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JP2006015676A - 難燃性木質ボード - Google Patents

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JP2006015676A
JP2006015676A JP2004197705A JP2004197705A JP2006015676A JP 2006015676 A JP2006015676 A JP 2006015676A JP 2004197705 A JP2004197705 A JP 2004197705A JP 2004197705 A JP2004197705 A JP 2004197705A JP 2006015676 A JP2006015676 A JP 2006015676A
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Kunio Takahashi
邦雄 高橋
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Achilles Corp
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Abstract

【課題】 より少ない難燃剤で難燃材料としての特性と強度を兼ね備えた難燃性木質ボードを提供する。
【解決手段】複数層からなり、表面となる第1層を、少なくとも木材を粉砕した木質チップと、接着剤と、難燃剤としての膨張黒鉛とポリリン酸アンモニウムとで構成するとともに、この第1層の木質チップ100重量部に対して、膨張黒鉛を2.5〜20重量部、かつポリリン酸アンモニウムを5〜30重量部添加して構成する一方、この第1層に積層される第2層を、難燃剤を添加せず木質チップと接着剤としてなる難燃性木質ボード。
【選択図】 なし

Description

この発明は建築用としての天井材、壁材、床材、内装材、外装材の他、家具、家電製品、厨房設備などに広く用いられる難燃性木質ボードに関する。
天然木材に代わる木質ボードとして、木粉チップや木片チップ等の木質チップを用い、結合材となる接着剤を添加して加圧成形してなる各種の木質ボードが用いられており、具体的なものとしては、ハードボード、MDF、パーティクルボード、インシュレーションボード、配向性ボード(OSB)等が用いられている。
このような木質ボードは、天然木材と同様に、燃えやすいことから、難燃化を図る研究がなされており、種々の提案がなされている。
例えば、木材そのものを難燃化する手法としては、主として次の4つのものを挙げることができる。
(1)木材を塩水などのハロゲン化物溶液に浸漬する手法
(2)リン酸系、ホウ酸系、ハロゲン系などの化合物を水溶液にして含浸させた後、減圧して水分を除去する手法
(3)リン酸系、ホウ酸系、ハロゲン系などの化合物を、接着剤と混合し、薄板材に塗って貼り合わせて合板とする手法
(4)木材の表面に耐火塗料をコーティングする手法
このような木材を難燃化する手法をパーティクルボードなどの木質ボードに適用しようとすると、次のような問題がある。
上記(1)の手法では、燃焼時にダイオキシンが発生する可能性があるとともに、浸漬に長時間を要し、上記(2)の手法では、工程が複雑で加圧・減圧設備が必要であり、しかも1回の処理で限られた量しか生産できず、非能率的であり、加えて上記(1)や(2)の手法では、ボードを溶液中に含浸したり、浸漬することからボードの膨張が起こり、ボードが原形を留めなくなって強度も低下してしまう虞がある。
また、上記(3)の手法では、多量の接着剤や難燃剤を必要とし、コスト高になるだけでなく、接着剤によってはHCHO(ホルムアルデヒド)が発生する場合があり、HCHOが多いと、室内で使用する場合に、シックハウス症候群の原因になる場合がある。
さらに、上記(4)の手法では、表面をコーティングするため木質感を喪失してしまうとともに、所望の難燃性を得るためには大量にコーティングする必要があり、これにより、外観が悪くなるとともに、莫大なコストがかかり、しかも工程数が増大するほか、ボード表面と耐火塗料との接着性が問題となる場合がある。
そこで、難燃剤をバインダーおよび木質チップとともに熱プレスに先立って予め混合し、これを用いてボードにすることが提案されており、例えば特許文献1には、図2に示すように、難燃剤1の厚み方向分布を、両表面より全厚の5%の表層部2に難燃剤の90重量%が存在するようにすることで、比較的少量の難燃剤の添加で強度を失わず難燃性に優れたボードとする技術が開示されている。
特開平9−183106号公報
ところが、木質ボードに必要な強度と難燃性を確保するために必要な難燃剤の関係について鋭意検討を重ねた結果、難燃剤を添加すればするほど強度を確保することが難しく、特許文献1のように、表層以外の層の難燃剤の添加量が10重量%にもなると、強度に及ぼす影響が大きくなることが分かるとともに、難燃材料としての耐火性を得るためには、表面の難燃性に負うことが大きく、多量の難燃剤の添加が必要であるという相反する条件を満たすようにする必要があることが分かった。
そこで、木質ボードを単一層として難燃剤に厚み方向の分布を変えるだけでは、必ずしも十分でなく、より少ない難燃剤で難燃性と強度とを確保するためには、難燃性を有する層と、強度を担う層との複数層で構成することが有効であることを見出し、本願発明を完成したものである。
この発明は、上記研究開発の結果に鑑みてなされたもので、より少ない難燃剤で難燃材料としての特性と強度を兼ね備えた難燃性木質ボードを提供しようとするものである。
この発明は、上記問題を解決し、難燃性に優れた木質ボードを提供しようとするものである。
上記課題を解決するため、この発明の請求項1記載の難燃性木質ボードは、
複数層からなり、表面となる第1層を、少なくとも木材を粉砕した木質チップと、接着剤と、難燃剤としての膨張黒鉛とポリリン酸アンモニウムとで構成するとともに、この第1層の木質チップ100重量部に対して、膨張黒鉛を2.5〜20重量部、かつポリリン酸アンモニウムを5〜30重量部添加して構成する一方、この第1層に積層される第2層を、難燃剤を添加せず木質チップと接着剤とで構成したことを特徴とするものであり、必要な強度を確保するとともに、難燃性に優れた木質ボードを提供することができる。
また、この発明の請求項2記載の難燃性木質ボードは、請求項1記載の構成に加え、前記第1層と同一構成の第3層を、前記第2層に積層した3層構造としてなることを特徴とするものであり、必要な難燃性と強度を確保でき、さらに表裏面のない木質ボードとすることができる。
さらに、この発明の請求項3記載の難燃性木質ボードは、請求項1または2記載の構成に加え、前記複数層の少なくともいずれかに、合成樹脂を粉砕した合成樹脂チップを混合して構成したことを特徴とするものである。
この難燃性木質ボードによれば、前記複数層の少なくともいずれかに、合成樹脂を粉砕した合成樹脂チップを混合するようにしており、例えば硬質ポリウレタンフォームやポリイソシアヌレートフォーム、ポリスチレンフォーム、フェノールフォーム、塩化ビニルフォーム、ポリエチレンフォーム等のポリオレフィンフォームなどを粉砕したチップを混合することができ、しかも廃材としての合成樹脂の再利用を図るようにしている。特に、硬質ポリウレタンフォームチップを使用することにより、木質ボードとしての耐水性を一層向上することができる。
また、この発明の請求項4記載の難燃性木質ボードは、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加え、前記第2層の接着剤を、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)としたことを特徴とするものである。
この難燃性木質ボードによれば、前記第2層の接着剤を、MDIとすることで、木質チップとの接着性が向上し、一層の強度向上を図ることができるようにしている。特に、MDIと硬質ポリウレタンフォームチップとは、接着性が良く、硬質ポリウレタンフォームチップにMDIが吸着してさらに、木質チップとの接着性が向上するため、難燃性木質ボードとしての強度および耐水性がより一層向上するものである。
さらに、この発明の請求項5記載の難燃性木質ボードは、請求項1〜4のいずれかに記載の構成に加え、前記3層構造の各層の重量割合を、5:90:5〜40:20:40、あるいは前記2層構造の各層の重量割合を、5:95〜90:10としたことを特徴とするものである。
この難燃性木質ボードによれば、前記3層構造の各層の重量割合を、5:90:5〜40:20:40、あるいは前記2層構造の各層の重量割合を、5:95〜90:10とするようにしており、かかる各層の重量割合の木質ボードとすることで、3層構造や2層構造のいずれであっても必要な難燃性と強度とを確保できるようになる。
ここで、難燃材料とは、建築基準法に規定されている分類による難燃材料であって、加熱後5分間非燃焼性、非損傷性、非発煙性を満たすものをいい、ISO5660に準拠するコーンカロリーメーター試験による発熱性試験により、総発熱量が8MJ/m2以下、200kW/m2を越える最大発熱速度が10秒を越えて継続しない、試験体裏面に達する亀裂、貫通孔を生じない条件を満たすものである。
この発明の請求項1記載の難燃性木質ボードによれば、必要な強度を確保することができるとともに、難燃性に優れたボードを提供することができる。
また、この発明の請求項2記載の難燃性木質ボードによれば、3層構造の木質ボードとする場合にも必要な難燃性と強度を確保することができ、さらに表裏面のない木質ボードにすることができる。
さらに、この発明の請求項3記載の難燃性木質ボードによれば、必要な難燃性と強度を確保することができ、さらに廃材としての合成樹脂の有効利用を図ることができる。
また、この発明の請求項4記載の難燃性木質ボードによれば、木質チップとの接着性を高めることができ、一層の強度向上を図ることができる。
さらに、この発明の請求項5記載の難燃性木質ボードによれば、かかる各層の重量割合の木質ボードとすることで、3層構造や2層構造のいずれであっても必要な難燃性と強度とを確保することができる。
以下、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
この発明の難燃性木質ボードは、例えば2層あるいは3層の複数層からなるもので、各層を構成する素材を混合後、順次堆積するよう散布して熱加圧成形などで一体化されるものであり、少なくとも難燃性層としての難燃剤が入れられる表層と、難燃剤が入れられない中芯層との2層構造で構成される木質ボードである。
なお、3層構造の難燃性木質ボードとする場合には、通常、表層(第1層)と同一構成のものを表層(第3層)として用いる。
この難燃性木質ボードを構成する表面となる第1層(および第3層)は、少なくとも木材を粉砕した木質チップと、接着剤と、難燃剤としての膨張黒鉛とポリリン酸アンモニウムとで構成され、その難燃剤を第1層の木質チップ100重量部に対して、膨張黒鉛を2.5〜20重量部、かつポリリン酸アンモニウムを5〜30重量部添加するものである。
難燃剤としての膨張黒鉛及びポリリン酸アンモニウムの添加量が所定量より少ないと、難燃材料として必要な難燃性を付与することができず、逆に所定量を越えて多くしても難燃性の向上は図れず、コスト増大を招くなど経済的でない。
ここで、膨張黒鉛について説明する。膨張黒鉛とは、熱によって膨張し、膨張層(不燃性発泡層)を形成して難燃効果をもたらすものである。尚、本発明で用いる膨張黒鉛は、膨張容積が180〜300ml/gのものが好ましく用いられ、膨張開始温度は、木質ボードの製造時に用いる熱プレス板の温度よりも高いものが用いられ、150度以上のものが好ましい。
この表層を構成する木質チップは、木材の主として微粉末の集合である木粉チップと木材の主として微小片の集合である木片チップとのいずれか一方、あるいは両方が混在したものいずれも含まれるが、表層には、できるだけ均一で、より細かい微粉末状の木粉チップが好ましく、これによって表面が緻密かつ平滑で綺麗なボードにすることができる。
この木質チップとしては、広葉樹及び針葉樹或いはマツ、ツガ、スギ、ヒノキ等の木材を鋸の屑状に微細化した微粉末を主体とするものが用いられる。
また、木片チップとしては、広葉樹及び針葉樹或いはマツ、ツガ、スギ、ヒノキ等の木材の太さ0.2〜3mm、長さ5〜30mm程度の大きさの微小片を主体とするものが用いられる。
これら木粉チップ、木片チップとも容器等に盛ったときの見かけ比重は0.1〜0.2g/cc程度である。
なお、木材の微粉末と木材の微小片或いは木質繊維等とが混ざり合うことは好ましいものではないが、木質材料を作製する過程において多少の混ざり合いは避けることができず、木材の微粉末に少量の木材の微小片や木質繊維が混入したものも木粉チップであり、木材の微小片に少量の木材の微粉末や木質繊維が混入したものも木片チップである。
本発明の表層に用いる難燃剤としては、膨張黒鉛とポリリン酸アンモニウムとを所定量用いるが、木質ボードとしての所望の難燃性及び強度とを確保できる範囲であれば、他の難燃剤を用いてもよく、特に、ノンハロゲン、あるいはノンアンチモンなどの環境問題の観点から好ましいもの、例えば、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸メラミン、赤りん、ホウ酸、メタホウ酸バリウム、ほう砂、スルファミングアニジン、リン酸グアニル尿素、リン酸グアニジン、硫酸グアニジン、テトラホウ酸グアニジン、水酸化アルミニウム、あるいはこれら混合物などを挙げることができる。
本発明の難燃剤は、表層を構成する木粉チップと接着剤とともに均一に混合されて使用されたり、あるいは難燃剤の水溶液を木粉チップに含浸させた後、水分を乾燥して除去し、接着剤と混合して使用される。
さらに、この難燃性木質ボードの表層に用いられる接着剤としては、通常のパーティクルボードなどの木質ボードで使用される接着剤を用いることができ、例えばユレア・メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ユレア系樹脂、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、TDI(トリレンジイソシアネート)、あるいはMDIプレポリマー、TDIプレポリマー 等を挙げることができる。
そして、この難燃性木質ボードを構成する表面となる第1層は、少なくとも木材を粉砕した木質チップである木粉チップと、接着剤と、難燃剤としての膨張黒鉛とポリリン酸アンモニウムとで構成され、その難燃剤を第1層の木質チップ100重量部に対して、膨張黒鉛を2.5〜20重量部、かつポリリン酸アンモニウムを5〜30重量部添加して、木粉チップおよび接着剤と均一に混合し、通常のパーティクルボードなどの製造設備を用い、熱加圧成形によって第2層や第2層および第3層とともに一体成形される。
このような表層となる第1層によれば、難燃性木質ボードとして必要な難燃性を確保することができる。
次に、この難燃性木質ボードを構成する第2層となる中芯層は、第1層である表層に積層されるものであり、難燃剤を添加せず木質チップと接着剤とで構成され、主として強度を担う機能をなす層である。
この第2層となる中芯層の木質チップは、表層と同様のものが使用できるが、表層に比べてチップが粗大であっても所望の強度性能を得ることができることから微少片からなる木片チップが用いられる。
また、接着剤も、表層と同様のものを使用することができるが、特にMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート) を用いることで、木質チップとの接着性を向上することができ、これにより難燃性木質ボード自体の強度、特に機械強度および寸法安定性などを向上することができ、耐久性に優れるものにできる。
このような中芯層となる第2層は、表層となる第1層と同様に、木片チップと接着剤とが均一に混合され、通常のパーティクルボードなどの製造設備を用い、熱加圧成形によって第1層や第1層および第3層とともに一体成形される。
このような難燃剤を添加しない第2層としての中芯層によれば、難燃剤を添加しないことで、難燃剤による強度低下の影響を受けることがなく、木質ボードとして必要な強度を確保することが容易にできるとともに、木質ボードとして使用する難燃剤の全てを難燃性の向上のために機能させることが可能となり、最小限の難燃剤で必要な難燃性を確保することができる。
このような第1層と第2層との2層構造とした難燃性木質ボードでは、第1層と第2層の重量割合を、5:95〜90:10で構成することが好ましい。
難燃性を確保するためには、第1層の重量割合が大きい方が好ましいが、少なくとも第1層の重量割合が5重量%以上あれば良く、しかも2層構造のボードとしての強度を確保するためには、第2層の重量割合が大きい方が好ましいが、少なくとも第2層の重量割合が10重量%以上あれば良い。
また、第1層と第2層と第3層との3層構造とした難燃性木質ボードでは、第1層と第2層と第3層の重量割合を、5:90:5〜40:20:40で構成することが好ましい。
この場合、難燃性を確保するためには、第1層の重量割合が大きい方が好ましいが、少なくとも第1層の重量割合が5重量%以上あれば良く、しかも3層構造のボードとしての強度を確保するためには、第2層の重量割合が大きい方が好ましいが、少なくとも第2層の重量割合が20重量%以上あれば良い。
さらに、2層構造あるいは3層構造のいずれの難燃性木質ボードの場合でも、各層に合成樹脂を粉砕した合成樹脂チップを混合するようにしても良く、例えば硬質ポリウレタンフォームの廃材を粉砕したものを混合することで、強度向上や耐水性の向上を図ることができる。
この合成樹脂チップとしては、例えば硬質ポリウレタンフォームの微粉末の集合である粉砕ウレタン粉を用いることができ、廃冷蔵庫、廃自販機から回収した硬質ポリウレタンフォームの断熱材、建築現場で発生する断熱材の端材、残材、さらに工場で生産時に発生する裁断ロスなどを回収して高速粉砕機で平均粒径3mm以下に微粉砕したものが好ましく、容器等に盛ったときの見かけ比重は0.03〜0.2g/ccのものが好ましい。
合成樹脂チップが3mm以上の径であると強度や耐水性がほとんど改善されず、さらに第1層や第3層の木粉チップと混合して表層を形成する場合には、加圧成形後のボードの表面平滑性が損なわれる場合がある。
なお、合成樹脂チップとしては、硬質ポリウレタンフォームに限らず他の合成樹脂でも良く、特に廃材を利用することで、廃材としての合成樹脂の有効利用を図ることも可能となる。
このような難燃性木質ボードは、従来のパーティクルボードなどの製造設備をそのまま用いて製造することができ、例えば木質チップと接着剤と難燃剤に必要に応じて合成樹脂チップを加えて混合した第1層用材料を用意するとともに、木質チップと接着剤に必要に応じて合成樹脂チップを加えて混合した第2層用材料を用意し、3層構造とする場合には、表層(第3層)となる第1層用材料、中芯層となる第2層用材料、表層(第1層)となる第1層用材料を順次堆積(散布)した後に、熱加圧成形にて一体化することで製造され、同様にして2層構造のものも製造される。
なお、木質チップと接着剤と難燃剤等の混合には、従来から使用されているリボンブレンダー、高速ミキサー、タンブラーなどの混合設備を利用でき、均一に混合することができる。
また、製造工程中に設けたロータリフィーダー、スクリューフィーダーなどで木質チップに一定量ずつ均一に接着剤と難燃剤等を混入して供給するようにしても良い。
本発明の難燃性木質ボードの製造は、通常の木質ボード製造ラインを使用することができ、例えばスチールベルトを用いて、その上に各層用の材料を供給して堆積し、この堆積物をプレス板やプレスベルトで熱加圧成形することなどで製造することができるが、成形台やスチールベルト等への堆積前又は堆積後に各層用の材料を、目的とする形状に予備圧縮してから加圧成形すれば、得られる難燃性木質ボードの品質が安定する。
また、厚い難燃性木質ボードを製造する場合には、複数の予備圧縮された各層用の材料の層を成形台やスチールベルト上に堆積したのちに、加圧成形すれば品質が安定する。
この加圧成形は、常温で加圧成形しても良いし、各層用の材料に蒸気噴射させながら加圧成形しても良いし、成形台やスチールベルト等を加熱して加圧成形しても良い。
以下、この発明を実施例により説明するが、この発明はこれらに限定されるものではない。
この実施例では、次のものを用いた。
木質チップとしては、表層用の木粉チップと中芯層用の木片チップのいずれも一般的にパーティクルボードで使用されているマツから得られた絶乾状態のチップを使用した。
合成樹脂チップとしてのウレタン粉は、自動販売機の断熱材の廃材をターボミル(ターボ工業社製)で平均粒径1mm以下に粉砕したものを使用した。
接着剤は、ユレアーメラミン樹脂(スイソボンド701、日本化成製)のものと、水乳化型ジフェニールメタンジイソシアネート(ウッドキュア300、日本ポリウレタン工業社製)のものを使用した。
難燃剤Aは、膨張黒鉛(SYZR502、三洋貿易製)で、膨張容積が180〜200ml/gのものを使用し、難燃剤Bは、膨張黒鉛(SYZR1002、三洋貿易製)で、膨張容積が100〜200ml/gのものを使用し、難燃剤Cは、ポリリン酸―アンモニウム(タイエンS、太平化学産業製)で、粒径が100μm以下が93%で、100μm以上が7%のものを使用した。
また、各実施例および各比較例で用いる表層用材料a〜gと中芯層用材料a’〜b’それぞれの構成材料とその配合量(重量部)を表1に示した。
難燃性の試験は、ISO5660に準拠するコーンカロリーメーター試験機による発熱試験で行った。
(実施例1)
第1層および第3層用の表層用材料aを、木質チップである木粉チップ100重量部と、接着剤であるユレアーメラミン樹脂20重量部と、難燃剤Aである膨張黒鉛5重量部と、難燃剤Cであるポリリン酸アンモニウム20重量部とを高速ミキサーに投入混合して得た。
第2層の中芯層用材料a’を、木質チップである木片チップ100重量部と、接着剤である水乳化型ジフェニールメタンジイソシアネート樹脂10重量部とを高速ミキサーに投入混合して得た。
これら表層用材料aと中芯層用材料a’とを用いて3層構造の木質ボードとするため、第1層:第2層:第3層の重量割合が、20:60:20となるように、コール板上に表層用材料aと中芯層用材料a’と表層用材料aとを順次堆積(散布)した後に予備圧縮し、生成したマットの両端に12mmのディスタンスバー(スペーサ)を置き、さらにマット上にコール板を載せて165℃に加熱したプレス機で5分間熱加圧成形し、12mm厚、850kg/m3の3層構造の木質ボードを得た。
得られた木質ボード(木質ボード)から100mm×100mm角で12mm厚のサンプルを得た。
このサンプルを用い、難燃性の試験を行った。
その結果を表2に示す。
同表から明らかなように、難燃材料としての条件を満足するものであった。
(実施例2)
第1層および第3層用の表層用材料bとして、難燃剤Aである膨張黒鉛10重量部と、難燃剤Cであるポリリン酸アンモニウム15重量部用いた以外は実施例1と同様とした。
得られたサンプルを用い、難燃性の試験を行い、その結果を表2に示す。
同表から明らかなように、難燃材料としての条件を満足するものであった。
(実施例3)
3層構造の木質ボードとするため、第1層:第2層:第3層の重量割合が、10:80:10となるようにした以外は、実施例1と同様とした。
得られたサンプルを用い、難燃性の試験を行い、その結果を表2に示す。
同表から明らかなように、難燃材料としての条件を満足するものであった。
(実施例4)
2層構造の木質ボードとするため、第1層:第2層の重量割合が、20:80となるようにした以外は、実施例1と同様とした。
得られたサンプルを用い、難燃性の試験を行い、その結果を表2に示す。
同表から明らかなように、難燃材料としての条件を満足するものであった。
(実施例5)
3層構造の木質ボードとするため、第1層:第2層:第3層の重量割合が、30:40:30となるようにした以外は、実施例1と同様とした。
得られたサンプルを用い、難燃性の試験を行い、その結果を表2に示す。
同表から明らかなように、難燃材料としての条件を満足するものであった。
(実施例6)
第1層および第3層用の表層用材料cとして、難燃剤Bである膨張黒鉛20重量部と、難燃剤Cであるポリリン酸アンモニウム10重量部を用い、第2層の中芯層用材料b’を、木質チップである木片65重量部にウレタン粉35重量部混合した以外は実施例1と同様とした。
得られたサンプルを用い、難燃性の試験を行い、その結果を表2に示す。
同表から明らかなように、難燃材料としての条件を満足するものであった。
(比較例1)
難燃剤を用いることなく(表層用材料dおよび中芯層用材料a’)、実施例1と同様とした。
得られたサンプルを用い、難燃性の試験を行い、その結果を表2に示す。
同表から明らかなように、難燃料としての条件を満足するものではなかった。
(比較例2)
第1層および第3層用の表層用材料eとして、難燃剤Aである膨張黒鉛10重量部用いた以外は実施例1と同様とした。
得られたサンプルを用い、難燃性の試験を行い、その結果を表2に示す。
同表から明らかなように、難燃料としての条件を満足するものではなかった。
(比較例3)
第1層および第3層用の表層用材料fとして、難燃剤Aである膨張黒鉛10重量部と、難燃剤cであるポリリン酸アンモニウム2.5重量部を用いた以外は実施例1と同様とした。
得られたサンプルを用い、難燃性の試験を行い、その結果を表2に示す。
同表から明らかなように、難燃材料としての条件を満足するものではなかった。
(比較例4)
第1層および第3層用の表層用材料gとして、難燃剤Aである膨張黒鉛1重量部と、難燃剤cであるポリリン酸アンモニウム15重量部を用いた以外は実施例1と同様とした。
得られたサンプルを用い、難燃性の試験を行い、その結果を表2に示す。
同表から明らかなように、難燃材料としての条件を満足するものではなかった。
※1.THR(総発熱量)が、8MJ/m2以下であるもの→○、ないもの→×
※2.200kW/m2を越える最大発熱速度が、10秒を越えて継続しないもの→○、
あるもの→×
※3.試験体裏面に達する亀裂、貫通孔を生じるもの→○、ないもの→×
※4.(※1と※2と※3)の条件をすべて満たすもの→○、ないもの→×

Claims (5)

  1. 複数層からなり、表面となる第1層を、少なくとも木材を粉砕した木質チップと、接着剤と、難燃剤としての膨張黒鉛とポリリン酸アンモニウムとで構成するとともに、この第1層の木質チップ100重量部に対して、膨張黒鉛を2.5〜20重量部、かつポリリン酸アンモニウムを5〜30重量部添加して構成する一方、
    この第1層に積層される第2層を、難燃剤を添加せず木質チップと接着剤とで構成したことを特徴とする難燃性木質ボード。
  2. 前記第1層と同一構成の第3層を、前記第2層に積層した3層構造としてなることを特徴とする請求項1記載の難燃性木質ボード。
  3. 前記複数層の少なくともいずれかに、合成樹脂を粉砕した合成樹脂チップを混合して構成したことを特徴とする請求項1乃至2記載の難燃性木質ボード。
  4. 前記第2層の接着剤を、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の難燃性木質ボード。
  5. 前記3層構造の各層の重量割合を、5:90:5〜40:20:40、あるいは前記2層構造の各層の重量割合を、5:95〜90:10としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の難燃性木質ボード。
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