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JP2005262512A - インクジェット記録シートの製造方法 - Google Patents

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Kenji Tsuda
研史 津田
Osho Nagoshi
応昇 名越
Hirohito Konya
洋仁 紺谷
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Abstract

【課題】光沢や写像性に優れ、インク吸収性にも優れたインクジェット記録シートを安定して得る。
【解決手段】透気性を有する支持体の少なくとも一方の面に、顔料および結着剤を含有する光沢発現層を設け、凝固液を接触させて該光沢発現層を凝固処理し、該光沢発現層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面仕上げ面に圧接、乾燥するインクジェット記録シートの製造方法において、該凝固液と接触する直前の該光沢発現層の固形分濃度を25〜75質量%になるように制御する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録シートの製造方法に関し、特に、高い表面光沢を有し、かつインク吸収性にも優れた記録シートの製造方法に関するものである。
インクジェット記録方式は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させ紙等の記録シートに付着させて、画像・文字等の記録を行うものである。該記録方式は、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像及び定着が不要等の特徴があり、各種文字図形およびカラー画像等の印刷装置として、種々の用途において急速に普及している。さらに、多色インクジェット印刷によれば、銀塩カラー写真方式による印画と比較しても遜色のない印刷物を得ることが可能であり、また印刷に必要な設備装置も小型でかつ安価で済むことから、インクジェット記録方式は、フルカラー画像印刷分野にまで広く応用されるようになっている。これに伴い、従来のマット調から、高い表面光沢を備えたインクジェット記録シートが強く要望される様になってきている。
インクジェット記録媒体に表面光沢を付与する方法として、スーパーカレンダー、グロスカレンダー等のカレンダー装置を用い、圧力や温度をかけたロール間に通紙することで塗被層表面を平滑化する方法が一般的である。しかしながら、インクジェット記録媒体に表面光沢を付与する目的で、高線圧下でカレンダー処理を行うと、表面光沢は向上するが、塗被層中の空隙が減少し、インク吸収性の悪化を招くことになる。故に、カレンダー処理により、表面光沢とインク吸収性の相反する特性を同時に満たすことは、現状では困難である。
カレンダー処理によらない表面光沢付与の方法として、一般にキャストコート紙と呼ばれる印刷用強光沢塗工シートの製造方法(以下キャスト処理法と略す)が知られている。このキャスト処理法としては、湿潤状態にある塗工層を加熱された鏡面仕上げ面に圧接する直接法、湿潤状態の塗工層を一旦乾燥した後、再湿潤により可塑化して鏡面仕上げ面に圧接する再湿潤法、湿潤状態の塗工層を凝固状態にして鏡面仕上げ面に圧接する凝固法が知られており、キャスト処理法によるインクジェット記録シートの製造も既に提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
これら、キャスト処理法の中でも直接法は、湿潤塗工層が鏡面仕上げ面に圧接された際、塗料中の水分が急激に沸騰して塗被層を破壊してしまうため、鏡面仕上げ面の温度を高温にすることができず低速操業を余儀なくされる等の問題がある。また、再湿潤法も、一旦乾燥された塗工層を再湿潤するために可塑化の度合が他の方法に比べて低く、故に、再湿潤された塗工層が鏡面仕上げ面に均一に密着することができず、塗工面の均質性に劣る等の問題がある。
一方、凝固法は、再湿潤法のように塗工層を一旦乾燥、固化することなく、可塑性のある凝固状態で鏡面仕上げ面に圧接、乾燥させるため、塗工層が鏡面仕上げ面に均一に密着することができる。また、鏡面仕上げ面の温度を高温にしても塗工層が破壊されることもない。更に、嵩高く、ポーラスな塗工層を形成することが出来るため、キャスト処理法の中ではインクジェット記録シートの製造法として適している。
凝固法を用いて、表面光沢に優れるインクジェット記録シートを得るために、各種提案がなされている。例えば、塗工層中の樹脂と、それを凝固しうる凝固剤の組み合わせ(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7参照)、また、凝固液中に光沢発現物質を含有させる(例えば、特許文献8参照)等を挙げることができる。
しかしながら、このようなキャスト処理法によるインクジェット記録シートは、塗工層や凝固液に含まれる各成分によって表面光沢やインク吸収性と言った品質が左右されることは勿論であるが、鏡面仕上げ面の温度や圧接させる圧力、圧接させている時間と言った操業条件によってもその品質が大きく変化してしまうことが知られている。特に、凝固法の場合には、塗工面を凝固させる工程も品質変動要因に含まれ、安定かつ十分な特性を得るためには多くの労力を必要とするなどの問題がある。
特公平6−94229号公報 特許第2750534号公報 特公平8−1038号公報 特開平9−59897号公報 特開2002−266282号公報 特開2002−283697号公報 特開2002−293004号公報 特開2002−166645号公報
本発明は、これら問題点を解決し、優れた表面光沢を有し、インク吸収性に優れたインクジェット記録シートを安定に製造する製造方法を提供することを目的とした。
本発明者らは、鋭意研究した結果、課題を解決することができる本発明のインクジェット記録シートの製造方法を発明するに至った。
即ち、透気性を有する支持体の少なくとも一方の面に、顔料および結着剤を含有する光沢発現層を設け、凝固液を接触させて、該光沢発現層を凝固処理し、該光沢発現層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面仕上げ面に圧接、乾燥するインクジェット記録シートの製造方法において、該凝固液と接触する直前の該光沢発現層の固形分濃度を25〜75質量%に制御することによって達成された。
本発明においては、該透気性を有する支持体と該光沢発現層との間に、少なくとも1層以上のインク受理層を有することが好ましい。更には該インク受理層を乾燥後、光沢発現層を設けることが好ましい。
本発明においては、該光沢発現層表面における75度入反射角度光沢値と20度入反射角度光沢値との差が50以下であることが好ましい。
本発明によれば、凝固法キャスト処理法によりインクジェット記録シートを製造するにあたり従来問題であった、操業条件の変動によって安定した品質が得られないという課題を解決することができ、もって優れた表面光沢を有し、インク吸収性にも優れたインクジェット記録シートを安定に製造することができる。
本発明は、透気性を有する支持体の少なくとも一方の面に、顔料および結着剤を含有する光沢発現層を設け、凝固液を接触させて、該光沢発現層を凝固処理し、該光沢発現層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面仕上げ面に圧接、乾燥するインクジェット記録シートの製造方法において、該凝固液と接触する直前の該光沢発現層の固形分濃度を25〜75質量%に制御する。該凝固液と接触する直前の該光沢発現層の固形分濃度はウェット状態の層を支持体から剥離させて直ちに実測する。
本発明において使用されるインクジェット記録シートの光沢発現層は、コロイド粒子とバインダーを主成分とする塗被組成物からなるものである。本発明に係るコロイド粒子とは、水中に懸濁分散してコロイド状をなしているものである。例えば、コロイダルシリカ、ベーマイト、擬ベーマイト等のアルミナゾルやコロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、或は特公昭47−26959号公報に開示されているようなコロイド状シリカ粒子表面をアルミナコーティングした粒子等の無機粒子、ポリスチレン、メチルメタクリレート、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン等の有機高分子微粒子が挙げられ、これらを2種以上併用することも可能である。
光沢発現層は、コロイド粒子と併用して公知の白色顔料を1種類以上用いることができる。該白色顔料は一般に粒子径が大きく、不透明性が生じるため、該白色顔料の粒子径にも依るが、該コロイド粒子/該白色顔料の質量比は80/20以上、より好ましくは90/10以上である。
光沢発現層に用いられるバインダーとしては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール、シラン変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、或はこれら各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等の水性接着剤、ポリメチルメタクリレート等のアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接着剤等を挙げることができる。バインダーの配合量としては、顔料100質量部に対して、5〜70質量部、好ましくは5〜50質量部であり、5質量部未満では、光沢発現層の塗層強度が不足し、70質量部を超えるとインク吸収性が低下する。
光沢発現層には、添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を適宜配合することもできる。
光沢発現層の塗工装置としては、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコーター、サイズプレス等 を挙げることができる。光沢発現層の塗工量としては、支持体の平滑性やサイズ性、要求される表面光沢により異なるが、2g/m2以上あれば良い。又、光沢発現層塗被後に、加湿空気、加湿蒸気を支持体を挟んだ光沢発現層の裏面に吹き付けてカール矯正をすることも可能である。
本発明においては、支持体上に形成された光沢発現層は、凝固液を接触させて凝固処理される。凝固液中の凝固剤として、蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸、硝酸、リン酸、リンゴ酸、アクリル酸等のカルシウム、亜鉛、バリウム、鉛、マグネシウム、カドミウム、アルミニウム等との各種金属塩やアンモニウム塩、及び硼酸、硼酸塩、硼砂等が挙げられ、1種、または複数種を混合して用いることができる。
本発明においては、透気性を有する支持体の少なくとも一方の面に、顔料及び結着剤を含有する光沢発現層を設け、凝固液と接触する直前の光沢発現層の固形分濃度を25〜75質量%、更に好ましくは40〜70質量%になるように制御する。塗工層の固形分濃度を制御する方法としては、例えば固形分濃度が25質量%よりも低い塗工液を支持体上に塗工し、支持体の走行速度や乾燥条件、例えば赤外線ドライヤー温度、を制御して所望の固形分濃度となるように制御する方法などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
凝固液と接触する直前の光沢発現層の固形分濃度が25質量%よりも低い場合には、凝固処理された光沢発現層の凝固が不十分となり、光沢発現層と接触する凝固液付与ロールや搬送ロールに軟凝固の光沢発現層が付着したり、良好な光沢発現層を得ることが難しい。また、加熱された鏡面仕上げ面に光沢発現層を圧接させた場合に、圧接部分が絞り出されて光沢発現層の表面形状が乱されるため、良好な光沢面を得ることが難しい。固形分濃度が75質量%より高い場合には、凝固処理された光沢発現層が硬くなり過ぎるため、加熱された鏡面仕上げ面に光沢発現層を圧接させた場合に、鏡面仕上げ面の光沢面を十分に写し取ることができず、良好な光沢面を得ることが難しい。また、光沢発現層中の空隙が少なくなるため、インク吸収性が悪くなる。
本発明において使用されるインクジェット記録シートの支持体としては、透気性を有する限り何れのものでも使用することができ、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプ、及びケナフ、バガス、竹、コットン等の非木材パルプと従来公知の顔料を主成分として、バインダー、及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種装置で製造された紙支持体、更に紙支持体に、澱粉、ポリビニルアルコール等でのサイズプレスやアンカーコート層を設けた紙支持体や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙等の塗工紙支持体も含まれる。この様な紙支持体、及び塗工紙支持体に、本発明におけるインクジェット記録シートの光沢発現層を直接設けても良いし、平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を使用しても良い。又、該支持体の坪量としては、通常40〜300g/m2であるが、特に制限されるものではない。
本発明において使用される支持体としては、必要に応じて前記紙支持体や塗工紙支持体にインク受理層を設けると好ましい。インク受理層とは、顔料とバインダーを主成分とする塗被組成物から構成されるものである。インク受理層に用いられる顔料としては、公知の白色顔料を1種以上用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸、カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料が挙げられる。インク吸収性の観点からは、多孔質顔料が好適であり、特に、発色性の点でも優れている合成非晶質シリカが好ましく用いられる。
インク受理層に用いられるバインダーとしては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール又はその誘導体、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等の等のアクリル系重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、或いはこれら各種重合体のカルボキシ基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等の水性接着剤、ポリメチルメタクリレート等のアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接着剤を挙げることができる。バインダーの配合量としては、顔料100質量部に対して、3〜70質量部、好ましくは、5〜50質量部であり、3質量部未満ではインク受理層の塗被層強度が不足し、70質量部を越えるとインク吸収性が低下する。
インク受理層には、添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を適宜配合することができる。
インク受理層の塗工量としては、要求される表面光沢、インク吸収、支持体の種類等により異なるが、通常1g/m2以上である。又、インク受理層はある一定の塗工量を二度に分けて塗工することも可能であり、一度に該塗工量を塗被するよりも表面光沢が向上する。
インク受理層の塗工装置としては、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコーター、サイズプレス等を挙げることができ、オンマシン、或はオフマシンで塗被することができる。
インク受理層は、カレンダー処理しなくてもよいが、特に高い表面光沢を得るためには、インク受理層をカレンダー処理することが望ましい。カレンダー装置としては、マシンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等が挙げられる。この中でもインク受理層の吸収容量の低下が少ないソフトカレンダー処理がより望ましい。
本発明では、表面光沢に優れた記録シートが得られるが、記録する面の表面の75度入反射角度光沢値と25度入反射角度光沢値(JIS Z8741に基づく光沢値)との差が50以下が好ましい。一般に、紙や板紙の鏡面光沢度は75度入反射角度で測定されるが、キャストコート紙のように特に高光沢のものについては光沢値の変化が少なくなるため、60度入反射角度や20度入反射角度で測定する方が、目視の光沢感を数値化することが出来る。更に、本発明者らは、75度入反射角度光沢値と20度入反射角度光沢値との差を取ることが光沢感の数値化により適していることを見出し、この差が50以下の場合に、より高い表面光沢を有することを見出した。
以下、実施例で説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例、及び比較例において「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」を示す。
(1)支持体
LBKP(濾水度400mlcsf)80部とNBKP(濾水度450mlcsf)20部からなる木材パルプ100部に対して、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が10/10/10の顔料10部、市販のアルキルケテンダイマー0.10部、市販カチオン系ポリアクリルアミド0.03部、市販のカチオン化澱粉0.80部、硫酸バンド0.40部を調成後、長網抄紙機を用いて坪量90g/m2で抄造し、支持体とした。
(2)光沢発現層
(1)にて作製した支持体表面上に、下記配合からなる光沢発現層用塗工液(固形分濃度16%)を乾燥塗被量10g/m2となるようにエアナイフコーターにより塗被した。
コロイダルシリカ(スノーテックスAK:日産化学工業製) 100部
ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ製) 30部
カチオン性定着剤(スミレッズレジン1001:住友化学工業製) 20部
脂肪酸系離型剤(DEF7100:日新化学研究所製) 5部
(3)凝固、キャスト処理
下記配合からなる凝固液に、走行速度と赤外線ドライヤー温度で加熱制御して固形分濃度が55質量%となるように制御した光沢発現層を接触させ凝固処理した後、直ちに表面温度110℃に加熱された鏡面ロールにプレス線圧980N/cmで圧接、乾燥して実施例1のインクジェット記録シートを製造した。
水 100部
硼砂 1部
硼酸 1部
実施例1にて凝固液に接触させる直前の光沢発現層の固形分濃度を25質量%とした以外は同様にして実施例2のインクジェット記録シートを製造した。
実施例1にて凝固液に接触させる直前の光沢発現層の固形分濃度を75質量%とした以外は同様にして実施例3のインクジェット記録シートを製造した。
(比較例1)
実施例1にて凝固液に接触させる直前の光沢発現層の固形分濃度を20質量%とした以外は同様にして比較例1のインクジェット記録シートを製造した。
(比較例2)
実施例1にて凝固液に接触させる直前の光沢発現層の固形分濃度を80質量%とした以外は同様にして比較例2のインクジェット記録シートを製造した。
実施例1において、(1)にて作製した支持体表面に、下記配合からなるインク受理層用塗工液(固形分濃度16%)を乾燥塗被量8g/m2となるようにエアナイフコーターにより塗被、乾燥してインク受理層を設けた支持体を使用した以外は実施例1と同様にして実施例4のインクジェット記録シートを製造した。
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B:トクヤマ製) 100部
ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ製) 30部
カチオン性定着剤(スミレッズレジン1001:住友化学工業製) 20部
(比較例3)
実施例4にて光沢発現層の固形分濃度を20質量%とした以外は同様にして比較例3のインクジェット記録シートを製造した。
(比較例4)
実施例4にて凝固液に接触させる直前の光沢発現層の固形分濃度を80質量%とした以外は同様にして比較例4のインクジェット記録シートを製造した。
以上の実施例1〜4、比較例1〜4の条件で製造したインクジェット記録シートを、以下の評価に供した。評価結果を表1に示す。
[操業性]
操業性は、凝固液付与ロールの汚れを目視で評価した。○は凝固液付与ロールの汚れが無いもの。△は凝固液付与ロールの表面に光沢発現層の転写が僅かに見られたが、実用上問題無いレベル。×は凝固液付与ロールの表面に光沢発現層が転写し、得られたインクジェット記録シート表面に光沢発現層が剥離した部分が観察されるレベル。
[表面光沢]
表面光沢は、JIS Z8741・P8142に準拠し、村上色彩技術研究所製デジタル光沢計GM−26D型を用いて入反射角度が20度、75度でそれぞれ測定した。
[インク吸収]
インク吸収は、セイコーエプソン製プリンター「PM−900C(設定:スーパーファイン用紙、きれい)」を用いて画像を印刷して行った。評価に用いた画像は黒、シアン、マゼンタ、イエロー、ブルー、レッド、グリーン各色100%ベタ印字部、及びその中に白抜き文字を設けたパターンなどからなる。インク吸収は、ベタ印字部内の均一性、隣り合ったベタ印字部の境界部や白抜き文字の鮮鋭性などを目視で観察して評価した。○はインク吸収良好。△はベタ印字部の不均一、白抜き文字のつぶれが観察されるが実用上問題無いレベル。○△は、○と△の中間レベル。×は、インク吸収不足による印字障害が観察されるレベルである。
Figure 2005262512
評価:
表1から明らかなように、実施例1〜4の本発明の製造方法は操業性が良好で、得られたインクジェット記録シートは、75度入反射角度光沢値と20度入反射角度光沢値との差が50以下で高い表面光沢を有し、かつインク吸収性にも優れていた。一方、凝固液との接触直前の光沢発現層の固形分濃度が25%より低い比較例1と3では、凝固処理された光沢発現層の凝固が不十分なため、凝固液付与ロールへの光沢発現層の転写が見られ、得られたインクジェット記録シート表面にも光沢発現層の剥離した部分が多く観察され、高い表面光沢を得ることは出来なかった。また、固形分濃度が75%より高い比較例2と4では、操業性は良好であったが、凝固処理された光沢発現層が硬くなり過ぎるため、加熱された鏡面仕上げ面の光沢面を十分に写し取ることができず、良好な光沢面を得ることが出来なかった。また、光沢発現層中の空隙が少なくなるため、インク吸収性が悪かった。

Claims (4)

  1. 透気性を有する支持体の少なくとも一方の面に、顔料および結着剤を含有する光沢発現層を設け、凝固液を接触させて、該光沢発現層を凝固処理し、該光沢発現層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面仕上げ面に圧接、乾燥するインクジェット記録シートの製造方法において、該凝固液と接触する直前の該光沢発現層の固形分濃度を25〜75質量%に制御することを特徴とするインクジェット記録シートの製造方法。
  2. 該透気性を有する支持体と該光沢発現層との間に、少なくとも1層以上のインク受理層を有することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録シートの製造方法。
  3. 該インク受理層を乾燥後、光沢発現層を設けることを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録シートの製造方法。
  4. 該光沢発現層表面における75度入反射角度光沢値と20度入反射角度光沢値との差が50以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のインクジェット記録シートの製造方法。
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