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JP2006028602A - 希土類異方性磁石粉末 - Google Patents

希土類異方性磁石粉末 Download PDF

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JP2006028602A
JP2006028602A JP2004210763A JP2004210763A JP2006028602A JP 2006028602 A JP2006028602 A JP 2006028602A JP 2004210763 A JP2004210763 A JP 2004210763A JP 2004210763 A JP2004210763 A JP 2004210763A JP 2006028602 A JP2006028602 A JP 2006028602A
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JP2004210763A
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Yoshinobu Motokura
義信 本蔵
Norihiko Hamada
典彦 濱田
Chisato Mishima
千里 三嶋
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Aichi Steel Corp
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Abstract

【課題】耐酸化性と優れた磁気特性を有する希土類異方性磁石粉末の提供。
【解決手段】(R1−xLa12−14Febal.9−10(Rはランタンを除きイットリウムを含む希土類元素であり、X=0.05−0.08であり、Febalは特定した組成の他はFeと不可避的不純物を表わす) 組成比を有する合金に、水素分圧が10〜100kPa中のP1で、温度が953〜1133K中のT1となる処理雰囲気に保持する高温水素化工程と、該高温水素化工程後のRLaFeB系合金を10kPa以上のP2に、温度が1033〜1213K中のT2で、かつ、T2>T1またはP2>P1の条件を満たす組織安定化工程と、該組織安定化工程後のRLaFeB系合金を水素分圧が0.1〜10kPa中のP3で、温度が1033〜1213K中のT3となる処理雰囲気に保持する制御排気工程と、該制御排気工程後のRLaFeB系合金から残留した水素(H)を除去する強制排気工程と、を施すことにより耐酸化性と優れた磁気特性を有する希土類異方性磁石粉末。
【選択図】 図1

Description

本発明は、耐酸化性と高保磁力を有する希土類異方性磁石粉末に関する。
磁石は、各種モータ等、我々の周囲にある多くの機器で使用されているが、最近の軽薄短小化や機器の高効率化等により、より強力な永久磁石が求められている。この観点から、希土類元素(R)とホウ素(B)と鉄(Fe)とからなるRFeB系磁石(希土類磁石)の開発が従来から盛んに行われてきた。このような希土類磁石の製造方法としては、下記特許文献1、2、3に記載されている急冷凝固法の一種であるメルトスパン法がある。また、特許文献4、5に記載されているように、基本的に水素化工程と脱水素工程との2工程によって水素化・不均化反応を起させるHDDR法(hydrogenation−disproportion−desorption−recombination)がある。しかし、これら従来の方法では、いずれも磁気特性の低い磁石粉末しか得られない。また、磁気特性に優れた異方性磁石粉末の量産には適量し難い製造方法である。
このような製造方法とは異なり、非常に優れた磁気特性が得られる異方性磁石粉末の製造方法を本発明者は既に開発している。この製造方法は、得られる磁石粉末の特性が異質で、上記HDDR法とは工程内容等が大きく異なるため、上記HDDR法と区別する意味でd−HDDR法と呼ばれている。このd−HDDR法は、温度や水素圧力の異なる工程を複数設け、RFeB系合金と水素との反応速度を緩やかに制御して、均質で磁気特性に優れる異方性磁石粉末が得られる点が特徴である。具体的には、室温でRFeB系合金に水素を十分に吸収させる低温水素化工程と、低水素圧力下で水素化・不均化反応を起こさせる高温水素化工程と、可能な限り高い水素圧力下で水素を緩やかに解離させる第1排気工程と、その後の材料から水素を除去する第2排気工程の4工程から主になるとされていた。各工程の詳細は、下記特許文献6、7や非特許文献1等に開示されている。
米国特許4851058号公報 米国特許5411608号公報 米国特許4402770号公報 特開平2−4901号公報 特開平11−31610号公報 特許3250551号公報 特開2002−93610号公報 日本応用磁気学会誌、24(2000)、p.407
一方、従来より自動車用の各種モータ、アクチュエータ等に各種磁石が使用されている。自動車用途においては、高温環境下での耐酸化性が要求され、更に、近年の車両の軽量化のニーズから、モータ等も高性能化による小型軽量化が求められている。そのため、それらモータ等に使用される磁石にも、耐酸化性および高性能磁石が要求されている。
このようなニーズに対応するため、高性能磁石として希土類焼結磁石があるが、コストが高く、寸法精度が低いため、そのポテンシャルを使い切れない場合があった。それに対し、近年登場した前述のd−HDDR法により製造したRFeB系希土類異方性磁石粉末を用いた希土類異方性ボンド磁石は、低コストで、160KJm−3以上の最大磁気エネルギー積を有し、優れた磁気特性と高い寸法精度を有しており、家庭用電気機器等に適用されはじめている。
更に、d−HDDR法により製造したRFeB系希土類異方性磁石粉末の耐熱性を更に向上させるため、SmFeN微粉末等と組合わせることにより、d−HDDR法で製造した磁石粉末特有の成形割れを防止することにより、飛躍的に耐熱性を向上させた複合希土類異方性ボンド磁石が登場した。この磁石は、184KJm−3以上の最大磁気エネルギー積を有し、優れた磁気特性と耐熱性と高い寸法精度を有しており自動車分野への適用が検討されている。
しかしながら、自動車用途においては、更に、過酷な条件下にさらされるモータ等があり、使用される磁石には、耐酸化性を有し,かつ,磁気特性に優れた磁石粉末が要求されている。特に薄肉リングボンド磁石に使用される磁石粉末においては,0.8MAm−1以上の保磁力が要求されている.また、最大磁気エネルギー積においては、240kJm−3以上が要求されている。
そこで、そのニーズを達成するために耐酸化性元素であるLaを、原料のRFeB系合金に添加して、d−HDDR法によりRFeB系希土類異方性磁石粉末を製造すると、従来から知られているように、磁粉の耐酸化性は増すものの、保磁力が0.8MAm−1以下へと大きく減少し使用できなかった.
更に、Laをd−HDDR法によりRFeB系希土類異方性磁石粉末に拡散させる技術を適用方法もある.しかし,工程数が増えるため,コストが高くなる.また,この方法の場合においてLaは,表面,結晶粒界,粒界相に優先的に拡散し,磁気特性を担う磁性相への拡散が少ない.そのため,ボンド磁石の成形加工時に生ずる少量の割れが発生し,ある一定の確率で耐酸化性が劣化する場合がある.特に環境下の厳しい燃料ポンプ,ウォーターポンプ等,溶媒中で使用する磁石において,その場合の耐酸化性の向上が望まれている。
本発明は、Laの耐酸化性をそのまま利用しつつ、Laによる保磁力の低下を押さえる得るべく検討した結果、d−HDDR法における高温水素化工程後おいて、更に、温度若しくは圧力を上げて水素化反応を更に促進した上で、制御排気工程、強制排気工程を実施することにより、耐酸化性元素としてのLaのポテンシャルを最大限に引き出しつつ、Laによる保磁力の低下を押さえることができたとの新知見に基づくものである。
本発明の希土類異方性磁石粉末は、(R1−XLa12−14Febal.9−10 (Rはランタン(La)を除きイットリウム(Y)を含む希土類元素であり、X=0.05−0.08であり、Febalは、特定した組成の他はFeと不可避的不純物からなる。)の組成比を有する合金(以下RLaFeB系合金と記す。)に、水素分圧が10〜100kPa中の第1処理圧力(以下、「P1」という。)で、温度が953〜1133K中の第1処理温度(以下、「T1」という。)となる処理雰囲気に保持する高温水素化工程と、
該高温水素化工程後のRFeB系合金を水素分圧が10kPa以上の第2処理圧力(以下、「P2」という。)に、温度が1033〜1213K中の第2処理温度(以下、「T2」という。)で、かつ、T2>T1またはP2>P1の条件を満たす組織安定化工程と、
該組織安定化工程後のRFeB系合金を水素分圧が0.1〜10kPa中の第3処理圧力(以下、「P3」という。)で、温度が1033〜1213K中の第3処理温度(以下、「T3」という。)となる処理雰囲気に保持する制御排気工程と、
該制御排気工程後のRFeB系合金から残留した水素(H)を除去する強制排気工程とを施したものであって、耐酸化性と優れた磁気特性を有する希土類異方性磁石粉末であることを特徴とする。
本発明の製造方法が従来の含La入り希土類異方性磁石粉末と異なるのは、組成においては、過去の特許文献3に開示された内容と同一であるものの、その製造工程が全く異なり、それによって得られた特性が、磁気特性において著しく優れる点にある。特許文献3に記載された同一組成での磁気特性は、最大で、保磁力において0.72MAm−1、最大磁気エネルギー積において24KJm−3であるが、本発明の希土類異方性磁石粉末は、保磁力において0.8MAm−1以上、最大磁気エネルギー積において240KJm−3以上であり、全く異なる物質であり、著しく特性上優れている。
製造方法上の特徴は、公知のd−HDDR法に比べ、高温水素化工程と制御排気工程の両工程間に組織安定化工程を新設した点である。その組織安定化工程は、高温水素化処理工程に対して、その処理温度、水素分圧の少なくとも一方を増加させた工程であることが大きな特徴である。
このように、高温水素化工程後、温度、水素分圧の少なくとも一方を増加させる組織安定化工程を施し、さらに制御排気工程を行うことで、従来になく耐酸化性と磁気特性に優れた磁石粉末が得られた。
本発明の製造方法がこのように優れた効果を発現する理由は必ずしも明らかではないが、現状、次のように考えられる。
従来のd−HDDR法は、基本的に次の4ステップからなる。
(a)低温水素化工程において、次工程(高温水素化工程)での水素化・不均化反応が緩やかに進むように、水素化・不均化反応以下の温度域で水素圧をかけて水素を十分固溶させる。
(b)その後、高温水素化工程において、水素化・不均化反応をさせるべく、所定の温度で、所定圧力下で水素を吸収されながら反応を進行させる。
(c)その後、制御排気工程において、再結合反応をさせるべく、高温水素化工程と同じ温度で、比較的高い所定圧力下で緩やかに脱水素することにより緩やかに反応を進行させる。
(d)更に、強制排気工程において、残留した水素を取除くべく脱水素処理をして処理を完了するものであり、できる限りゆっくりと三相分解を進行させ、できる限りゆっくりと再結合させる。
本発明者は、これまで以上に優れた磁気特性を有する磁石粉末の製造方法を開発すべく、上記各種処理と組織との関係を鋭意研究し、従来のd−HDDR法を再検討した。
従来の高温水素化工程では、できる限りゆっくりと水素化・不均化反応を進行させていた。しかしそれ故に、水素化・不均化反応が十分完了せず、微量ではあるが2−14−1相(RFe14B相)が残存したり、水素化分解すべき析出物が残存したりして、本来発揮されるべき磁気特性が十分に引き出されていないのではないかと思われた。水素化・不均化反応が完全に完了していないと、再結合反応後、均一な結晶粒を得難い。その結果、例えば、磁石粉末が混粒組織となり、そのiHcの低下、磁気カーブにおける角形性の低下ひいては(BH)maxの低下が生じ得る。
一般に、化学反応は、反応初期ほどその反応は速いが、次第にその速度が落ちる。このため、長時間保持しないと反応が完結しないといわれている。つまり、反応が終了に近づけば近づく程、その反応は進行しにくくなる。ここで反応速度の鈍化を見込んで、単純に高温水素化工程の時間を長くし、水素化・不均化反応を完了させようとしたところ、水素化・不均化反応は完了するものの、熱処理時間が長すぎたため、組織劣化(例えば、組織の粗大化等)が生じて、磁気特性が逆に低下してしまった。
更に、発明者等は、特にLaを含有したRFeB系合金で、高温水素化処理した場合は、NdとH間の反応の進展とLaとH間の反応の進展が異なることが、Laを含有しない合金に比べ、大幅に反応速度が鈍化させ、ひいては磁気特性が大きく劣化させると考えた。
本発明者は、Laの含有による反応速度の鈍化に対して、反応速度を促進させ、かつ、組織の粗大化を伴わずに水素化・不均化反応を十分に完了させるために次のことを着想した。すなわち、反応速度の比較的早い初期段階ではできる限りゆっくりと水素化・不均化反応を進行させつつも、そのままでは次第に反応速度が鈍化してその反応完了まで長時間を要することとなる。そこで、その反応終了段階では、水素化・不均化反応の反応速度を高めてその反応を速やかに完了させることが有効であると考えた。
水素化・不均化反応は、温度と、水素分圧の両方で制御されるユニークな反応である。本発明者は、この特徴を生かして、この処理温度や水素分圧を制御することで、上記反応を高速化する手段を検討した。すなわち、処理温度を増加させれば、水素化・不均化反応の駆動力が増加し、反応が速やかに完了すると考えられた。また、水素分圧を増加させても、処理温度の増加時と同様に、反応が速やかに完了すると考えられた。
以上により、水素化・不均化反応の末期に、少なくとも水素圧力もしくは処理温度を増加させれば、水素化・不均化反応を速やかに完了させることが可能となる。本発明は、高温水素化工程と制御排気工程との間に組織安定化工程を新設することで、上述の問題点を解決した。
発明を実施するための最良の形態
(実施形態)
以下、実施形態を挙げて本発明を具体的に説明する。
(1)RLaFeB系合金
本発明のRLaFeB系合金は、組成比が(R1−XLa12−14Febal.9−10であり、La(ランタン)と、Yを含む希土類元素(R)とBとFeとを主成分とするものである。ここで、RはLaを除き、Yを含む希土類元素であるが、Rは1種類の元素に限らず、複数種類の希土類元素を組合わせたり、主となる元素の一部を他の元素で置換等したものでも良い。
Laは本発明の特徴的元素であり、耐酸化性の向上に優れた効果がある。しかし、従来のメルトスパン法、HDDR法、d−HDDR法による製造方法では、磁気特性を大幅に低下させる傾向にあった。しかし、本発明の水素処理と組合わせることにより、磁気特性を劣化させることなく耐酸化性を十分に発揮させることができるようになった。
一方Rは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタノイドからなる。もっとも、磁気特性に優れる元素として、Rが、Y、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)およびルテチウム(Lu)の少なくとも1種以上からなると好適である。特に、コスト及び磁気特性の観点から、RがPr、Nd、DyおよびTbの一種以上からなると好ましい。
(R1−XLa)が12未満では保磁力が低下してしまい、(R1−XLa)が14を超えると、非磁性相が増え(BH)maxの低下を招くこととなる。
希土類元素RとLaの取りうる組成比は、X=0.05−0.08である。
Xが0.05未満では耐酸化性の効果が低下してしまい、Xが0.08を超えると保磁力が低下を招くこととなる。
Bが9%未満では、保磁力低下してしまい、Bが10%を超えると、非磁性相が増え,(BH)maxの低下を招くこととなる.
Febalは、特定した組成であるR,La,Bの他はFeと不可避的不純物からなることを示す。
(2)RLaFeCoMnBT系合金
本発明のRLaFeCoMnBT系合金の組成比は(R1−XLa12−14Febal.Co0−3Mn0−2 (B1−Y9−10であり。本合金はRLaFeB系合金に対して、Co,Mn,Al,Siを添加することにより各種の効果を付加したものである。
Coは,耐熱性を向上させる元素であり、添加する程耐熱性は向上するが、経済的理由から3%を超える添加は好ましくない。
(B1−Y)が9%未満だと,保磁力低下してしまい、10%を超えると,非磁性相が増え,(BH)maxの低下を招くこととなる。ここで、Tは、AlとSiとからなる。BとTの取りうる組成比は、Y=0−0.2である。このように、磁気特性の面では、Al,Siは、上記所定量までの添加はBと同様の作用を示す。
また、Al,Siは,d−HDDR処理の安定化を図る元素であり、その結果、保磁力を増加させるが、上記所定量を超えると(BH)maxの低下を招くこととなる。
Mnは,添加によりBrを高める元素であるが、2%を超えると効果が飽和してしまう。
なお、本合金においても、RLaFeCoBT系合金は不可避不純物を含み、その組成はFeでバランスされる。
以下の説明においては、適宜、RLaFeB系合金とRLaFeCoMnBT系合金を、主成分がRとFeとBから構成されていることから、それらを総称してRFeB系合金と記す。
RFeB系合金は、例えば、種々の溶解法(高周波溶解法、アーク溶解法等)により溶解、鋳造したインゴットやストリップキャスト法で製作した原料を用いることができる。また、RFeB系合金は、インゴットやストリップ等を粉砕した粉末であると、d−HDDR処理が均一に進行して好ましい。この粉砕には、一般的な水素粉砕や機械粉砕等を用いることができる。
(3)d−HDDR処理
本発明の製造方法では、高温水素化工程、組織安定化工程、制御排気工程および強制排気工程の4工程を必須工程としている。もっとも、これらの工程は連続になされる必要はない。さらに、高温水素化工程前の低温水素化工程や制御排気工程後の冷却工程を備えると、量産性も考慮すると好ましい。また、異方性磁石粉末の磁気特性の向上やその異方性磁石粉末を硬質磁石(ボンド磁石等)にした際の耐熱性、耐食性等の向上を図って硬質磁石の用途を拡大する観点から、拡散熱処理工程等を行うのが好ましい。以下、これらの各工程について説明する。
(a)低温水素化工程
低温水素化工程は、高温水素化工程前に、RFeB系合金を温度が873K以下、より望ましくは723K以下の水素雰囲気中に保持する工程である。本工程により、水素化・不均化反応を生じない低温域で、RFeB系合金に水素を予め十分に吸蔵させて、高温水素化工程での水素化・不均化反応の速度制御を容易にすることができる。ただし、RFeB系合金への水素吸蔵は、少量の処理量の場合は高温水素化工程で兼ねることも可能なため、本発明の製造方法では、本工程を必須工程としていない。勿論、大量のRFeB系合金を処理し、高磁気特性の異方性磁石粉末を安定的に量産することを考えれば、本工程を設けるのが好ましいことはいうまでもない。
本工程は、水素化・不均化反応を生じない温度域で行われるため、以下の反応が主に生じていると考えられる。
(化1)
Fe14→RFe14
つまり、水素は、RFeB系合金の格子間あるいは結晶粒界に侵入するだけであり、本工程中では基本的に相変態を生じない。
原料合金の組成にもよるが、通常、873〜1033Kで水素化・不均化反応を生じ始めるところ、本工程中の温度を前記873Kを超えて設定すれば、部分的に組織変態を起して組織が不均一となる。これは、異方性磁石粉末の磁気特性を著しく低下させる要因となり好ましくない。従って、本工程は873K以下の温度、より望ましくは723K以下、さらにいえば、室温〜573K程度の温度域で行われれると良い。低温水素化工程中の水素圧力(分圧)は特に拘らないが、例えば、30〜100kPaとすると好適である。水素圧力を30kPa以上とすることでRFeB系合金への水素吸蔵に要する時間を短縮でき、100kPa以内とすることで経済的に水素吸蔵を行い得る。なお、処理雰囲気は、水素ガスのみならず、例えば、水素ガスと不活性ガスとの混合ガス等で構成されても良い。重要なのは水素分圧であり、これは以下の工程でも同様である。
(b)高温水素化工程
高温水素化工程は、RFeB系合金を水素分力が10〜100kPaで温度が953〜1133K内の第1処理温度(T1)である処理雰囲気に保持する工程である。本工程で、水素を吸蔵したRFeB系合金の組織は、本工程により三相分解(Fe相、RH相、FeB相)される。この際、次の水素化・不均化反応が主に生じていると考えられる。
(化2)
Fe14→RH+Fe(B)→RH+Fe+Fe
すなわち、先ず、水素を吸蔵したRFeB系合金は、FeとRの水素化物(RH)に分解されて層状のラメラ組織を形成する。このFeはBを過飽和に固溶させた状態にあると考えられる。そして、そのラメラ組織は、一方向にのみ歪みが導入されたものとなっており、この歪みに沿った形で、Fe中に過飽和に固溶していたBが正方晶のFeBとして一方向に析出すると考えられる。
ここで、上記反応速度が大きいと、歪みが一方向に配向したラメラ組織は形成されず、析出してくるFeBの方位もランダムとなってしまう。つまり、異方化率が低下してBrも低下する。従って、高磁気特性の異方性磁石粉末を得るには、上記反応をできる限り緩やかに進行させることが好ましい。この反応速度を緩やかに行うために、本工程では水素分圧の上限を100kPaに抑制している。但し、水素分圧があまりにも小さいと、反応が起らなかったり、多量の未変態組織が残存して保磁力の低下を招くため好ましくないので、その下限を10kPaとした。
また、本工程中の処理温度が953K未満では上記反応が進行せず、それが1133Kを超えると過飽和FeからFeBが一方向に析出しにくくなったり、反応速度が速いために前記ラメラ組織が形成されにくくなって、結局、磁石粉末のBrの低下を招くようになる。そこで、本工程は、上記反応が緩やかに進行する953〜1133K中の第1設定温度(T1)で行うこととした。なお、好ましい反応速度等の詳細は、前述した特許文献5や非特許文献1にも記載されている。
(c)組織安定化工程
組織安定化工程は、高温水素化工程末期の反応速度(特にLaと水素の反応速度)を上昇させてその反応を十分に完了させ、上記三相分解を確実に行わせるものである。このため、組織安定化工程では、処理温度(T2)または水素分圧(P2)を適宜選択して、高温水素化工程末期の反応速度を上昇させる処理雰囲気が形成されれば良い。具体的には、高温水素化工程中の処理温度(T1)や水素分圧(P1)と比較して、少なくとも、T2>T1またはP2>P1であれば足る。但し、組織安定化工程のP2やT2を、高温水素化工程のP1やT1よりも高くすることが目的ではなく、高温水素化工程末期の反応速度を向上させることが目的である。従って、その反応速度が高まる限りにおいて、T2>T1かつP2<P1でも良いし、T2<T1かつP2>P1でも良い。例えば、P1が30kPaであったときに、P2を20kPaにしたとしても、P2<P1の影響を打ち消す以上にT2をT1よりも十分に上昇させれば、組織安定化工程の目的は十分に達成される。逆に、例えば、T1が1073Kであったときに、T2を1048Kにしたとしても、T2<T1の影響を打ち消す以上にP2をP1よりも十分に上昇させれば、組織安定化工程の目的は十分に達成される。
勿論、高温水素化工程から組織安定化工程へスムーズに移行させ、磁気特性の高い磁石粉末を安定的に得る上で、組織安定化工程の処理雰囲気は、T2>T1かつP2≧P1またはP2>P1かつT2≧T1の条件を満たす方がより良い。すなわち、高温水素化工程を基準にした場合に、組織安定化工程の処理温度または水素分圧の少なくとも一方が、高温水素化工程のそれらより高いことを意味する。この条件により、Laを含有することにより、及び、水素化・不均化反応が進行することにより反応速度の低下した水素化・不均化反応をさらに促進させ得る。そして、高温水素化工程後の残存した2−14−1相や水素化分解すべき析出物の水素化分解が速やかに進行する。
ここで、昇温過程や昇圧過程中に水素化分解が完了する場合もあるが、いずれにしても、組織安定化工程下で水素化分解がほぼ完全に完了するまで保持するのが好ましい。
組織安定化工程は、Laと水素間の反応速度を促進するため、および、前処理である高温水素化工程で残存した2−14−1相や水素化分解すべき析出物を水素化分解するために行われる。この点を考慮して、水素分圧P2の範囲は10kPa以上、処理温度T2の範囲は1033〜1213Kとした。
水素分圧が10kPa未満では、再結合が開始され、その結果、磁気特性が低下する。一方、その上限は特に制限がない。むしろ、P2が高い程、組織安定化工程の効果が高まる傾向にある。但し、処理炉のコストや耐久性等の生産上の都合を考えると、P2の上限は200kPaが好ましい。
処理温度を1033〜1213Kとしたのは、1033K以下では、Laと水素間の反応速度を促進せず、残存した2−14−1相や水素化分解すべき析出物の水素化分解が進行せず、磁気特性の低下を招く。一方、上限を1213Kとしたのは、組織の劣化が起こり、磁気特性の低下を招くからである。
(d)制御排気工程
制御排気工程は、組織安定化工程後のRFeB系合金を水素分圧が0.1〜10kPa中の第3処理圧力(P3)で温度が1033〜1213K中の第3処理温度(T3)である処理雰囲気に保持する工程である。
本工程で、前工程である高温水素化工程で生成された三相分解中のRH相から水素が除去され、FeBを核として結晶方位の揃ったRFe14相が再結合される。この際、次の再結合反応が主に生じていると考えられる。
(化3)
RH+Fe+FeB→RFe14+H
この再結合反応も、できる限りゆっくりと進行するのが好ましい。反応速度が速いと、FeBを核とした結晶方位にゆれが生じて、再結合したRFe14相の異方性も低くなり、磁気特性が低下するからである。
そこで、本工程では、第3処理圧力(P3)を0.1〜10kPaとした。水素分圧を0.1kPa未満とするような急激な排気を行うと、排気口に近い場所の合金材料と遠い場所の合金材料とで排気速度が変わり、再結合反応速度が不均一になり易い。また、この再結合反応は吸熱反応であるため、場所による温度の不均一をも招くことになり、相乗的に、異方性磁石粉末全体の磁気特性低下につながる。一方、水素分圧が10kPaを超えると、再結合反応が進まず、逆組織変態が不十分となって、高iHcの異方性磁石粉末が得られなくなる。
また、本工程中の処理温度が1033K未満では上記反応が進行せず、一方、1213Kを超えると再結合反応が適切に進行せず、結晶粒の粗大化等によって高iHcの異方性磁石粉末が得られなくなる。そこで、本工程は、上記反応が緩やかに進行する1033〜1213K中の第3処理温度(T3)で行うこととした。なお、この場合の好ましい反応速度等の詳細も、前述した特許文献5や非特許文献1にも記載されている。
(e)強制排気工程
強制排気工程は、制御排気工程後のRFeB系合金(RFeBHx)から残留した水素(残留水素)を除去する工程である。この際、次の反応が主に生じていると考えられる。
(化4)
Fe14→RFe14+xH
本工程中の処理温度や真空度等は特に限定されないが、上記T3と同程度かそれより低い温度で、1Pa以下まで真空引きするのが好ましい。真空度が弱いと、水素が残存するおそれがあり、磁気特性の低下につながるからである。また、処理温度が低すぎると排気に長時間を要し、高すぎると結晶粒の粗大化を招き好ましくない。
ところで、この強制排気工程は、上記制御排気工程と連続的に行う必要はない。前記制御排気工程後、本工程前に、合金材料を冷却する冷却工程を入れても良い。冷却工程を設けると、例えば、制御排気工程後に得られたRFeB系合金を別の処理炉等に移して、量産時に強制排気工程等をバッチ処理する場合などに有効である。そのRFeB系合金を所定粒度に粉砕等する際にも、冷却工程を設けると好都合である。また、後述の拡散熱処理を行う場合、この冷却工程を入れることで、RFeB系合金(RFe14)と拡散材料との混合が容易となる。なお、この場合の拡散熱処理工程は、本発明でいう強制排気工程を兼ねるものと考えても良い。すなわち、強制排気工程の一形態が拡散熱処理工程であると考えても良い。
冷却工程は、RFeB系合金の冷却状態を問題とするものではなく、その取扱いを容易とするためであるから、冷却温度、冷却方法、冷却雰囲気等を問わない。また、水素化物は耐酸化性があることから、そのRFeB系合金を室温で大気中に取出すこともできる。なお、当然に、冷却工程後には、RFeB系合金(RFe14)を再び昇温し真空引きする等の強制排気工程を行うのが良い。
また、制御排気工程後のRFeB系合金(RFe14)に拡散材料を混合し、その後、拡散熱処理工程を行う場合、その工程後に強制排気工程を一括して行えば効率的である。
(4)拡散熱処理
上記d−HDDR処理のみでも、十分に高磁気特性の異方性磁石粉末は得られる。しかし、以下説明する拡散熱処理を行うことで、保磁力、さらには耐食性の向上した異方性磁石粉末を得ることができる。
この拡散熱処理は、基本的に、制御排気工程後のRFeB系合金(RFe14)または強制排気工程後のRFeB系合金(異方性磁石粉末)に、Dy等からなる拡散材料を混合して混合粉末とする混合工程と、その混合粉末を加熱してRFeB系合金の表面および内部にDy等を拡散させる拡散熱処理工程とからなる。
(a)拡散材料
拡散材料は、ジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)、ネオジム(Nd)、または、プラセオジム(Pr)からなる元素(以下、「R1」という。)を少なくとも一種以上含有するものであれば良い。例えば、Dy、Tb、Nd、およびPrからなる元素(R1)の単体、合金、化合物または水素化物(R1材料)の1種以上を含むものである。その水素化物には、R1の単体、合金または化合物の水素化物がある。更には、これらの混合物であってもよい。混合工程前の拡散材料の形態は問わないが、混合工程により混合粉末となり易いものが好ましい。そこで必要に応じて粉末状の拡散材料(拡散粉末)を用いるのが良く、R1のRFeB系合金への均一な拡散も図り易い。
R1材料は、3d遷移元素および4d遷移元素の1種以上の遷移元素(以下、「TM」という。)を含み、拡散熱処理工程でR1と共にTMがRFeB系合金の表面および内部に均一に拡散するとより好適である。これにより、さらなる保磁力の向上や永久減磁率の低下を図ることができる。なお、3d遷移元素は、原子番号21(Sc)〜原子番号29(Cu)であり、4d遷移元素は、原子番号39(Y)〜原子番号47(Ag)である。特に、8族のFe、Co、Niが磁気特性の向上を図る上で有効である。また、拡散材料は、R1材料の粉末と、TMの単体、合金、化合物または水素化物(TM材料)の粉末とを別々に用意しておきこれらを混合したものでも良い。なお、本明細書でいう化合物には、金属間化合物も含む。また、水素化物には、水素を固溶状態で含んでいるものも含まれる。
このような拡散材料は、例えば、ジスプロシウム粉末、ジスプロシウムコバルト粉末、ジスプロシウム鉄粉末、ジスプロシウム水素化物粉末またはジスプロシウムコバルト水素化物粉末、ジスプロシウム鉄水素化物粉末である。特に、R1がDyであると、異方性磁石粉末の保磁力が向上し、また、TMがCoであると、異方性磁石粉末のキュリー点が向上する。さらに、TMにFeが含まれると低コスト化を図れる。
特に、拡散材料は、平均粒径が0.1〜500μmの拡散粉末であるとR1の拡散を図り易く好ましい。平均粒径が0.1μm未満の拡散粉末は製造が困難であり、平均粒径が500μmを超えると、RFeB系合金との均一な混合が困難となる。そして、その平均粒径が1〜50μmであるとより好ましい。
このような拡散粉末は、R1材料を一般的な水素粉砕や乾式若しくは湿式の機械粉砕(ジョークラッシャ、ディスクミル、ボールミル、振動ミル、ジェットミル等)等して得られる。もっとも、R1材料の粉砕は水素粉砕が効率的であり、この観点から水素化物粉末を拡散粉末として使用するのが好ましい。さらに、水素粉砕後、乾式若しくは湿式の機械粉砕等を行うのがより好ましい.
(b)拡散熱処理前のRFeB系合金
拡散材料を混合するRFeB系合金は、制御排気工程後または強制排気工程後に得られたものを使用するのが効率的であり、異方性磁石粉末の磁気特性を図る点からも好ましい。制御排気工程後のRFeB系合金(RFe14)を使用した場合、拡散熱処理工程前に脱水素工程を行うか、強制排気工程を兼ねて拡散熱処理工程を行うのが良い。すなわち、前記混合工程は、前記制御排気工程後に得られたRFeB系合金の水素化物粉末とR1を含む水素化物粉末からなる拡散粉末とを混合して混合粉末とする工程であり、前記拡散熱処理工程は、該混合粉末から残留水素を除去する前記強制排気工程を兼ねた工程であっても良い。
また、RFeB系合金の形態は問わないが、拡散材料との混合性、拡散性等を考慮して、その平均粒度が200μm以下であると好ましい。
(c)混合工程
混合工程は、上記RFeB系合金と拡散材料とを混合して混合粉末とする工程である。混合工程には、ヘンシェルミキサ、ロッキングミキサ、ボールミル等を用いることができる。また、拡散熱処理工程の炉に混合機能が付与された回転キルン炉や、回転レトルト炉を用いることが特に好ましい。RFeB系合金と拡散材料との均一な混合を行うために、各原材料の粉砕、分級等を適宜行うと良い。分級を行うことで、ボンド磁石等の成形が容易にもなる。また、混合工程は、酸化防止雰囲気(例えば、不活性ガス雰囲気や真空雰囲気)で行うことが、異方性磁石粉末の酸化抑制のために好ましい。
ところで、拡散材料の混合は、混合粉末全体を100質量%としたときに、拡散材料を0.1〜3.0質量%の割合で行うと好適である。拡散材料の混合割合を適切に調整することで、保磁力、残留磁束密度および角形性のいずれにも優れた高磁気特性を発揮すると共に永久減磁率にも優れた異方性磁石粉末が得られる。
(d)脱水素工程
脱水素工程は、混合粉末中の残留水素を除去する工程である。ここで、RFeB系合金と拡散材料のうちの少なくともひとつが水素化物である場合、その水素を含有するために、拡散熱処理工程前または拡散熱処理工程を兼ねた脱水素工程が必要となる。
強制排気工程前のRFeB系合金に拡散材料を混合し拡散熱処理を行った場合、本工程はd−HDDR処理の強制排気工程を兼用したものとなる。強制排気工程後のRFeB系合金に水素化物からなる拡散材料を混合して拡散熱処理を行う場合、拡散熱処理工程前に別途、脱水素工程を行う必要が生じる。この場合の脱水素工程は、例えば、1Pa以下、1023〜1123Kの真空雰囲気で行えば良い。1Pa以下としたのは、1Paを超えると水素が残留し、異方性磁石粉末の保磁力低下を招くからである。1023〜1123Kとしたのは、1023K未満では残留水素の除去される速度が低く、1123Kを超えると結晶粒の粗大化を招くからである。
(e)拡散熱処理工程
拡散熱処理工程は、混合工程後に得られた混合粉末を加熱してRFeB系合金の表面および内部に拡散材料のR1を拡散させる工程である。
R1は酸素ゲッタとしても機能し、異方性磁石粉末やそれを用いた硬質磁石の酸化を抑制する。従って、磁石が高温環境下で使用される場合でも、酸化による性能劣化が有効に抑制、防止される。そして、磁石粉末の耐熱性が向上するため、その用途も拡大する。
この拡散熱処理工程は、酸化防止雰囲気(例えば、真空雰囲気中)で行うのが良く、処理温度は673〜1173K、特に、制御排気工程の温度T3以下が好ましい。673K未満では、R1やTMの拡散速度が遅くて効率的ではなく、1173KやT3を超えると、結晶粒の粗大化を招き好ましくない。更に、急冷するのが結晶粒粗大化防止のために好ましい。
(5)その他
本発明の製造方法により得られる異方性磁石粉末は、所望形状の焼結磁石やボンド磁石に形成される。特に、その異方性磁石粉末は形状自由度が大きく高温加熱を必要としないボンド磁石に有効である。このボンド磁石は、得られた異方性磁石粉末へ、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、カップリング剤または潤滑剤等を添加混錬した後、磁場中で圧縮成形、押出し成形、射出成形等して製造される。
(実施例)
以下、実施例を挙げて本発明について詳細に説明する。
(供試材の製造)
(1)第1実施例
本発明に係るd−HDDR処理の効果を確認するために、表1にそれぞれ示す試料No.1〜8および試料No.C1〜C20の供試材を製造した。この際に使用する原料として、13種類の異なる組成からなるLaを必須成分とするRFeB系合金を用意した。これらの各組成を表2に示す。表2の単位はat%で、合金全体を100at%として示した。以降では、表2に示した符号a〜mを用いて、各RFeB系合金を合金a、合金bなどのように区別して呼ぶ。
Figure 2006028602
Figure 2006028602
これらの合金a〜mは次のようにして製造した。いずれもの合金も、所望の組成となるように市販の原料を秤量し、それを高周波溶解炉を用いて溶解し、鋳造して100kgのインゴットを製作した。この合金インゴットに、Arガス雰囲気中で1413Kx40時間加熱して組織を均質化した(均質化熱処理)。この合金インゴットをさらにジョークラッシャを用いて、平均粒径10mm以下に粗粉砕して、それぞれ組成の異なる合金a〜mを得た。
次に、表1に示すように、供試材毎に、使用する合金の種類や工程内容を変えて、多数の供試材を製造した。各供試材の処理量は、いずれも12.5gとした。各供試材毎に使用する合金を処理炉に入れて、室温x100kPax1時間の共通した低温水素化工程を施した。続いて、30分の高温水素化工程を施した。この高温水素化工程の温度(T1)および水素分圧(P1)は各供試材毎に表1に示した。
なお、表1中の試料No.8のみ、上記低温水素化工程を施さずに、所定水素圧力中で、室温から所定温度まで昇温し、高温水素化工程を直接施した。
さらに、水素分圧が1kPaの制御排気工程を90分間施した。この制御排気工程の温度(T3)は各供試材毎に表1に示した。もっとも、試料No.C9,10の場合は、高温水素化工程と制御排気工程とを同温度で行ったのでT3=T1である。最後に、制御排気工程と同温度で処理炉内の水素分圧を1Pa以下とする強制排気工程を30分間行った。
ところで、試料No.1〜8の場合、上記の高温水素化工程と制御排気工程との間に組織安定化工程を設けた。組織安定化工程では、処理温度、水素分圧の少なくとも一方を増加させた。これらの工程パターンを図1、2および3に示す。なお、組織安定化工程中の昇温(T1→T2)はいずれも5分間で行ったが、その後の保持時間は90分とした。
試料No.C9,10では、上記組織安定化工程を行わず、高温水素化工程から制御排気工程へ直接移行させた。このときの工程パターンを図4に示す。
試料No.C11〜C18では、上記組織安定化工程を設けたが、高温水素化工程中のT1、組織安定化工程中のT2、P2や制御排気工程中のT3を本発明でいう好適な範囲外とした。
試料No.C19は、上記組織安定化工程を設けずに、制御排気工程開始から5分経過後に、処理炉内の温度をT1→T3へ5分間かけて昇温したものである。試料No.C20は、上記組織安定化工程を設けずに、制御排気工程開始から15分経過後に、処理炉内の温度をT1→T3へ5分間かけて昇温したものである。これらの工程パターンを図5に示す。
(2)第2実施例
上記d−HDDR処理に加えて拡散熱処理を行った場合の効果を確認するために、表3に示す試料No.9〜10の供試材を製造した。この際に使用する拡散材料の原料として、Dy−40at%FeとDy−40at%Coの組成からなる希土類合金を用意した。
Figure 2006028602
試料No.9〜10の製造に際して、先ず、表2に示す合金bに対して、前述した低温水素化工程、高温水素化工程、組織安定化工程および制御排気工程を施し、冷却工程で室温まで冷却して得たRFeB系合金の水素化物粉末(平均粒径:100μm)を用意した。更に、試料No.9において、強制排気工程まで処理した磁石粉末を用意した。具体的処理条件は表3に示した。
比較例として、Laを含有しない合金(合金番号n)を用意した。この合金nは、試料No.9,10に使用した合金bからLaを除いた組成である。この合金nに、表3に示す条件で処理する事により試料No.21を用意した。
次に、実施例の拡散材料として、希土類合金Dy−40%FeとDy−40%Coの水素化物粉末を用意した。
比較例である試料No.C21においては、Dy−30%La−40%Coの水素化物粉末を使用した。それら希土類合金の水素化物粉末の平均粒径はそれぞれ異なるが、いずれも5〜30μm内に収っていた。
上記両粉末を混合した混合粉末に(混合工程)、拡散熱処理工程を行って、拡散熱処理のなされた試料No.9〜10、および、No.C21の異方性磁石粉末を得た。本比較例は、Laを含有しない合金に対して、本発明の組織安定化処理を加えたd−HDDR処理を施し、その後Laを拡散熱処理により添加した場合である。
このNo.C21の結果物のLa含有量は、1at%である。このときの工程パターンを図6,7に示す。
これら試料No.9〜10の製造に際して行ったd−HDDR処理および拡散熱処理の各条件は次の通りであり、供試材毎に異なる条件は表4に個別的に示した。つまり、RFeB系合金の処理量:12.5g、低温水素化工程:室温x100kPax1時間、高温水素化工程:1053Kx35kPax30分間、組織安定化工程:1113Kx35kPax5分昇温→90分間保持、制御排気工程:1113Kx1kPax90分間、強制排気工程:1113Kx10Pa以下x30分間、脱水素・拡散熱処理工程:1073Kx1Pa以下x1時間とした。
(供試材の測定)
得られた各磁石粉末の室温での磁気特性((BH)max、iHcおよびBr)を測定した。測定は、VSMを使用した。測定用試料としては、先ず、磁石粉末を75〜106μmの粒径に分級し、その分級した磁石粉末を用いて反磁場係数が0.2になるようにパラフィンで固化・成形した。1.5Tの磁場中で配向後4.5Tで着磁し、VSMでその(BH)max、iHcおよびBrを測定した。
本発明での永久減磁率は、各試料の磁石粉末とSmFeN系微粉末を重量比で4:1の割合で用意し、両者に界面活性剤を加え混合し、その後、エポキシ樹脂を添加して100℃で加熱混練してコンパウンドを得た。
各コンパウンドを用いて、磁気測定用ボンド磁石を製造した。ボンド磁石の成形は、成形温度150℃、2.0MA/mの磁場を印加しつつ(加熱配向工程)、成形圧力882MPa(9ton/cm)で加熱成形して行った(成形工程)。こうして、7x7x7mmの立方体状の成形体を得た。永久減磁率は、成形されたボンド磁石の120℃の大気雰囲気中に1時間保持した後の初期の不可逆減磁率と、120℃の大気雰囲気中に1000時間保持した後の不可逆減磁率の低下量とした.この磁束の測定には、電子磁気株式会社製、MODEL FM−BIDSCを用いた。
(評価)
(1)d−HDDR処理について
試料No.1〜8と試料No.C1〜C10を対比すると明らかなように、本発明に係る試料No.1〜8の場合、原料である希土類合金においてLaを所定量添加しているため高温水素化工程と制御排気工程の間に組織安定化工程を施すことで、全体的に、磁石粉末としての磁気特性が、保磁力において0.8(MAm−1)以上であって、最大磁気エネルギー積が240(kJ/m)以上という高い磁気特性が有しつつ、本実施例にけるSmFeNとの複合ボンド磁石における永久減磁率が、−2.2〜−3.5%と非常に優れた耐酸化性を有する。
例えば、合金bからなる異方性磁石粉末に本発明の水素処理を施した場合である試料No.2は、保磁力は0.97(MAm−1)、最大エネルギー積((BH)max)は282(kJ/m)であり、永久減磁率が−2.8%と優れた磁気特性と耐酸化性を有している。
これに対し、比較例である試料No.C9、10は、従来技術(米国特許4402770号公報)の合金組成に含まれ試料No.2と同一組成の合金bに単に公知のd−HDDR法を適用したものである。特に、試料No.C9は、試料No.2の高温水素化工程の設定温度T1で処理した場合であり、試料No.C10は、試料No.2の組織安定化工程の設定温度T2で処理した場合である。試料No.C9の磁気特性は、保磁力は0.40(MAm−1)、最大磁気エネルギー積((BH)max)は184(kJ/m)であり、永久減磁率が−3.9%と試料No.C10の磁気特性は、保磁力は1.00(MAm−1)、最大磁気エネルギー積((BH)max)は240(kJ/m)であり、永久減磁率が−5.1%と両者とも耐酸化性と磁気特性共に劣っている。
ここに本発明の含LaRFeB系合金と本発明の水素処理の組合せによる効果が明確に現れている。
比較例である試料No.C1〜C8は、合金の組成比が、本発明を満たさない場合を示したものである。これらの比較例は、本発明の組成範囲を満たさないため、保磁力が0.8(MAm−1)以上、最大磁気エネルギー積が240(kJ/m3)以上、および、永久減磁率が−5.0%以上の少なくとも一つの特性を満足しなくなる。
次に、試料No.C10〜C20から、高温水素化工程と制御排気工程の間に組織安定化工程を設けたとしても、好適な温度範囲、好適な水素分圧範囲から外れていれば、好ましい磁気特性は得られない。
また、温度に関しては、試料No.C19およびC20を試料No.2等と比較すれば解るように、昇温を制御排気工程中で行うという不適当な昇温を行った場合、磁気特性の向上が望めなかった。
試料No.3の結果より、組織安定化工程中の水素分圧(P2)を上げると、磁気特性が向上することがわかった。但し、本発明者の研究に依ると、P2をある程度を超えて上げても、磁気特性の向上効果は飽和する傾向にあることがわかっている。量産時の処理炉のコストや耐久性等から考えて、組織安定化工程のP2の上限は200kPaとするのが好ましい。
試料No.6は、T2>T1かつP2<P1でも良いことを示す実施例である。本実施例のようにP1が30kPaであったときに、P2を20kPaにしたとしても、P2<P1の影響を打ち消す以上にT2をT1の1053Kから1133Kまで十分に上昇させれば、組織安定化工程の目的は十分に達成される。 試料No.7は、T2<T1かつP2>P1でも良いことを示す実施例である。本実施例のようにT1が1113Kであったときに、T2を1103Kにしたとしても、T2<T1の影響を打ち消す以上にP2をP1の30kPaから200kPaまで十分に上昇させれば、組織安定化工程の目的は十分に達成される。その結果、試料No.6、7ともに良好な磁気特性が得られている。
試料No.8および試料No.C9を比較すると、両者は合金組成および高温水素化工程の条件は同じであるが、低温水素化工程および組織安定化工程の有無で相違する。両者の比較から、低温水素化工程を施さなくても組織安定化工程を施すことで、(BH)maxやiHcの磁気特性を高められることがわかった。
(2)拡散熱処理について
試料No.9〜10と試料No.1〜8とを比較すると、全体的に拡散熱処理によってiHcが増加している。磁石に耐熱性を付与すると言う点では重要である。
また、比較例C21は、試料No.9,10に使用した合金bからLaを除いた組成であり、それに対して、本発明の水素処理工程を施し、その後Laを拡散熱処理により添加した場合である。この場合、当初からLaが入っている合金にDyCoを拡散添加した場合である試料No.10に比べ、磁気特性、耐酸化性ともに劣っている。よって、DyCo等を拡散添加する場合も、本発明のごとく、合金原料の状態でLaを添加して、その後、本発明の水素処理方法である組織安定化工程を有するd−HDDR処理を行う方が、その特性が優れることが分かる。
図1は、各工程の処理内容を模式的に示した第1工程パターン図である。 図2は、各工程の処理内容を模式的に示した第2工程パターン図である。 図3は、各工程の処理内容を模式的に示した第3工程パターン図である。 図4は、各工程の処理内容を模式的に示した第4工程パターン図である。 図5は、各工程の処理内容を模式的に示した第5工程パターン図である。 図6は、各工程の処理内容を模式的に示した第6工程パターン図である。 図7は、各工程の処理内容を模式的に示した第7工程パターン図である。

Claims (4)

  1. (R1−xLa12−14Febal.9−10 (RはLaを除く希土類元素であり、X=0.05−0.08であり、Febalは、特定した組成の他はFeと不可避的不純物からなる。)の組成比を有する合金(以下RLaFeB系合金と記す。)に、水素分圧が10〜100kPa中の第1処理圧力(以下、「P1」という。)で、温度が953〜1133K中の第1処理温度(以下、「T1」という。)となる処理雰囲気に保持する高温水素化工程と、
    該高温水素化工程後のRLaFeB系合金を10kPa以上の第2処理圧力(以下、「P2」という。)に、温度が1033〜1213K中の第2処理温度(以下、「T2」という。)で、かつ、T2>T1またはP2>P1の条件を満たす組織安定化工程と、
    該組織安定化工程後のRLaFeB系合金を水素分圧が0.1〜10kPa中の第3処理圧力(以下、「P3」という。)で、温度が1033〜1213K中の第3処理温度(以下、「T3」という。)となる処理雰囲気に保持する制御排気工程と、
    該制御排気工程後のRLaFeB系合金から残留した水素(H)を除去する強制排気工程と、
    を施すことにより耐酸化性と優れた磁気特性を有する希土類異方性磁石粉末。
  2. (R1−xLa12−14Febal.Co0−3Mn0−2 (B1−YY9−10 (RはLaを除く希土類元素であり、X=0.05−0.08であり、Febalは、特定した組成の他はFeと不可避的不純物からなり、更に、Tは、AlとSiとからなり、Y=0−0.2である。)の組成比を有する合金(以下RLaFeCoMnBT系合金と記す。)に、水素分圧が10〜100kPa中の第1処理圧力(以下、「P1」という。)で、温度が953〜1133K中の第1処理温度(以下、「T1」という。)となる処理雰囲気に保持する高温水素化工程と、
    該高温水素化工程後のRLaFeCoMnBT系合金を10kPa以上の第2処理圧力(以下、「P2」という。)に、温度が1033〜1213K中の第2処理温度(以下、「T2」という。)で、かつ、T2>T1またはP2>P1の条件を満たす組織安定化工程と、
    該組織安定化工程後のRLaFeCoBT系合金を水素分圧が0.1〜10kPa中の第3処理圧力(以下、「P3」という。)で、温度が1033〜1213K中の第3処理温度(以下、「T3」という。)となる処理雰囲気に保持する制御排気工程と、
    該制御排気工程後のRLaFeCoMnBT系合金から残留した水素(H)を除去する強制排気工程と、
    を施すことにより耐酸化性と優れた磁気特性を有する希土類異方性磁石粉末。
  3. さらに、前記高温水素化工程前に、前記RLaFeB系合金または、RLaFeCoMnBT系合金を温度が873K以下の水素雰囲気中に保持する低温水素化工程を備える請求項1に記載の希土類異方性磁石粉末。
  4. さらに、前記制御排気工程後または前記強制排気工程後に得られたRLaFeCoMnBT系合金へ、ジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)、ネオジム(Nd)またはプラセオジム(Pr)(以下、「R1」という。)を少なくとも一種以上含有する拡散材料を混合して混合粉末とする混合工程と、
    該混合粉末を加熱して該RFeB系合金の表面および内部に該R1を拡散させる拡散熱処理工程と、
    を備える請求項1に記載の希土類異方性磁石粉末。
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