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JP2005157303A - 定着用部材、定着用ローラ、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着用部材、定着用ローラ、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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JP2005157303A
JP2005157303A JP2004269840A JP2004269840A JP2005157303A JP 2005157303 A JP2005157303 A JP 2005157303A JP 2004269840 A JP2004269840 A JP 2004269840A JP 2004269840 A JP2004269840 A JP 2004269840A JP 2005157303 A JP2005157303 A JP 2005157303A
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heat
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Hisashi Kikuchi
尚志 菊地
Takashi Fujita
貴史 藤田
Yukimichi Someya
幸通 染矢
Katsuhiro Echigo
勝博 越後
Hiroyuki Kunii
博之 国井
Shigeo Kurotaka
重夫 黒高
Atsushi Nakato
淳 中藤
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

【課題】 断熱性に優れた定着用部材または定着用ローラを提供する。
【解決手段】 定着用ローラである加圧ローラの芯金16と表層19の間に設けられた断熱層17Aは、凹凸フィルム20を積層して形成されている。積層フィルム間には空間Kが形成される。この空隙率は、従来の断熱材である発泡シリコーンゴムよりも大きく、断熱性に優れる。このため、定着ローラ(加熱ローラ)からの熱が加圧ローラの芯金16に伝わりにくくなり、立ち上がり時間の短縮及び温度低下の抑制を図ることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、未定着トナーの定着に用いる定着用部材、定着用ローラ、定着装置及び画像形成装置に関する。
特開2002−40855号公報 特開2000−206815号公報 特開2000−275996号公報 特開2001−65544号公報 特開2001−343850号公報
電子写真方式の画像形成装置においては、記録媒体上に転写した未定着トナー像を定着するための定着装置を備えている。その定着装置として、従来はヒートロール方式の定着装置が広く用いられてきた。
ヒートロール方式の定着装置は、内部にハロゲンヒータ等の熱源を有する定着ローラに加圧ローラを圧接させてニップを形成し、該ニップに記録材を通過させて未定着トナー像を定着する。金属等の芯金上に弾性層(断熱層)及び離型層を積層したローラは熱容量が比較的大きいため、該ローラを室温から設定温度まで加熱するのに必要な立ち上がり時間は長くなる。
立ち上がり時間を短縮することは省エネルギーのために重要である。定着ローラ等においては芯金や弾性層を薄肉化することで低熱容量にすることができ、立ち上がり時間の短縮が可能である。しかし、従来の加熱ローラでは、ローラ内部に熱源を配置しているためローラ表面まで熱が伝わるのに時間的なロスがあり、特に、充分な厚さの弾性層を必要とするカラー画像定着用の加熱ローラにおいてはこの時間的なロスは大きくなる。そのため、立ち上がり時間の遅れや、通紙時の温度低下からの復帰に時間が掛かり、連続通紙時に定着部材の温度が下がることにより定着性が低下するなどの課題があった。
そこで、ローラの外部に熱源を配置し、定着部材表面を直接加熱する外部加熱方式が、例えば上記特許文献1に提案されている。この外部加熱方式では、加熱が必要な表層のみを加熱しているので、立ち上がり時間は非常に速くなり、また、通紙時の温度低下からの復帰のレスポンスも良くなっている。しかし、実際は、表層の熱が加熱を必要としないローラ内部や加圧ローラなどに逃げて行くため、表層のみを加熱する場合の理論値よりも立ち上がり時間は遅くなる。
その対策として、表層の下に断熱層を設けて断熱性を向上させることにより、立ち上がり時間を短縮することが可能である。断熱性の良い部材としては、熱伝導率の低い空気などの気体を内部に含んだ部材が一般的で、上記特許文献2に記載されているように、発泡シリコーンゴムが良く使用されている。発泡シリコーンは空気を含むため熱伝導率が低く断熱性に優れるが、ニップ内では圧縮されて空気含有率が小さくなり、熱伝導率が大きくなってしまう。また圧縮変形するので高面圧が掛けられない、変形の繰り返しで経時で劣化するなどの問題がある。更に圧縮により回転半径が変化するので記録材等を一定速度で搬送する駆動ローラとしては不向きであるという欠点がある。
上記特許文献1には、剛性が高く変形の小さい断熱材として多孔質セラミックスや多孔質樹脂が挙げられ、また、特許文献3あるいは特許文献4には、中空粒子をバインダーに混合したものが記載されている。しかし、これらは断熱性が充分ではなかった。
他にも、例えば特許文献5には、穴のあいた樹脂フィルムを多層に重ねた断熱材が提案されているが、この構成では、上下の層の穴の配置をムラなく位置決めするのは難しく、また空隙率もあまり大きくすることができないという問題がある。
本発明は、従来の定着ローラ等における上述の問題を解決し、断熱性に優れた定着用部材または定着用ローラを提供することを課題とする。
また、断熱性に優れた定着部材または定着用ローラを備えた定着装置及び画像形成装置を提供することも本発明の課題である。
前記の課題は、本発明により、基材上に断熱層を有し、被圧接部材に圧接される定着用部材において、前記断熱層は積層されたフィルム間に分散配置される充填部材を有し、フィルム間に空間が形成されていることにより解決される。
また、前記の課題は、本発明により、基材上に断熱層を有し、被圧接部材に圧接される定着用部材において、前記断熱層は凹凸を有するフィルムを積層して形成され、フィルム間に空間が形成されていることにより解決される。
また、前記の課題は、本発明により、基体ローラと表層の間に断熱層を有する定着用ローラにおいて、前記断熱層は積層されたフィルム間に分散配置される充填部材を有し、フィルム間に空間が形成されていることにより解決される。
また、前記の課題は、本発明により、基体ローラと表層の間に断熱層を有する定着用ローラにおいて、前記断熱層は凹凸を有するフィルムを積層して形成され、フィルム間に空間が形成されていることにより解決される。
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記積層された凹凸を有するフィルム間に分散配置される充填部材を有することを提案する。
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記凹凸を有するフィルム間に平面フィルムが配置されることを提案する。
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記充填部材が粒子状部材であることを提案する。
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記粒子状部材が中空粒子であることを提案する。
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記充填部材が繊維状部材であることを提案する。
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記繊維状部材が中空繊維であることを提案する。
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記積層されたフィルム同士あるいは前記フィルムと充填部材とが接着されていることを提案する。
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記フィルムが前記基体ローラ上に巻回して積層され、該フィルムの巻き始めから巻き終わりへの巻回方向がローラ回転方向と逆方向であることを提案する。
また、前記の課題は、本発明により、基材上に断熱層を有し、被圧接部材に圧接される定着用部材において、前記断熱層は積層した熱可塑性樹脂フィルム間に中空物質を分散させ、加熱により前記中空物質を樹脂で溶着固定したことにより解決される。
また、前記の課題は、本発明により、基体ローラと表層の間に断熱層を有する定着用ローラにおいて、前記断熱層は積層した熱可塑性樹脂フィルム間に中空物質を分散させ、加熱により前記中空物質を樹脂で溶着固定したことにより解決される。
また、前記の課題は、本発明により、請求項1〜14のいずれか1項に記載の定着用部材または定着用ローラを備える定着装置により解決される。
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記定着用ローラとして誘導加熱ローラを有し、該誘導加熱ローラの発熱層の内側に前記断熱層を有することを提案する。
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記定着用ローラとして加熱ローラを有し、該加熱ローラを外部から加熱する熱源を備えることを提案する。
また、前記の課題を解決するため、本発明は、熱源により加熱される定着ベルトを有し、前記定着用部材として前記定着ベルトを加圧部材に押圧するための押圧部材を備えることを提案する。
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記定着用ローラを外部から加熱する熱源を有し、前記定着用ローラ表面に転写させた未定着トナーを前記熱源により直接加熱した後に記録材上に定着させることを提案する。
また、前記の課題は、本発明により、請求項15〜19のいずれか1項に記載の定着装置を備える画像形成装置により解決される。
本発明の定着用部材、定着用ローラ、定着装置及び画像形成装置によれば、断熱層のフィルム間に空間が有ることから断熱性に優れており、定着立ち上がり時間の短縮、温度低下の抑制を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る定着装置を装着可能な画像形成装置の一例を示す断面構成図である。まず、この画像形成装置の概略構成と動作について簡単に説明する。
図1に示す画像形成装置はプリンタであり、このプリンタ本体のほぼ中央部には感光体ドラム1を中心とする作像部が配設されている。感光体ドラム1の周囲には、帯電手段2,現像装置3,転写手段4,クリーニング手段5及び除電手段6等が配設されている。作像部の上方には公知の光書込み装置8が設けられている。作像部の下方には、給紙カセット9が配置されている。また、作像部の図において左方には定着装置10が配設されている。転写手段4と定着装置10の間は搬送ベルト7により連絡されている。なお、定着装置10に代えて後述する各実施形態の定着装置を用いることもできる。
このように構成されたプリンタにおいて、書き込みのための信号は図示しないホストマシーン、例えばコンピュータから送られてくる。受信した画像信号に基づいて露光装置8が駆動され、露光装置のレーザ光源からの光は、モータにより回転駆動されるポリゴンミラーによって走査され、ミラー等を経て、帯電手段2により一様に帯電された感光体ドラム1に照射され、感光体1上に書き込み情報に対応した潜像を形成する。感光体ドラム1上に形成された潜像は、現像装置3で現像され、トナー像となって該感光体ドラム1の表面に形成・保持される。
一方、給紙カセット9内に収納された用紙束の最上位の用紙が給紙ローラ26により給送され、レジストローラ27により感光体ドラム1のトナー像とのタイミングを取って送出される。
感光体ドラム1上のトナー像は、転写手段4により、用紙上に転写される。トナー像転写後の感光体ドラム1の表面に残留するトナーは、クリーニング手段5によってクリーニングされ、その後感光体ドラム1は除電手段6で除電され次の作像サイクルに備える。
トナー像転写後の用紙は搬送ベルト7により定着装置10に送られ、熱と圧力とによりトナー像が用紙上に定着される。トナー像定着後の用紙は、排紙ローラ28によりトレイ29上に排出されスタックされる。
次に、定着装置の実施形態について説明する。
図2に示す定着装置10は、定着ローラ11,加圧ローラ12,加熱手段としてのハロゲンヒータ13等からなり、これらが図示しない定着ケーシングに収められている。定着ローラ11と加圧ローラ12が圧接されて定着ニップを形成しており、それぞれ図示矢印の方向に回転する両ローラ間に記録材(例えば転写紙)Pを通過させ、熱と圧力とにより記録材上のトナー画像Tが記録材に定着される。
定着ローラ11には図示しない温度検知手段が付設され、その温度検知手段の出力に基づいて、定着ローラが設定温度になるように、ハロゲンヒータへの通電が制御される。定着ローラ11は、本例では直径30mmの金属芯金14の表面に離型層として厚さ10μmのテフロン(登録商標)層15をコーティングしている。加圧ローラ(定着用ローラ)12は外経30mmの断熱ローラであり、芯金16上に厚さ1mmの断熱層17を有している。この断熱層17の上には弾性層として厚さ0.3mmのシリコーンゴム層18が形成され、表層は厚さ15μmのPFAチューブを被覆して離型層19となっている。上記弾性層18は硬い定着ローラ11との圧接でニップを形成するために設けてあるが、定着ローラが弾性層を有する場合や、断熱ローラを定着ベルトの支持ローラとして使用する場合は弾性層18はなくても良い。
図3〜6は、上記断熱層17の構成例を説明するための、加圧ローラ12の断面図である。なお、図3〜6の各図では、芯金16上に断熱層17及び離型層19を積層し、弾性層18を有さない構成で示してある。
図3において、芯金16と離型層19の間に設けられる断熱層17Aは、凹凸フィルム20を積層したものである。本例では、図に示すように、凹凸フィルム20の山と谷が、隣接する層で互い違いとなるように積層配置され、断熱層17A中に空間Kを形成している。
凹凸フィルム20は、平面フィルムをエンボス(型押し)加工することにより形成可能で、例えば図7に示すように、平行して延びる長溝24をフィルムの上下に互い違いに並設させた形状とすることもできるし、図8に示すように、多数の台形状断面の凹部(あるいは凸部)25を形成した形状とすることもできる。図7の構成の場合、長溝24がローラ軸方向に延びるようにフィルム20を配置しても良いし、長溝24がローラ周方向に延びるようにフィルム20を配置しても良い。長溝24あるいは凹部25の形状は台形断面に限らず、三角断面の波型溝や多角断面の溝、円錐あるいは多角錐等の凹部など、任意の形状とすることができる。三角断面の場合は強度面で有利である。
図4に示す例は、芯金16と離型層19の間に設けられる断熱層17Bは、鋸歯状フィルム21と平面フィルム22を交互に積層し、空間Kを設けた構成となっている。鋸歯状フィルム21はエンボス加工あるいは折曲加工で形成することができる。本例の構成では、間に平面フィルム22を挟むことにより、鋸歯状フィルム21の山と谷が重なって空間Kが形成されなくなることが防止される。
図5に示す例は、平面フィルム22の間に充填部材としての粒子23を分散配置することにより、空間Kを設けた構成となっている。本例の構成では、粒子径、粒子数により断熱層の空隙率を設定することが容易である。粒子23として中空粒子あるいは真空粒子を用いると断熱効果を高めることができる。粒子23とフィルム22を接着などにより固定してやれば、使用時の圧力などによって粒子が移動して粒子のムラができることがなく、好適である。なお、フィルム22間に配置する充填材は粒子に限定されるものではなく、例えば繊維状部材でも可能であり、特に、中空繊維や多数の空隙を有する繊維などは断熱性の観点から有効である。
図6に示す例は、凹凸フィルム20の間に充填部材としての粒子23を配置した構成となっている。すなわち図3の例におけるフィルム20間の空間Kに適度な割合で粒子23を分散配置したものである。図3の例と比べると粒子23の分だけ空隙率が小さくなるが、強度的には有利である。また、粒子として中空粒子あるいは真空粒子を用いることで、空隙率の低下を抑制することができる。
図9〜12は、弾性層18を有する場合のローラ構成例で、芯金16上に断熱層17、弾性層18及び離型層19を積層したものである。図9〜12に示した断熱層17A〜Dは図3〜6で説明した断熱層17A〜Dと同構成である。カラー画像を定着する場合は弾性層がないと画質が低下するので、カラー画像用の定着装置の場合は図9〜12に示すように断熱層17と離型層19の間にシリコーンゴム等の弾性層18を設けるのが好適である。
また、上記断熱層17A〜Dにおける空間Kは開放された空間として形成されている。断熱層の空間が閉じている場合は、加熱により内部の空気が膨張してローラ径が大きくなり、搬送速度が変動する恐れがある。そこで、断熱層のローラ軸方向の端部をシールせずに開放しておくことにより、断熱層内部の空気は連続した空間を通ってローラ端部から逃げることができるため、加熱により断熱層内の空気が膨張した場合でもローラ径の変動を防止することができる。
そして、上記断熱層17A〜Dを形成するためのフィルム材としては、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾビスオキサゾール、ポリフェニレンスルフィドなど薄いフィルム状に加工できるものであれば材料を限定するものではないが、本実施の形態では耐熱性、材料自体の熱伝導率、強度を考慮してをポリイミドおよびポリフェニレンスルフィド採用している。また、フィルムの厚さや、凹凸形状の寸法(空間Kの大きさ)により、断熱性及び強度を設定することができる。本実施の形態では、ポリフェニレンスルフィドのフィルムの場合、厚さ15μm、凹凸の高さ70μmのものを用いている。フィルムの層数としては10層程度あれば充分に断熱効果があり、断熱層17全体の厚さとしては0.5mm、好ましくは1mm程度あれば立ち上がり時間を短縮することができる。一例として、図7の凹凸フィルム20により構成した断熱層を図13に示す。
図5,6及び図11,12の構成例で用いる粒子23としての中空粒子は、フェノール粒子などの樹脂バルーン、無機系のガラスバルーン、シリカバルーンを用いることができる。中空粒子の壁の厚さは薄いほど空隙率を高くすることができるので、強度面で許すことができる範囲で薄いほうが良い。
ところで、断熱層17を形成するためのフィルムを芯金16上に巻回して積層する場合、図14に示すように、断熱ローラ12の回転方向(図中時計回り)と逆回りに(巻き始めから巻き終わりに向かって)巻くことによって、巻回したフィルム20(21,22)が緩むことがない。さらに、フィルム間で適度に接着したり、粒子23を配置する場合はフィルムと粒子の間で接着することより、より確実にフィルムの緩みを防止することができ、信頼性を高めることができる。上記接着には耐熱性のあるシリコーンゴムなどを塗布しても良いし、接着層を形成したフィルム、例えばユーピレックスフィルム(宇部興産株式会社製)やカプトンフィルム(東レ・デュポン株式会社製)を用いても良い。また、断熱層として熱可塑性樹脂のフィルムを使用することも可能であり、その場合はフィルムを巻き付けた後に、樹脂の融点付近で熱処理を行うことで熱溶着でフィルム間およびフィルムと粒子の固定をすることができる。
図14(a)は弾性層を有さないローラ構成例であり、図14(b)は断熱層17と離型層19の間に弾性層18を設けたローラ構成例である。断熱層を構成するフィルムの巻き終わりにはフィルム1層分の段差が生ずるが、弾性層18を設けることでこの段差を吸収することができる。
上記のような図3〜6及び図9〜12に示した断熱層17A〜Dの構成では、従来の断熱材、例えば発泡シリコーンゴムと比較すると、空隙率が高いので断熱性に優れている。このため、図2の構成では定着ローラ11の熱が加圧ローラの芯金16に伝わりにくくなり、立ち上がり時間の短縮及び連続通紙時等の温度低下の抑制を図ることができる。また、フィルムとして樹脂フィルムを用いることで剛性にも優れている。剛性に優れることから、定着ニップにおける圧縮変形により空隙率が低下して熱伝導率が大きくなってしまうことがなく、断熱性の低下を防ぐことができる。上記のような構成の定着ローラ11と加圧ローラ(断熱ローラ)12を面圧3kg/cmで圧接させたところ、断熱層17(17A〜D)はほとんど変形せず、均一な定着ニップを形成することができた。断熱層17を芯金16と表層(離型層)19間で密閉し、断熱層を減圧処理しても良い。これにより、断熱効果を高めることができる。なお、定着ニップにおける断熱性の低下や搬送速度の変化を許容できる圧縮変形の範囲として、ローラ表面硬度(アスカーC)が60度以上であればよく、好ましくは80度以上であればより高荷重の範囲まで使用することができる。
次に、定着装置の第2の実施形態を図15を参照して説明する。
図15に示す定着装置30は、定着ローラ31の外部に熱源であるハロゲンヒータ33を配置した外部加熱式の定着装置である。ハロゲンヒータ33の輻射熱が定着ローラ31側に反射するよう、反射板40が設けられている。加圧ローラ(断熱ローラ)32の構成は、図2の加圧ローラ12と同様であり、芯金36上に断熱層37,弾性層38,離型層39を順に積層している。また、定着ローラ31の構成も加圧ローラ32と同じであり、芯金34上に断熱層41,弾性層42,離型層35を順に積層した断熱ローラである。定着ローラ31の断熱層41及び加圧ローラ32の断熱層37は、図3〜6で説明した断熱層17A〜Dと同一の構成を採用することができる。本例では、断熱層41及び37の層厚は2mmである。また、弾性層42及び38は厚さ0.3mmのシリコーンゴム層である。表層の離型層35及び39として、厚さ15μmのPFAチューブを被覆してある。
本例の定着装置30では、ハロゲンヒータ33の輻射熱は定着ローラ31の表面に供給され、断熱層41の効果により定着ローラ内部(芯金34)にはあまり伝わらず、トナー及び記録材を効率良く加熱することができる。定着ローラ31は加圧ローラ32(及び図2の加圧ローラ12)と同様に剛性にも優れており、均一な定着ニップの形成が可能である。
次に、定着装置の第3の実施形態を図16を参照して説明する。
図16に示す定着装置50は、定着ベルトを用いた定着装置である。加圧ローラ32,ハロゲンヒータ33及び反射板40は、図15の定着装置30と同様であるため、同じ符号を付して説明を省略する。定着ベルト(加熱ベルト)53は、そのループ内部に配置された定着ローラ51,ニップ構成部材52及び支持ローラ58に掛け渡されている。定着ベルト53の一辺(ニップ構成部材52と支持ローラ58で規定された辺)に対向してハロゲンヒータ33が配置され、定着ベルト53を加熱する。定着ベルト53は、図示しない駆動手段により駆動される定着ローラ51を駆動ローラとして、図中時計回りに回動される。
本例の定着装置50における定着ニップは、定着ベルト53を間に挟んでニップ構成部材52及び定着ローラ51に対して加圧ローラ32が圧接されて構成される。定着ニップ内の上流側に位置するニップ構成部材52は第1定着部材であり、下流側に位置する定着ローラ51は第2定着部材である。第1定着部材であるニップ構成部材52と第2定着部材である定着ローラ51により、定着ベルト53を加圧ローラ32に巻き付けるようにして定着ニップを形成している。記録材Pは図中の右から左方向に定着ニップ内を搬送され、定着ベルト53からの熱を受け、トナーTが記録材P上に定着される。本例における定着ベルト53はポリイミドを基体として用い、その上に弾性層としてシリコーンゴム層(厚さ0.2mm)を、離型層としてPFAコート層(厚さ10μm)を形成している。
第2定着部材である定着ローラ51は、ローラ径が加圧ローラ32より小径となっていること以外は図15の定着ローラ31と同様であり、芯金54上に断熱層57,弾性層56及び離型層55を積層した断熱ローラとして構成され、定着ベルト53の熱がローラ内部に伝わりにくい構造となっており、定着ベルト53の温度低下を防いでいる。また、第1定着部材であるニップ構成部材52は、支持部材52aに断熱部材52bを装着支持させることで、定着ベルト53の熱が支持部材52aに伝わりにくい構造とし、定着ベルト53の温度低下を防いでいる。支持部材52aとしては剛性が必要なので鉄、SUS、アルミなどの金属が好適に使われる。
図17は、ニップ構成部材52の構成例を示す断面図である。ニップ構成部材52は定着ベルトと摺動するので、ベルト摺動面の摩擦抵抗を小さくする必要がある。図17(a)に示すものは、表層として摩擦係数の低いフッ素樹脂で摺動層を形成し、摩擦抵抗を小さくしたものであり、支持部材52aに断熱層52b,弾性層52c,摺動層52dを積層している。図17(b)に示すものは、摩擦抵抗を小さくする手段としてオイルやグリスなどの潤滑剤を使用したものである。この場合、摺動層(及び弾性層)は不要で図示のように断熱層52bの表面に潤滑剤を塗布している。断熱層52bの表面はフィルムの凹凸があり、凹凸が潤滑剤を保持するので潤滑剤切れが起きにくくなっている。
定着ローラ51の断熱層57及びニップ構成部材52の断熱部材52bは、図3〜6で説明した断熱層17A〜Dと同一の構成を採用することができる。さらに、加圧ローラ32も断熱層37(図15参照)を有しており、定着ベルト53の熱がローラ内部に伝わりにくい構造となっており、定着ベルト53の温度低下を防いでいる。
本例の定着装置50においては、定着ニップの直上流位置に熱源(ハロゲンヒータ33)を配置して定着ベルト53を表面側(未定着トナーと接する側)から加熱するとともに、定着ニップの形成に関わる部材である第1,第2定着部材(ニップ構成部材52,定着ローラ51)及び加圧ローラ32がいずれも断熱層を有する構造であるため、定着ベルト53が保持している熱が定着ニップの形成に関わる部材の基材(ローラ芯金54,36や支持部材52a)に伝わりにくく、効率良くトナー及び記録材を加熱することができる。また、定着ニップの形成に関わる部材の断熱層は剛性にも優れており、均一な定着ニップの形成が可能である。
本実施形態においては、定着用部材としてのニップ構成部材52と、定着用ローラとしての定着ローラ51及び加圧ローラ32のそれぞれに断熱層を設けてあり、その断熱層に図3〜6で説明した断熱層17A〜Dと同一の構成を採用することにより、定着用部材および定着用ローラの断熱性を向上させている。
次に、定着装置の第4の実施形態を図18及び図19に示す2例について説明する。
図18に示す定着装置60Aは、誘導加熱方式の定着装置である。加圧ローラ32は、図15の定着装置30と同一であるため、同じ符号を付して説明を省略する。定着ローラ61は、基体ローラ62の上に断熱層63,導電層(発熱層)64,弾性層65,離型層66を積層した構成となっている。基体ローラ62は、本ローラが誘導発熱方式のため、樹脂ローラを用いている。基体ローラとしては樹脂製に限らず、ガラスも耐熱性と剛性の点から適している。断熱層63は、図3〜6で説明した断熱層17A〜Dと同一の構成を採用することができる。導電層64は厚さ40μmのニッケルスリーブである。弾性層65は厚さ0.5mmのシリコーンゴム層である。表層には離型層66として厚さ15μmのPFAチューブが被覆してある。この定着ローラ61の内部には誘導加熱手段67が配設されている。誘導加熱手段67は、ボビン68に誘導コイル69を巻装したものである。
本例の定着装置60においては、誘導加熱方式により素早い立ち上がりが実現でき、しかも、誘導加熱手段67が断熱層63の中に配置されることから、導電層(発熱層)64の熱が有効に遮断され、加熱効率を低下させることがない。すなわち、誘導コイルは温度上昇により効率が低下するが、断熱層63が有ることにより導電層64の熱が伝わりにくく、効率低下を防いでいる。なお、導電層(発熱層)64はニッケルスリーブに限らず、断熱層の積層されたフィルムの最外層に導電性ポリマーを形成したもの、メッキしたもの、カーボンを含有したもの、これらを組み合わせたものなどを用いることが可能で、これらのいずれも素早い立ち上がり特性を示した。
図19に示す定着装置60Bは、誘導加熱手段67を定着ローラ61の外部に配置したこと以外は、図18の60Aと同様である。この定着装置60Bの場合、定着ローラの断熱層63には誘導コイル69に熱を伝えにくくするという効果はないが、断熱層63により発熱層64内側の基体ローラ62への熱を遮断することができるので加熱効率の低下を防ぐことができる。また、誘導加熱手段67をローラの外側に設置することで、ローラの交換、組み付けなどのメンテナンス性を向上させることができる。
本実施形態においては、定着用ローラとしての定着ローラ61及び加圧ローラ32のそれぞれに断熱層を設けてあり、その断熱層に図3〜6で説明した断熱層17A〜Dと同一の構成を採用することにより、定着用部材および定着用ローラの断熱性を向上させている。
次に、定着装置の第5の実施形態を図20を参照して説明する。
図20に示す定着装置70は定着ベルトを用いた定着装置であり、定着ベルト71の内部に熱源としてのハロゲンヒータ72を配置している。定着ベルト71のループ内には、加圧ローラ32と対向する位置にニップを形成する部材である定着部材74(定着用部材)が配置され、この定着部材74が定着ベルト71を挟んで加圧ローラ32に圧接されている。定着部材74は、支持部材75に断熱材76を装着支持させたものである。ハロゲンヒータ72と定着部材74の間には、反射板73が設けられ、ハロゲンヒータ72の熱を効率良く定着ベルト71に供給するようになっている。加圧ローラ32は、図15の定着装置30と同一であるため、同じ符号を付して説明を省略する。
なお、定着部材74は定着ベルト71と摺動するので、図16の定着装置50におけるニップ構成部材52と同じ構成とすることができる。すなわち、図17(a)に示されるように、断熱材76(断熱層52b)に弾性層(52c)及び摺動層(52d)を積層した構成、または、図17(b)に示されるように、摺動層及び弾性層を設けず、断熱材76(断熱層52b)の表面にオイルやグリスなどの潤滑剤を塗布した構成とすることができる。
本例の定着装置70では、定着ベルト71の内部に固定配置した定着部材74と加圧ローラ32とを圧接させて定着ニップを形成しているが、撓みがなく均一にニップを形成するためには、定着部材74の支持部材75としては、剛性の高い金属(または同等の剛性を有するもの)である必要がある。支持部材75を金属フレーム等にした場合、熱容量は大きく、定着に関与しない支持部材75が加熱されることは加熱効率を低下させることになる。そのため、定着部材74とハロゲンヒータ72の間に反射板73を設けているが、定着部材74は定着ニップ側からの熱も受けてしまう。しかし、本例の場合、定着部材74のニップを直接形成する部材として断熱材76を用いることにより、定着ベルト71からの熱が支持部材75に伝わりにくくなり、熱効率の低下を防いでいる。定着部材74の断熱材76としては、図3〜6で説明した断熱層17A〜Dと同一の構成を採用することが可能である。
本実施形態においては、定着用部材としての定着部材74と、定着用ローラとしての加圧ローラ32のそれぞれに断熱層を設けてあり、その断熱層に図3〜6で説明した断熱層17A〜Dと同一の構成を採用することにより、定着用部材および定着用ローラの断熱性を向上させている。
次に、定着装置の第6の実施形態を図21を参照して説明する。
図21に示す定着装置90は、定着ベルトを用いた定着装置で、加熱ローラ92により定着ベルト93を内側から加熱する方式である。加熱ローラ92はアルミ製でハロゲンヒータ33を内蔵している。定着ベルト93は定着ローラ91と加熱ローラ92に張架され、その定着ベルト93を挟んで加圧ローラ32が定着ローラ91に圧接され、定着ニップを形成している。
定着ローラ91は、芯金94上に断熱層97,弾性層96及び離型層95を積層した断熱ローラとして構成され、定着ベルト93の熱がローラ内部に伝わりにくい構造となっており、定着ベルト93の温度低下を防いでいる。断熱層97として、図3〜6で説明した断熱層17A〜Dと同一の構成を採用することができる。加圧ローラ32及びハロゲンヒータ33は、図15の定着装置30と同様であるため、同じ符号を付して説明を省略する。
本例の定着装置90では、加熱ローラ92により加熱された定着ベルト93の熱は、定着ローラ91及び加熱ローラ92が共に断熱層97,37(図15)を有することからローラ内部の芯金に伝わりにくくなっている。そのため、本例の定着装置90は加熱効率が良く、立ち上がり時間を短くすることができる。図16の定着装置50と比べると構成部材の数が少なく低コストである。また定着ベルト93と摺動する部材がないので、定着ベルトの耐久性を高めることができる。
ところで、定着装置における課題として、立ち上がり時や連続通紙時の温度低下のほかに、トナーのオフセットという課題がある。これは記録材上のトナーが記録材に定着せず、一部のトナーが定着ローラ側に移ってしまう現象で、オフセットしたトナーがローラ上に蓄積したり、再度記録材に戻って画像を汚したりするという問題が起こる。その対策として、定着ローラ又は加圧ローラに、あるいは両方のローラに接するクリーニングローラを設けた定着装置がある。一般的なクリーニングローラは、表面の離型性が定着ローラあるいは加圧ローラより悪く、離型性の差を利用して定着ローラまたは加圧ローラ表面に付着したトナーを掻き取ってクリーニングしている。しかし、クリーニングローラが定着ローラあるいは加圧ローラ接していると、クリーニングローラに熱が奪われるため、立ち上がりが遅くなってしまう。
そこで、クリーニングローラ表層の内側に図3〜6で説明した断熱層17A〜Dと同一の構成を採用した断熱層を設けることで、クリーニングローラに奪われる熱を最小限にとどめることができる。したがって、定着装置における立ち上がりが遅くなるのを抑えることができる。同時に、クリーニングローラを設けることでオフセットトナーをクリーニングすることができる。
図22は、図15で説明した定着装置30の定着ローラ31及び加圧ローラ32のそれぞれに、クリーニングローラ100を接触させて設けたものである。この図に示すクリーニングローラ100は、表層101と芯金102の間に、断熱層103を設けている。その断熱層103として、図3〜6で説明した断熱層17A〜Dと同一の構成を採用することができる。これにより、定着ローラ31及び加圧ローラ32から奪われる熱を少なくすることができ、定着装置における立ち上がりが遅くなるのを抑制できる。また、同時に、クリーニングローラ100,100を設けたことで、定着ローラ31または加圧ローラ32にオフセットしたトナーをクリーニングすることができる。
なお、クリーニングローラの表層は定着ローラまたは加圧ローラの表層より離型性が悪い材質であればよく、アルミなどの金属、あるいは不織布の様な物を使うことができる。また、ここで例示したクリーニングローラ100は、図15で説明した定着装置30以外の各実施形態の定着装置の定着ローラまたは加圧ローラに対して設けることが可能であり、その場合にもここで説明したと同様の効果を得ることができる。
上記各実施形態の定着装置を図1の画像形成装置に搭載して(図1では第1実施形態の定着装置10で示してある)画像を作成・定着したところ、朝一番での立ち上がり時や、連続通紙時の温度低下による定着不良は全く発生しなかった。また、定着装置が定着可能温度に達するまでの立ち上がり時間も非常に短いものであった。
次に、画像形成装置の別例を図23を参照して説明する。なお、図23は、画像形成装置の作像部付近のみを模式的に示したものである。
この図に示す画像形成装置は、4つ(4色分)の作像ユニットを並設した4連タンデム型の画像形成装置である。各色作像ユニットの構成は同一であり、感光体ドラム1(1Y,1M,1C,1K)を中心に、その周囲に帯電手段,現像装置,転写手段,クリーニング手段,除電手段等の電子写真プロセスに必要な機器を配置したものである。各色作像ユニットは中間転写ベルト85の一辺に沿って並設されている。中間転写ベルト85は駆動ローラ86,支持ローラ87及び二次転写ローラ88に張架されている。中間転写ベルト85の内部で各色感光体ドラム1に対向する位置には一次転写手段である転写ローラ4が設けられている。
本例の画像形成装置に装着された定着装置80は、図15で説明した定着装置30と同構成であり、基本的に定着ローラ81,加圧ローラ82,ハロゲンヒータ83,反射板84等から構成される。定着ローラ81及び加圧ローラ82の構成は図15の定着ローラ31及び加圧ローラ32と同様であり、それぞれ図3〜6で説明したような構成の断熱層(17)を有するものである。そして、その定着ローラ81が、二次転写ローラ88の位置で中間転写ベルト85に圧接するように配置されている。
このように構成された画像形成装置において、各色感光体1から中間転写ベルト85上に重ね転写された未定着トナー像(モノクロプリントの場合は感光体1Kから転写されたトナー像)は、二次転写ローラ88の作用により定着ローラ81上に転写される。定着ローラ81に担持された未定着トナー像は、ローラの回転に伴って定着ローラ81と加圧ローラ82が圧接する定着ニップに搬送され、熱と圧力とにより記録材P上に定着される。
定着ローラ81は、金属芯金上に厚さ0.5mmのフィルムを積層した断熱層を有している。その断熱層の上には離型層として厚さ15μmのPFAチューブが被覆してある。本例の定着装置80では、定着ローラ81上に転写された未定着トナーを加熱手段であるハロゲンヒータ83が直接加熱するために、定着部材(ここでは定着ローラ81)を加熱する必要がなく、定着装置の瞬時立ち上がりが可能である。また、加熱されたトナーの熱は断熱層の効果で定着ローラ芯金にはあまり逃げずに、効率よく熱を伝えることができる。
本実施形態においては、定着用ローラとしての定着ローラ81及び加圧ローラ82のそれぞれに断熱層を設けてあり、その断熱層に図3〜6で説明した断熱層17A〜Dと同一の構成を採用することにより、定着用ローラの断熱性を向上させている。
図24は、定着ベルトを用いた定着装置を備える画像形成装置の別例である。図23の画像形成装置と同一または同等の部分には同じ符号を付して説明を省略する。
図24において、定着装置100は、定着ローラ81と2次転写ローラ101とに張架された定着ベルト102を有しており、定着ローラ81と加圧ローラ82のニップ手前に配置したハロゲンヒータ83により定着ベルト102を加熱している。また、2次転写部は中間転写ベルト85の外側に2次転写ローラ101を設けた構成となっており、中間転写ベルト85を挟んで2次転写ローラ101に圧接される対向ローラ89を、中間転写ベルト85の内側に配置している。
本例においても、定着ローラ81及び加圧ローラ82のそれぞれに断熱層を設けてあり、両ローラの芯金に伝達する熱量を抑制し、定着ベルト102を効率良く加熱することができる。その断熱層としては、図3〜6で説明した断熱層17A〜Dと同一の構成を採用することができる。また、本例においては、定着ローラ81が2次転写部に位置しない(図23の場合のように定着ローラ81が2次転写ローラ88や中間転写ベルト85に圧接されない)ことから、定着部から作像部側に伝わる熱ロスを少なくすることができ、この点でも加熱効率を向上させている。
以上、本発明を図示例により説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の範囲内で適宜の変更が可能である。例えば、適宜な構成の定着装置において、定着ローラ,加圧ローラ,押圧部材等の定着ニップ形成に関わる部材に図3〜6で説明したような断熱層を設けることにより、本発明の効果を奏することができる。なお、画像形成装置としてはプリンタ以外の複写機やファクシミリ、あるいはそれらの複合機であっても良いことは言うまでもない。
本発明に係る定着装置を装着可能な画像形成装置の一例を示す断面構成図である。 定着装置の第1実施形態を示す断面図である。 定着用ローラの断熱層の構成例を示す部分断面図である。 断熱層の他の構成例を示す部分断面図である。 断熱層のさらに他の構成例を示す部分断面図である。 断熱層のさらに他の構成例を示す部分断面図である。 凹凸フィルムの一例を示す斜視図である。 凹凸フィルムの別例を示す斜視図である。 弾性層を有する定着用ローラの断熱層の構成例を示す部分断面図である。 弾性層を有する定着用ローラの断熱層の他の構成例を示す部分断面図である。 弾性層を有する定着用ローラの断熱層のさらに他の構成例を示す部分断面図である。 弾性層を有する定着用ローラの断熱層のさらに他の構成例を示す部分断面図である。 図3,7に示す凹凸フィルムにより構成した断熱層の一例を示す部分断面図である。 断熱層のフィルムの巻回方向を示す定着用ローラの断面図で、(a)は弾性層を有さないもの、(b)は弾性層を有するものである。 定着装置の第2実施形態を示す断面図である。 定着装置の第3実施形態を示す断面図である。 その定着装置におけるニップ構成部材の構成例を示す断面図で、(a)は摺動層及び弾性層を有するもの、(b)は断熱層の表面に潤滑剤を塗布したものである。 定着装置の第4実施形態を示す断面図である。 誘導加熱手段を定着ローラの外部に配置した例を示す断面図である。 定着装置の第5実施形態を示す断面図である。 定着装置の第6の実施形態を示す断面図である。 図15の定着装置の定着用ローラにクリーニングローラを接触させて設けた例を示す断面図である。 画像形成装置の別例を示す作像部付近の模式図である。 定着ベルトを用いた定着装置を備える画像形成装置の別例を示す模式図である。
符号の説明
1 感光体ドラム
10,30,50,60,70,80 定着装置
11 定着ローラ
12,32,82 加圧ローラ(定着用ローラ)
13,33,72,83 ハロゲンヒータ
14,16,34,36,54 芯金(基体ローラ)
17,37,41,57,63 断熱層
19 離型層
18 弾性層
20 凹凸フィルム
21 鋸歯状フィルム
22 平面フィルム
23 粒子(充填部材)
53 定着ベルト
52,74 ニップ構成部材(定着用部材)
52b,76 断熱部材
62 基体ローラ
64 導電層(発熱層)
67 誘導加熱手段
71 定着ベルト
K 空間

Claims (20)

  1. 基材上に断熱層を有し、被圧接部材に圧接される定着用部材において、
    前記断熱層は積層されたフィルム間に分散配置される充填部材を有し、フィルム間に空間が形成されていることを特徴とする定着用部材。
  2. 基材上に断熱層を有し、被圧接部材に圧接される定着用部材において、
    前記断熱層は凹凸を有するフィルムを積層して形成され、フィルム間に空間が形成されていることを特徴とする定着用部材。
  3. 基体ローラと表層の間に断熱層を有する定着用ローラにおいて、
    前記断熱層は積層されたフィルム間に分散配置される充填部材を有し、フィルム間に空間が形成されていることを特徴とする定着用ローラ。
  4. 基体ローラと表層の間に断熱層を有する定着用ローラにおいて、
    前記断熱層は凹凸を有するフィルムを積層して形成され、フィルム間に空間が形成されていることを特徴とする定着用ローラ。
  5. 前記積層された凹凸を有するフィルム間に分散配置される充填部材を有することを特徴とする、請求項2に記載の定着用部材または請求項4に記載の定着用ローラ。
  6. 前記凹凸を有するフィルム間に平面フィルムが配置されることを特徴とする、請求項2に記載の定着用部材または請求項4に記載の定着用ローラ。
  7. 前記充填部材が粒子状部材であることを特徴とする、請求項1又は5に記載の定着用部材あるいは請求項3又は5に記載の定着用ローラ。
  8. 前記粒子状部材が中空粒子であることを特徴とする、請求項7記載の定着用部材又は定着用ローラ。
  9. 前記充填部材が繊維状部材であることを特徴とする、請求項1又は5に記載の定着用部材あるいは請求項3又は5に記載の定着用ローラ。
  10. 前記繊維状部材が中空繊維であることを特徴とする、請求項7記載の定着用部材又は定着用ローラ。
  11. 前記積層されたフィルム同士あるいは前記フィルムと充填部材とが接着されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の定着用部材または定着用ローラ。
  12. 前記フィルムが前記基体ローラ上に巻回して積層され、該フィルムの巻き始めから巻き終わりへの巻回方向がローラ回転方向と逆方向であることを特徴とする、請求項3,4,5,6,11のいずれか1項に記載の定着用ローラ。
  13. 基材上に断熱層を有し、被圧接部材に圧接される定着用部材において、
    前記断熱層は積層した熱可塑性樹脂フィルム間に中空物質を分散させ、加熱により前記中空物質を樹脂で溶着固定したことを特徴とする定着用部材。
  14. 基体ローラと表層の間に断熱層を有する定着用ローラにおいて、
    前記断熱層は積層した熱可塑性樹脂フィルム間に中空物質を分散させ、加熱により前記中空物質を樹脂で溶着固定したことを特徴とする定着用ローラ。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の定着用部材または定着用ローラを備えることを特徴とする定着装置。
  16. 前記定着用ローラとして誘導加熱ローラを有し、該誘導加熱ローラの発熱層の内側に前記断熱層を有することを特徴とする、請求項15に記載の定着装置。
  17. 前記定着用ローラとして加熱ローラを有し、該加熱ローラを外部から加熱する熱源を備えることを特徴とする、請求項15に記載の定着装置。
  18. 熱源により加熱される定着ベルトを有し、前記定着用部材として前記定着ベルトを加圧部材に押圧するための押圧部材を備えることを特徴とする、請求項15に記載の定着装置。
  19. 前記定着用ローラを外部から加熱する熱源を有し、前記定着用ローラ表面に転写させた未定着トナーを前記熱源により直接加熱した後に記録材上に定着させることを特徴とする、請求項15に記載の定着装置。
  20. 請求項15〜19のいずれか1項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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