JP2005343298A - 車両の操舵アシスト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フロントサスペンション装置としてストラット式サスペンション装置を搭載した車両において、フロント荷重の変化によってフロント車高が変化しても、このフロント車高変化による左右前輪に対する操舵力(モーメント)を打ち消す。
【解決手段】 電子制御ユニット35は、車高センサ33,34によって検出されたフロン車高を用いて、車両のフロント荷重を推定するとともに、フロント車高の変化に伴い変化するコイルスプリング反力のキングピン軸に対するモーメントアーム長を推定する。そして、前記推定したフロント荷重およびモーメントアーム長を用いて補正操舵アシスト量を計算する。この補正操舵アシスト量に応じて電動モータ25を駆動制御することにより、左右前輪FW1,FW2位置のサスペンション装置におけるコイルスプリング反力によるキングピン軸回りのモーメントを打ち消す。
【選択図】 図1
【解決手段】 電子制御ユニット35は、車高センサ33,34によって検出されたフロン車高を用いて、車両のフロント荷重を推定するとともに、フロント車高の変化に伴い変化するコイルスプリング反力のキングピン軸に対するモーメントアーム長を推定する。そして、前記推定したフロント荷重およびモーメントアーム長を用いて補正操舵アシスト量を計算する。この補正操舵アシスト量に応じて電動モータ25を駆動制御することにより、左右前輪FW1,FW2位置のサスペンション装置におけるコイルスプリング反力によるキングピン軸回りのモーメントを打ち消す。
【選択図】 図1
Description
本発明は、フロント側のサスペンション装置としてストラット式サスペンション装置を搭載した車両の操舵アシスト装置に関する。
従来から、下記特許文献1に示されているように、車高調整可能な車両において、車高の変更に同期させてパワーステアリング装置の操舵アシスト力を可変制御して、車高変化時におけるサスペンションジオメトリーの変化に伴うハンドル操舵力の変化をなくすようにした操舵アシスト装置は知られている。具体的には、車高が低い場合に、車高が高い場合に比べて操舵アシスト力が大きくなるようにしている。また、この特許文献1には、車高が低くなるに従って操舵アシスト力を小さくすることも紹介されている。
特公平5−36272号公報
しかし、上記従来の装置は、車高の変更に同期させて操舵アシスト力を可変制御するもので、フロントサスペンション装置としてストラット式サスペンション装置を搭載した車両において、フロント車高の変化に伴って発生するコイルスプリング反力によるキングピン軸回りのモーメントを問題にしたものではない。
ストラット式サスペンション装置(マクファーソンストラット式サスペンション装置ともいう)をフロント側のサスペンション装置に採用することは、従来からよく行われている。図4は、右前輪FW2位置におけるストラット式サスペンション装置を概略的に示しており、同サスペンション装置は、右前輪FW2を車体に対して懸架するショックアブソーバ11と、左右方向への変位により右前輪FW2をキングピン軸L1回りに回転させて右前輪FW2を操舵するトランスバースリンク12とを備えている。ショックアブソーバ11は、下端部にて右前輪FW2を固定したシリンダ11aと、シリンダ11aの上端から進退可能に突出するとともに上端にて車体を支持するロッド11bとからなる。シリンダ11aおよびロッド11bの外周上にはコイルスプリング13が配設され、コイルスプリング13は下端にてシリンダ11aの外周面上に固定されたスプリングシート14aにより支持されるとともに、上端にてロッド11bの外周面上に固定されたスプリングシート14bにより支持されている。ロッド11bの上端部と車体との間にはケーシング15内にて図示しないベアリングが設けられ、このベアリングは、右前輪FW2の操舵時に、ベアリング中心軸L2回りのショックアブソーバ11、スプリングシート14a,14bおよび右前輪FW2の一体回転を許容する。
このようなストラット式サスペンション装置においては、コイルスプリング13の下端はスプリングシート14aに固定されているが、その上端はスプリングシート14bに固定されていなくて相対回転可能になっている。逆に、コイルスプリング13の上端はスプリングシート14bに固定されているが、その下端はスプリングシート14aに固定されていなくて相対回転可能になっていてもよい。また、ベアリング中心軸L2とコイルスプリング13の中心軸L3(以下、コイル中心軸L3という)は、スペース上の問題でオフセットされている。したがって、フロント荷重の変化によってロッド11bがストロークしてフロント車高が変化すると、コイルスプリング13が相対回転する側のスプリングシート14aまたは14bの中心(コイル中心軸L3)はベアリング中心軸L2回りに回転する。このことは、コイルスプリング13が相対回転する側のスプリングシート14aまたは14bの中心がキングピン軸L1に対して移動することを意味する。さらに、コイルスプリング13の巻きの方向は左右前輪FW1,FW2で一般的には同じであり、左右前輪FW1,FW2の前記スプリングシート14aまたは14bの中心は、車両の前後方向中心線に対称に反対方向に回転するのではなく、ベアリング中心軸L2回りに同一方向に回転する。
図5は、このフロント車高の変化に伴う前記スプリングシート14aまたは14bの中心のベアリング中心軸L2回りの回転の様子を車両の上方から見て示している。例えば、車体のバウンド時(フロント車高が標準車高よりも低くなったとき)に、左前輪FW1側の前記スプリングシート14aまたは14bの中心が車両前方側へ回転すれば、右前輪FW2側の前記スプリングシート14aまたは14bの中心が車両後方側へ回転する。この場合、車体のリバウンド時(フロント車高が標準車高よりも高くなったとき)には、左前輪FW1側の前記スプリングシート14aまたは14bの中心は車両後方側へ回転し、右前輪FW2側の前記スプリングシート14aまたは14bの中心が車両前方側へ回転する。
そして、コイルスプリング13の反力線L3は、キングピン軸L1と捩れの関係にある。したがって、前述のように、フロント荷重の変化によってフロント車高が標準車高から変化して、スプリングシート14aまたは14bの中心がベアリング中心軸L2回りに回転すると、キングピン軸L1に対するコイルスプリング13のモーメントアーム長が変化し、標準車高時に比べると、この変化したモーメントアーム長とフロント荷重の積に等しいモーメントが左右前輪FW1,FW2に操舵力として作用する。前述のように、スプリングシート14aまたは14bの中心の回転方向は同一方向であるので、左右前輪FW1,FW2には同一方向のキングピン軸L1回りのモーメントが作用する。言い換えれば、左右前輪FW1,FW2の一方をトーアウト方向に操舵するとともに、他方をトーイン方向に操舵する力として作用する。前記図5の例では、車体のバウンド時には左右前輪FW1,FW2を共に右方向に操舵しようとするモーメントが作用し、車体のリバウンド時には左右前輪FW1,FW2を共に左方向に操舵しようとするモーメントが作用する。
その結果、フロント車高が標準車高である状態で左右前輪FW1,FW2に対するモーメントをバランスさせるように調整しておいても、フロント荷重が変化してフロント車高が標準車高から変化すると、左右前輪FW1,FW2には操舵ハンドルの回動操作とは無関係に操舵力が発生してしまう。そのために、運転者は、このフロント車高変化に伴う操舵力を打ち消すように操舵ハンドルを操作する必要があり、車両の運転に違和感を感じるという問題があった。
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、フロントサスペンション装置としてストラット式サスペンション装置を搭載した車両において、フロント荷重の変化によってフロント車高が変化しても、このフロント車高変化による左右前輪FW1,FW2に対する操舵力(モーメント)を打ち消して、運転者が違和感をもつことなく車両を運転できるようにした車両の操舵アシスト装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、フロントサスペンション装置としてストラット式サスペンション装置を搭載した車両の操舵アシスト装置であって、操舵ハンドルの操舵操作をアシストするためのアクチュエータと、車両のフロント車高を検出する車高検出手段と、フロント車高の変化に伴い発生するモーメントであって、左右前輪位置のサスペンション装置におけるコイルスプリング反力によるキングピン軸回りのモーメントを打ち消すための補正操舵アシスト量を前記検出されたフロント車高に応じて計算する補正操舵アシスト量計算手段と、前記計算された補正操舵アシスト量に応じてアクチュエータを駆動制御する駆動制御手段とを備えたことにある。
この場合、補正操舵アシスト量計算手段は、例えば、検出されたフロント車高を用いて車両のフロント荷重を推定し、検出されたフロント車高を用いてフロント車高の変化に伴い変化するコイルスプリング反力のキングピン軸に対するモーメントアーム長を推定し、かつ前記推定したフロント荷重およびモーメントアーム長を用いて補正操舵アシスト量を計算する。また、このような補正操舵アシスト量は、運転者による操舵ハンドルの操舵操作とは無関係に、予め決められた基準車高に対するフロント車高の変化量に依存して操舵ハンドルを左右へ回転させるための補助操舵力である。
このように構成した本発明においては、フロント荷重の変化に伴うフロント車高の変化によってコイルスプリング反力によるキングピン軸回りのモーメントが発生して、左右前輪に対する操舵力(モーメント)が発生しても、このモーメントは自動的に打ち消される。したがって、運転者は、フロント車高変化とは無関係に操舵ハンドルを操舵することができ、違和感をもつことなく車両を運転できるようになる。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明すると、図1は、フロントサスペンション装置としてストラット式サスペンション装置を搭載した車両に適用され、本発明に係る車両の操舵アシスト装置を備えた車両の操舵装置を概略的に示している。
この車両の操舵装置は、操舵ハンドル21に上端を一体回転するように接続したステアリングシャフト22を備え、同シャフト22の下端にはピニオンギヤ23が一体回転するように接続されている。ピニオンギヤ23は、ラックバー24に形成されたラック歯と噛み合ってラックアンドピニオン機構を構成する。ラックバー24の両端には左右前輪FW1,FW2が操舵可能に接続されており、左右前輪FW1,FW2はステアリングシャフト22の軸線回りの回転に伴うラックバー24の軸線方向の変位に応じて左右に操舵される。なお、この左右前輪FW1,FW2は、上述した図4に示すサスペンション装置によって車体に懸架されているとともに、ラックバー24の両端には図4のトランスバースリンク12が接続されている。
ステアリングシャフト22の下部には、アクチュエータとしての電動モータ25が組み付けられている。この電動モータ25は、その回転時に、減速機構26を介してステアリングシャフト22を軸線回りに回転駆動する。
また、車両の操舵装置は、操舵トルクセンサ31、車速センサ32、一対の車高センサ33,34、電子制御ユニット35および駆動回路36からなる電気制御回路も備えている。操舵トルクセンサ31は、ステアリングシャフト22に組み付けられて、操舵ハンドル21に付与される操舵トルクTを検出する。操舵トルクTは、正によって右方向のトルクを表すとともに負によって左方向のトルクを表し、その絶対値によってトルクの大きさを表す。車速センサ32は、車速Vを検出する。車高センサ33,34は、左右前輪FW1,FW2位置における車体の路面(すなわち車輪軸)からの高さを表す左右フロント車高H1,H2をそれぞれ検出する。
電子制御ユニット35は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするもので、図2に示すアシスト制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行して、指令電流値を表す信号を駆動回路36に出力することにより電動モータ25を駆動制御する。駆動回路36は、電動モータ25に流れる駆動電流を検出する電流センサを内蔵しており、電子制御ユニット35からの指令電流値に従った大きさの駆動電流を電動モータ25に流す。
次に、上記のように構成した実施形態の動作について説明する。電子制御ユニット35は、図2のアシスト制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行する。このアシスト制御プログラムは、ステップS10にて開始され、ステップS11にて操舵トルクセンサ31によって検出された操舵トルクT、車速センサ32によって検出された車速V、および車高センサ33,34によって検出された左右フロント車高H1,H2を入力する。
そして、ステップS12にてアシスト電流テーブルを参照して、前記入力した操舵トルクTおよび車速Vに応じた基本アシスト電流値Iasを計算する。アシスト電流テーブルは、電子制御ユニット35のROM内に設けられたもので、図3に示すように、操舵トルクTの絶対値|T|の増加に従って増加する正の基本アシスト電流値Iasを記憶している。また、この基本アシスト電流値Iasは、同一の操舵トルクTの絶対値|T|に対して、車速Vが低くなるに従って大きな値を示す。したがって、前記基本アシスト電流値Iasの計算においては、アシスト電流テーブルを参照することによって得た基本アシスト電流値Iasに操舵トルクTの正負の符号を付して最終的な基本アシスト電流値Iasとする。なお、このアシスト電流テーブルを利用するのに代え、操舵トルクTおよび車速Vに応じて変化する基本アシスト電流値Iasを関数として予め記憶しておき、この関数を用いた演算の実行により操舵トルクTおよび車速Vに応じた基本アシスト電流値Iasを計算するようにしてもよい。
前記ステップS12の処理後、ステップS13にて、左右フロント車高H1,H2を用いた下記式1の演算の実行により、左右フロント車高H1,H2の平均値であるフロント車高Hを計算する。
H=(H1+H2)/2 …式1
H=(H1+H2)/2 …式1
次に、ステップS14にて、前記計算したフロント車高Hを用いた下記式2〜4の演算の実行により、フロント荷重W及び左右前輪FW1,FW2位置のモーメントアーム長ML1,ML2をそれぞれ計算する。
W=Wo+2・K・(Ho−H) …式2
ML1=MLo−p・q(Ho−H) …式3
ML2=MLo+p・q(Ho−H) …式4
W=Wo+2・K・(Ho−H) …式2
ML1=MLo−p・q(Ho−H) …式3
ML2=MLo+p・q(Ho−H) …式4
前記式2について説明しておく。Woは、車両前部の標準となる荷重すなわちフロント標準荷重を示す定数である。Hoは、車両前部の標準となる車高すなわちフロント標準車高を表す定数である。Kは、図4のコイルスプリング13のばね定数に関係した比例定数である。そして、式2は、フロント車高Hがフロント標準車高Hoよりも低く(または高く)なることは、フロント荷重Wが車高の変化分Ho−Hに比例してフロント標準荷重Woよりも大きく(または小さく)なっていることを示している。
次に、式3,4について説明しておく。ML1,ML2は、コイルスプリング13の反力によって左右前輪FW1,FW2を操舵するように作用するモーメントのモーメントアーム長(すなわち左右前輪FW1,FW2位置におけるモーメントアーム長)をそれぞれ表す。MLoは、前記モーメントアーム長の標準的な値を示す定数である。pは、モーメントアーム長のスプリングシート14bのシート角度に対する変化率、すなわちコイルスプリング13の反力線L3のキングピン軸L1に対する左右方向の角度に対するモーメントアーム長の変化率を表す定数である。qは、スプリングシート14bのシート角度の車高Hに対する変化率、すなわちコイルスプリング13の反力線L3のキングピン軸L1に対する左右方向の角度の車高Hに対する変化率を表す定数である。Hoは、前記式2の場合における標準車高Hoと同じである。
したがって、式3,4は、フロント車高Hがフロント標準車高Hoよりも低く(または高く)なると、左前輪FW1位置のモーメントアーム長ML1が車高の変化分Ho−Hに比例して標準モーメントアーム長MLoよりも小さく(または大きく)なることを示すとともに、右前輪FW2位置のモーメントアーム長ML2が車高の変化分Ho−Hに比例して標準モーメントアーム長MLoよりも大きく(または小さく)なることを示している(図6参照)。なお、この左右前輪FW1,FW2位置におけるモーメントはトーアウト方向を正とし、トーイン方向を負としている。また、これらの定数Wo,K,Ho,Lo,p,qは、車両設計により決まるものである。
前記ステップS14の処理後、ステップS15にて、前記計算したフロント荷重W,左右前輪FW1,FW2におけるモーメントアーム長ML1,ML2を用いた下記式5の演算の実行により、補正アシストトルクΔTを計算する。
ΔT=(W/2)・(L1−L2)・(1/N) …式5
式5中、Nはステアリングギヤ比を示す定数である。したがって、式5による、右方向を正とする左右前輪FW1,FW2に対するモーメントを打ち消すための補正アシストトルクΔTが計算される。
ΔT=(W/2)・(L1−L2)・(1/N) …式5
式5中、Nはステアリングギヤ比を示す定数である。したがって、式5による、右方向を正とする左右前輪FW1,FW2に対するモーメントを打ち消すための補正アシストトルクΔTが計算される。
次に、ステップS16にて、前記計算した補正アシストトルクΔTに比例定数Aを乗算することにより、電動モータ25に補正アシストトルクΔTを発生させるための補正アシスト電流値ΔIasを計算する。そして、ステップS17にて、基本アシスト電流値Iasに補正アシスト電流値ΔIasを加えたアシスト電流値Ias+ΔIasを駆動回路36に出力して電動モータ25の駆動制御を指令し、ステップS18にてアシスト制御プログラムの実行を一旦終了する。
駆動回路36は、前記アシスト電流値Ias+ΔIasを入力し、同アシスト電流値Ias+ΔIasと内蔵の駆動電流センサによって検出される駆動電流との差に応じて電動モータ25にアシスト電流値Ias+ΔIasに等しい駆動電流を流して電動モータ25を駆動制御する。
この電動モータ25の駆動制御により、電動モータ25は減速機構26を介してステアリングシャフト22に動力を伝達してステアリングシャフト22を軸線回りに回転駆動する。これにより、運転者による操舵ハンドル21の回動操作が、電動モータ25によりアシストされる。この場合、操舵トルクTの絶対値が大きくなるに従って基本アシスト電流値Iasの絶対値は大きくなり、操舵ハンドル21の操舵操作は操舵トルクTの方向にアシストされるので、運転者は小さな操舵力で左右前輪FW1,FW2を操舵することができる。また、車速Vが低くなるに従って基本アシスト電流値Iasの絶対値は大きくなるので、高速走行時における車両の走行安定性が良好に保たれるとともに、低速走行時の車両の小回り性能も良好となる。
また、上記実施形態においては、フロント荷重Wの変化に伴うフロント車高Hの変化によってコイルスプリング13の反力によるキングピン軸L1回りのモーメントが発生して、左右前輪FW1,FW2に対する操舵力(モーメント)が発生したとき、モーメントを打ち消すための補正アシストトルクΔTが計算される。そして、補正アシストトルクΔTがステアリングシャフト22に付与されて、左右前輪FW1,FW2はこの補正アシストトルクΔTに応じて操舵アシストされるので、運転者は、フロント車高Hの変化とは無関係に操舵ハンドル21を操舵することができ、違和感をもつことなく車両を運転できるようになる。
さらに、本発明は上記実施形態およびその変形例に限定されることなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
上記実施形態においては、モーメントアーム長ML1,ML2を上記式3,4に従って計算するようにした。しかし、これに代えて、図6に示すようなフロント車高Hに対するモーメントアーム長MLの変化特性を表すテーブルをROM内に用意しておき、上記図2のステップS13にて計算したフロント車高Hを用いて前記テーブルを参照することにより、モーメントアーム長ML1,ML2を計算するようにしてもよい。この場合、図6のグラフの傾きは、式3,4にて用いた定数p,qの積に対応する。
また、上記実施形態においては、ステアリングシャフト22に組み付けた電動モータ25により左右前輪FW1,FW2の操舵をアシストするようにした。しかし、これに代えまたは加えて、図1に破線で示すように、ラックバー24に操舵アシスト用アクチュエータとしての電動モータ27を組み付けるようにしてもよい。この電動モータ27は、その回転時に、ねじ送り機構28を介してラックバー24を軸線方向に直線駆動する。
また、上記実施形態においては、操舵ハンドル21の操舵状態を表す変数として操舵トルクTを用いるようにしたが、この操舵トルクTに代えて操舵ハンドル21の中立位置からの回転角を表すハンドル操舵角θを用いることもできる。この場合には、操舵トルクセンサ31に代えて操舵角センサをステアリングシャフト22に組みつけておき、前記操舵角センサにより検出されたハンドル操舵角θおよび車速センサ32により検出された車速Vに応じて基本アシスト電流値Iasを計算してもよい。また、この場合には、上述したアシスト電流テーブルに代え、ハンドル操舵角θの増加にしたがって増加する基本アシスト電流値Iasを記憶したアシスト電流テーブルを用意する。また、この場合にも、同一のハンドル操舵角θに対しては、車速Vが低いほど大きな基本アシスト電流値Iasが記憶されている。そして、この用意したアシスト電流テーブルを参照し、前記ハンドル操舵角θおよび車速Vに応じた基本アシスト電流値Iasを計算する。また、この場合にも、このアシスト電流テーブルを利用するのに代え、ハンドル操舵角θおよび車速Vに応じて変化する基本アシスト電流値Iasを関数として予め記憶しておき、この関数を用いた演算の実行によりハンドル操舵角θおよび車速Vに応じた基本アシスト電流値Iasを計算するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、操舵ハンドル21から左右前輪FW1,FW2までが機械的に連結されている操舵装置に本発明を適用した例について説明したが、ステアバイワイヤ方式のように操舵ハンドル21から左右前輪FW1,FW2までが機械的に連結されていない操舵装置にも本発明は適用される。また、上記実施形態においては、操舵ハンドル21として回動操作されるものを採用したが、回動操作されるもの以外の操舵ハンドル、例えばジョイスティックなどのように直線的な操作により左右前輪FW1,FW2を操舵する車両の操舵装置にも本発明は適用される。
FW1,FW2…左右前輪、L1…キングピン軸、L2…ベアリング中心線、L3…コイル中心軸(コイルスプリングの反力線)、11…ショックアブソーバ、12…トランスバースリンク、13…コイルスプリング、14a,14b…スプリングシート、21…操舵ハンドル、25,27…電動モータ、31…操舵トルクセンサ、32…車速センサ、33,34…車高センサ、35…電子制御ユニット
Claims (3)
- フロントサスペンション装置としてストラット式サスペンション装置を搭載した車両の操舵アシスト装置であって、
操舵ハンドルの操舵操作をアシストするためのアクチュエータと、
車両のフロント車高を検出する車高検出手段と、
フロント車高の変化に伴い発生するモーメントであって、左右前輪位置のサスペンション装置におけるコイルスプリング反力によるキングピン軸回りのモーメントを打ち消すための補正操舵アシスト量を前記検出されたフロント車高に応じて計算する補正操舵アシスト量計算手段と、
前記計算された補正操舵アシスト量に応じて前記アクチュエータを駆動制御する駆動制御手段とを備えたことを特徴とする操舵アシスト装置。 - 請求項1に記載した車両の操舵アシスト装置において、
前記補正操舵アシスト量計算手段は、
前記検出されたフロント車高を用いて車両のフロント荷重を推定し、
前記検出されたフロント車高を用いてフロント車高の変化に伴い変化する前記コイルスプリング反力のキングピン軸に対するモーメントアーム長を推定し、かつ
前記推定したフロント荷重およびモーメントアーム長を用いて前記補正操舵アシスト量を計算するものである車両の操舵アシスト装置。 - 請求項1または2に記載した車両の操舵アシスト装置において、
前記補正操舵アシスト量は、運転者による操舵ハンドルの操舵操作とは無関係に、予め決められた基準車高に対するフロント車高の変化量に依存して操舵ハンドルを左右へ回転させるための補助操舵力である車両の操舵アシスト装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060719 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20061218 |