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JP2005342579A - 触媒材料及びその製造方法、触媒電極及び電気化学デバイス - Google Patents

触媒材料及びその製造方法、触媒電極及び電気化学デバイス Download PDF

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JP2005342579A JP2004162924A JP2004162924A JP2005342579A JP 2005342579 A JP2005342579 A JP 2005342579A JP 2004162924 A JP2004162924 A JP 2004162924A JP 2004162924 A JP2004162924 A JP 2004162924A JP 2005342579 A JP2005342579 A JP 2005342579A
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Hiroyuki Morioka
宏之 守岡
Seisho Tsun
世昌 鍾
Kenichi Kakizaki
健一 柿崎
Kazuhiko Yamashita
一彦 山下
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Abstract

【課題】 コストを低減することができ、酸性の電解質膜に接しても溶出せず、優れた触媒特性及び耐久性を有する触媒材料及びその製造方法、触媒電極及び電気化学デバイスを提供すること。
【解決手段】 導電性粉体と少なくとも触媒物質とを含む触媒材料において、前記触媒物質が、遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体に由来する化合物と、貴金属材料とから得られたものであることを特徴とする、触媒材料。前記導電性粉体の表面に前記貴金属材料を担持させる工程と、得られた貴金属含有導電性粉体と前記遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体とを混合する工程と、この混合物を焼成する工程とを有する、触媒材料の製造方法。本発明の触媒材料を含有する、触媒電極。本発明の触媒電極が、少なくとも1つの電極を構成している、電気化学デバイス。
【選択図】 図1

Description

本発明は、触媒材料及びその製造方法、触媒電極及び燃料電池等の電気化学デバイスに関するものである。
代表的な高分子電解質型燃料電池は、プロトン伝導性の固体高分子電解質膜の両面に一対の電極を接合し、一方の電極(燃料極)には純水素又は改質水素ガスを燃料ガスとして供給し、他方の電極(空気極)には酸素ガス又は空気を酸化剤として供給し、起電力を得るものである。燃料電池の燃料極では燃料の酸化反応が行われ、酸素極では酸素の還元が行われる。ここで、水素を燃料とし、酸性の電解質を用いる場合の理想的な反応式は、下記のように表される。
燃料(水素、負)極 :H2→2H++2e-
酸素(正)極 :O2+4H++4e-→2H2
このように、酸素の還元反応を電池の正極反応として用い、大容量、高電圧であり、しかも高出力電流の電池などの電気化学デバイスを得るには、酸素の電気化学還元反応を高電位でありしかも過電圧を小さく起こすことのできる酸素還元触媒を利用するのが好ましい。現在、酸素極に用いられる触媒としては、白金からなる触媒が広く使用されている(例えば、後記の特許文献1、非特許文献1又は非特許文献2参照。)。
現在用いられている白金触媒は、一般的には活性炭やカーボンブラックのような炭素単体に白金前駆体を含浸させ、これを保護コロイドの存在下において、還元剤を作用させることにより、白金コロイドを炭素単体上に沈着させて調製している。
特開2000−100448号公報(2頁2欄23行目〜46行目) Electrochimica Acta 48 (2003) 1443-1450 Journal of Power Sources 113 (2003) 37-43
しかしながら、上記したような白金を用いた触媒には、以下のような問題点がある。例えば、従来例による触媒において、白金の使用量は30〜60質量%であり、白金金属が高価であるので、コストが高い。また、触媒の使用時間の経過と共に白金粒子同士が凝集してしまい、表面積が減少し、この結果、活性が低下する。
一方、燃料電池に用いる電解質膜が酸性であるため、大部分の金属、酸化物が使用できないのも現状である。
そこで、本発明は、上述したような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、コストを低減することができ、酸性の電解質膜に接しても溶出せず、優れた触媒特性及び耐久性を有する触媒材料及びその製造方法、触媒電極及び電気化学デバイスを提供することにある。
即ち、本発明は、導電性粉体と少なくとも触媒物質とを含む触媒材料において、前記触媒物質が、遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体に由来する化合物と、貴金属材料とから得られたものであることを特徴とする、触媒材料に係るものである。
また、本発明は、導電性粉体の表面に貴金属材料を担持させる工程と、得られた貴金属含有導電性粉体と遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体とを混合する工程と、この混合物を焼成する工程とを有する、触媒材料の製造方法に係るものである。
また、導電性粉体の表面に遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体を担持させる工程と、得られた前駆体含有導電性粉体と貴金属材料とを混合する工程と、この混合物を焼成する工程とを有する、触媒材料の製造方法に係るものである。
さらに、導電性粉体と、遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体と、貴金属材料とを同時に混合する工程と、この混合物を焼成する工程とを有する、触媒材料の製造方法に係るものである。
また、本発明の触媒材料を含有する、触媒電極に係るものである。さらに、少なくとも2つの電極と、これらの電極の間に挟持されたイオン伝導体とからなり、本発明の触媒電極が、前記複数の電極の少なくとも1つを構成している、電気化学デバイスに係るものである。
本発明によれば、前記触媒物質が、前記遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体に由来する化合物と、前記貴金属材料とから得られたものであるので、上記した従来例による触媒に比べ、白金等の貴金属材料の使用量を大幅に低減することができ、コストを抑えることができる。
また、前記遷移金属のみを前記導電性粉体上に担持しただけでは、前記遷移金属が酸性の電解質膜と接触することによって溶出し、触媒特性が低下してしまうが、本発明の触媒材料においては、前記遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体に由来する化合物と、前記貴金属材料とから得られたものを前記触媒物質として用いるので、上述したような酸性の電解質膜との接触による前記遷移金属の溶出を抑制できる。さらに、前記遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体に由来する化合物を含むことにより、白金等の前記貴金属材料の凝集を低減することができ、優れた触媒特性及び耐久性を有する。
さらに、前記配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体に由来する化合物のみを前記導電性粉体上に担持しただけでは、燃料電池等の電気化学デバイスの酸素還元反応に必要な4電子反応進行が十分ではないと考えられるが、本発明に基づく触媒材料は、第2成分として前記貴金属材料を含有するので、効率的な触媒反応を行うことができる。
本発明において、前記配位化合物の前駆体が、下記一般式(1)、(2)又は(3)で表されることが望ましい。
Figure 2005342579
また、前記分子集合体の前駆体が、下記一般式(4)で表されるミセル構造を有することが望ましい。
一般式(4):M−(R−X)n
(但し、前記一般式(4)において、Mは遷移金属原子を表す。また、R−Xは前記ミ セル構造を形成する分子団であり、Rは炭素原子数が6〜22の直鎖又は分岐の炭化水 素基を表し、Xはカルボン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、スルホン酸基、スル フィン酸基、チオール基又はアミノ基を表す。また、nは特に限定されないが、例えば 6〜22であってよい。)
また、前記遷移金属原子は特に限定されないが、例えばFe、Co、Ni、Mn、Cr等が挙げられる。
また、前記遷移金属と前記貴金属材料(例えばPt)との混合(質量)比(前記遷移金属:前記貴金属材料)が、特性向上の発現としては10:1〜1:10であることが好ましく、より好ましくは2:1から1:2であり、さらに好ましくは1:1である。
本発明に基づく触媒材料の製造方法としては、まず、前記貴金属材料を溶媒に溶かし、この溶液に前記導電性粉体を浸漬することによって前記導電性粉体の表面に前記貴金属材料を付着させ、次いで熱処理(例えば300℃)を行うことで、前記導電性粉体の表面に前記貴金属材料を担持させる。次に、前記遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体を溶媒に溶かし、この溶液に、上記のようにして得られた貴金属含有導電性粉体を混合し、この混合物を焼成(例えば800℃)する。これより、本発明に基づく触媒材料を作製することができる。
また、前記導電性粉体の表面に前記遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体を担持させ、得られた前駆体含有導電性粉体と前記貴金属材料とを混合し、この混合物を焼成することによっても作製することができる。
さらに、前記導電性粉体と、前記遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体と、前記貴金属材料とを同時に混合し、この混合物を焼成(例えば800℃)することによっても作製することができる。
なお、本発明に基づく触媒材料の製造方法を3通り挙げたが、前記導電性粉体の表面に前記貴金属材料を担持させた後、前記遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体を混合し、この混合物を焼成する方法が、特に望ましい。例えば、前記導電性粉体と、前記遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体と、前記貴金属材料とを同時に混合するときは、この混合物を800℃程度で焼成する必要があるが、加熱温度が高いため焼成時に前記貴金属材料の凝集が起きることがある。これに対し、前者は、まず300℃程度の温度で前記導電性粉体の表面に前記貴金属材料を担持させ、次に前記遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体を混合して800℃の温度で焼成するので、前記貴金属材料の凝集をより効果的に抑制することができる。ここで、前記遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体を焼成する際の加熱温度は、前記凝集を抑制するためにも500〜1000℃が好ましく、より好ましくは700〜900℃である。また、前記貴金属材料を焼成する際の加熱温度は、前記凝集を抑制するためにも750〜850℃が好ましい。
前記遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体が可溶な前記溶媒としては、例えばアセトン、エタノール、N,N’−ジメチルフォルムアミド、ピリジンなどが挙げられる。
前記導電性粉体の電気抵抗は10-3Ω・m以下であることが好ましく、カーボン、ITO(Indium tin oxide:インジウム酸化物にスズをドープした導電性酸化物)及びSnO2のうちの少なくとも1種を用いることが好ましい。
前記導電性粉体としてカーボンを用いるとき、このカーボンの比表面積を300m2/g以上とすることが好ましく、300m2/g未満の場合、触媒材料としての特性が低下することがある。
また、本発明に基づく触媒材料を用いて、本発明に基づく触媒電極を作製した場合、ガス透過性が重要な性能となるが、前記導電性粉体としてカーボンを用いるとき、このカーボンの吸油量を200ml/100g以上とすることで、より良好なガス透過性を得ることができる。
本発明に基づく触媒材料は、それ自体でもプレス加工等により触媒層を形成できるが、樹脂によって結着して成膜すると、前記触媒材料を多孔性のガス拡散性集電体上に十分な強度で保持できるので、本発明に基づく触媒電極の製造上、より好ましい。
本発明に基づく触媒電極は、上述したように、実質的に、本発明に基づく触媒材料のみからなるか、或いは本発明に基づく触媒材料の他に、この粒子を結着するための樹脂等の他成分を含有していてもよい。後者の場合、前記他成分としては、結着性及び排水性の点で撥水性樹脂(例えばフッ素系)を、ガス透過性の点で造孔剤(例えばCaCO3)を、及びプロトン等の移動性の点でイオン伝導体等を用いるのがよい。さらに、本発明に基づく触媒材料を多孔性のガス拡散性集電体(例えばカーボンシート)上に保持させることが好ましい。
本発明に基づく触媒電極は、燃料電池として構成されている電気化学デバイスに適用することができる。
例えば、第1極と、第2極と、これらの両極間に挟持されたイオン伝導体とからなる基本的構造体において、前記第1極及び第2極のうち少なくとも前記第1極に本発明に基づく触媒電極を適用することができる。
さらに具体的にいうと、前記第1極が酸素(空気)が供給される酸素極であって、少なくともこの酸素極に対し、本発明に基づく触媒電極を適用するのが好ましい。
図5は、例えば、本発明に基づく触媒電極を用いた具体例の燃料電池を示す。ここで、図5中の触媒層1は、本発明に基づく触媒材料の他、場合によっては、イオン伝導体、撥水性樹脂(例えばフッ素系)及び造孔剤(CaCO3)との混合物からなる混合層であり、本発明に基づく触媒電極は、触媒層1と、多孔性のガス拡散性集電体としての例えばカーボンシート2とからなる多孔性のガス拡散性触媒電極である。但し、狭義には、触媒層1のみをガス拡散性触媒電極と称してもよい。また、本発明に基づく触媒電極を用いた第1極と、第2極との間には、イオン伝導部3が挟着されている。
この燃料電池は、互いに対向する、端子4付きの、本発明に基づく触媒電極を用いた負極(燃料極又は水素極(但し、これは必ずしも負極に用いる必要はない。))5、及び端子6付きの、本発明に基づく触媒電極を用いた正極(酸素極)7を有し、これらの両極間にイオン伝導部3が挟着されている。使用時には、負極5側ではH2流路8中に水素ガスが通される。燃料(H2)が流路8を通過する間に水素イオンを発生し、この水素イオンはイオン伝導部3を通って正極7側へ移動し、そこでO2流路9を通る酸素(空気)と反応し、これにより所望の起電力が取り出される。
かかる燃料電池は、本発明に基づく触媒電極が前記第1極及び第2極を構成しているので、白金等の貴金属材料の使用量が大幅に低減され、コストを抑えることができる。
また、前記導電性粉体上に前記遷移金属のみを担持しただけでは、前記遷移金属が酸性のイオン伝導部3と接触することによって溶出してしまうが、本発明の触媒材料における前記触媒物質が、前記遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体に由来する化合物と、前記貴金属材料とから得られたものであるので、酸性のイオン伝導部3との接触による前記遷移金属の溶出を抑制できる。さらに、前記遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体に由来する化合物を含むことにより、白金等の前記貴金属材料の凝集を低減することができ、優れた触媒特性及び耐久性を有する。
さらに、前記配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体に由来する化合物のみを前記導電性粉体上に担持しただけでは、燃料電池等の電気化学デバイスの酸素還元反応に必要な4電子反応進行が十分ではないと考えられるが、本発明に基づく触媒材料は第2成分として前記貴金属材料を含有するので、効率的な触媒反応を行うことができ、優れたデバイス特性を有する。
本発明に基づく触媒電極中に、或いは前記電気化学デバイスを構成する前記第1極と、第2極との両極間に挟持された前記イオン伝導部に、使用可能な前記イオン伝導体としては、一般的なナフィオン(登録商標)(デュポン社製のパーフルオロスルホン酸樹脂)等が挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
実施例1
まず、前記貴金属材料としてのPt(塩化白金酸)を溶媒(水)に溶かし、この溶液に前記導電性粉体としてのカーボン粉体を浸漬することによってカーボン粉体の表面にPtを付着させ、次いで熱処理(300℃)を行うことで、カーボン粉体の表面にPtを担持させた。次に、前記遷移金属(Fe)を中心金属とする配位化合物の前駆体としての、下記構造式(1)で表されるフタロシアニン構造体を溶媒(アセトン)に溶かし、この溶液に、上記のようにして得られたPt含有カーボン粉体を混合し、この混合物を焼成(800℃)した。なお、前記遷移金属としてのFeと、前記貴金属材料としてのPtとの混合比を質量%で4:3(鉄:白金)となるように調製した。これにより、本発明に基づく触媒材料を作製することができた。
Figure 2005342579
上記のようにして作製した本発明に基づく触媒材料をナフィオンで結着して触媒電極を作製し、これを酸素極として用い、図5に示すような電気化学デバイスを作製した。なお、燃料極は、カーボン粉体の表面にPtを担持させてなる触媒材料(エレクトロケム社製)をナフィオンで結着して作製した。また、イオン伝導部には、ナフィオン112(登録商標)(デュポン社製)を用いた。
比較例1
前記貴金属材料としてのPt(塩化白金酸)を溶媒(水)に溶かし、この溶液に前記導電性粉体としてのカーボン粉体を浸漬することによってカーボン粉体の表面にPtを付着させ、次いで熱処理(300℃)を行うことで、カーボン粉体の表面にPtを担持させた。なお、Ptの担持量が3質量%となるように調製した。
上記のようにして作製したPt担持カーボン粉体を触媒材料として用い、酸素極を作製した以外は、実施例1と同様にして電気化学デバイスを作製した。
比較例2
前記遷移金属(Fe)を中心金属とする配位化合物の前駆体としての、下記構造式(1)で表されるフタロシアニン構造体を溶媒(アセトン)に溶かし、この溶液に、カーボン粉体を混合し、この混合物を焼成(800℃)した。なお、前記遷移金属としてのFeの担持量が4質量%となるように調製した。
上記のようにして作製した触媒材料を用いて酸素極を作製した以外は、実施例1と同様にして電気化学デバイスを作製した。
実施例1、比較例1及び比較例2の電気化学デバイスについてそれぞれ、発電特性の評価を行った。測定は、燃料極側に水素ガスを流量100ml/minで供給し、酸素極側に空気を流量1.5L/minで供給し、室温にて行った。結果を図1に示す。
図1より明らかなように、実施例1は、前記触媒物質が、Feを中心金属とする配位化合物の前駆体に由来する化合物と、Ptとから得られたものであり、この触媒物質がカーボン粉体の表面に担持されているので、比較例1及び比較例2に比べて、発電特性の増大が確認された。
これに対し、比較例2は、カーボン粉体の表面にFeのみが担持され、Ptを含有していないため、発電の特性は確認できるものの、その発電量は小さく、燃料電池の酸素還元反応に必要な4電子反応が十分に進行していない可能性が示唆された。
また、比較例1は、カーボン粉体の表面にPtのみを担持させてなる触媒材料を用いた場合であるが、実施例1ほどの発電特性の向上は確認されなかった。
これらの結果から、発電特性の向上のメカニズムとして、特異な構造を有する前記前駆体による前記遷移金属の導入と添加物である前記貴金属材料との協調効果により、良好な発電特性が発現したものと考えられた。
また、発電特性の向上が確認された実施例1の触媒材料の構造確認のため、粉末X線測定を行った。結果を図2に示すが、Pt単独(比較例1の触媒材料)の測定においては確認されなかった合金相(図中の白丸)が確認された。この合金相は、Fe4Ptと同定することができ、この合金相の出現が、Pt単独に比べ、燃料電池における発電特性の向上に寄与しているものと考えられた。
実施例2
前記遷移金属としてのFeと、前記貴金属材料としてのPtとの混合比を質量%で4:1(鉄:白金)となるように調製した以外は、実施例1と同様にして触媒材料を作製し、また電気化学デバイスを作製した。
この電気化学デバイスについて、発電特性の評価を行った。なお、測定は実施例1の測定条件と同様である。結果を図3に示す。
図3より明らかなように、Ptの担持量を減少させたところ、発電特性の低下が確認された。また、図示省略したが、Ptの担持量を増加させても、これ以上の発電特性の向上は確認されなかった。これは、焼成時に金属が凝集し、活性な金属表面が減少しているためと考えられる。
実施例3
カーボン粉体と、Pt溶液と、前記構造式(1)で表される構造体の溶液とを同時に混合し、この混合物を800℃で焼成して触媒材料を作製した。なお、前記遷移金属としてのFeと、前記貴金属材料としてのPtとの混合比を質量%で4:3(鉄:白金)となるように調製した。上記のようにして作製した触媒材料を用いた以外は、実施例1と同様にして触媒電極を作製し、また電気化学デバイスを作製した。
この電気化学デバイスについて、発電特性の評価を行った。なお、測定は実施例1の測定条件と同様である。結果を図4に示す。
図4より明らかなように、カーボン粉体の表面にFeとPtを同時に担持させた実施例3に比べて、PtとFeを順次カーボン粉体の表面に担持させた実施例1の方が、金属担持量は同じであるにも関わらず、発電特性の向上が大きかった。
以上より明らかなように、本発明に基づく触媒材料によれば、前記導電性粉体の表面に担持される前記触媒物質が、前記遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体に由来する化合物と、前記貴金属材料とから得られたものであるので、従来例による触媒に比べ、白金等の貴金属材料の使用量を大幅に低減することができ、コストを抑えることができる。
また、前記遷移金属のみを前記導電性粉体上に担持しただけでは、前記遷移金属が酸性の電解質膜と接触することによって溶出してしまうが、本発明に基づく触媒材料における前記触媒物質は、前記遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体に由来する化合物と、前記貴金属材料とから得られたものであるので、上述したような酸性の電解質膜との接触による前記遷移金属の溶出を抑制できる。さらに、前記遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体に由来する化合物を含むことにより、白金等の前記貴金属材料の凝集を低減することができ、優れた触媒特性及び耐久性を有する。
さらに、前記配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体に由来する化合物のみを前記導電性粉体上に担持しただけでは、燃料電池等の電気化学デバイスの酸素還元反応に必要な4電子反応進行が十分ではないと考えられるが、本発明の触媒材料は第2成分として前記貴金属材料を含有するので、効率的な触媒反応を行うことができる。
以上に説明した実施の形態及び実施例は、本発明の技術的思想に基づいて種々に変形が可能である。
例えば、本発明に基づく電気化学デバイスが燃料電池として構成されている場合、少なくとも酸素極に対して本発明に基づく触媒電極が用いられていることが好ましいが、燃料極側に対しても用いられてよい。
また、本発明の電気化学デバイスとして燃料電池を説明したが、前記燃料電池の逆反応である、水素製造装置にも応用できる。また、金属−酸素電池や電解槽などへの適用も可能である。
本発明の実施例による、本発明に基づく電気化学デバイスの発電特性を比較して示すグラフである。 同、本発明に基づく触媒材料の粉末X線測定の結果を示すグラフである。 同、本発明に基づく電気化学デバイスの発電特性を比較して示すグラフである。 同、本発明に基づく電気化学デバイスの発電特性を比較して示すグラフである。 本発明に基づく電気化学デバイス(燃料電池)の概略断面図である。
符号の説明
1…触媒層、2…ガス透過性集電体、3…イオン伝導部、4、6…端子、5…負極、
7…正極、8…水素ガス流路、9…酸素(空気)流路

Claims (14)

  1. 導電性粉体と少なくとも触媒物質とを含む触媒材料において、前記触媒物質が、遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体に由来する化合物と、貴金属材料とから得られたものであることを特徴とする、触媒材料。
  2. 前記配位化合物の前駆体が、下記一般式(1)、(2)又は(3)で表される、請求項1に記載した触媒材料。
    Figure 2005342579
  3. 前記分子集合体の前駆体が、下記一般式(4)で表されるミセル構造を有する、請求項1に記載した触媒材料。
    一般式(4):M−(R−X)n
    (但し、前記一般式(4)において、Mは遷移金属原子を表す。また、R−Xは前記ミ セル構造を形成する分子団であり、Rは炭素原子数が6〜22の直鎖又は分岐の炭化水 素基を表し、Xはカルボン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、スルホン酸基、スル フィン酸基、チオール基又はアミノ基を表す。)
  4. 前記遷移金属と前記貴金属材料との混合比(前記遷移金属:前記貴金属材料)が、質量比で10:1〜1:10である、請求項1に記載した触媒材料。
  5. 電気化学デバイスの触媒電極に用いられる、請求項1に記載した触媒材料。
  6. 導電性粉体の表面に貴金属材料を担持させる工程と、得られた貴金属含有導電性粉体と遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体とを混合する工程と、この混合物を焼成する工程とを有する、触媒材料の製造方法。
  7. 導電性粉体の表面に遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体を担持させる工程と、得られた前駆体含有導電性粉体と貴金属材料とを混合する工程と、この混合物を焼成する工程とを有する、触媒材料の製造方法。
  8. 導電性粉体と、遷移金属を中心金属とする配位化合物又は/及び分子集合体の前駆体と、貴金属材料とを同時に混合する工程と、この混合物を焼成する工程とを有する、触媒材料の製造方法。
  9. 下記一般式(1)、(2)又は(3)で表される前記配位化合物の前駆体を用いる、請求項6〜8のいずれか1項に記載した触媒材料の製造方法。
    Figure 2005342579
  10. 下記一般式(4)で表される前記分子集合体の前駆体を用いる、請求項6〜8のいずれか1項に記載した触媒材料の製造方法。
    一般式(4):M−(R−X)n
    (但し、前記一般式(4)において、Mは遷移金属原子を表す。また、R−Xは前記ミ セル構造を形成する分子団であり、Rは炭素原子数が6〜22の直鎖又は分岐の炭化水 素基を表し、Xはカルボン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、スルホン酸基、スル フィン酸基、チオール基又はアミノ基を表す。
  11. 前記遷移金属と前記貴金属材料との混合比(前記遷移金属:前記貴金属材料)を、質量比で10:1〜1:10とする、請求項6〜8のいずれか1項に記載した触媒材料の製造方法。
  12. 請求項1〜5のいずれか1項に記載した触媒材料を含有する、触媒電極。
  13. 少なくとも2つの電極と、これらの電極の間に挟持されたイオン伝導体とからなり、請求項12に記載した触媒電極が、前記複数の電極の少なくとも1つを構成している、電気化学デバイス。
  14. 燃料電池として構成されている、請求項13に記載した電気化学デバイス。
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