以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図2はこの発明の実施の形態に係る画像形成装置としてのタンデム方式のデジタルカラー複写機を示す構成図である。また、このタンデム型のデジタルカラー複写機は、画像読取装置を備えているが、当該画像読取装置を備えずに、図示しないパーソナルコンピュータ等から出力される画像データに基づいて画像を形成するプリンタやファクシミリ等の画像形成装置であっても良いことは勿論である。
図2において、1はタンデム方式のデジタルカラー複写機の本体を示すものであり、このデジタルカラー複写機本体1は、その一端側の上部に、原稿2の画像を読み取る画像読取装置(IIT:Image Input Terminal)3を備えている。また、上記デジタルカラー複写機本体1の内部には、画像読取装置3や図示しないパーソナルコンピュータ等から出力される画像データ、あるいは電話回線やLAN等の通信回線を介して送られてくる画像データを必要に応じて一時的に蓄積し、当該画像データに所定の画像処理を応す画像処理装置(IPS:Image Processing System)4と、CPU、ROM、RAM等を含んで構成されカラー複写機における処理全般を制御する制御部5と、前記制御部5によって画像形成動作が制御されて、前記画像処理装置4で所定の画像処理が施された画像データに基づいて画像を出力する画像出力装置(IOT:Image Output Terminal)6とが配設されている。
上記デジタルカラー複写機本体1の内部には、画像出力装置6を構成する複数の画像形成手段として、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色に対応した画像形成部7Y、7M、7C、7Bkが、水平方向に沿って一定の間隔をおいて配列されている。さらに、上記4つの画像形成部7Y、7M、7C、7Bkの下方には、これらの画像形成部で順次形成される各色のトナー像を、互いに重ね合わせた状態で転写する中間転写体としての中間転写ベルト8が、矢印B方向に沿って循環移動可能に配設されている。そして、上記中間転写ベルト8上に多重に転写された各色のトナー像は、給紙トレイ9等から給紙される記録媒体としての記録用紙10上に一括して転写された後、定着装置11によって記録用紙10上に定着され、カラー画像が形成された記像用紙10が外部に排出されるようになっている。
更に、図2に基づいて、上記タンデム方式のデジタルカラー複写機の構成について詳細に説明する。
図2において、1は上述したようにタンデム方式のデジタルカラー複写機の本体を示すものであり、このデジタルカラー複写機本体1の一端側の上部には、原稿2を載置するプラテンガラス12と、当該プラテンガラス12上に載置された原稿2の画像を読み取る画像読取装置3が配設されている。この画像読取装置3は、プラテンガラス12上に載置された原稿2を2本の光源13によって照明し、原稿2からの反射光像を、フルレートミラー14及びハーフレートミラー15、16及び結像レンズ17からなる走査光学系を介してCCDセンサ等からなる画像読取素子18上に走査露光して、この画像読取素子18によって原稿2の反射光像を所定の解像度で読み取るように構成されている。
上記画像読取装置3によって読み取られた原稿2の反射光像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の原稿反射率データとして画像処理装置4(Image Processing System)に送られ、この画像処理装置4では、原稿2の反射率データに対して、必要に応じて、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の所定の画像処理が施される。
そして、上記の如く画像処理装置4で所定の画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)(例えば、各8bit)の4色の階調データ(ラスタデータ)に変換され、次に述べるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色の画像形成部7Y、7M、7C、7Bkに配設されたROS(Raster Output Scanner)19Y、19M、19C、19Bkに送られ、これらのROS19Y、19M、19C、19Bkでは、対応する色の階調データに応じてレーザービームLBによる画像露光が行われる。
ところで、上記タンデム型のデジタルカラー複写機本体1の内部には、上述したように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk) の4つの画像形成部7Y、7M、7C、7Bkが、水平方向に一定の間隔をおいて並列的に配置されている。
これらの4つの画像形成部7Y、7M、7C、7Bkは、形成する画像の色が異なる以外は、すべて同様に構成されており、大別して、矢印A方向に沿って所定の速度で回転する感光体ドラム20と、この感光体ドラム20の表面を一様に帯電する一次帯電用のスコロトロン21と、当該感光体ドラム20の表面に各色に対応した画像を露光して静電潜像を形成する露光装置としてのROS19と、感光体ドラム20上に形成された静電潜像を現像する現像装置22と、この現像装置22に所定の色のトナーを供給するトナー供給装置23と、クリーニング装置24とから構成されている。
上記画像処理装置4からは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各画像形成部7Y、7M、7C、7BkのROS19Y、19M、19C、19Bkに各色の画像データが順次出力され、これらのROS19Y、19M、19C、19Bkから画像データに応じて出射されるレーザービームLBが、それぞれの感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkの表面に走査露光されて静電潜像が形成される。
上記ROS19Y、19M、19C、19Bkは、図3に示すように、画像データに応じて変調されたレーザービームLBを出射する半導体レーザー70を備えている。上記半導体レーザー70から出射されたレーザービームLBは、コリメータレンズ71によって平行光化され、2枚の平面ミラー72、73によって反射された後、ポリゴンミラー74の表面に照射される。このポリゴンミラー74は、矢印方向に沿って所定の速度で回転駆動され、当該ポリゴンミラー74の表面(鏡面)に照射されたレーザービームLBは、主走査方向(感光体ドラムの軸方向)に沿って偏向走査される。上記ポリゴンミラー74で偏向走査されたレーザービームLBは、f−θレンズ75、76によって、偏向角度に応じて焦点距離が調整された状態で、折り返しミラー77を介して感光体ドラム20上にドット状に絞られて照射されるようになっている。また、上記感光体ドラム20の軸方向の一端部には、レーザービームLBの走査方向のうち、走査開始側の端部(SOS:Start Of Scan)に相当する位置に、走査開始位置検出センサ78が配設されている。
上記の如く構成されたROS19Y、19M、19C、19Bkによって、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk上に主走査方向及び副走査方向に沿って形成された静電潜像は、図2に示すように、現像装置22Y、22M、22C、22Bkによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のトナー像として現像される。
上記各画像形成部7Y、7M、7C、7Bkの感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk上に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のトナー像は、各画像形成部7Y、7M、7C、7Bkの下方に配置された中間転写体としての中間転写ベルト8上に、一次転写手段としての一次転写コロトロン25Y、25M、25C、25Bkによって互いに重ね合わせた状態で順次転写される。この中間転写ベルト8は、ドライブロール26と、テンションロール27と、ステアリングロール28と、バックアップロール29との間に一定のテンションで掛け回されており、図示しない定速性に優れた専用の駆動モーターによって回転駆動されるドライブロール26により、矢印B方向に所定の速度で循環駆動されるようになっている。上記中間転写ベルト8としては、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フィルムの両端を溶着等の手段によって接続することにより、無端ベルト状に形成したものが用いられる。
上記中間転写ベルト8上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のトナー像は、バックアップロール29に圧接する二次転写手段としての二次転写ロール30によって、圧接力及び静電気力で記録用紙10上に二次転写され、これら各色のトナー像が転写された記録用紙10は、搬送ローラ対31によって定着装置11へと搬送される。そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙10は、定着装置11によって熱及び圧力で定着処理を受け、複写機本体1の外部に設けられた排出トレイ32上に排出される。
上記記録用紙10は、図2に示すように、給紙トレイ9から所望のサイズのものが、給紙ローラ33及び用紙搬送用のローラ対34、35を備えた用紙搬送経路36を介して、1枚ずつ分離された状態でレジストロール37まで一旦搬送され、停止される。上記給紙トレイ9から供給された記録用紙10は、中間転写ベルト8上のトナー像に同期して、所定のタイミングで回転駆動されるレジストロール37によって、中間転写ベルト8上へ送出される。
それに先だって、上記イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4つの画像形成部7Y、7M、7C、7Bkでは、上述したように、それぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブラック色のトナー像が所定のタイミングで順次形成されるようになっている。
また、上記の如く構成されるタンデム方式のデジタルカラー複写機本体1の上面には、メッセージ等を表示するディスプレイ39と、オペレータが各種コマンド等を入力するためのキーボード40とを含んで構成された操作部41が設けられている。
図2中、42はイエロー色の画像形成部7Yの上流側に配設された吸着ロールを示すものであり、この吸着ロール42は、必要に応じて、中間転写ベルト8のトナーの吸着性を良好にするために、当該中間転写ベルト8の表面電位を所定電位に維持するためのものである。また、43は中間転写ベルト8における基準位置を検出する基準位置検出センサを示すものである。この基準位置検出センサ43としては、例えば、中間転写ベルト8の表面に設けられた反射板や開口部を、光学的に検出することによって、中間転写ベルト8の基準位置を検出するものが用いられる。
なお、上記感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkは、トナー像の転写工程が終了した後、クリーニング装置24Y、24M、24C、24Bkによって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。また、中間転写ベルト8は、ベルト用クリーナー38によって残留トナー等が除去される。
ところで、上記の如く構成されるタンデム方式のデジタルカラー複写機では、運搬・設置時の振動や、給紙トレイの開け閉め、あるいは温度変化や経年変化等、種々の要因によって、各画像形成部そのものの位置や、各画像形成部の感光体ドラム等に位置的な変動が生じ、圃像の位置ずれが発生する虞れがある。
そこで、この実施の形態では、図4に示すように、中間転写ベルト8上に所定のタイミングで、シェブロンパターンと呼ばれる画像位置検出用のパターン50を形成し、この画像位置検出パターン50を画像位置検出器(画像位置検出手段)60によって検出して、各画像形成部7Y、7M、7C、7Bkで形成される画像の位置ずれ量を求めて補正した後、所望のカラー画像を形成するように構成されている。なお、上記画像位置検出器60A、60B、60Cは、図2に示すように、ブラック色の画像形成部7Bkの下流側に設けられた検出位置44において、図4に示すように、主走査方向に沿って、カラー複写機本体1のOUT側(図中、手前側)と、CENTER部(中央部)と、IN側(図中、奥側)にそれぞれ配置されているが、必要に応じて、中間転写ベルト8の幅方向に沿って等間隔に複数個(4個以上)設けてもよく、検知する画像位置ずれの種類に応じて適宜配置される。
画像位置検出パターン50としては、種々の形状のものを用いることができるが、例えば、図5に示すように、中央部を先頭として、左右両側に副走査方向に沿って等しい角度だけ傾斜させた直線状の画像からなる山型マーク51を、画像位置検出器60A、60B、60Cの位置に対応させて形成したものが用いられる。上記画像位置検出パターン50は、副走査方向(中間転写ベルト8の移動方向)に沿って所定の間隔で複数形成される。
更に説明すると、上記画像位置検出用のパターン50としては、図5に示すように、第1の基準色(図示例では、シアン色)からなる第1番目の山型マーク51CCと、第2の被測定色(図示例では、イエロー色)からなる第2番目の山型マーク51YYと、第1の色と第2の色からなる第3番目の山型マーク51CYマークを、1つの単位として被測定色のすべてを組み合わせたパターンが用いられる。図5に示すパターン50の組み合わせが基準色と被測定色における1ブロックとする。このパターンを実際に用いる場合には、数ブロック分繰り返して形成してサンプリングし、サンプリング値を平均化する等の処理が行われる。なお、黒色の山型マーク51は、検出精度を上げるため、下地を反射率の高いイエロー色とし、その上に黒色のトナーで所定の山型マーク51の部分が開口したマクスを施すことによって、黒色の山型マーク51を形成するのが望ましい。なお、上記画像位置検出用のパターン50を出力するための画像データは、例えば、画像形成装置の制御部5のROM等に予め記憶されている。
図6は上記画像位置検出パターン50を検出する画像位置検出器60を示す構成図である。
図6において、61はパターン検出器60の筐体であり、62、63は中間転写ベルト8上に形成された画像位置検出用パターン50をそれぞれ照明する2つのLED等からなる発光素子であり、64、65は2つの受光素子をそれぞれ一組とした”バイセル”と呼ばれる受光素子対を示すものである。この”バイセル”と呼ばれる受光素子対64、65としては、例えば、特開平6−118735号公報に開示されているように、2つのフォトダイオード等からなる受光素子64a、64b及び65a、65bを組み合わせた検出器を左右対称に配置したものが用いられる。なお、上記受光素子対64、65の傾斜角度は、山型パターン51の傾斜角度(例えば、45度)に等しく設定されている。上記2つの発光素子62、63としては、例えば、特定波長(赤外領域)の光、あるいは所定の波長分布を持った光を出射するLEDなどが用いられ、これらの発光素子62、63は、中間転与ベルト8上の2つの検出位置を、互いに所定の角度だけ傾斜した状態で照明するように配置されている。また、上記2組の受光素子対64及び65は、中央部が互いに接触し、両端部が水平方向に対して所定の角度だけ下方に傾斜した状態で、隣接して配置された細長い平行四辺形状の2つの受光素子64a、64bと65a、65bを備えており、各受光素子64a、64bと65a、65bは、図6(B)に示すように、反射光の検知タイミング及び検知角度が互いに異なるように設定されている。
上記画像位置検出器60は、中間転写ベルト8上に形成された画像位置検出パターン50を検出すると、当該画像位置検出パターン50の直線状のマーク51によって、一方の受光素子64bからは、反射光量に応じた山型の波形が出力され、他方の受光素子64aからも、幾らか遅れて山型の波形が出力される。そして、これら2つの受光素子64b、64aから出力される波形を増幅してから差分をとるか、差分をとってから増幅することにより、図5に示すように、一旦大きく山型に立ち下がってから、今度は大きく山型に立ち上がる出力波形が得られる。そこで、上記2つの受光素子64a、64bから出力される波形の差分をとることにより、CCD等の高精度のセンサーを使用しなくとも、画像位置検出パターン50の直線状マーク51の位置を、高解像度で精度良く検出することが可能となる。
そして、上記画像位置検出パターン50が画像位置検出器60によって検出されると、当該画像位置検出器60からは、図5の右端に示すような波形が、画像位置検出パターン50を検出した時にのみ出力される。したがって、上記画像位置検出器60からの出力を、一定の閾値と比較することによって、画像位置検出パターン50を検出したときに、”OFF”から”ON”に変化し、当該画像位置検出パターン50が通過したときに、”ON”から”OFF”に変化するパルス信号が得られる。
このように、本結果の”ON”のみ着目すると、上記にて述べた通り”ON”の期間はパターンを検出している期間であり、”OFF”の期間はパターンを検出していない期間である。故に、”ON”→”ON”の時間間隔を測定すれば、上記パターン間の距離を測定したことになり、その結果より基準色の画像に対する各色のずれ量を計算し、そのずれ量分から複数種類の位置ずれ量を求めて、各画像形成部にて補正することで常に安定/良好な画像を得ることが可能となる。
図7は上記画像位置検出器60の信号処理回路を示すブロック図である。
上記画像位置検出器60は、図7に示すように、一方の発光素子としてのLED62に対応した反射光量検出部66aと、他方の発光素子としてのLED63に対応した反射光量検出部66bとを備えている。一方の反射光量検出部66a において、受光素子としてのフォトダイオード64aの出力端は、電流−電圧変換器80、増幅器(AMP)81、A/D変換器82を介して制御部5のマイクロコンピュータ83に接続されており、フォトダイオード64aから出力される受光量に応じた大きさの電流は、フォトダイオード64aの出力電圧を表すデジタルデータに変換されてマイクロコンピュータ83に入力される。マイクロコンピュータ83は、LEDドライバ84を介して発光素子(LED)62に接続されている。そして、上記マイクロコンビュータ83は、LEDドライバ84を介して、フォトダイオード64aからの出力電圧が所定の範囲内となるように、LED62に供給する駆動電流を制御する。
また、他方のフォトダイオード64bの出力端は、電流−電圧変換器85を介して差動入力増幅器86の2つある入力端のうちの一方に接続されており、2つある入力端の他方には、フォトダイオード64aからの出力である電流−電圧変換器80の出力端が接続されている。上記差動入力増幅器86は、電流−電圧変換器85、80から入力された信号の差分(フォトダイオード64a、64bの受光量差に相当)を増幅して出力する。なお、図5には、画像位置検出器60が画像位置検出パターン50を検出した際の差動入力増幅器86の出力電圧のおおよその変化が、パターン51と対応させて示されている。
上記差動入力増幅器86の出力端は、コンパレータ87、バッファ88、カウンタ89を介してマイクロコンピュータ83に接続されている。コンパレータ87は、差動入力増幅器86から入力された信号のレベルを予め設定された閾値と比較し、信号のレベルが閾値以上のときには出力信号をハイレベル(便宜的に「ON」という) 、信号のレベルが閾値未満のときには出力信号をローレベル(便宜的に「OFF」という)に切替える。コンパレータ87からの出力信号は、バッファ88を介してカウンタ89へ入力される。
そして、上記カウンタ89は、入力された信号のレベルが「OFF」から「ON」に切り替わるとカウントを開始し、信号のレベルが「ON」から「OFF」に切り替わった後に再度「OFF」から「ON」に切り替わると、それまでのカウント値をマイクロコンピュータ83へ出力すると共にカウント値をリセットし、次に信号のレベルが「OFF」から「ON」に切り替わる迄の時間をカウントすることを繰り返す。
マイクロコンピュータ83は、後述する画像位置補正時(画像位置検出器60が画像位置検出パターン50を検出した時)に、カウンタ89から入力されたカウント結果に基づいて画像位置検出パターン50の位置を検出し、画像形成部7Y、7M、7C、7Bkによる画像形成位置のずれ(レジずれ)を補正するように構成されている。
なお、他方の反射光量検出部66bのフォトダイオード65a、65bにも反射光量検出部66aと同一構成の回路が接続されているので、図7に示すように、接続されている回路の各部に同一の符号を付して、その説明を省略する。
上記マイクロコンピュータ83は、レジずれの補正に際して、図5に示すような画像位置検出パターン50が中間転写ベルト8の外周面上に形成されるように画像形成部7Y、7M、7C、7Bkを制御する。
中間転写ベルト8に上記の画像位置検出パターン50が形成されると、画像位置検出器60による画像位置検出パターン50の検出が行われる。ここで、中間転写ベルト8の外周面上でのフォトダイオード64a、64bによる検出位置は、副走査方向にずれているため、画像位置検出パターン50の検出時には、差動入力増幅器86からは、電流−電圧変換器85、80から入力された信号の差分(フォトダイオード64a、64bの受光量差)に相当する波形、すなわち図5に「検出波形」として示すように、中間転写ベルト8の外周面上でのフォトダイオード64a、64bによる検出位置を単一の山型マークが横切る毎に、出力信号のレベルが負方向及び正方向にパルス状に変化する波形の信号が出力される。
差動入力増帽器86の出力信号は、コンパレータ87に入力され、コンパレータ87によって上記出力信号のレベルが予め設定された閾値と比較される。コンパレータ87は、入力された信号のレベルが閾値以上のときには出力信号のレベルを「ON」とし、入力された信号のレべルが閾値未満のときには出力信号のレべルを「OFF」とする。コンパレータ87から出力された信号はバッファ88を介してカウンタ89に入力され、信号のレベルが「OFF」から「ON」に切り替わる時間間隔が順次カウントされる。カウンタ89によるカウント値は、パターン検知信号(図1参照)としてマイクロコンピュータ83に入力される。
マイクロコンピュータ83には、パターン検知信号として、単一の画像位置検出器60当り2個(合計6個)のカウンタ89からカウント値が各々入力される。コンパレータ87から出力される信号において、レベルが「ON」となっている期間は、検出器が山型パターンを検出している期間に相当し、レベルが「OFF」となっている期間は、検出器が山型パターンを検出していない期間(山型パターンの間隙を検出している期間)に相当する。従って、カウンタ89から入力されるカウント値は、画像位置検出パターン50における山型パターン51の形成間隔を表している。
ところで、この実施の形態では、複数の画像の画像形成位置を主走査方向に沿った複数の位置で検出する複数の画像位置検出手段と、前記複数の画像位置検出手段の検出結果に基づいて、複数種類の画像の位置ずれ量を演算する位置ずれ量演算手段と、前記位置ずれ量演算手段の演算結果に基づいて、前記複数種類の画像の位置ずれを補正するための補正量を演算する演算手段であって、当該演算手段で前記複数種類の画像の位置ずれ補正量を演算する位置ずれ補正量演算手段と、前記位置ずれ補正量演算干段によって演算された位置ずれ補正量に基づいて、前記画像の位置ずれを補正する位置ずれ補正手段とを備えるように構成されている。
また、この実施の形態では、前記走査線の傾きと走査線の湾曲の補正に伴って新たに発生する走査線の副走査方向に沿った位置ずれ量を、主走査方向に沿った中央部を基準にして求めるように構成されている。
さらに、この実施の形態では、前記走査線の傾きと走査線の湾曲の補正に伴って新たに発生する走査線の副走査方向に沿った位置ずれ量を記憶する記憶手段を備えるように構成されている。
又、この実施の形態では、前記走査線の傾きと走査線の湾曲の補正に伴って新たに発生する走査線の副走査方向に沿った位置ずれ量に、前記位置ずれ量演算手段で演算された走査線の副走査方向に沿った位置ずれ量を加えた値を記憶する記憶手段を備えるように構成されている。
更に、この実施の形態では、前記位置ずれ補正手段は、画像処理によって複数種類の画像の位置ずれを一度に補正するように構成されている。
図8はこの実施の形態に係るデジタルカラー複写機の制御回路を示すブロック図である。
図8において、83はデジタルカラー複写機の画像形成動作を制御するマイクロコンピュータ(CPU)であり、このマイクロコンピュータ83には、画像形成位置の補正動作で適宜使用されるパタメータを記憶する記憶手段としての不揮発性メモリ(NVM)90が接続されている。また、上記マイクロコンピュータ83には、画像データを展開するための描画メモリ91を備えた画像データ展開回路(Video Asic)92が接続されており、当該画像データ展開回路(Video Asic)92からは、ROS19Y、19M、19C、19Bkに各色の画像データが送られるようになっている。
図1はこの実施の形態に係るデジタルカラー複写機において、マイクロコンピュータ83及びこれに接続されたハードウエアによって実現される各種の機能のうち、画像形成位置ずれの補正に係る機能(以下、この機能を実現するためのソフトウェア及びハードウェアをレジ補正部100と総称する)が、詳細な機能毎にブロックに分けて示されている。
レジ補正部100は、図1に示すように、主として、画像位置検出器60A、60B、60Cから入力されたパターン検知信号に基づいて、複数種類の画像の位置ずれ量を演算する位置ずれ量演算手段としての位置ずれ量演算部101と、前記位置ずれ量演算部101の演算結果に基づいて、前記複数種類の画像の位置ずれを補正するための補正量を演算する位置ずれ補正量演算手段としての位置ずれ補正量演算部102と、前記位置ずれ補正量演算部102によって演算された位置ずれ補正量に基づいて、前記画像の位置ずれを補正する位置ずれ補正手段としての位置ずれ補正部103を有している。
なお、本実施の形態では、レジずれのDC成分及びAC成分のうち、副走査方向の位置ずれに関連するレジずれを対象としているため、レジずれのDC成分のみについて考慮することとするが、レジずれのAC成分について、併せて補正するように構成しても良いことは勿論である。
位置ずれ量演算部101は、図7に示す各カウンタ89から入力されるカウント値に基づいて、画像位置検出パターン50内の各部位における山型マーク51の形成時間間隔(図9(A)に示す時間間隔a、b、c、d)を検知する。単一の画像位置検出器60から入力される2個のカウント値から求めた時間間隔a、b、c、dは、主走査方向(以下、FS(Fast Scan)方向という)及び副走査方向(以下、SS(Slow Scan)方向という)についてパターン形成位置のずれが無ければ、図9(B)に示すように互いに等しい値(a=b=c=d)となるが、図9(C)又は(D)に示すようにパターンの形成位置がFS方向にずれている場合、或いは図9(E)又は(F)に示すようにパターン形成位置がSS方向にずれている場合には、時間間隔a、b、c、dの少なくとも何れかの値が他の値と相違する。
このため、位置ずれ量演算部101は、下記の演算式に従い、特定の色(例えばC)を基準として他の3色(例えばY、M、Bk)のFS方向の色ずれ量FSerr 及びSS方向の色ずれ量SSerr の演算を、画像位置検出器60A、60B、60Cから入力されるカウント値に基づいて行う。
FSerr [sec ]=(b−a)÷2
FSerr [mm]=FSerr [sec ]・(単位時間当たりの距離)[mm/sec]
SSerr [sec ]=(d−c)+(b−a)÷2
SSerr [mm]=SSerr [sec ]・(単位時間当たりの距離)[mm/sec]
ここでは、例えば、中央部の画像位置検出器60Bにおける副走査方向に沿った位置ずれ量であるSSerr [mm]の値が、そのままSS方向に沿った位置ずれ量となる。
これにより、FS方向に沿った各位置(SOS(Start Of Scan )付近、COS(Center Of Scan)付近、及びEOS(End Of Scan )付近における色ずれ量がFS方向及びSS方向について各々検知される。ここでは、或る色についてのSOS付近、COS付近、及びEOS付近における色ずれ量FSerr ,SSerr に基づいて、FS方向に沿った位置(座標値Y)と色ずれ量FSerr ,SSerr との関係を例として図10に実線で示す。
位置ずれ補正量演算部102は、基準軸を座標軸として、座標値Yからの色ずれを補正するための色ずれ補正量を演算する(この基準色を表す座標値Yと色ずれ補正量との関係を例として図10に破線で示す)。そして、基準色以外の3色について、色ずれ量FSerr 及びSSerr に基づいて色ずれの補正量を各々求める演算が行われる。
上記で求めた色ずれ補正量Yに基づいて各画素の位置を各色毎に独立に補正することで色ずれを補正することができる。なお、図10はSOS付近における色ずれ量とCOS付近における色ずれ量との偏差、及びCOS付近における色ずれ量とEOS付近における色ずれ量との偏差が等しい場合を示しているが、実際には両者は一致するとは限らない。
つまり、位置ずれ補正量演算部102は、画像位置検出器60A、60B、60Cで画像位置検出パターン50が検出されたタイミング、及び画像位置検出器60A、60B、60Cの検出位置に対する画像位置検出パターン50の形成位置のずれ量に基づいて、走査線の副走査方向に沿った位置ずれ(Yマージン)、走査線の傾き(スキュー)、走査線の湾曲(ボウ)を各々検出し、それぞれを補正するための位置ずれ補正量を求める。なお、画像の位置ずれ量としては、他に、全体倍率変化や左右倍率変化など、種々のものがあるが、本発明では、画像の位置ずれを補正する際に、副走査方向の位置ずれを新たに伴う走査線の傾き(スキュー)及び走査線の湾曲(ボウ)が、特に問題となる。
走査線の傾き(スキュー)については、図11に示すように、画像位置検出器60A、60B、60Cの検出位置における画像位置検出パターン50の形成位置のXY座標(L_Err(2,n),P_Err(2,n)),(L_Err(1,n),P_Err(1,n)),(L_Err(0,n),P_Err(0,n))(nは色を表す)を各々検知し、その位置関係に基づき、以下の演算式に従って走査線傾き量を演算し、FS方向に沿った基準色位置(座標値X)から走査線傾きに対する補正量SK(n)を演算する。
走査線傾き(スキュー)ずれ量演算式
ΔSK(n)=P_Err(2,n)−P_Err(0,n)
走査線傾き(スキュー)補正量演算式
SK(n)=−ΔSK(n)×Wall÷Wsnr
ここで、Wallは補正基準間隔であり、Wsnrはセンサ間隔である。一般的に、Wall≧Wsnrである。
上記で求めたずれ量より、画像上のFS方向に沿った走査線傾き補正量SK(n)を求めることができ、この走査線傾き補正量SK(n)に基づいて、位置ずれ補正部103によって各画素の位置を補正することで走査線傾きを補正することができる。
つまり、上記位置ずれ補正部103において走査線傾き(スキュー)を補正するにあたっては、画像データを描画メモリ92に記憶させる際に、当該走査線傾き(スキュー)を相殺するように、予め走査線傾き(スキュー)と逆の傾きを与えた状態で画像データを記憶させ、当該描画メモリ92に記憶された画像データに基づいて、通常通り画像形成を行えば、走査線傾き(スキュー)を補正することができる。
また、走査線の湾曲(ボウ)については、図12に示すように、画像位置検出パターン50の形成位置のXY座標(L_Err(2,n),P_Err(2,n)),(L_Err(1,n),P_Err(1,n)),(L_Err(0,n),P_Err(0,n))に基づき、以下の演算式に従って、走査線湾曲としてXY座標(L_Err(2,n),P_Err(2,n)),(L_Err(0,n),P_Err(0,n))をX軸に一致させたときに、図13に示すように、中央の画像の湾曲量BWを演算し、FS方向に沿った位置(座標値X)から走査線湾曲に対する補正量BW(n)を演算するための演算式を求める。
走査線湾曲(ボウ)ずれ量演算式
ΔBW(n)=P_Err(1,n)−P_Err(2,n)+P_Err(0,n)÷2
走査線湾曲(ボウ)補正量演算式
BW(n)=−ΔBW(n)×(Wall÷Wsnr)2
ここで、BW(n)は走査線湾曲としてXY座標(L_Err(2,n),P_Err(2,n)),(L_Err(0,n),P_Err(0,n))をX軸に一致させたときの中央部の値である。
なお、本実施の形態では、走査線湾曲(ボウ)を2次関数で近似して求めて補正するように構成した場合について説明したが、cosh等の他の関数を用いても良いことは勿論である。
また、副走査方向に沿った位置ずれは、
ΔYMn=P_Err(1,n)
と求められ、その補正量は、
YMn=−ΔYMn
として求めることができる。
基本的には、上述したように、位置ずれ補正量演算部102によって、走査線の副走査方向に沿った位置ずれ(Yマージン)、走査線の傾き(スキュー)、走査線の湾曲(ボウ)を各々検出し、それぞれを補正するための補正量を求める処理が行われる。
ところで、この実施の形態では、上述したように、位置ずれ補正量演算部102が、前記位置ずれ量演算部101の演算結果に基づいて、複数種類の位置ずれの補正量を演算する際に、走査線の傾きと走査線の湾曲の補正に伴って新たに発生する走査線の副走査方向に沿った位置ずれ量を合わせて、副走査方向に沿った位置ずれの補正量を演算するように構成されている。
すなわち、この実施の形態では、位置ずれ補正量演算部102によって、走査線の傾き(スキュー)と走査線の湾曲(ボウ)を補正する位置ずれ補正量の演算を行うと共に、当該走査線の傾き(スキュー)と走査線の湾曲(ボウ)の補正量に応じて、新たに生じる走査線の副走査方向に沿った位置(Yマージン)の位置ずれ量を算出し、その算出量を走査線の副走査方向に沿った位置(Yマージン)ずれ量の補正にフィードバックすることにより、画像位冒検出パターン50を一度読み取るだけで、副走査方向に沿った画像の位置ずれ要素のすべてを補正することを可能としている。
なお、後述するように、画像位置検出器60A、60B、60Cのうち、中央に配置された画像位置検出器60Bが、理想とする中心に配置されていない場合、つまり、理想とする中心からずれて配置されている場合であっても、上記の画像位置検出パターン50を一度読み取るだけで、副走査方向に沿った画像の位置ずれ要素のすべてを補正することが可能となっている。
まず、図14に示すように、画像位置検出器60A、60B、60Cからのパターン信号に基づいて、位置ずれ量演算部101によって演算された画像の位置ずれとして、走査線の副走査方向に沿った位置ずれ(Yマージン)と、走査線の傾き(スキュー)と、走査線の湾曲(ボウ)が存在し、これらのうち、走査線の傾き(スキュー)の補正量をSK(n)、走査線の湾曲(ボウ)の補正量をBW(n)とした場合に、理想とする中心における副走査方向に沿った画像の位置ずれ量が、P_Err(1,n)であった場合を例として、位置ずれ補正量演算部102の演算動作について説明する。なお、上記nは色を表す値である。シアン色を基準色とした場合、例えば、n=1がイエロー色に、n=2がマゼンタ色に、n=3がブラツク色に、それぞれ対応している。
ここでは、副走査方向に沿った画像の位置ずれの補正量の演算を行う際に、走査線の傾き(スキュー)と走査線の湾曲(ボウ)の補正に伴って新たに発生する走査線の副走査方向に沿った位置ずれ量を求める演算処理が行われる。いま、走査線の傾き(スキュー)と走査線の湾曲(ボウ)の補正を実施すると、図14に実線Eで示した画像は、同図に実線Fで示した画像へ移動した状態で、中間転写ベルト8上に形成される。実線Iで示したラインは、基準色であるシアン色の仮想理想である。この図14に実線Iで示したラインと、実線Fで示した画像との距離が、スキューとボウの補正処理を行ったことに伴って、新たに生じた副走査方向に沿った画像の位置ずれである。
この実施の形態では、走査線の傾き(スキュー)と走査線の湾曲(ボウ)等の位置ずれ成分を補正するために、3箇所に配置された画像位置検出器60A、60B、60Cのうち、中央に配置された画像位置検出器60Bの位置を基準としている。
以下、中央に配置された画像位置検出器60Bの位置が、主走査方向の理想とする中心に配置されている場合と、当該中央に配置された画像位置検出器60Bの位置が、主走査方向の理想とする中心に配置されていない場合、つまり、理想とする中心からずれて配置されている場合の2通りに分けて、走査線の傾き(スキュー)と走査線の湾曲(ボウ)の補正処理を行ったことに伴って、新たに生じる副走査方向に沿った画像の位置ずれ量を算出する方法について説明する。
(1) 中央に配置された画像位置検出器60Bが、主走査方向の理想とする中心に配置されている場合
まず、マイクロコンピュータ83によって構成される位置ずれ補正量演算部102は、図15に示すように、理想中心に位置する画像位置検出器60Bの位置における副走査方向の位置ずれ量分(Yマージン)を算出する(ステップ101)。
この実施の形態では、中央に配置された画像位置検出器60Bの位置を基準としており、しかも、当該画像位置検出器60Bが主走査方向の理想とする中心に配置されている。
したがって、中間転写ベルト8上に形成される画像に、副走査方向に沿った位置ずれがなければ、中央に形成される画像形成位置パターン50の位置は、画像位置検出器60Bの位置と一致するはずである。
しかし、図14の場合には、理想中心での副走査方向の画像位置が、P_Err(1,n)だけずれている。よって、理想中心での副走査方向のずれ量△YM(n)は、△YM(n)=P_Err(1,n)となる。その結果、理想中心での副走査方向の位置ずれで補正後の値YM(n)NEW は、
YM(n)NEW =YM(n)−△YM(n)
となる(ステップ101)。なお、ここで、添字NEWは、今回の補正量の演算で新たに求めた値を意味している。
そこで、位置ずれ補正量演算部102は、上記理想中心での副走査方向のずれを補正した後の値であるYM(n)NEW を、図8に示すように、記憶手段としての不揮発性メモリ(NVM)92に記憶する。
次に、位置ずれ補正量演算部102は、走査線の傾き(スキュー)と走査線の湾曲(ボウ)の補正処理を行ったことに伴って、副走査方向に沿って新たに発生する画像の位置(Yマージン)ずれ量、つまり、主走査方向の中心位置において、図14の実線Iと実線Fとの副走査方向に沿ったずれ量を求める。
ここで、画像位置検出パターン50によって検出された走査線の傾き(スキュー)と走査線の湾曲(ボウ)の値によって、これら走査線の傾き(スキュー)と走査線の湾曲(ボウ)を補正するため、画像メモリ91上に配置する際の画像の主走査方向における中心位置であるセンター位置(Y2)と画像の頂点(YMIN)の値が異なり、当該画像のセンター位置(Y2)と画像の頂点(YMIN)の値によって、画像の主走査方向の中心において新たに生じる副走査方向に沿った画像の位置(Yマージン)ずれ量が異なってくる。
そこで、これらの画像位置検出パターン50によって検出された走査線の傾き(スキュー)と走査線の湾曲(ボウ)の値によって場合分けをすると、図16〜図19に示すように、12通りの場合に分けられる。なお、ここでは主走査方向に沿って4つの領域に分け、副走査方向の補正を行う場合について説明しているが、分割する領域の数は4つに限定されるものではないことは勿論である。
つまり、図16は、中間転写ベルト8上に転写される画像Eに、右側の端部E’が副走査方向の下流側にずれた走査線の傾き(スキュー)SKが発生しているとともに、下向きに凸状となるような走査線の湾曲(ボウ)BWが発生している状態を示している。この場合、走査線の傾き(スキュー)SKと走査線の湾曲(ボウ)BWの値によって、図16(A)に示すように、画像メモリ91上に配置する際の画像のセンター位置(Y2)と画像の頂点(YMIN)の値とが一致する場合と、図16(B)(C)に示すように、画像メモリ91上に配置する際の画像のセンター位置(Y2)に対して、画像の頂点(YMIN)の値が、図中、右側及び右端に順次ずれる場合とに分けられる。なお、図16中、Hで示す矩形状の画像は、走査線の傾き(スキュー)と走査線の湾曲(ボウ)を補正した状態で、中間転写ベルト8上に転写される画像を示している。
また、図17は、図16とは逆に、中間転写ベルト8上に転写される画像Eに、左側の端部E”が副走査方向の下流側にずれた走査線の傾き(スキュー)SKが発生しているとともに、図16と同じく、下向きに凸状となるような走査線の湾曲(ボウ)BWが発生している状態を示している。この場合も、図17(A)〜(C)に示すように、画像メモリ91上に配置する際の画像のセンター位置(Y2)と画像の頂点(YMIN)の値とが一致する場合と、画像メモリ91上に配置する際の画像のセンター位置(Y2)に対して、画像の頂点(YMIN)の値が、図中、左側及び左端に順次ずれる場合とに分けられる。
さらに、図18は、中間転写ベルト8上に転写される画像Eに、左側の端部E”が副走査方向の下流側にずれた走査線の傾き(スキュー)SKが発生しているとともに、上向きに凸状となるような走査線の湾曲(ボウ)BWが発生している状態を示している。
また更に、図19は、中間転写ベルト8上に転写される画像Eに、右側の端部E’が副走査方向の下流側にずれた走査線の傾き(スキュー)SKが発生しているとともに、図18と同じく、上向きに凸状となるような走査線の湾曲(ボウ)BWが発生している状態を示している。
まず、位置ずれ量演算部102は、図16においては、走査線の傾き(スキュー)SKと走査線の湾曲(ボウ)BWを画像処理によって補正するため、画像データを記憶する画像メモリ91には、発生している走査線の傾き(スキュー)SKと走査線の湾曲(ボウ)BWを補正するように、図16中、SK’で示すように、右側の端部が副走査方向の上流側に逆の量だけ傾斜した状態で、かつ、図16中、BW’で示すように、上向きに凸状となるように湾曲した状態で、画像データを記億させることになる。
これらの画像メモリ91上での画像データの移動は、主走査方向に沿ったX座標でのYの値を、センサが位置する中央でのYの値と比較演算することによって行われる。
つまり、上記画像メモリ91に画像データを記憶させる際の座標原点となるG点を基準として、画像メモリ91に記憶される画像データは、図16(A)の場合には、画像の主走査方向に沿ったセンター位置(Y2)と、画像の主走査方向に沿った頂点(先頭位置)(YMIN)の値が等しくなり、走査線の傾き(スキュー)と走査線の湾曲(ボウ)を画像処理によって補正した後の画像では、画像の主走査方向に沿った中心位置で新たに生じる副走査方向に沿った画像の位置(Yマージン)ずれ量は、ゼロとなる。
YM=Y2−YMIN=0
これに対して、図16(B)の場合には、画像メモリ91に画像データを記憶させる際の座標原点となるG点を基準として、画像メモリ91に記億される画像データは、画像の主走査方向に沿ったセンター位置(Y2)と、画像の主走査方向に沿った頂点(先頭位置)(YMIN)の値が異なり、走査線の傾き(スキュー)と走査線の湾曲(ボウ)を画像処理によって補正した後の画像では、画像の主走査方向に沿った中心位置で新たに生じる副走査方向に沿った画像の位置(Yマージン)ずれ量が、
YM=Y2−YMIN
となる。
同様に、図16(C)では、画像メモリ91に画像データを記憶させる際の座標原点となるG点を基準として、画像メモリ91に記憶される画像データは、画像の主走査方向に沿ったセンター位置(Y2)と、画像の主走査方向に沿った頂点(先頭位置)(YMIN)の値が異なり、走査線の傾き(スキュー)と走査線の湾曲(ボウ)を画像処理によって補正した後の画像では、画像の主走査方向に沿った中心位置で新たに生じる副走査方向に沿った画像の位置(Yマージン)ずれ量が、
YM=Y2−YMIN
となる。
なお、図17〜図19においても、上記図16と同様に、走査線の傾き(スキュー)SKと走査線の湾曲(ボウ)BWを画像処理によって補正した後の画像では、画像の主走査方向に沿った中心位置で、副走査方向に沿った画像の位置(Yマージン)ずれ量が、
YM=Y2−YMIN
となることがわかる。
このように、位置ずれ補正量演算部102は、
CNT_YMNEW =Y2−YMIN
の値を演算することによって、走査線の傾き(スキュー)と走査線の湾曲(ボウ)を画像処理によって補正した後に、新たに発生する副走査方向に沿った画像の位置(Yマージン)ずれ量CNT_YMNEW を求める(図15のステップ103) 。
また、上記(Y2−YMIN)の値は、走査線の傾き(スキュー)と走査線の湾曲(ボウ)の値によって変化するため、前回の補正量を踏まえて補正を行う必要がある。
その結果、上記位置ずれ補正量演算部102は、通常の副走査方向に沿った画像の位置ずれ量YMに、走査線の傾き(スキュー)SKと走査線の湾曲(ボウ)BWを補正することによって新たに発生する副走査方向に沿った画像の位置(Yマージン)ずれ量CNT_YMNEW を合わせて、真の副走査方向に沿った画像の位置(Yマージン)ずれ量YM_ALL として、
YM_ALL =YM−(CNT_YMNEW −CNT_YM)
を演算する(図15のステップ104) 。
そして、位置ずれ補正量演算部102は、演算された走査線の傾き(スキュー)SKと走査線の湾曲(ボウ)BWを補正することによって新たに発生する副走査方向に沿った画像の位置(Yマージン)ずれ量CNT_YMNEW を、不揮発性メモリ92に記億させる(図15のステップ105) 。
更に、位置ずれ補正量演算部102は、演算された真の副走査方向に沿った画像の位置(Yマージン)ずれ量YM_ALL を、不揮発性メモリ92に記憶させ、位置ずれ補正量の演算処理を終了する( 図15のステップ106) 。
(2) 中央に配置された画像位置検出器60Bが、上走査方向の理想とする中心からずれて配置されている場合
この場合には、図20に示すように、実際の画像位置検出器60Bの位置と、主走査方向の理想とする中心との副走査方向のずれ量(YM_CNT)を、走査線の傾き(スキュー)SKと走査線の湾曲(ボウ)BWの補正量より求める必要がある。
まず、実際の画像位置検出器60Bの位置における走査線の傾き(スキュー)と走査線の湾曲(ボウ)の補正量を求める。
いま、図21に示すように、左端の画像が副走査方向の上流側にSK(n)だけスキューしていたとすると、主走査方向の理想とする中心に、副走査方向に沿ってY軸をおいた場合、スキュー成分を示す1次式は、
Yval=(SK(n)÷Wall)×Xva1 +(SK(n)÷2)
と表すことができる。
また、実際の画像位置検出器60Bの位置であるセンター位置(Xval,Yval)=(W_cc,T_SK(n))でのY座標を求めると、
TSK(n)
=(SK(n)÷Wall)×Wcc+(SK(n)÷2)
=SK(n)×(Wcc÷Wall+0.5)
=SK(n)×AA
となり、実際の画像位置検出器60Bの位置であるセンター位置でのスキュー成分T_SK(n)を算出することができる。なお、ここでは、AA=(Wcc÷Wall+0.5)=定数とおいた。
また、図22に示すように、画像がY軸を中心にして、上向きに凸状に湾曲しているとすると、主走査方向の理想とする中心に、副走査方向に沿ってY軸をおいた場合、ボウ成分を示す2次式は、
Yval=A×(Xval)2 +BW(n)
と表すことができる。Aは走査線湾曲(ボウ)の曲率を示す定数である。
また、実際の画像位置検出器60Bの位置であるセンター位置(Xval,Yval)=(W_cc,T_BW(n))でのY座標を求めると、
T_BW(n)=A×(W_cc)2 +BW(n)
となる。更に、ボウ成分を示す2次式に、右端での値(Xval,Yval)=(Wall÷2,0)を代入すると、
0=A×(Wall÷2)2 +BW(n)
となり、以上の2式から、T_BW(n)を求めることができる。
T_BW(n)=BW(n)×BB
なお、ここで、BB=(1−(2W_cc/Wall)2 )=定数とおいた。
これにより、実際の画像位置検出器60Bの位置と、主走査方向の理想とする中心との副走査方向のずれ量T_YMは、
T_YM=
(T_SK(n)+(T_BW(n))−(SK(n)÷2+BWn)
と求めることができる。
よって、理想中心における副走査方向のずれ量△YM(n)は、
△YM=P_Err(1,n)+T_YM
となる。
これ以降の演算は、図14に示すように、上述した(1) のステップ101以降と同様であるので、その説明を省略する。
上記の如く、上記位置ずれ補正量演算部102で求められた走査像の副走査方向に沿った真の位置ずれ量YM_ALL と、走査線の傾き(スキュー)SKと、走査線の湾曲(ボウ)BWの補正量に基づいて、図1に示すように、位置ずれ補正部103による画像処理によって、画像の位置ずれが補正される。
次に、上記位置ずれ補正部103では、以下に示すようにして、画像処理によって、画像の位置ずれ補正が実行される。
上記位置ずれ補正部103には、入力情報として、位置ずれ補正量演算部102で演算された走査線の傾き(スキュー)SKと走査線の湾曲(ボウ)BWの値とが補正量として入力される。そして、この位置ずれ補正部103では、入力情報である走査線の傾き(スキュー)SKと走査線の湾曲(ボウ)BWの値に基づいて、パラメータ「SACOUNTn」、「SINTAIn」、「SINTBIn」、「SINTCIn」、「SINTDIn」、「SUDCOUNTn」、「LSFCOUNTn」が出力される。
本実施の形態では、図1に示すように、レジ補正部100に入力する画像データとして、形成すべき画像を主走査方向及び副走査方向に2400dpiの解像度でもっている。ここでは、補正を行うために主走査方向には、2400dpiのサイズの画素を32768個持っていると仮定する。走査線の傾き(スキュー)及び走査線の湾曲(ボウ)の補正は、主走査方向に沿って1ドットずつ行っても良いが、補正処理を1ドットずつ行うと、図8に示すようなVideo Asic92の構成が複雑となるため、例えば、16ドットの画素を1つの単位として、16ドットの画素毎に補正することを考える。また、補正は、主走査方向に沿って32768個だけ並んでいる画素を、図23に示すように、8192個ずつ4つのエリア(エリアA、エリアB、エリアC、エリアD)に分けることを考える。各々8192個の画素毎に分けられたエリア内では、図25に示すように、16画素単位で位置ずれの補正が行われるので、そのエリア内での16画素単位のブロック数は、8192÷16=512となる。
上記位置ずれ補正部103で使用される種々のパラメータのうち、パラメータ「SACOUNTn」は、この1つのエリア内における16画素単位のブロックの数を示す512の値であり、固定値となっている。
上記位置ずれ補正部103として機能するVideo Asic92は、主走査方向に沿った16画素単位の画素ブロックを、副走査(SS)方向に沿って1ライン単位でシフトすることにより、走査線の傾き(スキュー)及び走査線の湾曲(ボウ)の補正を行う。その際、Video Asic92で補正処理を行う開始ラインが、後述するように、パラメータ「LSFCOUNTn」によって指定され、Video Asic92では、当該パラメータ「LSFCOUNTn」によって指定された開始ラインから順に走査線の傾き(スキュー)及び走査線の湾曲(ボウ)の補正が行われる。また、上記Video Asic92によって走査線の傾き(スキュー)及び走査線の湾曲(ボウ)の補正を行う回数は、後述するように、パラメータ「SUDCOUNT」によって指定され、走査線の傾き(スキュー)及び走査線の湾曲(ボウ)の補正を行って行く最中に、パラメータ「SUDCOUNT」の値が順次減じられていく。そして、上記パラメータ「SUDCOUNT」の値が”0”になった場合には、これまでとは逆の方向に走査線の傾き(スキュー)及び走査線の湾曲(ボウ)の補正が行われていく。
なお、副走査方向のずれであるYマージンは、画像の書き出しタイミングを調整することによって補正が行われる。
まず、上記位置ずれ補正部103では、主走査方向の4つのエリア(エリアA、エリアB、エリアC、エリアD)での画像操作するインターバル値(=16画素単位の画素ブロックの個数)を求める。このインターバル値は、各エリアを4つに区切ることによって、次に示すように、先ず5つの値を求める。
<Y0n>=0
<Y1n>=SKn÷4+(BWn×3÷4)
<Y2n>=SKn÷3+BWn
<Y3n>=(SKn×3÷4)+(BWn×3÷4)
<Y4n>=SKn
次に、4つのエリアの増加量を次に示すように演算する。
<YAreaAn>=<Y1n>−<Y0n>
<YAreaBn>=<Y2n>−<Y1n>
<YAreaCn>=<Y3n>−<Y2n>
<YAreaDn>=<Y4n>−<Y3n>
そして、ここで求めた値から、各エリアのスキューインターバル値(=16画素単位の画素ブロックの個数)を求める。
また、上記位置ずれ補正部103で出力されるパラメータ「SINTAIn」、「SINTBIn」、「SINTCIn」、「SINTDIn」としては、次の値が用いられる。
SINTAn=512÷(|<YAreaAn>|)
SINTBn=512÷(|<YAreaBn>|)
SINTCn=512÷(|<YAreaCn>|)
SINTDn=512÷(|<YAreaDn>|)
ただし、<YAreaXn>の値がゼロとなる場合は、走査線の傾き(スキュー)及び走査線の湾曲(ボウ)の補正を行う必要が無いということであるため、パラメータ「SINTXn」の演算は行われず、例えば、補正を行わないパラメータ値を0xFFFFとした場合、その値がVideo Asic92にセットされる。
さらに、上記位置ずれ補正部103で出力されるパラメータ「SUDCOUNTn」は、ラインシフト操作を行う際の、先頭ブロックからの連続した増加/減少の回数を求めるパラメータである。
上記パラメータ「SUDCOUNTn」の値は、<YAreaAn>、<YAreaBn>、<YAreaCn>、<YAreaDn>のうち、値がゼロでない各レジスタの符号を調べ、同じ符号が連続していく値を加算していくことによって求められる。
最初のCOUNTnのカウント値は、”0”である。まず、<YAreaAn>のカウント値が、COUNTの値となる。つまり、
COUNT=<YAreaAn>
となる。次に、<YAreaAn>と<YAreaBn>の符号が同じであれば、COUNT=COUNT+<YAreaBn>となる。さらに、<YAreaBn>と<YAreaCn>の符号が同じであれば、COUNT=COUNT+<YAreaCn>となり、<YAreaCn>と<YAreaDn>の符号が同じであれば、COUNT=COUNT+<YAreaDn>となる。
ただし、<YAreaAn>がゼロの場合は、<YAreaBn>との符号比較の結果、<YAreaAn>と<YAreaBn>がゼロの場合は、<YAreaCn>との符号比較の結果、<YAreaAn>と<YAreaBn>と<YAreaCn>がゼロの場合は、<YAreaDn>をカウント値として演算する。
そして、COUNT>0の場合には、パラメータ「SUDCOUNTn」の値は、SUDSEL=0、SUDCOUNT=COUNTとなる。また、COUNT<0の場合には、SUDSEL=1、SUDCOUNT=|COUNT|(絶対値)となる。
ここで、上記SUDSELの値は、走査線の傾き(スキュー)及び走査線の湾曲(ボウ)の補正を始める際の方向を表すものである。このSUDSELの値が、”0”の場合は、プラスの方向への補正を、SUDSELの値が、”1”の場合は、マイナスの方向への補正を行うことを意味している。
また更に、上記位置ずれ補正部103で出力されるパラメータ「LSFCOUNTn」は、最初の画素のラインシフト量を求めるパラメータである。つまり、先頭(スタート)のラインは、どの位置にあるかを示すパラメータであり、”0”か正の値となる。
このパラメータ「LSFCOUNTn」は、Yマージンを演算するための内部変数用として、副走査方向のスキュー最大ラインシフト量を最大値と最小値の差分を、次のように演算することで求められる。
<YLSCn>=<YMAXn>−<YMINn>
ここで、<YMAXn>は、<Y0n>、<Y1n>、<Y2n>、<Y3n>、<Y4n>の中で一番大きな値を意味し、<YMINn>は、<Y0n>、<Y1n>、<Y2n>、<Y3n>、<Y4n>の中で一番小さな値を意味する。
具体的には、SUDCOUNTのSUDSEL=1の場合、LSFCOUNTn=SUDCOUNTであり、SUDCOUNTのSUDSEL=0の場合には、LSFCOUNTn=<YLSCn>−SUDCOUNTである。
このように、上記位置ずれ補正部103を構成するマイクロコンピュータ83及びVideo Asic92では、図23乃至図27に示すように、パラメータ「SACOUNTn」、「SINTAIn」、「SINTBIn」、「SINTCIn」、「SINTDIn」、「SUDCOUNTn」、「LSFCOUNTn」を用いて、走査線の傾き(スキュー)SKと走査線の湾曲(ボウ)BWの補正が、Video Asic92等による画像処理によって行われる。
以上の構成において、この実施の形態に係るカラー画像形成装置では、次のようにして、1回のレジずれの補正サイクルで、複数種類のレジずれを同時に補正した場合であっても、高い精度で色ずれを補正することができ、色ずれ補正に要する処理時間を短縮することが可能であるとともに、トナーの消費量が増加したり、画像形成のための部品やセンサ等の部品の耐久性が低下することを防止することが可能となっている。
すなわち、この実施の形態に係るカラー画像形成装置では、装置の電源をONしたときや、環境温度が所定の値以上変化した場合、所定枚数プリントした場合、あるいは給紙トレイを開閉した場合など、所定のタイミングで、図4に示すように、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像形成部7Y、7M、7C、7Bkによって、中間転写ベルト8上に画像位置検出パターン50を形成し、当該画像位置検出パターン50を3つの画像位置検出器60A、60B、60Cによって検出するようになっている。
上記画像位置検出器60A、60B、60Cによって検出された画像位置検出パターン50の信号は、図7に示す信号処理回路によって処理された後、パターン検知信号として、マイクロコンピュータ83に入力される。
上記マイクロコンピュータ83では、図1及び図8に示すように、当該マイクロコンピュータ83のソフトウエア及びハードウエア、並びにマイクロコンピュータ83に接続されたハードウエア等によって実現される各種の機能に基づいて、次に示すような画像形成位置の位置ずれ量の演算、補正量の演算、及び画像形成の位置の補正処理等が実行される。
まず、上記マイクロコンピュータ83によって実現される位置ずれ量演算部101では、図14に示すように、画像位置検出器60A、60B、60Cからのパターン検知信号に基づいて、副走査方向に沿った位置(Yマージン)、走査線の傾斜(スキュー)、走査線の湾曲(ボウ)のずれ量が演算される。
次に、位置ずれ補正量演算部102では、上記位置ずれ量演算部101で演算された副走査方向に沿った位置(Yマージン)、走査線の傾斜(スキュー)、及び走査線の湾曲(ボウ)のずれ量に基づいて、これらの副走査方向に沿った位置(Yマージン)、走査線の傾斜(スキュー)、及び走査線の湾曲(ボウ)のずれを補正するための補正量が演算される。
上記走査線の傾斜(スキュー)及び走査線の湾曲(ボウ)のずれを補正するための補正量は、次の走査線傾き(スキュー)補正量演算式及び走査線湾曲(ボウ)補正量演算式に基づいて、演算される。
走査線傾き(スキュー)補正量演算式
SK(n)=−ΔSK(n)×Wall÷Wsnr
(ΔSK(n)は検出したずれ量)
走査線湾曲( ボウ) 補正量演算式
BW(n)=−ΔBW(n)×(Wall÷Wsnr)2
(ΔBW(n)は検出したずれ量)
また、上記位置ずれ補正量演算部102では、上記の如く、走査線の傾斜(スキュー)及び走査線の湾曲(ボウ)を補正することによって、新たに発生する副走査方向に沿った位置(Yマージン)のずれ量CNT_YMが求められる。この新たに発生する副走査方向に沿った位置(Yマージン)のずれ量CNT_YMは、図16〜図19に示すように、走査線の傾斜(スキュー)及び走査線の湾曲(ボウ)の値によって12通りのパターンに分けられる。そこで、上記位置ずれ補正量演算部102は、走査線の傾斜(スキュー)及び走査線の湾曲(ボウ)の値に基づいて、図16〜図19に示すように12通りのパターンから、新たに発生する副走査方向に沿った位置(Yマージン)のずれ量CNT_YMNEW を演算するようになっている。
次に、上記位置ずれ補正量演算部102は、記憶手段としての不揮発性メモリ92に記憶された前回の副走査方向に沿った位置(Yマージン)のずれ量CNT_YMを読み出すとともに、副走査方向に沿った位置(Yマージン)のずれ量YMに基づいて、真の副走査方向に沿った位置(Yマージン)のずれ畳YM_ALLを、次の式によって演算する。
YMALL=YM−(CNT_YMNEW −CNT_YM)
そして、上記補正量演算式に基づいて演算された補正量を、位置ずれ補正部103に出力する。なお、上記真の副走査方向に沿った位置(Yマージン)のずれ量YM_ALLは、副走査方向に沿った位置(Yマージン)のずれ量YMとして、不揮発性メモリ92に記億され、次回の補正において、YMの値として使用されるので、常に、前回の補正を考慮した位置ずれの補正がなされる。
この位置ずれ補正部103は、位置ずれ補正量演算部102から入力される副走査方向に沿った位置(Yマージン)ずれの補正量、走査線の傾斜(スキュー)及び走査線の湾曲(ボウ)の補正量に基づいて、図23乃至図27に示すように、画像処理を行うことによって、これらの副走査方向に沿った位置(Yマージン)ずれ、走査線の傾斜(スキュー)及び走査線の湾曲(ボウ)を一度に補正する。
その際、上記位置ずれ補正部103に入力される画像データは、当該画像データの各画素位置を、補正量に基づいて移動させることによって、副走査方向に沿った位置(Yマージン)ずれ、走査線の傾斜(スキュー)及び走査線の湾曲(ボウ)が一度に補正される。
このように、上記実施の形態では、1回のレジずれの補正サイクルで、副走査方向に沿った位置(Yマージン)ずれ、走査線の傾斜(スキュー)及び走査線の湾曲(ボウ)を一度に補正することができ、色ずれ補正に要する処理時間を短縮することが可能であるとともに、パターン50の形成に伴うトナーの消費量が増加したり、画像形成のための部品やセンサ等の部品の耐久性が低下することを防止することが可能となっている。
また、上記実施の形態では、1回のレジずれの補正サイクルで、副走査方向に沿った位置(Yマージン)ずれ、走査線の傾斜(スキュー)及び走査線の湾曲(ボウ)を一度に補正する際に、走査線の傾斜(スキュー)及び走査線の湾曲(ボウ)の補正に伴って新たに発生する副走査方向に沿った位置(Yマージン)ずれをも考慮して、副走査方向に沿った位置(Yマージン)ずれを補正するように構成されているので、複数種類のレジずれを同時に補正した場合であっても、高い精度で色ずれを補正することができる。
また、上記ではSOS、COS、EOSに相当する3箇所に画像位置検出器60A、60B、60Cを設け、画像位置検出器に対応する箇所にパターンを形成してレジずれを検知する場合を説明したが、これに限定されるものではなく、より多数の画像位置検出器を設けてレジずれを検出するようにしてもよい。この場合、上記の実施形態では直線で近似していた走査線湾曲を、多数の画像位置検出器による検出結果に基づいて、より実際の走査線湾曲に近い関数(例えば屈曲歪み関数等)で近似することが可能となる。
更に、本発明は上記で説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的事項の範囲内において、種々の変更が可能であることは勿論である。