JP2005539176A - 風力タービン用ローターブレード - Google Patents

Abstract

本発明はローターブレード、特に風力発電プラントのローターブレードに関する。本発明の目的は、それを用いて、風力発電プラントのローターブレードの音響パワーレベルと同様、ＣＷ値（抗力係数）をさらに一層改善できる手段を提供することである。風力発電プラント用の本発明のローターブレードは送出し面と導入面とを有し、これによって本質的に一定な全体的静電界が導入面に形成される。

Description

本発明はローターブレード、特に風力発電設備のローターブレードに関する。

この種のローターブレードとしては多くの異なる形態が公知である。通常は、作動中、それが可能な限り低い音響パワーレベルを有し、その上、ローターブレードによって生じる風力エネルギーの損失量が非常に小さくなるような低い空気抵抗値を呈するように、風力発電設備のローターブレードの設計が試みられる。

通常、音響パワーレベルを低減するため、そしてまたＣＲ値（抵抗係数）を低減するために採用されるアプローチは、ローターブレードに関して適切に対応した外形設計の変更または改良である。

本発明の目的は、風力発電設備のローターブレードのＣＲ値およびさらにその音響パワーレベルをさらに一層改善するための方策を提供することである。

本発明は請求項１の特徴を持つローターブレードによって達成される。有利な展開は付随する請求項で言及されている。

本発明では、ローターブレードの少なくとも負圧面上に電界を形成する。この電界は好ましくは、ローターブレードのトップ側において、たとえば約−４ｋＶの電圧を持つ静電界である。電界は、ローターブレードの前縁から後縁までの領域にローターブレード先端領域におけるローターブレードの少なくとも３０％で、すなわちローターブレードのローターブレード基端から最も遠く離れた領域に形成される。

好ましくは、電界を形成するためローターブレードの負圧面上にネットワーク状導体構造体が設けられる。このネットワーク状導体構造体は導体マトリックス（たとえば銅製のもの）からなっていてもよく、この場合は、複数の導体が相互に並置された互いに交差する関係でメッシュ形状に配置され、そして互いに平行な間隔は約１ないし１０ｍｍの間の範囲内にあり、好ましくは４ｍｍ以下の範囲内にある。

これまでに驚くべきことに、約−２ないし−１０ｋＶの間、好ましくは約−４ｋＶの大きさの電界を印加することで、ローターブレードの電力値が、約１０ないし１５％の間の、好ましくは１２％の率まで増大することが見出された。同時に、本発明によるローターブレードの音響パワーレベルが約１ｄＢ以下だけ低減された。

負圧面上に電界を維持するため、長さ約２０ｍのローターブレードではローターブレード当たり約５ｋＶの電力を供給する必要があり、ローターブレード長が約３２ｍでは、電力はローターブレード当たり約１５ｋＶでなければならない。

以下のグラフは、電界の電圧に依存するＣＲ値の特性および電界の電圧に依存するパワー係数（Ｃｐ）の特性を示す。

この点に関して、パワーＣＲの係数がそれぞれ４ｋＶおよび３．９ｋＶで最大値としてのパワー値に達し、そしてそれぞれ３．９および４ｋＶ未満の電圧値で再び低下することがわかる。

たとえば同じ方向のまたは反対の関係の電圧を持つ電界をローターブレードの正圧面に形成できる。

ローターブレードに対する電界の適用は、ローターブレードと風力発電設備内の電圧すなわち電荷供給装置(charge supply device)との間の電気的接続によってなすことができる。好ましくは上記電気的接続を断つための手段が設けられる。この手段はスイッチの形態とすることができ、このスイッチはローターブレードに対する電気的隔離を既に、ローターブレード基端またはハブにおいて、または風力発電設備内で可能にする。電気的接続部に一つ以上のスイッチを設けることもまた可能である。

電圧（電荷）供給手段とローターブレードとの間の電気的隔離は好ましくは、雷雨が接近している場合に遮断される。この点で、対応する雷雨状況が感知された場合、遮断が自動的に行われるようにすることもまた可能である。これはたとえば激しい電力変動に基づいて判断できる。なぜなら風力発電設備の激しい電力変動または風の激しい変動は、たいてい雷雨に先行する突風の兆候だからである。だが、雷雨の接近を大気中の電圧の計測によって検出することも可能である。通常、そうした電圧は雷雨が接近したときに上昇（降下）し、それゆえそうした雷雨の比較的信頼できる兆候として採用できる。

したがってローターブレードと電圧供給手段との間の電気的離隔によって電界を消滅させることは風力発電設備全体の、特にローターブレードの保護に役立つ。既に公知でありかつそれを用いて雷雨の接近を検出できる他の手段を用いて、電圧供給手段の対応する遮断を制御することもまた可能であることが理解されるであろう。

Claims (6)

1. 風力発電設備用のローターブレードであって、正圧面および負圧面を具備し、
   実質的に一定な、領域を覆う静電界が前記負圧面に形成されることを特徴とする風力発電設備用ローターブレード。
2. 前記電界は、前記ローターブレードの前記負圧面の、前記ローターブレード前縁と前記ローターブレード後縁との間の領域に形成されることを特徴とする請求項１に記載のローターブレード。
3. 前記ローターブレードの前記負圧面上のネットワーク状導体構造体はマトリックスを形成し、隣接する導体同士の間隔は２ないし１０ｍｍの間の範囲にあり、好ましくは４ｍｍ以下であることを特徴とする請求項１または請求項２に記載のローターブレード。
4. 前記ネットワーク状導体構造体に印加される電圧は、−２ないし−６ｋＶの間の範囲にあり、好ましくは約−４ｋＶ以下であることを特徴とする請求項１ないし請求項３のいずれか１項に記載のローターブレード。
5. 請求項１ないし請求項４のいずれか１項に記載の少なくとも一つのローターブレードを具備してなる風力発電設備。
6. ＤＣ電圧供給手段によって前記ローターブレードのネットワーク状の導体構造体に所望のＤＣ電圧が印加されることを特徴とする請求項６に記載の風力発電設備。