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JP2005298291A - 半導体バルク結晶の製造方法 - Google Patents

半導体バルク結晶の製造方法 Download PDF

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JP2005298291A
JP2005298291A JP2004119334A JP2004119334A JP2005298291A JP 2005298291 A JP2005298291 A JP 2005298291A JP 2004119334 A JP2004119334 A JP 2004119334A JP 2004119334 A JP2004119334 A JP 2004119334A JP 2005298291 A JP2005298291 A JP 2005298291A
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Akira Kojima
彰 小島
Seiji Nagai
誠二 永井
Makoto Asai
誠 浅井
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

【課題】異種基板から成る下地基板を用いて転位密度が低くかつ反りの小さい半導体バルク結晶を得る製造工程において、その生産性を従来よりも向上させること。
【解決手段】結晶成長温度900℃にし、下記の結晶成長条件でGaN層A,Bをハイドライド気相成長させ(第1及び第2の結晶成長工程)、その後不要部を除去した。
(A−1)GaN層Aの結晶成長速度:100μm/h
(A−2)GaN層Aの結晶成長時間:1時間
(B−1)GaN層Bの結晶成長速度:130μm/h
(B−2)GaN層Bの結晶成長時間:3時間5分
これらの結晶成長条件に従えば、転位密度が低くかつ反りの小さい半導体バルク結晶(即ち、自立したGaN層B)を、従来よりも短い時間で得ることができる。
【選択図】図1−B

Description

本発明は、異種基板から成る下地基板の結晶成長面上に III族窒化物系化合物半導体を結晶成長させ、この結晶成長させた半導体層からその下地基板を分離することにより、自立した半導体バルク結晶を得る方法に関する。
この方法は、例えば半導体発光素子等の半導体デバイスに用いる半導体基板の製造方法として大いに有用なものである。
下地基板の結晶成長面上に III族窒化物系化合物半導体を結晶成長させ、この結晶成長させた半導体層からその下地基板を分離することにより、自立した半導体バルク結晶を得る方法としては、例えば下記の特許文献1に開示されている製造方法等が一般にも広く知られている。この従来技術は、特に、自立した半導体バルク結晶に生じる反りを小さくしようとするものである。この特許文献1にも記載されているように、一般に、半導体デバイスに用いられる半導体バルク結晶から成る基板の反りは小さい程望ましく、その曲率半径は、1m以上であることが望ましく、更には、10m以上であることが期待されつつある。
特開2003−277195(図3)
しかしながら、上記の従来技術においては、比較的反りの小さな自立した半導体バルク結晶を得ることは可能であるものの、所望の半導体層(例:特許文献1の図3に示される1層のGaN層(33)等)を例えば50μm/h程度のかなり低くかつ略一定の結晶成長速度で成長させているので、必然的に結晶成長時間が長くなってしまい、よって、高い生産性を得ることは難しい。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、異種基板から成る下地基板を用いて転位密度が低くかつ反りの小さい半導体バルク結晶を得る製造工程において、その生産性を従来よりも向上させることである。
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、本発明の第1の手段は、異種基板から成る下地基板の結晶成長面上に III族窒化物系化合物半導体を結晶成長させ、この結晶成長させた半導体層から下地基板を除去することにより自立した半導体バルク結晶を得る製造工程において、第2の半導体層Bよりも先に結晶成長させる第1の第1の半導体層Aの結晶成長中における結晶成長面の転位密度ρA が所定の基準値ρ0 に至るまで転位密度ρA を略単調に減少させつつ第1の第1の半導体層Aを結晶成長させる第1の結晶成長工程と、その転位密度ρA が所定の基準値ρ0 に至った第1の第1の半導体層Aが供する結晶成長面上に、第2の半導体層Bの結晶成長中における結晶成長面の転位密度ρB を略維持しつつ第2の半導体層Bを結晶成長させる第2の結晶成長工程と、結晶成長させた半導体層から上記の下地基板を全て除去し更にこの除去処理によって露出した露出面側から少なくとも第1の第1の半導体層Aの一部分を除去する下地除去工程とを設け、第2の結晶成長工程における第2の半導体層Bの厚さ方向の結晶成長速度V2 を、第1の結晶成長工程における第1の第1の半導体層Aの厚さ方向の結晶成長速度V1 よりも大きくすることである。
ただし、上記の異種基板としては、周知の任意の結晶成長基板を用いて良い。
また、上記の転位密度ρB を略維持するとは、第2の半導体層Bの結晶成長中において、常時0.9ρ0 ≦ρB ≦1.05ρ0 成る状態を維持することを言うものとする。
また、上記の下地除去工程においては、上記の露出面側からは第1の第1の半導体層Aの略全体を取り除くこと(即ち、後述の本発明の第11の手段)が最も望ましいが、通常は、第1の半導体層Aの厚さ方向における3/4以上が除去できていれば、十分な効果が得られる場合も少なくない。
また、その時、第2の半導体層Bの一部を除去してしまっても、残りの第2の半導体層Bの厚さが所望の厚さに至っていれば、特段の支障を来すことはない。反り及び転位密度の最小化と結晶成長時間の最小化の双方を合理的に図る上では、第1の第1の半導体層Aと第2の半導体層Bの境界面またはこの境界面の極近傍の位置まで、上記の除去処理を実施すること(即ち、後述の本発明の第11の手段)が更に望ましい。
また、本発明の第2の手段は、上記の第1の手段において、結晶成長速度V1 に対する結晶成長速度V2 の比γ≡V2 /V1 に対して、1<γ<3を課すことである。
ただし、このγの値は、より望ましくは、1<γ<2とするのが良い。
また、本発明の第3の手段は、上記の第1又は第2の手段において、上記の III族窒化物系化合物半導体をAlx Ga1-x N(0≦x<1)から形成することである。ただし、結晶成長させるこれらの半導体結晶層にはn型またはp型の不純物を添加しても良い。
また、本発明の第4の手段は、上記の第3の手段において、基準値ρ0 を3×107 〔cm-2〕未満にすることである。
ただし、上記の基準値ρ0 は、2×107 〔cm-2〕未満にすることがより望ましく、また更には、1×107 〔cm-2〕未満にすることがなお望ましい。
また、本発明の第5の手段は、上記の第3または第4の手段における第1の結晶成長工程において、ハイドライド気相成長法により、第1の第1の半導体層Aを800℃以上、1100℃以下の結晶成長温度で結晶成長させることである。
また、本発明の第6の手段は、上記の第5の手段において、上記の結晶成長速度V1 を20μm/h以上、130μm/h以下にすることである。この範囲はより望ましくは、50μm/h以上、120μm/h以下である。
また、本発明の第7の手段は、上記の第3乃至第6の何れか1つの手段の第2の結晶成長工程において、ハイドライド気相成長法により、第2の半導体層Bを800℃以上、1100℃以下の結晶成長温度で結晶成長させることである。
また、本発明の第8の手段は、上記の第7の手段において、上記の結晶成長速度V2 を100μm/h以上、300μm/h以下にすることである。この範囲はより望ましくは、120μm/h以上、200μm/h以下である。
また、本発明の第9の手段は、上記の第3乃至第8の何れか1つの手段において、上記の第1の結晶成長工程では、ハイドライド気相成長法により、850℃以上、950℃以下の結晶成長温度で、結晶成長速度V1 を90μm/h以上、110μm/h以下として第1の第1の半導体層Aを結晶成長させ、かつ、上記の第2の結晶成長工程においては、ハイドライド気相成長法により、850℃以上、950℃以下の結晶成長温度で、結晶成長速度V2 を120μm/h以上、140μm/h以下として第2の半導体層Bを結晶成長させることである。
また、本発明の第10の手段は、上記の第1乃至第9の何れか1つの手段において、第1の結晶成長工程における第1の第1の半導体層Aの結晶成長開始時点での転位密度ρA ′に対する基準値ρ0 の比R≡ρ0 /ρA ′を1/3未満にすることである。
また、本発明の第11の手段は、上記の第1乃至第10の何れか1つの手段の下地除去工程において、上記の露出面側から少なくとも第1の半導体層Aの略全体を除去することである。
また、本発明の第12の手段は、上記の第1乃至第11の何れか1つの手段において、第2の結晶成長工程における第2の半導体層Bの温度と、下地除去工程における第2の半導体層Bの温度との差を200℃以内にすることである。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
以上の本発明の手段によって得られる効果は以下の通りである。
即ち、本発明の第1の手段によれば、異種基板から成る下地基板を用いて転位密度が低くかつ反りの小さい半導体バルク結晶を得る製造工程において、その生産性を従来よりも向上させることができる。
結晶成長に伴って半導体結晶の転位密度を低減させるのに効果的な結晶成長条件が存在することは周知の通りであるが、一旦、その半導体結晶の転位密度が所定の基準値ρ0 に至った後に、その基準値ρ0 を更に低減させる必要がなく、単にその基準値ρ0 を維持するだけで良いのであれば、必ずしも上記の「効果的な結晶成長条件」を継続して維持する必要がない場合があることを我々は発見した。
即ち、一旦獲得された所定の転位密度ρ0 を単に維持するだけで良いのであれば、その後は結晶成長速度を幾らか上昇させても、その結晶品質(転位密度など)を維持したままその半導体結晶を適当な所望の厚さにまで成長させることができることを我々は見い出した。
この自然現象を利用したものが本発明である。即ち、本発明の第1の手段における結晶成長速度V1 は、上記の「結晶成長に伴って半導体結晶の転位密度を低減させるのに効果的な結晶成長条件」の一つに相当し、本発明の第1の手段における結晶成長速度V2 (>V1 )は、上記の幾らか上昇させた結晶成長速度に相当する。
したがって、この様な条件設定に従えば、上記の第1の結晶成長工程では、効果的に転位密度を低下させることができ、更に上記の第2の結晶成長工程では、その(第1の第1の第1の半導体層Aの)良質な転位密度(基準値ρ0 )を引き継いだまま維持しつつ、従来よりも高速にその後の第2の半導体層Bを適当な所望の厚さにまで成長させることができる。
このため、本発明の第1の手段によれば、異種基板から成る下地基板を用いて転位密度が低くかつ反りの小さい半導体バルク結晶を得る製造工程において、その生産性を従来よりも大きく向上させることができる。
なお、反り及び転位密度の最小化と結晶成長時間の最小化の双方を合理的に図る上では、第1の第1の半導体層Aと第2の半導体層Bの境界面またはこの境界面の極近傍の位置まで、上記の除去処理を実施すること(即ち、後述の本発明の第11の手段)が更に望ましい。
また、上記の結晶成長速度V1 ,V2 の比γ≡V2 /V1 は、通常、概ね1<γ<3の範囲に設定することにより、所望の高品質の半導体バルク結晶の結晶成長速度を効果的に短縮することができる。逆に、この比が大き過ぎる場合には、次の何れかの点で不利である。
(1)V1 が小さ過ぎる場合
第1の第1の半導体層Aの結晶成長時間が必要以上に長くなってしまい、第1の結晶成長工程の生産性が低くなってしまう点で不利となる。
(2)V2 が大き過ぎる場合
第2の半導体層Bの転位密度が所望の値(基準値ρ0 )に維持できなくなり、転位密度や反りが大きくなる点で不利となる。
したがって、本発明の第2の手段によれば、半導体バルク結晶の生産性と品質の両立を合理的に図ることができる。経験的には、1<γ<2の範囲がより望ましい場合が少なくない。即ち、この設定により、より確実に半導体バルク結晶の生産性と品質の両立を合理的に図ることができる。
また、本発明の第3の手段は、特に、半導体発光素子などの半導体デバイスの結晶成長基板の製造に好都合である。即ち、本発明の第3の手段によれば、その結晶成長基板の上に、例えばn型層、発光層、p型層などの所望の素子機能を奏する高品質の半導体結晶層を結晶成長によって積層することが容易となることが多い。
また、本発明の第3の手段によれば、従来よりも短い時間で転位密度の低い高品質の半導体バルク結晶が得られるが、特に、その転位密度を3×107 〔cm-2〕未満としたい場合(本発明の第4の手段)に、その時間短縮効果が顕著に現れる。これは、この時間短縮効果が、上記の基準値ρ0 が小さい場合ほど大きくなるためである。
また、本発明の第2の結晶成長工程に関する時間短縮効果は、相対的な転位密度の低減効果が大きい場合にも大きいと言える。即ち、本発明の第2の結晶成長工程に関する時間短縮効果は、上記の本発明の第10の手段の比R≡ρ0 /ρA ′が小さい場合ほど大きくなる。
なお、上記の本発明の第5乃至第9の手段に基づく本発明の作用・効果は、以下の実施例によって例示的に説明する。これらの実施条件によれば、本発明は非常に顕著な効果を供する。
また、本発明の第12の手段によれば、工程間の温度変動に伴って、目的の半導体バルク結晶即ち第2の半導体層Bの転位密度が下地除去工程の実行中又は実行前に増大したり、第2の半導体層Bに反りが生じたり、或いは第2の半導体層Bの反りが増大したりすることがない。
第1の半導体層Aと第2の半導体層Bとでは、転位密度や熱膨張係数が異なるので、工程間の温度変動に伴って、目的の半導体バルク結晶に大きな反りが生じることがある。この反りは、修復不能又は修復困難なことが多い。しかし、本発明の第12の手段によって、工程間の温度変動を予め小さく抑制しておけば、その様な問題を未然に回避することができる。
上記の異種基板としては、周知の任意の基板を用いて良い。即ち、上記の異種基板としては、例えばシリコン(Si)、炭化シリコン(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)、サファイアなどの周知の結晶成長基板を用いることができる。特に、シリコン(Si)は、コストの面で優れており、下地除去工程で簡単なエッチングなどによって除去し易い点でも有利である。
また、上記の「 III族窒化物系化合物半導体」一般には、2元、3元、或いは4元の「Al1-x-y Gay Inx N;0≦x≦1,0≦y≦1,0≦1−x−y≦1」成る一般式で表される任意の混晶比の半導体が含まれ、更に、p型或いはn型の不純物が添加された半導体もまた、これらの「 III族窒化物系化合物半導体」の範疇である。
また、上記の III族元素(Al,Ga,In)の内の少なくとも一部をボロン(B)やタリウム(Tl)等で置換したり、或いは、窒素(N)の少なくとも一部をリン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等で置換したりした半導体等をもまた、これらの「 III族窒化物系化合物半導体」の範疇とする。
また、上記のp型の不純物としては、例えば、マグネシウム(Mg)や、或いはカルシウム(Ca)等を添加することができる。
また、上記のn型の不純物としては、例えば、シリコン(Si)や、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、或いはゲルマニウム(Ge)などを添加することができる。
また、これらの不純物は、同時に2元素以上を添加しても良いし、同時に両型(p型とn型)を添加しても良い。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
ただし、本発明の実施形態は、以下に示す個々の実施例に限定されるものではない。
図1−Aは、MOVPE法で製造されたテンプレート10の断面図である。シリコン基板に直接形成しやすいのはAlGaN層であるが、AlGaN層の表面は平坦になりにくく、また、MOVPE装置からHVPE装置へテンプレートを移動する際に、その表面が酸化されやすい。そこでシリコン基板にAlGaN層を形成したのちGaN層を形成する。これにより、テンプレート10が供する結晶成長面が平坦となり、また更にその表面の酸化等の悪影響を回避することもできる。
このテンプレート10のシリコン基板Oは(111)面を主面とする。
以下、このテンプレート10の製造工程に付いて説明する。
(MOVPE法による工程)
まず、最初にシリコン基板Oを用意し、これを有機洗浄及び酸処理にて洗浄し、MOVPE装置のサセプタに装着して、上面の主面に常圧でH2 を流しながら約1100℃でベーキングする。
次に、このシリコン基板Oの上面((111)面)にMOVPE法により膜厚0.25μmのAl0.2Ga0.8Nから成る第1下地層1と、膜厚0.5μmのGaNから成る第2下地層2を順次積層する。このとき原料はトリメチルアルミニウム(Al(CH3)3)、トリメチルガリウム(Ga(CH3)3)、アンモニア(NH3)を用いる。これにより、シリコン基板Oと保護膜Pと下地層(1,2)から成るテンプレート10を得る(図1−A)。
(HVPE法による工程)
その後、このテンプレート10をMOVPE装置の反応室から取り出し、ハイドライド気相成長(HVPE)装置のサセプタに、第2下地層2を上にして設置する。次に、HVPE装置の反応室の温度を900℃まで昇温する。このHVPE装置には、シリコン基板Oの裏面が窒化されるのを防止するために、シリコン基板Oの裏面に窒化防止用の気体(不活性ガスなど)を常時継続的に吹き付ける機構が備えられており、この機構を各結晶成長工程に渡って稼働させる。この窒化防止処置は、後のシリコン基板Oの除去処理を容易にするためのものである。
そして、金属ガリウムと塩化水素により発生させるGaClとアンモニアにより、GaNから成る第2下地層2の上面からGaN層A(第1の第1の半導体層A)をハイドライド気相成長させる(第1の結晶成長工程)。これにより、厚さ約100μmのGaN層Aを積層する。
なお、より一般には、第1の半導体層Aの厚さは、反り量を抑制しつつ、転位密度の低減を図るために、50μm〜200μm程度が望ましい。
この時の結晶成長条件は、以下の通りにする。
(1)結晶成長温度:900℃
(2)結晶成長速度:100μm/h
ただし、この時、 II族元素のガス供給量〔μmol/min〕に対するV族元素のガス供給量の比(V/III 比)を30とする。
(3)結晶成長時間:1時間
引き続き、HVPE装置の反応室の温度を900℃に維持したまま、結晶成長速度を幾らか上昇させて、上記と略同様の要領でGaN層B(第2の半導体層B)をハイドライド気相成長させる(第2の結晶成長工程)。
ただし、この時の結晶成長条件は、以下の通りにする。
(1)結晶成長速度:130μm/h
ただし、この時、 II族元素のガス供給量〔μmol/min〕に対するV族元素のガス供給量の比(V/III 比)を20とする。
(2)結晶成長時間:3時間5分
これにより、上記のGaN層Aの上に厚さ約400μmのGaN層Bを積層する(図1−B)。
次に、HVPE装置の反応室の温度を1000℃にして、この反応室内にて、シリコン基板Oと第1下地層1と第2下地層2と第1の半導体層AをHClガスでガスエッチして除去する(下地除去工程)。これにより、図1−CのGaN層(第2の半導体層B)から成る厚さ約400μmの半導体バルク結晶を得る。
以上の様にして製造された膜厚約400μmのGaNバルク結晶(第2の半導体層B)については、次の特性が得られた。
(1)転位密度:2×106 〔cm-2
(2)曲率半径:20〔m〕
また、本実施例1では、第2の半導体層Bの結晶成長に約3時間の時間しか費やさなかった。即ち、本実施例1においては、従来と比較して、略同等の品質のGaNバルク結晶(第2の半導体層B)を得る際に、その結晶成長工程において大幅な時間短縮効果を得ている。
なお、上記の第1の結晶成長工程の完了をもって、製造工程の実行を打ち切ったサンプルを用いて、上記の膜厚約100μmの第1の半導体層Aの上面の転位密度を測定した所、約5×106 〔cm-2〕であった。
また、上記の第1の結晶成長工程の途中で製造工程の実行を打ち切ったサンプルを用いて、膜厚約50μmの第1の半導体層Aの上面の転位密度を測定した所、約1.4×107 〔cm-2〕であった。
また、上記のHVPE法による工程を実行する前に、上記のテンプレート10の第2下地層2の上面の転位密度を測定した所、約1×1010〔cm-2〕程度であった。
これらの結果から、本実施例1の第1の結晶成長工程の結晶成長条件は、成長する半導体結晶(第1の第1の半導体層A)の転位密度をその成長と共に良好に低減させるのに効果的に作用しており、更に、本実施例1の第2の結晶成長工程の結晶成長条件は、成長する半導体結晶(第2の半導体層B)の転位密度を略維持しつつ、効率よく高速に成長させるのに効果的に作用していると言うことができる。
〔その他の変形例〕
本発明の実施形態は、上記の形態に限定されるものではなく、その他にも以下に例示される様な変形を行っても良い。この様な変形や応用によっても、本発明の作用に基づいて本発明の効果を得ることができる。
例えば、AlGaNなどをも含む、より一般の半導体バルク結晶を製造する場合などには、上記の実施例1の各種の結晶成長条件範囲を大幅に拡げても本発明の作用・効果を有効かつ効果的に得ることができる場合がある。
即ち、例えば、上記の実施例1では、第1の第1の半導体層A,Bの結晶成長温度を900℃としたが、第1の半導体層A,Bの結晶成長温度は、より一般には、800℃以上1100℃以下の範囲で有効である。
また、上記の実施例1では、第1の半導体層Aの結晶成長速度を100μm/hとしたが、第1の半導体層Aの結晶成長速度は、より一般には、20μm/h以上、130μm/h以下の範囲で有効である。
また、上記の実施例1では、第2の半導体層Bの結晶成長速度を130μm/hとしたが、第1の第1の半導体層Aの結晶成長速度は、より一般には、100μm/h以上、300μm/h以下の範囲で有効である。
また、上記の第1の結晶成長工程におけるV/III 比の有効な適正範囲は、一般に、約20〜50程度である。
また、上記の第2の結晶成長工程におけるV/III 比の有効な適正範囲は、一般に、約10〜40程度である。
本発明は、例えば半導体レーザ、LED、半導体受光素子、半導体圧力センサなどの任意の半導体デバイスの結晶成長基板を製造する際に、大いに有用なものである。また、本発明に基づいて製造された、例えば窒化ガリウム基板などの半導体結晶は、発光素子、受光素子、圧力センサなどの任意の半導体デバイスの基板として大いに有用となり得る。
実施例1のGaNバルク結晶(第2の半導体層B)を得る手順を示す状態遷移図(前段) 実施例1のGaNバルク結晶(第2の半導体層B)を得る手順を示す状態遷移図(中段) 実施例1のGaNバルク結晶(第2の半導体層B)を得る手順を示す状態遷移図(後段)
符号の説明
10 : テンプレート
O : シリコン基板
1 : AlGaN層(第1下地層)
2 : GaN層(第2下地層)
A : GaN層(第1の結晶成長工程で結晶成長させる第1の半導体層A)
B : GaN層(第2の結晶成長工程で結晶成長させる第2の半導体層B)

Claims (12)

  1. 異種基板から成る下地基板の結晶成長面上に III族窒化物系化合物半導体を結晶成長させ、この結晶成長させた半導体層から前記下地基板を除去することにより、自立した半導体バルク結晶を得る方法であって、
    第2の半導体層Bよりも先に結晶成長させる第1の半導体層Aの結晶成長中における結晶成長面の転位密度ρA が所定の基準値ρ0 に至るまで、前記転位密度ρA を略単調に減少させつつ前記第1の半導体層Aを結晶成長させる第1の結晶成長工程と、
    前記転位密度ρA が所定の基準値ρ0 に至った前記第1の半導体層Aが供する結晶成長面上に、前記第2の半導体層Bの結晶成長中における結晶成長面の転位密度ρB を略維持しつつ前記第2の半導体層Bを結晶成長させる第2の結晶成長工程と、
    結晶成長させた前記半導体層から前記下地基板を全て除去し、更にこの除去処理によって露出した露出面側から少なくとも前記第1の半導体層Aの一部分を除去する下地除去工程と
    を有し、
    前記第2の結晶成長工程における前記第2の半導体層Bの厚さ方向の結晶成長速度V2 は、
    前記第1の結晶成長工程における前記第1の半導体層Aの厚さ方向の結晶成長速度V1 よりも大きい
    ことを特徴とする半導体バルク結晶の製造方法。
  2. 前記結晶成長速度V1 に対する前記結晶成長速度V2 の比γ≡V2 /V1 は、
    1<γ<3を満たす
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体バルク結晶の製造方法。
  3. 前記 III族窒化物系化合物半導体は、
    Alx Ga1-x N(0≦x<1)から成る
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体バルク結晶の製造方法。
  4. 前記基準値ρ0 は、
    3×107 〔cm-2〕未満である
    ことを特徴とする請求項3に記載の半導体バルク結晶の製造方法。
  5. 前記第1の結晶成長工程において、
    ハイドライド気相成長法により、前記第1の半導体層Aを800℃以上、1100℃以下の結晶成長温度で結晶成長させる
    ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の半導体バルク結晶の製造方法。
  6. 前記結晶成長速度V1 は、
    20μm/h以上、130μm/h以下である
    ことを特徴とする請求項5に記載の半導体バルク結晶の製造方法。
  7. 前記第2の結晶成長工程において、
    ハイドライド気相成長法により、前記第2の半導体層Bを800℃以上、1100℃以下の結晶成長温度で結晶成長させる
    ことを特徴とする請求項3乃至請求項6の何れか1項に記載の半導体バルク結晶の製造方法。
  8. 前記結晶成長速度V2 は、
    100μm/h以上、300μm/h以下である
    ことを特徴とする請求項7に記載の半導体バルク結晶の製造方法。
  9. 前記第1の結晶成長工程において、
    ハイドライド気相成長法により、
    850℃以上、950℃以下の結晶成長温度で、
    前記結晶成長速度V1 を90μm/h以上、110μm/h以下として
    前記第1の半導体層Aを結晶成長させ、かつ、
    前記第2の結晶成長工程において、
    ハイドライド気相成長法により、
    850℃以上、950℃以下の結晶成長温度で、
    前記結晶成長速度V2 を120μm/h以上、140μm/h以下として
    前記第2の半導体層Bを結晶成長させる
    ことを特徴とする請求項3乃至請求項8の何れか1項に記載の半導体バルク結晶の製造方法。
  10. 前記第1の結晶成長工程における前記第1の半導体層Aの結晶成長開始時点での転位密度ρA ′に対する前記基準値ρ0 の比R≡ρ0 /ρA ′は1/3未満である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の半導体バルク結晶の製造方法。
  11. 前記下地除去工程において、
    前記露出面側から少なくとも前記第1の半導体層Aの略全体を除去する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載の半導体バルク結晶の製造方法。
  12. 前記第2の結晶成長工程における前記第2の半導体層Bの温度と、
    前記下地除去工程における前記第2の半導体層Bの温度との差を200℃以内とする
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の半導体バルク結晶の製造方法。
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