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JP2005074956A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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JP2005074956A
JP2005074956A JP2003311483A JP2003311483A JP2005074956A JP 2005074956 A JP2005074956 A JP 2005074956A JP 2003311483 A JP2003311483 A JP 2003311483A JP 2003311483 A JP2003311483 A JP 2003311483A JP 2005074956 A JP2005074956 A JP 2005074956A
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Naoki Kusuki
直毅 楠木
Yuhei Chiwata
祐平 千綿
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

【課題】フルラインヘッドを備えた画像形成装置において、ラインヘッド固有のノズル飛翔方向異常によるスジ、ムラを低減し得る画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】フルラインヘッド50を有するインクジェット記録装置において、液滴飛翔方向がずれる異常ノズル51Cを検出し、ノズル51Cに隣り合うノズル51Dから打滴されるドットの一部はその大きさが大きい補償ドット103Dを打滴する。補正ドット103Dはドット列120Cとドット列120Dとの間にできる隙間を埋め、該隙間に起因するスジ、ムラを低減できる。補正ドットはノズル51Bから打滴してもよいが、ノズル51Dから補正ドットを打滴した方が、該隙間を補正ドットで埋める面積が大きくなり、より好ましい。
【選択図】 図11

Description

本発明は画像形成装置及び画像形成方法に係り、特に複数の記録素子が一方向に配列されたラインヘッドを用いた画像形成装置の打滴制御技術に関する。
近年、デジタルスチルカメラにより撮影された画像などを印刷記録する記録装置としてインクジェット記録装置(インクジェットプリンター)が普及している。インクジェット記録装置は比較的安価であり、取り扱いが簡単なだけでなく、良好な画質の画像が得られるという利点がある。インクジェット記録装置はヘッドに複数の記録素子を備え、この記録素子からインクの液滴を被記録媒体に吐出しながら記録ヘッドを走査し、記録紙上に画像を1ライン分記録すると被記録媒体を1ライン分搬送し、この工程を繰り返すことにより記録紙上に画像を形成するものである。
インクジェットプリンターには、単尺のシリアルヘッドを用い、ヘッドを被記録媒体の幅方向に走査させながら記録を行うものや、被記録媒体の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いるものがある。ラインヘッドを用いたものでは、記録素子の配列方向と直交する方向に被記録媒体を走査させることで被記録媒体の全面に画像記録を行うことができる。ラインヘッドを用いたプリンターでは短尺ヘッドを走査するキャリッジ等の搬送系が不要となり、また、キャリッジの移動と被記録媒体との複雑な走査制御が不要になる。また、被記録媒体だけが移動するのでシリアルヘッドを用いたプリンターに比べて記録速度の高速化が実現できる。
シリアルヘッドを備えたインクジェット記録装置では、そのヘッドの構造に起因するスジ、ムラが発生し、印字結果に影響を与えることがある。このスジ、ムラを低減させるためにシングリングなどの様々な方法が提案されている。
特許文献1に開示された記録装置及び制御方法では、主走査方向の同じ位置に複数のノズルから記録に使うノズルを選択して記録し、副走査方向に同一ノズルの画素が多数連続しないようにしてスジムラを抑制している。
また、特許文献2に開示されたインクジェット印刷装置の印刷方法では、同一ノズルから打滴されるドットサイズを一定周期又はランダムに変更することにより、スジムラを目立たなくすることを提案している。
特許文献3に開示されたプリンターヘッド、プリンター及びプリンターヘッドの駆動方法では、サーマル型インクジェットヘッドのバブル発生ヒーターをノズル配列方向に2個持たせ、2個のヒーター駆動を制御することで吐出液滴の飛翔方向を変える方式が開示されている。
特開平10−157135号公報 特開2000−326497号公報 特開2002−240287号公報
しかしながら、これまでに提案されている、スジ、ムラを低減させる方法は、その効果が低いと思われるもの、ヘッド等の構造が複雑になるもの、制御負担が大きいものなどがあり、必ずしも好ましい解決方法であるとは言えない。
特許文献1に開示された記録装置及び制御方法では、副走査方向に2列以上ノズル列を配置する必要があり、ノズル数が増大するとういう問題がある。
また、特許文献2に開示されたインクジェット印刷装置の印刷方法では、ドットサイズの変更はノズル駆動を複雑にする。また、この発明ではドットサイズ、ノズル間ピッチ(主走査方向)、打滴密度(副走査方向)の関係を考慮していない。さらに、ノズル間ピッチが小さく、副走査方向の打滴間隔が小さい高密度記録の場合、ドット配置の自由度が大きくなると同時に、近傍のノズルから打滴されたドットの影響度が大きくなるが、これらについて考慮されていないため、最適なムラ抑制方法とは言い難い。また、ドットサイズの変更範囲があまり大きくなく、微小範囲のドットサイズ変更は誤差の関係から精度よく制御できない。
特許文献3に開示されたプリンターヘッド、プリンター及びプリンターヘッドの駆動方法では、ドット位置の高精度を実現し得るか疑問であり、ピエゾインクジェット方式には適用できない。
本発明はこのような事情を鑑みてなされたもので、フルラインヘッドを備えた画像形成装置において、ラインヘッド固有のノズル飛翔方向異常によるスジ、ムラを低減し得る画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために本発明に係る画像形成装置は、被記録媒体の全幅に対応する長さにわたって複数のノズルが配列されたフルライン型の記録ヘッドからなる印字手段と、前記記録ヘッド及び被記録媒体のうち少なくとも一方を前記被記録媒体の幅方向と略直交する方向に搬送して前記記録ヘッドと前記被記録媒体を相対的に移動させる搬送手段と、前記ノズルのうち、吐出させるインク滴の飛翔方向がずれる異常ノズルを検出する異常ノズル検出手段と、前記異常ノズル検出手段により異常ノズルが検出されると、前記異常ノズルに隣り合うノズルから打滴されるドットのうち、少なくとも一部のドットは本来打滴されるべき大きさより大きい補正ドットが記録されるように、前記異常ノズルと隣り合うノズルの打滴制御を行う記録制御手段と、を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、フルラインヘッドを備えたインクジェット記録装置において、異常ノズル検出手段によりインク滴の飛翔方向がずれる異常ノズルを検出し、異常ノズルが検出されると、打滴制御手段により、該異常ノズルと隣り合うドットから打滴されるドットのうち、少なくとも一部のドットは、本来打滴されるべき大きさより大きい補正ドットを打滴するように構成したので、この補正ドットにより、着弾位置がずれているドットを補うことができ、ラインヘッド固有のノズル飛翔方向異常によるスジ、ムラを低減させることができる。
インク滴の飛翔方向のずれは、被記録媒体上のインク滴の着弾位置から検出してもよいし、インク滴を何らかの観測手段を用いて観測して検出してもよい。
また、インク滴の飛翔方向のずれは、被記録媒体の搬送方向と略直交する方向の成分と被記録媒体の搬送方向の成分とを有し、これらの成分のうち少なくとも被記録媒体の搬送方向と略直交する方向の成分があれば、飛翔方向がずれていると認識される。
隣り合うノズルには、物理的に隣に配置されるノズルや、隣接するドットを打滴するなど、物理的な位置関係でなく、隣り合うノズルと同じ機能を有するものを含む。例えば、図5のような、ノズルが2次元的に配列されたマトリクス型のヘッドの場合、「隣り合うノズル」とは、ノズル51-16 が異常ノズルの場合の隣り合うノズルは、ノズル51-15 とノズル51-21 を意味する。
ドットの大きさを大きくすることには、形状を変えずにドットの直径を大きくすること及び、部分的に大きさが大きくなる、すなわち、形状の変化を伴いながらある方向の大きさを大きくすることを含んでいる。
補正ドットは、所定の大きさのドットを打滴する場合と同じ打滴点に打滴される。打滴点とは理論上ドットが置かれる被記録媒体上の位置であり、打滴制御(印字データ)によってはその位置にはドットが打滴されないこともある。
なお、本明細書において「印字」という用語は、文字の形成のみならず、文字を含む広い意味での画像を形成する概念を表すものとする。
「フルライン型の記録ヘッド」は、通常、被記録媒体の搬送方向と直交する方向に沿って配置されるが、搬送方向と直交する方向に対して、ある所定の角度を持たせた斜め方向に沿って記録ヘッドを配置する態様もあり得る。
「被記録媒体」は、記録ヘッドによって印字を受ける媒体(被画像形成媒体)であり、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含む。
「搬送手段」は、停止した(固定された)記録ヘッドに対して被記録媒体を搬送する態様、停止した被記録媒体に対して記録ヘッドを移動させる態様、或いは、記録ヘッドと被記録媒体の両方を移動させる態様の何れをも含む。
また、前記目的を達成するために本発明に係る画像形成装置は、被記録媒体の全幅に対応する長さにわたって複数のノズルが配列されたフルライン型の記録ヘッドからなる印字手段と、前記記録ヘッド及び被記録媒体のうち少なくとも一方を前記被記録媒体の幅方向と略直交する方向に搬送して前記記録ヘッドと前記被記録媒体を相対的に移動させる搬送手段と、前記ノズルのうち、吐出させるインク滴の飛翔方向がずれる異常ノズルを検出する異常ノズル検出手段と、前記異常ノズル検出手段により異常ノズルが検出されると、本来前記異常ノズルから打滴されるドットのうち、少なくとも一部のドットに替えて、本来前記異常ノズルに隣り合うノズルから打滴されるドットをその大きさより大きい補正ドットが打滴されるように、前記異常ノズルと前記異常ノズルに隣り合うノズルとの打滴制御を行う打滴制御手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、異常ノズルが検出されると、本来異常ノズルから打滴されるドットの少なくとも一部のドットに替えて、該異常ノズルに隣り合うノズルから打滴されるドットの大きさを本来の大きさより大きくして打滴するように制御する。したがって、異常ノズルを隣接ノズルでリカバーするので打滴制御演算負荷が少なくてよい。
本発明の一態様によれば、前記異常ノズルから打滴されたドットと前記被記録媒体の搬送方向と略直交する方向に沿った両隣のドットとの間隔を検出し、前記異常ノズルから打滴されたドットとの間隔が広い方のドットを判断するドット間隔検出手段を備え、前記打滴制御手段は、前記ドット間隔検出手段により前記異常ノズルから打滴されたドットとの間隔が広い方のドットが打滴される前記異常ノズルに隣り合うノズルから、前記補正ドットを打滴する制御を行うことを特徴としている。
かかる態様によれば、異常ノズルから打滴されたドットと前記被記録媒体の搬送方向と略直交する方向に隣り合うドットのうち、異常ノズルから打滴されたドットとの間隔が大きいドットを判断し、このドットが打滴されたノズルから打滴されるドットの少なくとも一部は前記補正ドットを打滴するように構成したので、インク滴の飛翔方向ずれによるドット間隙間をリカバーできる隣接ドットの面積が大きくなる。
異常ノズル検出手段とドット間隔検出手段とを兼ねる態様も考えられる。
本発明の他の態様によれば、前記打滴制御手段は、主走査方向の所定範囲内に打滴されたドット総数Nと、前記異常ノズルから前記所定範囲内に打滴されたドット数nとの割合n/Nで定義されるノズル稼働率が0.8以下となるように打滴制御を行うことを特徴としている。
ノズル稼働率が小さくなると、所定の範囲内において異常ノズルから打滴されるドットがより少なくなる。好ましくは、ノズル稼働率が0.66以下になるように制御する態様である。
所定の範囲は、本来の打滴位置を中心(軸)として被記録媒体の搬送方向(副走査方向)に沿ってある長さを有し、前記被記録媒体の搬送方向と略直交する方向(主走査方向)にある幅を持つ領域が好ましい。また、前記主走査方向の幅は主走査方向に並ぶように投影された投影ノズルピッチとする態様がある。
本発明の更に、他の態様によれば、前記打滴制御手段は、前記補正ドットの直径Dnと主走査方向に並ぶように投影されたノズルピッチPtとの関係が、次式1.8×Pt≦Dn≦3.6×Ptを満たすように各ノズルの打滴制御を行うことを特徴としている。
更に、前記ドットの直径DnとノズルピッチPtとの関係が、2.0×Pt≦Dn≦3.0×Ptを満足するように打滴制御を行う態様が好ましい。
複数の補正ドットがある場合には、上述した条件を満たすように、ドットごとにドットの直径を変えてもよい。
ここで、主走査方向に並ぶように投影されたノズルピッチとは、並んでいるノズルを副走査方向に向かって投影し、主走査線上に並ぶように投影されたノズル間隔を意味する。
更に、本発明の他の態様によれば、前記補正ドットは、前記主走査方向に長軸を有する略だ円形状であり、前記補正ドットの長軸の長さDn1と主走査方向に並ぶように投影された投影ノズルピッチPtとの関係が、次式1.8×Pt≦Dn1≦3.6×Ptを満たすように各ノズルの打滴制御を行うことを特徴としている。
正常に打滴された隣接するドットへの影響を最小限にするとともに、異常ノズルから打滴されたドットによる隙間を埋める効果を発揮するためには、補正ドットの形状をだ円とする態様が好ましい。
短軸の長さは、円形状のドットが打滴される際のドットの直径Dnとしてもよいし、他の値を適用してもよい。
また、本発明の更に、他の態様によれば、前記異常ノズル検出手段は、印字結果を読み取る読取手段を備え、前記異常ノズル検出手段は、前記読取手段により読み取られた印字結果から、飛翔方向異常ノズルを検出することを特徴としている。
印字結果は実技プリントでもよいし、テストプリントでもよい。
読取手段には、該プリント画像に光源から光を照射させ、反射光をセンサーで読み取る反射型を適用してもよいし、該プリント画像から透過された光をセンサーで検出する透過型を適用してもよい。
また、本発明は前記目的を達成する方法発明を提供する。すなわち、本発明に係る画像形成装置における画像形成方法は、被記録媒体の全幅に対応する長さにわたって複数のノズルが配列されたフルライン型の記録ヘッドからなる印字手段と、前記記録ヘッド及び被記録媒体のうち少なくとも一方を前記被記録媒体の幅方向と略直交する方向に搬送して前記記録ヘッドと前記被記録媒体を相対的に移動させる搬送手段と、を備えた画像形成装置の画像形成方法であって、前記ノズルのうち、インク滴の飛翔方向がずれる異常ノズルを検出し、検出された異常ノズルに隣り合うノズルから打滴されるドットのうち、少なくとも一部のドットは本来打滴されるべき大きさより大きい補正ドットが打滴されるように、異常ノズルに隣り合うノズルの打滴制御を行うことを特徴としている。
異常ドットから打滴されるドットのうち、補正ドットと主走査方向に同一列上に打滴されるドットは打滴しない態様が好ましい。
本発明によれば、フルラインヘッドを備えた画像形成装置において、インク液滴の飛翔方向がずれる異常ノズルを検出し、該異常ノズルに隣り合うノズルより打滴されるドットの少なくとも一部のドットを所定の大きさより大きな補正ドットとし、該異常ノズルにより打滴されたドットの主走査方向への位置ずれを隣接するドットにより補うように打滴制御を行うので、ラインヘッド固有のノズル飛翔方向異常によるスジ、ムラを低減することができる。
また、異常ノズルによるドットを隣接ノズルから打滴される補正ドットでカバーするので打滴制御演算負荷が少なくてよく、シングリングのためのノズル数の増加が不要である。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示したように、このインクジェット記録装置10は、インクの色ごとに設けられた複数の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラー31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラー31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバー34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラー31、32の少なくとも一方にモータ(図1中不図示,図7中符号88として記載)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1上の時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラー線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラー・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラーが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹き付け、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙搬送方向と直交方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。詳細な構造例は後述するが(図3乃至図5)、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yは、図2に示したように、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の搬送方向(以下、紙搬送方向という。)に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K,12C,12M,12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色ごとに設けられてなる印字部12によれば、副走査方向について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち1回の走査で)、記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが主走査方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは不図示の管路を介して各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサー(ラインセンサー等)を含み、該イメージセンサーによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサーで構成される。このラインセンサーは、赤(R)の色フィルターが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサー列と、緑(G)の色フィルターが設けられたGセンサー列と、青(B)の色フィルターが設けられたBセンサー列と、からなる色分解ラインCCDセンサーで構成されている。なお、ラインセンサーに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサーを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定などで構成される。吐出検出の詳細については後述する。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のぺーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り替える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成される。
また、図1には示さないが、本画像の排出部26Aには、オーダ別に画像を集積するソーターが設けられる。
次に、印字ヘッドの構造について説明する。インク色ごとに設けられている各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを示すものとする。
図3(a)は印字ヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図3(b)はその一部の拡大図である。また、図4はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図3中4−4線に沿う断面図)である。記録紙面上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、印字ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例の印字ヘッド50は、図3及び図4に示したように、インク滴が吐出するノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリックス状に配置させた構造を有し、これにより見かけ上のノズルピッチの高密度化を達成している。
各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51と供給口54が設けられている。各圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。
圧力室52の天面を構成している加圧板56には個別電極57を備えたアクチュエータ58が接合されており、個別電極57に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ58が変形してノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
かかる構造を有する多数のインク室ユニット53を図5に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向とに沿って一定の配列パターンで格子状に配列させた構造になっている。主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなる。
すなわち、主走査方向については、各ノズル51(51-11 、51-12 、51-13 、51-14 、51-15 、51-16 、…)が一定のピッチPtで単一直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度の単ラインノズル配列を実現することが可能になる。以下、説明の便宜上、ヘッドの長手方向(主走査方向)に沿って各ノズル51が一定の間隔(ピッチPt)で直線状に配列されているものとして説明する。
なお、用紙の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、用紙の幅方向(用紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン又は1個の帯状を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図5に示すようなマトリクスに配置されたノズル51を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。即ち、ノズル51-11 、51-12 、51-13 、51-14 、51-15 、51-16 を1つのブロックとし(他にはノズル51-21 、…、51-26 を1つのブロック、ノズル51-31 、…、51-36 を1つのブロック、…として)記録紙16の搬送速度に応じてノズル51-11 、51-12 、…、51-16 を順次駆動することで記録紙16の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと用紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン又は1個の帯状の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ58の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾ方式に代えて、ヒーターなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
図6はインクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。
インク供給タンク60はインクを供給するための基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。インク供給タンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。なお、図6のインク供給タンク60は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。
図6に示したように、インク供給タンク60と印字ヘッド50の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルター62が設けられている。フィルター・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図6には示さないが、印字ヘッド50の近傍又は印字ヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル51の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル51面の清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。
これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によって印字ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示せぬ昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル面をキャップ64で覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまう。このような状態になると、アクチュエータ58が動作してもノズル51からインクを吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(アクチュエータ58の動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)アクチュエータ58を動作させ、その劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)を排出すべくキャップ64(インク受け)に向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き)が行われる。
また、印字ヘッド50内のインク(圧力室52内)に気泡が混入した場合、アクチュエータ58が動作してもノズルからインクを吐出させることができなくなる。このような場合には印字ヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室52内のインク全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。したがって、インクの粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構(ワイパー)により印字ヘッド50のインク吐出面(ノズル板表面)に摺動可能である。ノズル板にインク滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル板に摺動させることでノズル板表面を拭き取り、ノズル板表面を清浄する。なお、該ブレード機構によりインク吐出面の汚れを清掃した際に、該ブレードによってノズル51内に異物が混入することを防止するために予備吐出が行われる。
図7はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータードライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピューター86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピューター86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータードライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピューター86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒーター89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示にしたがってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータードライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって後乾燥部42等のヒーター89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介して印字ヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図7において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、画像メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して一つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのアクチュエータを駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印字検出部24は、図1で説明したように、ラインセンサー24A(図1では不図示)を含むブロックであり、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供する。
プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいて印字ヘッド50に対する各種補正を行う。
なお、図1に示した例では、印字検出部24が印字面側に設けられており、ラインセンサー24A(図1では不図示)の近傍に配置された冷陰極管などの光源(不図示)によって印字面を照明し、その反射光をラインセンサー24Aで読み取る構成になっているが、本発明の実施に際しては、図8に示すように、記録紙16の搬送路を挟んでラインセンサー24Aと光源92とを対向して配置し、記録紙16の裏側(インク打滴面の反対側)から光源92の光を照射して、その透過光量をラインセンサー24Aによって読み取る構成も可能である。図8に示した透過型検出の構成は、反射型検出の構成と比較して、ラインセンサー24Aによって取り込む像のボケを少なくできるという利点がある。
ただし、透過型の場合、反射型よりもラインセンサー24Aへの入射光量が少なくなる。また、反射型においても入射光量が少ない場合が想定される。何れにしても、ラインセンサー24Aへの入射光量が少ないと十分な検出信号が得られなくなるが、ラインセンサー24Aによる画像読み取りの際に、紙送り方向の解像度は要求されないため、ラインセンサー24Aの電荷蓄積時間を長くするか、或いは読み取りデータを紙送り方向に積分することによって対応できる。
また、ラインセンサー24Aの読み取り開始タイミングは、ラインセンサー24Aとノズル51との間の距離及び記録紙16の搬送速度から決定される。
〔液滴飛翔方向のバラツキによる問題点〕
図9、図10を用いて、液滴飛翔方向のバラツキによる問題点を説明する。
ノズル51の製造上のバラツキ(位置のバラツキ、吐出口の加工バラツキ等)、ノズル51の吐出口付近に付着した異物(汚れ)やインクの物性(粘度等)が不均一になるなど様々な原因によって、ノズル51から吐出される液滴の飛翔方向にバラツキが起こることがある。これがスジ、ムラとなって視認され、印字品質を落とすことにつながり得る。
図9には、従来技術において、ノズル51からの吐出液滴のバラツキが全くない仮想的なモデル(印字結果)を示している。図9は、印字ヘッド50及びノズルの一部(符号51A、51B、51C、51D、51E)を示し、記録紙16上にベタ印刷を行った場合のドット100を示している。
図9において、ノズル50Aから打滴されるドットを、図9の上から100A、101A、102A、…、とし、ノズル50Bから打滴されたドットを、図9の上から100B、101B、…、ノズル50Cから打滴されたドットを、図9の上から100C、101C、…、ノズル50Dから打滴されたドットを、図9の上から100D、101D、…、ノズル50Eから打滴されたドットを、図9の上から100E、101E、…、とする。
ノズル51は主走査方向にピッチPtで等間隔に配列されており、ノズル51から打滴されたドット100は理論上の打滴位置にマトリクス状に整列されている。言い換えると、ドット100は、主走査方向にピッチPt、紙搬送方向に所定の打滴ピッチで配列されている。また、ノズルの主走査方向のピッチPt及びドットの直径(ドット径)Dは解像度によって決められる。
なお、符号112に示した領域は、後述するノズル稼働率を求める際に用いる液滴飛翔方向にバラツキを持つノズルの主走査幅を示し、図9では、ノズル51Cにより打滴されたドット100C、101C、…の中心を結んだ線110Cを軸とした、幅Ptの領域を主走査幅112としている。
以後、図9と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図10には、ノズル51Cの液滴飛翔方向がばらつき、ノズル51Cにより打滴され、紙搬送方向に配列されたドット列120Cが、ノズル51Bのより打滴され、紙搬送方向に配列されたドット列120B側にシフトする傾向を有する場合を示している。図10に示したΔPtはノズル配列方向におけるドット列120Cのずれ量(異常ノズルの打滴位置オフセット量)示している。
この結果、ドット列120C、とノズル51Dにより打滴され、紙搬送方向に配列されたドット列120Dとの間隔が所定の間隔より大きくなる場合、又は、本来間隔が空かない部分に間隔が空く場合には、印字結果に紙搬送方向に白抜けとなるスジムラが発生することがある。
上述したように、主走査方向に液滴飛翔方向がシフトすると、紙搬送方向(副走査方向)のスジムラが発生することがある。このように、液滴飛翔方向のずれがスジやムラとなり、印字品質の低下を招く恐れがある。もちろん、主走査方向の成分を有する方向に液滴飛翔方向がシフトした場合にも、副走査方向に沿ったスジムラが起こることがあり得る。
〔液滴飛翔方向のバラツキによる問題の解決方法〕
次に、上述した問題点を解決するための打滴制御について説明する。
図11は、図9に示したノズル51Cの液滴飛翔方向がばらつき、ドット列120Cがドット列120B側へシフトする傾向を有する場合(図10)の解決方法の一例を示している。
まず、液滴飛翔方向にバラツキがある異常ノズルを検出する。これは図8に示したラインセンサ−24Aにより、各ノズル51により打滴されたドット100の位置を検出し、紙搬送方向に配列された列ごとに理論上の位置とのずれ量を求める。このずれ量が主走査方向に所定の量以上になっているドット列を特定し、該ドット列を打滴したノズルを異常ノズルとする。
ラインセンサ−24Aによるドット100の位置の検出は、全ドットについて行ってもよいし、所定のサンプリング間隔ごとに行ってもよい。所定のサンプリング間隔は時間でもよいし、ドット数でもよい。1つのドットから異常ノズルを検出してもよいが、誤検出を防ぐためには、複数のドットを対象にした検出を行うことが好ましい。
また、ドット100の位置の検出は、テストプリントで行ってもよいし、実技プリントで行ってもよい。テストプリントでドット位置の検出を行う場合には、ドット位置を検出するための工程を設ける必要があり、一方、実技プリントでドット位置の検出を行う場合には、異常ノズルに対する対策は該異常ノズルを特定した後になり、1画像内に、異常ノズルに対する対策を施されていない領域と、異常ノズルに対する対策を施された領域とが存在し得る。
また、異常ノズルの検出は、毎プリントごとに行ってもよいし、所定の稼働時間ごとに行ってもよい。また、所定のプリント数(プリント枚数)ごとに行う態様も考えられる。
具体的には、図10において、ドット列120Cが本来打滴される位置からドット列120B側へ所定の量以上ずれていることをラインセンサー24Aにより検出されると、ドット列120Cを打滴したノズル51Cを異常ノズルとする。
本実施形態では、実際に打滴されたドットの位置から異常ノズルを検出する態様を例示したが、レーザー光等を用いた非接触型の検出手段を用いて、インク滴の飛翔を観察し、液滴飛翔方向が所定の量以上ずれているノズルを検出してもよい。また、これ以外の方法を用いることも可能である。
上述したように異常ノズルが検出されると、異常ノズルと主走査方向に隣り合うノズルから打滴されるドットのうち、少なくとも一部のドットの大きさ(直径)を大きくした補正ドットが打滴される。補正ドットの打滴点(理論上の打滴位置)は本来の大きさのドットが打滴される位置と同一である。
図11において、異常ノズル51Cと主走査方向に隣り合うノズル51Dから前述した補正ドット103Dを打滴すると、補正ドット103Dはドット列120Cとドット列120Dとの間にできた隙間を埋める作用をする。ここで、補正ドット103Dは、その直径DnがPtの3倍になるドットである。
図11に示したとおり、ドット列120Cとドット列120Dとの間にできた隙間の一部を補正ドット103Dによって埋めている。この場合、ドット列120Cのドット103Cは打滴してもよい。一方、濃度又は階調表現に応じて、異常ノズル51Cから本来打滴されるドットの一部であるドット103Cに替えて(ドット103Cは打滴しない)、異常ノズル51Cに隣り合うノズル51Dから本来打滴されるドット径より大きいドット103Dを打滴してもよい。ドット103Cが本来置かれる領域は、ほぼ補正ドット103Dによって補われており、したがって、ドット103Cを打滴しなくてもよい。
同様に、補正ドット103Dに隣接し、補正ドット103Dによってほぼ被われるドット(例えば、ドット102D、104D、103E)は、濃度又は階調表現に応じて打滴してもよいし、打滴しなくてもよい。
本実施形態では、液滴飛翔方向のズレによる印字結果への影響を判断する指標として、液滴飛翔方向にバラツキがあるノズルのノズル稼働率(以下、単にノズル稼働率と記載)を適用している。ノズル稼働率ηは、液滴飛翔方向にバラツキがあるノズルによって本来打滴されるドットの中心を結んだ直線(図11の符号130)を中心線とした走査幅Ptの主走査幅102内において、実際に形成されたドットの総数Nに対する当該ノズルから打滴されたドットの合計数nの割合で表され、次式〔数1〕のとおり定義される。なお、主走査幅102内に存在するドットとは、少なくともドットの一部が主走査幅102内に入っているドットを示す。
[数1]
η=n/N
図10において、ノズル51Cのノズル稼働率ηを求めると、ノズル51Cの主走査幅102内のドット総数は8、ノズル51Cから打滴されたドット数は8であり、〔数1〕から主走査幅102内のドット稼働率ηは1と求められる。
一方、図11においてノズル51Cのノズル稼働率ηを求めると、主走査幅102内のドット総数は8、ノズル51Cから打滴されたドット数は7であり、〔数1〕から主走査幅102内のノズル稼働率ηは0.875となる。
ノズル稼働率ηが低い場合には、印字結果への影響が少ないことを示し、ノズル稼働率ηが高い場合には、スジ、ムラなど印字結果への影響が起こり易いことを示している。
例えば、ノズル51Cの主走査幅102内に形成されたドットのうち、ノズル51Cから打滴されたドット100C、101C、…がより多く存在するとドット列120Cとドット列120Dとの間に隙間ができる。一方、ノズル51Cの主走査幅102内に形成されたドットのうち、ノズル51Cから打滴されたドットが他のノズル(例えば、ノズル51D)から打滴された補正ドット103Dによって置き換えられると、図11に示したように、ドット列120Cとドット列120Dとの間の隙間が目立たなくなる。
図12は、図11に示した態様よりノズル稼働率を低くする(改善する)態様を示している。図11に示した態様に比べて、主走査幅102内においてノズル51Dから打滴される補正ドットを増やしている。
具体的には、ドット列120Dにおいて、ドット101D及び106Dは、補正ドットであり、その直径DnはPtの3倍である。一方、ドット列120Cでは、ドット101D及びドット106Dにより補われ、ドット列120C内のドットのうち、図12の上から2番目のドットと図13の上から7番目のドットが打滴されないように制御される。
図12において、〔数1〕からノズル51Cのノズル稼働率を求めると、ノズル51Cの主走査幅102内のドット総数は8、ノズル51Cから打滴されたドット数は6であり、〔数1〕から主走査幅102内のドット稼働率ηは0.75となる。したがって、図12に示した態様は、図11に示した態様に比べてさらに印字結果への影響を改善していると言える。
図13は、ドットシュミレーション解析における、サンプルの官能評価でムラの判定を行った結果を示した表である。図13中、異常ノズルの打滴位置オフセット量とは、図10に示したΔPtと同一である。図13では、項目に示した各項目において設定条件に示した条件下で、スジ、ムラの視認性を評価している。
図13によると、液滴飛翔方向にバラツキがあるノズルのノズル稼働率ηが0.8(補正ドットの頻度が5回に1回の場合)及び0.75では、(補正ドットの頻度が4回に1回の場合)では、ムラ視認性が低く(評価○)、ノズル稼働率0.66(補正ドットの頻度が3回に1回の場合)では更にムラ視認性が低い(評価◎)。
したがって、ムラ視認性を低くするためには、ノズル稼働率が0.8以下であることが好ましく、更に好ましくはノズル稼働率が0.66以下である。なお、図13ではベタ画像を印字したが、ドット面積が70%から80%程度の高濃度領域でも、図13と同様の評価結果が得られる。
また、ドット列120Cの位置ずれを補うために、ドット列120Cに隣接するドット列のうち、ドット列120Dと反対側のドット列120Bのドットを補正ドットに用いてもよい。
図14には、ドット列120Cとドット列120Dとの隙間を埋めるために、ドット列120Bのドットを用いた態様を示す。
ノズル51Bから打滴されるドット106Bと、ノズル51Dから打滴されるドット101Dとを補正ドットとして打滴し、ドット列120Cとドット列120Dとの間の隙間を埋める作用をしている。補正ドット106B及び101Dの直径は図12に示した態様と同じくPtの3倍である。
図14において、ノズル51Cのノズル稼働率ηを求めると、図12に示した態様と同じく0.75になる。
ここで、図12と図14とを比較すると、図14に比べて図12は、ドット列120Cとドット列120Dとの間の隙間がより多く埋められている。一方、図12と図14とのノズル51Cのノズル稼働率ηを求めると、共に0.75であり、同じである。
すなわち、ノズル51Cにおいて、ノズル51Cにより打滴されたドット列120Cが隣接するドット列120B及び120Dのうち、紙搬送方向に沿ったドット列の間隔が広い方のドット列120D内のドットを用いて、ドット列120Cとドット列120Dとの隙間を埋める態様が好ましい。すなわち、ドット列120Cの位置ずれを補うには、ドット列120D内の少なくとも一部のドットを補正ドットとして打滴することが好ましい。
図15は、補正ドットの直径DnをPtの2倍とし、さらに補正ドットの数を増やした態様を示している。
ここで、補正ドットの好ましい大きさ(直径)について説明する。
ノズル51Cの主走査幅102の走査幅Ptを、隣接するドット列120D(ドット列120B)により完全に被うためには、走査幅Pt、補正ドットの直径をDnとしたときに次式〔数2〕を満足すればよい。
[数2]
Dn>3×Pt
ここで、20%の余裕を見越すと、Dnは次式〔数3〕を満たせばよい。
[数3]
Dn>3.6×Pt
一方、ノズル51Cの主走査幅102の走査幅Ptの少なくとも半分を、隣接するドット列120Dのドットにより被うためには、隙間を埋めるドットの直径Dnは次式〔数4〕を満足すればよい。
[数4]
Dn<2×Pt
ここで、10%の余裕を見越すと、Dnは次式〔数5〕を満たせばよい。
[数5]
Dn>1.8×Pt
すなわち、ドット列120Cとドット列120Dとの間の隙間をドット列120D内のドットで埋める場合には、ドット列120D内の補正ドットの直径が次式〔数6〕を満たせばよい。
[数6]
1.8×Pt>Dn>3.6×Pt
ノズル51が理想的に液滴の吐出ができれば、Dnに誤差を見込む必要はないが、実際にはノズル製作上のバラツキや液滴吐出制御の誤差により、液滴飛翔方向にはバラツキが存在し、各ドット100の位置はこのバラツキに対応した誤差の分ずれた位置に打滴される。
したがって、上述したドット列120Dの位置の誤差を考慮して、Dnには10%又は20%の余裕を見越している。
ただし、余裕を見越すことは、必要以上に大きなドットを打滴したり、該隙間を埋める効果が低い小さなドットを打滴したりすることになる可能性があり、余裕はなるべく考慮しないで済むことが好ましい。したがって、次式〔数7〕を満たす態様がさらに好ましい。
[数7]
2×Pt>Dn2>3×Pt
なお、ドット径Dnの制御は、例えば、ピエゾ式のアクチュエータの場合、ピエゾ(圧電素子)を駆動する波形を変えることで可能である。
図16は、ヘッド50内のノズル配列方向が、主走査方向とある角度をなす態様を示している。
図10乃至図15では、説明を簡単にするために主走査方向に沿った方向にノズル51が配列された態様を示したが、記録媒体上のドット密度を大きくするためにはノズル51を主走査方向に高密度化する必要があり、これを実現するノズル配列は図16に示すようになっている。
図15に示した態様では斜めに配列されたノズルを主走査方向に並ぶように投影された仮想ノズル140におけるノズルピッチPtがノズルピッチと定義される。
上記の如く構成されたインクジェット記録装置10は、ドット列120D内の少なくとも一部のドットのドット径を通常より大きい補正ドットにすることで、ドット列120Cとドット列120Dとの間の隙間を埋めることができる。補正ドットによって、ドット列120Cの位置ずれを補い、スジ、ムラの発生を低減することができ得る。
液滴飛翔方向のズレによる印字結果への影響を判断する指標として、液滴飛翔方向にバラツキがあるノズルのノズル稼働率を適用している。該ノズル稼働率は走査幅内102の総ドット数Nに対する液滴飛翔方向にバラツキがある異常ノズル51Cから打滴されたドットの数nの割合で表される。このノズル稼働率が小さくなるとドット列120Cとドット列120Dとの隙間を埋める効果が高いことを示し、ノズル稼働率が0.8以下となることが好ましい。さらに好ましくは、ノズル稼働率が0.66以下になることである。
また、補正ドット(例えば、図11の符号103D)の直径は、主走査方向のドット間隔(主走査方向に並ぶように投影されたノズルピッチ)の1.8倍以上3.6倍以下であることが好ましい。前記条件は10%又は20%の余裕を見越しているので、より好ましくは、該ドットの直径は主走査方向のドット間隔の2倍以上3倍以下となる。
〔応用例〕
次に、図16を用いて、上述した液滴飛翔方向のバラツキによる問題の解決方法の応用例を説明する。
ドット列120D内の、補正ドット101D、104D及び106Dの形状を円形状から主走査方向に長軸を有するだ円形状にする。
すなわち、ドット101D、104D及び106Dは、走査方向に長軸、紙搬送方向に短軸を有し、短軸の長さDn1は通所の円形ドットの直径Dnであり、長軸の長さDn2は次式〔数8〕に示した条件を満足する。
[数8]
(1.8×Pt)>Dn2>(3.6×Pt)
さらに、長軸の長さは次式〔数9〕を満足することが好ましい。これは、円形上のドットが〔数7〕を満たす条件と等しい。
[数9]
(2×Pt)>Dn2>(3×Pt)
ドット形状をだ円形状にするには、ノズル51(オリフィス)内壁の円周方向の温度分布を持たせるように加熱制御することで実現可能である。
補正ドット(例えば、図11の符号103D)の形状が円形状であると、これに隣接し、正常位置の打滴されたドット(例えば、図11のドット102D、104D、103E)を被ってしまい、この部分では本来の印字結果と異なる印字結果となり得る。したがって、補正ドットの形状を、主走査方向に長軸を有するだ円形状にすると、ドット列120Cの位置ずれを補うとともに、これ隣接し、正常に打滴されている他のドットへ与える影響を減少させることができる。
本実施形態では、だ円形状を例示したが、もちろん他の形状を適用してもよい。ただし、ノズル(吐出口)の形状を変えることなく、円形状のドットと他の形状のドットを打滴することができなければならない。
本発明の適用範囲はインクジェット記録装置に限定されず、ラインヘッドを有する熱転写記録装置、LED電子写真プリンタ、LEDライン露光ヘッドを有する銀塩写真方式プリンタなどにも適用可能である。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図 図1に示したインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 印字ヘッドの構造例を示す平面透視図 図3中4−4線に沿う断面図 図3に示した印字ヘッドのノズル配列を示す拡大図 本実施形態に係るインクジェット記録装置におけるインク供給系の構成を示した概要図 本実施形態に係るインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 照明用光源の他の配置例を示す図 従来技術における理想的に打滴されたドットを説明する図 従来技術における実際に打滴されたドットを説明する図 図10に示した従来技術の問題点の解決方法を説明する図 図11に示した解決方法のさらに好ましい態様を説明する図 ノズル稼働率と印字結果との関係を示す表 図11に示した解決方法の他の態様を説明する図 図14に示した解決方法のさらに好ましい態様を説明する図 図15に示した態様において実際のノズル配列を示した図 図15に示した態様の変形例を説明する図
符号の説明
10…インクジェット記録装置、16…記録紙、22…吸着ベルト搬送部、24…印字検出部、24A…ラインセンサー、50…ヘッド、51…ノズル、58…アクチュエータ、72…システムコントローラ、80…プリント制御部、101D,103D,104D,106D,106B…補正ドット

Claims (8)

  1. 被記録媒体の全幅に対応する長さにわたって複数のノズルが配列されたフルライン型の記録ヘッドからなる印字手段と、
    前記記録ヘッド及び被記録媒体のうち少なくとも一方を前記被記録媒体の幅方向と略直交する方向に搬送して前記記録ヘッドと前記被記録媒体を相対的に移動させる搬送手段と、
    前記ノズルのうち、吐出させるインク滴の飛翔方向がずれる異常ノズルを検出する異常ノズル検出手段と、
    前記異常ノズル検出手段により異常ノズルが検出されると、前記異常ノズルに隣り合うノズルから打滴されるドットのうち、少なくとも一部のドットは本来打滴されるべき大きさより大きい補正ドットが記録されるように、前記異常ノズルと隣り合うノズルの打滴制御を行う記録制御手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 被記録媒体の全幅に対応する長さにわたって複数のノズルが配列されたフルライン型の記録ヘッドからなる印字手段と、
    前記記録ヘッド及び被記録媒体のうち少なくとも一方を前記被記録媒体の幅方向と略直交する方向に搬送して前記記録ヘッドと前記被記録媒体を相対的に移動させる搬送手段と、
    前記ノズルのうち、吐出させるインク滴の飛翔方向がずれる異常ノズルを検出する異常ノズル検出手段と、
    前記異常ノズル検出手段により異常ノズルが検出されると、本来前記異常ノズルから打滴されるドットのうち、少なくとも一部のドットに替えて、本来前記異常ノズルに隣り合うノズルから打滴されるドットをその大きさより大きい補正ドットが打滴されるように、前記異常ノズルと前記異常ノズルに隣り合うノズルとの打滴制御を行う打滴制御手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記異常ノズルから打滴されたドットと前記被記録媒体の搬送方向と略直交する方向に沿った両隣のドットとの間隔を検出し、前記異常ノズルから打滴されたドットとの間隔が広い方のドットを判断するドット間隔検出手段を備え、
    前記打滴制御手段は、前記ドット間隔検出手段により前記異常ノズルから打滴されたドットとの間隔が広い方のドットが打滴される前記異常ノズルに隣り合うノズルから、前記補正ドットを打滴する制御を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
  4. 前記打滴制御手段は、主走査方向の所定範囲内に打滴されたドット総数Nと、前記異常ノズルから前記所定範囲内に打滴されたドット数nとの割合n/Nで定義されるノズル稼働率が0.8以下となるように打滴制御を行うことを特徴とする請求項1、2又は3記載の画像形成装置。
  5. 前記打滴制御手段は、前記補正ドットの直径Dnと主走査方向に並ぶように投影された投影ノズルピッチPtとの関係が、次式
    1.8×Pt≦Dn≦3.6×Pt
    を満たすように各ノズルの打滴制御を行うことを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記補正ドットは、主走査方向に長軸を有する略だ円形状であり、前記補正ドットの長軸の長さDn1と主走査方向に並ぶように投影された投影ノズルピッチPtとの関係が、次式
    1.8×Pt≦Dn1≦3.6×Pt
    を満たすように各ノズルの打滴制御を行うことを特徴とする請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記異常ノズル検出手段は、印字結果を読み取る読取手段を備え、
    前記異常ノズル検出手段は、前記読取手段により読み取られた印字結果から、飛翔方向異常ノズルを検出することを特徴とする請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の画像形成装置。
  8. 被記録媒体の全幅に対応する長さにわたって複数のノズルが配列されたフルライン型の記録ヘッドからなる印字手段と、前記記録ヘッド及び被記録媒体のうち少なくとも一方を前記被記録媒体の幅方向と略直交する方向に搬送して前記記録ヘッドと前記被記録媒体を相対的に移動させる搬送手段と、
    を備えた画像形成装置の画像形成方法であって、
    前記ノズルのうち、インク滴の飛翔方向がずれる異常ノズルを検出し、検出された異常ノズルに隣り合うノズルから打滴されるドットのうち、少なくとも一部のドットは本来打滴されるべき大きさより大きい補正ドットが打滴されるように、異常ノズルに隣り合うノズルの打滴制御を行うことを特徴とする画像形成方法。
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