JP2005243793A - 配線基板、配線基板の形成方法、有機elパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】 保護層に依らず、配線電極の構造のみで配線電極間のマイグレーションを防止する。
【解決手段】 互いに近接した少なくとも2本の配線電極11を絶縁性の基板10上に形成した配線基板1であって、配線電極11は、マイグレーションを生じ易い金属が含まれる低抵抗配線部分11aと、低抵抗配線部分11aに導通して低抵抗配線部分11aと他の配線電極との間の基板10上に形成される配線領域11bとを有し、配線領域11b(12b〜22b)はマイグレーションを生じ易い金属が含まれない材料で形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】 互いに近接した少なくとも2本の配線電極11を絶縁性の基板10上に形成した配線基板1であって、配線電極11は、マイグレーションを生じ易い金属が含まれる低抵抗配線部分11aと、低抵抗配線部分11aに導通して低抵抗配線部分11aと他の配線電極との間の基板10上に形成される配線領域11bとを有し、配線領域11b(12b〜22b)はマイグレーションを生じ易い金属が含まれない材料で形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、配線基板、配線基板の形成方法、有機ELパネルに関するものである。
近年、電子機器或いは電子部品の小型化及び高性能化の要求に応じるために配線の高密度化,低抵抗化が進められているが、これに合わせてマイグレーション(migration)による性能低下や故障の問題が顕在化してきた。ここでいうマイグレーションとは、配線電極を形成する金属(金属イオン)が隣接する配線電極間に形成される電界によって絶縁基板の表面又は内部を経時的に移動して、電気的に絶縁しているはずの配線電極間を導通させてしまう現象を言う。
このマイグレーションは、配線電極間を近接させて、低抵抗材料として知られる銀(Ag),銅(Cu),錫(Sn),鉛(Pb)等の金属またはこれらの金属を含む合金を電極材料として用いる場合に発生し易いことが確認されている。したがって、配線電極の高密度化と低抵抗化(高性能化)を進める際に、マイグレーションの防止は避けて通れない重要な課題になっている。
そして、高精細な画像表示を目標に開発が進められている表示装置にあっては、各画素を駆動するために引き出された配線電極が高密度化の傾向にある。また特に、有機ELパネルのような電流駆動の表示パネルでは、駆動電流の大小によって発光特性が変化してしまい表示性能に大きな影響を与えるので、表示性能を向上させるためには配線電極を低抵抗にする必要がある。このため、有機ELパネルにおいては、高密度化された配線電極に銀パラジウム(AgPd)合金等のマイグレーションを生じ易い低抵抗材料を用いることがなされており、前述したマイグレーションを防止することが有機ELパネルにおける重要な課題になっている。
マイグレーションの防止策としては各種の提案が為されている。例えば下記特許文献1,2においては、配線基板の上面に、銀、アルミニウム或いはこれらの金属の合金を含む複数個の配線導体を10μm〜100μmの間隔を空けて並設すると共に、これら配線導体をエポキシ樹脂を主成分とする絶縁性の保護層で共通に被覆し、この保護層の中に0.5μm〜5.0μmの特定樹脂フィラーを特定配分で含有させることが開示されている。
前述した従来技術によると、保護層内で特定樹脂フィラーを特定配分で含有させる必要があるので、保護層の形成が煩雑であると同時にコスト高になってしまうという問題がある。
また、最近の研究では、マイグレーションを生じ易い金属(銀(Ag),銅(Cu),錫(Sn),鉛(Pb)等)と絶縁性材料が直接接触することがマイグレーションの発生要因の一つであるとも言われており、絶縁性の保護層によって配線電極を覆うことが有効なマイグレーション防止にならないことも懸念されている。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、煩雑な保護層の形成を行うことなく、配線電極の構造のみで確実に配線電極間のマイグレーションを防止すること、更には、マイグレーションの防止によって有機ELパネル等の表示装置の高性能化を達成できること等が本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明は、以下の各独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
[請求項1]互いに近接した少なくとも2本の配線電極を絶縁性の基板上に形成した配線基板であって、前記配線電極の少なくとも一方は、マイグレーションを生じ易い金属が含まれる低抵抗配線部分と、該低抵抗配線部分に導通して少なくとも該低抵抗配線部分と他の配線電極との間の前記基板上に形成される配線領域とを有し、該配線領域はマイグレーションを生じ易い金属が含まれないことを特徴とする配線基板。
[請求項15]互いに近接した少なくとも2本の配線電極を絶縁性の基板上に形成した配線基板の形成方法であって、前記配線電極の少なくとも一方には、マイグレーションを生じ易い金属が含まれる低抵抗配線部分が形成されると共に、少なくとも該低抵抗配線部分と他の配線電極との間の前記基板上に前記低抵抗配線部分に導通する配線領域が形成され、該配線領域はマイグレーションを生じ易い金属が含まれない材料で形成されることを特徴とする配線基板の形成方法。
[請求項18]一対の電極の間に有機発光機能層を含む有機材料層を挟持して絶縁性の基板上に複数の有機EL素子を形成し、前記一対の電極から引き出された配線電極を前記基板上に形成した有機ELパネルであって、前記配線電極は互いに近接した少なくとも2本の配線電極を有し、該配線電極の少なくとも一方は、マイグレーションを生じ易い金属が含まれる低抵抗配線部分と、該低抵抗配線部分に導通して少なくとも該低抵抗配線部分と他の配線電極との間の前記基板上に形成される配線領域とを有し、該配線領域はマイグレーションを生じ易い金属が含まれないことを特徴とする有機ELパネル。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1〜3,図5〜7は本発明の一実施形態に係る配線基板の構成例を示す説明図(断面図)である。これらの図に示した配線基板1は、互いに近接した少なくとも2本の配線電極を絶縁性の基板10上に形成したものである。以下の説明では、2本の配線電極を示して説明しているが、これによって多数本の配線電極を同様に説明できることは言うまでもない。
そして、本発明の実施形態では、図1に示すように、この配線基板1における配線電極11,11の少なくとも一方は、マイグレーションを生じ易い金属(例えば、Ag(銀),Cu(銅),Sn(錫),Pb(鉛)の中の一つ又は複数)が含まれる低抵抗配線部分11aと、この低抵抗配線部分11aに導通して少なくとも低抵抗配線部分11aと他の配線電極との間の基板10上に形成される配線領域11bとを有し、この配線領域11bはマイグレーションを生じ易い金属が含まれないことを特徴としている。図1の実施形態では、配線電極11,11の両方に配線領域11bを設けているが、これに限らず、配線電極11,11の一方に配線領域11bを設けたものであっても良い。
図2及び図3は、本発明の実施形態に係る配線基板1の変形例を示したものである。本発明の実施形態に係る配線基板1は、図2に示すように、配線電極121,122の両方に、マイグレーションを生じ易い金属が含まれる低抵抗配線部分12aとマイグレーションを生じ易い金属が含まれない配線領域12bを設けて、この配線領域12bを低抵抗配線部分12aに対する同方向の片側のみに設けるようにしても良いし、或いは、図3に示すように、配線電極131,132の両方に、マイグレーションを生じ易い金属が含まれる低抵抗配線部分13aとマイグレーションを生じ易い金属が含まれない配線領域13bを設けて、この配線領域13bを低抵抗配線部分13aに対する異なる方向の片側のみに設けて、配線領域13bが、2本の配線電極131,132間でそれぞれ互いに向き合うように形成するようにしても良い。
図4は、このような実施形態に係る配線基板1の作用を示す説明図であって、配線電極11,11間の電位差状態を示す線図である。このような実施形態に係る配線基板1では、図示のように、2つの配線電極11,11間に電位差が生じた場合にも、マイグレーションを生じ易い金属が含まれる低抵抗配線部分11aとマイグレーションを生じ易い金属が含まれない配線領域11bが同電位になることで、マイグレーションを生じ易い金属の金属イオン(例えば、Ag+)が配線電極11,11間の電界勾配Eaに関わることが無い。したがって、電界勾配Eaによる金属イオンの移動を抑制することが可能になり、マイグレーション現象を効果的に防止することができる。この作用は、図3に示した実施形態における配線電極131,132間でも同様である。
また、図2に示した実施形態のように、2つの配線電極121,122間の一方側のみに配線領域12bが形成される場合であっても、前述と同様の作用で少なくとも配線電極121側から配線電極122側に移動する金属イオンを抑制することができるので、一定のマイグレーション防止効果が期待できる。また両配線電極121,122間の電位差状態が画一的(相当の比率で配線電極側121が高電位)な場合等には、このような配線領域12bの配置であっても、効果的にマイグレーション現象を防止することができる。
図5〜図7は、本発明の更に具体的な実施形態を示す説明図(断面図)である。これらの実施形態では、前述したマイグレーションを生じ易い金属が含まれる低抵抗配線部分14a,15a,16aを第1の電極層14A,15A,16Aで形成しており、前述したマイグレーションを生じ易い金属が含まれない配線領域14b,15b,16bを第2の電極層14B,15B1,15B2,16Bで形成している。
具体的に説明すると、図5の実施形態に係る配線基板1では、配線電極14,14は、低抵抗配線部分14aを形成する第1の電極層14Aと配線領域14bを形成する第2の電極層14Bとを有し、基板10上に形成された第2の電極層14B上に第1の電極層14Aを積層して形成したものである。また、第2の電極層14Bは第1の電極層14Aに対して幅広に形成したものである。図示の例では、第2の電極層14B上に直接第1の電極層14Aを積層しているが、これに限らず、第2の電極層14Bと第1の電極層14Aとの間に他の層を介して積層したものであっても良い。
また、図6の実施形態に係る配線基板1では、配線電極15,15は、基板10上に形成された第2の電極層15B1上に低抵抗配線部分15aを形成する第1の電極層15Aを積層して形成したところまでは前述した図5の実施形態と同様であるが、更に、マイグレーションを生じ易い金属が含まれない第2の電極層15B2をその上に積層して、第1の電極層15Aを第2の電極層15B2で覆うように形成している。
また、図7の実施形態に係る配線基板1では、配線電極16,16は、基板10上に低抵抗配線部分16aを形成する第1の電極層16Aを形成して、マイグレーションを生じ易い金属が含まれない第2の電極層16Bをその上に積層しており、第1の電極層16Aを第2の電極層16Bで覆うように形成している。
このような実施形態では、一方の配線電極と他方の配線電極における低抵抗配線部分14a,15a,16a間の基板10上に、マイグレーションを生じ易い金属が含まれない配線領域14b,15b,16bが形成されることになり、前述したように、両電極間に電位差が生じた場合にもマイグレーションを生じ易い金属イオンの移動を抑制することができ、効果的にマイグレーション現象による配線電極間の短絡等の不具合を防止することができる。
図8〜10,図12〜14は、本発明の実施形態に係る配線基板を説明する説明図であって、各配線電極のパターン構成を示す平面図である。ここに示した配線電極のパターン構成は、前述した配線領域が前述した低抵抗配線部分に沿って形成された線状パターンを有する構成になっているが、本発明の実施形態としては、特にこれに限定されるものではない。また、以下に示す実施形態の配線電極は、図1〜3,図5〜7に示した断面構造の何れかによって形成することができる。
図8に示す実施形態では、配線電極17は、マイグレーションを生じ易い金属が含まれる低抵抗配線部分17aに対して、これに沿って線状パターンが形成され、この線状パターンによってマイグレーションを生じ易い金属を含まない配線領域17bを形成している。ここでは、配線領域17bが、配線電極17間で互いに向き合うように、且つ低抵抗配線部分17aと平行に形成されている。更には、一つの配線領域17bは、低抵抗配線部分17aとの間に間隙が形成されており、低抵抗配線部分17aと部分的に接続される接続部Sを複数有している。
図9に示す実施形態では、配線電極18は、図8の実施形態と同様に、マイグレーションを生じ易い金属が含まれる低抵抗配線部分18aに対して、これに沿って線状パターンが形成され、この線状パターンによってマイグレーションを生じ易い金属を含まない配線領域18bを形成している。また、配線領域18bが、配線電極18間で互いに向き合うように、且つ低抵抗配線部分18aと平行に形成されている。更には、配線領域18bは、低抵抗配線部分18aとの間に間隙が形成されており、低抵抗配線部分18aと部分的に接続される接続部S1,S2を有している。また、配線電極18の配列方向で互いに隣り合った接続部S1,S2の位置が、配線電極18に沿った同列位置に並ばないように形成されている。
図10に示す実施形態では、配線電極19は、図8及び図9の実施形態と同様に、マイグレーションを生じ易い金属が含まれる低抵抗配線部分19aに対して、これに沿って線状パターンが形成され、この線状パターンによってマイグレーションを生じ易い金属を含まない配線領域19bを形成している。ここでは、配線領域19bが、配線電極19間で低抵抗配線部分19aの片側のみに形成されている。更には、配線領域19bは、低抵抗配線部分19aとの間に間隙が形成されており、低抵抗配線部分19aと部分的に接続される接続部Sを有している。
図11は、このような実施形態における配線電極間の電位差状態を示す線図である。このような実施形態において配線電極間に電位差が生じた場合には、例えば、図8におけるX1−X1線上の電位差状態は図4に示す状態と同様になるが、図8におけるX2−X2線上の電位差状態は、図11(a)のようになり、図9におけるX3−X3線上の電位差状態は、図11(b)のようになる(図11(a)においては左側の配線電極が高電位になった状態を示しており、図11(b)においては右側の配線電極が高電位になった状態を示している。)。
すなわち、これらの箇所(X2−X2線上或いはX3−X3線上)における電位差状態は、低抵抗配線部分17a(又は18a)と配線領域17b(又は18b)は等電位になるが、両者の間隙によって電位の凹凸部分が形成されることになり、低抵抗配線部分17a(又は18a)における金属イオン(例えば、Ag+)は、このような電位差の凹凸部分によって移動が抑制されることになる。これによってマイグレーションを生じ易い金属イオンが配線電極17(18)間の電界勾配Eaに関わることが無くなり、マイグレーション現象を効果的に防止することができる。
図8〜図10に示した実施形態では、何れも低抵抗配線部分17a〜19aと配線領域17b〜19bとの間に間隔を形成したものを示しているが、本発明の実施形態に係る配線領域の線状パターンはこれに限定されるものではない。例えば、図12に示すように、配線電極20を低抵抗配線部分20aとマイグレーションを生じ易い金属を含まない配線領域20bとで形成して、低抵抗配線部分20aと配線領域20bとが広い領域で導通しているものであってもよい。この場合には、低抵抗配線部分20aの広い範囲で、図4で示した作用が得られることになる。
また、図8〜図10に示した実施形態では、低抵抗配線部分17a〜19aと配線領域17b〜19bとの接続部を一つの配線領域に対して複数形成したものを示しているが、これに限らず、接続部を一つの配線領域に対して一箇所設けるものであっても良い。
図13及び図14は、配線電極のパターン構成に関する他の実施形態を示す説明図である。これらの実施形態では、配線電極21(22)を低抵抗配線部分21a(22a)とマイグレーションを生じ易い金属を含まない配線領域21b(22b)とで形成し、配線領域21b(22b)を線状パターンで低抵抗配線部分21a(22a)に沿って形成している点では、前述の実施形態と同様であるが、この実施形態は、配線領域21b(22b)を、配線電極21(22)に沿って部分的に形成したものである。
すなわち、この実施形態では、マイグレーションを生じ易い金属を含まない配線領域21b(22b)を、選択した箇所にのみ形成することができ、特にマイグレーションの起こり易い箇所を選択してそこに配線領域21b(22b)を形成することができる。マイグレーションの起こり易い箇所としては、接着剤を使用する箇所等を挙げることができる。図13及び図14の例では、配線電極21(22)が形成された基板上に封止基板等を貼り合わせる接着領域Mの帯状部分に合わせて、部分的に配線領域21b(22b)を形成した例を示している。
また、図13に示す実施形態は、低抵抗配線部分21aの幅を均一にして、その両側又は片側に配線領域21bを形成した例を示しており、図14に示す実施形態では、配線領域22bが形成される部分において低抵抗配線部分22aの幅を狭くして、配線電極22の全体でほぼ幅が均一になるように形成した例を示している。このような実施形態によると、配線領域22a,22bを形成するためのパターニング領域を狭くできるので工程の簡略化が可能である。
前述した本発明の実施形態に係る配線基板1の形成方法は、各種の方法で実施可能である。要するに、配線電極に対して、前述したマイグレーションを生じ易い金属が含まれる低抵抗配線部分とマイグレーションを生じ易い金属を含まない配線領域とを形成する方法であれば、どのような形成方法であっても良い。
図5〜図7に示した実施形態を対象にして形成方法の具体例を示すと、低抵抗配線部分14a,15a,16aを形成する第1の電極層14A,15A,16Aを成膜して、この低抵抗配線部分14a,15a,16aをパターニングする工程と、配線領域14b,15b,16bを形成する第2の電極層14B,15B,16Bを成膜して、この配線領域14b,15b,16bをパターニングする工程とを有する。
図5の実施形態においては、基板10上に第2の電極層14Bを成膜して、配線領域14bをパターニングする工程の後、第2の電極層14B上に直接又は他の層を介して第1の電極層14Aを成膜して、低抵抗配線部分14aをパターニングすることにより形成することができる。
図6の実施形態においては、基板10上に第2の電極層15B1を成膜して、配線領域15bをパターニングする工程の後、第2の電極層15B1上に直接又は他の層を介して第1の電極層15Aを成膜して、低抵抗配線部分15aをパターニングし、更に、第2の電極層15B2を成膜して、配線領域15bをパターニングすることにより形成することができる。
図7の実施形態においては、基板10上に第1の電極層16Aを成膜して、低抵抗配線部分16aをパターニングする工程の後、この低抵抗配線部分16aを覆うように、第2の電極層16Bを成膜して、配線領域16bをパターニングすることにより形成することができる。
以下に、本発明の一実施例として、前述した実施形態に係る配線基板が適用される有機ELパネルを示す。しかしながら、本発明の実施形態に係る配線基板又はその形成方法は、以下の用途に限定されるものではなく、他の電子機器や電子部品にも広く適用可能であることは言うまでもない。
図15及び図16は、本発明の実施例に係る有機ELパネルを説明する説明図(断面図)である。図15は図16におけるA2−A2断面図を示しており、図16は図15におけるA1−A1断面図を示している。
図において、有機ELパネル100の基本構成は、第1電極31と第2電極32との間に有機発光機能層を含む有機材料層33を挟持して基板10上に複数の有機EL素子30を形成したものである。図示の例では、基板10上にシリコン被覆層10aを形成しており、その上に形成される第1電極31をITO等の透明電極からなる陽極に設定し、第2電極32をAl等の金属材料からなる陰極に設定して、基板10側から光を取り出すボトムエミッション方式を構成している。また、有機材料層33としては、正孔輸送層33A,発光層33B,電子輸送層33Cの3層構造の例を示している。そして、基板10と封止部材40とを接着層41を介して貼り合わせることによって基板10上に封止空間40Sを形成し、封止空間40S内に有機EL素子30からなる表示部を形成している。
有機EL素子40からなる表示部は、図示の例では、第1電極31を絶縁層34で区画すると共に、第2電極32を陰極隔壁35によって絶縁区画しており、区画された第1電極31の下に各有機EL素子30による単位表示領域(30R,30G,30B)を形成している。また、封止空間40Sを形成する封止部材40の内面には乾燥手段42が取り付けられて、湿気による有機EL素子30の劣化を防止している。
ここで、図15は陰極となる第2電極32の引出配線電極を示している(ここでは、この引出配線電極に、図5に示す配線電極14を採用した例を示す。)。第2電極32の引出配線電極には、第1電極31と同材料,同工程で形成される配線領域14b(図示省略)を有する第2の電極層14Bが、第1電極31とは絶縁層34で絶縁された状態でパターン形成されている。第2の電極層14Bの引出部分には、銀パラジウム(AgPd:マイグレーションを生じ易い金属が含まれる材料)合金等を含む低抵抗配線部分14aを形成する第1の電極層14Aが形成されており、更にその上に、必要に応じてIZO等の保護被膜14Cが形成されて、第2の電極層14B,第1の電極層14A,保護被膜14Cからなる配線電極14が形成されている。そして、封止空間40S内端部で第2電極32の端部32aが配線電極14に接続されている。
一方、図16は陽極となる第1電極31の引出配線電極を示している。第1電極31の引出配線電極では、第1電極31を延出して封止空間40S外に引き出すことによって配線電極31aを形成している。ここでは、陽極側の引出配線電極にのみ本発明の実施形態に係る配線電極を採用しているが、陰極側の引出配線電極にのみ本発明の実施形態に係る配線電極を採用しても良いし、陽極側,陰極側の両方に採用しても良い。また、これらの引出配線電極の中から特定の配線電極を選択して本発明の実施形態に係る配線電極を採用しても良い。
更には、前述したように、配線電極14における配線領域14bは、一本の配線電極14の全域に形成することもできるし、例えば、接着領域Mのみといった特定部分に部分的に形成することもできる。
このような本発明の実施例に係る有機ELパネル100によると、陰極側(或いは陽極側)から引き出された配線電極14が近接配置され、配線電極14の低抵抗化を図るためにマイグレーションを生じ易い金属が含まれる低抵抗配線部分14aが形成された場合にも、配線電極14の周囲に生じた金属イオン(銀イオンAg+)が隣の配線電極に向かう電界勾配の上に乗ることがないので、マイグレーションによる配線電極間の短絡或いは配線電極を流れる電流の変動等の不具合を未然に回避することができる。
以下、本発明の実施例に係る有機ELパネル100の各構成要素について、更に具体的な構成を示す。
a.基板;
有機ELパネル100の基板10としては、透明性を有する平板状、フィルム状のものが好ましく、材質としてはガラス又はプラスチック等を用いることができる。
有機ELパネル100の基板10としては、透明性を有する平板状、フィルム状のものが好ましく、材質としてはガラス又はプラスチック等を用いることができる。
b.電極;
前述の実施例では、第1電極31を陽極、第2電極32を陰極として、第1電極31側から正孔輸送層33A,発光層33B,電子輸送層33Cを積層させているが、本質的には、第1電極31,第2電極32のどちらを陰極又は陽極に設定しても構わない。電極材料としては、陽極は陰極より仕事関数の高い材料で構成され、クロム(Cr),モリブデン(Mo),ニッケル(Ni),白金(Pt)等の金属膜やITO,IZO等の酸化金属膜等の透明導電膜が用いられる。逆に陰極は陽極より仕事関数の低い材料で構成され、アルミニウム(Al),マグネシウム(Mg)等の金属膜、ドープされたポリアニリンやドープされたポリフェニレンビニレン等の非晶質半導体、Cr2O3,NiO,Mn2O5等の酸化物を使用できる。また、第1電極31,第2電極32ともに透明な材料により構成した場合には、光の放出側と反対の電極側に反射膜を設けた構成にする。
前述の実施例では、第1電極31を陽極、第2電極32を陰極として、第1電極31側から正孔輸送層33A,発光層33B,電子輸送層33Cを積層させているが、本質的には、第1電極31,第2電極32のどちらを陰極又は陽極に設定しても構わない。電極材料としては、陽極は陰極より仕事関数の高い材料で構成され、クロム(Cr),モリブデン(Mo),ニッケル(Ni),白金(Pt)等の金属膜やITO,IZO等の酸化金属膜等の透明導電膜が用いられる。逆に陰極は陽極より仕事関数の低い材料で構成され、アルミニウム(Al),マグネシウム(Mg)等の金属膜、ドープされたポリアニリンやドープされたポリフェニレンビニレン等の非晶質半導体、Cr2O3,NiO,Mn2O5等の酸化物を使用できる。また、第1電極31,第2電極32ともに透明な材料により構成した場合には、光の放出側と反対の電極側に反射膜を設けた構成にする。
c.有機材料層;
有機材料層33は、前述した実施例のように、正孔輸送層33A,発光層33B,電子輸送層33Cの組み合わせが一般的であるが、正孔輸送層33A,発光層33B,電子輸送層33Cはそれぞれ1層だけでなく複数層積層して設けても良く、正孔輸送層33A,電子輸送層33Cについてはどちらかの層を省略しても、両方の層を省略しても構わない。また、正孔注入層,電子注入層等の有機材料層を用途に応じて挿入することも可能である。正孔輸送層33A,発光層33B,電子輸送層33Cは従来の使用されている材料(高分子材料、低分子材料を問わない)を適宜選択可能である。
有機材料層33は、前述した実施例のように、正孔輸送層33A,発光層33B,電子輸送層33Cの組み合わせが一般的であるが、正孔輸送層33A,発光層33B,電子輸送層33Cはそれぞれ1層だけでなく複数層積層して設けても良く、正孔輸送層33A,電子輸送層33Cについてはどちらかの層を省略しても、両方の層を省略しても構わない。また、正孔注入層,電子注入層等の有機材料層を用途に応じて挿入することも可能である。正孔輸送層33A,発光層33B,電子輸送層33Cは従来の使用されている材料(高分子材料、低分子材料を問わない)を適宜選択可能である。
また、発光層33Bを形成する発光材料としては、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)を呈するもの、三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(りん光)を呈するもののいずれであっても構わない。
d.封止部材;
有機ELパネル100において、有機EL素子30を気密に封止するための封止部材40としては、金属製,ガラス製,プラスチック製等による板状部材又は容器状部材を用いることができる。ガラス製の封止基板にプレス成形,エッチング,ブラスト処理等の加工によって封止用凹部(一段掘り込み、二段掘り込みを問わない)を形成したものを用いることもできるし、或いは平板ガラスを使用してガラス(プラスチックでも良い)製のスペーサにより基板10との間に封止空間40Sを形成することもできる。
有機ELパネル100において、有機EL素子30を気密に封止するための封止部材40としては、金属製,ガラス製,プラスチック製等による板状部材又は容器状部材を用いることができる。ガラス製の封止基板にプレス成形,エッチング,ブラスト処理等の加工によって封止用凹部(一段掘り込み、二段掘り込みを問わない)を形成したものを用いることもできるし、或いは平板ガラスを使用してガラス(プラスチックでも良い)製のスペーサにより基板10との間に封止空間40Sを形成することもできる。
e.接着層;
有機ELパネル100における接着層41を形成する接着剤は、熱硬化型,化学硬化型(2液混合),光(紫外線)硬化型等を使用することができ、材料としてアクリル樹脂,エポキシ樹脂,ポリエステル,ポリオレフィン等を用いることができる。特には、加熱処理を要さず即硬化性の高い紫外線硬化型のエポキシ樹脂製接着剤の使用が好ましい。
有機ELパネル100における接着層41を形成する接着剤は、熱硬化型,化学硬化型(2液混合),光(紫外線)硬化型等を使用することができ、材料としてアクリル樹脂,エポキシ樹脂,ポリエステル,ポリオレフィン等を用いることができる。特には、加熱処理を要さず即硬化性の高い紫外線硬化型のエポキシ樹脂製接着剤の使用が好ましい。
f.乾燥手段;
乾燥手段42は、ゼオライト,シリカゲル,カーボン,カーボンナノチューブ等の物理的乾燥剤、アルカリ金属酸化物,金属ハロゲン化物,過酸化塩素等の化学的乾燥剤、有機金属錯体をトルエン,キシレン,脂肪族有機溶剤等の石油系溶媒に溶解した乾燥剤、乾燥剤粒子を透明性を有するポリエチレン,ポリイソプレン,ポリビニルシンナエート等のバインダに分散させた乾燥剤により形成することができる。
乾燥手段42は、ゼオライト,シリカゲル,カーボン,カーボンナノチューブ等の物理的乾燥剤、アルカリ金属酸化物,金属ハロゲン化物,過酸化塩素等の化学的乾燥剤、有機金属錯体をトルエン,キシレン,脂肪族有機溶剤等の石油系溶媒に溶解した乾燥剤、乾燥剤粒子を透明性を有するポリエチレン,ポリイソプレン,ポリビニルシンナエート等のバインダに分散させた乾燥剤により形成することができる。
g.有機EL表示パネルの各種方式等;
本発明の実施例となる有機ELパネル100としては、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の設計変更が可能である。例えば、有機EL素子30の発光形態は、前述した実施例のように基板10側から光を取り出すボトムエミッション方式でも、基板10とは逆側から光を取り出すトップエミッション方式でも構わない。また、本発明の実施例に係る有機ELパネル100は単色表示であっても複数色表示であっても良く、複数色表示を実現するためには、塗り分け方式を含むことは勿論のこと、白色や青色等の単色の発光機能層にカラーフィルタや蛍光材料による色変換層を組み合わせた方式(CF方式、CCM方式)、単色の発光機能層の発光エリアに電磁波を照射する等して複数発光を実現する方式(フォトブリーチング方式)、2色以上の単位表示領域を縦に積層し一つの単位表示領域を形成した方式(SOLED(transparent Stacked OLED)方式)等を採用することができる。
本発明の実施例となる有機ELパネル100としては、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の設計変更が可能である。例えば、有機EL素子30の発光形態は、前述した実施例のように基板10側から光を取り出すボトムエミッション方式でも、基板10とは逆側から光を取り出すトップエミッション方式でも構わない。また、本発明の実施例に係る有機ELパネル100は単色表示であっても複数色表示であっても良く、複数色表示を実現するためには、塗り分け方式を含むことは勿論のこと、白色や青色等の単色の発光機能層にカラーフィルタや蛍光材料による色変換層を組み合わせた方式(CF方式、CCM方式)、単色の発光機能層の発光エリアに電磁波を照射する等して複数発光を実現する方式(フォトブリーチング方式)、2色以上の単位表示領域を縦に積層し一つの単位表示領域を形成した方式(SOLED(transparent Stacked OLED)方式)等を採用することができる。
本発明の各実施形態又は実施例の特徴をまとめると以下の通りである(以下の符号は、図1〜図16の各図に対応している。)。
一つには、互いに近接した少なくとも2本の配線電極11(12〜22)を絶縁性の基板10上に形成した配線基板1であって、配線電極11(12〜22)の少なくとも一方は、マイグレーションを生じ易い金属が含まれる低抵抗配線部分11a(12a〜22a)と、低抵抗配線部分11a(12a〜22a)に導通して少なくとも該低抵抗配線部分11a(12a〜22a)と他の配線電極との間の基板10上に形成される配線領域11b(12b〜22b)とを有し、該配線領域11b(12b〜22b)はマイグレーションを生じ易い金属が含まれないことを特徴とする。
これによると、近接された配線電極11(12〜22)間に電位差が生じた場合にも、低抵抗配線部分11a(12a〜22a)と配線領域11b(12b〜22b)が同電位になって低抵抗配線部分11a(12a〜22a)周辺に電界勾配Eaを形成しないので、低抵抗配線部分11a(12a〜22a)における金属イオンが配線電極11(12〜22)間の電界勾配Eaに関わって移動することがない。したがって、配線電極11(12〜22)間がどのような電位差状態になっても、配線領域11bが形成された配線電極側から他の配線電極に向けた金属イオンの移動を阻止することができる。これによって、マイグレーションを生じ易い金属が含まれる低抵抗配線部分11a(12a〜22a)を含む配線電極11(12〜22)を高密度に配線した場合にも、配線電極の構造のみで効果的にマイグレーションの発生を抑制できる。
また一つには、前述した配線基板1において、配線領域11b(12b〜22b)は、低抵抗配線部分11a(12a〜22a)に沿って形成された線状パターンを有することを特徴とする。これによると、前述の作用と併せて、低抵抗配線部分11a(12a〜22a)に沿って形成された線状パターンの領域で効果的にマイグレーションの発生を抑制できる。
また一つには、前述した配線基板1において、配線領域11b(12b〜22b)は、2本の配線電極11(12〜22)のそれぞれに互いに向き合うように形成されることを特徴とする。これによると、前述の作用と併せて、配線電極11(12〜22)間の電位差状態がどのようになっても、一方から他方(他方から一方)に向かう金属イオンの移動を阻止できるので、効果的にマイグレーションの発生を防止することができる。
また一つには、前述した配線基板1において、配線領域11b(12b〜22b)は、低抵抗配線部分11a(12a〜22a)の両側に形成されることを特徴とする。これによると、前述の作用と併せて、ある配線電極11(12〜22)の低抵抗配線部分11a(12a〜22a)からその両側に配置された配線電極に向かう金属イオンの移動を効果的に阻止することができる。
また一つには、前述した配線基板1において、配線領域17b(18b,19b,21b,22b)は、低抵抗配線部分17a(18a,19a,21a,22a)と部分的に接続される接続部S(S1,S2)を有することを特徴とする。
これによると、前述の作用と併せて、配線領域17b(18b,19b,21b,22b)と低抵抗配線部分17a(18a,19a,21a,22a)とが接続されていない箇所には、両者間に間隙が形成されることになり、この間隙によって、配線電極間に電位差が生じた場合に電位差の凹凸部分が形成されることになる。この電位差の凹凸部分で低抵抗配線部分17a(18a,19a,21a,22a)における金属イオンの移動を効果的に阻止することができる。
また一つには、前述した配線基板1において、接続部は、配線電極18の配列方向で互いに隣り合った接続部S1,S2の位置が、配線電極18に沿った同列位置に並ばないように形成されることを特徴とする。
これによると、接続部が同列に並んだ場合には、その接続部を結んだ線上では低抵抗配線部分18aと配線領域18bとの間の間隙が形成されないことになり、この間隙による金属イオン移動阻止効果が得られないことになるが、接続部が同列に並ぶことを避けることで、低抵抗配線部分18aと配線領域18bとの間の間隙を有効に形成することができる。
また一つには、前述した配線基板1において、接続部S(S1,S2)は、一つの配線領域17b(18b,19b,21b,22b)に対して複数形成されることを特徴とする。これによると、低抵抗配線部分17a(18a,19a,21a,22a)と配線領域17b(18b,19b,21b,22b)とを確実に同電位にすることができ、低抵抗配線部分17a(18a,19a,21a,22a)周辺に電界勾配Eaが形成されることがない。よって、前述したように、効果的にマイグレーションの発生を防止することができる。
また一つには、前述した配線基板1において、配線領域21b(22b)は、配線電極21(22)に沿って部分的に形成されることを特徴とする。これによると、特にマイグレーションの起き易い箇所に部分的に配線領域21b(22b)を形成することができるので、効果的にマイグレーションを防止することができると共に、配線領域22a(22b)を形成するためのパターニング領域を狭くできるので工程の簡略化が可能である。
また一つには、前述した配線基板1において、配線電極14(15,16)は、低抵抗配線部分14a(15a,16a)を形成する第1の電極層14A(15A,16A)と配線領域14b(15b,16b)を形成する第2の電極層14B(15B1,15B2,16B)とを有することを特徴とする。これによると、前述した配線電極14(15,16)を第1の電極層14A(15A,16A)と第2の電極層14B(15B1,15B2,16B)の積層で形成でき、形成が比較的容易である。
また一つには、前述した配線基板1において、配線電極15(16)は、第1の電極層15A(16A)を第2の電極層15B2(16B)で覆うように形成されることを特徴とする。これによると、低抵抗配線部分15a(16a)と配線領域15b(16b)の接触面積を広くできるので、低抵抗配線部分15a(16a)と同電位の配線領域15b(16b)を確実に形成することができ、低抵抗配線部分15a(16a)周辺に電界勾配Eaが形成されることがない。
また一つには、前述した配線基板1において、配線電極14(15)は、基板10上に形成された第2の電極層14B(15B1)上に直接又は他の層を介して前記第1の電極層14A(15A)を積層して形成することを特徴とする。これによると、低抵抗配線部分14a(15a)と配線領域14b(15b)とを有する配線電極14(15)を比較的容易に形成することができる。
また一つには、前述した配線基板1において、マイグレーションを生じ易い金属は、Ag(銀),Cu(銅),Sn(錫),Pb(鉛)の中の一つ又は複数であり、また、低抵抗配線部分11a(12a〜22a)には銀パラジウム(AgPd)合金が含まれていることを特徴とする。これらの金属を含む低抵抗配線部分11a(12a〜22a)を有する配線電極11(12〜22)によって、低抵抗でマイグレーションを発生し難い配線基板1を得ることができる。
また、前述の配線基板1を形成する形成方法によると、低抵抗配線電極を高密度に配線し、且つマイグレーションによる不具合が発生し難い配線基板を形成することができるので、製造品質を向上させることができる。
また、前述の配線基板1を形成する形成方法において、低抵抗配線部分14a(15a,16a)を形成する第1の電極層14A(15A,16A)を成膜して、低抵抗配線部分14a(15a,16a)をパターニングする工程と、配線領域14b(15b,16b)を形成する第2の電極層14B(15B1,15B2,16B)を成膜して、配線領域14b(15b,16b)をパターニングする工程とを有することを特徴とし、また、基板10上に配線領域14b(15b)を形成する第2の電極層14B(15B1)を成膜して、配線領域14b(15b)をパターニングする工程の後、第2の電極層14B(15B1)の上に直接又は他の層を介して低抵抗配線部分14a(15a)を形成する第1の電極層14A(15A)を成膜して、低抵抗配線部分14a(15a)をパターニングすることを特徴とする。これによると、従来から行われている成膜とパターニングによって配線電極14(15)を形成できるので、従来工程を活用した経済的な製法によって、マイグレーション防止効果の高い配線基板を形成することができる。
また、前述した配線基板1を採用した有機ELパネル100によると、低抵抗の配線電極を用いることで、有機EL素子30の発光特性の高品質化を図ることができ、高密度の配線電極を用いることで高精細な画像表示とパネルのコンパクト化を実現することができる。そして、このような性能向上を図った有機ELパネル100においてもマイグレーションによる電極間短絡等の不具合を解消することができる。
1 配線基板
10 基板
11,121,122,131,132,14,15,16,17,18,19,20,21,22 配線電極
11a,12a,13a,14a,15a,16a,17a,18a,19a,20a,21a,22a 低抵抗配線部分
11b,12b,13b,14b,15b,16b,17b,18b,19b,20b,21b,22b 配線領域
14A,15A,16A 第1の電極層
14B,15B1,15B2,16B 第2の電極層
S,S1,S2 接続部
Ea 電界勾配
100 有機ELパネル
30 有機EL素子
31 第1電極
32 第2電極
33 有機材料層
34 絶縁層
35 陰極隔壁
40 封止部材 40S 封止空間
41 接着層
42 乾燥剤
10 基板
11,121,122,131,132,14,15,16,17,18,19,20,21,22 配線電極
11a,12a,13a,14a,15a,16a,17a,18a,19a,20a,21a,22a 低抵抗配線部分
11b,12b,13b,14b,15b,16b,17b,18b,19b,20b,21b,22b 配線領域
14A,15A,16A 第1の電極層
14B,15B1,15B2,16B 第2の電極層
S,S1,S2 接続部
Ea 電界勾配
100 有機ELパネル
30 有機EL素子
31 第1電極
32 第2電極
33 有機材料層
34 絶縁層
35 陰極隔壁
40 封止部材 40S 封止空間
41 接着層
42 乾燥剤
Claims (18)
- 互いに近接した少なくとも2本の配線電極を絶縁性の基板上に形成した配線基板であって、
前記配線電極の少なくとも一方は、マイグレーションを生じ易い金属が含まれる低抵抗配線部分と、該低抵抗配線部分に導通して少なくとも該低抵抗配線部分と他の配線電極との間の前記基板上に形成される配線領域とを有し、該配線領域はマイグレーションを生じ易い金属が含まれないことを特徴とする配線基板。 - 前記配線領域は、前記低抵抗配線部分に沿って形成された線状パターンを有することを特徴とする請求項1に記載された配線基板。
- 前記配線領域は、前記2本の配線電極のそれぞれに互いに向き合うように形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載された配線基板。
- 前記配線領域は、前記低抵抗配線部分の両側に形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された配線基板。
- 前記配線領域は、前記低抵抗配線部分と部分的に接続される接続部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載された配線基板。
- 前記接続部は、前記配線電極の配列方向で互いに隣り合った接続部の位置が、前記配線電極に沿った同列位置に並ばないように形成されることを特徴とする請求項5に記載された配線基板。
- 前記接続部は、一つの前記配線領域に対して複数形成されることを特徴とする請求項5又は6に記載された配線基板。
- 前記配線領域は、前記配線電極に沿って部分的に形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載された配線基板。
- 前記配線電極は、前記低抵抗配線部分を形成する第1の電極層と前記配線領域を形成する第2の電極層とを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載された配線基板。
- 前記配線電極は、前記第1の電極層を前記第2の電極層で覆うように形成されることを特徴とする請求項9に記載された配線基板。
- 前記配線電極は、前記基板上に形成された前記第2の電極層上に直接又は他の層を介して前記第1の電極層を積層して形成することを特徴とする請求項9又は10に記載された配線基板。
- 前記第2の電極層は、前記第1の電極層に対して幅広に形成されることを特徴とする請求項11に記載された配線基板。
- 前記マイグレーションを生じ易い金属は、Ag(銀),Cu(銅),Sn(錫),Pb(鉛)の中の一つ又は複数であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載された配線基板。
- 前記低抵抗配線部分には銀パラジウム(AgPd)合金が含まれていることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載された配線基板。
- 互いに近接した少なくとも2本の配線電極を絶縁性の基板上に形成した配線基板の形成方法であって、
前記配線電極の少なくとも一方には、マイグレーションを生じ易い金属が含まれる低抵抗配線部分が形成されると共に、少なくとも該低抵抗配線部分と他の配線電極との間の前記基板上に前記低抵抗配線部分に導通する配線領域が形成され、該配線領域はマイグレーションを生じ易い金属が含まれない材料で形成されることを特徴とする配線基板の形成方法。 - 前記低抵抗配線部分を形成する第1の電極層を成膜して、前記低抵抗配線部分をパターニングする工程と、前記配線領域を形成する第2の電極層を成膜して、前記配線領域をパターニングする工程とを有することを特徴とする請求項15に記載された配線基板の形成方法。
- 前記基板上に前記配線領域を形成する第2の電極層を成膜して、前記配線領域をパターニングする工程の後、前記第2の電極層の上に直接又は他の層を介して前記低抵抗配線部分を形成する第1の電極層を成膜して、前記低抵抗配線部分をパターニングすることを特徴とする請求項15又は16に記載された配線電極の形成方法。
- 一対の電極の間に有機発光機能層を含む有機材料層を挟持して絶縁性の基板上に複数の有機EL素子を形成し、前記一対の電極から引き出された配線電極を前記基板上に形成した有機ELパネルであって、
前記配線電極は互いに近接した少なくとも2本の配線電極を有し、該配線電極の少なくとも一方は、マイグレーションを生じ易い金属が含まれる低抵抗配線部分と、該低抵抗配線部分に導通して少なくとも該低抵抗配線部分と他の配線電極との間の前記基板上に形成される配線領域とを有し、該配線領域はマイグレーションを生じ易い金属が含まれないことを特徴とする有機ELパネル。
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