[go: up one dir, main page]

JP2005079535A - 有機半導体薄膜の作製方法 - Google Patents

有機半導体薄膜の作製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005079535A
JP2005079535A JP2003311715A JP2003311715A JP2005079535A JP 2005079535 A JP2005079535 A JP 2005079535A JP 2003311715 A JP2003311715 A JP 2003311715A JP 2003311715 A JP2003311715 A JP 2003311715A JP 2005079535 A JP2005079535 A JP 2005079535A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
semiconductor thin
organic semiconductor
substrate
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003311715A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Nakajima
一雄 中嶋
Hajime Sasaki
元 佐▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
Original Assignee
Tohoku University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC filed Critical Tohoku University NUC
Priority to JP2003311715A priority Critical patent/JP2005079535A/ja
Publication of JP2005079535A publication Critical patent/JP2005079535A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)

Abstract

【課題】高結晶品質の有機半導体薄膜を簡易かつ安価に提供する。
【解決手段】基板表面上に、ステップ、長周期構造、バッファ層、又はドット構造を形成し、その後、前記ステップ、前記長周期構造、前記バッファ層、又は前記ドット構造を介して目的とする有機半導体薄膜を形成する。また、基板表面に目的とする有機半導体薄膜を形成した後、前記有機半導体薄膜に、薄膜を構成する材料の蒸発直前の温度でアニール処理を施す。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機半導体薄膜の作製方法に関する。
1950年の有機半導体の発見、1954年の有機伝導体の発見及び1977年の導電性ポリマーの発見以降、有機材料を電子デバイスの能動素子として利用する気運が高まり、1980年代に入って有機電界発光ダイオード(OLED)や有機電界効果トランジスタ(OFET)に関する研究が盛んになった。
OLEDは、1987年のTangらによる正孔輸送層/電子輸送層の積層型OLEDの開発により大きなブレークスルーがもたらされた。有機半導体はC、N、O、Hといった元素から構成されるため、無機半導体と比べて有害物質の発生が少なく、高温成長を必要としないため環境に優しいフレキシブルな材料である。そして、その分子構造や分子同士の距離・角度を化学装飾により制御する事で、最高占有分子軌道-最低非占有分子軌道(HOMO-LUMO)遷移の準位や蛍光スペクトルを自在に調整できるという利点を持つため次世代の高機能性材料として期待されている。
ところが、現在実用的に用いられている数多くの有機材料のなかで、電子材料と呼ぶことができるものは極めて限られている。その中でも、材料中に実際に電流が流れることによって生れる能動的な機能を用いるデバイスに有機材料を利用できた例は、複写機やレーザプリンタ等に用いる電子写真用感光ドラムや、
最近、実用化の動きが活発な発光ダイオード(EL素子)など、数えるほどに過ぎない。これら光電変換材料すなわち光伝導体は、材料の形態からみれば大面積にわたって均質な特性を得やすいアモルファス(非晶質)材料が一般的である。そして、そのような有機材料の利用形態としては電子写真感光体に用いられる光伝導性を示す低分子材料をポリマーに分散した分子分散ポリマーと、有機EL素子の材料に用いられる光伝導性低分子の蒸着膜がある。
しかしながら、これらの材料は実用材料とは言え、その電気的特性は、同様の目的に用いられる無機アモルファス半導体材料に比較して著しく劣る。例えば、有機材料の示す移動度は10-6〜10-5cm2/Vs程度にすぎず、また、その移動度が、温度、電界強度に強く依存するといった問題点もある。さらに、一般に無機半導体材料と比較して、精製の難しさから高純度の材料を得ることが困難で不純物や大気中の酸素などにより形成される深い欠陥準位によりその電気的特性が支配されてしまうという問題もある。
これらの諸問題を解決し、いっそうの高効率化や新機能を目指すためには、有機半導体薄膜の結晶化による高品質化は必要不可欠である。また、良質な薄膜結晶をエピタキシャル成長できれば、無機半導体で培われたデバイス設計原理を応用する事が可能となる。ところが有機半導体を始めとする有機材料の良質な薄膜結晶を、最も入手しやすくデバイス応用といった観点から有用な無機結晶基板上に育成する事は、両者の性質の違いに起因する様様な問題から、極めて困難である。
本発明は、高結晶品質の有機半導体薄膜を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明は、
基板の表面にステップを形成する工程と、
前記基板の前記表面上に前記ステップを介して配向性の有機半導体薄膜を形成する工程と、
を具えることを特徴とする、有機半導体薄膜の作製方法(第1の作製方法)に関する。
また、本発明は、
基板の表面に長周期構造を形成する工程と、
前記基板の前記表面上に前記長周期構造を介して配向性の有機半導体薄膜を形成する工程と、
を具えることを特徴とする、有機半導体薄膜の作製方法(第2の作製方法)に関する。
さらに、本発明は、
基板の表面にバッファ層を形成する工程と、
前記バッファ層上に配向性の有機半導体薄膜を形成する工程と、
を具えることを特徴とする、有機半導体薄膜の作製方法(第3の作製方法)に関する。
また、本発明は、
基板の表面に複数のドットから構成されるドット構造を形成する工程と、
前記基板の前記表面上に前記ドット構造を介して配向性の有機半導体薄膜を形成する工程と、
を具えることを特徴とする、有機半導体薄膜の作製方法(第4の作製方法)に関する。
さらに、本発明は、
基板の表面に有機半導体薄膜を形成する工程と、
前記有機半導体薄膜をこの薄膜を構成する材料の蒸発直前の温度でアニール処理する工程と、
を具えることを特徴とする、有機半導体薄膜の作製方法(第5の作製方法)に関する。
本発明の第1の作製方法から第4の作製方法によれば、目的とする有機半導体薄膜をステップ、長周期構造、バッファ層、又はドット構造を介して基板上に形成しており、前記ステップなどは前記有機半導体薄膜の配向性を促進する作用を有しているので、前記有機半導体薄膜の配向性を向上させて、結晶品質を高めることができる。
なお、本発明の第1の作製方法においては、前記ステップの密度、高さ、間隔、及び方位などを変化させることにより、前記有機半導体薄膜の配向性を制御することができる。また、本発明の第4の作製方法においては、前記ドットの大きさ、間隔、密度、及び形状などを変化させることにより、前記有機半導体薄膜の配向性を制御することができる。
本発明の第5の作製方法によれば、前記有機半導体薄膜を構成する有機分子が前記アニール処理によって表面拡散するようになり、結晶粒のライプニングが生じるようになるので、結晶粒間の位相ずれを消失させることができる。その結果、前記有機半導体薄膜の配向性を向上させて、結晶品質を高めることができる。
以上説明したように、本発明によれば、高結晶品質の有機半導体薄膜を簡易かつ安価に提供することができるようになる。
以下、本発明のその他の特徴及び利点について詳述する。
(第1の作製方法)
本発明の第1の作製方法においては、最初に基板表面にステップ(段差)を形成する。このステップの形成方法は特に限定されるものではないが、前記基板表面を洗浄した後に、硫酸・過酸化水素水、弗酸、及びフッ化アンモニウムで順次表面処理を行うことなどによって簡易に形成することができる。
前記ステップの密度、高さ、間隔、及び方位などは選択する基板の種類及び形成すべき有機半導体薄膜の種類によって適宜に選択する。また、これら密度、高さ、間隔及び方位を変化させることにより、前記有機半導体薄膜の配向性を制御することができる。
但し、前記ステップの密度は10本/μm−200本/μmであることが好ましく、前記ステップの高さは0.2nm〜20nmであることが好ましく、前記ステップの間隔は5nm〜100nmであることが好ましい。これによって、基板の種類や有機半導体薄膜の種類などによらず、良好な配向性の有機半導体薄膜を簡易に形成することができる。特に、(111)Si基板上にペリレン-3,4,9,10-テトラカルボキシリックジアンハイドライド(PTCDA)薄膜を良好な配向性の下に形成することができる。この場合、前記Si基板は水素終端処理されていることが好ましい。但し、本作製方法は、これらの組み合わせに限られるものではない。
なお、(111)Si基板を用いる場合、前記ステップの方位は[−110]であることが好ましい。
また、前記ステップは直線形状であることが好ましいが、最低2.49nmの直線部分があれば良い。
次いで、前記基板表面上に、前記ステップを介して目的とする有機半導体薄膜を形成する。このとき、前記有機半導体薄膜は、前記ステップによってその配向性が促進されるため、良好な配向性を呈するようになる。前記有機半導体薄膜は、MBE法及びCVD法などの公知の成膜手法を用いて形成することができる。
(第2の作製方法)
本発明の第2の作製方法においては、最初に基板表面に長周期構造を形成する。この長周期構造は、その周期が、前記有機半導体薄膜の格子サイズの0.4〜2.5倍であることが好ましい。これによって、前記有機半導体薄膜の配向性をさらに向上させることができる。
前記長周期構造の形成方法は特に限定されるものではないが、前記基板表面を洗浄した後に、加熱処理を利用した表面再構成によって形成することができる。前記加熱処理は高温かつ短時間であることが好ましく、具体的には、加熱温度が1200℃〜1350℃であり、加熱時間が3秒から60秒であることが好ましい。なお、このような短時間の高温加熱処理は、例えば通電加熱の手法を用いることによって実施する。
また、前記長周期構造は、前記基板に微量の金属粒子を蒸着した表面再構成によっても形成することができる。
次いで、前記基板表面上に、前記長周期構造を介して目的とする有機半導体薄膜を形成する。このとき、前記有機半導体薄膜は、前記長周期構造によってその配向性が促進されるため、良好な配向性を呈するようになる。前記有機半導体薄膜は、MBE法及びCVD法などの公知の成膜手法を用いて形成することができる。
本作製方法によれば、Si基板上にPTCDA薄膜を良好な配向性の下に形成することができる。この場合、前記Si基板は水素終端処理されていることが好ましい。但し、本作製方法は、これらの組み合わせに限られるものではない。
(第3の作製方法)
本発明の第3の作製方法においては、最初に基板表面にバッファ層を形成する。前記バッファ層の厚さや前記バッファ層を構成する材料などは、選択する基板の種類及び形成すべき有機半導体薄膜の種類などに依存して適宜に決定する。
但し、前記バッファ層の厚さは10nm〜100nmであることが好ましい。これによって、基板の種類や有機半導体薄膜の種類などによらず、良好な配向性の有機半導体薄膜を簡易に形成することができる。特に、好ましくは水素終端処理された(111)Si基板上にPTCDA薄膜を良好な配向性の下に形成することができる。この場合、前記Si基板は水素終端処理されていることが好ましい。但し、本作製方法は、これらの組み合わせに限られるものではない。
同様の理由から、前記バッファ層はAlN層から構成することが好ましい。但し、AlN層に加えてシクロヘキセン層やシクロヘキサジエン層などの有機材料層を用いることもできる。
なお、前記バッファ層はCVD法及び蒸着法などの公知の成膜手法を用いて形成することができる。
次いで、前記バッファ層上に目的とする有機半導体薄膜を形成する。このとき、前記有機半導体薄膜は、前記バッファ層によってその配向性が促進されるため、良好な配向性を呈するようになる。前記有機半導体薄膜は、MBE法及びCVD法などの公知の成膜手法を用いて形成することができる。
(第4の作製方法)
本発明の第4の作製方法においては、最初に基板表面に複数のドットから構成されるドット構造を形成する。前記ドット構造は、MBE法を用いて、前記ドットを構成する原子ビーム又は分子ビームの、前記基板表面への供給量を制御することによって形成することができる。すなわち、MBE法を用いた通常の成膜操作において、前記基板表面への前記原子ビーム及び前記分子ビームの供給を極めて初期の段階で中止することにより、前記原子ビーム及び前記分子ビームは一様な膜を構成することなく、ドットを構成するようになる。
前記ドットの大きさ、間隔、密度、及び形状などは選択する基板の種類及び形成すべき有機半導体薄膜の種類に応じて適宜に設定する。また、これら大きさ、間隔、密度及び形状を変化させることにより、前記有機半導体薄膜の配向性を制御することができる。
但し、前記ドットの大きさは10nm〜20nmであることが好ましく、前記ドットの間隔は10nm〜50nmであることが好ましく、前記ドットの密度は9×10−4/nm〜3×10−2/nmであることが好ましく、前記ドットの形状はドーム型又はピラミッド型であることが好ましい。これによって、基板の種類や有機半導体薄膜の種類などによらず、良好な配向性の有機半導体薄膜を簡易に形成することができる。
なお、“ドットの大きさ”とは、前記ドットの大きさを支配している部分の大きさを意味し、例えば前記ドットの底面の直径及び前記ドットの高さなどの、いずれか大きい方を意味する。
また、前記ドットの材質を変化させれば、上述したドットの大きさやファセットなどを制御することができ、結果として、目的とする有機半導体薄膜の配向性を制御できるようになる。特に、前記ドットは、InAs、InGaAs、GaAs、及びAlGaAsからなる群より選ばれる少なくとも一種から構成されることが好ましく、この場合、上述した特性のドットからなるドット構造を簡易に形成することができ、良好な配向性の有機半導体薄膜を簡易に形成することができる。
次いで、前記基板表面上に、前記ドット構造を介して目的とする有機半導体薄膜を形成する。このとき、前記有機半導体薄膜は、前記ドット構造によってその配向性が促進されるため、良好な配向性を呈するようになる。前記有機半導体薄膜は、MBE法及びCVD法などの公知の成膜手法を用いて形成することができる。
本作製方法によれば、GaAs基板上にPTCDA薄膜を良好な配向性の下に形成することができる。但し、本作製方法は、これらの組み合わせに限られるものではない。
(第5の作製方法)
本発明の第5の作製方法においては、基板表面に有機半導体薄膜を形成した後、この有機半導体薄膜にアニール処理を施す。このアニール処理は、前記有機半導体薄膜を構成する材料が蒸発する直前の温度、具体的には前記材料の蒸発温度より10℃〜200℃低い温度で行う。これにより、前記有機半導体薄膜中の有機分子が表面拡散することにより、結晶粒のライプニングが進行し、結晶粒間の位相ずれをなくすことができる。したがって、前記有機半導体薄膜の配向性を向上させることができるようになる。
前記アニール処理はいずれの雰囲気でも行うことができるが、特に酸化の影響を受け易い半導体基板などを用いる場合は、好ましくは1×10−5Torr〜1×10−10Torrの真空中で行うことが好ましい。この場合、前記アニール処理での、前記有機半導体薄膜中への不純物の混入を防止することもできるようになる。
さらに、特に酸化の影響を受けにくいKCl基板などを用いる場合は、前記アニール処理は大気中で行うこともできる。
また、前記アニール処理時間については、適宜に設定することができ、通常は数時間から数日に設定する。
なお、前記有機半導体薄膜は、MBE法及びCVD法などの公知の成膜手法を用いて形成することができる。
また、本作製方法によれば、特にKCl基板上に銅フタロシアニン薄膜を良好な配向性の下に形成することができる。但し、本作製方法は、これらの組み合わせに限られるものではない。
以上説明した第1の作製方法から第5の作製方法はそれぞれ単独で用いることもできるし、2以上を組み合わせて用いることもできる。
(111)Si基板表面をエタノール、アセトン、及びトリクロロエチレンを用いて洗浄し、有機汚染層を除去した後、硫酸・過酸化水素水、弗酸、及びフッ化アンモニウムで処理し、水素終端処理した(111)Si基板を得た。図1は、走査型トンネル顕微鏡(STM)を用いて前記(111)Si基板表面を観察した結果である。図1から明らかなように、前記(111)Si基板表面には[−110]方向に約10nmの間隔で複数のステップが形成されていることが分かる。
次いで、MBE法を用いて前記(111)Si基板表面上に、前記ステップを介してPTCDA薄膜を成長させた。このとき、ベース圧力は4×10−10Torrとし、セル温度350℃、基板温度250℃とした。なお、成長速度は50nm/hrであった。
図2は、前記PTCDA薄膜を厚さ5μmに形成した場合を示す原子力間顕微鏡(AFM)写真であり、図3は、前記PTCDA薄膜を厚さ16μmに形成した場合を示すAFM写真である。なお、図2及び図3においては、それぞれ(a)で示すものが上記本発明の具体例に該当し、それぞれ(b)で示すものが上述したステップを形成しない(111)Si基板上に形成したPTCDA薄膜の状態を示すものである。
図2及び図3から明らかなように、本発明に従ってステップを有する(111)Si基板上に形成したPTCDA薄膜では、ステップを有しない(111)Si基板上に形成したPTCDA薄膜に比べて、結晶粒の個数が多く、前記ステップが核形成サイトとして機能していることが判明した。さらに、ステップを有する(111)Si基板上に形成した
PTCDA薄膜の単結晶の割合が約58%であり、ステップを有しない(111)Si基板上に形成したPTCDA薄膜の単結晶の割合が約48%であり、本発明に従って得たPTCDA薄膜では、単結晶の割合が約10%増大し、良好な配向性を呈することが判明した。
(111)Si基板を実施例1と同様に洗浄した後、MBE装置内に配置し、ベース圧力が1×10−10Torrとなるまで排気した後、600℃で一晩加熱し、前記Si基板表面に吸着したガスを除去した。次いで、前記Si基板に対して通電を行い、1300℃で10秒間の加熱処理を実施した後、室温まで徐冷して、前記Si基板の表面に7×7長周期構造を形成した。
次いで、MBE法を用いて前記Si基板上に前記長周期構造を介してPTCDA薄膜を成長させた。このとき、ベース圧力は4×10−10Torrとし、セル温度350℃、基板温度150℃とした。なお、成長速度は50nm/hrであった。本例においても、実施例1同様に、得られたPTCDA薄膜の表面をAFM観察したところ、前記長周期構造を形成しない場合に比較して、単結晶の割合が約10%多く、良好な配向性を有することが判明した。
水素終端処理された(111)Si基板を準備し、このSi基板上にMOVPE法により、AlNバッファ層を厚さ50nmに形成した。次いで、MBE法を用いて前記AlNバッファ層上にPTCDA薄膜を成長させた。このとき、ベース圧力は4×10−10Torrとし、セル温度350℃、基板温度150℃とした。なお、成長速度は50nm/hrであった。
本例においても、実施例1同様に、得られたPTCDA薄膜の表面をAFM観察したところ、前記AlNバッファ層を形成した場合においては、前記AlNバッファ層を形成しない場合に比較して、単結晶の割合が約10%多く、良好な配向性を呈していることが確認された。
(100)GaAs基板表面に、MBE法を用いてInGaAsドットからなるドット構造を形成した。なお、基板温度は450℃とし、ベース圧力は1×10−10Torrとした。また、各ドットの大きさは高さ約1nm、底面の直径が約10nmであった。次いで、MBE法を用いて、前記GaAs基板上に前記ドット構造を介してPTCDA薄膜を成長させた。このとき、ベース圧力は4×10−10Torrとし、セル温度350℃、基板温度150℃とした。なお、成長速度は50nm/hrであった。
本例においても、実施例1同様に、得られたPTCDA薄膜の表面をAFM観察したところ、前記ドット構造を形成した場合においては、前記ドット構造を形成しない場合に比較して、単結晶の割合が約10%多く、良好な配向性を呈していることが確認された。
劈開して得た(100)KCl基板を300℃に設定し、銅フタロシアニン薄膜を真空蒸着法におり形成した。次いで、前記銅フタロシアニン薄膜を大気中、125−300℃で3−24時間アニール処理した。アニール後の銅フタロシアニン薄膜をTEM観察したところ、良好な配向性を呈することが確認された。
以上、具体例を挙げながら発明の実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
例えば、本発明の第3の作製方法におけるドット構造の代わりに、基板表面に周期的に形成した開口部構造や線状のストリップ構造などを利用することもできる。なお、開口部構造とドット構造などとを併用することもできる。
本発明の第1の作製方法における(111)Si基板表面のSTM写真である。 本発明の第1の作製方法におけるPTCDA薄膜のAFM写真である。 同じく、本発明の第1の作製方法におけるPTCDA薄膜のAFM写真である。

Claims (40)

  1. 基板の表面にステップを形成する工程と、
    前記基板の前記表面上に前記ステップを介して配向性の有機半導体薄膜を形成する工程と、
    を具えることを特徴とする、有機半導体薄膜の作製方法。
  2. 前記ステップの密度を変化させることにより、前記有機半導体薄膜の配向性を制御することを特徴とする、請求項1に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  3. 前記ステップの密度は10本/μm−200本/μmであることを特徴とする、請求項2に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  4. 前記ステップの高さを変化させることにより、前記有機半導体薄膜の配向性を制御することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  5. 前記ステップの高さは0.2nm〜20nmであることを特徴とする、請求項4に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  6. 前記ステップの間隔を変化させることにより、前記有機半導体薄膜の配向性を制御することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  7. 前記ステップの間隔は5nm〜100nmであることを特徴とする、請求項6に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  8. 前記ステップの方位を変化させることにより、前記有機半導体薄膜の配向性を制御することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  9. 前記基板はSi基板であり、前記有機半導体薄膜はペリレン-3,4,9,10-テトラカルボキシリックジアンハイドライド薄膜であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  10. 前記Si基板は水素終端処理されたことを特徴とする、請求項9に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  11. 基板の表面に長周期構造を形成する工程と、
    前記基板の前記表面上に前記長周期構造を介して配向性の有機半導体薄膜を形成する工程と、
    を具えることを特徴とする、有機半導体薄膜の作製方法。
  12. 前記長周期構造の周期が、前記有機半導体薄膜の格子サイズの0.4〜2.5倍であることを特徴とする、請求項11に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  13. 前記長周期構造は、前記基板の前記表面を1200℃〜1350℃の温度で3秒から60秒間熱処理による表面再構成によって形成することを特徴とする、請求項11又は12に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  14. 前記長周期構造は、金属原子の蒸着を利用した表面再構成によって形成することを特徴とする、請求項11又は12に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  15. 前記基板はSi基板であり、前記有機半導体薄膜はペリレン-3,4,9,10-テトラカルボキシリックジアンハイドライド薄膜であることを特徴とする、請求項11〜14のいずれか一に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  16. 前記Si基板は7×7の長周期構造を有することを特徴とする、請求項15に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  17. 前記Si基板は水素終端処理されたことを特徴とする、請求項15又は16に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  18. 基板の表面にバッファ層を形成する工程と、
    前記バッファ層上に配向性の有機半導体薄膜を形成する工程と、
    を具えることを特徴とする、有機半導体薄膜の作製方法。
  19. 前記バッファ層の厚さが10nm〜100nmであることを特徴とする、請求項18に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  20. 前記バッファ層はAlN層であることを特徴とする、請求項18又は19に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  21. 前記基板はSi基板であり、前記有機半導体薄膜はペリレン-3,4,9,10-テトラカルボキシリックジアンハイドライド薄膜であることを特徴とする、請求項18〜20のいずれか一に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  22. 前記Si基板は水素終端処理されたことを特徴とする、請求項21に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  23. 基板の表面に複数のドットから構成されるドット構造を形成する工程と、
    前記基板の前記表面上に前記ドット構造を介して配向性の有機半導体薄膜を形成する工程と、
    を具えることを特徴とする、有機半導体薄膜の作製方法。
  24. 前記ドットの大きさを変化させることにより、前記有機半導体薄膜の配向性を制御することを特徴とする、請求項23に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  25. 前記ドットの大きさは10nm〜20nmであることを特徴とする、請求項24に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  26. 前記ドット構造のドット間隔を変化させることにより、前記有機半導体薄膜の配向性を制御することを特徴とする、請求項23〜25のいずれか一に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  27. 前記ドット間隔は10nm〜50nmであることを特徴とする、請求項26に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  28. 前記ドット構造のドット密度を変化させることにより、前記有機半導体薄膜の配向性を制御することを特徴とする、請求項23〜27のいずれか一に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  29. 前記ドット密度は9×10−4/nm〜3×10−2/nmであることを特徴とする、請求項28に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  30. 前記ドット構造におけるドット形状を変化させることにより、前記有機半導体薄膜の配向性を制御することを特徴とする、請求項23〜29のいずれか一に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  31. 前記ドット形状はドーム型又はピラミッド型であることを特徴とする、請求項30に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  32. 前記ドット構造の材質を変化させることにより、前記有機半導体薄膜の配向性を制御することを特徴とする、請求項23〜31のいずれか一に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  33. 前記ドット構造はInAs、InGaAs、GaAs、及びAlGaAsからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、請求項32に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  34. 前記基板はGaAs基板であり、前記有機半導体薄膜はペリレン-3,4,9,10-テトラカルボキシリックジアンハイドライド薄膜であることを特徴とする、請求項23〜33のいずれか一に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  35. 基板の表面に有機半導体薄膜を形成する工程と、
    前記有機半導体薄膜をこの薄膜を構成する材料の蒸発直前の温度でアニール処理する工程と、
    を具えることを特徴とする、有機半導体薄膜の作製方法。
  36. 前記有機半導体薄膜は、前記構成材料の蒸発温度より10℃〜200℃低い温度で前記アニール処理することを特徴とする、請求項35に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  37. 前記アニール処理は1×10−5Torr〜1×10−10Torrの真空雰囲気で行うことを特徴とする、請求項35又は36に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  38. 前記基板はKCl基板であり、前記有機半導体薄膜は銅フタロシアニン薄膜であることを特徴とする、請求項37に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  39. 前記アニール処理は大気中で行うことを特徴とする、請求項35又は36に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
  40. 前記基板は半導体基板であり、前記有機半導体薄膜は銅フタロシアニン薄膜であることを特徴とする、請求項39に記載の有機半導体薄膜の作製方法。
JP2003311715A 2003-09-03 2003-09-03 有機半導体薄膜の作製方法 Pending JP2005079535A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003311715A JP2005079535A (ja) 2003-09-03 2003-09-03 有機半導体薄膜の作製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003311715A JP2005079535A (ja) 2003-09-03 2003-09-03 有機半導体薄膜の作製方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005079535A true JP2005079535A (ja) 2005-03-24

Family

ID=34413204

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003311715A Pending JP2005079535A (ja) 2003-09-03 2003-09-03 有機半導体薄膜の作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005079535A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008027968A (ja) * 2006-07-18 2008-02-07 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 有機分子薄膜の作製方法
WO2012019882A1 (de) * 2010-08-10 2012-02-16 Von Ardenne Anlagentechnik Gmbh Verfahren und verwendung einer vorrichtung zur erzeugung einer schicht eines organischen materials auf einem substrat

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008027968A (ja) * 2006-07-18 2008-02-07 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 有機分子薄膜の作製方法
WO2012019882A1 (de) * 2010-08-10 2012-02-16 Von Ardenne Anlagentechnik Gmbh Verfahren und verwendung einer vorrichtung zur erzeugung einer schicht eines organischen materials auf einem substrat

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zhu et al. High‐performance and reliable lead‐free layered‐perovskite transistors
Jiang et al. High‐performance organic single‐crystal transistors and digital inverters of an anthracene derivative
KR101878750B1 (ko) 알칼리 금속 함유 단일층 그라펜 및 이를 포함하는 전기소자
JP6147277B2 (ja) グラフェンのトップ及びボトム電極を備えたナノワイヤーデバイス及びそのようなデバイスの製造方法
KR101919423B1 (ko) 그래핀 반도체 및 이를 포함하는 전기소자
US7678672B2 (en) Carbon nanotube fabrication from crystallography oriented catalyst
JP4126332B2 (ja) 低抵抗p型単結晶酸化亜鉛およびその製造方法
CN107658212B (zh) 半导体层叠体、半导体装置,以及它们的制造方法
Cui et al. Coaxial Organic p‐n Heterojunction Nanowire Arrays: One‐Step Synthesis and Photoelectric Properties
JP5410773B2 (ja) 分枝状ナノワイヤーおよびその製造方法
CN101643196B (zh) 纳米线、纳米线的生产方法及电子装置
WO2003044838A1 (en) Method of manufacturing high-mobility organic thin films using organic vapor phase deposition
CN102037165A (zh) 在金属氧化物基底上制造纳米结构的方法和薄膜器件
US8202761B2 (en) Manufacturing method of metal oxide nanostructure and electronic element having the same
JP3437195B2 (ja) Mim型電気素子とその製造方法、及びこれを用いた画像表示装置、描画装置
JP4736318B2 (ja) 積層体の製造方法及び有機電界効果トランジスタの製造方法
JP2005079535A (ja) 有機半導体薄膜の作製方法
KR20210109906A (ko) ReS2 박막 형성 방법 및 이를 이용한 광 검출기 형성 방법
JPWO2005091377A1 (ja) 有機薄膜を有する基板及びそれを用いたトランジスタ並びにそれらの製造方法
JP2004087888A (ja) 半球状シリコン微結晶の形成方法
JP3708881B2 (ja) 半導体結晶膜,その製造方法,半導体装置及びその製造方法
JP2012231062A (ja) アセン系化合物を利用した有機薄膜太陽電池
JP2017045974A (ja) ゲルマニウム層の製造方法、ゲルマニウム層、ゲルマニウム層付き基板、ゲルマニウムナノドット、ゲルマニウムナノワイヤ付き基板、積層体、薄膜トランジスタおよび半導体素子
JPWO2019049876A1 (ja) エピタキシャルシリコン薄膜の製造に用いられるシリコン基板及びその製造方法
JP4178619B2 (ja) シリコン層の製造方法および半導体装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070731

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071127