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JP2005325442A - 硫黄ベースの腐食防止剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】イエローメタルの腐食防止剤として広く使用されているトリルトリアゾールの欠点である塩素に対する感受性を克服する代替の腐食防止剤を提供する。
【解決手段】保護バリアー又は保護被膜を形成するため充分強力に金属類、特に銅と接合する硫黄ベースの腐食防止剤としてジチオカルバミン酸塩化合物類が有効であることを見いだした。さらに、これら防止剤の化合物は、その脂肪族又は芳香族の置換基を買えると、皮膜化する性能に大きな影響を受けることがわかった。これら置換基の「シールド」の疎水性と立体特性の間のバランスを最適化することによって、改良された腐食防止剤が提供される。
【選択図】図3

Description

本発明は腐食防止剤に関する。より具体的に述べると、本発明は金属、特にイエローメタル(yellow metal)の腐食を防止するのに使う硫黄ベースの腐食防止剤に関する。
銅の腐食防止剤は大部分の水処理製剤の主要成分であると広く考えられている。これらの防止剤は、工業用の冷却システム内に見られる銅合金の表面、特に熱交換表面を腐食から守るように設計されている。これら表面の腐食が加速されて既存の鉄金属表面に銅のガルバニック析出(galvanic deposition)が生ずると、その冷却システムの構造の完全性と作動に有害な影響がある。その結果、銅の腐食防止剤は常に、大部分の水処理製剤の主成分であった。
少なくとも過去30年間、ベンゾトリアゾール(BTA)とその誘導体が、有力な工業用イエローメタルの腐食防止剤であった。その誘導体としてはトリルトリアゾール(TTA)及び2−メルカプトベンゾトリアゾール(MBT)がある。これら化合物の構造は下記の通りである。
これらの腐食防止剤中とりわけ最も普及しているのは4−5メチルベンゾトリアゾール又はTTAであった。この化合物は、工業標準になっており、通常、水処理の専門家は唯一の銅の腐食防止剤と考えている。トリアゾール防止剤類は一般に、冷却塔に2.0〜5.0mg/Lの範囲で添加される。閉ループ再循環システムでは、その添加量は25〜50mg/Lほどの高濃度に達することがある。
これらトリアゾール類がたとえ他のすべての競合薬剤より優れていても、TTAを含むトリアゾール類の優位性には特定の用途では弱点がある。例えば、殺生物剤として添加された塩素は、薄いトリルトリアゾールの皮膜に浸透して腐食速度を加速することを試験結果が示している。トリルトリアゾールで形成された強力な疎水性皮膜は水性環境中では耐分解性が非常に高い。しかし、その皮膜は薄いので、分解が起こった場合、安心して使用できない。塩素と臭素はともに、高濃度の場合、形成された前記皮膜を攻撃して腐食防止が失敗することが知られている。したがって、使用者は、その損傷を修復するため、この状況下で防止剤が残留していることを確保しなければならない。
BTAとTTAはともに、その金属に対する結合部位としてトリアゾール官能基を利用して銅の表面に保護膜を形成すると考えられている。分光分析の結果は、形成された皮膜がCu(I)とトリアゾールの1:1モル複合体であることを示している。この複合体は、Cu(I)を安定化して、銅の酸化を防止しその結果さらにアノード反応を防止すると考えられている。カソード反応は、金属の表面に、水和された電子的に活性な種が運ばれるのを防止する、形成された皮膜の疎水性骨格によって抑制されると考えられている。しかし、これら二つの皮膜の特性は全く異なっている。TTAが形成する皮膜は、水性環境内で分解抵抗性が高いことが分かっている。TTA分子のメチル基は、より大きい疎水性を提供するだけでなく皮膜が厚くなるのを立体的に防止すると考えられている。これらの両特性がその大きい抵抗性に寄与している。しかし、上記のように、TTAの薄い皮膜は万一分解が起こったときBTAほどには安心して使用できない。TTAと対照的に、BTA皮膜は、多数の層からなりはるかに厚い。BTA皮膜はTTA皮膜より浸透されやすいが、その厚さの特に大きいことが完全な分解に対する緩衝物としての作用を助けている。
トリアゾール類の最も頻繁に主張されている弱点の一つは、酸化性のハロゲン化された殺生物剤による分解反応に対する感受性である。その分解反応は、形成されたトリアゾール皮膜及び添加されたすべての殺生物薬を消費する可能性がある溶液中の残留防止剤の両者に影響すると考えられている。大部分の試験結果は、溶液中の遊離トリアゾールがハロゲン化殺生物剤の存在下で分解されやすいことを示している。しかし、試験結果は、この分解の程度が、厳しく有害な程度から弱くて取るに足りない程度まで異なる。予め形成されたトリアゾール皮膜に対するハロゲン化殺生物剤の影響については非常に大きな論争がある。
いくつかの研究結果は、その皮膜は全く損傷されずに塩素が単に浸透するだけであると提唱している。この攻撃は、塩素の濃度がその最大濃度のとき、塩素を添加した直後が顕著である。塩素の濃度が低下すると、腐食速度は低下してベースライン値まで戻る。より疎水性のTTA皮膜は、この種の低濃度の攻撃に対する抵抗性がBTAより大であるので、攻撃を開始するためにより多くの遊離塩素が必要である。この浸透による攻撃は、1.0ppm未満の塩素を短期間添加したときに見られる。露出時間が長くかつ濃度が高い場合、残留防止剤がないときには、皮膜が損傷することが分かっている。皮膜の疎水性は、この種の攻撃に対する追加の利益を提供しないようである。対照的に、臭素は、その原子の大きさが大きいためTTA皮膜に浸透できないので、金属に対する攻撃性がはるかに低いことが分かっている。
トリアゾールの弱点を克服するため、大部分の水処理の専門家たちは、皮膜の損傷領域を修復するため水中に存在する防止剤の残留量を保持することを推薦している。約2.5mg/Lの活性製品という冷却水中のトリアゾールの一定の残留濃度を常に維持することが、大部分の伝統的な冷却水処理プログラムの共通の方式になっている。また、ハロゲンを添加する直前と添加中も、防止剤を計画的に間欠的に供給することがアドバイスされている。しかし、ハロゲン化殺生物剤のあり又は無しに関わらず、水中の残留量を維持する最も一般的な理由は、皮膜が分解した場合の更なるレベルの安全を提供することである。
ごく最近の試験結果は、アゾールなどの防止剤の残留量を維持するこの要求は、先に提案した以上に厳しいことを示している。これらの試験結果は、BTAとTTAの皮膜がともに、酸化性の殺生物剤の存在下でなくても予想外に弱く、残留防止剤が存在しないと直ちに分解することを示した。冷却水中にトリアゾールの残留量を維持するべきであるというこの要求は、トリアゾールが腐食の防止に成功するのに重要である。残留防止剤がないと、これら皮膜は、腐食に対する保護をごく短い時間しか維持できない。これらの知見は、アゾール類の腐食に対する保護の成功が、単に、損傷した皮膜の、水中の遊離防止剤による即座の修復に依存しているだけで、強力な疎水性皮膜の形成に依存していないことを示している。したがって、改良の余地がある。
過去数年間に、TTAの実用可能な代替物を開発する各種の試みがなされている。これらの化合物は主として、ハロゲン化殺生物剤の分解作用に対してより優れた抵抗性を提供するより疎水性の骨格を有するトリアゾール誘導体からなっている。これらの過去の試験は、溶液中の残留防止剤の分解に集中して皮膜の感受性自体についてはほとんど考察していなかった。
したがって、トリアゾールの皮膜の、特に塩素に対する感受性を克服する代替のイエローメタルの腐食防止剤が要求されている。さらに、殺生物剤による分解に対する抵抗性が改良された代替のイエローメタルの腐食防止剤が要求されている。
本発明は、多くの領域でトリルトリアゾールを超えて改良された代替の防止剤を提供する。詳しく述べると、本発明は、保護バリアー又は保護皮膜を形成するため充分強力に金属類、特に銅と結合する硫黄ベースの腐食防止剤に関する。さらに、本発明の防止剤は、溶液中に防止剤無しで長期間例えば数週間にわたって、腐食に対する保護を維持できる。このような防止剤の例としては、ジチオカルバミン酸類とその塩類がある。
本発明の腐食防止剤は、トリアゾール類などの市販の防止剤を超えて改良された皮膜の耐久性を提供する。本発明の腐食防止剤から形成された皮膜は、市販の防止剤と比べて、低レベルのハロゲン化に対して優れた抵抗性を提供する。本発明の防止剤には、残留防止剤を使用することが採用随意になるという追加の利点がある。その上、本発明の防止剤は、軟鋼の表面の追加保護のみならず各種の銅合金の腐食に対する保護を行う。
本発明の腐食防止剤は、金属に対する主要結合部位として、通常のトリアゾールの官能基とは異なる官能部分すなわち「フック」(hook)を提供する。さらに、これら防止剤の化合物は、その脂肪族又は芳香族の置換基を変えると、皮膜化する性能に大きな影響を受けることが分かった。これら置換基の「シールド」(shields)の疎水性と立体特性の間のバランスを最適化することによって、改良された腐食防止剤が提供される。
一つの側面で、本発明は、水処理工業において遭遇する広範囲の水性条件下で銅とその合金の腐食を有効に防止するために、構造によって性能を高められたジチオカルバミン酸塩又はこのような塩の混合物を使用する。これらの酸は本来不安定なので、本明細書では塩類が例示されている。しかし、これらの種は利用する際にそれらの塩基性又は酸性の形態で存在していてもよいと解すべきである。
本発明の硫黄ベースの腐食防止剤は、工業標準規格と比較したとき少なくとも等しくかつ持続する防食を行う。さらに、本発明の銅の腐食防止剤は広範囲の条件にわたってより容易に配合できる。本発明の銅の腐食防止剤は、水処理配合剤に見られる通常の酸化体に対する耐性を提供できる。
本発明は、下記一般式で表される化合物又は分子を含んでいる。
上記式中、M+は、Na+又はCa+などのアルカリ金属のカチオン又はアルカリ土類金属のカチオンを表わす。Xは窒素(N)又は硫黄(S)であってもよい。
Xが硫黄であるとき(例えばトリチオカルボナートの場合)、R2は存在せずかつR1はH、C1−C12アルキル、アリールもしくはポリアリール、C1−C12アルカリール、C1−C12シクロアルキル、C1−C12アルコキシ、C1−C12ポリアルコキシ、ヒドロキシルもしくはポリヒドロキシ、C1−C12アルキルカルボキシ、C1−C12アルキルアミノ、C1−C12ハロアルキル、ハロアリール、アルコキシアリール、ヒドロキシアリール、アミノアリール、カルボキシアリール、これらの基の結合物又はこれらの基のさらに官能基化された変異基である。
Xが窒素であるとき(例えばジチオカルバメート又はジチオ化合物の場合)、R1はH、C1−C12アルキル、アリールもしくはポリアリール、C1−C12アルカリール、C1−C12シクロアルキル、C1−C12アルコキシ、C1−C12ポリアルコキシ、ヒドロキシルもしくはポリヒドロキシ、C1−C12アルキルカルボキシ、C1−C12アルキルアミノ、C1−C12ハロアルキル、ハロアリール、アルコキシアリール、ヒドロキシアリール、アミノアリール、カルボキシアリール、これらの基の結合物又はこれらの基のさらに官能基化された変異基であってもよく、そしてR2はH、C1−C12アルキル、アリールもしくはポリアリール、C1−C12アルカリール、C1−C12シクロアルキル、C1−C12アルコキシ、C1−C12ポリアルコキシ、ヒドロキシルもしくはポリヒドロキシ、C1−C12アルキルカルボキシ、C1−C12アルキルアミノ、C1−C12ハロアルキル、ハロアリール、アルコキシアリール、ヒドロキシアリール、アミノアリール、カルボキシアリール、これらの基の結合物又はこれらの基のさらに官能基化された変異基であってもよい。R1とR2は前記分子の中の異なる置換基又は同じ置換基でもよい。
さらに、Xが窒素であるとき、本発明は、官能基化マルチアミン又は官能基化ポリアミンと呼称される複数の繰返し単位を含んでいてもよい。それらの官能基は、上記定義のジチオカルバメート基類、R1置換基及びR2置換基で構成されている。
一つの側面で、本発明は、1種又は2種以上の硫黄ベース腐食防止剤を含有する水溶液である。別の側面で、本発明の硫黄ベースの腐食防止剤は1種又は2種以上のジチオカルバミン酸塩である。別の側面で、本発明は、1種又は2種以上のジチオカルバミン酸塩を含有し、アクティビティーが約10%〜約50%の水溶液である。一側面で、本発明は、1種又は2種以上のジチオカルバミン酸塩を含有しpHがそのジチオカルバミン酸塩を安定化するpHである溶液である。別の側面で、その溶液は、そのpHが前記1種又は2種以上のジチオカルバミン酸塩を安定化するため少なくとも約10又は約10を超えるpHである。さらに別の側面で、本発明は、1種又は2種以上のジチオカルバミン酸塩を含有し、pHがそのジチオカルバミン酸塩を安定化するため約11〜約13である水溶液である。別の側面で、前記水溶液はさらに、1種又は2種以上のジチオカルバミン酸塩を溶液で維持するため有機補助溶媒(co−solvent)を含有している。別の側面で、その有機補助溶媒はイソプロピルアルコールである。一側面で、その有機補助溶媒は、生成物を安定化するために添加される10%のジエチルヒドロキシルアミンも含んでいる。
別の実施態様で、本発明のイエローメタルの腐食防止剤はさらに、軟鋼の腐食を防止するのに有用である。「軟」鋼は炭素を含有する低合金鋼を意味する。一実施態様で、本発明のイエローメタルの腐食防止剤はさらに、金属合金の腐食を防止するのに有用である。このような金属合金としては、例えば亜鉛めっき鋼、ステンレス鋼、鋳鉄、ニッケル及びその組合せがある。
また、本発明は、1種又は2種以上の上記化合物又は分子の有効量を冷却水塔などの水性系に添加するイエローメタルの腐食防止法に関する。例えば、この水性系は、上記化合物又は分子を約0.1mg/L〜約100mg/L添加してもよい。一実施態様で、この水性系は、1種又は2種以上の上記化合物又は分子を約4.0mg/L〜約5.0mg/L添加される。
別の実施態様で、本発明は、例えば金属を防止剤中に浸漬したり、防止剤を金属の表面にスプレイ又は塗布するなどして1種又は2種以上の上記化合物又は分子の有効量を金属表面に直接付加又はコートしてすすぐイエローメタルの腐食防止法に関する。この点で、この方法はさらに、1種又は2種以上の活性防止剤及びこれら活性防止剤の溶解度を維持するために有効な量の少なくとも1種の補助溶媒から形成された製剤又は製品で金属の表面をコートすることを含んでいる。
さきに考察したように、アゾール類は、アゾール皮膜の損傷を修復するため、水性系に残留防止剤を維持する必要がある。対照的に、本発明の防止剤は、腐食を防止するために残留防止剤が存在することを必要としない。したがって、本発明の防止剤から形成された皮膜の耐久性によって、使用者は水性系の処理法を完全に変えることができる。この方法は、水中の残留濃度を維持するため防止剤を一定量供給するのではなく、本発明の防止剤を水性系にスラッグ(slug)で添加する。このような処理法は、コストの低減、監視の減少などを含むいくつもの利点を最終使用者に提供できる。さらに、アゾール類が残留防止剤を添加する必要があるときに、この種の処理法は成功できない。
本発明の上記化合物又は分子は強力な還元剤であるから、当業者は、酸化/還元電位(ORP)を監視することによって、組成物を検出できることが分かるであろう。その組成物は、システムに添加されるとORPの読取り値が有意に低下する。さらに、これら分子の中の少なくとも1種は、他の分子と同様にORPの読取り値が低下するが、処理する前の初期の読取り値まで迅速に上昇する。これは、その分子と金属表面が相互に作用して皮膜を形成したことを示している。この挙動は、最終使用者にとって大切な金属の表面を保護するため充分な防止剤がいつ付加したかを知る独特な方法を提供する。
さらに、冷却水中の上記化合物又は分子の少なくとも1種はUV吸収法で検出できる。これは、先に述べたすべての分子には存在しない芳香族基がその分子に存在しているためであると考えられる。ジベンジルジチオカルバメートがこのような化合物の一例である。しかし、芳香族置換基を有する上記化合物はいずれもUV吸収法で検出できるはずである。
したがって、本発明は、UV分光法及び/又は酸化−還元電位測定法を利用して、本発明の少なくとも1種の化合物又は分子を検出し、測定しそして添加量を調節する水性系の処理法を提供するものである。この方法はさらに、UV分光法を利用して、芳香族モノマーを含有するポリマーなどの他の添加物を検出し、測定し次いでその添加量を調節するステップを含んでいる。
本発明の硫黄ベースの銅腐食防止剤(CCI)は、通常の官能部分と結合した脂肪族置換基と芳香族置換基を両方とも含有している。本発明は、CCIの疎水性置換基が変化すると、防止剤の皮膜形成性能が大きな影響を受けることを示している。
試験された硫黄ベースCCIの置換基としては、ジメチル、ジエチル、ジプロピル、ジイソプロピル、ジブチル、ジイソブチル、ジペンチル及びジベンジル基が含まれている。電気化学腐食セルとパイロット冷却装置の両者を各種の水の条件で使用して、通常の腐食試験システム内にて同一条件下、各分子の性能をトリルトリアゾールの性能と比較した。その電気化学試験としては、直線分極抵抗法(linear polarization rsistance)、開路の電位/時間法(open circuit potential ver−sus time),タフェル法及びサイクル分極法(cyclic polarization)がある。
本発明は、明確なバリヤーを形成するよう充分強力に、銅などの金属と結合する硫黄ベースの化合物に関する。上記の一般構造を有する脂肪族分子と芳香族分子の両者を、それらの銅腐食防止特性について評価した。これら分子としては、例えば、下記式で表されるジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム(SDDC)、トリチオ炭酸二ナトリウム(TTC)、エチレンビス−ジチオカルバミン酸塩(EBDC)及びジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(SDEDC)がある。
他の例としては、下記のようなポリマーのジチオ化合物
及び下記のようなアルキルトリチオ炭酸塩がある。
これら化合物の性能を、同一条件下でTTAの性能と比較した。これらの比較試験は、電気化学腐食セルとパイロット冷却装置の両方を使い、各種の水の条件を利用して、共通の腐食試験システムで実施した。試験法としては、直線分極抵抗法、開路電位/時間法、タフェル法及びサイクル分極法などの電気化学的試験法がある。
実験法
電気化学的試験法の概要
電気化学的試験法は、重量減が測定できるようになる前に、金属の腐食速度を測定する方法を提供する。銅の場合、腐食速度は通常2.0ミル/年(mpy)未満であるので重量減を検出するのに長い時間がかかるから、電気化学的試験法は非常に有益である。腐食防止剤を評価するとき、上記特性によって、全体腐食の速度(general corrosion rate)及び皮膜の耐久性を含む防止剤の性能を迅速に評価できる。これらの試験法は、電解質中の電極に電圧を加えて生成した電流を測定することによって実施される。その電流値を電極の表面積で割り算すると(アンペア/cm2)、標準腐食速度(mpy)に容易に変換できる。
電圧を加えていないときの電極電圧の測定値は開路電圧(OCP)と呼称される。電極に加えられる電圧の程度は常にOCPが中心になっているが、電圧がOCPより小さいか又は大きいかに関わらず過電圧(overpotential)と呼称される。OCPより50mV大きい過電圧を加えると、カソード電流は微小になり、その電極はほぼアノードになる。OCPより50mV小さい過電圧を加えると、その電極はカソードになる。各ハーフリアクション(half reaction)を独立して調節して、それらが生成する外部電流を測定できる。この過電圧が大きければ大きいほど問題の金属の腐食に関する情報をより多く得ることができる。過電圧の範囲が小さくて500mVまでの場合、全体腐食に関する情報を提供できるが、過電圧の範囲が1000mV〜2250mVの場合、孔食及び/又はすき間腐食に関する情報を提供できる。
直線分極抵抗法 直線分極抵抗法は全体腐食の速度を迅速に推定できる。この試験法は、過電圧の範囲がOCPより−20mV〜+20mVと小さいので、金属の表面を損傷しない。この方法は、システム内の腐食速度を時間の経過とともに無制限に監視することができる。その結果、この方法は、腐食セル内でのスクリーニング法として及び非破壊試験が必要なときの長期パイロット試験における一次腐食(primary corrosion)のモニターとして最も有用である。
タフェル分極法 タフェル(Tafel)分極法は、全体腐食に関する最も詳細な情報を提供する。OCPより約250mV低い電圧をかけ次いで電圧がOCPより約250mV高くなるまで段階的に上げることによってカソードのブランチとアノードのブランチが生成する。この電圧‐電流のデータを、印加電圧/電流密度の対数値としてプロットする。腐食速度は、タフェルのプロットから、アノードブランチとカソードブランチが直線になる点からそれらブランチがOCPで交差する点まで線を外挿することによって測定する。タフェル外挿法は、金属の開路電圧におけるその金属の実際の腐食速度を推定する手段である。この腐食速度は、金属が失われても非分極金属は電流密度がゼロであるから、直接測定できない。この交差が起こるx軸上の点が、問題の金属の電流密度(icorr)を与える。次にこの電流密度を、ミル/年の腐食速度に変換できる。
全体腐食の速度に加えて、上記タフェル法は、防止剤の力学的防止特性に関する情報を、カソード線とアノード線の勾配を全サプレッション(overall suppression)とともに観察することによって提供できる。勾配が増大することは、加えた過電圧当たりの電流密度の変化が小さいことを示す。この変化に抵抗する性能は、その防止剤が、条件が悪化したとき腐食を防止するのに有効であることを示す。全サプレッションは、アノード線とカソード線の、より小さい電流密度への全体のシフトと定義する。y軸に電圧を及びx軸に電流密度をそれぞれプロットすると、上記のことはx軸に沿って左へのシフトを意味する。
サイクル分極法 サイクル分極法は防止剤皮膜の特性について最も多くの情報を提供する。カソードブランチとアノードブランチは、OCPより約250mV小さい電圧を加え、次いでその電圧を、OCPより約1000mV大きくなるまで又は電流密度が予め設定された大きさに到達するまで、段階的に増大させることによって作製される。この時点で、電圧を逆転させて減少させ電流密度ゼロまで戻す。サイクル分極曲線のキーポイントは、一次不動態化電圧(Epp)、分解電圧(Ebd)及び再不動態化電圧(Erp)である。これらキーポイントの、グラフ上の位置によって、皮膜の耐久性、修復性及び孔食性に関する情報を得ることができる。
腐食セル試験法
タフェル法とサイクル分極法はすべて、1Lの腐食フラスコ内で行った。各フラスコを、電解質試験水で満たし次に温度が50℃の攪拌中の水浴に入れた。CDA110銅又はCDA122銅の作用電極、グラファイトの対電極及びAg/AgClの照合電極を使ってすべての試験を行った。作用電極を,アセトンと脱イオン(DI)水ですすいだ後、試験水中に浸漬し次に安定なOCPが得られるまで(通常30〜60分間)静置した。この時点で、その電解質試験水に防止剤を50mg/Lの濃度で添加した。試験の段階によって、2種類の試験水を使った。Model 263A Potentiostat/Galvanostat(米国テネシー州オークリッジ所在のPrinceton Applied Researchより入手可能)を使用して電気化学的測定を行った。
一次スクリ−ニング水 この水は、1000mg/LのNaClを含有しMアルカリ度が1000mg/Lであった。この水のpHは9.5であった。選択された水の化学作用が未処理の系に高い腐食速度をもたらし、その結果、防止剤を区別する大きな機会を提供する。
単純冷却塔水 この水は、300mg/LのCaと10mg/LのMg(両者ともにCaCO3として)、297mg/Lの塩化物イオン、47mg/LのMアルカリ度、455mg/LのNa及び10mg/Lの炭酸カルシウム調節ポリマーを含有していた。この水のpHは8.75〜8.85に調節した。すべての防止剤の添加量は5.0mg/Lの活性防止剤であった。
複合冷却塔水 選択された電解質試験水は、典型的な冷却水の状態に似せた試験水であった。この水は、400mg/LのCaと160mg/LのMg(両者ともにCaCO3として)、396mg/Lの塩化物イオン、400mg/LのMアルカリ度、400mg/Lの硫酸イオン(CaSO4として)及び383mg/LのNaを含有していた。典型的な水処理製剤を添加して、PBTCを3mg/Lに、炭酸カルシウム調節ポリマーを10mg/Lに、オルトリン酸塩を7.5mg/Lに及びリン酸カルシウム調節ポリマーを10mg/Lにした。この水のpHは8.5〜9.05であった。空気を上記系中にバブリングさせてその水を酸素で飽和させた。
パイロットシステム試験
パイロットシステムは防止剤を評価するより実際的なシステムを提供する。各ユニットは、熱交換ラック、腐食ラック及び冷却凝縮器を備えた25Lの非蒸発式冷却システムである。上記熱交換器に供給される熱流束は、供給されるワット数で調節できる。このシステムは、濃度のサイクルを増大できるブローダウン性能を有するとともに処理剤、硬度調節剤及びアルカリ度調節剤を供給する。この試験のために選択された作動パラメータは、0.9m/secの流速、40℃のバルク水温度及び16,000BTU/ft2/hrの熱流束であった。熱交換ロッドは、CDA122及びアドミラルチ黄銅合金で製造されていた。これらの熱交換表面は、全体腐食と局所腐食の痕跡についてのすべての試験を通じて視覚で厳密に監視した。CDA110銅電極を有する直線分極抵抗プローブを、すべてのパイロット試験を通じて防止剤について全体腐食速度を推定する方法に使用した。各未処理溶液に対して安定した腐食速度が得られたならば、次に防止剤をその系に添加した。腐食セル試験の場合は、試験の段階によって、2種類の試験水を使った。
概念パイロットの試験
パイロット試験を、選択したいくつかの候補について実施してそれらの性能をTTAの性能と比較した。試験に使用した水の状態は上記の概念試験水であった。直線分極抵抗コレータープローブ(corrator probe)を使って、全体腐食速度を約1.0mpyから0.2mpy未満まで低下させる防止剤の性能を、各防止剤について評価した。TTA、ジエチルCCI及びジブチルCCIは、最初に2.0mg/L添加したとき、腐食速度を上記所望の範囲に低下させることができた。ジメチルCCIとジプロピルCCIも、10mg/L添加した後、腐食速度を所望の0.2mpy以下に低下させることができた。この試験は、これらCCI分子をさらに研究すべきであることを確認する予備試験法として役立った。
分子モデリング試験
本発明の防止剤の性能の機構を理解するため、分子モデリングを利用した。最初のスクリーニング試験は、立体因子の腐食防止に対する寄与が重要であることを示唆した。この分子モデリング試験は、銅の表面において最適の分子結合をもたらす防止剤−表面の相互作用を予測することによって、前記理論を確認するように設計した。この試験で、例えば結合部位、形態及び相互作用の距離を検討することによって、本発明の防止剤およびトリアゾール類などの通常の市販防止剤のエネルギーを最小化する結合の配置構成を比較した。次にこれらの配置構成を利用して、防止剤分子が金属表面に接近するときのそれら分子間の横方向の相互作用を試験した。エネルギーが最低である配置構成及び最適化被覆率を利用して、各分子の金属表面に対する全吸着エネルギーを計算した。これら配置構成の銅表面結合エネルギーを、DMolすなわち高品質量子機構(high quality quantum mechanics)コンピュータプログラム(米国カリフォルニア州サンディエゴ所在のAccelrysより入手できる)を使って計算した。これらの計算は、二重数値分極(double numeric polarization)(DNP)基底設定(basis set)による最初からの局所密度関数(ab intio local density functional)(LDF)法及びベッケ−パーデュ(Becke−Perdew)(BP)関数法を採用した。モデル化された種:CCIとトリアゾールの二つのファミリーは、それらの結合官能基から離れた位置の疎水性置換基だけが異なる。計算結果と実験結果の両者に基づいて、銅表面の結合性と腐食防止性の電子による立体的特性について結論を引き出した。
このモデリング法は、結合の部位、形態及び距離を考慮することによって、各分子の金属表面との最も有利な相互作用を簡単に決定した。このモデリング法は防止剤分子が金属表面に接近するときのそれら分子間の横方向の相互作用も考慮した。これらモデリング法は、最低エネルギーの配置構成と最適化被覆率を利用して各分子の全吸着エネルギーを計算した。BTAの置換変異体の全吸着エネルギーを、本発明のCCI類の全吸着エネルギーと比較した。表1は、BTA誘導体とCCI類の全吸着エネルギーの要約である。
一連の試験が、選択された防止剤の、16個の原子からなる2層の銅原子クラスターに対する接近をモデル化した。その銅に対する三つの可能性がある結合部位を選択した。すなわち1)上層の銅原子の上、2)下層の銅原子の上、及び3)銅の間隙部位である。これら三つの部位は図1に示してある。
防止剤の3種の接近角度又は配置構成のタイプも選択した。すなわち分子の平面が銅の表面に平行であるFlat;分子が銅の表面に垂直で一次結合官能基(primary binding functionality)が下方に向いているUp;及び分子が銅の表面に垂直で結合官能基のうちの一つだけが銅の表面の方に向いているSである。銅の表面に対する接近角度は図2に示してある。BTAとTTAのUp−2配置構成は、図2に例示したような、二つの窒素原子が下に向いている垂直配向を意味する。
各分子の配置構成のタイプには、非結合置換基の斜めむきや捩れのために多種類の変形が生じる可能性があった。しかし、このモデリングプログラムは上記3種の接近タイプ各々に最低エネルギーの配置構成を決定して銅表面との相互作用の配向を予測できた。表2に、4種の分子に関するモデリング試験の結果を要約してある。
この分子モデリング試験の結果は、BTA、TTA及び新しいCCIの種がすべて、ほぼUpの配置構成でかなり強い結合エネルギーを示すことを示している。この空間配向は、各分子の結合官能基を、銅の表面原子に最高にアクセスさせることができる。同時に、このUpの配置構成は、これら分子の比較的疎水性の部分を水の方に向ける。Flatの配置構成の分子はすべて、非常に弱い結合エネルギーを示した。
結局、離れた置換は結合エネルギーに対してごく僅かしか影響しない。したがって、BTAとTTAはよく似た結合エネルギーを示す。同じことがジメチルCCIとジプロピルCCIに当てはまる。したがって、結合の電子の様相が、構造系列内の分子に比較的等しいならば、性能の差は立体効果に帰することができる。例えば、TTAのBTAを超えた高い性能は、メチル基によって与えられるより大きい立体遮蔽が原因であることが分かる。疎水性基の大きさの差は、本発明の防止剤の場合、より一層明白である。
配置構成の試験から決定した最低エネルギーの配置構成と最適化被覆率を使用して、防止剤分子が金属表面に接近するときのこれら分子間の横方向相互作用を評価するため、別の分子モデリング試験を実施した。この相互作用に基づいて、金属表面に向かう各分子の全吸着エネルギーを計算した。表3に、BTA、TTA、t−ブチルベンゾトリアゾール、ジメチルCCI及びジプロピルCCIの吸着エネルギーの計算結果(kJ/mole)を要約してある。数値が負であればあるほど吸着力が強い。
上記分子モデリング試験の結果から以下のことが確認された。第一に、本発明のCCI防止剤の吸着エネルギーは、トリアゾール系の吸着エネルギーより著しく強い。このように吸着が増大したことは、CCIの官能基が、トリアゾールの官能基よりはるかに優れた、金属表面に結合するための「フック]を提供できることを示している。第二に、TTAはBTAより吸着力が少し改善されているのは、電子供与基が吸着を高めることができることを示しているのかもしれない。
第三に、置換基が大きく嵩だかであるほど、金属表面への分子の充填速度が遅くなるので吸着エネルギーが低下する。この低下は、ジプロピルCCIとt−ブチルベンゾトリアゾールの場合、最も顕著である。t−ブチルベンゾトリアゾールは、その骨格が一層疎水性であるためTTAより耐久性の高い皮膜を形成すると広く主張されている。しかし、t−ブチルベンゾトリゾールはその皮膜を金属の表面に形成するのにTTA又はBTAより長い時間がかかることも知られている。大きい置換基を有する防止剤について計算された吸着力が小さいことは、その皮膜が最終的に腐食を実際に防止する性能より、皮膜形成に必要な時間の優れた指標であるようである。
最終的に、その計算値は、金属に対する初期の吸着に対する立体障害を説明しているだけである。より大きい置換基による、形成された皮膜のより高い疎水性の骨格からの利点は、この計算値で検討することはできない。
分子モデリングの試験は、電気化学的試験の有用な予備試験として役立つ。この試験は、CCIの官能基が、その分子を金属表面に結合するより優れた「フック」を提供することによってトリアゾール類を超えて劇的に改良することを示している。さらに、より大きくかつより疎水性の置換基が、皮膜の形成を立体的に阻害したり又は防止剤が水溶性のままであることを立体的に阻害するほどに大きくならない限り、より有効な腐食防止剤を提供するようである。疎水性と立体障害の間の正しいバランスを見つけることによって、防止剤の「遮蔽」を修正して最良のイエローメタル腐食防止剤を提供できる。
防止剤の性能―皮膜の耐久性と抵抗の証明
残留防止剤によるタフェルの分極 最初の試験を、5.0mg/Lの残留防止剤を含有する一次スクリーニング水で実施した。まず銅の作用電極を腐食セル中に入れ、冷却塔マトリックスで満たし次いで約1時間攪拌せずに静置した。その時点で、5.0mg/Lの活性防止剤を前記水中に添加した。その電極を一夜攪拌せずに静置して、保護皮膜を完全に形成させて電極を安定化した。翌日、その電極を、それが入っている腐食セル内で分極させた。次にその皮膜が形成された電極を、1時間静置してOCPを安定化させた後に分極を実施した。各種の疎水性置換基について最適の防止剤性能に到達するのに必要な時間に差があることが分かった。タフェルを外挿して得られた腐食速度を図3にプロットしてある。
図3を参照すると、ジメチルCCIは数時間以内にその腐食速度が最低になったことが分かる。置換基が大きくなると、腐食速度は翌日最低になった。TTAは即座に低い腐食速度になり、試験期間を通じて低い腐食速度を維持した。置換基の大きさが大きい場合の翌日の腐食速度は置換基が小さい場合の約1/10であり、TTAに充分匹敵する腐食速度であった。
長期試験はさらに、これらの大きい置換基はさらに延長した期間にわたってその防止特性を維持したが、ジメチルCCIやジエチルCCIなどの小さい置換基は分解の徴候を示し始めたことを示した。これらの長い期間の防止特性は、電気化学的に活性の種の浸透に対する高い抵抗性を維持する優れた保護皮膜を金属表面に形成する、大きくかつより疎水性の置換基の性能が原因であると考えられる。
活性防止剤の各種添加量を、ジベンジルCCIついて、アドミラルチ(admiralty)黄銅電極のタフェル分極によって評価した。そのプロットは図4に示してある。添加量を増やすと、アノード曲線(βa)とカソード曲線(βc)両者の抑制(suppression)が有意に改善されたが、これはアノードとカソード両者の腐食反応の防止が大きく改善されたことを示している。図5は、添加量の増大によって腐食防止が改善されたことの目に見える証拠を示す。
先に示したタフェルの分極と比較したとき、本発明の防止剤は、アノードとカソードの腐食反応を全体にわたって抑制することが分かった。この抑制は、試験された大きい置換基の場合より顕著であった。本発明のCCI化合物類も、アノードライン(βa)の勾配が増大し、これはアノード電流がさらに抑制されたことを示している。この勾配の増大は、ジベンジル、ジイソブチル及びジペンチルのCCIの場合、最も顕著であった。またこれら試験結果は、本発明のCCI化合物が両方の腐食反応を抑制するのに役立ったことも示している。全体として、これら化合物の各種の疎水性置換基は、カソード反応の抑制よりアノード反応の抑制に大きく影響するようである。
残留防止剤無しでのタフェル分極法 この方法は残留防止剤ありの場合と同一であった。この場合、一次スクリーニング水中に添加した5.0mg/Lの活性防止剤の存在下、銅の作用電極に、防止剤の皮膜を一夜形成させた。翌日、その電極を取り出し、DI水ですすぎ次いで別の腐食セル中に入れ、残留防止剤なしの一次スクリーニング水で満たした。1時間後、タフェル分極を行った。この方法で、修復のための残留防止剤無しで皮膜だけの全評価を行うことができた。
図6は、主要防止剤とトリルトリアゾール(TTA)及び未処理の「ブランク」溶液のタフェルのプロットを示す。これらのプロットは、3種の防止剤:ジベンジル、ジイソブチル及びジプロピルのCCIのアノード電流が同様に抑制されることを示している。しかし、カソード曲線は大きく分離し、ジイソブチルCCIがカソード反応を他のCCIより僅かに良好に抑制することを示し、ジベンジルCCIが続き最後にジプロピルCCIが続いている。カソード反応のこの差は、主として遮蔽する置換基の疎水性の変化が原因と考えられる。すなわち、皮膜の骨格の疎水性が高ければ高いほど、皮膜は冷却水中の電気化学的に活性の種の浸透と攻撃に一層抵抗できる。これら3種のCCIはすべて、曲線が大きく右方向へシフトしてブランク(防止剤無し)溶液に近接したTTAより良好に、両反応を抑制した。タフェルの外挿を上記DMolソフトウェアプログラムを利用して図6のグラフについて実施した。得られた腐食速度(mpy)を表4に列挙した。
表4は、損傷を修復するための残留防止剤なしで、TTAの性能は劇的に低下したが本発明のCCIの皮膜は腐食を極めて良好に抑制し続けていることを示している。
残留防止剤ありの場合のサイクル分極法 5.0mg/Lの残留防止剤を含有する一次スクリーニング水中で、初期の試験を行った。まず銅の作用電極を腐食セル中に入れ、冷却塔マトリックスで満たし次いで約1時間攪拌せずに静置した。その時点で、5.0mg/Lの活性防止剤をその水中に添加した。評価するため選択した防止剤は、ジベンジルCCI、BTA及びTTAであった。それら電極を一夜攪拌せずに静置して、保護皮膜を完全に形成させて電極を安定化した。翌日、その電極を、それが入っている腐食セル内で分極させた。その皮膜が形成された電極は、1時間静置してOCPを安定化させた後に分極を実施した。
残留防止剤ありで得られたサイクル分極のグラフは図7に示してある。すべての防止剤が、未処理溶液より、電流密度を大きく抑制することを示し、約200mVという非常に顕著なEbdを示している。CCIで処理した電極のサイクル分極のプロットは、トリアゾール類に匹敵する、BTAとTTAの性能の間に位置する皮膜安定性を示した。そのCCI皮膜は、その不動態領域及び両トリアゾールに匹敵する不動態範囲(OCPと分解電位(Ebd)の間)で、BTAより低いアノード電流を維持した。これらの結果は、CCI分子が、損傷した皮膜を修復するため残留防止剤が存在するときの前記トルアゾール分子に匹敵する保護を行う皮膜を提供することを示している。しかし、残留防止剤が存在しなくても、CCI分子の皮膜は、トリアゾール類の皮膜と比べて腐食に対して保護する優れたバリヤーとして自らを明確に差別化する。
残留防止剤なしの場合のサイクル分極法 まず銅の作用電極を腐食セル中に入れ、冷却塔マトリックスで満たし次いで約1時間攪拌せずに静置した。その時点で、5.0mg/Lの活性防止剤を前記水中に添加した。上記のタフェル分極試験と同様に、それら電極を一夜攪拌せずに静置して、保護皮膜を完全に形成させて電極を安定化した。翌日、これら電極を、それらが入っている腐食セルから取り出して、DI水ですすぎ次いで残留防止剤なしの冷却塔水マトリックスで満たした別の腐食セル内に入れた。次いで、皮膜が形成された電極を1時間静置してOCPを安定化した後、分極を行った。
残留防止剤が存在しない場合に得られたサイクル分極のグラフは図8に示してある。TTAとBTAの曲線に、約200mVという非常に顕著なEbdとともに、より高い電流密度への顕著なシフトが見られる。両トリアゾールの曲線は未処理溶液の曲線とよく似ているが、これは、その皮膜が腐食に対して測定可能なほどに保護できないことを示している。対照的に、ジベンジルCCIは、そのEbdが顕著に低下することなくそのアノードのスキャンを通じて非常に低い電流密度を示した。これらの知見は、CCI分子が、トリアゾール類よりはるかに耐久性が高い皮膜を形成するので、全体腐食と局所腐食の両者に対して保護するため残留防止剤を連続して供給する必要がないことを示している。
パイロット試験の評価
残留防止剤なし及び低レベルの次亜塩素酸塩 直線分極抵抗腐食測定法を使って単純冷却塔水で、パイロット試験を実施した。これらの試験は、皮膜の耐久性の表示を、低レベルの次亜塩素酸塩で処理した、より実際的なパイロットシステムに移行できるかを決定するために行った。これらの試験において、防止剤は5mg/Lの活性添加量にて16時間で保護皮膜を作ることができた。皮膜形成後、防止剤をシステムから流出させ次いで0.5mg/Lの遊離塩素を添加した。
二つの試験から得た腐食速度を、遊離塩素の測定値に対しプロットして図9に示す。試験結果は、遊離塩素のレベルが約0.1mg/Lに到達するとTTAの皮膜が分解し始めて、腐食速度が0.5mpyに達することを示した。対照的に、本発明の化合物を使って製造したジベンジルCCIの皮膜は、高レベルの遊離塩素に対してはるかに低い腐食速度を維持した。このジベンジルCCIの皮膜の腐食速度は、遊離塩素の濃度が0.2〜0.3mg/Lに到達するまで、著しく増大し始めることはなかった。この時点でさえ、その増大速度はTTA皮膜に比べてはるかに小さかった。腐食速度は一般に、遊離塩素の濃度が0.4mg/Lを超えて上昇するまで、約0.2mpyという許容できないレベルに到達しなかった。
遊離塩素のレベルが0.5mg/Lを超えたとき、次亜塩素酸塩の供給を停止して遊離塩素のレベルを0.1mg/L未満まで低下させた。この目的は、腐食速度が、次亜塩素酸塩を添加する前の低いレベルに戻るかどうかを確認することであり、戻ればその保護皮膜がその完全さを保持していることを示す。TTAの皮膜は、遊離塩素のレベルが0.1mg/L未満でも0.4mpyという許容できない腐食速度を維持し続けた。このことは、浸透による攻撃の代わりに、皮膜の分解が起こりうることを示した。CCI皮膜の腐食速度は、遊離塩素のレベルが0.1mg/L未満の場合、0.1mpyまで降下したが、これは、本発明のCCI組成物を使って製造した皮膜がより完全なままであったことを示している。
これらの試験結果は、遊離塩素のレベルが一般に約0.2mg/Lになるように連続的に塩素が供給されるシステムにおいて、本発明のCCI分子が腐食に対してさらに一層保護できることを示している。この可能性をより詳しく調べるため、TTAとジプロピルCCIの皮膜を、残留防止剤無しでかつ遊離塩素が0.2〜0.4mg/Lの一次スクリーニング水中でのタフェル分極法で評価した。これらの試験結果は、皮膜の分解に対する感受性が、TTAで製造された皮膜の方が本発明のジプロピルCCIで製造された皮膜よりきわめて大きいことを一層劇的に示すことを証明した。
図10は、タフェル外挿法で測定した、時間の経過に伴う腐食速度の変化を示す。この外挿法から分かるように、本発明のCCI防止剤はすべて、TTAより約10倍良好であった。その外挿法は、TTAがそれ自体で保護バリヤーを保持できないので、その残留防止剤に頼って損傷した皮膜を補修しなければならないことを示している。対照的に、本発明のCCI防止剤は、残留防止剤を添加すること無しで、腐食に対する保護を維持する皮膜を提供する。図11はこのことをさらに裏付けている。図11は試験後の電極の写真を示す。図11から分かるように、TTAの皮膜を有する電極には激しい局部腐食が起こったが、ジベンジルCCIの皮膜を有する電極は損傷されないままであった。
残留防止剤を維持せずにスラッグを添加することによるパイロット試験 0.2〜0.3mg/Lの次亜塩素酸塩濃度を長時間にわたって連続的に維持することによる攻撃に対して、被膜が保護できるかどうかを確認するために評価を行った。ジベンジルCCIとTTAの皮膜を、冷却水中に残留防止剤無しで4週間評価した。比較するため未処理の系も評価した。銅合金CDA−122のロッドとアドミラルチ黄銅CDA−443の熱交換チューブをパイロットシステムに入れて試験期間を通じて、目視観察を行った。銅合金CDA−110の電極付きLPRプローブを使って、全体腐食速度を連続して監視した。
最初に5.0mg/Lの残留防止剤をスラッグで添加した複合冷却水で、すべての試験を行った。次に、これらの系を洗い流して残留防止剤を除いた。皮膜に対し水をより攻撃的にするため、試験開始から12日目に0.20mg/Lの遊離塩素の添加を開始した。この試験期間中の遊離塩素の濃度のプロットを図12に示してある。遊離塩素の濃度を、4日間以内に約0.15mg/Lまで上げ次に試験終了までに0.20mg/Lまでゆっくり上げた。前記LPRプローブは、遊離塩素の添加を始めるまで腐食速度を検出できなかった。その時点で、腐食速度が、未処理系とTTAで処理した系の両方で増大し始めた。試験中のこれら腐食速度は図13に示してある。図13は、TTAで処理した系が、未処理の系より速く0.30mpyというより高い腐食速度に達したことを示している。ジベンジルCCIで処理した系は、試験期間を通じて低い腐食速度を維持し、0.10mpyより高い腐食速度に決して到達しなかった。腐食速度のこの差は、可溶性銅の濃度に関する冷却水のICP分析によってさらに裏付けられた。これらの濃度は図14に示してある。ジベンジルCCIで処理された系が試験全体を通じて可溶性銅の低い濃度を維持したことは図14から分かるが、これは、銅腐食反応が一層妨害されて冷却水中の可溶性銅の量が少なくなったことを示している。
試験全体を通じてなされた熱交換チューブの目視観察の結果は、腐食速度の測定値よりはるかに劇的であった。未処理の系とTTAで処理された系はともに、遊離塩素の濃度が0.10mg/Lに達すると、アドミラルチ黄銅とCDA−122の熱交換器の両方に目に見える腐食の徴候を示し始めた。これら腐食の徴候は、金属の表面の斑点状の変色として始まり、徐々に広がり、金属の表面を元の銅の金属表面から灰色の表面に完全に変色させるに至る。三つの熱交換チューブの写真を試験後に撮って図15に示した。ジベンジルCCIで処理した系は、金属表面に腐食による堆積物又は変色が全く発生しなかった。その熱交換器は、引き続き、その系に組み込まれた日と同じに見えた。
軟鋼を腐食されないように保護する性能 C1010電極を使って上記試験を繰り返し、ジベンジルCCIとジプロピルCCIで処理した二つのパイロットシステム及び未処理のパイロットシステムについて、軟鋼(炭素含有の低合金鋼)の全体腐食の速度を監視した。図16に示した結果は、本発明のCCI分子が軟鋼をかなり保護することを示している。図16は、未処理溶液の腐食速度は11.0mpyを超えて上昇するが、両方のCCI分子は約3.1mpyという非常に低い腐食速度を維持できたことを示している。この性能は、本発明のCCI分子が、銅合金の表面をその防止剤で処理すると、冷却システム内の軟鋼の表面も保護して追加の利益を提供することを示している。
鋳鉄を腐食されないように保護する性能 鋳鉄の電極を使って上記試験を繰り返し、ジベンジルCCIとジプロピルCCIで処理した二つのパイロッシステム及び未処理のパイロットシステムについて、鋳鉄の全体腐食の速度を監視した。試験結果は、これらCCI分子が未処理溶液より低い腐食速度を維持することを示している。この性能は、本発明のCCI分子が、銅合金の表面をその防止剤で処理すると、冷却システム内の鋳鉄の表面も保護して追加の利益を提供することを示している。
ステンレス鋼を腐食されないように保護する性能 ステンレス鋼の電極を使って上記試験を繰り返し、ジベンジルCCIとジプロピルCCIで処理した二つのパイロットシステム及び未処理のパイロットシステムについて、ステンレス鋼の全体腐食の速度を監視した。試験結果は、これらCCI分子が未処理溶液より低い腐食速度を維持することを示している。この性能は、本発明のCCI分子が、銅合金の表面をその防止剤で処理すると、冷却システム内のステンレス鋼の表面も保護して追加の利益を提供することを示している。
亜鉛めっき鋼を腐食されないように保護する性能 亜鉛めっき鋼の電極を使って上記試験を繰り返し、ジベンジルCCIとジプロピルCCIで処理した二つのパイロットシステム及び未処理のパイロットシステムについて、亜鉛めっき鋼の全体腐食の速度を監視した。試験結果は、これらCCI分子が未処理溶液より低い腐食速度を維持することを示している。この性能は、本発明のCCI分子が、銅合金の表面をその防止剤で処理すると、冷却システム内の亜鉛めっき鋼の表面も保護して追加の利益を提供することを示している。
ニッケルを腐食しないように保護する性能 ニッケルの電極を使って上記試験を繰り返し、ジベンジルCCIとジプロピルCCIで処理した二つのパイロットシステム及び未処理のパイロットシステムについて、ニッケルの全体腐食の速度を監視した。試験結果は、これらCCI分子が未処理溶液より低い腐食速度を維持することを示している。この性能は、本発明のCCI分子が、銅合金の表面をその防止剤で処理すると、冷却システム内のニッケルの表面も保護して追加の利益を提供することを示している。
上記試験結果から、TTAは非常に不安定な皮膜を形成することがわかる。TTAは、その皮膜が損傷したときその皮膜を迅速に修復する性能を有しているが、TTAの皮膜は、存続するには、修復用の残留防止剤の存在に完全に依存している。残留防止剤が存在しないと、TTAの皮膜は破壊する。
トリアゾール分子類とは対照的に、本発明のCCI化合物は、金属の表面、特にイエローメタルの表面に耐久性のある皮膜を形成する。これらのCCI分子は、トリアゾール類より遅く皮膜を形成するが、これはCCI分子がより嵩高の置換基を有するためと考えられる。しかし、これらのより嵩高のCCIの置換基は、トリアゾール皮膜より、腐食しないように保護するより疎水性のバリヤーを提供した。さらに、これらCCI分子で形成された皮膜は、約0.2〜約0.4mg/Lの遊離塩素範囲の低レベルの次亜塩素酸塩の攻撃に対して保護した。トリアゾール類の皮膜と異なり、CCI分子で形成された皮膜は、腐食に対して有効な保護を行うために残留防止剤が常に存在している必要はない。
実施例1
ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウムの水溶液の調製
500mLの清浄な乾燥した四つ口フラスコに、59.6gの水道水、39.0g(0.52mol)のジメチルアミンの60%水溶液及び大きい攪拌バーを入れた。攪拌を開始し、フラスコに凝縮器、熱電対及び加熱マントルを取り付けた。25mLの添加漏斗に38.0g(0.50mol)の二硫化炭素を入れて反応フラスコに取り付けた。50mLの添加漏斗に40.0g(0.50mol)の50%水酸化ナトリウムを入れて反応フラスコに取り付けた。次に、反応混合物を攪拌しながら30℃まで加熱した。
反応器の内容物が30℃になったとき、二硫化炭素をゆっくり滴下する速度で添加し始めた。5分後に水酸化ナトリウムをゆっくり滴下する速度で添加し始めた。これら両者の供給量を、反応温度が45℃を超えないように調節して、これら両者の添加を約1時間後に完了した。次いで反応混合物を40℃で30分間加熱し、その結果、生成したジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム溶液は透明な黄緑色の溶液であった。そのpHは12.0〜14.0でありそしてその酸分解分析法によるアクティビティーは40〜41%であった。
実施例2
ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムの水溶液の調製
500mLの清浄な乾燥した四つ口フラスコに、113gの水道水、19.0g(0.26mol)のジエチルアミン及び大きい攪拌バーを入れた。攪拌を開始し、フラスコに凝縮器、熱電対及び加熱マントルを取り付けた。25mLの添加漏斗に19.0g(0.25mol)の二硫化炭素を入れて反応フラスコに取り付けた。50mLの添加漏斗に20.0g(0.25mol)の50%水酸化ナトリウムを入れて反応フラスコに取り付けた。次に、反応混合物を攪拌しながら30℃まで加熱した。
反応器の内容物が30℃になったとき、二硫化炭素をゆっくり滴下する速度で添加し始めた。5分後に水酸化ナトリウムをゆっくり滴下する速度で添加し始めた。これら両者の供給量を、反応温度が45℃を超えないように調節して、これら両者の添加を約1時間後に完了した。次いで反応混合物を40℃で1時間加熱し、その結果、生成したジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム溶液は透明な黄緑色の溶液であった。そのpHは12.0〜14.0でありそしてその酸分解分析法によるアクティビティーは24〜26%であった。
実施例3
ジプロルジチオカルバミン酸ナトリウムの水溶液の調製
500mLの清浄な乾燥した四つ口フラスコに、189gの水道水、36.9g(0.365mol)のジプロピルアミン(Aldrich、99%)及び大きい攪拌バーを入れた。攪拌を開始し、フラスコに凝縮器、熱電対及び加熱マントルを取り付けた。25mLの添加漏斗に26.6g(0.35mol)の二硫化炭素を入れて反応フラスコに取り付けた。50mLの添加漏斗に28.0g(0.35mol)の50%水酸化ナトリウムを入れて反応フラスコに取り付けた。次に、反応混合物を攪拌しながら30℃まで加熱した。
反応器の内容物が30℃になったとき、二硫化炭素をゆっくり滴下する速度で添加し始めた。5分後に水酸化ナトリウムをゆっくり滴下する速度で添加し始めた。これら両者の供給量を、反応温度が45℃を超えないように調節して、これら両者の添加を約1時間後に完了した。次いで反応混合物を40℃で1時間加熱し、その結果、生成したジプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム溶液は透明な濃い黄色の溶液であった。そのpHは12.0〜14.0でありそしてその酸分解分析法によるアクティビティーは24〜26%であった。
実施例4
ジイソプロピルジチオカルバミン酸ナトリウムのメタノール/水−共溶媒による溶液の調製
500mLの清浄な乾燥した四つ口フラスコに、133.4gの水道水、50.0gのメタノール、26.3g(0.26mol)のジイソプロピルアミン(Aldrich)及び大きい攪拌バーを入れた。攪拌を開始し、フラスコに凝縮器、熱電対及び加熱マントルを取り付けた。25mLの添加漏斗に19.0g(0.25mol)の二硫化炭素を入れて反応フラスコに取り付けた。50mLの添加漏斗に20.0g(0.25mol)の50%水酸化ナトリウムを入れて反応フラスコに取り付けた。次に、反応混合物を攪拌しながら30℃まで加熱した。
反応器の内容物が30℃になったとき、二硫化炭素をゆっくり滴下する速度で添加し始めた。5分後に水酸化ナトリウムをゆっくり滴下する速度で添加し始めた。これら両者の供給量を、反応温度が45℃を超えないように調節して、これら両者の添加を約1時間後に完了した。次いで反応混合物を40℃で1時間加熱し、その結果、生成したジイソプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム溶液は透明な明るい黄色の溶液であった。そのpHは12.0〜14.0でありそしてその計算によるアクティビティーは19〜21%であった。
実施例5
ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウムの水溶液の調製
500mLの清浄な乾燥した四つ口フラスコに、154.5gの水道水、33.5g(0.26mol)のジブチルアミン(Aldrich)及び大きい攪拌バーを入れた。攪拌を開始し、フラスコに凝縮器、熱電対及び加熱マントルを取り付けた。25mLの添加漏斗に19.0g(0.25mol)の二硫化炭素を入れて反応フラスコに取り付けた。50mLの添加漏斗に20.0g(0.25mol)の50%水酸化ナトリウムを入れて反応フラスコに取り付けた。次に、反応混合物を攪拌しながら30℃まで加熱した。
反応器の内容物が30℃になったとき、二硫化炭素をゆっくり滴下する速度で添加し始めた。5分後に水酸化ナトリウムをゆっくり滴下する速度で添加し始めた。これら両者の供給量を、反応温度が45℃を超えないように調節して、これら両者の添加を約1時間後に完了した。次いで反応混合物を40℃で1時間加熱し、その結果、生成したジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム溶液は透明な淡黄色の溶液であった。そのpHは12.0〜14.0でありそしてその計算によるアクティビティーは24〜26%であった。
実施例6
ジイソブチルジチオカルバミン酸ナトリウムの水溶液の調製
500mLの清浄な乾燥した四つ口フラスコに、73.0gの水道水、16.0g(0.124mol)のジイソブチルアミン(Aldrich)及び大きい攪拌バーを入れた。攪拌を開始し、フラスコに凝縮器、熱電対及び加熱マントルを取り付けた。25mLの添加漏斗に9.0g(0.118mol)の二硫化炭素を入れて反応フラスコに取り付けた。50mLの添加漏斗に9.5g(0.118mol)の50%水酸化ナトリウムを入れて反応フラスコに取り付けた。次に、反応混合物を攪拌しながら30℃まで加熱した。
反応器の内容物が30℃になったとき、二硫化炭素をゆっくり滴下する速度で添加し始めた。5分後に水酸化ナトリウムをゆっくり滴下する速度で添加し始めた。供給量を、反応温度が45℃を超えないように調節して、これら両者の添加を約30分後に完了した。反応混合物を40℃で1時間加熱し、その結果、生成したジイソブチルジチオカルバミン酸ナトリウム溶液は透明な淡黄色の溶液であった。そのpHは12.0〜14.0でありそしてその酸分解法によるアクティビティーは24〜26%であった。
実施例7
ジペンチルジチオカルバミン酸ナトリウムの水溶液の調製
500mLの清浄な乾燥した四つ口フラスコに、175.0gの水道水、40.8g(0.26mol)のジペンチルアミン(Aldrich)及び大きい攪拌バーを入れた。攪拌を開始し、フラスコに凝縮器、熱電対及び加熱マントルを取り付けた。25mLの添加漏斗に19.0g(0.25mol)の二硫化炭素を入れて反応フラスコに取り付けた。50mLの添加漏斗に20.0g(0.25mol)の50%水酸化ナトリウムを入れて反応フラスコに取り付けた。次に、反応混合物を攪拌しながら30℃まで加熱した。
反応器の内容物が30℃になったとき、二硫化炭素をゆっくり滴下する速度で添加し始めた。5分後に水酸化ナトリウムをゆっくり滴下する速度で添加し始めた。これら両者の供給量を、反応温度が45℃を超えないように調節して、これら両者の添加を約1時間後に完了した。次いで反応混合物を40℃で1時間加熱し、その結果、生成したジペンチルジチオカルバミン酸ナトリウムの生成物は透明な黄色の溶液であった。そのpHは12.0〜14.0でありそしてその計算によるアクティビティーは24〜26%であった。
実施例8
ジベンジルジチオカルバミン酸ナトリウムのIPA/水−共溶媒による溶液の調製
500mLの清浄な乾燥した四つ口フラスコに、176.0gの水道水、29.0gのイソプロピルアルコール、51.2g(0.26mol)のジベンジルアミン(Aldrich)及び大きい攪拌バーを入れた。攪拌を開始し、フラスコに凝縮器、熱電対及び加熱マントルを取り付けた。この時点の反応混合物は不透明無色の懸濁液である。25mLの添加漏斗に19.0g(0.25mol)の二硫化炭素を入れて反応フラスコに取り付けた。50mLの添加漏斗に20.0g(0.25mol)の50%水酸化ナトリウムを入れて反応フラスコに取り付けた。次に、反応混合物を攪拌しながら30℃まで加熱した。
反応器の内容物が30℃になったとき、二硫化炭素をゆっくり滴下する速度で添加し始めた。5分後に水酸化ナトリウムをゆっくり滴下する速度で添加し始めた。これら両者の供給量を、反応温度が45℃を超えないように調節して、これら両者の添加を約1時間後に完了した。次いで反応混合物を40℃で1時間加熱し、その結果、生成したジベンジルジチオカルバミン酸ナトリウムの溶液は透明な暗黄色の溶液であった。そのpHは12.0〜14.0でありそしてその計算によるアクティビティーは24〜26%であった。
実施例9
4−(3−アミノプロピル)モルホリンジチオカルバミン酸ナトリウムの水溶液の調製
500mLの清浄な乾燥した四つ口フラスコに130.0gの水道水、37.4g(0.26mol)の4−(3−アミノプロピル)モルホリン(Aldrich)及び大きい攪拌バーを入れた。攪拌を開始し、フラスコに凝縮器、熱電対及び加熱マントルを取り付けた。25mLの添加漏斗に19.0g(0.25mol)の二硫化炭素を入れて反応フラスコに取り付けた。50mLの添加漏斗に20.0g(0.25mol)の50%水酸化ナトリウムを入れて反応フラスコに取り付けた。次に、反応混合物を攪拌しながら30℃まで加熱した。
反応器の内容物が30℃になったとき、二硫化炭素をゆっくり滴下する速度で添加し始めた。5分後に水酸化ナトリウムをゆっくり滴下する速度で添加し始めた。これら両者の供給量を、反応温度が45℃を超えないように調節して、これら両者の添加を約45分間後に完了した。次いで反応混合物を40℃で1時間加熱し、その結果、生成した4−(3−アミノプロピル)モルホリンジチオカルバミン酸ナトリウムの溶液は透明なオレンジ色の溶液であった。そのpHは12.0〜14.0でありそしてその計算によるアクティビティーは28〜30%であった。
実施例10
モルホリンジチオカルバミン酸ナトリウムの水溶液の調製
500mLの清浄な乾燥した四つ口フラスコに93.0gの水道水、22.6g(0.26mol)のモルホリン(99%、Aldrich)及び大きい攪拌バーを入れた。攪拌を開始し、フラスコに凝縮器、熱電対及び加熱マントルを取り付けた。25mLの添加漏斗に19.0g(0.25mol)の二硫化炭素を入れて反応フラスコに取り付けた。50mLの添加漏斗に20.0g(0.25mol)の50%水酸化ナトリウムを入れて反応フラスコに取り付けた。次に、反応混合物を攪拌しながら30℃まで加熱した。
反応器の内容物が30℃になったとき、二硫化炭素をゆっくり滴下する速度で添加し始めた。5分後に水酸化ナトリウムをゆっくり滴下する速度で添加し始めた。これら両者の供給量を、反応温度が45℃を超えないように調節して、これら両者の添加を約30分間後に完了した。次いで反応混合物を40℃で1時間加熱し、その結果、生成したモルホリンジチオカルバミン酸ナトリウムの溶液は透明な黄緑色の溶液であった。そのpHは12.0〜14.0でありそしてその計算によるアクティビティーは28〜30%であった。
実施例11
イソホロン−ビス−ジチオカルバミン酸二ナトリウムの水溶液の調製
500mLの清浄な乾燥した四つ口フラスコに189.0gの水道水、44.3g(0.26mol)のイソホロンジアミン及び大きい攪拌バーを入れた。攪拌を開始し、フラスコに凝縮器、熱電対及び加熱マントルを取り付けた。25mLの添加漏斗に38.0g(0.50mol)の二硫化炭素を入れて反応フラスコに取り付けた。50mLの添加漏斗に40.0g(0.50mol)の50%水酸化ナトリウムを入れて反応フラスコに取り付けた。次に、反応混合物を攪拌しながら30℃まで加熱した。
反応器の内容物が30℃になったとき、二硫化炭素をゆっくり滴下する速度で添加し始めた。5分後に水酸化ナトリウムをゆっくり滴下する速度で添加し始めた。これら両者の供給量を、反応温度が45℃を超えないように調節して、これら両者の添加を約1時間後に完了した。次に反応混合物を40℃で1時間加熱し、その結果、生成したイソホロン−ビス−ジチオカルバミン酸二ナトリウムの溶液は透明なオレンジ色の溶液であった。そのpHは12.0〜14.0でありそしてその計算によるアクティビティーは24〜26%であった。
化合物又は分子の溶解度を維持するため、有効量の有機補助溶媒を、本発明のCCI防止剤を合成中に添加してもよい。例えば、活性防止剤に対する補助溶媒の重量%に基づいた補助溶媒の量は1‐100%でよい。一側面で、補助溶媒の量は約20〜約60%の範囲内である。別の側面で、補助溶媒の量は約35〜約45%の範囲内である。
例えば、25%の活性成分(上記化合物もしくは分子)を含有する製剤又は製品には、その活性防止剤に対して約1〜約50重量%の量の補助溶媒が存在していてもよい。別の例として、25%のジベンジルジチオカルバミン酸塩を活性防止剤として含有する製品が考えられる。アルコール又はヒドロキシルアミン例えばイソプロピルアルコール及び/又はジエチルヒドロキシルアミンなどの補助溶媒を製品に対して10重量%添加してもよく、これは活性成分に対して40重量%に等しい。したがって、上記防止法は、上記有効量の補助溶媒と活性防止剤の製剤を含有する水性系を添加することを含んでいる。
本発明を詳細に説明しかつ図示してきたが、これは本発明を例示することだけを目的としていて限定するものではないと明確に解すべきである。本発明の精神と範囲は、本願の特許請求の範囲によってのみ限定される。
16個の原子からなる2層の銅原子クラスターの可能性がある三つの結合部位を示す。 図1に示す2層の銅原子クラスターと結合する本発明の化合物のアプローチ又は配置構成のタイプの角度を示す。 各種の残留防止剤が銅の腐食を防止するのに最適の性能に到達するのに必要な時間を示すグラフである。 ジベンジルCCIの添加量を(1ppmから5ppmまで)増大することによるアドミラルチ黄銅電極の腐食反応の抑制の改善を示すタフェルのプロットである。 図4に示すタフェルの分極で試験したアドミラルチ黄銅電極の腐食防止の増大する改善を示す写真である。 残留防止剤無しで5.0mg/L添加したときに、銅の腐食速度を抑制する各種活性防止剤の作用を比較したタフェルのプロットである。 残留防止剤を5.0mg/L添加して、本発明のジベンジルCCIの作用をBTA及びTTAと比較したサイクル分極のグラフである。 残留防止剤無しで、本発明のジベンジルCCIの作用をBTA及びTTAと比較したサイクル分極のグラフである。 低レベルの次亜塩素酸塩の存在下、残留防止剤無しで腐食を防止する性能について、本発明のジベンジルCCIをTTAと比較したグラフである。 低レベルの次亜塩素酸塩の存在下、残留防止剤なしの場合の本発明のジベンジルCCIとTTAの時間の経過とともに変化するタフェル外挿腐食速度を比較するグラフである。 図10に示すグラフをプロットするときに使用した銅電極の2枚の写真であり、一方は本発明のジベンジルCCIで処理した電極であり、そして他方はTTAで処理した電極であり時間の経過に伴う腐食作用を示している。 本発明のジベンジルCCIで処理した一パイロットシステム、TTAで処理した一パイロットシステム及び未処理の一パイロットシステムの長期パイロット試験中の時間の経過とともに変化する遊離塩素の濃度を示すグラフである。 残留防止剤なしで、本発明のジベンジルCCIで処理した一パイロットシステム及びTTAで処理した一パイロットシステム、並びに未処理の一パイロットシステムの長期パイロット試験中の時間の経過とともに変化する銅の腐食速度を示すグラフである。 残留防止剤なしで、本発明のジベンジルCCIで処理した一パイロットシステム及びTTAで処理した一パイロットシステム、並びに未処理の一パイロットシステムの長期パイロット試験中の時間の経過とともに変化する可溶性銅の濃度を示すグラフである。 残留防止剤なしで、本発明のジベンジルCCIで処理した一パイロットシステム及びTTAで処理した一パイロットシステム、並びに未処理の一パイロットシステムで使用した銅製熱交換チューブの時間経過後の差を示す写真である。 本発明のジベンジルCCIで処理した一パイロットシステム、本発明のジプロピルCCIで処理した一パイロットシステム及び未処理の一パイロットシステムの長期パイロット試験中の時間の経過とともに変化する軟鋼の腐食速度を示すグラフである。

Claims (20)

  1. イエローメタルの腐食を防止するのに使用する化合物であって、下記式:
    (式中、M+はアルカリ金属のカチオン又はアルカリ土類金属のカチオンであり、
    XはN又はSであり、そして
    XがSのとき、R2は存在せずかつR1はH、C1−C12アルキル、アリールもしくはポリアリール、C1‐C12アルカリール、C1−C12シクロアルキル、C1−C12アルコキシ、C1−C12ポリアルコキシ、ヒドロキシルもしくはポリヒドロキシ、C1‐C12アルキルカルボキシ、C1−C12アルキルアミノ、C1−C12ハロアルキル、ハロアリール、アルコキシアリール、ヒドロキシアリール、アミノアリール、カルボキシアリール、これらの基の結合物又はこれらの基のさらに官能基化された変異基であり、又は
    XがNのとき、R1はH、C1−C12アルキル、アリールもしくはポリアリール、C1−C12アルカリール、C1−C12シクロアルキル、C1−C12アルコキシ、C1−C12ポリアルコキシ、ヒドロキシルもしくはポリヒドロキシ、C1−C12アルキルカルボキシ、C1−C12アルキルアミノ、C1−C12ハロアルキル、ハロアリール、アルコキシアリール、ヒドロキシアリール、アミノアリール、カルボキシアリール、これらの基の結合物又はこれらの基のさらに官能基化された変異基であり、そしてR2はH、C1−C12アルキル、アリールもしくはポリアリール、C1−C12アルカリール、C1−C12シクロアルキル、C1−C12アルコキシ、C1−C12ポリアルコキシ、ヒドロキシルもしくはポリヒドロキシ、C1−C12アルキルカルボキシ、C1−C12アルキルアミノ、C1−C12ハロアルキル、ハロアリール、アルコキシアリール、ヒドロキシアリール、アミノアリール、カルボキシアリール、これらの基の結合物又はこれらの基のさらに官能基化された変異基であり、
    1とR2は前記分子の中の異なる置換基又は同じ置換基でもよい)で表わされる化合物。
  2. Xが窒素でありさらに複数の繰返される官能基化ポリアミンを含む請求項1に記載の化合物。
  3. 前記官能基化ポリアミンがジチオカルバメート基、R1置換基及びR2置換基を含む請求項2に記載の化合物。
  4. 請求項1に記載の化合物の1種又は2種以上の塩を含有する水溶液。
  5. 前記溶液が約10%〜約50%活性である請求項4に記載の水溶液。
  6. 前記溶液のpHが該溶液中の該1種又は2種以上の塩を安定化できるpHである請求項4に記載の水溶液。
  7. 前記溶液のpHが少なくとも約10以上である請求項6に記載の水溶液。
  8. 前記溶液のpHが約11〜約13である請求項7に記載の水溶液。
  9. 前記溶液中の該1種又は2種以上の塩のうち少なくとも1種の溶解度を維持するための有機補助溶媒をさらに含有する請求項4に記載の水溶液。
  10. 前記有機補助溶媒がイソプロピルアルコールである請求項9に記載の水溶液。
  11. さらにジエチルヒドロキシルアミンを含有している請求項10に記載の水溶液。
  12. 請求項1に記載の化合物を含有する、軟鋼の腐食を防止するのに使用する化合物。
  13. 金属合金の腐食を防止するための請求項1に記載の化合物の使用。
  14. 金属合金が、軟鋼、亜鉛メッキ鋼、ステンレス鋼、鋳鉄、ニッケル及びその組合せからなる群から選択される請求項13に記載の化合物の使用。
  15. 下記式:
    (式中、M+はアルカリ金属のカチオン又はアルカリ土類金属のカチオンであり、
    XはN又はSであり、そして
    XがSのとき、R2は存在せずかつR1はH、C1−C12アルキル、アリールもしくはポリアリール、C1−C12アルカリール、C1−C12シクロアルキル、C1−C12アルコキシ、C1−C12ポリアルコキシ、ヒドロキシルもしくはポリヒドロキシ、C1−C12アルキルカルボキシ、C1−C12アルキルアミノ、C1−C12ハロアルキル、ハロアリール、アルコキシアリール、ヒドロキシアリール、アミノアリール、カルボキシアリール、これらの基の結合物又はこれらの基のさらに官能基化された変異基であり、又は
    XがNのとき、R1はH、C1−C12アルキル、アリールもしくはポリアリール、C1−C12アルカリール、C1−C12シクロアルキル、C1−C12アルコキシ、C1−C12ポリアルコキシ、ヒドロキシルもしくはポリヒドロキシ、C1−C12アルキルカルボキシ、C1−C12アルキルアミノ、C1−C12ハロアルキル、ハロアリール、アルコキシアリール、ヒドロキシアリール、アミノアリール、カルボキシアリール、これらの基の結合物又はこれらの基のさらに官能基化された変異基であり、そして
    2はH、C1−C12アルキル、アリールもしくはポリアリール、C1−C12アルカリール、C1−C12シクロアルキル、C1−C12アルコキシ、C1−C12ポリアルコキシ、ヒドロキシもしくはポリヒドロキシ、C1−C12アルキルカルボキシ、C1−C12アルキルアミノ、C1−C12ハロアルキル、ハロアリール、アルコキシアリール、ヒドロキシアリール、アミノアリール、カルボキシアリール、これらの基の結合物又はこれらの基のさらに官能基化された変異基であり、
    1とR2は前記分子の中の異なる置換基又は同じ置換基でもよい)で表わされる化合物の有効量を水性系に添加することを含むイエローメタルの腐食を防止する方法。
  16. 前記化合物の溶解度を維持できる有機補助溶媒の有効量を水性系に添加することをさらに含む請求項15に記載の方法。
  17. 前記有機補助溶媒がイソプロピルアルコールである請求項16に記載の方法。
  18. 下記ステップすなわち
    UV分光法及び/又は酸化還元電位測定法によって請求項1に記載の化合物を検出し、
    UV分光法及び/又は酸化還元電位測定法によって前記化合物の量を測定し、次いで
    その測定量に基づいて前記化合物の添加量を調節する、
    ステップを含む水性系の処理方法。
  19. さらに下記ステップすなわち
    他の添加剤をUV分光法で検出し、
    これら他の添加剤の量をUV分光法に基づいて測定し、次いで
    その測定された量に基づいてそれら他の添加剤の添加量を調節する、
    ステップを含む請求項18に記載の方法。
  20. 前記他の添加剤が、芳香族の成分を有するポリマーを含有している請求項19に記載の方法。
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