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JP2005199923A - 車両用空調装置 - Google Patents

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JP2005199923A JP2004009512A JP2004009512A JP2005199923A JP 2005199923 A JP2005199923 A JP 2005199923A JP 2004009512 A JP2004009512 A JP 2004009512A JP 2004009512 A JP2004009512 A JP 2004009512A JP 2005199923 A JP2005199923 A JP 2005199923A
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Toshio Yajima
敏雄 矢島
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Calsonic Kansei Corp
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Abstract

【課題】車室内の輻射温度による影響を考慮しないか、又は輻射温度を推定して制御を行う車両用空調装置では、乗員の着衣量に応じた適切な温調を行えない。
【解決手段】車室内の気温を検出する室温センサ26と、車室内の輻射温度を検出する輻射温度センサ27と、内外気を導入して温調し、車室内に供給する空調ユニット2と、車室内の気温と輻射温度を二軸とするxy平面上において、室温センサ26及び輻射温度センサ27の検出値に基づく値を座標とする点が、あらかじめ設定された制御目標線C.Lに近づくように空調ユニット2を制御する制御装置24と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車室内の気温を自動的に調節する車両用空調装置に関する。
この種の車両用空調装置では、マイクロコンコンピュータから成る制御装置が、外気温センサの検出値に基づいて室内気温(以下、室温と略す)の目標値を設定し、室温センサの検出値に基づいて空調ユニットを制御して車室内を目標室温に近づけるようにしている。
通常、目標室温は、各種の補正が行われない場合には、季節に関係なく25℃前後に設定されるが、車室内の輻射環境(平均壁面温度)が室温と同じく25℃前後ならば、冬にはかえって暑く感じられることがある。
すなわち、ASHREで提唱している衣服の絶縁熱量であるclo値で屋内の服装量を表したとき、夏は0.4〜0.6clo、冬は0.9〜1.2clo前後が快適とされている。ここで、1.0cloは、椅子に腰掛けている白人標準男性被服者が平均皮膚温33℃の快適な状態を維持できるのに必要な被服の熱絶縁量である。
通常、外気温が20℃前後になると、外出時には外気温に合わせて調節用の服を重ね着する。また、無風で車室内温度が25℃に固定されている場合、屋内環境での夏0.4〜冬1.2cloの服装で快適でいられる輻射環境は、夏26℃〜冬15℃前後である。したがって、冬服で25℃の輻射温度なら暑く感じられることになる。つまり、車室内環境の快適性は室温だけでなく輻射温度の影響が大きく、室内のパネル、天井等の温度の変化がフィーリングに影響を与えるのである。
また、現行のオートエアコンでは、室内温度を中心とした制御の他、空調制御と空調風吹き出しモードの変更による空調制御を行うことで、きめ細やかな制御をおこなっている。
この空調風吹き出しモード制御は、暖房では足元、冷房ではベント吹出口を中心とした吹き出しで、その他に上下差温をつけたモードと窓晴らしを中心としたデフロストモード等がある。これらのモードは過去の冷暖房時に必要とされた経験から求められた条件で空調風吹き出しモードの制御を行っている。
例えば冬場の暖房が必要な条件下では、乗り込むときは外出用の調節用の上着やコートを着ているのに対して下半身の防寒は不十分のため、足元が寒い、暖かい空気は上に昇る等の理由から足元吹き出しになっている。
逆に夏場では、体が温まっているため早く涼感を得られるように上半身の冷却が望まれる、冷たい空気は下がりやすい等の理由からベント吹き出しとなっている。
中間温度帯にあっては、上半身と下半身で望まれる吹き出し温度が異なるため、様々なモードがあり、上下差温がつけられるように設定されている。
これは単なる冷暖房からオート制御によるオートエアコン化する時点で実際の温感をベースに快適感を増すために空調風吹き出しモードを増やしてきた結果である。
乗員の快適感を得るため温感をベースに制御することが望まれるが、従来出願されている温感ベースによる制御は、快適度を表す温熱指数を強引に空調制御に適用しているものが多く、温感だけのベースで制御しようとしているため、実際の空調とかけ離れた制御となって難しくなったり、特殊なセンサを必要とするものになっていた。
また、経験値に基づくチューニング学習機能を使ったチューニングを行うことで快適性を増す試みもあるが、従来のセンサ数、吹き出し方法、空調装置構造が変わらない限り、チューニングの限界がある。
このような点に鑑みて、特開平8−25941号公報では、外気温と室温から車室内輻射温度を推定し、外気温に基づいて着衣量を推定し、さらにブロワ電圧に基づいて室内に吹き出す気流速を推定し、これらの推定値から目標室温を算出して設定室温を補正するようにした車両用空調装置が提案されている。
しかしながら、この従来技術の場合、車室内の輻射温度を実際に測定しておらず、輻射温度が安定して快適性が得られるときの輻射温度が推定値として利用され、その時の室温が目標温度となるため、目標室温の補正は一般的なオートエアコンで実施されている外気温による補正と大差ないものとなってしまい、適切な温調を行えないという問題がある。
また、この従来技術の場合、ウォームアップやクールダウンのような空調過渡期における対応は一般的なオートエアコンと同様であり、室内輻射温度の推定による効果が得られないという問題がある。
特開平8−25941号公報
解決しようとする問題点は、車室内の輻射温度による影響を考慮しないか、又は輻射温度を推定して制御を行う車両用空調装置では、乗員の着衣量に応じた適切な温調を行えない点である。
上記課題を解決するために、本発明の車両用空調装置は、車室内の気温を検出する室温センサ26と、車室内の輻射温度を検出する輻射温度センサ27と、内外気を導入して温調し、車室内に供給する空調ユニット2と、車室内の気温と輻射温度を二軸とするxy平面上において、室温センサ26及び輻射温度センサ27の検出値に基づく値を座標とする点が、あらかじめ設定された制御目標線に近づくように空調ユニット2を制御する制御装置24と、を備えたことを特徴としている。
本発明では、室温及び輻射温度がそれぞれ制御目標線に近づくように制御を行うので、乗員の着衣量や体感に応じた快適な室内温度環境を提供することができる。
また、本発明では、外気温センサを用いることなく空調制御を行うことができるため、製造コストが低減すると共に、停車時等において外気温センサの検出値に補正を行う必要がなくなるので、制御が簡素化する。
また、本発明では、輻射温度センサによって車室内の輻射温度を測定しているので、ウォームアップやクールダウンのような空調過渡期において、車両の内装材からの輻射量を考慮した適切な温度制御ができるため、乗員の温感に対して素早く温度調節を行うことができ、過渡期において所望の空調性能に到達する時間を短縮することができる。また、輻射温度に合わせた室温となるように自動的に制御されるため、各種の補正制御が簡素化される。
また、本発明では、輻射温度センサで輻射温度を測定することにより、乗員の乗降が頻繁な場合に、車両の温まり具合、冷え具合を把握することができるため、最適な空調制御量を求めることができる。
さらに、日射の影響は輻射温度に反映されるため、輻射温度を制御することで日射センサを省くことも可能となる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態である車両用空調装置の空調ユニットの概略構成図、図2は実施形態の冷凍サイクルの概略構成図、図3は実施形態の制御システムの概略構成図である。
図1に示す車両用空調装置は、内部に空気通路1が形成された空調ユニット2を備えており、この空調ユニット2の上流側には、車室内空気を取り入れるための内気導入口3と、車室外空気を取り入れるための外気導入口4とが設けられている。
空調ユニット2の上流側の内部には、内気導入口3及び外気導入口4を選択的に開閉する内外気切換装置としてのインテークドア5と、内気導入口3及び外気導入口4を介して内外気を導入すると共に下流側に向けて送風する送風装置としてのブロワ6とが設けられている。
ブロワ6の下流側には、空気通路1を通る空気から吸熱して冷却する熱交換器7が設けられ、この熱交換器7の下流側には、空気通路1を通る空気を暖めるヒータコア8と、冷却された空気の一部をヒータコア8に導くと共に残りの空気をヒータコア8をバイパスさせる温調装置としてのミックスドア9とが設けられている。
ミックスドア9の下流にはエアミックスチャンバ10が設けられ、このエアミックスチャンバ10に連通するように、空調風吹出口としてのデフロスタ吹出口11、ベント吹出口12、及びフット吹出口13が設けられている。吹出口11、12、13は、それぞれ配風装置としてのデフロスタドア14、ベントドア15、フットドア16によって開閉されるようになっている。
このような車両用空調装置にあっては、インテークドア5により内気導入口3又は外気導入口4が開口され、ブロワ6が駆動されると内気又は外気が取り込まれる。取り込まれた空気は熱交換器7で冷却された後、ミックスドア9によりヒータコア8を通る流路とヒータコア8を迂回する流路とに適宜の比率で分配される。
そして、ヒータコア8で温められた空気とヒータコア8を迂回した空気とがエアミックスチャンバ10で混合され、空調風として吹出口11〜13から車室内に向けて吹き出す。
熱交換器7は図2に示す冷凍サイクルの一部を構成しており、このサイクルを循環する冷媒を蒸発させることにより空気を冷却する。図2において、19は圧縮機であり、エンジン等からの駆動力により駆動されて冷媒を圧縮する。圧縮機19で圧縮された冷媒は車室外に配置された熱交換器20で凝縮し、膨張弁21で膨張した後、熱交換器7で蒸発して圧縮機19に戻る。
図3に示すように、本実施形態の制御システムは、CPU、ROM、RAMを含むマイクロコンピュータにより構成された制御装置としての制御アンプ24を備えている。制御アンプ24には、外気温を検出する外気温センサ25、車室内の気温を検出する室温センサ26、車室内の内装材から発する輻射温度を検出する輻射温度センサ27が接続されている。
輻射温度センサ27は、車室内内装材表面の平均輻射温度と相関が取れる部品の温度を検出するもので、そのような部品としては、例えば、運転席や助手席シートの背側の表面、リア座席バックシート中央部等、外気からの熱伝導が無く、且つ空調風が直接当たらない所であり、さらに日射が直接当たらない所であるのが好ましい。
なお、輻射温度センサ27としては、被測定物に接触して温度を検出する接触式のもの(例えば、サーミスタ、熱電対)や、被測定物に接触せずに温度を検出する非接触式のもの(例えば、焦熱センサ、サーモパイル)等を適宜使用することができる。これらのセンサを用いることにより、製造コストが安価となり、省スペース化を図ることができるという利点がある。
輻射温度はMRT=Σ(表面温度×各部の面積)/各部の面積(℃):周壁平均温度でも表現される。なお、MRT(Mean Radiant Temperature)は、車両内装材表面で人体に投射面積で平均化した温度である。
測定方法は一般的にはグローブ温度計を用い、MRT=グローブ温度+2.4×√V×(グローブ温度−気温)で求めるが、風速が推定できれば定義に従って輻射面の平均温度を使用することが可能である。車室内ではファン速度でほぼ風速が決まるので輻射面からの測定も可能である。
本発明では、このような測定を行わず、輻射温度センサ27の検出値から制御アンプ24が車室内内装材表面の平均輻射温度を推定するようにしている。すなわち、対象車両の空調安定時を基準とした平均輻射温度を、車室温と外気温の関数で、k1×所定部品表面温度(空調安定時)と仮定し、車室温と外気温が決まると車両の熱伝導率から車室内内装材表面温度が決まることを利用する。
k1は比例定数で、輻射温度センサ27が実際に測定した部品表面温度と空調安定時の部品表面温度との差から平均輻射温度を推定する。次式を基に実際の平均輻射温度を推定する。
実際平均輻射温度−平均輻射温度(安定時)=k1×(実測部品表面温度−安定時部品表面温度)。なお、安定時は、車室温と外気温で車両温度が安定した時点から求める。
制御アンプ24は、例えば図4の制御マップに示すように、車室内の気温と輻射温度を二軸とするxy平面上において、室温センサ26及び輻射温度センサ27の検出値に基づく値を座標とする点が、あらかじめ設定された制御目標線C.Lに近づくように空調ユニット2のインテークドア5、ブロワ6、デフロスタドア14、ベントドア15、フットドア16等を制御する。
すなわち、車室内熱環境である気温と輻射温度を二軸にすると、快適温度範囲は符号1〜3に示す限られた領域となる。そして、その中央値(制御目標線)は数式で表現することができる。
本実施形態では、室温センサ26の検出値、及び輻射温度センサ27の検出値に基づいて算出された平均輻射温度を座標とする点が、まず快適温度範囲に入るように空調ユニット2を最大能力で運転し、快適温度範囲が変わる毎に制御目標線C.Lの数式が変化するため、それに応じて制御方法を変更し、座標を制御目標線C.Lに近づけるようにしている。
また、本実施形態の制御システムが従来と異なる点は、輻射温度変化を代表する所定部品の温度を測定するために、輻射温度センサ27を追加した点である。その他は従来と同様であり、外気温センサ25、室温センサ26の他に、図示しないが、日射量センサ、熱交換器7の吸込空気温度センサ及び吹出空気温度センサ、エンジン等の冷却水温センサやヒータコア8の温度センサ、圧縮機19の吐出冷媒圧センサ等を備えている。
また、吹き出し風速による影響を制御内容に盛り込むためにはグリルでの吹き出し風温を把握できるようにする必要が有るため、空調ユニット7のモード設定に従って配風制御する部分もしくは吹き出しグリルでの温度測定用センサを追加する。なお、吹き出し口の温度が分かれば、他の方法でもよい。
次に、第1実施例の制御手順を図5、図6に基づいて説明する。
エアコンスイッチがONされて制御がスタートすると、各種センサや制御アンプ24が初期化された後、ステップS10で制御アンプ24は室温センサ26の検出値Ticを読み込むと共に、輻射温度センサ27の検出値を読み込んで平均輻射温度Tmrtを算出する。
そして、ステップS20でT1≦Tic≦T2及びTm1≦Tmrt≦Tm2であるかを判定する。ここで、T1は設定温度で約90%の人が快適と感じる下限気温、T2は設定温度で約90%の人が快適と感じる上限気温である。
また、Tm1は暖房で快適と考えられる最低輻射温度(通常、冬季の室内環境の服装で設定温度のときに快適感が得られる輻射温度)であり、Tm2は冷房で快適と考えられる最高輻射温度(通常、夏季の室内環境の服装で設定温度のときに快適感が得られる輻射温度)である。
ステップS20でYESの場合にはステップS30に進み、Tma≦Tmrt≦Tmbであるか(すなわち符号2の快適温度範囲内であるか)を判定する。ここで、Tmaはオートエアコンで設定温度を補正することなく乗員が快適と感じる最低温度(通常、冬季の室内環境の服装で設定温度のときに快適感が得られる輻射温度)である。また、Tmbは設定温度(空調された屋内環境の服装をした人が乗車した際に90%以上の人が快適感が得られる温度)の中央値であり、一般的には25℃前後である。
ステップS30でYESの場合にはステップS40に進み、室温センサ26の検出値Ticが制御目標線C.L以下に位置するか否かを判定する。なお、この快適温度範囲におけるC.Lは(T2+T1)/2の式で表される。
YESの場合にはステップS50に進み、最大暖房能力で運転する。また、NOの場合にはステップS60に進み、暖房能力を低減する。従ってTicとTmrtを座標とする点が制御目標線C.Lに近づくことになる。
ステップS20でNOの場合にはステップS70に進み、Tmrt<Tm1又はTic<T1であるかを判定する。YESの場合にはステップS80に進み、最大暖房能力で運転する。NOの場合、すなわちTmrt>Tm2又はTic>T2の場合にはステップS90に進み、最大冷房能力で運転する。
ステップS30でNOの場合には、ステップS100に進み、Tm1≦Tmrt<Tmaであるか(すなわち符号1の快適温度範囲内であるか)を判定する。YESの場合には、ステップS110に進み、室温センサ26の検出値Ticが制御目標線C.L以下に位置するか否かを判定する。なお、この快適温度範囲内のC.Lは0.5*(2Tma*T2-Tm1*T1-Tma*T2)/(Tma-Tm1)の式で表される。
ステップS110でYESの場合にはステップS120に進み、最大暖房能力で運転する。NOの場合にはステップS130に進み、暖房能力を低減する。
ステップS100でNOの場合には、Tmb<Tmrt≦Tm2(符号3の快適温度範囲内)であり、ステップS140に進んで室温センサ26の検出値Ticが制御目標線C.L以上に位置するか否かを判定する。なお、この快適温度範囲内におけるC.Lの傾斜部分は、0.5*(-2Tmb*T1+Tm2*T1-Tm2*T1)/(Tm2-Tmb)の式で表される。
ステップS140でYESの場合にはステップS150に進み、最大冷房能力で運転する。NOの場合にはステップS160に進み、冷房能力を低減する。
このように、室温及び輻射温度がそれぞれ制御目標線に近づくように制御を行うので、乗員の着衣量や体感に応じた快適な室内温度環境を提供することができる。
また、空調制御に外気温センサを用いないため、外気温センサを省くことができる。これにより、製造コストが低減すると共に、停車時等において外気センサの検出値に補正を行う必要がなくなるので、制御が簡素化する。
また、輻射温度センサによって車室内の輻射温度を測定しているので、ウォームアップやクールダウンのような空調過渡期において、車両の内装材からの輻射量を考慮した適切な温度制御ができるため、乗員の温感に対して素早く温度調節を行うことができ、過渡期において所望の空調性能に到達する時間を短縮することができる。また、輻射温度に合わせた室温となるように自動的に制御されるため、各種の補正制御が簡素化される。
また、射温度センサで輻射温度を測定することにより、乗員の乗降が頻繁な場合に、車両の温まり具合、冷え具合を把握することができるため、最適な空調制御量を求めることができる。
また、快適温度範囲を設定し、室温及び平均輻射温度を座標とする点が快適温度範囲外にあるときには、その点が快適温度範囲内に入るように最大能力で運転するため、不快な温度範囲からすばやく逃れることができる。
さらに、日射の影響は輻射温度に反映されるため、輻射温度を制御することで日射センサを省くことも可能となる。
図7は本実施例の車両用空調装置と従来の車両用空調装置の空調性能を比較した実験データである。
室温上昇に対して平均輻射温度は熱容量が大きいので温度変化が遅れる。従来の空調装置は室温制御のため、目標温度に近づくと温調が入り、空調性能を落とす。このため輻射温度が低くても温調が入るため、目標温度に到達するのに時間がかかっている。
これに対し、本実施例のものは、従来のものよりも目標温度に早く到達し、所定の空調性能に達するまでの時間が短くなっていることが判る。これは、室温が先行して変化し、輻射温度が遅れて変化する形態、つまり輻射温度の偏差により自動補正した室温制御となり、目標室温に対してオーバーするような制御になるため、空調性能を減少させる制御を遅らせる効果があるからである。
本実施例では、ステップS50、S80、S90、S120、S150で最大暖房能力、最大冷房能力で運転するとしたが、室温や輻射温度と制御目標線との偏差に応じて暖房能力や冷房能力を変えても良い。
次に、本発明の第2実施例を図8の制御マップに基づいて説明する。
本実施例では、車室内の気温と輻射温度を二軸とするxy平面上に複数の空調風吹き出しモード(フット、ベント、バイレベル)の適用範囲を設定し、室温センサ26の検出値Tic、及び輻射温度センサ27の検出値に基づいて算出された平均輻射温度Tmrtを座標とする点が一つの適用範囲の境界線を越えたときに制御アンプ24は空調風吹き出しモードの変更を行う。
例えば、空調開始の初期状態においてA点の条件で空調を行い、その後、空調によって気温及び輻射温度がB点に変化したとき、フットモードとバイレベルモードの間の境界線を越えるため、フットモードからバイレベルモードに自動的に変更されることになる。
次に、本発明の第3実施例を図9の制御マップに基づいて説明する。
本実施例では、制御目標線C.Lに沿って形成された快適温度範囲1〜3を車両毎に固有の形状にしている。
すなわち、図4のように快適温度範囲をマトリックス状に形成した場合、特に符号1、3の範囲における制御目標線C.Lから最も離れた角隅部の部分において、車種によっては快適感が得られにくい場合がある。
そこで、本実施例では、二つの角隅部を制御目標線C.Lと平行にカットして快適温度範囲外とした。このようにすることで、車室内の気温Tic及び平均輻射温度Tmrtを座標とする点が、この角隅部から逃れて制御目標線C.Lに近づくように最大空調能力で運転されるため、快適感が向上する。
次に、本発明の第4実施例を図10の制御マップに基づいて説明する。
車両の熱伝達係数は車両毎に異なっており、車両毎に内装の各部分の温度が異なるため輻射温度は変化する。
本実施例では、この変化を考慮して制御目標線C.L、快適温度範囲を形成しており、図4に示すような一般的な形状とは異なる形状となっている。このようにすることで、その車両の特性に応じた適切な空調を行うことができ、快適感が向上する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に種々の改変を施すことができる。
本発明の一実施形態である車両用空調装置の空調ユニットの概略構成図。 実施形態の冷凍サイクルの概略構成図。 実施形態の制御システムの概略構成図。 第1実施例の制御マップ。 第1実施例の制御手順を示すフローチャート。 第1実施例の制御手順を示すフローチャート。 実施例の車両用空調装置と従来の車両用空調装置の空調性能を比較した実験データ。 第2実施例の制御マップ。 第3実施例の制御マップ。 第4実施例の制御マップ。
符号の説明
2 空調ユニット
24 制御アンプ(制御装置)
26 室温センサ
27 輻射温度センサ
C.L 制御目標線

Claims (8)

  1. 車室内の気温を検出する室温センサ(26)と、
    車室内の輻射温度を検出する輻射温度センサ(27)と、
    内外気を導入して温調し、車室内に供給する空調ユニット(2)と、
    車室内の気温と輻射温度を二軸とするxy平面上において、室温センサ(26)及び輻射温度センサ(27)の検出値に基づく値を座標とする点が、あらかじめ設定された制御目標線(C.L)に近づくように空調ユニット(2)を制御する制御装置(24)と、
    を備えたことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 輻射温度センサ(27)は車室内の所定の部品の表面温度を検出するものであり、制御装置(24)は、外気温、車室内の気温及び輻射温度に基づいて平均輻射温度を推定することを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
  3. xy平面上に複数の空調風吹き出しモードの適用範囲を設定し、室温センサ(26)及び輻射温度センサ(27)の検出値に基づく値を座標とする点が一つの適用範囲の境界線を越えたときに制御装置(24)が空調風吹き出しモードの変更を行うことを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
  4. 制御目標線(C.L)に沿って快適温度範囲を設定し、この快適温度範囲を車両毎に固有の形状に形成したことを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
  5. 車両の熱伝達係数に応じて制御目標線を設定したことを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
  6. 車両の熱伝達係数に応じて快適温度範囲を設定したことを特徴とする請求項4記載の車両用空調装置。
  7. 輻射温度センサ(27)は、被測定物に接触して温度を検出する接触式のものであることを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
  8. 輻射温度センサ(27)は、被測定物に接触しないで温度を検出する非接触式のものであることを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014234110A (ja) * 2013-06-04 2014-12-15 三菱電機株式会社 車両用空気調和装置

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