
ステージ装置71及びX、Y方向カウンタマス74a、74b、75a、75b等からなり、その相互の動作によって、ステージ駆動反力を低減する装置においては、ステージの駆動反力を、それら相互の構成要素の動作によって相殺・低減し、それらを搭載する定盤の振動を低減することができる。しかし、それら相互の動作によって、ステージ駆動反力を相殺し切れずに、それらを搭載する定盤に伝わる推力・モーメントがある場合は、何らかの補助手段を用いて定盤への作用力を低減する必要があった。
本実施形態に係る半導体露光装置は、上述したように、ステージ装置及びX、Y方向カウンタマスの加速度情報等の動作物理量を検出するセンサからの信号に基づいて、双方の動作によって相殺し切れずに定盤に伝わる推力・モーメントを推定し、これに基づいて定盤に制御力を加えるアクチュエータを制御する。これによって、従来の装置では得られなかった、より高度な制振性能を得ることができ、結果として、定盤に搭載されたステージ装置やその他の精密機器の振動を低減して、露光装置等の搭載機器の性能向上を実現する。
なお、以上の説明では、説明を簡単にするために、定盤に伝わる推力は加速度比例項だけとした。しかし、実際には、ステージ装置、カウンタマスを可動支持するためのベアリングでの摩擦や、ステージ装置を構成するリニアモータの可動部と固定部との間に生じる逆起電力による抵抗、ステージ装置、カウンタマスと定盤との間に配線・配管等がばねとして作用することによって発生する影響力等、加速度比例項だけでは表現しきれない力・モーメントの関係が無視できない場合もある。この場合は、速度比例項、位置比例項を追加して、定盤3に伝わる推力・モーメントを推定すればよい。この場合の定盤3に伝わる推力・モーメントを推定は、以下の式4によって可能となる。式4中の速度比例項には、定盤3に対するステージ装置、カウンタマスの速度だけでなく、ステージ装置とカウンタマスとの間の相対速度も考慮されている。式4は、対象とするステージ装置が2自由度系であるため、5自由度の式として与えられているが、基本的な考え方は、式2と同じである。
Figure 2006032788
…(式4)
式4において、式3と同じ記号で示したものは、式1と同じパラメータを示す。vx、vyはステージ装置71のX、Y方向の速度、vX1はカウンタマス74aのX方向の速度、vX2はカウンタマス74bのX方向の速度、vY1はカウンタマス75aのY方向の速度、vY2はカウンタマス75bのY方向の速度、px、pyは、ステージ装置71のX、Y方向の位置(変位)、pX1はカウンタマス74aのX方向の変位、pX2はカウンタマス74bのX方向の変位、pY1はカウンタマス75aのY方向の変位、pY2はカウンタマス75bのY方向の変位、dij、kij(i=1,2,…,5,j=1,2,…,6)は、それぞれ、速度比例項(速度比例ゲイン)、位置比例項(変位比例ゲイン)を示す。
式4により推定された推力・モーメントに基づいて、アクチュエータを制御し、定盤の振動を低減・抑制する構成は、さきに説明した構成と同じなので、説明を省略する。
このように速度比例項、位置比例項を考慮すれば、より精密に、ステージ系から定盤に伝わる推力・モーメントを推定でき、より効果的に、定盤3の振動を抑制・低減することができる。
なお、実際の制御においては、ステージ装置、カウンタマスの、位置情報(変位)、速度情報、加速度情報の全ての動作物理量を制御に用いる必要はない。十分な効果が得られれば、式3のように加速度比例項のみを考慮した制御を行ってもよい。そのような場合は、使う必要のない動作物理量を検出するセンサを省略してもよい。また、該制御は、X、Y、θx、θy、θzのすべての方向について行うのではなく、必要に応じてこれらのうちの少なくとも1つの方向について行うものであってもよい。

また、第1の実施形態と同様にして、ステージ装置とカウンタマスの相対速度とを検出するセンサを備え、このセンサによって検出されるステージ装置とカウンタマスとの相対速度信号を用いて、上記の制御演算を行ない、制御を行うことも可能であることは、式4により明らかである。
さらに、ステージ装置、カウンタマスの位置情報(変位)、速度情報及び加速度情報を得る手段は、それらの動作物理量を検出するセンサに限定されない。例えば、ステージ装置やカウンタマスの駆動プロファイル情報に基づいて、これらの位置情報(変位)、速度情報及び加速度情報を得てもよいことはいうまでもない。
[第3の実施形態]
第1、第2の実施形態では、ステージ装置とカウンタマスの位置情報(変位)、速度情報及び加速度情報等の動作物理量検出信号に基づいて、定盤に制御力を加えるアクチュエータを制御する装置・構成を説明した。ここで、式1〜4をもう一度見直してみる。簡単のために式1に着目してみる。
本発明で説明しているような、カウンタマスを構成したステージ装置では、ステージ装置とカウンタマスの間で位置(変位)、速度及び加速度等の動作物理量が受け渡され、これらを搭載する定盤等にはステージ装置、カウンタマスからの作用力が加わらないようにすることが基本的な動作となる。この点を考慮すると、理想的な状態において、例えば、式5の関係が維持されていれば、式1の左辺における、fy、Mqzはゼロとなる。
Figure 2006032788
…(式5)
ただし、この場合において、例えば、lz0と、lz1、lz2とが異符号であった場合では、Mqxはどのようにしてもゼロとすることができない。このような場合は、式1に従って導出されたMqxに基づいて、アクチュエータを制御すればよい。
ここで、式5の関係がほぼ満たされている状況であれば、Mqxは、例えば、ステージ装置の加速度信号ayを観測することができるのであれば、ayのみに基づいて必要な制御力Mqxを決定して、概ね良好な制振性能を得ることができる。
すなわち、ステージ装置やカウンタマスの機械設計状況やその制御方法によっては、補償演算部6は、ステージ装置の加速度情報から実質的にカウンタマスの加速度情報を推定することができ、これに機械設計情報を加味することで、第1の実施形態と同様の制御を、実質的にはステージ装置の加速度情報のみを用いて実現することができる。このような構成の制御方法も本発明の範囲に含まれる。
ステージ装置の加速度情報としては、ステージ動作を規定する加速度プロファイルを用いることも可能である。また、ここでは、説明を簡単にするために、式1に示した演算に基づく制御構成を対象としたが、第2の実施形態の式3においても同様に制御可能である。
[第4の実施形態]
以上、第1〜第3の実施形態で説明した構成は、ステージ装置とカウンタマスの水平方向の挙動に着目した制御構成であった。しかし、これと同時に、本装置では、ステージ装置とカウンタマスが防振支持された定盤上で動作する際のステージ装置とカウンタマスも含めた定盤上の荷重の重心位置の変動にも着目しておく必要がある。
カウンタマスを用いたステージ装置では、ステージ装置とカウンタマスとの間で運動エネルギー及び運動量の受け渡しが適切に行なわれていれば、これらの荷重が移動しても、それらの移動荷重の全ての重心位置をほとんど不動にすることができる。しかし、第1、第2の実施形態で説明したような理由によって、ステージ装置とカウンタマスとの間で運動エネルギー及び運動量が相殺しきれないような場合、これらの移動荷重全体の重心位置が変動してしまう場合がある。このようにして、ステージ装置やカウンタマスを含む定盤上の荷重の重心位置が変動することがあれば、その変動によって定盤支持系のモーメントバランスが崩れ、定盤を傾かせてしまう。
しかし、このような場合においても、本発明の装置のように、ステージ装置、カウンタマスの動作物理量センサを備えていれば、定盤上の荷重の重心変動をリアルタイムに捉えることができる。すなわち、ステージ装置、カウンタマスの位置情報の検出信号によれば、定盤上の荷重の重心位置を推定でき、重心位置の変位量に応じて、定盤に制御力を加えるアクチュエータを制御すれば、定盤上の荷重の重心移動に起因する定盤の傾きを最小限に抑制することができる。
本実施形態に係る半導体露光装置では、ステージ装置の位置情報、速度情報、加速度情報のうちの少なくともひとつの動作物理量の検出信号と、カウンタマスの位置情報、速度情報、加速度情報のうちの少なくともひとつの動作物理量の検出信号とに基づいて定盤に制御力を加えるアクチュエータを動作させる補償演算部とを備えているが、この補償部において、上記のような荷重の重心移動に基づいた制御演算もあわせて行えば、定盤の振動を最小限に抑制することができる。具体的には、例えばアクチュエータとして応答性の高い電磁駆動のリニアモータを用いた場合には、ステージ装置・カウンタマスの位置情報に基づいて制御を行えばよいし、応答の遅い空気圧駆動式のアクチュエータを用いた場合は、必要な制御帯域で実質的に積分特性や1次遅れ特性となるその応答性を考慮し、ステージ装置・カウンタマス位置の微分情報に相当する、速度情報に基づいて制御を行ってもよい。
以上に説明したように、ステージ装置及びカウンタマスを備え、その相互作用によってステージ駆動反力を相殺・低減する装置においては、それらを搭載する定盤に作用する力を大幅に低減することが可能であり、ステージ駆動反力が大きい場合であっても、効果的に定盤の振動を低減することができる。しかし、ステージ装置及びカウンタマスの相互作用によって、ステージ駆動反力を相殺し切れずに、それらを搭載する定盤に伝わる推力・モーメントがある場合は、何らかの補助部を用いて定盤への作用力を低減する必要があった。
本実施形態に係る半導体露光装置は、上述したように、ステージ装置、及び、カウンタマスの位置情報(変位)、速度情報、加速度情報等の動作物理量を測定する手段からの信号に基づいて、双方の動作によって相殺し切れずに定盤に伝わる推力・モーメントを推定し、これに基づいて定盤に制御力を加えるアクチュエータを制御する。これによって、ステージ装置及びカウンタマスの相互作用によって、ステージ駆動反力を相殺し切れずに、それらを搭載する定盤に伝わる推力・モーメントをも相殺し、従来の装置では得られなかったより高度な制振性能を得ることができる。その結果、定盤に搭載されたステージ装置やその他の精密機器の振動を低減して、露光装置等の搭載機器の性能向上を実現することができる。
[応用例]
次に、本発明の好適な実施の形態に係る露光装置を利用した半導体デバイスの製造プロセスを説明する。図10は半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す図である。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク作製)では設計した回路パターンに基づいてマスクを作製する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記のマスクとウエハを用いて、上記の露光装置によりリソグラフィ技術を利用してウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ5によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、ステップ7でこれを出荷する。
上記ステップ4のウエハプロセスは以下のステップを有する。ウエハの表面を酸化させる酸化ステップ、ウエハ表面に絶縁膜を成膜するCVDステップ、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する電極形成ステップ、ウエハにイオンを打ち込むイオン打ち込みステップ、ウエハに感光剤を塗布するレジスト処理ステップ、上記の露光装置によって回路パターンをレジスト処理ステップ後のウエハに転写する露光ステップ、露光ステップで露光したウエハを現像する現像ステップ、現像ステップで現像したレジスト像以外の部分を削り取るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト剥離ステップ。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。
本発明の好適な第1の実施形態に係る露光装置の構成を示す図(平面図)である。 本発明の好適な第1の実施形態に係る露光装置の構成を示す図(側面図)である。 本発明の好適な第1の実施形態に係る露光装置の構成を示す図である。 本発明の好適な第2の実施形態に係る露光装置の構成を示す図(平面図)である。 本発明の好適な第2の実施形態に係る露光装置の構成を示す図(側面図)である。 本発明の好適な第2の実施形態に係る露光装置の制御構成を示す図である。 本発明の好適な実施形態に係る露光装置の構成を示す図である。 従来のカウンタマスシステムを備えたステージ装置の一例を示す図である。 従来のカウンタマスシステムを備えたステージ装置の別の例を示す図である。 半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す図である。
符号の説明
1(1a、1b):定盤
51:ステージ装置
52a、52b:カウンタマス
61(61a、61b)、64a、64b:位置センサ
62、65a、65b:速度センサ
63、66a、66b:加速度センサ
11(11a〜11h):アクチュエータ

Claims (10)

  1. 定盤と、
    前記定盤に搭載されて所定方向に移動するステージ装置と、
    前記定盤に搭載されて前記ステージ装置の移動に伴って前記所定方向とは逆方向に移動するカウンタマスと、
    前記ステージ装置及び前記カウンタマスの各々の動作物理量を検出するセンサと、
    前記センサでの検出結果に基づいて前記定盤に力を与えるアクチュエータと、
    を備えることを特徴とする露光装置。
  2. 前記センサは、前記動作物理量として位置情報、速度情報及び加速度情報の少なくとも1つを検出することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記アクチュエータを制御するための制御指令信号を生成する補償演算部を備え、
    前記補償演算部は、前記ステージ装置及び前記カウンタマスの各々の質量と、前記センサで検出した前記動作物理量と、前記定盤の重心位置を原点としたときの前記ステージ装置及び前記カウンタマスの各々の重心位置と、に基づいて、前記制御指令信号を生成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記アクチュエータを制御するための制御指令信号を生成する補償演算部を備え、
    前記補償演算部は、前記ステージ装置及び前記カウンタマスの各々の質量と、前記センサで検出した前記動作物理量と、前記定盤の重心位置を原点としたときの前記ステージ装置及び前記カウンタマスの各々の重心位置と、変位比例ゲインと、速度比例ゲインと、に基づいて、前記制御指令信号を生成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の露光装置。
  5. 前記補償演算部は、前記カウンタマスの移動によって相殺しきれない、前記ステージ装置の移動に伴う駆動反力を低減するように前記制御指令信号を生成することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の露光装置。
  6. 前記ステージ装置と前記カウンタマスとの間の相対速度を検出する相対速度センサを備え、
    前記補償演算部は、前記相対速度センサでの検出結果に基づいて前記制御指令信号を生成することを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の露光装置。
  7. 前記補償演算部は、前記ステージ装置の加速度情報に基づいて前記カウンタマスの加速度情報を推定することを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれか1項に記載の露光装置。
  8. 前記補償演算部は、前記センサで検出した前記動作物理量に基づいて、前記定盤に搭載された荷重の重心位置の変化量を検出し、前記重心位置の変化量に応じて前記制御指令信号を生成することを特徴とする請求項3乃至請求項7のいずれか1項に記載の露光装置。
  9. 前記アクチュエータは、前記定盤に対して鉛直方向に力を加えるアクチュエータ及び前記定盤に対して水平方向に力を加えるアクチュエータの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の露光装置。
  10. 半導体デバイスの製造方法であって、
    請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の露光装置を利用して原版のパターンを基板に転写する露光工程と、
    前記パターンが転写された基板を現像する現像工程と、
    を含むことを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
JP2004211961A 2004-07-20 2004-07-20 露光装置及び半導体デバイスの製造方法 Withdrawn JP2006032788A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004211961A JP2006032788A (ja) 2004-07-20 2004-07-20 露光装置及び半導体デバイスの製造方法
EP05015330A EP1619407A1 (en) 2004-07-20 2005-07-14 Exposure apparatus and semiconductor device manufacturing method
US11/182,010 US20060017908A1 (en) 2004-07-20 2005-07-15 Exposure apparatus and semiconductor device manufacturing method
KR1020050065740A KR100662662B1 (ko) 2004-07-20 2005-07-20 노광장치 및 반도체 디바이스의 제조방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004211961A JP2006032788A (ja) 2004-07-20 2004-07-20 露光装置及び半導体デバイスの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006032788A true JP2006032788A (ja) 2006-02-02
JP2006032788A5 JP2006032788A5 (ja) 2007-09-06

Family

ID=35116127

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004211961A Withdrawn JP2006032788A (ja) 2004-07-20 2004-07-20 露光装置及び半導体デバイスの製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20060017908A1 (ja)
EP (1) EP1619407A1 (ja)
JP (1) JP2006032788A (ja)
KR (1) KR100662662B1 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007273633A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Canon Inc ステージ装置及びその制御方法、露光装置及びデバイス製造方法
JP2009152597A (ja) * 2007-12-19 2009-07-09 Asml Netherlands Bv リソグラフィ装置
WO2009110202A1 (ja) * 2008-03-07 2009-09-11 株式会社ニコン 移動体装置及び露光装置
JP2010204878A (ja) * 2009-03-03 2010-09-16 Fuji Mach Mfg Co Ltd 位置決め制御系の外乱非干渉化補償装置
JP2010217032A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Hitachi High-Technologies Corp ステージ装置
WO2014208634A1 (ja) * 2013-06-28 2014-12-31 株式会社ニコン 移動体装置及び露光装置、並びにデバイス製造方法
TWI485028B (zh) * 2009-04-28 2015-05-21 Sumitomo Heavy Industries Reaction force handling mechanism
JP2017534895A (ja) * 2014-09-02 2017-11-24 エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. センサ、オブジェクト位置決めシステム、リソグラフィ装置、及びデバイス製造方法
JP2022520752A (ja) * 2019-02-04 2022-04-01 エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. 電子システム、加速度計、較正方法、リソグラフィ装置、デバイス製造方法

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7366642B2 (en) * 2005-04-26 2008-04-29 Nikon Corporation Minimum force output control method for counter-mass with cable
US7898204B2 (en) * 2007-01-05 2011-03-01 Active Precision, Inc. High-speed substrate manipulator
US7782446B2 (en) * 2007-03-01 2010-08-24 Asml Netherlands B.V. Stage system and lithographic apparatus comprising such stage system
US8773640B2 (en) * 2008-05-29 2014-07-08 Asml Netherlands B.V. Inspection method and apparatus
US8735774B2 (en) * 2009-03-27 2014-05-27 Electro Scientific Industries, Inc. Force reaction compensation system
JP5789153B2 (ja) * 2011-08-15 2015-10-07 キヤノン株式会社 露光装置及びデバイス製造方法
JP2014220265A (ja) * 2013-04-30 2014-11-20 キヤノン株式会社 ステージ装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法
DE102014204523A1 (de) * 2014-03-12 2015-09-17 Carl Zeiss Smt Gmbh Schwingungskompensiertes optisches system, lithographieanlage und verfahren
KR20180029145A (ko) 2016-09-09 2018-03-20 삼성전자주식회사 기판 처리 장치
KR102390758B1 (ko) * 2016-09-29 2022-04-26 아셈블레온 비.브이. 부품 배치 장치 및 부품 배치 장치 구동 방법
WO2018131472A1 (ja) * 2017-01-11 2018-07-19 三菱電機株式会社 無反動装置及び指向制御ミラーシステム
JP6556196B2 (ja) * 2017-07-27 2019-08-07 倉敷化工株式会社 アクティブ除振装置
EP3845773A4 (en) * 2018-08-31 2021-11-10 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. VIBRATION CONTROL DEVICE
DE102020110657B4 (de) 2020-04-20 2022-02-17 Additive Manufacturing in Motion GmbH Ruckentkopplung aktiver Linearantriebe
CN114810930B (zh) * 2022-07-01 2022-09-16 上海隐冠半导体技术有限公司 运动系统
CN115059730B (zh) * 2022-07-01 2023-09-26 上海隐冠半导体技术有限公司 运动系统

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10311364A (ja) 1997-05-09 1998-11-24 Canon Inc 能動的除振制振装置
US6408045B1 (en) * 1997-11-11 2002-06-18 Canon Kabushiki Kaisha Stage system and exposure apparatus with the same
JPH11189332A (ja) * 1997-12-26 1999-07-13 Canon Inc ステージ装置およびこれを用いた露光装置ならびにデバイス製造方法
JPH11294520A (ja) 1998-04-08 1999-10-29 Canon Inc 除振装置、これを用いた露光装置およびデバイス製造方法、ならびに除振方法
JP2002221249A (ja) * 2000-11-27 2002-08-09 Canon Inc 能動制振装置、その制御方法および能動制振装置を備えた露光装置
US20020080339A1 (en) * 2000-12-25 2002-06-27 Nikon Corporation Stage apparatus, vibration control method and exposure apparatus
US20020179806A1 (en) * 2001-05-30 2002-12-05 Ting-Chien Teng Adjustable force damper for passive vibration control
JP4109891B2 (ja) * 2002-04-19 2008-07-02 キヤノン株式会社 能動制振装置、露光装置及びデバイス製造方法

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007273633A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Canon Inc ステージ装置及びその制御方法、露光装置及びデバイス製造方法
US9378722B2 (en) 2007-12-19 2016-06-28 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus with actuator to compensate acoustic vibration
JP2009152597A (ja) * 2007-12-19 2009-07-09 Asml Netherlands Bv リソグラフィ装置
WO2009110202A1 (ja) * 2008-03-07 2009-09-11 株式会社ニコン 移動体装置及び露光装置
JP5505871B2 (ja) * 2008-03-07 2014-05-28 株式会社ニコン 移動体装置及び露光装置
US8891064B2 (en) 2008-03-07 2014-11-18 Nikon Corporation Moving body apparatus and exposure apparatus
JP2010204878A (ja) * 2009-03-03 2010-09-16 Fuji Mach Mfg Co Ltd 位置決め制御系の外乱非干渉化補償装置
JP2010217032A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Hitachi High-Technologies Corp ステージ装置
TWI485028B (zh) * 2009-04-28 2015-05-21 Sumitomo Heavy Industries Reaction force handling mechanism
JPWO2014208634A1 (ja) * 2013-06-28 2017-02-23 株式会社ニコン 移動体装置及び露光装置、並びにデバイス製造方法
WO2014208634A1 (ja) * 2013-06-28 2014-12-31 株式会社ニコン 移動体装置及び露光装置、並びにデバイス製造方法
US10048598B2 (en) 2013-06-28 2018-08-14 Nikon Corporation Movable body apparatus, exposure apparatus, and device manufacturing method
US10353300B2 (en) 2013-06-28 2019-07-16 Nikon Corporation Movable body apparatus, exposure apparatus, and device manufacturing method
US10788760B2 (en) 2013-06-28 2020-09-29 Nikon Corporation Movable body apparatus, exposure apparatus, and device manufacturing method
US11181832B2 (en) 2013-06-28 2021-11-23 Nikon Corporation Movable body apparatus, exposure apparatus, and device manufacturing method
JP2017534895A (ja) * 2014-09-02 2017-11-24 エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. センサ、オブジェクト位置決めシステム、リソグラフィ装置、及びデバイス製造方法
US10061213B2 (en) 2014-09-02 2018-08-28 Asml Netherlands B.V. Sensor, object positioning system, lithographic apparatus and device manufacturing method
JP2022520752A (ja) * 2019-02-04 2022-04-01 エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. 電子システム、加速度計、較正方法、リソグラフィ装置、デバイス製造方法
US11561479B2 (en) 2019-02-04 2023-01-24 Asml Netherlands B.V. Electronic system, accelerometer, calibration method, lithographic apparatus and device manufacturing method
JP7248806B2 (ja) 2019-02-04 2023-03-29 エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. 電子システム、加速度計、較正方法、リソグラフィ装置、デバイス製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR100662662B1 (ko) 2007-01-02
US20060017908A1 (en) 2006-01-26
KR20060053939A (ko) 2006-05-22
EP1619407A1 (en) 2006-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006032788A (ja) 露光装置及び半導体デバイスの製造方法
US6028376A (en) Positioning apparatus and exposure apparatus using the same
JP4834439B2 (ja) ステージ装置及びその制御方法、露光装置及びデバイス製造方法
JP6718154B2 (ja) 移動体装置及び露光装置、並びにデバイス製造方法
JP3919560B2 (ja) 振動制御装置及び振動制御方法及び露光装置及びデバイスの製造方法
JP2007103657A (ja) 光学素子保持装置、露光装置およびデバイス製造方法
JP3963410B2 (ja) 位置決め装置およびこれを用いた露光装置
US20080218720A1 (en) Exposure apparatus and method of manufacturing device
EP1124078A2 (en) Active anti-vibration apparatus and exposure apparatus
JP5849955B2 (ja) 移動体装置、露光装置、露光方法、フラットパネルディスプレイの製造方法、及びデバイス製造方法
JP4386293B2 (ja) 振動制御装置及び振動制御方法及び露光装置及びデバイスの製造方法
JP2010080624A (ja) 露光装置およびデバイス製造方法
JP2006344685A (ja) 露光装置
JPH094677A (ja) 防振方法
JP6379612B2 (ja) 移動体装置及び露光装置、並びにデバイス製造方法
JP2001230178A (ja) 位置決め装置、露光装置およびデバイス製造方法
JP2003209047A (ja) 移動装置及びその制御方法並びにデバイスの製造方法
JP2001230177A (ja) 位置決め装置、露光装置およびデバイス製造方法
JP4685084B2 (ja) 位置決め装置、露光装置およびデバイス製造方法
JPH11176725A (ja) 投影露光装置
JPH10275770A (ja) 投影露光装置
JPH10321514A (ja) 位置決め装置および露光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070719

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070719

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20070719

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20100108