最近、陰極選管の重量と嵩を減らすことのできる平板表示装置に対する関心が高まっている。かかる平板表示装置は、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:PDP)、電界放出表示装置(Field Emission Display)、エレクトロ・ルミネセンス(Electro-luminescence)などがあり、デジタル信号またはアナログデータを表示パネルに供給する。
プラズマディスプレイパネルは、He+XeまたはNe+Xeガスの放電時に発生する紫外線で蛍光体を発光させることにより、画像を表示する。このようなプラズマディスプレイパネルは、薄膜化と大型化が容易であるうえ、最近の技術開発に伴い、大きく向上した画質を提供している。
特に、3電極交流面放電型プラズマディスプレイパネルは、放電時に壁電荷が蓄積される誘電体層を利用して放電に必要な電圧を低下させ、プラズマ放電のスパッタリングから電極を保護して低電圧駆動と長寿命の利点を有する。
図1を参照すると、3電極交流面放電型プラズマディスプレイパネルのセルは、上部基板10上に形成された走査/サステイン電極30Y及び共通サステイン電極30Zと、下部基板18上に形成されたアドレス電極20Xと、を備える。
走査/サステイン電極30Yと共通サステイン電極30Zのそれぞれは、透明電極12Y、12Zと、透明電極12Y、12Zの線幅より小さな線幅を有し、透明電極の一側縁に形成される金属バス電極13Y、13Zを含む。透明電極12Y、12Zは透明伝導性物質、例えばインジウムスズ酸化物(Indium-Tin-Oxide:ITO)からなる。金属バス電極13Y、13Zは高伝導性金属からなり、高抵抗の透明電極12Y、12Zによる電気的特性を補償する。
走査/サステイン電極30Yと共通サステイン電極30Zとが形成された上部基板10には、上部誘電体層14と保護膜16とが積層される。上部誘電体層14には放電時に発生するイオン化荷電粒子が蓄積される。このように誘電体層14に蓄積される荷電粒子を「壁電荷」と言う。保護膜16は、放電時に発生した荷電粒子のスパッタリングによる上部誘電体層14の損傷を防止するとともに、2次電子の放出効率を高める。保護膜16としては酸化マグネシウム(MgO)が主に用いられる。
アドレス電極20Xは、走査/サステイン電極30Y及び共通サステイン電極30Zと交差する方向に下部基板18上に形成される。アドレス電極20Xが形成された下部基板18上には、下部誘電体層22と隔壁24とが形成される。下部誘電体層22は、アドレス電極20Xを保護するとともに、放電時に下部基板18の方に進行する光を反射させて光効率を高める。
下部誘電体層22および隔壁24の表面には蛍光体層26が形成される。隔壁24はアドレス電極20Xと並んで形成され、セルを物理的に区画して放電によって生成された紫外線と可視光が水平に隣接したセルの方に漏洩することを遮断してセル間の光学的混信を予防し、同時に放電によって生成された荷電粒子が水平に隣接したセルの方に移動することを遮断してセル間の電気的混信を予防する。蛍光体層26は放電時に発生した紫外線によって励起及び遷移して発光することにより、赤色、緑色、または青色のうちのいずれか一つの可視光を発生するようになる。上/下部基板10、18と隔壁24との間に設けられた放電空間には、ガス放電のためのHe+Xe、Ne+Xe、He+Xe+Neなどの不活性ガスが注入される。
このような3電極交流面放電型プラズマディスプレイパネルは、画像の階調(Gray Level)を実現するために、図2のように1フレーム期間を、発光回数の異なる多数のサブフィールドに分けて時分割駆動している。各サブフィールドは、すべてのセルを均一に初期化するためのリセット期間、セルを選択するためのアドレス期間及び放電回数に応じて階調を実現するサステイン期間に分けられる。265階調で画像を表示しようとする場合、1/60秒に該当するフレーム期間(16.67ms)は、図2のように8個のサブフィールドSF1〜SF8に時分割される。8個のサブフィールドのそれぞれは、リセット期間、アドレス期間及びサステイン期間を含む。各サブフィールドのリセット期間およびアドレス期間はそれぞれのサブフィールド毎に同一である反面、サステイン期間およびサステイン放電回数は各サブフィールドにおいて2n(ただし、n=0、1、2、3、4、5、6、7)の割合で増加する。
かかるプラズマディスプレイパネルの駆動方法は、セルの選択方式によって選択的書き込み方式と選択的消去方式とに大別される。
選択的書き込み方式は、リセット期間にすべてのセルを初期化した後、アドレス期間にターンオンされるセル(以下、「オンセル(On-cell)」という)を選択する。選択的書き込み方式のサステイン期間にはオンセルでサステイン放電が起こる。
このような選択的書き込み方式では、走査/サステイン電極30Yに供給されるスキャンパルス(Scan Pulse)はそのパルス幅が比較的長く設定される。これにより、選択的書き込み方式ではアドレス期間が長くなるから、相対的にサステイン期間を充分に確保しにくいという短所がある。
一方、プラズマディスプレイパネルは、サブフィールドの組合によって画像の階調を具現する特性を有するため、動映像で輪郭ノイズ(Contour noise)が発生することもある。輪郭ノイズが発生すると画質が劣化してしまう。例えば、画面の左側半分が128の階調値に表示され、画面の右側半分が127の階調値に表示された画面が左側に移動すると、階調値128と127との間の境界部分にピークホワイト(Peak White)、すなわち白い帯が現われる。これと反対に、画面の左側半分が127の階調値に表示され、画面の右側半分が128の階調値に表示された画面が右側に移動すると、階調値127と128との間の境界部分にブラックレベル(Black Level)、すなわち黒い帯が現われる。
動映像の輪郭ノイズを取り除くための方法としては、一つのサブフィールドを分割して1〜2個のサブフィールドを追加する方法、サブフィールドの手順を再配列する方法、サブフィールドを追加するとともにサブフィールドの手順を再配列する方法、及び誤差拡散方法などが提案されている。
選択的書き込み方式において動映像の輪郭ノイズを取り除くためにサブフィールドを追加させると、アドレス期間は長くなるが、その分だけサステイン期間が短くなる。例えば、VGA(640×480)の解像度を持つプラズマディスプレイパネルにおいて選択的書き込み方式のサブフィールドが10に増え、スキャンパルスのパルス幅が3μsと仮定すれば、サステイン期間が次のように絶対不足になる。16.67msの1フレーム期間におけるアドレス期間は、3μs(スキャンパルスのパルス幅)×480ライン×10(サブフィールド数)=14.4msである。これに対して、1フレーム期間におけるサステイン期間は、16.67msの1フレーム期間から、14.4msのアドレス期間、略0.3msの1回リセット期間、100μs×10(サブフィールド数)の消去期間及び1msの垂直同期信号(vsync)余裕期間を引いた−0.03msである。
このような駆動時間の不足を解決するための方法として、プラズマディスプレイパネルを物理的に分割してそれぞれの画面ブロックを同時に駆動する方法はあるが、これは駆動集積回路をさらに追加する必要があるので、製造コストの上昇をもたらすという問題点がある。
選択的消去方式は、リセット期間にすべてのセルを初期化した後、アドレス期間にターンオフされるセル(以下、「オフセル(off-cell)」という)を選択する。そして選択的消去方式のサステイン期間にはオフセル内でサステイン放電が起こる。
選択的消去方式に必要なスキャンパルスは選択的書き込み方式に比べて少なく設定しても良い。よって、選択的消去方式は選択的書き込み方式に比べてアドレス期間が短くなるので、サステイン期間を比較的長く確保することができる。例えば、VGA解像度のプラズマディスプレイパネルにおいて1フレーム期間が8個のサブフィールドに時分割され、スキャンパルスのパルス幅が1μsと仮定すれば、1フレーム期間におけるアドレス期間は、1μs(スキャンパルスのパルス幅)×480ライン×8(サブフィールド数)=3.84msで比較的短い。1フレーム期間におけるサステイン期間は、1フレーム期間から、3.84msのアドレス期間、1msの垂直同期信号(vsync)余裕時間、100μs(リセット期間)×8(サブフィールド数)のリセット期間を引いた全面ライティング(writing)期間を引いた略11.03msである。このように選択的消去方式ではアドレス期間が短くなるので、サブフィールド数を増やしてもサステイン期間を確保しやすいという長所がある。
しかし、選択的消去方式は、リセット期間にすべてのセルがターンオンされるのでコントラスト比におけるブラック輝度が高くなってコントラスト特性が劣化するという短所がある。
特許文献1(アメリカ合衆国公開特許公報US−2002−0033675−A1)では、選択的書き込み方式で生じる駆動時間の不足と、選択的消去方式で生じるコントラスト特性の低下とを解決するために、一定の条件下で1フレーム期間を、選択的書き込み方式のサブフィールド(以下、「SWサブフィールド」という)と選択的消去方式のサブフィールド(以下、「SEサブフィールド」という)とに時分割する方法及び装置(以下、「SWSE方式」という)が提案されている。
一方、SWSE方式は、図3を参照すると、1フレーム期間を、それぞれ選択的書き込み方式でオンセルを選択する6個のSWサブフィールドSF1〜SF6と、それぞれ選択的消去方式でオフセルを選択する6個のSEサブフィールドSF7〜SF12とに時分割する。
SWサブフィールドSF1〜SF6はバイナリコーディング(Binary Coding)で64個の階調を表現することができる。SEサブフィールドSF7〜SF12はリニアコーディング(Linear coding)で7個の階調を表現することができる。SWサブフィールドSF1〜SF6とSEサブフィールドSF7〜SF12との組合によって表現可能な総階調数は64×7=448である。
一方、PDPを、テレビ(Television)やコンピューターのモニター、掲示板、広告看板などにすべて使用できるように、AVモードと動作させるとともにPCモードで動作できるような方案に対する研究が活発に行われている。ここで、AVモードは動映像が主に表示されるTVに対応する動作モードで、PCモードは停止映像が主に表示されるモニターに対応する動作モードである。
このようなAVモードとPCモードが要求する映像表示の最適条件は互いに異なる。すなわち、AVモードでは動映像で現われやすい擬似輪郭ノイズ(Contour noise)を低減させる必要があり、一方、PCモードでは広い階調数で映像を表現する必要がある。
米国特許出願公開第2002/0033675号明細書
本発明は、かかる従来の問題点を解決するためのもので、その目的は、AVモードとPCモードを最適化して動映像で擬似輪郭ノイズを低減させるとともに、停止映像で広い階調数の映像を表現することができるプラズマディスプレイパネルの駆動方法及び装置を提供することにある。
本発明に係るプラズマディスプレイパネルの駆動方法は、データの動き程度に基づいて動作モードを選択する段階と、前記選択された動作モードに応じて1フレーム期間内に配置されるサブフィールド配列とサステインパルスの個数のいずれか少なくとも一つを別に制御する段階と、を含む。
前記プラズマディスプレイパネルの駆動方法は、前記プラズマディスプレイパネルを遠隔制御するための遠隔制御機からの信号と、互いに異なる媒体につながるケーブル信号と、前記プラズマディスプレイパネルに別に設置されたモード選択スィッチからの信号とのいずれか一つを受信する段階をさらに含む。
前記動作モードを選択する段階は、前記受信された信号に応答して前記動作モードを判断することを特徴とする。
前記動作モードを選択する段階は、前記データをフレーム間比較して変化量を計算し、前記変化量を所定の基準値と比較して前記動作モードを選択することを特徴とする。
前記サブフィールド配列は、アドレス期間にオンセルを選択する少なくとも一つ以上のSWサブフィールドと、前記アドレス期間にオフセルを選択する少なくとも一つ以上のSEサブフィールドと、を含む。
前記サブフィールド配列とサステインパルスの個数のいずれか少なくとも一つを別に制御する段階は、前記動作モードが前記データの動き程度の大きいAVモードならば、前記SEサブフィールドの個数を前記SWサブフィールドの個数より多くする段階を含む。
前記サブフィールド配列とサステインパルスの個数のいずれか少なくとも一つを別に制御する段階は、前記動作モードが前記データの動き程度の小さいPCモードならば、前記SWサブフィールドの個数を前記SEサブフィールドの個数より多くする段階を含む。
前記サブフィールド配列とサステインパルスの個数のいずれか少なくとも一つを別に制御する段階は、前記動作モードが前記データの動き程度の大きいAVモードならば、動映像で輪郭ノイズの小さいサブフィールドが配列された第1サブフィールド配列を選択する段階と、前記動作モードが前記データの動き程度の小さいPCモードならば、前記第1サブフィールド配列より階調表現範囲の広いサブフィールドが配列された第2サブフィールド配列を選択する段階と、を含む。
前記サブフィールド配列とサステインパルスの個数のいずれか少なくとも一つを別に制御する段階は、前記動作モードが前記データの動き程度の小さいPCモードならば、前記サステインパルスの個数を、前記データの動き程度の大きいAVモードに対応して設定されるサステインパルスの個数より少なく制御する段階を含む。
前記サブフィールド配列とサステインパルスの個数のいずれか少なくとも一つを別に制御する段階は、前記動作モードが前記データの動き程度の小さいPCモードならば、前記データの動き程度の大きいAVモードで前記プラズマディスプレイパネル上に表示される前記データの平均輝度に対して、50%〜80%の平均輝度で前記データが表示できるように前記サステインパルスの個数を減らすことを特徴とする。
本発明に係るプラズマディスプレイパネルの駆動装置は、データの動き程度に基づいて動作モードを選択するモード選択部と、前記選択された動作モードに応じて1フレーム期間内に配置されるサブフィールド配列とサステインパルスの個数のいずれか少なくとも一つを別に制御する制御部と、を備える。
前記モード選択部は、前記プラズマディスプレイパネルを遠隔制御するための遠隔制御機からの信号と、互いに異なる媒体につながるケーブル信号と、前記プラズマディスプレイパネルに別に設置されたモード選択スィッチからの信号とのいずれか少なくとも一つを受信し、前記受信された信号に応答して前記動作モードを判断することを特徴とする。
前記モード選択部は、前記データをフレーム間比較して変化量を計算し、前記変化量を所定の基準値と比較して前記動作モードを選択することを特徴とする。
前記制御部は、前記1フレーム期間内のアドレス期間にオンセルを選択する少なくとも一つ以上のSWサブフィールドと、前記アドレス期間にオフセルを選択する少なくとも一つ以上のSEサブフィールドとを配列し、前記モード選択部によって選択された前記動作モードが前記データの動き程度の大きいAVモードならば、前記SEサブフィールドの個数を前記SWの個数より多くすることを特徴とする。
前記制御部は、前記1フレーム期間内のアドレス期間にオンセルを選択する少なくとも一つ以上のSWサブフィールドと、前記アドレス期間にオフセルを選択する少なくとも一つ以上のSEサブフィールドとを配列し、前記モード選択部によって選択された前記動作モードが前記データの動き程度の小さいPCモードならば、前記SWサブフィールドの個数を前記SEサブフィールドの個数より多くすることを特徴とする。
前記制御部は、前記モード選択部によって選択された前記動作モードが前記データの動き程度の大きいAVモードならば、動映像で輪郭ノイズの小さいサブフィールドが配列された第1サブフィールド配列に前記データをマッピングし、前記モード選択部によって選択された前記動作モードが前記データの動き程度の小さいPCモードならば、前記第1サブフィールド配列より階調表現範囲の広いサブフィールドが配列された第2サブフィールド配列に前記データをマッピングすることを特徴とする。
前記制御部は、前記モード選択部によって選択された前記動作モードが前記データの動き程度の小さいPCモードならば、前記サステインパルスの個数を、前記データの動き程度の大きいAVモードに対応して設定されるサステインパルスの個数より少なく制御することを特徴とする。
前記制御部は、前記モード選択部によって選択された前記動作モードが前記データの動き程度の小さいPCモードならば、前記データの動き程度の大きいAVモードで前記プラズマディスプレイパネル上に表示される前記データの平均輝度に対して、50%〜80%の平均輝度で前記データが表示できるように前記サステインパルスの個数を減らすことを特徴とする。
本発明に係るプラズマディスプレイパネルの駆動方法及び装置によれば、AVモードとPCモードの動作モードや映像の動きの可否によってサブフィールドマッピングを最適化して、PCデータやTVデータのように互いに異なる媒体のデータを表示するときに画質を高めることができる。また、AVモードとPCモードの動作モードや映像の動きの可否によってサステインパルス数を制御して、PCモードや停止映像で画質に影響をほとんど与えない範囲内でサステインパルス数を減らして消費全力を低減することができ、放電回数が多いほどひどくなる蛍光体の劣化を減らしてプラズマディスプレイパネルの寿命を延ばすことができる。
以下では、添付図を参照して本発明に係るプラズマディスプレイパネルの駆動方法及び駆動装置の実施形態を具体的に説明する。
図4及び図5は、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの駆動方法を説明するための図である。先ず、図4に示すように本発明に係るプラズマディスプレイパネルの駆動方法は、AVモードで1フレーム期間内にSWサブフィールドSF1〜SF5より多い個数のSEサブフィールドSF6〜SF12を配置する一方、PCモードで図5のように1フレーム期間内にSWサブフィールドSF1〜SF7の個数を増加させる。
これにより、図4のようなAVモードでSWサブフィールドSF1〜SF5はバイナリーコーディングにて32個の階調を表現することができ、SEサブフィールドSF6〜SF12はリニアコーディングにて8個の階調を表現することができる。したがって、AVモードでSWサブフィールドSF1〜SF5とSEサブフィールドSF6〜SF12と組合によって総256個の階調が表現可能である。
図5のようなPCモードでSWサブフィールドSF1〜SF7はバイナリーコーディングにて128個の階調を表現することができ、SEサブフィールドSF8〜SF12はリニアコーディングにて6個の階調を表現することができる。そして、AVモードではSWサブフィールドSF1〜SF5とSEサブフィールドSF6〜SF12との組み合わせによって総768個の階調が表現可能である。
よって、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの駆動方法によれば、PCモードでSWサブフィールドの個数を増やして階調表現範囲を拡張して停止映像をさらに細密に表現する。
SWサブフィールド(SF1〜SF5、またはSF1〜SF7)のそれぞれは、オンセルを選択するアドレス期間と、予め設定された加重値に対応する放電回数だけオンセルに限ってサステイン放電を起こすサステイン期間を含む。そして、SWサブフィールド(SF1〜SF5、またはSF1〜SF7)には、サブフィールドによってすべてのセルを初期化するためのリセット期間と、サステイン放電終了後にセル内に残留する電荷を消去するための消去期間とが含まれることができる。SWサブフィールドの最後のサブフィールドであるサブフィールド(SF5またはSF7)には、つながる一番目のSEサブフィールド(SF6またはSF8)からオフセルが選択できるように消去期間がない。SWサブフィールド(SF1〜SF5、またはSF1〜SF7)において、リセット期間、アドレス期間及び消去期間は各サブフィールドで同一である一方、サステイン期間とサステイン放電回数はサブフィールドに付与される加重値「20(1)、21(2)、22(4)、23(8)、24(16)」または「20(1)、21(2)、22(4)、23(8)、24(16)、25(32)、25(32)」に応じてサブフィールド毎に変わる。
SEサブフィールド(SF6〜SF12、またはSF8〜SF12)は、オフセルを選択するアドレス期間と、あらかじめ設定された加重値に対応する放電回数だけアドレス期間で選択されないオンセルに限ってサステイン放電を起こすサステイン期間と、を含む。SEサブフィールドの最後のサブフィールドを除いたサブフィールド(SF6〜SF11、またはSF8〜SF11)には、リセット期間および消去期間がない。最後のSEサブフィールドSF12にはリセット期間がなく、第1サブフィールドSF1の初期化を安定させるように、サステイン期間についでセル内の残留電荷を消去するための消去期間が存在する。SEサブフィールド(SF6〜SF12、またはSF8〜SF12)のそれぞれに付与される加重値は「32」で同一である。このため、SEサブフィールド(SF6〜SF12、またはSF8〜SF12)のそれぞれにおけるアドレス期間とサステイン期間は同一である。一方、SEサブフィールド(SF6〜SF12、またはSF8〜SF12)に対しても、SWサブフィールド(SF1〜SF5、またはSF1〜SF7)と同様に加重値が別々に与えられ得る。この場合にSEサブフィールド(SF6〜SF12、またはSF8〜SF12)のサステイン期間は加重値によって変わることもできる。
SWサブフィールド(SF1〜SF5、SF1〜SF7)は、バイナリーコーディングにてオンセルを選択するので、各サブフィールドでのセル選択に関係なくオンセルを任意に選択する。
これに対して、SEサブフィールドSF6〜SF12は、以前(1つ前)のサブフィールドで選択されるか選択されないオンセルの中からオフセルを選択するリニアコーディングにてオフセルを選択するので、以前サブフィールドでオンセルが必ず存在しなければならない。例えば、一番目のSEサブフィールドSF6またはSF8は、最後のSWサブフィールドSF5またはSF7から選択されたオンセルの中からオフセルを選択する。そして、二番目〜最後のSEサブフィールド(SF7〜SF12、またはSF9〜SF12)は、以前サブフィールド(SF6〜SF11、またはSF8〜SF11)から選択されないオンセルの中からオフセルを選択する。言い換えれば、SEサブフィールド(SF6〜SF12、またはSF8〜SF12)ではサブフィールドを通過するにつれて、オンセルを消して行くようになる。したがって、動映像でセルの光量が不連続的に変わることに起因して発生される輪郭ノイズが、SEサブフィールド(SF6〜SF12、SF8〜SF12)ではほとんど現われない。
よって、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの駆動方法によれば、AVモードでSEサブフィールドの個数を増やして動映像を表現する時輪郭ノイズを減らすことができる。
AVモードとPCモードの階調表現の一例を挙げると次のようである。図4のようなAVモードと図5のようなPCモードとで階調値「13」と表現されるセルは、バイナリーコード(Binary Code)組合によって第1、第3及び第4サブフィールドSF1、SF3、SF4でターンオンされ、残りのサブフィールドSF2、SF5〜SF12でターンオフされる。これに対して、階調値「75」と表現されるセルは、バイナリーコード組合によって第1、第2及び第4サブフィールドSF1、SF2、SF4でターンオンされるとともに、リニアコード組合によって第6及び第7サブフィールドSF6及びSF7でターンオンされる一方、残りのサブフィールドSF3、SF5、SF8〜SF12でターンオフされる。
VGA(640×480)の解像度を有するプラズマディスプレイパネルにおいて、SWサブフィールドのスキャンパルスを3μs、SEサブフィールドのスキャンパルスを1μsとそれぞれ仮定してアドレス期間とサステイン期間を計算すれば、次のようである。
図4のようなAVモードでプラズマディスプレイパネルが駆動されると、1フレーム期間内におけるアドレス期間は、{3μs(SWサブフィールドのスキャンパルス)×480(ライン数)×5(SWサブフィールドの数)}+{1μs(SEサブフィールドのスキャンパルス)×480(ライン数)×7(SEサブフィールドの数)}=10.56msである。この場合、サステイン期間は16.67ms(1フレーム期間)−10.56ms(アドレス期間)−1ms(垂直同期信号余裕期間)−400μs(SF1〜SF4の消去期間)=4.71msである。
そして、図5のようなPCモードでプラズマディスプレイパネルが駆動されると、1フレーム期間内におけるアドレス期間は、{3μs(SWサブフィールドのスキャンパルス)×480(ライン数)×7(SWサブフィールドの数)}+{1μs(SEサブフィールドのスキャンパルス)×480(ライン数)×5(SEサブフィールドの数)}=11.8msである。この場合、サステイン期間は16.67ms(1フレーム期間)−11.8ms(アドレス期間)−1ms(垂直同期信号余裕期間)−600μs(SF1〜SF6の消去期間)=3.27msである。
図6は、本発明に係る他のプラズマディスプレイパネルの駆動方法を説明するための図面であって、AVモードとPCモードでのサステインパルス数を示す。
図6を参照すると、本発明に係るプラズマディスプレイパネルは、AVモードに割り当てられるサステインパルス数nに比べてPCモードに割り当てられるサステインパルス数n−αを減らすようになる。この実施形態において、1フレーム期間はSWサブフィールドのみに時分割されるか、SEサブフィールドのみに時分割されるか、あるいはSWサブフィールドとSEサブフィールドとに時分割されることができる。好ましくは、動映像での画質(表示品質)および駆動時間を考慮してSWSE方式のサブフィールド配列が選択されるのが望ましい。
AVモードで1フレーム期間内に配置されたすべてのサブフィールドのサステインパルスの総数がn個であれば、PCモードで1フレーム期間内に配置されたすべてのサブフィールドのサステインパルスの総数は、AVモードに比べてαだけ減ったn−α個である。このようなサステインパルス数の差はサステイン放電回数の差と同一であるので、同じ1フレームの映像を表示するとき、AVモードとPCモードとの間にプラズマディスプレイパネルの平均輝度差が現われる。
PCモードで割り当てられるサステインパルス数の減少分「α」は、画質に悪影響を与えないためにAVモードの平均輝度を100%と仮定すればPCモードの平均輝度が50%〜80%となるように決定される。
図7は、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの駆動装置を示す図である。
図7を参照すると、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの駆動装置は、プラズマディスプレイパネルの電極X、Y、Zに接続されたデータ駆動部48、走査/サステイン駆動部51及び共通サステイン駆動部52と、ガンマ補正部41とデータ駆動部48との間に接続された自動利得調節部42、誤差拡散部43、サブフィールドマッピング部44及びフレームメモリー45と、各駆動回路の動作タイミングを制御するためのタイミングコントローラ47と、サブフィールドマッピング部44に接続されたモード選択部53と、を備える。
データ駆動部48は、アドレス期間に多数のアドレス電極Xにデータを供給するための多数の集積回路を含む。
走査/サステイン駆動部51は、初期化期間にすべてのセルを初期化するための初期化波形を発生し、アドレス期間にSWサブフィールドのスキャンパルスやSEサブフィールドのスキャンパルスを順次に発生する。また、走査/サステイン駆動部51は、サステイン期間にサステインパルスを発生する。前記走査/サステイン駆動部51は多数の集積回路を含む。前記走査/サステイン駆動部51から発生する信号はプラズマディスプレイパネルの多数の走査/サステイン電極Yに供給される。
共通サステイン駆動部52は、共通サステイン電極Zに接続され、サステイン期間中多数のサステイン電極Zにサステインパルスを同時に供給する。
タイミングコントローラ47は、垂直/水平同期信号H、Vとクロック信号CLKの入力を受けて各駆動部46、48、51、52に必要なタイミング制御信号を発生する。また、タイミングコントローラ47は、モード選択部53からの信号によってサステインパルスの個数を別々に制御する。すなわち、タイミングコントローラ47は、モード選択部53によって現在の動作モードがPCモードと感知されると、AVモードのサステインパルス数より少なく設定されたサステインパルス数で走査/サステイン駆動部51と共通サステイン駆動部52を制御する。したがって、走査/サステイン駆動部51と共通サステイン駆動部52は、タイミングコントローラ47の制御下にAVモードとPCモードでそれぞれ別のサステインパルス数を発生する。
ガンマ補正部41は、映像信号をガンマ補正して映像信号の階調値による輝度値を線形的に変化させる。
自動利得調節部42は、ガンマ補正部41からのデータを赤色、緑色及び青色別に利得を調節して色温度を補償する。
誤差拡散部43は、量子化誤差成分を隣接したセルに確信させることで輝度値を微細に調整する役目をする。
サブフィールドマッピング部44は、モード選択部53からの信号によって現在の動作モードがAVモードかPCモードかを判断し、該当モードでの最適のサブフィールド配列を選択する。また、サブフィールドマッピング部44は、選択されたサブフィールド配列にデータを各ビット別にマッピングする。例えば、サブフィールドマッピング部44は、AVモードで図4のようにSEサブフィールドがSWサブフィールドより多く配置されたサブフィールド配列にデータをマッピングする一方、PCモードで図5のようにSWサブフィールドがSEサブフィールドより多く配置されたサブフィールド配列にデータをマッピングする。前記サブフィールドマッピング部44によってマッピングされたデータは、フレームメモリー45によって保存されたのちにドライブIC別データ整列部46に供給される。
ドライブIC別データ整列部46は、フレームメモリー45からのデータをデータ駆動部48の集積回路に対応して分配する。
モード選択部53は、遠隔制御機(Remote controller)を介して入力されるモード選択信号、プラズマディスプレイパネルのセットに設置された端子につながるAVケーブル/PCケーブル信号、またはプラズマディスプレイパネルのセットに設置されたモード選択スィッチの信号を感知して、現在の動作モードを選択する。言い換えれば、使用者が遠隔制御機を介してモードを選択するか、TVケーブルやPCケーブルをプラズマディスプレイパネルの選択端子に連結するか、あるいはプラズマディスプレイパネルのセットに別に設置されたスィッチを操作してモードを選択すると、モード選択部53は使用者によって選択されたモードやケーブル信号を感知してモードを感知する。また、モード選択部53は、現在の動作モードがAVモードかPCモードかを指示するモードデータをタイミングコントローラ47とサブフィールドマッピング部44とに供給する。タイミングコントローラ47とサブフィールドマッピング部44は、前述したように現在の動作モードに応じてサブフィールド配列やサステインパルスの個数を別々に制御する。
図8は、本発明に係る他のプラズマディスプレイパネルの駆動装置を示す図である。図8において、図7の駆動装置と同じ構成要素に対しては同じ図面符号を付し、それに対する詳細な説明を省略することにする。
図8を参照すると、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの駆動装置は、動映像と停止映像を判別するためのフレームメモリー49及び動映像/停止映像判別部50を備える。
フレームメモリー49は、デジタルビデオデータの入力ラインからのデータを1フレーム期間の間保存することでデータを1フレーム期間遅延させる役割を果たす。
動映像/停止映像判別部50は、フレームメモリー49からの以前(1つ前)のフレームデータと入力ラインからの現在フレームデータとを比較してデータの変化量を計算する。また、動映像/停止映像判別部50は、計算されたデータの変化量と予め設定された基準値とを比較して映像の動きの可否を判断する。データの変化量と基準値とを比較した結果、動映像/停止映像判別部50は、データの変化量が基準値より大きければ、現在入力されているデジタルビデオデータを動映像データと判断する一方、データの変化量が基準値以下であれば、現在入力されているデジタルビデオデータを停止映像データと判断する。そして、動映像/停止映像判別部50は、現在入力されているデータが停止映像かそれとも動映像かを指示する信号を、サブフィールドマッピング部44とタイミングコントローラ47とに供給する。
サブフィールドマッピング部44は、動映像/停止映像判別部50からの信号によって現在入力されている映像の動きの可否を判断し、その動きの可否によって最適のサブフィールド配列を選択する。また、サブフィールドマッピング部44は、選択されたサブフィールド配列にデータを各ビット別にマッピングする。例えば、サブフィールドマッピング部44は、動映像で図4のようにSEサブフィールドがSWサブフィールドより多く配置されたサブフィールド配列にデータをマッピングする一方、停止映像では図5のようにSWサブフィールドがSEサブフィールドより多く配置されたサブフィールド配列にデータをマッピングする。
タイミングコントローラ47は、垂直/水平同期信号H、Vとクロック信号CLKの入力を受けて各駆動部46、48、51、52に必要なタイミング制御信号を発生する。また、タイミングコントローラ47は、動映像/停止映像判別部50からのモード選択信号によってサステインパルスの個数を別々に制御する。すなわち、タイミングコントローラ47は停止映像において動映像のサステインパルス数より少なく設定されたサステインパルス数で走査/サステイン駆動部51と共通サステイン駆動部52とを制御する。したがって、走査/サステイン駆動部51と共通サステイン駆動部52は、タイミングコントローラ47の制御下に映像の動きの可否によって別のサステインパルスを発生する。
以上説明したように、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの駆動方法及び装置は、遠隔制御機、ケーブル信号及びモード選択スィッチを利用してプラズマディスプレイパネルの動作モードがAVモードかそれともPCモードかを判断し、AVモードでは輪郭ノイズがほとんど現われないサブフィールド配列でデータを表示するのに対して、PCモードでは階調表現範囲の広いサブフィールド配列でデータを表示し、AVモードに比べてPCモードでサステインパルス数を少なく制御する。また、データの変化量に基づいて動きの可否を判断し、その動きの可否による最適のサブフィールド配列でデータを表示し、さらにサステインパルス数を制御する。