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JP2005245715A - 主として台所用に適した拭き布 - Google Patents

主として台所用に適した拭き布 Download PDF

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JP2005245715A
JP2005245715A JP2004059647A JP2004059647A JP2005245715A JP 2005245715 A JP2005245715 A JP 2005245715A JP 2004059647 A JP2004059647 A JP 2004059647A JP 2004059647 A JP2004059647 A JP 2004059647A JP 2005245715 A JP2005245715 A JP 2005245715A
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Atsushi Matsunaga
篤 松永
Norihisa Yoshida
典古 吉田
Kazutoshi Toya
一利 戸屋
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UNITIKA TSUSHO Ltd
Unitika Ltd
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UNITIKA TSUSHO Ltd
Unitika Ltd
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Abstract


【課題】 台所回りの油汚れを良好に除去しうる拭き布を提供する。
【解決手段】 この拭き布は、合成繊維層と親水性繊維層とが積層一体化されてなる二層繊維構造物である。そして、少なくとも合成繊維層表面には凹凸模様が施されてなる。この凹凸模様は、拭き布の使用時に水を含浸させても、消失しないものである。合成繊維層は、熱接着性繊維と繊度5デシテックス以上の疎水性繊維とが均一に混合されてなる。熱接着性繊維と疎水性繊維とは交絡されてなると共に、各繊維相互間が熱接着性繊維の軟化又は溶融によって結合されている。親水性繊維層は親水性繊維相互間が交絡されてなる。合成繊維層と親水性繊維層の層間では、親水性繊維と疎水性繊維及び熱接着性繊維とが交絡されていると共に、熱接着性繊維の軟化又は溶融によって各繊維相互間が結合されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主として台所用に適した拭き布に関し、台所回りの油汚れなどを除去するのに適した拭き布に関するものである。
従来より、台所回りの油汚れなどを除去するための拭き布として、紙製拭き布や布製拭き布が用いられている。しかしながら、台所回りの油汚れは、強固に付着していることが多く、単なる紙製又は布製拭き布では、除去しにくいということがあった。
このため、紙製又は布製拭き布に多数の孔を穿ち、孔の端縁で油汚れを掻き取ることが考えられる。また、紙製又は布製拭き布の表面を凹凸にして、凸部で油汚れを掻き取ることが考えられる。
そこで、本発明者などは、本件出願人が既に提案している拭き取りシート(特許文献1)を用いて、油汚れの除去を試みた。この拭き取りシートは、極細繊維と吸水性繊維とが均一に混合されてなる不織布製拭き布であり、その表面に凹凸模様が施されており、この凹凸模様は、拭き取り時においても消失しにくいものである。しかしながら、極細繊維を用いると、繊維径が細いため繊維に剛性がなく、油汚れを良好に掻き取ることが困難であった。また、吸水性繊維が全体に均一に混合されているため、水に浸漬したとき、吸水性繊維が膨潤し、凹凸模様の各凸部が柔らかくなり、油汚れを掻き取りにくくなるということがあった。
特願2003−110924(特許請求の範囲及び0002)
したがって、本発明者などは、特許文献1に記載されている拭き取りシートを、油汚れが良好に除去しうる拭き布とするためには、繊維径の細い極細繊維を用いずに、比較的繊維径の太い繊維を用いて、油汚れを掻き取りやすくすること、及び吸水性繊維乃至は親水性繊維を用いないで、水に含浸させても、凸部が柔らかくならないようにすることが、重要であると考えた。しかしながら、吸水性繊維乃至は親水性繊維を用いないと、拭き布自体に水を十分に含浸させることができず、油汚れなどに対して水を供給することができないため、油汚れが軟化せず、やはり油汚れが除去しにくいということが判明した。
そこで、本発明者などは、吸水性繊維乃至は親水性繊維を用いながら、凸部が柔らかくなりにくく、しかも、拭き取り面の油汚れなどの汚れに対して水を供給しうる拭き布を得ることを課題として、研究を行った。この結果、拭き布を、疎水性繊維を主体とした合成繊維層と親水性繊維を主体とした親水性繊維層の二層構造とし、合成繊維層を特定の繊維組成とし、且つ各繊維相互間を交絡及び結合させれば、上記した課題を解決しうることを見出した。本発明は、このような知見に基づくものである。
すなわち、本発明は、合成繊維層と親水性繊維層とが積層一体化されてなる二層繊維構造物であって、少なくとも合成繊維層表面には凹凸模様が施されてなる拭き布であって、該合成繊維層は、熱接着性繊維と繊度5デシテックス以上の疎水性繊維とが均一に混合され、各繊維相互間が交絡されてなると共に各繊維相互間は該熱接着性繊維の軟化又は溶融によって結合されており、該親水性繊維層は親水性繊維相互間が交絡されてなるものであり、且つ、該合成繊維層と該親水性繊維層の層間において、該親水性繊維と該疎水性繊維及び該熱接着性繊維とが交絡されていると共に、該熱接着性繊維の軟化又は溶融によって各繊維相互間が結合されており、該拭き布を水に浸漬した場合であっても、凹凸模様が消失しないことを特徴とする、主として台所用に適した拭き布に関するものである。
本発明に係る拭き布は、合成繊維層と親水性繊維層とが積層一体化されてなる二層繊維構造物よりなるものである。そして、少なくとも合成繊維層表面には、凹凸模様が施されてなるものである。すなわち、合成繊維層表面に凹部と凸部を持つものである。凹部と凸部の高低差は任意であるが、高低差があまり少ないと、凸部によって油汚れなどを掻き取りにくくなる傾向が生じる。また、合成繊維層表面全体が被拭き取り面と接触するため、合成繊維層表面が毛羽立ちやすくなり、繰り返し拭き取り作業性が悪くなる。一方、高低差があまりにも大きいと、手指で把持しにくくなり、使用しにくくなる傾向が生じる。一般的には、この高低差は1mm程度である。
凹凸模様は、合成繊維層表面にのみ設けられていてもよいし、合成繊維層表面と親水性繊維層表面の両面に設けられていてもよい。両面に設ける具体的態様としては、図1に示したような、断面波状の態様が好ましい。図1は、本発明の一例に係る拭き布の断面図を示したものであり、黒色で塗りつぶされている箇所1が、断面を表している。そして、断面間の曲線2は、断面の背後に見える凹部及び凸部を表している。すなわち、図1に示した凹凸模様は、合成繊維層表面の凸部が親水性繊維層表面の凹部に対応し、合成繊維層表面の凹部が親水性繊維層表面の凸部に対応した構成となっている。
本発明において、合成繊維層の繊維組成は、以下のようになっている。すなわち、疎水性繊維と熱接着性繊維とが均一に混合された組成となっている。疎水性繊維としては、水を吸収しにくいもので、ポリオレフィン系繊維やポリエステル系繊維などが用いられる。水を吸収しやすいものを用いると、疎水性繊維が膨潤して、その剛性が低下するからである。すなわち、合成繊維層は、凹凸模様が施されており、油汚れなどの拭き取り面となるものであるから、この層の剛性が低下すると、凸部の剛性も低下し、油汚れなどを掻き取りにくくなるからである。疎水性繊維は、その繊度が5デシテックス以上のものが採用される。5デシテックス未満の疎水性繊維を用いると、疎水性繊維の剛性が低くなり、油汚れなどを掻き取りにくくなるので、好ましくない。疎水性繊維の繊維長は任意でよく、一般的には、10〜100mm程度である。
熱接着性繊維としては、その融点(結晶性が低く、明確な融点を有しないものは軟化点を融点とみなす。)が疎水性繊維の融点よりも低いものであれば、どのようなもので採用しうる。具体的には、低融点ポリエステル系繊維などが用いられる。特に、芯成分が高融点ポリエステルで、鞘成分が低融点ポリエステルよりなる芯鞘型複合繊維を用いるのが好ましい。芯鞘型複合繊維の場合、鞘成分のみが溶融又は軟化して、各繊維相互間を結合し、芯成分は当初の繊維状態が維持されるので、合成繊維層の風合いが低下しにくいのである。熱接着性繊維の繊度は任意でよいが、一般的には、1〜5デシテックス程度が好ましい。また、熱接着性繊維の繊維長も任意でよく、一般的には、10〜100mm程度である。
本発明において、親水性繊維層の繊維組成は、親水性繊維を主体とするものである。親水性繊維としては、水をよく吸収するもので、一般的にはセルロース繊維が用いられる。セルロース繊維の中でも、特に、レーヨン繊維又はコットン繊維を用いるのが好ましい。親水性繊維の繊度は任意でよいが、一般的には、1〜5デシテックス程度が好ましい。また、親水性繊維の繊維長も任意でよく、一般的には、10〜100mm程度である。なお、親水性繊維層に若干量の他種繊維が混入されていても、水の吸収保持を阻害しない程度であれば、差し支えない。
合成繊維層と親水性繊維層との質量比は任意であるが、合成繊維層100質量部に対して、親水性繊維層は20〜500質量部程度であるのが好ましく、特に30〜300質量部程度であるのがより好ましい。また、本発明に係る拭き布中には、疎水性繊維は少なくとも25質量%以上含有されているのが好ましい。疎水性繊維の量が25質量%未満であると、疎水性繊維の剛性を利用して、油汚れなどを掻き取りにくくなる傾向が生じる。一方、親水性繊維の量も25質量%以上であるのが好ましく、特に30質量%以上がより好ましく、とりわけ40〜60質量%であるのが好ましい。親水性繊維の量が25質量%未満になると、拭き布に含浸される水の量が少なくなり、拭き取り面の油汚れなどに水を十分に供給しにくくなる傾向が生じる。なお、熱接着性繊維の量も任意であるが、一般的には、5〜20質量%程度である。熱接着性繊維は、それ自身の軟化又は溶融によって、繊維相互間を結合するものであるため、その量が多すぎると拭き布が硬くなりすぎて使用しにくくなる傾向が生じる。一方、その量が少なすぎると、各繊維相互間の結合が不十分となり、合成繊維層表面の凸部が柔らかくなって、油汚れなどを掻き取りにくくなる傾向が生じる。
合成繊維層及び親水性繊維層の各繊維相互間は、水流交絡処理やニードルパンチ処理などによって交絡されている。すなわち、合成繊維層中では疎水性繊維及び熱接着性繊維の各繊維相互間が交絡されており、親水性繊維層中では親水性繊維相互間が交絡されている。そして、合成繊維層と親水性繊維層との層間では、疎水性繊維、熱接着性繊維及び親水性繊維の各繊維相互間が交絡されている。また、各繊維相互間は、交絡していると共に、熱接着性繊維の軟化又は溶融によって、結合している。この結合は、繊維相互間の交絡と相俟って、合成繊維層表面に設けられた凹凸模様を保持するためのものである。
本発明に係る拭き布は、代表的には、以下の方法によって製造することができる。すなわち、熱接着性繊維と繊度5デシテックス以上の疎水性繊維とが均一に混合されてなる合成繊維層ウェブと、親水性繊維よりなる親水性繊維層ウェブとを積層した二層ウェブに、水流交絡処理を施して、該熱接着性繊維と該疎水性繊維相互間が交絡されてなる合成繊維層と、該親水性繊維相互間が交絡されてなる親水性繊維層とを形成すると共に、各層間において、該親水性繊維と該疎水性繊維及び該熱接着性繊維とが交絡されてなる二層積層物を形成した後、該二層積層物を一対の加熱された凹凸ロール間を通して、該熱接着性繊維を軟化又は溶融させて、各繊維相互間を結合すると共に、該合成繊維層表面及び該親水性繊維層表面に凹凸模様を施すという方法によって、製造することができる。
合成繊維層ウェブ及び親水性繊維層ウェブの各繊維ウェブを形成する際に用いる、疎水性繊維、熱接着性繊維及び親水性繊維は、前に説明したとおりである。合成繊維層ウェブを形成するには、疎水性繊維と熱接着性繊維を均一に混合(混綿)した後、カード機などの開繊機で開繊し、これをシート状にすればよい。また、親水性繊維層ウェブを形成するには、親水性繊維をカード機などの開繊機で開繊し、これをシート状にすればよい。そして、合成繊維層ウェブと親水性繊維層ウェブとを積層して二層ウェブを得た後、この二層ウェブに水流交絡処理を施して、各繊維相互間を交絡させて繊維フリースを得る。水流交絡処理とは、多数の噴射孔から水流を噴出させ、これを二層ウェブに貫通させると、水流のエネルギーが各繊維の運動エネルギーに変換され、この運動エネルギーによって各繊維相互間が交絡する。特に、合成繊維層ウェブと親水性繊維層ウェブの層間では、疎水性繊維、熱接着性繊維及び親水性繊維の各繊維相互間が交絡する。
得られた繊維フリースは、一対の加熱された凹凸ロール間に通される。これによって、熱接着性繊維が軟化又は溶融して、合成繊維層ウェブ中では疎水性繊維と熱接着性繊維の各繊維相互間が結合されると共に、凹凸ロールに対応した凹凸模様が合成繊維層ウェブの表面に施される。また、合成繊維層ウェブと親水性繊維層ウェブの層間では、疎水性繊維、熱接着性繊維及び親水性繊維の各繊維相互間も結合され、本発明に係る拭き布が得られる。ここで、一対の加熱された凹凸ロールの表面形状は、合成繊維層ウェブの表面に凹凸模様が施されるものであれば、どのようなものであってもよい。一般的には、一方の凹凸ロールの凸部が他方の凹凸ロールの凹部に対応し、一方の凹凸ロールの凹部が他方の凹凸ロールの凸部に対応して、噛み合って回転する一対の凹凸ロールを採用するのが好ましい。この場合、親水性繊維層ウェブの表面にも、凹凸ロールに対応した凹凸模様が施される。なお、凹凸ロールの加熱温度は、ロール表面の温度で、熱接着性繊維を軟化又は溶融せしめる程度でよい。
上記した本発明に係る拭き布の代表的な製造方法では、各繊維相互間を交絡させる方法として、水流交絡処理を用いたが、その他のニードルパンチ処理などで交絡させてもよい。また、合成繊維ウェブ層及び親水性繊維ウェブ層の両表面に凹凸模様が施されるようにしたが、合成繊維ウェブ層の表面にのみ凹凸模様が施されるようにしてもよい。さらに、一対の凹凸ロールに通した時点で、熱接着性繊維が軟化又は溶融するようにしたが、凹凸ロールに通す前に、熱接着性繊維を軟化又は溶融させ、各繊維相互間を結合させておいてもよい。たとえば、凹凸ロールに通す前に、二層ウェブを熱風中に通したり、加熱された一対の平滑ロール間に通せばよい。
以上説明した本発明に係る拭き布は、主として台所回りの油汚れなどを掻き取って除去するのに、好適に使用される。本発明に係る拭き布の使用法は、当該拭き布に水をある程度含浸させ、合成繊維層を拭き取り面として、油汚れなどを擦る。この際、本発明に係る拭き布は、各構成繊維相互間が交絡し、且つ、熱接着性繊維の軟化又は溶融によって結合しているため、水に浸漬して水を含浸させても、合成繊維層表面の凹凸模様は、消失しないものである。したがって、拭き布の主に親水性繊維層に含浸された水が、合成繊維層を通って油汚れなどに供給され、油汚れなどを軟化させると共に、合成繊維層に設けられた凹凸模様の凸部によって、油汚れなどが掻き取られ、これを良好に除去することができるのである。なお、本発明に係る拭き布は、台所回りの油汚れなどの除去だけでなく、その他の各種汚れをも良好に除去しうるものである。
本発明に係る拭き布は、上記した構成を持つため、以下のような効果を奏する。
(i)拭き布の合成繊維層は、疎水性繊維と熱接着性繊維の各繊維相互間が交絡すると共に熱接着性繊維によって結合した状態となっており、且つ、その表面に凹凸模様が設けられている。すなわち、各繊維間の交絡と結合によって凹凸模様が施されており、しかも疎水性繊維は水を吸収しにくく膨潤して軟化しにくいものであるため、水を含浸させて使用しても、凹凸模様の凸部は消失しにくくなっている。したがって、拭き布の凸部の作用で、油汚れなどを良好に掻き取ることができる。
(ii)拭き布の使用時において、水が含浸された親水性繊維層から、合成繊維層を通って、水が拭き取り面に供給される。したがって、油汚れなどに水が供給され、油汚れなどを軟化させうるため、拭き布の凸部の作用と相俟って、油汚れなどを良好に掻き取ることができる。
(iii )拭き取り面となる合成繊維層には、繊度が5デニール以上の比較的剛性の大きい疎水性繊維が含まれている。疎水性繊維は、親水性繊維層から供給される水と接触しても、それを吸収しにくいため、その剛性が低下しにくい。したがって、大きな剛性を持つ疎水性繊維によって、油汚れなどを良好に掻き取ることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明は、特定の合成繊維層と特定の親水性繊維層との二層構造物の合成繊維層表面に、各繊維相互間の交絡と結合により、その形態が維持された凹凸模様を設ければ、油汚れなどを良好に除去しうる拭き布が得られるとの知見に基づくものとして、解釈されるべきである。
実施例1
[繊維の準備]
(親水性繊維)
平均繊度1.65デシテックスで平均繊維長24mmの木綿の晒綿を準備した。
(疎水性繊維)
繊度11デシテックスで繊維長51mmのポリエチレンテレフタレートからなるポリエステル短繊維を準備した。
(熱接着性繊維)
繊度2.2デシテックスで繊維長が51mmの芯鞘型ポリエステル系短繊維(ユニチカファイバー株式会社製「メルティ4080」)を準備した。芯成分は、疎水性繊維として用いたポリエステル短繊維と同様のポリエチレンテレフタレートを使用した。鞘成分は、ジカルボン酸成分として、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレートとを6:4のモル比で用いて、ジオール成分と共重合したポリエステルを用いた。この軟化点は110℃であり、芯成分の融点よりも100℃以上低いものである。なお、芯成分と鞘成分の質量比は、1:1とした。
[二層積層物の準備]
ポリエステル短繊維80質量%と芯鞘型ポリエステル系短繊維20質量%とを均一に混合し、カード機を通して、目付50g/m2の合成繊維層ウェブを得た。一方、木綿の晒綿100質量%をカード機に通して、目付50g/m2の親水性繊維層ウェブを得た。両ウェブを積層した二層ウェブを、移動する100メッシュの金属性メッシュスクリーン上に置き、水流交絡処理を施した。水流交絡処理は、孔径0.12mmの噴射孔が孔間隔0.62mmで3列に並んだダイを備えた水流交絡設備を用い、二層ウェブの上方50mmの位置から、水流圧力が6.86MPaとなる条件で行った。この結果、合成繊維層ウェブ中ではポリエステル短繊維と芯鞘型ポリエステル系短繊維相互間が密接に交絡し、親水性繊維層ウェブ中では親水性繊維相互間が密接に交絡し、両層間では、前記三者の各繊維相互間が密接に交絡した。そして、交絡後、脱水し、150℃で1分間乾燥して、二層積層物を得た。
[拭き布の製造]
この二層積層物を、ロール表面温度がいずれも160℃に加熱された、一対の金属製凹凸ロールの間を通した。この一対の金属製凹凸ロールは、いずれも、その表面が山形の凸部と、これに対照的な凹部とが交互に形成されてなる波状の凹凸模様が彫刻されてなるものであり、一方の凹凸ロールの凸部が他方の凹凸ロールの凹部と、また一方の凹凸ロールの凹部が他方の凹凸ロールの凸部と噛み合った状態で回転するものである。この一対の金属製凹凸ロール間に、二層積層物を通すことによって、芯鞘型ポリエステル系短繊維の鞘成分が軟化又は溶融し、各繊維相互間が結合された。また、同時に、二層積層物の合成繊維層表面及び親水性繊維層表面には、金属製凹凸ロールの表面に対応する凹凸模様が施された。以上のようにして、拭き布を得た。
実施例2
以下の合成繊維層ウェブと親水性繊維層ウェブを用いる他は、実施例1と同一の方法で拭き布を得た。合成繊維層ウェブは、ポリエステル短繊維70質量%と芯鞘型ポリエステル系短繊維30質量%とを均一に混合し、カード機を通して得られた、目付35g/m2のものを用いた。一方、親水性繊維層ウェブは、木綿の晒綿100質量%をカード機に通して得られた、目付65g/m2のものを用いた。
実施例3
以下の合成繊維層ウェブと親水性繊維層ウェブを用いる他は、実施例1と同一の方法で拭き布を得た。合成繊維層ウェブは、ポリエステル短繊維87質量%と芯鞘型ポリエステル系短繊維13質量%とを均一に混合し、カード機を通して得られた、目付75g/m2のものを用いた。一方、親水性繊維層ウェブは、木綿の晒綿100質量%をカード機に通して得られた、目付25g/m2のものを用いた。
比較例1
以下の合成繊維層ウェブと親水性繊維層ウェブを用いる他は、実施例1と同一の方法で拭き布を得た。合成繊維層ウェブは、ポリエステル短繊維100質量%をカード機に通して得られた、目付50g/m2のものを用いた。一方、親水性繊維層ウェブは、木綿の晒綿100質量%をカード機に通して得られた、目付50g/m2のものを用いた。
比較例2
ポリエステル短繊維の繊度を4.4デシテックスとした他は、実施例1と同一の方法で、拭き布を得た。
比較例3
実施例1において、加熱された一対の金属製凹凸ロールに代えて、加熱された一対の金属製平滑ロールを用い、凹凸模様を施さない拭き布を得た。
比較例4
実施例1の二層ウェブに代えて、以下の単一層ウェブを用いる他は、実施例と同一の方法により、拭き布を得た。単一層ウェブは、ポリエステル短繊維40質量%と芯鞘型ポリエステル系短繊維10質量%と木綿の晒綿50質量%を均一に混合し、カード機を通して得られた、目付100g/m2のものを用いた。
実施例1〜3及び比較例1〜4に係る各拭き布について、各々を5cm×5cmの大きさに切断して、各試料を得た。そして、この各試料を用いて、油汚れ除去性、液残り及び毛羽立ちを、以下の方法で評価した。
[油汚れ除去性]
油汚れとして、台所のコンロ回りに使用される塗装鉄板表面に、酸化油を8mg/cm2均一に塗布した。ここで、酸化油は、次のようにして調製されるものである。すなわち、サラダ油(約20cc)をるつぼに入れて、バーナーで加熱する。約1時間半〜2時間程度加熱するとサラダ油の粘度が急激に高くなる。粘度が高くなった時点からさらに約10分間加熱して後、火から遠ざけて自然冷却して、酸化油を調製する。
そして、各試料を水で濡らし、固く絞って、指先で持ち、極力一定の圧力になるようにして、塗布した酸化油の掻き取り作業を往復10回行った。実施例1〜3及び比較例1〜3に係る各試料については、合成繊維層を拭き取り面とし、比較例4に係る試料については、任意の一方表面を拭き取り面として、掻き取り作業を行った。酸化油の掻き取り状態を、以下の3段階で評価し、この結果を表1に示した。
1・・・酸化油が殆ど取れない。
2・・・酸化油が概ね取れる。
3・・・酸化油が殆ど取れる。
[液残り]
各試料を水で濡らし、固く絞った後、ガラス板表面を擦り、ガラス板表面の水の付着状態を、以下の3段階で評価し、この結果を表1に示した。なお、実施例1〜3及び比較例1〜3に係る各試料については、合成繊維層を拭き取り面とし、比較例4に係る試料については、任意の一方表面を拭き取り面として、ガラス板表面を擦った。
1・・・ガラス板表面に非常に多量の水が付着している。
2・・・ガラス板表面に多量の水が付着している。
3・・・ガラス板表面に少量の水が付着している。
[毛羽立ち]
油汚れ除去性の試験と同一の方法で、塗布した酸化油の掻き取り作業を行った。酸化油の除去とは無関係に、掻き取り作業を往復50回行い、各試料の表面の毛羽立ちの状態を、以下の3段階で評価し、この結果を表1に示した。
1・・・試料の拭き取り面に毛羽が非常に多数発生している。
2・・・試料の拭き取り面に毛羽が多数発生している。
3・・・試料の拭き取り面に毛羽が若干発生している。
[表1]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
汚れ除去性 液残り 毛羽立ち
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 3 3 3
実施例2 2 3 2
実施例3 3 2 3
比較例1 3 3 1
比較例2 1 3 3
比較例3 2 3 1
比較例4 2 1 3
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1〜3に係る拭き布は、塗布した酸化油を良好に掻き取ることができ、また掻き取り作業に伴って多数の毛羽が発生することもなかった。また、被拭き取り面に拭き布に含浸された水が多量に付着することもなかった。一方、比較例1に係る拭き布は、合成繊維層に熱接着性繊維が含有されていないため、各繊維相互間の結合が不十分で、掻き取り作業に伴い、非常に多数の毛羽が、合成繊維層表面に発生した。したがって、繰り返し使用すると、汚れ除去性も低下し、液残りもしやすくなり、使用しにくいものであった。また、比較例2に係る拭き布は、合成繊維層中の疎水性繊維の繊度が低く、そのため疎水性繊維の剛性が不十分で、塗布した酸化油を良好に掻き取ることができなかった。比較例3に係る拭き布は、合成繊維層面に凹凸模様が存在しないため、塗布した酸化油の掻き取り性が十分に向上せず、合成繊維層表面全体で掻き取ることになるので、非常に多数の毛羽が発生した。また、比較例4に係る拭き布は、二層構造となってならず、拭き取り面にも親水性繊維が50質量%程度存在するため、被拭き取り面に非常に多量の水が付着した。
本発明の一例に係る拭き布の断面図である。
符号の説明
1 拭き布の断面の端面を示すため、黒色に塗りつぶされた箇所
2 拭き布の断面の背後に見える凹部及び凸部の曲線

Claims (5)

  1. 合成繊維層と親水性繊維層とが積層一体化されてなる二層繊維構造物であって、少なくとも合成繊維層表面には凹凸模様が施されてなる拭き布であって、
    該合成繊維層は、熱接着性繊維と繊度5デシテックス以上の疎水性繊維とが均一に混合され、各繊維相互間が交絡されてなると共に各繊維相互間は該熱接着性繊維の軟化又は溶融によって結合されており、
    該親水性繊維層は親水性繊維相互間が交絡されてなるものであり、且つ、
    該合成繊維層と該親水性繊維層の層間において、該親水性繊維と該疎水性繊維及び該熱接着性繊維とが交絡されていると共に、該熱接着性繊維の軟化又は溶融によって各繊維相互間が結合されており、
    該拭き布を水に浸漬した場合であっても、凹凸模様が消失しないことを特徴とする、主として台所用に適した拭き布。
  2. 合成繊維層と親水性繊維層の合計質量において、疎水性繊維の含有割合は25質量%以上であり、親水性繊維の含有割合も25質量%以上である請求項1記載の主として台所用に適した拭き布。
  3. 合成繊維層の表面及び親水性繊維層の表面の両面に凹凸模様が施され、該合成繊維層表面の凸部は、該親水性繊維層表面の凹部に対応し、該合成繊維層表面の凹部が、該親水性繊維層表面の凸部に対応する構成となっている請求項1又は2に記載の主として台所用に適した拭き布。
  4. 合成繊維層と親水性繊維層の層間における、親水性繊維と疎水性繊維及び熱接着性繊維との交絡は、水流交絡処理によってなされている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の主として台所用に適した拭き布。
  5. 熱接着性繊維と繊度5デシテックス以上の疎水性繊維とが均一に混合されてなる合成繊維層ウェブと、親水性繊維よりなる親水性繊維層ウェブとを積層した二層ウェブに、水流交絡処理を施して、該熱接着性繊維と該疎水性繊維相互間が交絡されてなる合成繊維層と、該親水性繊維相互間が交絡されてなる親水性繊維層とを形成すると共に、各層間において、該親水性繊維と該疎水性繊維及び該熱接着性繊維とが交絡されてなる二層積層物を形成した後、該二層積層物を一対の加熱された凹凸ロール間を通して、該熱接着性繊維を軟化又は溶融させて、各繊維相互間を結合すると共に、該合成繊維層表面及び該親水性繊維層表面に凹凸模様を施すことを特徴とする、主として台所用に適した拭き布の製造方法。
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