JP2005344030A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 柔軟性、耐油性、制振性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 本発明は、(a)イソブチレンを主成分とする重合体ブロックと、イソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロックとから構成されるイソブチレン系ブロック共重合体5〜95重量%、(b)ポリエステル系熱可塑性エラストマー及びポリアミド系熱可塑性エラストマーから選択される少なくとも一種のエラストマー5〜95重量%、を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物である。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明は、(a)イソブチレンを主成分とする重合体ブロックと、イソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロックとから構成されるイソブチレン系ブロック共重合体5〜95重量%、(b)ポリエステル系熱可塑性エラストマー及びポリアミド系熱可塑性エラストマーから選択される少なくとも一種のエラストマー5〜95重量%、を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、特定のイソブチレン系ブロック共重合体と、ポリエステル系熱可塑性エラストマー又はポリアミド系熱可塑性エラストマーとを含有してなる熱可塑性樹脂組成物に関する。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーやポリアミド系熱可塑性エラストマーは、熱可塑性エラストマーの中でも耐油性や耐摩耗性に優れている。このことから、自動車内装部品の表皮材や、電動工具のグリップなどへの応用が期待されるものの、比較的硬度が高いため、ソフトタッチ感が不足するという問題があった。
また、これらの用途では、振動が生じやすい部位で使用されるため、振動を吸収するような特性も要求される。ところが、ポリエステル系熱可塑性エラストマーやポリアミド系熱可塑性エラストマーは、制振性が低く、振動が伝達された場合に十分な減衰が起こらず、振動を吸収しにくいという問題もあった。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーやポリアミド系熱可塑性エラストマーにソフトタッチ感を付与する目的で、比較的硬度の低いスチレン系熱可塑性エラストマーとのブレンドが検討されているものの(特許文献1参照)、相溶性に問題があり、相溶化剤を添加するなど配合が複雑になるという課題があった。さらに、制振性に関しては考慮されておらず、制振性を付与する技術については開示されていない。
特開平6−313093
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、ポリエステル系熱可塑性エラストマーやポリアミド系熱可塑性エラストマーに対して、ソフトタッチ感と制振性を同時に付与する技術を提供することである。
本発明者らは、上記課題を鑑み、鋭意検討を行った結果、特定のイソブチレン系ブロック共重合体と、ポリエステル系熱可塑性エラストマー又はポリアミド系熱可塑性エラストマーとを含有してなる熱可塑性樹脂組成物が、上記課題を解決することを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は、(a)イソブチレンを主成分とする重合体ブロックと、イソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロックとから構成されるイソブチレン系ブロック共重合体5〜95重量%、(b)ポリエステル系熱可塑性エラストマー及びポリアミド系熱可塑性エラストマーから選択される少なくとも一種のエラストマー5〜95重量%、を含む熱可塑性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様としては、(a)成分のイソブチレンを主成分としない単量体成分が、芳香族ビニル系単量体を主成分とする単量体成分であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様としては、芳香族ビニル系単量体がスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン及びインデンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である熱可塑性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様としては、(a)イソブチレン系ブロック共重合体が、芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロック−イソブチレンを主成分とする重合体ブロック−芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロックからなるトリブロック共重合体、芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロック−イソブチレンを主成分とする重合体ブロックからなるジブロック共重合体、及び芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロックとイソブチレンを主成分とする重合体ブロックからなるアームを3つ以上有する星型ブロック共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様としては、(b)成分のポリエステル系熱可塑性エラストマーが、ポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様としては、(a)成分と(b)成分の合計量100重量部に対し、(c)エポキシ基、アミノ基、水酸基、酸無水物基、カルボキシル基及びその塩、並びに、カルボン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を含有するオレフィン系重合体又はスチレン系重合体0.1〜50重量部を含む熱可塑性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様としては、(c)成分が、酸無水物基を含有するスチレン−エチレンブチレン−スチレン共重合体であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物に関する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は低硬度で、耐油性に優れており、さらに、耐熱安定性、機械強度にも優れていることから、食品用途、日用雑貨用途、玩具・運動用具用途、文具用途、自動車内外装用途、土木・建築用途、家電機器用途、衣料・履き物用途、医療用途、衛生用品、包装輸送資材、電線用途等に利用可能である。特に、耐油性と低硬度を要求される日用雑貨用途に好適である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の(a)イソブチレン系ブロック共重合体は、イソブチレンを主成分とする重合体ブロック及びイソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロックを有しているものであれば特に制限はなく、例えば、直鎖状、分岐状、星状等の構造を有するブロック共重合体、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、マルチブロック共重合体等のいずれも選択可能である。
本発明のイソブチレンを主成分としない単量体成分は、イソブチレンの含有量が30重量%以下である単量体成分を示す。イソブチレンを主成分としない単量体成分中のイソブチレンの含有量は10重量%以下であることが好ましく、3重量%以下であることがさらに好ましい。
本発明のイソブチレンを主成分としない単量体成分中の、イソブチレン以外の単量体は、カチオン重合可能な単量体成分であれば特に限定されないが、脂肪族オレフィン系、芳香族ビニル系、ジエン系、ビニルエーテル系、シラン化合物、ビニルカルバゾール、β−ピネン、アセナフチレン等の単量体が例示できる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用される。
脂肪族オレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン、オクテン、ノルボルネン等が挙げられる。
芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルスチレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、o−t−ブチルスチレン、m−t−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−クロロメチルスチレン、m−クロロメチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、o−ブロモメチルスチレン、m−ブロモメチルスチレン、p−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体、インデン、ビニルナフタレン等が挙げられる。
ジエン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、ジビニルベンゼン、エチリデンノルボルネン等が挙げられる。
ビニルエーテル系単量体としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、メチルプロペニルエーテル、エチルプロペニルエーテル等が挙げられる。
シラン化合物としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
本発明のイソブチレンを主成分としない単量体成分は、物性及び重合特性等のバランスから、芳香族ビニル系単量体を主成分とする単量体成分であることが好ましい。本発明の芳香族ビニル系単量体を主成分とする単量体成分は、芳香族ビニル系単量体の含有量が60重量%以上、好ましくは80重量%以上である単量体成分を示す。芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びインデンからなる群から選ばれる1種以上の単量体を使用することが好ましく、コストの面からスチレン、α−メチルスチレン、あるいはこれらの混合物を用いることが特に好ましい。
また本発明のイソブチレンを主成分とする単量体成分は、イソブチレン以外の単量体を含んでいてもよいし、含んでいなくても良く、通常、イソブチレンを60重量%以上、好ましくは80重量%以上含有する単量体成分である。イソブチレン以外の単量体としてはカチオン重合可能な単量体であれば特に制限はないが、例えば上記の単量体等が挙げられる。
イソブチレンを主成分とする重合体ブロックとイソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロックの割合に関しては、特に制限はないが、各種物性の面から、イソブチレンを主成分とする重合体ブロックが40から95重量%、イソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロックが5から60重量%であることが好ましく、イソブチレンを主成分とする重合体ブロックが50から85重量%、イソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロックが15から50重量%であることが特に好ましい。
またイソブチレン系ブロック共重合体の数平均分子量にも特に制限はないが、流動性、加工性、物性等の面から、30000〜500000であることが好ましく、50000〜400000であることが特に好ましい。イソブチレン系ブロック共重合体の数平均分子量が30000よりも低い場合には、必要に応じて使用される軟化剤のブリードアウトが起こる傾向にあり機械的な物性が十分に発現されず、一方500000を超える場合には流動性、加工性の面で不利である。上記数平均分子量は、Waters社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)システム(カラム:昭和電工株式会社製Shodex K−804(ポリスチレンゲル)、移動相:クロロホルム)を用いて測定した値である。
またイソブチレン系ブロック共重合体の好ましいブロック共重合体としては、物性バランス及び必要に応じて使用される後述の軟化剤の吸収能の点から、芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロック−イソブチレンを主成分とする重合体ブロック−芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロックからなるトリブロック共重合体、芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロック−イソブチレンを主成分とする重合体ブロックからなるジブロック共重合体、及び芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロックとイソブチレンを主成分とする重合体ブロックからなるアームを3つ以上有する星型ブロック共重合体等が挙げられる。これらは所望の物性・成形加工性を得る為に1種又は2種以上を組み合わせて使用可能である。
イソブチレン系ブロック共重合体の製造方法については特に制限はないが、例えば、下記一般式(1)で表される化合物の存在下に、イソブチレンを主成分とする単量体成分及びイソブチレンを主成分としない単量体成分を重合させることにより得られる。
(CR1R2X)nR3 (1)
[式中Xはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアシロキシ基を示す。R1、R2はそれぞれ水素原子または炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示し、R1、R2は同一であっても異なっていても良い。R3は多価芳香族炭化水素基または多価脂肪族炭化水素基であり、nは1〜6の自然数を示す。]
上記一般式(1)で表される化合物は開始剤となるもので、ルイス酸等の存在下炭素陽イオンを生成し、カチオン重合の開始点になると考えられる。本発明で用いられる一般式(1)の化合物の例としては、次のような化合物等が挙げられる。(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン〔C6H5C(CH3)2Cl〕、1,4−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン〔1,4−Cl(CH3)2CC6H4C(CH3)2Cl〕、1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン〔1,3−Cl(CH3)2CC6H4C(CH3)2Cl〕、1,3,5−トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン〔1,3,5−(ClC(CH3)2)3C6H3〕、1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)−5−(tert−ブチル)ベンゼン〔1,3−(C(CH3)2Cl)2-5−(C(CH3)3)C6H3〕。
(CR1R2X)nR3 (1)
[式中Xはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアシロキシ基を示す。R1、R2はそれぞれ水素原子または炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示し、R1、R2は同一であっても異なっていても良い。R3は多価芳香族炭化水素基または多価脂肪族炭化水素基であり、nは1〜6の自然数を示す。]
上記一般式(1)で表される化合物は開始剤となるもので、ルイス酸等の存在下炭素陽イオンを生成し、カチオン重合の開始点になると考えられる。本発明で用いられる一般式(1)の化合物の例としては、次のような化合物等が挙げられる。(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン〔C6H5C(CH3)2Cl〕、1,4−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン〔1,4−Cl(CH3)2CC6H4C(CH3)2Cl〕、1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン〔1,3−Cl(CH3)2CC6H4C(CH3)2Cl〕、1,3,5−トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン〔1,3,5−(ClC(CH3)2)3C6H3〕、1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)−5−(tert−ブチル)ベンゼン〔1,3−(C(CH3)2Cl)2-5−(C(CH3)3)C6H3〕。
これらの中でも特に好ましいのはビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[C6H4(C(CH3)2Cl)2]、トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[(ClC(CH3)2)3C6H3]である。なおビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼンは、ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン、ビス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼンあるいはジクミルクロライドとも呼ばれ、トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼンは、トリス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン、トリス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼンあるいはトリクミルクロライドとも呼ばれる。
イソブチレン系ブロック共重合体を重合により製造する際に、さらにルイス酸触媒を共存させることもできる。このようなルイス酸としてはカチオン重合に使用できるものであれば良く、TiCl4、TiBr4、BCl3、BF3、BF3・OEt2、SnCl4、SbCl5、SbF5、WCl6、TaCl5、VCl5、FeCl3、ZnBr2、AlCl3、AlBr3等の金属ハロゲン化物;Et2AlCl、EtAlCl2等の有機金属ハロゲン化物を好適に使用することができる(Etはエチル基を表す)。中でも触媒としての能力、工業的な入手の容易さを考えた場合、TiCl4、BCl3、SnCl4が好ましい。ルイス酸の使用量は、特に限定されないが、使用する単量体の重合特性あるいは重合濃度等を鑑みて設定することができる。通常は一般式(1)で表される化合物に対して0.1〜100モル当量使用することができ、好ましくは1〜50モル当量の範囲である。
イソブチレン系ブロック共重合体の重合に際しては、さらに必要に応じて電子供与体成分を共存させることもできる。この電子供与体成分は、カチオン重合に際して、成長炭素カチオンを安定化させる効果があるものと考えられており、電子供与体の添加によって分子量分布の狭い構造が制御された重合体を生成することができる。使用可能な電子供与体成分としては特に限定されないが、例えば、ピリジン類、アミン類、アミド類、スルホキシド類、エステル類、または金属原子に結合した酸素原子を有する金属化合物等を挙げることができる。
イソブチレン系ブロック共重合体の重合は必要に応じて有機溶媒中で行うことができ、有機溶媒としてはカチオン重合を本質的に阻害しなければ特に制約なく使用することができる。具体的には、塩化メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、塩化エチル、ジクロロエタン、n−プロピルクロライド、n−ブチルクロライド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン等のアルキルベンゼン類;エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の直鎖式脂肪族炭化水素類;2−メチルプロパン、2−メチルブタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,2,5−トリメチルヘキサン等の分岐式脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素類;石油留分を水添精製したパラフィン油等を挙げることができる。
これらの溶媒は、ブロック共重合体を構成する単量体の重合特性及び生成する重合体の溶解性等のバランスを考慮して単独又は2種以上を組み合わせて使用される。
上記溶媒の使用量は、得られる重合体溶液の粘度や除熱の容易さを考慮して、重合体の濃度が好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜35重量%となるように決定することができる。
実際の重合を行うに当たっては、各成分を冷却下例えば−100℃以上0℃未満の温度で混合することが好ましい。エネルギーコストと重合の安定性を釣り合わせるために、特に好ましい温度範囲は−80℃〜−30℃である。
本発明の(b)ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、ハードセグメントとして芳香族ポリエステル、ソフトセグメントとしてポリエーテルや脂肪族ポリエステルを用いたブロック共重合体が使用される。
中でも好ましいものは、ソフトセグメントとしてポリエーテルを用いたポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体であり、ソフトセグメントの含有量は、ブロック共重合体中の5〜90重量%であることが望ましく、より好ましくは20〜85重量%、さらに好ましくは、50〜80重量%である。ソフトセグメントの含有量が5重量%未満になると、柔軟性が低くなる傾向があり、90重量%を超えると、縮重合による製造が難しくなる傾向がある。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、(i)炭素原子数2〜12の脂肪族及び/又は脂環族ジオールと、(ii)芳香族ジカルボン酸またはそのアルキルエステル、及び(iii)数平均分子量が400〜6,000のポリエーテルまたは脂肪族ポリエステルとを原料とし、エステル化反応又はエステル交換反応により得られたオリゴマーを重縮合させて得ることができる。
炭素原子数2〜12の脂肪族及び/又は脂環族ジオールとしては、ポリエステルの原料として通常用いられるものが使用できる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、中でも1,4−ブタンジオール、エチレングリコールが好ましく、特に1,4−ブタンジオールが好ましい。これらのジオールは、1種又は2種以上の混合物を使用することができる。
芳香族ジカルボン酸としては、ポリエステルの原料として一般的に用いられているものが使用でき、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。これらの中では、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましく、特にテレフタル酸が好適である。また、これらの芳香族ジカルボン酸は2種以上を併用してもよい。
芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルを用いる場合は、上記の芳香族ジカルボン酸のジメチルエステルやジエチルエステル等が用いられる。好ましいものは、ジメチルテレフタレート及び2,6−ジメチルナフタレートである。また、上記の成分以外に3官能のアルコールやトリカルボン酸又はそのエステルを少量共重合させてもよく、更にアジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はそのジアルキルエステルも共重合成分として使用できる。
ポリエーテルまたは脂肪族ポリエステルとしては、数平均分子量が400〜6,000のものが通常使用されるが、500〜4,000のものが好ましく、特に600〜3,000のものが好適である。数平均分子量が400未満では、共重合体のブロック性が不足する傾向があり、一方、6,000を超えるものは、系内での相分離が起きやすくポリマーの物性が低下する傾向となる。ここで用いられるポリエーテルとしては、分子量が400〜6,000のポリ(アルキレンエーテル)グリコール(例えば、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−及び1,3−プロピレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンエーテル)グリコールなど)が好適に使用できる。また、脂肪族ポリエステルとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、或いはその他の低分子ジオール成分の1種または2種以上とグルタル酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の低分子ジカルボン酸の1種または2種以上との縮合重合物やラクトンの開環重合で得たポリラクトンジオール、例えばポリプロピオラクトンジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール等が挙げられる。特に好ましいものはポリテトラメチレンエーテルグリコールである。
このようなポリエステル系熱可塑性エラストマーの市販品としては、東レ・デュポン株式会社製「ハイトレル」、東洋紡績株式会社製「ペルプレン」、三菱化学株式会社製「プリマロイ」等が挙げられる。
本発明で使用される(b)ポリアミド系熱可塑性エラストマーとは、ハードセグメントとして、ナイロン6、66、11、12等、ソフトセグメントとして、ポリエーテルまたは脂肪族ポリエステル等からなるブロック共重合体である。
中でも好ましいものは、ソフトセグメントとしてポリエーテルを用いたポリアミド−ポリエーテルブロック共重合体であり、ソフトセグメントの含有量は、ブロック共重合体中の5〜90重量%であることが望ましく、より好ましくは20〜85重量%、さらに好ましくは、50〜80重量%である。ソフトセグメントの含有量が5重量%未満になると、柔軟性が低くなる傾向があり、90重量%を超えると、縮重合による製造が難しくなる傾向がある。
ポリアミド系熱可塑性エラストマーは、(i)炭素原子数2〜12の脂肪族及び/又は脂環族ジアミンと、(ii)ジカルボン酸またはそのアルキルエステル、及び(iii)数平均分子量が400〜6,000のポリエーテルまたは脂肪族ポリエステルとを原料とし、アミド化反応又はアミド交換反応により得られたオリゴマーを重縮合させて得ることができる。
ハードセグメントであるポリアミドは、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、36個の炭素原子を有する二量化脂肪酸あるいはこれを主成分とする重合脂肪酸の混合物等のジカルボン酸と、エチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,4−シクロヘキシルジアミン、m−キシリルジアミン等のジアミンとの重縮合物、あるいは、カプロラクタム、ラウリルラクタム等ラクタムの開環重合物、あるいはアミノノナン酸、アミノウンデカン酸等アミノカルボン酸の重縮合物、あるいは上記環状ラクタムとジカルボン酸とジアミンとの共重合により得られるものなどが挙げられる。
またソフトセグメントとなるポリエーテルとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルグリコール、あるいはこれらの共重合体が挙げられる。
ソフトセグメントとなる脂肪族ポリエステルとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサン等脂肪族又は脂環式ジオールの一種又は二種以上と上記のジカルボン酸とから得られるもの、ポリε−カプロラクトン等ラクトン化合物の重縮合物等を挙げることができ、末端に水酸基又はカルボキシル基を有するものである。
このようなポリアミド系熱可塑性エラストマーの市販品としては、アトフィナ・ジャパン株式会社製「ペバックス」、宇部興産株式会社製「PAE」、ダイセル・デグサ株式会社製「ベスタミド」等が挙げられる。
成分(b)である、ポリエステル系熱可塑性エラストマー及びポリアミド系熱可塑性エラストマーから選択される少なくとも一種のエラストマーの配合量は、成分(a)イソブチレン系ブロック共重合体5〜95重量%に対して、95〜5重量%、好ましくは(a)イソブチレン系ブロック共重合体25〜75重量%に対して、75〜25重量%である。成分(b)の配合量が、5重量%未満の場合は、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐熱性や耐油性が低下する傾向があり、95重量%を超えると得られる熱可塑性樹脂組成物の硬度が上昇し、柔軟な感触が低下する傾向がある。
本発明では、必要に応じて、相溶性を向上させる目的で、(c)成分として、官能基を含有するオレフィン系重合体又はスチレン系重合体を添加してもよい。
本発明の(c)成分に用いられる、官能基を含有するオレフィン系重合体またはスチレン系重合体中の官能基は、極性を有する官能基であり、エポキシ基、アミノ基、水酸基、酸無水物基、カルボキシル基及びその塩、並びに、カルボン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基である。ここでいう重合体とは、共重合体のことも含み、共重合体の共重合様式には特に制限はなく、ランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などいずれの共重合体様式であっても良い。
オレフィン系重合体、及びスチレン系重合体の例としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体などのエチレン・α−オレフィン系共重合体;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリイソプレン、ブテン−イソプレン共重合体、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)などが例示できる。
本発明の(c)成分に用いられる官能基を有するオレフィン系重合体、及びスチレン系重合体の具体例としては、エチレン・α−オレフィン系共重合体などのポリオレフィン系重合体に、マレイン酸無水物、琥珀酸無水物、フマル酸無水物などの酸無水物を共重合したもの、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニルなどのカルボン酸及びそのNa、Zn、K、Ca、Mgなどの塩、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチルなどのカルボン酸エステルが共重合されたオレフィン系重合体などが挙げられる。
より具体的にはエチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸n−プロピル共重合体、エチレン−アクリル酸イソプロピル共重合体、エチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体、エチレン−アクリル酸t−ブチル共重合体、エチレン−アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸n−プロピル共重合体、エチレン−メタクリル酸イソプロピル共重合体、エチレン−メタクリル酸n−ブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸t−ブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸イソブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体およびそのNa、Zn、K、Ca、Mgなどの金属塩、エチレン−マレイン酸無水物共重合体、エチレン−ブテン−マレイン酸無水物共重合体、エチレン−プロピレンーマレイン酸無水物共重合体、エチレン−ヘキセン−マレイン酸無水物共重合体、エチレン−オクテン−マレイン酸無水物共重合体、プロピレン−マレイン酸無水物共重合体、無水マレイン酸変性のSBS、無水マレイン酸変性のSIS、無水マレイン酸変性のSEBS、無水マレイン酸変性のSEPS、無水マレイン酸変性のエチレン−アクリル酸エチル共重合体などが例示できる。(c)成分としては、1種又は2種以上を組み合わせて使用可能である。
(c)成分としては、相溶性の観点から、酸無水物基を有するスチレン−エチレンブチレン−スチレン共重合体(MAH−SEBS)が好ましい。
(c)成分の配合量は、(a)成分と(b)成分の総量100重量部に対して、0.1〜50重量部であることが好ましく、0.5〜20重量部であることがさらに好ましい。(c)成分であるオレフィン系重合体またはスチレン系重合体が0.1重量部未満であると、相溶性が十分に発現されず、50重量部を超えると組成物中の(a)成分の割合が減少するため好ましくない。
(c)成分は、(a)成分と(b)成分の溶融混練時に添加してもよいし、あらかじめ(a)成分または(b)成分に添加しておいてもよい。あらかじめ(a)成分または(b)成分に添加しておく方が、相溶性の改良効果が発現しやすく、好ましい。
本発明の組成物には、ポリオレフィン系樹脂も必要に応じ使用される。ポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィンの単独重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体及びそれらの混合物、またはα−オレフィンと他の不飽和単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体及びこれら重合体の酸化、ハロゲン化又はスルホン化したもの等を1種又は2種以上組み合わせて使用できる。具体的には、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、塩素化ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂;ポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、塩素化ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂;ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン、環状オレフィンの(共)重合体等が例示できる。これらの中でコスト、熱可塑性樹脂の物性バランスの点からポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、又はこれらの混合物が好ましく使用できる。
ポリオレフィン系樹脂の配合量は、(a)成分と(b)成分の総量100重量部に対して、0〜100重量部、好ましくは0〜50重量部、さらに好ましくは0〜30重量部である。100重量部を超えると硬度が高くなる傾向があるため、好ましくない。
本発明の組成物には、軟化剤も必要に応じ使用される。特に限定されないが、通常、室温で液体又は液状の材料が好適に用いられる。また親水性及び疎水性のいずれの軟化剤も使用できる。このような軟化剤としては鉱物油系、植物油系、合成系等の各種ゴム用又は樹脂用軟化剤が挙げられる。鉱物油系としては、ナフテン系、パラフィン系等のプロセスオイル等が、植物油系としては、ひまし油、綿実油、あまみ油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、木ろう、パインオイル、オリーブ油等が、合成系としてはポリブテン、低分子量ポリブタジエン等が例示できる。これらの中でも成分(a)との相溶性あるいは熱可塑性樹脂組成物の物性バランスの点から、パラフィン系プロセスオイル、ポリブテンが好ましく用いられる。これら軟化剤は、単独で用いてもよいし、所望の粘度及び物性を得るために2種以上を適宜組み合わせて使用することも可能である。
軟化剤の配合量は、(a)成分と(b)成分の総量100重量部に対して、0〜100重量部、好ましくは0〜50重量部、さらに好ましくは0〜30重量部である。100重量部を超えると軟化剤のブリードアウトが発生する傾向があるため、好ましくない。
さらに本発明の樹脂組成物には、物性改良あるいは経済上のメリットから充填材を配合することができる。好適な充填材としては、クレー、珪藻土、シリカ、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、金属酸化物、マイカ、グラファイト、水酸化アルミニウム等の麟片状無機充填材;各種の金属粉、木片、ガラス粉、セラミックス粉、カーボンブラック、粒状又は粉末ポリマー等の粒状又は粉末状固体充填材;その他の各種の天然又は人工の短繊維、長繊維等が例示できる。また中空フィラー、例えば、ガラスバルーン、シリカバルーン等の無機中空フィラー、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン共重合体からなる有機中空フィラー等を配合することにより、軽量化を図ることができる。更に軽量化、衝撃吸収性等の各種物性の改善のために、各種発泡剤を混入させることも可能であり、また、混合時等に機械的に気体を混ぜ込むことも可能である。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用可能である。
充填材の配合量は、(a)成分と(b)成分の総量100重量部に対して、0〜100重量部であり、好ましくは0〜50重量部であり、さらに好ましくは0〜30重量部である。100重量部を超えると、得られる熱可塑性樹脂組成物の機械強度の低下が起こり、柔軟性も損なわれる傾向があるので好ましくない。
また本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤や紫外線吸収剤を配合することができ、配合量は(a)成分と(b)成分の総量100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。
さらに他の添加剤として難燃剤、抗菌剤、光安定剤、着色剤、流動性改良剤、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、架橋剤、架橋助剤等を添加することができ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用可能である。
上述の添加剤のうち、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、成形加工性を整え、離型性を付与する目的で、滑剤を配合することが好ましい。滑剤としては、脂肪酸金属塩系滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、脂肪酸系滑剤、脂肪族アルコール系滑剤、脂肪酸と多価アルコールの部分エステル、パラフィン系滑剤などが好ましく用いられ、これらの中から2種以上を選択して用いてもよい。
脂肪酸金属塩系滑剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、モンタン酸金属塩などが挙げられる。
脂肪酸アミド系滑剤としては、エチレンビスステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、p−フェニレンビスステアリン酸アミドなどが挙げられる。
脂肪酸エステル系滑剤としては、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、エルカ酸メチル、ベヘニン酸メチル、ラウリン酸ブチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ヤシ脂肪酸オクチル、ステアリン酸オクチル、特殊牛脂脂肪酸オクチル、ラウリン酸ラウリル、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸ベヘニル、ミリスチン酸セチル、牛脂硬化油、ヒマシ硬化油、モンタン酸エステルなどが挙げられる。
脂肪酸系滑剤としては、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、モンタン酸などが挙げられる。
脂肪族アルコールとしては、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコールなどが挙げられる。
脂肪酸と多価アルコールの部分エステルとしては、ステアリン酸モノグリセライド、ステアリン酸ジグリセライド、オレイン系モノグリセライド、モンタン酸部分ケン化エステルなどが挙げられる。
パラフィン系滑剤としては、パラフィンワックス、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
これらの中でも、成形性の改良効果とコストのバランスから、脂肪酸アミドや脂肪酸エステル、パラフィン系滑剤が好ましい。
滑剤の配合量は、(a)イソブチレン系ブロック共重合体、(b)熱可塑性ポリウレタン系樹脂の総量100重量部に対して好ましくは0〜10重量部であり、より好ましくは0〜5重量部であり、さらに好ましくは0〜3重量部である。10重量部を超えると十分に混合されず、滑剤がブリードアウトする傾向があり、さらに、得られる熱可塑性樹脂組成物の機械強度が低下する傾向もあり、好ましくない。
滑剤は、(a)成分と(b)成分の溶融混練時に添加してもよいし、あらかじめ(a)成分または(b)成分に添加しておいてもよい。(a)成分に対しては、比較的極性の低いパラフィン系滑剤が好ましく、(b)成分に対しては、比較的極性の高い脂肪酸アミド系滑剤や脂肪酸エステル系滑剤が好ましいため、成形性の改良効果を効率よく得るためには、あらかじめ(a)成分に対してパラフィン系滑剤を、(b)成分に対して脂肪酸アミド系滑剤や脂肪酸エステル系滑剤を添加しておくことが好ましい。
さらに本発明の熱可塑性樹脂組成物の性能を損なわない範囲であれば、各種熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、他の熱可塑性エラストマー等を配合しても良い。例えば、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ABS樹脂、MBS樹脂、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー(SBS、SIS、SEBS、SEPS)、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマーなどがあげられる。例えば、ポリフェニレンエーテルを配合すると、得られる組成物の耐熱性が向上し、ウレタン系熱可塑性エラストマーを配合すると、得られる組成物の強度が向上する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法には、特に制限はなく、公知の方法を適用することができる。例えば、前記の各成分及び所望により添加剤成分を加熱混練機、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ブラベンダー、ニーダー、高剪断型ミキサー等を用いて溶融混練することで製造することができる。また各成分の混練順序は特に限定されず、使用する装置、作業性あるいは得られる熱可塑性樹脂組成物の物性に応じて決定することができる。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ABS樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体等からなる群より選ばれる硬質樹脂と積層し、多層成形体とすることができる。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、比較的極性の低い(a)成分と比較的極性の高い(b)成分からなるため、広範囲の硬質樹脂と接着可能である。
このような多層成形体を製造するに当たっては、目的とする成形体の種類、用途、形状に応じて、一般的に用いられる種々の成形方法や成形装置が使用でき、例えば射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形、カレンダー成形、流延成形等の任意の成形法が例示され、これらの方法を組み合わせてもよい。
例えば、予め金型内に硬質樹脂からなる成形体をセットし、本発明の熱可塑性樹脂組成物を、射出成形機にて硬質樹脂からなる成形体上に積層させる二色成形により、多層成形体を得ることができる。また、サンドイッチ成形用の射出ユニット連結装置を備えた射出成形機により、スキン層側に硬質樹脂、コア層側に本発明の熱可塑性樹脂組成物を射出成形することで、硬質樹脂の表面性と剛性を持ち、本発明の熱可塑性樹脂による制振効果が付与された多層成形体が得られる。さらに、多層フィルムの製造法として慣用されている共押出成形法により作製することができ、T−ダイ法、インフレーション法等、任意の方法により、多層フィルムや多層シートが得られる。この他、多層ブロー成形により、硬質樹脂が表面層、本発明の熱可塑性樹脂組成物が中間層となる多層中空成形体を得ることができる。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更実施可能である。
本実施例に示すブロック共重合体の分子量及び組成物の物性は以下に示す方法で測定した。
(1)分子量
Waters社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)システム(カラム:昭和電工株式会社製Shodex K−804(ポリスチレンゲル)、移動相:クロロホルム)を用いて測定した。
Waters社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)システム(カラム:昭和電工株式会社製Shodex K−804(ポリスチレンゲル)、移動相:クロロホルム)を用いて測定した。
(2)硬度(柔軟性)
組成物を180℃で圧縮成形し、2mm厚シートを作製した。JIS K−6352に従い、2mm厚のシートを3枚重ねて測定した。
組成物を180℃で圧縮成形し、2mm厚シートを作製した。JIS K−6352に従い、2mm厚のシートを3枚重ねて測定した。
(3)耐油性
組成物を180℃で圧縮成形し、2mm厚シートを作製した。パラフィン系オイルに室温で72時間浸漬後、取り出して表面性の変化を観察した。
○:変化なし
×:変化有り(変形又は膨潤)。
組成物を180℃で圧縮成形し、2mm厚シートを作製した。パラフィン系オイルに室温で72時間浸漬後、取り出して表面性の変化を観察した。
○:変化なし
×:変化有り(変形又は膨潤)。
(4)制振性
組成物を180℃で圧縮成形し、2mm厚シートを作製し、5mm×6mmの試験片を二枚切り出した。JIS K−6394に従い、剪断モード、周波数10Hz、歪み0.05%にて、−50℃〜150℃の範囲で4℃/分で昇温しながら、動的粘弾性の測定を行った。tanδを制振性の指標とした。
組成物を180℃で圧縮成形し、2mm厚シートを作製し、5mm×6mmの試験片を二枚切り出した。JIS K−6394に従い、剪断モード、周波数10Hz、歪み0.05%にて、−50℃〜150℃の範囲で4℃/分で昇温しながら、動的粘弾性の測定を行った。tanδを制振性の指標とした。
(製造例1)スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)の製造
500mLのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換した後、注射器を用いて、n−ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)21.2mL及び塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)256.6mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイス/メタノールバス中につけて冷却した後、イソブチレンモノマー60.5mLが入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。p−ジクミルクロライド0.120gおよびN,N−ジメチルアセトアミド0.121gを加えた。次にさらに四塩化チタン1.02mLを加えて重合を開始した。重合開始から75分撹拌を行った後、続いて、スチレンモノマー8.02gを重合容器内に添加した。該混合溶液を添加してから75分後に、大量の水に加えて反応を終了させた。
500mLのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換した後、注射器を用いて、n−ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)21.2mL及び塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)256.6mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイス/メタノールバス中につけて冷却した後、イソブチレンモノマー60.5mLが入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。p−ジクミルクロライド0.120gおよびN,N−ジメチルアセトアミド0.121gを加えた。次にさらに四塩化チタン1.02mLを加えて重合を開始した。重合開始から75分撹拌を行った後、続いて、スチレンモノマー8.02gを重合容器内に添加した。該混合溶液を添加してから75分後に、大量の水に加えて反応を終了させた。
反応溶液を2回水洗し、溶媒を蒸発させ、得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥することにより目的のブロック共重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により得られた重合体の分子量を測定した。ブロック共重合体の重量平均分子量が130,000であるブロック共重合体が得られた。
(実施例1〜4、比較例1〜3)
下記の成分を表1に示した割合で、200℃に設定したラボプラストミル(東洋精機社製)を用いて溶融混練した。得られた組成物を180℃で圧縮成形して2mm厚シートを作成し、各種物性を評価した。評価結果を表1に示した。
下記の成分を表1に示した割合で、200℃に設定したラボプラストミル(東洋精機社製)を用いて溶融混練した。得られた組成物を180℃で圧縮成形して2mm厚シートを作成し、各種物性を評価した。評価結果を表1に示した。
SIBS:スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体、製造例1で得られたものを使用。
SEPS:スチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体、セプトン2063(株式会社クラレ製)。
TPEE:ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ハイトレル3046(東レ・デュポン株式会社製)。
MAH−SEBS:酸無水物基を含有するスチレン系重合体、クレイトンFG1901X(クレイトンポリマージャパン株式会社製)。
本発明の実施例1〜4では、ポリエステル系熱可塑性エラストマー単体(比較例2)の耐油性を損なうことなく、柔軟性(ソフトタッチ感)と制振性を付与できていることがわかる。
また、従来の技術である比較例3では、耐油性を保ちつつ、柔軟性を付与することはできるものの、制振性を高める効果は見られない。また、本発明の実施例1〜3では、相溶化剤である(c)成分がなくても良好な成形体が得られるのに対し、比較例3では、成形体の一部に層剥離が観察された。
これらのことから、本発明の組成物は、従来の技術では得られない、柔軟性、耐油性、制振性のバランスを達成できることがわかる。
Claims (7)
- (a)イソブチレンを主成分とする重合体ブロックと、イソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロックとから構成されるイソブチレン系ブロック共重合体5〜95重量%、
(b)ポリエステル系熱可塑性エラストマー及びポリアミド系熱可塑性エラストマーから選択される少なくとも一種のエラストマー5〜95重量%、
を含む熱可塑性樹脂組成物。 - (a)成分のイソブチレンを主成分としない単量体成分が、芳香族ビニル系単量体を主成分とする単量体成分であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 芳香族ビニル系単量体がスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン及びインデンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項2記載の熱可塑性樹脂組成物。
- (a)イソブチレン系ブロック共重合体が、芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロック−イソブチレンを主成分とする重合体ブロック−芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロックからなるトリブロック共重合体、芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロック−イソブチレンを主成分とする重合体ブロックからなるジブロック共重合体、及び芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロックとイソブチレンを主成分とする重合体ブロックからなるアームを3つ以上有する星型ブロック共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項2または3に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- (b)成分のポリエステル系熱可塑性エラストマーが、ポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
- (a)成分と(b)成分の合計量100重量部に対し、
(c)エポキシ基、アミノ基、水酸基、酸無水物基、カルボキシル基及びその塩、並びに、カルボン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を含有するオレフィン系重合体又はスチレン系重合体0.1〜50重量部、
を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。 - (c)成分が、酸無水物基を含有するスチレン−エチレンブチレン−スチレン共重合体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
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