JP2005255791A - 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】流動性等の成形性、耐熱性、耐冷熱サイクル性、誘電特性等の信頼性及び難燃性に優れる封止用エポキシ樹脂成形材料、及びこの封止用エポキシ樹脂成形材料で封止した素子を備えた電子部品装置を提供する。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)無機充填剤、(D)遷移金属元素を有する難燃剤、(E)可とう化剤を必須成分とし、(E)成分が一分子内にポリアルキレンオキシド誘導体、スチレン誘導体、及び無水マレイン酸誘導体の2種以上から選ばれる構造体を有する化合物である封止用エポキシ樹脂成形材料、並びにこれにより封止された電子部品装置。
【選択図】なし
【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)無機充填剤、(D)遷移金属元素を有する難燃剤、(E)可とう化剤を必須成分とし、(E)成分が一分子内にポリアルキレンオキシド誘導体、スチレン誘導体、及び無水マレイン酸誘導体の2種以上から選ばれる構造体を有する化合物である封止用エポキシ樹脂成形材料、並びにこれにより封止された電子部品装置。
【選択図】なし
Description
本発明は、封止用エポキシ樹脂成形材料、及びこの封止用エポキシ樹脂成形材料で封止した素子を備えた電子部品装置に関する。
従来から、トランジスタ、IC、LSI等の電子部品装置の素子封止の分野では生産性、コスト等の面から樹脂封止が主流となり、エポキシ樹脂成形材料が広く用いられている。この理由としては、エポキシ樹脂が電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性などの諸特性にバランスがとれているためである。
近年は、自動車分野においても電子機器化が進んでいる。自動車用途の電子機器には、耐熱性、耐冷熱サイクル性等において、パーソナルコンピュータ、家電等のいわゆる民生用途より、一段と厳しい信頼性が求められることが多い。また、エンジン周辺部に用いられる一部の電子機器では、前記信頼性に加え、高温時の誘電特性に関する信頼性が求められることもある。
電子機器の耐熱性を高める一般的な手法としては、パッケージのガラス転移点を高める手法が挙げられ、耐冷熱サイクル性を高める手法としては、半導体内部部材と封止用エポキシ樹脂成形材料の熱膨張係数を近づける、封止用エポキシ樹脂成形材料の弾性率を下げる等の手法が挙げられる。例えば特許文献1に低弾性化の手法としてPMMAを主成分とする固形ゴムを添加する等の報告があるが、樹脂中への分散不具合の可能性を抱える、流動性の低下を招く等の問題を抱えている。
近年は、自動車分野においても電子機器化が進んでいる。自動車用途の電子機器には、耐熱性、耐冷熱サイクル性等において、パーソナルコンピュータ、家電等のいわゆる民生用途より、一段と厳しい信頼性が求められることが多い。また、エンジン周辺部に用いられる一部の電子機器では、前記信頼性に加え、高温時の誘電特性に関する信頼性が求められることもある。
電子機器の耐熱性を高める一般的な手法としては、パッケージのガラス転移点を高める手法が挙げられ、耐冷熱サイクル性を高める手法としては、半導体内部部材と封止用エポキシ樹脂成形材料の熱膨張係数を近づける、封止用エポキシ樹脂成形材料の弾性率を下げる等の手法が挙げられる。例えば特許文献1に低弾性化の手法としてPMMAを主成分とする固形ゴムを添加する等の報告があるが、樹脂中への分散不具合の可能性を抱える、流動性の低下を招く等の問題を抱えている。
封止用エポキシ樹脂成形材料には、従来よりデカブロムをはじめとするハロゲン化樹脂やアンチモン化合物が難燃剤として用いられていたが、近年、環境保護の観点からこれらの化合物に量規制の動きがあり、ノンハロゲン化(ノンブロム化)及びノンアンチモン化の要求が出てきている。また、プラスチック封止ICの高温放置特性にブロム化合物が悪影響を及ぼすことが知られており、この観点からもブロム化樹脂量の低減が望まれている。
ブロム化樹脂や酸化アンチモンを用いずに難燃化を達成する手法の一つとして、特許文献2には有機リン系化合物を添加する方法、特許文献3には金属水酸化物を添加する方法等の提案がなされているが、それぞれ、ガラス転移点の低下を招く、高温時の誘電特性に悪影響を及ぼす等の問題を解決できていない。
特開平08‐134179号公報
特開平09‐235449号公報
特開平09‐241483号公報
ブロム化樹脂や酸化アンチモンを用いずに難燃化を達成する手法の一つとして、特許文献2には有機リン系化合物を添加する方法、特許文献3には金属水酸化物を添加する方法等の提案がなされているが、それぞれ、ガラス転移点の低下を招く、高温時の誘電特性に悪影響を及ぼす等の問題を解決できていない。
前述のように、耐冷熱サイクル性を高める為に可とう化剤を添加すると流動性の低下を招く、ハロゲン化樹脂やアンチモン化合物の代わりに有機リン系化合物、金属水酸化物等の難燃剤を用いると、ガラス転移点の低下を招く、誘電特性に悪影響を及ぼす等の問題を抱えている。
本発明はかかる状況に鑑みなされたもので、高い難燃性を実現し、耐熱性等の信頼性にも優れる封止用エポキシ樹脂成形材料、及びこれにより封止した素子を備えた電子部品装置を提供しようとするものである。
本発明はかかる状況に鑑みなされたもので、高い難燃性を実現し、耐熱性等の信頼性にも優れる封止用エポキシ樹脂成形材料、及びこれにより封止した素子を備えた電子部品装置を提供しようとするものである。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、封止用エポキシ樹脂成形材料に、特定の難燃剤と特定の構造を有する可とう化剤を添加することにより上記の目的を達成しうることを見い出し、本発明を完成するに至った。
本発明は
(1)(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)無機充填剤、(D)遷移金属元素を有する難燃剤、(E)可とう化剤を必須成分とし、(E)成分が一分子内にポリアルキレンオキシド誘導体、スチレン誘導体、無水マレイン酸誘導体のうちの2種以上から選ばれる構造体を有する化合物である封止用エポキシ樹脂成形材料、
(2)前記(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方の一部又は全部がトリフェニルメタン型骨格を有する樹脂である前記(1)に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(3)前記(E)成分が、一分子内にポリアルキレンオキシド誘導体、スチレン誘導体、無水マレイン酸誘導体のいずれの構造体をも有する化合物である前記(1)又は(2)に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(4)前記(E)成分が下記一般式(I)で表される化合物である前記(3)に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(R1はアルキレン基、R2は飽和又は不飽和の一価の炭化水素基を表す。l、m、n、xは正の整数を表す。)
(5)前記(D)遷移金属元素を有する難燃剤が成形材料全体の0.1〜5重量%である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(6)硬化物のガラス転移点が140℃以上である前記(1)〜(5)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(7)硬化物の熱膨張係数α1が0.8×10−5/℃〜1.7×10−5/℃である前記(1)〜(6)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備えた電子部品装置、
に関する。
(1)(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)無機充填剤、(D)遷移金属元素を有する難燃剤、(E)可とう化剤を必須成分とし、(E)成分が一分子内にポリアルキレンオキシド誘導体、スチレン誘導体、無水マレイン酸誘導体のうちの2種以上から選ばれる構造体を有する化合物である封止用エポキシ樹脂成形材料、
(2)前記(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方の一部又は全部がトリフェニルメタン型骨格を有する樹脂である前記(1)に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(3)前記(E)成分が、一分子内にポリアルキレンオキシド誘導体、スチレン誘導体、無水マレイン酸誘導体のいずれの構造体をも有する化合物である前記(1)又は(2)に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(4)前記(E)成分が下記一般式(I)で表される化合物である前記(3)に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(5)前記(D)遷移金属元素を有する難燃剤が成形材料全体の0.1〜5重量%である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(6)硬化物のガラス転移点が140℃以上である前記(1)〜(5)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(7)硬化物の熱膨張係数α1が0.8×10−5/℃〜1.7×10−5/℃である前記(1)〜(6)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備えた電子部品装置、
に関する。
本発明になる封止用エポキシ樹脂成形材料は、難燃性、信頼性に優れており、この封止用エポキシ樹脂成形材料を用いてIC、LSI等の電子部品を封止すれば、優れた電子部品装置を得ることができ、その工業的価値は大である。
本発明では、(A)成分として封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているエポキシ樹脂を1種もしくは2種以上使用することができる。使用可能な樹脂として、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールA/D等のジグリシジルエーテル、アルキル置換又は非置換のビフェノールのジグリシジルエーテルであるビフェニル型エポキシ樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂のエポキシ化物、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、シクロペンタジエンとフェノール類の共縮合樹脂のエポキシ化物であるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン環を有するエポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、テルペン変性エポキシ樹脂、硫黄原子を含むエポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、及びこれらのエポキシ樹脂をシリコーン、アクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン系ゴム、ポリアミド系樹脂等により変性したエポキシ樹脂などが挙げられる。
なかでも、硬化物のガラス転移点を高める為に、少なくとも(A)成分の一部、あるいは全部を下記一般式(II)で表されるトリフェニルメタン型エポキシ樹脂とすることが好ましい。
(Rは水素原子又は一価の炭化水素基である。nは0〜10の整数である。)
硬化物が高いガラス転移点を得る為には、一般式(II)で表される樹脂を(A)成分全体の30重量%以上とすることが好ましく、40重量%以上とすることがより好ましく、50重量%以上とすることが特に好ましい。一般式(II)で表されるエポキシ樹脂としては、Rが水素であるエピコート1032H60(ジャパンエポキシレジン(株)社製商品名)等が市販品として入手可能である。
本発明においては、(A)成分として、流動性や半導体内部部材との密着力の観点から、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂並びに硫黄原子を含むエポキシ樹脂等から選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂を、難燃性の観点からビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂及びナフタレン環を有するエポキシ樹脂等から選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂を、ともに一般式(II)で表されるエポキシ樹脂と併用すると好ましい。
なかでも、硬化物のガラス転移点を高める為に、少なくとも(A)成分の一部、あるいは全部を下記一般式(II)で表されるトリフェニルメタン型エポキシ樹脂とすることが好ましい。
硬化物が高いガラス転移点を得る為には、一般式(II)で表される樹脂を(A)成分全体の30重量%以上とすることが好ましく、40重量%以上とすることがより好ましく、50重量%以上とすることが特に好ましい。一般式(II)で表されるエポキシ樹脂としては、Rが水素であるエピコート1032H60(ジャパンエポキシレジン(株)社製商品名)等が市販品として入手可能である。
本発明においては、(A)成分として、流動性や半導体内部部材との密着力の観点から、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂並びに硫黄原子を含むエポキシ樹脂等から選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂を、難燃性の観点からビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂及びナフタレン環を有するエポキシ樹脂等から選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂を、ともに一般式(II)で表されるエポキシ樹脂と併用すると好ましい。
本発明では、(B)成分として封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されている硬化剤を1種もしくは2種以上使用することができる。使用可能な硬化剤として、例えばフェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とシクロペンタジエンから共重合により合成される、ジシクロペンタジエン型フェノールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等のジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂等が挙げられる。
なかでも、硬化物のガラス転移点を高める為に、少なくとも(B)成分の一部、あるいは全部を下記一般式(III)で表されるトリフェニルメタン型フェノール樹脂とすることが好ましい。
(Rは水素原子又は一価の炭化水素基である。nは0〜10の整数である。)
硬化物が高いガラス転移点を得る為には、一般式(III)で表される樹脂を(B)成分全体の10重量%以上とすることが好ましく、20重量%以上とすることがより好ましく、30重量%以上とすることが特に好ましい。一般式(III)で表されるフェノール樹脂としては、Rが水素であるMEH-7500シリーズ(明和化成(株)社製商品名)等が市販品として入手可能である。
本発明においては、低吸湿や難燃性の観点から、(B)成分として一般式(IV)〜(VII)で表されるフェノール・アラルキル樹脂及びナフトール・アラルキル樹脂等から選ばれる少なくとも1種のアラルキル型フェノール樹脂を、一般式(III)で表されるフェノール樹脂と併用することが好ましい。
(ここで、nは0又は1〜10の整数を示す。)
(ここで、nは0又は1〜10の整数を示す。)
(ここで、nは0又は1〜10の整数を示す。)
(ここで、nは0又は1〜10の整数を示す。)
一般式(IV)で示されるフェノール・アラルキル樹脂としては、市販品として三井化学株式会社製商品名XLCが挙げられ、一般式(V)で示されるビフェニル・アラルキル型フェノール樹脂としては、市販品として明和化成株式会社製商品名MEH−7851が挙げられる。また、一般式(VI)で示されるナフトール・アラルキル樹脂としては、市販品として新日鐵化学株式会社製商品名SN−170が挙げられ、一般式(VII)で示されるナフトール・アラルキル樹脂としては、市販品として新日鐵化学株式会社製商品名SN−475が挙げられる。
なかでも、硬化物のガラス転移点を高める為に、少なくとも(B)成分の一部、あるいは全部を下記一般式(III)で表されるトリフェニルメタン型フェノール樹脂とすることが好ましい。
硬化物が高いガラス転移点を得る為には、一般式(III)で表される樹脂を(B)成分全体の10重量%以上とすることが好ましく、20重量%以上とすることがより好ましく、30重量%以上とすることが特に好ましい。一般式(III)で表されるフェノール樹脂としては、Rが水素であるMEH-7500シリーズ(明和化成(株)社製商品名)等が市販品として入手可能である。
本発明においては、低吸湿や難燃性の観点から、(B)成分として一般式(IV)〜(VII)で表されるフェノール・アラルキル樹脂及びナフトール・アラルキル樹脂等から選ばれる少なくとも1種のアラルキル型フェノール樹脂を、一般式(III)で表されるフェノール樹脂と併用することが好ましい。
一般式(IV)で示されるフェノール・アラルキル樹脂としては、市販品として三井化学株式会社製商品名XLCが挙げられ、一般式(V)で示されるビフェニル・アラルキル型フェノール樹脂としては、市販品として明和化成株式会社製商品名MEH−7851が挙げられる。また、一般式(VI)で示されるナフトール・アラルキル樹脂としては、市販品として新日鐵化学株式会社製商品名SN−170が挙げられ、一般式(VII)で示されるナフトール・アラルキル樹脂としては、市販品として新日鐵化学株式会社製商品名SN−475が挙げられる。
(A)成分のエポキシ樹脂と(B)成分の硬化剤との当量比、すなわち、エポキシ樹脂中のエポキシ基数/硬化剤中の水酸基数の比は、特に制限はないが、それぞれの未反応分を少なく抑えるために0.5〜2の範囲に設定されることが好ましく、0.6〜1.5がより好ましい。成形性や信頼性に優れる封止用エポキシ樹脂成形材料を得るためには0.8〜1.2の範囲に設定されることがさらに好ましい。
本発明の効果である優れた耐熱性を実現する為には、上記樹脂系を組み合わせることで、封止用エポキシ樹脂成形材料を成形後に得られる硬化物のガラス転移点を140℃以上とすることが好ましく、150℃以上とすることがより好ましく、160℃以上とすることが特に好ましい。硬化物のガラス転移点が140℃未満では、特に175℃以上での耐熱性が不十分となる傾向がある。なお、ここで硬化物のガラス転移点とは、175〜180℃の成形温度で60〜90秒硬化後に得られた成形品を、175〜180℃にて4〜8時間ほど後硬化した硬化物を用い、TMA(Thermal Mechanical Analysis)により求めた値を指す。
本発明の(C)無機充填剤は、吸湿性、線膨張係数低減、熱伝導性向上及び強度向上等のために必要な成分である。無機充填剤としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、又はこれらを球形化したビーズ、ガラス繊維などが挙げられ、これらは単独で用いても2種以上を併用して用いてもよい。流動性等の成形性、信頼性の点からは、溶融シリカ、結晶シリカを用いることが好ましく、溶融シリカを用いることがより好ましく、球状溶融シリカを用いることが特に好ましい。さらに、本発明の効果を失わない範囲で、難燃効果のある水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物系無機充填剤を添加してもよい。
本発明の効果、特に優れた耐冷熱サイクル性を得る為には、(C)成分を添加することにより、封止用エポキシ樹脂成形材料硬化物の熱膨張係数(α1)を0.8×10−5/℃〜1.7×10−5/℃とすることが好ましい。熱膨張係数が0.8×10−5/℃未満の場合リードフレームとの、1.7×10−5/℃より大きい場合チップとの、それぞれ熱膨張係数の差異が大きくなり、冷熱サイクル時の半導体内部部材と封止用エポキシ樹脂成形材料との剥離や、パッケージクラックといった不具合が発生する可能性がある。
前記した熱膨張係数の点からは、無機質充填剤の配合量を封止用エポキシ樹脂成形材料に対して65〜95重量%とすることが好ましく、70〜93重量%とすることがより好ましく、75〜90重量%とすることが特に好ましい。無機充填剤の配合量が65重量%未満では熱膨張係数が1.7×10−5/℃より大きくなる可能性が高く、耐湿性等の信頼性上も好ましくない。一方、無機充填剤の配合量が95重量%を超えると熱膨張係数が0.8×10−5/より小さくなる可能性が高く、流動性等の成形性も低下する。
本発明の(D)成分は難燃剤として働くものである。本発明の効果、特に優れた誘電特性を得る為には、遷移金属元素を有する難燃剤を使用することが必要である。ここで遷移金属とは、周期表IIIa族〜Ib族に属する金属を指し、具体的にはスカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅等の第4周期元素の他、モリブデン、パラジウム、銀等の第5周期元素、タングステン等の第6周期元素を挙げることが可能である。
金属元素を有する難燃剤には、大別して、金属水酸化物系のように一定以上の温度により分解し生成する水が消火剤の役割を果たして難燃効果を示すものと、燃焼時に硬化物の形成を促進することにより難燃剤としての役割を果たすものとの2種のタイプが存在する。前者の例としては水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛等を挙げることができ、これらは前述のように、一定温度以上での分解により生成する水の消火作用によって難燃性を発現する為、高い難燃性を実現する為には、通常、成形材料全体の5〜20重量%の添加を必要とする。一方、これら金属水酸化物は、封止用エポキシ樹脂成形材料の無機充填剤として通常用いられる溶融・結晶シリカ等に比べ、相対的にイオン結合性が高く、成形材料全体に5〜20重量%添加された場合、特に高温時の誘電特性に悪影響を及ぼす。
これに対し、遷移金属元素を有する難燃剤の中には、燃焼時に硬化物の形成を促進することにより難燃性を発現するものが存在し、成形材料全体に対し0.1〜5重量%の添加で効果を示すことも多い。それらの化合物として、三酸化二鉄、三酸化モリブデン、三酸化二コバルト、三酸化タングステン、酸化第一銅等の金属酸化物の他、モリブデン酸亜鉛等を例示することができる。
なかでも、硬化性等の成形性、信頼性の観点からは三酸化二鉄、モリブデン酸亜鉛等が好ましく、モリブデン酸亜鉛がより好ましく、酸化マグネシウムや酸化珪素等の核にモリブデン酸亜鉛を被覆したものが特に好ましい。酸化マグネシウムや酸化珪素等の核にモリブデン酸亜鉛を被覆した難燃剤は、Sherwin Williams社より商品名911B等が市販品として入手可能である。
金属元素を有する難燃剤には、大別して、金属水酸化物系のように一定以上の温度により分解し生成する水が消火剤の役割を果たして難燃効果を示すものと、燃焼時に硬化物の形成を促進することにより難燃剤としての役割を果たすものとの2種のタイプが存在する。前者の例としては水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛等を挙げることができ、これらは前述のように、一定温度以上での分解により生成する水の消火作用によって難燃性を発現する為、高い難燃性を実現する為には、通常、成形材料全体の5〜20重量%の添加を必要とする。一方、これら金属水酸化物は、封止用エポキシ樹脂成形材料の無機充填剤として通常用いられる溶融・結晶シリカ等に比べ、相対的にイオン結合性が高く、成形材料全体に5〜20重量%添加された場合、特に高温時の誘電特性に悪影響を及ぼす。
これに対し、遷移金属元素を有する難燃剤の中には、燃焼時に硬化物の形成を促進することにより難燃性を発現するものが存在し、成形材料全体に対し0.1〜5重量%の添加で効果を示すことも多い。それらの化合物として、三酸化二鉄、三酸化モリブデン、三酸化二コバルト、三酸化タングステン、酸化第一銅等の金属酸化物の他、モリブデン酸亜鉛等を例示することができる。
なかでも、硬化性等の成形性、信頼性の観点からは三酸化二鉄、モリブデン酸亜鉛等が好ましく、モリブデン酸亜鉛がより好ましく、酸化マグネシウムや酸化珪素等の核にモリブデン酸亜鉛を被覆したものが特に好ましい。酸化マグネシウムや酸化珪素等の核にモリブデン酸亜鉛を被覆した難燃剤は、Sherwin Williams社より商品名911B等が市販品として入手可能である。
(D)成分の遷移金属元素を有する難燃剤の添加量は、成形材料全体に対して0.1〜5重量%であることが好ましい。0.1重量%未満では難燃性が不十分となり、5重量%を超えると誘電特性に悪影響を及ぼす可能性がある。
本発明には(E)可とう化剤を添加することが必要である。良好な流動性、優れた耐冷熱サイクル性等、本発明の効果を十分得る為には、(E)成分として、一分子内にポリアルキレンオキシド誘導体、スチレン誘導体、及び無水マレイン酸誘導体のうちの2種以上から選ばれる構造体を有する化合物であることが必要であり、一分子内にポリアルキレンオキシド誘導体、スチレン誘導体、及び無水マレイン酸誘導体のいずれの構造体をも有する化合物であることが好ましい。
ここで、ポリアルキレンオキシド誘導体とは、メチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール等から選ばれる1種又は2種以上のアルキレングリコール類を脱水重合して得られる繰り返し構造を50重量%以上含む化合物を指し、その末端、又は側鎖中に、アルキル基以外の、カルボキシル基、アミノ基、フェニル基、ビニル基等他の官能基を含んでいても良い。無水マレイン酸誘導体には、無水マレイン酸、メチルマレイン酸無水物、ジメチルマレイン酸無水物等の酸無水物、酸無水物を水で開環したマレイン酸、メチルマレイン酸、ジメチルマレイン酸等の他、酸無水物を一価以上のアルコールで開環したモノ/ジエステル化合物や、一級又は二級アミン化合物で開環したモノ/ジアミド化合物、イミド化合物等が含まれる。また、スチレン誘導体には、スチレンの他、スチルベン等も含まれる。
本発明では、末端にビニル基を有するポリアルキレンオキシド、無水マレイン酸、スチレンの共重合により得られる、下記一般式(I)で表される化合物を(E)成分に用いると特に効果的である。
(R1はアルキレン基、R2は飽和又は不飽和の一価の炭化水素基を表す。l、m、n、xは正の整数を表す。)
一般式(I)で、R1は炭素数3〜6であることが好ましく、3〜4がより好ましい。炭素数が3より小では化合物全体の親水性が増大し、耐湿信頼性等の信頼性に悪影響を与えることがあり、炭素数が6を超えると化合物全体の疎水性が増大する結果、半導体インサートとの密着力が低下し、やはり信頼性に悪影響を与える場合がある。R2は、炭素数1〜20の飽和炭化水素基であることが好ましく、炭素数2〜15の飽和炭化水素基であることがより好ましく、3〜10の飽和炭化水素基であることが特に好ましい。炭素数が20を超えると、化合物全体の疎水性が増大し、半導体インサートとの密着力の低下や、ブリードアウトによるパッケージ外観不良といった問題が発生する傾向がある。
xは5〜20が好ましく、7〜15がより好ましく、8〜12が特に好ましい。xが5より小さいと低弾性化の効果が不充分となり、xが20を超えるとガラス転移点の低下を招く場合がある。
l、mについては、1/3≦(l/m)≦3/1が好ましく、1/2≦(l/m)≦2/1がより好ましく、(l/m)が1/1前後であることが特に好ましい。l/mが1/3未満では低弾性化の効果が不充分となり、l/mが3/1を超えるとガラス転移点の低下を招く傾向がある。nについては、l/mを1/1前後とした上で、1/5≦n/(l+m)≦5/1が好ましく、1/3≦n/(l+m)≦3/1がより好ましく、1/3≦n/(l+m)≦2/1がより好ましい。n/(l+m)が1/5より小さいとガラス転移点の低下やパッケージ吸水率の増大を招き、n/(l+m)が5/1より大きいと低弾性化の効果が不充分となる傾向がある。
なお、一般式(I)で表される化合物は、式中に記載したとおりの単量体の順番に限定されず、また、ブロック共重合物に限定もされない。
ここで、ポリアルキレンオキシド誘導体とは、メチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール等から選ばれる1種又は2種以上のアルキレングリコール類を脱水重合して得られる繰り返し構造を50重量%以上含む化合物を指し、その末端、又は側鎖中に、アルキル基以外の、カルボキシル基、アミノ基、フェニル基、ビニル基等他の官能基を含んでいても良い。無水マレイン酸誘導体には、無水マレイン酸、メチルマレイン酸無水物、ジメチルマレイン酸無水物等の酸無水物、酸無水物を水で開環したマレイン酸、メチルマレイン酸、ジメチルマレイン酸等の他、酸無水物を一価以上のアルコールで開環したモノ/ジエステル化合物や、一級又は二級アミン化合物で開環したモノ/ジアミド化合物、イミド化合物等が含まれる。また、スチレン誘導体には、スチレンの他、スチルベン等も含まれる。
本発明では、末端にビニル基を有するポリアルキレンオキシド、無水マレイン酸、スチレンの共重合により得られる、下記一般式(I)で表される化合物を(E)成分に用いると特に効果的である。
一般式(I)で、R1は炭素数3〜6であることが好ましく、3〜4がより好ましい。炭素数が3より小では化合物全体の親水性が増大し、耐湿信頼性等の信頼性に悪影響を与えることがあり、炭素数が6を超えると化合物全体の疎水性が増大する結果、半導体インサートとの密着力が低下し、やはり信頼性に悪影響を与える場合がある。R2は、炭素数1〜20の飽和炭化水素基であることが好ましく、炭素数2〜15の飽和炭化水素基であることがより好ましく、3〜10の飽和炭化水素基であることが特に好ましい。炭素数が20を超えると、化合物全体の疎水性が増大し、半導体インサートとの密着力の低下や、ブリードアウトによるパッケージ外観不良といった問題が発生する傾向がある。
xは5〜20が好ましく、7〜15がより好ましく、8〜12が特に好ましい。xが5より小さいと低弾性化の効果が不充分となり、xが20を超えるとガラス転移点の低下を招く場合がある。
l、mについては、1/3≦(l/m)≦3/1が好ましく、1/2≦(l/m)≦2/1がより好ましく、(l/m)が1/1前後であることが特に好ましい。l/mが1/3未満では低弾性化の効果が不充分となり、l/mが3/1を超えるとガラス転移点の低下を招く傾向がある。nについては、l/mを1/1前後とした上で、1/5≦n/(l+m)≦5/1が好ましく、1/3≦n/(l+m)≦3/1がより好ましく、1/3≦n/(l+m)≦2/1がより好ましい。n/(l+m)が1/5より小さいとガラス転移点の低下やパッケージ吸水率の増大を招き、n/(l+m)が5/1より大きいと低弾性化の効果が不充分となる傾向がある。
なお、一般式(I)で表される化合物は、式中に記載したとおりの単量体の順番に限定されず、また、ブロック共重合物に限定もされない。
本発明の(E)成分は、(A)成分のエポキシ樹脂や(B)成分の硬化剤と通常の方法で混合しても構わないし、(E)成分の一部又は全部を(A)成分又は(B)成分の一部又は全部と予め予備混合して用いても構わない。
本発明の効果を得る為には、(E)成分の配合量を成形材料全体の0.1〜5重量%とすることが好ましく、0.3〜3重量%とすることがより好ましく、0.5〜2重量%とすることが特に好ましい。0.1重量%未満では低弾性化の効果が不充分となり、5重量%を超えるとガラス転移点の低下や機械強度の低下といった不具合を招く可能性がある。
本発明の効果を得る為には、(E)成分の配合量を成形材料全体の0.1〜5重量%とすることが好ましく、0.3〜3重量%とすることがより好ましく、0.5〜2重量%とすることが特に好ましい。0.1重量%未満では低弾性化の効果が不充分となり、5重量%を超えるとガラス転移点の低下や機械強度の低下といった不具合を招く可能性がある。
本発明では、本発明の効果を失わない範囲で、シリコーンオイル、シリコーン系固形ゴム、PMMA系固形ゴム等従来公知の可とう化剤を(E)成分と併用することができる。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、(A)〜(E)成分の他に、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等の有機リン化合物系硬化促進剤、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のアミン化合物系硬化促進剤、及びイミダゾール化合物系硬化促進剤等封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されている硬化促進剤を単独又は2種以上を併用して用いることができる。
流動性と信頼性の観点からは、有機リン化合物とキノン化合物の付加物を単独又は併用して用いることが好ましい。
流動性と信頼性の観点からは、有機リン化合物とキノン化合物の付加物を単独又は併用して用いることが好ましい。
硬化促進剤の配合量は、硬化促進効果が得られれば特に制限はないが、硬化性及び流動性の観点からは、0.005〜2重量%が好ましく、0.01〜0.5重量%がより好ましい。0.05〜0.3重量%がさらに好ましい。0.005重量%未満では短時間での硬化性に劣る傾向があり、2重量%を超えると硬化速度が速すぎて良好な成形品を得ることが困難になる傾向がある。硬化促進効果は硬化促進剤の種類によって異なるため、(D)硬化促進剤の配合量は、用いる硬化促進剤の硬化促進効果に応じて調整される。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、成形時の金型からの円滑な離型性を確保する為に、ステアリン酸、モンタン酸等の高級脂肪酸系ワックス、ステアリン酸エステル、モンタン酸エステル等の高級脂肪酸エステル系ワックス、ポリエチレン等、封止用エポキシ樹脂成形材料に用いられる従来公知の離型剤を単独、または2種以上併用して用いることができる。
離型剤の添加量は、封止用エポキシ樹脂成形材料の0.05〜0.5重量%程度が好ましい。0.05重量%未満では離型効果が不十分となり、0.5重量%を超えると密着力の低下を招き信頼性に悪影響を与える可能性がある。
離型剤の添加量は、封止用エポキシ樹脂成形材料の0.05〜0.5重量%程度が好ましい。0.05重量%未満では離型効果が不十分となり、0.5重量%を超えると密着力の低下を招き信頼性に悪影響を与える可能性がある。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、IC等の半導体素子の耐湿性、高温放置特性を向上させる観点から陰イオン交換体を添加することもできる。陰イオン交換体としては特に制限はなく、従来公知のものを用いることができるが、例えば、ハイドロタルサイトや、アンチモン、ビスマス、ジルコニウム、チタン、スズ、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる元素の含水酸化物等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、下記一般式(VIII)で示されるハイドロタルサイト及びビスマスの含水酸化物が好ましい。
(化9)
Mg1−XAlX(OH)2(CO3)X/2・mH2O ……(VIII)
(0<X≦0.5、mは正の整数)
陰イオン交換体の配合量は、ハロゲンイオン等のイオン性不純物を捕捉できる十分な量であれば特に制限はないが、(A)成分のエポキシ樹脂に対して0.1〜30重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましく、2〜5重量%がさらに好ましい。配合量が0.1重量%未満ではイオン性不純物の捕捉が不十分になる傾向があり、30重量%を超えた場合それ以下に比べて効果に大差がないため経済的に不利である。
(化9)
Mg1−XAlX(OH)2(CO3)X/2・mH2O ……(VIII)
(0<X≦0.5、mは正の整数)
陰イオン交換体の配合量は、ハロゲンイオン等のイオン性不純物を捕捉できる十分な量であれば特に制限はないが、(A)成分のエポキシ樹脂に対して0.1〜30重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましく、2〜5重量%がさらに好ましい。配合量が0.1重量%未満ではイオン性不純物の捕捉が不十分になる傾向があり、30重量%を超えた場合それ以下に比べて効果に大差がないため経済的に不利である。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、樹脂成分と無機充填剤との接着性を高めるために、必要に応じて、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等の公知のカップリング剤を添加することができる。これらは単独で用いても、2種以上を併用して用いても構わない。
上記カップリング剤の配合量は、無機充填剤に対して0.05〜5重量%であることが好ましく、0.1〜2.5重量%がより好ましい。0.05重量%未満では耐湿性が低下する傾向があり、5重量%を超えるとパッケージの成形性が低下する傾向がある。
上記カップリング剤の配合量は、無機充填剤に対して0.05〜5重量%であることが好ましく、0.1〜2.5重量%がより好ましい。0.05重量%未満では耐湿性が低下する傾向があり、5重量%を超えるとパッケージの成形性が低下する傾向がある。
さらに、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、本発明の効果を損なわない範囲で、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の着色剤、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、トリアジン等及びこれらの誘導体、アントラニル酸、没食子酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アミノフェノール、キノリン等及びこれらの誘導体、脂肪族酸アミド化合物、ジチオカルバミン酸塩、チアジアゾール誘導体等の接着促進剤などを必要に応じて配合することができる。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、各種原材料を均一に分散混合できるのであれば、いかなる手法を用いても調製できるが、一般的な手法として、所定の配合量の原材料をミキサー等によって十分混合した後、ミキシングロール、ニーダ、押出機等によって溶融混練した後、冷却、粉砕する方法を挙げることができる。成形条件に合うような寸法及び重量でタブレット化すると使いやすい。
また、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、各種有機溶剤に溶かして液状封止用エポキシ樹脂成形材料として使用することもでき、この液状封止用エポキシ樹脂成形材料を板又はフィルム上に薄く塗布し、樹脂の硬化反応が余り進まないような条件で有機溶剤を飛散させることによって得られるシートあるいはフィルム状の封止用エポキシ樹脂成形材料として使用することもできる。
また、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、各種有機溶剤に溶かして液状封止用エポキシ樹脂成形材料として使用することもでき、この液状封止用エポキシ樹脂成形材料を板又はフィルム上に薄く塗布し、樹脂の硬化反応が余り進まないような条件で有機溶剤を飛散させることによって得られるシートあるいはフィルム状の封止用エポキシ樹脂成形材料として使用することもできる。
本発明で得られる封止用エポキシ樹脂成形材料により素子を封止して得られる電子部品装置としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子等の素子を搭載し、必要な部分を本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止した、電子部品装置などが挙げられる。このような電子部品装置としては、例えば、リードフレーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部をワイヤボンディングやバンプで接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を用いてトランスファ成形などにより封止してなる、DIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J-lead package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の一般的な樹脂封止型IC、テープキャリアにバンプで接続した半導体チップを、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したTCP(Tape Carrier Package)、配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子及び/又はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したCOB(Chip On Board)モジュール、ハイブリッドIC、マルチチップモジュール、配線板接続用の端子を形成した有機基板に素子を搭載し、バンプまたはワイヤボンディングにより素子と有機基板に形成された配線を接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で素子を封止したBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)などが挙げられる。また、プリント回路板にも本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は有効に使用できる。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて素子を封止する方法としては、低圧トランスファ成形法が最も一般的であるが、インジェクション成形法、圧縮成形法等を用いてもよい。封止用エポキシ樹脂成形材料が常温で液状又はペースト状の場合は、ディスペンス方式、注型方式、印刷方式等が挙げられる。
また、素子を直接樹脂封止する一般的な封止方法ばかりではなく、素子に直接電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料が接触しない形態である中空パッケージの方式もあり、中空パッケージ用の封止用エポキシ樹脂成形材料としても好適に使用できる。
また、素子を直接樹脂封止する一般的な封止方法ばかりではなく、素子に直接電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料が接触しない形態である中空パッケージの方式もあり、中空パッケージ用の封止用エポキシ樹脂成形材料としても好適に使用できる。
実施例1〜6、及び比較例1〜5
(A)エポキシ樹脂として、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(150℃における溶融粘度0.2Pa・s、大日本インキ化学工業株式会社製商品名N500P‐2)、エポキシ当量170、軟化点60℃のトリフェニルメタン型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名エピコート1032H60)、エポキシ当量196、融点106℃のビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名エピコートYX−4000H)、エポキシ当量240、軟化点90℃のビフェニル・アラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製商品名CER-3000SL)、
(B)硬化剤として水酸基当量103、軟化点83℃のトリフェニルメタン型フェノール樹脂(明和化成株式会社製商品名MEH−7500)、水酸基当量200、軟化点65℃のビフェニル・アラルキル型フェノール樹脂(明和化成株式会社製商品名MEH-7851)、
(C)無機充填剤として平均粒径17.5μmの球状溶融シリカ、
(D)遷移金属元素を有する難燃剤として三酸化二鉄(難燃剤1。戸田工業株式会社製商品名DBNB)、酸化マグネシウムと酸化珪素の核にモリブデン酸亜鉛を被覆した物質(難燃剤2。Sherwin Williams社製商品名911B)、(D)成分の比較難燃剤として水酸化マグネシウム・酸化亜鉛固溶体(比較難燃剤1。タテホ化学工業株式会社製商品名エコーマグZ-10)、芳香族縮合リン酸エステル(比較難燃剤2。大八化学工業株式会社製商品名PX-200)、
(E)成分として一般式(I)で示される化合物のうち、R1が炭素数4、R2が炭素数8、x=8、l/m=1/1、n/(l+m)=1/3である化合物(添加剤1)、(E)成分の比較添加剤として、平均粒径50μmのPMMA系ゴム(比較添加剤1。ワッカーケミカルズ社製商品名444206VP)、
硬化促進剤として、トリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物、離型剤として酸化型ポリエチレン(クラリアント株式会社製商品名PED153)及びモンタン酸エステル(クラリアント社製商品名Hoechst-Wax E)、カップリング剤としてエポキシシラン(日本ユニカー株式会社製商品名A−187)、着色剤としてカーボンブラック(三菱化学株式会社製商品名MA−100)を、それぞれ表1及び表2に示す重量部で配合し、混練温度80℃、混練時間10分の条件でロール混練を行い、実施例及び比較例の封止用エポキシ樹脂成形材料を作製した。
なお、(E)成分の添加剤1は、その全量を(B)成分の硬化剤の全量と予め予備混合して用いた。予備混合は、170℃/30分で行った。
(R1はアルキレン基、R2は飽和又は不飽和の一価の炭化水素基を表す。l、m、n、xは正の整数を表す。)
(A)エポキシ樹脂として、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(150℃における溶融粘度0.2Pa・s、大日本インキ化学工業株式会社製商品名N500P‐2)、エポキシ当量170、軟化点60℃のトリフェニルメタン型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名エピコート1032H60)、エポキシ当量196、融点106℃のビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名エピコートYX−4000H)、エポキシ当量240、軟化点90℃のビフェニル・アラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製商品名CER-3000SL)、
(B)硬化剤として水酸基当量103、軟化点83℃のトリフェニルメタン型フェノール樹脂(明和化成株式会社製商品名MEH−7500)、水酸基当量200、軟化点65℃のビフェニル・アラルキル型フェノール樹脂(明和化成株式会社製商品名MEH-7851)、
(C)無機充填剤として平均粒径17.5μmの球状溶融シリカ、
(D)遷移金属元素を有する難燃剤として三酸化二鉄(難燃剤1。戸田工業株式会社製商品名DBNB)、酸化マグネシウムと酸化珪素の核にモリブデン酸亜鉛を被覆した物質(難燃剤2。Sherwin Williams社製商品名911B)、(D)成分の比較難燃剤として水酸化マグネシウム・酸化亜鉛固溶体(比較難燃剤1。タテホ化学工業株式会社製商品名エコーマグZ-10)、芳香族縮合リン酸エステル(比較難燃剤2。大八化学工業株式会社製商品名PX-200)、
(E)成分として一般式(I)で示される化合物のうち、R1が炭素数4、R2が炭素数8、x=8、l/m=1/1、n/(l+m)=1/3である化合物(添加剤1)、(E)成分の比較添加剤として、平均粒径50μmのPMMA系ゴム(比較添加剤1。ワッカーケミカルズ社製商品名444206VP)、
硬化促進剤として、トリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物、離型剤として酸化型ポリエチレン(クラリアント株式会社製商品名PED153)及びモンタン酸エステル(クラリアント社製商品名Hoechst-Wax E)、カップリング剤としてエポキシシラン(日本ユニカー株式会社製商品名A−187)、着色剤としてカーボンブラック(三菱化学株式会社製商品名MA−100)を、それぞれ表1及び表2に示す重量部で配合し、混練温度80℃、混練時間10分の条件でロール混練を行い、実施例及び比較例の封止用エポキシ樹脂成形材料を作製した。
なお、(E)成分の添加剤1は、その全量を(B)成分の硬化剤の全量と予め予備混合して用いた。予備混合は、170℃/30分で行った。
作製した実施例及び比較例の封止用エポキシ樹脂成形材料を、次の各試験により評価した。評価結果を表3及び表4に示す。
なお、封止用エポキシ樹脂成形材料の成形は、トランスファ成形機により、金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間90秒の条件で行った。また、後硬化は175℃で6時間行った。
(1)スパイラルフロー(流動性の指標)
EMMI−1−66に順じてスパイラルフロー測定用金型を用いて、封止用エポキシ樹脂成形材料を上記条件で成形し、流動距離(cm)を求めた。
(2)ガラス転移点及び熱膨張係数α1
JIS K 7197に従い、上記の成形及び後硬化をして得た硬化物を試験片に用い、TMA(Thermal Mechanical Analysis)によりガラス転移点と熱膨張係数α1を求めた。試験片サイズは4×4×20mm、測定時の測定温度領域は室温(25℃)より250℃、昇温速度は5℃/分とした。ガラス転移点は、40〜80℃の領域より延長される線と200〜240℃より延長される線の交点より求めた。また、40〜80℃の領域での直線の傾きの平均をもって熱膨張係数α1とした。
(3)耐熱性
SOP-28p(42Alloy リードフレーム)にTEG-ML1020チップ(Line/Space=20μm/20μm領域2ヶ所:1.90×4.20mm、Line/Space=10μm/10μm領域2ヶ所:1.90×4.20mm)を搭載し、リードフレームとチップとをφ20μmの金線により接続した。その後、上記で作製した封止用エポキシ樹脂成形材料による封止を行い、後硬化の後、195℃環境中に1000時間放置した。
各成形材料による作製パッケージN=10のうち、放置後の電気導通の有無を測定し、計4配線のうち、1配線でも導通不具合のあるパッケージをNGパッケージとしてカウントした。
(4)耐冷熱サイクル性
QFP1420×2.0mmt(EFTEC-64Tリードフレーム/フラットアイランド)にシリコンチップ(8×10mm/窒化珪素保護膜)を搭載した。ダイボンド材には日立化成工業(株)社製EN-4065Dを用いた。ダイボンド材の硬化条件は210℃/2分とした。上記成形材料による封止を行い、後硬化させた後、パッケージを液体窒素(−196℃)とシリコーンオイル(150℃)とに各2分間ずつ交互に浸す形での冷熱サイクル試験を行った。50サイクル後のパッケージを株式会社日立製作所製SATを用いて観察し、チップ剥離、リードフレーム剥離、パッケージクラックの有無を判定した。各成形材料による作製パッケージN=10のうち、剥離やクラック等の不具合の発生したパッケージをNGパッケージとしてカウントした。
(5)誘電特性
各成形材料からφ50×3.0mmtの試験片を成形及び後硬化して作製し、L.C.Rメータにより周波数100Hzでの室温から250℃の範囲での誘電率測定を行った。室温での誘電率(a)に対する200℃での誘電率(b)の比(b/a)が1に近いものほど誘電特性に優れるものと判断した。
(6)燃焼性
成形及び後硬化して得た試験片により、94UL規格に従い、試験厚み1/8inchでの試験を行い、燃焼性の判定を行った。
なお、封止用エポキシ樹脂成形材料の成形は、トランスファ成形機により、金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間90秒の条件で行った。また、後硬化は175℃で6時間行った。
(1)スパイラルフロー(流動性の指標)
EMMI−1−66に順じてスパイラルフロー測定用金型を用いて、封止用エポキシ樹脂成形材料を上記条件で成形し、流動距離(cm)を求めた。
(2)ガラス転移点及び熱膨張係数α1
JIS K 7197に従い、上記の成形及び後硬化をして得た硬化物を試験片に用い、TMA(Thermal Mechanical Analysis)によりガラス転移点と熱膨張係数α1を求めた。試験片サイズは4×4×20mm、測定時の測定温度領域は室温(25℃)より250℃、昇温速度は5℃/分とした。ガラス転移点は、40〜80℃の領域より延長される線と200〜240℃より延長される線の交点より求めた。また、40〜80℃の領域での直線の傾きの平均をもって熱膨張係数α1とした。
(3)耐熱性
SOP-28p(42Alloy リードフレーム)にTEG-ML1020チップ(Line/Space=20μm/20μm領域2ヶ所:1.90×4.20mm、Line/Space=10μm/10μm領域2ヶ所:1.90×4.20mm)を搭載し、リードフレームとチップとをφ20μmの金線により接続した。その後、上記で作製した封止用エポキシ樹脂成形材料による封止を行い、後硬化の後、195℃環境中に1000時間放置した。
各成形材料による作製パッケージN=10のうち、放置後の電気導通の有無を測定し、計4配線のうち、1配線でも導通不具合のあるパッケージをNGパッケージとしてカウントした。
(4)耐冷熱サイクル性
QFP1420×2.0mmt(EFTEC-64Tリードフレーム/フラットアイランド)にシリコンチップ(8×10mm/窒化珪素保護膜)を搭載した。ダイボンド材には日立化成工業(株)社製EN-4065Dを用いた。ダイボンド材の硬化条件は210℃/2分とした。上記成形材料による封止を行い、後硬化させた後、パッケージを液体窒素(−196℃)とシリコーンオイル(150℃)とに各2分間ずつ交互に浸す形での冷熱サイクル試験を行った。50サイクル後のパッケージを株式会社日立製作所製SATを用いて観察し、チップ剥離、リードフレーム剥離、パッケージクラックの有無を判定した。各成形材料による作製パッケージN=10のうち、剥離やクラック等の不具合の発生したパッケージをNGパッケージとしてカウントした。
(5)誘電特性
各成形材料からφ50×3.0mmtの試験片を成形及び後硬化して作製し、L.C.Rメータにより周波数100Hzでの室温から250℃の範囲での誘電率測定を行った。室温での誘電率(a)に対する200℃での誘電率(b)の比(b/a)が1に近いものほど誘電特性に優れるものと判断した。
(6)燃焼性
成形及び後硬化して得た試験片により、94UL規格に従い、試験厚み1/8inchでの試験を行い、燃焼性の判定を行った。
本発明における(D)成分を含まない比較例1〜3は、難燃性、誘電特性、耐熱性のいずれかに劣り、(E)成分を含まない比較例4、5は耐冷熱サイクル性、流動性のいずれかに劣る。
これに対し、本発明における(A)〜(E)成分をすべて含有した実施例1〜6は、流動性等の成形性や耐熱性、対冷熱サイクル性、誘電特性等の信頼性に優れ、高い難燃性も実現していることがわかる。
これに対し、本発明における(A)〜(E)成分をすべて含有した実施例1〜6は、流動性等の成形性や耐熱性、対冷熱サイクル性、誘電特性等の信頼性に優れ、高い難燃性も実現していることがわかる。
Claims (8)
- (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)無機充填剤、(D)遷移金属元素を有する難燃剤、(E)可とう化剤を必須成分とし、(E)成分が一分子内にポリアルキレンオキシド誘導体、スチレン誘導体、無水マレイン酸誘導体のうちの2種以上から選ばれる構造体を有する化合物である封止用エポキシ樹脂成形材料。
- 前記(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方の一部又は全部がトリフェニルメタン型骨格を有する樹脂である請求項1に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- 前記(E)成分が、一分子内にポリアルキレンオキシド誘導体、スチレン誘導体、無水マレイン酸誘導体のいずれの構造体をも有する化合物である請求項1又は請求項2に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- 前記(D)遷移金属元素を有する難燃剤が成形材料全体の0.1〜5重量%である請求項1〜4のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- 硬化物のガラス転移点が140℃以上である請求項1〜5のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- 硬化物の熱膨張係数α1が0.8×10−5/℃〜1.7×10−5/℃である請求項1〜6のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備えた電子部品装置。
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JP2004067579A JP2005255791A (ja) | 2004-03-10 | 2004-03-10 | 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006104416A (ja) * | 2004-10-08 | 2006-04-20 | Hitachi Chem Co Ltd | 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 |
JP2007177150A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
JP2016148054A (ja) * | 2011-07-08 | 2016-08-18 | 日立化成株式会社 | コンプレッション成形用半導体封止樹脂材料及び半導体装置 |
-
2004
- 2004-03-10 JP JP2004067579A patent/JP2005255791A/ja active Pending
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JP2018044177A (ja) * | 2011-07-08 | 2018-03-22 | 日立化成株式会社 | コンプレッション成形用半導体封止樹脂材料及び半導体装置 |
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