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JP2005307002A - 樹脂キャップ - Google Patents

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JP2005307002A
JP2005307002A JP2004125699A JP2004125699A JP2005307002A JP 2005307002 A JP2005307002 A JP 2005307002A JP 2004125699 A JP2004125699 A JP 2004125699A JP 2004125699 A JP2004125699 A JP 2004125699A JP 2005307002 A JP2005307002 A JP 2005307002A
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Japan
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molecular weight
molding
ethylene
resin cap
cap
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Application number
JP2004125699A
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English (en)
Inventor
Hisato Kawaguchi
久人 川口
Tetsuyuki Goto
鉄之 後藤
Makoto Sone
誠 曽根
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
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Abstract

【課題】 容器内容物の本来の風味を長期的に保持できる樹脂キャップを提供する。
【解決手段】 下記(1)〜(8)の要件を満たすエチレン系重合体からなる樹脂キャップ。
(1)密度が950〜970kg/mであり、
(2)MFRが0.5〜30g/10分であり、
(3)GPC測定で求められるMw/Mn(Qw)が3.0以上であり、
(4)GPC測定で求められるMz/Mw−Mw/Mn≧0.5の関係を満たし、
(5)GPC測定で得られる分子量パターンから分子量100万g/モル以上の分子量成分がポリマー全重量の0.1〜5.0重量%であり、
(6)GPC測定で得られる分子量パターンから半値幅(Log(MH/ML))<1.1の関係を満たし、
(7)50℃でのn−ヘプタン可溶分が0.10重量%未満であり、
(8)成形温度200℃、射出圧力75MPa、金型温度40℃での射出成形における流動長L(cm)がL>10×lnMFR+15.5の関係を満たす。
【選択図】 選択図なし。

Description

本発明は、容器内容物への香味阻害の極めて低い樹脂キャップに関するものである。詳しくは、樹脂キャップからの内容物香味へ影響を及ぼす低分子量の含有量が極めて少量であるため、容器内容物の本来の風味を長期的に保持できる樹脂キャップに関するものである。
一般的に、樹脂キャップの材料は、ポリプロピレン系樹脂であり、キャップ内天面にキャップライナーを施した構造の樹脂キャップが好適に用いられていた(例えば、特許文献1参照。)が、近年、キャップライナーレスの動向を受けてワンピースキャップが好適に使用されている。
そのワンピースキャップ材料としては、ポリプロピレン系樹脂、もしくは高密度ポリエチレン系樹脂が好適に用いられている。しかし、ポリプロピレン系樹脂製キャップは、表面スリップ性の悪さから、キャップ開栓トルクの調整のため、多量のスリップ剤が必要となり、スリップ剤の溶出もしくは臭気を要因とする内容物への香味阻害が問題となる。一方、従来用いられている高密度ポリエチレン系樹脂製キャップにおいても、低分子量成分の溶出もしくは臭気を要因とする内容物への香味阻害が懸念されていた。
現在、樹脂キャップは香味阻害の問題を抱えており、樹脂キャップからの溶出もしくは臭気の影響が少ない樹脂キャップが要望されている。
特公平6−88608号公報
本発明は、容器内容物への香味阻害が極めて低く、容器内容物の本来の風味を長期的に保持できる樹脂キャップを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、分子量分布が適度に広く、さらに高分子量側の分子量分布の広がりが特に大きく、分子量の異なるポリマーが均質に混ざり合った特異な分子構造・組成を有するエチレン単独重合体、または、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体からなる樹脂キャップを用いることにより、容器内容物への香味阻害が極めて低いことを見出し、上記の課題を解決するに至った。
すなわち本発明は、下記(1)〜(8)の要件を満たすエチレン単独重合体、または、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体(以下、エチレン系重合体と略す)からなる樹脂キャップに関するものである。
(1)密度が950〜970kg/mであり、
(2)メルトフローレート(MFR)(荷重2.16kg、温度190℃条件)が0.5〜30g/10分であり、
(3)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で求められるMw/Mn(Qw)が3.0以上であり、
(4)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で求められるMz/Mw−Mw/Mn≧0.5の関係を満たし、
(5)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で得られる分子量パターンから分子量100万g/モル以上の分子量成分がポリマー全重量の0.1〜5.0重量%であり、
(6)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で得られる分子量パターンから半値幅(Log(MH/ML))<1.1の関係を満たし、
(7)50℃でのn−ヘプタン可溶分が0.10重量%未満であり、
(8)厚み2mmのスパイラルフロー金型を用い、成形温度200℃、射出圧力75MPa、金型温度40℃での射出成形における流動長L(cm)がL>10×lnMFR+15.5の関係を満たす。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の樹脂キャップに供するエチレン系重合体は、エチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体である。
炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレンおよびエチリデンノルボルネン等を例示することができる。また、これらのα−オレフィンを2種類以上混合して用いることもできる。
本発明の樹脂キャップに供するエチレン系重合体の密度は、JIS K6922−1に準じて密度勾配管法で測定した値であり、950〜970kg/mの範囲である。密度が950kg/m未満では、剛性が低く樹脂キャップの変形が大きく、970kg/mを越えると、耐ストレスクラッキング性が低くキャップの長期耐久性が劣り好ましくない。
本発明の樹脂キャップに供するエチレン系重合体のメルトフローレート(MFR)(荷重2.16kg、温度190℃条件)は0.5〜30g/10分の範囲である。MFRが0.5g/10分未満では、射出成形時の流動性が劣りショートショット等の成形不良となる場合があり、またコンプレッションモールド成形等により樹脂キャップを成形する際に、押出負荷がかかり成形不良となる場合があり好ましくない。MFRが30g/10分を超える場合は、耐ストレスクラッキング性及び耐衝撃性が低く、樹脂キャップの長期耐久性が劣る場合があり好ましくない。
本発明の樹脂キャップに供するエチレン系重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、Z平均分子量(Mz)およびそれらの比であるMw/MnおよびMz/Mwは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPC装置としては東ソー(株)製 HLC−8121GPC/HTを用い、カラムとしては東ソー(株)製 TSKgel GMHHR−H(20)HTを用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼン用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、ユニバーサルキャリブレーション法により、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正されたものを用いた。
本発明の樹脂キャップに供するエチレン系重合体のMw/Mnは3.0以上であり、さらに好ましくは3.5以上である。Mw/Mnが3.0未満では射出成形時の流動性が劣りショートショット等の成形不良となる場合があり、またコンプレッションモールド成形等により樹脂キャップを成形する際に、押出負荷がかかり成形不良となる場合があり好ましくない。
本発明の樹脂キャップに供するエチレン系重合体は、Mz/Mw−Mw/Mn≧0.5の関係を満たし、GPCのチャートで明らかに高分子量側に分子量分布が広がっていることが特徴であることより、樹脂キャップを成形する際の成形加工性、特に溶融時の流動性に特異な効果を醸し出す。この関係を満たすことで、エチレン系重合体を樹脂キャップとした際に、低分子量成分の溶出あるいはブリードが比較的少なく、高分子量成分と低分子量成分が相互に溶融しやすい特性を示すことができる。
本発明の樹脂キャップに供するエチレン系重合体は、GPCから得られる分子量パターンから分子量100万g/モル以上の分子量成分が、ポリマー全重量の0.1〜5.0重量%であることを特徴とする。分子量100万g/モル以上の分子量成分がポリマー全重量の0.1重量%未満では、樹脂キャップを成形する際の成形加工性の改良の効果が低く、5.0重量%を越えると成形時のゲル発生や相対的に増加する低分子量成分によるワックス発生の問題が生じるため好ましくない。
本発明の樹脂キャップに供するエチレン系重合体は、GPC測定で得られる分子量パターンから半値幅(Log(MH/ML))<1.1の関係を満たし、さらに好ましくは半値幅(Log(MH/ML))<1.05の関係を満たすことを特徴とする。この関係を満たすことで、樹脂キャップを成形する際に良好な成形加工性を示す。ここで分子量パターンの半値幅は、GPCにおける分子量分布パターンのうち、最大ピークのピークトップ(最大頻度)周辺におけるスペクトルの広がり(分子量分布の度合い)を示す。すなわち、スペクトル中の強度がピークトップ(最大頻度)の半分となっているところ(それぞれ高分子量側をMH、低分子量側をMLとする)でのGPCスペクトル線の幅を半値幅とする。また、複数のピークが観測される場合は、それぞれのピークのうち、最大のものから算出する。
本発明の樹脂キャップに供するエチレン系重合体は50℃でのn−ヘプタン可溶分が0.10重量%未満である。50℃でのn−ヘプタン可溶分が0.10%以上の場合、樹脂キャップからの溶出により、内容物の香味が悪化する可能性があり好ましくない。
本発明の樹脂キャップに供するエチレン系重合体は、厚み2mmのスパイラルフロー金型を用い、成形温度200℃、射出圧力75MPa、金型温度40℃での射出成形における流動長L(cm)がL>10×lnMFR+15.5の関係を満たす。L≦10×lnMFR+15.5の場合、射出成形時の流動性が劣りショートショット等の成形不良となる場合があり、またコンプレッションモールド成形等により樹脂キャップを成形する際に、押出負荷がかかり成形不良となる場合があり好ましくない。
本発明の樹脂キャップに供するエチレン系重合体の製造方法は特に制限はなく、例えばチーグラー触媒、フィリップス触媒またはメタロセン触媒の存在下、エチレン単独で重合もしくはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合させて得られる。中でも、例えば特開平7−224106号公報、特開平9−59310号公報、特開平10−231312号公報、特開平10−231313号公報等に記載されるメタロセン触媒の存在下で得られるエチレン系重合体は、該重合体に含有される低分子量成分が少ないため、樹脂キャップ表面のべたつきが低減されることから好ましい。
前記のオレフィン重合用触媒を用いて本発明の樹脂キャップに供するエチレン系重合体を製造する際には、スラリー重合法、気相重合法等を用い製造することが可能であり、その中でも、ワックス成分等の除去率が良好なことからスラリー重合法を用いることが好ましい。スラリー重合法を用いる際の重合温度、重合時間、重合圧力、モノマー濃度などの重合条件について特に制限はなく、その中でも重合温度は−100〜100℃、好ましくは0〜100℃であり、重合時間は10秒〜20時間、重合圧力は常圧〜10MPaの範囲であることが好ましい。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。
本発明の樹脂キャップに供するエチレン系重合体には、必要に応じて熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、有機過酸化物、界面活性剤、酸素吸収剤、ガスバリア剤、防曇剤、流滴剤、造核剤、顔料、染料、シリカ、タルク、マイカ、カーボン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、金属ステアレート、木粉、コルク粉末、セルロースパウダー等の無機あるいは有機の添加剤、充填剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加しても良い。特に熱劣化を防止するためのフェノール系、ヒンダードフェノール系、リン系及びイオウ系等の耐熱安定剤;粘度を調整するためのジアルキルパーオキサイド系及びジアシルパーオキサイド系等の有機過酸化物;触媒の活性を失活させるためのカルシウムステアレート、ジンクステアレート等の金属ステアレート;樹脂キャップを着色するための酸化チタン、フタロシアニンブルー等の顔料が好適に用いられる。
これらの樹脂、エラストマー、添加剤、充填剤等を添加する場合は、公知な種々の方法、例えば、ヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練し、造粒あるいは粉砕する方法、事前に溶融混練せずにドライブレンド又はオートフィーダーによるブレンド方法等を用いることができる。
本発明の樹脂キャップは、前記のエチレン系重合体を、例えば、射出成形法またはコンプレッションモールド法等に供することにより得られる。
射出成形法を用いる際には、通常使用される方法で良く、成形温度180〜230℃、射出圧力30〜100MPa、射出時間1〜5秒、冷却時間5〜30秒、金型温度10〜60℃などの条件で成形することが可能である。また、使用される金型は、製品の1個取り金型あるいは2個以上の多数個取り金型を使用することができる。
また、コンプレッションモールド法を用いる際には、通常使用される方法で良く、成形温度180〜230℃、金型温度10〜60℃、生産速度100〜2000個/分などの条件により成形することが可能である。なお、コンプレッションモールド法とは、エチレン系重合体を溶融押出し、一定量(約3g)をホットカットした後、キャップ金型内に移動させ、即座に押型で加圧冷却させキャップ形状に成形する成形法であり、連続的に樹脂キャップを作製する方法である。
本発明の樹脂キャップは、内容物の長期保存性に有用であり、清涼飲料(炭酸飲料、果汁飲料、スポーツ飲料等)、アルコール飲料、コーヒー飲料、茶飲料、ミネラルウォーター、ドレッシング、焼き肉等用タレ、調味用ソース、マヨネーズ、サラダ油、ゴマ油等の食料及び飲料を充填した包装容器のキャップに好適に用いることができる。その中でも香味阻害に非常に敏感な飲料、特にミネラルウォーターやウーロン茶、緑茶、麦茶、紅茶、その他ブレンド茶のような茶系の飲料用包装容器キャップに、特に好適である。
本発明の密度、MFR、分子量分布及び50℃でのn−ヘプタン可溶分を特定範囲に限定したエチレン系重合体からなる樹脂キャップは、射出成形時の流動性が極めて良好であり、成形時の熱や剪断による樹脂劣化や低分子量成分の生成を低減することが可能であることから、樹脂キャップから内容物への抽出量が少なくなり、従来の樹脂キャップにはない内容物への香味阻害が極めて低いという特徴を持つ。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本発明において樹脂キャップの成形性および樹脂キャップに供するエチレン系重合体の樹脂評価は以下のように実施した。
[密度]
JIS K 6922−1に準じて密度勾配管法で測定した。
[メルトフローレート(MFR)]
JIS K 6922−1(荷重2.16kg、温度190℃条件)に準じて測定した。
[ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定]
GPC装置としては東ソー(株)製 HLC−8121GPC/HTを用い、カラムとしては東ソー(株)製 TSKgel GMHHR−H(20)HTを用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼン用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、ユニバーサルキャリブレーション法により、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正されたものを用いた。
[50℃におけるn−ヘプタン抽出量]
200メッシュパスの粉砕試料約10gを精秤し、400mlのn−ヘプタンを加えて50℃で2時間抽出を行い、抽出液からn−ヘプタンを蒸発させて、乾燥固化させて得た抽出物の重量の初期重量に対する割合を求めることにより算出した。
[流動長評価]
東芝機械(株)製射出成形機「IS150EN−9Y」と厚み2mmのスパイラルフロー金型を用い、成形温度180℃もしくは200℃、金型温度40℃、射出圧力75MPa、射出速度50%、射出時間10秒、スクリュー回転数75%、背圧0MPaにて射出成形を行い流動長L(cm)を求めた。なお、流動長は10回の測定値の平均値を用いた。
[樹脂キャップの成形方法]
東芝機械(株)製射出成形機「IS150EN−9Y」と28mm口径樹脂キャップ用金型を用い、成形温度180℃もしくは200℃、金型温度40℃にて射出成形を行い樹脂キャップを得た。
[香味試験]
実施例及び比較例で得られた樹脂キャップを、80℃の蒸留水500mlを充填した500ml用28mm口径PET製ボトルに、キャップ巻き締めを15kg−cmのトルクで行った。その後、キャップの天面から90℃の熱水を1分間シャワーし、十分に常温に冷却して評価用ボトルを得た。
評価用ボトルを横に寝かせ40℃で2週間保管した後の蒸留水を、人間の嗅覚、味覚の官能試験により、充填前の蒸留水との香味の変化を評価した。香味変化が感じられなかったものには○、若干の変化が感じられたものには△、明らかな変化が感じられたものには×と表示し、試験を行った。尚、官能試験は5人による官能試験で行った。
そして、その総合評価として、香味阻害が認められなかったものに対しては、A(全員が○の場合)、B(×がなく、△が2人以下で、他が○の場合)、香味阻害が認められたものに対しては、C(×がなく、△が3人以上で他が○の場合)及びD(1人でも×がある場合)と表示した。
[製造例1]
エチレン系重合体(A−1)の製造
重合操作、反応および溶媒精製は、すべて不活性ガス雰囲気下で行った。また、反応に用いた溶媒等は、すべて予め公知の方法で精製、乾燥、脱酸素を行ったものを用いた。さらに、反応に用いた化合物は、公知の方法により合成、同定したものを用いた。
[変性粘土化合物の調製]
ジメチルアニリン塩酸塩(1mol)の60%エタノール水溶液8Lで合成ヘクトライト1000gを処理し水洗することで、1250gの有機変性粘土化合物を得た。
[固体触媒の調製]
5Lのフラスコに、[変性粘土化合物の調製]に従って合成した有機変性粘土化合物450gにヘキサン1.4kgを加えた後、別途調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン20重量%溶液1.78kg(1.8モル)、ビス(n−ブチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド7.32g(18ミリモル)を加え、60℃に加熱して1時間撹拌した。これをヘキサンで希釈して4.5Lとした後、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド0.62g(0.9ミリモル)を加え固体触媒を得た。
[重合]
内容積300Lの重合器に、ヘキサンを105kg/時、エチレンを30.0kg/時、1−ブテンを0.5kg/時、水素を40NL/時および得られた固体触媒を連続的に供給した。また、液中のトリイソブチルアルミニウムの濃度を0.93ミリモル/kgヘキサンとなるように、それぞれ連続的に供給し、重合温度85℃で重合した。重合器で生成したポリマーを含むスラリーはフラッシュタンク、送液ポンプを経て、遠心分離器でポリマーとヘキサンに分離し、ポリマーを連続的に乾燥し、エチレン系重合体パウダーを得た。
[造粒]
重合で得られたエチレン系重合体パウダー100重量部に対して、酸化チタン(大日精化社製)を0.2重量部、酸化防止剤としてイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.02重量部、ステアリン酸カルシウム(日本油脂社製)を0.05重量部配合し、ヘンシェルミキサー(三井三池製作所社製 型番FM75C)により820rpmで1分間混合した。その後に50mmφ単軸押出機(プラコー社製 型番PDA−50)を用い、設定温度200℃、回転数100rpmで混練してペレット状とし、エチレン系重合体(A−1)を得た。エチレン系重合体(A−1)の物性について測定した値を表1に示す。
エチレン系重合体(A−1)は、実施例1、2で使用した。
[製造例2]
エチレン系重合体(A−2)の製造
[固体触媒の調製]
5Lのフラスコに、製造例1に記載の[変性粘土化合物の調製]に従って合成した有機変性粘土化合物450gにヘキサン1.4kgを加えた後、別途調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン20重量%溶液1.78kg(1.8モル)、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド7.32g(18ミリモル)を加え、60℃に加熱して1時間撹拌した。これをヘキサン希釈して4.5Lとした後、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリル−シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド1.13g(1.8ミリモル)を加え固体触媒を得た。
[重合]
製造例2で得られた固体触媒を用い、1−ブテンを加えず、水素を95NL/時とした以外製造例1と同様に重合を行った。
[造粒]
重合で得られたエチレン系重合体のパウダーを製造例1と同様の方法でペレット状とし、エチレン系重合体(A−2)を得た。エチレン系重合体(A−2)の物性について測定した値を表1に示す。
エチレン系重合体(A−2)は、実施例3、4で使用した。
[製造例3]
エチレン系重合体(B−1)の製造
[固体触媒の調製]
撹拌装置を備えた1m反応容器において、窒素シール下で金属マグネシウム粉末7.0kg(288モル)およびチタンテトラブトキシド48.8kg(144モル)、ヨウ素0.35kgを溶解したn−ブタノール44.8kg(600モル)を加熱攪拌し反応させ、均一溶液を得た。これに、テトラエトキシシラン6.2kg(30モル)とテトラメトキシシラン4.6kg(30モル)を加え、加熱攪拌した後、ヘキサン490Lを加えて、均一溶液を得た。
この均一溶液にジエチルアルミニウムクロライド230モルとイソブチルアルミニウムジクロライド115モルを含むヘキサン溶液40Lを加え、粒子を生成させた。次いで、イソブチルアルミニウムジクロライド806モルを含むヘキサン溶液70Lを加え、固体触媒成分を得た。ヘキサンを用いて傾斜法により残存する未反応物および副生成物を除去し、組成を分析したところチタン含有量は8.8重量%であった。
[重合]
内容積300Lの重合器に、ヘキサンを75kg/時、エチレンを40.0kg/時、1−ブテンを0.2g/時、水素を240NL/時および製造例3で得られた固体触媒を連続的に供給した。また、液中のトリイソブチルアルミニウムの濃度を0.93ミリモル/kgヘキサンとなるように、それぞれ連続的に供給し、重合温度85℃で重合した。重合器で生成したポリマーを含むスラリーはフラッシュタンク、送液ポンプを経て、遠心分離器でポリマーとヘキサンに分離し、ポリマーを連続的に乾燥し、エチレン系重合体パウダーを得た。
[造粒]
重合で得られたエチレン系重合体パウダーは、製造例1と同様の方法でペレット状とし、エチレン系重合体(B−1)を得た。エチレン系重合体(B−1)の物性について測定した値を表1に示す。
エチレン系重合体(B−1)は、比較例1、2で使用した。
[製造例4]
エチレン系重合体(B−2)の製造
[造粒]
東ソー(株)製高密度ポリエチレン(商品名:ニポロンハード4000)のペレット100重量部に対して、酸化チタン(大日精化社製)を0.2重量部、酸化防止剤としてイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.02重量部配合し、ヘンシェルミキサー(三井三池製作所社製 型番FM75C)により820rpmで1分間混合した。その後に50mmφ単軸押出機(プラコー社製 型番PDA−50)を用い、設定温度200℃、回転数100rpmで混練してペレット状とし、エチレン系重合体(B−2)を得た。エチレン系重合体(B−2)の物性について測定した値を表1に示す。
エチレン系重合体(B−2)は、比較例3で使用した。
[製造例5]
エチレン系重合体(B−3)の製造
[造粒]
東ソー(株)製高密度ポリエチレン(商品名:ニポロンハード4010)を用いる以外は製造例4と同様の方法でペレット状とし、エチレン系重合体(B−3)を得た。エチレン系重合体(B−3)の物性について測定した値を表1に示す。
エチレン系重合体(B−3)は、比較例4で使用した。
Figure 2005307002
[実施例1]
製造例1で得られたエチレン系重合体(A−1)を用いて、成形温度200℃でキャップ成形し、香味試験を実施した。また、成形温度200℃での射出成形による流動長を求めた。これらの結果を表2に示す。
[実施例2]
製造例1で得られたエチレン系重合体(A−1)を用いて、成形温度180℃でキャップ成形し、香味試験を実施した。これらの結果を表2に示す。用いたエチレン系重合体(A−1)は、180℃においても良好な流動性を示すことから、キャップ成形温度180℃においても香味性に優れるものであった。
[実施例3]
製造例2で得られたエチレン系重合体(A−2)を用いて、成形温度200℃でキャップ成形し、香味試験を実施した。また成形温度200℃での射出成形による流動長を求めた。これらの結果を表2に示す。
[実施例4]
製造例2で得られたエチレン系重合体(A−2)を用いて、成形温度180℃でキャップ成形し、香味試験を実施した。これらの結果を表2に示す。用いたエチレン系重合体(A−2)は、180℃においても良好な流動性を示すことから、キャップ成形温度180℃においても香味性に優れるものであった。
[比較例1]
製造例3で得られたエチレン系重合体(B−1)を用いて、成形温度200℃でキャップ成形し、香味試験を実施した。また成形温度200℃での射出成形による流動長を求めた。これらの結果を表2に示す。用いたエチレン系重合体(B−1)は、Mz/Mw−Mw/Mn≧0.5の規定、半値幅(Log(MH/ML))<1.1の規定、成形温度200℃、射出圧力75MPa、金型温度40℃での射出成形における流動長L(cm)がL>10×lnMFR+15.5の規定を満たさず、香味性に劣るものであった。
[比較例2]
製造例3で得られたエチレン系重合体(B−1)を用いて、成形温度180℃でキャップ成形し、香味試験を実施した。これらの結果を表2に示す。用いたエチレン系重合体(B−1)は、Mz/Mw−Mw/Mn≧0.5の規定、半値幅(Log(MH/ML))<1.1の規定を満たさず、かつキャップ成形を行った180℃では、200℃でキャップ成形を行った比較例1よりも流動長が低く、キャップ成形時の剪断発熱による樹脂劣化により、香味性が比較例1よりさらに悪化した。
[比較例3]
製造例4で得られたエチレン系重合体(B−2)を用いて、成形温度200℃でキャップ成形し、香味試験を実施した。また成形温度200℃での射出成形による流動長を求めた。これらの結果を表2に示す。用いたエチレン系重合体(B−2)は、Mz/Mw−Mw/Mn≧0.5の規定、半値幅(Log(MH/ML))<1.1の規定、成形温度200℃、射出圧力75MPa、金型温度40℃での射出成形における流動長L(cm)がL>10×lnMFR+15.5の規定を満たさず、香味性に劣るものであった。
[比較例4]
製造例5で得られたエチレン系共重合体(B−3)を用いて、成形温度200℃でキャップ成形し、香味試験を実施した。また成形温度200℃での射出成形による流動長を求めた。これらの結果を表2に示す。用いたエチレン系重合体(B−3)は、Mz/Mw−Mw/Mn≧0.5の規定、半値幅(Log(MH/ML))<1.1の規定、50℃におけるn−ヘプタン量の規定を満たさず香味性に劣るものであった。
Figure 2005307002

Claims (1)

  1. 下記(1)〜(8)の要件を満たすエチレン単独重合体、または、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体からなることを特徴とする樹脂キャップ。
    (1)密度が950〜970kg/mであり、
    (2)メルトフローレート(MFR)(荷重2.16kg、温度190℃条件)が0.5〜30g/10分であり、
    (3)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で求められるMw/Mn(Qw)が3.0以上であり、
    (4)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で求められるMz/Mw−Mw/Mn≧0.5の関係を満たし、
    (5)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で得られる分子量パターンから分子量100万g/モル以上の分子量成分がポリマー全重量の0.1〜5.0重量%であり、
    (6)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で得られる分子量パターンから半値幅(Log(MH/ML))<1.1の関係を満たし、
    (7)50℃でのn−ヘプタン可溶分が0.10重量%未満であり、
    (8)厚み2mmのスパイラルフロー金型を用い、成形温度200℃、射出圧力75MPa、金型温度40℃での射出成形における流動長L(cm)がL>10×lnMFR+15.5の関係を満たす。
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