JP2006018986A - 光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】 コスト及び取り扱いの観点において優れたアルミニウムからなる反射膜を含みながら、短波長レーザを用いた光記録再生装置に使用され得る良好な記録再生特性を与える記録媒体及びその製造法の提供を目的とする。
【構成】 本発明による光記録媒体は、アルミニウムとアルミニウム以外の金属の酸化物とからなる反射膜を含む。また、本発明による光記録媒体の製造方法は、基板上に反射膜をスパッタリング法によって形成するステップを含む光記録媒体の製造方法である。当該方法は、アルミニウムとともにアルミニウム以外の金属の酸化物をスパッタ雰囲気中に導入する雰囲気形成ステップと、 アルミニウムとともに酸化物を基板上に堆積させるステップと、を含む。
【選択図】図1
【構成】 本発明による光記録媒体は、アルミニウムとアルミニウム以外の金属の酸化物とからなる反射膜を含む。また、本発明による光記録媒体の製造方法は、基板上に反射膜をスパッタリング法によって形成するステップを含む光記録媒体の製造方法である。当該方法は、アルミニウムとともにアルミニウム以外の金属の酸化物をスパッタ雰囲気中に導入する雰囲気形成ステップと、 アルミニウムとともに酸化物を基板上に堆積させるステップと、を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、光記録媒体及びその製造方法に関し、詳細には、短波長レーザを用いた光記録再生装置に使用され得る、アルミニウムを使用した反射膜を含む光記録媒体及びその製造方法に関する。
例えば、CDやDVDの如き、光記録媒体は、その記録・再生方式にかかわらず、その内部に反射膜を含む。一般的に、この反射膜は、アルミニウム、金、銀、又はそれらの合金や、シリコンからなる。例えば、CDやDVD等の光ディスクにあっては、アルミ合金や金からなる薄膜が、DVDの半透膜には純金薄膜や純シリコン薄膜が用いられている。
ところで、400nm程度の波長の青色レーザを情報の記録又は再生に使用する光記録装置においては、金やシリコン薄膜は、記録媒体の反射膜としての十分な反射率を得ることができない。また、銀合金のコストは高く、銀は、「特定化学物質の環境への排出量の把握及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)」にて規制対象となっている、といった問題があった。
ここで、アルミニウム及びアルミ合金は、銀合金に比較して、コスト及び取り扱いの観点において非常に優れている。一方で、これらアルミ系の薄膜の結晶粒径を、特に、Blu−ray Discをはじめとする青色レーザによる光記録装置におけるレーザスポットサイズに対して十分に小さい、具体的には一桁以上小さいサイズにすることは非常に困難であった。故に、アルミ系の反射膜を用いたディスクでは、記録再生時のノイズが高く、十分な記録再生特性が得られなかったのである。
そこで本発明では、コスト及び取り扱いの観点において優れたアルミニウムからなる反射膜を含みながら、短波長レーザを用いた光記録再生装置に使用され得る良好な記録再生特性を与える記録媒体及びその製造法の提供を目的とする。
本発明による光記録媒体は、反射膜を有する光記録媒体であって、前記反射膜はアルミニウムとアルミニウム以外の金属の酸化物とを含むことを特徴とする。
本発明による光記録媒体の製造方法は、基板上に反射膜をスパッタリング法によって形成するステップを含む光記録媒体の製造方法であって、アルミニウムとともにアルミニウム以外の金属の酸化物をスパッタ雰囲気中に導入する雰囲気形成ステップと、前記アルミニウムとともに前記酸化物を前記基板上に堆積させるステップと、を含むことを特徴とする。
添付図面に従って、本発明による光記録媒体を説明する。
図1に示すように、本発明による光記録媒体は、これに限定されるものではないが、1つの例としてディスク状の基板11の上に反射膜層12、第2保護層13、記録膜層14、第1保護層15をこの順にスパッタ法によって積層した後に、樹脂カバー層16を貼り合わせた多層構造を有する光記録媒体である。なお、情報の記録又は再生のための光は、樹脂カバー層16の側から記録膜層14に与えられる。
反射膜層12は、アルミニウム以外の金属の酸化物を添加したアルミニウムからなるスパッタリングターゲットを用いてスパッタ法を用いて得られる。また、スパッタリングターゲットは、アルミニウムとアルミニウム以外の金属の酸化物、のように材料毎に複数に分割したコ・スパッタによっても良い。すなわち、アルミニウムとともにアルミニウム以外の金属の酸化物をスパッタ雰囲気中に導入するのである。これによって、反射膜層12は、アルミニウム以外の金属の酸化物をその内部に取り込んだアルミニウムから形成されて、反射率を低減させることなく、その結晶粒子を小さく維持することができるのである。なお、記録再生時のノイズを実用十分な程度に抑え、記録再生特性の向上を図るための1つには、反射膜層12の平均結晶粒径がレーザスポットサイズ(直径)dよりも小さいことが好ましいと考えられる。更なる記録再生特性の向上を図るためには、反射膜層12の平均結晶粒径をレーザスポットサイズdの1/2、更に好ましくは、1/5、最も好ましくは1/10よりも小さくすることが好ましい。かかる反射膜は、例えば、青色レーザなどの短波長レーザによる光記録再生用の記録媒体に用いても、安定して良好な記録特性を得ることが出来るのである。
詳細には、レーザによる光記録装置におけるレーザスポットサイズ(直径)dは、使用されるレーザ波長λと開口数NAを用いて、d=λ/NAで与えられ、例えば、λ=400nm、NA=0.85とすると、dは470nmである。典型的には、本発明によるアルミニウム以外の金属の酸化物を含むアルミニウムからなる反射膜層12の平均結晶粒径は、上記dの値の1/10である47nmよりも小なのである。
ここで、アルミニウムとともにアルミニウム以外の金属の酸化物をスパッタ雰囲気中に導入してスパッタを行うと、当該酸化物が放電飛散して膜中に取り込まれる。かかる酸化物は、反射膜層12を構成するアルミニウムの結晶粒子の成長を成膜工程時において阻害して、上記の如く、結晶粒子を非常に小さく維持することができるのである。一般的に酸化物を反射膜に添加すると、反射率が低下して好ましくないと考えられる。しかしながら、後述するように、本発明による反射膜は酸化物を添加した場合であっても良好な反射率及び記録再生特性を与えるのである。これは、酸化物の添加による反射率の低下に対して、アルミ合金の平均結晶粒径の微細化等の寄与が大きく影響しているためと考えられる。
なお、本発明は、記録媒体の反射膜層12に特に特徴を有しており、以下に述べる実施例においても、保護層13、15の種類又はその数にはよらない。保護層13、15の材料は、例えば、ZnS、SiO2などの金属窒化物、金属酸化物、金属炭化物、金属硫化物などの金属化合物やその混合物であっても良い。
また、記録膜層14についても同様であって、記録膜層14の材料を適宜変更することが可能である。例えば、記録膜層14の材料がSbTe等の2相変化材料であると書き換え型記録ディスクとすることができる。また、記録膜層14が色素膜からなる場合は有機色素型記録ディスクとすることができる。すなわち、光反射膜を利用する記録媒体に広く使用することができるのである。例えば、カード型等のディスク形状以外の光記録あるいは光磁気記録媒体などに使用することが出来る。また、熱アシスト磁気記録媒体の放熱層に応用することも可能である。
本発明の第1の実施例による記録媒体1について説明する。
ポリカーボネート樹脂からなる厚さ1.1mm、直径12cmのディスク状の基板11には、0.320μmピッチのスパイラル溝が設けられている。この基板11の上に、Al−SnO2からなる反射膜層12、ZnS−SiO2からなる第2保護層13、Bi−Ge−Nからなる記録膜層14、ZnS−SiO2からなる第1保護層15をこの順にスパッタ法によって積層した。スパッタリングパワーは2000Wである。各層の厚さは以下の如きである。
Al−SnO2反射膜層 50nm
ZnS−SiO2第2保護層 20nm
Bi−Ge−N記録膜層 12nm
ZnS−SiO2第1保護層 25nm
更に、この上から紫外線硬化樹脂を接着剤に使用してポリカーボネートシートを貼り合わせて、厚さ0.1mmの光入射側基板(カバー層)16を作製した。
Al−SnO2反射膜層 50nm
ZnS−SiO2第2保護層 20nm
Bi−Ge−N記録膜層 12nm
ZnS−SiO2第1保護層 25nm
更に、この上から紫外線硬化樹脂を接着剤に使用してポリカーボネートシートを貼り合わせて、厚さ0.1mmの光入射側基板(カバー層)16を作製した。
ここで、第1の実施例では、反射膜層12のSnO2の量を変えた2種類のディスクを作製した。すなわち、反射膜層12をスパッタ法によって形成する行程において、SnO2の量を0.4atm%と0.6atm%含む2種類のスパッタターゲットを用意して、それぞれ成膜したところ、SnO2の原子比で0.13atm%と0.25atm%の2種類の組成の反射膜層12が得られた。この結果からも理解されるように、スパッタターゲット中のSnO2の原子比の1/3程度のSnO2の原子比の膜が得られるのである。なお、それぞれのディスクをディスク1−a、ディスク1−bと称することとする。
かかるディスク1−a及び1−bの2種類のディスクにおいて、光の入射側に凸形状である案内溝面に、線速度4.92m/sで、波長405nm、対物レンズの開口数0.85の光ヘッドを用いて、1−7変調のランダムパターンを記録した。この記録にはマルチパルスを用いて、ウィンドウ幅は15.15nsecとした。測定されたトータルノイズ、記録LDパワー、及び、記録後のジッタは以下の如きである。
トータルノイズ ; ディスク1−a −42.6dB
ディスク1−b −43.6db
記録LDパワー; ディスク1−a 5mW
ディスク1−b 5mW
記録後ジッタ ; ディスク1−a 6.5%
ディスク1−b 6.6%
従って、どちらのディスクにおいても良好な記録後ジッタを得ることが出来る。
なお、参考のためにディスク1−a及び1−bと同様に形成された反射膜単独での反射率を計測したところ、それぞれ55%と56%であった。すなわち、酸化物を含む反射膜であっても、金属単体の反射膜における反射率と比較して同等程度の高い反射率を有しているのである。つまり、酸化物は、一般に、スパッタリングの成膜レートが単体金属や合金と比較して非常に低いため、成膜後の膜中に含有される酸化物の量は少なく、反射膜としての反射率の低下に与える影響は少ないのである。
トータルノイズ ; ディスク1−a −42.6dB
ディスク1−b −43.6db
記録LDパワー; ディスク1−a 5mW
ディスク1−b 5mW
記録後ジッタ ; ディスク1−a 6.5%
ディスク1−b 6.6%
従って、どちらのディスクにおいても良好な記録後ジッタを得ることが出来る。
なお、参考のためにディスク1−a及び1−bと同様に形成された反射膜単独での反射率を計測したところ、それぞれ55%と56%であった。すなわち、酸化物を含む反射膜であっても、金属単体の反射膜における反射率と比較して同等程度の高い反射率を有しているのである。つまり、酸化物は、一般に、スパッタリングの成膜レートが単体金属や合金と比較して非常に低いため、成膜後の膜中に含有される酸化物の量は少なく、反射膜としての反射率の低下に与える影響は少ないのである。
また、反射膜層12中のSnO2において部分的に酸素が欠落してSnOx(x<2)となる場合があるが、反射膜層12を構成するアルミニウムの結晶粒子の成長を成膜工程時において阻害する効果には影響を有さないことが確認された。
なお、記録膜層14は、Bi、Sn、Feのいずれかの窒化物と、Ge、Ti、Si、Alのうちの1又は複数の窒化物と、を主成分とする記録膜であっても良い。
本発明の第2の実施例による記録媒体1について説明する。本実施例では、成膜後の反射膜層11中のSnO2量を変化させたときのトータルノイズ、記録LDパワー、及び、記録後のジッタについて述べる。
ポリカーボネート樹脂からなる厚さ1.1mm、直径12cmのディスク状の基板11には、0.320μmピッチのスパイラル溝が設けられている。この基板11の上に、Al−SnO2(若しくは、純アルミニウム)からなる反射膜層12、ZnS−SiO2からなる第2保護層13、Bi−Ge−Nからなる記録膜層14、ZnS−SiO2からなる第1保護層15をこの順にスパッタ法によって積層した。スパッタリングパワーは700Wである。各層の厚さは第1の実施例と同じである。更に、この上から紫外線硬化樹脂を接着剤に使用してポリカーボネートシートを貼り合わせて、厚さ0.1mmの光入射側基板(カバー層)16を作製した。
本実施例では、反射膜層12をスパッタ法によって形成する行程において、純アルミニウムターゲットにSnO2チップを適宜、添加した幾つかのスパッタターゲットを用意して、成膜後の反射膜層12中のSnO2量を0から5.05atm%まで変化させたディスクを作製した。かかるディスクのトータルノイズ、記録LDパワー、及び、記録後のジッタの測定値は、表1の如きである。なお、測定方法は、上記した実施例と同じである。
また、反射膜のみの反射率の計測値は、いずれのディスクも金属単体の反射膜における反射率と比較して同等程度の高い反射率を有している。
ここで、図2を参照すると、好ましくは、SnO2量は0.02atm%以上1.0atm%未満と1.8atm%以上である。更に好ましくは、ディスク2−6乃至2−10において、反射率が低下していることから、SnO2量は2.5atm%未満である。但し、記録膜層14等の他の層によって十分に反射率を補うことができればかかる条件は考慮しなくとも良い。
本発明の第3の実施例による記録媒体1について説明する。本実施例では、これに限定されるものではないが、第1乃至第3の実施例とは異なる酸化物であるTiO又はNb2O3を添加した反射膜層12を有する光ディスクである。すなわち、反射膜層12を構成するアルミニウムの結晶粒子の成長を成膜工程時において阻害する酸化物であればよい。
ポリカーボネート樹脂からなる厚さ1.1mm、直径12cmのディスク状の基板11には、0.320μmピッチのスパイラル溝が設けられており、上記した第1及び2の実施例と同様である。この基板11の上に、第1及び第2の実施例とは異なる酸化物であるTiO又はNb2O3からなる反射膜層12、ZnS−SiO2からなる第2保護層13、Bi−Ge−Nからなる記録膜層14、ZnS−SiO2からなる第1保護層15をこの順にスパッタ法によって積層した。スパッタリングパワーは700Wである。各層の厚さは以下の如きである。
Al−TiO反射膜層 50nm
(又は、Al−Nb2O3反射膜層)
ZnS−SiO2第2保護層 20nm
Bi−Ge−N記録膜層 12nm
ZnS−SiO2第1保護層 25nm
更に、この上から紫外線硬化樹脂を接着剤に使用してポリカーボネートシートを貼り合わせて、厚さ0.1mmの光入射側基板(カバー層)16を作製した。
Al−TiO反射膜層 50nm
(又は、Al−Nb2O3反射膜層)
ZnS−SiO2第2保護層 20nm
Bi−Ge−N記録膜層 12nm
ZnS−SiO2第1保護層 25nm
更に、この上から紫外線硬化樹脂を接着剤に使用してポリカーボネートシートを貼り合わせて、厚さ0.1mmの光入射側基板(カバー層)16を作製した。
ここで、第3の実施例においては、反射膜層12の酸化物を変えた2種類のディスクを作製した。すなわち、反射膜層12をスパッタ法によって形成する行程において、アルミニウムターゲットに対してTiOチップ又はNb2O3チップを添加した2種類のスパッタターゲットを用意して、それぞれ成膜した。それぞれのディスクをディスク3−a、ディスク3−bと称することとする。
かかるディスク3−a及び3−bの2種類のディスクにおいて、第1の実施例と同様の条件で、トータルノイズ、記録LDパワー、及び、記録後のジッタを測定した。結果は、以下の如きである。
トータルノイズ ;ディスク3−a −38.6dB
ディスク3−b −38.6db
記録LDパワー;ディスク3−a 6mW
ディスク3−b 6mW
記録後ジッタ ;ディスク3−a 10.0%
ディスク3−b 9.7%
ディスク3−a及び3−bは、反射膜層12への酸化物の添加が無い上記第2の実施例のディスク2−1と比べ、記録後ジッタが低下し、良好な結果となる。
トータルノイズ ;ディスク3−a −38.6dB
ディスク3−b −38.6db
記録LDパワー;ディスク3−a 6mW
ディスク3−b 6mW
記録後ジッタ ;ディスク3−a 10.0%
ディスク3−b 9.7%
ディスク3−a及び3−bは、反射膜層12への酸化物の添加が無い上記第2の実施例のディスク2−1と比べ、記録後ジッタが低下し、良好な結果となる。
また、ディスク3−a及び3−bと同様に形成された反射膜単独での反射率を計測したところ、それぞれ56%と55%であった。金属単体の反射膜における反射率と比較して同等程度の高い反射率を有している。
酸化物を含まない反射膜層を含む記録媒体についての比較例を説明する。
上記した本発明の第1及び第2の実施例による記録媒体とは、反射膜層以外は同一である。かかる比較例による記録媒体について、同様にトータルノイズ、記録LDパワー、及び、記録後のジッタを測定した。
詳細には、ポリカーボネート樹脂からなる厚さ1.1mm、直径12cmのディスク状の基板には、0.320μmピッチのスパイラル溝が設けられており、この基板の上に、酸化物を含まずにAlからなる反射膜層、ZnS−SiO2からなる第2保護層、Bi−Ge−Nからなる記録膜層、ZnS−SiO2からなる第1保護層をこの順にスパッタ法によって積層した。スパッタリングパワーは、DC2000Wである。各層の厚さは、実施例1と同じである。また、この上から紫外線硬化樹脂を接着剤に使用してポリカーボネートシートを貼り合わせて、厚さ0.1mmの光入射側基板(カバー層)を作製するのも同様である。
トータルノイズ; Al反射膜ディスク −42.0dB
記録LDパワー; Al反射膜ディスク 5mW
記録後ジッタ ; Al反射膜ディスク 7.5%
上記した第1の実施例と比較して、比較例では、ディスクノイズには大きな差異はないが、良好なジッタを得ることが出来なかった。すなわち、本実施例による記録媒体1は、アルミニウム若しくはアルミ合金からなる反射膜にアルミニウム以外の金属の酸化物を添加することによって、特に、ジッタを向上させることが出来ることが理解されるであろう。なお、必ずしもディスクノイズの値が良好であれば、記録ジッタの値も良好であるとは限らない。一般に、結晶粒子の大きさと形状に依存して反射膜内部には熱分布を生じるのである。故に、同じディスクノイズを生じる記録媒体であっても、反射膜の結晶粒子の大きさや形状が異なると、熱分布が異なるので、ジッタが異なるのである。
トータルノイズ; Al反射膜ディスク −42.0dB
記録LDパワー; Al反射膜ディスク 5mW
記録後ジッタ ; Al反射膜ディスク 7.5%
上記した第1の実施例と比較して、比較例では、ディスクノイズには大きな差異はないが、良好なジッタを得ることが出来なかった。すなわち、本実施例による記録媒体1は、アルミニウム若しくはアルミ合金からなる反射膜にアルミニウム以外の金属の酸化物を添加することによって、特に、ジッタを向上させることが出来ることが理解されるであろう。なお、必ずしもディスクノイズの値が良好であれば、記録ジッタの値も良好であるとは限らない。一般に、結晶粒子の大きさと形状に依存して反射膜内部には熱分布を生じるのである。故に、同じディスクノイズを生じる記録媒体であっても、反射膜の結晶粒子の大きさや形状が異なると、熱分布が異なるので、ジッタが異なるのである。
1 光ディスク
11 基板
12 反射膜層
13 第2保護層
14 記録膜層
15 第1保護層
16 樹脂カバー層
11 基板
12 反射膜層
13 第2保護層
14 記録膜層
15 第1保護層
16 樹脂カバー層
Claims (10)
- 反射膜を有する光記録媒体であって、
前記反射膜はアルミニウムとアルミニウム以外の金属の酸化物と、を含むことを特徴とする光記録媒体。 - 前記酸化物は、SnO2、TiO及びNb2O3のうちのいずれか1からなることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
- 前記反射膜は、当該光記録媒体に照射されるレーザのスポット径の1/10以下の平均結晶粒径を有することを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
- 前記反射膜は、47nm以下の平均結晶粒径を有することを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
- 基板上に、前記反射膜、保護膜、記録膜、他の保護膜、及び当該光記録媒体に照射されるレーザが入射するカバー層が積層されていることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
- Bi、Sn、Feのいずれかの窒化物と、Ge、Ti、Si、Alのうちの1又は複数の窒化物と、を主成分とする記録膜を有することを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
- 基板上に反射膜をスパッタリング法によって形成するステップを含む光記録媒体の製造方法であって、
アルミニウムとともにアルミニウム以外の金属の酸化物をスパッタ雰囲気中に導入する雰囲気形成ステップと、
前記アルミニウムとともに前記酸化物を前記基板上に堆積させるステップと、を含むことを特徴とする光記録媒体の製造方法。 - 前記雰囲気形成ステップは、前記アルミニウムに前記酸化物を添加したターゲットを用意するステップを含むことを特徴とする請求項7記載の光記録媒体の製造方法。
- 前記雰囲気形成ステップは、前記アルミニウムからなるターゲットを用意するステップと、前記酸化物からなるターゲットを用意するステップと、を含むことを特徴とする請求項7記載の光記録媒体の製造方法。
- 前記酸化物は、SnO2、TiO及びNb2O3のうちのいずれか1からなることを特徴とする請求項7記載の光記録媒体の製造方法。
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