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JP2005333103A - 縦型ホール素子およびその製造方法 - Google Patents

縦型ホール素子およびその製造方法 Download PDF

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JP2005333103A JP2005005653A JP2005005653A JP2005333103A JP 2005333103 A JP2005333103 A JP 2005333103A JP 2005005653 A JP2005005653 A JP 2005005653A JP 2005005653 A JP2005005653 A JP 2005005653A JP 2005333103 A JP2005333103 A JP 2005333103A
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Abstract

【課題】当該ホール素子の形成に用いる基板の選択自由度を高めることのできる縦型ホール素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】この縦型ホール素子は、P型のシリコンからなる半導体基板に形成され、同基板の表面に垂直な成分を含む電流がN型の半導体領域12内の磁気検出部HPに供給された状態で、同基板の表面に平行な磁界成分が磁気検出部HPに印加されるとき、その磁界成分に対応するホール電圧信号を出力する。ここでは、半導体領域12を、基板にN型の導電型不純物を添加し、それを拡散させることによって形成することとする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば磁気センサ等に用いられ、ホール効果を利用して基板表面(チップ面)に水平な磁界成分を検出する縦型ホール素子およびその製造方法に関する。
周知のように、ホール素子は、非接触での角度検出が可能であることから、いわゆるホールIC等に搭載されて例えば磁気センサとして車載内燃機関のスロットル弁開度センサ等の角度検出センサに用いられる。まず、図41を参照して、ホール素子の磁気検出原理について説明する。
物質中を流れる電流に対して垂直な磁界(磁気)が加わると、それら電流および磁界の双方に垂直な方向に電界(電圧)が生じる。この現象をホール効果と呼び、ここで発生する電圧をホール電圧と呼ぶ。
例えば、図41に示すようなホール素子(導体)100を考えた場合、同素子の磁気検出部(ホールプレート)の幅をW、長さをL、厚さをd、同素子と磁界とのなす角度をθ、印加される磁束密度をB、供給(駆動)電流(端子TI−TI’間に流れる電流)をIとすると、ホール電圧(端子TVH−TVH’間に生じる電圧)VHは、
H=(RHIB/d)cosθ、RH=1/(qn)
のように表せる。ここで、RHはホール係数であり、またqは電荷、nはキャリア濃度である。
上記の関係式からも分かるように、ホール素子と磁界とのなす角度θに応じてホール電圧VHが変化するため、これを利用することで角度の検出が可能となる。このように、ホール素子を用いることで上述の角度検出センサを実現することができる。
そして、一般的なホール素子としては、例えば非特許文献1に記載のようなホール素子、いわゆる横型ホール素子が知られている。この横型ホール素子は、基板表面(チップ面)に対して垂直な磁界成分を検出するものである。
以下、図42を参照して、このホール素子(横型ホール素子)についてさらに説明する。なお、図42(a)はこのホール素子の平面図、図42(b)は図42(a)のL1−L1線に沿った断面図である。
同図42(a)および(b)に示されるように、このホール素子は、大きくは、例えばP型のシリコンからなる半導体層(P−sub)21の上に、例えばエピタキシャル成長にて形成されたN型のシリコンからなる半導体領域22を有して構成されている。なお、こうした半導体領域22(N-層)は、一般に「1.0×1014〜1.0×1017/cm3」の濃度に設定される。
また、半導体領域22には、当該ホール素子を他の素子と素子分離すべく、半導体層21に接続されるような例えばP型からなる拡散層(P型拡散分離壁)24が形成されている。そして、同半導体領域22の表面にあってこの拡散層24にて囲まれる領域(活性領域)22aには、同表面の不純物濃度が選択的に高められるかたちでコンタクト領域(N+拡散層)23a〜23dが形成され、これらコンタクト領域23a〜23dとそこに配設される電極(配線)との間に良好なオーミックコンタクトが形成されるようになっている。さらに詳しくは、コンタクト領域23aおよび23bとコンタクト領域23cおよび23dとは、互いに直交するかたちで上記領域(活性領域)22aの四隅に配置され、それら各領域に配設される電極(配線)を介して、それぞれ端子SおよびG、並びに端子V1およびV2と電気的に接続される。
ここで、例えば端子Sから端子Gへ一定の駆動電流を流すと、その電流は、上記コンタクト領域23aから半導体領域22内をコンタクト領域23bへと流れる。すなわちこの場合、基板表面の近傍に、同面(チップ面)に平行な成分を主に含む電流が流れることになる。このとき、その電流に対し基板表面(チップ面)に垂直な成分を含む磁界(例えば図42中に矢印Bで示される磁界)が印加されると、前述したホール効果により、端子V1と端子V2との間にその磁界に応じたホール電圧が発生する。したがって、それら端子V1およびV2を通じてその発生したホール電圧信号を検出することで、図41に示した先の関係式「VH=(RHIB/d)cosθ」に基づき検出対象とする磁界成分が、すなわち当該ホール素子に用いられる基板の表面(チップ面)に垂直な磁界成分が求められることとなる。なお、このホール素子においては、端子V1およびV2に駆動電流を流して端子SおよびGにてホール電圧信号を検出することもできる。そのため、こうした電極の入れ替えを利用して、例えば電極の入れ替えを周期的に行って、同素子に発生するオフセット電圧(不平衡電圧)を相殺するような駆動方式なども実用されている。
また近年、上記横型ホール素子に加え、例えば特許文献1に記載されているように、基板表面(チップ面)に平行な磁界成分を検出するホール素子、いわゆる縦型ホール素子も提案されている。この縦型ホール素子は、異なる位相(角度)を検出する2つの素子を1チップに集積化できるという特長をもつため、2つの縦型ホール素子を「90°」の角度をなすように配置することで、「0°〜360°」の角度範囲でリニアな出力(電圧信号)が得られる回転センサ等も実現可能になる。以下、図43を参照して、縦型ホール素子の一例について説明する。なお、図43において、図43(a)はこのホール素子の平面図、図43(b)は図43(a)のL1−L1線に沿った断面図、図43(c)は図43(a)のL2−L2線に沿った断面図である。
同図43(a)〜(c)に示されるように、このホール素子は、エピタキシャル層を有して構成される半導体基板、いわゆるエピタキシャル基板に形成される。具体的には、このホール素子は、例えばP型のシリコンからなる半導体層(P−sub)31と、この表面にN型の導電型不純物が導入されるかたちで形成された埋込層BLと、さらにこの上にエピタキシャル成長にて形成されたN型のシリコンからなる半導体領域32とを有して構成されている。なお、上記埋込層BLは、いわば下部電極として機能するものであり、その不純物濃度は上記半導体領域32よりも高い濃度に設定される。また、このホール素子において、半導体領域32の深さ寸法3aは例えば「9.5μm」に設定され、また同半導体領域32の埋込層BLまでの深さ寸法3bは例えば「5.5μm」に、そして埋込層BLの厚み寸法は例えば「6.0μm」にそれぞれ設定される。
そして、上記半導体領域32には、当該ホール素子を他の素子と素子分離すべく、半導体層31に接続されるような例えばP型の拡散層(P型拡散分離壁)34が形成されている。また、半導体領域32の表面にあってこの拡散層34にて囲まれる領域(活性領域)には、同表面の不純物濃度(N型)が選択的に高められるかたちでコンタクト領域(N+拡散層)33a〜33eが形成され、これらコンタクト領域33a〜33eとそこに配設される電極(配線)との間に良好なオーミックコンタクトが形成されるようになっている。そしてこれらコンタクト領域33a〜33eは、そこに配設される各電極(配線)を介して、それぞれ端子SおよびG1およびG2およびV1およびV2と電気的に接続されている。
また、拡散層34にて囲まれる領域(活性領域)は、図43(a)に示されるように、各拡散層によるpn接合分離を通じて、P型の拡散層(P型拡散分離壁)34aおよび34bを互いに隔てた領域32a〜32cに分割されている。そして図43(b)および(c)に示されるように、これら領域12a〜12cにおいては、基板内部においても電気的に区画された領域が形成されている。
さらに詳しくは、これら領域においては、領域(素子領域)32aに上記コンタクト領域33aおよび33dおよび33eが、領域32bに上記コンタクト領域33bが、領域32cに上記コンタクト領域33cがそれぞれ形成されている。そして、コンタクト領域33aは、コンタクト領域33bおよび33cとこれらコンタクト領域に直交するコンタクト領域33dおよび33eとの双方に挟まれるかたちで配置されている。すなわち、同コンタクト領域33aは、上記拡散層34aおよび34bを隔ててコンタクト領域33bおよび33cの各々に対向するような配置となっている。
そしてこのホール素子においては、上記領域32aの基板内部に電気的に区画される領域にあって上記コンタクト領域33dおよび33eにて挟まれる領域が、いわゆる磁気検出部(ホールプレート)HPとなる。すなわち、このホール素子では、ここに印加される磁界に対応するホール電圧信号を生じさせることになる。
ここで例えば、上記端子Sから端子G1へ、また端子Sから端子G2へそれぞれ一定の駆動電流を流すと、その電流は、基板表面に形成されたコンタクト領域33aから上記磁気検出部HP、埋込層BLを通じて、コンタクト領域33bおよび33cへとそれぞれ流れる。すなわちこの場合、上記磁気検出部HPには、基板表面(チップ面)に垂直な成分を主に含む電流が流れることになる。このため、この駆動電流を流した状態において、基板表面(チップ面)に平行な成分を含む磁界(例えば図43中に矢印Bで示される磁界)が当該ホール素子の磁気検出部HPに印加されたとすると、前述したホール効果によって、上記端子V1と端子V2との間にその磁界に対応するホール電圧が発生する。したがって、それら端子V1およびV2を通じてその発生したホール電圧信号を検出することで、図41に示した先の関係式「VH=(RHIB/d)cosθ」に基づき検出対象とする磁界成分が、すなわち当該ホール素子に用いられる基板の表面(チップ面)に平行な磁界成分が求められることとなる。ちなみに、このホール素子では、図43(a)中に示す寸法dが磁気検出部(ホールプレート)の厚さ(上記関係式中の「d」)に相当する。また、このホール素子において駆動電流を流す方向は任意であり、上記駆動電流の方向を反対にして磁界(磁気)の検出を行うこともできる。
また、上記縦型ホール素子の高感度化を図るべく、図44に示すような構造とされた縦型ホール素子もある。同図44に示されるように、このホール素子では、上記埋込層BLの幅を狭くすることによって磁気検出部HPの実効的な電流経路の幅が狭められ、磁気検出感度(いわゆる積感度)が高められている。なお、この図44において、先の図43に示した要素と同一の要素には各々同一の符号を付して示している。
前中一介、外3名,「集積化三次元磁気センサ」,電気学会論文誌 C,平成元年,第109巻,第7号,p483−490 特開平1−251763号公報
このように、図43あるいは図44に例示した縦型ホール素子では、磁気検出部(ホールプレート)HPに印加される磁界成分、すなわち基板表面(チップ面)に水平な磁界成分を検出することが可能となる。さらに、これら縦型ホール素子では上記埋込層BLが設けられていることで、半導体領域32の底面近傍に確実に電流経路が確保されるようになる。また、先の図44に例示した縦型ホール素子にみられるように、こうした埋込層BLの幅を狭めることとすれば、磁気検出素子としての感度の向上も図られるようになる。しかしながら、こうした縦型ホール素子にあっては、半導体基板としてエピタキシャル基板を使用せざるを得ない構造となっており、使用基板の選択自由度についてはこれが大きく制限される構造となっている。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、当該ホール素子の形成に用いる基板の選択自由度を高めることのできる縦型ホール素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
こうした目的を達成すべく、請求項1に記載の発明では、半導体基板内に所定の導電型からなる半導体領域が形成され、同基板の表面に垂直な成分を含む電流が前記半導体領域内の磁気検出部に供給された状態で、同基板の表面に平行な磁界成分が前記磁気検出部に印加されるとき、その磁界成分に対応するホール電圧信号を出力する縦型ホール素子において、前記半導体領域を、前記半導体基板に導電型不純物が添加、拡散されるかたちで形成された拡散層からなるものとする。
このように上記半導体領域を拡散層(ウェル)からなるものとすることで、これを例えばイオン注入等により容易に形成することが可能になり、単一の導電型からなる基板をはじめとして、エピタキシャル基板やSOI(Silicon On Insulator)基板等についてもこれを当該ホール素子の基板(半導体基板)として採用することができるようになる。すなわち、当該ホール素子の形成に用いる基板の選択自由度を大きく高めることが可能になる。
またこの場合、請求項2に記載の発明によるように、前記拡散層からなる半導体領域を、深さ方向に濃度変化をもって形成されたものとすることが有効である。こうした構造によれば、ホール素子の用途等に基づくユーザの要求にも柔軟に対応して同半導体領域内の電流経路として好ましい経路を選択、設定することが可能になる。
具体的には、ホール素子としての構造の簡素化や製造の容易性を重要視する場合にあっては、例えば請求項3に記載の発明によるように、前記拡散層からなる半導体領域を、前記半導体基板の表面に最高濃度をもって、同表面から裏面側へ進むにつれて低濃度になる態様で形成されるものとした構造が有効である。こうした構造は、例えばイオン注入等によって基板表面に導入した導電型不純物を熱処理で拡散させるなど、周知の半導体プロセスをもって容易に実現することができる。
また、請求項4に記載の発明によるように、前記拡散層からなる半導体領域を、前記半導体基板の表面に最低濃度をもって、同表面から裏面側へ進むにつれて高濃度になる態様で形成されるものとした場合には、前記磁気検出部(ホールプレート)にあって基板表面に垂直な方向へ流れる電流成分を相対的に増加させることができ、ひいては磁気検出素子としての感度(いわゆる積感度)の向上が図られるようになる。
また、請求項5に記載の発明によるように、前記拡散層からなる半導体領域を、前記半導体基板の所定深さに最高濃度をもって、そこから基板表面側および基板裏面側へ進むにつれてそれぞれ低濃度になる態様で形成されるものとした場合も同様に、前記磁気検出部(ホールプレート)にあって基板表面に垂直な方向へ流れる電流成分を相対的に増加させることができ、ひいては磁気検出素子としての感度の向上が図られるようになる。
また、請求項6に記載の発明によるように、前記拡散層からなる半導体領域に拡散ストッパ膜が設けられ、同半導体領域を、前記拡散ストッパ膜に面した部分に最高濃度をもって、同拡散ストッパ膜から遠ざかるにつれて低濃度になる態様で形成されるもの、とした構造を採用することとすれば、前記拡散ストッパ膜により導電型不純物の拡散を抑制させ、前記拡散層からなる半導体領域の深さ方向に関する濃度変化を、その濃度分布の設計自由度を高くして容易に形成することが可能になる。特にこの構造は、上記請求項4に記載の構造と併せて用いることが有効である。
また、上記請求項1〜6のいずれか一項に記載の縦型ホール素子についてその構造の簡素化を図るためには、請求項7に記載の発明によるように、前記半導体領域を、前記半導体基板と異なる導電型からなるものとしてさらに、この半導体領域を、前記半導体基板に囲繞されるかたちで形成した構造とすることが有効である。こうした構造によれば、前記半導体基板と前記半導体領域との間にpn接合が形成され、前記磁気検出部(ホールプレート)を内部に有する半導体領域が、周囲の領域と電気的に区画分離された領域となる。すなわち当該ホール素子は、拡散層や絶縁膜等からなる素子分離用の分離壁をもたない簡素な構造であっても、周囲の周辺回路等と好適に素子分離されるようになる。
さらに、これら請求項1〜7のいずれか一項に記載の縦型ホール素子は、請求項8に記載の発明によるように、
・前記半導体領域内に、前記半導体領域と異なる導電型の拡散層からなって、前記半導体領域の底面近傍を選択的に狭めて電流通路を形成する拡散分離壁が形成され、前記磁気検出部がこの拡散分離壁によって電気的に区画された構造。
あるいは請求項9に記載の発明によるように、
・前記半導体領域内に、前記半導体領域よりも浅い拡散深さをもって、同半導体領域と異なる導電型の拡散層からなる拡散分離壁が形成され、前記磁気検出部がこの拡散分離壁によって電気的に区画された構造。
あるいは請求項11に記載の発明によるように、
・前記半導体領域内に、STI(Shallow Trench Isolation)構造をとって、前記半導体領域の底面近傍を選択的に狭めて電流通路を形成する絶縁分離壁が形成され、前記磁気検出部がこの絶縁分離壁によって電気的に区画された構造。
あるいは請求項12に記載の発明によるように、
・前記半導体領域内に、前記半導体領域よりも浅い深さ寸法をもって、STI(Shallow Trench Isolation)構造をとる絶縁分離壁が形成され、前記磁気検出部がこの絶縁分離壁によって電気的に区画された構造。
等々の構造とすることが有効である。これらの構造では、拡散分離壁や絶縁分離壁によって前記半導体領域内に磁気検出部(ホールプレート)が区画形成されるとともに、同半導体領域の底面近傍に電流通路が確実に確保されることになる。これにより、基板表面(チップ面)に平行な磁界成分を検出するという縦型ホール素子としての本来の機能が高く維持されるようになる。しかもこうした構造において、上記拡散分離壁や絶縁分離壁は、通常のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)工程によって容易に形成することができる。このため、前記半導体領域、並びに拡散分離壁もしくは絶縁分離壁、ひいては当該ホール素子自体を通常のCMOS工程によって容易に製造することが可能になる。
また、上記請求項8または9に記載の縦型ホール素子に関しては、請求項10に記載の発明によるように、前記半導体領域と異なる導電型の拡散層からなる拡散分離壁を、少なくとも「2μm」以上の拡散深さをもって形成されたものとすることで、前記磁気検出部(ホールプレート)に流れる電流の横方向(基板表面に平行な方向)への広がりは効果的に抑制され、磁気検出素子としての感度の向上が図られるようになる。より好ましくは、同拡散分離壁の拡散深さを「3μm」以上にすることが望ましい。
さらに、請求項8〜10のいずれか一項に記載の縦型ホール素子に関しては、請求項11に記載の発明によるように、前記半導体領域と異なる導電型の拡散層からなる拡散分離壁を、前記半導体基板の表面に最高濃度をもって、同表面から裏面側へ進むにつれて低濃度になる態様で形成されたものとすることが有効である。
半導体基板の表面から不純物を添加し、それを拡散させて拡散層を形成する場合、それで形成される拡散層の幅は同基板の表面から深くなるにつれて狭くなる。このため、こうした拡散層によって前記磁気検出部が区画形成された縦型ホール素子では、同磁気検出部を流れる電流がより深い位置へ進むほど広がってしまい、磁気検出素子としての感度の低下を招く問題があった。この点、上記構造では、前記磁気検出部を区画する拡散分離壁を、前記半導体基板の表面に最高濃度をもって、同表面から裏面側へ進むにつれて低濃度になるような濃度分布に形成している。この拡散分離壁が前記半導体領域内に前記磁気検出部を形成するに際し、同拡散分離壁と前記半導体領域との間には空乏層が形成される。このとき空乏層の幅は、これを形成するp・n領域の不純物濃度に依存し、濃度が薄く(低く)なるほど大きく(広く)なるため、上記構造によれば、前記磁気検出部が基板表面に略垂直な方向に沿って区画されることになる。これにより、磁気検出部における上記電流の広がりが抑制され、同磁気検出部を基板表面に垂直な方向へ流れる電流成分を相対的に増加させることができ、ひいては磁気検出素子としての感度(いわゆる積感度)の向上が図られるようになる。
また、上記請求項8〜11のいずれか一項に記載の縦型ホール素子を製造する方法としては、請求項46に記載の発明によるように、前記半導体領域と前記拡散分離壁との間に空乏層が形成された後においても前記半導体領域の底面近傍の電流通路が確保されるように、それら半導体領域および拡散分離壁の不純物濃度を調整する方法を採用することが有効である。
上記請求項8〜11のいずれか一項に記載の構造では、前記半導体領域と前記拡散分離壁との間に空乏層が形成される。このため、当該ホール素子の製造過程において、前記半導体領域の底面近傍に形成される電流通路が塞がれてしまうことが懸念される。この点、上記方法によれば、それら半導体領域および拡散分離壁の不純物濃度を適切な範囲に設定することで、それらの間に形成される空乏層の幅もまた適切な幅とされ、前記半導体領域の底面近傍に電流通路が確保されるようになる。しかもこの方法では、不純物濃度を調整するだけで容易に上記電流通路が確保されるようになる。
また一方、上記請求項12または13に記載の縦型ホール素子に関しては、請求項14に記載の発明によるように、前記STI構造をとる絶縁分離壁のトレンチ内壁に、前記半導体領域と異なる導電型からなる不純物層が形成された構造とすることが有効である。
ところで、半導体基板にトレンチを形成すると通常、そのトレンチの内壁にはダメージ層が形成されることとなり、そこでキャリアの再結合が生じ易くなる。この点、トレンチ内壁に不純物層を設けた上記構造によれば、この不純物層によって上記キャリアの再結合が抑制され、前記半導体領域のキャリア移動度が高く維持されるようになる。また、この不純物層と前記半導体領域との間に形成されるpn接合の空乏層が素子内部まで進入するようにもなるため、磁気検出部(ホールプレート)の厚さ(図41に示した関係式中の「d」)に相当する寸法が実質的に狭められることにもなる。すなわち、こうした構造によれば、磁気検出素子としての高感度化が図られるようにもなる。
また、上記請求項1〜14のいずれか一項に記載の縦型ホール素子においては、請求項15に記載の発明によるように、前記半導体基板の表面上に絶縁膜を介して平板状の電極材が設けられた構造とすることが有効である。こうした構造によれば、上記平板状の電極材を利用して、前記半導体基板の電位分布を固定したり、また可変としたりすることができるようになる。
具体的には、例えば請求項16に記載の発明のように、前記電極材を、少なくとも前記磁気検出部を覆うかたちで設けられるものとしてさらに、この電極材を、適宜の配線を介して所定の電位に固定されるものとする。
ところで、この種のホール素子にあって素子表面に形成される層間絶縁膜内などには、ナトリウム(Na)等の可動イオンが存在する。このため、当該ホール素子への通電や温度変化等に伴ってこの可動イオンが動くことによって、基板表面における電圧出力端付近の電位が不安定となり、当該ホール素子から出力される極微小なホール電圧信号をふらつかせることがある。これは経時変動またはドリフトと呼ばれ、同電圧に基づく磁界の検出に誤差を生じさせ、特に当該ホール素子を角度検出センサとして用いた場合にはそのセンサ特性の劣化は避けられず、深刻である。
この点、少なくとも前記磁気検出部を覆うかたちで前記電極材を設けるようにした上記構造によれば、少なくとも前記磁気検出部における表面の電位は固定され、その周囲も安定した電位環境におかれるようになる。このため、上記層間絶縁膜内の可動イオンの動きが抑制されるとともに、この可動イオンに起因する経時変動等が小さくなり、ひいては磁気検出素子としての検出精度が高く維持されるようになる。またさらに、基板上方からのノイズを遮蔽(シールド)して当該ホール素子をノイズから保護することも可能になる。
また例えば、請求項17に記載の発明のように、前記電極材を、印加される電圧に応じて前記磁気検出部の抵抗分布を可変とするものとする。
この種のホール素子においては、製造に際してのアライメントずれやパッケージングする際の応力の印加等に起因して、素子内部における抵抗成分の等価回路としての抵抗ブリッジが非平衡なものとなり、素子内部の電位分布にアンバランス(不平衡)が生じることがある。そうして素子内部の電流経路に偏りが生じると、同ホール素子には、磁界が印加されていないにもかかわらず、幾らかの出力電圧、いわゆるオフセット電圧(不平衡電圧)が発生するようになる。
この点、上記構造によれば、前記電極材へ適宜の電圧を印加することにより、素子内部の電位分布を変化せしめてオフセット電圧の原因となるアンバランス(不平衡)の調整、平衡化を図ることが可能になる。すなわち、簡素な回路構成で、もしくは補正回路によらずに、オフセット電圧の調整、並びにその低減が可能になるとともに、オフセット電圧を演算補正する補正回路等を備える構成にあってはその回路規模の縮小化が図られるようになる。
そして、請求項1〜17のいずれか一項に記載の縦型ホール素子に関しては、請求項18に記載の発明によるように、前記半導体基板の表面に、LOCOS構造をとるフィールド酸化膜(LOCOS酸化膜)が少なくとも前記半導体領域を覆うかたちで設けられた構造とすることが有効である。
素子表面の層間絶縁膜内などに含まれる可動イオンの挙動が当該ホール素子の検出精度に影響を及ぼすことは前述した。この点、上記構造によれば、LOCOS膜によって素子表面が覆われることでこれが保護され、上記可動イオンによる影響、すなわち検出精度の低下が抑制されるようになる。しかも、LOCOS膜によって素子表面が保護されることで、同素子を形成した後に、例えばその周辺回路の製造工程としてイオン注入(イオンインプランテーション)処理やプラズマ処理等を基板全面に施したとしても、これによる当該ホール素子へのダメージは軽減されるようになる。なお、こうしたLOCOS膜も、通常のCMOS工程によって容易に形成することができる。
また、請求項1〜17のいずれか一項に記載の縦型ホール素子に関しては、請求項19に記載の発明によるように、前記半導体基板の表面に、前記半導体領域と異なる導電型からなる不純物層が少なくとも前記半導体領域を覆うかたちで形成された構造とすることも有効である。この場合も、例えば上記不純物層と前記半導体領域との間に逆バイアスの電圧を印加した状態に当該素子がおかれることで、その電圧の印加により形成されるpn接合付近の空乏層によって素子表面が保護されることとなる。そうして、上記可動イオンによる影響、すなわち検出精度の低下が抑制されるようになる。
そして、上記請求項1〜19のいずれか一項に記載の縦型ホール素子に関しては、請求項20に記載の発明によるように、前記半導体領域の表面に電流供給対および電圧出力対の各端部を有し、前記電流供給対の一端から供給されて前記磁気検出部に流れる前記基板の表面に垂直な成分を含む電流に対して前記基板の表面に平行な磁界成分が印加されるとき、その磁界成分に対応するホール電圧信号を前記電圧出力対の両端部に出力するようにした構造を採用することで、素子の製造にあたって、また磁気検出素子としての性能面においても、実用に適したかたちで縦型ホール素子が実現されるようになる。
また、請求項21に記載の発明によるように、この請求項20に記載の縦型ホール素子において、前記電流供給対の一端を、前記電圧出力対に挟まれるかたちで配されたものとすれば、前記磁気検出部に流れる電流に対して生じるホール電圧を電圧出力対を通じて確実にとらえることができるようになる。
さらに、この請求項21に記載の構造に関しては、請求項22に記載の発明によるように、前記電流供給対を、一端が前記電圧出力対に挟まれ、他端が前記電圧出力対に関して線対称に配されたものとすることで、前記磁気検出部(ホールプレート)を横方向に流れる電流(基板表面に平行に流れる電流成分)に対して生じるホール電圧が打ち消されるようになり、検出対象とする磁界成分を、すなわち基板表面(チップ面)に平行な磁界成分を精度良く検出することができるようになる。
また一方、縦型ホール素子としての構造の簡素化を図る上では、請求項23に記載の発明によるように、前記電流供給対を、一端が前記電圧出力対に挟まれ、他端が前記電圧出力対を境にして一方側のみに配されたものとすることが有効である。
さらに、上記請求項20〜23のいずれか一項に記載の縦型ホール素子に関しては、請求項24に記載の発明によるように、前記電流供給対および前記電圧出力対を、互いに直交するかたちで配された配置(レイアウト)にすることが有効である。すなわち、こうしたレイアウトによれば、簡単な素子設計をもって良好な素子特性が得られることとなる。
また、請求項25に記載の発明では、請求項1〜24のいずれか一項に記載の縦型ホール素子において、前記電流供給対および前記電圧出力対の各端部を、前記半導体基板の表面における不純物濃度の選択的に高められた部分として配設されたものとする。
こうした構造によれば、それら各端部に配設される電極(配線)との間に良好なオーミックコンタクトが形成されるようになり、ひいてはより優れた電気特性が得られるようになる。
また、上記請求項20〜25のいずれか一項に記載の縦型ホール素子に関しては、請求項26に記載の発明によるように、前記電圧出力対の少なくとも一端において、前記ホール電圧信号が抵抗値を可変とする配線を介して出力されるようにした構造とすることが有効である。こうした構造によれば、前記ホール電圧信号に関する上記配線の抵抗値の調整を通じて前記ホール電圧信号の大小を調整して、前述したオフセット電圧を補正、低減することが可能になる。
具体的には、例えば請求項27に記載の発明によるように、前記抵抗値を可変とする配線を、各異なる抵抗値をもつ複数の配線がそれぞれ一時的もしくは永続的に断線可能な態様をもって互いに電気的に並列に接続されたものとする。この場合、例えばスイッチング素子やトリミング等を通じて、上記並列接続された複数の配線のいずれか、もしくはその組み合わせを任意に選択することができる。このため、磁界が印加されていないときに幾らかの出力電圧、すなわちオフセット電圧が生じている場合には、その選択を通じて前記電圧出力対の少なくとも一端における配線を所望の抵抗値として、オフセット電圧を「0V」に近づけるように補正することができるようになる。すなわち、前述したオフセット電圧を補正、低減することが可能になる。
また、請求項1〜27のいずれか一項に記載の縦型ホール素子に関しては、請求項28に記載の発明によるように、前記磁気検出部に供給される前記基板の表面に垂直な成分を含む電流が、少なくとも前記磁気検出部においては前記基板の表面に対し斜めの方向へ流れるよう導かれるような構造とすることが有効である。
基板表面(チップ面)に平行な磁界成分を検出するという縦型ホール素子としての本来の機能は、基板表面に垂直な成分を含む電流を前記磁気検出部に流すことができれば満足、維持され、基板表面に垂直な成分のみからなる電流(もしくはこの成分を主に含む電流)を前記磁気検出部に流すことは必須の構成ではない。そこで、この発明による上記構造を採用することとすれば、基板表面に垂直な成分を含む電流(斜め方向の電流)が前記磁気検出部に供給されることで縦型ホール素子としての本来の機能が維持されるとともに、基板表面に垂直な電流を流すことにとらわれて今まで制約されてきた素子に関する設計自由度についてもこれが大きく高められることになる。
また、上記請求項1〜28のいずれか一項に記載の縦型ホール素子に関しては、請求項29に記載の発明のように、
・前記半導体基板をN型に、また前記半導体領域をP型にした構造。
あるいは請求項30に記載の発明のように、
・前記半導体基板をP型に、また前記半導体領域をN型にした構造。
といった構造を採用することが好ましい。
さらに、これらの構造も含めた上記請求項1〜30のいずれか一項に記載の縦型ホール素子においては、請求項31に記載の発明のように、前記半導体基板を、ビエゾ抵抗効果に起因した応力印加に伴う抵抗変化を他の面方位よりも小さくする面方位にカット面を有するものとすることで、例えばパッケージングの際などに応力の印加(ビエゾ抵抗効果)に起因して生じる前述したオフセット電圧についてもこれが好適に低減されるようになる。
例えば前記半導体基板をシリコン基板とする場合には、請求項32に記載の発明によるように、この基板として、そのカット面を(100)面とするものを採用することで、上記応力の印加に起因するオフセット電圧の発生は好適に抑制されるようになる。
また、上記請求項1〜31のいずれか一項に記載の縦型ホール素子における、前記半導体基板の材料に関しては、例えば請求項33に記載の発明によるように、
・シリコンおよびゲルマニウムのいずれか一方。
あるいは請求項34に記載の発明によるように、
・化合物半導体。
等々の材料を採用することができる。さらに、請求項34に記載の材料に関しては、請求項35に記載の発明によるように、
・GaAsおよびInSbおよびInAsのいずれか1つ。
とすることが望ましい。これら材料は温度特性等に優れ、当該ホール素子の高感度化を図る上で特に有効である。
また、請求項36に記載の発明では、上記請求項1〜35のいずれか一項に記載の縦型ホール素子において、電気的に直列に接続される複数の素子を1チップに集積化して磁気センサを構成させるようにする。
このように複数のホール素子を直列に接続することで、センサ全体としての出力電圧(ホール電圧信号)が大きくなり、当該磁気センサとしての磁気検出感度(いわゆる積感度)が大きく高められるようになる。
一方、請求項37に記載の発明では、上記請求項1〜35のいずれか一項に記載の縦型ホール素子において、電気的に並列に接続される複数の素子を1チップに集積化して磁気センサを構成させるようにする。
このように複数のホール素子を並列に接続することで、センサ全体としての出力電圧(ホール電圧信号)、さらにはオフセット電圧(不平衡電圧)が平均化され、当該磁気センサとしての磁気検出精度が高く維持されるようになる。
また、上記請求項1〜37のいずれか一項に記載の縦型ホール素子に関しては、請求項38に記載の発明によるように、対向するかたちで配設された別の素子と対(ペア)をなすかたちで1チップに集積化されて磁気センサを構成するようにすることで、それら対向配置されて対をなすホール素子の出力電圧(ホール電圧)を平均化したり、それらホール素子の出力を切り替えたりするなどして、磁気センサとしての検出精度を高めることが可能になる。
またこの場合、請求項39に記載の発明によるように、前記対をなす2つの素子を、いずれもチップとして切り出された基板の側面に対して45°傾けられて配置されるものとすることで、素子外部から印加される種々の応力の影響を受けにくくなる。これにより、それら各ホール素子のオフセット電圧が好適に低減され、磁気センサとしての検出精度がさらに高められることとなる。
また、上記請求項1〜39のいずれか一項に記載の縦型ホール素子に関しては、請求項40に記載の発明によるように、複数の素子が1チップに集積化され、且つ、これら複数の素子を、前記半導体基板の原子配列を等しくする結晶方位に配した構造とすることが有効である。
通常、ホール素子の出力電圧(ホール電圧信号)は、磁気検出部(ホールプレート)のキャリア移動度に比例する。そして、こうしたキャリア移動度は、結晶構造(より詳しくは原子配列)に依存する傾向にある。また、前述した素子外部からの応力の印加に伴うピエゾ抵抗効果の影響も、同じく結晶構造に依存する傾向にある。このため、複数のホール素子を1チップ(同一の基板)に集積化する場合には、その基板のいずれの結晶方位(面方位)にそれらホール素子を配置するかが重要となる。この点、上記構造のように、それらホール素子を前記半導体基板の原子配列を等しくする結晶方位に配することとすれば、これらホール素子について良好なペア性が得られることとなる。すなわち、出力電圧(ホール電圧信号)や、ピエゾ抵抗効果に起因した応力の印加に伴う抵抗変化などについて、これらホール素子間でのばらつきが抑制され、ひいては磁気センサとして高い検出精度が得られるようになる。
また、上記請求項1〜40のいずれか一項に記載の縦型ホール素子に関しては、請求項41に記載の発明によるように、複数の素子が互いに近接して1チップに集積化され、且つ、それら近接する複数の素子の周囲を囲繞する態様でトレンチアイソレーションが設けられた構造とすることで、素子外部から印加される種々の機械的な応力の影響が周囲のトレンチアイソレーションによって緩和され、より良好なペア性が得られるようになる。
さらに、こうした請求項1〜41のいずれか一項に記載の縦型ホール素子に関しては、例えば請求項42に記載の発明によるように、
・異なる角度から印加される磁界を検出する態様で複数の素子を1チップに集積化して磁気センサを構成させるようにした構造。
あるいは請求項43に記載の発明によるように、
・前記半導体基板の表面に垂直な磁界成分を検出する横型ホール素子と共々、直交配置された2つの素子を1チップに集積化して、互いに直交する3軸方向からの磁界を検出する3次元磁気センサを構成させるようにした構造。
等々の構造をもって所要の磁気センサを実現することができる。
また、請求項44に記載の発明によるように、上記請求項1〜43のいずれか一項に記載の縦型ホール素子を、当該ホール素子から出力されるホール電圧信号に対して所定の信号処理を行う信号処理回路と共々1チップに集積化して、所定の方向から印加される磁界を検出する磁気センサを構成させるようにした構造とすれば、いわゆるホールICとして簡素な構造で所要の磁気センサを形成することができるようになる。
また、請求項45に記載の発明によるように、請求項1〜44のいずれか一項に記載の縦型ホール素子は、周辺回路としてCMOS回路を有するものとすることが有効である。
前述したように、これらの構造は、通常のCMOS工程によって容易に形成することができる特長を有する。このため、用途に応じて素子周辺に設けられて、例えば信号処理回路や、オフセット電圧補正回路、あるいは温度補償回路等として機能する上記周辺回路についてもこれを、CMOS回路によって実現することが望ましい。こうした構成によれば、請求項47に記載の発明によるように、前記周辺回路としてのCMOS回路の製造工程を共用するかたちで当該ホール素子を製造することが可能になる。そして、こうした製造方法によれば、製造工程数の大幅な削減が図られるようになる。
他方、請求項48に記載の発明では、半導体基板内に所定の導電型からなる半導体領域が形成されてなり、同基板の表面に垂直な成分を含む電流が前記半導体領域内の磁気検出部に供給された状態で、同基板の表面に平行な磁界成分が前記磁気検出部に印加されるとき、その磁界成分に対応するホール電圧信号を出力する縦型ホール素子を製造する方法として、前記半導体基板に導電型不純物を添加し、拡散させることによって前記半導体領域を形成するようにする。
こうした製造方法によれば、単一の導電型からなる基板をはじめとして、エピタキシャル基板やSOI(Silicon On Insulator)基板等に対しても、縦型ホール素子を形成(製造)することが可能になる。
そしてこの場合、例えば請求項49に記載の発明によるように、前記半導体領域の形成を、前記半導体基板の表面へイオン注入を行って前記導電型不純物を添加した後、これに熱処理を施して同導電型不純物を拡散させることによって行うこととする。こうした方法によれば、周知の半導体プロセスをもって容易に、上記請求項3に記載の構造などを実現することができるようになる。
また、請求項50に記載の発明では、前記半導体領域の形成を、裏面側に相対的に不純物濃度の高められた高濃度領域を備える第1の基板と表面側に拡散ストッパ膜を備える第2の基板とをそれら裏面および表面にて貼り合わせてこれを前記半導体基板とするとともに、この半導体基板に熱処理を施して前記高濃度領域に含まれる導電型不純物を拡散させることによって行うこととする。こうした方法によれば、SOI基板の製造などにおいて周知の貼合わせ法をもってより容易に、上記請求項4に記載の構造などを実現することができるようになる。
また、請求項51に記載の発明では、前記半導体領域の形成を、表面側に相対的に不純物濃度の高められた高濃度領域が異なる導電型で交互に積層形成された基板を用い、この基板の表面に前記高濃度領域よりも低濃度なエピタキシャル膜をさらに形成してこれを前記半導体基板とするとともに、この半導体基板に熱処理を施して前記エピタキシャル膜に隣接する高濃度領域に含まれる導電型不純物を前記エピタキシャル膜へ拡散させることによって行うこととする。こうした方法では、前記エピタキシャル膜に隣接する高濃度領域に含まれる導電型不純物を前記エピタキシャル膜へ拡散させるに際し、前記エピタキシャル膜の反対側でその高濃度領域と隣接する異なる導電型の高濃度領域がいわゆる拡散ストッパ膜として機能するようになる。すなわちこの方法によっても、周知の半導体プロセスをもって容易に、上記請求項4に記載の構造などを実現することができるようになる。
また、請求項52に記載の発明では、前記半導体領域の形成を、前記半導体基板へ高加速度のイオン注入を行って同基板内部に相対的に不純物濃度の高められた高濃度領域を形成した後、これに熱処理を施してその高濃度領域に含まれる導電型不純物を前記半導体基板の表面側および裏面側へそれぞれ拡散させることによって行うこととする。こうした方法によれば、SOI基板の製造などにおいて周知の高加速度のイオン注入法をもって容易に、上記請求項5に記載の構造などを実現することができるようになる。
またさらに、請求項53に記載の発明では、前記半導体領域の形成を、半導体からなる基板の表面に相対的に不純物濃度の高められた高濃度領域を形成した後、さらに同表面に前記高濃度領域よりも低濃度なエピタキシャル膜を形成してこれを前記半導体基板とするとともに、この半導体基板に熱処理を施して前記高濃度領域に含まれる導電型不純物を同基板の表面側および裏面側へそれぞれ拡散させることによって行うこととする。こうした方法によっても、周知の半導体プロセスをもって容易に、上記請求項5に記載の構造などを実現することができるようになる。
以下、この発明に係る縦型ホール素子およびその製造方法についてその第1の実施の形態を示す。
まず、図1を参照して、この実施の形態に係る縦型ホール素子の概略構造について説明する。なお、この図1において、図1(a)はこのホール素子の平面構造を模式的に示す平面図、図1(b)は図1(a)のL1−L1線に沿った断面図、図1(c)は図1(a)のL2−L2線に沿った断面図である。
同図1(a)〜(c)に示されるように、このホール素子は、例えば(100)面をカット面とするP型のシリコン基板(P−sub)に、すなわち単一の導電型からなる半導体基板に形成される。具体的には、このホール素子は、例えばP型のシリコンからなる半導体層(P−sub)11と、基板表面に例えばN型の導電型不純物が導入されて拡散層(ウェル)として形成されたN型の半導体領域(Nウェル)12とを有して構成されている。さらに詳しくは、この半導体領域12は、半導体基板(半導体層11)に囲繞されるかたちで形成されている。
ところで、シリコン基板においては、面方位(100)が、ビエゾ抵抗効果に起因した応力印加に伴う抵抗変化を他の面方位よりも小さくする面方位に相当する。このため、上記のように、半導体基板として(100)面をカット面とするシリコン基板を採用することで、例えばパッケージングの際などに応力の印加(ピエゾ抵抗効果)に起因して生じるオフセット電圧は低減されるようになる。
また、シリコン等の半導体材料はP型からなる半導体よりもN型からなる半導体のほうが大きなキャリア移動度をもっているため、上記半導体領域12の材料としては、N型の半導体材料(例えばシリコン)を用いることが望ましい。しかし、製造工程や構造上の条件等に応じてP型の半導体材料(P-層)を採用することも可能である。また、この半導体領域12の不純物濃度が低く(薄く)なるほど、同領域におけるキャリア移動度は大きくなるため、磁気検出素子としての感度を上げる、すなわち出力電圧として大きな電圧を得るためには、同半導体領域12の不純物濃度を低く(薄く)することが望ましい。ただしその一方で、この半導体領域12のキャリア移動度が大きくなるほど、ここで発生するホール電圧の温度特性は逆に悪化する(温度変化に伴う電圧変化が大きくなる)ため、この半導体領域12の不純物濃度は、これらを考慮しつつ最適な値に設定することがより望ましい。この半導体領域12の不純物濃度は、例えば「1.0×1014/cm3〜1.0×1017/cm3」に設定される。
そして、このホール素子においても上記半導体層11に、当該ホール素子を他の素子と素子分離すべく例えばP型からなる拡散層(P型拡散分離壁)14が形成されている。そして、半導体領域12の表面にあってこの拡散層14にて囲まれる領域(活性領域)には、同表面の不純物濃度(N型)が選択的に高められるかたちでコンタクト領域(N+拡散層)13a〜13eが形成されている。これにより、これら各コンタクト領域とそこに配設される電極(配線)との間に良好なオーミックコンタクトが形成されることになる。そしてこれらコンタクト領域13a〜13eは、そこに配設される各電極(配線)を介して、それぞれ端子SおよびG1およびG2およびV1およびV2と電気的に接続される。なお、このホール素子において、上記コンタクト領域13bおよび13cは、それぞれコンタクト領域13aと対をなして電流供給対を形成するものであり、一方、上記コンタクト領域13dおよび13eは、電圧出力対の各端部に相当するものである。
また、拡散層14にて囲まれる領域(活性領域)は、図1(a)に示されるように、各拡散層によるpn接合分離を通じて、P型の拡散層(P型拡散分離壁)14aおよび14bを互いに隔てた領域12a〜12cに分割されている。ここで、拡散層14aおよび14bは、半導体領域12よりも浅い拡散深さをもち、半導体領域12の底面近傍を選択的に狭めて電流通路を形成している。そして、図1(c)に示されるように、上記領域12a〜12cにおいては、基板内部においても電気的に区画された領域が形成されている。
さらに詳しくは、これら領域においては、領域(素子領域)12aに上記コンタクト領域13aおよび13dおよび13eが、領域12bに上記コンタクト領域13bが、領域12cに上記コンタクト領域13cがそれぞれ形成されている。そして、コンタクト領域13aは、コンタクト領域13bおよび13cとこれらコンタクト領域に直交するコンタクト領域13dおよび13eとの双方に挟まれるかたちで配置されている。すなわち、同コンタクト領域13aは、上記拡散層14aおよび14bを隔ててコンタクト領域13bおよび13cの各々に対向するような配置となっている。
このホール素子においては、上記領域12aの基板内部に電気的に区画される領域にあって上記コンタクト領域13dおよび13eにて挟まれる領域が、いわゆる磁気検出部(ホールプレート)HPとなる。すなわち、このホール素子では、ここに印加される磁界に対応するホール電圧信号を生じさせることになる。なおここでは、電流供給対の一端に相当する上記コンタクト領域13aが電圧出力対に相当する上記コンタクト領域13dおよび13eに挟まれ、電流供給対の他端に相当する上記コンタクト領域13bおよび13cが電圧出力対に関して線対称に配されている。これにより、磁気検出部HPを横方向に流れる電流(基板表面に平行に流れる電流成分)に対して生じるホール電圧が打ち消され、ひいては検出対象とする磁界成分を、すなわち基板表面に平行な磁界成分を精度良く検出することができるようになる。さらに、拡散層14aおよび14bが設けられていることで、横方向(基板表面に平行な方向)への電流がこれらに阻止され、これによっても検出精度の向上が図られている。
ここで例えば、上記端子Sから端子G1へ、また端子Sから端子G2へそれぞれ一定の駆動電流を流すと、その電流は、基板表面に形成されたコンタクト領域13aから磁気検出部HP、そして拡散層14aおよび14bの下方を通じて、コンタクト領域13bおよび13cへとそれぞれ流れる。すなわちこの場合、上記磁気検出部HPには、基板表面(チップ面)に垂直な成分を含む電流が流れることになる。このため、この駆動電流を流した状態において、基板表面(チップ面)に平行な成分を含む磁界(例えば図1中に矢印Bで示される磁界)が当該ホール素子の磁気検出部HPに印加されたとすると、前述したホール効果によって、上記端子V1と端子V2との間にその磁界に対応するホール電圧VHが発生する。したがって、それら端子V1およびV2を通じてその発生したホール電圧信号を検出することで、図41に示した先の関係式「VH=(RHIB/d)cosθ」に基づき検出対象とする磁界成分が、すなわち当該ホール素子に用いられる基板の表面(チップ面)に平行な磁界成分が求められることとなる。ちなみに、このホール素子では、図1中に示す寸法dが磁気検出部(ホールプレート)の厚さ(上記関係式中の「d」)に相当する。また、このホール素子において駆動電流を流す方向は任意であり、上記駆動電流の方向を反対にして磁界(磁気)の検出を行うこともできる。
このように、この実施の形態に係る縦型ホール素子では、半導体基板(半導体層11)の表面にN型の導電型不純物を添加、拡散して上記半導体領域12を拡散層(ウェル)として形成するようにした。この実施の形態にみられるように、これにより、単一の導電型からなる基板についてもこれを当該ホール素子の基板(半導体基板)として採用することができるようになる。すなわち、当該ホール素子の形成に用いる基板の選択自由度が高められることになる。しかもこの実施の形態に係る縦型ホール素子では、下部電極としての埋込層(例えば図43もしくは図44中の埋込層BL)が形成されていないことから、この埋込層を形成する際のマスク合わせ誤差による位置ずれ(アライメントずれ)や、これに起因するオフセット電圧の増大を招くことがない。また、拡散層からなる上記埋込層は、抵抗温度変化率(Ω/℃)が不純物濃度に相関したものとなる。そしてこの埋込層の不純物濃度は、埋込層を形成する際の製造条件等に影響を受けるものである。このため、例えば上記埋込層を備えるホール素子を大量生産したり、あるいは同一基板上にこうしたホール素子を多数形成したりする場合には、それら素子間で埋込層の不純物濃度にばらつきが生じることは避けられず、すなわちそれら素子間で磁気検出感度の温度特性(温度係数)にばらつきが生じるようになる。さらに、こうした温度特性のばらつきを補償する温度補償回路を備えるホール素子にあっては、その回路規模の大型化が避けられないものとなる。この点、この実施の形態に係る縦型ホール素子では、拡散層からなる上記埋込層が形成されていないため、温度特性の面でも優れたものとなっている。
次に、図2を参照して、このホール素子の構造、すなわち上記半導体領域12や各分離壁の濃度分布(濃度プロファイル)についてさらに詳しく説明する。なお、この図2は、図1に示した縦型ホール素子について、同図1中のL2−L2線に沿った断面を露出させるかたちで切り取ったときの斜視図である。また、この図2において、先の図1に示した要素と同一の要素には各々同一の符号を付して示している。
ところで、半導体基板の表面から不純物を添加し、それを拡散させて拡散層を形成する場合、形成される拡散層の幅は同基板の表面から深くなるにつれて狭くなる。このため、こうした拡散層によって磁気検出部(ホールプレート)が区画形成された縦型ホール素子では、例えば先の図43に例示した縦型ホール素子では、磁気検出部HPを流れる電流がより深い位置へ進むほど広がってしまい、磁気検出素子としての感度の低下を招く問題があった。この点、この実施の形態に係る縦型ホール素子では、図2に点・斜線ハッチングの疎密で示す(高濃度ほど密)ように、磁気検出部HPを内部に有する半導体領域12、さらには磁気検出部HPを区画形成する拡散層14aおよび14bが、基板表面に最高濃度をもって同表面から深くなるにつれて徐々に低濃度に(薄く)なるような濃度分布を有している。このため、これらp・n領域の濃度に依存する空乏層の幅と、基板表面から深くなるにつれて狭くなる拡散層14aおよび14bの幅とが互いに補完し合って、磁気検出部HPは基板表面に略垂直な方向に沿って区画されることとなる。これにより、磁気検出部HPにおける上記電流の広がりが抑制され、同磁気検出部HPを基板表面に垂直な方向へ流れる電流成分を相対的に増加させることができ、ひいては磁気検出素子としての感度(いわゆる積感度)の向上が図られるようになる。
図3は、このホール素子の一部をさらに拡大して半導体領域12の濃度分布をより詳細に示す断面図である。なお、この図3においても、不純物濃度の大小をハッチング(点ハッチング)の疎密(高濃度ほど密)で示すようにしている。また、図中の矢印は電流の流れる方向を示している。
前述したように、またこの図3に示すように、半導体領域12は、半導体基板の表面に最高濃度をもって、同表面から裏面側へ進むにつれて低濃度になる態様で形成されている。ここで例えば、コンタクト領域13aからコンタクト領域13cへ電流を供給したとすると、その電流は、より抵抗の小さい(低い)部分、すなわち不純物濃度の濃い部分を流れるようになる。すなわちこの電流は、同図3中の矢印に示されるように、拡散層14bの直下を通ることになり、磁気検出部HPにおいては基板表面に対して斜めの方向に流れるようになる。
ちなみに、先の図43に例示した縦型ホール素子においては、半導体領域32がエピタキシャル層として形成されている。すなわち、同半導体領域32内の濃度分布は略一定になって、深さ方向に関する空乏層の幅変化は十分に得られず、上述の電流の広がりに起因する感度低下は避けられないものとなっている。一方、図44に例示した縦型ホール素子では、埋込層BLの幅が狭められることにより、上記電流の広がりが幾らか抑制されるようになる。しかしながら、埋込層BLのレイアウト変更を伴うため、オフセット電圧(不平衡電圧)についてはこれを逆に増大させてしまうことが懸念される。この実施の形態に係る縦型ホール素子によれば、オフセット電圧の増大を招くことなく、磁気検出素子としての感度の向上が図られるようになる。
また、図2中の寸法aは、拡散層14aおよび14bによって上記半導体領域12の底面近傍に形成される電流通路の幅、より詳しくはその深さ方向の幅を示している。当該ホール素子の高感度化を図る上では、拡散層14aおよび14bを深く形成すること、すなわちこの電流通路の幅寸法aを狭くすることが有効である。これは、発明者の実験やシミュレーションによって確認されたものである。
図4に、発明者によるシミュレーション結果の1つをグラフとして示す。なお、この図4のグラフにおいて、縦軸はホール電圧を、横軸は拡散層(Pウェル)14aおよび14bの拡散深さ(Xj)をそれぞれ示している。
同図4に示されるように、拡散層14aおよび14bの拡散深さが「2μm」以上になるところから、出力電圧(ホール電圧)の増大がみられる。さらに、「3μm」以上になるところでは、この増大の比率が明らかに大きくなっている。そこで、この実施の形態に係る縦型ホール素子では、上記拡散層14aおよび14bを、少なくとも「2μm」以上の拡散深さをもって形成されたものとしている。図4のグラフからも明らかなように、こうすることで、磁気検出部HPに流れる電流の横方向(基板表面に平行な方向)への広がりは効果的に抑制され、磁気検出素子としての感度の向上が図られるようになる。そしてより好ましくは、これら拡散層14aおよび14bの拡散深さを「3μm」以上にすることが望ましい。
またこの実施の形態においては、当該ホール素子から出力されるホール電圧信号に対して所定の信号処理を行う信号処理回路や、オフセット電圧の演算補正を行う補正回路、あるいは温度補償回路等を、当該ホール素子の周辺回路として設けた磁気センサを想定している。図5は、こうした周辺回路も含めて当該ホール素子の概略構造を模式的に示す平面図である。なお、図5(a)はそのホール素子の平面図、図5(b)は図5(a)のL1−L1線に沿った断面図である。この図5においても、先の図1に示した要素と同一の要素には各々同一の符号を付して示している。
同図5に示されるように、この実施の形態においては、当該ホール素子10の周辺回路として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)回路等からなる回路(回路部)C10を採用するようにしている。この回路C10は、半導体層11、N型の半導体領域(Nウェル)C12、P型の拡散層(Pウェル)C13を、各々のチャネルとするFET(Field Effect Transistor)等を有して構成されている。これらFETは、N型の拡散層(N+拡散層)C13a〜C13d、並びにP型の拡散層(P+拡散層)C13eおよびC13fを、ソースおよびドレインとして有して構成されている。そしてチャネルに電圧を印加してそれらソース・ドレイン間の電流量を制御すべく、例えば酸化シリコンからなるゲート絶縁膜I1a〜I1cと、例えば多結晶シリコン等からなるゲート電極G1a〜G1cとをさらに備える。そしてこれらFETは、LOCOS(Local Oxidation Of Silicon)構造をとるフィールド酸化膜(LOCOS酸化膜)CL1によって互いに素子分離されている。さらにこの上には、例えばPSG(Phospho Silicate Glass)等からなる絶縁膜15が形成されている。そして上記拡散層C13a〜C13fが、この絶縁膜15に形成されたコンタクトホールを介してそれぞれ例えばアルミニウム等からなる配線(電極)C16a〜C16fと電気的に接続されている。
このように、この実施の形態に係る縦型ホール素子は、その周辺回路としてCMOS回路を有する。これにより、次のような効果が期待できるようになる。
・微細化、すなわち高集積化が可能であるため、例えば補正回路として用いた場合には、ホール素子に対して精度の高い補正を行うことができるようになる。
・高速な回路を組み込むことができるようになる。例えば、回転センサ等に当該ホール素子が採用される場合には、高速な回転等を精度良く検出することを要求される場合がある。こうした場合にも、周辺回路にCMOS回路を用いるようにすれば、高速な回路を組み込むことで応答速度が高められ、高速な回転等も精度良く検出することができるようになる。
・消費電力が少ない。すなわち、周辺回路にCMOS回路を用いることで、待機電力を含めた消費電力を抑えることができ、ひいては省エネルギー化が図られるようになる。また、バッテリ等を長持ちさせることもできるようになる。
・さらに、高集積化が可能であるため、ホール素子とともに当該周辺回路を1チップ化することで、1チップあたりのコストを抑えることができる。すなわち、低コスト化が図られるようになる。
また、この実施の形態に係る縦型ホール素子においては、電圧出力対に相当するコンタクト領域13dおよび13e(図1)から出力されるホール電圧信号が抵抗値を可変とする配線を介して出力されるようになっている。図6および図7に、こうした配線の配設態様を模式的に示す。なお、図6は、ホール素子全般に共通する態様としてこれを示す回路図であり、また図7は、この実施の形態に係る縦型ホール素子に実際に適用した場合の態様としてより具体的にこれを示す回路図である。これら図中の抵抗Rは、いずれも同一の抵抗値を有するものである。
同図6および図7に示すように、この実施の形態においては、縦型ホール素子10と電圧出力用の端子V1およびV2(電圧出力対)との間に、互いに電気的に並列に接続された各異なる抵抗値をもつ複数の配線が介挿されている。そして、これら並列接続された複数の配線は、それぞれスイッチング素子SW11〜SW14およびSW21〜SW24にて一時的また永続的に断線可能となっている。すなわち、これらスイッチング素子SW11〜SW14およびSW21〜SW24をオン/オフ制御することで、上記並列接続された複数の配線のいずれか、もしくはその組み合わせを任意に選択することができる。このため、磁界が印加されていないときに幾らかの出力電圧、すなわちオフセット電圧が生じている場合には、その選択を通じて上記電圧出力用の端子V1およびV2(電圧出力対)との間に介挿される配線を所望の抵抗値として、オフセット電圧を「0V」に近づけるように補正することができることになる。このように、この実施の形態に係る縦型ホール素子では、オフセット電圧(不平衡電圧)を補正、低減することが可能になる。
次に、図8および図9を参照して、この実施の形態に係る縦型ホール素子の製造方法について詳述する。なお、これら各図は、先の図5(b)の断面図に対応した断面図であり、先の図5(b)に示した要素と同一の要素には各々同一の符号を付して示している。すなわち、周辺回路としての回路(回路部)C10と当該ホール素子(ホール素子部)10とを同時に形成する場合の製造方法について説明する。
この製造に際しては、まず、図8(a)に示すように、例えば(100)面をカット面とするP型のシリコンからなる基板(半導体層11)を用意する。そして、図8(b)に示すように、例えばフォトリソグラフィによりパターニングされた適宜のマスクを用いてその半導体層11の表面に対して例えばリン等からなるN型不純物のイオン注入を行った後、これに適宜の熱処理を施して、N型の半導体領域12およびC12を拡散層(Nウェル)として形成する。
その後、図8(c)に示すように、例えばフォトリソグラフィによりパターニングされた適宜のマスクを用いて所望の箇所に例えば硼素(ボロン)等からなるP型不純物のイオン注入を行った後、これに適宜の熱処理を施して、P型の拡散層(Pウェル)14および14aおよび14b、並びに拡散層(Pウェル)C13を形成する。
このとき、半導体領域12、並びに拡散層14aおよび14bの不純物濃度は、両者の間に空乏層が形成された後においても半導体領域12の底面近傍に電流通路が確保されるように調整される。これにより、両者の間に形成される空乏層の幅が適切な幅とされ、これによって上記電流通路が塞がれることもなくなり、前述した埋込層(図43もしくは図44参照)を設けない場合であれ、縦型ホール素子としての機能が適正に維持されるようになる。この製造方法によれば、こうして不純物濃度を調整するだけで容易に上記電流通路が確保されるようになる。
次に、図9(a)に示す構造とすべく、例えば周知の選択酸化法により、LOCOS構造をとるフィールド酸化膜(LOCOS酸化膜)CL1を所望の箇所に選択的に形成する。具体的には、酸化シリコン膜(パッド酸化膜)および窒化シリコン膜を順に成膜するとともに、例えばフォトリソグラフィによりその窒化シリコン膜を選択的に除去して所望の箇所に開口部を形成する。そして、この窒化シリコン膜に覆われていない開口部のみを局所的に熱酸化してそこに上記LOCOS酸化膜CL1を形成するとともに、上記形成した酸化シリコン膜(パッド酸化膜)および窒化シリコン膜を除去する。
続けて、例えば熱酸化により、酸化シリコン等からなるゲート絶縁膜I1a〜I1cを形成した後、それらゲート絶縁膜I1a〜I1cの上に、それぞれ例えば多結晶シリコンからなるゲート電極G1a〜G1cを形成する。具体的には、例えばLP−CVD(減圧化学気相成長)により多結晶シリコン膜を成膜するとともに、例えば熱拡散によりリン(P)等の導電型不純物をその成膜した多結晶シリコン膜に添加する。その後、その多結晶シリコン膜を選択的にエッチングすることによって、所望とされる箇所に上記ゲート電極G1a〜G1cを形成する。
次いで、例えばフォトリソグラフィによりパターニングされた適宜のマスクを用いて所望の箇所に、例えば砒素等からなるN型不純物、並びに例えば硼素(ボロン)等からなるP型不純物のイオン注入を行った後、これに適宜の熱処理を施す。こうして、図9(b)に示すように、コンタクト領域13a〜13e(ここでは便宜上、コンタクト領域13a〜13cのみ図示)や、拡散層(ソース・ドレイン)C13a〜C13fが形成されることとなる。なお、拡散層C13a〜C13fについては、上記LOCOS酸化膜CL1やゲート電極G1a〜G1cをマスクとして用いて自己整合的に形成することもできる。またこの際、サイドウォールやシリサイド等の形成も必要に応じて行われる。
さらにこの上に、例えば熱CVDにより、PSG(Phospho Silicate Glass)等からなる絶縁膜15を形成するとともに、同絶縁膜15を適宜パターニングして所望の箇所にコンタクトホールを形成する。そして、それらコンタクトホールを埋め込むかたちで、例えばアルミニウム等からなる配線材料を成膜するとともに、この成膜した配線材料を適宜パターニングする。こうして、図9(c)に示すように、上記コンタクト領域や拡散層(ソース・ドレイン)との間にそれぞれ良好なオーミックコンタクトを形成する配線(電極)16a〜16cおよびC16a〜C16fが形成されることとなる。そしてこれにより、先の図5に示した縦型ホール素子およびその周辺回路が完成することになる。
このように、この実施の形態に係る縦型ホール素子の製造方法では、周辺回路としてのCMOS回路(回路C10)の製造工程を共用するかたちで、当該ホール素子10を製造するようにしている。これにより、当該ホール素子の製造工程数の大幅な削減が図られるようになる。
以上説明したように、この実施の形態に係る縦型ホール素子およびその製造方法によれば、以下のような多くの優れた効果が得られるようになる。
(1)上記半導体領域12を、半導体基板に導電型不純物が添加、拡散されるかたちで形成された拡散層(Nウェル)からなるものとした。これにより、単一の導電型からなる基板についてもこれを当該ホール素子の基板(半導体基板)として採用することができるようになる。すなわち、当該ホール素子に用いられる基板の選択自由度についてこれを大きく高めることが可能になる。
(2)当該ホール素子の基板として、単一の導電型からなる半導体基板を用いるようにした。単一の導電型からなる半導体基板は通常、前述したエピタキシャル基板と比べて低価格(低コスト)で手に入れることができる。すなわち上記構造によれば、低コスト化が図られるようになる。
(3)上記半導体領域12を、半導体基板の表面に最高濃度をもって、同表面から裏面側へ進むにつれて低濃度になる態様で形成されるものとした。これにより、この実施の形態でも説明したように、例えばイオン注入等によって基板表面に導入した導電型不純物を熱処理で拡散させるなど、周知の半導体プロセスをもって容易に上記半導体領域12を形成することが可能になる。
(4)N型の半導体領域12を、P型の半導体基板(半導体層11)に囲繞されるかたちで形成した構造とした。これにより、半導体領域12と半導体基板との間にpn接合が形成され、磁気検出部HPを内部に有する半導体領域12が、周囲の領域と電気的に区画分離された領域となる。すなわち、当該ホール素子は周辺回路等と好適に素子分離されるようになる。
(5)N型の半導体領域12内に、同半導体領域12の底面近傍を選択的に狭めて電流通路を形成するP型の拡散層(拡散分離壁)14aおよび14bが形成され、これら拡散層14aおよび14bによって磁気検出部HPが電気的に区画された構造とした。これにより、上記拡散層14aおよび14bによって半導体領域12内に磁気検出部HPが区画形成されるとともに、同半導体領域12の底面近傍に電流通路が確実に確保されることになる。そして、基板表面(チップ面)に平行な磁界成分を検出するという縦型ホール素子としての本来の機能が高く維持されるようになる。しかも、上記拡散層14aおよび14bは、通常のCMOS工程によって容易に形成することができるため、半導体領域12、並びに拡散層14aおよび14b、ひいては当該ホール素子自体を通常のCMOS工程によって容易に製造することが可能になる。
(6)N型の半導体領域12内に、同半導体領域12よりも浅い拡散深さをもって、P型の拡散層14aおよび14bが形成され、これら拡散層14aおよび14bによって磁気検出部HPが電気的に区画された構造とした。これによっても、上記(5)の効果と同様の効果が得られる。
(7)上記拡散層14aおよび14bを、少なくとも「2μm」以上の拡散深さをもって形成されたものとした。こうすることで、磁気検出部HPに流れる電流の横方向(基板表面に平行な方向)への広がりは効果的に抑制され、磁気検出素子としての感度の向上が図られるようになる(図4のグラフ参照)。より好ましくは、同拡散層14aおよび14bの拡散深さを「3μm」以上にすることが望ましい。
(8)上記拡散層14aおよび14bを、半導体基板の表面に最高濃度をもって、同表面から裏面側へ進むにつれて低濃度になる態様で形成されたものとした。これにより、磁気検出部HPにおける電流の広がりが抑制され、同磁気検出部HPを基板表面に垂直な方向へ流れる電流成分を相対的に増加させることができ、ひいては磁気検出素子としての感度(いわゆる積感度)の向上が図られるようになる。
(9)また、これらの構造を実現する製造方法として、半導体領域12、並びに拡散層14aおよび14bの不純物濃度を、両者の間に空乏層が形成された後においても半導体領域12の底面近傍に電流通路が確保されるように調整することとした。これにより、半導体領域12の底面近傍に電流通路が容易に確保されるようになる。しかもこの方法では、不純物濃度を調整するだけで上記電流通路が確保されるようになる。
(10)半導体領域12の表面に電流供給対および電圧出力対の各端部を有し、電流供給対の一端から供給されて磁気検出部HPに流れる基板表面に垂直な成分を含む電流に対して基板表面に平行な磁界成分が印加されるとき、その磁界成分に対応するホール電圧信号を上記電圧出力対の両端部に出力する構造とした。こうした構造を採用することで、素子の製造にあたって、また磁気検出素子としての性能面においても、実用に適したかたちで縦型ホール素子が実現されるようになる。
(11)電流供給対の一端に相当する上記コンタクト領域13aを、電圧出力対に相当する上記コンタクト領域13dおよび13eに挟まれるかたちで配されたものとした。これにより、磁気検出部HPに流れる電流に対して生じるホール電圧を電圧出力対を通じて確実にとらえることができるようになる。
(12)電流供給対の一端に相当する上記コンタクト領域13aを電圧出力対に相当する上記コンタクト領域13dおよび13eに挟まれるものとし、電流供給対の他端に相当する上記コンタクト領域13bおよび13cを電圧出力対に関して線対称に配されるものとした。これにより、検出対象とする磁界成分を精度良く検出することができるようになる。
(13)電流供給対および電圧出力対を、互いに直交するかたちで配された配置(レイアウト)にした。こうしたレイアウトによれば、簡単な素子設計をもって良好な素子特性が得られることとなる。
(14)上記電流供給対および電圧出力対の各端部を、コンタクト領域(N+拡散層)13a〜13eとして、すなわち半導体領域12の表面における不純物濃度の選択的に高められた部分として形成するようにした。これにより、電流を供給するもしくは取り出すために、あるいはホール電圧を検出するために、それら各領域に配設される電極(配線)との間に良好なオーミックコンタクトが形成されるようになる。
(15)電圧出力対に相当するコンタクト領域13dおよび13eから出力されるホール電圧信号が抵抗値を可変とする配線を介して出力されるようにした。そしてこの際、電圧出力用の端子V1およびV2(電圧出力対)への引き出し配線の一部として、それぞれ一時的また永続的に断線可能な態様をもって、互いに電気的に並列接続された各異なる抵抗値をもつ複数の配線を設けるようにした。これにより、オフセット電圧(不平衡電圧)を補正、低減することが可能になる。
(16)基板表面(チップ面)に垂直な成分を含む電流が少なくとも磁気検出部HPにおいて同基板表面に対し斜めの方向へ流れるよう導かれた構造とした。こうした構造によれば、基板表面に垂直な成分を含む電流(斜め方向の電流)が磁気検出部HPに供給されることで縦型ホール素子としての本来の機能が維持されるとともに、基板表面に垂直な電流を流すことにとらわれて今まで制約されてきた素子に関する設計自由度についてもこれを大きく高めることができるようになる。
(17)半導体基板として(100)面をカット面とするシリコン基板を採用することとした。これにより、例えばパッケージングの際などに応力の印加に起因して生じるオフセット電圧が好適に低減されるようになる。
(18)当該ホール素子に用いられる半導体基板の材料として、Si(シリコン)を採用した。周知のように、シリコンは半導体分野で広く使用されている材料である。電気的特性やコスト面等、様々な面において半導体デバイスに適した材料であり、当該ホール素子もその例外ではない。
(19)埋込層(図43および図44参照)をもたない構造とした。これにより、オフセット電圧の発生が抑制されるとともに、磁気検出感度に関する温度特性(温度係数)ばらつきの低減、ひいては温度補償回路の小型、縮小化が図られるようになる。
(20)当該ホール素子から出力されるホール電圧信号に対して所定の信号処理を行う信号処理回路と共々当該ホール素子を1チップに集積化して、所定の方向から印加される磁界を検出する磁気センサを構成させるようにした。これにより、前述した角度検出センサ等に用いて好適な磁気センサなどを、いわゆるホールICとして簡素な構造で実現することができるようになる。
(21)周辺回路としてCMOS回路からなる回路C10を備える構造とした。これにより、周辺回路としてのCMOS回路の製造工程を共用するかたちで当該ホール素子を製造することが可能になる。
(22)また、こうした製造方法によれば、製造工程数の大幅な削減が図られるようになる。
(23)半導体基板に導電型不純物を添加し、拡散させることによって、半導体領域12を形成するようにした。こうした製造方法によれば、単一の導電型からなる基板をはじめとして、エピタキシャル基板やSOI(Silicon On Insulator)基板等に対しても、縦型ホール素子の形成(製造)が可能になり、当該ホール素子の製造に用いる基板の選択自由度を大きく高めることができるようになる。
(24)またこの際、半導体基板の表面へイオン注入を行ってN型不純物を添加した後、これに熱処理を施してそのN型不純物を拡散させることにより、上記半導体領域12を形成することとした。こうした方法によれば、基板表面に最高濃度をもって同表面から裏面側へ進むにつれて低濃度になる、といった濃度分布を有する上記半導体領域12についてもこれを、周知の半導体プロセスをもって容易に形成することができるようになる。この構造は極めて簡単な、また安価な製造工程によって実現可能であるため、当該ホール素子を大量生産する場合等に用いて特に適している。
なお、上記第1の実施の形態では、半導体領域12、並びに拡散層14aおよび14bの不純物濃度を、両者の間に空乏層が形成された後においても半導体領域12の底面近傍に電流通路が確保されるように調整する製造方法を例示した。しかし、これも必須の工程ではなく、例えば上記拡散層14a、14bを周知のイオン注入法にて形成する場合には、その注入に際してのエネルギーを調整することによっても、半導体領域12の底面近傍に電流通路を確保することはできる。
また、上記第1の実施の形態では、周辺回路としてのCMOS回路の製造工程を共用するかたちで当該ホール素子を製造する製造方法を例示した。しかし、これは必須の工程ではなく、両者を別々に形成することもできる。
また上記第1の実施の形態においては、電圧出力用の端子V1およびV2(電圧出力対)について、それら両端子への引き出し配線の一部として、それぞれスイッチング素子SW11〜SW14およびSW21〜SW24によって一時的また永続的に断線可能とされ、互いに電気的に並列接続された各異なる抵抗値をもつ複数の配線を設けるようにした。しかしこれに限られることなく、上記スイッチング素子に代えて、例えば過電流により自断線するヒューズ、あるいはトリミングによる断線を可能とする薄膜抵抗等も用いることができる。さらに、電圧出力対の両端の配線をこうした配線にする必要はなく、少なくとも一端の配線をこうした配線にすれば足りる。要は、電圧出力対の少なくとも一端においてホール電圧信号が抵抗値を可変とする配線を介して出力される構成であれば、すなわち例えば可変抵抗素子等を適宜に用いた場合であっても、上記(15)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果は得られるようになる。
また、上記第1の実施の形態においては、磁気検出素子としての感度の向上を図るべく、拡散層14aおよび14bを少なくとも「2μm」以上の拡散深さを有するものとしたが、これら拡散層14aおよび14bの拡散深さは基本的に任意である。
また、上記第1の実施の形態に係る縦型ホール素子では、半導体領域12の濃度分布を、先の図3に示したような濃度分布、すなわち基板表面に最高濃度をもって同表面から裏面側へ進むにつれて低濃度になる、といった濃度分布にした。しかしこれに限られることなく、例えば図10に示すように、半導体領域12の濃度分布を、基板表面に最低濃度をもって同表面から裏面側へ進むにつれて高濃度になる、といった濃度分布にしてもよい。以下、同図10を参照して、第1の実施の形態に係る縦型ホール素子の変形例について説明する。なお、この図10においては、不純物濃度の大小をハッチング(点ハッチング)の疎密(高濃度ほど密)で示すようにしている。
こうした構造において、例えばコンタクト領域13aからコンタクト領域13cへ電流を供給したとすると、同図10中の矢印に示されるように、磁気検出部HPに基板表面に垂直な成分を主に含む電流が流れるようになる。さらにここでは、半導体領域12に拡散ストッパ膜STが設けられており、半導体領域12を、この拡散ストッパ膜STに面した部分に最高濃度をもって同拡散ストッパ膜STから遠ざかる(基板表面側に進む)につれて低濃度になる態様で形成されたものとしている。
こうした構造によれば、次のような効果が奏されるようになる。
(25)上記半導体領域12を、半導体基板の表面に最低濃度をもって、同表面から裏面側へ進むにつれて高濃度になる態様で形成されたものとした。こうした構造によれば、磁気検出部HPにあって基板表面に垂直な方向へ流れる電流成分を相対的に増加させることができ、ひいては磁気検出素子としての感度(いわゆる積感度)の向上が図られるようになる。
(26)半導体領域12に拡散ストッパ膜STが設けられ、同半導体領域12を、拡散ストッパ膜STに面した部分に最高濃度をもって同拡散ストッパ膜STから遠ざかるにつれて低濃度になる態様で形成されたものとした。こうした構造によれば、半導体領域12の深さ方向に関する濃度変化を、その濃度分布の設計自由度を高くして容易に形成することが可能になる。
図11および図12は、いずれも上記図10に例示した縦型ホール素子についてその製造プロセス例を示す断面図である。まず、図11を参照して、その製造プロセスの一例について説明する。
同図11(a)に示すように、この製造に際しては、まず、例えばP型のシリコンからなる基板(半導体層11)を用意し、例えばイオン注入により、この基板の表面側に、同基板よりも高濃度なP型からなる拡散層(拡散ストッパ膜ST)、およびN型の拡散層からなる半導体領域H12を順に積層形成する。そして、図11(b)に示すように、この基板の表面に、上記半導体領域H12よりも低濃度なN型のエピタキシャル膜からなる半導体領域L12を形成する。さらに、これに適宜の熱処理を施して、半導体領域H12に含まれる導電型不純物を半導体領域L12へ拡散させる。こうして、すなわちこの拡散をもって、上記半導体領域12が形成されることになる。なおここでは、拡散ストッパ膜STおよび半導体領域H12を拡散層(ウェル)として形成するようにしているが、これらはエピタキシャル膜として形成することもできる。また、基板表面側に拡散ストッパ膜STおよび半導体領域H12の2層を積層させた構造としたが、積層させる半導体層(拡散ストッパ膜STおよび半導体領域H12)の数は任意である。例えば、異なる導電型の半導体層を交互に3層以上も積層させた構造とすることもできる。
こうした製造方法によれば、次のような効果が奏されるようになる。
(27)ここでは半導体領域12の製造に際して、表面側に相対的に不純物濃度の高められた高濃度領域(拡散ストッパ膜STおよび半導体領域H12)が異なる導電型で交互に積層形成された基板を用い、この基板の表面に半導体領域H12よりも低濃度なエピタキシャル膜(半導体領域L12)をさらに形成する。そしてこれに熱処理を施して、半導体領域H12に含まれる導電型不純物を半導体領域L12へ拡散させることとした。これにより、拡散ストッパ膜STにて導電型不純物の拡散を抑制させ、周知の半導体プロセスをもって容易に、上記半導体領域12を形成することが可能になる。
次に、図12を参照して、別の製造プロセス例について説明する。
同図12(a)に示すように、この製造に際しては、まず、半導体領域L12とこれよりも高濃度な半導体領域H12とにより構成される第1の基板、および、例えば酸化シリコン等からなる拡散ストッパ膜STを備える第2の基板を用意する。そして図12(b)に示すように、上記半導体領域H12を裏面側に、また拡散ストッパ膜STを表面側にして、両者を周知の貼合わせ法によって接合させる。そうして上記第1および第2の基板を貼り合わせた後、これに適宜の熱処理を施して半導体領域H12に含まれる導電型不純物を半導体領域L12へ拡散させる。これにより、上記半導体領域12が形成されることになる。
こうした製造方法によれば、次のような効果が奏されるようになる。
(28)ここでは半導体領域12の製造に際して、裏面側に相対的に不純物濃度の高められた高濃度領域(半導体領域H12)を備える第1の基板と表面側に拡散ストッパ膜STを備える第2の基板とをそれら裏面および表面にて貼り合わせる。そしてこれに熱処理を施して、半導体領域H12に含まれる導電型不純物を半導体領域L12へ拡散させることとした。これにより、拡散ストッパ膜STにて導電型不純物の拡散を抑制させ、周知の半導体プロセスをもって容易に、上記半導体領域12を形成することが可能になる。
また、上記半導体領域12の濃度分布は、例えば図13に示すように、半導体基板の所定深さに最高濃度をもってそこから基板表面側および基板裏面側へ進むにつれてそれぞれ低濃度になる、といった濃度分布にしてもよい。以下、同図13を参照して、第1の実施の形態に係る縦型ホール素子の変形例について説明する。なお、この図13においても、不純物濃度の大小をハッチング(点ハッチング)の疎密(高濃度ほど密)で示すようにしている。
こうした構造において、例えばコンタクト領域13aからコンタクト領域13cへ電流を供給したとすると、その電流は、より抵抗の小さい(低い)部分、すなわち不純物濃度の濃い部分を流れる。詳しくは、図13中の矢印に示されるように、この電流は、まずコンタクト領域13aから基板表面に垂直な方向へ流れ、半導体基板の所定深さに設けられた最高濃度を有する半導体領域を通って拡散層14bの下方をコンタクト領域13c側へ流れた後、また基板表面に垂直な方向に沿ってコンタクト領域13cへ向かって流れる。すなわち、磁気検出部HPには、基板表面に垂直な成分を主に含む電流が流れるようになる。
こうした構造によれば、次のような効果が奏されるようになる。
(29)上記半導体領域12を、半導体基板の所定深さに最高濃度をもってそこから基板表面側および基板裏面側へ進むにつれてそれぞれ低濃度になる態様で形成されたものとした。これにより、磁気検出部HPにあって基板表面に垂直な方向へ流れる電流成分を相対的に増加させることができ、ひいては磁気検出素子としての感度(いわゆる積感度)の向上が図られるようになる。
図14および図15は、いずれも上記図13に例示した縦型ホール素子についてその製造プロセス例を示す断面図である。まず、図14を参照して、その製造プロセスの一例について説明する。
同図14(a)に示すように、この製造に際しては、まず、例えばP型のシリコンからなる基板(半導体層11)を用意する。そして図14(b)に示すように、例えば高加速度のイオン注入により、この基板の内部に、同基板よりも高濃度なN型の拡散層からなる半導体領域H12を形成する。さらに、これに適宜の熱処理を施して、半導体領域H12に含まれる導電型不純物を基板表面側および基板裏面側へそれぞれ拡散させる。こうして、すなわちこの拡散をもって、上記半導体領域12が形成されることになる。
こうした製造方法によれば、次のような効果が奏されるようになる。
(30)ここでは半導体領域12の製造に際して、半導体基板へ高加速度のイオン注入を行って同基板内部に相対的に不純物濃度の高められた高濃度領域(半導体領域H12)を形成する。そしてこれに熱処理を施して、半導体領域H12に含まれる導電型不純物を基板の表面側および裏面側へそれぞれ拡散させることとした。こうした方法によれば、SOI基板の製造などにおいて周知の高加速度のイオン注入法をもって容易に、上記半導体領域12を形成することが可能になる。
次に、図15を参照して、別の製造プロセス例について説明する。
同図15(a)に示すように、この製造に際しては、まず、例えばP型のシリコンからなる基板(半導体層11)を用意し、例えばイオン注入により、この基板の表面に、同基板よりも高濃度なN型の拡散層からなる半導体領域H12を形成する。そして、図15(b)に示すように、この基板の表面に、半導体領域H12よりも低濃度なN型のエピタキシャル膜からなる半導体領域L12を形成する。さらにこれに適宜の熱処理を施して、上記半導体領域H12に含まれる導電型不純物を半導体層11および半導体領域L12へそれぞれ拡散させる。すなわちこれにより、上記半導体領域12が形成されることになる。なおここでは、半導体領域H12を拡散層(ウェル)として形成するようにしているが、これはエピタキシャル膜として形成することもできる。
こうした製造方法によれば、次のような効果が奏されるようになる。
(31)ここでは半導体領域12の製造に際して、半導体からなる基板(半導体層11)の表面に、相対的に不純物濃度の高められた高濃度領域(半導体領域H12)を形成する。そしてその表面に、半導体領域H12よりも低濃度なエピタキシャル膜(半導体領域L12)を形成する。さらにこれに熱処理を施して、半導体領域H12に含まれる導電型不純物を基板の表面側(半導体領域L12側)および裏面側(半導体層11側)へそれぞれ拡散させるようにした。こうした方法によっても、周知の半導体プロセスをもって容易に、上記半導体領域12を形成することが可能になる。
(第2の実施の形態)
図16に、この発明に係る縦型ホール素子の第2の実施の形態を示す。
以下、図16を参照して、上記第1の実施の形態との相違点を中心に、この実施の形態に係る縦型ホール素子の構造について説明する。なお、図16(a)〜(c)は先の図1(a)〜(c)に対応するものである。この図16においては、同図1に示した要素と同一の要素に各々同一の符号を付して示し、ここではそれら要素についての重複する説明を割愛する。
同図16(a)〜(c)に示されるように、この縦型ホール素子も、基本的には、図1に例示した第1の実施の形態の縦型ホール素子と略同様の構造を有しており、その動作態様や製造方法も前述したとおりである。ただし、この実施の形態においては、当該ホール素子を他の素子と素子分離するために設けた拡散層14(図1)を割愛した構造としている。これにより、ホール素子としての構造の簡素化、並びに小型化(小面積化)が図られるようになる。なお、この縦型ホール素子では、上記割愛した拡散層14に代わって上記半導体領域12を囲繞する半導体層11が素子分離の役目を果たすことになる。
図17は、この縦型ホール素子の濃度分布、詳しくは半導体領域12、並びに拡散層14aおよび14bの濃度分布(濃度プロファイル)を示す斜視図である。これは先の図2に対応する斜視図であり、ここでも不純物濃度の大小をハッチング(点ハッチング)の疎密(高濃度ほど密)で示すようにしている。
同図17に示されるように、この縦型ホール素子の濃度分布は、基本的に、先の第1の実施の形態の縦型ホール素子と同様であるため、ここではその説明を割愛する。
以上説明したように、この実施の形態に係る縦型ホール素子によれば、先の第1の実施の形態による前記(1)〜(24)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果が得られるようになる。
(32)当該ホール素子を他の素子と素子分離するために設けた拡散層14を割愛した構造とした。これにより、ホール素子としての構造の簡素化、並びに小型化(小面積化)が図られるようになる。
(第3の実施の形態)
図18に、この発明に係る縦型ホール素子の第3の実施の形態を示す。
以下、図18を参照して、先の第1の実施の形態との相違点を中心に、この実施の形態に係る縦型ホール素子の構造について説明する。なお、図18(a)〜(c)も先の図1(a)〜(c)に対応するものである。そしてこの図18においても、同図1に示した要素と同一の要素に各々同一の符号を付して示し、ここではそれら要素についての重複する説明を割愛する。
同図18(a)〜(c)に示されるように、この縦型ホール素子は、基本的には、図1に例示した第1の実施の形態の縦型ホール素子と略同様の構造を有しており、その動作態様や製造方法も前述したとおりである。ただし、この実施の形態においては、上記拡散層14、14a、14b(図1)に代えて、例えば酸化シリコン等からなる絶縁膜IL1、IL2a、IL2bの埋設されたトレンチ(溝)T1、T2a、T2bを、いわばSTI(Shallow Trench Isolation)構造をとる絶縁分離壁を、それぞれ分離壁として用いるようにしている。すなわち、このホール素子は、絶縁膜IL1による絶縁分離壁によって他の素子と素子分離されている。また、絶縁膜IL2a、IL2bによる絶縁分離壁は、半導体領域12よりも浅い深さ寸法をもって、半導体領域12内に磁気検出部(ホールプレート)HPを電気的に区画するとともに、半導体領域12の底面近傍を選択的に狭めてそこに電流通路を形成している。
以下に、この縦型ホール素子の製造方法の一例について簡単に説明する。
このホール素子において、上記絶縁膜IL1、IL2a、IL2bによる絶縁分離壁は、例えば周知のSTI技術を用いて形成される。すなわち、基板上に酸化シリコン膜(パッド酸化膜)および窒化シリコン膜を順に成膜した後、例えばフォトリソグラフィ技術を用いて選択的なエッチングを行い、基板表面の所望の箇所にトレンチT1、T2a、T2bを形成する。次いで、例えばCVD(化学気相成長)等により、これらトレンチT1、T2a、T2bに絶縁膜IL1、IL2a、IL2bを埋設する。このとき、トレンチの外に堆積される絶縁膜は、例えばCMP(化学的機械的研磨)等によって適宜に除去するようにする。その後、基板上に残存する上記酸化シリコン膜(パッド酸化膜)および窒化シリコン膜を除去することによって、上記絶縁膜IL1、IL2a、IL2bによる絶縁分離壁が形成される。
STI技術は、通常のCMOS工程においても素子分離等に用いられている。このため、上記のように、STI構造をとる絶縁分離壁を分離壁として採用することで、これを通常のCMOS工程によって容易に形成することが可能になる。また、STI技術は素子分離を想定した技術であるため、半導体領域12よりも浅い深さ寸法を有する絶縁分離壁についてもこれを容易に形成することができるようになる。
また、STI構造をとる絶縁分離壁は、トレンチ(溝)を利用したものであるため、基板表面に垂直に容易に形成(延設)することができる。すなわち、前述の拡散層を分離壁とした場合に懸念される磁気検出部HPにおける電流の広がりは抑制され、同磁気検出部HPを基板表面に垂直な方向へ流れる電流成分を相対的に増加させることができるようになる。そうして、磁気検出素子としての感度(いわゆる積感度)の向上が図られるようになる。
また、拡散層を分離壁として用いた場合に懸念される磁気検出感度に関する温度特性(温度係数)ばらつき、あるいは温度補償回路の大型化についてもこれが低減、抑制されることになる。
以上説明したように、この実施の形態に係る縦型ホール素子によっても、先の第1の実施の形態による前記(1)〜(24)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果が得られるようになる。
さらに、図19に示すように、上記絶縁膜IL1による素子分離用の絶縁分離壁を割愛した構造とすれば、前記(32)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果も得られるようになる。
(第4の実施の形態)
図20に、この発明に係る縦型ホール素子の第4の実施の形態を示す。
以下、図20を参照して、上記第3の実施の形態との相違点を中心に、この実施の形態に係る縦型ホール素子の構造について説明する。なお、図20(a)〜(c)は先の図18(a)〜(c)に対応するものである。この図20においては、同図18に示した要素と同一の要素に各々同一の符号を付して示し、ここではそれら要素についての重複する説明を割愛する。
同図20(a)〜(c)に示されるように、この縦型ホール素子は、基本的には、図18に例示した第3の実施の形態の縦型ホール素子と略同様の構造を有しており、その動作態様や製造方法も前述したとおりである。ただし、この実施の形態においては、硼素(ボロン)等からなるP型不純物を導入して、上記トレンチT1、T2a、T2bの内壁にP型の不純物層D1を設けている。
ところで、半導体基板にトレンチを形成すると通常、そのトレンチの内壁にはダメージ層が形成されることとなり、そこでキャリアの再結合が生じ易くなる。この点、不純物層D1を設けた上記構造によれば、同不純物層D1によってこうしたキャリアの再結合が抑制され、半導体領域12のキャリア移動度は高く維持されるようになる。また、この不純物層D1と半導体領域12との間に形成されたpn接合の空乏層が素子内部まで進入するようになるため、磁気検出部(ホールプレート)HPの厚さd(図41に示した関係式中の「d」)に相当する寸法が実質的に狭められることにもなる。すなわち、こうした構造によれば、磁気検出素子としての高感度化が図られるようになる。
以上説明したように、この実施の形態に係る縦型ホール素子によれば、先の第1の実施の形態による前記(1)〜(24)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果が得られるようになる。
(33)STI構造をとる絶縁分離壁のトレンチT1、T2a、T2bの内壁に、N型の半導体領域12と異なる導電型(P型)からなる不純物層D1の形成された構造とした。これにより、磁気検出素子としての高感度化が図られるようになる。
さらに、図21に示すように、上記絶縁膜IL1による素子分離用の絶縁分離壁を割愛した構造とすれば、前記(32)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果も得られるようになる。
(第5の実施の形態)
図22に、この発明に係る縦型ホール素子の第5の実施の形態を示す。
以下、図22を参照して、先の第1の実施の形態との相違点を中心に、この実施の形態に係る縦型ホール素子の構造について説明する。なお、図22(a)および(b)は先の図5(a)および(b)に対応するものである。この図22においては、同図5に示した要素と同一の要素に各々同一の符号を付して示し、ここではそれら要素についての重複する説明は割愛する。
同図22(a)および(b)に示されるように、この縦型ホール素子は、基本的には、図5に例示した第1の実施の形態の縦型ホール素子と略同様の構造を有しており、その動作態様や製造方法も前述したとおりである。ただし、この実施の形態においては、素子表面のコンタクト領域13a〜13eを除く略全面を覆うかたちでLOCOS酸化膜HL1を設けるようにしている。
ところで、この種のホール素子にあって素子表面に形成される層間絶縁膜(例えば絶縁膜15)内などには、ナトリウム(Na)等の可動イオンが存在する。このため、当該ホール素子への通電や温度変化等に伴ってこの可動イオンが動くことによって、基板表面における電圧出力端付近の電位が不安定になり、当該ホール素子から出力される極微小なホール電圧信号をふらつかせることがある。これは経時変動またはドリフトと呼ばれ、同電圧に基づく磁界の検出に誤差を生じさせ、特に当該ホール素子を角度検出センサとして用いた場合にはそのセンサ特性の劣化は避けられず、深刻である。
この点、この実施の形態に係る縦型ホール素子によれば、上記LOCOS酸化膜HL1によって素子表面(半導体領域12等)が覆われることでこれが保護され、上記可動イオンによる影響、すなわち検出精度の低下が抑制されるようになる。しかもこのLOCOS酸化膜HL1は、周辺回路である回路C10において素子分離に用いるLOCOS酸化膜CL1と共に(同時に)形成することができる。そして、当該ホール素子を形成した後に、例えばその周辺回路の製造工程としてイオン注入処理やプラズマ処理等を基板全面に施したとしても、LOCOS酸化膜HL1によって素子表面が保護され、これによる当該ホール素子へのダメージは軽減されるようになる。
以上説明したように、この実施の形態に係る縦型ホール素子によれば、先の第1の実施の形態による前記(1)〜(24)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果が得られるようになる。
(34)素子表面(半導体領域12等)を覆うかたちでLOCOS酸化膜HL1が設けられた構造とした。これにより、可動イオンによる影響、すなわち検出精度の低下が好適に抑制されるようになる。さらに、製造過程等における素子表面へのダメージも好適に軽減されるようになる。
なお、この第5の実施の形態に係る縦型ホール素子では、素子表面のコンタクト領域13a〜13eを除く略全面を覆うかたちでLOCOS酸化膜HL1を設けるようにしたが、これに限られることなく、少なくとも半導体領域12がこれに覆われる構造であれば、上記(34)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果は得られるようになる。
(第6の実施の形態)
図23に、この発明に係る縦型ホール素子の第6の実施の形態を示す。
以下、図23を参照して、先の第1の実施の形態との相違点を中心に、この実施の形態に係る縦型ホール素子の構造について説明する。なお、図23(a)〜(c)は先の図1(a)〜(c)に対応するものである。この図23においては、同図1に示した要素と同一の要素に各々同一の符号を付して示し、ここではそれら要素についての重複する説明を割愛する。
同図23(a)〜(c)に示されるように、この縦型ホール素子は、基本的には、図1に例示した第1の実施の形態の縦型ホール素子と略同様の構造を有しており、その動作態様や製造方法も前述したとおりである。ただし、この実施の形態においては、例えば硼素(ボロン)等からなるP型不純物を導入して、素子表面のコンタクト領域13a〜13eを除く略全面を覆うかたちでP型の不純物層D2を形成するようにしている。
ところで、素子表面の層間絶縁膜内などに含まれる可動イオンの挙動が当該ホール素子の検出精度に影響を及ぼすことは前述したとおりである。この点、この実施の形態に係る縦型ホール素子によれば、例えば上記不純物層D2と半導体領域12との間に逆バイアスの電圧を印加した状態に当該素子がおかれることで、その電圧の印加により形成されるpn接合付近の空乏層によって素子表面が保護されることとなる。そうして、上記可動イオンによる影響、すなわち検出精度の低下が抑制されるようになる。
以上説明したように、この実施の形態に係る縦型ホール素子によれば、先の第1もしくは第5の実施の形態による前記(1)〜(24)および(34)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果が得られるようになる。
(第7の実施の形態)
図24に、この発明に係る縦型ホール素子の第7の実施の形態を示す。
以下、図24を参照して、先の第1の実施の形態との相違点を中心に、この実施の形態に係る縦型ホール素子の構造について説明する。なお、この図24(a)〜(c)は先の図1(a)〜(c)に対応するものである。この図24においては、同図1に示した要素と同一の要素に各々同一の符号を付して示し、ここではそれら要素についての重複する説明を割愛する。
同図24(a)〜(c)に示されるように、この縦型ホール素子は、基本的には、図1に例示した第1の実施の形態の縦型ホール素子と略同様の構造を有しており、その動作態様や製造方法も前述したとおりである。ただし、この実施の形態においては、基板上に例えばPSGや酸化シリコン等からなる絶縁膜15を介して、例えばアルミニウムや多結晶シリコン等からなる平板状の電極材GPが、磁気検出部HPを含めた素子表面を覆うかたちで設けられている。また、上記電極材GPは、上記拡散層14、14a、14bと共に、適宜の配線を介して所定の電位(例えばグランド(GND)電位)に固定されている。
ところで、素子表面の層間絶縁膜(例えば絶縁膜15)内などに含まれる可動イオンの挙動が当該ホール素子の検出精度に影響を及ぼすことは前述した。この点、この実施の形態に係る縦型ホール素子では、上記電極材GPを設けてこれを、上記拡散層14、14a、14bと共に所定の電位に固定するようにしており、素子表面の電位が固定され、その周囲も安定した電位環境におかれることとなる。これにより、上記可動イオンの動きが抑制されるとともに、この可動イオンに起因する経時変動等が小さくなり、ひいては磁気検出素子としての検出精度が高く維持されるようになる。さらに、上記電極材GPは、素子上方からのノイズに対するシールドとしても機能するため、当該ホール素子のノイズ耐性が高められることにもなる。
以上説明したように、この実施の形態に係る縦型ホール素子によれば、先の第1の実施の形態による前記(1)〜(24)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果が得られるようになる。
(35)所定の電位(ここではグランド電位)に固定された電極材GPを素子表面を覆うかたちで設けるようにした。これにより、磁気検出素子としての検出精度が高く維持されるとともに、素子のノイズ耐性についてもこれが大きく高められることになる。
なお、この第7の実施の形態に係る縦型ホール素子では、電極材GPをグランド電位に固定するようにしたが、これに限られることなく、例えば電源電位にこれを固定することもできる。
また、この第7の実施の形態においては、電位の固定をより強固なものとするために上記拡散層14、14a、14bについてもこれを所定の電位に固定することとしたが、これも必須の構成ではなく、電極材GPさえ所定の電位に固定されれば、上記(35)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果は得られるようになる。
また、この第7の実施の形態においては、素子表面を覆うかたちで電極材GPを設けてこれを所定の電位に固定するようにしたが、この電極材GPを素子表面の一部分乃至複数の部分に設け、これに電圧を印加して磁気検出部HPの抵抗分布を可変とするようにしてもよい。こうした構成では、電極材GPを適宜の位置に配置することで、所望とする部分の抵抗分布が可変とされ、素子内部の電位分布を変化せしめてオフセット電圧の原因となるアンバランス(不平衡)の調整、平衡化を図ることが可能になる。すなわち、簡素な回路構成で、もしくは補正回路によらずに、オフセット電圧の調整、並びにその低減が可能になるとともに、オフセット電圧を演算補正する補正回路等を備える構成にあってはその回路規模の縮小化が図られるようになる。
(第8の実施の形態)
図25に、この発明に係る縦型ホール素子の第8の実施の形態を示す。
以下、図25を参照して、この実施の形態に係る縦型ホール素子の構造、より正確にはこの縦型ホール素子による磁気センサの構成について説明する。なお、この図25の平面図においては、図1に示した要素と同一の要素に各々同一の符号を付して示し、ここではそれら要素についての重複する説明を割愛する。
同図25に示すように、この実施の形態においては、電気的に直列に接続されるn(2以上の整数)個の縦型ホール素子101〜10nが1チップに集積化されて磁気センサを構成している。なお、これら縦型ホール素子101〜10nは、いずれも先の図1に例示した構造を有している。
詳しくは、縦型ホール素子101の端子G1、G2が、これと隣接する縦型ホール素子102の端子Sと適宜の配線を介して電気的に接続され、さらにこの縦型ホール素子102の端子G1、G2が、また隣接する縦型ホール素子(図示略)の端子Sと適宜の配線を介して電気的に接続され、という具合に縦型ホール素子10nまで接続されている。そして、両端に位置する縦型ホール素子の各端子が、すなわち縦型ホール素子101の端子S、並びに縦型ホール素子10nの端子G1、G2が、それぞれ端子S0およびG0と電気的に接続されている。すなわち、当該磁気センサにおいては、これら端子S0およびG0を通じて各ホール素子へ駆動電流が供給されることになる。
このように複数のホール素子を直列に接続することで、センサ全体としての出力電圧(ホール電圧信号)が大きくなり、当該磁気センサとしての磁気検出感度(いわゆる積感度)が大きく高められるようになる。
以上説明したように、この実施の形態に係る縦型ホール素子によれば、先の第1の実施の形態による前記(1)〜(24)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果が得られるようになる。
(36)電気的に直列に接続されるn(2以上の整数)個の縦型ホール素子101〜10nを1チップに集積化して磁気センサを構成させるようにした。これにより、センサ全体としての出力電圧(ホール電圧信号)が大きくなり、当該磁気センサとしての磁気検出感度(いわゆる積感度)が大きく高められるようになる。
(第9の実施の形態)
図26に、この発明に係る縦型ホール素子の第9の実施の形態を示す。
以下、図26を参照して、この実施の形態に係る縦型ホール素子の構造、より正確にはこの縦型ホール素子による磁気センサの構成について説明する。なお、この図26の平面図においては、図1に示した要素と同一の要素に各々同一の符号を付して示し、ここではそれら要素についての重複する説明を割愛する。
同図26に示すように、この実施の形態においては、電気的に並列に接続されるn(2以上の整数)個の縦型ホール素子101〜10nが1チップに集積化されて磁気センサを構成している。なお、これら縦型ホール素子101〜10nは、いずれも先の図1に例示した構造を有している。
詳しくは、縦型ホール素子101およびこれと隣接する縦型ホール素子102が端子S、端子G1、G2にて適宜の配線を介して電気的に接続され、また縦型ホール素子102および隣接する縦型ホール素子(図示略)が端子S、端子G1、G2にて適宜の配線を介して電気的に接続され、という具合に縦型ホール素子10nまで接続されている。そうして縦型ホール素子101〜10nの端子Sおよび端子G1、G2は、それぞれ端子S0およびG0にまとめられる。すなわち、当該磁気センサにおいては、これら端子S0およびG0を通じて各ホール素子へ駆動電流が供給されることになる。
ところで、ホール素子を大量生産したり、あるいは同一基板上にこうしたホール素子を多数形成したりすると、これらの製造条件等のばらつきに起因して、これら素子間で、出力電圧(ホール電圧)やオフセット電圧(不平衡電圧)にばらつきが生じるようになる。この点、この実施の形態においては、複数のホール素子を並列に接続して磁気センサを形成しているため、センサ全体としての出力電圧(ホール電圧信号)、さらにはオフセット電圧(不平衡電圧)が平均化され、当該磁気センサとしての磁気検出精度が高く維持されるようになる。
以上説明したように、この実施の形態に係る縦型ホール素子によれば、先の第1の実施の形態による前記(1)〜(24)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果が得られるようになる。
(37)電気的に並列に接続されるn(2以上の整数)個の縦型ホール素子101〜10nを1チップに集積化して磁気センサを構成させるようにした。これにより、センサ全体としての出力電圧(ホール電圧信号)、さらにはオフセット電圧(不平衡電圧)が平均化され、当該磁気センサとしての磁気検出精度が高く維持されるようになる。
(第10の実施の形態)
図27および図28に、この発明に係る縦型ホール素子の第10の実施の形態を示す。
はじめに、図27を参照して、この実施の形態に係る縦型ホール素子の構造、より正確にはこの縦型ホール素子による磁気センサの構成について説明する。なお、この図27の平面図においては、図1に示した要素と同一の要素に各々同一の符号を付して示し、ここではそれら要素についての重複する説明を割愛する。
同図27に示すように、この実施の形態においては、互いに直交する2軸方向から印加される磁界(例えば図27中に矢印BxおよびByで示される磁界)を検出する態様で配設された縦型ホール素子、すなわち互いに直交するかたちで配設された2つの縦型ホール素子10が1チップに集積化されて磁気センサを構成している。なお、これら縦型ホール素子10は、いずれも先の図1に例示した構造を有している。
図28は、上記互いに直交するかたちで配設された2つの縦型ホール素子10からそれぞれ出力されるホール電圧信号の出力波形VxおよびVyを示すグラフである。なお、横軸の角度は、これらホール素子へ印加される磁界の角度を示している。
この図28のグラフからも分かるように、こうしたホール電圧信号により、より正確には例えば周辺回路にあるいは別に設けられた信号処理回路等を通じてこれらホール電圧信号に対して適宜の信号処理(演算処理)を施すことにより、1つの平面上の全ての方向からの磁界の検出、すなわち360°の広角度な磁界の検出が可能となる。
なお、こうして1チップに集積化される2つの縦型ホール素子は、その製造工程における各種条件のばらつき等によりそれら素子のペア性が悪化することが懸念されるため、互いの間隔をできるだけ近づけて、例えば「100μm」以内に配置させることが望ましい。こうした配置にすることで、製造工程等に起因する両者間のばらつきが抑制され、より良好なペア性が得られるようになる。また、温度環境をはじめとする使用時の条件についてもそれら両者間でのばらつきが抑制されることとなり、この意味でも良好なペア性が得られることとなる。
以上説明したように、この実施の形態に係る縦型ホール素子によれば、先の第1の実施の形態による前記(1)〜(24)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果が得られるようになる。
(38)互いに直交する2軸方向から印加される磁界を検出する態様で2つの縦型ホール素子10を1チップに集積化して磁気センサを構成させるようにした。これにより、360°の広角度な磁界の検出を可能とする高性能な磁気センサなども実現することができるようになる。
なお、上記第10の実施の形態においては、互いに直交する2軸方向から印加される磁界を検出する態様で2つの縦型ホール素子10を1チップに集積化して磁気センサを構成させるようにしたが、この構造に限られることない。要は、異なる角度から印加される磁界を検出する態様で2つの素子を1チップに集積化して磁気センサを構成させることで足り、すなわち例えば互いに鋭角の角度に交わる態様で配置された2つの縦型ホール素子によっても、上記(38)の効果に準じた効果は得ることができる。
(第11の実施の形態)
図29に、この発明に係る縦型ホール素子の第11の実施の形態を示す。
以下、同図29を参照して、この実施の形態に係る縦型ホール素子の構造、より正確にはこの縦型ホール素子による磁気センサの構成について説明する。なお、この図29の平面図においては、先の図1および図42に示した要素と同一の要素に各々同一の符号を付して示し、ここではそれら要素についての重複する説明を割愛する。
同図29に示すように、この実施の形態においては、基板表面(チップ面)に垂直な磁界成分を検出する横型ホール素子20と共々、直交配置された2つの縦型ホール素子10が1チップに集積化されて、互いに直交する3軸方向からの磁界(例えば図29中に矢印BxおよびByおよびBzで示される磁界)を検出する3次元磁気センサを構成している。なお、上記縦型ホール素子10は、いずれも先の図1に例示した構造を有している。また、横型ホール素子20も、基本的には、先の図42に例示した構造を有している。ただしここでは、半導体領域22が、エピタキシャル膜ではなく拡散層(ウェル)として形成されている。
こうした構成の磁気センサにおいては、例えば周辺回路にあるいは別に設けられた信号処理回路等により上記各ホール素子から出力されるホール電圧信号に対して適宜の信号処理(演算処理)を施すことで、1つの平面上の全ての方向(2次元方向)に加え、さらにこれに直交する軸方向からの磁界(矢印Bz)の検出も可能となる。すなわち、いわゆる3次元の磁界検出が実現されることとなる。
以上説明したように、この実施の形態に係る縦型ホール素子によれば、先の第1の実施の形態による前記(1)〜(24)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果が得られるようになる。
(39)基板表面(チップ面)に垂直な磁界成分を検出する横型ホール素子20と共々、直交配置された2つの縦型ホール素子10を1チップに集積化して、互いに直交する3軸方向からの磁界を検出する3次元磁気センサを構成させるようにした。これにより、3次元の磁界検出が可能となる。
なお、上記横型ホール素子は、基板表面(チップ面)に垂直な磁界成分を検出するものであればよく、先の図42に例示した構造の横型ホール素子20に限らず、適宜の横型ホール素子を採用することができる。
(第12の実施の形態)
図30および図31に、この発明に係る縦型ホール素子の第12の実施の形態を示す。
以下、図30および図31を参照して、先の第10の実施の形態との相違点を中心に、この実施の形態に係る縦型ホール素子の構造、より正確にはこの縦型ホール素子による磁気センサの構成について説明する。なお、これら図30および図31の平面図においては、先の図1に示した要素と同一の要素に各々同一の符号を付して示し、ここではそれら要素についての重複する説明を割愛する。
同図30に示すように、この実施の形態においても、互いに直交する2軸方向から印加される磁界を検出する態様で配設された縦型ホール素子、すなわち互いに直交するかたちで配設された2つの縦型ホール素子10(いずれも図1に例示した構造を有する縦型ホール素子)が1チップに集積化されて磁気センサを構成している。ただし、ここではそれら2つの縦型ホール素子10を、それぞれ同一方向に対向するかたちで配設された別の縦型ホール素子10a(これらも図1に例示した構造を有する縦型ホール素子)とペア(対)をなすものとしている。こうした構成とすることで、互いに対向配置されてペアをなす2つの縦型ホール素子の出力電圧(ホール電圧)を平均化したり、それら縦型ホール素子の出力を切り替えたりするなどして、磁気センサとしての検出精度を高めることができるようになる。
また、図31に示すように、縦型ホール素子10およびこれとペアする縦型ホール素子10aの双方を、チップとして切り出された基板の側面に対して45°傾けて配設することで、素子外部から印加される種々の機械的な応力の影響は受けにくくなる。すなわち、それら各ホール素子のオフセット電圧が好適に低減され、磁気センサとしての検出精度がさらに高められることとなる。
以上説明したように、この実施の形態に係る縦型ホール素子によれば、先の第1もしくは第10の実施の形態による前記(1)〜(24)および(38)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果が得られるようになる。
(40)互いに直交するかたちで1チップに集積化されて磁気センサを構成する2つの縦型ホール素子10を、それぞれ同一方向に対向するかたちで配設された別の縦型ホール素子10aとペアをなすものとした。これにより、磁気センサとしての検出精度を高めることができるようになる。
(41)また、それら2つの縦型ホール素子10が各々形成するペアの双方を、チップとして切り出された基板の側面に対して45°傾けられて配置されるものとすることで、磁気センサとしての検出精度がさらに高められることとなる。
(第13の実施の形態)
図32に、この発明に係る縦型ホール素子の第13の実施の形態を示す。
以下、同図32を参照して、この実施の形態に係る縦型ホール素子の構造、より正確にはこの縦型ホール素子による磁気センサの構成について説明する。なお、この図32の平面図においては、先の図1に示した要素と同一の要素に各々同一の符号を付して示し、ここではそれら要素についての重複する説明を割愛する。
同図32に示すように、この実施の形態においても、互いに直交する2軸方向から印加される磁界を検出する態様で配設された縦型ホール素子、すなわち互いに直交するかたちで配設された2つの縦型ホール素子10(いずれも図1に例示した構造を有する縦型ホール素子)が1チップ(同一の基板)に集積化されて磁気センサを構成している。ただしここでは、それら2つの縦型ホール素子10を、半導体基板(ここではシリコン基板)の原子配列を等しくする結晶方位に、すなわち結晶方位(001)(または(00−1))および結晶方位(010)(または(0−10))にそれぞれ配することとしている。
通常、ホール素子の出力電圧(ホール電圧)は、磁気検出部HPのキャリア移動度に比例する。そして、このキャリア移動度は、結晶構造(より詳しくは原子配列)に依存する傾向にある。また、素子外部から印加される種々の機械的な応力に伴うピエゾ抵抗効果の影響も、同じく結晶構造に依存する傾向にある。このため、複数のホール素子を1チップ(同一の基板)に集積化する場合には、その基板のいずれの結晶方位(面方位)にそれらホール素子を配置するかが重要となる。この点、この実施の形態に係る縦型ホール素子のように、上記縦型ホール素子10を半導体基板の原子配列を等しくする結晶方位に配することとすれば、これら縦型ホール素子10について良好なペア性が得られることとなる。すなわち、これら縦型ホール素子10に発生するホール電圧(出力電圧)や、ピエゾ抵抗効果に起因した応力の印加に伴う抵抗変化などについても、これらホール素子間でのばらつきが抑制され、ひいては磁気センサとしての高い検出精度が得られるようになる。
以上説明したように、この実施の形態に係る縦型ホール素子によれば、先の第1もしくは第10の実施の形態による前記(1)〜(24)および(38)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果が得られるようになる。
(42)1チップ(同一の基板)に集積化された2つの縦型ホール素子10を、その基板の原子配列を等しくする結晶方位に配するようにした。これにより、磁気センサとしての高い検出精度が得られるようになる。
なお、シリコン基板においてその原子配列を等しくする結晶方位は、図32に例示したものに限られない。周知のように、単結晶シリコンはタイヤモンド構造(四面体構造)の材料であるため、結晶方位(001)、(00−1)、(010)、(0−10)に同様の原子配列をもつ。すなわち、例えば図33に示すように、
・上記2つの縦型ホール素子10を、結晶方位(011)または(0−1−1)、結晶方位(0−11)または(01−1)にそれぞれ配した構造。
あるいは図34に示すように、
・上記2つの縦型ホール素子10を、結晶方位(1−11)または(−11−1)、結晶方位(11−1)または(−1−11)にそれぞれ配した構造。
あるいは図35(a)に示すように、
・上記2つの縦型ホール素子10を、結晶方位(1−10)または(−110)、結晶方位(10−1)または(−101)にそれぞれ配した構造。
あるいは図35(b)に示すように、
・上記2つの縦型ホール素子10を、結晶方位(10−1)または(−101)、結晶方位(0−11)または(01−1)にそれぞれ配した構造。
あるいは図35(c)に示すように、
・上記2つの縦型ホール素子10を、結晶方位(0−11)または(01−1)、結晶方位(1−10)または(−110)にそれぞれ配した構造。
等々の構造としても、上記(42)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果は得られるようになる。
さらに、縦型ホール素子の数は2つに限られることなく任意である。例えば3つの縦型ホール素子を1チップに集積化する場合には、図36に例示するように、
・それら3つの縦型ホール素子10を、結晶方位(1−10)または(−110)、結晶方位(0−11)または(01−1)、結晶方位(10−1)または(−101)にそれぞれ配した構造。
などとすることで、上記(42)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果は得られるようになる。
また、シリコン基板以外の基板を用いる場合も、1チップに集積化される複数の素子をその基板の原子配列を等しくする結晶方位に配することで、上記(42)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果は得られるようになる。
(第14の実施の形態)
図37に、この発明に係る縦型ホール素子の第14の実施の形態を示す。
以下、同図37を参照して、上記第13の実施の形態との相違点を中心に、この実施の形態に係る縦型ホール素子の構造、より正確にはこの縦型ホール素子による磁気センサの構成について説明する。なお、図37の平面図は、先の図32に対応するものである。この図37においては、図1に示した要素と同一の要素に各々同一の符号を付して示し、ここではそれら要素についての重複する説明を割愛する。
同図37に示すように、この実施の形態においても、互いに直交する2軸方向から印加される磁界を検出する態様で配設された縦型ホール素子、すなわち互いに直交するかたちで配設された2つの縦型ホール素子10(いずれも図1に例示した構造を有する縦型ホール素子)が1チップ(同一の基板)に集積化されて磁気センサを構成している。そして、それら2つの縦型ホール素子10は、互いに隣り合うかたちで近接して形成されるとともに、半導体基板の原子配列を等しくする結晶方位にそれぞれ配されている。ただしここでは、それら2つの縦型ホール素子10の周囲を囲繞する態様で、トレンチアイソレーションが、すなわち絶縁膜ILの埋設されたトレンチTNが設けられた構造としている。これにより、素子外部から印加される種々の機械的な応力の影響が緩和され、より良好なペア性が得られるようになる。なお、上記トレンチTNとしては、シャロートレンチ(STI)等を用いるようにしてもよい。
以上説明したように、この実施の形態に係る縦型ホール素子によれば、先の第1もしくは第10もしくは第13の実施の形態による前記(1)〜(24)および(38)および(42)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果が得られるようになる。
(43)2つの縦型ホール素子10が互いに近接して1チップに集積化され、且つ、これら縦型ホール素子10の周囲を囲繞する態様でトレンチアイソレーションが設けられた構造とした。これにより、前述した素子外部から印加される種々の機械的な応力の影響が緩和され、より良好なペア性が得られるようになる。
なおここでは、先の図32に例示した縦型ホール素子に対してトレンチアイソレーションを適用した例を示したが、これに限られることなく、互いに近接して1チップに集積化される複数の素子であれば、こうしたトレンチアイソレーションを適用することで、上記(43)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果は得られるようになる。すなわち、例えば図38に示すように、先の図33に例示した縦型ホール素子に対して適用するようにしてもよい。また、素子の数も2つに限られることなく任意であり、例えば図36に例示した3つの縦型ホール素子に対しても適用可能である。
(他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下の態様をもって実施することもできる。
・上記第8〜第14の実施の形態においては、第1の実施の形態の縦型ホール素子を用いて磁気センサを形成するようにしたが、これに限られることなく、例えば第2〜第7の実施の形態の縦型ホール素子のいずれかを用いて、あるいはこれらを組み合わせて同様の磁気センサを実現するようにしてもよい。
・上記各実施の形態においては、当該ホール素子から出力されるホール電圧信号に対して所定の信号処理を行う信号処理回路等と共々当該ホール素子を1チップに集積化して、所定の方向から印加される磁界を検出する磁気センサを構成させるようにした。しかしこれは必須の構成ではなく、例えば信号処理回路等を別のチップとして設けることもできる。
・上記各実施の形態においては、1対の電圧出力対を備える縦型ホール素子を想定したが、これに限られることなく、2対以上の電圧出力対を備える縦型ホール素子に対してもこの発明は同様に適用することができる。例えば図39に示すように、第1の実施の形態に係る縦型ホール素子において、電流供給端に相当するコンタクト領域13bおよび13cに対し、電圧出力対に相当するコンタクト領域(N+拡散層)13fおよび13g、並びにコンタクト領域(N+拡散層)13hおよび13iを各々設けた構造としてもよい。なお、こうした構造では、電圧出力用の端子V11およびV12、並びに端子V21およびV22に各々出力される電圧信号(Vout)の特性が、先の図1に例示した縦型ホール素子の端子V1およびV2に出力される電圧信号とは逆(極性が逆)の特性になる。
・また、電流供給対の数についてもこれは2対に限られることなく任意である。例えば1対の電流供給対からなる縦型ホール素子に対してもこの発明は同様に適用することができる。例えば図40に示すように、第1の実施の形態に係る縦型ホール素子について、領域12c、すなわち端子G2側のコンタクト領域13c等を割愛した構造としても、この発明は同様に適用することができる。すなわち、この縦型ホール素子の電流供給対は、一端が電圧出力対に挟まれ、他端が電圧出力対を境にして一方側のみに配されることとなる。こうした構造によれば、先の図1に例示した縦型ホール素子と比較して約「1/3」の面積が縮小されることになり、大幅な小型化が図られるようになる。なお、こうしたホール素子の動作態様も、基本的には、図1に例示した先の縦型ホール素子と同様である。
・上記各実施の形態においては、電流供給対および電圧出力対を、互いに直交するかたちで配された配置(レイアウト)にした。しかしこれに限られることなく、例えばこれら電圧出力対および電流供給対を一列に配した配置(レイアウト)にすることもできる。
・さらに、上記各実施の形態において、拡散層14aおよび14b等、領域12a(図1(a))を電気的に区画する分離壁も必須の構成要素ではない。すなわち、例えば磁気検出部HPに電流を流すための配線(電極)を基板の表裏に対向するかたちで設けた縦型ホール素子、あるいは電圧出力対および電流供給対の各端部を一列に配置した縦型ホール素子などにおいては、こうした分離壁を設けずとも、上記磁気検出部HPに対して基板表面(チップ面)に垂直な成分を含む電流を流すことができる。
・上記各実施の形態においては、電圧出力対および電流供給対の各端部を、いずれも基板表面における導電型不純物の濃度の選択的に高められたコンタクト領域(N+拡散層)として設けるようにした。しかし、これは必須の構成ではなく、例えばこうしたコンタクト領域を設けずに半導体領域12の上に直に配線(電極)を設けるようにしてもよい。
・また、上記実施の形態においては、当該ホール素子の周辺回路の一例としてCMOS回路を有して構成される回路C10(図5)を例示した。しかし、周辺回路の構成は任意であり、例えばバイポーラ回路を有して構成される回路を周辺回路として用いることもできる。
・また、上記実施の形態においては、縦型ホール素子の駆動方法の一例として定電流駆動について説明したが、この縦型ホール素子の駆動方法は任意であり、例えば定電圧駆動によって駆動することもできる。
・上記各実施の形態において、当該ホール素子を構成する各要素の導電型を入れ替えた構造、すなわちP型とN型とを入れ替えた構造についても、この発明は同様に適用することができる。
・上記各実施の形態においては、基板の材料としてシリコンを用いるようにしたが、製造工程や構造上の条件等に応じてその他の材料を適宜採用するようにしてもよい。例えばGaAs、InSb、InAs、SiC等の化合物半導体材料やGe(ゲルマニウム)等の他の半導体材料も用いることができる。特に、GaAsやInAsは温度特性に優れた材料であり、当該ホール素子の高感度化を図る上で有効である。
・そして、これら半導体材料のいずれを採用しても、その半導体基板を、ビエゾ抵抗効果に起因した応力印加に伴う抵抗変化を他の面方位よりも小さくする面方位にカット面を有するものとすることで、前記(17)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果は得られるようになる。
・上記各実施の形態においては、単一の導電型からなる基板を採用することとしたが、これに限られることはなく、例えばエピタキシャル基板、あるいはSOI(Silicon On Insulator)基板、さらには異なる導電型の半導体層が交互に積層された構造(例えばPNP…もしくはNPN…といった構造)を有する半導体基板等も、当該ホール素子の基板として用いることができる。また、基板のカット面も(100)面に限られることなく任意である。
・結局のところ、上記半導体領域12を、半導体基板に導電型不純物が添加、拡散されるかたちで形成された拡散層(ウェル)からなるものとすることで、使用基板の選択自由度を高めるという所期の目的は達成されることになる。
・一方、縦型ホール素子の製造方法としても、半導体基板に導電型不純物を添加し、これを拡散させることによって上記半導体領域12を形成するものであれば、所期の目的は達成されることになる。
この発明に係る縦型ホール素子の第1の実施の形態について、(a)はそのホール素子の概略構造を模式的に示す平面図、(b)は(a)のL1−L1線に沿った断面図、(c)は(a)のL2−L2線に沿った断面図。 同第1の実施の形態に係る縦型ホール素子の濃度分布(濃度プロファイル)を示す斜視図。 同第1の実施の形態に係る縦型ホール素子について、半導体領域の濃度分布(濃度プロファイル)を示す断面図。 同第1の実施の形態に係る縦型ホール素子の出力電圧(ホール電圧)と分離壁の拡散深さとの関係について、発明者によるシミュレーション結果を例示するグラフ。 同第1の実施の形態に係る縦型ホール素子について、(a)は周辺回路も含めてその概略構造を模式的に示す平面図、(b)は(a)のL1−L1線に沿った断面図。 同第1の実施の形態に係る縦型ホール素子の配線の配設態様を示す回路図。 同第1の実施の形態に係る縦型ホール素子の配線の配設態様を示す回路図。 同第1の実施の形態に係る縦型ホール素子の製造方法の一例について、(a)〜(c)はその製造プロセスを模式的に示す断面図。 同第1の実施の形態に係る縦型ホール素子の製造方法の一例について、(a)〜(c)はその製造プロセスを模式的に示す断面図。 上記第1の実施の形態に係る縦型ホール素子の変形例を示す断面図。 図10に例示する縦型ホール素子の製造方法の一例について、(a)および(b)はその製造プロセスを模式的に示す断面図。 図10に例示する縦型ホール素子の製造方法の別の例について、(a)および(b)はその製造プロセスを模式的に示す断面図。 上記第1の実施の形態に係る縦型ホール素子の別の変形例を示す断面図。 図13に例示する縦型ホール素子の製造方法の一例について、(a)および(b)はその製造プロセスを模式的に示す断面図。 図13に例示する縦型ホール素子の製造方法の別の例について、(a)および(b)はその製造プロセスを模式的に示す断面図。 この発明に係る縦型ホール素子の第2の実施の形態について、(a)はそのホール素子の概略構造を模式的に示す平面図、(b)は(a)のL1−L1線に沿った断面図、(c)は(a)のL2−L2線に沿った断面図。 同第2の実施の形態に係る縦型ホール素子の濃度分布(濃度プロファイル)を示す斜視図。 この発明に係る縦型ホール素子の第3の実施の形態について、(a)はそのホール素子の概略構造を模式的に示す平面図、(b)は(a)のL1−L1線に沿った断面図、(c)は(a)のL2−L2線に沿った断面図。 同第3の実施の形態に係る縦型ホール素子の変形例について、(a)はそのホール素子の概略構造を模式的に示す平面図、(b)は(a)のL1−L1線に沿った断面図、(c)は(a)のL2−L2線に沿った断面図。 この発明に係る縦型ホール素子の第4の実施の形態について、(a)はそのホール素子の概略構造を模式的に示す平面図、(b)は(a)のL1−L1線に沿った断面図、(c)は(a)のL2−L2線に沿った断面図。 同第4の実施の形態に係る縦型ホール素子の変形例について、(a)はそのホール素子の概略構造を模式的に示す平面図、(b)は(a)のL1−L1線に沿った断面図、(c)は(a)のL2−L2線に沿った断面図。 この発明に係る縦型ホール素子の第5の実施の形態について、(a)はそのホール素子の概略構造を周辺回路も含めて模式的に示す平面図、(b)は(a)のL1−L1線に沿った断面図。 この発明に係る縦型ホール素子の第6の実施の形態について、(a)はそのホール素子の概略構造を模式的に示す平面図、(b)は(a)のL1−L1線に沿った断面図。 この発明に係る縦型ホール素子の第7の実施の形態について、(a)はそのホール素子の概略構造を模式的に示す平面図、(b)は(a)のL1−L1線に沿った断面図、(c)は(a)のL2−L2線に沿った断面図。 この発明に係る縦型ホール素子の第8の実施の形態についてその縦型ホール素子による磁気センサの概略構成を示す平面図。 この発明に係る縦型ホール素子の第9の実施の形態についてその縦型ホール素子による磁気センサの概略構成を示す平面図。 この発明に係る縦型ホール素子の第10の実施の形態についてその縦型ホール素子による磁気センサの概略構成を示す平面図。 同第10の実施の形態に係る縦型ホール素子の出力電圧(ホール電圧)の波形例を示すグラフ。 この発明に係る縦型ホール素子の第11の実施の形態についてその縦型ホール素子による磁気センサの概略構成を示す平面図。 この発明に係る縦型ホール素子の第12の実施の形態についてその縦型ホール素子による磁気センサの概略構成を示す平面図。 同第12の実施の形態に係る縦型ホール素子の変形例を示す平面図。 この発明に係る縦型ホール素子の第13の実施の形態についてその縦型ホール素子による磁気センサの概略構成を示す平面図。 同第13の実施の形態に係る縦型ホール素子の変形例を示す平面図。 同第13の実施の形態に係る縦型ホール素子の別の変形例を示す平面図。 (a)〜(c)は、同第13の実施の形態に係る縦型ホール素子の別の変形例を示す平面図。 同第13の実施の形態に係る縦型ホール素子の別の変形例を示す平面図。 この発明に係る縦型ホール素子の第14の実施の形態についてその縦型ホール素子による磁気センサの概略構成を示す平面図。 同第14の実施の形態に係る縦型ホール素子の変形例を示す平面図。 この発明に係る縦型ホール素子の別の実施の形態を示す平面図。 この発明に係る縦型ホール素子の別の実施の形態を示す平面図。 ホール素子の磁気検出原理を示す斜視図。 従来のホール素子(横型ホール素子)の一例について、(a)はそのホール素子の平面構造を模式的に示す平面図、(b)は(a)のL1−L1線に沿った断面図。 従来のホール素子(縦型ホール素子)の一例について、(a)はそのホール素子の平面構造を模式的に示す平面図、(b)は(a)のL1−L1線に沿った断面図、(c)は(a)のL2−L2線に沿った断面図。 従来のホール素子(縦型ホール素子)の別の例について、(a)はそのホール素子の平面構造を模式的に示す平面図、(b)は(a)のL1−L1線に沿った断面図、(c)は(a)のL2−L2線に沿った断面図。
符号の説明
10、10a、101〜10n…縦型ホール素子、11…半導体層(半導体基板)、12、H12、L12…半導体領域、12a〜12c…領域、13a〜13i、23a〜23d…コンタクト領域(N+拡散層)、14、14a、14b、24…拡散層、15…絶縁膜(層間絶縁膜)、16a〜16c、C16a〜C16f…配線(電極)、20…横型ホール素子、BL…埋込層、C10…回路(周辺回路)、C12…半導体領域、C13…拡散層、C13a〜C13f…拡散層(ソース・ドレイン層)、CL1、HL1…LOCOS酸化膜(フィールド酸化膜)、D1、D2…不純物層、G1a〜G1c…ゲート電極、GP…電極材、HP…磁気検出部(ホールプレート)、I1a〜I1c…ゲート絶縁膜、IL、IL1、IL2a、IL2b…絶縁膜、R…抵抗、ST…拡散ストッパ膜、SW11〜SW14、SW21〜SW24…スイッチング素子、T1、T2a、T2b、TN…トレンチ。

Claims (53)

  1. 半導体基板内に所定の導電型からなる半導体領域が形成されてなり、同基板の表面に垂直な成分を含む電流が前記半導体領域内の磁気検出部に供給された状態で、同基板の表面に平行な磁界成分が前記磁気検出部に印加されるとき、その磁界成分に対応するホール電圧信号を出力する縦型ホール素子において、
    前記半導体領域は、前記半導体基板に導電型不純物が添加、拡散されるかたちで形成された拡散層からなる
    ことを特徴とする縦型ホール素子。
  2. 前記拡散層からなる半導体領域は、深さ方向に濃度変化をもって形成されてなる
    請求項1に記載の縦型ホール素子。
  3. 前記拡散層からなる半導体領域は、前記半導体基板の表面に最高濃度をもって、同表面から裏面側へ進むにつれて低濃度になる態様で形成されてなる
    請求項2に記載の縦型ホール素子。
  4. 前記拡散層からなる半導体領域は、前記半導体基板の表面に最低濃度をもって、同表面から裏面側へ進むにつれて高濃度になる態様で形成されてなる
    請求項2に記載の縦型ホール素子。
  5. 前記拡散層からなる半導体領域は、前記半導体基板の所定深さに最高濃度をもって、そこから基板表面側および基板裏面側へ進むにつれてそれぞれ低濃度になる態様で形成されてなる
    請求項2に記載の縦型ホール素子。
  6. 前記拡散層からなる半導体領域には拡散ストッパ膜が設けられ、同半導体領域が、前記拡散ストッパ膜に面した部分に最高濃度をもって、同拡散ストッパ膜から遠ざかるにつれて低濃度になる態様で形成されてなる
    請求項2に記載の縦型ホール素子。
  7. 前記半導体領域は、前記半導体基板と異なる導電型からなって、前記半導体基板に囲繞されるかたちで形成されてなる
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の縦型ホール素子。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の縦型ホール素子において、
    前記半導体領域内には、前記半導体領域と異なる導電型の拡散層からなって、前記半導体領域の底面近傍を選択的に狭めて電流通路を形成する拡散分離壁が形成されてなり、前記磁気検出部はこの拡散分離壁によって電気的に区画されてなる
    ことを特徴とする縦型ホール素子。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の縦型ホール素子において、
    前記半導体領域内には、前記半導体領域よりも浅い拡散深さをもって、同半導体領域と異なる導電型の拡散層からなる拡散分離壁が形成されてなり、前記磁気検出部はこの拡散分離壁によって電気的に区画されてなる
    ことを特徴とする縦型ホール素子。
  10. 前記半導体領域と異なる導電型の拡散層からなる拡散分離壁は、少なくとも「2μm」以上の拡散深さをもって形成されてなる
    請求項8または9に記載の縦型ホール素子。
  11. 前記半導体領域と異なる導電型の拡散層からなる拡散分離壁は、前記半導体基板の表面に最高濃度をもって、同表面から裏面側へ進むにつれて低濃度になる態様で形成されてなる
    請求項8〜10のいずれか一項に記載の縦型ホール素子。
  12. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の縦型ホール素子において、
    前記半導体領域内には、STI構造をとって、前記半導体領域の底面近傍を選択的に狭めて電流通路を形成する絶縁分離壁が形成されてなり、前記磁気検出部はこの絶縁分離壁によって電気的に区画されてなる
    ことを特徴とする縦型ホール素子。
  13. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の縦型ホール素子において、
    前記半導体領域内には、前記半導体領域よりも浅い深さ寸法をもって、STI構造をとる絶縁分離壁が形成されてなり、前記磁気検出部はこの絶縁分離壁によって電気的に区画されてなる
    ことを特徴とする縦型ホール素子。
  14. 請求項12または13に記載の縦型ホール素子において、
    前記STI構造をとる絶縁分離壁のトレンチ内壁には、前記半導体領域と異なる導電型からなる不純物層が形成されてなる
    ことを特徴とする縦型ホール素子。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の縦型ホール素子において、
    前記半導体基板の表面上には絶縁膜を介して平板状の電極材が設けられてなる
    ことを特徴とする縦型ホール素子。
  16. 前記電極材は少なくとも前記磁気検出部を覆うかたちで設けられ、適宜の配線を介して所定の電位に固定されるものである
    請求項15に記載の縦型ホール素子。
  17. 前記電極材は、印加される電圧に応じて前記磁気検出部の抵抗分布を可変とするものである
    請求項15に記載の縦型ホール素子。
  18. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の縦型ホール素子において、
    前記半導体基板の表面には、LOCOS構造をとるフィールド酸化膜が少なくとも前記半導体領域を覆うかたちで設けられてなる
    ことを特徴とする縦型ホール素子。
  19. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の縦型ホール素子において、
    前記半導体基板の表面には、前記半導体領域と異なる導電型からなる不純物層が少なくとも前記半導体領域を覆うかたちで形成されてなる
    ことを特徴とする縦型ホール素子。
  20. 請求項1〜19のいずれか一項に記載の縦型ホール素子において、
    前記半導体領域の表面に電流供給対および電圧出力対の各端部を有し、前記電流供給対の一端から供給されて前記磁気検出部に流れる前記基板の表面に垂直な成分を含む電流に対して前記基板の表面に平行な磁界成分が印加されるとき、その磁界成分に対応するホール電圧信号を前記電圧出力対の両端部に出力する
    ことを特徴とする縦型ホール素子。
  21. 前記電流供給対の一端は、前記電圧出力対に挟まれるかたちで配されてなる
    請求項20に記載の縦型ホール素子。
  22. 前記電流供給対は、一端が前記電圧出力対に挟まれ、他端が前記電圧出力対に関して線対称に配されてなる
    請求項21に記載の縦型ホール素子。
  23. 前記電流供給対は、一端が前記電圧出力対に挟まれ、他端が前記電圧出力対を境にして一方側のみに配されてなる
    請求項21に記載の縦型ホール素子。
  24. 前記電流供給対および前記電圧出力対が互いに直交するかたちで配されてなる
    請求項20〜23のいずれか一項に記載の縦型ホール素子。
  25. 前記電流供給対および前記電圧出力対の各端部は、前記半導体基板の表面における不純物濃度の選択的に高められた部分として配設されてなる
    請求項20〜24のいずれか一項に記載の縦型ホール素子。
  26. 前記電圧出力対の少なくとも一端においては、前記ホール電圧信号が抵抗値を可変とする配線を介して出力される
    請求項20〜25のいずれか一項に記載の縦型ホール素子。
  27. 前記抵抗値を可変とする配線は、各異なる抵抗値をもつ複数の配線がそれぞれ一時的もしくは永続的に断線可能な態様をもって互いに電気的に並列に接続されてなる
    請求項26に記載の縦型ホール素子。
  28. 前記磁気検出部に供給される前記基板の表面に垂直な成分を含む電流が、少なくとも前記磁気検出部においては前記基板の表面に対し斜めの方向へ流れるよう導かれる
    請求項1〜27のいずれか一項に記載の縦型ホール素子。
  29. 前記半導体基板はN型からなり、前記半導体領域はP型からなる
    請求項1〜28のいずれか一項に記載の縦型ホール素子。
  30. 前記半導体基板はP型からなり、前記半導体領域はN型からなる
    請求項1〜28のいずれか一項に記載の縦型ホール素子。
  31. 前記半導体基板は、ビエゾ抵抗効果に起因した応力印加に伴う抵抗変化を他の面方位よりも小さくする面方位にカット面を有する
    請求項1〜30のいずれか一項に記載の縦型ホール素子。
  32. 前記半導体基板はシリコンからなり、(100)面をそのカット面とする
    請求項31に記載の縦型ホール素子。
  33. 前記半導体基板は、シリコンおよびゲルマニウムのいずれか一方からなる
    請求項1〜31のいずれか一項に記載の縦型ホール素子。
  34. 前記半導体基板は化合物半導体からなる
    請求項1〜31のいずれか一項に記載の縦型ホール素子。
  35. 前記半導体基板は、GaAsおよびInSbおよびInAsのいずれか1つからなる
    請求項34に記載の縦型ホール素子。
  36. 電気的に直列に接続される複数の素子が1チップに集積化されて磁気センサを構成する
    請求項1〜35のいずれか一項に記載の縦型ホール素子。
  37. 電気的に並列に接続される複数の素子が1チップに集積化されて磁気センサを構成する
    請求項1〜35のいずれか一項に記載の縦型ホール素子。
  38. 対向するかたちで配設された別の素子と対をなすかたちで1チップに集積化されて磁気センサを構成する
    請求項1〜37のいずれか一項に記載の縦型ホール素子。
  39. 前記対をなす2つの素子は、いずれもチップとして切り出された基板の側面に対して45°傾けられて配置される
    請求項38に記載の縦型ホール素子。
  40. 複数の素子が1チップに集積化されて前記半導体基板の原子配列を等しくする結晶方位に配されてなる
    請求項1〜39のいずれか一項に記載の縦型ホール素子。
  41. 複数の素子が互いに近接して1チップに集積化され、それら近接する複数の素子の周囲を囲繞する態様でトレンチアイソレーションが設けられてなる
    請求項1〜40のいずれか一項に記載の縦型ホール素子。
  42. 異なる角度から印加される磁界を検出する態様で複数の素子が1チップに集積化されて磁気センサを構成する
    請求項1〜41のいずれか一項に記載の縦型ホール素子。
  43. 前記半導体基板の表面に垂直な磁界成分を検出する横型ホール素子と共々、直交配置された2つの素子が1チップに集積化され、互いに直交する3軸方向からの磁界を検出する3次元磁気センサを構成する
    請求項1〜41のいずれか一項に記載の縦型ホール素子。
  44. 当該ホール素子から出力されるホール電圧信号に対して所定の信号処理を行う信号処理回路と共々1チップに集積化され、所定の方向から印加される磁界を検出する磁気センサを構成する
    請求項1〜43のいずれか一項に記載の縦型ホール素子。
  45. 請求項1〜44のいずれか一項に記載の縦型ホール素子において、周辺回路としてCMOS回路を有する
    ことを特徴とする縦型ホール素子。
  46. 請求項8〜11のいずれか一項に記載の縦型ホール素子を製造する方法であって、
    前記半導体領域と前記拡散分離壁との間に空乏層が形成された後においても前記半導体領域の底面近傍の電流通路が確保されるように、それら半導体領域および拡散分離壁の不純物濃度を調整する
    ことを特徴とする縦型ホール素子の製造方法。
  47. 請求項45に記載の縦型ホール素子を製造する方法であって、前記周辺回路としてのCMOS回路の製造工程を共用するかたちで当該ホール素子を製造する
    ことを特徴とする縦型ホール素子の製造方法。
  48. 半導体基板内に所定の導電型からなる半導体領域が形成されてなり、同基板の表面に垂直な成分を含む電流が前記半導体領域内の磁気検出部に供給された状態で、同基板の表面に平行な磁界成分が前記磁気検出部に印加されるとき、その磁界成分に対応するホール電圧信号を出力する縦型ホール素子を製造する方法であって、
    前記半導体基板に導電型不純物を添加し、拡散させることによって、前記半導体領域を形成する
    ことを特徴とする縦型ホール素子の製造方法。
  49. 前記半導体領域の形成は、前記半導体基板の表面へイオン注入を行って前記導電型不純物を添加した後、これに熱処理を施して同導電型不純物を拡散させることによって行われる
    請求項48に記載の縦型ホール素子の製造方法。
  50. 前記半導体領域の形成は、裏面側に相対的に不純物濃度の高められた高濃度領域を備える第1の基板と表面側に拡散ストッパ膜を備える第2の基板とをそれら裏面および表面にて貼り合わせてこれを前記半導体基板とするとともに、この半導体基板に熱処理を施して前記高濃度領域に含まれる導電型不純物を拡散させることによって行われる
    請求項48に記載の縦型ホール素子の製造方法。
  51. 前記半導体領域の形成は、表面側に相対的に不純物濃度の高められた高濃度領域が異なる導電型で交互に積層形成された基板を用い、この基板の表面に前記高濃度領域よりも低濃度なエピタキシャル膜をさらに形成してこれを前記半導体基板とするとともに、この半導体基板に熱処理を施して前記エピタキシャル膜に隣接する高濃度領域に含まれる導電型不純物を前記エピタキシャル膜へ拡散させることによって行われる
    請求項48に記載の縦型ホール素子の製造方法。
  52. 前記半導体領域の形成は、前記半導体基板へ高加速度のイオン注入を行って同基板内部に相対的に不純物濃度の高められた高濃度領域を形成した後、これに熱処理を施してその高濃度領域に含まれる導電型不純物を前記半導体基板の表面側および裏面側へそれぞれ拡散させることによって行われる
    請求項48に記載の縦型ホール素子の製造方法。
  53. 前記半導体領域の形成は、半導体からなる基板の表面に相対的に不純物濃度の高められた高濃度領域を形成した後、さらに同表面に前記高濃度領域よりも低濃度なエピタキシャル膜を形成してこれを前記半導体基板とするとともに、この半導体基板に熱処理を施して前記高濃度領域に含まれる導電型不純物を同基板の表面側および裏面側へそれぞれ拡散させることによって行われる
    請求項48に記載の縦型ホール素子の製造方法。
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