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JP2005165831A - 光学式座標入力装置 - Google Patents

光学式座標入力装置 Download PDF

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JP2005165831A
JP2005165831A JP2003405890A JP2003405890A JP2005165831A JP 2005165831 A JP2005165831 A JP 2005165831A JP 2003405890 A JP2003405890 A JP 2003405890A JP 2003405890 A JP2003405890 A JP 2003405890A JP 2005165831 A JP2005165831 A JP 2005165831A
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Katsuyuki Kobayashi
克行 小林
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Abstract

【課題】 ペンアップ/ダウンを容易に検知する座標入力装置。
【解決手段】 座標入力面に略平行に放射された光ビームを指示具により遮断することによって、その指示具の位置を検出する光学式座標入力装置であって、その指示具が、ペンダウンする事によって発光を開始する発光手段を有する。ペンアップ時には、指示具からの発光は無く、CCDで出力される信号は、前記光ビームの再帰反射光で生成されるが、ペンダウン時には、該再帰反射光に加えて指示具からの光が重畳した信号として検出される事になる。従って光が重畳した信号かどうかを判定することによってペンアップ/ダウンの判定が可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、座標入力装置、より詳しくは、入力面に指示具や指によって指示して座標を入力することにより、接続されたコンピュータを制御したり、文字や図形などを書き込むために用いられる座標入力装置であって、その性能を改善する技術に関するものである。
従来より、この種の装置として各種方式のタッチパネルが提案、または製品化されており、特殊な器具などを用いずに、画面上でPCなどの操作が簡単にできるため、広く用いられている。
方式としては、抵抗膜を用いたもの、また、超音波を用いたものなど、さまざまなものがあるが、光を用いたものとして、座標入力面外側に再帰性反射シートを設け、光を照明する手段からの光を再帰反射シートで反射し、受光手段により光量分布を検出する構成において、入力領域内にある、指などで遮蔽された領域の角度を検出し、遮蔽位置つまり入力位置の座標を決定するものが、知られている(例えば特許文献1参照)。また、国内においても再帰反射部材を入力領域周辺に構成し、再帰反射光が遮光される部分の座標を検出する装置が開示されており、例えば、微分などの波形処理演算によって遮光部分のピークを検出することにより、遮光部分の角度を検出する方式(例えば特許文献2参照)、あるいは特定のレベルパターンとの比較によって遮光部位の一方の端と他方の端を検出しそれらの座標の中心を検出する構成(例えば特許文献3参照)が示されている。
各種方式におけるタッチパネルについて、さらに詳述すれば、タッチパネルと呼ばれる装置は、指、あるいは指示具が入力面をタッチする事によって、タッチした位置を検出するものであり、先に述べた抵抗膜方式にあっては、入力面をタッチする事で電気的な抵抗値の変化を検出することによってその位置を検出するものであり、また超音波方式等にあっては、タッチする事によって例えば入力面中を伝播している超音波振動が減衰する現象を観測して、タッチ位置を検出する様に構成されている。つまり、抵抗膜方式、あるいは超音波方式にあっては、入力面をタッチしなければ位置検出は行われず、逆に言えば、位置検出が行われたという事は、入力面をタッチしている状態を意味する。
しかしながら、前述した光の遮光に基づき遮光位置を検出する座標検出方式にあっては、入力面より所定距離離れた位置(入力面よりの高さh1)に検出用の光束(光の幅h2)を設け、その光束を遮蔽物により遮蔽する事で、その遮蔽位置を検出する事から、必ずしも、座標入力面をタッチしていなくても、座標値を検出してしまう(入力面よりの高さh1、光の幅h2については、図18参照のこと)。その結果、『尾引き』等の操作者が意図した座標入力とは異なる筆跡が入力され、操作性を著しく低下させる欠点が露見する。
この『尾引き』について、図19を用いて詳述すると、今操作者が『あ』と言う文字を入力するために、指もしくは指示具相当のものを図19-1に示すが如く移動動作させた場合を想定する。操作者は図19-2に示すが如く『あ』と言う文字を想定して、図19-1における実線部分を入力面にタッチして操作し、図18-1における破線部分を入力面をタッチすることなく移動動作を実行することになる。つまり操作者は、『入力面をタッチ』する事を認知して筆跡を残すことを想定するが、実際には入力面をタッチする直前/直後において『入力面をタッチ』していないにも関わらず座標検出が行われ、実際に表示される文字情報は図19-3の様になってしまう。つまり『あ』と言う文字を入力したにもかかわらず、入力面をタッチする直前/直後において、余分な軌跡が表示され、操作者が意図した軌跡とは異なる表示が得られる様になる。この現象を『尾引き』と称するが、尾引きの発生により、操作者の意図する情報が表示されずに、『見にくい』『小さい字は書けない』『細かい図形情報は描けない』等の問題が発生する。
さらに、操作者による動作によりダブルクリック動作を実現しようとする場合、操作者は入力面をタッチ→アップ(1)→タッチ→アップ(2)する事でダブルクリック動作を実行する。この時、座標入力装置は例えば所定周期毎に座標値を出力(例えば、100点/秒の座標検出サンプリングレートであれば、5msec毎に座標を出力する能力を有する)することができるので、座標出力タイミングとその時出力される座標値で、つまり、ある時間に座標値Aが出力され、所定時間後のサンプリングで座標値が検出されない(例えば100点/秒の座標検出サンプリングレートの時、5msec時間が経過しても座標値が検出されないという事は、座標入力動作が中断した事を意味する)状態にあって、次に出力された座標値Bが、座標値Aが出力された時間から所定時間以内で、かつ座標値Aと座標値Bが略等しく、さらに、所定時間後の座標サンプリングが中断した場合に、ダブルクリック動作が行われたと判断できる。
さてこの動作において操作者が認識しているのは、『入力面をタッチしたか、しないか』だけであり、前述アップ(1)の状態で、どの程度入力面より離さなければいけないかは判断できないので、操作者は『指示具を離した』と認識しているにも関わらず、座標入力装置が継続して座標検知を行っている場合(アップ(1)において入力面6より指示具が十分に離れてない状態)、操作者が意図したダブルクリック動作を検知できない結果となる。この問題を解決し、確実にダブルクリック動作を実現するためには、操作者はアップ(1)の状態で『十分なストローク』を持って入力面より指示具を十分に離し操作しなければならないが、操作者はその『十分なストローク』がどの程度かを即座に認知する事ができないので、オーバーアクションせざるを得ない。つまり操作性に優れた装置とは言う事ができないのである。
従って、光の遮光に基づき遮光位置を検出する座標検出方式にあっては、入力面をタッチしている状態で座標検知が行われているのか、あるいは、入力面の近傍にあって座標検知が行われているのかを判別する手段が、操作性を向上させるために必須の構成となる。以上の点を鑑み、指あるいは指示具の入力面からの高さを検知する方法として、遮光した光の量に対する複数の閾値を設け、その影響を軽減する構成が開示されている(例えば特許文献4、5参照)。
また、座標入力面上で座標入力動作を行う事で、ペンから放射光を発光し、前述ペンの位置座標を求めるため、座標入力面の外側に複数配置された検出ユニットで該放射光を受光して電気信号に変換し、この電気信号を処理して位置座標を算出する方式も開示されている(例えば特許参考文献6参照)。
米国特許USP4507557号公報 特許公開番号2000-105671号公報 特許公開番号2001-1472642号公報 特許公開番号2001-147776号公報 特許公開番号2001-84106号公報 特許公開番号H11-3170号公報
上述の課題を回避/改善するために、力面よりの高さh1、及び光束の幅h2をできるだけ小さくすることで、『座標入力面をタッチすることで、その位置を検出する状態』に近づけることができるが、実際には大きな入力面を有する装置に有っては、入力面の平面度等の公差により、入力面よりの高さh1を小さくすることは、限界がある。
具体的に述べれば、一般に大型の表示装置、特に大勢の参加者が表示装置を用いて会議を行う会議システムにあっては、その表示サイズは対角60インチ〜100インチ程度、或いはそれ以上の大きさの表示装置が要求される。さらには、表示装置の表面を座標入力面としている事から、指等によって押圧されてもその表示面は『たわまない』事が要求される。従って、剛性を有する素材で表示面を製作する事になるが、その表示領域が大きい事、透明性が必要である事を考慮して、例えばガラスを用いるものとすれば、その板厚はかなり厚いものが要求され、重量の大きな装置とならざるを得ない。
さらには、現状の大型表示装置として用いられるリアプロジェクタ方式の表示装置にあっては、その表示面はフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ等の光学特性を有する透明な樹脂板で構成されるのが通例であり、板厚増は重量の増大のみならず、光透過率等が悪化し、表示装置としての機能を低下させる事になる。
そこで通常行われる対策としては、わずかながらでも表示面に曲率を設け、剛性を増す方法が実施される。今仮に表示面の中央部を凸となるように構成した場合、表示領域中央部でのh1を限りなく『0』に設定する事は可能となる。しかしながら表示領域周辺部では、表示面が凸となっている事で、光束が表示面によって遮断されることを防止するために、少なくともそのふくらみ高さ分だけのh1を設定することになるので、表示領域(=入力領域)全体でh1を『0』に設定する事はできない(具体的に表示面のふくらみを、周辺部より中央部でたとえば5mm高くすると、周辺部でのh1は少なくとも5mm必要と言う事になる)。逆に、表示面の中央部を凹賭した場合であっても、今度は表示領域周辺部でほぼ『0』に設定する事は可能であるが、表示領域中央部ではそうならない。
以上剛性と言う観点で説明したが、仮に十分な剛性が得られたとしても、このh1を『0』に設定する事は困難である。具体的な数字を持って説明するほうがイメージしやすいので、仮に表示サイズが対角70インチ、縦横比3:4の表示装置があるとすると、表示領域の大きさは、約1060mm×1420mm程度で、面積としては約1.5mに相当する。表示面の素材の平面度、取り付け面の平面度、或いは熱膨張の影響等を考慮すれば、この表示面を装置に組み込んだ状態で、表示面の平面度をほぼ『0』に維持する事は不可能であると言えるし、たとえその公差が±1mm程度で有ったとしても、産業上大きな困難が伴なう。従って、h1の値を『0』に設定する事は、この観点からも困難と言える。
さらに、光束の幅h2を小さくする事でも上記課題を改善する効果を有するが、この場合も発光源の光放射強度や、放射した光を集光する等の光学系が高価になる等の課題が別途発生し、実用的な課題解決方法とはならない。
さらには、例えば操作者が指示具を用いて座標入力面をタッチする事で、ペン自身が発光し、複数のセンサでその光を検知して指示具の位置座標を求める方式に有っては、発光がペンダウンを意味するので、上記の様な『尾引き』等の課題は生じない。しかしながら座標入力を行う場合には、発光ペンが必須であり、例えば、本願発明の実施例の項で詳細が述べられている『近接入力』等の機能を実現する事ができず、操作性に優れた方式とは言う事ができない。
以上の課題を解決するために本願発明は、指示具の動作状態に応じて点灯する発光手段を有する指示具を用いて座標入力を行う事ができる座標入力装置であって、座標入力有効領域の隅部に設けられた複数の受光検出手段と、前記座標入力有効領域の周辺部に設けられ再帰的に入射光を反射する再帰反射手段と、該再帰性反射手段に向けて座標入力面に略平行に光束を投光する投光手段と、該再帰反射手段で再帰反射した光束を受光する受光手段とを有し、指示具によって前記光束を遮光することによって、前記受光手段から得られる光量分布の変化から、指示具による遮光部分の位置座標を算出する位置算出手段と、指示具の動作状態に応じて点灯する指示具の発光手段からの光を前記受光手段で検出する事によって、前記受光手段から得られる光量分布の変化から、指示具の動作状態を検知する検知手段を有することで、指示具の位置座標、及び指示具の動作状態を検出できるように構成したものである。
さらには、指示具の先端部が座標入力面をタッチする事でオン/オフするスイッチ手段を設け、該スイッチ手段のオン/オフに応じて、点灯/非点灯する発光手段を指示具に設けることで、前記受光手段で指示具の位置座標及び指示具が座標入力面に当接しているか否かを判定できるように構成したので、文字等を入力するような場合に合っては『尾引き』による操作性の低下を防止すると共に、あるいは操作者による『ダブルクリック』動作等を、確実に検知できるように構成した。さらには、指示具による遮光位置、及び指示具の動作状態を同一の受光手段により検出できるように構成したので、構成を簡略化し安価に製造できるように構成した。
以上述べたように本願発明では、発光ペンによりペンアップ/ダウンを容易に検知する事ができる様になったので、座標入力装置としての操作性を著しく向上するとともに、近接入力を実現する事で、細かい文字や複雑な図形入力が容易に行えるようになった。さらには、発光ペン8で発光した光信号を、特別な素子を用いることなく、遮光部位を検知するためのセンサユニット1を用いて同時に検出しているために、座標入力装置の構成を簡素化し、安価に装置を構成する事ができる優れた利点も得られる様になった。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明に係る座標入力装置の概略構成について図2を用いて説明する。
図中1L、1Rは投光手段および検出手段を有するセンサユニット1であり、本実施例の場合、図示の如く座標入力有効領域4のX軸に平行に、かつY軸に対称な位置に所定距離離れて配置されている。センサユニット1は制御・演算ユニット2に接続され、制御信号を制御・演算ユニット2から受け取ると共に、検出した信号を制御・演算ユニット2に送信する。3は入射光を到来方向に反射する再帰反射面を有する反射手段であり、左右それぞれのセンサユニット1から略90°範囲に投光された光を、センサユニット1に向けて再帰反射する。
反射された光は、集光光学系とラインCCD等によって構成されたセンサユニット1の検出手段によって1次元的に検出され、その光量分布が制御・演算ユニットに送られる。
前述した座標入力有効領域4は、PDPやリアプロジェクタ、LCDパネルなどの表示装置の表示画面で構成することで、インタラクティブな入力装置として、利用可能となる。
このように構成することで、入力領域に指などによる入力指示がなされると、上記投光手段から投光された光が、指等の指示手段によって遮られ、センサユニット1の検出手段ではその部位のみの光(再帰反射による反射光)を検出する事ができなくなり、その結果、どの方向からの光が検出できなかったかを判別することが可能となる。つまり制御・演算ユニット2の演算制御手段は、左右のセンサユニット1の光量変化から入力指示された部分の遮光範囲を検出し、その遮光範囲の情報から遮光位置の方向(角度)をそれぞれ導出する。さらに、前記導出された方向(角度)、及びセンサユニット1L、及び1R間の距離情報等から、入力エリア上の座標位置を算出すると共に、表示装置に接続されているPCなどに、USBなどのインタフェースを経由して座標値を出力する。
このようにして、指等の指示具によって、画面上に線を描画したり、表示画面上のアイコン操作によりPCの制御等が可能となる。
以降、各部分毎にその構成、動作について詳細説明を行う。
〈センサユニット1の詳細説明〉
図3はセンサユニット1中における投光手段の構成例を示したものである。
図3−1は投光手段を正面方向(座標入力面6に対し垂直方向)から見た図であり、図中31は赤外光を発する赤外LEDであり、発光した光は投光レンズ32によって、略90°範囲に光を投光する。一方、図3−2は同じ構成を横から見た側面図であり(入力面に対し水平方向)、この方向では、赤外LED31からの光は上下方向に制限された光束として投光され、主に、再帰反射手段3に対して光が投光されるように構成されている。
図4はセンサユニット1中における検出手段を図示したのものであり、図3と同様に、図4-1は正面方向(座標入力面6に対して垂直方向)から、また図4-2はその側面図である。なお正面図4-1中の破線部分は、側面図4-2に示される前述したセンサユニット1中の投光手段の配置を示すものである。本実施例の場合、投光手段と検出手段を重ねて配置しており、その距離Lは、投光手段から再帰反射手段3までの距離に比べて十分に小さな値であり、距離Lを有していても十分な再帰反射光を検出手段で検知することが可能な構成となっている。
また、図4-2において本願発明の検出手段は、1次元のラインCCD41および集光光学系としてのレンズ42,43および、入射光の入射方向を制限する絞り44、可視光など余分な光の入射を防止する赤外フィルター45からなり、投光手段で投光された光は、再帰反射部材3によって反射され、前述赤外フィルター45、絞り44を抜けて集光用レンズ42,43によって、CCDの検出面上に集光される。
同様に図4-1において説明を加えると、前述した略90°方向に投光された投光手段の光は、再帰反射部材3によって反射され、前述赤外フィルター45、絞り44を抜けて集光用レンズ42,43によって、反射光の入射角に応じたCCD41の画素上に結像することになる。従って、CCD41の出力信号は、反射光の入射角に応じた光量分布を出力することになるので、CCD41画素番号が角度情報を示すことになる。
〈制御・演算ユニットの説明〉
図2の制御・演算ユニット2とセンサユニット1L、 センサユニット1Rの間では、CCDの制御信号、CCD用クロック信号、CCDの出力信号、および、LEDの駆動信号がやり取りされている。
図5は制御・演算ユニットのブロック図である。CCD制御信号は、ワンチップマイコンなどで構成される演算制御回路83から出力されており、CCDのシャッタタイミングや、データの出力制御などをおこなっている。CCD用のクロックはクロック発生回路87からセンサユニットに送られると共に、CCDとの同期をとって、各種制御を行うために、演算制御回路83にも入力されている。
LED駆動信号は演算制御回路83からLED駆動回路84L、84Rをへて、センサユニット1中の赤外LED31に供給されている。
センサユニット1の検出手段であるCCD41からの検出信号は、制御・演算ユニット2中のADコンバータ81L、81Rに入力され、演算制御回路83からの制御によって、デジタル値に変換される。変換されたデジタル値は必要に応じてメモリ82に記憶され、後述する方法で角度算出、さらには座標値が求められ、その結果を外部PCなどにシリアルインタフェース88などを介して出力される。
〈光量分布検出の説明〉
図6は制御信号のタイミングチャートである。
91,92,93がCCD制御用の制御信号であり、91SH信号の間隔で、CCDのシャッタ解放時間が決定される。92、93はそれぞれ左右のセンサへのゲート信号であり、CCD内部の光電変換部の電荷を読み出し部へ転送する信号である。
94、95は左右のLEDの駆動信号であり、SHの最初の周期で一方のLED(センサユニット1L中のLED)を点灯するために94の駆動信号がLED駆動回路(この場合LED駆動回路84L)を経てLEDに供給される。次の周期でもう一方のLED(この場合、センサユニット1R中のLED)が駆動される。双方のLEDの駆動が終了した後に、CCDの信号が左右のセンサから読み出される。
読み出される信号は、例えば指、或いは指示具等による入力がない場合、つまり遮光部分が無い場合には、それぞれのセンサからの出力として、図7-1のような光量分布が得られる。もちろん、このような分布がどのシステムでも必ず得られるわけではなく、再帰反射シートの特性(例えば再帰反射部材の入射角による再帰反射効率に依存)やLEDを含む投光手段の特性、また、経時変化(反射面の汚れなど)によって、この分布は変化する。
図7-1において、Aのレベルが最大光量を検出した時のレベル、Bのレベルが最低レベルであるものとすれば、反射光のない状態では、得られるレベルはB付近になり、反射光量が増えるほどAのレベルに近づく事になる。この様にCCDから出力されたデータは、逐次AD変換されCPUにデジタルデータとして取り込まれる。
図7-2は指等で入力を行った、つまり、反射光を遮った場合の出力の例である。Cの部分が指などで反射光が遮られたため、その部分のみ光量が低下している。
検出は、この光量分布の変化を検知して行うものであり、具体的に説明すれば、まず図7-1のような入力の無い初期状態(以後、初期状態で得られたデータを初期データと言う)を予めメモリ82に記憶しておき、それぞれのサンプル期間で得られるデータとあらかじめ記憶しておいた初期データとの差分を算出する事で、図7-2のような変化があるかどうかを判別する。
〈角度計算の説明〉
角度計算にあたっては、まず、遮光範囲を検出する必要がある。
先にも述べた用に、光量分布は経時変化などで一定ではないため、システムの起動時などに前述した初期データを記憶する事が望ましい。つまり、工場等の出荷時に初期データを設定し、そのデータの更新が、逐次行われなければ、例えば所定の位置の再帰反射面にゴミが付着した場合、その部分での再帰反射効率が低下するので、あたかもその位置(センサから見た方向)で座標入力動作が行われた、すなわち誤検出してしまうと言う重大な結果を引き起こす。従って、システムの起動時などに前述した初期データを記憶する事で、再帰反射面が経時的にほこり等で汚れて再帰反射効率が落ちていても、その状態を初期状態として設定しなおすことができるので、誤動作をする事が無くなると言う優れた利点が得られる様になる。
さて、電源投入時、入力の無い(遮光部分が無い)状態で、まず投光手段から照明すること無しにCCDの出力をAD変換して、これをBas_data[N]として、メモリ82に記憶する。これは、CCD41のバイアスのばらつき等を含んだデータとなり、図7-1のBのレベル付近のデータとなる。ここで、Nは画素番号であり、有効な入力範囲に対応する画素番号が用いられる。次に、投光手段から照明した状態での光量分布を記憶する。図7-1の実線で表されたデータであり、Ref_data[N]とし、初期データの記憶を完了する。
これらのデータを用いてまずは入力が成されたか、遮光範囲があるかどうかの判定を行う。
あるサンプル期間のデータをNorm_data[N]とする。まず遮光範囲を特定するために、データの変化の絶対量によって、有無を判定する。これは、ノイズなどによる誤判定を防止し、所定量の確実な変化を検出するためである。変化の絶対量を各々の画素において以下の計算を行い、予め決定してある閾値Vthaと比較する。
Norm_data_a[N] = Norm_data[N] − Ref_data[N] (1)
従って、Norm_data_a[N]は各画素における絶対変化量に相当する事になる。
この処理は、差をとり比較するだけなので、処理時間をさほど使わないので、入力の有無の判定を高速に行う事が可能である。
Vthaを初めて超えた画素が所定数を超えて検出されたときに入力があったと判定する。
次に、より高精度に検出するために、変化の比を計算して入力点の決定を行う。図8で121を再帰反射面とする。ここでα領域が汚れなどにより反射率が低下していたとすると、このときのRef _data[N]の分布は、図9−1のように、領域αの反射光量が少なくなる。この状態で、図8のように指などの指示具5が挿入され、ほぼ再帰反射部材の半分を覆ったとすると、反射光量は略半分となるため、図9−2の太線で示した分布Norm_data[N]が観測される。この状態に対して、式(1)を適用すると、図10−1のようになる。ここで、縦軸は初期状態との差分電圧になっている。
このデータに対して、閾値Vthaと比較すると、本来の入力範囲をはずれてしまうような場合(図10-1の破線領域)がある。もちろん、閾値Vthaをより小さな値に設定する事で、ある程度の検出は可能となるが、ノイズなどの影響を受ける可能性が大きくなり、座標算出性能を劣化させると言う弊害が発生する。そこで、指示具5によって遮られる光量は、α領域、β領域ともに最初の半分(α領域ではV1レベル相当、β領域ではレベルV2相当)であるので、次式で変化の比を計算する。
Norm_data_r[N] = Norm_data_a[N] / (Bas_data[N] - Ref_data[N]) (2)
この計算結果を示すと、図10−2のようになり、変動比であらわされるため、反射率が異なる場合でも、等しく扱う事が可能になり、このデータに対して、閾値Vthrを別途設定して、その立ち上がり部と立下り部の画素番号から、例えば両者の中央を入力画素として、高精度に画素情報が取得可能となる。
ところで、図10−2は説明のために模式的に描いたものであり、実際の検出信号波形は詳細に表示すると、図11の様になる。いま閾値Vthrと比較して遮光領域の立ちあがり部分は、Nr番目の画素で閾値Vthrを越えたとし、Nf番の画素で閾値Vthrを下まわったと仮定する。この時、出力すべきCCDの画素番号Npを、先に説明した様に、立ち上がり部と立下り部の画素番号の中央値として
Np = Nr + (Nf-Nr)/2 (3)
のように計算してもよいが、そうすると、CCDの画素間隔が出力画素番号の分解能になる。そこで、より高分解能に検出するために、画素の出力レベル情報を用いて演算を行う。
図11において、画素番号NrのCCD出力レベルをLr 画素番号Nr-1の出力レベルをLr-1とする。同様に、画素番号Nfの出力レベルをLf、画素番号Nf-1の出力レベルをLf-1とする。このとき検出すべき画素番号を、それぞれのNrv、Nfvとすれば、
Nrv = Nr-1 + ( Vthr Lr-1 ) / ( Lr Lr-1 ) (4)
Nfv = Nf-1 + ( Vthr Lf-1 ) / ( Lf Lf-1 ) (5)
と計算すれば、出力レベルに応じた仮想の画素番号、つまりCCDの画素番号よりも細かい画素番号を取得でき、出力される仮想中心画素Npvは、
Npv = Nrv + (Nfv-Nrv)/2 (6)
で決定される。
このように、画素番号とその画素の出力レベルから仮想的な画素番号を計算することで、より分解能の高い検出が可能となる。
〈CCD画素情報から角度情報への変換〉
さて、得られた中央画素番号から、実際の座標値を計算するためには、前述の画素番号を角度情報に変換する必要がある。
図12は得られた画素番号と角度Θの関係をプロットしたものである。この関係の近似式
Θ=f(N) (7)
を求め、この近似式よりデータの変換を行う。本願発明では、1次近似式を用いて近似できる様に、先に説明したセンサユニット1中の検出手段のレンズ群を構成するが、レンズの光学的収差等により、より高次な近似式を用いたほうが、より高精度に角度情報を得る事が可能となる場合がある。どのようなレンズ群を採用するかは、製造コストと密接に関連し、レンズ群の製造原価を下げる事によって一般的に発生する光学的な歪を、より高次の近似式を用いて補正する場合には、それなりの演算能力(演算速度)を要求されるので、目的とする製品に要求される座標算出精度を鑑みながら、その両者を適宜設定すれば良い。
一方、後述する方法で角度情報から座標値を算出する場合には、得られた画素番号から角度そのものを算出するよりも、その角度における正接(tangent)の値を求めるほうが、三角関数の演算を省略する事が可能となるので都合が良い。図13はこの観点に立ち、画素番号に対するtanθ値をプロットしたものであり、この関係より近似式を求め、その近似式を用いて画素番号からtanθ値への変換を行う。例えば、近似式として5次多項式を用いる場合には、係数が6個必要になるので、出荷時などにこのデータを不揮発性メモリなどに記憶する。今5次多項式の係数をL5,L4,L3,L2,L1,L0とした時、tanθは
tanθ = (L5 *Npr + L4) *Npr + L3) *Npr + L2) *Npr + L1) *Npr + L0 (8)
で得られる。同様な演算を各々のセンサに対して行えば、それぞれの角度データを決定できる。
〈座標計算方法の説明〉
図14は画面座標との位置関係を示す図である。座標入力崇高エリア4の水平方向にX軸、垂直方向にY軸を、そして座標入力有効エリア4の中央を原点位置に配置するものとし、入力範囲4の上辺左右にセンサユニット1L、及びセンサユニット1RをY軸に対称に取り付け、そのセンサユニット間の距離をDsとする。また図示されている様に、センサユニット1のCCDの受光面は、その法線方向がX軸と45°の角度を成すように配置され、その法線方向を0°と定義する。この時角度の符号は、左側に配置されたセンサユニット1Lの場合には、時計回りの方向を『+』方向に、また右側に配置されたセンサユニット1Rの場合には、反時計回りの方向を『+』方向と定義する。さらには、図中P0は前述した各センサの法線方向の交点位置であり、Y軸方向の原点からの距離をP0yと定義する。この時、それぞれのセンサユニット1で得られた角度をθL、θRとして、検出すべき点Pの座標P(x,y)は、
Figure 2005165831
で得られる。
以上述べたように、指、あるいは指示具等による遮光位置を検出して、指、あるいは指示具等の位置座標を検出する座標入力装置について説明した。しかしながら光を遮光することによって位置座標を求めるこの種の座標入力装置にあっては、課題の項でも説明した様に、指、あるいは指示具が座標入力面6に接触していなくても、その遮光位置を計算してしまい、次の様な課題を発生させる。
その課題について具体的に説明すれば、本願発明の座標入力装置を例えば特定の領域の座標値(特定の領域とは、例えばある座標値を中心とした半径Rの領域、或いは、ある座標値を重心とした多角形等の意味で、ある面積を有する特定の場所)を出力した場合に、その特定領域に割り付けられた動作を実行するように構成した場合を想定する。つまり、前述した特定領域に相当する部位に、表示装置によりスイッチを示すアイコンを表示させ、操作者がそのアイコンをタッチ(クリック)する事によって、その領域内のいずれかの座標値を本願発明の座標入力装置が出力し、スイッチに割り付けられた動作を実行するように構成したものである。
図18を用いて具体的に説明すればは課題を説明すれば、図18-2は正面方向から見た配置図であり、例えば、座標入力有効領域の左下隅部にスイッチ領域を設置した場合の例である。つまり、操作者が指等の指示具5で、その領域を指示することによって、スイッチのオン/オフ相当の制御をできる様に意図した構成であって、例えば、有る特定の領域を指示する事によって、特定のアプリケーションを起動できるようにしたものである。図18-1は図18-2におけるA-A断面の概略を示すものである。6は座標入力有効領域4を含む平面を有する部材であって、本願発明の場合、前述した通り、表示装置の表示面を兼ねる。センサユニット1中の投光手段で照明された光束は、略表示装置の表面に平行に放射され、再帰反射部材3によって再帰反射されセンサユニット1中の検出手段にて検知される。この光束は図18-1に示すが如く表示面からの高さh1、幅h2の範囲に設定(再帰反射部材3の設置範囲に相当)されるが、この高さh1を『0』に設定する事は、次の理由により容易でない。
一般に大型の表示装置、特に大勢の参加者が表示装置を用いて会議を行う会議システムにあっては、その表示サイズは対角60インチ〜100インチ程度、或いはそれ以上の大きさの表示装置が要求される。さらには、表示装置の表面を座標入力面6としている事から、指等によって押圧されてもその表示面はたわまない事が要求される。従って、剛性を有する素材で表示面を製作する事になるが、その表示領域が大きい事、透明性が必要である事を考慮して、例えばガラスを用いるものとすれば、その板厚はかなり厚いものが要求され、重量の大きな装置とならざるを得ない。
さらには、現状の大型表示装置として用いられるリアプロジェクタ方式の表示装置にあっては、その表示面はフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ等の光学特性を有する透明な樹脂板で構成されるのが通例であり、板厚増は重量の増大のみならず、光透過率等が悪化し、表示装置としての機能を低下させる事になる。
そこで通常行われる対策としては、わずかながらでも表示面に曲率を設け、剛性を増す方法が実施される。今仮に表示面の中央部を凸となるように構成した場合、表示領域中央部でのh1を限りなく『0』に設定する事は可能となるが、表示領域周辺部では、表示面が凸となっている事で、光束が表示面によって遮断されるので、少なくともそのふくらみ高さ分だけh1を設定しなければならず、h1を『0』に設定する事はできない(具体的に表示面のふくらみを、周辺部より中央部でたとえば5mm高くすると、周辺部でのh1は少なくとも5mmと言う事になる)。逆に、表示面の中央部を凹とした場合であっても、今度は表示領域周辺部でほぼ『0』に設定する事は可能であるが、表示領域中央部ではそうならない。つまり、表示領域(座標入力領域)全域においてh1=0に設定する事は不可能である。
以上剛性と言う観点で説明したが、仮に十分な剛性が得られたとしても、このh1を『0』に設定する事は困難である。具体的な数字を持って説明するほうがイメージしやすいので、仮に表示サイズが対角70インチ、縦横比3:4の表示装置があるとすると、表示領域の大きさは、約1060mm×1420mm程度で、面積としては約1.5mに相当する。表示面の素材の平面度、取り付け面の平面度、或いは熱膨張の影響とかを考慮して、この表示面を装置に組み込んだ状態で、その表示面の平面度をほぼ『0』に維持する事は不可能であるし、たとえその値が±1mm程度で有ったとしても、産業上大きな困難が伴なうので、この観点でも、h1の値を『0』に設定する事は困難と言えるのである。
さて以上述べたような状況において、図18-2の様に、座標入力有効領域4内に図示するが如くスイッチ領域を複数設定するものとする。この時操作者が例えばスイッチ2(SW2)を動作させて、所望のアプリケーションを実行させようとした場合を考える。操作者の手/指は、表示面に垂直な方向のみの移動を意識してスイッチ動作(図19-2のSW2領域を触る行為)するのではなく、『表示面をまさに触った点がちょうどSW2領域にある』と言う事以外、手/指の移動軌跡は意識しないのが普通であり、例えば図18-1中の太い矢印で示された軌跡で動作が行われる。
この移動動作に伴ない、座標入力装置が判定する動作について説明すると、まず操作者がSW2領域に割り付けられた制御を実行させようとして、SW2領域をタッチするために、表示面6に略平行に設定された光束を遮り始め、(1)の位置まで指/手を移動させたとする。光束を遮り始めた時点で、本願発明の座標入力装置は、その遮光位置の座標を出力し始め、(1)の状態になった時には、ダウンフラグをセットする。このダウンフラグは、操作者が座標入力面6をタッチしたかを判定するために、座標値と共に出力される判定フラグであり、遮られた光がどの程度であるか(先に図8〜10を用いて説明した通り、光束の何%を遮光したかを判断できる)を判定して決定される。その判定閾値をどのレベルに設定するかで、フラグがセットされる位置は変化するが、少なくとも(1)の状態は光束のほぼ全てを遮っているため、ダウンフラグセット状態となる。この時点では、操作者はまだ表示面6を触れていないので、スイッチを動作させたつもりには至っていないが、(2)の位置(表示面6に接触した位置)でSW2領域を押圧、つまりスイッチ動作をさせたと認知する事になる。操作者はスイッチ動作をさせたと言う目的を達成して、(3)の位置に指/手を移動させることになるが、(3)の位置にあっても、座標入力装置はダウンフラグをセットしたまま(光束のほぼ全てが遮られているため)、座標値を出力し続けている。そして(4)の位置に移動するにつれて、座標値は連続的に出力しているものの、遮られる光の量がだんだんと減り、判定閾値の値に応じた位置でダウンフラグが解除され、やがて光束を遮る事が無くなった所で、座標出力を停止する事になる。
さて、ここで問題となるのが、操作者が認知したのは、(2)の状態で『SW2領域を押圧した』と言う点だけであるのに対し、本願発明の座標入力装置は、図18-1に示されるダウンフラグと書かれた領域で、座標値と共にダウンフラグセット信号を出力している点である。
つまり、一連の操作者の移動動作によって、ダウンフラグがセットされた状態で最後に出力された座標値が、SW3領域にある場合には、操作者は確実にSW2領域を押圧したにもかかわらず、SW3領域に割り付けられた実行命令が実行されてしまうことになる。これは、操作者に狼狽を与えるばかりでなく、実行命令の内容によっては、修復不可能な状態を招く重大な恐れが生じることになる。
その対策としては、例えばSW1領域とSW2領域の間(隙間)を十分に大きくとる、或いは、ダウンフラグがセットされている時の座標値を連続的に監視し、例えばその期間中に出力された座標値の中心を確定値とする等の手段も考えられるが、前者は、スイッチ間が大きく、操作性が悪い、或いは多数のスイッチを配置できない等の課題が新たに生じるし、後者は、例えば『間違った領域を指し示してしまったけど、(2)の状態のまま指を移動させて、正しい位置で指を離す事によって、目的を達成する』等の動作は良く行われるので、必ずしも中心位置が操作者が意図した正しい位置とは限らないのである。
さらには課題の項でも述べたように、『尾引き』の問題、あるいは、所定の時間内に例えば入力面を2回タップする事で実現するダブルクリック等の動作を検知できないといった課題も発生している。
以上説明した不具合を解消するために、本願発明の実施例は、指示部材7の先端部67が座標入力面6に接触したかを判定するスイッチ手段61を有する専用の指示部材(以後発光ペン8)を有する。図15は発光ペン8の内部構成を示した図である。発光ペン8は電池66、電池電圧を昇圧するためのコンバータ65、スイッチ信号を検出し、光のON/OFFを制御するペン制御回路64とペン先67に設けられたペン先スイッチ61、及び発光LED63からなる。ペン先スイッチ61をON、OFFすると、ペン制御回路は、LED63より光出力を放射し、放射された光出力は反射ブロック62により反射され、発光ペン6の軸方向に垂直な方向に光を放射する。放射された光出力は、センサユニット1中のCCD41にて検出される。
図1は、発光ペンからの放射光が無い状態(消灯時A)、及び光が放射されている状態(点灯時B)のCCD41の出力信号を模式的に説明する説明図であり、それぞれ図A-3及び図B-3に座標入力面6、及び光束、及び発光ペン8の位置関係の側面図、図A-2及び図B-2にその正面図、図A-0にCCD41の出力波形を示したものである。まず消灯時について説明すれば、発光ペン8が操作者によって操作され、センサユニット1中の投光手段が発光した光束を遮蔽した状態を示すものであるが、座標入力面6と発光ペン8の先端部67はまだ接触しておらず、従って発光ペン8からの発光は行われていない(消灯時)。従ってCCD41で出力される信号は図7でも説明した様に、図A-0で示される波形となり、遮光部位に基づく位置検出のみが行われる。なお、この時に遮光された信号部分(破線内で示されるC部)を拡大して表示したのがC部拡大図A-1である。
操作者がさらに発光ペン8を移動させて座標入力面6に発光ペン8の先端部67を接触させると、発光ペン8中のペン先スイッチ61が動作して、発光ペン8の中心部からの光放射が開始される(図B-3、図B-2参照)。放射された光信号の大部分は、再帰反射部材3によって、発光LED63に集光されるが、放射された光信号の一部のみが、センサユニット1に到達する(図B-2における太矢印線)。
この時、発光ペン8はセンサユニット1中の投光手段が発光した光束を遮蔽すると共に、自らが放射した光信号の一部がCCD41で検出されるので、CCD41の出力信号のC部拡大図は図B-1のようになる。従って、図A-1の状態の信号波形と図B-1の状態の信号波形を比較する事によって、発光ペン8からの光放射の有無、すなわち、発光ペン8が座標入力面6にタッチしているか否かを判定(ペンアップ/ペンダウン判定)できるようになる。
図17は横軸にCCD画素番号、縦軸に先に説明したCCD出力信号の変化の比Norm_data_r〔N〕をとり、CCD41の出力信号の遮光部分のみを拡大したC部拡した模式的な図であり、図17-1はペンアップ状態の信号、図17-2はペンダウン状態の信号を示す。両者の識別は、例えば座標算出のために検出された信号の最大値の例えば10%ダウンの値をVth_sとする様に設定(図17の場合には、検出されたCCD信号の変化の比の最大値は=1であり、その値の10%ダウンの値=0.9に閾値Vth_sが設定される)する。そして図17-1の場合にはVth_sを超える信号は連続している存在するのに対し、図17-2の場合にはVth_sを超える信号が検出された後、Vth_s以下の信号が得られ、その後再びVth_sを超える信号が得られるような状態となるので、閾値Vth_sと信号を比較する事で、ペンアップ/ペンダウンを検知できる。
ペンアップ/ペンダウン検知方法は、上述した座標算出に必要なCCD41の出力信号の最大値に基づき設定される閾値による方法の他に、例えば図17-1の信号は上に凸の信号であるのに対し、図17-2の信号は、複数の極値を有する信号波形であるから、例えば信号波形を微分する事によって得られる信号のゼロクロス点の個数をカウントすることでも、ペンアップ/ペンダウンを検知する事が可能である。
さて、図16はデータ取得から座標計算までの工程を示したフローチャートであり、本願発明の座標入力装置の一連の処理工程を詳述する。
まずS101で電源投入が行われると、S102で演算制御回路などのポート設定、タイマ設定などさまざまな初期化が行われる。S103は立ち上げ時のみに行う不要電荷除去のための準備である。CCDなどの光電変換素子においては、動作させていない時に不要な電荷が蓄積している場合があり、そのデータをそのままリファレンスデータとして用いると、検出不能、あるいは誤検出の原因となる。それを避けるために、前述した投光手段の照明無しの状態で、CCDからのデータをS103で予め設定された回数読み出す(S104)ことにより、CCDに蓄積されていた不要電荷の除去を行っている。S105は所定回数繰り返すための判断文である。S106は投射手段の照明無しの状態でのデータの取り込みであり、リファレンスデータとして上述したBas_data[N]の取得に相当し、S107にてメモリに記憶され、以降の計算に用いられる。
S108では、投射手段で照明したときの初期光量分布に相当するリファレンスデータRef_data[N]の取り込みを行い、S109にて同様にメモリーに記憶する。
以上のステップまでが、電源投入時の初期設定動作と言う事になるが、この初期設定動作は、リセットスイッチ等により操作者の意図によって動作するように構成しても良い事は言うまでも無く、この初期設定動作を経て、通常の取り込み動作状態に移行することになる。
S110で信号が正常に取得できたら、S111でRef_dataとの差分値で遮光部分の有無を判定する。無いと判定されたときには、S110にもどりまた取り込みを行う。S112で遮光領域が有りと判定されたら、S113で式(2)の処理により比を計算する。S114にて、得られた比に対して閾値で立ち上がり部、立下り部を決定し、(4)、(5)、(6)式で画素番号を計算する。得られた画素番号から近似多項式より例えばTanθを算出し(S115)、左右のセンサユニットでのTanθ値からx、y座標を(9)、(10)式を用いて算出する(S116)。
次にS117にて指等の指示具が座標入力面6をタッチしているかの判定を行う。先に説明した通り、発光ペン8からの発光があるか否かを判定する事は遮光部位の信号波形を比較する事で容易に判定でき、発光ペン8からの発光がある場合には、ペン先部材67が入力面を押圧してペン先スイッチ61が動作している状態を示すダウンフラグをセットし(S118)、そうでない場合にはダウンフラグをリセットする(S119)。
S120では、座標値とダウン状態が決定されたので、そのデータをホストPCへ送信する。これは、USB、RS232などのシリアル通信で送っても良いし、任意のインタフェースで送れば良い。送られたPC側では、ドライバーがデータを解釈し、カーソルの移動、マウスボタン状態の変更などを座標値、フラグなどを参照しておこなう事で、PC画面の操作が可能になる。S120の処理が終了したら、S110の動作に戻り、以降電源OFF、もしくは、操作者の意図によってリセット状態が設定されるまで、この処理を繰り返す事になる。このときの繰り返し周期を10[msec]程度に設定すれば、この座標入力装置は100回/秒の座標サンプリングが可能となる。
さて、本願発明の実施例が如く、指示具の先端が座標入力面6とどのような位置関係にあるかを正確に判定するペン先スイッチ61を設ける事で、先に説明した『尾引き』等の障害、あるいは操作性の低下等を回避することが可能となる。この様な専用の筆記具を用いた場合には、次のように構成する事で、新たな利点を得る事が可能となる。図19で説明した通り、指等の遮蔽物によって座標入力を行う場合には、ダウンフラグの設定の制約によりh1の値をできるだけ小さくするのが好ましいとされた。しかしながら専用の筆記具を用いる場合には、別の手段によってダウンフラグの設定は容易に行えるので、この制約が無くなる。従って、図20-2に示すが如く意図的にh1の値を設定し、座標入力面6より離れた位置にあっても座標入力を行えるように構成できる。使い勝手としては、座標入力面6より離れた位置にあっても指示具の位置を検出できるので、その座標検出値に例えば表示されているカーソルを移動することで、指示具の位置を表示画面上で確認できるようになり、表示画面上の所望の位置を正確に指示することができる優れた利点が得られるようになる。この離れた位置でも座標入力が行える機能を以後『近接入力』と称し、近接入力を実現するために意図的にh1の値を設定し、h1の値を設定する事で生じる先に述べた各種課題をペン先SW61の状態を検知する事で解消している。
本発明のCCD出力の特徴を説明する説明図 座標入力装置の概略構成図 センサユニット1中の投光手段を説明する説明図 センサユニット1中の検出手段を説明する説明図 制御・演算ユニット2のブロック図 発光のタイミングチャート 光量分布(CCD出力)の一例 経時変化の例の説明図 光量変化の説明図 光量変化量と光量変化率の説明図 遮光範囲検出の説明図 画素番号Nと角度Θの関係の説明図 画素番号NとtanΘの関係の説明図 座標算出の説明図 発光ペン8の概略構成図 座標算出のためのフローチャート ペンダウン/ペンアップの判定を説明する説明図 文字入力の際に発生する尾引きを説明する説明図 クリック動作における課題を説明する説明図
符号の説明
1L,1R センサユニット
2 制御ユニット
3 再帰反射部材
4 座標入力有効領域
5 遮光部材
6 表示面(座標入力面)
8 発光ペン

Claims (2)

  1. 座標入力有効領域の隅部に設けられた複数の受光検出手段と、前記座標入力有効領域の周辺部に設けられ再帰的に入射光を反射する再帰反射手段と、該再帰性反射手段に向けて座標入力面に略平行に光束を投光する投光手段と、該再帰反射手段で再帰反射した光束を受光する受光手段、並びに位置指示具の動作状態に応じて点滅する発光手段を備える指示具を有する座標入力装置であって、指示具によって前記投光手段により投光された光束を遮光することによって生じる前記受光手段から得られる光量分布の変化により、指示具による遮光部分の位置座標を算出する位置算出手段、並びに指示具の動作状態に応じて点滅する指示具の発光手段からの光の有無によって前記受光手段で得られる光量分布の変化から、指示具の動作状態を検知する検知手段を有する事を特徴とする座標入力装置。
  2. 前記第一項記載の座標入力装置であって、指示具に具備された指示具の動作状態に応じて点滅する発光手段は、指示具の先端部が座標入力面をタッチする事でオン/オフするスイッチ手段の出力結果に基づき、点滅する事を特徴とする座標入力装置。
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