JP2005179642A - 非ハロゲン系難燃性バッキング材、および車輌用または航空機用カーペット - Google Patents
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Abstract
【課題】ハロゲン系難燃剤を使用しなくとも、難燃性を有し、加工適性、耐熱性に優れるとともに、さらには、バッキング材の経時安定性に優れる非ハロゲン系難燃性バッキング材を提供すること。
【解決手段】(A)シアン化ビニル−アクリル共重合体水性エマルジョン100重量部(固形分換算)に対し、(B)(B−1)ポリ燐酸アンモニウム塩類、燐酸エステル、および水溶性燐酸アンモニウムの群から選ばれた少なくとも1種の非ハロゲン系燐系難燃剤20〜500重量部および/または(B−2)非ハロゲン系金属水和物20〜500重量部[ただし、(B−1)成分と(B−2)成分とを併用する場合は(B−1)+(B−2)=20〜500重量部]を含有してなる非ハロゲン系難燃性バッキング材、およびこのバッキング材をカーペット裏面に塗工、乾燥して得られる車輌用または航空機用カーペット。
【選択図】なし
【解決手段】(A)シアン化ビニル−アクリル共重合体水性エマルジョン100重量部(固形分換算)に対し、(B)(B−1)ポリ燐酸アンモニウム塩類、燐酸エステル、および水溶性燐酸アンモニウムの群から選ばれた少なくとも1種の非ハロゲン系燐系難燃剤20〜500重量部および/または(B−2)非ハロゲン系金属水和物20〜500重量部[ただし、(B−1)成分と(B−2)成分とを併用する場合は(B−1)+(B−2)=20〜500重量部]を含有してなる非ハロゲン系難燃性バッキング材、およびこのバッキング材をカーペット裏面に塗工、乾燥して得られる車輌用または航空機用カーペット。
【選択図】なし
Description
本発明は、燃焼時にハロゲンガスを発生させない非ハロゲン系難燃性バッキング材、ならびにこのバッキング材を用いた車輌用(自動車、鉄道車両)および航空機用カーペットに関する。
従来、車輌(自動車、鉄道車両)および航空機のカーペットなどの繊維内装材には、難燃規格に合格させるために塩素や臭素化合物などのハロゲン系難燃性バッキング材が使用されている。このようなバッキング材は、廃材を焼却する際に燃焼炉を腐食させたり、火災発生時には、有害なダイオキシンを発生させ、環境上好ましくないという欠点がある。
一方、非ハロゲン系難燃剤としては、ポリ燐酸アンモニウム、水溶性燐酸アンモニウム、燐酸エステルのような非ハロゲン系燐系難燃剤や、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの非ハロゲン系金属水和物が知られている。
しかしながら、これらの非ハロゲン系難燃剤は、従来のバッキング材に使用するポリマーに対して、充分な難燃性を得るためには多量に添加する必要があり、難燃効果に必要な量を添加すると、加工適性の低下、バッキング材の経時安定性などの問題が発生する。
しかしながら、これらの非ハロゲン系難燃剤は、従来のバッキング材に使用するポリマーに対して、充分な難燃性を得るためには多量に添加する必要があり、難燃効果に必要な量を添加すると、加工適性の低下、バッキング材の経時安定性などの問題が発生する。
本発明の第1の目的は、ハロゲン系難燃剤を使用しなくとも、難燃性を有し、加工適性に優れ、さらには耐熱性に優れる非ハロゲン系難燃性バッキング材を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、これに加えてバッキング材の経時安定性に優れる非ハロゲン系難燃性バッキング材を提供することにある。
本発明は、(A)シアン化ビニル−アクリル共重合体水性エマルジョン100重量部(固形分換算)に対し、(B−1)ポリ燐酸アンモニウム塩類、燐酸エステル、および水溶性燐酸アンモニウムの群から選ばれた少なくとも1種の非ハロゲン系燐系難燃剤20〜500重量部および/または(B−2)非ハロゲン系金属水和物を20〜500重量部[ただし、(B−1)成分と(B−2)成分とを併用する場合は(B−1)+(B−2)=20〜500重量部]を含有してなることを特徴とする非ハロゲン系難燃性バッキング材に関するものである
ここで、シアン化ビニル−アクリル共重合体におけるモノマー組成は、シアン化ビニル系モノマーが2〜60重量%、アクリル酸エステルモノマーが98〜40重量%を主成分とするものが好ましい。
また、シアン化ビニル系モノマーとしては、アクリロニトリルが好ましい。
さらに、(B−1)非ハロゲン系燐系難燃剤としては、ポリ燐酸アンモニウム塩類、燐酸エステル、および水溶性燐酸アンモニウムの群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましく、特に好ましくは、平均粒径が5〜50μmで、20℃において2重量%水分散液の可溶分が0.2重量%以下であるポリ燐酸アンモニウムである。
また、(B−2)非ハロゲン系金属水和物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、および水酸化バリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、なかでも、平均粒径が1〜40μmの水酸化アルミニウムが好ましい。
次に、本発明は、上記のバッキング材をカーペット裏面に塗工、乾燥して得られる車輌用または航空機用カーペットに関するものである。
ここで、シアン化ビニル−アクリル共重合体におけるモノマー組成は、シアン化ビニル系モノマーが2〜60重量%、アクリル酸エステルモノマーが98〜40重量%を主成分とするものが好ましい。
また、シアン化ビニル系モノマーとしては、アクリロニトリルが好ましい。
さらに、(B−1)非ハロゲン系燐系難燃剤としては、ポリ燐酸アンモニウム塩類、燐酸エステル、および水溶性燐酸アンモニウムの群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましく、特に好ましくは、平均粒径が5〜50μmで、20℃において2重量%水分散液の可溶分が0.2重量%以下であるポリ燐酸アンモニウムである。
また、(B−2)非ハロゲン系金属水和物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、および水酸化バリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、なかでも、平均粒径が1〜40μmの水酸化アルミニウムが好ましい。
次に、本発明は、上記のバッキング材をカーペット裏面に塗工、乾燥して得られる車輌用または航空機用カーペットに関するものである。
本発明のバッキング材は、(A)シアン化ビニル−アクリル共重合体水性エマルジョンに、 (B)(B−1)特定の非ハロゲン系燐系難燃剤および/または(B−2)特定の非ハロゲン系金属水和物を組み合わせることにより、充分な難燃性能を得ることができ、また加工適性、バッキング材の経時安定性にも優れ、従来のカーペットと変わらぬ物性を引き出すことができる。また、本発明の(A)シアン化ビニル−アクリル共重合体水性エマルジョンを用いると、従来のNBRラテックスなどを用いたバッキング材に比べて、耐熱性に優れる。
(A)シアン化ビニル−アクリル共重合体水性エマルジョン:
本発明に用いられるシアン化ビニル−アクリル共重合体は、シアン化ビニル系モノマーとアクリル酸エステルモノマーを主成分として共重合したものである。
シアン化ビニル−アクリル共重合体のモノマー組成は、シアン化ビニル系モノマーが2〜60重量%、好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは10〜35重量%、アクリル酸エステルモノマーが98〜40重量%、好ましくは95〜60重量%、さらに好ましくは90〜65重量%を主成分とする。シアン化ビニル系モノマーの量が2重量%未満では、難燃性能が充分ではなく、一方、60重量%を超えると重合安定性が悪い。
なお、本発明に用いられるシアン化ビニル−アクリル共重合体には、さらに必要に応じてこれらと共重合可能な他の不飽和モノマーを共重合してもよい。
本発明に用いられるシアン化ビニル−アクリル共重合体は、シアン化ビニル系モノマーとアクリル酸エステルモノマーを主成分として共重合したものである。
シアン化ビニル−アクリル共重合体のモノマー組成は、シアン化ビニル系モノマーが2〜60重量%、好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは10〜35重量%、アクリル酸エステルモノマーが98〜40重量%、好ましくは95〜60重量%、さらに好ましくは90〜65重量%を主成分とする。シアン化ビニル系モノマーの量が2重量%未満では、難燃性能が充分ではなく、一方、60重量%を超えると重合安定性が悪い。
なお、本発明に用いられるシアン化ビニル−アクリル共重合体には、さらに必要に応じてこれらと共重合可能な他の不飽和モノマーを共重合してもよい。
ここで、シアン化ビニル系モノマーとしては、アクリロニトリル、α−メトキシアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−メトキシメタクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。なかでもアクリロニトリルが好ましい。
また、アクリル酸エステルモノマーとしては、アクリル酸エステルモノマーおよびメタクリル酸エステルモノマーが挙げられる。ここで、アクリル酸エステルモノマーおよびメタクリル酸エステルモノマーは、従来の水性アクリルエマルジョンにも普通に使用されている、アクリル酸およびメタクリル酸の脂肪族、脂環族あるいは芳香族の非置換アルコールとのエステルである。ここで言う非置換とは、炭化水素基以外の基を持たないことを意味する。アクリル酸エステルモノマーおよびメタクリル酸エステルモノマーの例を挙げると、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸n−ノニル、アクリル酸イソノニル、メタクリル酸n−ノニル、メタクリル酸イソノニル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸イソアミル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシルなどがある。好ましいモノマーは、炭素数4〜12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルであり、より好ましくは、メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸エチルであり、特にメタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチルが好ましい。これらのモノマーは、単独で使用することができ、また2種以上混合して使用することもできる。
本発明において、シアン化ビニル系モノマー、アクリル酸エステルモノマーおよび/またはメタクリル酸エステルモノマーとともに、(A)シアン化ビニル−アクリル共重合体水性エマルジョンを構成しうる他のモノマーとしては、芳香族ビニル系モノマー、エチレン性不飽和カルボン酸ヒドロキシアルキルエステルモノマー、エチレン性不飽和カルボン酸アミドモノマー、エチレン性不飽和酸モノマー、エチレン性不飽和スルホン酸エステルモノマー、エチレン性不飽和アルコールまたはそのエステルモノマー、エチレン性不飽和エーテルモノマー、エチレン性不飽和アミンモノマー、エチレン性不飽和シランモノマー、脂肪族共役ジエン系モノマーなどが挙げられる。
上記芳香族ビニル系モノマーの例には、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−アミノスチレン、p−アセトキシスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム、α−ビニルナフタレン、1−ビニルナフタレン−4−スルホン酸ナトリウム、2−ビニルフルオレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンなどがあり、特にスチレンが好ましい。
上記エチレン性不飽和カルボン酸ヒドロキシアルキルエステルモノマーの例には、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどがある。
上記エチレン性不飽和カルボン酸アミドモノマーの例には、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシエチルアクリルアミド、N−ブトキシエチルメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−n−プロピオキシメチルアクリルアミド、N−n−プロピオキシメチルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミドなどがある。
上記エチレン性不飽和酸モノマーには、エチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和スルホン酸などが使用される。エチレン性不飽和カルボン酸の例には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、無水フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸などがあり、エチレン性不飽和スルホン酸の例には、ビニルスルホン酸、イソプレンスルホン酸などがある。エチレン性不飽和酸モノマーは、例えばアルカリ金属で中和されていてもよい。また、上記エチレン性不飽和スルホン酸エステルモノマーの例には、ビニルスルホン酸アルキル、イソプレンスルホン酸アルキルなどがある。
上記エチレン性不飽和アルコールおよびそのエステルには、アリルアルコール、メタアリルアルコール、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸アリル、カプロン酸メタアリル、ラウリン酸アリル、安息香酸アリル、アルキルスルホン酸ビニル、アルキルスルホン酸アリル、アリールスルホン酸ビニルなどがある。
上記エチレン性不飽和エーテルモノマーには、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロビルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、エチルアリルエーテルなどがある。
上記エチレン性不飽和アミンには、ビニルジメチルアミン、ビニルジエチルアミン、ビニルジフェニルアミン、アリルジメチルアミン、メタアリルジエチルアミンなどがある。
上記エチレン性不飽和シランには、ビニルトリエチルシランなどがある。
上記エチレン性不飽和シランには、ビニルトリエチルシランなどがある。
上記脂肪族共役ジエン系モノマーには、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−ネオペンチル−1,3−ブタジエン、2−シアノ−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、直鎖および側鎖共役ヘキサジエンなどがあり、特に1,3−ブタジエンが好ましい。
上記他のモノマーは、単独で使用することができ、また2種以上を併用することもできる。
以上の他のモノマーの使用量は、全モノマー成分中に、通常、10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
上記他のモノマーは、単独で使用することができ、また2種以上を併用することもできる。
以上の他のモノマーの使用量は、全モノマー成分中に、通常、10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
本発明に用いる(A)シアン化ビニル−アクリル共重合体水性エマルジョンは、あらかじめ製造した重合体を溶剤に溶解した重合体溶液、溶液重合によって製造される重合体溶液などを水性エマルジョンに転相する方法によっても製造することができるが、一般的には、シアン化ビニル系モノマー、アクリル酸エステルモノマーおよび/またはメタクリル酸エステルモノマーを、場合により他のモノマーとともに乳化重合する方法により製造することが好ましい。
以下、本発明の(A)シアン化ビニル−アクリル共重合体水性エマルジョンを製造する乳化重合法について説明する。
以下、本発明の(A)シアン化ビニル−アクリル共重合体水性エマルジョンを製造する乳化重合法について説明する。
本発明に用いる(A)シアン化ビニル−アクリル共重合体水性エマルジョンを製造する乳化重合は、一般に炭化水素系界面活性剤からなる乳化剤を使用し、重合開始剤の存在下、必要に応じて連鎖移動剤、各種電解質、pH調節剤などの存在下で、シアン化ビニル系モノマー、アクリル酸エステルモノマーおよび/またはメタクリル酸エステルモノマーと他のモノマーとからなるモノマー成分を重合することによって行なわれる。
上記乳化剤のうち、炭化水素系界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤などがあるが、アニオン界面活性剤が好ましく、さらに好ましくは強酸型アニオン界面活性剤である。上記炭化水素系強酸型アニオン界面活性剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン・アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン・アルキルフェニルエーテル硫酸塩、脂肪油の硫酸エステル塩、脂肪族アミンまたは脂肪族アミドの硫酸塩、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪族アミドのスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ホルマリン縮合ナフタレンスルホン酸塩、脂肪族アルコールの燐酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル燐酸エステル塩などが挙げられる。
また、その他の炭化水素系界面活性剤のうち、ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレン・アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。
上記乳化剤の使用量は、各界面活性剤の種類、モノマーの種類と組成などに応じて攪拌条件などを調節し、所要の平均粒子径および表面張力が達成されるように選択される。乳化剤の好ましい使用量は、一般にモノマー100重量部に対して1〜10重量部である。乳化剤の使用量が少なすぎると、凝固物が発生するなどエマルジョンの安定性が低下する傾向を示し、一方多過ぎてもエマルジョンから形成される結合材の粒状材への密着性、耐水性が低下する傾向を示す。
本発明に用いる(A)シアン化ビニル−アクリル共重合体水性エマルジョンを製造する乳化重合において使用することができる重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、過酸化水素などの無機系開始剤、クメンハイドロパーオキシド、イソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド、パラメンタンハイドロパーオキシドなどのハイドロパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ジラウロイルパーオキシドなどのジアルキルパーオキシド、スルフィド、スルフィン酸、アゾビスイソブチロニトリル、アソビスイソバレロニトリル、アゾビスイソカプロニトリル、アゾビス(フェニルイソブチロニトリル)などのアゾ化合物などの有機系開始剤を挙げることができる。上記重合開始剤の使用量は、全モノマーに対して0.03〜2重量%が好ましく、特に0.05〜1重量%が好ましい。
また、乳化重合を促進させるために、還元剤やキレート化剤を添加することもできる。上記還元剤には、ピロ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、グルコース、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、L−アスコルビン酸およびその塩、亜硫酸水素ナトリウムなどが挙げられ、上記キレート化剤にはグリシン、アラニン、エチレンジアミン四酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
本発明に用いる(A)シアン化ビニル−アクリル共重合体水性エマルジョンを製造する際、乳化重合において使用することができる連鎖移動剤としては、好ましくは2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン成分を60重量%以上含有するα−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、テトレメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチルチウラムジスルフィドなどが挙げられる。連鎖移動剤の使用量は、一般に全モノマーに対して15重量%以下である。
本発明に用いる(A)シアン化ビニル−アクリル共重合体水性エマルジョンを製造する乳化重合に際しては、一般に全モノマー100重量部に対して水50〜900重量部を使用し、乳化剤、重合開始剤、さらに必要に応じて連鎖移動剤、還元剤、キレート化剤、電解質、pH調節剤などを適当量使用して、一般に10〜90℃、好ましくは40〜80℃の重合温度で、通常、3〜15時間重合される。
本発明に用いる(A)シアン化ビニル−アクリル共重合体水性エマルジョンを製造する乳化重合における上記モノマーの添加方法としては、一括添加法、分割添加法あるいは連続添加法などの任意の方法を採用することができるが、特に好ましい添加方法は、全モノマーの10重量%以下の存在下で重合を開始し、残りのモノマーを連続的あるいは分割して添加しながら重合する方法である。上記分割添加法あるいは連続添加法に際しては、モノマーを重合開始剤などの他の添加成分とともに分割あるいは連続して添加することができ、または上記他の添加成分を予め全量添加しておきモノマーのみを分割あるいは連続して添加することができる。また、この際に添加されるモノマーは、あらかじめ乳化しておくこともできる。
本発明に用いられる(A)シアン化ビニル−アクリル共重合体水性エマルジョンは、重合体のガラス転移温度が−60℃〜80℃であるものが好ましい。さらに好ましくは−40〜50℃、特に好ましくは−35〜+45℃である。ガラス転移温度が−60℃未満では、強度が充分ではなく、一方、80℃を超えると、最低造膜温度が高くなりすぎて好ましくない。ガラス転移温度は、モノマーの組成により、調整することができる。
(B)特定非ハロゲン系難燃剤:
本発明においては、上記の(A)シアン化ビニル−アクリル共重合体水性エマルジョン100重量部(固形分換算)に対し、(B)(B−1)ポリ燐酸アンモニウム塩類、燐酸エステル、および水溶性燐酸アンモニウムの群から選ばれた少なくとも1種の非ハロゲン系燐系難燃剤を20〜500重量部および/または、(B−2)非ハロゲン系金属水和物を20〜500重量部[ただし、(B−1)成分と(B−2)成分とを併用する場合は(B−1)+(B−2)=20〜500重量部]添加する。
本発明においては、上記の(A)シアン化ビニル−アクリル共重合体水性エマルジョン100重量部(固形分換算)に対し、(B)(B−1)ポリ燐酸アンモニウム塩類、燐酸エステル、および水溶性燐酸アンモニウムの群から選ばれた少なくとも1種の非ハロゲン系燐系難燃剤を20〜500重量部および/または、(B−2)非ハロゲン系金属水和物を20〜500重量部[ただし、(B−1)成分と(B−2)成分とを併用する場合は(B−1)+(B−2)=20〜500重量部]添加する。
(B−1)非ハロゲン系燐系難燃剤のうち、ポリ燐酸アンモニウム塩類としては、ポリ燐酸アンモニウム、ポリ燐酸アミド、ポリ燐酸メラミンなどが挙げられる。
また、燐酸エステルとは、燐酸とアルコールとのエステルであって、トリアルキルエステル、ジアルキルエステル、モノアルキルエステルが挙げられる。燐酸エステルの具体例としては、燐酸トリエチル、燐酸トリブチルなどが挙げられる。
さらに、水溶性燐酸アンモニウムとは、燐酸第三アンモニウムのことである。
(B−1)成分としては、燐含有量の多いポリ燐酸アンモニウムが好ましい。
また、燐酸エステルとは、燐酸とアルコールとのエステルであって、トリアルキルエステル、ジアルキルエステル、モノアルキルエステルが挙げられる。燐酸エステルの具体例としては、燐酸トリエチル、燐酸トリブチルなどが挙げられる。
さらに、水溶性燐酸アンモニウムとは、燐酸第三アンモニウムのことである。
(B−1)成分としては、燐含有量の多いポリ燐酸アンモニウムが好ましい。
ここで、(B−1)非ハロゲン系燐系難燃剤として好適に用いられるポリ燐酸アンモニウムの平均粒径は、5〜50μmが好ましく、さらに好ましくは10〜40μm、特に好ましくは10〜30μmである。平均粒径が5μm未満では、分散性が悪く、一方50μmを超えると塗工時のガムアップ現象が起こり好ましくない。
また、ポリ燐酸アンモニウムとしては、20℃において、ポリ燐酸アンモニウムの2重量%水分散液の水可溶分(以下「水可溶分」ともいう)が0.2重量%以下でものが好ましく、さらに好ましくは0.15重量%以下である。この水可溶分が0.2重量%を超えると、バッキング材の経時安定性に問題が生ずることがある。
ここで、水可溶分とは、ポリ燐酸アンモニウムの低分子物を指称する。
水可溶分の測定方法は、粉状の試料2gを100ccの水に分散させ、20℃、1時間後の上水を分析定量し燐分を出し、ポリ燐酸アンモニウム量を算出した値である。ポリ燐酸アンモニウム純分で換算すると0.2重量%は10%可溶分となる。
水可溶分が0.2重量%以下のポリ燐酸アンモニウムは、単独で水可溶分0.2重量%以下のポリ燐酸アンモニウムを使用してもよいし、水可溶分0.2重量%より高いポリ燐酸アンモニウムに、水可溶分0.2重量%以下のポリ燐酸アンモニウムを混合して、水可溶分0.2重量%以下に調製したポリ燐酸アンモニウムを用いてもよい。
また、ポリ燐酸アンモニウムとしては、20℃において、ポリ燐酸アンモニウムの2重量%水分散液の水可溶分(以下「水可溶分」ともいう)が0.2重量%以下でものが好ましく、さらに好ましくは0.15重量%以下である。この水可溶分が0.2重量%を超えると、バッキング材の経時安定性に問題が生ずることがある。
ここで、水可溶分とは、ポリ燐酸アンモニウムの低分子物を指称する。
水可溶分の測定方法は、粉状の試料2gを100ccの水に分散させ、20℃、1時間後の上水を分析定量し燐分を出し、ポリ燐酸アンモニウム量を算出した値である。ポリ燐酸アンモニウム純分で換算すると0.2重量%は10%可溶分となる。
水可溶分が0.2重量%以下のポリ燐酸アンモニウムは、単独で水可溶分0.2重量%以下のポリ燐酸アンモニウムを使用してもよいし、水可溶分0.2重量%より高いポリ燐酸アンモニウムに、水可溶分0.2重量%以下のポリ燐酸アンモニウムを混合して、水可溶分0.2重量%以下に調製したポリ燐酸アンモニウムを用いてもよい。
上記(B−1)非ハロゲン系燐系難燃剤の使用量は、(A)成分100重量部(固形分換算)に対し、20重量部未満では、難燃性能が充分ではない。一方、(B−1)成分は多く添加するほど難燃性能は向上し、100重量部以上で難燃性能がNB(ノンバーン;燃えない)となり、500重量部を超えると本発明の第2の課題であるバッキング材の経時安定性が低下したり、流動性不良となる。また、相対的に(A)成分の使用量が減るので、得られるタフテッドカーペットの抜糸力が弱くなる場合がある。好ましくは、30〜300重量部、さらに好ましくは50〜200重量部である。[ただし、(B−2)特定非ハロゲン金属水和物と併用する場合は、(B−1)+(B−2)=20〜500重量部である]。
一方、(B−2)非ハロゲン系金属水和物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどが挙げられ、特に水酸化アルミニウムが好ましい。水酸化アルミニウムとしては、平均粒径が1〜40μmのものが好ましく、さらに好ましくは5〜30μm、特に好ましくは10〜25μmである。平均粒径が1μm未満では、分散性が悪く、一方40μmを超えると塗工時のガムアップ現象が起こり好ましくない。
(B−2)非ハロゲン系金属水和物の添加量は、(A)成分100重量部(固形分換算)に対し、20〜500重量部である[ただし、(B−1)非ハロゲン系燐系難燃剤と併用する場合は、(B−1)+(B−2)=20〜500重量部である]。20重量部未満では、難燃性能が充分ではなく、一方、500重量部を超えるとバッキング材の経時安定性が低下したり、相対的に(A)成分の使用量が減るので、得られるタフテッドカーペットの抜糸力が弱くなる場合がある。好ましくは、70〜400重量部である。
(B−2)非ハロゲン系金属水和物の添加量は、(A)成分100重量部(固形分換算)に対し、20〜500重量部である[ただし、(B−1)非ハロゲン系燐系難燃剤と併用する場合は、(B−1)+(B−2)=20〜500重量部である]。20重量部未満では、難燃性能が充分ではなく、一方、500重量部を超えるとバッキング材の経時安定性が低下したり、相対的に(A)成分の使用量が減るので、得られるタフテッドカーペットの抜糸力が弱くなる場合がある。好ましくは、70〜400重量部である。
上記の(B−1)非ハロゲン系燐系難燃剤および同じく非ハロゲン系難燃剤である(B−2)非ハロゲン系金属水和物は、1種または2種以上組み合わせて用いられる。
なお、(B−1)非ハロゲン系燐系難燃剤と(B−2)非ハロゲン系金属水和物とを併用する際の(B−1)成分と(B−2)成分の合計量は、(A)成分100重量部(固形分換算)に対し、20〜500重量部、好ましくは、80〜400重量部である。20重量部未満では、難燃性能が充分ではなく、一方、500重量部を超えると、バッキング材の経時安定性が低下したり、相対的に(A)成分の使用量が減るので、得られるタフテッドカーペットの抜糸力が弱くなる場合がある。
なお、(B−1)非ハロゲン系燐系難燃剤と(B−2)非ハロゲン系金属水和物とを併用する際の(B−1)成分と(B−2)成分の合計量は、(A)成分100重量部(固形分換算)に対し、20〜500重量部、好ましくは、80〜400重量部である。20重量部未満では、難燃性能が充分ではなく、一方、500重量部を超えると、バッキング材の経時安定性が低下したり、相対的に(A)成分の使用量が減るので、得られるタフテッドカーペットの抜糸力が弱くなる場合がある。
フィラー:
本発明において、フィラーは、増量剤として、また固形分濃度の増加や重量感を付与する目的で用いられる。このようなフィラーとしては、クレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、珪藻土、グラファイト、アルミナ、酸化鉄、酸化チタン、シリカ、ゴム粉末、ガラスフレーク、ベントナイトなどを挙げることができる。ただし、フィラーとしては、上記の(B−2)非ハロゲン系金属水和物を除く。
本発明において、フィラーは、増量剤として、また固形分濃度の増加や重量感を付与する目的で用いられる。このようなフィラーとしては、クレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、珪藻土、グラファイト、アルミナ、酸化鉄、酸化チタン、シリカ、ゴム粉末、ガラスフレーク、ベントナイトなどを挙げることができる。ただし、フィラーとしては、上記の(B−2)非ハロゲン系金属水和物を除く。
その他の添加剤:
また、本発明の組成物には、必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。例えば、熱膨張性黒鉛、燐酸グアニジンなどその他の非ハロゲン系難燃剤、フェノール系、有機ホスファイト系、チオエーテル系などの酸化防止剤;光安定剤;紫外線吸収剤;ビスアミド系、ワックス系、トリポリ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸カリウム、有機金属塩系などの分散剤;アミド系、有機金属塩系、エステル系などの滑剤;有機顔料;無機顔料;金属イオン系などの無機、有機抗菌剤、安定剤、老化防止剤、増粘剤、防腐剤、消泡剤などを添加することができる。
また、本発明の組成物には、必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。例えば、熱膨張性黒鉛、燐酸グアニジンなどその他の非ハロゲン系難燃剤、フェノール系、有機ホスファイト系、チオエーテル系などの酸化防止剤;光安定剤;紫外線吸収剤;ビスアミド系、ワックス系、トリポリ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸カリウム、有機金属塩系などの分散剤;アミド系、有機金属塩系、エステル系などの滑剤;有機顔料;無機顔料;金属イオン系などの無機、有機抗菌剤、安定剤、老化防止剤、増粘剤、防腐剤、消泡剤などを添加することができる。
なお、本発明のバッキング材は、固形分濃度が、通常、30〜70重量%、好ましくは40〜65重量%、粘度が、通常、3,000〜30,000mPa・s、好ましくは4,000〜25,000mPa・sに調整される。
カーペット:
本発明のカーペットについて以下に説明する。
本発明のバッキング材は、例えば、タフテッドカーペット、ニードルパンチカーペット、チューブマット、フックドラッグ、ニットカーペットなどのあらゆる種類のカーペットの製造に適用できる。特に、車輌用、航空機用カーペットに好適である。
カーペット裏面へのバッキング材の塗工は、ドクターブレード、ロールコーティング、コンマコーターなどで行うことができる。塗工後、乾燥を行うが、乾燥温度は、通常、120〜200℃、好ましくは130〜180℃で、乾燥時間は、通常、2分〜30分、好ましくは5分〜20分である。
本発明のカーペットについて以下に説明する。
本発明のバッキング材は、例えば、タフテッドカーペット、ニードルパンチカーペット、チューブマット、フックドラッグ、ニットカーペットなどのあらゆる種類のカーペットの製造に適用できる。特に、車輌用、航空機用カーペットに好適である。
カーペット裏面へのバッキング材の塗工は、ドクターブレード、ロールコーティング、コンマコーターなどで行うことができる。塗工後、乾燥を行うが、乾燥温度は、通常、120〜200℃、好ましくは130〜180℃で、乾燥時間は、通常、2分〜30分、好ましくは5分〜20分である。
ここで、バッキング材を発泡機により発泡させてから塗工することもできる。発泡させることにより、バッキング材のボリュウムが増し低塗布量の調整が容易になる。発泡倍率は1.2倍〜20倍が好ましい。1.2倍未満では、低塗布量の調整が困難であり、一方、20倍を超えるとバッキング材の流動性が無くなり塗布が困難である。
また、タフテッドカーペットの製造の場合は、不織布などからなる裏打ち材を用いてもよい。カーペットの裏面、裏打ち材の表面に、本発明のバッキング材を塗布し、カーペットと裏打ち用の基布とを貼り合せる。裏打ち用の基布は、不織布に限定されるものではなく、織物、編物などでもよい。
車輌用のカーペットを得る場合、不織布を用いた自動車用カーペットであれば、例えば、150〜450g/m2のポリエステルニードルパンチカーペットに本発明のバッキング材を、通常、乾燥重量で30〜200g/m2塗布して得ることができる。
また、自動車用タフテッドカーペットであれば、例えば、300〜1,000g/m2のポリエステルまたはポリプロピレンのタフテッドカーペットに、本発明のバッキング材を、通常、乾燥重量で50〜500g/m2、塗布して得ることができる。
航空機用カーペットの場合、500〜1,500g/m2のウールおよびナイロンのタフテッドカーペットに本発明のバッキング材を、通常、乾燥重量で300〜1,500g/m2塗布して得ることができる。
また、自動車用タフテッドカーペットであれば、例えば、300〜1,000g/m2のポリエステルまたはポリプロピレンのタフテッドカーペットに、本発明のバッキング材を、通常、乾燥重量で50〜500g/m2、塗布して得ることができる。
航空機用カーペットの場合、500〜1,500g/m2のウールおよびナイロンのタフテッドカーペットに本発明のバッキング材を、通常、乾燥重量で300〜1,500g/m2塗布して得ることができる。
本発明のバッキング材により得られたカーペットは、難燃性に優れ、難燃剤が添加されているにもかかわらず、基材である不織布やタフテッドカーペットが適度の風合いを持ち、従来品と変らぬ物性をもつ。
本発明のカーペットは、車輌用のカーペット、航空機用のカーペットとして有用であるが、その他、どのような用途のカーペットにも用いることができる。
本発明のカーペットは、車輌用のカーペット、航空機用のカーペットとして有用であるが、その他、どのような用途のカーペットにも用いることができる。
以下に実施例を挙げて説明するが、本発明は本実施例および以下の実施例に限定解釈されるものではない。なお、実施例中の測定値は以下の方法で測定した。
<固形分>
ホットプレート法(試料約1gをアルミ皿に取り160〜180℃で水分を蒸発させ蒸発前後の重量より算出)
<粘度>
BM型粘度計(東京計器社製)により、3号ローターにより6rpm(25℃)、または4号ローターにより12rpm(25℃)にて測定。
<ポリ燐酸アンモニウムの水可溶分の測定>
粉状の試料2gを100CCの水に分散させ、20℃、1時間後の上水を分析定量し燐分を出し、ポリ燐酸アンモニウム量を算出した。
<固形分>
ホットプレート法(試料約1gをアルミ皿に取り160〜180℃で水分を蒸発させ蒸発前後の重量より算出)
<粘度>
BM型粘度計(東京計器社製)により、3号ローターにより6rpm(25℃)、または4号ローターにより12rpm(25℃)にて測定。
<ポリ燐酸アンモニウムの水可溶分の測定>
粉状の試料2gを100CCの水に分散させ、20℃、1時間後の上水を分析定量し燐分を出し、ポリ燐酸アンモニウム量を算出した。
<F−MVSS難燃性>
スガ試験機社製、F−MVSS難燃試験機を用いて行った。自動車用難燃試験規格は燃焼速度が10cm/分以下である。なお、表中のNBはノンバーン(燃えない)である。
<耐熱性>
150℃で24hr、熱風循環式ギヤー老化試験機(東洋精機製作所社製)を用いて行った。
◎:変化なし
○:若干変色(使用可能)
△:変色
×:劣化
<加工適性>
実験室にて加工メーカーの機械代用特性に準じて評価した。
○:問題無し
×:ガムアップ現象あり(バッキング加工中に粉状成分が凝集する状態をいう。)
<バッキング材安定性>
50℃7日経過後目視にて判定。
○:安定
△:若干の経時変化はあるが使用可能であること示す。
×:経時変化あり(粘度が上昇または低下したり、または流動性不良状態をいう。)
スガ試験機社製、F−MVSS難燃試験機を用いて行った。自動車用難燃試験規格は燃焼速度が10cm/分以下である。なお、表中のNBはノンバーン(燃えない)である。
<耐熱性>
150℃で24hr、熱風循環式ギヤー老化試験機(東洋精機製作所社製)を用いて行った。
◎:変化なし
○:若干変色(使用可能)
△:変色
×:劣化
<加工適性>
実験室にて加工メーカーの機械代用特性に準じて評価した。
○:問題無し
×:ガムアップ現象あり(バッキング加工中に粉状成分が凝集する状態をいう。)
<バッキング材安定性>
50℃7日経過後目視にて判定。
○:安定
△:若干の経時変化はあるが使用可能であること示す。
×:経時変化あり(粘度が上昇または低下したり、または流動性不良状態をいう。)
実施例1、比較例1
下記に示す組成(重量比)のエマルジョンA1〜A3およびa1〜a3を100重量部に対し、それぞれに難燃剤として水酸化アルミニウム(昭和電工社ハイジライトH21、平均粒径25μm)150重量部、その他の添化剤として、発泡剤(界面活性剤、アニオン系)3重量部、分散剤(重合リン酸塩、トリポリリン酸ナトリウム)1.0重量部、増粘剤[CMC(カルボキシメチルセルロース)]2重量部を加え、卓上攪拌機で混合しバッキング材を調製した。
下記に示す不織布の裏面に、これらのバッキング材を連続式機械発泡機により発泡させ、下記に示す量をドクターブレードにて塗工した。塗工後、160℃で10分乾燥した。このようにして得られたカーペットについて、上記に示す難燃性試験、耐熱性、加工適性、バッキング材の経時安定性の評価を行った。なお、バッキング材の固形分はすべて50重量%、粘度はすべて5,000mPa・sになるよう増粘剤と水にて調整した。(3号ローターにて測定)。結果を表1に示す。
なお、比較例1−3は、難燃性、加工適性、バッキング材安定性に優れているものの、耐熱性に劣る。このことから、本発明の(A)シアン化ビニル−アクリル共重合体水性エマルジョンを用いると、従来のNBRエマルジョンに較べて耐熱性に優れることが実証された。本発明に用いられる(A)成分は、耐熱性に優れることが実証されたので、実施例2、比較例2以降では、耐熱性の評価は省略する。
下記に示す組成(重量比)のエマルジョンA1〜A3およびa1〜a3を100重量部に対し、それぞれに難燃剤として水酸化アルミニウム(昭和電工社ハイジライトH21、平均粒径25μm)150重量部、その他の添化剤として、発泡剤(界面活性剤、アニオン系)3重量部、分散剤(重合リン酸塩、トリポリリン酸ナトリウム)1.0重量部、増粘剤[CMC(カルボキシメチルセルロース)]2重量部を加え、卓上攪拌機で混合しバッキング材を調製した。
下記に示す不織布の裏面に、これらのバッキング材を連続式機械発泡機により発泡させ、下記に示す量をドクターブレードにて塗工した。塗工後、160℃で10分乾燥した。このようにして得られたカーペットについて、上記に示す難燃性試験、耐熱性、加工適性、バッキング材の経時安定性の評価を行った。なお、バッキング材の固形分はすべて50重量%、粘度はすべて5,000mPa・sになるよう増粘剤と水にて調整した。(3号ローターにて測定)。結果を表1に示す。
なお、比較例1−3は、難燃性、加工適性、バッキング材安定性に優れているものの、耐熱性に劣る。このことから、本発明の(A)シアン化ビニル−アクリル共重合体水性エマルジョンを用いると、従来のNBRエマルジョンに較べて耐熱性に優れることが実証された。本発明に用いられる(A)成分は、耐熱性に優れることが実証されたので、実施例2、比較例2以降では、耐熱性の評価は省略する。
エマルジョンA1:アクリロニトリル(AN)/メチルメタクリレート(MMA)/n−ブチルアクリレート(BA)共重合体、AN/MMA/BA(重量比)=10/50/40
エマルジョンA2:アクリロニトリル(AN)/メチルメタクリレート(MMA)/n−ブチルアクリレート(BA)共重合体、AN/MMA/BA(重量比)=35/25/40
エマルジョンA3:アクリロニトリル(AN)/n−ブチルアクリレート(BA)共重合体、AN/BA(重量比)=60/40
エマルジョンa1:メチルメタクリレート(MMA)/n−ブチルアクリレート(BA)共重合体、MMA/BA(重量比)=30/70
エマルジョンa2:メチルメタクリレート(MMA)/n−ブチルアクリレート(BA)共重合体、MMA/BA(重量比)=70/30
エマルジョンa3:アクリロニトリル(AN)/1,3−ブタジエン(BD)共重合体、AN(アクリロニトリル)/BD(ブタジエン)(重量比)=35/65
エマルジョンA2:アクリロニトリル(AN)/メチルメタクリレート(MMA)/n−ブチルアクリレート(BA)共重合体、AN/MMA/BA(重量比)=35/25/40
エマルジョンA3:アクリロニトリル(AN)/n−ブチルアクリレート(BA)共重合体、AN/BA(重量比)=60/40
エマルジョンa1:メチルメタクリレート(MMA)/n−ブチルアクリレート(BA)共重合体、MMA/BA(重量比)=30/70
エマルジョンa2:メチルメタクリレート(MMA)/n−ブチルアクリレート(BA)共重合体、MMA/BA(重量比)=70/30
エマルジョンa3:アクリロニトリル(AN)/1,3−ブタジエン(BD)共重合体、AN(アクリロニトリル)/BD(ブタジエン)(重量比)=35/65
<試験に使用したカーペットおよび塗布量>
不織布:ニードルパンチカーペット、ポリエステル綿、目付370g/m2、密度0.07g/cm2
バッキング材塗布量:乾燥(160℃、10分)重量で80g/m2
不織布:ニードルパンチカーペット、ポリエステル綿、目付370g/m2、密度0.07g/cm2
バッキング材塗布量:乾燥(160℃、10分)重量で80g/m2
実施例2、比較例2
エマルジョンを実施例1で用いたエマルジョンA2(Tg:30℃)100重量部とし、難燃剤として下記に示す難燃剤B1〜B4およびb1〜b2をそれぞれ100重量部添加した以外は、実施例1と同様にしてカーペットを得、難燃性試験の評価を行った。さらに、バッキング材安定性、加工適性についても評価した。なお、バッキング材の固形分はすべて50重量%、粘度はすべて5,000mPa・sになるよう増粘剤と水にて調整した。(3号ローターにて測定)。
結果を表2に示す。
実施例2−3、実施例2−4は、バッキング材安定性は悪いが、難燃性、加工適性に優れており、本発明の第1の課題を達成している。
エマルジョンを実施例1で用いたエマルジョンA2(Tg:30℃)100重量部とし、難燃剤として下記に示す難燃剤B1〜B4およびb1〜b2をそれぞれ100重量部添加した以外は、実施例1と同様にしてカーペットを得、難燃性試験の評価を行った。さらに、バッキング材安定性、加工適性についても評価した。なお、バッキング材の固形分はすべて50重量%、粘度はすべて5,000mPa・sになるよう増粘剤と水にて調整した。(3号ローターにて測定)。
結果を表2に示す。
実施例2−3、実施例2−4は、バッキング材安定性は悪いが、難燃性、加工適性に優れており、本発明の第1の課題を達成している。
難燃剤B1:水酸化アルミニウム(実施例1で用いたものと同様)
B2:ポリ燐酸アンモニウム(平均粒径25μm、20℃における2重量%水分散液の可溶分は0.16重量%)
B3:燐酸エステル
B4:水溶性燐酸アンモニウム
b1:熱膨張性黒鉛
b2:燐酸グアニジン
B2:ポリ燐酸アンモニウム(平均粒径25μm、20℃における2重量%水分散液の可溶分は0.16重量%)
B3:燐酸エステル
B4:水溶性燐酸アンモニウム
b1:熱膨張性黒鉛
b2:燐酸グアニジン
実施例3
エマルジョンを実施例1で用いたエマルジョンA2を100重量部とし、難燃剤として実施例1で用いた水酸化アルミニウム100重量部、または下記に示すポリ燐酸アンモニウムB2−1〜B2−5(平均粒径:25μm)100重量部をそれぞれ添加した以外は実施例1と同様にしてカーペットを得、実施例1と同様の評価を行った。なお、水可溶分とは、20℃における2重量%水分散についてのものである。バッキング材の固形分はすべて50重量%、粘度はすべて5,000mPa・sになるよう増粘剤と水にて調整した。(3号ローターにて測定)。
結果を表3に示す。
実施例3−1〜3−3で用いたポリ燐酸アンモニウムの水可溶分は、0.2重量%以下であり、難燃性、加工適性、バッキング材安定性のいずれにおいても優れており、本発明の第1の課題、第2の課題を満足している。
一方、実施例3−4〜3−5は、用いられるポリ燐酸アンモニウムの水可溶分が0.2重量%を超えており、バッキング材安定性は経時変化があるものの、難燃性、加工適性に優れており、本発明の第1の課題を充足している。
なお、下記のポリ燐酸アンモニウムの水可溶分変量は、水可溶分0.04重量%ポリ燐酸アンモニウムと水可溶分0.3重量%水可溶分のポリ燐酸アンモニウムを混合することにより調製した。
ポリ燐酸アンモニウムB2−1:水可溶分 0.04重量%
B2−2: 0.10重量%
B2−3: 0.16重量%
B2−4: 0.24重量%
B2−5: 0.30重量%
エマルジョンを実施例1で用いたエマルジョンA2を100重量部とし、難燃剤として実施例1で用いた水酸化アルミニウム100重量部、または下記に示すポリ燐酸アンモニウムB2−1〜B2−5(平均粒径:25μm)100重量部をそれぞれ添加した以外は実施例1と同様にしてカーペットを得、実施例1と同様の評価を行った。なお、水可溶分とは、20℃における2重量%水分散についてのものである。バッキング材の固形分はすべて50重量%、粘度はすべて5,000mPa・sになるよう増粘剤と水にて調整した。(3号ローターにて測定)。
結果を表3に示す。
実施例3−1〜3−3で用いたポリ燐酸アンモニウムの水可溶分は、0.2重量%以下であり、難燃性、加工適性、バッキング材安定性のいずれにおいても優れており、本発明の第1の課題、第2の課題を満足している。
一方、実施例3−4〜3−5は、用いられるポリ燐酸アンモニウムの水可溶分が0.2重量%を超えており、バッキング材安定性は経時変化があるものの、難燃性、加工適性に優れており、本発明の第1の課題を充足している。
なお、下記のポリ燐酸アンモニウムの水可溶分変量は、水可溶分0.04重量%ポリ燐酸アンモニウムと水可溶分0.3重量%水可溶分のポリ燐酸アンモニウムを混合することにより調製した。
ポリ燐酸アンモニウムB2−1:水可溶分 0.04重量%
B2−2: 0.10重量%
B2−3: 0.16重量%
B2−4: 0.24重量%
B2−5: 0.30重量%
実施例4
エマルジョンを実施例1で用いたエマルジョンA2を100重量部とし、難燃剤として実施例3で用いたポリ燐酸アンモニウムB2−3を、20、50、100、200重量部、300重量部、500重量部、それぞれ加えた以外は、実施例1と同様にしてバッキング材を調製し、下記に示す不織布の裏面に、下記の塗布量で,実施例1と同様に発泡ドクターブレード塗工した。塗工後、160℃で10分乾燥した。このようにして得られたカーペットについて、実施例1と同様に評価した。なお、バッキング材の固形分はすべて50重量%、粘度はすべて5,000mPa・sになるよう増粘剤と水にて調整した。(3号ローターにて測定)。結果を表4に示す。
なお、実施例4−5、4−6は、バッキング材安定性に劣るものの、難燃性、加工適性に優れており、本発明の第1の課題を充足する。
試験に使用したカーペットおよび塗布量
不織布:ニードルパンチカーペット、ポリエステル綿、目付250g/m2、密度0.07g/cm2
バッキング材塗布量:乾燥(160℃10分)重量で50g/m2
エマルジョンを実施例1で用いたエマルジョンA2を100重量部とし、難燃剤として実施例3で用いたポリ燐酸アンモニウムB2−3を、20、50、100、200重量部、300重量部、500重量部、それぞれ加えた以外は、実施例1と同様にしてバッキング材を調製し、下記に示す不織布の裏面に、下記の塗布量で,実施例1と同様に発泡ドクターブレード塗工した。塗工後、160℃で10分乾燥した。このようにして得られたカーペットについて、実施例1と同様に評価した。なお、バッキング材の固形分はすべて50重量%、粘度はすべて5,000mPa・sになるよう増粘剤と水にて調整した。(3号ローターにて測定)。結果を表4に示す。
なお、実施例4−5、4−6は、バッキング材安定性に劣るものの、難燃性、加工適性に優れており、本発明の第1の課題を充足する。
試験に使用したカーペットおよび塗布量
不織布:ニードルパンチカーペット、ポリエステル綿、目付250g/m2、密度0.07g/cm2
バッキング材塗布量:乾燥(160℃10分)重量で50g/m2
比較例3
エマルジョンを実施例1で用いたエマルジョンA2を100重量部とし、難燃剤として実施例3で用いたポリ燐酸アンモニウムB2−3を10重量部加えた以外は、実施例1と同様にしてバッキング材を調製した。また、難燃剤として下記に示すハロゲン系難燃剤c1、難燃助剤c2をそれぞれ75重量部、25重量部を加えた以外は、実施例1と同様に行った。なお、バッキング材の固形分は50重量%、粘度は5,000mPa・sになるよう増粘剤と水にて調整した。(3号ローターにて測定)。結果を表4に示す。
なお、比較例3−2は、ハロゲン系難燃剤であるc1,c2を併用した例であり、難燃性、加工適性、バッキング材安定性に優れてはいるが、非ハロゲン系という点で、本発明の範囲外である。
難燃剤 c1:デカブロムジフェニルオキサイド
難燃助剤 c2:三酸化アンチモン
エマルジョンを実施例1で用いたエマルジョンA2を100重量部とし、難燃剤として実施例3で用いたポリ燐酸アンモニウムB2−3を10重量部加えた以外は、実施例1と同様にしてバッキング材を調製した。また、難燃剤として下記に示すハロゲン系難燃剤c1、難燃助剤c2をそれぞれ75重量部、25重量部を加えた以外は、実施例1と同様に行った。なお、バッキング材の固形分は50重量%、粘度は5,000mPa・sになるよう増粘剤と水にて調整した。(3号ローターにて測定)。結果を表4に示す。
なお、比較例3−2は、ハロゲン系難燃剤であるc1,c2を併用した例であり、難燃性、加工適性、バッキング材安定性に優れてはいるが、非ハロゲン系という点で、本発明の範囲外である。
難燃剤 c1:デカブロムジフェニルオキサイド
難燃助剤 c2:三酸化アンチモン
実施例5
エマルジョンを実施例1で用いたエマルジョンA2を100重量部とし、難燃剤として実施例1で用いた水酸化アルミニウムを、20、70、150、300、500重量部それぞれ加えた以外は、実施例1と同様にしてバッキング材を調製し、カーペットを得、実施例1と同様に評価した。なお、バッキング材の固形分はすべて50重量%、粘度はすべて5,000mPa・sになるよう増粘剤と水にて調整した。(3号ローターにて測定)。結果を、表5に示す。
エマルジョンを実施例1で用いたエマルジョンA2を100重量部とし、難燃剤として実施例1で用いた水酸化アルミニウムを、20、70、150、300、500重量部それぞれ加えた以外は、実施例1と同様にしてバッキング材を調製し、カーペットを得、実施例1と同様に評価した。なお、バッキング材の固形分はすべて50重量%、粘度はすべて5,000mPa・sになるよう増粘剤と水にて調整した。(3号ローターにて測定)。結果を、表5に示す。
比較例4
エマルジョンを実施例1で用いたエマルジョンA2を100重量部とし、難燃剤として実施例1で用いた水酸化アルミニウムを、10、600重量部それぞれ加えた以外は、実施例1と同様にしてバッキング材を調製し、カーペットを得、実施例1と同様に評価した。
なお、バッキング材の固形分はすべて50重量%、粘度はすべて5,000mPa・sになるよう増粘剤と水にて調整した。(3号ローターにて測定)。結果を、表5に示す。
エマルジョンを実施例1で用いたエマルジョンA2を100重量部とし、難燃剤として実施例1で用いた水酸化アルミニウムを、10、600重量部それぞれ加えた以外は、実施例1と同様にしてバッキング材を調製し、カーペットを得、実施例1と同様に評価した。
なお、バッキング材の固形分はすべて50重量%、粘度はすべて5,000mPa・sになるよう増粘剤と水にて調整した。(3号ローターにて測定)。結果を、表5に示す。
実施例6
エマルジョンを実施例1で用いたエマルジョンA2を100重量部とし、難燃剤としてポリ燐酸アンモニウム80重量部と水酸化アルミニウム20重量部、ポリ燐酸アンモニウム60重量部と水酸化アルミニウム40重量部、ポリ燐酸アンモニウム40重量部と水酸化アルミニウム60重量部、ポリ燐酸アンモニウム20重量部と水酸化アルミニウム80重量部、それぞれ加えた以外は実施例1と同様にしてバッキング材を調製し、実施例1と同様にカーペットを得、実施例1と同様に評価した。なお、ポリ燐酸アンモニウムは実施例2で用いたB2−3と同様である。バッキング材の固形分はすべて50重量%、粘度はすべて5,000mPa・sになるよう増粘剤と水にて調整した。(3号ローターにて測定)。結果を表6に示す。
エマルジョンを実施例1で用いたエマルジョンA2を100重量部とし、難燃剤としてポリ燐酸アンモニウム80重量部と水酸化アルミニウム20重量部、ポリ燐酸アンモニウム60重量部と水酸化アルミニウム40重量部、ポリ燐酸アンモニウム40重量部と水酸化アルミニウム60重量部、ポリ燐酸アンモニウム20重量部と水酸化アルミニウム80重量部、それぞれ加えた以外は実施例1と同様にしてバッキング材を調製し、実施例1と同様にカーペットを得、実施例1と同様に評価した。なお、ポリ燐酸アンモニウムは実施例2で用いたB2−3と同様である。バッキング材の固形分はすべて50重量%、粘度はすべて5,000mPa・sになるよう増粘剤と水にて調整した。(3号ローターにて測定)。結果を表6に示す。
実施例7
AN/MMA/BA=20/10/70(重量比)で、Tgが0℃であるエマルジョンA4を100重量部に対し、ポリ燐酸アンモニウム100重量部と水酸化アルミニウム200重量部、ポリ燐酸アンモニウム80重量部と水酸化アルミニウム220重量部、ポリ燐酸アンモニウム60重量部と水酸化アルミニウム240重量部、ポリ燐酸アンモニウム40重量部と水酸化アルミニウム260重量部をそれぞれ加え、実施例1と同様にその他の添加材を加え、バッキング材を調製した。それぞれバッキング材の固形分は60重量%、粘度(4号ローター使用)は8,000mPa・sになるよう増粘剤と水にて調整した。
なお、水酸化アルミニウムは実施例1で用いたものと同様である。また、ポリ燐酸アンモニウムは実施例2で用いたB2−3と同様である。
タフテッドカーペット地として1/10ゲージのウール素材を用い、このタフテッドカーペットの裏面に、下記の塗布量で、上記のバッキング材をロールコーティング塗工した。塗工後、160℃で20分乾燥した。このようにして得られたカーペットについて、実施例1と同様に、加工適性、バッキング材安定性を評価した。さらに、下記に示す、航空機用難燃性試験、抜糸力、剛軟度を評価した。結果を表7に示す。
なお、実施例7−4の航空機用難燃性試験の評価は△であり、燃焼傾向にはあるが、自己消火性の評価には変わりなく、難燃性の基準を満たしている。
AN/MMA/BA=20/10/70(重量比)で、Tgが0℃であるエマルジョンA4を100重量部に対し、ポリ燐酸アンモニウム100重量部と水酸化アルミニウム200重量部、ポリ燐酸アンモニウム80重量部と水酸化アルミニウム220重量部、ポリ燐酸アンモニウム60重量部と水酸化アルミニウム240重量部、ポリ燐酸アンモニウム40重量部と水酸化アルミニウム260重量部をそれぞれ加え、実施例1と同様にその他の添加材を加え、バッキング材を調製した。それぞれバッキング材の固形分は60重量%、粘度(4号ローター使用)は8,000mPa・sになるよう増粘剤と水にて調整した。
なお、水酸化アルミニウムは実施例1で用いたものと同様である。また、ポリ燐酸アンモニウムは実施例2で用いたB2−3と同様である。
タフテッドカーペット地として1/10ゲージのウール素材を用い、このタフテッドカーペットの裏面に、下記の塗布量で、上記のバッキング材をロールコーティング塗工した。塗工後、160℃で20分乾燥した。このようにして得られたカーペットについて、実施例1と同様に、加工適性、バッキング材安定性を評価した。さらに、下記に示す、航空機用難燃性試験、抜糸力、剛軟度を評価した。結果を表7に示す。
なお、実施例7−4の航空機用難燃性試験の評価は△であり、燃焼傾向にはあるが、自己消火性の評価には変わりなく、難燃性の基準を満たしている。
<航空機用難燃性試験>
下記の簡便法により行った。すなわち、25mmにカットし垂直法で着火し自己消火性であれば○とした。△は自己消火性ではあるが燃焼傾向があったことを示す。
<抜糸力>
JIS L 1021に拠った。航空機用のカーペットにおけるパイルの引き抜き強さの規格は25N/本以上である。
<剛軟度>
JIS L 1021 カンチレバー法に拠った。
<バッキング材塗布量>
乾燥(160℃20分)重量で600g/m2
下記の簡便法により行った。すなわち、25mmにカットし垂直法で着火し自己消火性であれば○とした。△は自己消火性ではあるが燃焼傾向があったことを示す。
<抜糸力>
JIS L 1021に拠った。航空機用のカーペットにおけるパイルの引き抜き強さの規格は25N/本以上である。
<剛軟度>
JIS L 1021 カンチレバー法に拠った。
<バッキング材塗布量>
乾燥(160℃20分)重量で600g/m2
比較例5
エマルジョンとしてBA/エチレン/酢酸ビニル=40/30/30(重量比)、Tgが0℃であるエマルジョンa4を100重量部用い、難燃剤として、難燃剤c1(デカブロムジフェニールオキサイド)75重量部、難燃助剤c2(三酸化アンチモン)25重量部を用いた以外は実施例1と同様にしてバッキング材を調製し、タフテッドカーペットを得、評価した。結果を表7に示す。
なお、比較例5は、水酸化アルミニウムに、ハロゲン系難燃剤であるc1,c2を併用した例であり、難燃性、加工適性、バッキング材安定性に優れてはいるが、非ハロゲン系という点で、本発明の範囲外である。
エマルジョンとしてBA/エチレン/酢酸ビニル=40/30/30(重量比)、Tgが0℃であるエマルジョンa4を100重量部用い、難燃剤として、難燃剤c1(デカブロムジフェニールオキサイド)75重量部、難燃助剤c2(三酸化アンチモン)25重量部を用いた以外は実施例1と同様にしてバッキング材を調製し、タフテッドカーペットを得、評価した。結果を表7に示す。
なお、比較例5は、水酸化アルミニウムに、ハロゲン系難燃剤であるc1,c2を併用した例であり、難燃性、加工適性、バッキング材安定性に優れてはいるが、非ハロゲン系という点で、本発明の範囲外である。
本発明の非ハロゲン系難燃性バッキング材は、難燃性、耐熱性に優れており、カーペットのバッキング材として好適である。また、得られるカーペットは自動車などの車輌用カーペット、航空機用カーペットとして好適に使用することができる。
Claims (7)
- (A)シアン化ビニル−アクリル共重合体水性エマルジョン100重量部(固形分換算)に対し、(B)(B−1)ポリ燐酸アンモニウム塩類、燐酸エステル、および水溶性燐酸アンモニウムの群から選ばれた少なくとも1種の非ハロゲン系燐系難燃剤20〜500重量部および/または(B−2)非ハロゲン系金属水和物20〜500重量部[ただし、(B−1)成分と(B−2)成分とを併用する場合は(B−1)+(B−2)=20〜500重量部]を含有してなることを特徴とする非ハロゲン系難燃性バッキング材。
- シアン化ビニル−アクリル共重合体におけるモノマー組成が、シアン化ビニル系モノマーが2〜60重量%、アクリル酸エステルモノマーが98〜40重量%を主成分とする請求項1記載の非ハロゲン系難燃性バッキング材。
- シアン化ビニル系モノマーがアクリロニトリルである請求項2記載の非ハロゲン系難燃性バッキング材。
- ポリ燐酸アンモニウム塩類が、20℃において2重量%水分散液の可溶分が0.2重量%以下であるポリ燐酸アンモニウムである請求項1記載の非ハロゲン系難燃性バッキング材。
- (B−2)非ハロゲン系金属水和物が、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、および水酸化バリウムの群から選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の非ハロゲン系難燃性バッキング材。
- (B−2)非ハロゲン系金属水和物が、平均粒径が1〜40μmの水酸化アルミニウムである請求項5記載の非ハロゲン系難燃性バッキング材。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の非ハロゲン系難燃性バッキング材をカーペット裏面に塗工、乾燥して得られることを特徴とする車輌用または航空機用カーペット。
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JP2004307539A JP2005179642A (ja) | 2003-11-26 | 2004-10-22 | 非ハロゲン系難燃性バッキング材、および車輌用または航空機用カーペット |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008081809A1 (ja) * | 2006-12-29 | 2008-07-10 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | ポリリン酸塩含有水性分散液、それを用いる防炎剤および繊維の防炎加工方法 |
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-
2004
- 2004-10-22 JP JP2004307539A patent/JP2005179642A/ja active Pending
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